JP2017128997A - 地表面温調装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2では、サッカーグラウンドやゴルフ場等の植栽地に複数の温調管を埋設することで温調している。各温調管は、往路部と、折り返し部と、復路部とを有している。隣り合う温調管の折り返し部どうしが互いに重なり合っている。
本発明は、かかる事情に鑑み、コストを抑制しながら、陸上競技場の走路を効果的に温調する地表面温調装置を提供することにある。
前記温調媒体が供給される供給ヘッダと、
前記供給ヘッダから分岐された温調管と、
を備え、前記供給ヘッダが、前記走路のスタートラインよりも走行方向の反対側に配置され、前記温調管が、前記スタートラインを越えて前記スタートラインより前記走行方向の前方の温調終端部へ向けて延びていることが好ましい。
この地表面温調装置によれば、走路の少なくともスタートラインの周辺部を温調(冷却等)でき、競技者が手をつく際の熱感や熱中症等のおそれを緩和できる。温調管は、少なくともスタートラインの周辺部に設ければよく、コストの増大を抑えることができる。
さらに、前記スタートラインよりも前記走行方向の反対側には排出ヘッダが配置され、前記温調管の下流端が前記排出ヘッダに接続されており、
前記供給ヘッダが、前記スタートラインと前記排出ヘッダとの間に配置されていることが好ましい。
これによって、スタートラインに近い箇所を新鮮な温調媒体によって温調(冷却等)でき、競技者が手をつく際の熱感をより確実に緩和できる。
平面視において、前記外周り温調管が、前記内周り温調管を囲んでいることが好ましい。
これによって、温調管が往復型である場合、複数の温調管が上下に重なるのを防止できる。この結果、表層や下地層の厚みを確保することができる。
前記内周り温調管の復路管部と前記外周り温調管の往路管部とが互いに隣接して並んで配置されていることが好ましい。
これによって、温調対象領域をより均一に温調することができる。
更に、前記地表面温調装置が、前記温調終端部に配置された第2供給ヘッダと、
前記第2供給ヘッダから分岐されて前記スタートラインへ延び、かつ前記温調管(順向き)と前記走路の幅方向に並べられた逆向き温調管と、を備えていてもよい。前記逆向き温調管は、好ましくは折り返しの無い片道型である。
前記順向き温調管においては温調媒体がスタートライン側から温調終端部へ向けて流れる。前記逆向き温調管においては温調媒体が温調終端部側からスタートラインへ向けて流れる。これら順向き温調管及び逆向き温調管の温調媒体が対向流を構成することで、走路の地表面を均一に温調できる。
これによって、地表面温調装置の設計及び施工を容易化できる。
図1及び図2に示すように、陸上競技場9における走路9a(トラック)の地表面下には、地表面温調装置1が設けられている。地表面温調装置1によって、走路9aの特にスタートライン9eの周辺部の地表面9dが温調される。走路9aのスタートライン9eを挟んで、走行方向とは反対側(図1及び図2において左側)に温調始端部9fが設定され、走行方向の前方(図1及び図2において右)に温調終端部9gが設定されている。温調始端部9fと温調終端部9gとの間が温調対象領域9Rとなっている。温調対象領域9Rが、スタートライン9eを跨ぎ、走行方向に沿って延びている。
上に表層91が設けられている。下地層93は、例えばアスファルトにて構成されている。充填層92は、例えばゴムチップにて構成されている。表層91は、例えばウレタン樹脂にて構成されている。
地表面温調装置1は、表層91と下地層93との間に介在され、充填層92中に埋設されている。
図5に示すように、供給ヘッダ10には、管軸方向に間隔を置いて、複数の分岐ポート12,12…が設けられている。
なお、温調源は、チラー2に限られず、地中熱(冷熱又は温熱)を利用してもよく、陸上競技場9に付設された貯水槽を利用して熱交換するようにしてもよい。温調媒体は、水に限られず、ブライン等を用いてもよい。
好ましくは、1つの管集合ブロック20xの温調管20の数は、例えば8本から16本程度である。管集合ユニット20Xにおける管集合ブロック20xの数は、適宜設定でき、例えば1〜4つである。
この実施形態では、1つの管集合ユニット20Xにおける温調管20の数は、20本である。これら温調管20が、10本ずつ、2つの管集合ブロック20xに分かれている。
詳しくは、温調管20は、往路管部21と、曲管部22と、復路管部23を含む。往路管部21の上流端(ひいては温調管20の上流端)が分岐ポート12に接続されている。往路管部21は、スタートライン9eを越えて、温調終端部9gへ向けて延びている。温調終端部9gにおいて、往路管部21に曲管部22が連なっている。曲管部22は、半円弧状に湾曲されている。曲管部22における往路管部21とは反対側には、復路管部23が連なっている。復路管部23は、往路管部21と平行に温調始端部9fへ延びている。復路管部23の下流端は、スタートライン9eを越え、更に供給ヘッダ10を超えて、接続ポート32に接続されている。
復路管部23は、供給ヘッダ10の上を跨いで排出ヘッダ30へ達していてもよく、供給ヘッダ10の下をくぐって排出ヘッダ30へ達していてもよい。
図6は、管集合ブロック20x中の任意の隣接する2つの温調管20,20を模式的に示したものである。平面視において、これら2つの温調管20,20のうち一方が、他方を囲んでいる。以下、これら内外の温調管20,20を互いに区別する際は、内側の温調管20を「内周り温調管20A」と称し、外側の温調管20を「外周り温調管20B」と称す。外周り温調管20Bの往復路管部21,23どうし間の間隔W20Bは、内周り温調管20Aの往復路管部21,23どうし間の間隔W20Aよりも大きい(W20B>W20A)。内周り温調管20Aの曲管部22と外周り温調管20Bの曲管部22とは、互いに同心の半環状になっており、外周り温調管20Bの曲管部22の半径R22Bが内周り温調管20Aの曲管部22の半径R22Aより大きい(R22B>R22A)。
