JP2017105531A - ノッチ付き袋 - Google Patents
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Abstract
Description
また、側部シール部に開封開始部としてノッチが設けられ、使用者が袋の上側を一方の手で把持する一方、袋の下側を他方の手で把持し、その状態で両手を相対的に異なる方向へ移動させる。このような動作により、ノッチをきっかけとして袋の対向する表面側の表フィルム及び裏面側の裏フィルムの2枚のフィルムが同時に引き裂かれ、引き裂かれた部分より上側が切断されて開口部が形成されるノッチ付き袋も周知である。
袋の開口部を開け易くすることは、開封時の袋本体の表フィルムと裏フィルムの開口部の端縁が一致せず異なる位置となるようにし、段差のある開口部とすることで可能となる。開口部に段差があれば、段差によりずれて外方に突出した表フィルム又は裏フィルムの何れか1枚のフィルムが掴み易くなり、その後の開口が容易となるためである。
このような段差のある開口部は袋の表フィルムと裏フィルム、2枚のフィルムが同時に引き裂かれてできる各フィルムの端縁の少なくとも一部、例えば各フィルムが重ね合わさった状態での開口部端縁の中央部が、段差をもって異なる位置となるように引き裂かれることで形成される。
ここで、各フィルムが重ね合わさった状態での前記開口部端縁の端部は、シールされた側部の端縁と一致し、袋の開封開始部であるノッチに由来する部分である。このノッチに由来する部分では2枚のフィルムの開口部端縁が完全に一致している。
特許文献1の包装袋では、ノッチから始まる裂け目が伝播し案内用切り込みによりずらされて表面部と裏面部の一方が突出する。
特許文献2の包装袋では、ノッチから引き裂から開封される際、平面視状態において不一致部分を有する第1及び第2切目線に沿って開封されることで、開口部の外郭が異なることにより、手指で容易に開口するための段差が形成できる。
特許文献2の包装袋では第1及び第2切目線が一致して外縁と当接する位置にあること、又は当接する位置に開封の起点となる開封開始手段として、各種のノッチを前記切目線と一致させて設けることが必要である。
このようにノッチの位置がある程度ずれると、ノッチから引き裂いたとき、目的とする線に沿って引き裂くことはできず、フィルムが無作為に引き裂かれて開封されるだけである。また、ノッチから始まる裂け目が一定の方向に進行せず引き裂きを目的とした態様にならないこともあった。このため、的確に開封することができないことがあり、その解決が望まれていた。
すなわち本発明のノッチ付き袋は以下の手段により解決した。
従って、本構成によれば、引き裂き方向を袋の上方向又は下方向の何れか任意の方向とし、これを前提としたノッチ付きの包装袋を設計することができる。また、製袋時に当所予定した位置から、ノッチの形成位置がずれたとしても、ノッチから始まる引き裂き方向は変わらず任意の方向とされるため、目的とする態様で積層フィルムが引き裂かれるノッチ付き袋を得ることを可能とする。
以下、一例として本発明のノッチ付き袋の第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る開封前のノッチ付き袋1Aの概略図であり、図2は図1のノッチ付き袋1Aが備えるノッチ9の拡大図である。図3は図1のノッチ付き袋1Aの上部の部分縦断面図である。なお、以下の説明において、上側、下側とは、図面におけるノッチ付き袋1Aの上側、下側であり、また水平方向とはノッチ付き袋1Aの左右方向、すなわち上下方向に垂直な方向である。
ノッチ9は開封される際の引き裂き開始部となる部分がV字状先端部11となるように帯状シール部10が切り込まれて形成されている。詳しくは、ノッチ9は、2つの直線部12A,12B、V字状先端部11、及びこれらを繋ぐ2つの接続部13A,13Bによって形成されている。
V字状先端部11を角度で仮想的に二分する仮想の線である中心線11cは、ノッチ付き袋1Aの上下方向に対して傾斜している。より具体的には、中心線11cは、帯状シール部10に対して平行な直線Aとのなす角度θが36度である。
