JP2017075206A - 電着用ポリイミド及びそれを含む電着塗料組成物 - Google Patents

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【課題】溶剤可溶性のポリイミドを水性混合溶媒に分散した電着ポリイミド塗料組成物において、電着塗料から形成された被膜が折り曲げ加工に対する可とう性を有し、かつ高い膜硬度及び熱軟化温度を有し、加工時での不良となる膜の潰れ、破れ及び衝撃による傷が生じない柔軟性と強度を併せ持つ優れた電着被膜を形成することができる電着用ポリイミドを提供すること。【解決手段】電着用ポリイミドは、2種以上のテトラカルボン酸二無水物と2種以上のジアミンとの重縮合物から成る溶剤可溶性のポリイミドであって、その主鎖中にシロキサン結合及び熱架橋性の三重結合を有し、かつ分子中にアニオン性基を有し、前記三重結合1個当りのポリイミド分子量が1500未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、電着用ポリイミド及びそれを含む電着塗料組成物に関する。本発明の電着用ポリイミド及びそれを含む電着塗料組成物は、電線の絶縁被覆等に有用である。
従来、ポリイミドの電着による塗装方法はポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を溶解した有機極性溶媒に、貧溶媒及び水を添加した水分散系電着液を用いて電着した後、電着膜を240〜260℃に加熱してイミド膜とする方法が知られている(特開昭49−52252号公報、特開昭52−32943号公報、特開昭63−111199号公報)。ポリアミック酸の電着用水分散液は、ポリアミド酸が容易に加水分解するために保存安定性が悪く、更には電着した塗膜は、イミド化するためにある一定以上の高温処理をする必要があり生産性に問題がある。
これを解決するために、特開平9―104839号公報のようにポリアミック酸を直接イミド化させたポリイミドにカルボン酸を導入させることにより保存安定性のよいアニオン型電着ポリイミドが得られる。しかしながら、折り曲げなどの加工を必要とする電線等を被覆することを目的として使用した場合に被電着膜の剥がれや割れが生じやすく、必ずしも満足することができない。
また、各メーカーより電着性能の付与や電着被膜の物性を向上させる目的からポリイミド樹脂とその他樹脂成分との混合樹脂組成物が提案されている。しかし、これらポリイミド樹脂以外の樹脂を導入することにより、高温での成膜プロセス及び加工プロセス、さらには長期高温にさらされる使用環境の観点から必ずしも満足できない。
近年の被覆電線を用いたコイルの占積率増加において、巻線加工時には膜の可とう性、強度がより求められ、さらには巻き線加工後にコイルを樹脂によりモールドするケースがあり、このモールド工程において高温高圧処理がなされるため、樹脂の耐熱軟化特性が求められる。電着塗料を使用した被覆電線が各種提案されているが、これらの工程ではなお課題が大きい。
さらに本出願人の特開2011−256318号公報によれば、アニオン性基を有するポリイミド骨格中にシロキサン結合を導入することにより、被膜が優れた可とう性を持ち、被電着物上での剥がれや割れが生じにくく、かつ耐熱性および保存安定性に優れたサスペンション型のポリイミド電着塗料が得られている。しかしながら、シロキサン構造を導入することにより被膜の弾性率が低下するため、線材用途での加工時に膜の潰れや破れ、そして衝撃による傷が生じ易いといった課題がなお残されていた。
特開昭49−52252号公報 特開昭52−32943号公報 特開昭63−111199号公報 特開平9―104839号公報 特開2000−178481号公報 特開2011−256318号公報
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、溶剤可溶性のポリイミドを水性混合溶媒に分散した電着ポリイミド塗料組成物において、電着塗料から形成された被膜が折り曲げ加工に対する可とう性を有し、かつ高い膜硬度及び熱軟化温度を有し、加工時での不良となる膜の潰れ、破れ及び衝撃による傷が生じない柔軟性と強度を併せ持つ優れた電着被膜を形成することができる電着用ポリイミドおよびそれを含む電着塗料組成物を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、ポリイミド分子の主鎖中にシロキサン結合及び熱架橋性の三重結合を配置し、かつ、熱架橋性の三重結合1個当りのポリイミド分子量を所定の範囲内とした、アニオン性基を持つポリイミドを所定の方法で電着用途に用いることにより、形成された被膜が折り曲げ加工に対する可とう性を有し、かつ高い膜硬度及び熱軟化温度を有し、加工時での不良となる膜の潰れ、破れ及び衝撃による傷が生じない柔軟性と強度を併せ持つ優れた電着被膜を形成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、2種以上のテトラカルボン酸二無水物と2種以上のジアミンとの重縮合物から成る溶剤可溶性のポリイミドであって、その主鎖中にシロキサン結合及び熱架橋性の三重結合を有し、かつ分子中にアニオン性基を有し、前記三重結合1個当りのポリイミド分子量が1500未満である、電着用ポリイミドを提供する。
また、本発明は、上記本発明の電着用ポリイミドから成る微粒子と、塩基性化合物と、アルコール又はケトンと、水溶性極性溶媒と、水とを含み、前記ポリイミド微粒子が分散されている、サスペンジョン型の電着塗料組成物を提供する。
本発明により、電着塗料から形成された被膜が折り曲げ加工に対する可とう性を有し、かつ高い膜硬度及び熱軟化温度を有し、加工時での不良となる膜の潰れ、破れ及び衝撃による傷が生じない柔軟性と強度を併せ持つ優れた電着被膜を形成することができる電着用ポリイミドおよびそれを含む電着塗料組成物が初めて提供された。本発明の電着塗料組成物を用いて電着を行うことにより、ポリイミド本来の高耐熱性、高絶縁性を有するとともに、優れた可とう性、硬度、耐熱軟化性を有する電着被膜を形成することができる。
上記の通り、本発明の電着用ポリイミドは、2種以上のテトラカルボン酸二無水物と2種以上のジアミンとの重縮合物から成る溶剤可溶性のポリイミドである。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの重縮合物とは、テトラカルボン酸二無水物の2つの酸無水物基と、ジアミンの2つのアミノ基がそれぞれ重縮合してそれぞれイミド結合を形成し、ポリイミドとなったものである。また、「溶剤可溶性」とは、使用可能ないずれかの溶媒に室温〜100℃の温度範囲の全範囲において1重量%以上溶解することを言う。