管集合ブロック20xの温調管20,20…どうしは、ほぼ全域にわたって平面視で交差箇所を有していない。
なお、ヘッダ10,30の近傍部では、温調管20,20どうしが上下に交差していてもよい。
この管固定部材40の上に温調管20を配管し、保持部42に温調管20を嵌め込んで保持させる。
温調管20の両端部には供給ヘッダ10及び排出ヘッダ30を接続する。
次に、充填層92を被せることで、地表面温調装置1を充填層92中に埋める。
更に充填層92上に表層91を敷設する。
また、隣接する温調管20A,20Bの曲管部22,22どうしが重ならないようにすることで、下地層93や表層91が薄くなるのを防止できる。
さらに、隣接する温調管20A,20Bの温調媒体A(水)の流通方向を互いに逆向きにすることで、走路9aの地表面9dをなるべく均一に冷却(温調)することができる。
レーン温調ユニット1bの幅をレーン9bの幅に合わせることで、地表面温調装置1の設計及び設置施工作業を容易化、効率化できる。
温調管20は、折り返し型に限られず、片道型であってもよい。供給ヘッダ10が温調始端部9fに配置され、排出ヘッダ30が温調終端部9gに配置されていてもよい。
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態では、温調始端部9fに供給ヘッダ10及び排出ヘッダ30が設けられ、温調終端部9gには第2供給ヘッダ10B及び第2排出ヘッダ30Bが設けられている。レーン温調ユニット1bの管集合ユニット20Xは、温調管20として複数の順向き温調管20Cと、複数の逆向き温調管20Dとを含む。各温調管20C,20Dは、折り返しの無い片道型になっている。
逆向き温調管20Dは、上流端が第2供給ヘッダ10の分岐ポート12に接続されるとともに、そこからスタートライン9eひいては温調始端部9fへ向けて延び、下流端が排出ヘッダ30の回収ポート32に接続されている。逆向き温調管20Dは、温調媒体Aを温調始端部9fへ向けて走路9aとは逆方向(図8において左向き)に流す。
図9は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態は、第2実施形態の変形態様であり、順向き温調管20Cと逆向き温調管20Dとが、走路9aの幅方向に2つずつ交互に配置されている。
例えば、第2、第3実施形態の変形態様として、順向き温調管20Cと逆向き温調管20Dとが3つ以上ごとに交互に並べられていてもよい。順向き温調管20Cと逆向き温調管20Dとが他の規則的又は不規則的な本数ごとに並べられていてもよい。
温調媒体Aとして熱媒体を用いてもよい。地表面温調装置1を冷却装置としてだけでなく、加温装置や融雪装置として利用してもよい。
1 地表面温調装置
1b レーン温調ユニット
9 陸上競技場
9a 走路
9b レーン
9d 地表面
9e スタートライン
9g 温調終端部
9R 温調対象領域
10 供給ヘッダ
20X 管集合ユニット
20x 管集合ブロック
20 温調管
20A 内周り温調管
20B 外周り温調管
20C 順向き温調管(温調管)
20D 逆向き温調管
21 往路管部
22 曲管部
23 復路管部
30 排出ヘッダ
40X 管固定手段
Claims (6)
- 陸上競技場の走路の地表面を温調媒体によって温調する地表面温調装置であって、
前記温調媒体が供給される供給ヘッダと、
前記供給ヘッダから分岐された温調管と、
を備え、前記供給ヘッダが、前記走路のスタートラインよりも走行方向の反対側に配置され、前記温調管が、前記スタートラインを越えて前記スタートラインより前記走行方向の前方の温調終端部へ向けて延びていることを特徴とする地表面温調装置。 - 前記温調管が、前記温調終端部において折り返しており、
さらに、前記スタートラインよりも前記走行方向の反対側には排出ヘッダが配置され、前記温調管の下流端が前記排出ヘッダに接続されており、
前記供給ヘッダが、前記スタートラインと前記排出ヘッダとの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の地表面温調装置。 - 各々が前記温調管を構成する内周り温調管及び外周り温調管を備え、
平面視において、前記外周り温調管が、前記内周り温調管を囲んでいることを特徴とする請求項2に記載の地表面温調装置。 - 前記内周り温調管の往路管部と前記外周り温調管の復路管部とが互いに隣接して並んで配置され、
前記内周り温調管の復路管部と前記外周り温調管の往路管部とが互いに隣接して並んで配置されていることを特徴とする請求項3に記載の地表面温調装置。 - 前記温調終端部に配置された第2供給ヘッダと、
前記第2供給ヘッダから分岐されて前記スタートラインへ延び、かつ前記温調管と前記走路の幅方向に並べられた逆向き温調管と、を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の地表面温調装置。 - 各々が前記温調管を構成する複数の個別温調管を含む管集合ユニットと、前記管集合ユニットを保持する管固定手段とを含むレーン温調ユニットを備え、前記レーン温調ユニットの幅が、前記走路の各レーンの幅と対応することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の地表面温調装置。
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