JP4471151B2 - 穿孔具 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の壁等に使用される合板や石膏ボード等の板材に円形孔を穿設するための穿孔具に関する。
従来、板材等の被穿孔体に円形孔を貫通形成するための穿孔具として、例えば、特許文献1、特許文献2または特許文献3に記載の技術がある。
特開平10−23063号公報 実開昭63−97411号公報 実開平1−74009号公報
特許文献1〜特許文献3に記載の技術は、いずれも、円形孔を形成するための穿孔刃の回転中心位置に、センター軸、センタードリルまたはセンターピンを有している。前記センター軸、センタードリルまたはセンターピンは、穿孔刃により被穿孔体を穿孔する際に、その先端を被穿孔体内部に進入して、穿孔刃の回転中心を提供する。本書類(特許請求の範囲、明細書及び要約書)では、センター軸、センタードリル、センターピン等、穿孔刃により被穿孔体を穿孔する際に、その先端を被穿孔体内部に進入して、穿孔刃の回転中心を提供する部材を、便宜上、センター軸部と称する。また、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、前記センター軸またはセンタードリルが、前記穿孔刃の先端から前進(突出)した前進位置と、穿孔刃の先端から後退(没入)した後退位置との間で伸縮自在となっている。一方、特許文献3に記載の技術では、特許文献1及び特許文献2に記載の技術と異なり、センタードリルは穿孔刃に対して伸縮自在とならず、常に穿孔刃から突出した位置に固定される。
特許文献1または特許文献2に係る穿孔具によれば、穿孔刃により壁板材等の被穿孔体を穿設する際に、穿孔刃の前進に伴ってセンター軸またはセンタードリルが後退するため、当該センター軸またはセンタードリルが被穿孔体を貫通することはない。このため、例えば、建物の壁材の裏側(壁裏側)に設置された配線ボックスの開口を壁表側に臨ませるため、当該壁材に透孔を穿設する際も、センタードリルが壁材を貫通して、壁裏の配線ボックスや当該配線ボックス内の収容物を破損することを防止することができる。一方、特許文献3に記載の技術では、センタードリルの代わりにセンターピンを交換装着することができ、被穿孔体の種類に対応することができる。
ここで、特許文献2に記載のようなセンタードリルを備えるタイプの穿孔具では、センタードリルは、穿孔刃を固定的に支持する穿孔具の本体と共に一体回転するよう、本体に対して回り止めされた状態で、かつ、伸縮自在となるよう付勢した状態で取付けなければならない。しかし、従来の穿孔具では、センタードリルを本体に対して回り止め状態かつ伸縮自在とするため、センタードリル自体を加工することが不可欠である。例えば、特許文献2に記載の技術では、センタードリルの伸縮に必要なストローク分の断面非円形部を、センタードリルの基端部に切削加工している。
このため、従来の穿孔具には、以下のような不具合がある。まず、センタードリルの加工は精度を要するため、センタードリル自体が大きくコストアップし、穿孔具自体を安価に提供することができない。また、センタードリルを加工すること自体、センタードリルの強度を弱めたり、破損の原因となったりする可能性がある。また、センタードリルの加工により、センタードリルを回り止め状態かつ伸縮自在とするのは、センタードリルの芯ぶれの原因となる。即ち、センタードリルの構造自体でセンタードリルを回り止め状態かつ伸縮自在に保持すると、その保持状態においてセンタードリルの基端側にガタツキが発生する可能性がある。更に、センタードリルを回り止め状態かつ伸縮自在に保持するため、センタードリルの基端側に対応する本体側の箇所に保持部を設けることになる。しかし、センタードリルの伸縮に必要なストロークを確保するため、その分、保持部が大きくなり、穿孔具自体が大型になって取り扱い難くなる。更にまた、例えば、特許文献2のように、センタードリル等のセンター軸部の基端側に断面非円形部を形成した場合、センター軸部の基端側を本体中央の孔に挿入してセンター軸部の伸縮動作を案内することになる。また、このとき、センター軸部を本体に対して回り止め状態とする手段(部分)と伸縮自在とする手段(部分)とは、共に、センター軸部の基端側が挿入された本体中央の孔部分となる。よって、センター軸部を本体と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるとき、センター軸部は、その基端側の断面非円形部の平面部分や平面部分の両角部が本体の孔の対応する平面部分や角部に押し付けられて回り止めされることになり、センター軸部の伸縮方向(ストローク方向)においてセンター軸部と本体の孔部分との間に大きな抵抗が生じて、センター軸部の伸縮動作(ストローク動作)が円滑に行われずに支障が出る可能性がある。
そこで、本発明は、センタードリル等のセンター軸部を加工することなく、簡易な構造で、センタードリル等のセンター軸部を本体に対して回り止め状態かつ伸縮自在とすることができ、結果として、全体を安価に作製することができる穿孔具の提供を課題とする。
請求項1に係る穿孔具は、回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、一端側が前記本体に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにする保持部材とを備え、前記保持部材は、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢する弾性を有すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容し、前記保持部材は、前記一端側と他端側との間を延設される板状部材を有し、前記板状部材の一端側を前記本体に回り止め状態で取付けると共に、前記板状部材の他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持し、前記板状部材は、前記センター軸部が前記第1の位置と前記第2の位置との間で伸縮自在となるよう、前記保持部材の一端側と他端側との間で屈曲または湾曲自在である。
請求項2に係る穿孔具は、請求項1の構成において、前記板状部材が、常には、前記保持部材の一端側と他端側との間で最大長となるよう伸張する弾性をそれ自身で有し、その伸張状態で前記センター軸部を前記第1の位置へと付勢すると共に、前記センター軸部が前記第1の位置から第2の位置まで収縮するのに応じて、前記伸張状態から弾性的に屈曲または湾曲する。
請求項3に係る穿孔具は、請求項1または2の構成において、前記本体が、前記穿孔刃を外周に配設する略板状の基部を有すると共に、前記連結部は、前記基部の厚さ方向一側に一体的に固着される軸体を有し、前記板状部材は、前記一端側が前記軸体に固着され、前記基部を厚さ方向に貫通して、前記他端側により前記センター軸部を固着する。
請求項4に係る穿孔具は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記保持部に保持された前記センター軸部の前記保持部からの突出長が、前記センター軸部が被穿孔体を貫通しないよう前記被穿孔体の厚み未満に設定されている。
請求項5に係る穿孔具は、請求項4の構成において、前記保持部に保持された前記センター軸部の前記保持部からの突出長が、前記被穿孔体の厚みに合せて変更自在である。
請求項6に係る穿孔具は、回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、 前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、一端側が前記本体に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにする保持部材とを備え、前記保持部材は、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢する弾性を有すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容し、前記保持部材は、更に、前記センター軸部の先端部を所定長突出させた状態で前記センター軸部を保持する当接部を有し、前記センター軸部を被穿孔体に前記所定長穿入させたとき、前記当接部の先端が前記被穿孔体の表面に当接して、前記センター軸部のそれ以上の穿入を阻止し、前記保持部材の弾性に抗して、前記センター軸部を前記第2の位置へと向かって後退させるようにした。
請求項7に係る穿孔具は、請求項3の構成において、更に、前記本体の基部に螺入されて前記基部を貫通し、前記保持部材の他端側に向かって延びる調整ビスと、前記保持部材の他端側に設けられ、前記調整ビスの先端に対向配置された規制片とを備え、前記センター軸部が前記第2の位置となったとき、前記調整ビスの先端が前記規制片に当接して、前記センター軸部が前記第2の位置から更に後退することを阻止されるようにした。
請求項8に係る穿孔具は、請求項3の構成において、前記センター軸部が前記第2の位置となったとき、前記板状部材の屈曲または湾曲部分が前記本体の基部の外周部に当接して、前記板状部材がそれ以上の屈曲または湾曲を阻止され、前記センター軸部が前記第2の位置から更に後退することを阻止されるようにした。
請求項9に係る穿孔具は、回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、一端側が前記本体に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにする保持部材とを備え、前記保持部材は、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢する弾性を有すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容し、前記本体は、前記連結部の軸心方向に延びる案内孔を有し、前記センター軸部は、その先端側が前記保持部材の他端側により回り止め状態で保持されて前記本体と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が前記連結部の案内孔に軸心方向への摺動自在に挿入されて前記連結部の案内孔により放射方向への移動を規制した状態で支持され、前記連結部の案内孔により前記センター軸部の前記第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内される
請求項10に係る穿孔具は、回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、一端側が前記本体に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにする保持部材と、前記保持部材と前記本体との間に設けられ、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容する弾性部材とを備え、前記本体は、前記連結部の軸心方向に延びる案内孔を有し、前記センター軸部は、その先端側が前記保持部材の他端側により回り止め状態で保持されて前記本体と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が前記連結部の案内孔に軸心方向への摺動自在に挿入されて前記連結部の案内孔により放射方向への移動を規制した状態で支持され、前記連結部の案内孔により前記センター軸部の前記第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内される
なお、前記弾性部材は、本体の内側において前記保持部材と前記本体との間に設けられるものであってもよく、本体の外側において前記保持部材と前記本体との間に設けられるものであってもよい。
