JP2017141029A - テープ巻き装置 - Google Patents

テープ巻き装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017141029A
JP2017141029A JP2016021709A JP2016021709A JP2017141029A JP 2017141029 A JP2017141029 A JP 2017141029A JP 2016021709 A JP2016021709 A JP 2016021709A JP 2016021709 A JP2016021709 A JP 2016021709A JP 2017141029 A JP2017141029 A JP 2017141029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tape
tape winding
rotation axis
winding device
toothless gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016021709A
Other languages
English (en)
Inventor
智 遠藤
Satoshi Endo
智 遠藤
英昭 伊藤
Hideaki Ito
英昭 伊藤
誠 野方
Makoto Nogata
誠 野方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Ritsumeikan Trust
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Ritsumeikan Trust
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd, AutoNetworks Technologies Ltd, Ritsumeikan Trust, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2016021709A priority Critical patent/JP2017141029A/ja
Priority to PCT/JP2017/002872 priority patent/WO2017138368A1/ja
Publication of JP2017141029A publication Critical patent/JP2017141029A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65BMACHINES, APPARATUS OR DEVICES FOR, OR METHODS OF, PACKAGING ARTICLES OR MATERIALS; UNPACKING
    • B65B27/00Bundling particular articles presenting special problems using string, wire, or narrow tape or band; Baling fibrous material, e.g. peat, not otherwise provided for
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • H01B13/012Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables for manufacturing wire harnesses
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • H01B13/22Sheathing; Armouring; Screening; Applying other protective layers
    • H01B13/26Sheathing; Armouring; Screening; Applying other protective layers by winding, braiding or longitudinal lapping

Abstract

【課題】作業負担を軽減しつつ、狭い空間に配索された長尺部材に対するテープ巻き作業を行う。
【解決手段】テープ巻き装置は、二重ラックと、二重ラックと噛み合う欠歯歯車と、欠歯歯車の径方向に沿って回転軸側に延在し、回転軸方向に延在する長尺部材を回転軸までテープとともに挿通可能である溝構造と、二重ラックと噛み合う他の欠歯歯車と、二重ラックをその延在方向に移動可能に支持する支持部材と、支持部材に固定され、他の欠歯歯車を自転させるモータと、を備える。溝構造は、長尺部材が回転軸まで挿入された状態で、回転軸に対して開口と反対側への当該長尺部材の移動を規制可能な底壁と、当該移動の方向と回転軸方向との双方の方向に直交する方向への当該長尺部材の移動を規制可能な一対の側壁とを備えるとともに、テープとともに回転軸まで挿入された長尺部材の周囲を底壁が旋回するように回転軸を中心として欠歯歯車と一体的に回転可能である。
【選択図】図14

Description

本発明は、ワイヤーハーネス等の長尺部材の外周にテープを巻き付けるためのテープ巻き装置に関する。
テープ巻き作業に要する人手を省くためのテープ巻き装置として、特許文献1には、テープが巻き付けられる線材の挿通孔を回転中心に有する円盤状のローターと、ローターに取り付けられ、ローターとともに線材の周囲を回転可能なテープロール保持部を備えるテープ巻装置が開示されている。この装置は、駆動手段によって、ローターをテープロール保持部とともに線材の周囲を周方向に回転させることによって、テープロール保持部に保持されたテープロールからテープを引き出しつつ線材の周囲にテープを巻き付ける。
特開平6−183414号公報
しかしながら、特許文献1のテープ巻き装置には、テープロールをローターとともに線材の周囲に回転させる構造を有するために装置の寸法が大きくなり、狭い空間に配索された線材に対するテープ巻作業が困難になるといった問題がある。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、作業負担を軽減しつつ、狭い空間に配索された線材に対するテープ巻き作業を行うことができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために第1の態様に係るテープ巻き装置は、二重ラックと、前記二重ラックに噛み合い、回転軸を中心に自転しつつ前記二重ラックの延在方向に沿って前記二重ラックに対して相対的に往復移動可能な欠歯歯車と、前記回転軸に対向する開口を有して前記欠歯歯車の径方向に沿って前記回転軸側に延在し、前記回転軸方向に延在する長尺部材を前記開口から前記回転軸までテープとともに挿通可能である溝構造と、前記二重ラックに噛み合い、他の回転軸を中心に自転しつつ前記二重ラックの延在方向に沿って相対的に往復移動可能な他の欠歯歯車と、前記二重ラックをその延在方向に沿って移動可能に支持する支持部材と、前記支持部材に固定され、前記他の欠歯歯車を前記他の回転軸周りに自転させるモータと、を備え、前記溝構造は、前記長尺部材が前記回転軸まで挿入された状態で、前記回転軸に対して前記開口と反対側への当該長尺部材の移動を規制可能な底壁と、当該移動の方向と前記回転軸方向との双方に直交する方向への当該長尺部材の移動を規制可能な一対の側壁とを備えるとともに、テープとともに前記回転軸まで挿入された前記長尺部材の周囲を前記底壁が旋回するように前記回転軸を中心として前記欠歯歯車と一体的に回転可能である。
第2の態様に係るテープ巻き装置は、第1の態様に係るテープ巻き装置であって、前記欠歯歯車とともに同軸で回転可能であるとともに、前記欠歯歯車の前記回転軸に沿って前記欠歯歯車の外側に向けて突出するように前記欠歯歯車に連結された柱状部材をさらに備え、前記柱状部材には、その外周面に開口する外周面開口を有して前記回転軸側に延在するとともに、前記柱状部材を前記回転軸方向に沿って貫通し、前記溝構造の少なくとも一部をなす切欠部が設けられている。
第3の態様に係るテープ巻き装置は、第2の態様に係るテープ巻き装置であって、前記回転軸に直交する方向に沿った前記柱状部材の長さが、前記二重ラックの間隔よりも長い。
第4の態様に係るテープ巻き装置は、第3の態様に係るテープ巻き装置であって、前記二重ラックの延在方向に沿って前記他の欠歯歯車と一体的に移動可能なように前記他の欠歯歯車に取り付けられ、テープを巻取り収容したテープロールを保持可能なテープホルダーをさらに備え、前記テープホルダーは、前記他の欠歯歯車に対して前記柱状部材と同じ側に突出し、前記他の回転軸を中心軸とするともに、前記テープロールの円筒状の芯材に挿通可能な軸部材と、前記軸部材を横切るように前記軸部材に取り付けられ、前記他の欠歯歯車よりも大径の板状部材と、を備え、前記板状部材は、その外周面と前記柱状部材の外周面とが互いに当接可能なように前記軸部材に取り付けられている。
