JP2017105531A - ノッチ付き袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】製袋時に当所予定した位置から、ノッチの形成位置がずれたとしても、目的とする態様でフィルムを引き裂くことを可能とする。【解決手段】ノッチ付き袋は、対向する積層フィルムと積層フィルムとが重ね合わされて袋状に形成され、積層フィルムと積層フィルムとがその周縁部で貼り合わせられた帯状シール部10を有する。帯状シール部10には、V字状先端部11を有するノッチ9が形成されている。V字状先端部11は、V字状先端部11を二分する中心線11cがノッチ付き袋の上下方向に対して傾斜しているV字状先端部11とされる。【選択図】図2

Description

本発明は、ノッチ付き袋に関するものである。
袋として、1枚のフィルムが折り曲げられて重ね合わされ、又は2枚以上のフィルムが重ね合わされて、その上下部及び両側部の周縁部で貼り合わせられたシール部を有する袋が周知である。
また、側部シール部に開封開始部としてノッチが設けられ、使用者が袋の上側を一方の手で把持する一方、袋の下側を他方の手で把持し、その状態で両手を相対的に異なる方向へ移動させる。このような動作により、ノッチをきっかけとして袋の対向する表面側の表フィルム及び裏面側の裏フィルムの2枚のフィルムが同時に引き裂かれ、引き裂かれた部分より上側が切断されて開口部が形成されるノッチ付き袋も周知である。
このような袋において、引き裂きにより形成される開口部の表フィルムの端縁と裏フィルムの端縁が一致している開口部端縁では、その開口部を広げ難く、開けづらい。
袋の開口部を開け易くすることは、開封時の袋本体の表フィルムと裏フィルムの開口部の端縁が一致せず異なる位置となるようにし、段差のある開口部とすることで可能となる。開口部に段差があれば、段差によりずれて外方に突出した表フィルム又は裏フィルムの何れか1枚のフィルムが掴み易くなり、その後の開口が容易となるためである。
このような段差のある開口部は袋の表フィルムと裏フィルム、2枚のフィルムが同時に引き裂かれてできる各フィルムの端縁の少なくとも一部、例えば各フィルムが重ね合わさった状態での開口部端縁の中央部が、段差をもって異なる位置となるように引き裂かれることで形成される。
ここで、各フィルムが重ね合わさった状態での前記開口部端縁の端部は、シールされた側部の端縁と一致し、袋の開封開始部であるノッチに由来する部分である。このノッチに由来する部分では2枚のフィルムの開口部端縁が完全に一致している。
開け易い段差のある開口部とするためには、袋を開封する際に、開口部端縁が完全に一致している開口部端縁のノッチに由来する部分から、引き裂きが進行するにつれて表フィルムと裏フィルムの端縁がずれて不一致となり段差をもって引き裂かれるようにする。
このような段差のある開口部を形成しうるノッチ付き袋は、例えば、特許文献1,2に開示されている。
特許文献1には、外縁ヒートシール部の内側に隣接して、ノッチと対向する位置に、ノッチから引き裂き方向への延長線と交差し、一端が、該延長線との交点より内側に位置し、しかも前記延長線からずれた段切り案内用切り込みを表面部又は裏面部に形成した包装袋が開示されている。
特許文献1の包装袋では、ノッチから始まる裂け目が伝播し案内用切り込みによりずらされて表面部と裏面部の一方が突出する。
また、特許文献2には、対向する端縁に端縁熱接着部を有する外層と中間層と内層とを有する積層体からなり、前記積層体の一方の外層に、前記端縁熱接着部の一方の外縁を起点として、当該起点と前記端縁熱接着部に平行する方向の位置を同じくする他方の外縁を終点として連続する第1切目線と、前記積層体の他方の外層に、前記端縁熱接着部の一方の外縁を起点として前記端縁熱接着部に平行する方向の位置を同じくする他方の外縁を終点とする第2切目線を形成し、前記第1切目線は包装袋の平面視状態において包装袋の略中央部において起点と終点とを結ぶ仮想直線を想定した時に、前記仮想直線に対して上端側に膨れる切目線と下端側に膨れる切目線から構成されていることを特徴とする包装袋が開示されている。
特許文献2の包装袋では、ノッチから引き裂から開封される際、平面視状態において不一致部分を有する第1及び第2切目線に沿って開封されることで、開口部の外郭が異なることにより、手指で容易に開口するための段差が形成できる。
特開2004−238047号公報 特開2012−96839号公報
特許文献1の包装袋ではノッチから始まる裂け目が案内用切り込みと交差する必要があるため、製造時にはノッチと段切り案内用切り込みとを正確に位置合わせして設けることが必要である。
特許文献2の包装袋では第1及び第2切目線が一致して外縁と当接する位置にあること、又は当接する位置に開封の起点となる開封開始手段として、各種のノッチを前記切目線と一致させて設けることが必要である。
袋のノッチは、製袋機に打ち抜き用のパンチ装置を設け、袋の製造工程において、パンチ装置によってシール部でフィルムを打ち抜いて形成される。しかし、パンチ装置によってフィルムが打ち抜かれるとき、段切り案内用切り込みや切目線の位置において、フィルムが正確に打ち抜かれるとは限らない。このため、ノッチの引き裂き開始部となる応力集中部の位置が目的とする位置に一致せず、ある程度ずれることがある。