この中心線11cは、帯状シール部10に対して平行な直線Aとのなす角度θが10度から70度であればよく、10度から60度とすることが好ましく、10度から50度とすることがより好ましく、20度から50度とすることがさらにより好ましい。
この2本の直線B,Cのなす角度φは、V字状先端部11を二分する中心線11cと帯状シール部10に対して平行な直線Aのなす角度θによっても異なるが、20度から80度であり、40度から60度とすることがより好ましい。
このように、ノッチ付き袋1Aは、ノッチ9から始まる引き裂き方向を任意の方向(本実施形態では袋の下方向)とすることを可能とし、目的とする方向にフィルムを引き裂くことが可能なる。
V字状先端部11の最先端部14を鋭くすればするほど先端に集中した力により引き裂き開始する際の抵抗が低く、容易に引き裂きを開始する。しかし、V字状先端部11の最先端部14を鋭くすると、引き裂き方向を一定の方向に誘導することが難しくなる傾向があり、ノッチ付き袋1Aは、V字状先端部11から様々な方向に引き裂かれ易くなる。正確な理由については不明であるが、V字状先端部11に若干の丸みを持たせることで、引き裂き開始する際の抵抗が若干の丸みが無い場合よりも高くなり先端に集中した力の方向がV字形状に沿った向きに揃えられた後に引き裂きが開始することになるため、引き裂き方向が誘導されるものと考えられる。
ノッチ付き袋1Aは、接続部13A,13Bを湾曲形状とすることで、ノッチ9に対して上方向、平行方向、下方向の何れの方向に力が加えられても、力が湾曲形状に沿った線の方向へ向かい、V字状先端部11に力が集中する。このため、ノッチ9に対して加える力の方向にかかわらず、V字状先端部11の先端方向に力が集中し、この先端方向である線に沿って引き裂き方向が誘導されて積層フィルム2A,2Bが切断される。
このような湾曲した接続部13A,13BとV字状先端部11が連続して形成されたノッチ9によって、切断の方向性が確実に付与される。
バリア層23には、基材層20に用いられるバリアフィルムと同一のフィルムを用いることができる他、アルミニウム箔等の金属箔等が用いられてもよい。機能層24としては、積層フィルム2A,2Bに突き刺し強度、引っ張り強度、及び耐衝撃性等の物理的強度(機械強度)を付与するために二軸延伸ナイロンとされている。
熱融着層22に用いられるフィルム(シーラントフィルム)としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
切れ込み部25A,25Bは、ノッチ付き袋1Aの表フィルム6Aと裏フィルム6Bでノッチ付き袋1Aの上下方向の位置が異なり、チャック7よりも上方、かつチャック7の上側端部36A,36Bに平行となるように設けられている。
このような切れ込み部25A,25Bは、レーザー加工や刃により製造することができる。
ノッチ9を形成するV字状先端部11は、直線Aと直線Bとのなす角φが鋭角になるように形成され、切れ込み部25A,25Bに向かって下方に傾斜している。すなわち、V字状先端部11の先端方向である中心線11cの延在する方向が切れ込み部25A,25Bとは平行でなく角度(例えば20〜80度、好ましくは30〜80度、より好ましくは40〜80度、さらにより好ましくは40〜70度)を有し、切れ込み部25A又は切れ込み部25Bに対して傾斜するように形成されている。すなわち、切れ込み部25A,25Bは、V字状先端部11の先端方向である中心線11cの延在方向と袋面上で交差するように設けられている。また接続部13A,13Bの湾曲形状は上側(切れ込み部25A,25Bとは反対側)の曲率半径が下側(切れ込み部25A,25B側)の曲率半径より小さいものとなっている。
図1においてノッチ9のV字状先端部11はノッチ付き袋1Aの下方向へ向いており、先端方向に切れ込み部25A,25Bとチャック7が位置している。