溶剤可溶のポリイミド化合物を得る方法としては、例えば、特開平11−263839号公報や特開2001−261824号公報に記載された方法や米国特許5,502,143号明細書に記載されている。本発明で用いるポリイミドも、上記ジアミン成分及びテトラカルボン酸二無水物を用い、公知の方法を適用して製造することができ、2段階の反応によって得ることもできる。
本発明のポリイミドは、分子の主鎖中に熱架橋性の三重結合を有する。主鎖中に三重結合を有することにより、電着被膜の熱軟化温度及び硬度が高くなり、被電着物との密着性が向上する。
主鎖中三重結合はテトラカルボン酸二無水物成分由来であっても、ジアミン成分由来であってもよいが、好ましくはテトラカルボン酸二無水物成分由来の三重結合であり、エチニル基を有するテトラカルボン酸二無水物が好ましい。なお、エチニル基を有するテトラカルボン酸二無水物は、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において、エチニル基含有テトラカルボン酸二無水物としては、ジアミンとの間でイミド化し得るものであれば特に制限なく使用できるが、例えば、下記一般式(I)で示される4,4'-(1,2-エチニル)ビスフタル酸無水物が好ましい。
Figure 2017075206
ポリイミド分子中の三重結合の数は、三重結合1個当りのポリイミド分子量(重量平均分子量)が1500未満であり、1200未満であることが好ましい。三重結合1個当りのポリイミド分子量が1500以上であると、電着されたポリイミド被膜の熱軟化温度が低くなる。三重結合1個当りのポリイミド分子量の下限は特に限定されないが、通常450以上、好ましくは650以上である。なお、熱架橋性の三重結合1個当りのポリイミドの分子量は、ポリイミドの製造に用いた各テトラカルボン酸二無水物と各ジアミンの各分子量及びそれらの比率並びに製造されたポリイミドの重量平均分子量から算出することができる。
テトラカルボン酸二無水物成分として、上記した三重結合含有テトラカルボン酸二無水物に加え、さらに他のテトラカルボン酸二無水物が含まれていてもよい。このような テトラカルボン酸二無水物としては、ポリイミドの耐熱性、被電着物への密着性、重合度向上のため通常は芳香族テトラカルボン酸二無水物が用いられる。このような、芳香族テトラカルボン酸二無水物の例として、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらの中でもポリイミドの耐熱性、被電着物への密着性、ポリシロキサンジアミンの相溶性、重合速度の観点から3,3',4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物が特に好ましいものとして挙げられる。これら例示のテトラカルボン酸二無水物は、いずれか一種の化合物を単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のポリイミドは、分子の主鎖中にシロキサン結合を有する。ポリイミドが主鎖中にシロキサン結合を有することにより、被膜が優れた可とう性を持ち、被電着物上での剥がれや割れが生じにくくなるという効果がもたらされる。
主鎖中のシロキサン結合はテトラカルボン酸二無水物成分由来のシロキサン結合であっても、ジアミン成分由来のシロキサン結合であってもよいが、好ましくはジアミン成分由来のシロキサン結合であり、通常、ジアミン成分の少なくとも一部に、分子骨格中にシロキサン結合(−Si−O−)を有するジアミン化合物(以下、「シロキサン結合含有ジアミン」と呼ぶことがある。)を用いて得られたポリイミドが使用される。
本発明において、シロキサン結合含有ジアミンとしては、テトラカルボン酸二無水物との間でイミド化し得るものであれば特に制限なく使用できるが、例えば、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、及び一般式[II]:
Figure 2017075206
(式[II]中、R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又は1〜3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表し、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表す)
で表される化合物が挙げられる。当該一般式[II]で表される化合物は、式中nが1又は2の単一化合物、及びポリシロキサンジアミンを包含する。
式[II]中のR1、R2、R3及びR4のそれぞれにおいて、アルキル基、シクロアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく(ただし、シクロアルキル基の場合は炭素数3〜6が好ましい)、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましい。また、1個〜3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基における、1個〜3個のアルキル基若しくはアルコキシル基は、それが2又は3個の場合、互いに同一であっても異なってもよい。また、これらのアルキル基、アルコキシル基は、それぞれ、炭素数が1〜6が好ましく、1〜2がより好ましい。
一般式[II]で表される化合物は、式中のR1、R2、R3及びR4がアルキル基(特にメチル基)又はフェニル基であるのが好ましく、また、式中l及びmが2〜3、nが5〜15にあるポリシロキサンジアミンが好ましい。
なお、ポリシロキサンジアミンの好ましい例としては、ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(式[II]中、l及びmが3、R1、R2、R3及びR4が全てメチル基のもの)、ビス(γ−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン(式[II]中、l及びmが3、R1、R2、R3及びR4が全てフェニル基のもの)が挙げられる。