このようにノッチの位置がある程度ずれると、ノッチから引き裂いたとき、目的とする線に沿って引き裂くことはできず、フィルムが無作為に引き裂かれて開封されるだけである。また、ノッチから始まる裂け目が一定の方向に進行せず引き裂きを目的とした態様にならないこともあった。このため、的確に開封することができないことがあり、その解決が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、製袋時に当所予定した位置から、ノッチの形成位置がずれたとしても、目的とする態様でフィルムを引き裂くことが可能なノッチを有するノッチ付き袋を提供することを課題とする。
本願の発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、従来のノッチは、ノッチの応力集中部であるノッチ先端部の向きが袋の両側部を直線で結んだ方向、袋の長方形の袋の場合に対向する2辺を最短距離で結ぶ線と一致しているためであること見いだした。そこで、本願の発明者らは、ノッチ先端部の向きをこの線からずらすことでノッチから始まる引き裂き方向を任意の方向(袋の上又は下方向)とし、ノッチから引き裂かれた際にできる切断線の位置を任意の位置にできることを見いだし本願発明を完成した。
すなわち本発明のノッチ付き袋は以下の手段により解決した。
本発明の一態様に係るノッチ付き袋は、対向する第1積層フィルムと第2積層フィルムとが重ね合わされて袋状に形成され、前記第1積層フィルムと前記第2積層フィルムとがその周縁部で貼り合わせられた帯状のシール部を有し、該シール部に設けられたノッチのV字状先端部から引き裂かれて開封されるノッチ付き袋であって、前記V字状先端部は、前記V字状先端部を二分する中心線が袋の上下方向に対して傾斜しているV字状先端部であることを特徴とする。
本構成によれば、ノッチ付き袋は、対向する第1積層フィルムと第2積層フィルムとが重ね合わされて袋状に形成され、第1積層フィルムと第2積層フィルムとがその周縁部で貼り合わせられた帯状のシール部を有する。帯状のシール部には、V字状先端部を有するノッチが形成されている。V字状先端部は、V字状先端部を二分する中心線がノッチ付き袋の上下方向に対して傾斜しているV字状先端部である。このようなV字状先端部の形状により、V字状先端部を起点とする切れ方向は、ノッチ付き袋に対して上方向又は下方向となる。そして、ノッチ付き袋は、ノッチのV字状先端部から引き裂かれて開封される。
従って、本構成によれば、引き裂き方向を袋の上方向又は下方向の何れか任意の方向とし、これを前提としたノッチ付きの包装袋を設計することができる。また、製袋時に当所予定した位置から、ノッチの形成位置がずれたとしても、ノッチから始まる引き裂き方向は変わらず任意の方向とされるため、目的とする態様で積層フィルムが引き裂かれるノッチ付き袋を得ることを可能とする。
上記一態様では、前記V字状先端部を二分する前記中心線と前記帯状のシール部に対して平行な直線とのなす角度を、10度から70度としてもよい。
本構成によれば、ノッチから始まる引き裂き方向を、より確実に上方向又は下方向とすることができる。
上記一態様では、前記V字状先端部が、湾曲形状とされた接続部を介して袋の側部端縁と繋がってもよい。
本構成によれば、ノッチに対して加える力の方向にかかわらず、V字状先端部の先端方向に力が集中し、この先端方向である線に沿って引き裂き方向が誘導されるので、ノッチから始まる引き裂き方向をより確実に上方向又は下方向とすることができる。
上記一態様では、前記V字状先端部が、一旦が湾曲した接続部を介して袋の側部端縁と繋がり、他端が直線部を介して袋の側部端縁と繋がってもよい。
本構成によれば、ノッチが形成されたノッチ付き袋は、開口部がほぼ直線状となるので、開口部の外観を向上できる。
上記一態様では、前記V字状先端部の最先端部を曲率半径が3/100mm〜30/100mmの円弧形状としてもよい。
本構成によれば、ノッチから始まる引き裂き方向をより確実に上方向又は下方向とすることができる。
上記一態様では、前記第1積層フィルムの中間層又は外層に直線状に形成される第1の切れ込み部と、前記第2積層フィルムの中間層又は外層に直線状に形成される第2の切れ込み部と、を有し、前記第1の切れ込み部と前記第2の切れ込み部とは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向と交差するように設けられてもよい。
本構成によれば、開封により形成される開口部端縁に段差が生じ、開口部が開封容易な袋にできる。
上記一態様では、前記帯状のシール部に袋を開封したときに内容物を外部に流通させる流通通路が形成され、前記ノッチは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向が前記流通通路に向かうように形成されてもよい。
本構成によれば、流通通路を開封して注ぎ口を確実に形成することができる。
上記一態様では、袋を開封するための開封用テープが袋の内面に設けられ、前記ノッチは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向が前記開封用テープに向かうように形成されてもよい。
本構成によれば、袋を開封するために使用者が簡易に開封用テープを把持できるようになる。