第5の態様に係るテープ巻き装置は、第4の態様に係るテープ巻き装置であって、前記欠歯歯車と、前記他の欠歯歯車とが互いに逆方向に回転するようにそれぞれの歯列が設けられている。
第6の態様に係るテープ巻き装置は、第1から第5の何れか1つの態様に係るテープ巻き装置であって、前記長尺部材が前記テープとともに前記溝構造に挿入された状態で前記溝構造が前記欠歯歯車とともに回転を開始することによって前記テープを切断可能な刃を、前記溝構造の前記開口にさらに備える。
第7の態様に係るテープ巻き装置は、第1から第6の何れか1つの態様に係るテープ巻き装置であって、前記溝構造に挿入されているともに、その延在方向に摺動可能なスライダーをさらに備え、前記スライダーは、前記欠歯歯車の前記回転軸に位置する前記長尺部材に前記溝構造の前記開口とは反対側から当接する中心側位置と、前記溝構造の前記開口との間を摺動可能であり、前記溝構造の底壁側から前記溝構造の前記開口側に押し出されるように付勢されている。
第8の態様に係るテープ巻き装置は、第7の態様に係るテープ巻き装置であって、前記欠歯歯車とともに同軸で回転可能であるとともに、前記欠歯歯車の前記回転軸に沿って前記欠歯歯車の外側に向けて突出するように前記欠歯歯車に連結された柱状部材を備え、前記柱状部材には、その外周面に開口する外周面開口を有して前記回転軸側に延在するとともに、前記柱状部材を前記回転軸方向に沿って貫通し、前記溝構造の少なくとも一部をなす切欠部が設けられており、前記スライダーは、前記切欠部に囲まれた収容空間において前記切欠部の延在方向に摺動可能に設けられており、前記テープ巻き装置は、前記切欠部の前記外周面開口から前記切欠部の底部を遮蔽するように前記収容空間を閉塞可能な閉塞用部材をさらに備え、前記閉塞用部材は、前記柱状部材に設けられた支点によって、前記収容空間に突出して前記収容空間を閉塞する閉塞位置と、前記収容空間から退避された退避位置との間で前記回転軸方向を横切る方向に回動可能に支持されているとともに、前記退避位置側から前記閉塞位置側へ回動するように付勢されており、前記閉塞位置は、前記退避位置よりも前記閉塞用部材が前記回転軸に近い位置であり、前記閉塞位置に位置する前記閉塞用部材が受ける回動用の付勢力のうち前記閉塞用部材を前記切欠部の延在方向に沿って前記回転軸側に移動させるように働く成分は、当該閉塞用部材に当接する前記スライダーを前記外周面開口側へ移動させるように働く付勢力よりも強い。
第9の態様に係るテープ巻き装置は、第8の態様に係るテープ巻き装置であって、前記退避位置に位置する前記閉塞用部材は、前記外周面開口に位置する前記スライダーによって前記閉塞位置側へ回動する経路を塞がれるとともに、前記退避位置に位置する前記閉塞用部材が受ける回動用の付勢力のうち前記閉塞用部材を前記切欠部の延在方向に沿って前記回転軸側に移動させるように働く成分は、前記外周面開口に位置する前記スライダーを前記切欠部の外部へ移動させるように働く付勢力よりも弱い。
第1の態様に係る発明によれば、欠歯歯車の回転軸方向に延在させた長尺部材を溝構造においてテープとともに欠歯歯車の回転軸まで挿入した状態で、他の欠歯歯車をモータによって自転させれば、他の欠歯歯車に対して二重ラックがその延在方向に往復移動する。すなわち、二重ラックはその延在方向に沿って長尺部材に対して往復移動する。これにより、欠歯歯車が二重ラックの延在方向に沿って相対的に往復移動しつつ、その回転軸を中心に自転する。これにより、溝構造の底壁が長尺部材の周囲を旋回するように溝構造が欠歯歯車の回転軸を中心に回転し、長尺部材の周囲にテープを巻くことができる。従って、作業負担を軽減しつつ、狭い空間に配索された長尺部材に対するテープ巻き作業を行うことができる。
第2の態様に係る発明によれば、柱状部材は、欠歯歯車の回転軸に沿って欠歯歯車の外側に向けて突出している。これにより、テープの端部が柱状部材における切欠部の外周面開口を覆うようにテープを配置した状態で当該テープの端部に長尺部材を当接させる作業を、柱状部材の外周面にテープを沿わせて行うことができる。従って、テープ巻き作業の作業負担を軽減することができる。
第3の態様に係る発明によれば、欠歯歯車の回転軸に直交する方向に沿った柱状部材の長さが、二重ラックの間隔よりも長いので、欠歯歯車がその回転軸方向に沿って二重ラックから脱落することを抑制できる。これにより、テープ巻き作業の作業効率を向上させることができる。
第4の態様に係る発明によれば、他の欠歯歯車には、柱状部材と同じ側に突出する軸部材と、軸部材を横切るように軸部材に取り付けられた板状部材とを備えるテープホルダーが、二重ラックの延在方向に沿って他の欠歯歯車と一体的に移動可能に取り付けられている。板状部材は、他の欠歯歯車よりも大径であり、板状部材は、欠歯歯車に取り付けられた柱状部材の外周面と当接可能である。従って、当該板状部材よりも小径のテープロールをテープホルダーによって保持すれば、欠歯歯車に取り付けられた柱状部材の外周面と、当該板状部材の外周面とを互いに当接させることができる。この状態で、他の欠歯歯車をモータで自転させることによって、他の欠歯歯車と、欠歯歯車とをそれぞれ自転させつつ、他の欠歯歯車を、板状部材とともに二重ラックの延在方向に沿って欠歯歯車と同方向に移動させることができる。従って、テープホルダーが保持するテープロールを、柱状部材の近くに保持することができる。これにより、テープロールからのテープの引き出し距離を短く保って、テープ巻き作業の作業効率を向上させることができる。
第5の態様に係る発明によれば、欠歯歯車と、他の欠歯歯車とが互いに逆方向に回転するので、柱状部材と板状部材とも互いに逆方向に回転する。これにより、他の欠歯歯車と板状部材とが一体的に回転する場合でも、柱状部材と板状部材との外周面同士が当接して、互いに回転を妨げ合うことが抑制される。従って、欠歯歯車と他の欠歯歯車とが互いに動きを妨げ合うことを抑制できる。
第6の態様に係る発明によれば、テープ巻き装置は、溝構造の開口に刃を備えており、長尺部材がテープとともに溝構造に挿入された状態で溝構造が欠歯歯車とともに回転を開始することによって、当該刃がテープを切断できる。従って、テープ巻き作業における作業負担を軽減できる。
第7の態様に係る発明によれば、テープ巻き装置は、溝構造に挿入された状態で、その延在方向に摺動可能なスライダーを備え、スライダーは、中心側位置と、溝構造の開口との間を摺動可能であり、溝構造の底壁側から溝構造の開口側に押し出されるように付勢されている。従って、長尺部材をスライダーに当接させつつ、溝構造の開口から欠歯歯車の回転軸まで挿通できるので、回転軸方向に延在するように長尺部材の姿勢を保つことが容易になる。これにより、回転軸まで挿入された長尺部材の姿勢確認に要する工数を削減できる。
第8の態様に係る発明によれば、閉塞位置に位置する閉塞用部材が受ける回動用の付勢力のうち閉塞用部材を切欠部の延在方向に沿って回転軸側に移動させるように働く成分は、当該閉塞用部材に当接するスライダーを外周面開口側へ移動させるように働く付勢力よりも強い。従って、付勢されたスライダーが閉塞位置に位置する閉塞用部材に当たったとしても、閉塞部材が退避位置側に回動することを抑制できる。従って、スライダーに保持された長尺部材が作業者の意図に反して、切欠部から外部に排出されることを抑制できる。
第9の態様に係る発明によれば、作業者が二重ラックを長尺部材に対して移動させて切欠部から長尺部材を排出した後には、スライダーは閉塞用部材が閉塞位置側へ回動する経路を塞いで外周面開口に位置する。そして、閉塞用部材が受ける回動用の付勢力のうち閉塞用部材を欠歯歯車の回転軸側に移動させるように働く成分は、外周面開口に位置するスライダーを切欠部の外部へ移動させるように働く付勢力よりも弱い。従って、外周面開口に位置するスライダーが閉塞用部材に押されて当該回転軸側に移動し、切欠部が閉塞部材によって閉塞されてしまうことを抑制できる。
実施形態1に係るテープ巻き装置の概略構成を示す上面模式図である。 図2のテープ巻き装置の側面模式図である。 図1のテープ巻き装置のA1−A1切断線における断面模式図である。 図1のテープ巻き装置の分解斜視図である。 図4のテープ保持ユニットの分解斜視図である。 図1のテープ巻き付けユニットの他の構成例を示す斜視図である。 図1のテープ保持ユニットの他の構成例を示す斜視図である。 図1のテープ巻き装置の他の構成例を示す断面模式図である。 図1のテープ巻装置を用いるテープ巻き作業のフローチャートである。 図9のフローチャートに対応したテープ巻き装置の状態変化を説明するための図である。 図1の柱状部材の他の構成例を示す断面模式図である。 図1の柱状部材の他の構成例を示す断面模式図である。 図1の柱状部材の他の構成例を示す断面模式図である。 実施形態2に係るテープ巻き装置の概略構成を示す側面模式図である。 図14のテープ巻き装置のA2−A2切断線における断面模式図である。 図14のテープ巻装置を用いるテープ巻き作業のフローチャートである。 図16のフローチャートに対応したテープ巻き装置の状態変化を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。
<実施形態1について>