本発明において、シロキサン結合含有ジアミンはいずれか一種の化合物を単独で使用しても、2種以上を併用して使用してもよい。なお、かかるシロキサン結合含有ジアミンは、市販品を使用してもよく、信越化学工業社、東レ・ダウコーニング社、チッソ社から販売されているものをそのまま使用できる。具体的には、信越化学工業社製のKF−8010(ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン:アミノ基当量約450)、X−22−161A(ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン:アミノ基当量約840)等が挙げられ、これらは特に好ましい。
ジアミン成分として、上記したシロキサン結合含有ジアミン及びジアミノカルボン酸に加え、さらに他のジアミンが含まれていてもよい。このようなジアミンとしては、ポリイミドの耐熱性、被電着物への密着性、重合度向上のため通常は芳香族ジアミンが用いられる。このような芳香族ジアミンの例として、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジアニリン、α,α−ビス(4-アミノフェニル)-1,3-ジイソプロピルベンゼンなどがあげられる。これらの芳香族ジアミンは溶剤可溶性、耐熱性の観点から適宜組み合わせて用いることができる。溶剤可溶性の観点から、分子中にエチレン結合、イソプロピレン結合、エーテル結合、スルホニル結合等の屈曲性の結合を有する芳香族ジアミンを用いることが好ましい。中でも、溶解性の観点から、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼンなどが好ましい。また耐熱性および柔軟性の観点からは、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンが好ましい。これら例示の芳香族ジアミンは、いずれか一種の化合物を単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のポリイミドは、分子中にアニオン性基を有する。本発明において、アニオン性基とは、電着組成物の溶媒(後述)中でアニオンになる基であり、好ましくはカルボキシル基若しくはその塩、及び/又は、スルホン酸基若しくはその塩である。アニオン性基は、シロキサン含有ジアミンやテトラカルボン酸二無水物成分が有していてもよいが、アニオン性基を有するジアミンをジアミン成分の1つとして用いることが好ましい。ポリイミドの耐熱性、被電着物との密着性、重合度向上のために、このようなアニオン性基含有ジアミンは、芳香族ジアミンであることが好ましい。すなわち、芳香族ジアミノカルボン酸及び/又は芳香族ジアミノスルホン酸が好ましい。芳香族ジアミノカルボン酸としては、例えば、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノフェニル酢酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジアミノパラトルイル酸、3,5−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸、1,4−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸等が挙げられ、芳香族ジアミノスルホン酸としては、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、4,4’−ジアミノ−2,2’−スチルベンジスルホン酸、o−トリジンジスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、3,5−ジアミノ安息香酸が特に好ましい。このようなアニオン性基含有芳香族ジアミンは、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。なお、シロキサン結合含有ジアミンがアニオン性基を有している場合には、ジアミン成分は、シロキサン結合含有ジアミンのみであってもかまわない。
全ジアミン成分中、前記シロキサン結合含有ジアミンの割合は1〜90モル%が好ましく、より好ましくは1〜30モル%である。シロキサン結合含有ジアミン単位が1モル%未満の場合、ポリイミドの電着塗膜は伸び率が劣り、十分な可とう性が得られにくくなって、剥がれや割れを生じ易くなるため、好ましくない。また全ジアミン成分中、前記芳香族ジアミノカルボン酸若しくはその塩又は前記芳香族ジアミノスルホン酸若しくはその塩の割合が10〜70モル%であることが好ましい(ただし、シロキサン結合含有ジアミンと芳香族ジアミノカルボン酸又はその塩の合計は100モル%以下であり、また、上記の通り第3のジアミン成分を含んでいてもよい)。
本発明のポリイミドは、水溶性極性溶媒中で、上記したテトラカルボン酸二無水物の2種以上と、上記したジアミンの2種以上とを重縮合反応させることにより製造することができる。重縮合反応には水溶性極性溶媒が用いられ、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(γBL)、及びスルホランから選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、なかでも、NMPが好ましい。かかる水溶性極性溶媒中に、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを、ほぼ等モル(好ましくはモル比で1:0.95〜1.05)加え、触媒存在下で加熱して脱水イミド化反応することにより直接ポリイミド溶液を製造する。触媒は、ラクトンと塩基又はクロトン酸と塩基から成る2成分系の複合触媒である。ラクトンとしてはγ−バレロラクトンが好ましく、塩基としてはピリジン又はN−メチルモルホリンが好ましい。ラクトン又はクロトン酸と塩基の混合比は、1:1〜5(モル当量)好ましくは、1:1〜2である。水が存在すると、酸−塩基の複塩として、触媒作用を示し、イミド化が完了し、水が反応系外に出る(好ましくは、トルエンの存在下で重縮合反応を行い、生成する水はトルエンと共に反応系外に除かれる)と触媒作用を失う。この触媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物に対し通常1/100〜1/5モル、好ましくは1/50〜1/10モルである。上記イミド化反応に供するテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの混合比率(酸/ジアミン)は、上記の通りモル比で1.05〜0.95程度が好ましい。反応温度は、150℃〜220℃が好ましい。また、反応時間は特に限定されず、製造しようとするポリイミドの分子量等により異なるが、通常180〜900分間程度である。また、反応は撹拌下で行うことが好ましい。
