JP6061355B2 - ねじ山トリミング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークに備えた雄ねじ部におけるねじ山の始端部をねじ底から徐々に立ち上がる形状にトリミングするねじ山トリミング装置に関する。
従来、この種のねじ山トリミング装置では、上記したトリミングを行うために、ワークの雄ねじ部に対するトリミングツールの位置をX−Yテーブルを用いて変更していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−105819号公報(図5、図10、段落[0071])
しかしながら、上述した従来のねじ山トリミング装置は、嵩張りかつ高価であるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来よりコンパクトでかつ低コストなねじ山トリミング装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、雄ねじ部を有したワークを支持するワーク支持部と、トリミングツールを支持しかつ前記雄ねじ部を中心に相対回転するツール支持部とを備え、前記トリミングツールにより、前記雄ねじ部のねじ山の始端部をねじ底から徐々に立ち上がる形状にトリミングするねじ山トリミング装置において、前記ツール支持部に設けられて、前記トリミングツールを前記雄ねじ部の径方向に往復動可能に支持する直動支持機構と、前記トリミングツールを前記雄ねじ部側に付勢するツール付勢手段と、前記トリミングツールに設けられ、前記雄ねじ部に対する前記相対回転の周速方向を向いた刃先を有する切削刃と、前記切削刃のうち前記刃先を挟んですくい面の反対側に設けられ、前記刃先より前記雄ねじ部の中心に近い位置で前記雄ねじ部に当接するワーク当接面と、を備えたねじ山トリミング装置である。
請求項2の発明は、前記ワーク当接面は、前記雄ねじ部の軸方向から見た形状が前記雄ねじ部側に向かって膨らんだ円弧状をなしている請求項1に記載のねじ山トリミング装置である。
請求項3の発明は、前記周速方向から見た前記切削刃の一側部には、切削されるねじ山の隣のねじ山との干渉を避けるための切欠部が形成されている請求項1又は2に記載のねじ山トリミング装置である。
請求項4の発明は、前記ツール付勢手段による付勢力を調整するための付勢力調整手段を備えた請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載のねじ山トリミング装置である。
請求項5の発明は、前記ワーク支持部と前記ツール支持部とを一定位置に配置した状態に備えるベース部と、前記ワーク支持部に形成され、前記雄ねじ部が螺合するワーク螺合孔と、を備えた請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載のねじ山トリミング装置である。
請求項6の発明は、前記ワーク螺合孔は、複数条ねじであり、前記ワーク螺合孔の条数と同じ数の前記ツール支持部が、前記ワーク螺合孔の中心軸回りに均等配置されている請求項5に記載のねじ山トリミング装置である。
請求項7の発明は、前記ベース部に形成されかつ前記ワーク螺合孔と同心の筒支持孔と、前記筒支持孔に対して回転可能に嵌合されかつ軸方向で位置決めされると共に中心部に前記ワーク螺合孔を有する前記ワーク支持部としてのワーク支持筒と、前記ワーク支持筒を前記ベース部に対して任意の回転位置に回り止めする回り止め手段と、を備えた請求項5又は6に記載のねじ山トリミング装置である。
請求項8の発明は、前記ベース部は、筒状をなし、その外面側から前記切削刃を視認可能とする覗き孔を備えている請求項7に記載のねじ山トリミング装置である。
請求項1のねじ山トリミング装置では、トリミングツールがツール付勢手段に付勢されてワークの雄ねじ部に押し付けられた状態で、その雄ねじ部に対して相対回転する。ここで、トリミングツールの切削刃には、周速方向を向いた刃先が備えられると共に、その刃先を挟んですくい面の反対側に、刃先より雄ねじ部の中心に近い位置で雄ねじ部に当接するワーク当接面が備えられているので、刃先は、ねじ山のうちワーク当接面と雄ねじ部との当接位置より雄ねじ部の中心から離れた位置に切り込む。そして、相対回転が進んでねじ山の一部が切除され、ねじ山の切り残された部分にワーク当接面が乗り上がって刃先が雄ねじ部の中心からさらに離れる側に向かっていく。このようにして、本発明のねじ山トリミング装置では、従来のようにX−Yテーブルのような嵩張りかつ高価な機構を用いずに、雄ねじ部のねじ山の始端部をねじ底から徐々に立ち上がる形状にトリミングすることができる。即ち、本発明によれば、従来よりコンパクトでかつ低コストなねじ山トリミング装置を提供することができる。