以下、実施形態1に係るテープ巻き装置100について説明する(図1〜図8、図11〜図13参照)。このテープ巻き装置100は、ワイヤーハーネスWなどの長尺部材に粘着テープ(「テープ」)Tを巻き付けるものである。
テープ巻き装置100は、2つの二重ラック1、2と、テープ巻き付けユニット60と、テープ保持ユニット80と、取っ手Hとを主に備えて構成されている(図4参照)。
二重ラック1(2)は、互いに間隔を空けて平行に延在する直線状の2つのラックを備える。当該2つのラックの歯面は互いに対向しており、歯形は互いに等しい。歯形として、インボリュート歯形などが採用される。当該2つのラックは、基部材の両端からそれぞれ同一の延在方向(「長手方向」、「歯並び方向」)に立設されている。当該2つのラックの他端同士は、互いに接続されることなく間隔を空けて対向している。
二重ラック1と二重ラック2とは、定められた対称面に対して互いに面対称の形状を有している。当該対称面は、二重ラック1の有する2つのラックのそれぞれと平行であるとともに、当該2つのラックとの距離が等しく、かつ、当該2つのラックに対して同じ側に規定される平面である。当該対称面は、図1のA1−A1切断線に対応する平面である。二重ラック1、2の各基部材は、互いに対向する対向面を有している。各対向面には、凹み部が設けられている。当該対向面同士が重なり合うように基部材同士を当接することによって、当該2つの凹み部は、当接された2つの基部材を二重ラック1、2の延在方向に貫通する貫通孔を形成する。貫通孔の開口は、柱状の取っ手Hの断面形状よりも若干大きい。取っ手Hは、その一端部が当該貫通孔に挿入されて二重ラック1、2によって挟まれた状態で、二重ラック1、2とともにネジ止め固定されている。ワイヤーハーネスWは、二重ラック1の他端同士の隙間と、二重ラック2の他端同士の隙間との双方の隙間を通して二重ラック1(2)の2つのラックの間に挿入される。
テープ巻き付けユニット60は、回転軸a1に沿って、欠歯歯車3と柱状部材10と欠歯歯車4が順次に連結されて構成されている。欠歯歯車3(4)は、回転軸a1を中心軸とする円盤状部材の外周面の約半周部分(厳密には、半周よりも若干短い部分)に複数の歯が周方向に設けられた平歯車であり、外周面の他の部分には歯が設けられていない。欠歯歯車3、4の円盤状部材の径は等しく、ピッチ円の径も等しい。
欠歯歯車3(4)は、二重ラック1(2)に噛み合い、共通の回転軸a1を中心に自転しつつ二重ラック1(2)の延在方向に沿って二重ラック1(2)に対して相対的に往復移動可能に構成されている。回転軸a1は、二重ラック1と二重ラック2の対称面に垂直である。より詳細には、回転軸a1を中心とする周方向における欠歯歯車3、4の歯の並びの形状(歯形)は、当該対称面に対して常に対称である。これにより、欠歯歯車3、4は、互いに同じ往復移動を行い、回転軸a1を中心に同じ自転を行う。
柱状部材10は、欠歯歯車3、4に挟まれて設けられている。柱状部材10は、欠歯歯車3、4の回転軸a1に沿って欠歯歯車3、4の外側(柱状部材10が、欠歯歯車3、4に挟まれる側)に向けて突出するように欠歯歯車3、4に連結されている。柱状部材10は、回転軸a1を中心軸とする円柱状の外形を有している。柱状部材10は、欠歯歯車3、4とともに回転軸a1を回転軸として回転可能である。
テープ巻き付けユニット60には、溝構造50が設けられている。溝構造50は、テープ巻き付けユニット60の外周面、すなわち欠歯歯車3、柱状部材10、および欠歯歯車4のそれぞれの外周面において、回転軸a1に対向して回転軸a1方向に延在する開口55を有している。溝構造50は、テープ巻き付けユニット60の径方向、すなわち、欠歯歯車3、4、柱状部材10の径方向に沿って開口55から回転軸a1まで延設されている。溝構造50は、回転軸a1方向に延在するワイヤーハーネスWを開口55から回転軸a1まで粘着テープTとともに挿通可能である。
より具体的は、溝構造50は、回転軸a1を間に挟んで開口55に対向して回転軸a1方向に延在する底壁51と、底壁51の幅方向の両端から開口55の幅方向の両端まで立設された側壁52、53とを備えている。底壁51は、好ましくは、回転軸a1に平行に延在し、例えば、溝状若しくは平面状などの形状を有している。回転軸a1と底壁51との距離は、例えば、ワイヤーハーネスWの半径よりも若干長く設定される。底壁51は、回転軸a1方向に延在するワイヤーハーネスWが回転軸a1まで挿入された状態で、回転軸a1に対して開口55と反対側、すなわち底壁51側へのワイヤーハーネスWの移動(より厳密には、溝構造50に対する相対的な移動)を規制可能である。ワイヤーハーネスWと底壁51との間に、後述するスライダーS1などの他の部材を介在させて、底壁51が当該規制をしてもよい。
側壁52、53は、ワイヤーハーネスWの当該移動の方向(すなわち、ワイヤーハーネスWの挿入方向)およびワイヤーハーネスWの延在方向(すなわち、回転軸a1方向)との双方に垂直な方向へのワイヤーハーネスWの移動(より厳密には、溝構造50に対する相対的な移動)を規制可能である。側壁52、53は、好ましくは、それぞれ回転軸a1と平行であるとともに、互いに平行である。ワイヤーハーネスWの開口55への挿入を容易にするために、例えば、開口55の幅が回転軸a1近傍における溝構造50の幅より広くなるようにしてもよい。溝構造50は、粘着テープTとともに回転軸a1まで挿入されたワイヤーハーネスWの周囲を底壁51が旋回するように回転軸a1を中心として欠歯歯車3、4と一体的に回転可能である。これにより、テープ巻き付けユニット60は、ワイヤーハーネスWの周囲に粘着テープTを巻き付けることができる。
溝構造50は、欠歯歯車3、柱状部材10、欠歯歯車4にそれぞれ設けられた切欠部33、13、43を含んでいる。また、開口55は、切欠部33、13、43の外周面開口32、12、42を含んでいる。
切欠部33(43)は、欠歯歯車3(4)の円盤状部材の外周面のうち歯列が設けられていない部分に外周面開口32(42)を有して、外周面開口32(42)から回転軸a1側に延設されている。切欠部33(43)は、欠歯歯車3(4)を回転軸a1方向に沿って貫通している。切欠部13は、柱状部材10の外周面11に開口する外周面開口12を有して回転軸a1側に延在するとともに、柱状部材10を回転軸a1方向に沿って貫通している。この構成の場合、切欠部13は、溝構造50の少なくとも一部をなしている。なお、回転軸a1に直交する方向(柱状部材10の径方向)に沿った柱状部材10の長さ(柱状部材10の直径)は、好ましくは、二重ラック1(2)の間隔よりも長くなるように形成される。
テープ巻き付けユニット60に代えて、例えば、テープ巻き付けユニット60B若しくはテープ巻き付けユニット60Cが採用されてもよい(図6、図7参照)。
テープ巻き付けユニット60とテープ巻き付けユニット60B(60C)との構造上の違いは、テープ巻き付けユニット60B(60C)がテープ巻き付けユニット60の欠歯歯車3、4に代えて、欠歯歯車3B、4B(3C、4C)を備えることである。欠歯歯車3B(4B)は、テープ巻き付けユニット60の欠歯歯車3(4)の円盤状部材が、部分円筒に代えられたものである。また、欠歯歯車3C(4C)は、欠歯歯車3(4)の円盤状部材が、部分円筒に代えられるとともに、欠歯歯車3(4)の複数の歯が、当該部分円筒ではなく、柱状部材10の両端面から回転軸a1方向に立設されていることである。すなわち、欠歯歯車3C、4Cは、欠歯ピン歯車である。欠歯歯車3B、4B(3C、4C)には、底部を備える切欠部が設けられておらず、テープ巻き付けユニット60B(60C)の溝構造50は、柱状部材10の切欠部13である。
テープ保持ユニット80は、粘着テープTを巻き取り収容したテープロールTRを着脱自在に保持するためのものである。テープ保持ユニット80は、回転軸a2に沿って、欠歯歯車5とテープホルダー70と欠歯歯車6が順次に連結されて構成されている。回転軸a1、a2は、互いに平行である。欠歯歯車5(6)は、回転軸a2を中心軸とする円盤状部材の外周面の約半周部分(厳密には、半周よりも若干短い部分)に複数の歯が周方向に設けられた平歯車であり、外周面の他の部分には歯が設けられていない。欠歯歯車3〜6の円盤状部材の径は相互に等しく、ピッチ円の径も相互に等しい。
欠歯歯車5(6)は、二重ラック1(2)に噛み合い、共通の回転軸a2を中心に自転しつつ二重ラック1(2)の延在方向に沿って二重ラック1(2)に対して相対的に往復移動可能に構成されている。回転軸a2は、二重ラック1と二重ラック2の対称面に垂直である。より詳細には、回転軸a2を中心とする周方向における欠歯歯車5、6の歯の並びの形状(歯形)は、当該対称面に対して常に対称である。これにより、欠歯歯車5、6は、互いに同じ往復移動を行い、回転軸a2を中心に同じ自転を行う。
テープホルダー70は、欠歯歯車5、6に挟まれて設けられている。テープホルダー70は、欠歯歯車5、6の回転軸a2に沿って欠歯歯車5、6の外側(テープホルダー70が、欠歯歯車5、6に挟まれる側)に向けて突出するように欠歯歯車5、6に連結されている。テープホルダー70は、欠歯歯車5、6とともに回転軸a2を回転軸として回転可能である。すなわち、テープホルダー70は、二重ラック1(2)の延在方向に沿って欠歯歯車5(6)と一体的に移動可能なように欠歯歯車5(6)に取り付けられている。