水溶性極性溶媒中、上記2成分系の酸触媒の存在下でテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを加熱してイミドオリゴマーを生成させ、次いでこれに酸二無水物又は/及びジアミンを加えて第2段階反応することによりポリイミドを生成することができる。この方法によりアミック酸間で起こる交換反応に起因するランダム共重合化を防止することができる。その結果、ブロック共重合ポリイミドが製造できる。このときの固形分濃度は10〜40重量%が好ましく、より好ましくは20〜30重量%である。ブロック共重合ポリイミドは、用いるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを選択することにより所望の性質を付与することができるので好ましい。
また、樹脂成分として用いられるポリイミドの重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で20,000〜150,000が好ましく、特に30,000〜100,000が好ましい。当該ポリイミドの重量平均分子量が20,000未満の場合、電着塗膜の伸度が低下、および耐熱性が低下する傾向となり、また塗膜表面が荒れてしまい、審美性および耐電圧特性が低下する傾向となる。また、重量平均分子量が150,000より大きくなると、ポリイミド樹脂の溶解性が低下し、かつ塗料作製時において分散が困難になる傾向となる。ここで、ポリイミドの分子量はGPCにより測定される、ポリスチレン換算の分子量であり、例えばGPC装置として東ソー社製HLC−8220(商品名)を、カラムにSCkgel Super−H−RC(商品名)を使用して測定することができる値である。
本発明の電着塗料組成物は、サスペンジョン型電着塗料であり、上記ポリイミドと、塩基性化合物と、アルコール又はケトンと、水溶性極性溶媒を均一に混合溶液化した後、水を配合して分散微細化させたサスペンジョン型の塗料組成物である。本発明の電着塗料組成物とは、部材(被電着物)を、塗料用組成物に浸漬し、該部材(被電着物)を陽極として電流を通じて該部材(被電着物)上にポリイミド塗膜を成長させることが可能な塗料のことをいう。
本発明において、サスペンジョン型の電着塗料とは、レーザードップラー法(動的・電気泳動光散乱法)により塗料中の分散粒子の粒径・粒度分布を測定したときに、ポリイミド粒子の粒径が0.05μm以上の析出粒子(固形粒子)として観測されるサスペンジョンを形成していることを意味する。
本発明では、好ましくは、以下の手順でサスペンジョン型の電着塗料組成物を調製することができる。
先ず、室温下にて、前述の重合で得られたポリイミドと水溶性極性溶剤を含む溶液に、必要に応じてさらに水溶性極性溶剤を加えて、希釈する。水溶性極性溶媒の添加量は、最終の電着組成物中の水溶性極性溶剤の含有比率が好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは30〜55重量%となる量である。次にポリイミド分子中のアニオン性基を塩として存在させるための中和工程を行う。中和剤としての塩基性化合物と、ポリイミド溶解性調整剤としてのアルコール又はケトンを加え、混合することでポリイミドの塗料組成物の中間体が得られる。このときの中間体電着液組成物は溶液状であり、ポリイミドの濃度は5〜25重量%である。
塩基性化合物と、アルコール又はケトンの配合順序は特に限定されず、塩基性化合物、アルコールの順序でも、アルコール又はケトン、塩基性化合物の順序でも、同時に投入してもよいが、溶液の均一化の観点から、塩基性化合物を添加後、アルコールを投入する順序が好ましい。また、塩基性化合物及びアルコール又はケトンの配合は、通常、攪拌下に行なわれ、この際の攪拌は一般的な各種タイプの攪拌装置にて行うことができる。
本発明において、塩基性化合物は、ポリイミドの分子中のアニオン性基を中和し得るものであれば特に制限なく使用できるが、塩基性含窒素化合物が好ましく、例えば、N,N−ジメチルアミノエタノール、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−ジメチルベンジルアミン、アンモニア等の第1級アミン、第2級アミン又は第3級アミンが挙げられる。また、ピロール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール等の含窒素五員複素環化合物やピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等の含窒素六員複素環化合物等の含窒素複素環式化合物が挙げられる。これらの中でも毒性の観点から、含窒素複素環化合物が好ましく、特にピペリジンが好ましい。
本発明において、塩基性化合物の使用量(中和率)はポリイミドの分子中のアニオン性基の理論量に対して50〜200モル%が好ましく、より好ましくは70〜150モル%であり、さらに好ましくは120モル%〜150モル%である。塩基性化合物の使用量が50モル%未満であると、水とを混合しポリイミドを粒子とする分散工程において、ポリイミドの粒子が非常に硬くなり、分散できないものとなることがある。また200モル%を超えるとポリイミドの溶解性が増し、分散工程にてポリイミドが一部またはすべて溶解するため、安定したサスペンション型の塗料組成物が得られないことがある。また、120モル%〜150モル%の場合には、保存中に沈殿が生じにくく、特に好ましい。
本発明において、上記アルコール又はケトンは、例えば、フェニル基、フルフリル基、若しくはナフチル基を有するアルコール又はケトン類が挙げられ、具体的には、アセトフェノン、ベンジルアルコール、4−メチルベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、フェノキシ−2−エタノール、シンナミルアルコール、フルフリルアルコール、ナフチルカルビノール等が挙げられる。また、脂肪族アルコール系溶媒は毒性が低い点で好ましく、エーテル基を有する脂肪族アルコール系溶媒が特に好ましい。脂肪族アルコール系溶媒としては、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール類、プロピレングリコール類が挙げられる。エチレングリコール類、プロピレングリコール類の具体例としては、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらアルコールは1種又は2種以上を使用できる。