請求項2のねじ山トリミング装置では、ワーク当接面が円弧状をなしているので、雄ねじ部に対してスムーズに摺接し、安定したトリミングが可能になる。
請求項3のねじ山トリミング装置では、周速方向から見た切削刃の一側部には、切削されるねじ山の隣のねじ山との干渉を避けるための切欠部が形成されているので、トリミングツールの幅方向のより中央に近い位置でねじ山を切削することができ、トリミングツールの耐久性が向上する。
請求項4のねじ山トリミング装置では、トリミングツールが雄ねじ部に対してよりスムーズに摺接するように、付勢力調整手段によりツール付勢手段による付勢力を調整することができる。
請求項5のねじ山トリミング装置では、ワーク支持部とツール支持部とが一定位置に配置された状態でベース部に備えられている。これにより、ワーク支持部に形成されたワーク螺合孔に雄ねじ部が螺合すると、雄ねじ部の軸方向におけるトリミングツールの位置に対し、雄ねじ部の周方向におけるトリミングツールの位置が一義的に決まる。これにより、ねじ山トリミング装置にてトリミングされたワーク群のねじ山形状のばらつきが抑えられる。
請求項6のねじ山トリミング装置によれば、複数条ねじの各ねじ山の始端部を同時にトリミングすることができる。
請求項7のねじ山トリミング装置によれば、ワーク支持筒をベース部に対して任意の回転位置に配置して回り止めすることで、雄ねじ部におけるトリミングツールの位置を変更することができる。また、請求項8のねじ山トリミング装置のように、ベース部が筒状である場合、そのベース部に切削刃を視認するための覗き孔を設けておけば、雄ねじ部に対する切削刃の当接位置を視認しながらワーク支持筒のベース部に対する回転位置を調節することができる。
本発明の一実施形態に係るねじ山トリミング装置の斜視図 ねじ山トリミング装置の縦断面図 ねじ山トリミング装置の縦断面図 ねじ山トリミング装置の一部を拡大した縦断面図 ねじ山トリミング装置の一部を拡大した縦断面図 トリミングツールの正面図 (A)トリミングツールの側面図、(B)トリミングツールの低面図 切削刃の拡大側面図 ねじ山トリミング装置のA−A断面図 ねじ山トリミング装置の一部を拡大した縦断面図 切削刃とワークボルトの拡大側断面図 (A)ワークボルトの斜視図、(B)トリミング前のねじ山の斜視図、(C)トリミング後のねじ山の斜視図、 第2実施形態に係るねじ山トリミング装置の斜視図 ねじ山トリミング装置の横断面図 ねじ山トリミング装置の縦断面図 第3実施形態に係るねじ山トリミング装置の縦断面図 第4実施形態に係るねじ山トリミング装置のトリミングツールの側面図 切削刃とワークボルトの拡大側断面図
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のねじ山トリミング装置10は、円筒状のベース部11にワーク支持筒20(本発明の「ワーク支持部」に相当する)とツール支持部材30(本発明の「ツール支持部」に相当する)とを組み付けて備えている。
図2に示すように、ワーク支持筒20は、円筒体の一端から側方にフランジ21が張り出した形状をなし、ワーク支持筒20の内側には、本発明に係るワーク螺合孔22としての雌ねじ孔が形成されている。そして、ワーク支持筒20が、ベース部11の中心孔11A(本発明に係る「筒支持孔」に相当する)の一端部に嵌合されて、フランジ21がベース部11の一端面に当接している。また、図3に示すように、ベース部11の一端寄り位置には、ベース部11を径方向に貫通するように1対の雌ねじ孔12,12がワーク支持筒20の両側に形成され、それら雌ねじ孔12,12に螺合したセットねじ13,13(本発明に係る「回り止め手段」に相当する)がワーク支持筒20に押し付けられてワーク支持筒20がベース部11に対して回り止めされている。