ノッチ付き袋1Aを開封するためには、ノッチ9が形成された箇所にノッチ付き袋1Aの使用者が力を加える。この場合、ノッチ9に対して上方向、平行方向(直線部12A,12Bと平行な方向)、下方向の何れかに力が加えられても、力はノッチ9の接続部13A,13Bの湾曲形状に沿った線方向へ向かい、V字状先端部11の最先端部14に力が集中する。そして、V字状先端部11の最先端部14に集中した力は、若干の引き裂き抵抗を超える力になった後、引き裂き方向がV字状先端部11の先端方向に誘導されて引き裂きが開始する。この引き裂きは、切れ込み部25A,25Bに向かって進行し、引き裂きが切れ込み部25A,25Bに達した後は、フィルム強度が弱いものとなっている切れ込み部25A,25Bに沿って引き裂きが進行し、その結果、上部5が破断されてノッチ付き袋1Aが開封される。
このため、図5に示すように、積層フィルム2A,2Bに切れ込み部25A,25Bを設けた包装袋に従来公知のノッチ9Aを適用するためには、切れ込み部25A,25Bに対してノッチ9Aの先端位置が一致するように、積層フィルム2A,2Bとノッチ9Aを形成するためのパンチ装置とが正確に位置合わせされて打ち抜かれる必要がある。また、切れ込み部25A,25Bを上下方向の位置が異なるように段差を持って設けた場合には、切れ込み部25A,25Bいずれか一方の切れ込み部と一致するようにしか位置合わせすることができない。
一方、本実施形態に係るノッチ9はV字状先端部11の先端方向が切れ込み部25A,25Bに対して傾斜して形成されればよく、ノッチ9は、切れ込み部25A,25Bと上下方向の位置をずらして、一定範囲の位置ずれを許容するようにして設けることができる。このため、ノッチ付き袋1Aは、積層フィルム2A,2Bとノッチ形成用のパンチ装置との正確な位置合わせが不要となる。従って、ノッチ付き袋1Aは、様々なサイズの袋を製造する際に必要となる製造開始前の位置合わせ調整時間を殆ど不要とし、又、不良が減少し生産性が向上する。なお、ここで一定範囲の位置ずれとは、例えば袋の上下方向の高さが20cmの場合に、基準位置に対して−2mm〜+2mm程度の範囲の位置ずれを許容することを意味する。
一方、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、ノッチ9の位置と切れ込み部25A,25Bの位置がずれているため、このような問題の発生がない。
一方、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aであれば、ノッチ9のV字状先端部11を起点とする切れ方向は、ノッチ付き袋1Aに対して下方向となり、切れ込み部25A,25Bに向かう方向である。従って、直線状の切れ込み部25A,25Bを設けた場合でも、袋の折れ曲がりのきっかけとなるノッチ9と切れ込み部25A,25Bとを一致させる必要はなく、ずらして設けることができる。このように、包装袋に本実施形態に係るノッチ9を適用することは、製袋速度を高くしたまま、折れ曲がりにくい包装袋を得ることができるため好ましい。
従って、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、製袋時に当所予定した位置から、ノッチ9の形成位置がずれたとしても、ノッチ9から始まる引き裂き方向を任意の方向とし、上方向及び下方向のノッチ9の形成位置のずれの許容幅を大きくできる。
また、本実施形態に係るノッチ付き袋1Aは、切れ込み部25A,25Bやチャック7を設けているが、これに限らず、切れ込み部25A,25Bやチャック7を設けていないノッチ付き袋であってもよい。
以下、本発明の第2実施形態のノッチ付き袋1Bについて図6を用いて説明する。
図6に示されるノッチ付き袋1Bは、対向する積層フィルム2Aと積層フィルム2Bとが1枚の積層フィルムを折り曲げることで形成され、上下方向に延在する帯状シール部10を一方の側縁にのみ有する3方シール袋とし、第1実施形態と同様のノッチ9が設けられた袋である。
以下、本発明の第3実施形態のノッチ付き袋1Cについて図7,図8を用いて説明する。
図7は、表フィルム6Aと裏フィルム6Bの間にマチ41を設けたガゼット袋である。上方にはマチ41が無く2枚のフィルムのみが貼り合わされている。