テープホルダー70は、テープロールTRを支持するための円筒状の軸部材73と、円盤状の板状部材71、72とを備えて構成されている。軸部材73の中心軸は、回転軸a2である。軸部材73は、欠歯歯車6の軸方向の両端面のうち欠歯歯車5側の面から、欠歯歯車5側へ立設されている。軸部材73には、欠歯歯車6の端面から若干隙間を空けて板状部材72が欠歯歯車6、軸部材73と同軸に取り付けられている。板状部材72には、軸部材73と同軸で、軸部材73よりも若干大径の貫通孔が形成されている。例えば、軸部材73の外周面と、板状部材72の貫通孔の内周面とにそれぞれ設けられたネジ(図示省略)によって、板状部材72は、軸部材73を横切るように、厳密には軸部材73に垂直に取り付けられている。軸部材73は、板状部材72を貫通して欠歯歯車5側に突出している。この突出部分がテープロールTRの芯材TRaに挿通される。芯材TRaの内径は、軸部材73の外径よりも大きい。これにより、テープロールTRは、軸部材73に対して自由に回転できるように軸部材73によって支持される。板状部材71は、板状部材72との回転軸a2方向の間隔が、テープロールTRの幅よりも広くなるように軸部材73に取り付けられている。板状部材71は、例えば、板状部材72と同様に、軸部材73の外周面と、板状部材71に設けられた貫通孔の内周面とにそれぞれ設けられたネジによって軸部材73に取り付けられる。
軸部材73の外周面のうち取り付けられた板状部材71に対して欠歯歯車5側の部分には、外周面を周方向に周回しているリング状の突設部74が設けられている。また、軸部材73の外周面のうち突起部74よりも欠歯歯車5側の部分には、回転軸a2に沿って延在する溝部75が設けられている。軸部材73の先端部分には、軸部材73の径方向に変位可能な複数の爪部(図示省略)が設けられている。欠歯歯車5の円盤状部材には、回転軸a2を中心軸とする貫通孔が形成されている。当該貫通孔の径は、軸部材73の外周面の径よりも若干大きい。また、当該貫通孔の内周面には、溝部75と噛み合う凸部55が形成されている。溝部75と凸部55との回転軸a1を中心とする周方向の位置は、欠歯歯車5、6の歯形が回転軸a2に垂直な対称面に対して互いに対称になるように設定されている。溝部75と凸部55が噛み合うように欠歯歯車5の貫通孔に軸部材73が挿通されて、欠歯歯車5の両端面のうち欠歯歯車6側の端面と、突起部74とが当接し、突起部74によって欠歯歯車5の欠歯歯車6側への移動が規制される。また、溝部75と凸部55が噛み合うことにより、軸部材73の周方向への欠歯歯車5の移動が規制される。軸部材73の先端部分は欠歯歯車5の貫通孔を貫通して円盤状部材の外側の端面から突出する。軸部材73の先端の複数の爪部は、欠歯歯車6側とは反対側への欠歯歯車5の移動を規制するように、欠歯歯車5に係止する。これにより、テープホルダー70は、一体的に組み合わせられて、テープロールTRは、テープホルダー70に保持される。また、欠歯歯車5の移動を規制する軸部材73先端の爪部を開放することによって欠歯歯車5を取り外し、さらに板状部材71を軸部材73から取り外すことによって、テープロールTRを交換することができる。
テープ保持ユニット80が一体的に組み立てられた状態において、軸部材73は、欠歯歯車5(6)に対して柱状部材10と同じ側に突出し、回転軸a2を中心軸とするともに、テープロールTRの円筒状の芯材TRaに挿通可能な径を有している。板状部材71、72は、軸部材73を横切るように、より詳細には、例えば、軸部材73に垂直に、軸部材73に取り付けられている。板状部材71、72は、欠歯歯車5(6)よりも大径であることが好ましい。板状部材71、72は、その外周面71a、72aと柱状部材10の外周面11とが互いに当接可能なように軸部材73に取り付けられている。
欠歯歯車3〜6は、複数の歯(図示の例では6個)が一列に配された歯列をそれぞれ備えている。欠歯歯車3、4は互いに同方向に回転するとともに、欠歯歯車5、6も互いに同方向に回転する一方、欠歯歯車3(4)と、欠歯歯車5(6)とは、互いに逆方向に回転するようにそれぞれの歯列が設けられている。
テープ巻き装置100は、粘着テープTを切断可能な刃19を、溝構造50の開口55にさらに備えてもよい(図11参照)。粘着テープTは、粘着面を外側に向けて開口55の2つの縁のうちテープ巻き付けユニット60の回転方向上流側の縁から、一端が下流側にはみ出すようにテープ巻き付けユニット60の外周面に支持される。ワイヤーハーネスWは、開口55において、はみ出した一端に押しつけられて付着し、その状態で、粘着テープTとともに開口55から溝構造50に挿入される。ワイヤーハーネスWはが回転軸a1に達すると、さらに底壁51に押しつけられる。これにより、テープ巻き付けユニット60の欠歯歯車3、4は、周方向における歯の位置に応じた回転方向に回転しつつ、二重ラック1、2に対して、押された方向に移動する。溝構造50は、テープ巻き付けユニット60とともに、定められた方向への回転を開始する。刃19は、例えば、開口55の2つの縁のうちテープ巻き付けユニット60の回転方向上流側の縁において、刃先を回転方向の下流側に向けて取り付けられる。テープ巻き付けユニット60の回転開始により、刃19は、粘着テープTの延在方向を横切るように、粘着テープTに押し当てられ、粘着テープTを切断することができる。刃19は、好ましくは、例えば、溝構造50の開口55のうち柱状部材10の切欠部13の外周面開口12に設けられる。この場合は、柱状部材10の外周面11に粘着テープTを沿わせることによって作業をより容易に行うことができる。刃19が欠歯歯車3の切欠部33の外周面開口32に設けられてもよく、また、欠歯歯車4の切欠部43の外周面開口42に設けられてもよい。これらの場合には、例えば、一端側をワイヤーハーネスWが底壁51に押さえている粘着テープTの他端側を溝構造50の外側に引っ張った状態でテープ巻き付けユニット60の回転を開始させることによって刃19が粘着テープTを切断できる。
テープ巻き装置100は、溝構造50に挿入されているともに、溝構造50の回転軸a1側への延在方向に摺動可能なスライダーS1をさらに備えてもよい(図12、図13参照)。スライダーS1は、中心側位置P3と、溝構造50の開口55との間を摺動可能である。中心側位置P3は、ワイヤーハーネスWが欠歯歯車3、4の回転軸a1に位置している状態で、スライダーS1がワイヤーハーネスWに溝構造50の開口55とは反対側から当接する位置である。スライダーS1は、バネなどの付勢部材C1によって、溝構造50の底壁51側から溝構造50の開口55側に押し出されるように付勢されている。これにより、ワイヤーハーネスWをスライダーS1に押し当てた状態で、ワイヤーハーネスWを溝構造50に挿入できる。従って、ワイヤーハーネスWを回転軸a1に沿った姿勢に調整するための手間を減らすことができる。
テープ巻き装置100は、上記のスライダーS1を備える場合において、切欠部13の外周面開口12から切欠部13の底部を遮蔽するように収容空間161を閉塞可能な閉塞用部材151をさらに備えてもよい。閉塞用部材151は、柱状部材10に設けられた支点152によって、収容空間161に突出して収容空間161を閉塞する閉塞位置P1と、収容空間161から退避された退避位置P2との間で回転軸a1方向を横切る方向に回動可能に支持されている。閉塞用部材151は、さらに、バネなどの付勢部材C2によって、退避位置P2側から閉塞位置P1側へ回動するように付勢されている。閉塞位置P1は、退避位置P2よりも閉塞用部材151が回転軸a1に近い位置である。閉塞位置P1に位置する閉塞用部材151が付勢部材C2から受ける回動用の付勢力のうち閉塞用部材151を切欠部13の延在方向に沿って回転軸a1側に移動させるように働く成分は、付勢部材C1が当該閉塞用部材151に当接するスライダーS1を外周面開口12側へ移動させるようとする付勢力よりも強く設定されている。
退避位置P2に位置する閉塞用部材151は、外周面開口12に位置するスライダーS1によって閉塞位置P1側へ回動する経路を塞がれるとともに、退避位置P2に位置する閉塞用部材151が付勢部材C2から受ける回動用の付勢力のうち閉塞用部材151を切欠部13の延在方向に沿って回転軸a1側に移動させるように働く成分(付勢力)は、外周面開口12に位置するスライダーS1を切欠部13の外部へ移動させるようにスライダーS1に働く付勢力よりも弱いことが好ましい。