図1に示すように、ベース部11の一端部の外周面には、ツール支持部材30を組み付けるためのブロック受容部14が形成されている。ブロック受容部14は、ベース部11の一端面からベース部11の軸方向に延びた角溝形状をなしている。また、ブロック受容部14と雌ねじ孔12,12とは、ベース部11の周方向に90度ずれた配置になっている。
図2に示すように、ブロック受容部14の底面には、長手方向の中間部に支持孔15が形成されると共に、支持孔15を挟んだ2位置に1対の雌ねじ孔16,16が形成されている。それら支持孔15及び雌ねじ孔16は、何れもベース部11の中心軸に直交する方向に延び、ベース部11の内側に連通している。
図4に示すように、ツール支持部材30は、ベース部11の軸方向に延びた略直方体状のブロック部31の下面中央からツール支持筒32が突出した形状をなしている。また、ブロック部31の長手方向の両端に位置した側面は、ツール支持筒32と同心の円弧面になっている。そして、ブロック部31がブロック受容部14に嵌合されかつツール支持筒32が支持孔15に嵌合されている。また、ツール支持筒32は、ベース部11の内周面から突出し、その先端面は、前記したワーク螺合孔22を延長した領域から離れた位置に配置されている。
ブロック部31のうちツール支持筒32を挟んだ2位置には、雌ねじ孔16,16と同軸上に1対の取付孔33,33が貫通形成されている。そして、1対の固定ボルト19,19が取付孔33,33に通されて雌ねじ孔16,16に締め付けられてツール支持部材30がベース部11に固定されている。なお、取付孔33,33の上端部は、座刳られ(段付き状に拡径され)、その座刳られた部分に固定ボルト19のヘッド部が受容されている。また、固定ボルト19,19は、先端部がベース部11の内側に突出しない長さのものが使用されている。
ツール支持部材30には、ツール支持筒32の中心軸上に支持孔34が貫通形成されている。支持孔34には、ツール支持筒32の中間位置に段差面34Dが形成されている。そして、支持孔34のうち段差面34Dよりツール支持筒32の先端側は、図3に示すようにベース部11の周方向に長くなった断面長円形のツールガイド部34Aになっている。また、図4に示すように、支持孔34のうち段差面34Dを挟んでツールガイド部34Aと反対側は、断面円形のバネ・フランジ収容部34Bをなし、そのバネ・フランジ収容部34Bにおけるツールガイド部34Aと反対側の端部には雌ねじ部34Cが形成されている。
支持孔34には、トリミングツール40が直動可能に組み付けられて、本発明に係る「直動支持機構」が構成されている。図7(A)及び図7(B)に示すように、トリミングツール40は、断面長円形のツール本体40Aを備えている。ツール本体40Aの一端部には、フランジ40Fが備えられ、そのフランジ40Fの中心部からツール本体40Aと反対側にバネ支持突部40Bが突出している。そして、ツール本体40Aが支持孔34のツールガイド部34Aに挿入され、フランジ40Fが段差面34Dに当接して、トリミングツール40が原点位置に位置決めされている。その原点位置でトリミングツール40の先端部は、ツール支持筒32の先端から突出した状態になる。
なお、ツール本体40Aの外周面のうちフランジ40Fとの境界部には、円弧溝40Mが形成され、これにより、フランジ40Fが段差面34Dに確実に当接するようになっている。また、フランジ40Fの外周面は、僅かに外側に膨らんだ形状をなしている。
図4に示すように、支持孔34にはトリミングツール40に次いで圧縮コイルバネ41(本発明の「ツール付勢手段」に相当する)も挿入され、さらに、雌ねじ部34Cに抜止ねじ42が螺合されている。そして、圧縮コイルバネ41が抜止ねじ42とトリミングツール40との間で突っ張り状態にされて、トリミングツール40をツール支持筒32の先方へと付勢している。また、抜止ねじ42のうちトリミングツール40側の端面には、バネ収容孔42Aが形成され、そのバネ収容孔42Aに圧縮コイルバネ41の一端部が受容されると共に、圧縮コイルバネ41の他端部がバネ支持突部40Bの外側に挿通されている。