請求項11に係る穿孔具は、回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、一端側が前記穿孔刃に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにし、かつ、前記他端側により保持された前記センター軸部が前記穿孔刃の延設方向に沿って移動自在となるよう、前記一端側が前記穿孔刃に取付けられた保持部材と、前記保持部材と前記本体との間に設けられ、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容する弾性部材とを備え、前記本体は、前記連結部の軸心方向に延びる案内孔を有し、前記センター軸部は、その先端側が前記保持部材の他端側により回り止め状態で保持されて前記本体と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が前記連結部の案内孔に軸心方向への摺動自在に挿入されて前記連結部の案内孔により放射方向への移動を規制した状態で支持され、前記連結部の案内孔により前記センター軸部の前記第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内される
請求項12に係る穿孔具は、請求項9乃至11のいずれかの構成において、前記案内孔が前記連結部を軸方向に貫通して設けられる。
請求項13に係る穿孔具は、請求項1乃至12のいずれかの構成において、前記穿孔刃が、前記本体の円周方向に連続する鋸刃状をなす。
請求項1に係る穿孔具によれば、センター軸部を加工することなく、簡易な構造で、センター軸部を本体に対して回り止め状態かつ伸縮自在とすることができ、結果として、安価に作製することができる。即ち、センター軸部の加工を不要とすることにより、センター軸部の芯ブレがなく、確実に穿孔を行うことができる。また、センター軸部の保持構造を簡易なものとして、穿孔具自体を小型化することができ、その取り扱い性を向上することができる。
また、請求項1に係る穿孔具によれば、板状部材という簡単な構成で、センター軸部を本体と一体回動自在とすることができると共に、センター軸部を第1及び第2の位置間で伸縮自在とすることができる。
請求項2に係る穿孔具によれば、請求項1の効果に加え、板状部材が自身の弾性により屈曲状態から伸張して、センター軸部を第2の位置から第1の位置へと復帰させることができ、別個の弾性部材を設ける必要がなく、全体の部品点数を削減して、組立作業効率を向上するとともに、コストを低減することができる。
請求項3に係る穿孔具によれば、請求項1または2の効果に加え、板状部材が本体を貫通する構成のため、全体構成をコンパクト化することができ、また、センター軸部のストロークを大きく確保することができる。
請求項4に係る穿孔具によれば、請求項1乃至3のいずれかの効果に加え、穿孔時にセンター軸部が被穿孔体を貫通することがなく、被穿孔体内の機器等を損傷することを確実に防止することができる。
請求項5に係る穿孔具によれば、請求項4の効果に加え、穿孔すべき被穿孔体の厚みが異なる場合でも、その被穿孔体の厚みに合わせてセンター軸部の突出長を変更して調整することができる。
請求項6に係る穿孔具によれば、穿孔時に、まず、当接部が回転しながら被穿孔体に当接し、センター軸部がそれ以上被穿孔体内に穿入したり被穿孔体を貫通したりすることを防止すると共に、被穿孔体との間で生じる摩擦熱等の摩擦による影響を吸収する。
請求項7に係る穿孔具によれば、請求項3の効果に加え、調整ビスが規制片に当接することにより、センター軸部が第2の位置に到来したことを容易に確認することができる。
請求項8に係る穿孔具によれば、請求項3の効果に加え、板状部材の屈曲部分または湾曲部分が本体の基部の外周部に当接することにより、センター軸部が第2の位置に到来したことを容易に確認することができる。
請求項9に係る穿孔具によれば、連結部の案内孔によりセンター軸部を案内して、センター軸部の軸方向の移動を円滑化することができる。また、センター軸部の先端側が保持部材の他端側により保持された状態で、センター軸部が本体と一体的に回動する。即ち、従来技術と比較して、センター軸部がより先端側を保持された状態で本体と一体的に回動する。よって、センター軸部の回転時の安定性が高まり、芯ブレを効果的に防止することができる。同時に、センター軸部の基端側が本体の連結部の案内孔に軸心方向への摺動自在に挿入されて前記連結部の案内孔により放射方向への移動を規制された状態で支持される。よって、センター軸部は、本体に対して、その基端側と先端側との2点で支持されることになり、回転時の安定性が更に高まり、芯ブレを更に効果的に防止することができる。また、芯ブレを防止できるため、センター軸部を本体と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センター軸部の基端側外周面が連結部の案内孔の内周面に押し付けられて伸縮動作(ストローク動作)の妨げとなるようなことはなく、その伸縮動作を円滑に行うことができる。
更に、このとき、センター軸部を非加工のままで使用でき、この場合、センター軸部の基端側は非加工状態では断面円形となる。よって、従来技術のように、センター軸部の基端側に断面非円形部を形成した場合と比較して、センター軸部を本体と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センター軸部の基端側外周面が連結部の案内孔の内周面に多少押し付けられたとしても、基端側の断面円形の周面が連結部の案内孔の対応する円形の周面に押圧されることになり、その押圧力が放射方向に均等に分散して、センター軸部と連結部の案内孔との間に大きな抵抗が生じることはない。その結果、センター軸部の伸縮動作を極めて円滑に行うことができる。特に、このとき、センター軸部を本体に対して回り止め状態とする部分は、保持部材の他端側であり、センター軸部を本体に対して伸縮自在とする部分は、センター軸部の基端側が挿入された連結部の案内孔部分となり、これらは別部分となる。よって、従来技術のように、本体の孔部分によりセンター軸部の回り止めと伸縮動作とを行うようにした場合と比較して、センター軸部を本体と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センター軸の伸縮方向においてセンター軸部と本体の連結部の案内孔部分との間に大きな抵抗が生じることはなく、センター軸部の伸縮動作(ストローク動作)を極めて円滑に行うことができる。
請求項10に係る穿孔具によれば、センター軸部を加工することなく、簡易な構造で、センター軸部を本体に対して回り止め状態かつ伸縮自在とすることができ、結果として、安価に作製することができる。即ち、センター軸部の加工を不要とすることにより、センター軸部の芯ブレがなく、確実に穿孔を行うことができる。また、センター軸部の保持構造を簡易なものとして、穿孔具自体を小型化することができ、その取り扱い性を向上することができる。
請求項11に係る穿孔具によれば、センター軸部を加工することなく、簡易な構造で、センター軸部を本体に対して回り止め状態かつ伸縮自在とすることができ、結果として、安価に作製することができる。即ち、センター軸部の加工を不要とすることにより、センター軸部の芯ブレがなく、確実に穿孔を行うことができる。また、センター軸部の保持構造を簡易なものとして、穿孔具自体を小型化することができ、その取り扱い性を向上することができる。
請求項12に係る穿孔具によれば、請求項9乃至11のいずれかの効果に加え、穿孔刃による被穿孔体の穿孔片(穿孔くず)がセンター軸部と連結部の案内孔との間に侵入した場合でも、案内孔が貫通孔であるため、案内孔のセンター軸部と反対側の端部開口からその穿孔片を円滑に排出することができる。
請求項13に係る穿孔具によれば、請求項1乃至12のいずれかの効果に加え、穿孔刃を簡易な構成とすると共に、穿孔効率を向上することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係る穿孔具を示す分解斜視図である。図2は本発明の実施の形態1に係る穿孔具を示す斜視図である。図3は本発明の実施の形態1に係る穿孔具の左半部を断面にて示すと共に、右半部の一部を破断して示す正面図である。図4は本発明の実施の形態1に係る穿孔具を示す平面図である。図5は本発明の実施の形態1に係る穿孔具の穿孔刃の展開状態を示す展開図である。図6は本発明の実施の形態1に係る穿孔具の保持部材とセンタードリルとの関係を示す分解斜視図である。図7は本発明の実施の形態1に係る穿孔具のセンタードリルにロールピンを取付けた状態を示す正面図である。図8は本発明の実施の形態1に係る穿孔具のセンタードリルにロールピンを取付けた状態を示す斜視図である。
実施の形態1の穿孔具は、壁板等の被穿孔体に真円形の透孔を穿設するためのものである。図1及び図2に示すように、実施の形態1に係る穿孔具は、本体10,20、切削刃30、センタードリル40及び保持部材50,60,70,80を備える。詳細には、前記本体10は、下端側を開放する略短円筒状の基部11と、基部11の中心に一体形成されたボス部12とを有する。基部11は、略円盤状をなす円盤部11aの外周縁に、短円筒状のフランジ部11bを略直交して垂下するよう一体形成したものである。また、前記円盤部11aの中心に前記ボス部12が直交した状態で上方に立設されている。更に、図3に示すように、前記フランジ部11bの全周にわたって、下端から上端付近まで延びる装着溝11cが形成されている。一方、円盤部11aにおいて前記ボス部12の左右両側の対向する位置には、左右一対の貫通孔13が貫通形成されている。各貫通孔13は、ボス部12の近傍から円盤部11aの外周縁の近傍まで延びる略四角形状をなしている。また、円盤部11aの上面には、補強リブ14が前後及び左右に延びるよう一体形成されている。更に、前記補強リブ14においてボス部12の後方位置には、補強リブ14及び円盤部11aを貫通するビス孔15が形成されている。
図4に示すように、基部11のフランジ部11bにおける前記装着溝11c内には、所定間隔を置いて掛止爪16が一体形成されている。実施の形態1では、3個の掛止爪16が、一定角度間隔(120度間隔)で配設されている。より詳細には、各掛止爪16は、フランジ部11bの装着溝11cの下端側に一体形成された略矩形突起状をなしている。なお、各掛止爪16とフランジ部11bの装着溝11cの上端との間には所定の間隙が設けられている。また、フランジ部11bにおいて前記掛止爪16に対向する位置にはそれぞれ小孔17が貫通形成され、小孔17を介して装着溝11c内の掛止爪16を視認できるようになっている。更に、フランジ部11bにおいて、手前(正面側)右側に位置する掛止爪16の右方近傍位置には、フランジ部11bの上面から装着溝11c内へと貫通するねじ孔18が形成されている。ねじ孔18にはタップねじ19が螺入されてその先端が装着溝11c内へと突出するようになっている。
前記ボス部12は、円筒状をなし、その内部には六角シャフトからなる軸体20が挿入して固定されている。より詳細には、軸体20は、下端付近と略中央付近にそれぞれ段差部21を形成している。また、軸体20は、その下端側がボス部12内に密嵌され、軸心を中心とした周方向への回動不能となるよう、回り止め状態で装着されている。更に、このとき、軸体20は、前記段差部21がボス部12の対応する段差部に密嵌され、軸方向へも移動不能となっている。一方、軸体20の軸心位置には、軸心に沿って全長を延びる断面真円形の案内孔22が穿設されている。案内孔22は、軸体20の軸方向全長を貫通する貫通孔であり、軸体20の上下両端で開口している。実施の形態1において、前記軸体20は、回動工具の駆動部の回動軸(図示略)に連結自在な連結部を構成している。即ち、電動ドリル等の回動工具のチャック部により連結部としての軸体20を把持することにより、軸体20を介して本体10を回動工具の駆動部の回動軸(シャフト)に駆動連結することができ、回動工具の駆動部の回動軸を回動することにより、軸体20を介して本体10を一体的に同期回動(正逆回転)することができる。なお、前記本体10は、例えば、ガラス繊維入り強化ポリアミド樹脂(PA)等の所定の合成樹脂材料により全体を一体成形することができる。また、軸体20は、本体10の成形時に、ボス部12にインサート成形することができる。
