JP2014174502A - トナー、二成分現像剤、トナーセット、トナー入り容器、印刷物、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非晶性樹脂、及び前記非晶性樹脂と非相溶である結晶性樹脂を含有し、前記結晶性樹脂の重量平均分子量が、100,000〜180,000であり、動的粘弾性測定において損失正接(tanδ)が6以上になる温度領域を20℃以上有し、60°光沢度が30の測定用記録媒体上に、未定着のトナー像を付着量0.4mg/cm2で形成し、前記トナー像が前記温度領域の最低温度+10℃になる温度条件において0.15MPa、及びニップ時間50msecにて定着したトナー定着画像を得たときの、前記トナー定着画像の60°光沢度が、30〜50であるトナーである。
【選択図】図3
Description
一般的に、前記画像形成方法は、感光体上に電気的潜像を形成し、次いで前記電気的潜像をトナーを用いて現像し、次いで記録媒体にトナー像を転写した後、加熱、圧力、加熱及び加圧、又は溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得る方法である(例えば、特許文献1〜3参照)。
本発明のトナーは、非晶性樹脂、及び前記非晶性樹脂と非相溶である結晶性樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂の重量平均分子量が、100,000〜180,000であり、
動的粘弾性測定において損失正接(tanδ)が6以上になる温度領域を20℃以上有し、
60°光沢度が30の測定用記録媒体上に、未定着のトナー像を付着量0.4mg/cm2で形成し、前記トナー像が前記温度領域の最低温度+10℃になる温度条件において0.15MPa、及びニップ時間50msecにて定着したトナー定着画像を得たときの、前記トナー定着画像の60°光沢度が、30〜50であることを特徴とする。
本発明のトナーは、非晶性樹脂と、結晶性樹脂とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記結晶性樹脂の重量平均分子量は、100,000〜180,000である。
前記トナーは、前記動的粘弾性測定において損失正接(tanδ)が6以上になる温度領域を20℃以上有する。
前記トナーは、60°光沢度が30の測定用記録媒体上に、未定着のトナー像を付着量0.4mg/cm2で形成し、前記トナー像が前記温度領域の最低温度+10℃になる温度条件において0.15MPa、及びニップ時間50msecにて定着したトナー定着画像を得たときの、前記トナー定着画像の60°光沢度が、30〜50である。
なぜなら、トナーが紛体としての粒塊として画像に存在するほど、散乱光の増加、吸光度不足などにより彩度が低下するためである。
電子写真方式で形成した画像では、付着量により光沢度バラつきが生じるのが一般的で、特に付着量が多い2次色、3次色部分は光沢度が高くなりやすく、他の低付着量部との光沢差により、更に視認性の低い画質となってしまう問題がある。
また、トナーのtanδを大きくしただけでは、彩度は高いが、視認性の低い画像となってしまうことを見出した。
そこで、更に検討を進めたところ、画像の光沢度を調節することにより、ぎらついた画像にならず、視認性の高い画像が得られることを見出した。
前記非結晶性樹脂としては、非結晶性の樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、活性水素基と反応可能な官能基を有するように変性されたこれらの樹脂などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールなどが挙げられる。前記ジオールとしては、例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(ビスフェノールA−EO付加物)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(ビスフェノールA−PO付加物)などが挙げられる。
前記多価カルボン酸としては、例えば、フマル酸、トリメリット酸、芳香族系多価脂肪酸などが挙げられる。
前記結晶性樹脂としては、前記非晶性樹脂と非相溶であり、結晶性を有する樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましく、耐湿性や後述の非晶性樹脂との非相溶性を持たせるためにウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有するこれらの樹脂がより好ましい。
詳しくは、前記非結晶樹脂と前記結晶性樹脂とを、7:3(質量比)の割合でアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。
次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、株式会社島津製作所社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の『吸熱ショルダー温度』を用いて、対象試料の昇温1回目における吸熱ショルダー1stTgを求めることができる。また、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、『吸熱ショルダー温度』を用いて、対象試料の昇温2回目における吸熱ショルダー2ndTgを求めることができる。「1stTg−2ndTg」が5℃未満であれば非相溶、「1stTg−2ndTg」が5℃以上であれば相溶と判断する。
なお、トナー中の前記非晶性樹脂と前記結晶性樹脂とが非相溶かどうかは、トナーにおいて、上記DSC測定を行って、「1stTg−2ndTg」が5℃未満であれば非相溶、「1stTg−2ndTg」が5℃以上であれば相溶と判断する。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、結晶性を有するポリエステル樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有するポリエステル樹脂が、前記非晶性ポリエステル樹脂と非相溶になりやすい点で、好ましい。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂が好ましい。