本発明によれば、製袋時に当所予定した位置から、ノッチの形成位置がずれたとしても、目的とする態様でフィルムを引き裂くことが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る開封前のノッチ付き袋の概略図である。 本発明の第1実施形態に係るノッチ付き袋のノッチを拡大して示した図である。 本発明の第1実施形態に係る開封前のノッチ付き袋の上部の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係るノッチ付き袋の製造に用いられる打ち抜き刃の横断面図である。 切れ込み部を有する袋に従来既知のノッチを適用した場合におけるノッチを拡大して示した図である。 本発明の第2実施形態に係る開封前のノッチ付き袋の概略図である。 本発明の第3実施形態に係る開封前のノッチ付き袋の概略図である。 本発明の第3実施形態に係る開封前のノッチ付き袋の部分断面図である。 本発明の第4実施形態に係るノッチ付き袋のノッチを拡大して示した図である。 本発明の第4実施形態に係るノッチ付き袋の製造に用いられる打ち抜き刃の横断面図である 本発明の第1実施形態に係るノッチを形成したノッチ付き袋の開口部を拡大して示した図である。
以下に、本発明にノッチ付き袋について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、一例として本発明のノッチ付き袋の第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る開封前のノッチ付き袋1Aの概略図であり、図2は図1のノッチ付き袋1Aが備えるノッチ9の拡大図である。図3は図1のノッチ付き袋1Aの上部の部分縦断面図である。なお、以下の説明において、上側、下側とは、図面におけるノッチ付き袋1Aの上側、下側であり、また水平方向とはノッチ付き袋1Aの左右方向、すなわち上下方向に垂直な方向である。
ノッチ付き袋1Aは、図3に示されるように、対向する一対の積層フィルム2A,2Bが重ね合わされて袋状に形成されている。積層フィルム2A,2Bは、ノッチ付き袋1Aの表フィルム6A又は裏フィルム6Bとなる。このノッチ付き袋1Aは、側部3,3に形成されたノッチ9から上部5が使用者によって引き裂かれて切断されることで開封される。
図1に示すように、ノッチ付き袋1Aの形状が矩形状となるように、2枚の積層フィルム2A,2Bの両側部3,3、上部5及び下部4の周縁部が、帯状に貼り合わせられて帯状シール部10となっている。これにより、2枚の積層フィルム2A,2Bは、ノッチ付き袋1Aの表フィルム6Aと裏フィルム6Bを構成する。そして、ノッチ付き袋1Aへの内容物の投入は、何れかの帯状シール部10を、最後に貼り合わせる前に行われる。なお、帯状シール部10の貼り合わせは、本例ではヒートシールバーを用いたヒートシールによって行われている。
さらに、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、内面にチャック7を備えており、ノッチ9から上部5が引き裂かれて開封された後にも再封止が可能である。
また、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、図1から図3に示されるように、直線の切れ込み部25A,25Bが上下方向の位置を異ならせて水平方向に形成されている。これら切れ込み部25A,25Bは、積層フィルム2A,2Bの内部の層に設けられ、ノッチ付き袋1Aが引き裂かれ開封されてできる開口部の端縁となり、開口部の外郭となる。切れ込み部25A,25Bには段差があるため開口部の端縁となった場合に、1枚の積層フィルム2A又は積層フィルム2Bの視認が容易となって掴みやすくなり、その結果、ノッチ付き袋1Aの開口が容易となる。切れ込み部25A,25Bの段差は、0.4〜10mmの範囲であればよく、好ましくは0.8〜5mmである。
また、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、引き裂かれて開封される際のきっかけとなるノッチ9を両側部3,3の帯状シール部10に備えている。
図2に本実施形態に係るノッチ9の拡大図を示す。図2(A)は、ノッチ9の各構成部分を示した拡大図であり、図2(B)は、V字状先端部11の角度の説明に要する拡大図である。
ノッチ9は開封される際の引き裂き開始部となる部分がV字状先端部11となるように帯状シール部10が切り込まれて形成されている。詳しくは、ノッチ9は、2つの直線部12A,12B、V字状先端部11、及びこれらを繋ぐ2つの接続部13A,13Bによって形成されている。
2つの直線部12A,12Bは、ノッチ付き袋1Aの側部3を基端とし、帯状シール部10が延在する方向(ノッチ付き袋1Aの上下方向)に対して直角となるように形成されている。この2つの直線部12A,12Bは、2mm離れて平行とされる。
V字状先端部11は、2つの平行な直線部12A,12Bの間から外れた位置に設けられている。換言すると、V字状先端部11の最先端部14は、下側の直線部12Bより下の位置に設けられている。なお、前記最先端部14は、2つの平行な直線部12A,12Bの間、すなわち上側の直線部12Aの下の位置、かつ下側の直線部12Bの上の位置、又は直線部12Bと同じ位置に設けられてもよい。