前記切削刃30は、全体として、前記フランジ部11bの装着溝11cと略同一径の略円筒状をなし、フランジ部11bの装着溝11cに装着して、本体10と一体的に同期回動するようになっている。より詳細には、図5に示すように、切削刃30は、1枚の長方形鋸刃状をなしている。切削刃30の全長は、前記フランジ部11bの装着溝11cの全周の長さより若干短い長さとされ、切削刃30をフランジ部11bの装着溝11cに対応する円筒状に湾曲して、その上端部を装着溝11c内に装着すると、前側中央に上下方向全体に延びる開口31が形成される。また、切削刃30の上端には、前記フランジ11bの装着溝11c内に一体形成した3個の掛止爪16に対応する位置に、それぞれ、掛止孔32が形成されている。即ち、切削刃30の上端には、3個の掛止孔32が、一定角度間隔(120度間隔)で形成されている。各掛止孔32は、嵌入部32a及び掛止部32bからなる略鉤状をなしている。そして、切削刃30を前記円筒状とし、切削刃30の掛止孔32を本体10側の掛止爪16に対応させた状態で、切削刃30の上端をフランジ部11bの装着溝11cに嵌入すべく上方に移動すると、まず、掛止爪16が対応する掛止孔32の嵌入部32aに嵌入される。この状態から、本体10を切削刃30に対して図4中の時計回り方向に回転すると、各掛止爪16が対応する各掛止孔32の嵌入部32aから掛止部32bへと移動して掛止部32bに密嵌される。これにより、切削刃30を本体10のフランジ部11bに固定することができる。なお、掛止孔32の嵌入部32aは前記掛止爪16を嵌入できるような左右寸法とされ、掛止部32bは掛止爪16を密嵌できるような上下寸法とされている。更に、切削刃30の下端の全長には、多数の鋸刃33が形成されている。各鋸刃33は、任意の鋸刃形状とすることができるが、穿孔時(切削時)に穿孔開始位置に位置する鋸刃34、即ち、開口31の右側に位置する鋸刃34は、被穿孔体への切れ込みをより容易にするよう、その開口31側の傾斜縁が他の鋸刃33より大きな角度で傾斜している(例えば、約45度)。
ここで、切削刃30をフランジ部11bの装着溝11cに装着し、掛止爪16により固定した状態で、本体10の軸体20に回動工具を連結し、回動工具により本体10を回動すると、切削刃30が本体10と同期して一体的に回動する。このとき、回動工具の回動軸は、その正回転で図4中の時計回り方向に回転するため、本体10も時計回り方向に回転し、切削刃30も時計回り方向に回転する。よって、回転時には、本体10側の掛止爪16が切削刃30の掛止孔32の掛止部32bに密嵌する方向に常に付勢されるため、掛止爪16が切削刃30の掛止孔32から離脱して、切削刃30がフランジ部11bの装着溝11cから脱落することはない。また、切削刃30をフランジ部11bの装着溝11cに装着し、掛止爪16により固定した状態で、前記タップねじ19が本体10のねじ孔18に螺入される。そして、タップねじ19の軸部が、フランジ部11bの装着溝11c内に突出し、切削刃30の嵌入孔32の嵌入部32a内に位置するようになっている。これにより、回動工具の回動軸を逆回転し、図4中の反時計回り方向に回転した場合でも、切削刃30の掛止孔32の掛止部32bから嵌入部32aへと付勢される掛止爪16を、タップねじ19が移動阻止する。よって、例えば、切削刃30の鋸刃33が被穿孔体に食い込み、切削刃30を被穿孔体から取り外せなくなった場合等、回動工具の回動軸を逆回転させて切削刃30を被穿孔体から取り外す必要のある場合があるが、この場合でも、掛止爪16が切削刃30の掛止孔32から離脱して、切削刃30がフランジ部11bの装着溝11cから脱落することはない。
また、切削刃30の下端における所定位置には、鋸刃33間の谷形状よりも大きな凹部形状をなす2つの排出孔35,36が形成されている。一方の排出孔35は、1つの鋸刃33を省略(削除)することによりその左右両側の鋸刃33間に形成される谷形状に相当する幅広の略矩形状をなしている。また、他方の排出孔36は、隣接する2枚の鋸刃33の谷形状を左右に拡大した幅狭の略矩形状をなしている。これに伴い、排出孔35の左右両側には、鋸刃33よりも幅狭の鋸刃37が形成されている。なお、切削刃30には、排出孔35,36のうちの一方のみ設けることもできる。或いは、切削刃30に他の形状の排出孔を形成することもできる。或いは、切削刃30に排出孔を設けず、その全長に全て鋸刃33を形成することもできる。ここで、排出孔35,36は、切削刃30により被穿孔体を穿孔する際に、被穿孔体から出るチップ状の切削片を切削刃30の内部から外部へと排出するためのものである。なお、実施の形態1では、前記切削刃30が、前記本体10から本体10の軸方向(軸心)と平行に延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく本体10と共に一体的に回動する穿孔刃を構成している。
前記センタードリル40は、その上端部が、前記本体10のボス部12に固定された軸体20の案内孔22の下端開口から内部に挿入されている。また、前記保持部50,60,70,80は、左右一対の板状部材としての板ばね50と、両板ばね50の上端部を保持する前後一対の上部ホルダ60と、両板ばね50の下端部を保持する前後一対の下部ホルダ70と、下部ホルダ60に収容されてセンタードリル40の下端部を保持する略円筒状のロールピン80とを有する。前記左右の板ばね50は、中央に屈曲部51を有し、それぞれ、屈曲部51で外方(左方及び右方)に屈曲している。また、板ばね50は、上下両端に取付軸52を一体形成している。取付軸52は、板ばね50の幅方向両側から突出している。なお、板ばね50は、ポリオキシメチレン樹脂(POM)等の合成樹脂材料により一体成形することができる。なお、板ばね50には、その幅方向中央に上下方向略全体に延びる直線状のリブを一体形成することもできる。こうすると、前記リブの幅及び高さ(突出高さ)を調整することにより、板ばね50のバネ強度(バネ弾性)を調整することができる。一方、実施の形態1では、同一構成の上部ホルダ60を前後で対をなすよう互いに接合し、両上部ホルダ60間で前記軸体20を挟持する。また、同一構成の下部ホルダ70を前後で対をなすよう互いに接合し、両下部ホルダ70間で前記ロールピン80を介して前記センタードリル40の先端部を挟持する。更に、このとき、前後一対の上部ホルダ60間に前記左右一対の板ばね50の上側の取付軸52を軸支すると共に、前後一対の下部ホルダ70間に前記左右一対の板ばね50の下側の取付軸52を軸支するようになっている。
具体的には、まず、実施の形態1では、前記前後一対の上部ホルダ60として、同一構成のものを2個使用している。各上部ホルダ60は、左右に延びる略矩形ブロック状をなし、その内面側(対向面側)の左右中央に、上下方向全体に延びる段付き溝61を形成している。また、上部ホルダ60の段付き溝61は、前記軸体20の段差部21とその上下両側部分の前半部または後半部に合致する内面形状を有している。そして、上部ホルダ60を前後で対をなすよう互いに接合することにより、両上部ホルダ60の段付き溝61により、軸体20の段差部21部分に合致する段付き孔形状の貫通孔が形成される。よって、前後一対の上部ホルダ60により軸体20の段差部21部分を前後から挟持すると、両上部ホルダ60の段付き溝61間(貫通孔)に軸体20の段差部21部分が密嵌状態で保持される。また、各上部ホルダ60の左右両側には、その肉厚の半分程度の切欠き部62がそれぞれ形成されている。更に、各切欠き部62の上端側には、前記板ばね50の上側の取付軸52を回動自在に挿入する軸支孔63が、厚さ方向に延びるよう形成されている。更にまた、上部ホルダ60の段付き溝61と両切欠き部62との間の部分には、挿通孔64及び挿通孔65が厚さ方向に貫通して形成されている。挿通孔64はねじ66の頭部を収容する大径部と、ねじ66の軸部の基端側半部を挿通する小径部とからなる。また、挿通孔65は、六角ナット67を回り止め状態で収容する大径部と、前記ねじ66の軸部の先端側半部を挿通する小径部とからなる。そして、一対の上部ホルダ60の段付き溝61間に軸体20の段差部21部分を挟持した状態で、一対の上部ホルダ60のそれぞれの挿通孔64の大径孔部分に、互いに対向する方向から一対のねじ66の頭部を収容保持すると共に、各ねじ66の軸部を各挿通孔64の小径孔部分に挿通し、それらのねじ66の軸部を相手側の上部ホルダ60の挿通孔65の小径孔部分に挿通して、その挿通孔65の大径孔部分に収容された六角ナット67に螺合することにより、前後一対の上部ホルダ60を互いに締結して接合することができる。また、上部ホルダ60を軸体20の外周に強固に外嵌して、軸体20に対して軸を中心とした回り止め状態、かつ、軸に沿った上下動不能に固定することができる。
図6に示すように、実施の形態1では、前記前後一対の下部ホルダ70として、同一構成のものを2個使用している。各下部ホルダ70は、上部ホルダ60と同様、左右に延びる略矩形ブロック状をなし、その内面側(対向面側)の左右中央に、上下方向全体に延びる段付き溝71を形成している。また、下部ホルダ70の段付き溝71は、上端部を小径の半円形孔とし、中央部及び下端部を大径の半円形孔とし、それらの半円形孔を同軸状に配置した内面形状を有している。そして、下部ホルダ70を前後で対をなすよう互いに接合することにより、両下部ホルダ70の段付き溝71により、段付き孔形状の貫通孔が形成される。また、各下部ホルダ70の左右両側の上端側には、その肉厚の半分程度の切欠き部72がそれぞれ形成されている。更に、各切欠き部72の略中央には、前記板ばね50の下側の取付軸52を回動自在に挿入する軸支孔73が、厚さ方向に延びるよう形成されている。更にまた、下部ホルダ70の段付き溝71と両切欠き部72との間の部分には、前記上部ホルダ60の挿通孔64及び挿通孔65と同様の構成の挿通孔74及び挿通孔75が厚さ方向に貫通して形成されている。即ち、挿通孔74はねじ76の頭部を収容する大径部と、ねじ76の軸部の基端側半部を挿通する小径部とからなる。また、挿通孔75は、六角ナット77を回り止め状態で収容する大径部と、前記ねじ76の軸部の先端側半部を挿通する小径部とからなる。また、下部ホルダ70の外側面側の中央(挿通孔74及び挿通孔75間)には、その外側面と略直交して突出する小突起状の規制片78が一体形成されている。なお、前記上部ホルダ60及び下部ホルダ70、ポリオキシメチレン樹脂(POM)等の合成樹脂材料により一体成形することができる。
一方、図7及び図8に示すように、前記円筒状のロールピン80は、スリーブ状のものであり、周方向所定位置(例えば前方位置)を軸心に沿って切開し、上下方向全体に延びる割り溝81を形成している。なお、ロールピン80の割り溝81部分の対向端縁は、図7に示すように互いに噛合する鋸刃状乃至波形状の端縁としてもよく、或いは、図8に示すように単なる直線的な端縁としてもよい。そして、ロールピン80は、センタードリル40の先端から所定間隔を置いた位置に密接状態で外嵌保持されると共に、その状態で、前後一対の下部ホルダ70の段付き溝71の大径孔部分に密嵌して押圧保持される。即ち、センタードリル40の先端に所定の突出長を残した状態で、センタードリル40の先端からロールピン80を挿入して外嵌する。このとき、ロールピン80の内径をセンタードリル40の外径より若干小さく設定すれば、ロールピン80を前記割り溝81による自身の弾性により、センタードリル40に自己保持することができる。そして、一対の下部ホルダ70の段付き溝71間にセンタードリル40の先端部及びロールピン80を挟持した状態で、一対の下部ホルダ70のそれぞれの挿通孔74の大径孔部分に、互いに対向する方向から一対のねじ76の頭部を収容保持すると共に、各ねじ76の軸部を各挿通孔74の小径孔部分に挿通し、それらのねじ76の軸部を相手側の下部ホルダ70の挿通孔75の小径孔部分に挿通して、その挿通孔75の大径孔部分に収容された六角ナット77に螺合することにより、前後一対の下部ホルダ70を互いに締結して接合することができる。また、これにより、前後一対の下部ホルダ70間でロールピン80を押圧状態で挟持して、ロールピン80を介してセンタードリル40を軸を中心とした回り止め状態で保持することができる。
