JP2017116757A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れた低温定着性と耐熱保管性を両立し、保管環境によらず低温定着性と画像の光沢度の安定性が高い静電荷像現像用トナーを提供することである。【解決手段】本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子が、少なくとも結着樹脂を含有し、前記結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が、50000〜200000の範囲内にあり、前記結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、5〜30質量%の範囲内にあることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関し、詳細には、耐熱保管性に優れ、保管環境によらず低温定着性及び光沢度の安定性が高い静電荷像現像用トナーに関する。
画像形成の高速化や環境負荷の低減等を目的として省エネルギー化を図るため、より低い温度で熱定着できる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう。)が求められている。このような低温定着性のトナーを得るため、シャープメルト性に優れる結晶性ポリエステル樹脂等の結晶性樹脂を含有するトナーが知られている。
例えば、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶性樹脂を用いたトナーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。トナー中の結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂の熱的特性を制御することにより、熱定着時に結晶性ポリエステル樹脂の融点を超えると、結晶成分が溶融して非晶性成分に相溶し、非晶性樹脂の熱溶融を促進して低温での定着が可能であるとともに、耐熱性に優れたトナーが得られる。
しかしながら、結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーは、高温下に長時間保管すると、結晶性ポリエステル樹脂の再結晶化が進行し、定着可能温度が上昇することがある。
その対策として、結晶性ポリエステル樹脂とアクリル酸由来の変性部を有する非晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の親和性を高めることで相溶しやすくなり、高温下で保管後も定着温度の上昇を抑制することができる。
また、結晶性ポリエステル樹脂と、末端に長鎖モノマーを導入した非晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。長鎖モノマーを導入することで、ポリエステル樹脂中の一部に配向した結晶性部位を作り出すことができ、安定的な低温定着性を得ることができる。
しかしながら、高温下に長時間保管した後は、結晶性ポリエステル樹脂の結晶状態が変化することから、低温定着性だけでなく光沢度も変動する傾向があり、改良の余地が残されている。
特開2006−251564号公報 特開2012−22262号公報 特開2015−45848号公報
本発明は上記問題及び状況に鑑みてなされ、その解決課題は、優れた低温定着性と耐熱保管性を両立し、保管環境によらず低温定着性と画像の光沢度の安定性が高い静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、非晶性ポリエステル樹脂と非晶性ビニル樹脂とともに、特定の含有量の結晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いることにより、優れた低温定着性と耐熱保管性を両立することができること、この結晶性ポリエステル樹脂として、重量平均分子量(Mw)が特定の範囲内にある結晶性ポリエステル樹脂を用いることにより、高温下でも結晶性ポリエステル樹脂の分子鎖の再配列を阻害して結晶化を抑制できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
1.トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記トナー粒子が、少なくとも結着樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が、50000〜200000の範囲内にあり、
前記結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、5〜30質量%の範囲内にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
2.前記結着樹脂中の前記非晶性ポリエステル樹脂の含有量が、60質量%以上であることを特徴とする第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
3.前記非晶性ビニル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂の質量比が、20:80〜80:20の範囲内にあることを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電荷像現像用トナー。
4.前記非晶性ビニル樹脂が、少なくとも酸基を有する単量体に由来の構造を有し、
前記非晶性ビニル樹脂中の前記酸基を有する単量体に由来の構造を有する部分の含有量が、1〜10質量%の範囲内にあることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
5.前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価が、10〜25mgKOH/gの範囲内にあることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
6.前記結晶性ポリエステル樹脂の融点が、65〜85℃の範囲内にあることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明の上記手段により、優れた低温定着性と耐熱保管性を両立し、保管環境によらず低温定着性と画像の光沢度の安定性が高い静電荷像現像用トナーを提供できる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は明確になっていないが、以下のように推察される。
非晶性ポリエステル樹脂と非晶性ビニル樹脂とともに、上記範囲内の含有量の結晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いることにより、優れた低温定着性と耐熱保管性を両立することができたと推察される。
また、重量平均分子量(Mw)が上記範囲内にある結晶性ポリエステル樹脂は、分岐又は架橋構造のようにかさ高い立体構造を有し、高温下における結晶性ポリエステル樹脂の分子鎖の再配列を阻害して再結晶化を効果的に抑制することができると推察される。
さらに、極性が非晶性ポリエステル樹脂よりも低く結晶性ポリエステル樹脂よりも高い非晶性ビニル樹脂が分散剤として機能し、非晶性ポリエステル樹脂中に結晶性ポリエステル樹脂が均一に微分散した良好な分散状態を維持できたことも、再結晶化の抑制に大きく寄与していると推察される。
結晶性ポリエステル樹脂の結晶化によって、トナーの低温定着性とトナーにより形成する画像の光沢度が変動しやすいが、上記のように結晶性ポリエステル樹脂の再結晶化を効果的に抑制できたことにより、低温定着性と画像の光沢度の安定性を高めることができたと推察される。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子が、少なくとも結着樹脂を含有し、前記結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が、50000〜200000の範囲内にあり、前記結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、5〜30質量%の範囲内にあることを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通の技術的特徴である。
より優れた耐熱保管性及び低温定着性を得る観点からは、前記結着樹脂中の前記非晶性ポリエステル樹脂の含有量が、60質量%以上であることが好ましい。
また、結晶性ポリエステル樹脂の均一な微分散によって結晶成長をより効果的に抑制する観点からは、前記非晶性ビニル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂の質量比が、20:80〜80:20の範囲内にあることが好ましい。
同様の観点から、前記非晶性ビニル樹脂が、少なくとも酸基を有する単量体に由来の構造を有し、前記非晶性ビニル樹脂中の前記酸基を有する単量体に由来の構造を有する部分の含有量が、1〜10質量%の範囲内にあることが好ましい。
同様の観点から、前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価が、10〜25mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。
優れた低温定着性と耐熱保管性を両立する観点からは、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点が、65〜85℃の範囲内にあることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態について詳細な説明をする。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