また、前記プレポリマー法においては、ポリウレタンユニットとポリウレアユニットとが混在したポリウレタンウレアユニットをプレポリマーとして用いてもよい。
前記結晶性ポリエステルユニットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニット、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステルユニットが、結晶性発現の観点から好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記スルファミン酸ジオールとしては、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物などが挙げられる。
前記炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリンなどが挙げられる。
これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記アルカンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケニルコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸(2量化リノール酸)などが挙げられる。
前記ラクトン開環重合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、メソ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方法などが挙げられるが、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
前記ポリウレタンユニットとしては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットなどが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットが好ましい。
前記ポリオールとしては、前記ポリエステルユニットにおいて挙げた前記ポリオールと同様のものが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記粗製MDIとしては、例えば、粗製ジアミノフェニルメタンのホスゲン化物、ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)などが挙げられる。前記粗製ジアミノフェニルメタンとしては、ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物、ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば、5質量%〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物などが挙げられる。
前記ポリウレアユニットとしては、例えば、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレアユニットなどが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミンなどが挙げられる。これらの中でも炭素数2〜18の脂肪族ジアミン、炭素数6〜20の芳香族ジアミンが好ましい。また、必要により、3価以上のアミンを使用してもよい。
前記炭素数2〜6のアルキレンジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体としては、例えば、ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなどが挙げられる。
前記脂環又は複素環含有脂肪族ジアミンとしては、例えば、炭素数4〜15の脂環式ジアミン、炭素数4〜15の複素環式ジアミンなどが挙げられる。前記炭素数4〜15の脂環式ジアミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)などが挙げられる。前記炭素数4〜15の複素環式ジアミンとしては、例えば、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
前記炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミンとしては、例えば、キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなどが挙げられる。
前記非置換芳香族ジアミンとしては、例えば、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2,4’−ジフェニルメタンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなどが挙げられる。
前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミンとしては、例えば、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどが挙げられる。
前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの核置換電子吸引基としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、ニトロ基などが挙げられる。前記ハロゲンとしては、例えば、Cl、Br、I、Fなどが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシなどが挙げられる。前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンとしては、例えば、メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンなどが挙げられる。
前記二級アミノ基を有する芳香族ジアミンとしては、例えば、前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチル等の低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったものなどが挙げられる。