抜止ねじ42は、ツール支持部材30から突出し、その先端部は、円柱の外周面に平行かつ平坦な1対の平坦面を形成した形状の螺合操作部42Bになっている。そして、抜止ねじ42の雌ねじ部34Cに対する螺合深さを変更して、圧縮コイルバネ41によりトリミングツール40への付勢力を調整することができる。即ち、本実施形態では、抜止ねじ42と雌ねじ部34Cとが、本発明に係る「付勢力調整手段」に相当する。また、抜止ねじ42は、雌ねじ部34Cとの間に塗布した固定液にて回り止めされるか、ブロック部31の側面から雌ねじ部34Cへと延びたねじ孔(図示せず)が設けられて、そこに螺合したセットねじにて回り止めされている。
ツール本体40Aの先端部は、本発明に係る切削刃50になっている。また、ベース部11には、ツール支持筒32の軸方向と直交するベース部11の径方向に1対の覗き孔17,17が貫通形成され、切削刃50をベース部11外から視認することができるようになっている。
以下、均一な断面形状の楕円柱形状のツール本体40Aから切削刃50を加工する手順の一例を示して切削刃50の形状を説明する。先ず、図8に示すようにツール本体40Aの断面長円形の短手方向から見て、ツール本体40Aの先端面のうち、ツール本体40Aの中心軸J1より同図の左側に、先端円弧面54Aが形成される。その先端円弧面54Aは先方に向かって膨らむように湾曲していて、先端円弧面54Aのうちフランジ40F(図6(A)参照)から最も離れた頂点P1は、ツール本体40Aの中心軸J1上に位置している。
次いで、図6及び図7に示すように、先端円弧面54Aを含むツール本体40Aの先端面とツール本体40Aの外周面との間の角部が、ツール本体40Aの断面長円形の短手方向(図6の左右方向)の両側から面取りされて1対の傾斜側面55,55が形成される。傾斜側面55は、ツール本体40Aの軸方向に対して所定の傾斜角θ1だけ傾き、その傾斜角θ1は、図4に示した前記ワーク螺合孔22の径方向に対するねじ山22Aの側面の傾斜角θ2と略同一になっている。
次いで、図8に示すようにツール本体40Aの断面長円形の短手方向から見てツール本体40Aの先端部の一側部を切除してすくい面52と切削刃対向面53とが形成される。すくい面52及び切削刃対向面53は、ツール本体40Aの断面長円形の短手方向と平行な平坦面であって、すくい面52は、先端円弧面54Aのうち頂点P1から図8の右側に僅かにずれた位置からフランジ40F側に向かうに従って中心軸J1に接近するように傾斜している。また、切削刃対向面53は、すくい面52と直交している。
次いで、ツール本体40Aの先端に、先端円弧面54Aの頂点P1からすくい面52に向かうに従って僅かにフランジ40F側に迫り上がるように傾斜した先端平坦面54Bが形成される。そして、すくい面52と先端平坦面54Bとが交差してなる角部が切削刃50の刃先51になっている。また、先端円弧面54Aと先端平坦面54Bとから本発明に係るワーク当接面54が構成されている。
なお、中心軸J1の軸方向における先端円弧面54Aの頂点P1と刃先51との間隔L1は、ワーク螺合孔22に螺合する雄ねじのねじ山92の高さより小さくなっている。
本実施形態のねじ山トリミング装置10の構成に関する説明は以上である。次に、このねじ山トリミング装置10の作用効果について説明する。ねじ山トリミング装置10にてトリミングされるワークとして、図12(A)に示すように、雄ねじ部91の途中で切断されたボルト90が挙げられる。そのようなボルト90(以下、他のボルトと区別するために「ワークボルト90」という)では、ねじ山92の切断部分がねじ山92の新たな始端部92Aになる。そのねじ山92の始端部92Aは、雄ねじ部91(以下、他のボルトの雄ねじ部と区別するために「ワーク雄ねじ部91」という)の周方向に沿ってねじ底93から徐々に立ち上がりかつ、山頂部分が図12(B)に示すように鋭角に尖った形状をなしかつ、始端部92Aの随所からバリ90Bが張り出している。
このようなねじ山92の始端部92Aに対し、図12(C)に示すように、山頂部分に平坦面92Bを形成しながらバリ90Bを除去しかつ、ねじ山92の始端部92Aがねじ底93から徐々に立ち上がった形状となるようにトリミングするために、本実施形態のねじ山トリミング装置10が使用される。