〔静電荷像現像用トナー〕
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー粒子を含有している。トナー粒子は、少なくとも結着樹脂を含有し、離型剤、着色剤等をさらに含有することができる。
〔結着樹脂〕
結着樹脂は、少なくとも非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有している。
トナーの耐熱保管性と低温定着性を両立する観点から、耐熱性に優れた非晶性ポリエステル樹脂をメインバインダーとするトナー粒子中に、非晶性ビニル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂が分散している状態が好ましい。
〔非晶性ポリエステル樹脂〕
非晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)単量体と、2価以上のアルコール(多価アルコール)単量体との重合反応によって得られるポリエステル樹脂のうち、非晶性を示す樹脂をいう。非晶性を示すとは、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)により得られる吸熱曲線において、ガラス転移点(Tg)を有するが、融点すなわち昇温時の明確な吸熱ピークがないことをいう。明確な吸熱ピークとは、10℃/minの昇温速度で昇温したときの吸熱曲線において半値幅が15℃以内の吸熱ピークをいう。
非晶性ポリエステル樹脂の合成方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、上記多価カルボン酸単量体及び多価アルコール単量体を重合する(エステル化する)ことにより、非晶性ポリエステル樹脂を形成することができる。
多価カルボン酸単量体は、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物である。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価カルボン酸単量体としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸、イソフタル酸ジメチル、フマル酸、ドデセニルコハク酸、1,10−ドデカンジカルボン酸等を挙げることができる。これらのなかでは、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸が好ましい。
多価アルコール単量体は、1分子中にヒドロキシ基を2個以上含有する化合物である。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価アルコール単量体としては、例えば、2価又は3価のアルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(BPA−EO)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(BPA−PO)、グリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。これらのなかではビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が好ましい。
使用可能なエステル化触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;アミン化合物等が挙げられる。
重合温度は特に限定されるものではないが、150〜250℃の範囲内であることが好ましい。また、重合時間は特に限定されるものではないが、0.5〜10時間の範囲内であることが好ましい。重合中には、必要に応じて反応系内を減圧にしてもよい。
結着樹脂中の非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、耐熱保管性により優れたトナーを得る観点から、60質量%以上であることが好ましく、より優れた低温定着性を得る観点からは、90質量%以下であることが好ましい。
〔非晶性ビニル樹脂〕
非晶性ビニル樹脂は、ビニル基を有する単量体(以下、ビニル単量体という。)の重合体のうち、非晶性を示すものをいう。
使用できる非晶性ビニル樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、なかでも、スチレン−アクリル樹脂が好ましい。
使用できるビニル単量体としては、以下のものが挙げられ、このうちの1種を単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
(1)スチレン系単量体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン及びこれらの誘導体等のスチレン構造を有する単量体
(2)(メタ)アクリル酸エステル系単量体
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの誘導体等の(メタ)アクリル基を有する単量体
(3)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(4)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(5)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(6)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(7)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等
ビニル単量体としては、非晶性ポリエステル樹脂との親和性の制御が容易になることから、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等のイオン性解離基を有する単量体を用いることが好ましい。
カルボキシ基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。
スルホン酸基を有する単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
リン酸基を有する単量体としては、アシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、ビニル単量体として多官能性ビニル類を使用し、架橋構造を有する重合体を得ることもできる。
多官能性ビニル類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
非晶性ビニル樹脂は、少なくとも酸基を有する単量体に由来の構造を有し、非晶性ビニル樹脂中の当該酸基を有する単量体に由来の構造を有する部分の含有量が、1〜10質量%の範囲内にあることが好ましい。
酸基を有する単量体とは、上述したカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等のイオン性解離基を有する単量体をいう。非晶性ポリエステル樹脂との親和性を高める観点からは、カルボキシ基を有する単量体が好ましく、カルボキシ基を有する単量体としては、特にアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
上記酸基を有する単量体に由来の構造を有する部分は、非晶性ポリエステル樹脂と同程度の高い極性を有することから、当該部分を上記範囲内で含有することにより、非晶性ビニル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の親和性を適度に調整することができ、非晶性ポリエステル樹脂中における非晶性ビニル樹脂の分散状態が良化する。また、結晶性ポリエステル樹脂との過剰な相溶を抑えることができ、優れた耐熱性を得ることができる。
結着樹脂中の非晶性ビニル樹脂の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂の分散性を良化する観点から、3〜40質量%の範囲内にあることが好ましく、5〜20質量%の範囲内にあることがより好ましい。
〔結晶性ポリエステル樹脂〕
結晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)単量体と、2価以上のアルコール(多価アルコール)単量体との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、結晶性を示すポリエステル樹脂である。結晶性を示すとは、DSCにより得られる吸熱曲線において、融点すなわち昇温時に明確な吸熱ピークを有することをいう。明確な吸熱ピークとは、10℃/minの昇温速度で昇温したときの吸熱曲線において半値幅が15℃以内のピークをいう。
結晶性ポリエステル樹脂は、上述した非晶性ポリエステル樹脂と同様にして合成することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価カルボン酸単量体としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、1,10−ドデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;これらカルボン酸化合物の無水物、炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価アルコール単量体としては、例えば1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等の脂肪族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、50000〜200000の範囲内にあり、結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、5〜30質量%の範囲内にある。
