JP2017101197A - ポリアミドイミド樹脂組成物及び塗料 - Google Patents
ポリアミドイミド樹脂組成物及び塗料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017101197A JP2017101197A JP2015237411A JP2015237411A JP2017101197A JP 2017101197 A JP2017101197 A JP 2017101197A JP 2015237411 A JP2015237411 A JP 2015237411A JP 2015237411 A JP2015237411 A JP 2015237411A JP 2017101197 A JP2017101197 A JP 2017101197A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solvent
- polyamide
- polyamideimide resin
- resin
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
【課題】塗料等として低温で使用可能なポリアミドイミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】3−アルキル−2−オキサゾリジノンを40質量%以上含む溶媒、及び該溶媒に溶解又は分散したポリアミドイミド樹脂を含む、ポリアミドイミド樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】3−アルキル−2−オキサゾリジノンを40質量%以上含む溶媒、及び該溶媒に溶解又は分散したポリアミドイミド樹脂を含む、ポリアミドイミド樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明の実施形態は、ポリアミドイミド樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いた塗料に関する。
ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性、耐薬品性及び耐溶剤性に優れているため、各種の基材のコート剤として広く使用される。例えば、エナメル線用ワニス、耐熱塗料等として使用されている。
従来、ポリアミドイミド樹脂の重合には、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド等の極性溶媒が用いられ、なかでも、アミドイミド化反応を高温で短時間に行うために、N−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶媒が好ましく用いられていた。そして、この重合溶媒はそのまま、このポリアミドイミド樹脂を用いた塗料等の溶媒として用いられていた。
しかし、高沸点溶媒を用いたポリアミドイミド樹脂組成物を塗料等として使用する際には、高温で溶媒を揮発させて塗膜形成(硬化)させる必要があるため、その高温に耐えうる基材を選択しなければならない等の制約があり、また、生産性向上の観点からも低温での使用が望まれている。
本発明の実施形態は、塗料等として低温で使用可能なポリアミドイミド樹脂組成物と、該組成物を用いた塗料を提供することを課題とする。
本発明の一実施形態は、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを40質量%以上含む溶媒、及び該溶媒に溶解又は分散したポリアミドイミド樹脂を含む、ポリアミドイミド樹脂組成物に関する。
本発明の別の実施形態は、上記実施形態のポリアミドイミド樹脂組成物を含有する塗料に関する。
本発明のさらに別の実施形態は、ジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸ハライドとを、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む溶媒中で反応させる工程を含む、ポリアミドイミド樹脂の製造方法に関する。
本実施形態のポリアミドイミド樹脂組成物は、溶媒が3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む溶媒であるため、低温での塗膜形成が可能となり、様々な基材に対して使用することができる。また、本実施形態のポリアミドイミド樹脂の製造方法によれば、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む溶媒を用いてポリアミドイミド樹脂を合成することができ、得られたポリアミドイミド樹脂溶液をそのまま、塗料等に用いることができる。
以下に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
1.ポリアミドイミド樹脂組成物
本実施形態のポリアミドイミド樹脂組成物は、ポリアミドイミド樹脂と、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む溶媒とを少なくとも含む組成物である。
1.ポリアミドイミド樹脂組成物
本実施形態のポリアミドイミド樹脂組成物は、ポリアミドイミド樹脂と、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む溶媒とを少なくとも含む組成物である。
<ポリアミドイミド樹脂>
ポリアミドイミド樹脂は、ジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物と、酸成分としての三塩基酸無水物又は三塩基酸ハライドとを反応させて得られる樹脂である。ここで、各原料化合物は、各々、任意に複数種を組み合わせて使用してもよい。
ポリアミドイミド樹脂は、ジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物と、酸成分としての三塩基酸無水物又は三塩基酸ハライドとを反応させて得られる樹脂である。ここで、各原料化合物は、各々、任意に複数種を組み合わせて使用してもよい。
例えば、以下の一般式で示される構造単位を含むポリアミドイミド樹脂を用いることができる。
一般式(I)中、Xは、酸塩基酸無水物の酸無水物基(又は酸ハライド基)及びカルボキシル基を除いた残基、Rは、ジイソシアネートのイソシアネート基又はジアミンのアミノ基を除いた残基を示す。
ジイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアレート等が挙げられる。反応性の観点からは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いることが好ましい。
また、ジアミン化合物としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン等が挙げられる。
好ましい実施形態においては、ジイソシアネート化合物が用いられる。
また、ジアミン化合物としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン等が挙げられる。
好ましい実施形態においては、ジイソシアネート化合物が用いられる。