また、テープ巻き装置100に代えて、例えば、テープ巻き装置100Fが採用されてもよい(図8参照)。テープ巻き装置100Fは、テープカバー120をさらに備えることを除いて、テープ巻き装置100と同様に構成されている。テープカバー120は、柱状部材10の外周面11のうち、テープロールTRから引き出されている粘着テープTが沿う部分を非接触で覆う板状の部材である。テープ巻きユニット60は、二重ラック1、2の延在方向に移動する。このため、テープ巻きユニット60が二重ラック1、2の他端側の開口部の最も近くに位置している状態においてもテープカバー120が外周面11を覆うことができるように、テープカバー120は、二重ラック1、2に挟まれた状態で二重ラック1、2の一端から他端まで延設されている。テープカバー120の他端側部分は、二重ラック1、2の他端の最も近くに位置するテープ巻きユニット60の外周面11に沿うように湾曲している。テープロールTRから引き出された粘着テープTの非粘着面は外周面11に対向し、粘着面は外側へ向けられる。テープカバー120は、テープロールTRから引き出された粘着テープTの粘着面に接触しないように、粘着テープTを覆う。これにより、粘着テープTの粘着面へのゴミ等が付着を抑制され、粘着テープTが保護される。
以下、実施形態1に係るテープ巻き装置100を用いるテープ巻き作業について説明する(図9〜図10参照)。図10においては、見やすくするためにテープ巻き装置100の側面図においてテープ巻きユニット60、テープ保持ユニット80が透視された状態で示されている。後述する実施形態2に係るテープ巻き装置100Aについての図17も同様に示されている。図9の動作開始に先立って、テープロールTRから粘着テープTが引き出されて粘着面を外側に向けた状態で、テープ巻きユニット60の柱状部材10の外周面に沿って切欠部13の外周面開口12まで導かれている。粘着テープTは、その先端が外周面開口12にはみ出している。そして、作業者は、回転軸a1方向に延在するワイヤーハーネスWを粘着テープTの先端部分に押し当ててワイヤーハーネスWの外周面の一部に粘着テープTの先端部分を付着させている。ワイヤーハーネスWは、例えば、一端がコネクタに固定され他状態で、他端を作業者が引っ張った状態、若しくは、両端がコネクタに接続された状態で、回転軸a1方向に延在し、張力が加えられている。テープ巻きユニット60は、外周面開口12を二重ラック1、2の他端側の開口部に向けた状態で、二重ラック1、2の他端側近傍に配置されている。回転軸a1と二重ラック1、2の延在方向とを含む平面に対する外周面開口12の回転位置(回転角度)は、0°である。後述する図17のステップS110の開始前の状態も、図10のステップS10の開始前の状態と同様である。
作業者がテープ巻き装置100の取っ手Hを保持し、テープ巻き装置100をワイヤーハーネスW側に押すことによって、二重ラック1、2は、ワイヤーハーネスWに対して相対的な直線移動を開始する(ステップS10)。当該直線移動は、ワイヤーハーネスWが粘着テープTとともに切欠部13に沿って相対的に回転軸a1へ向かう一方向への移動である。その後、作業者は、ワイヤーハーネスWを柱状部材10(「巻き付け部材」)の回転中心(U字溝である切欠部13の底部)まで、すなわち回転軸a1まで相対移動(ステップS20)させる。ワイヤーハーネスWが回転軸a1に達した後に、作業者は、ワイヤーハーネスWへのテープ巻き装置100の押し当てを中止してワイヤーハーネスWに対する二重ラック1、2の移動を停止する。作業者は、テープ巻きユニット60の回転軸a1に対するワイヤーハーネスWの姿勢が回転軸a1に沿う方向であるか否かを確認し、沿っていなければ、ワイヤーハーネスWに対するテープ巻き装置100の向きを修正する(ステップS30)。
作業者は、例えば、少しワイヤーハーネスWを切欠部13の底部側に押し込んで刃19(図11)で粘着テープTを切断することや、あるいは手持ちのカッター等を用いた粘着テープTの切断を行う。ワイヤーハーネスWから粘着テープTの切断部までの長さはワイヤーハーネスWへの粘着テープTの巻き付けに必要な長さに設定される。そして、作業者は、ワイヤーハーネスWを切欠部13の底部に押し当ててテープ巻き装置100の移動を再開することにより一方向への二重ラック1、2の移動を再開する。これにより、欠歯歯車3、4が反時計回り方向の回転を開始し、柱状部材10も欠歯歯車3、4とともに同方向への回転を開始する(ステップS40)。なお、柱状部材10がテープ保持ユニット80のテープホルダー70に当接することにより、テープホルダー70も二重ラック1、2の基部材に向かう方向に押され、欠歯歯車5、6によってテープホルダー70は、時計回りに自転しつつ二重ラック1、2の基部材側への移動を開始する。これにより、ワイヤーハーネスWの周囲への粘着テープTのまき付けが開始される。
その後も、作業者は、ワイヤーハーネスWが二重ラック1、2の基部材側に相対的に進むようにワイヤーハーネスWに対してテープ巻き装置100を押し当て続ける。これにより、柱状部材10(切欠部13)は、90°の回転角度の回転(ステップS50)を経て、180°の回転角度まで回転される(ステップS60)。この状態で、テープ保持ユニット80は、二重ラック1、2の基部材側の端部近傍まで移動している。
作業者は、柱状部材10の回転角度が180°になったことを目視等により確認すると、逆方向への二重ラックの相対的な直線移動の開始する(ステップS70)。具体的には、作業者は、これまでテープ巻き装置100をワイヤーハーネスWに対して移動させていた方向と逆方向にテープ巻き装置100を移動させる。これにより、テープ巻きユニット60は、反時計回り方向、テープ保持ユニット80は、時計回り方向への自転を維持しつつ、二重ラック1、2に対して逆向きの移動を開始する。
その後も、作業者は、ワイヤーハーネスWが二重ラック1、2の開口がある他端側にワイヤーハーネスWが相対的に移動するように、テープ巻き装置100の移動を継続する。これにより、柱状部材10(切欠部13)は、270°の回転角度の回転(ステップS80)を経て、360°の回転角度まで回転され(ステップS90)、ワイヤーハーネスWへの粘着テープTの巻き付け作業が完了する。
なお、テープ巻き装置100では、テープ保持ユニット80を備えているが、例えば、予め必要長さの粘着テープTを用意し、テープ巻きユニット60の溝構造50の開口55部分にて当該粘着テープTをワイヤーハーネスWに付着させてワイヤーハーネスWを溝構造50に挿入すれば、ワイヤーハーネスWの周囲の粘着テープTを巻くことができる。従って、テープ巻き装置100がテープ保持ユニット80を備えていないとしても本発明の有用性を損なうものではない。
さらに、テープ巻き装置100が二重ラック1、2のうち二重ラック1のみを備えるとともに、テープ巻きユニット60が、欠歯歯車3、4、および柱状部材10のうち欠歯歯車3のみを備える場合でも、予め必要長さの粘着テープTを用意し、欠歯歯車3の切欠部33の外周面開口32にて当該粘着テープTをワイヤーハーネスWに付着させてワイヤーハーネスWを溝構造50に挿入すれば、ワイヤーハーネスWの周囲の粘着テープTを巻くことができる。従って、テープ巻きユニット60が欠歯歯車3、4、および柱状部材10のうち欠歯歯車3のみを備える場合でも、本発明の有用性を損なうものではない。
また、テープ巻き装置100は、水平面内で延在するワイヤーハーネスWへの粘着テープTのまき付けだけでなく、回転軸a1、a2が鉛直方向に沿うように、テープ巻き装置100の向きを設定することにより、鉛直方向に延在するワイヤーハーネスWへの粘着テープTの巻き付けを行うことができる。
また、テープ巻き装置100は、二重ラック1、2と、欠歯歯車3、4とを備えているが、例えば、二重ラック2、欠歯歯車4に代えて、回転軸a1の向きを一定に保持しつつ、二重ラック1、欠歯歯車3によるテープ巻きユニット60の自転と二重ラック1の延在方向への移動とを実現できるガイドレール等が採用されてもよい。
以上のように構成された本実施形態1に係るテープ巻き装置によれば、欠歯歯車3(4)の回転軸a1方向に延在させたワイヤーハーネスWを溝構造50において粘着テープTとともに欠歯歯車3(4)の回転軸まで挿入した状態で、二重ラック1、2をその延在方向に沿ってワイヤーハーネスWに対して往復移動させることによって、欠歯歯車3(4)が二重ラック1、2の延在方向に沿って相対的に往復移動しつつ、その回転軸a1を中心に自転する。これにより、溝構造50の底壁51がワイヤーハーネスWの周囲を旋回するように溝構造50が欠歯歯車3(4)の回転軸a1を中心に回転し、ワイヤーハーネスWの周囲にテープを巻くことができる。従って、作業負担を軽減しつつ、狭い空間に配索された長尺部材に対するテープ巻き作業を行うことができる。
また、以上のように構成された本実施形態1に係るテープ巻き装置によれば、欠歯歯車5、6には、柱状部材10と同じ側に突出する軸部材73と、軸部材73を横切るように軸部材73に取り付けられた板状部材71、72とを備えるテープホルダー70が、二重ラック1、2の延在方向に沿って欠歯歯車5、6と一体的に移動可能に取り付けられている。板状部材71、72は、欠歯歯車5、6よりも大径であり、板状部材71、72は、欠歯歯車3、4に取り付けられた柱状部材10の外周面11と当接可能である。従って、当該板状部材71、72よりも小径のテープロールTRをテープホルダー70によって保持すれば、欠歯歯車3(4)を自転させつつ二重ラック1(2)の延在方向に沿って欠歯歯車5(6)側に移動させることによって、欠歯歯車3、4に取り付けられた柱状部材10の外周面11と、当該板状部材71、72の外周面71a、72aとを互いに当接させることができる。これにより、欠歯歯車5、6を、板状部材71、72とともに二重ラック1、2の延在方向に沿って欠歯歯車3、4と同方向に移動させることができる。従って、テープホルダー70が保持するテープロールTRを、柱状部材10の近くに保持することができる。これにより、テープロールTRからの粘着テープTの引き出し距離を短く保って、テープ巻き作業の作業効率を向上させることができる。