非晶性ポリエステル樹脂と非晶性ビニル樹脂に、上記含有量の結晶性ポリエステル樹脂を使用することにより、優れた低温定着性と耐熱保管性を両立することができる。また、重量平均分子量(Mw)が上記範囲内にある結晶性ポリエステル樹脂は、分岐又は架橋構造のようなかさ高い構造を有することから、高温下における結晶性ポリエステル樹脂の分子鎖の再配列を阻害できると推察される。これにより、再結晶化を効果的に抑制して、結晶化に起因する低温定着性及び光沢度の変動を抑えてトナー性能を安定化させることができる。
再結晶化をより効果的に抑制する観点からは、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、80000〜150000の範囲内にあることが好ましい。
樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、以下のようにゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)によって測定した分子量分布から求めることができる。
試料を濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン(THF)中に添加し、40℃において超音波分散機を用いて15分間分散処理した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して、試料液を調製する。GPC装置HLC−8220(東ソー社製)及びカラムTSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ-M3連(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを流速0.2mL/minで流す。キャリア溶媒とともに、調製した試料液10μLをGPC装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて試料を検出し、単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて、試料の分子量分布を算出する。検量線は、分子量がそれぞれ6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10である10点のポリスチレン標準粒子(Pressure Chemical社製)を測定することにより、作成する。
重量平均分子量(Mw)が上記範囲内にある結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては特に限定されないが、例えば下記(1)〜(3)の方法が挙げられる。なかでも、下記(1)の方法が、結晶性が高く、高分子量の結晶性ポリエステル樹脂を得ることができ、好ましい。
(1)3価以上の多価カルボン酸単量体又は3価以上の多価アルコール単量体を使用する方法。
(2)不飽和ジカルボン酸単量体又は不飽和ジアルコール単量体を付加重合する方法。
(3)結晶性ポリエステル樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと非晶性樹脂セグメントが化学結合して、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の共重合体を形成しているハイブリッド樹脂を使用する方法。
(ハイブリッド樹脂)
上記ハイブリッド樹脂において、結晶性ポリエステル樹脂セグメントとは、結晶性ポエリステル樹脂に由来の構造を有する樹脂部分をいい、非晶性樹脂セグメントとは、非晶性樹脂に由来する構造を有する樹脂部分をいう。
ハイブリッド樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂セグメントの含有量は、ハイブリッド樹脂に十分な結晶性を付与する観点から、50〜98質量%の範囲内にあることが好ましい。
ハイブリッド樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂セグメント等の各セグメントの構成成分及び含有量は、例えばNMR分析、メチル化反応P−GC/MS分析等により測定することができる。
非晶性樹脂セグメントは、非晶性を示すのであれば特に限定されず、非晶性ビニル樹脂セグメント、非晶性ウレタン樹脂セグメント、非晶性ウレア樹脂セグメント等が挙げられる。なかでも、非晶性樹脂セグメントが、結着樹脂として使用される非晶性ポリエステル樹脂や非晶性ビニル樹脂等の非晶性樹脂に由来する構造を有すると、結着樹脂中の非晶性樹脂との相溶性が高まり、帯電均一性等を得ることができる。
ハイブリッド樹脂中の非晶性樹脂セグメントの含有量は、5〜20質量%の範囲内とすることができる。
上記ハイブリッド樹脂の合成方法としては、例えば下記(1)〜(3)の合成方法が挙げられる。
(1)あらかじめ用意した結晶性ポリエステル樹脂に両反応性の単量体を反応させた後、非晶性樹脂の原料である単量体を反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂セグメントに非晶性樹脂セグメントを化学結合させる方法
(2)あらかじめ用意した非晶性樹脂に両反応性の単量体を反応させた後、結晶性ポリエステル樹脂の原料である多価カルボン酸単量体と多価アルコール単量体を反応させて、非晶性樹脂セグメントに結晶性ポリエステル樹脂セグメントを化学結合させる方法
(3)あらかじめ用意した結晶性ポリエステル樹脂セグメント及び非晶性樹脂セグメントに両反応性の単量体を反応させて、それぞれのセグメントを化学結合させる方法
両反応性の単量体とは、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂の両方と反応し得る置換基と、重合性不飽和基とを有する単量体である。
両反応性の単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等を使用できる。
結着樹脂として使用する非晶性ビニル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の質量比は、20:80〜80:20の範囲内にあることが好ましい。
質量比がこの範囲内にあれば、非晶性ビニル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の分散状態を制御して、非晶性ポリエステル樹脂をメインバインダーとするトナー粒子中に均一に微分散させることができる。これにより、高温下においても結晶性ポリエステル樹脂のドメインの凝集による結晶成長を抑えることができ、結晶化による低温定着性及び光沢度の変動をより効果的に抑えることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、10〜25mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。
酸価が上記範囲内にあると、親水性を示す結晶性ポリエステル樹脂と、疎水性を示す非晶性ポリエステル樹脂のバランスを適度に調整することができ、非晶性ポリエステル樹脂をメインバインダーとするトナー粒子中に分散する結晶性ポリエステル樹脂のドメインのサイズが小さくなるため、高温下に保管したときの凝集による結晶成長を抑えることができる。これにより、高温下においても安定した低温定着性及び光沢度を得ることができる。
酸価は、1gの試料に含まれる酸の中和に必要な水酸化カリウム(KOH)の質量をmg単位で表したものである。樹脂の酸価は、JIS K0070−1966に準じて下記手順により測定される。
(試薬の準備)
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mlに溶解し、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を調製する。JIS特級水酸化カリウム7gをイオン交換水5mlに溶解し、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとする。炭酸ガスに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、濾過して、水酸化カリウム溶液を調製する。標定はJIS K0070−1966の記載に従う。
(本試験)
粉砕した試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として調製したフェノールフタレイン溶液を数滴加えて、調製した水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は指示薬の薄い紅色が約30秒間続いた時とする。
(空試験)
試料を用いない(すなわち、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記本試験と同様の操作を行う。
本試験と空試験の滴定結果を下記式(1)に代入して酸価を算出する。
式(1) A=〔(B−C)×f×5.6〕/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:空試験時の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)
C:本試験時の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)