V字状先端部11を角度で仮想的に二分する仮想の線である中心線11cは、ノッチ付き袋1Aの上下方向に対して傾斜している。より具体的には、中心線11cは、帯状シール部10に対して平行な直線Aとのなす角度θが36度である。
この中心線11cは、帯状シール部10に対して平行な直線Aとのなす角度θが10度から70度であればよく、10度から60度とすることが好ましく、10度から50度とすることがより好ましく、20度から50度とすることがさらにより好ましい。
また、V字状先端部11の先端から端部に向けて延在する2本の直線B,Cのなす角度φは、50度とされている。
この2本の直線B,Cのなす角度φは、V字状先端部11を二分する中心線11cと帯状シール部10に対して平行な直線Aのなす角度θによっても異なるが、20度から80度であり、40度から60度とすることがより好ましい。
このように、ノッチ付き袋1Aは、V字状先端部11を二分する中心線11cと帯状シール部10に対して平行な直線Aとのなす角度θが10度から70度であるため、V字状先端部11を起点とする切れ方向は、ノッチ付き袋1Aに対して上方向又は下方向となる。すなわち、V字状先端部11が下向きとなるようにノッチ9を形成することで、ノッチ付き袋1Aの引き裂き方向は確実に下向きなる。一方、V字状先端部11が上向きとなるようにノッチ9を形成することで、ノッチ付き袋1Aの引き裂き方向は確実に上向きとなる。
このように、ノッチ付き袋1Aは、ノッチ9から始まる引き裂き方向を任意の方向(本実施形態では袋の下方向)とすることを可能とし、目的とする方向にフィルムを引き裂くことが可能なる。
V字状先端部11の最先端部14は、できるだけ鋭く先鋭化させるよりも若干の丸みを持たせることが好ましく、正確には、例えば丸みを帯びた円弧形状とされており、その円弧の径(曲率半径)は3/100mm〜30/100mm、好ましくは5/100mm〜25/100mmである。
V字状先端部11の最先端部14を鋭くすればするほど先端に集中した力により引き裂き開始する際の抵抗が低く、容易に引き裂きを開始する。しかし、V字状先端部11の最先端部14を鋭くすると、引き裂き方向を一定の方向に誘導することが難しくなる傾向があり、ノッチ付き袋1Aは、V字状先端部11から様々な方向に引き裂かれ易くなる。正確な理由については不明であるが、V字状先端部11に若干の丸みを持たせることで、引き裂き開始する際の抵抗が若干の丸みが無い場合よりも高くなり先端に集中した力の方向がV字形状に沿った向きに揃えられた後に引き裂きが開始することになるため、引き裂き方向が誘導されるものと考えられる。
上述のように、直線部12A,12BとV字状先端部11は、接続部13A,13Bで繋がっている。すなわち、V字状先端部11は、接続部13A,13Bを介してノッチ付き袋1Aの側部端縁と繋がっている。
ノッチ付き袋1Aは、接続部13A,13Bを湾曲形状とすることで、ノッチ9に対して上方向、平行方向、下方向の何れの方向に力が加えられても、力が湾曲形状に沿った線の方向へ向かい、V字状先端部11に力が集中する。このため、ノッチ9に対して加える力の方向にかかわらず、V字状先端部11の先端方向に力が集中し、この先端方向である線に沿って引き裂き方向が誘導されて積層フィルム2A,2Bが切断される。
このような湾曲した接続部13A,13BとV字状先端部11が連続して形成されたノッチ9によって、切断の方向性が確実に付与される。
なお、接続部13A,13Bは、0.5mm〜3mmの曲率半径をもった湾曲形状とされることが好ましい。また、接続部13A,13Bは、必ずしも湾曲した形状でなくてもよく、直線部12A,12BとV字状先端部11とをなめらかに接続する形状であればこれに限られない。また、接続部13A,13BのうちV字状先端部11に近い方の接続部13Bは、力が加わることが殆どないため湾曲形状とせず直線の折れ曲がりとして接続部を無いものとしてもよい。
本実施形態に係るノッチ9は、ノッチ製造に用いられるパンチ装置で使用する打ち抜き刃15の刃先の横断面を、図4の外形線に示すような形状とする。そして、製袋工程で連続して製造される袋が1枚ずつの袋に切り離される前の切り離し予定部の一部を、打ち抜き刃15によってパンチ装置で打ち抜き加工することで、ノッチ付き袋1Aの側部3となる領域にノッチ9が形成される。
また、図3に示されるように、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、袋の内面に開封後にも再封止可能にする再閉自在手段たるチャック7を備える。チャック7は、咬合可能な一対の雄部材7Aと雌部材7Bとを有する。
積層フィルム2A,2Bは表面の基材層20、最内面の熱融着層22、これら層の間の中間層21からなる。本実施形態に係る中間層21は、バリア層23と機能層24の2層が設けられる。
外層である基材層20に用いられるフィルムは、突き刺し強度、引っ張り強度、及び耐衝撃性等の物理的強度や印刷適性に優れたフィルムが好ましい。このようなフィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール等の合成樹脂からなるフィルムが挙げられる。
バリア層23には、基材層20に用いられるバリアフィルムと同一のフィルムを用いることができる他、アルミニウム箔等の金属箔等が用いられてもよい。機能層24としては、積層フィルム2A,2Bに突き刺し強度、引っ張り強度、及び耐衝撃性等の物理的強度(機械強度)を付与するために二軸延伸ナイロンとされている。