前記ポリアミドポリアミンとしては、例えば、ジカルボン酸と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミンとの縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなどが挙げられる。前記ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸などが挙げられる。前記ポリアミンとしては、例えば、アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミンなどが挙げられる。
前記ポリエーテルポリアミンとしては、例えば、ポリエーテルポリオールのシアノエチル化物の水素化物などが挙げられる。前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。これらの中でも、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有することが好ましい。
前記黒色顔料は、例えば、ブラックトナーに用いられる。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト、ニグロシン染料、鉄黒などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、例えば、イエロートナーに用いられる。前記イエロー顔料としては、例えば、シイ・アイ・ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow)74、93、97、109、128、151、154、155、166、168、180、185、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエローなどが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、例えば、マゼンタトナーに用いられる。前記マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、シイ・アイ・ピグメントレッド(C.I.Pigment Red)48:2、57:1、58:2、5、31、146、147、150、176、184、269等のモノアゾ顔料などが挙げられる。また、前記モノアゾ顔料に前記キナクリドン系顔料を併用してもよい。
前記シアン顔料は、例えば、シアントナーに用いられる。前記シアン顔料としては、例えば、Cu−フタロシアニン顔料、Zn−フタロシアニン顔料、Al−フタロシアニン顔料などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
前記マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド81:4が好ましい。
前記イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185が好ましい。
色相、及び画像保存性の観点から、前記シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3が特に好ましい。
色相、及び画像保存性の観点から、前記マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、及びC.I.ピグメントレッド269の混合物が特に好ましい。
色相、及び画像保存性の観点から、前記イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー185が特に好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。
前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記融点は、例えば、示差走査熱量計であるTG−DSCシステムTAS−100(理学電機株式会社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求められる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、脂肪酸金属塩、金属酸化物、疎水化処理された酸化チタン、フルオロポリマーなどが挙げられる。
前記脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなどが挙げられる。
前記シリカの市販品としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。
前記酸化チタンの市販品としては、例えば、P−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化処理された酸化チタンの市販品としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記損失正接(tanδ)とは、〔損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’〕で算出され、材料が変形する際に吸収するエネルギー量を表す値である。前記損失正接(tanδ)が大きいほど、加圧加熱定着された際のトナーの延展性が高くなる。
そして、前記トナーが、前記損失正接(tanδ)が6以上になる温度領域を20℃以上有することは、前記トナーの延展性が優れることを意味する。
前記温度領域の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記温度領域は、150℃以下が好ましい。
前記60°光沢度の測定において、未定着のベタ像を付着量0.4mg/cm2で形成するのは、トナーによる画像形成における一般的なベタ像の付着量を想定したためである。
前記60°光沢度の測定において、前記トナー像が前記温度領域の最低温度+10℃になる温度条件において0.15MPa、及びニップ時間50msecにて定着するのは、実機における画像形成を想定するのに適した条件であるためである。
前記60°光沢度は、例えば、光沢度計(VG7000、日本電色工業株式会社製)により測定できる。
前記測定用記録媒体としては、例えば、PODグロスコート(王子製紙株式会社製、60°光沢度30)などが挙げられる。
