JP2540785Y2 - 冷凍用冷却管の保持装置 - Google Patents

冷凍用冷却管の保持装置

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JP2540785Y2
JP2540785Y2 JP40445390U JP40445390U JP2540785Y2 JP 2540785 Y2 JP2540785 Y2 JP 2540785Y2 JP 40445390 U JP40445390 U JP 40445390U JP 40445390 U JP40445390 U JP 40445390U JP 2540785 Y2 JP2540785 Y2 JP 2540785Y2
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和夫 大橋
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株式会社パティネ商会
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、例えば、人工スキー
場のように傾斜した地表等の基盤に氷結層を形成するた
めに配設される冷凍用冷却管の保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人工スキー場を造るために、人工雪を製
造し、これを傾斜した基盤に積雪する方法は、例えば特
公平2−36635号公報で知られている。これは水と
水膨潤性ポリマー材料とを、最大保水能力以下において
混合して水性ゲルを形成し、この水性ゲルを曝気、こ
の曝気したゲルを冷凍して人工雪を造り、次に、この人
工雪を傾斜した基盤に積雪してゲレンデを製造する方法
である。しかしながら、人工スキー場においては、人工
雪の積雪効率性、雪質の維持、溶融防止等のために、積
雪層の下、つまり傾斜した基盤に凍結層を形成し、この
凍結層の上に人工雪を積雪するようにしている。
【0003】また、前記凍結層の造り方には種々ある
が、通常のアイススケートリンクの氷結方法と同様に、
傾斜した地表面に冷却管を配設し、この冷却管中にブラ
イン等の冷媒を流通させ、冷媒の作用で水を凍結して氷
結層を造るという方法が一般的である。この場合、冷却
管は地表面に直接配管するとは限らず、地表面に防水シ
ートを敷設して防水処置を採り、また冷媒の冷却作用が
下方に行き、冷却効率が落ちるのを防止するために断熱
材を配設する。そして、この冷却管を防水シートや断熱
材の上に配設するというのが普通である。
【0004】前記冷却管には金属製パイプまたは合成樹
脂製パイプが用いられているが、配管コスト、管理や配
管作業性を考えると合成樹脂製パイプが好ましい。ま
た、冷却管は、単管であってもよく、2本のパイプを並
列に連結した二連のパイプであってもよく、通常は冷却
管を平行にほぼ等間隔に多数本配設して冷却管を流れる
ブライン等の冷媒が隣り合う冷却管相互において逆方向
に流れるように配設している。したがって、冷却管に二
連のパイプを使用すると、パイプ中を流通するブライン
等の冷媒を相互に逆方向に流れるようにするときには便
利である。
【0005】また、多数本の冷却管をほぼ平行に、ほぼ
等間隔に配設するのは、冷却作用を均一にするために重
要なことであり、少しの冷却むらあっても人工雪が部
分的に軟らかくなったり、雪質が不均一になる。ところ
で、多数本の冷却管を所定位置に保持する方法として
は、従来は、冷却管と直交する方向に保持部材を配置
し、この保持部材に冷却管をワイヤやバンドで結束する
などの方法が行われていた。
【0006】また、アイススケートリンク用冷却管の保
持装置は、実願昭59−121981号で知られている
が、これはリンクの平坦面に設置される可撓性を有する
帯状の基部とこの基部の上部にその長手方向に亘って立
設した支持部とからなり、この支持部に冷却管を保持す
る切欠部を設けた構造である。したがって、冷却管を前
記切欠部に保持することにより、冷却管を所定間隔を存
して配設することができる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところが、前述したよ
うに、ワイヤやバンドによって冷却管を保持部材に結束
する方法は、現場作業が繁雑である上、結束部で冷凍作
用が減少し、冷却むらが生じ、部分的に溶融したり、雪
質が不均一になる。また、実願昭59−121981号
の保持装置は、人工スキー場のように、傾斜面に施工し
た場合、スキーヤの滑走によって人工雪が斜面下方に押
し流されるのを防止することができない。したがって、
押し流される人工雪によって冷却管が曲がってしまった
り破損する心配がある。
【0008】この考案は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、人工スキー場のよう
に傾斜面に設置しても、人工雪がスキーヤの滑走によっ