なお、このとき、ロールピン80は、両下部ホルダ70の段付き溝71により形成される段付き孔形状の貫通孔のうちの下側の大径孔部分より若干大きな外径とされ、両下部ホルダ70による挟持に伴い、段付き溝71の周面によりロールピン80を内方に押圧して、ロールピン80を介してセンタードリル40を押圧保持するようになっている。これにより、ロールピン80を下部ホルダ70間に軸を中心とした回り止め状態で強固に保持することができると共に、ロールピン80を介してセンタードリル40を軸を中心とした回り止め状態で強固に保持することができる。更に、ロールピン80が下部ホルダ70の段付き溝71に対して軸方向に位置ずれしたり、センタードリル40がロールピン80に対して軸方向に位置ずれしたりすることもない。そして、これにより、回動工具による本体10の回動に同期して、上部ホルダ60、板ばね50、下部ホルダ70及びロールピン80を介して、センタードリル40を一体的に回動することができる。また、このとき、ロールピン80の長さは、その上端が下部ホルダ70の段付き溝71の段差部分(小径孔と大径孔との境界線)に当接し、下端が下部ホルダ70の下面から下方に若干突出する長さに設定されている。こうすると、センタードリル40を被穿孔体に所定長(前記突出長)穿入したときに、ロールピン80の先端(下端)が被穿孔体の表面に当接し、それ以上センタードリル40が被穿孔体に穿入することを阻止する。また、このとき、ロールピン80は、センタードリル40の回転に伴う被穿孔体との間での摩擦による影響(摩擦熱等)を吸収し、下部ホルダ70への摩擦による直接的影響を効果的に防止する。よって、ロールピン80は、強度、耐熱性、耐久性等の点から、炭素工具鋼等の金属製とすることが好ましい。なお、実施の形態1では、保持部の下部ホルダ70に保持されたセンタードリル40の先端部の前記下部ホルダ70からの突出長、より正確には、ロールピン80の先端からの突出長は、センタードリル40が被穿孔体を貫通しないよう、前記被穿孔体の厚み未満に設定することが好ましい。また、保持部の下部ホルダ70にロールピン80を介して保持されたセンタードリル40の先端部の前記突出長は、ロールピン80によるセンタードリル40の保持位置を軸方向に変更することにより、厚みの異なる被穿孔体の厚みに合せて自由に変更することができる。
ここで、前記切削刃30とセンタードリル40及びロールピンとの相対的位置関係について説明すると、実施の形態1では、板ばね50に外力を加えない解放状態で、ロールピン80の先端が切削刃30の先端と略同一平面上に位置し、センタードリル40の先端が切削刃30の先端から前記突出長分だけ突出するようにしている。こうすると、センタードリル40を被穿孔体に穿入し、ロールピン80の先端が被穿孔体の表面に当接したときに、切削刃30が被穿孔体の穿孔を開始する。しかし、板ばね50に外力を加えない解放状態では、ロールピン80の先端が切削刃30の先端から外部に突出して位置し、センタードリル40の先端が切削刃30の先端から前記突出長分以上突出するようにすることもできる。こうすると、センタードリル40を被穿孔体に穿入し、ロールピン80の先端が被穿孔体の表面に当接した時点では、切削刃30は依然として被穿孔体の手前に離間した状態にあり、その後、更に所定距離(ロールピン80の切削刃30からの突出距離)切削刃30を被穿孔体に向かって前進すると、切削刃30が被穿孔体の穿孔を開始する。或いは、逆に、板ばね50に外力を加えない解放状態では、ロールピン80の先端が切削刃30の先端から内方に没入して位置し、センタードリル40の先端が切削刃30の先端から前記突出長分未満突出するようにすることもできる。こうすると、センタードリル40を被穿孔体に穿入し、ロールピン80の先端が被穿孔体の表面に当接する前の時点で、切削刃30が被穿孔体の穿孔を開始する。いずれの場合も、切削刃30が被穿孔体の穿孔を開始する前に、センタードリル40がセンター位置に穿入してセンター位置決めを行っているため、切削刃30により被穿孔体の穿孔を円滑に行うことができる。
なお、実施の形態1では、センタードリル40が、前記本体10から、前記連結部としての軸体20と同一位置において軸体20と反対方向に延設され、前記穿孔刃としての切削刃30の回動中心となる略棒状のセンター軸部を構成している。また、前記板ばね50、上部ホルダ60、下部ホルダ70及びロールピン80が、一端側が前記本体に対して軸を中心とした回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部としてのセンタードリル40を軸を中心とした回り止め状態で保持して、前記センタードリル40が前記本体10と共に軸を中心として一体的に回動するようにする保持部材を構成している。更に、前記保持部材のロールピン80が、センタードリル40の先端部を所定長(前記突出長)突出させた状態でセンタードリル40を保持する当接部を構成している。
作用及び効果
次に、実施の形態1に係る穿孔具の使用方法、作用及び効果について説明する。図9は本発明の実施の形態1に係る穿孔具による被穿孔体の穿孔動作を示し、(a)はセンタードリルを被穿孔体にセンター位置決めした状態を示す断面図、(b)は穿孔刃により被穿孔体を穿孔した状態を示す断面図である。
実施の形態1の穿孔具は、建物の壁等の内部に配設された配線ボックス等の機器を室内に臨ませるため、壁材に円形またはだるま形状等の透孔を穿設するために使用される。まず、例えば、壁裏に配設された配線ボックスの開口を壁表側に臨ませる場合、作業者は、被穿孔体としての壁材W(壁板)の内部に配設された配線ボックス(図示略)を、専用の探知装置(図示略)を使用して探知し、その配設位置を決定する。次に、本体10の軸体20に電動工具等の回動工具の回動軸を連結する。次に、探知した配線ボックスの配設位置で、センタードリル40を穿入すべきセンター位置を決定し、図9(a)に示すように、そのセンター位置にセンタードリル40の先端を当接し、回動工具の回動軸を正回転(図4中の時計回り方向に回転)して、軸体20を介して本体10を正回転する。すると、センタードリル40が、上部ホルダ60、板ばね50、下部ホルダ70及びロールピン80を介して、本体10と同期して一体的に正回転する。なお、このとき、切削刃30も、フランジ部11bの装着溝11cに装着固定されているため、本体10と同期して一体的に正回転する。これと同時に、回動工具を壁材Wに向けて押圧し、本体10を介してセンタードリル40を壁材Wに向けて押圧すると、センタードリル40が前記センター位置において壁材Wの内部に穿入していく。そして、図9(b)に示すように、センタードリル40が壁材Wに所定長(突出長)穿入すると、ロールピン80の先端が壁材Wの表面に当接する。これにより、センタードリル40がそれ以上壁材Wの内部に穿入することはなく、センタードリル40は、その穿入状態で、壁材Wに対して空転する。これとほぼ同時に、切削刃30が鋸刃33,34,37により壁材Wの穿孔を開始する。
ここで、上記のように、前記保持部材50,60,70,80は、板ばね50により弾性を有し、常には、センタードリル40の先端が切削刃30の先端より突出する第1の位置(図9(a)のセンタードリル先端位置)まで、センタードリル40をその基端側から先端側へと向かう方向(第1の軸方向)に付勢する。また、保持部材50,60,70,80は、センタードリル40の先端側から基端側へと向かう方向(第2の軸方向)への外力に応じて、センタードリル40の先端が切削刃30の先端より没入する第2の位置(図9(b)のセンタードリル先端位置)まで、板ばね50の弾性に抗してセンタードリル40が軸方向に弾性的に収縮するのを許容する。更に、保持部材50,60,70,80は、その一端側(上部ホルダ60側)と他端側(下部ホルダ70側)との間を延設される一対の板状部材としての板ばね50を有し、板ばね50の一端側の上部ホルダ60を本体10に回り止め状態で取付けると共に、板ばね50の他端側の下部ホルダ70によりセンタードリル40を回り止め状態で保持している。また、板ばね50は、センタードリル40が前記第1の位置と前記第2の位置との間で伸縮自在となるよう、保持部材50,60,70,80の一端側と他端側との間で屈曲または湾曲自在である。なお、板ばね50は、少なくとも一対設ければよく、2対以上設けることも可能である。更に、板ばね50は、常には、保持部材50,60,70,80の一端側と他端側との間で最大長となるよう伸張する弾性をそれ自身で有し、その伸張状態でセンタードリル40を前記第1の位置へと付勢すると共に、センタードリル40が前記第1の位置から第2の位置まで後退(収縮)するのに応じて、前記伸張状態から弾性的に屈曲または湾曲する。また、本体10は、切削刃30を外周に配設する略板状の基部11を有すると共に、連結部として、基部11の厚さ方向一側に一体的に固着される軸体20を有している。更に、板ばね50は、前記一端側が上部ホルダ60を介して軸体20に固着され、基部11を前記貫通孔13を介して厚さ方向に貫通し、前記他端側の下部ホルダ70及びロールピン80によりセンタードリル40を固着する。更にまた、本体10は、前記連結部としての軸体20の軸心方向に延びる案内孔22を有し、センタードリル40は、その先端側が前記保持部の上部ホルダ60により回り止め状態で保持されると共に、その基端側が前記案内孔22に挿入され、これにより、本体10の案内孔22により前記第1の位置及び第2の位置間におけるセンタードリル40の伸縮動作が案内される。
よって、上記のように、センタードリル40を壁材Wにセンター位置決めした時点から、センタードリル40が壁材Wに穿入してロールピン80の先端が壁材Wに当接する時点までは、板ばね50は、そのバネ弾性により、図9(a)に示す伸張状態(外力を印加されない状態)にあり、センタードリル40は切削刃30に対して前記第1の位置にある。そして、次に、回動工具を更に壁材Wに向けて押圧し、本体10を介して切削刃30を更に壁材Wに向けて押圧すると、切削刃30が壁材Wを切削しながら壁材W内部に穿入する。このとき、切削刃30の壁材Wへの穿入に伴い、ロールピン80を介して、下部ホルダ70が上部ホルダ60に対して接近し、板ばね50が自身の弾性に抗して屈曲部51で屈曲または湾曲して収縮する。即ち、切削刃30は、板ばね50の弾性に抗する形で、壁材W内に穿入していく。また、このとき、センタードリル40は、その基端が軸体20の案内孔22の先端側から基端側に向けて移動する。そして、切削刃30が壁材Wを貫通する時点で、センタードリル40は切削刃30に対して前記第2の位置となり、切削刃30が壁材Wを貫通して壁材Wに透孔を穿設すると、板ばね50の弾性(付勢力)により、下部ホルダ70が上部ホルダ60から離間して、センタードリル40は前記第1の位置に復帰する。このようにして、壁材Wに透孔を穿設したら、回動工具を介して本体10を手前側に引っ張り、切削刃30を壁材Wから離間する。そして、センタードリル40が中央を保持する形で切削刃30内に残る壁材Wの円形の切除部分を、センタードリル40から引き抜いて除去する。以降、同様にして、壁材Wの任意の位置に、穿孔を行う。
このように、実施の形態1に係る穿孔具によれば、センタードリル40等のセンター軸部を加工することなく、簡易な構造で、センタードリル40等のセンター軸部を本体10に対して回り止め状態かつ伸縮自在とすることができ、結果として、全体を安価に作製することができる。特に、切削刃30により壁材Wを穿孔する際に、壁材Wの細かな切削片(切削くず)が切削刃30内に飛散し、切削刃30内の略閉塞空間において、センタードリル40の基端側からセンタードリル40の基端側外周面と軸体20の案内孔22内周面との間の隙間に侵入することがある。そして、この切削片がセンタードリル40と軸体20の隙間に蓄積していくと、センタードリル40の軸体20の案内孔22内での移動に悪影響が出る可能性がある。しかし、実施の形態1では、軸体20の案内孔22は軸体21を貫通して設けられている。よって、センタードリル40から軸体20の案内孔22に侵入した切削片を、軸体20の案内孔22の上端開口から円滑に排出することができ、センタードリル40の移動への悪影響を防止することができる。また、切削刃30内に飛散する切削片を、切削刃30に設けた排出孔35,36から効率よく外部に排出することもできる。加えて、切削刃30の鋸刃33,34,37が壁材Wに食い込んで回転不能になった場合等、切削刃を壁材W等の被穿孔体から一旦取り外す必要がある場合、回動工具により本体10を逆回転する必要がある。しかし、この場合でも、前記タップねじ19が切削刃30の掛止孔32の周縁に当接し、掛止孔32が掛止爪16から離脱して、切削刃30が本体10の装着溝11cから脱落することを確実に防止する。