<実施形態2について>
以下、実施形態2に係るテープ巻き装置100Aについて説明する(図14〜図15参照)。このテープ巻き装置100Aは、ワイヤーハーネスWなどの長尺部材に粘着テープ(「テープ」)Tを巻き付けるものである。
テープ巻き装置100Aと、テープ巻き装置100との相違点は、テープ巻き装置100Aが欠歯歯車5、6を回転させるモータMを備えることである。
この相違点に起因して、両者の間には、テープ巻き装置100Aが、モータMの支持部材HAを備え、支持部材HAにテープ巻き装置100の取っ手Hに代えて取っ手HA1を備えるという相違点もある。なお、取っ手HA1が設けられておらず、作業者が支持部材HAを把持してもよい。支持部材HAは、四角筒状の部材であり、後述する二重ラック1A、2Aが二重ラック1、2と同様に基部材において結合された状態で、二重ラック1A、2Aをその内部空間に挿通し、二重ラック1A、二重ラック2Aの延在方向に摺動可能に保持する部材である。また、支持部材HAには、モータMを固定するための凹み部であるマウント部が設けられている。当該マウント部の底面には、モータMの回転軸を支持部材HAから欠歯歯車5側に突出させるために、回転軸を挿通するための貫通孔が形成されている。
上記のように、テープ巻き装置100Aが支持部材HAを備えることに起因して、テープ巻き装置100Aは、二重ラック1、2に代えて、二重ラック1A、2Aを備えている。二重ラック1(2)と二重ラック1A(2A)との差異は、二重ラック1A(2A)が、二重ラック1A(2A)の延在方向に延在する突設部18をそれぞれ備えることである。突設部18、支持部材HAの内周面に設けられた溝部に嵌められた状態で、支持部材HAに対して二重ラック1A、2Aを移動可能となっている。また、二重ラック1、2の基部材に設けられていた取っ手Hを取り付けるための貫通孔をなす凹み部も二重ラック1A(2A)には設けられていない。
モータMが欠歯歯車5を回転させる構成に対応するために、テープ巻き装置100Aは、テープ巻き装置100のテープ保持ユニット80に代えてテープ保持ユニット80Aを備えることも、両装置の相違点である。
テープ保持ユニット80Aとテープ保持ユニット80との相違点は、テープ保持ユニット80のテープホルダー70に代えて、テープ保持ユニット80Aがテープホルダー70Aを備えることである。テープホルダー70Aとテープホルダー70との相違点は、テープホルダー70の軸部材73に代えて、テープホルダー70Aが軸部材73Aを備えることである。板状部材71、軸部材73A、および72がテープホルダー70Aとして組み合わせられたときに、軸部材73Aの先端は軸部材73の先端と同様に、欠歯歯車5の貫通孔を貫通する。軸部材73Aの先端面には円形の凹み部が設けられ、その内周面に歯車76が形成されている。歯車76と、モータMの回転軸の先端部に設けられた小型の歯車77とが噛み合った状態で、モータMが回転軸を回転することにより、軸部材73Aが回転軸a2を中心に回転する。これにより、欠歯歯車5(6)が回転軸a2を中心に自転するとともに、二重ラック1A(2A)が延在方向にテープホルダー70Aに対して相対的に移動する。これにより。テープ巻きユニット60の欠歯歯車5(6)が回転されて、溝構造50において粘着テープTとともに回転軸a1に挿入されたワイヤーハーネスWの周囲に粘着テープTが巻き付けられる。
従って、テープ巻き装置100Aは、二重ラック1A(2A)と、二重ラック1A(2A)に噛み合い、回転軸a2を中心に自転しつつ二重ラック1A(2A)の延在方向に沿って相対的に往復移動可能な欠歯歯車5(6)とを備える。また、テープ巻き装置100Aは、二重ラック1A(2A)をその延在方向に沿って移動可能に支持する支持部材HAと、支持部材HAに固定され、欠歯歯車5(6)を回転軸a2周りに自転させるモータMとを備えている。テープ巻き装置100Aが備えるテープ巻きユニット60は、テープ巻き装置100が備えるテープ巻きユニット60と同様の構成を有し、同様の機能を有している。
また、テープ巻き装置100Aは、二重ラック1A(2A)の延在方向に沿って欠歯歯車5(6)と一体的に移動可能なように欠歯歯車5(6)に取り付けられ、粘着テープTを巻取り収容したテープロールTRを保持可能なテープホルダー70Aをさらに備え、テープホルダー70Aは、欠歯歯車5(6)に対して柱状部材10と同じ側に突出する。テープホルダー70Aは、回転軸a2を中心軸とするともに、テープロールTRの円筒状の芯材TRaに挿通可能な軸部材73Aと、軸部材73Aを横切るように軸部材73Aに取り付けられた板状部材71、72を備える。板状部材71、72は、好ましくは、欠歯歯車5(6)よりも大径とされる。板状部材71、72は、その外周面71a、72aと柱状部材10の外周面とが互いに当接可能なように軸部材73Aに取り付けられている。
以下、実施形態2に係るテープ巻き装置100Aを用いるテープ巻き作業について説明する(図16〜図17参照)。
作業者がテープ巻き装置100Aの支持部材HAを保持し、テープ巻き装置100AをワイヤーハーネスW側に押すことによって、二重ラック1A、2Aは、ワイヤーハーネスWに対して相対的な直線移動を開始する(ステップS10)。当該直線移動は、ワイヤーハーネスWが粘着テープTとともに切欠部13に沿って相対的に回転軸a1へ向かう一方向への移動である。その後、作業者は、ワイヤーハーネスWを柱状部材10(「巻き付け部材」)の回転中心(U字溝である切欠部13の底部)まで、すなわち回転軸a1まで相対移動(ステップS20)させる。ワイヤーハーネスWが回転軸a1に達した後に、作業者は、ワイヤーハーネスWへのテープ巻き装置100Aの押し当てを中止してワイヤーハーネスWに対する二重ラック1A、2Aの移動を停止する。作業者は、テープ巻きユニット60の回転軸a1に対するワイヤーハーネスWの姿勢が回転軸a1に沿う方向であるか否かを確認し、沿っていなければ、ワイヤーハーネスWに対するテープ巻き装置100の向きを修正する(ステップS30)。
作業者は、例えば、少しワイヤーハーネスWを切欠部13の底部側に押し込んで刃19(図11)で粘着テープTを切断することや、モータMを回転させて刃19により粘着テープTを切断すること、あるいは手持ちのカッター等を用いた粘着テープTの切断を行う。ワイヤーハーネスWから粘着テープTの切断部までの長さはワイヤーハーネスWへの粘着テープTの巻き付けに必要な長さに設定される。
テープが切断された後、作業者は、支持部材HAに設けられたスイッチを介してモータMに回転を開始させて、テープホルダー70Aの欠歯歯車5、6の回転を開始させる。これにより、一方向への二重ラック1A、2Aの移動再開と、欠歯歯車3、4を介した巻き付け部材の回転が開始される(ステップS140)。
その後も、作業者は、モータMを一方向に回転させ続ける。これにより、柱状部材10(切欠部13)は、90°の回転角度の回転(ステップS150)を経て、180°の回転角度まで回転される(ステップS160)。この状態で、テープ保持ユニット80は、二重ラック1、2の基部材側の端部近傍まで移動している。
さらに、作業者が、モータMを一方向に回転させ続けると、モータMを介してテープホルダー70Aの欠歯歯車5、6の回転が継続され、二重ラックは、これまでと逆方向に相対的な直線移動を開始する(ステップS170)。
その後も、作業者は、モータMを一方向に回転させ続ける。これにより、柱状部材10(切欠部13)は、270°の回転角度の回転(ステップS180)を経て、360°の回転角度まで回転され(ステップS190)、ワイヤーハーネスWへの粘着テープTの巻き付け作業が完了する。粘着テープTのまき付けが完了すると作業者は、モータMの回転を停止させる(ステップS200)。
なお、テープ巻き装置100Aは、モータMおよびテープ保持ユニット80Aのうち少なくとも欠歯歯車5を必要とすることを除いてテープ巻き装置100と同様の変形例を採用することができる。従って、テープ巻き装置100Aが、支持部材HAとモータMとの他に、例えば、二重ラック1と、テープ巻きユニット60としても欠歯歯車3と、テープ保持ユニット80Aとしての軸部材73Aおよび欠歯歯車5を備える構成が採用されてもよい。この場合、軸部材73Aは、欠歯歯車5とともに一体的に回転可能なように欠歯歯車5に固定される。