前記体積中位粒径(D50)は、例えば、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)などを用いて測定できる。
重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、GPC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて測定できる。カラムとしては、例えば、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)を使用する。測定する樹脂を、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬工業株式会社製)に溶解し、0.15質量%溶液を作製する。それを、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いる。得られた試料を測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.45mL/分間で測定する。試料の分子量測定にあたっては、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記単分散ポリスチレン標準試料としては、昭和電工株式会社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いる。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
体積中位粒径の測定方法について説明する。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1mL〜5mL加える。
ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。
ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、測定する。
測定に用いるチャンネルとしては、2.00μm〜2.52μm未満;2.52μm〜3.17μm未満;3.17μm〜4.00μm未満;4.00μm〜5.04μm未満;5.04μm〜6.35μm未満;6.35μm〜8.00μm未満;8.00μm〜10.08μm未満;10.08μm〜12.70μm未満;12.70μm〜16.00μm未満;16.00μm〜20.20μm未満;20.20μm〜25.40μm未満;25.40μm〜32.00μm未満;32.00μm〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕法、重合法などが挙げられる。
本発明の二成分現像剤は、本発明の前記トナーとキャリアとを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケルが好ましい。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合、前記フェライトとしては、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライトが好ましい。
前記樹脂層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性シリコーン樹脂)、KR5208(アクリル変性シリコーン樹脂)、ES1001N(エポキシ変性シリコーン樹脂)、KR305(ウレタン変性シリコーン樹脂);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性シリコーン樹脂)、SR2110(アルキド変性シリコーン樹脂)などが挙げられる。
本発明のトナーセットは、第1のトナーと、第2のトナーとを有し、更に必要に応じて、その他のトナーを有する。
前記第1のトナーは、第1の着色剤を含有する本発明の前記トナーである。
前記第2のトナーは、前記第1の着色剤とは異なる色の第2の着色剤を含有する本発明の前記トナーである。
前記第2のトナーとしては、例えば、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーなどが挙げられる。これらの中でも、イエロートナーが好ましい。
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナーを収容してなる。
前記トナー入り容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー容器本体とキャップとを有してなるものなどが挙げられる。
前記トナー容器本体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部乃至全部が蛇腹機能を有しているものがより好ましい。
前記トナー容器本体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、寸法精度がよいものが好ましく、樹脂がより好ましい。前記樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられる。
〔第1の印刷物〕
本発明の第1の印刷物は、記録媒体と、トナー定着画像とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記トナー定着画像は、前記記録媒体上に形成される。
前記トナー定着画像は、本発明の前記トナーにより形成される。
本発明の第2の印刷物は、記録媒体と、2次色のトナー定着画像とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記トナー定着画像は、前記記録媒体上に形成されている。
前記トナー定着画像は、第1の着色剤を含有する本発明の前記トナーである第1のトナーと、前記第1の着色剤とは異なる色の第2の着色剤を含有する本発明の前記トナーである第2のトナーと、からなる。
前記トナー定着画像の輝度標準偏差σrは、4.0未満である。
前記トナー定着画像の60°光沢度は、30〜50である。
本発明の第3の印刷物は、記録媒体と、2次色のトナー定着画像とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記トナー定着画像は、前記記録媒体上に形成されている。
前記トナー定着画像の輝度標準偏差σrは、4.0未満である。
前記トナー定着画像の60°光沢度は、30〜50である。