熱融着層22に用いられるフィルム(シーラントフィルム)としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
そして、本実施形態に係る機能層24には、切れ込み部25A,25Bが形成されている。
切れ込み部25A,25Bは、ノッチ付き袋1Aの表フィルム6Aと裏フィルム6Bでノッチ付き袋1Aの上下方向の位置が異なり、チャック7よりも上方、かつチャック7の上側端部36A,36Bに平行となるように設けられている。
切れ込み部25A,25Bは、開封によって形成される開口部の端縁となることが予定されている位置で、中間層21を形成するフィルムが連続的にまたは断続的に切れ込まれているものであり、ノッチ付き袋1Aを開封する際のガイド線又は開封補助線として機能する。
このような切れ込み部25A,25Bは、レーザー加工や刃により製造することができる。
本実施形態に係るノッチ9と切れ込み部25A,25Bとの位置関係は以下のとおりである。
ノッチ9を形成するV字状先端部11は、直線Aと直線Bとのなす角φが鋭角になるように形成され、切れ込み部25A,25Bに向かって下方に傾斜している。すなわち、V字状先端部11の先端方向である中心線11cの延在する方向が切れ込み部25A,25Bとは平行でなく角度(例えば20〜80度、好ましくは30〜80度、より好ましくは40〜80度、さらにより好ましくは40〜70度)を有し、切れ込み部25A又は切れ込み部25Bに対して傾斜するように形成されている。すなわち、切れ込み部25A,25Bは、V字状先端部11の先端方向である中心線11cの延在方向と袋面上で交差するように設けられている。また接続部13A,13Bの湾曲形状は上側(切れ込み部25A,25Bとは反対側)の曲率半径が下側(切れ込み部25A,25B側)の曲率半径より小さいものとなっている。
次に、本実施形態のノッチ付き袋1Aの作用効果について説明する。
図1においてノッチ9のV字状先端部11はノッチ付き袋1Aの下方向へ向いており、先端方向に切れ込み部25A,25Bとチャック7が位置している。
ノッチ付き袋1Aを開封するためには、ノッチ9が形成された箇所にノッチ付き袋1Aの使用者が力を加える。この場合、ノッチ9に対して上方向、平行方向(直線部12A,12Bと平行な方向)、下方向の何れかに力が加えられても、力はノッチ9の接続部13A,13Bの湾曲形状に沿った線方向へ向かい、V字状先端部11の最先端部14に力が集中する。そして、V字状先端部11の最先端部14に集中した力は、若干の引き裂き抵抗を超える力になった後、引き裂き方向がV字状先端部11の先端方向に誘導されて引き裂きが開始する。この引き裂きは、切れ込み部25A,25Bに向かって進行し、引き裂きが切れ込み部25A,25Bに達した後は、フィルム強度が弱いものとなっている切れ込み部25A,25Bに沿って引き裂きが進行し、その結果、上部5が破断されてノッチ付き袋1Aが開封される。
また、切れ込み部25A,25Bは、表フィルム6Aと裏フィルム6Bでノッチ付き袋1Aの上下方向の位置が異なり段差を持って、かつチャック7と平行となるよう形成され、開封により開口部端縁となる。このような切れ込み部25A,25Bによって、開封により形成される開口部端縁に段差が生じ、図3から理解されるようにノッチ付き袋1Aでは表フィルム6Aよりも裏フィルム6Bのフィルムが突出することとなる。このため、使用者は、突出した裏フィルム6Bの端縁を容易に視認できるので、同フィルム1枚を容易に手指で把持することができ、ノッチ付き袋1Aは開口容易な袋となる。
なお、従来公知のノッチ付き袋1Aの引き裂き開封開始手段として用いられる亀甲ノッチ、Vノッチ、Uノッチ及びIノッチその他、包装袋の水平方向に先端部が向いたノッチもその先端部に力が集中して開封開始位置を定めることができる。しかしながら、これら従来公知のノッチは、水平方向に向けて引き裂かれることを期待したノッチである。
このため、図5に示すように、積層フィルム2A,2Bに切れ込み部25A,25Bを設けた包装袋に従来公知のノッチ9Aを適用するためには、切れ込み部25A,25Bに対してノッチ9Aの先端位置が一致するように、積層フィルム2A,2Bとノッチ9Aを形成するためのパンチ装置とが正確に位置合わせされて打ち抜かれる必要がある。また、切れ込み部25A,25Bを上下方向の位置が異なるように段差を持って設けた場合には、切れ込み部25A,25Bいずれか一方の切れ込み部と一致するようにしか位置合わせすることができない。
一方、本実施形態に係るノッチ9はV字状先端部11の先端方向が切れ込み部25A,25Bに対して傾斜して形成されればよく、ノッチ9は、切れ込み部25A,25Bと上下方向の位置をずらして、一定範囲の位置ずれを許容するようにして設けることができる。このため、ノッチ付き袋1Aは、積層フィルム2A,2Bとノッチ形成用のパンチ装置との正確な位置合わせが不要となる。従って、ノッチ付き袋1Aは、様々なサイズの袋を製造する際に必要となる製造開始前の位置合わせ調整時間を殆ど不要とし、又、不良が減少し生産性が向上する。なお、ここで一定範囲の位置ずれとは、例えば袋の上下方向の高さが20cmの場合に、基準位置に対して−2mm〜+2mm程度の範囲の位置ずれを許容することを意味する。