以上のように構成された本実施形態2に係るテープ巻き装置によれば、欠歯歯車3(4)の回転軸a1方向に延在させたワイヤーハーネスWを溝構造50において粘着テープTとともに欠歯歯車3(4)の回転軸まで挿入した状態で、欠歯歯車5(6)をモータMによって自転させれば、欠歯歯車5(6)に対して二重ラック1A、2Aがその延在方向に往復移動する。すなわち、二重ラック1A、2Aはその延在方向に沿ってワイヤーハーネスWに対して往復移動する。これにより、欠歯歯車3(4)が二重ラック1A、2Aの延在方向に沿って相対的に往復移動しつつ、回転軸a1を中心に自転する。これにより、溝構造50の底壁51がワイヤーハーネスWの周囲を旋回するように溝構造50が欠歯歯車3、4の回転軸a1を中心に回転し、ワイヤーハーネスWの周囲に粘着テープTを巻くことができる。従って、作業負担を軽減しつつ、狭い空間に配索されたワイヤーハーネスWに対するテープ巻き作業を行うことができる。
また、以上のように構成された本実施形態1、2の何れに係るテープ巻き装置によっても、柱状部材10は、欠歯歯車3、4の回転軸に沿って欠歯歯車の外側(欠歯歯車3、4に挟まれる側)に向けて突出している。これにより、粘着テープTの端部が柱状部材10における切欠部13の外周面開口12を覆うように、粘着テープTを配置した状態で粘着テープTの端部にワイヤーハーネスWを当接させる作業を、柱状部材10の外周面11に粘着テープTを沿わせて行うことができる。従って、テープ巻き作業の作業負担を軽減することができる。
また、以上のように構成された本実施形態1、2の何れに係るテープ巻き装置によっても、欠歯歯車3、4の回転軸a1に直交する方向(柱状部材10の径方向)に沿った柱状部材10の長さが、二重ラック1、2(1A、2A)の間隔よりも長いので、欠歯歯車3(4)がその回転軸a1方向に沿って二重ラック1、2(1A、2A)から脱落することを抑制できる。これにより、テープ巻き作業の作業効率を向上させることができる。
以上のように構成された本実施形態2に係るテープ巻き装置によれば、欠歯歯車5(6)には、柱状部材10と同じ側に突出する軸部材73と、軸部材73を横切るように軸部材73に取り付けられた板状部材71、72とを備えるテープホルダー70が、二重ラック1A(2A)の延在方向に沿って欠歯歯車5、6と一体的に移動可能に取り付けられている。板状部材71、72は、欠歯歯車5(6)よりも大径であり、板状部材71、72は、欠歯歯車3(4)に取り付けられた柱状部材10の外周面11と当接可能である。従って、当該板状部材71、72よりも小径のテープロールTRをテープホルダー70によって保持すれば、欠歯歯車3(4)に取り付けられた柱状部材10の外周面11と、当該板状部材71、72の外周面71a、72aとを互いに当接させることができる。この状態で、欠歯歯車5(6)をモータMで自転させることによって、欠歯歯車5(6)と、欠歯歯車3(4)とをそれぞれ自転させつつ、欠歯歯車5(6)を、板状部材71、72とともに二重ラック1A、2Aの延在方向に沿って欠歯歯車3、4と同方向に移動させることができる。従って、テープホルダー70が保持するテープロールTRを、柱状部材10の近くに保持することができる。これにより、テープロールTRからの粘着テープTの引き出し距離を短く保って、テープ巻き作業の作業効率を向上させることができる。
また、以上のように構成された本実施形態1、2の何れに係るテープ巻き装置によっても、欠歯歯車3(4)と、欠歯歯車5(6)とが互いに逆方向に回転するので、柱状部材10と板状部材71(72)も互いに逆方向に回転する。これにより、欠歯歯車5(6)と板状部材71、72とが一体的に回転する場合でも、柱状部材10と板状部材71、72との外周面同士が当接して、互いに回転を妨げ合うことが抑制される。従って、欠歯歯車3(4)と欠歯歯車5(6)とが互いに動きを妨げ合うことを抑制できる。
また、以上のように構成された本実施形態1、2の何れに係るテープ巻き装置によっても、テープ巻き装置は、溝構造50の開口に刃19を備えており、ワイヤーハーネスWが粘着テープTとともに溝構造50に挿入された状態で溝構造50が欠歯歯車3とともに回転を開始することによって、当該刃19が粘着テープTを切断できる。従って、テープ巻き作業における作業負担を軽減できる。
また、以上のように構成された本実施形態1、2の何れに係るテープ巻き装置によっても、溝構造50に挿入された状態で、その延在方向に摺動可能なスライダーS1を備え、スライダーS1は、中心側位置P3と、溝構造50の開口との間を摺動可能であり、溝構造50の底壁51側から溝構造50の開口側に押し出されるように付勢されている。従って、ワイヤーハーネスWをスライダーS1に当接させつつ、ワイヤーハーネスWを溝構造50の開口55から欠歯歯車3(4)の回転軸a1まで挿通できるので、回転軸a1方向に延在するようにワイヤーハーネスWの姿勢を保つことが容易になる。これにより、回転軸a1まで挿入されたワイヤーハーネスWの姿勢確認に要する工数を削減できる。
また、以上のように構成された本実施形態1、2の何れに係るテープ巻き装置によっても、閉塞位置P1に位置する閉塞用部材151が受ける回動用の付勢力のうち閉塞用部材151を切欠部13の延在方向に沿って回転軸a1側に移動させるように働く成分は、当該閉塞用部材151に当接するスライダーS1を外周面開口12側へ移動させるように働く付勢力よりも強い。従って、付勢されたスライダーS1が閉塞位置P1に位置する閉塞用部材151に当たったとしても、閉塞用部材151が退避位置P2側に回動することを抑制できる。従って、スライダーS1に保持されたワイヤーハーネスWが作業者の意図に反して、切欠部13から外部に排出されることを抑制できる。
また、以上のように構成された本実施形態1、2の何れに係るテープ巻き装置によっても、作業者が二重ラック1、2(1A、2A)をワイヤーハーネスWに対して移動させて切欠部13からワイヤーハーネスWを排出した後に、スライダーS1は閉塞用部材151が閉塞位置P1側へ回動する経路を塞いで外周面開口12に位置する。そして、閉塞用部材151が受ける回動用の付勢力のうち閉塞用部材151を欠歯歯車3(4)の回転軸a1側に移動させるように働く成分は、外周面開口12に位置するスライダーS1を切欠部13の外部へ移動させるように働く付勢力よりも弱い。従って、外周面開口12に位置するスライダーS1が閉塞用部材151に押されて当該回転軸側に移動し、切欠部13が閉塞部材によって閉塞されてしまうことを抑制できる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
100,100A テープ巻き装置
1,2,1A,2A 二重ラック
3,4,5,6 欠歯歯車
10 柱状部材
11 外周面
12,32,42 外周面開口
13,33,43 切欠部
50 溝構造
51 底壁
52,53 側壁
55 開口
60 テープ巻き付けユニット
70 テープホルダー
80 テープ保持ユニット
a1 回転軸
a2 回転軸(他の回転軸)
W ワイヤーハーネス(長尺部材)
M モータ
T 粘着テープ(テープ)
TR テープロール
TRa 芯材

Claims (9)

  1. 二重ラックと、
    前記二重ラックに噛み合い、回転軸を中心に自転しつつ前記二重ラックの延在方向に沿って前記二重ラックに対して相対的に往復移動可能な欠歯歯車と、
    前記回転軸に対向する開口を有して前記欠歯歯車の径方向に沿って前記回転軸側に延在し、前記回転軸方向に延在する長尺部材を前記開口から前記回転軸までテープとともに挿通可能である溝構造と、
    前記二重ラックに噛み合い、他の回転軸を中心に自転しつつ前記二重ラックの延在方向に沿って相対的に往復移動可能な他の欠歯歯車と、
    前記二重ラックをその延在方向に沿って移動可能に支持する支持部材と、
    前記支持部材に固定され、前記他の欠歯歯車を前記他の回転軸周りに自転させるモータと、
    を備え、
    前記溝構造は、前記長尺部材が前記回転軸まで挿入された状態で、前記回転軸に対して前記開口と反対側への当該長尺部材の移動を規制可能な底壁と、当該移動の方向と前記回転軸方向との双方の方向に直交する方向への当該長尺部材の移動を規制可能な一対の側壁とを備えるとともに、テープとともに前記回転軸まで挿入された前記長尺部材の周囲を前記底壁が旋回するように前記回転軸を中心として前記欠歯歯車と一体的に回転可能である、テープ巻き装置。
  2. 請求項1に記載のテープ巻き装置であって、
    前記欠歯歯車とともに同軸で回転可能であるとともに、前記欠歯歯車の前記回転軸に沿って前記欠歯歯車の外側に向けて突出するように前記欠歯歯車に連結された柱状部材をさらに備え、
    前記柱状部材には、その外周面に開口する外周面開口を有して前記回転軸側に延在するとともに、前記柱状部材を前記回転軸方向に沿って貫通し、前記溝構造の少なくとも一部をなす切欠部が設けられている、テープ巻き装置。
  3. 請求項2に記載のテープ巻き装置であって、
    前記回転軸に直交する方向に沿った前記柱状部材の長さが、前記二重ラックの間隔よりも長い、テープ巻き装置。
  4. 請求項3に記載のテープ巻き装置であって、
    前記二重ラックの延在方向に沿って前記他の欠歯歯車と一体的に移動可能なように前記他の欠歯歯車に取り付けられ、テープを巻取り収容したテープロールを保持可能なテープホルダーをさらに備え、
    前記テープホルダーは、