前記アルコール又はケトンの配合量は、後述の希釈工程においてポリイミドを微細粒子に析出させる観点から決定され、塗料組成物全量に対して、10〜50重量%、さらには10〜40重量%が好ましく、より好ましくは10〜35重量%である。アルコール又はケトン配合量が10重量%未満であると電着塗料組成物においてポリイミド粒子の溶解性が増し、安定したサスペンション型の塗料組成物とならないことがある。また50重量%を超えると、水とを混合しポリイミドを粒子とする分散工程において、ポリイミドの粒子が非常に硬くなり、分散できないものとなることがある。
次に、このようにして中和処理されたポリイミドの溶液に対して、攪拌下に水を投入して、ポリイミドを析出させて、サスペンション型塗料を調製する。この際の水の総投入量は全塗料組成物に対して10〜40重量%であることが好ましい。
水の投入は、ブロック共重合ポリイミドが析出し得る量よりも少ない量の水を攪拌下に投入する第1混合工程と、該第1混合工程の後に、さらに攪拌下に水を投入して、ポリイミドを析出させる第2混合工程かつ分散工程とに分けて行うことが好ましい。
かかる水投入工程における攪拌は、例えば、タービン型攪拌機、コロイドミル、ホモミキサー(ホモジナイザー)、ディスパー攪拌機、可動式の攪拌装置を備えたラインミキサー、非可動式のライン式の混合機(スタティックミキサー、商品名、株式会社ノリタケ製)、高圧ホモジナイザー、自転・公転式ミキサー等の公知の攪拌装置により行なうことができる。
サスペンジョン型電着塗料組成物中のポリイミドの平均粒子径は、0.1〜2μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2μmである。ポリイミド粒子径の制御は、水溶性極性溶媒の配合比率もしくは中和率の制御により行うことができる。すなわち、水溶性極性溶媒の配合比率を多くするもしくは中和率を上げると平均粒子径を小さくすることができ、水溶性極性溶媒の配合比率を少なくするもしくは中和率を下げることにより平均粒子径を大きくすることができる。
サスペンジョン型電着塗料組成物の固形分濃度は1〜15重量%が好ましく、より好ましくは5〜10重量%である。
本発明の電着塗料組成物を用いた電着自体は、周知の方法と同様に行うことができ、部材(被電着物)を、塗料用組成物に浸漬し、該部材(被電着物)を陽極として電流を通じて該部材(被電着物)上にポリイミド塗膜を成長させることにより行うことができる。電着の条件も従来方法と同様であってよく、例えば、通電可能な被電着物を用いて陽極に被電着物を接続し。陰極に導体に接続する。その後電着塗料組成物を容器に満たして陽極である被電着物と陰極を接続した導体を浸漬させる。被電着物は被覆したいところまで電着塗料組成物に浸漬させる。その後通電させ析出させたい被膜厚さになるまで通電させる。通電後、被電着物を電着塗料組成物から取り出し電極から取り外す。以上の操作により被電着物にポリイミド電着塗膜が形成される。そして被電着物を乾燥させることによりポリイミド被膜を形成する。
本発明の電着塗料用組成物がその表面に電着される部材(被電着物)の材質は、特に限定されないが、導電性の点から、銅、銅合金、銅クラッドアルミニウム、アルミニウム、亜鉛メッキ鉄、銀、金、ニッケル、チタン、タングステン等が挙げられ、中でも、銀または銅が好ましい。また、絶縁製品であっても表面にメッキのように導電加工を施したものであるものならば本発明の電着塗料用組成物による電着膜を形成することができる。
本発明の電着塗料組成物を使用して、電着によって形成された塗膜は、加熱乾燥(焼付け)することが好ましい。焼付けは70〜110℃で10〜60分の第一段階の焼付け処理を行った後、160〜180℃で10〜60分の第二段階の焼付け処理を行い、さらに200〜220℃で30〜60分の第三段階の焼付け処理を行うのが好ましい。このような3段階の焼付け処理を行うことで、被電着物(被塗膜製品)に対して高い密着力で密着した十分に乾燥されたポリイミドの被膜を形成することが出来る。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性評価は次にようにして行った。
(1) 電着塗料組成物のポリイミド粒子の平均粒子径
得られた電着塗料組成物を電気泳動法光散乱法(レーザードップラー法)での粒径分析装置ELS−Z2(大塚電子株式会社製)を用いて測定し、測定結果をキュムラント解析法にて解析した。
(2) 熱軟化温度
試験はJISC3003「11.2」B法にて短絡した温度を測定した。試料はφ1mm、長さ30cmの銅線を電着し、乾燥は80℃で5分間後、220℃で30分間行い、得られた試料の被膜厚みは19〜24μmとなった。このときの皮膜厚さの測定方法はあらかじめ銅線の外径(D1)を測定し、被覆後の外径(D2)を測定して、次の計算で算出する。皮膜厚さ(μm)=(D2−D1)/2
(3) 表面硬度
試験はJIS5600 4-4のひっかき硬度試験にて測定した。試料は厚さ1mmの銅板を電着し、乾燥は80℃で5分間後、220℃で30分間行い、得られた試料の被膜厚みは19〜24μmとなった。
(4) クロスカット密着性
密着性の確認はJISK5600クロスカット法にて行った。測定する碁盤目(分母)を100個とし、はがれなかった枡を分子として評価した。使用した試料は前記表面硬度のものと同じ方法で被膜を形成したのち、さらに250℃の高温にて2時間処理したものを使用した。
(5) 折り曲げ性(割れ、およびしわ)
試験用の試料は幅10mm、厚さ0.5mm、長さ300mm平角銅線に40〜50μmの厚膜を形成し、さらに250℃にて2時間の高温処理を行うことで、その耐熱性能を確認した。高温処理後、この平角銅線を厚さ方向に曲げR1mmにて180°折り曲げて、その外周部にて割れ、内周部にしわが生じないかを目視にて確認した。
実施例1
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル酸二無水物(以下ODPAと略称する)40.33g(130ミリモル)、ジアミノシロキサン化合物KF−8010(信越化学工業社製)(アミノ基当量422。以下KF−8010と略称する)54.86g(65ミリモル)、γ−バレロラクトン7.83g(78ミリモル)、ピリジン12.38g(157ミリモル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略称する)504.6gを仕込む。室温、窒素雰囲気下、200rpmで30分間撹拌した後、180℃に昇温して2時間撹拌した。反応中、水を除いた。