f:0.1mol/リットルの水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)は、優れた低温定着性と耐熱性を両立する観点から、65〜85℃の範囲内にあることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)は、吸熱ピークのピークトップの温度であり、ダイヤモンドDSC(パーキンエルマー社製)を用いてDSCによって測定することができる。
具体的には、試料をアルミニウム製パンKITNO.B0143013に封入し、熱分析装置 Diamond DSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、加熱、冷却、加熱の順に温度を変動させる。1回目の加熱時には室温(25℃)から、2回目の加熱時には0℃から、10℃/minの昇温速度でそれぞれ150℃まで昇温して150℃を5分間保持し、冷却時には、10℃/minの降温速度で150℃から0℃まで降温して0℃の温度を5分間保持する。2回目の加熱時に得られる吸熱曲線における吸熱ピークのピークトップの温度を融点として測定する。
〔離型剤〕
離型剤としては、特に限定されるものではなく公知の種々のワックスを用いることができる。使用できる離型剤としては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトン等のジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等のエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等のアミド系ワックス等が挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、通常1〜30質量部の範囲内とすることができ、好ましくは5〜20質量部の範囲内である。離型剤の含有量が上記範囲内であることにより、十分な定着分離性が得られる。
トナー粒子中の離型剤の含有量は、3〜15質量%の範囲内にあることが好ましい。
〔着色剤〕
着色剤としては、一般に知られている染料及び顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、マグネタイト、フェライト等の磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料等の公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料等の公知のものを任意に使用することができ、有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15:3、同60、同76等を挙げることができ、染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95等を挙げることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部の範囲内である。
トナー粒子は、必要に応じて荷電制御剤、外添剤等を含有することができる。
〔荷電制御剤〕
荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩等の公知の化合物を用いることができる。荷電制御剤により、帯電特性に優れたトナーを得ることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部の範囲内とすることができる。
〔外添剤〕
トナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性等を改良するため、流動化剤、クリーニング助剤等の外添剤で処理されていてもよい。
外添剤としては、例えばシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等の無機ステアリン酸化合物微粒子、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物微粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機粒子は、耐熱保管性及び環境安定性の向上の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等によって、光沢処理が行われていることが好ましい。
外添剤の添加量(複数の外添剤を用いる場合はその合計の添加量)は、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜3質量部の範囲内であることがより好ましい。
〔コア・シェル構造〕
トナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、当該トナー粒子をコア粒子として当該コア粒子とその表面を被覆するシェル層とを備えるコア・シェル構造のような多層構造のトナー粒子であってもよい。シェル層は、コア粒子の全表面を被覆していなくてもよく、部分的にコア粒子が露出していてもよい。コア・シェル構造の断面は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)等の公知の観察手段によって、確認することができる。
コア・シェル構造の場合は、コア粒子とシェル層でガラス転移点、融点、硬度等の特性を異ならせることができ、目的に応じたトナー粒子の設計が可能である。例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤等を含有し、ガラス転移点(Tg)が比較的低いコア粒子の表面に、ガラス転移点(Tg)が比較的高い樹脂を凝集、融着させて、シェル層を形成することができる。シェル層は、非晶性樹脂を含有することが好ましい。
〔トナー粒子の粒径〕
トナー粒子の平均粒径としては、体積基準のメジアン径(d50)が3〜10μmの範囲内にあることが好ましく、5〜8μmの範囲内にあることがより好ましい。
上記範囲内にあれば、1200dpiレベルの非常に微小なドット画像であっても高い再現性が得られる。
なお、トナー粒子の平均粒径は、製造時に使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、結着樹脂の組成等によって制御することができる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径(d50)の測定には、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフトSoftware V3.51を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いることができる。
具体的には、測定試料(トナー)を、界面活性剤溶液(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を行い、トナー粒子分散液を調製する。このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャー径を100μmとし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径(d50)として得る。
〔トナー粒子の平均円形度〕
トナー粒子は、帯電特性の安定性及び低温定着性を高める観点から、平均円形度が0.930〜1.000の範囲内にあることが好ましく、0.950〜0.995の範囲内にあることがより好ましい。
平均円形度が上記範囲内にあれば、個々のトナー粒子が破砕しにくくなる。これにより、摩擦帯電付与部材の汚染を抑制してトナーの帯電性を安定させることができるとともに、形成される画像の画質を高めることができる。
トナー粒子の平均円形度は、FPIA−2100(Sysmex社製)を用いて測定することができる。
具体的には、測定試料(トナー)を界面活性剤入り水溶液にて馴染ませ、超音波分散処理を1分間行って分散させる。その後、FPIA−2100(Sysmex社製)によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行う。HPF検出数が上記の範囲内であれば、再現性のある測定値を得ることができる。撮影した粒子像から、個々のトナー粒子の円形度を下記式(I)に従って算出し、各トナー粒子の円形度を加算して全トナー粒子数で除することにより、平均円形度を得る。
式(I)
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
〔現像剤〕
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散した分散型キャリア等用いてもよい。
キャリアの体積基準のメジアン径(d50)としては、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、25〜80μmの範囲内であることがより好ましい。
キャリアの体積基準のメジアン径(d50)は、例えば湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置ヘロス(HELOS)(SYMPATEC社製)により測定することができる。
〔静電荷像現像用トナーの製造方法〕
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法としては、例えば懸濁重合法、乳化凝集法、その他の公知の方法等を挙げることができるが、なかでも乳化凝集法を用いることが好ましい。乳化凝集法によれば、製造コスト及び製造安定性の観点から、トナー粒子の小粒径化を容易に図ることができる。
乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法は、非晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液と、非晶性ビニル樹脂粒子の水系分散液と、着色剤粒子の水系分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液と、を混合し、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂粒子、着色剤粒子及び結晶性ポリエステル樹脂粒子を凝集させることにより、トナー粒子を形成する方法である。
ここで、水系分散液は、水系媒体中に粒子が分散しているものをいい、水系媒体とは、水系媒体中の50質量%以上の主成分が水からなるものをいう。
水系媒体中の水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。なかでも、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が好ましい。
以下、乳化凝集法によるトナーの製造方法の工程の一例を説明する。
(工程(0))
工程(0)では、非晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液を調製する。
具体的には、非晶性ポリエステル樹脂を合成し、有機溶媒中に溶解又は分散させて油相液を調製し、この油相液を転相乳化して水系媒体中に非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散させる。油滴の粒径を所望の粒径に制御した後、有機溶媒を除去することにより、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液を得ることができる。
油相液に使用する有機溶媒としては、油滴の形成後の除去処理が容易である観点から、沸点が低く、かつ水への溶解性が低いものが好ましい。具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶媒の使用量は、結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して、通常1〜300質量部の範囲内である。
油相液の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができる。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、50〜2000質量部の範囲内であることが好ましく、100〜1000質量部の範囲内であることがより好ましい。
水系媒体中には、油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤等が添加されていてもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、例えばドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等のカチオン性界面活性剤、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等のアニオン性界面活性剤、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等のノニオン性界面活性剤等の公知の界面活性剤を使用できる。
(工程(1))
工程(1)では、非晶性ビニル樹脂粒子の水系分散液を調製する。
非晶性ビニル樹脂粒子の水系分散液の調製には、ミニエマルション重合法を用いることができる。例えば、上述したような界面活性剤を含有する水系媒体中にビニル単量体と水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成する。ラジカル重合開始剤からのラジカルにより、液滴中において重合反応が進行する。なお、液滴中に油溶性の重合開始剤が含有されていてもよい。
非晶性ビニル樹脂粒子は、各層の組成が異なる2層以上の多層構造を有していてもよい。多層構造を有する非晶性ビニル樹脂粒子の分散液は、多段階の重合反応によって得ることができる。例えば、2層構造を有する非晶性ビニル樹脂粒子の分散液は、ビニル単量体を重合(第1段重合)させて非晶性ビニル樹脂粒子の分散液を調製した後、さらに重合開始剤とビニル単量体を添加し、重合(第2段重合)させることにより、得ることができる。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、従来公知の種々のものを用いることができる。重合開始剤としては、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)を好ましく使用できるが、4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等のアゾ系化合物、パーオキシド化合物、アゾビスイソブチロニトリル等を用いてもよい。
(連鎖移動剤)
非晶性ビニル樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を水系媒体中に添加することができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタンや、スチレンダイマー等を挙げることができる。
離型剤や荷電制御剤等の添加剤を含有するトナー粒子を製造する場合、添加剤をあらかじめビニル単量体の溶液に溶解又は分散させておくことによって、トナー粒子中に添加剤を導入することができる。
このように、添加剤をあらかじめ非晶性ビニル樹脂粒子と分散させておくことが好ましいが、非晶性ビニル樹脂とは別に添加剤粒子の分散液を調製し、非晶性ポリエステル樹脂粒子等の他の分散液とともに混合して、非晶性ポリエステル樹脂粒子等とともに当該添加剤粒子を凝集させることにより、トナー粒子中に導入することもできる。
非晶性ビニル樹脂粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径(d50)で100〜400nmの範囲内であることが好ましい。
非晶性ビニル樹脂粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)を用いて測定することができる。
(工程(2))
工程(2)では、結晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液を調製する。
結晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液は、上記非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液と同様にして調製することができる。
結晶性ポリエステル樹脂粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径(d50)で100〜400nmの範囲内にあることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)を用いて測定することができる。
(工程(3))
工程(3)では、着色剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて、着色剤粒子の水系分散液を調製する。
着色剤粒子の水系分散液は、界面活性剤を臨界ミセル濃度(CMC)以上に添加した水系媒体中に着色剤を分散させることにより得ることができる。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、使用する分散機としては、特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
水系分散液中の着色剤粒子は、体積基準のメジアン径(d50)が10〜300nmの範囲内であることが好ましく、100〜200nmの範囲内であることがより好ましく、100〜150nmの範囲内であることが特に好ましい。
着色剤粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)を用いて測定することができる。
(工程(4))
工程(4)では、非晶性ポリエステル樹脂粒子、非晶性ビニル樹脂粒子、着色剤粒子及び結晶性ポリエステル樹脂粒子、その他のトナー構成成分の粒子を凝集させて、トナー粒子を形成する。
具体的には、水系媒体と各粒子の水系分散液を混合した系に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え、非晶性ビニル樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上の温度にすることによって、凝集させる。
(凝集剤)
凝集剤としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の金属塩から選択されるものが好適に使用される。金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等の1価の金属塩、カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅等の2価の金属塩、鉄、アルミニウム等の3価の金属塩等が挙げられる。具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができ、これらの中で、より少量で凝集を進めることができることから、2価の金属塩を用いることが特に好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(工程(5))
工程(5)では、工程(4)により形成したトナー粒子の熟成処理を行い、所望の形状に制御する。工程(5)は、必要に応じて行うことができる。