また、内容物を充填した包装袋が段ボール等に複数投入されて輸送される際、内容物入りの包装袋同士が重なり合うなどして、包装袋は、その取扱いの過程で受ける外部から力によって折れ曲がる場合がある。包装袋は折れ曲がる際に、ノッチが折れ曲がりの起点となる。このため、ノッチの位置と切れ込み部25A,25Bの位置が一致していると、切れ込み部25A,25Bは、積層フィルム2A,2Bの強度が低下しており折れ曲がりやすい部分であることから、ますます折れ曲がり易くなる。この結果、包装袋は、変形しやすくなり外観が悪くなる、さらには折れ曲がった部分にピンホールが生じる等の問題が発生することがあった。
一方、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、ノッチ9の位置と切れ込み部25A,25Bの位置がずれているため、このような問題の発生がない。
また、包装袋は、切れ込み部25A,25Bを直線以外の形状とすることで折れ曲がることを抑制することも、ある程度可能である。しかしながら、包装袋に直線以外の加工を施すことは、大量に製造される包装袋の製造時における積層フィルムの搬送方向と同一とすることができる直線状の切れ込み部25A,25Bと比較して複雑な加工が必要となる。このため、切れ込み部25A,25Bを直線状以外の形状とすることは、製袋速度を高めることができず、安価で大量供給が要求される包装袋にとっては好ましくない。
一方、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aであれば、ノッチ9のV字状先端部11を起点とする切れ方向は、ノッチ付き袋1Aに対して下方向となり、切れ込み部25A,25Bに向かう方向である。従って、直線状の切れ込み部25A,25Bを設けた場合でも、袋の折れ曲がりのきっかけとなるノッチ9と切れ込み部25A,25Bとを一致させる必要はなく、ずらして設けることができる。このように、包装袋に本実施形態に係るノッチ9を適用することは、製袋速度を高くしたまま、折れ曲がりにくい包装袋を得ることができるため好ましい。
また、本実施形態に係る切れ込み部25A,25Bは、表フィルム6A及び裏フィルム6Bを構成する積層フィルム2A,2Bに1箇所ずつ設けられるが、これらは複数設けられてもよいし、切れ込み部25A,25Bは中間層21以外の外層である基材層20に設けられてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、対向する積層フィルム2Aと積層フィルム2Bとが重ね合わされて袋状に形成され、積層フィルム2Aと積層フィルム2Bとがその周縁部で貼り合わせられた帯状シール部10を有する。帯状シール部10にはV字状先端部11を有するノッチ9が形成されている。V字状先端部11は、V字状先端部11を二分する中心線11cは、ノッチ付き袋1Aの上下方向に対して傾斜しているV字状先端部である。このようなV字状先端部11の形状により、V字状先端部11を起点とする切れ方向は、ノッチ付き袋1Aに対して上方向又は下方向となる。そして、ノッチ付き袋1Aは、帯状シール部10に設けられたノッチ9のV字状先端部11から引き裂かれて開封される。
このように、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、V字状先端部11を起点とする切れ方向は、ノッチ付き袋1Aに対して下方向とされており、V字状先端部11から開始した引き裂きが到達する切れ込み部25A,25Bに沿った態様でフィルムが引き裂かれる。
従って、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、製袋時に当所予定した位置から、ノッチ9の形成位置がずれたとしても、ノッチ9から始まる引き裂き方向を任意の方向とし、上方向及び下方向のノッチ9の形成位置のずれの許容幅を大きくできる。
また、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、両側部3,3にノッチ9が形成されているが、これに限らず、ノッチ9は一方の側部3にのみ形成されていてもよい。
また、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、基材層20、中間層21であるバリア層23及び機能層24、並びに熱融着層22を有する積層フィルム2A,2Bで形成されるが、これに限らず、積層フィルム2A,2Bは、少なくとも基材層20及び熱融着層22の2層が積層されていればよい。
また、本実施形態に係る切れ込み部25A,25Bは、連続した切れ込みとされるが、これに限らず、切れ込み部25A,25Bは、破線(不連続の切れ込み、ミシン目ともいう。)、又は細幅の帯状粗面とされてもよい。
また、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、切れ込み部25A,25Bやチャック7を設けているが、これに限らず、切れ込み部25A,25Bやチャック7を設けていないノッチ付き袋であってもよい。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態のノッチ付き袋1Bについて図6を用いて説明する。