そのトリミングを行うためには、図3に示すように、ワーク雄ねじ部91をねじ山トリミング装置10のワーク螺合孔22に螺合していく。すると、図9に示すように、ワーク雄ねじ部91のうちねじ山92が途切れている部分における先端面の縁部(以下、適宜「好適な先端縁部」という)にトリミングツール40における傾斜側面55が当接する。
ここで、ワーク雄ねじ部91の先端面の好適ではない先端縁部にトリミングツール40の傾斜側面55が当接する場合には、図3に示したセットねじ13,13を緩め、覗き孔17を通してトリミングツール40とワーク雄ねじ部91との当接状態を視認しながら、ワーク支持筒20をベース部11に対して回転する。そして、ワーク雄ねじ部91の好適な先端縁部にトリミングツール40の傾斜側面55が当接する位置でワーク支持筒20をセットねじ13,13にて固定すればよい。
ワーク雄ねじ部91の好適な先端縁部にトリミングツール40の傾斜側面55が当接した状態でワーク雄ねじ部91のワーク螺合孔22に対する螺合を深めていくと、トリミングツール40の傾斜側面55とワーク雄ねじ部91の先端面との摺接により、トリミングツール40が圧縮コイルバネ41の付勢力に抗してツール支持筒32側に押し上げられ、図10に示すように、ワーク雄ねじ部91におけるねじ山92が途切れている部分のねじ底93に乗り上がる。
この状態でワーク雄ねじ部91のワーク螺合孔22に対する螺合をさらに深めていくと、トリミングツール40がワーク雄ねじ部91に押し付けられた状態で、そのワーク雄ねじ部91に対して相対回転する。ここで、図11に示すように、トリミングツール40の切削刃50には、周速方向Vを向いた刃先51が備えられると共に、刃先51を挟んですくい面52の反対側に、刃先51よりワーク雄ねじ部91の中心に近い位置でワーク雄ねじ部91に当接するワーク当接面54が設けられているので、刃先51は、ねじ山92のうちワーク当接面54とワーク雄ねじ部91との当接位置よりワーク雄ねじ部91の中心から離れた位置に切り込む。そして、相対回転が進んでねじ山92の一部が切除され、ねじ山92の切り残された部分にワーク当接面54が乗り上がって刃先51がワーク雄ねじ部91の中心からさらに離れる側に向かっていく。そして、図5に示すように、トリミングツール40のワーク当接面54が、均一の外径をなしたねじ山92の正規の外周面に接近すると、刃先51が切り込む対象がなくなるので切削が終了する。仮に、そのままワーク雄ねじ部91の螺合を深めても、図5に示すように、トリミングツール40がねじ山92の正規の外周面上に乗り上がった状態が維持される。
上記したように本実施形態のねじ山トリミング装置10では、従来のねじ山トリミング装置で使用されていたX−Yテーブルのような嵩張りかつ高価な機構を用いずに、ワーク雄ねじ部91のねじ山92の始端部92Aをねじ底93から徐々に立ち上がる形状にトリミングすることができる。即ち、本実施形態のねじ山トリミング装置10は、従来のものよりコンパクトでかつ低コストになる。また、トリミングツール40のうちワーク雄ねじ部91に当接するワーク当接面54が略円弧状になっているので、ワーク雄ねじ部91に対してスムーズに摺接し、安定したトリミングが可能になる。さらに、本実施形態の構成によれば、ワーク螺合孔22にワーク雄ねじ部91が螺合されると、ワーク雄ねじ部91の軸方向における切削刃50の位置に対し、ワーク雄ねじ部91の周方向における切削刃50の位置が一義的に決まるので、ねじ山トリミング装置10にてトリミングされたワークボルト90群のねじ山92の形状のばらつきが抑えられる。
また、トリミングツール40にてねじ山92を切削するときには、その切削されているねじ山92の隣のねじ山92の側面とトリミングツール40の傾斜側面55とが略平行になって隣接する(図4参照)。即ち、傾斜側面55を形成するためにトリミングツール40の側部に形成された切欠部50K(図6参照)が、隣のねじ山92との干渉を避ける役割を果たし、これにより、トリミングツール40の幅方向のより中央に近い位置でねじ山92を切削することができ、トリミングツール40の耐久性が向上する。
[第2実施形態]