三塩基酸無水物としては、特に限定されないが、好ましくはトリメリット酸無水物が挙げられ、三塩基酸ハライドも特に限定はされないが、三塩基酸クロライドが好ましく、トリメリット酸無水物クロライド(無水トリメリット酸クロリド)等が挙げられる。環境への負荷を軽減させる観点から、トリメリット酸無水物等を用いることが好ましい。
酸成分としては、上記の三塩基酸無水物(又は三塩基酸ハライド)の他に、ジカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物等の飽和又は不飽和多塩基酸を、ポリアミドイミド樹脂の特性を損なわない範囲で用いることができる。
ジカルボン酸としては、特に限定されないが、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、及びセバシン酸等が挙げられる。テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは、単独で用いられるほか、複数種を任意の組み合わせで使用してもよい。
三塩基酸以外のカルボン酸(ジカルボン酸とテトラカルボン酸)の総量は、ポリアミドイミド樹脂の特性を保つ観点から、全カルボン酸中に0〜30モル%の範囲で使用されるのが好ましい。
ジカルボン酸としては、特に限定されないが、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、及びセバシン酸等が挙げられる。テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは、単独で用いられるほか、複数種を任意の組み合わせで使用してもよい。
三塩基酸以外のカルボン酸(ジカルボン酸とテトラカルボン酸)の総量は、ポリアミドイミド樹脂の特性を保つ観点から、全カルボン酸中に0〜30モル%の範囲で使用されるのが好ましい。
好ましい一実施形態において、ポリアミドイミド樹脂は、次の一般式(II)に示される構造単位を有する。
一般式(II)中、R3は、ジイソシアネートのイソシアネート基又はジアミンのアミノ基を除いた残基を示す。
ジイソシアネート及び/又はジアミンと酸成分(三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物ハライドと必要に応じて使用するジカルボン酸及びテトラカルボン酸二無水物の合計量)の使用比率は、生成されるポリアミドイミド樹脂の分子量及び架橋度の観点から、酸成分の総量1.0モルに対してジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物を0.8〜1.1モルとすることが好ましく、0.95〜1.08モルとすることがより好ましく、特に、1.0〜1.08モルとすることが一層好ましい。
ポリアミドイミド樹脂の合成条件は多様であり、一概に特定できないが、ジイソシアネートと三塩基酸無水物を反応させる最も代表的な方法については、例えば、特開平4−39323号公報などに例示されている。より詳細な製造方法は、後述する。
重合に使用される極性溶媒は、特に限定されないが、後述するように本実施形態においては、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを用いることが好ましい。重合溶媒として3−アルキル−2−オキサゾリジノンを用いることにより、得られたポリアミドイミド樹脂溶液を、そのまま塗料等に用いることができるためである。その他の使用可能な重合溶媒は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルアセトアミド又はN,N−ジメチルホルムアミド、及びγ―ブチロラクトン等が挙げられ、これらの2種以上を適宜併用してもよい。
ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、塗膜の強度を確保する観点から10,000以上であることが好ましく、15,000以上であることがより好ましい。一方、塗料等として用いる際の塗料化を容易にし且つ塗布に適した粘度とするために、その数平均分子量は50,000以下であることが好ましく、30,000以下であることがより好ましく、25,000以下であることが一層好ましい。
ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプルリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)等の分析機器を用いて測定し(GPCの場合は標準ポリスチレンの検量線を用いて測定する)、目的とする数平均分子量になるまで合成を継続することにより、上記範囲に管理することができる。
ポリアミドイミド樹脂は、樹脂中のカルボキシル基と酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が5〜40mgKOH/gであることが好ましい。この酸価が5mgKOH/g以上であると、溶媒への樹脂の溶解又は分散が容易になる傾向にあり、10mgKOH/g以上、15mgKOH/g以上、及び20mgKOH/g以上であることが、この順でより好ましい。また、酸価が40mgKOH/g以下であると、最終的に得られるポリアミドイミド樹脂組成物が、経日によりゲル化しにくくなる傾向にある。
上記酸価は、以下の方法で得ることができる。まず、ポリアミドイミド樹脂組成物を約0.5g採取し、これに1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンを約0.15g加え、さらにN−メチル−2−ピロリドン約60gとイオン交換水約1mlを加え、ポリアミドイミド樹脂が完全に溶解するまで攪拌する。これを、0.05モル/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液を使用して電位差滴定装置で滴定し、ポリアミドイミド樹脂中の、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価を得る。
ポリアミドイミド樹脂のガラス転移温度は、耐熱性の観点から200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。
ポリアミドイミド樹脂は、様々な用途に用いることができる。例えば、耐熱性塗料、摺動部コーティング塗料等の塗料又はコーティング剤を含む、各種保護・被覆材等のバインダー樹脂、すべり性を必要とするフィルムの樹脂、複写機の中間転写ベルト等として利用される環状のベルト等の、ベルト状に成型する成型品用途に好ましく用いることができる。これらはいずれも、非粘着用途である。
<溶媒>
ポリアミドイミド樹脂組成物は、ポリアミドイミド樹脂を溶解又は分散させる溶媒として、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む。
3−アルキル−2−オキサゾリジノンとしては、例えば、3−メチル−2−オキサゾリジノン、3−エチル−2−オキサゾリジノン、3−プロピル−2−オキサゾリジノン等が挙げられる。アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、なかでも、3−メチル−2−オキサゾリジノンを用いることが好ましい。