図6に示されるノッチ付き袋1Bは、対向する積層フィルム2Aと積層フィルム2Bとが1枚の積層フィルムを折り曲げることで形成され、上下方向に延在する帯状シール部10を一方の側縁にのみ有する3方シール袋とし、第1実施形態と同様のノッチ9が設けられた袋である。
ノッチ付き袋1Bは、ノッチ9から引き裂かれた開封部が注ぎ口となる袋であり、袋を開封したときに内容物を外部に流通させる流通通路40が上下に延在する帯状シール部10と、上側の帯状シール部10から袋内方に迫り出した迫出シール部39との間に形成されている。すなわち、ノッチ付き袋1Bは、流通通路40がノッチ9のV字状先端部11を起点とし、点線Dで示した線で引き裂かれて開封部が形成されることが予定されている。
ノッチ9は、V字状先端部11を二分する中心線11cの延在方向が流通通路40に向かうように、帯状シール部10に形成されている。すなわち、V字状先端部11の中心線11cの略延在方向に開封部となる点線Dが帯状シール部10内に位置することとなる。
ここで、流通通路40が引き裂かれて開封部となるような袋に、引き裂き方向を誘導し得ない従来公知のノッチを適用すると、ノッチから上方向に引き裂きが進行し注ぎ口ができないことがあった。一方、本実施形態に係るノッチ9であれば、引き裂き方向がノッチ9のV字状先端部11から下方向に確実に誘導される。このことは、少なくともV字状先端部11の近傍で引き裂き方向が下方向に誘導され、これにより引き裂きが開封部のシール際まで進行し、これに続いて流通通路40の領域E内で引き裂きが進行する。従ってノッチ付き袋1Bは、引き裂き後に開封部ができない事態が回避され、流通通路40に対して確実に注ぎ口を形成することができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態のノッチ付き袋1Cについて図7,図8を用いて説明する。
図7は、表フィルム6Aと裏フィルム6Bの間にマチ41を設けたガゼット袋である。上方にはマチ41が無く2枚のフィルムのみが貼り合わされている。
ガセット袋はマチを有しない平袋に比較して内容物を多く収容することが可能であり、時には10kgを超え、20kg程度の内容物が収容される場合もある。このような大容量のガセット袋に用いられる積層フィルムには高強度が要求され、その厚みも1kg以下程度の袋と比較して厚いため、引き裂いて開封するために大きな力を必要とする。
本実施形態に係るノッチ付き袋1Cは、図8にその上部断面図を示すようにノッチ付き袋1Cを内面から引き裂くことを可能にする引き裂き用の高強度の開封用テープ(以下「ティアテープ」という。)42が設けられている。ティアテープ42は、使用者に把持されて引っ張られて、ノッチ付き袋1Cを引き裂くことでノッチ付き袋1Cを容易に開封することを可能にしている。
ここで、ティアテープは包装袋の内面に設けられている。このため、使用者は、袋を開封する際に、ティアテープの位置を判別し難い。そこで、使用者がティアテープを掴み易くするためには、ティアテープが設けられた位置と上下方向の位置が一致する側部の特定の部位に一つあるいは複数のノッチを設け、ティアテープの掴み開始位置を明らかにする。これは幅が2mm〜5mm程度のティアテープを設けた後、そのティアテープの位置に合わせて、ノッチを正確に位置合わせして設けることを意味する。このことは包装袋の製造時においてティアテープそのものを包装袋の特定の位置に貼り合わせる際の位置ずれとノッチを設ける際の位置ずれの両方を正確に管理することであり、正確な位置合わせが複数回必要となる。
本実施形態に係るノッチ付き袋1Cは、図7に示されるようにノッチ9がV字状先端部11を上向きにして形成され、かつティアテープ42の下側に設けられている。すなわち、ノッチ9は、V字状先端部11を二分する中心線11cの延在方向がティアテープ42に向かうように形成される。なお、中心線11cとティアテープ42は袋1Cの面上で交差している。
本実施形態に係るノッチ9を形成する際には、ティアテープ42の位置より下側に設けている限り、ティアテープ42の側部での位置に従来公知のノッチを設ける場合の位置精度と比較して、ずれ許容幅の広い位置精度で形成すればよく、ティアテープ42の位置と一致させる必要は無い。
そして、ノッチ付き袋1Cの開封時には、このようにして形成したノッチ9からティアテープ42に向かって引き裂きが進行する。この結果、ノッチ付き袋1Cの内面に設けられているティアテープ42が露わになるため、使用者はティアテープ42を容易に掴むことができ、ノッチ付き袋1Cの開封が容易となる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態のノッチについて図9,図10を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係るノッチ50の拡大図である。図9(A)は、ノッチ50の各構成部分を示した拡大図であり、図9(B)は、ノッチ50のV字状先端部11の角度の説明に要する拡大図である。なお、図9における図2と同一の構成部分については図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。
ノッチ50が形成されるノッチ付き袋を第1実施形態に係るノッチ付き袋1Aと同様とするが、これに限らず、ノッチ50はノッチ付き袋1B,1Cに形成されてもよい。