ついで、冷却し2段目に3,5−ジアミノ安息香酸(以下3,5−DABAと略称する)39.56g(260ミリモル)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下BAPPと略称する)53.37g(130ミリモル)、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(以下BisanilineMと略称する)111.96g(325ミリモル)、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(以下BTAと略称する)32.26g(130ミリモル)、4,4’−(1,2−エチニル)ビスフタル酸無水物(以下EBPAと略称する)124.90g(392.5ミリモル)、ODPA40.33g(130ミリモル)、NMP590.6gを加え、180℃、200rpmで撹拌し、水等の還流物を系外に除きながら7時間反応させた。
ついで、冷却しNMP312.9gを加え希釈することにより樹脂濃度25重量%のポリイミド溶液を得た。
このようにして得られたポリイミドの分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(東ソー社製)により測定したところ、スチレン換算分子量は重量平均分子量(Mw)57,000であった。
得られたポリイミド溶液1000gをステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコにいれ、NMP580g、ピペリジン17.7g(中和率150%)を投入し室温で30分攪拌した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下メトキシプロパノールと略称する)747gをポリイミドワニスが白濁し沈殿しないように滴下した。さらに室温で1時間攪拌するにより2344gのポリイミド電着液中間体を得た。この中間液の樹脂濃度は10.7重量%であった。
得られたポリイミド電着液中間体を分散機でポリイミド電着液中間体と水を4:1の割合で混合し、分散させることにより、樹脂濃度8.5重量%のサスペンション型のポリイミド電着塗料組成物を調製した。このとき分散しているポリイミド樹脂の平均粒子径は0.75μmであった。
以上方法で作製したポリイミド電着塗料組成物を上記の方法に従い評価したところ、被膜の表面硬度は7H、熱軟化温度は500℃を超えていた。密着試験は100/100、折り曲げテストにて割れ、しわ、ともに発生しなかった。また、電着塗料組成物の冷蔵保存1週間後において、目視にて沈殿は見られず、良好な結果が得られた。
実施例2
ポリイミド溶液は実施例1で得られたものを使用した。このポリイミド溶液1000gをステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコにいれ、NMP531g、ピペリジン12.0g(中和率100%)を投入し室温で30分攪拌した。その後、メトキシプロパノール716gをポリイミドワニスが白濁し沈殿しないように滴下した。さらに室温で1時間攪拌するにより2259gのポリイミド電着液中間体を得た。この中間液の樹脂濃度は11.3重量%であった。
得られたポリイミド電着液中間体を高速分散機を用いてポリイミド電着液中間体と水を4:1の割合で混合し、分散させることにより、樹脂濃度10重量%のサスペンション型のポリイミド電着塗料組成物を調製した。このとき分散しているポリイミド樹脂の平均粒子径は0.89μmであった。
以上の方法で作製したポリイミド電着塗料組成物を上記の方法に従い評価したところ、被膜の表面硬度は7H、熱軟化温度は500℃を超えていた。密着試験は100/100、折り曲げテストにて割れ、しわ、ともに発生しなかった。また、電着塗料組成物の冷蔵保存1週間後において、目視にて沈殿の発生が確認された。
比較例1
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。BPDA38.25g(130ミリモル)、KF−8010(アミノ基当量422)54.86g(65ミリモル)、γ−バレロラクトン7.83g(78ミリモル)、ピリジン12.38g(157ミリモル)、NMP362gを仕込む。室温、窒素雰囲気下、200rpmで30分間撹拌した後、180℃に昇温して2時間撹拌した。反応中、水を除いた。
ついで、冷却し2段目に3,5−DABA39.56g(260ミリモル)、BAPP80.05g(195ミリモル)、BisanilineM89.57g(260ミリモル)、BTA64.53g(260ミリモル)、EBPA82.74g(260ミリモル)、ODPA41.09g(132.4ミリモル)、NMP717gを加え、180℃、200rpmで撹拌し、水等の還流物を系外に除きながら4時間反応させた。
ついで、冷却しNMP308gを加え希釈することにより樹脂濃度25重量%のポリイミド溶液を得た。
このようにして得られたポリイミドの分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(東ソー社製)により測定したところ、スチレン換算分子量は重量平均分子量(Mw)49,000であった。
得られたポリイミド溶液1000gをステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコにいれ、NMP335g、ピペリジン14.91g(中和率125%)を投入し室温で30分攪拌した。その後、メトキシプロパノール611gをポリイミドワニスが白濁し沈殿しないように滴下した。さらに室温で1時間攪拌するにより1961gのポリイミド電着液中間体を得た。この中間液の樹脂濃度は12.5重量%であった。
得られたポリイミド電着液中間体を分散機を用いてポリイミド電着液中間体と水を4:1の割合で混合し、分散させることにより、樹脂濃度10重量%のサスペンション型のポリイミド電着塗料組成物を調製した。このとき平均粒子径については、分散処理後の再凝集が生じたため測定できなかった。
得られたポリイミド電着塗料組成物を上記の方法に従い評価したところ、被膜の表面硬度は7H、熱軟化温度は453℃であった。密着試験は100/100、折り曲げテストにて割れ、しわ、ともに発生しなかった。また、電着塗料組成物の冷蔵保存1週間後において、目視にて沈殿の発生が確認された。
比較例2