図13〜図15には、本発明の第2実施形態が示されている。前記第1実施形態のねじ山トリミング装置10が、一条ねじ(即ち、通常のねじ)のワーク雄ねじ部91を有するワーク(ワークボルト90、図1参照)をトリミング対象としていたのに対し、本実施形態のねじ山トリミング装置10Vは、二条ねじのワーク雄ねじ部91V(即ち、2つのねじ山92,92を平行な螺旋状に形成して備えたワーク雄ねじ部91V)を有するワークをトリミング対象としている。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。なお、図13には、そのようなワークの一例としてボールねじ90Vが示されている。
本実施形態のねじ山トリミング装置10Vに備えたワーク支持筒20Vのワーク螺合孔22Vは、二条ねじになっている。また、図13に示すように、ベース部11Vには、ベース部11Vの周方向で180度離れた2位置に1対のブロック受容部14,14が形成され、それら1対のブロック受容部14,14に1対のツール支持部材30,30が組み付けられている。そして、図14及び図15に示すように、両ツール支持部材30,30に組み付けられた1対のトリミングツール40,40の切削刃50,50がベース部11Vの中心回りに点対称に配置されている。
本実施形態のねじ山トリミング装置10Vによれば、第1実施形態と同様の効果に加え、二条ねじの各ねじ山92の始端部92Aを同時にトリミングすることができるという効果を奏する。なお、三条ねじのワーク雄ねじ部を有するワークをトリミングする場合には、ベース部11の周方向を3等分する位置に3つのツール支持部材30を設ければよい。
[第3実施形態]
図16には、本発明の第3実施形態が示されている。本実施形態のねじ山トリミング装置10Wは、第2実施形態のねじ山トリミング装置10Vと主要部が同一の装置本体10Hを、スライド支持ベース60にて直動可能に支持した構造になっている。具体的には、装置本体10Hのベース部11Vには、外周面にガイド凸条11Tが備えられている。そのガイド凸条11Tは、断面四角形をなして、ベース部11Vの軸方向に延びている。また、ベース部11Vのうちワーク支持筒20Vと反対側の端部には抜止ナット61が螺合され、その抜止ナット61に備えたフランジ61Fがベース部11Vの外周面から側方に張り出している。
スライド支持ベース60は、第1と第2のベーススリーブ62,63からなる。第1ベーススリーブ62は両端開放の筒状をなし、その内側の孔の断面形状は、ベース部11Vの外周形状に対応して、円の一部に角溝62Mを備えた形状をなしている。そして、ベース部11Vが第1ベーススリーブ62の内側に嵌合されて、角溝62Mにベース部11Vのガイド凸条11Tが係合し、これにより、ベース部11Vが第1ベーススリーブ62に対して回り止めされた状態で直動可能に支持されている。
第2ベーススリーブ63は、一端有底、他端開放の筒状をなし、第1ベーススリーブ62が、抜止ナット61側から第2ベーススリーブ63に嵌合され、第1ベーススリーブ62に設けられたフランジ62Fが第2ベーススリーブ63の端面に重ねられてねじ止めされている。そして、第2ベーススリーブ63の底部と抜止ナット61のフランジ61Fとの間に圧縮コイルバネ64が突っ張り状態に収容されて、装置本体10Hを付勢している。
本実施形態のねじ山トリミング装置10Wは、例えば、第2ベーススリーブ63の基端部を垂直多関節ロボットの先端フランジに取り付けられる。そして、図示しない治具に固定されたボールねじ90Vに対してねじ山トリミング装置10Wを同軸上に配置して接近させ、ワーク支持筒20Vのワーク螺合孔22Vにボールねじ90Vのワーク雄ねじ部91Vを押し付けながら回転させることで、ボールねじ90Vのトリミング処理を行うことができる。
[第4実施形態]
図17〜図18には、本発明の第4実施形態が示されている。この実施形態の切削刃50Xでは、ツール本体40Aの中心軸J1上に刃先51を有し、その刃先51を挟んですくい面52と反対側のワーク当接面54Xが、刃先51からツール本体40Aの外側面まで連続した円弧状になっている。また、図18に示すように、ワーク当接面54Xのうち刃先51から僅かに離れた位置に、ワーク雄ねじ部91の中心に最も近い頂点P1が備えられている。そして、ツール本体40Aの中心軸J1上にワークボルト90の中心が配置された状態で切削刃50Xが押し付けられるようになっている。また、この切削刃50Xには、図示しないが周速方向から見て一側部側のみに前記した切欠部50K(図6参照)が係止されている。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態のねじ山トリミング装置10では、圧縮コイルバネ41によってトリミングツール40が付勢されていたが、例えば、抜止ねじ42に変えてパイプジョイントを雌ねじ部34Cに螺合し、そのパイプジョイントに接続されたパイプで支持孔34内に圧縮エアーを供給してトリミングツール40をワーク雄ねじ部91側に付勢してもよい。