ノッチ50は、2つの直線部12A,12B、V字状先端部11、及び直線部12AとV字状先端部11とを繋ぐ接続部13Aによって形成されている。このように、V字状先端部11は、一旦が湾曲した接続部13Aを介してノッチ付き袋1Aの側部3の端縁と繋がり、他端が直線部12Aを介してノッチ付き袋1Aの側部3の端縁と繋がっており、第1実施形態に係るノッチ9のような接続部13Bを有しない。
このため、V字状先端部11の最先端部14は、直線部12Bの鉛直方向に設けられることとなる。なお、直線Cは直線部12Bと重なり合う。
そして、直線部12B(直線C)が、帯状シール部10(直線A)に対して垂直、かつ直線部12Aに対して下側となるようにノッチ50が形成されることで、ノッチ付き袋1Aの引き裂き方向は確実に下向きなる。
本実施形態に係るノッチ50は、ノッチ製造に用いられるパンチ装置で使用する打ち抜き刃51の刃先の横断面を、図10の外形線に示すような形状とする。打ち抜き刃51の横断面は、上底の角部がR面取りされ、下底の角部がV字状先端部11を形成しうる略台形状とされる。
ここで、第1実施形態に係るノッチ9のように、V字状先端部11が下向きとなるようにノッチ9を形成すると、ノッチ付き袋1Aの開口部の両端部には、図11に示すように、直線部12B、接続部13B、及びV字状先端部11からの切り裂き形状、すなわちノッチ9の形状に由来する角部52が生じる。この角部52は、開口部の両端以外の部分に比べて突出するので、ノッチ付き袋1Aの外観を悪くし、積層フィルムの材質や厚みよっては剛性が高くなった場合に、使用者が指で触った際に痛みを感じ易くなる場合がある。
一方、本実施形態に係るノッチ50は、V字状先端部11の直線部12Bを直線部12Aに対して下側、すなわち、ノッチ付き袋1Aを開封した場合に開口部の両端部が直線部12Bとなるように形成されることにより、ノッチ付き袋1Aを開封した際に開口部に角部52は形成されず、開口部はほぼ直線状となる。
このように、ノッチ50が形成されたノッチ付き袋1Aは、開口部がほぼ直線状となるので、開口部の外観を向上でき、また、使用者が開口部に指で触った際における痛みの感じ易さを低減させることができる。
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記各実施形態で例示されたノッチ付き袋の形状は、3方袋、4方袋、ガゼット袋の形状に特に限定されず、底ガゼットのスタンディング袋とされていてもよい。
1A,1B,1C ノッチ付き袋
2A 積層フィルム
2B 積層フィルム
9 ノッチ
11 V字状先端部
11c 中心線
14 最先端部
20 基材層
21 中間層
24 機能層
25A 切れ込み部
25B 切れ込み部
40 流通通路
41 マチ
42 ティアテープ
50 ノッチ

Claims (8)

  1. 対向する第1積層フィルムと第2積層フィルムとが重ね合わされて袋状に形成され、前記第1積層フィルムと前記第2積層フィルムとがその周縁部で貼り合わせられた帯状のシール部を有し、該シール部に設けられたノッチのV字状先端部から引き裂かれて開封されるノッチ付き袋であって、
    前記V字状先端部は、前記V字状先端部を二分する中心線が袋の上下方向に対して傾斜しているV字状先端部であることを特徴とするノッチ付き袋。
  2. 前記V字状先端部を二分する前記中心線と前記帯状のシール部に対して平行な直線とのなす角度は、10度から70度であることを特徴とする請求項1に記載のノッチ付き袋。
  3. 前記V字状先端部は、湾曲した接続部を介して袋の側部端縁と繋がっている請求項1又は請求項2に記載のノッチ付き袋。
  4. 前記V字状先端部は、一旦が湾曲した接続部を介して袋の側部端縁と繋がり、他端が直線部を介して袋の側部端縁と繋がっている請求項1又は請求項2に記載のノッチ付き袋。
  5. 前記V字状先端部の最先端部は、曲率半径が3/100mm〜30/100mmの円弧形状である請求項1から請求項4の何れか1項に記載のノッチ付き袋。
  6. 前記第1積層フィルムの中間層又は外層に直線状に形成される第1の切れ込み部と、
    前記第2積層フィルムの中間層又は外層に直線状に形成される第2の切れ込み部と、
    を有し、
    前記第1の切れ込み部と前記第2の切れ込み部とは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向と交差するように設けられる請求項1から請求項5の何れか1項に記載のノッチ付き袋。
  7. 前記帯状のシール部は、袋を開封したときに内容物を外部に流通させる流通通路が形成され、
    前記ノッチは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向が前記流通通路に向かうように形成される請求項1から請求項6の何れか1項に記載のノッチ付き袋。
  8. 袋を開封する開封用テープが袋の内面に設けられ、
    前記ノッチは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向が前記開封用テープに向かうように形成される請求項1から請求項7の何れか1項に記載のノッチ付き袋。
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