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。BPDA38.25g(130ミリモル)、KF−8010(アミノ基当量422)54.86g(65ミリモル)、γ−バレロラクトン7.83g(78ミリモル)、ピリジン12.38g(157ミリモル)、NMP362gを仕込む。室温、窒素雰囲気下、200rpmで30分間撹拌した後、180℃に昇温して2時間撹拌した。反応中、水を除いた。
ついで、冷却し2段目に3,5−DABA39.56g(260ミリモル)、BAPP80.05g(195ミリモル)、BisanilineM89.57g(260ミリモル)、BTA64.53g(260ミリモル)、EBPA41.37g(130ミリモル)、ODPA81.42g(262.4ミリモル)、NMP715gを加え、180℃、200rpmで撹拌し、水等の還流物を系外に除きながら4時間反応させた。
ついで、冷却しNMP307gを加え希釈することにより樹脂濃度25重量%のポリイミド溶液を得た。
このようにして得られたポリイミドの分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(東ソー社製)により測定したところ、スチレン換算分子量で重量平均分子量(Mw)が54,000であった。
得られたポリイミド溶液1000gをステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコにいれ、NMP651g、ピペリジン18.13g(中和率125%)を投入し室温で30分攪拌した。その後、メトキシプロパノール759gをポリイミドワニスが白濁し沈殿しないように滴下した。さらに室温で1時間攪拌するにより2428gのポリイミド電着液中間体を得た。この中間液の樹脂濃度は12.5重量%であった。
得られたポリイミド電着液中間体を分散機を用いてポリイミド電着液中間体と水を7:3の割合で混合し、分散させることにより、樹脂濃度9重量%のサスペンション型のポリイミド電着塗料組成物を調製した。このとき分散しているポリイミド樹脂の平均粒子径は0.33μmであった。
得られたポリイミド電着塗料組成物を上記の方法に従い評価したところ、被膜の表面硬度は7H、熱軟化温度は367℃であった。密着試験は100/100、折り曲げテストにて割れの発生は見られなかったが、しわが発生する結果となった。また、電着塗料組成物の冷蔵保存1週間後において、目視にて沈殿の発生は確認されなかった。
比較例3
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。BPDA38.25g(130ミリモル)、KF−8010(アミノ基当量422)54.86g(65ミリモル)、γ−バレロラクトン7.83g(78ミリモル)、ピリジン12.38g(157ミリモル)、NMP353.7gを仕込む。室温、窒素雰囲気下、200rpmで30分間撹拌した後、180℃に昇温して2時間撹拌した。反応中、水を除いた。
ついで、冷却し2段目に3,5−DABA49.45g(325ミリモル)、BAPP80.05g(195ミリモル)、BisanilineM67.18g(195ミリモル)、BTA32.26g(130ミリモル)、ODPA162.06g(522.4ミリモル)、NMP710.1gを加え、180℃、200rpmで撹拌し、水等の還流物を系外に除きながら6時間反応させた。
ついで、冷却しNMP304gを加え希釈することにより樹脂濃度25重量%のポリイミド溶液を得た。
このようにして得られたポリイミドの分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(東ソー社製)により測定したところ、スチレン換算分子量で重量平均分子量(Mw)が53,000であった。
得られたポリイミドワニス1000gをステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコにいれ、NMP360g、ピペリジン15.17g(中和率100%)を投入し室温で30分攪拌した。その後、メトキシプロパノール625gをポリイミドワニスが白濁し沈殿しないように滴下した。さらに室温で1時間攪拌するにより2000gのポリイミド電着液中間体を得た。この中間液の樹脂濃度は12.5重量%であった。
得られたポリイミド電着液中間体を分散機を用いてポリイミド電着液中間体と水を4:1の割合で混合し、分散させることにより、樹脂濃度10重量%のサスペンション型のポリイミド電着塗料組成物を調製した。このとき分散しているポリイミド樹脂の平均粒子径は0.30μmであった。
得られたポリイミド電着塗料組成物を上記の方法に従い評価したところ、被膜の表面硬度は6H、熱軟化温度は295℃であった。密着試験は83/100、折り曲げテストにて割れ、しわが、ともに発生する結果となった。また、電着塗料組成物の冷蔵保存1週間後において、目視にて沈殿の発生が確認された。
比較例4
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。BPDA58.84g(200ミリモル)、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン43.25g(100ミリモル)、γ−バレロラクトン4.00g(40ミリモル)、ピリジン6.3g(80ミリモル)、NMP342.8gを仕込んだ。室温、窒素雰囲気下、200rpmで30分間撹拌した後、180℃に昇温して2時間撹拌した。反応中、水を除いた。
ついで、冷却し2段目に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物64.45g(200ミリモル)、KF−8010を85.98g(100ミリモル)、3,5−DABA30.43g(200ミリモル)、NMP464gおよびトルエン50gを加え、180℃、200rpmで撹拌し、水等の還流物を系外に除きながら8時間反応させた。
ついで、冷却しNMP269gを加え希釈することにより樹脂濃度20重量%のポリイミド溶液を得た。
このようにして得られたポリイミドの分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(東ソー社製)により測定したところ、スチレン換算分子量で重量平均分子量(Mw)が68,000であった。
得られたポリイミドワニス1000gをステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた2リットルのセパラブル3つ口フラスコにいれ、窒素雰囲気化160℃で1時間撹拌し、その後、40℃まで冷却し、NMP343g、ピペリジン12.5g(中和率100%)を投入し室温で30分攪拌した。その後、メトキシプロパノール311gをポリイドワニスが白濁し沈殿しないように滴下した。さらに室温で1時間攪拌するにより1667gのポリイミド電着液中間体を得た。この中間液の樹脂濃度は12.0重量%であった。