更に、保持部の下部ホルダ70に保持されたセンタードリル40の先端部の前記下部ホルダ70からの突出長、より正確には、ロールピン80の先端からの突出長を、センタードリル40が被穿孔体としての壁材Wを貫通しないよう、壁材Wの厚み未満に設定した場合、センタードリル40が壁材Wを貫通することがなく、壁内の配線ボックスや配線ボックス内の各種部品等を損傷するという不具合を完全に防止することができる。更にまた、保持部の下部ホルダ70にロールピン80を介して保持されたセンタードリル40の先端部の前記突出長は、厚みの異なる壁材Wの厚みに合せて変更自在とすることができる。よって、厚みの異なる各種の壁材Wに対しても、上記のように、センタードリルが壁材Wを貫通しないようその突出長を設定することができる。更に、保持部材は、更に、前記当接部としてのロールピン80を有し、センタードリル40をセンター位置決め時に壁材Wに前記所定長(突出長)穿入させたとき、前記ロールピン80の先端が壁材Wの表面に回転しながら当接して、センタードリル40のそれ以上の穿入を阻止し、前記保持部材の板ばね50の弾性に抗して、センタードリル40を前記第2の位置へと向かって後退させることができる。また、このとき、ロールピン80が回転しながら壁材Wの表面に当接し、摩擦による下部ホルダ70等への影響を防止する。更に、前記切削刃30は、1枚の鋸刃を略円筒状に湾曲することにより、本体10の円周方向に連続する鋸刃状をなす。よって、1枚の鋸刃を使用して、簡易な構成で、安価な切削刃30を提供することができ、壁材W等の被穿孔体の切削を効率よく行うことができる。なお、実施の形態1では、板状部材として自身が弾性を有する板ばね50を使用しているが、弾性を有さず単に屈曲または湾曲する板状部材を使用し、別個の弾性部材により弾性を付与するようにしてもよい。
加えて、実施の形態1では、本体10が、連結部としての軸体20の軸心方向に延びる案内孔22を有し、センター軸部としてのセンタードリル40は、その先端側が保持部材の他端側の下部ホルダ70により回り止め状態で保持されて本体10と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が軸体20の案内孔22に軸心方向への摺動自在に挿入されて前軸体20の案内孔22により放射方向への移動を規制した状態で支持され、軸体20の案内孔22によりセンタードリル40の第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内される。よって、軸体20の案内孔22によりセンタードリル40を案内して、センタードリル40の軸方向の移動を円滑化することができる。また、センタードリル40の先端側が保持部材の他端側の下部ホルダ70により保持された状態で、センタードリル40が本体10と一体的に回動する。即ち、従来技術と比較して、センタードリル40がより先端側を保持された状態で本体10と一体的に回動する。よって、センタードリル40の回転時の安定性が高まり、芯ブレを効果的に防止することができる。同時に、センタードリル40の基端側が本体10の軸体20の案内孔22に軸心方向への摺動自在に挿入されて軸体20の案内孔22により放射方向への移動を規制された状態で支持される。よって、センタードリル20は、本体10に対して、その基端側と先端側との2点(2箇所)で軸体20及び下部ホルダ70にそれぞれ支持されることになり、回転時の安定性が更に高まり、芯ブレを更に効果的に防止することができる。また、芯ブレを防止できるため、センタードリル40を本体10と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センタードリル40の基端側外周面が軸体20の案内孔22の内周面に押し付けられて伸縮動作(ストローク動作)の妨げとなるようなことはなく、その伸縮動作を円滑に行うことができる。
更に、このとき、センタードリル40を非加工のままで使用でき、この場合、センタードリル40の基端側は非加工状態では断面円形となる。よって、従来技術のように、センタードリルの基端側に断面非円形部を形成した場合と比較して、センタードリル40を本体10と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センタードリル40の基端側外周面が軸体20の案内孔22の内周面に多少押し付けられたとしても、基端側の断面円形の周面が軸体20の案内孔22の対応する円形の周面に押圧されることになり、その押圧力が放射方向に均等に分散して、センタードリル40と軸体20の案内孔22との間に大きな抵抗が生じることはない。その結果、センタードリル40の伸縮動作を極めて円滑に行うことができる。特に、このとき、センタードリル40を本体10に対して回り止め状態とする部分は、保持部材の他端側の下部ホルダ70であり、センタードリル40を本体10に対して伸縮自在とする部分は、センタードリル40の基端側が挿入された軸体20の案内孔22部分となり、これらは別部分となる。よって、従来技術のように、本体の孔部分によりセンタードリルの回り止めと伸縮動作とを行うようにした場合と比較して、センタードリル40を本体10と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センタードリル40の伸縮方向においてセンタードリル40と本体10の軸体20の案内孔22部分との間に大きな抵抗が生じることはなく、センタードリル40の伸縮動作(ストローク動作)を極めて円滑に行うことができる。
実施の形態2
図10は本発明の実施の形態2に係る穿孔具を右側面から見て示す断面図である。
実施の形態2に係る穿孔具は、実施の形態1に係る穿孔具において、前記本体10のビス孔15に、調整ビス101を螺入され、その軸部の先端(図10中下端)が、下部ホルダ70の規制片78に当接するようになっている。即ち、実施の形態2に係る穿孔具は、更に、前記本体10の基部11のビス孔15に螺入されて基部11を貫通し、保持部材50,60,70,80の他端側の下部ホルダ70の規制片78に向かって延びる調整ビス101を備えている。そして、保持部材50,60,70,80が前記第2の位置となったとき、保持部材50,60,70,80の他端側の下部ホルダ70に設けられ、調整ビス101の先端に対向配置された規制片78に、前記調整ビス101の先端が当接して、センタードリル40が前記第2の位置から更に後退することを阻止されるようになっている。それ以外の構成は、実施の形態1の穿孔具と同一である。具体的には、実施の形態2に係る穿孔具では、調整ビス101が本体の内部に所定深さ突出するよう、調整ビス101を本体10のビス孔15に螺入して、その位置で固定する。例えば、図10中に実線で示すように、調整ビス101はその全長分を本体10の内部に突出させた状態で固定することもできるが、実際の使用時には、図9(b)に示す第2の位置における規制片78の位置に調整ビス101の先端が位置するよう、図10中に二点差線で示すよう、調整ビス101が本体10のビス孔15に一部螺入した状態で固定される。
実施の形態2では、被穿孔体の穿孔時に、ロールピン80が被穿孔体に当接して、センタードリル40及び下部ホルダ70が後退し、センタードリル40が第2の位置となると、調整ビス101の先端が下部ホルダ70の規制片78に当接して、センタードリル40の更なる移動を規制するようになっている。よって、実施の形態2に係る穿孔具は、実施の形態1の作用及び効果に加え、センタードリル40が第2の位置にきたことを作業者が確実に認識することができ、これにより、作業者は、切削刃30が被穿孔体の穿孔を完了したことを確認することができる。よって、切削刃30による穿孔完了にもかかわらず、切削刃30を更に壁内へと進行させ、切削刃30により配線ボックス等を損傷するような事態を確実に防止することができる。また、調整ビス101の本体10への螺入深さ(突出長)を調整することにより、センタードリル40の第2の位置における切削刃30先端からの後退長さ(収縮長さ)を調整することができ、被穿孔体の厚みに合せて、切削刃30の先端に対するセンタードリル40の先端の没入長さ(後退量)を調整することができる。
実施の形態3
図11は本発明の実施の形態3に係る穿孔具による被穿孔体の穿孔動作を示し、(a)はセンタードリルを被穿孔体にセンター位置決めした状態を示す断面図、(b)は穿孔刃により被穿孔体を穿孔した状態を示す断面図である。
実施の形態3に係る穿孔具は、実施の形態1に係る穿孔具とほぼ同様の構成である。一方、実施の形態3に係る穿孔具では、保持部材は、実施の形態1の板ばね50から上下両端の取付軸52を省略した構成の板ばね250を一対有している。各板ばね250は、板ばね50と同様、長さ方向中央に屈曲部251を有している。そして、一対の板ばね250の上下両端部252を、それぞれ、上部ホルダ60及び下部ホルダ70に対して、ねじやボルト等の締結具269,279により固着している。それ以外の構成は、実施の形態1に係る穿孔具と同様である。実施の形態3に係る穿孔具は、センタードリル40を第1の位置(図11(a)の状態)から第2の位置(図11(b)の状態)としたときに、板ばね250の屈曲部が、本体10の貫通孔13の外周縁に当接するようになっている。即ち、センタードリル40が前記第2の位置となったとき、板ばね250の屈曲部251が本体10の基部11の貫通孔13の外周縁に当接して、板ばね250がそれ以上の屈曲または湾曲を阻止され、センタードリル40が第2の位置から更に後退することを阻止されるようになっている。よって、実施の形態3に係る穿孔具は、実施の形態1の作用及び効果に加え、センタードリル40が第2の位置にきたことを作業者が確実に認識することができ、これにより、作業者は、切削刃30が被穿孔体の穿孔を完了したことを確認することができる。よって、切削刃30による穿孔完了にもかかわらず、切削刃30を更に壁内へと進行させ、切削刃30により配線ボックス等を損傷するような事態を確実に防止することができる。
図12は本発明の実施の形態3に係る穿孔具の保持部材の板状部材が弾性劣化した場合の処理を示す断面図である。
実施の形態3に係る穿孔具は、前記保持部材の板状部材としての板ばね250が弾性劣化した場合、板ばね250の弾性力が減少するため、板ばね250による保持部材の伸張力が減少する。よって、センタードリル40が図11(a)に示す前記第1の位置まで復帰することができず、ロールピン80の先端が切削刃30の先端より内方に没入し、センタードリル40の先端が前記所定の突出長よりも少ない突出長で切削刃30から突出することになる。よって、この場合、図12中矢印で示すように、作業者が手指等により、両板ばね250の屈曲部251をそれぞれ内方に押圧する。すると、センタードリル40を図12中に破線で示す本来の第1の位置まで伸張して復帰させることができる。そして、この状態で、上記と同様にして、所期の穿孔作業を確実に行うことができる。なお、係る処理は、無論、実施の形態1に係る穿孔具でも行うことができる。
実施の形態4
図13は本発明の実施の形態4に係る穿孔具を示す平面図である。図14は図13のA−A線断面図である。
図13及び図14に示すように、実施の形態4に係る穿孔具は、本体310,20、切削刃30、センタードリル40及び保持部材350,360,370,80を備える。詳細には、前記本体310は、下端側を開放する略短円筒状の基部311と、基部311の中心に一体形成された円筒状のボス部312とを有する。基部311は、略円盤状をなす円盤部311aの外周縁に、短円筒状のフランジ部311bを略直交して垂下するよう一体形成したものである。また、前記円盤部311aの中心に前記ボス部312が直交した状態で上方に立設されている。更に、前記フランジ部311bの全周にわたって、下端から上端付近まで延びる装着溝311cが形成されている。そして、基部311の装着溝311c内に、実施の形態1と同様にして、前記切削刃30が装着固定されている。更に、ボス部312には、実施の形態1と同様にして、軸体20が挿入して固定されている。また、センタードリル40は、その上端部が、前記本体310のボス部312に固定された軸体20の案内孔22の下端開口から内部に挿入されている。
一方、実施の形態4では、保持部材は、ホルダ350、支持板360、案内軸370及び前記ロールピン80を有する。ホルダ350は、実施の形態1の下部ホルダ70と同様の構成とすることができ、前後一対のホルダ350により、ロールピン80を介してセンタードリル40の先端部を挟持して回り止め状態で保持するようになっている。支持板360は、両ホルダ350の外周に水平に張り出すよう一体形成された円盤状をなしている。実施の形態4では、3本の案内軸370が、前記支持板360の外周付近の上面において、周方向に所定角度間隔(120度間隔)を置いて立設固定され、前記センタードリル40と平行に上方に垂直に延びている。各案内軸370は、円柱棒状をなす軸部371と、軸部371の上端に一体形成されたフランジ状乃至小円盤状の上側係止部372と、軸部371の軸方向中央付近に一体形成された下側係止部373とを有する。