    前記他の欠歯歯車に対して前記柱状部材と同じ側に突出し、前記他の回転軸を中心軸とするともに、前記テープロールの円筒状の芯材に挿通可能な軸部材と、
    前記軸部材を横切るように前記軸部材に取り付けられ、前記他の欠歯歯車よりも大径の板状部材と、
    を備え、
    前記板状部材は、その外周面と前記柱状部材の外周面とが互いに当接可能なように前記軸部材に取り付けられている、テープ巻き装置。
  5. 請求項4に記載のテープ巻き装置であって、
    前記欠歯歯車と、前記他の欠歯歯車とが互いに逆方向に回転するようにそれぞれの歯列が設けられている、テープ巻き装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1つの請求項に記載のテープ巻き装置であって、
    前記長尺部材が前記テープとともに前記溝構造に挿入された状態で前記溝構造が前記欠歯歯車とともに回転を開始することによって前記テープを切断可能な刃を、前記溝構造の前記開口にさらに備える、テープ巻き装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1つの請求項に記載のテープ巻き装置であって、
    前記溝構造に挿入された状態で、その延在方向に摺動可能なスライダーをさらに備え、
    前記スライダーは、
    前記欠歯歯車の前記回転軸に位置する前記長尺部材に前記溝構造の前記開口とは反対側から当接する中心側位置と、前記溝構造の前記開口との間を摺動可能であり、前記溝構造の底壁側から前記溝構造の前記開口側に押し出されるように付勢されている、テープ巻き装置。
  8. 請求項7に記載のテープ巻き装置であって、
    前記欠歯歯車とともに同軸で回転可能であるとともに、前記欠歯歯車の前記回転軸に沿って前記欠歯歯車の外側に向けて突出するように前記欠歯歯車に連結された柱状部材を備え、
    前記柱状部材には、その外周面に開口する外周面開口を有して前記回転軸側に延在するとともに、前記柱状部材を前記回転軸方向に沿って貫通し、前記溝構造の少なくとも一部をなす切欠部が設けられており、
    前記スライダーは、前記切欠部に囲まれた収容空間において前記切欠部の延在方向に摺動可能に設けられており、
    前記テープ巻き装置は、
    前記切欠部の前記外周面開口から前記切欠部の底部を遮蔽するように前記収容空間を閉塞可能な閉塞用部材をさらに備え、
    前記閉塞用部材は、
    前記柱状部材に設けられた支点によって、前記収容空間に突出して前記収容空間を閉塞する閉塞位置と、前記収容空間から退避された退避位置との間で前記回転軸方向を横切る方向に回動可能に支持されているとともに、前記退避位置側から前記閉塞位置側へ回動するように付勢されており、
    前記閉塞位置は、前記退避位置よりも前記閉塞用部材が前記回転軸に近い位置であり、
    前記閉塞位置に位置する前記閉塞用部材が受ける回動用の付勢力のうち前記閉塞用部材を前記切欠部の延在方向に沿って前記回転軸側に移動させるように働く成分は、当該閉塞用部材に当接する前記スライダーを前記外周面開口側へ移動させるように働く付勢力よりも強い、テープ巻き装置。
  9. 請求項8に記載のテープ巻き装置であって、
    前記退避位置に位置する前記閉塞用部材は、前記外周面開口に位置する前記スライダーによって前記閉塞位置側へ回動する経路を塞がれるとともに、
    前記退避位置に位置する前記閉塞用部材が受ける回動用の付勢力のうち前記閉塞用部材を前記切欠部の延在方向に沿って前記回転軸側に移動させるように働く成分は、前記外周面開口に位置する前記スライダーを前記切欠部の外部へ移動させるように働く付勢力よりも弱い、テープ巻き装置。
JP2016021709A 2016-02-08 2016-02-08 テープ巻き装置 Pending JP2017141029A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016021709A JP2017141029A (ja) 2016-02-08 2016-02-08 テープ巻き装置
PCT/JP2017/002872 WO2017138368A1 (ja) 2016-02-08 2017-01-27 テープ巻き装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016021709A JP2017141029A (ja) 2016-02-08 2016-02-08 テープ巻き装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017141029A true JP2017141029A (ja) 2017-08-17

Family

ID=59563124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016021709A Pending JP2017141029A (ja) 2016-02-08 2016-02-08 テープ巻き装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2017141029A (ja)
WO (1) WO2017138368A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022547462A (ja) * 2019-09-03 2022-11-14 レオニ ボルトネッツ-ジステーメ ゲーエムベーハー ワイヤハーネスの自動ラッピングのための装着ヘッド及び方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114496428A (zh) * 2021-12-29 2022-05-13 张外屏 通讯设备用绝缘子拉紧式缠绕生产线组
CN116168899B (zh) * 2023-04-25 2023-08-11 深圳市稳盛达塑胶五金制品有限公司 一种电子连接线束生产用焊接包覆装置及其包覆方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59224013A (ja) * 1983-06-02 1984-12-15 住友電気工業株式会社 ワイヤハ−ネス用テ−ピング装置
JP2950135B2 (ja) * 1994-02-04 1999-09-20 住友電装株式会社 テープ巻き装置
JP2008168927A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Yazaki Corp テープ貼り機構とそれを備えたテープ巻き装置及びテープ巻き方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022547462A (ja) * 2019-09-03 2022-11-14 レオニ ボルトネッツ-ジステーメ ゲーエムベーハー ワイヤハーネスの自動ラッピングのための装着ヘッド及び方法
JP7347906B2 (ja) 2019-09-03 2023-09-20 レオニ ボルトネッツ-ジステーメ ゲーエムベーハー ワイヤハーネスの自動ラッピングのための装着ヘッド及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017138368A1 (ja) 2017-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017138368A1 (ja) テープ巻き装置
EP2587286A1 (en) Optical fiber cutter
JP2008531315A (ja) 動力付きパイプカッタ及び処理工具
JP2001120860A (ja) クラフトカッター
JP2017217713A (ja) 測長装置
WO2017138354A1 (ja) テープ巻き装置
TW201341869A (zh) 光纖處理設備及光纖現地組裝方法
CN112775484A (zh) 一种可手持的管材切割装置
JP2006269715A (ja) 界磁コイルの製造方法および製造装置
CN110537022B (zh) 涡旋压缩机的制造方法
JP4471151B2 (ja) 穿孔具
CN110479913B (zh) 送料裁切装置
JP6601939B2 (ja) 測長装置
CN109465492B (zh) 电锯
JP2013255715A (ja) 切断工具
JP4995329B1 (ja) シート巻き取り装置用の巻き取り軸及びシート巻き取り装置
CN107270834B (zh) 垂直度检测装置及卷绕机
CN220876635U (zh) 一种弹性卷纸轴
JP6061355B2 (ja) ねじ山トリミング装置
CN102407382A (zh) 具有移动式靠板的切割机
CN218984394U (zh) 夹紧定位装置
JP2019524266A (ja) 組織閉鎖装置
JP2019055854A (ja) テープ巻付装置
JP5436847B2 (ja) リール固定冶具及びリール固定方法
JP2016052205A (ja) スパイラルチューブ用工具