具体的には、工程(4)において得られたトナー粒子の分散液を加熱撹拌し、トナー粒子が所望の円形度になるように、加熱温度、撹拌速度、加熱時間等を調整する。
(工程(4B))
工程(4B)では、工程(4)又は(5)で得られたトナー粒子をコア粒子として、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシェル層を形成する。工程(4B)は、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する場合に行えばよい。
コア・シェル構造のトナー粒子を形成する場合、シェル層を構成する樹脂を水系媒体中に分散させて、シェル層の樹脂粒子の分散液を調製し、上記工程(4)又は(5)により得られたトナー粒子の分散液に添加して、トナー粒子の表面にシェル層の樹脂粒子を凝集、融着させる。これにより、コア・シェル構造を有するトナー粒子の分散液を得ることができる。
コア粒子にシェル層の樹脂粒子をより強固に凝集、融着させるため、シェル化工程に続いて加熱処理を行うことができる。加熱処理は、目的の円形度のトナー粒子が得られるまで行えばよい。
(工程(6))
工程(6)では、トナー粒子の分散液を冷却処理する。冷却処理の条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理の具体的な方法としては、特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法等を例示することができる。
(工程(7))
工程(7)では、冷却したトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、固液分離によって得られたトナーケーキ(ケーキ状に成形されたウェット状態にあるトナー粒子)から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去して洗浄する。
固液分離は、特に限定されず、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法等を用いることができる。また、洗浄においては、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄することが好ましい。
(工程(8))
工程(8)では、洗浄後のトナーケーキを乾燥する。
トナーケーキの乾燥には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等を挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等を使用することが好ましい。
乾燥後のトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
なお、乾燥後のトナー粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、その凝集体を解砕処理してもよい。解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(工程(9))
工程(9)では、トナー粒子に対して外添剤を添加する。工程(9)は、必要に応じて行うことができる。
外添剤の添加には、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示が用いられるが、特に断りが無い限り「質量部」又は「質量%」を表す。
(離型剤粒子の分散液(W)の調製)
離型剤としての炭化水素系ワックス(日本精鑞社製、商品名:FNP0090、融点90.2℃)450質量部、ラウリル硫酸ナトリウム50質量部及びイオン交換水3500質量部を80℃に加熱して、IKA社製のウルトラタラクスT50にて十分に分散した。その後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子の分散液(W)を調製した。この分散液中の離型剤粒子の体積基準のメジアン径をレーザー回折式粒度分布測定器LA−750(HORIBA製)にて測定したところ、220nmであった。
(着色剤粒子の水系分散液(Bk))
ラウリル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した溶液を撹拌しながら、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)420質量部を徐々に添加した。さらに、撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて分散処理し、着色剤粒子の水系分散液(Bk)を調製した。
得られた水系分散液(Bk)中の着色剤粒子の体積基準のメジアン径(d50)を、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(非晶性ポリエステル樹脂(A1))
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(BPA−EO)50.2質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(BPA−PO)249.8質量部、テレフタル酸(TPA)75.3質量部、ドデセニルコハク酸(DDSA)36質量部及びエステル化触媒(オクチル酸スズ)2.0質量部を入れ、230℃で5時間縮重合反応させた。その後、8kPaまで減圧して1時間反応させて、非晶性ポリエステル樹脂(A1)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(A1)のガラス転移温度(Tg)は61.1℃、重量平均分子量(Mw)は18500であった。
ガラス転移点(Tg)は、ダイヤモンドDSC(パーキンエルマー社製)を用いて測定した。具体的には、試料1.5mgをアルミニウム製パンに封入し、加熱、冷却、加熱の順に温度を変動させた。1回目の加熱時には室温(25℃)から、2回目の加熱時には0℃から、10℃/minの昇温速度でそれぞれ150℃まで昇温して、150℃を5分間保持した。冷却時には、10℃/minの降温速度で150℃から0℃まで降温して、0℃の温度を5分間保持した。2回目の加熱時に得られた測定曲線においてベースラインのシフトを観察し、シフトする前のベースラインの延長線と、ベースラインのシフト部分の最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点(Tg)とした。リファレンスとして、空のアルミニウム製パンを用いた。
重量平均分子量(Mw)は、GPCによって測定した分子量分布から求めた。
具体的には、測定試料を濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン(THF)中に添加し、室温において超音波分散機を用いて5分間分散処理した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して、試料液を調製した。GPC装置HLC−8120GPC(東ソー社製)及びカラムTSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ-m3連(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを流速0.2mL/minで流した。キャリア溶媒とともに、調製した試料液10μLをGPC装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて試料を検出し、単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて、試料の分子量分布を算出した。検量線は、分子量がそれぞれ6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10である10点のポリスチレン標準粒子(Pressure Chemical社製)を測定することにより、作成した。
(非晶性ポリエステル樹脂(A2))
非晶性ポリエステル樹脂(A1)の作製において、単量体の添加量を下記表1に示すように変更したこと以外は同様にして、非晶性ポリエステル樹脂(A2)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(A2)のガラス転移温度(Tg)は59.3℃、重量平均分子量(Mw)は21000であった。
(非晶性ポリエステル樹脂(A3))
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(BPA−EO)48.3質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(BPA−PO)251.2質量部、テレフタル酸(TPA)81.8質量部、フマル酸(FA)36.1質量部及びエステル化触媒(オクチル酸スズ)2.0質量部を入れ、230℃で5時間縮重合反応させた後、160℃まで冷却した。さらに、トリメリット酸(TMA)20.1質量部を添加し、230℃で3時間重縮合反応させた後、8kPaで1時間反応させて、非晶性ポリエステル樹脂(A3)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(A3)のガラス転移温度(Tg)は60.4℃、重量平均分子量(Mw)は34500であった。
(非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(a1))