得られたポリイミド電着液中間体を分散機を用いてポリイミド電着液中間体と水を3:1の割合で混合し、分散させることにより、樹脂濃度9重量%のサスペンション型のポリイミド電着塗料組成物を調製した。このとき分散しているポリイミド樹脂の平均粒子径は0.85μmであった。
得られたポリイミド電着塗料組成物を上記の方法に従い評価したところ、被膜の表面硬度は2Bと非常に柔らかいものとなった。熱軟化温度は500℃を超えていた。密着試験は63/100、折り曲げテストにて割れ、しわが、ともに発生する結果となった。また、電着塗料組成物の冷蔵保存1週間後において、目視にて沈殿の発生が確認された。
実施例1及び2並びに比較例1〜4で作製した電着液で作製した電着皮膜の評価結果を下表1に示す。
Figure 2017075206
従来の三重結合の無い比較例4に対して、比較例3ではポリイミドを構成する原料全重量に対して、シロキサン結合を含有する原料配合比率を下げたものとなっているが、被膜の硬度に関しては大きく改善しているものの熱軟化温度が大幅に低下する結果となっている。これに対し、分子骨格に三重結合を導入し、その導入量が増加し三重結合1モルあたりのポリイミド分子量が減少するに従い、熱軟化温度が上昇する結果が得られた。また折り曲げ性能およびクロスカットテストにより、被膜の柔軟性、密着性を確保し、かつ表面硬度の向上、耐熱軟化性能が向上する結果が得られた。そして加工後の碁盤目テスト折り曲げテストでも特性は維持できている。実施例1及び2に対し、比較例1〜3は三重結合の導入量が少なかった又は三重結合がなかったため、熱軟化温度が低い結果となった。
この熱硬化型三重結合を分子骨格に含有するポリイミドの電着塗料組成物を用いることにより従来よりも高い膜硬度と高い熱軟化性を両立させた電着ポリイミド被膜を製作することができた。これにより曲げ加工時に絶縁層の剥がれや割れが生じ難い、優れた加工耐性を有する絶縁被膜を得ることができる。したがって、本発明のポリイミド及びその電着塗料組成物は、幅広いプロセス条件の自動車部品、家電製品、電気及び電子材料、建材、プリント基板用銅配線工程で好適に利用することができる。

Claims (15)

  1. 2種以上のテトラカルボン酸二無水物と2種以上のジアミンとの重縮合物から成る溶剤可溶性のポリイミドであって、その主鎖中にシロキサン結合及び熱架橋性の三重結合を有し、かつ分子中にアニオン性基を有し、前記三重結合1個当りのポリイミド分子量が1500未満である、電着用ポリイミド。
  2. 前記三重結合がエチニル基である請求項1記載の電着用ポリイミド。
  3. 前記三重結合が、前記テトラカルボン酸二無水物の少なくともいずれかに含まれる、請求項1又は2記載の電着用ポリイミド。
  4. 前記エチニル基を有するテトラカルボン酸二無水物が、下記式[I]で示される4,4'-(1,2-エチニル)ビスフタル酸無水物である請求項3に記載の電着用ポリイミド。
    Figure 2017075206
  5. 前記シロキサン結合が、前記ジアミンの少なくともいずれかに含まれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の電着用ポリイミド。
  6. 前記シロキサン結合を有するジアミンが、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、及び下記の一般式[II]で表される化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項5記載の電着用ポリイミド。
    Figure 2017075206
    (式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又は1〜3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表し、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表す)。
  7. 前記アニオン性基が、カルボキシル基もしくはその塩、及び/または、スルホン酸基もしくはその塩である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電着用ポリイミド。
  8. 前記ポリイミドはブロック共重合ポリイミドであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5万〜10万である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電着用ポリイミド。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電着用ポリイミドから成る微粒子と、塩基性化合物と、アルコール又はケトンと、水溶性極性溶媒と、水とを含み、前記ポリイミド微粒子が分散されている、サスペンジョン型の電着塗料組成物。
  10. 前記塩基性化合物が塩基性含窒素化合物である請求項9に記載の電着塗料組成物。
  11. 前記塩基性含窒素化合物が含窒素複素環式化合物である請求項10に記載の電着塗料組成物。
  12. 前記アルコールがアルコキシ置換脂肪族アルコールである請求項9〜11のいずれか1項に記載の電着塗料組成物。
  13. 前記水溶性極性溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(γBL)、及びスルホランから選ばれる1種又は2種以上である請求項9〜12のいずれか1項に記載の電着塗料組成物。
  14. 前記塩基性化合物の含有比率がポリイミドの分子中ある酸基の中和に必要な量の50〜200モル%であり、前記アルコール又はケトンの含有比率が全塗料組成物に対して10〜40重量%であり、前記水溶性極性溶媒の含有比率が全塗料組成物に対して20〜60重量%であり、水の含有比率が全塗料組成物に対して10〜40重量%である請求項9〜13のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  15. 分散された前記ポリイミド粒子の平均粒子径が0.1〜2μmである、請求項9〜14いずれか1項に記載の塗料組成物。
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