また、トナーのtanδを大きくしただけでは、彩度は高いが、視認性の低い画像となってしまうことを見出した。
そこで、更に検討を進めたところ、画像の光沢度を調節することにより、ぎらついた画像にならず、視認性の高い画像が得られることを見出した。
そして、前記第2の印刷物、及び前記第3の印刷物において、前記トナー定着画像の輝度標準偏差σrが4.0未満であり、かつ前記光沢度が30〜50であることで、2次色画像において、優れた彩度と、優れた視認性とを両立できた。
前記輝度標準偏差σrは、4.0未満であり、3.5未満が好ましい。前記輝度標準偏差σrが、4.0以上であると、下層トナーの記録媒体上への広がりが不十分であり、それに伴い彩度が低下する。
形成した2次色画像について、研究用システム顕微鏡BX51(オリンパス株式会社製の対物レンズ倍率:10倍)及びMagnafire(Optronics社製、1280×1024画素)の撮影システムで暗視野画像を撮影する。
撮影したRGB画像から下層トナーの吸収帯域となるチャンネルを抽出する。
(下層トナーがシアン色→Rチャンネル、下層トナーがマゼンタ色→Gチャンネル、下層トナーがイエロー色→Bチャンネル)
抽出したチャンネルの輝度値について標準偏差を算出する。
以上を3箇所にて行い平均値を輝度標準偏差σrとする。
前記記録媒体の大きさ、形状、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第2の印刷物における前記第2のトナーとしては、例えば、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーなどが挙げられる。これらの中でも、イエロートナーが好ましい。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体(以下、「感光体」と称することがある。)と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光部材に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する、トナーを備える手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記トナーは、本発明のトナーである。
前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
前記現像手段内では、例えば、前記トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により前記トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。前記マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されている。そのため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによるトナー像が形成される。
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記転写手段としては、前記トナー像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー像を中間転写体上に転写する第一次転写手段と、前記中間転写体に転写された前記トナー像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、前記トナー像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に前記トナー像を一次転写した後、前記トナー像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。
前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが挙げられる。
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング手段により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像工程にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
前記制御工程としては、前記各工程の動きを制御できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
図1に示す画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図1中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、前記露光部材である露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には前記定着手段である定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、GPC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて測定した。カラムとしては、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)を使用した。測定する樹脂を、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬工業株式会社製)に溶解し、0.15%溶液を作製した。それを、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いた。得られた試料を測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.45mL/分間で測定した。試料の分子量測定にあたっては、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。前記単分散ポリスチレン標準試料としては、昭和電工株式会社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
非晶性樹脂と、結晶性樹脂とが、非相溶かどうかは、混合サンプルの1stTgと2ndTgの差により判断した。