なお、この組成物中の溶媒は、ポリアミドイミド樹脂合成時に用いる重合溶媒(後述)と区別するために、貯蔵溶媒と記す場合がある。
ポリアミドイミド樹脂組成物は、ポリアミドイミド樹脂を溶解又は分散させる溶媒として、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む。
3−アルキル−2−オキサゾリジノンとしては、例えば、3−メチル−2−オキサゾリジノン、3−エチル−2−オキサゾリジノン、3−プロピル−2−オキサゾリジノン等が挙げられる。アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、なかでも、3−メチル−2−オキサゾリジノンを用いることが好ましい。
なお、この組成物中の溶媒は、ポリアミドイミド樹脂合成時に用いる重合溶媒(後述)と区別するために、貯蔵溶媒と記す場合がある。
溶媒中の3−アルキル−2−オキサゾリジノンの量は、40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが一層好ましい。溶媒中に3−アルキル−2−オキサゾリジノンを40質量%以上含むことにより、ポリアミドイミド樹脂組成物の低温下、例えば230℃以下、180℃以下、あるいは150℃以下での塗膜形成を可能とし、塗膜形成性を向上させることができる。
溶媒は、3−アルキル−2−オキサゾリジノンが100質量%である単独溶媒でもよい
し、混合溶媒でもよい。混合溶媒の場合に併用できる溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、4−モルホリンカルボアルデヒド等の極性溶媒;キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ-ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のケトン類などが挙げられる。
し、混合溶媒でもよい。混合溶媒の場合に併用できる溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、4−モルホリンカルボアルデヒド等の極性溶媒;キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ-ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のケトン類などが挙げられる。
組成物中の溶媒の量は、特に限定されず、使用目的に応じ、例えば塗料であれば塗装方法に応じて、適切な粘度となるように溶媒で希釈して、樹脂濃度の調整をすればよい。例えば、ポリアミドイミド樹脂100質量部に対し、溶媒が80〜200質量部であることが好ましく、100質量部〜150質量部であることがより好ましい。
この溶媒(貯蔵溶媒)は、ポリアミドイミド樹脂の製造に使用された重合溶媒をそのまま使用してもよいし、重合溶媒とは別の上記例示のような溶媒を追加してもよい。つまり、樹脂組成物の調製に際し、ポリアミドイミド樹脂の合成により得られたポリアミドイミド樹脂溶液を、必要に応じて貯蔵溶媒を追加して、そのまま使用することができる。
<硬化剤>
ポリアミドイミド樹脂組成物は、上記のポリアミドイミド樹脂と溶媒に加え、さらに硬化剤を含むことができる。硬化剤としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネートなどを適宜用いることができ、なかでもエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂を配合することにより、ポリアミドイミド樹脂の熱的、機械的、電気的特性をより向上させることができる。
ポリアミドイミド樹脂組成物は、上記のポリアミドイミド樹脂と溶媒に加え、さらに硬化剤を含むことができる。硬化剤としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネートなどを適宜用いることができ、なかでもエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂を配合することにより、ポリアミドイミド樹脂の熱的、機械的、電気的特性をより向上させることができる。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アラルキレン骨格含有エポキシ樹脂、ビフェニル−アラルキレン骨格エポキシ樹脂、フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、低級アルキル基置換フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で、また、2種以上を混合して用いることができる。
エポキシ樹脂は単独で添加してポリアミドイミド樹脂と反応させてもよいが、硬化後にエポキシ樹脂の未反応物が残留しにくいように、エポキシ樹脂の硬化剤又は硬化促進剤等と共に添加してもよい。
エポキシ樹脂は単独で添加してポリアミドイミド樹脂と反応させてもよいが、硬化後にエポキシ樹脂の未反応物が残留しにくいように、エポキシ樹脂の硬化剤又は硬化促進剤等と共に添加してもよい。
エポキシ樹脂等の硬化剤を配合する場合の配合割合は、ポリアミドイミド樹脂100質量部に対して、1質量部〜100質量部の範囲とすることが好ましく、5質量部〜50質量部とすることがより好ましい。
<その他の成分>
ポリアミドイミド樹脂組成物は、その使用目的等に応じて、さらにその他の任意の成分を含んでいてもよい。例えば、この樹脂組成物は塗料として好ましく使用できるため、塗料として使用するときには、後述のとおり必要に応じて、顔料、充填材、消泡剤、防腐剤、潤滑剤、及び界面活性剤等の任意成分を添加してもよい。
ポリアミドイミド樹脂組成物は、その使用目的等に応じて、さらにその他の任意の成分を含んでいてもよい。例えば、この樹脂組成物は塗料として好ましく使用できるため、塗料として使用するときには、後述のとおり必要に応じて、顔料、充填材、消泡剤、防腐剤、潤滑剤、及び界面活性剤等の任意成分を添加してもよい。
2.塗料
本実施形態の塗料は、上記ポリアミドイミド樹脂組成物を含有する塗料である。この塗料は、上記ポリアミドイミド樹脂組成物を用いることにより、塗布後の塗膜形成を250℃未満、200℃以下、又は180℃以下の低温で行うことができる。
本実施形態の塗料は、上記ポリアミドイミド樹脂組成物を含有する塗料である。この塗料は、上記ポリアミドイミド樹脂組成物を用いることにより、塗布後の塗膜形成を250℃未満、200℃以下、又は180℃以下の低温で行うことができる。
ポリアミドイミド樹脂は、塗料の塗膜形成成分となるものであり、複数種の上記ポリアミドイミド樹脂を組み合わせて使用してもよい。
ポリアミドイミド樹脂は、その機能を十分に発揮させるために、塗料中に10〜50質量%含まれることが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂は、その機能を十分に発揮させるために、塗料中に10〜50質量%含まれることが好ましい。
塗料には、必要に応じて、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、フッ素樹脂等を、単独で、又は混合して用いることができる。なかでも、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、及びメラミン化合物は、塗膜の密着性をより向上させることができるために好ましい。