て斜面下方へ押し流されることはなく、また冷却管の配
管作業が容易な冷凍用冷却管の保持装置を提供すること
にある。
【0009】この考案は、前述した目的を達成するため
に、帯状の基部およびこの基部の長手方向に亘って立設
され所定間隔を存して冷却管を保持する複数の切欠部を
設けた支持部とからなる可撓性を有する保持装置本体
と、この保持装置本体の上部に着脱可能に設けられ上方
に向って突出する植毛部を有するブラシ体とから保持装
置を構成する。
【0010】
【作用】保持装置本体の可撓性を利用して冷却管を切欠
部に押し込むことにより、冷却管を支持部に保持でき、
冷却管を所定間隔を存して配管できる。保持装置本体に
対してブラシ体着脱可能であり、植毛部の長さ、腰の
強さの異なる複数種類を用意することにより、積雪条件
に応じて適宜交換できる。
【0011】
【実施例】以下、この考案の各実施例を図面に基づいて
説明する。図1〜図3は、冷凍用冷却管の保持装置の第
1の実施例を示す。1は保持装置本体である。保持装置
本体1は帯状に形成された基部2と、この基部2の上部
にその長手方向に亘って立設された支持部3から構成さ
れている。基部2および支持部3は合成樹脂材料等の可
撓性を有する材料によって一体に形成されている。した
がって、基部2と支持部3とからなる保持装置本体1の
横断面は逆T字状をなしており、基部2の下面は接地面
に形成されている。さらに、基部2には複数個の釘挿通
孔4…が穿設され、人工スキー場を造る傾斜面からなる
基盤5等に対して止め釘6…によって固定される。
【0012】また、前記支持部3にはその長手方向に所
定間隔を存して切欠部7が設けられている。この切欠部
7はブライン等の冷却管8を保持するためのもので、円
形状に形成されている。さらに、支持部3の上端は直線
状の上端縁に形成され、その上端縁には切欠部7に連通
する狭幅の切込み部9が縦方向に設けられている。した
がって、冷却管8を切込み部9に位置し、冷却管8を径
方向に押し込むことにより、支持部3の可撓性によって
切込み部9が押し拡げられ、この切込み部9を通過して
切欠部7に嵌合保持される。冷却管8が切込み部9を通
過すると、支持部3の弾性復元力により切込み部9が閉
じるため、冷却管8が抜けることはなく、支持部3に確
実に保持される。
【0013】このように、基盤5に所定間隔を存して配
置し、基盤5に対して止め釘6…によって固定した保持
装置本体1…の支持部3の切欠部7…に冷却管8を嵌合
保持することによって、冷却管8を基盤5と一定の間隔
を保って、しかも冷却管8…相互を所定間隔を存して平
行に配管することができる。
【0014】さらに、前記支持部3の上部にはブラシ体
10が着脱可能に取付けられている。ブラシ体10は、
植毛保持部11と、この植毛保持部11に上方に向かっ
て多数本の毛を密集して突出させた植毛部12とから構
成されている。植毛保持部11は断面がH形をなしてお
り、上部凹溝11aに植毛部12を固定し、下部凹溝1
1bは前記支持部3に対する嵌合部に形成されている。
そして、この嵌合部に対面する植毛保持部11には下部
凹溝11bと直交する方向に貫通する貫通孔13が穿設
されている。さらに、この貫通孔13に対向する前記支
持部3にも同様の貫通孔14が穿設されている。そし
て、支持部3に対して植毛支持部11の下部凹溝11b
を嵌合し、貫通孔13,14に固定ピン15を挿入する
ことにより、支持部3に対してブラシ体10が固定され
る。
【0015】前記植毛部12は動物製、植物製または可
撓性を有する合成繊維のいずれか、または2種以上より
なる比較的腰が強く(強靭性)、かつ弾発性のある材料
によって形成されている。そして、植毛部12の長さ
(高さ)は人工雪の積雪量によって適宜設定されるが、
好ましくは5〜50cmがよい。
【0016】したがって、保持装置本体1に対して取付
けたブラシ体10が人工雪の上を滑走する際に、その滑
走を妨げることはなく、積雪された人工雪が斜面下方に
流されるのを防止する堰止めの働きをするとともに、氷
結層自体の下方への流れを防止する。
【0017】図4は、第2の実施例を示すもので、第1
の実施例と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略
する。保持装置本体1の支持部3の上部にはブラシ支持
部16が一体に設けられている。ブラシ支持部16は上
面にスリット17を有したチャンネル形状の挿入穴18
によって形成されている。一方、ブラシ体19は帯状の
植毛支持部20と、この植毛支持部20に上方に向かっ
て植毛された植毛部21とから構成され、この植毛支持
部20をブラシ支持部16の挿入穴18に挿入すること
により取付けられている。
【0018】図5および図6は、第3の実施例を示すも
ので、第1の実施例と同一構成部分は同一番号を付して
説明を省略する。保持装置本体1の支持部3の上部には
ブラシ支持部22が一体に設けられている。このブラシ