前記基部311の円盤部311aにおいて前記案内軸370に対向する位置には、前記軸部372を挿通する円形の小孔311dが穿設されている。そして、案内軸370の軸部371が円盤部311aの小孔311dに下方からそれぞれ挿通され、小孔311d内を上下に摺動自在とされている。更に、センタードリル40の第1の位置で、案内軸370の上側係止部372が基部311の円盤部311aの上面に当接して係止されると共に、センタードリル40の第2の位置で、下側係止部373が基部311の円盤部311aの下面に当接して係止されるようになっている。更にまた、前記ボス部312の下端とホルダ350の上端との間には、押圧(伸張)コイルスプリング380が、センタードリル40に外装した状態で介装されている。なお、実施の形態4では、前記ホルダ350、支持板360、案内軸370及びロールピン80により、一端側が本体310に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側によりセンタードリル40を回り止め状態で保持して、センタードリル40が本体310と共に一体的に回動するようにする保持部材が構成されている。また、前記コイルスプリング380により、保持部材350,360,370,80と本体310との間に設けられ、常には、センタードリル40の先端が切削刃30の先端より突出する第1の位置まで、センタードリル40をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢すると共に、センタードリル40の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、センタードリル40の先端が切削刃30の先端より没入する第2の位置まで、センタードリル40が軸方向に弾性的に収縮するのを許容する弾性部材が構成されている。ところで、前記案内軸370の数は、3本に限らず、支持板360及びホルダ350を介してセンタードリル40の軸方向の移動を円滑に案内できる限りにおいて、2本としたり、4本以上としたりすることができる。また、その配置角度間隔も、同一角度間隔とする以外に、任意の角度間隔とすることができる。
作用及び効果
実施の形態4に係る穿孔具は、実施の形態1に係る穿孔具と同様にして使用される。即ち、壁内等における配線ボックス等の配設位置で、センタードリル40を穿入すべきセンター位置を決定し、そのセンター位置にセンタードリル40の先端を当接し、回動工具の回動軸を正回転して、軸体20を介して本体310を正回転する。すると、センタードリル40が、案内軸370、ホルダ350及びロールピン80を介して、本体310と同期して一体的に正回転する。なお、このとき、切削刃30も、フランジ部311bの装着溝311cに装着固定されているため、本体310と同期して一体的に正回転する。これと同時に、回動工具を壁材等の被穿孔体に向けて押圧し、本体310を介してセンタードリル40を被穿孔体に向けて押圧すると、センタードリル40が前記センター位置において被穿孔体の内部に穿入していく。そして、センタードリル40が被穿孔体に所定長(突出長)穿入すると、ロールピン80の先端が被穿孔体の表面に当接する。これにより、センタードリル40がそれ以上被穿孔体の内部に穿入することはなく、センタードリル40は、その穿入状態で、被穿孔体に対して空転する。これとほぼ同時に、切削刃30が鋸刃33,34,37により被穿孔体の穿孔を開始する。
ここで、上記のように、コイルスプリング380は、保持部材350,360,370,80と本体310との間に設けられ、常には、センタードリル40の先端が切削刃30の先端より突出する第1の位置(図14の状態)まで、センタードリル40をその基端側から先端側へと向かう方向(第1の軸方向)に付勢する。また、コイルスプリング380は、センタードリル40の先端側から基端側へと向かう方向(第2の軸方向)への外力に応じて、センタードリル40の先端が切削刃30の先端より没入する第2の位置まで、センタードリル40が軸方向に弾性的に収縮するのを許容する。
よって、センタードリル40を被穿孔体にセンター位置決めした時点から、センタードリル40が壁材Wに穿入してロールピン80の先端が被穿孔体に当接する時点までは、コイルスプリング380のバネ弾性により、案内軸370の上側係止部372が円盤部311aの小孔311dの周縁部に当接して、支持板360及びホルダ350が最下位置にあり、センタードリル40は前記第1の位置にある。そして、次に、回動工具を更に被穿孔体に向けて押圧し、本体310を介して切削刃30を更に被穿孔体に向けて押圧すると、切削刃30が被穿孔体を切削しながら被穿孔体内部に穿入する。このとき、切削刃30の被穿孔体への穿入に伴い、ロールピン80を介して、ホルダ350が本体310に対して接近し、コイルスプリング380が自身の弾性に抗して収縮する。即ち、切削刃30は、コイルスプリング380の弾性に抗する形で、被穿孔体内に穿入していく。このとき、図14中二点鎖線で示すように、案内軸370の軸部371が基部311の小孔311dから上方に突出し、ホルダ350等の軸方向の移動を案内する。また、このとき、センタードリル40は、その基端が軸体20の案内孔22の先端側から基端側に向けて移動する。そして、切削刃30が被穿孔体を貫通する時点で、センタードリル40は前記第2の位置となり、切削刃30が被穿孔体を貫通して被穿孔体に透孔を穿設すると、コイルスプリング480の弾性(付勢力)により、ホルダ350が本体310から離間して、センタードリル40は前記第1の位置に復帰する。このようにして、被穿孔体に透孔を穿設したら、回動工具を介して本体310を手前側に引っ張り、切削刃30を被穿孔体から離間する。そして、センタードリル40が中央を保持する形で切削刃30内に残る被穿孔体の円形の切除部分を、センタードリル40から引き抜いて除去する。以降、同様にして、被穿孔体の任意の位置に、穿孔を行う。
実施の形態4に係る穿孔具は、実施の形態1に係る穿孔具と同様、センタードリル40等のセンター軸部を加工することなく、簡易な構造で、センタードリル40等のセンター軸部を本体310に対して回り止め状態かつ伸縮自在とすることができ、結果として、全体を安価に作製することができるという効果を発揮する。加えて、実施の形態4に係る穿孔具では、実施の形態1に係る穿孔具の場合と同様、本体310が、連結部としての軸体20の軸心方向に延びる案内孔22を有し、センター軸部としてのセンタードリル40は、その先端側が保持部材の他端側のホルダ350により回り止め状態で保持されて本体310と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が軸体20の案内孔22に軸心方向への摺動自在に挿入されて前軸体20の案内孔22により放射方向への移動を規制した状態で支持され、軸体20の案内孔22によりセンタードリル40の第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内される。よって、軸体20の案内孔22によりセンタードリル40を案内して、センタードリル40の軸方向の移動を円滑化することができる。また、センタードリル40の先端側が保持部材の他端側のホルダ350により保持された状態で、センタードリル40が本体310と一体的に回動する。即ち、従来技術と比較して、センタードリル40がより先端側を保持された状態で本体10と一体的に回動する。よって、センタードリル40の回転時の安定性が高まり、芯ブレを効果的に防止することができる。同時に、センタードリル40の基端側が本体310の軸体20の案内孔22に軸心方向への摺動自在に挿入されて軸体20の案内孔22により放射方向への移動を規制された状態で支持される。よって、センタードリル20は、本体310に対して、その基端側と先端側との2点で軸体20及びホルダ350にそれぞれ支持されることになり、回転時の安定性が更に高まり、芯ブレを更に効果的に防止することができる。また、芯ブレを防止できるため、センタードリル40を本体310と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センタードリル40の基端側外周面が軸体20の案内孔22の内周面に押し付けられて伸縮動作(ストローク動作)の妨げとなるようなことはなく、その伸縮動作を円滑に行うことができる。
更に、センタードリル40を本体310に対して回り止め状態とする部分は、保持部材の他端側のホルダ350であり、センタードリル40を本体310に対して伸縮自在とする部分は、センタードリル40の基端側が挿入された軸体20の案内孔22部分となり、これらは別部分となる。よって、従来技術のように、本体の孔部分によりセンタードリルの回り止めと伸縮動作とを行うようにした場合と比較して、センタードリル40を本体310と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センタードリル40の伸縮方向においてセンタードリル40と本体310の軸体20の案内孔22部分との間に大きな抵抗が生じることはなく、センタードリル40の伸縮動作(ストローク動作)を極めて円滑に行うことができる。
ところで、実施の形態4に係る穿孔具では、案内軸370の上端に上側係止部372が一体形成され、コイルスプリング380の付勢力によりセンタードリル40が第1の位置に前進されたときに、上側係止部372が円盤部311aの上面に当接して係止され、コイルスプリング380の付勢力に抗してセンタードリル40を第1の位置で停止するようにしている。また、案内軸370の中央付近に下側係止部373が一体形成され、穿孔時にセンタードリル40が第2の位置に来たときに、下側係止部373が円盤部311aの下面に当接して係止され、センタードリル40が第2の位置を超えて更に後退することを阻止するようにしている。しかし、実施の形態4は、案内軸370に下側係止部373を設けることなく実施することもできる。この場合も、コイルスプリング380の最大収縮状態でセンタードリル40が前記第2の位置に来るよう、コイルスプリング380の最大収縮時のバネ長を選択すれば、穿孔時にセンタードリル40が第2の位置に来たときに、コイルスプリング380が最大収縮状態となって更なる収縮が停止し、センタードリル40が第2の位置を超えて更に後退することを阻止するようにすることができる。
更に、実施の形態4に係る穿孔具では、コイルスプリング380からなる弾性部材は、保持部材のホルダ350と本体310のボス部312との間に介装されることにより、本体の内側において保持部材と本体310との間に設けられているが、弾性部材は、本体の外側において前記保持部材と前記本体との間に設けてもよい。例えば、弾性部材としての小型の引張(収縮)コイルスプリングを上側係止部372と本体310の基部311の円盤部311a上面との間において前記軸部371に巻き回すと共に、上端を上側係止部372に固着し、下端を本体310の基部311の円盤部311a上面の小孔311b周縁部に固着して、上側係止部372と円盤部311aとの間に引張コイルスプリングを介装する。こうすると、引張コイルスプリングを本体の外側において前記保持部材と前記本体との間に設けることができる。この場合、引張コイルスプリングの最大収縮時に、その引張力(収縮力)により上側係止部372が図14中の下方に引っ張られ、案内軸370の軸部371及び支持板360を介して、センタードリル40からなるセンター軸部が第1の位置に来る。また、センタードリル40に図14中上方への外力が加わると、支持板360、案内軸370の軸部371及び上側係止部372を介して、引張コイルスプリングがそのバネ力に抗して伸張され、センタードリル40が第2の位置に来る。なお、上記同様、センタードリル40が第2の位置に来たときに、下側係止部373が円盤部311aの下面に当接するようにすることが好ましい。なお、この場合、前記上側係止部372及び引張コイルスプリングを収容する円筒状のカバーを、前記上側係止部372の伸縮行程(ストローク)に対応する長さで円盤部311aの上面側に一体形成することもできる。