詳しくは、前記非結晶樹脂と前記結晶性樹脂とを、7:3(質量比)の割合でアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。
次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、株式会社島津製作所製)を用いてDSC曲線を計測した。
得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の『吸熱ショルダー温度』を用いて、対象試料の昇温1回目における吸熱ショルダー1stTgを求めた。また、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、『吸熱ショルダー温度』を用いて、対象試料の昇温2回目における吸熱ショルダー2ndTgを求めた。「1stTg−2ndTg」が5℃未満であれば非相溶、「1stTg−2ndTg」が5℃以上であれば相溶と判断した。
動的粘弾性測定装置(ARES、TA Instrument社製)を用いて、周波数1.0Hz、昇温速度2℃/分間で、40℃〜150℃まで昇温して測定した。
測定試料としては、厚み1mm、直径8mmのペレット成型した試料を用いた。
得られた貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の結果から、損失正接(tanδ)を求めた。
<1次色の光沢度>
作製したトナーの光沢度は、以下の方法で測定した。
60°光沢度が30の測定用記録媒体(PODグロスコート、王子製紙株式会社製)上に、未定着のベタ像を付着量0.4mg/cm2で形成した。そして、動的粘弾性測定において損失正接(tanδ)が6以上になる温度領域の最低温度+10℃において0.15MPa、及びニップ時間50msecにて定着してトナー定着画像を得た。得られた画像の60°光沢度を、光沢度計(VG7000、日本電色工業株式会社製)で測定した。
定着時の温度は、定着装置の温度ではなく、トナー自体の温度である。
2次色の光沢度は、以下の方法で測定した。
60°光沢度が30の記録媒体(PODグロスコート、王子製紙株式会社製)上に、第1のトナー(シアントナー)により形成されるベタ像である定着前の第1のトナー像を付着量0.4mg/cm2で形成した。続いて、前記第1のトナー像上に、第2のトナー(イエロートナー)により形成されるベタ像である定着前の第2のトナー像を付着量0.4mg/cm2で形成した。続いて、前記第1のトナー像及び前記第2のトナー像を、トナーの動的粘弾性測定において損失正接(tanδ)が6以上になる温度領域の最低温度+10℃において0.15MPa、及びニップ時間50msecにて定着してトナー定着画像を得た。得られたトナー定着画像の60°光沢度を、光沢度計(VG7000、日本電色工業株式会社製)で測定した。
輝度標準偏差σrは、上記2次色の光沢度を測定する際に形成したトナー定着画像に対して、以下の方法で測定した。
形成した2次色画像について、研究用システム顕微鏡BX51(オリンパス株式会社製の対物レンズ倍率:10倍)及びMagnafire(Optronics社製、1280×1024画素)の撮影システムで暗視野画像を撮影した。
撮影したRGB画像から下層トナーの吸収帯域となるチャンネルを抽出した。
(下層トナーがシアン色→Rチャンネル、下層トナーがマゼンタ色→Gチャンネル、下層トナーがイエロー色→Bチャンネル)
抽出したチャンネルの輝度値について標準偏差を算出した。
以上を3箇所にて行い平均値を輝度標準偏差σrとした。
なお、上記輝度標準偏差σrの測定に用いたサンプルの写真の一例を図3、4に示す。
<シアントナー1の作製>
−混合物の配合−
・非晶性ポリエステル樹脂A 70部
(三洋化成工業株式会社製、EXL−003、Tg61℃、Mw5,500、主成分:ビスフェノールA及びその付加物、芳香族系多価脂肪酸)
・結晶性ポリエステル樹脂A 30部
(Tm66℃、Mw110,000、成分:セバシン酸49モル%、1,6−ヘキサンジオール49モル%、及びヘキサメチレンジイソシアネート2モル%(ウレタン付加物))
・合成エステルワックス(三洋化成工業株式会社製、LW−13) 5部
・帯電制御剤(オリエント化学工業株式会社製:E−84) 1部
・銅フタロシアニンブルー 5部
(DIC株式会社製、FSJ−SD P.B.15:3)
前記配合をヘンシェルミキサーにて混合し、得られた混合物を連続二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業株式会社製)により混練し、混練物を得た。
なお、使用した連続式二本オープンロール型混練機は、ロール外径が0.14m、有効ロール長0.8mのものであり、運転条件は、加熱ロールの回転数が34rpm(周速度:4.8m/分間)、冷却ロールの回転数が29rpm(周速度:4.1m/分間)、ロール間隙が0.2mmとした。ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、加熱ロールの原料投入側の温度を125℃、混練物排出側の温度を75℃、冷却ロールの原料投入側の温度35℃及び混練物排出側の温度を30℃に設定した。また、原料混合物の供給速度は5kg/時間とした。
得られた前記粗粉砕物を、粉砕時の風圧を0.5MPaに調整した衝突式ジェットミル「IDS5型」(日本ニューマチック株式会社製)にて微粉砕し、更にその微粉砕物を気流式分級機「DS5型」(日本ニューマチック株式会社製)にて分級し、体積中位粒径(D50)6.5±0.3μmのシアントナー母体Aを得た。
次いで、シアントナー母体A100部に疎水性シリカ1部と、疎水化酸化チタン0.7部とをヘンシェルミキサーにて混合して、シアントナー1を得た。
シアントナー1の作製の混合物の配合において、銅フタロシアニンブルー5部をイソインドリンイエロー顔料(BASFジャパン社製、D1155 P.Y.185)7部に変えた以外は、シアントナー1の作製と同様にして、イエロートナー1を作製した。
実施例1の混合物の配合における非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂の種類並びに配合量を、表1に記載の種類及び配合量に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー及びイエロートナーを作製した。