非晶性ポリエステル樹脂(A1)100質量部をランデルミルRM型(徳寿工作所社製)で粉砕し、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合した。混合液を撹拌するとともに、超音波ホモジナイザーUS−150T(日本精機製作所社製)を用いて、V−LEVEL、300μAで60分間超音波分散することにより、体積基準のメジアン径(d50)が160nmである非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(a1)を調製した。
(非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(a2))
非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(a1)の調製において、非晶性ポリエステル樹脂(A1)を、非晶性ポリエステル樹脂(A2)に変更したこと以外は同様にして、非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(a2)を調製した。
(非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(a3))
非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(a1)の調製において、非晶性ポリエステル樹脂(A1)を、非晶性ポリエステル樹脂(A3)に変更したこと以外は同様にして、非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(a3)を調製した。
Figure 2017116757
(非晶性ビニル樹脂粒子の分散液(b1))
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ラウリル硫酸ナトリウム5.0質量部と、イオン交換水2500質量部とを仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
次いで、過硫酸カリウム(KPS)15.0質量部をイオン交換水287質量部に溶解させた溶液を添加し、液温を80℃とした。さらに、スチレン(St)888.0質量部、n−ブチルアクリレート(BA)252.0質量部及びメタクリル酸(MAA)60.0質量部からなる単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃において2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合させ、体積基準のメジアン径(d50)が110nmである非晶性ビニル樹脂(B1)粒子の分散液(b1)を調製した。
非晶性ビニル樹脂(B1)のガラス転移温度(Tg)は55.0℃、重量平均分子量(Mw)は18500であった。ガラス転移温度(Tg)及び重量平均分子量(Mw)は、上記非晶性ポリエステル樹脂と同様にして測定した。
(非晶性ビニル樹脂粒子の分散液(b2)〜(b7))
非晶性ビニル樹脂(B1)粒子の分散液(b1)の調製において、単量体を下記表2に示すように変更したこと以外は同様にして、各非晶性ビニル樹脂(B2)〜(B7)粒子の分散液(b2)〜(b7)を調製した。なお、下記表2において、AAはアクリル酸を表す。
Figure 2017116757
(結晶性ポリエステル樹脂(C1))
撹拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、1,10−デカンジカルボン酸199.5質量部、トリメリット酸3.6質量部、1,6−ヘキサンジオール101.5質量部を投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した。次いで、ジオクタン酸スズ1.5質量部を投入し、窒素ガス気流下、160℃で3時間撹拌反応させた。温度をさらに180℃まで1.5時間かけて昇温した後、反応容器内を8kPaまで減圧して3時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂(C1)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(C1)の融点(Tm)は70℃、重量平均分子量(Mw)は138600、酸価は15.2であった。
融点(Tm)は、DSCにより測定した。具体的には、試料をアルミニウム製パンKITNO.B0143013に封入し、熱分析装置 Diamond DSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、加熱、冷却、加熱の順に温度を変動させた。1回目の加熱時には室温(25℃)から、2回目の加熱時には0℃から、10℃/minの昇温速度でそれぞれ150℃まで昇温して、150℃を5分間保持し、冷却時には、10℃/minの降温速度で150℃から0℃まで降温して0℃の温度を5分間保持した。2回目の加熱時に得られる吸熱曲線における吸熱ピークのピークトップの温度を融点(Tm)として測定した。
酸価は、JIS K0070−1966に準じて下記手順により測定した。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mlに溶解し、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を調製した。JIS特級水酸化カリウム7gをイオン交換水5mlに溶解し、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとした。炭酸ガスに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、濾過して、水酸化カリウム溶液を調製した。標定はJIS K0070−1966の記載に従った。
粉砕した試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解した。次いで、指示薬として調製したフェノールフタレイン溶液を数滴加えて、調製した水酸化カリウム溶液を用いて滴定する操作を本試験として行った。なお、滴定の終点は指示薬の薄い紅色が約30秒間続いた時とした。
また、試料を用いない(すなわち、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記本試験と同様にして空試験の操作を行った。
本試験及び空試験により得られた滴定結果を下記式(1)に代入して酸価を算出した。
式(1) A=〔(B−C)×f×5.6〕/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:空試験での水酸化カリウム溶液の添加量(ml)
C:本試験での水酸化カリウム溶液の添加量(ml)
f:0.1mol/リットルの水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
(結晶性ポリエステル樹脂(C2)〜(C7))
結晶性ポリエステル樹脂(C1)の作製において、単量体を下記表3に示すように変更したこと以外は同様にして、各結晶性ポリエステル樹脂(C2)〜(C7)を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(c1))
上記結晶性ポリエステル樹脂(C1)72質量部をメチルエチルケトン72質量部に、70℃で30分撹拌し溶解させた。この溶液を撹拌しながら、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.5質量部を添加した。さらに、イオン交換水250質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを濃度が1質量%になるよう溶解させた水溶液を70分にわたり滴下した。
得られた乳化液を70℃で保温したまま、ダイヤフラム式真空ポンプV−700(BUCHI社製)を使用し、15kPa(150mbar)の減圧下で3時間撹拌することで、メチルエチルケトンを蒸留除去し、結晶性ポリエステル樹脂(C1)粒子の分散液(c1)を調製した。
分散液(c1)中の結晶性ポリエステル樹脂(C1)粒子の体積基準のメジアン径(d50)を、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)にて測定したところ、132nmであった。
(結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液(c2)〜(c7))
結晶性ポリエステル樹脂(C1)粒子の分散液(c1)の調製において、結晶性ポリエステル樹脂(C1)を、それぞれ結晶性ポリエステル樹脂(C2)〜(C7)に変更したこと以外は同様にして、各結晶性ポリエステル樹脂(C2)〜(C7)粒子の分散液(c2)〜(c7)を調製した。
Figure 2017116757
(トナー(1))
温度計、pH計、撹拌器を具備した反応容器に、非晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液(a1)264.0質量部(固形分換算)、非晶性ビニル樹脂粒子の水系分散液(b1)172.8質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂粒子の水系分散液(c1)43.2質量部(固形分換算)、離型剤粒子の分散液(W)38.4質量部(固形分換算)、着色剤粒子の水系分散液(Bk)28.8質量部(固形分換算)、ラウリル硫酸ナトリウム5.0質量部、イオン交換水2000質量部を投入した。温度25℃にて1.0%硝酸を加えてpHを3.0とした後、ホモジナイザー(IKA製のウルトラタラックスT50)で30分間混合分散した。撹拌によるせん断力を加えながら、凝集剤として硫酸アルミニウムの10%硝酸水溶液30質量部を滴下し、滴下終了後に10分間撹拌し、凝集剤と原料を十分に混合した。