或いは、弾性部材を本体310の内側において本体310と保持部材との間に設ける場合でも、上記以外に、例えば、押圧コイルスプリングを、円盤部311a下面と下側係止部373との間において軸部371に巻き回すと共に、上端を円盤部311a下面の小孔311b周縁部に固着し、下端を下側係止部373に固着して、円盤部311a下面と下側係止部373との間に小型の押圧コイルスプリングを介装することができる。この場合、押圧コイルスプリングの最大伸張時に、その押圧力(伸張力)により下側係止部373が図14中の下方に押圧され、案内軸370の軸部371及び支持板360を介して、センタードリル40からなるセンター軸部が第1の位置に来る。また、センタードリル40に図14中上方への外力が加わると、支持板360、案内軸370の軸部371及び上側係止部372を介して、押圧コイルスプリングがそのバネ力に抗して収縮され、センタードリル40が第2の位置に来る。なお、上記同様、センタードリル40が第2の位置に来たときに、下側係止部373が円盤部311aの下面に当接するようにすることが好ましい。この場合も、押圧コイルスプリングの最大収縮状態でセンタードリル40が前記第2の位置に来るよう、コイルスプリングの最大収縮時のバネ長を選択すれば、穿孔時にセンタードリル40が第2の位置に来たときに、コイルスプリングが最大収縮状態となって更なる収縮が停止し、センタードリル40が第2の位置を超えて更に後退することを阻止するようにすることができる。
更に、実施の形態4では、案内軸370の軸部371を円柱状とし、軸部371が摺動する本体310の円盤部311aの小孔311bを軸部371に対応する円形孔としたが、案内軸370の軸部を角柱状とし、軸部371が摺動する本体310の円盤部311aの小孔311bを軸部に対応する角形孔とすることもできる。しかし、案内軸370の軸部371を円柱状とし、軸部371が摺動する本体310の円盤部311aの小孔311bを軸部371に対応する円形孔とした場合、センタードリル40を本体310と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、軸部371の外周面が円盤部311aの小孔311bの内周面に多少押し付けられたとしても、軸体371の断面円形の周面が円盤部311aの小孔311bの対応する円形の周面に押圧されることになり、その押圧力が放射方向に均等に分散して、軸部371と円盤部311aの小孔311bとの間に大きな抵抗が生じることはない。その結果、センタードリル40の伸縮時に、案内軸370がその伸縮動作の支障となることはなく、上記同様、センタードリル40の伸縮動作を極めて円滑に行うことができる。
実施の形態5
図15は本発明の実施の形態5に係る穿孔具を示す側面図である。図16は本発明の実施の形態5に係る穿孔具を正面から見て示す断面図である。
図15及び図16に示すように、実施の形態5に係る穿孔具は、本体310,20、切削刃430、センタードリル40及び保持部材350,460,80を備える。詳細には、実施の形態5に係る穿孔具は、実施の形態4に係る穿孔具と同様の本体310とホルダ350とを備えている。一方、実施の形態5では、前記フランジ部311bの装着溝311c内に、実施の形態1と同様にして、切削刃430が装着固定されている。切削刃430は、実施の形態1の切削刃30とほぼ同様の構成であり、鋸刃33等を有する一方、周方向において対向する位置に、一対の案内溝439を形成している。各案内溝439は、切削刃430の下端から上端付近までセンタードリル40と平行に延びる直線溝状をなしている。
一方、実施の形態5では、保持部材は、ホルダ350、案内軸460及びロールピン80を有する。案内軸460は、両ホルダ350の外側面からそれぞれ直交して水平に突出する直線棒状をなしている。前記一対の案内軸460は、切削刃430の一対の案内溝439内に挿入され、案内溝439内を上下に移動自在となっている。各案内軸460は、センタードリル40の第1の位置で、その先端部が切削刃430の案内溝439の下端付近に位置し、センタードリル40の第2の位置で、その先端部が切削刃430の案内溝439の上端周縁に当接して係止されるようになっている。また、前記ボス部312の下端とホルダ350の上端との間には、押圧(伸張)コイルスプリング480が、センタードリル40に外装した状態で介装されている。なお、実施の形態5では、前記ホルダ350、案内軸460及びロールピン80により、一端側が穿孔刃としての切削刃430に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側によりセンタードリル40を回り止め状態で保持して、センタードリル40が本体310と共に一体的に回動するようにする保持部材が構成されている。また、前記コイルスプリング480により、保持部材350,460,80と本体310との間に設けられ、常には、センタードリル40の先端が切削刃430の先端より突出する第1の位置まで、センタードリル40をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢すると共に、センタードリル40の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、センタードリル40の先端が切削刃430の先端より没入する第2の位置まで、センタードリル40が軸方向に弾性的に収縮するのを許容する弾性部材が構成されている。ところで、前記案内軸370の数は、2本に限らず、ホルダ350を介してセンタードリル40の軸方向の移動を円滑に案内できる限りにおいて、1本としたり、3本以上としたりすることができる。また、その配置角度間隔も、同一角度間隔とする以外に、任意の角度間隔とすることができる。この場合、切削刃430の案内溝439は、案内軸460の数と同一数とすると共に、その配置角度間隔も、案内軸460の配置角度間隔と同一とする。
作用及び効果
実施の形態5に係る穿孔具は、実施の形態1に係る穿孔具と同様にして使用される。即ち、壁内等における配線ボックス等の配設位置で、センタードリル40を穿入すべきセンター位置を決定し、そのセンター位置にセンタードリル40の先端を当接し、回動工具の回動軸を正回転して、軸体20を介して本体310を正回転する。すると、センタードリル40が、案内軸460、ホルダ350及びロールピン80を介して、本体310と同期して一体的に正回転する。なお、このとき、切削刃430も、フランジ部311bの装着溝311cに装着固定されているため、本体310と同期して一体的に正回転する。これと同時に、回動工具を壁材等の被穿孔体に向けて押圧し、本体310を介してセンタードリル40を被穿孔体に向けて押圧すると、センタードリル40が前記センター位置において被穿孔体の内部に穿入していく。そして、センタードリル40が被穿孔体に所定長(突出長)穿入すると、ロールピン80の先端が被穿孔体の表面に当接する。これにより、センタードリル40がそれ以上被穿孔体の内部に穿入することはなく、センタードリル40は、その穿入状態で、被穿孔体に対して空転する。これとほぼ同時に、切削刃430が鋸刃33,34,37により被穿孔体の穿孔を開始する。
ここで、上記のように、コイルスプリング480は、保持部材350,460,80と本体310との間に設けられ、常には、センタードリル40の先端が切削刃30の先端より突出する第1の位置(図17の状態)まで、センタードリル40をその基端側から先端側へと向かう方向(第1の軸方向)に付勢する。このとき、コイルスプリング480の最大伸張状態でセンタードリル40が前記第1の位置に来るよう、コイルスプリング480の最大伸張時のバネ長が選択されている。また、コイルスプリング480は、センタードリル40の先端側から基端側へと向かう方向(第2の軸方向)への外力に応じて、センタードリル40の先端が切削刃430の先端より没入する第2の位置まで、センタードリル40が軸方向に弾性的に収縮するのを許容する。
よって、センタードリル40を被穿孔体にセンター位置決めした時点から、センタードリル40が壁材Wに穿入してロールピン80の先端が被穿孔体に当接する時点までは、コイルスプリング480が最大伸張状態にあり、ホルダ450が最下位置に位置して、センタードリル40は前記第1の位置にある。そして、次に、回動工具を更に被穿孔体に向けて押圧し、本体310を介して切削刃430を更に被穿孔体に向けて押圧すると、切削刃430が被穿孔体を切削しながら被穿孔体内部に穿入する。このとき、切削刃430の被穿孔体への穿入に伴い、ロールピン80を介して、ホルダ350が本体310に対して接近し、コイルスプリング480が自身の弾性に抗して収縮する。即ち、切削刃430は、コイルスプリング380の弾性に抗する形で、被穿孔体内に穿入していく。このとき、案内軸460の先端部が切削刃430の案内溝439に沿って移動し、ホルダ350等の軸方向の移動を案内する。また、このとき、センタードリル40は、その基端が軸体20の案内孔22の先端側から基端側に向けて移動する。そして、切削刃430が被穿孔体を貫通する時点で、センタードリル40は前記第2の位置となり、切削刃430が被穿孔体を貫通して被穿孔体に透孔を穿設すると、コイルスプリング480の弾性(付勢力)により、ホルダ350が本体310から離間して、センタードリル40は前記第1の位置に復帰する。このようにして、被穿孔体に透孔を穿設したら、回動工具を介して本体310を手前側に引っ張り、切削刃430を被穿孔体から離間する。そして、センタードリル40が中央を保持する形で切削刃430内に残る被穿孔体の円形の切除部分を、センタードリル40から引き抜いて除去する。以降、同様にして、被穿孔体の任意の位置に、穿孔を行う。
実施の形態5に係る穿孔具は、実施の形態1に係る穿孔具と同様、センタードリル40等のセンター軸部を加工することなく、簡易な構造で、センタードリル40等のセンター軸部を本体310に対して回り止め状態かつ伸縮自在とすることができ、結果として、全体を安価に作製することができるという効果を発揮する。加えて、実施の形態5に係る穿孔具では、実施の形態1に係る穿孔具の場合と同様、センタードリル40は、その先端側が保持部材の他端側のホルダ350により案内軸460を介して回り止め状態で保持されて本体310と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が軸体20の案内孔22に軸心方向への摺動自在に挿入されて前軸体20の案内孔22により放射方向への移動を規制した状態で支持され、軸体20の案内孔22によりセンタードリル40の第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内される。よって、軸体20の案内孔22によりセンタードリル40を案内して、センタードリル40の軸方向の移動を円滑化することができる。その他、実施の形態5に係る穿孔具は、実施の形態4で述べたような効果も発揮する。
更に、センタードリル40を本体310に対して回り止め状態とする部分は、保持部材の他端側のホルダ350及び案内軸460であり、センタードリル40を本体310に対して伸縮自在とする部分は、センタードリル40の基端側が挿入された軸体20の案内孔22部分となり、これらは別部分となる。よって、従来技術のように、本体の孔部分によりセンタードリルの回り止めと伸縮動作とを行うようにした場合と比較して、センタードリル40を本体310と一体的に回動しながら軸心方向に伸縮させるときに、センタードリル40の伸縮方向においてセンタードリル40と本体310の軸体20の案内孔22部分との間に大きな抵抗が生じることはなく、センタードリル40の伸縮動作(ストローク動作)を極めて円滑に行うことができる。
ところで、実施の形態5に係る穿孔具では、コイルスプリング480の最大伸張時のバネ長を選択することにより、センタードリル40を第1の位置に位置決めしているが、例えば、ホルダ450を切削刃430に対してその軸方向に位置決めするための他の手段を設けることにより、センタードリル40を第1の位置及び第2の位置に位置決めしてもよい。具体的には、例えば、前記下端を開放した案内溝439の代わりに、上端及び下端を閉塞した長孔形状の案内溝を切削刃430に設け、その案内溝に沿って案内軸460を上下に移動するようにする。こうすると、案内軸が切削刃430の案内溝の下端周縁に当接して係止され、前記センタードリル40を第1の位置に位置決めすることができる。
ところで、上記各実施の形態では、穿孔刃として鋸刃状の切削刃30,430を使用しているが、本発明では、これ以外に、単一の切刃状の穿孔刃を使用することもできる。この場合、1つ以上の切刃を本体のフランジ等の外周縁から垂下するよう固着する。また、上記各実施の形態では、センター軸部としてセンタードリル40を使用しているが、本発明では、これ以外に、センターピン、センター軸等、他の構成のセンター軸部を使用することができる。