本実施形態に係るノッチ9を形成する際には、ティアテープ42の位置より下側に設けている限り、ティアテープ42の側部での位置に従来公知のノッチを設ける場合の位置精度と比較して、ずれ許容幅の広い位置精度で形成すればよく、ティアテープ42の位置と一致させる必要は無い。
以下、本発明の第4実施形態のノッチについて図9,図10を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係るノッチ50の拡大図である。図9(A)は、ノッチ50の各構成部分を示した拡大図であり、図9(B)は、ノッチ50のV字状先端部11の角度の説明に要する拡大図である。なお、図9における図2と同一の構成部分については図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。
このため、V字状先端部11の最先端部14は、直線部12Bの鉛直方向に設けられることとなる。なお、直線Cは直線部12Bと重なり合う。
一方、本実施形態に係るノッチ50は、V字状先端部11の直線部12Bを直線部12Aに対して下側、すなわち、ノッチ付き袋1Aを開封した場合に開口部の両端部が直線部12Bとなるように形成されることにより、ノッチ付き袋1Aを開封した際に開口部に角部52は形成されず、開口部はほぼ直線状となる。
このように、ノッチ50が形成されたノッチ付き袋1Aは、開口部がほぼ直線状となるので、開口部の外観を向上でき、また、使用者が開口部に指で触った際における痛みの感じ易さを低減させることができる。
2A 積層フィルム
2B 積層フィルム
9 ノッチ
11 V字状先端部
11c 中心線
14 最先端部
20 基材層
21 中間層
24 機能層
25A 切れ込み部
25B 切れ込み部
40 流通通路
41 マチ
42 ティアテープ
50 ノッチ
Claims (8)
- 対向する第1積層フィルムと第2積層フィルムとが重ね合わされて袋状に形成され、前記第1積層フィルムと前記第2積層フィルムとがその周縁部で貼り合わせられた帯状のシール部を有し、該シール部に設けられたノッチのV字状先端部から引き裂かれて開封されるノッチ付き袋であって、
前記V字状先端部は、前記V字状先端部を二分する中心線が袋の上下方向に対して傾斜しているV字状先端部であることを特徴とするノッチ付き袋。 - 前記V字状先端部を二分する前記中心線と前記帯状のシール部に対して平行な直線とのなす角度は、10度から70度であることを特徴とする請求項1に記載のノッチ付き袋。
- 前記V字状先端部は、湾曲した接続部を介して袋の側部端縁と繋がっている請求項1又は請求項2に記載のノッチ付き袋。
- 前記V字状先端部は、一旦が湾曲した接続部を介して袋の側部端縁と繋がり、他端が直線部を介して袋の側部端縁と繋がっている請求項1又は請求項2に記載のノッチ付き袋。
- 前記V字状先端部の最先端部は、曲率半径が3/100mm〜30/100mmの円弧形状である請求項1から請求項4の何れか1項に記載のノッチ付き袋。
- 前記第1積層フィルムの中間層又は外層に直線状に形成される第1の切れ込み部と、
前記第2積層フィルムの中間層又は外層に直線状に形成される第2の切れ込み部と、
を有し、
前記第1の切れ込み部と前記第2の切れ込み部とは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向と交差するように設けられる請求項1から請求項5の何れか1項に記載のノッチ付き袋。 - 前記帯状のシール部は、袋を開封したときに内容物を外部に流通させる流通通路が形成され、
前記ノッチは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向が前記流通通路に向かうように形成される請求項1から請求項6の何れか1項に記載のノッチ付き袋。 - 袋を開封する開封用テープが袋の内面に設けられ、
前記ノッチは、前記V字状先端部を二分する前記中心線の延在方向が前記開封用テープに向かうように形成される請求項1から請求項7の何れか1項に記載のノッチ付き袋。
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