支持部22は、支持部3の厚さ方向に突出する凸条部2
3によって形成されている。一方、ブラシ体24は断面
がほぼH形の植毛支持部25と、この植毛支持部25に
上方に向かって植毛された植毛部26とから構成され、
この植毛支持部25の下部には前記ブラシ支持部22の
凸条部23に掛合する掛合部27が設けられ、掛合部2
7を凸条部23に弾性掛合することにより、ブラシ体2
4は支持部3に着脱可能に支持されている。
【0019】また、支持部3には二連のパイプからなる
冷却管28を嵌合保持するために、支持部3に2つの円
形孔を並設した形状の切欠部29が設けられているが、
一連の冷却管(単管)でもよく、支持部3には冷却管2
8と略同径の円形の切欠部を設ければよく、またパイプ
は円形に限らず、楕円形状のパイプであっても、その形
状に合った切欠部を支持部に設ければよい。
【0020】図7は、傾斜した基盤5に保持装置本体1
を固定し、この保持装置本体1に冷却管8を支持すると
ともに、ブラシ体10を取付けた状態を示すものであ
る。冷却管8にブライン等の冷媒を流通することにより
基盤5の表層に氷結層30が形成され、この氷結層30
の表層には人工雪31が積雪され、人工スキー場のゲレ
ンデが形成される。この場合、保持装置本体1は基盤5
の傾斜方向に対して直角方向に配設されている。したが
って、ブラシ体10も基盤5の傾斜方向に対して直角方
向に配設されるため、人工雪31の上をスキーヤが滑走
する際に、その滑走を妨げることはなく、積雪された人
工雪31が斜面下方に流されるのを防止する堰止めの働
きをするとともに、氷結層自体の下方への流れを防止す
る。
【0021】
【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、次のような効果が得られる。 (1)支持部の可撓性を利用して冷却管を径方向に押し
込んで押し拡げながら切欠部に嵌合することにより、冷
却管の保持がワンタッチで簡単に行え、冷却管の配管作
業の能率向上を図ることができる。 (2)冷却管を保持する支持部が一種の壁となって人工
雪の移動を阻止することができ、冷却管を流れる冷媒と
人工雪との熱交換効率を向上させるとともに、均一の氷
結層を形成できる。 (3)支持部にブラシ体を設けることにより、ブラシ体
が人工雪の上をスキーヤの滑走を邪魔することはなく、
さらに、積雪された人工雪が斜面下方に流されるのを防
止する堰止めの働きをするとともに、氷結層自体の下方
への流れを防止する。 (4)支持部にブラシ体を着脱可能に設けることによ
り、人工雪の積雪量に応じてブラシ体の植毛部の高さを
変更でき、また、保持装置本体と別体であるため、運
搬、施工および管理が容易である。 (5)予めパイプを支持部の各切欠部に嵌合支持するこ
とにより、偏平状のパイプユニットを構成することがで
きる。したがって、工場等でパイプユニット化すること
により、これをロール状に巻回して施工現場に持ち運
び、施工現場で基盤等に固定することにより、現場作業
が短時間で行えるため便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1の実施例を示す冷凍用冷却管の
保持装置の正面図および側面図。
【図2】同実施例の保持装置の設置状態の側面図。
【図3】同実施例の保持装置の分解斜視図。
【図4】この考案の第2の実施例を示す保持装置の分解
斜視図。
【図5】この考案の第3の実施例を示す保持装置の斜視
図。
【図6】同実施例を示す保持装置の側面図。
【図7】人工スキー場に設置した状態の構成図。
【符号の説明】
1…保持装置本体、2…基部、3…支持部、7…切欠
部、8…冷却管、10…ブラシ体、12…植毛部。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基盤に氷結層を形成するために基盤に沿
    って配設される冷凍用冷却管を所定位置に保持するため
    の保持装置において、帯状の基部およびこの基部の長手
    方向に亘って立設され所定間隔を存して前記冷却管を保
    持する複数の切欠部を設けた支持部とからなる可撓性を
    有する保持装置本体と、この保持装置本体の上部に着脱
    可能に設けられ上方に向って突出する植毛部を有するブ
    ラシ体とを具備したことを特徴とする冷凍用冷却管の保
    持装置。
JP40445390U 1990-12-07 1990-12-07 冷凍用冷却管の保持装置 Expired - Lifetime JP2540785Y2 (ja)

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JP6641201B2 (ja) * 2016-01-15 2020-02-05 積水化学工業株式会社 地表面温調装置
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