次いで、スラリーが充分に撹拌されるように撹拌器の回転数を調整しながら、温度40℃までは0.2℃/分の昇温速度、40℃を超えてからは0.05℃/分の昇温速度で昇温し、10分ごとにマルチサイザー3(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定した。体積基準のメジアン径が6.0μmになったところで温度を保持し、30分間撹拌した後、1%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを8.5に調整した。その後、5℃ごとにpHが8.5になるように同様にして調整しながら、昇温速度1℃/分で85℃まで昇温し、20%EDTA水溶液を75.0質量部添加した。4時間かけて凝集体を合一させ、降温速度10℃/分で冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄した。次いで、40℃にて乾燥して、体積基準のメジアン径が6.0μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)1.6質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)0.6質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により回転翼周速35mm/secで20分間混合し、体積基準のメジアン径が6.0μmであるトナー(1)を得た。
(トナー(2)〜(17))
トナー(1)の作製において、使用する分散液を変更することにより、トナー中の非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を下記表4に示すように変更したこと以外は同様にして、各トナー(2)〜(17)を作製した。
Figure 2017116757
(現像剤(1)〜(17))
トナー(1)〜(17)に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径40μmのフェライトキャリアを、トナー粒子濃度が6質量%となるように添加して混合することにより、現像剤(1)〜(17)をそれぞれ作製した。
〔評価〕
(常温常湿環境下の低温定着性)
複写機bizhub PRO(登録商標)C6501(コニカミノルタ株式会社製)において、定着装置を、定着用ヒートローラーの表面温度を100〜200℃の範囲内で変更することができるように改造し、上記現像剤(1)〜(17)をそれぞれ装填した。常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下にて、A4サイズの厚紙mondi Color Copy 350g/m(mondi社製)上にトナー付着量が8g/mのベタ画像を出力する定着実験を、設定する定着温度を100℃から200℃まで5℃ずつ上げる変更を行いながら繰り返し行った。
各定着温度の定着実験において得られたプリント物を、上記ベタ画像に荷重をかけるように折り機で折り、0.35MPaの圧縮空気を吹き付けた。折り目部分を、下記評価基準にしたがってランク評価した。
5:全く折れ目なし
4:一部折れ目に従った剥離あり
3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり
2:折れ目に従った太い線状の剥離あり
1:折れ目に従った大きな剥離あり
ランク3以上の定着実験のうち、最も定着温度の低い定着実験における定着温度を定着下限温度とした。この定着下限温度から、下記評価基準にしたがって低温定着性をランク評価し、ランク2以上を合格とした。
4:定着下限温度が140℃以下
3:定着下限温度が140℃を超え145℃以下
2:定着下限温度が145℃を超え150℃以下
1:定着下限温度が150℃を超える
(高温環境下の低温定着性)
トナー(1)〜(17)を温度50℃、湿度50%RHの恒温槽に14日間保管した。保管後のトナーを用いて、上記と同様にして現像剤を作製し、上記常温常湿下のときと同じ条件(温度20℃、湿度50%RH)で定着下限温度を求めて、ランク評価した。
(低温定着性の安定性)
上記常温常湿環境における定着下限温度を高温保管前の定着下限温度、高温環境における定着下限温度を高温保管後の定着下限温度として、それぞれの差から、低温定着性の安定性を下記評価基準にしたがってランク評価し、ランク2以上を合格とした。
4:高温保管前後の定着下限温度が同じ
3:高温保管前後の定着下限温度差が0℃を超え、5℃以下
2:高温保管前後の定着下限温度差が5℃を超え、10℃以下
1:高温保管前後の定着下限温度差が10℃を超える
(常温常湿下の光沢度)
画像形成装置として、市販の複合機bishub PRO C6501(コニカミノルタ株式会社製)を用い、この複合機に現像剤(1)〜(17)をそれぞれ装填した。熱ローラー定着方式による定着装置の加熱部材の表面温度を180℃として、常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下において、用紙POD128gグロスコート(128g/m)(王子製紙社製)上にトナー付着量が4g/mのベタ画像を形成し、その光沢度(°)を測定した。
光沢度の測定には、光沢度計Gloss Meter(村上色彩工学研究所製)を用い、屈折率1.567のガラス表面を基準として入射角75°で測定した。
(高温下の光沢度)
上記高温下の低温定着性の評価と同様に、温度50℃、湿度50%RHの恒温槽に14日間保管したトナー(1)〜(17)を用いて、上記常温常湿下のときと同様にして光沢度を測定した。
(光沢度の安定性)
常温常湿下の光沢度を高温保管前の光沢度、高温下の光沢度を高温保管後の光沢度として、それぞれの差の絶対値から、光沢度の安定性を下記評価基準にしたがってランク評価し、ランク2以上を合格とした。
3:高温保管前後の光沢度差の絶対値が5°以下
2:高温保管前後の光沢度差の絶対値が5°を超え、10°以下
1:高温保管前後の光沢度差の絶対値が10°を超える
(耐熱保管性)
トナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り、蓋を閉めて、タップデンサーKYT−2000(株式会社セイシン企業製)で常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下において600回振とうした後、蓋を取った状態で57.5℃、35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)のふるい上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)にセットした。押さえバー及びノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整して10秒間振動を加えた後、ふるい上に残存したトナー量からトナー凝集率(%)を下記式により算出した。
トナー凝集率(%)=(ふるい上の残存トナー質量(g)/0.5(g))×100
トナー凝集率から耐熱保管性を下記評価基準にしたがってランク評価し、ランク3以上を合格とした。なお、トナー凝集率が小さいほど、耐熱保管性が高いことを示している。
4:トナー凝集率が10%未満
3:トナー凝集率が10%以上15質量%未満
2:トナー凝集率が15%以上20質量%以下
1:トナー凝集率が20%を超える
下記表5は、評価結果を示す。
Figure 2017116757
表5に示すように、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂とともに、重量平均分子量(Mw)が50000〜200000の範囲内にある結晶性ポリエステル樹脂を、結着樹脂中の含有量が5〜30質量%の範囲内で含有するトナー(1)〜(12)は、いずれも低温定着性及び耐熱保管性に優れ、高温下においても低温定着性と光沢度の変動が少なく、安定性が高いことが分かる。

Claims (6)

  1. トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、
    前記トナー粒子が、少なくとも結着樹脂を含有し、
    前記結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
    前記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が、50000〜200000の範囲内にあり、
    前記結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、5〜30質量%の範囲内にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記結着樹脂中の前記非晶性ポリエステル樹脂の含有量が、60質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記非晶性ビニル樹脂と前記結晶性ポリエステル樹脂の質量比が、20:80〜80:20の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記非晶性ビニル樹脂が、少なくとも酸基を有する単量体に由来の構造を有し、
    前記非晶性ビニル樹脂中の前記酸基を有する単量体に由来の構造を有する部分の含有量が、1〜10質量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価が、10〜25mgKOH/gの範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記結晶性ポリエステル樹脂の融点が、65〜85℃の範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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