エポキシ化合物としては、例えば、上記した樹脂組成物に配合できるエポキシ樹脂のほか、トリグリシジルイソシアヌレート等を用いることができ、これらを単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせてもよい。
イソシアネート化合物としては、デュラネート等のヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートから合成されるポリイソシアネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネートの質量平均分子量は500〜9000であることが好ましく、より好ましくは1000〜5000である。
メラミン化合物としては、特に制限はないが、例えば、メラミンにホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等を反応させたメチロール基含有化合物等が挙げられる。このメチロール基は、炭素原子数1〜6個のアルコールによりエーテル化されているものが好ましい。
塗料に添加されるエポキシ化合物、イソシアネート化合物、及びメラミン化合物の各配合量は、ポリアミドイミド樹脂100質量部に対して、それぞれ、それらを配合することによる密着性向上効果を確保しつつポリアミドイミド樹脂の特性も十分に発揮させる観点から、例えば1〜40質量部であることが好ましく、5〜30質量部とすることがより好ましい。
塗料は、必要に応じ界面活性剤を含有していることが好ましい。界面活性剤としては、特に制限されるものではないが、塗膜を形成するための成分が均一に混合して、塗膜が乾燥するまで分離せず(分層を起こさず)、焼付け後に多くの残留物が残らないものが好ましい。
界面活性剤の含有量は、特に制限されるものではないが、均一な混合状態を保つために塗料中に0.01質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。一方、塗膜の焼付け時に炭化分が多く残留して成膜性に悪影響を与えることがないよう、界面活性剤の含有量は塗料中に10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
塗料は、塗膜の耐水性等を向上させるために、必要に応じて充填材を含有することが好ましい。
充填材の種類は、その耐水性や耐薬品性等を考慮し、塗膜の用途に応じて選択することができ、水に溶解しないものであることが好ましい。具体的には、充填材としては、金属粉、金属酸化物(酸化アルミ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン等)、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粒子、セラミックス、炭化珪素、酸化珪素、弗化カルシウム、カーボンブラック、グラフアイト、マイカ、及び硫酸バリウム等を挙げることができる。これらは、各々が単独で用いられるほか、複数種を組み合わせて使用してもよい。
充填材の種類は、その耐水性や耐薬品性等を考慮し、塗膜の用途に応じて選択することができ、水に溶解しないものであることが好ましい。具体的には、充填材としては、金属粉、金属酸化物(酸化アルミ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン等)、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粒子、セラミックス、炭化珪素、酸化珪素、弗化カルシウム、カーボンブラック、グラフアイト、マイカ、及び硫酸バリウム等を挙げることができる。これらは、各々が単独で用いられるほか、複数種を組み合わせて使用してもよい。
さらに塗料は、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の、一般的に塗料に添加される公知の添加剤を、適宜含むことができる。
本実施形態の塗料から得られる塗膜は、低温下の塗膜形成性に優れ、様々な基材に対し、密着性に優れた良好な塗膜を形成することができる。
なかでも、アルミニウム基材は、250℃以上の高温での焼成中に基材の変形が懸念されるが、本実施形態の塗料は低温塗膜形成が可能であるので、アルミニウム基材に対し、250℃未満、例えば200℃〜230℃程度の焼成で塗膜の硬化を充分に進行させて、耐溶剤性、強度及び密着性に優れた塗膜を形成することができる。したがって、この塗料は、アルミニウム基材への絶縁皮膜形成、保護コートなどの非粘着用途に好ましく用いられる。
なかでも、アルミニウム基材は、250℃以上の高温での焼成中に基材の変形が懸念されるが、本実施形態の塗料は低温塗膜形成が可能であるので、アルミニウム基材に対し、250℃未満、例えば200℃〜230℃程度の焼成で塗膜の硬化を充分に進行させて、耐溶剤性、強度及び密着性に優れた塗膜を形成することができる。したがって、この塗料は、アルミニウム基材への絶縁皮膜形成、保護コートなどの非粘着用途に好ましく用いられる。
塗料の塗装方法は特に限定されず、公知の塗装方法、例えばディッピング塗装、スプレー塗装、及び刷毛塗り等を採用できる。塗装方法に応じて、溶媒の量を適宜調節して、適切な濃度に希釈することが好ましい。
塗料を塗布した後は、乾燥(予備乾燥)及び硬化(焼成)させて塗膜を形成する。乾燥及び硬化の条件は、特に限定されず、使用する基材の耐熱特性に応じ、低温での塗膜形成を行うことができる。例えば、120℃以上250℃未満の範囲で加熱することが好ましく、150℃〜230℃の範囲がより好ましい。
3.ポリアミドイミド樹脂の製造方法
本実施形態のポリアミドイミド樹脂の製造方法は、ジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸ハライドとを、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む溶媒中で反応させる工程を含むことを特徴とする。
使用する原料化合物については、上記ポリアミドイミド樹脂組成物の項において説明したとおりである。
本実施形態のポリアミドイミド樹脂の製造方法は、ジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸ハライドとを、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む溶媒中で反応させる工程を含むことを特徴とする。
使用する原料化合物については、上記ポリアミドイミド樹脂組成物の項において説明したとおりである。
重合溶媒である3−アルキル−2−オキサゾリジノンについても、上記したとおりである。3−アルキル−2−オキサゾリジノンは、ポリアミドイミド樹脂の溶液重合溶媒としても適しており、得られた重合溶液をそのまま塗料等に用いることができる。