図1は本発明の実施の形態1に係る穿孔具を示す分解斜視図である。 図2は本発明の実施の形態1に係る穿孔具を示す斜視図である。 図3は本発明の実施の形態1に係る穿孔具の左半部を断面にて示すと共に、右半部の一部を破断して示す正面図である。 図4は本発明の実施の形態1に係る穿孔具を示す平面図である。 図5は本発明の実施の形態1に係る穿孔具の穿孔刃の展開状態を示す展開図である。 図6は本発明の実施の形態1に係る穿孔具の保持部材とセンタードリルとの関係を示す分解斜視図である。 図7は本発明の実施の形態1に係る穿孔具のセンタードリルにロールピンを取付けた状態を示す正面図である。 図8は本発明の実施の形態1に係る穿孔具のセンタードリルにロールピンを取付けた状態を示す斜視図である。 図9は本発明の実施の形態1に係る穿孔具による被穿孔体の穿孔動作を示し、(a)はセンタードリルを被穿孔体にセンター位置決めした状態を示す断面図、(b)は穿孔刃により被穿孔体を穿孔した状態を示す断面図である。 図10は本発明の実施の形態2に係る穿孔具を右側面から見て示す断面図である。 図11は本発明の実施の形態3に係る穿孔具による被穿孔体の穿孔動作を示し、(a)はセンタードリルを被穿孔体にセンター位置決めした状態を示す断面図、(b)は穿孔刃により被穿孔体を穿孔した状態を示す断面図である。 図12は本発明の実施の形態3に係る穿孔具の保持部材の板状部材が弾性劣化した場合の処理を示す断面図である。 図13は本発明の実施の形態4に係る穿孔具を示す平面図である。 図14は図13のA−A線断面図である。 図15は本発明の実施の形態5に係る穿孔具を示す側面図である。 図16は本発明の実施の形態5に係る穿孔具を正面から見て示す断面図である。
10,310 本体、11,311 基部
20 軸体(連結部)、22 案内孔
30,430 切削刃(穿孔刃)
40 センタードリル(センター軸部)
50,250 板ばね(保持部材、板状部材) 51,251 屈曲部
60 上部ホルダ(保持部材)、70 下部ホルダ(保持部材)
78 規制片、
80,480 ロールピン(保持部材、当接部)
101 調整ビス
350 ホルダ(保持部材)、360 支持板(保持部材)、370 案内軸(保持部材)
380 コイルスプリング(弾性部材)
460 案内軸(保持部材)、480 コイルスプリング(弾性部材)
W 壁材(被穿孔体)

Claims (13)

  1. 回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、
    前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、
    前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、
    一端側が前記本体に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにする保持部材とを備え、
    前記保持部材は、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢する弾性を有すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容し、
    前記保持部材は、前記一端側と他端側との間を延設される板状部材を有し、前記板状部材の一端側を前記本体に回り止め状態で取付けると共に、前記板状部材の他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持し、
    前記板状部材は、前記センター軸部が前記第1の位置と前記第2の位置との間で伸縮自在となるよう、前記保持部材の一端側と他端側との間で屈曲または湾曲自在であることを特徴とする穿孔具。
  2. 前記板状部材は、常には、前記保持部材の一端側と他端側との間で最大長となるよう伸張する弾性をそれ自身で有し、その伸張状態で前記センター軸部を前記第1の位置へと付勢すると共に、前記センター軸部が前記第1の位置から第2の位置まで収縮するのに応じて、前記伸張状態から弾性的に屈曲または湾曲することを特徴とする請求項1記載の穿孔具。
  3. 前記本体は、前記穿孔刃を外周に配設する略板状の基部を有すると共に、前記連結部は、前記基部の厚さ方向一側に一体的に固着される軸体を有し、
    前記板状部材は、前記一端側が前記軸体に固着され、前記基部を厚さ方向に貫通して、前記他端側により前記センター軸部を固着する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の穿孔具。
  4. 前記保持部に保持された前記センター軸部の前記保持部からの突出長は、前記センター軸部が被穿孔体を貫通しないよう前記被穿孔体の厚み未満に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の穿孔具。
  5. 前記保持部に保持された前記センター軸部の前記保持部からの突出長は、前記被穿孔体の厚みに合せて変更自在であることを特徴とする請求項4記載の穿孔具。
  6. 回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、
    前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、
    前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、
    一端側が前記本体に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにする保持部材とを備え、
    前記保持部材は、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢する弾性を有すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容し、
    前記保持部材は、更に、前記センター軸部の先端部を所定長突出させた状態で前記センター軸部を保持する当接部を有し、前記センター軸部を被穿孔体に前記所定長穿入させたとき、前記当接部の先端が前記被穿孔体の表面に当接して、前記センター軸部のそれ以上の穿入を阻止し、前記保持部材の弾性に抗して、前記センター軸部を前記第2の位置へと向かって後退させるようにしたことを特徴とする穿孔具。
  7. 更に、前記本体の基部に螺入されて前記基部を貫通し、前記保持部材の他端側に向かって延びる調整ビスと、前記保持部材の他端側に設けられ、前記調整ビスの先端に対向配置された規制片とを備え、前記センター軸部が前記第2の位置となったとき、前記調整ビスの先端が前記規制片に当接して、前記センター軸部が前記第2の位置から更に後退することを阻止されるようにしたことを特徴とする請求項3記載の穿孔具。
  8. 前記センター軸部が前記第2の位置となったとき、前記板状部材の屈曲または湾曲部分が前記本体の基部の外周部に当接して、前記板状部材がそれ以上の屈曲または湾曲を阻止され、前記センター軸部が前記第2の位置から更に後退することを阻止されるようにしたことを特徴とする請求項3記載の穿孔具。
  9. 回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、
    前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、
    前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、
    一端側が前記本体に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにする保持部材とを備え、
    前記保持部材は、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢する弾性を有すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容し、
    前記本体は、前記連結部の軸心方向に延びる案内孔を有し、
    前記センター軸部は、その先端側が前記保持部材の他端側により回り止め状態で保持されて前記本体と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が前記連結部の案内孔に軸心方向への摺動自在に挿入されて前記連結部の案内孔により放射方向への移動を規制した状態で支持され、
    前記連結部の案内孔により前記センター軸部の前記第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内されることを特徴とする穿孔具。
  10. 回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、
    前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、
    前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、
    一端側が前記本体に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにする保持部材と、
    前記保持部材と前記本体との間に設けられ、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容する弾性部材とを備え、
    前記本体は、前記連結部の軸心方向に延びる案内孔を有し、
    前記センター軸部は、その先端側が前記保持部材の他端側により回り止め状態で保持されて前記本体と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が前記連結部の案内孔に軸心方向への摺動自在に挿入されて前記連結部の案内孔により放射方向への移動を規制した状態で支持され、
    前記連結部の案内孔により前記センター軸部の前記第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内されることを特徴とする穿孔具。
  11. 回動工具の駆動部の回動軸に連結自在な連結部を有する本体と、
    前記本体から延設され、被穿孔体に透孔を穿孔すべく前記本体と共に一体的に回動する穿孔刃と、
    前記穿孔刃の回動中心となるセンター軸部と、
    一端側が前記穿孔刃に対して回り止め状態で取付けられると共に、他端側により前記センター軸部を回り止め状態で保持して、前記センター軸部が前記本体と共に一体的に回動するようにし、かつ、前記他端側により保持された前記センター軸部が前記穿孔刃の延設方向に沿って移動自在となるよう、前記一端側が前記穿孔刃に取付けられた保持部材と、
    前記保持部材と前記本体との間に設けられ、常には、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より突出する第1の位置まで、前記センター軸部をその基端側から先端側へと向かう方向に付勢すると共に、前記センター軸部の先端側から基端側へと向かう方向への外力に応じて、前記センター軸部の先端が前記穿孔刃の先端より没入する第2の位置まで、前記センター軸部が軸方向に弾性的に後退するのを許容する弾性部材とを備え、
    前記本体は、前記連結部の軸心方向に延びる案内孔を有し、
    前記センター軸部は、その先端側が前記保持部材の他端側により回り止め状態で保持されて前記本体と共に一体的に回動するようにされる一方、その基端側が前記連結部の案内孔に軸心方向への摺動自在に挿入されて前記連結部の案内孔により放射方向への移動を規制した状態で支持され、
    前記連結部の案内孔により前記センター軸部の前記第1の位置及び第2の位置間における伸縮動作が案内されることを特徴とする穿孔具。
  12. 前記案内孔は前記連結部を軸方向に貫通して設けられることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項記載の穿孔具。
  13. 前記穿孔刃は、前記本体の円周方向に連続する鋸刃状をなすことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載の穿孔具。
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