(2)前記第1実施形態のねじ山トリミング装置10では、ワークボルト90のワーク雄ねじ部91をワーク螺合孔22に螺合した構成であったが、ワークボルト90を回転駆動部に取り付け、ワーク螺合孔22を設けずに予めワークボルト90に対して切削刃50が一定の位置に当接するようにツール支持部材30を固定した構成にしてもよい。
10,10V,10W ねじ山トリミング装置
11,11V ベース部
11A 中心孔(筒支持孔)
13 セットねじ(回り止め手段)
17 覗き孔
20,20V ワーク支持筒(ワーク支持部)
22,22V ワーク螺合孔
30 ツール支持部材(ツール支持部)
40 トリミングツール
41 圧縮コイルバネ(付勢手段)
42 抜止ねじ
50,50X 切削刃
50K 切欠部
51 刃先
52 すくい面
54,54X ワーク当接面
90 ワークボルト(ワーク)
90V ボールねじ(ワーク)
91,91V ワーク雄ねじ部(雄ねじ部)
92 ねじ山
92A 始端部
93 ねじ底
V 周速方向

Claims (8)

  1. 雄ねじ部を有したワークを支持するワーク支持部と、トリミングツールを支持しかつ前記雄ねじ部を中心に相対回転するツール支持部とを備え、前記トリミングツールにより、前記雄ねじ部のねじ山の始端部をねじ底から徐々に立ち上がる形状にトリミングするねじ山トリミング装置において、
    前記ツール支持部に設けられて、前記トリミングツールを前記雄ねじ部の径方向に往復動可能に支持する直動支持機構と、
    前記トリミングツールを前記雄ねじ部側に付勢するツール付勢手段と、
    前記トリミングツールに設けられ、前記雄ねじ部に対する前記相対回転の周速方向を向いた刃先を有する切削刃と、
    前記切削刃のうち前記刃先を挟んですくい面の反対側に設けられ、前記刃先より前記雄ねじ部の中心に近い位置で前記雄ねじ部に当接するワーク当接面と、を備えたねじ山トリミング装置。
  2. 前記ワーク当接面は、前記雄ねじ部の軸方向から見た形状が前記雄ねじ部側に向かって膨らんだ円弧状をなしている請求項1に記載のねじ山トリミング装置。
  3. 前記周速方向から見た前記切削刃の一側部には、切削されるねじ山の隣のねじ山との干渉を避けるための切欠部が形成されている請求項1又は2に記載のねじ山トリミング装置。
  4. 前記ツール付勢手段による付勢力を調整するための付勢力調整手段を備えた請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載のねじ山トリミング装置。
  5. 前記ワーク支持部と前記ツール支持部とを一定位置に配置した状態に備えるベース部と、前記ワーク支持部に形成され、前記雄ねじ部が螺合するワーク螺合孔と、を備えた請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載のねじ山トリミング装置。
  6. 前記ワーク螺合孔は、複数条ねじであり、前記ワーク螺合孔の条数と同じ数の前記ツール支持部が、前記ワーク螺合孔の中心軸回りに均等配置されている請求項5に記載のねじ山トリミング装置。
  7. 前記ベース部に形成されかつ前記ワーク螺合孔と同心の筒支持孔と、
    前記筒支持孔に対して回転可能に嵌合されかつ軸方向で位置決めされると共に中心部に前記ワーク螺合孔を有する前記ワーク支持部としてのワーク支持筒と、
    前記ワーク支持筒を前記ベース部に対して任意の回転位置に回り止めする回り止め手段と、を備えた請求項5又は6に記載のねじ山トリミング装置。
  8. 前記ベース部は、筒状をなし、その外面側から前記切削刃を視認可能とする覗き孔を備えている請求項7に記載のねじ山トリミング装置。
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