3−アルキル−2−オキサゾリジノンを単独で使用してもよいが、その他の極性溶媒と混合して使用してもよい。併用できる重合溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−ホルミルモルフォリン、N−アセチルモルフォリン、N,N′−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルアセトアミド又はN,N−ジメチルホルムアミド、及びγ―ブチロラクトン等が挙げられ、これらの1種以上を適宜併用してもよい。
3−アルキル−2−オキサゾリジノンを単独で使用してもよいが、その他の極性溶媒と混合して使用してもよい。併用できる重合溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−ホルミルモルフォリン、N−アセチルモルフォリン、N,N′−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルアセトアミド又はN,N−ジメチルホルムアミド、及びγ―ブチロラクトン等が挙げられ、これらの1種以上を適宜併用してもよい。
反応温度は、特に限定されず、使用する重合溶媒の沸点に応じて適宜設定すればよい。例えば、3−アルキル−2−オキサゾリジノンとして3−メチル−2−オキサゾリジノンを重合溶媒として用いる場合、70〜140℃の温度で反応させることが好ましい。
重合反応は、空気中の水分の影響を低減するため、窒素等の雰囲気下で行うことが好ましい。
重合反応は、空気中の水分の影響を低減するため、窒素等の雰囲気下で行うことが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂は、例えば次の手順で製造することができる。
(1)酸成分、及びジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分を一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
(2)酸成分と、ジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分の過剰量とを反応させて、末端にイソシアネート基又はアミノ基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、酸成分を追加して末端のイソシアネート基及び/又はアミノ基と反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
(3)酸成分の過剰量と、ジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分を反応させて、末端に酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、ジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分を追加して末端の酸又は酸無水物基と反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
(1)酸成分、及びジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分を一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
(2)酸成分と、ジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分の過剰量とを反応させて、末端にイソシアネート基又はアミノ基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、酸成分を追加して末端のイソシアネート基及び/又はアミノ基と反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
(3)酸成分の過剰量と、ジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分を反応させて、末端に酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、ジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分を追加して末端の酸又は酸無水物基と反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
<実施例1>
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート257.5g(1.03モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.00モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン660gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約4時間かけて80℃まで昇温し、この温度を保持して6時間反応させて、数平均分子量15,200のポリアミドイミド樹脂溶液(固形分濃度:約40質量%)を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート257.5g(1.03モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.00モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン660gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約4時間かけて80℃まで昇温し、この温度を保持して6時間反応させて、数平均分子量15,200のポリアミドイミド樹脂溶液(固形分濃度:約40質量%)を得た。
表1に示したポリアミドイミド樹脂の酸価の測定方法は、上述のとおりである。
また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、次の条件で測定した。
GPC機種:日立 L6000
検出器:日立 L4000型UV
波長:270nm
データ処理機:ATT 8
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5×2
カラムサイズ:8mmφ×300mm
溶媒:DMF/THF=1/1(リットル)+リン酸0.06M+臭化リチウム0.06M
試料濃度:5mg/1ml
注入量:5μl
圧力:49kgf/cm2(4.8×106Pa)
流量:1.0ml/min
また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、次の条件で測定した。
GPC機種:日立 L6000
検出器:日立 L4000型UV
波長:270nm
データ処理機:ATT 8
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5×2
カラムサイズ:8mmφ×300mm
溶媒:DMF/THF=1/1(リットル)+リン酸0.06M+臭化リチウム0.06M
試料濃度:5mg/1ml
注入量:5μl
圧力:49kgf/cm2(4.8×106Pa)
流量:1.0ml/min
<実施例2>