非晶性ポリエステル樹脂B:三洋化成工業株式会社製、EXL−101、Tg60℃、Mw8,000、主成分(ビスフェノールA−PO付加物、ビスフェノールA−EO付加物、芳香族系多価脂肪酸)
非晶性ポリエステル樹脂C:花王株式会社製、RN−300、Tg64℃、Mw14,000、主成分(ビスフェノールA−PO、ビスフェノールA−EO付加物、芳香族系多価脂肪酸)
非晶性ポリエステル樹脂D:花王株式会社製、RN−290、Tg60℃、Mw87,000、主成分(ビスフェノールA−PO付加物、ビスフェノールA−EO付加物、フマル酸、トリメリット酸)
結晶性ポリエステル樹脂B:Tm72℃、Mw175,000(成分:ドデカン2酸49モル%、1,6−ヘキサンジオール49モル%、ヘキサメチレンジイソシアネート2モル%(ウレタン付加物))
結晶性ポリエステル樹脂C:Tm72℃、Mw80,000(成分:ドデカン2酸49モル%、1,6−ヘキサンジオール49モル%、ヘキサメチレンジイソシアネート2モル%(ウレタン付加物))
結晶性ポリエステル樹脂D:三洋化成工業株式会社製試作品、Tm72℃、Mw200,000(成分:ドデカン2酸49モル%、1,6−ヘキサンジオール49モル%、ヘキサメチレンジイソシアネート2モル%(ウレタン付加物))
上記で得られトナーについて、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
<<針入度>>
装置:針入度試験機(日科エンジニアリング社製)、タッピングマシン、恒温槽
測定容器:30mLスクリューバイアル
前記スクリューバイアルにトナーを10g入れ、前記タッピングマシンにセットした。100回のタッピングを施し、50℃とした前記恒温槽内に24時間保管した後、静置冷却した。
前記スクリューバイアルの蓋を外し、前記針入度試験器の架台に載せた。
前記試験器の測定針が前記スクリューバイアル中のトナー最上面に接するように、架台の高さを調整した。その時のダイヤルゲージの目盛りを読み取り、測定値(a)とした。
前記測定針の留め金具を押し、針をトナー中に自由落下させた。その時のダイヤルゲージの目盛りを読み取り、測定値(b)とした。測定値(b)と(a)の差(b−a)を針入度とした。以下の評価基準で、針入度を評価した。10mm未満の場合、耐熱保存性は不十分である。
〔評価基準〕
○:20mm以上
△:10mm以上20mm未満
×:10mm未満
なお、貫通したものは、20mm以上であるため、「○」とした。
図1に示す画像形成装置を用い、転写紙(王子製紙株式会社製、PODグロス紙)上に、転写後のトナー付着量が0.85mg/cm2のベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン株式会社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ホットオフセットが発生する温度未満を上限温度とし、定着下限温度と上限温度の差を定着温度幅とした。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。以下の評価基準で評価を行った。
〔評価基準〕
○:定着温度幅が、30℃以上
×:定着温度幅が、30℃未満
上記針入度及び定着温度幅の評価において、両方が「○」であるトナーを合格「○」とし、それ以外を不合格「×」とした。
前記60°光沢度を測定する条件で作製した1次色のベタ画像について、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、以下の式から、彩度を算出した。
彩度c*=√(a*2+b*2)
シアン色の彩度は、63以上を良好(○)、63未満を不良(×)とした。
イエロー色の彩度は、100以上を良好(○)、100未満を不良(×)とした。
前記60°光沢度を測定する条件で作製した1次色のベタ画像を目視により観察し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:ギラつき感、及びくすみがない。
△:ギラつき感、又はくすみがわずかにあるものの、問題なし。
×:ギラつき感がある、又はくすんでいる。
実施例1〜6、及び比較例1〜8で得られたシアントナー、及びイエロートナーを用いて、2次色(グリーン)の画像を作製した。その際の、60°光沢度、及び輝度標準偏差を、前述の測定方法により測定した。
なお、実施例7のトナー定着画像を図3に示す。比較例11のトナー定着画像を図4に示す。
トナー定着画像を、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、以下の式から、彩度を算出した。
彩度c*=√(a*2+b*2)
グリーンの彩度は、83以上を良好(○)、83未満を不良(×)とした。
トナー定着画像を目視により観察し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:ギラつき感、及びくすみがない。
△:ギラつき感、又はくすみがわずかにあるものの、問題なし。
×:ギラつき感がある、又はくすんでいる。
<1> 非晶性樹脂、及び前記非晶性樹脂と非相溶である結晶性樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂の重量平均分子量が、100,000〜180,000であり、
動的粘弾性測定において損失正接(tanδ)が6以上になる温度領域を20℃以上有し、
60°光沢度が30の測定用記録媒体上に、未定着のトナー像を付着量0.4mg/cm2で形成し、前記トナー像が前記温度領域の最低温度+10℃になる温度条件において0.15MPa、及びニップ時間50msecにて定着したトナー定着画像を得たときの、前記トナー定着画像の60°光沢度が、30〜50であることを特徴とするトナーである。
<2> 非晶性樹脂の重量平均分子量が、5,000〜10,000である前記<1>に記載のトナーである。
<3> 非晶性樹脂と結晶性樹脂との質量比率(非晶性樹脂/結晶性樹脂)が、80/20〜70/30である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 非晶性樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂であり、
結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 結晶性ポリエステル樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性ポリエステル樹脂である前記<4>に記載のトナーである。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーとキャリアとを含有することを特徴とする二成分現像剤である。
<7> 第1の着色剤を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである第1のトナーと、
前記第1の着色剤とは異なる色の第2の着色剤を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである第2のトナーとを有することを特徴とするトナーセットである。
<8> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーを収容してなることを特徴とするトナー入り容器である。
<9> 記録媒体と、前記記録媒体上に形成されたトナー定着画像とを有し、
前記トナー定着画像が、前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーにより形成されることを特徴とする印刷物である。
<10> 記録媒体と、前記記録媒体上に形成された2次色のトナー定着画像とを有し、
前記トナー定着画像が、第1の着色剤を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである第1のトナーと、前記第1の着色剤とは異なる色の第2の着色剤を含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナーである第2のトナーと、からなり、前記トナー定着画像の輝度標準偏差σrが4.0未満であり、かつ60°光沢度が30〜50であることを特徴とする印刷物である。
<11> 記録媒体と、前記記録媒体上に形成された2次色のトナー定着画像とを有し、
前記トナー定着画像の輝度標準偏差σrが4.0未満であり、かつ60°光沢度が30〜50であることを特徴とする印刷物である。
<12> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、
前記トナーが、前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<13> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程とを含み、
前記トナーが、前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
61 現像装置
Claims (13)
- 非晶性樹脂、及び前記非晶性樹脂と非相溶である結晶性樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂の重量平均分子量が、100,000〜180,000であり、
動的粘弾性測定において損失正接(tanδ)が6以上になる温度領域を20℃以上有し、
60°光沢度が30の測定用記録媒体上に、未定着のトナー像を付着量0.4mg/cm2で形成し、前記トナー像が前記温度領域の最低温度+10℃になる温度条件において0.15MPa、及びニップ時間50msecにて定着したトナー定着画像を得たときの、前記トナー定着画像の60°光沢度が、30〜50であることを特徴とするトナー。 - 非晶性樹脂の重量平均分子量が、5,000〜10,000である請求項1に記載のトナー。
- 非晶性樹脂と結晶性樹脂との質量比率(非晶性樹脂/結晶性樹脂)が、80/20〜70/30である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- 非晶性樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂であり、
結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。 - 結晶性ポリエステル樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性ポリエステル樹脂である請求項4に記載のトナー。
- 請求項1から5のいずれかに記載のトナーとキャリアとを含有することを特徴とする二成分現像剤。
- 第1の着色剤を含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナーである第1のトナーと、
前記第1の着色剤とは異なる色の第2の着色剤を含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナーである第2のトナーとを有することを特徴とするトナーセット。 - 請求項1から5のいずれかに記載のトナーを収容してなることを特徴とするトナー入り容器。
- 記録媒体と、前記記録媒体上に形成されたトナー定着画像とを有し、
前記トナー定着画像が、請求項1から5のいずれかに記載のトナーにより形成されることを特徴とする印刷物。 - 記録媒体と、前記記録媒体上に形成された2次色のトナー定着画像とを有し、
前記トナー定着画像が、第1の着色剤を含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナーである第1のトナーと、前記第1の着色剤とは異なる色の第2の着色剤を含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナーである第2のトナーと、からなり、前記トナー定着画像の輝度標準偏差σrが4.0未満であり、かつ60°光沢度が30〜50であることを特徴とする印刷物。 - 記録媒体と、前記記録媒体上に形成された2次色のトナー定着画像とを有し、
前記トナー定着画像の輝度標準偏差σrが4.0未満であり、かつ60°光沢度が30〜50であることを特徴とする印刷物。 - 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、
前記トナーが、請求項1から5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程とを含み、
前記トナーが、請求項1から5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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