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート250.3g(1.0モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン660gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約4時間かけて90℃まで昇温し、この温度を保持して6時間反応させて、数平均分子量18,200のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート250.3g(1.0モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン660gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約4時間かけて90℃まで昇温し、この温度を保持して6時間反応させて、数平均分子量18,200のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
<実施例3>
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート125.2g(0.5モル)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル132.2g(0.5モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン904gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約2時間かけて130℃まで昇温し、この温度を保持して9時間反応させて、数平均分子量17,800のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート125.2g(0.5モル)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル132.2g(0.5モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン904gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約2時間かけて130℃まで昇温し、この温度を保持して9時間反応させて、数平均分子量17,800のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
<実施例4>
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート125.2g(0.5モル)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル158.6g(0.6モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン904gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約2時間かけて130℃まで昇温し、この温度を保持して9時間反応させて、数平均分子量15,600のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート125.2g(0.5モル)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル158.6g(0.6モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン904gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約2時間かけて130℃まで昇温し、この温度を保持して9時間反応させて、数平均分子量15,600のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
<実施例5>
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート107.6g(0.43モル)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル158.6g(0.6モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン904gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約2時間かけて130℃まで昇温し、この温度を保持して6時間反応させて、数平均分子量15,300のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート107.6g(0.43モル)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル158.6g(0.6モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、及び3−メチル−2−オキサゾリジノン904gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約2時間かけて130℃まで昇温し、この温度を保持して6時間反応させて、数平均分子量15,300のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
<比較例1>
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート257.5g(1.03モル)、無水トリメリット酸192.0g(1.0モル)、及びN−メチル−2−ピロリドン660gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約3時間かけて130℃まで昇温し、この温度を保持して4時間反応させて、数平均分子量18,000のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート257.5g(1.03モル)、無水トリメリット酸192.0g(1.0モル)、及びN−メチル−2−ピロリドン660gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えた2リットルのフラスコに仕込み、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約3時間かけて130℃まで昇温し、この温度を保持して4時間反応させて、数平均分子量18,000のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
<試験塗料の調製>
実施例及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂溶液に、エポキシ樹脂(三井化学(株)製「エポミックR−140」;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエピクロルヒドリンによるジグリシジルエーテル化物)を、溶液中のエポキシ樹脂濃度が5質量%となる量で(すなわち樹脂溶液100質量部に対し約6質量部)添加し、ラボスターラーで3時間攪拌して、実施例及び比較例の各試験塗料を得た。
実施例及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂溶液に、エポキシ樹脂(三井化学(株)製「エポミックR−140」;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエピクロルヒドリンによるジグリシジルエーテル化物)を、溶液中のエポキシ樹脂濃度が5質量%となる量で(すなわち樹脂溶液100質量部に対し約6質量部)添加し、ラボスターラーで3時間攪拌して、実施例及び比較例の各試験塗料を得た。
<密着性>
上記各試験塗料を、基材(アルミニウム板JIS H 4000、厚み1mm、未研摩)に塗布した後、230℃で30分間焼付けて、膜厚約20μmの塗膜板を作製し、初期の密着性を測定した。
密着性は、旧JIS K 5400に準じて測定した(%、クロスカット残率)。すなわち、試験面にカッターナイフを用いて、1×1mm四方の碁盤目の切り傷を入れ、100個の碁盤目を形成した。碁盤目部分にメンディングテープ#810(スリーエム(株)製)を強く圧着させ、テープをゆっくりと引き剥がした後、碁盤目の状態を観察し、100マス中の残マス数を%で示した。剥離試験は5回行って、各回毎にマス目数を数えた。
上記各試験塗料を、基材(アルミニウム板JIS H 4000、厚み1mm、未研摩)に塗布した後、230℃で30分間焼付けて、膜厚約20μmの塗膜板を作製し、初期の密着性を測定した。
密着性は、旧JIS K 5400に準じて測定した(%、クロスカット残率)。すなわち、試験面にカッターナイフを用いて、1×1mm四方の碁盤目の切り傷を入れ、100個の碁盤目を形成した。碁盤目部分にメンディングテープ#810(スリーエム(株)製)を強く圧着させ、テープをゆっくりと引き剥がした後、碁盤目の状態を観察し、100マス中の残マス数を%で示した。剥離試験は5回行って、各回毎にマス目数を数えた。
<硬化性>
ガラス板上に上記各試験塗料を塗布し、150℃/60分、又は230℃/60分の条件でそれぞれ硬化させて、膜厚約15μmの硬化塗膜を作製した。
得られた塗膜を剥離して、10mm×60mmのサイズに切り出し、50℃に加温したN−メチルピロリドン中に1時間浸漬し、塗膜の残存の有無を確認した。塗膜が溶解することなく残存しているものを○、一部又は全部が溶解したものを×と評価した。
ガラス板上に上記各試験塗料を塗布し、150℃/60分、又は230℃/60分の条件でそれぞれ硬化させて、膜厚約15μmの硬化塗膜を作製した。
得られた塗膜を剥離して、10mm×60mmのサイズに切り出し、50℃に加温したN−メチルピロリドン中に1時間浸漬し、塗膜の残存の有無を確認した。塗膜が溶解することなく残存しているものを○、一部又は全部が溶解したものを×と評価した。
<機械的特性>
ガラス板上に上記各試験塗料を塗布し、230℃で30分加熱硬化した後、剥離して、膜厚約20μm、幅10mm、長さ60mmの塗膜を作製した。
引張試験機は、(株)島津製作所製「オートグラフAGS−5kNG」を用い、チャック間長さ20mm、引張速度5mm/分の条件で引張試験を行って、引張強度と伸び率を求めた。
以上の結果を、表1に示す。密着性は、5回の試験で得られた最大値と最小値を示す。
ガラス板上に上記各試験塗料を塗布し、230℃で30分加熱硬化した後、剥離して、膜厚約20μm、幅10mm、長さ60mmの塗膜を作製した。
引張試験機は、(株)島津製作所製「オートグラフAGS−5kNG」を用い、チャック間長さ20mm、引張速度5mm/分の条件で引張試験を行って、引張強度と伸び率を求めた。
以上の結果を、表1に示す。密着性は、5回の試験で得られた最大値と最小値を示す。
表1から、実施例のポリアミドイミド樹脂組成物を用いた塗膜は、比較例の塗膜と比較して、低温での硬化性に優れることがわかる。3−メチル−2−オキサゾリジノンを、アルキル基の炭素数が1〜4である、その他の3−アルキル−2−オキサゾリジノンに変更しても、同様の試験結果を得ることができる。
Claims (5)
- 3−アルキル−2−オキサゾリジノンを40質量%以上含む溶媒、及び該溶媒に溶解又は分散したポリアミドイミド樹脂を含む、ポリアミドイミド樹脂組成物。
- 前記ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が、10,000〜50,000である、請求項1記載のポリアミドイミド樹脂組成物。
- さらにエポキシ樹脂を含む、請求項1又は2記載のポリアミドイミド樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載のポリアミドイミド樹脂組成物を含有する塗料。
- ジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸ハライドとを、3−アルキル−2−オキサゾリジノンを含む溶媒中で反応させる工程を含む、ポリアミドイミド樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015237411A JP2017101197A (ja) | 2015-12-04 | 2015-12-04 | ポリアミドイミド樹脂組成物及び塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015237411A JP2017101197A (ja) | 2015-12-04 | 2015-12-04 | ポリアミドイミド樹脂組成物及び塗料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017101197A true JP2017101197A (ja) | 2017-06-08 |
Family
ID=59016183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015237411A Pending JP2017101197A (ja) | 2015-12-04 | 2015-12-04 | ポリアミドイミド樹脂組成物及び塗料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017101197A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108976376A (zh) * | 2018-08-02 | 2018-12-11 | 简兵 | 一种快速热固化丙烯酸树脂潜伏性固化剂 |
CN110628320A (zh) * | 2019-10-30 | 2019-12-31 | 安徽晟然绝缘材料有限公司 | 小扁线专用聚酰胺酰亚胺漆包线绝缘漆及其制备方法 |
WO2020136827A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 日立化成株式会社 | 電気絶縁樹脂組成物、及び電気絶縁体 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007056440A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-03-08 | Toyobo Co Ltd | ポリアミドイミド繊維およびそれからなる不織布並びにその製造方法 |
JP2014031420A (ja) * | 2012-08-02 | 2014-02-20 | Hitachi Chemical Co Ltd | ポリアミドイミド樹脂の合成方法、ポリアミドイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂組成物 |
WO2014207963A1 (ja) * | 2013-06-26 | 2014-12-31 | 東レ株式会社 | ポリイミド前駆体、ポリイミド、それを用いたフレキシブル基板、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびにフレキシブル表示デバイス |
-
2015
- 2015-12-04 JP JP2015237411A patent/JP2017101197A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007056440A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-03-08 | Toyobo Co Ltd | ポリアミドイミド繊維およびそれからなる不織布並びにその製造方法 |
JP2014031420A (ja) * | 2012-08-02 | 2014-02-20 | Hitachi Chemical Co Ltd | ポリアミドイミド樹脂の合成方法、ポリアミドイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂組成物 |
WO2014207963A1 (ja) * | 2013-06-26 | 2014-12-31 | 東レ株式会社 | ポリイミド前駆体、ポリイミド、それを用いたフレキシブル基板、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびにフレキシブル表示デバイス |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108976376A (zh) * | 2018-08-02 | 2018-12-11 | 简兵 | 一种快速热固化丙烯酸树脂潜伏性固化剂 |
WO2020136827A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 日立化成株式会社 | 電気絶縁樹脂組成物、及び電気絶縁体 |
CN113228202A (zh) * | 2018-12-27 | 2021-08-06 | 昭和电工材料株式会社 | 电绝缘树脂组合物及电绝缘体 |
JPWO2020136827A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2021-11-11 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 電気絶縁樹脂組成物、及び電気絶縁体 |
JP7338643B2 (ja) | 2018-12-27 | 2023-09-05 | 株式会社レゾナック | 電気絶縁樹脂組成物、及び電気絶縁体 |
CN110628320A (zh) * | 2019-10-30 | 2019-12-31 | 安徽晟然绝缘材料有限公司 | 小扁线专用聚酰胺酰亚胺漆包线绝缘漆及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6476764B2 (ja) | 水系耐熱性樹脂組成物及び基材 | |
JP6806230B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂組成物及びフッ素塗料 | |
JP2017101197A (ja) | ポリアミドイミド樹脂組成物及び塗料 | |
JP7363945B2 (ja) | 不織布製造用ポリアミドイミド樹脂組成物 | |
JP6741020B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂組成物及びフッ素塗料 | |
JP5109374B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂溶液とその製造方法、樹脂組成物及び塗料組成物 | |
JP7021084B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂組成物及び塗料 | |
JP2017075206A (ja) | 電着用ポリイミド及びそれを含む電着塗料組成物 | |
JP6915433B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂液及びその製造方法 | |
JP6822416B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂及び塗料 | |
JP2012224703A (ja) | ポリアミドイミド樹脂、その製造方法、熱硬化性樹脂組成物、絶縁塗料及び絶縁電線 | |
JPH09302226A (ja) | ポリアミドイミド樹脂組成物および低温硬化型高密着性耐熱塗料 | |
JP2018053142A (ja) | 潤滑塗料および潤滑被膜 | |
JP6789499B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂及びその利用 | |
JPH0632864A (ja) | 高分子量ポリアミドイミド樹脂の製造法および耐熱性樹脂組成物 | |
JP7107838B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂組成物及び塗料 | |
JP2014240450A (ja) | ポリアミドイミド樹脂 | |
JP7279780B2 (ja) | ポリアミドイミド樹脂組成物及びポリアミドイミド樹脂の製造方法 | |
JP2016017102A (ja) | 耐熱性樹脂組成物 | |
JP2009108290A (ja) | 耐熱性樹脂組成物及び塗料 | |
JP2000103961A (ja) | 耐熱性樹脂組成物、塗料及びアルミニウム基材 | |
JP2012241052A (ja) | 耐熱樹脂組成物及びこれを用いたアルミニウム基材 | |
JP2006348135A (ja) | ポリアミドイミド樹脂組成物及びそれを用いた塗料、摺動部コーティング塗料バインダー | |
JP2003342470A (ja) | 耐熱性樹脂組成物および塗料 | |
JP2003192892A (ja) | 耐熱性樹脂組成物及び塗料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181001 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190712 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190813 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200225 |