JP2017094642A - 熱転写方式のプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】インクリボンと用紙の少なくとも一方がプリンタの仕様に適していない場合であっても、インクリボンの用紙からの剥離不良を低減する。【解決手段】熱転写方式のプリンタは、インクリボンカセットがプリンタの仕様に適するかを判定するカセット判定手段と用紙トレイに収容された用紙がプリンタの仕様に適するかを判定する用紙判定手段の少なくとも一方と、インクリボンカセットと用紙の少なくとも一方がプリンタの仕様に適すると判定されなかった場合には、複数のインクとオーバーコートの少なくとも1つを転写する前に、印刷動作を一時停止する制御手段と、を有する。【選択図】図6A

Description

本発明は、サーマルヘッドを用いる熱転写方式のプリンタに関する。
熱転写方式のプリンタは、サーマルヘッドとプラテンローラにより用紙とインクリボンを圧接し、サーマルヘッド上の発熱体を発熱させてインクリボンのインク(染料)オーバーコート材を昇華させて用紙に転写することにより、画像を印刷する。熱転写方式のプリンタには、インクリボンが収容されたインクリボンカセットを着脱可能な構成を有し、インクリボンの残量が無くなった場合にはインクリボンカセットを交換することにより、印刷を継続できるものがある。このようなプリンタでの印刷に用いるインクリボンカセットや用紙は、プリンタに適しているものであることが好ましい。この理由は次のとおりである。熱転写方式のプリンタでは、サーマルヘッドとプラテンローラによりインクリボンと用紙を圧接し熱をかける。このため、インクリボンや用紙がプリンタに適していないと、インクリボンが用紙に貼り付いて用紙から正常に剥離できなくなり、インクリボンや用紙を正常に搬送できなくなるおそれがある。また、インクリボンと用紙が完全に張り付いてしまった場合は、インクリボンおよび用紙を排出できなくなり、プリンタが故障してしまうことも考えられる。
特開2007−199478号公報
特許文献1には、プリンタ本体の破損などを防止するため、レーザー方式のプリンタにおいて、トナーコンテナの識別情報とあらかじめ定められた識別情報とが一致しない場合に、使用者に対して繰り返し注意を喚起する構成が開示されている。しかしながら、使用者によっては、トナーコンテナの識別情報とあらかじめ定められた識別情報とが一致しない場合であっても印刷を行いたいと考えることがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、インクリボンカセットと用紙の少なくとも一方が判別できず、プリンタで適切な処理を施せるか不明な場合においても、印刷可能な構成とし、かつ、インクリボンや用紙の搬送異常の発生を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、インクリボンに設けられる複数の色のインクとオーバーコートとをサーマルヘッドによって順次に用紙に転写して画像を印刷するプリンタであって、前記プリンタにセットされた前記インクリボンの仕様を判定するためのインク判定手段と、前記プリンタにセットされた前記用紙の仕様を判定するための用紙判定手段とのうちの、少なくとも1つと、前記インク判定手段により前記インクリボンの仕様を判定できない場合、または、前記用紙判定手段により用紙の仕様を判定できない場合を判定できない場合に、前記サーマルヘッドによる転写が開始された後であって、前記複数のインクまたは前記オーバーコートの少なくとも1つの種類のインクを転写する前に、印刷動作を一時停止する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、プリンタで判別できないインクリボンカセットまたは用紙を使用した場合において印刷することができる。また印刷動作中に印刷を一時停止することで、使用者がプリンタの異常にすぐに気付くことができるため、インクリボンや用紙の搬送異常の発生を抑制し、プリンタに致命的な故障が発生する可能性を小さくできる。
プリンタの全体の構成例を示す斜視図である。 インクリボンカセットおよびインクリボンの構成例を示す図である。 用紙トレイおよび用紙の構成例を示す図である。 プリンタの構成例を示すブロック図である。 プリンタの動作を示す断面図である。 プリンタの動作を示す断面図である。 プリンタの動作を示す断面図である。 プリンタの動作を示す断面図である。 プリンタの動作を示す断面図である。 プリンタの動作を示す断面図である。 プリンタの動作の例を示すフローチャートである。 通常印刷処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態の識別不可インク/用紙用印刷処理を示すフローチャートである。 警告画面の例を示す図である。 第2の実施形態の識別不可インク/用紙用印刷処理を示すフローチャートである。
(各実施形態に共通する構成)
まず、本発明の各実施形態に共通する構成について説明する。熱転写方式のプリンタの本体と、この熱転写方式のプリンタに着脱可能なインクリボンカセットおよび用紙トレイは、各実施形態で共通のハードウェア構成が適用できる。図1は、本発明の各実施形態に係る熱転写方式のプリンタの全体の構成例と、この熱転写方式のプリンタに着脱可能なインクリボンカセットおよび用紙トレイの構成例を、模式的に示す斜視図である。なお、各実施形態の説明において、熱転写方式のプリンタを、単に「プリンタ」と称する。
図1において、100は各実施形態に係るプリンタであり、200はインクリボンカセットであり、300は用紙トレイである。プリンタ100の筐体には、インクリボンカセット200を着脱可能に装着するためのカセット装着部101が設けられる。インクリボンカセット200は、プリンタ100の筐体の側面から矢印Aの方向に挿抜することにより、カセット装着部101に着脱可能である。プリンタ100の筐体には、用紙トレイ300を着脱可能に装着するためのトレイ装着部102が設けられる。用紙トレイ300は、プリンタ100の筐体の前面から矢印Bの方向に挿抜することにより、カセット装着部101に着脱可能である。103は表示部であり、104は操作部である。表示部103と操作部104とは、プリンタ100の筐体の天面に設けられる。表示部103は、LCD等の表示部を有しており、印刷する画像や画像処理情報やプリンタ100を操作するための操作メニューなどを表示する。操作部104には、十字キーや押しボタンなど、各種操作部材が設けられる。使用者は、操作部104に設けられる操作部材を操作することにより、画像を選択し、適宜画像の加工を行い印刷することができる。
インクリボンカセット200の天面には、インクリボンIDチップ201が設けられている。インクリボンIDチップ201には、インクリボンカセット200に関する情報が、コンピュータ読取り可能に格納されている。例えば、インクリボンカセット200の識別情報や、インクリボン204の仕様などの情報が格納されている。インクリボンカセット200がプリンタ100のカセット装着部101に装着された状態では、後述するメインコントローラ110は、インクリボンカセット検知センサ142を介して、インクリボンカセット200に関する情報の読取りと書込みができる。例えば、メインコントローラ110は、インクリボンカセット検知センサ142によって、インクリボンIDチップ201に格納されるインクリボンカセット200のカセットIDなどといった識別情報を読取ることができる。また、インクリボンIDチップ201に、インクリボン204に設けられる転写材層222(後述)の残量(残数)などを書き込むことができる。なお、インクリボンIDチップ201は、非接触のICチップが適用される構成が好ましいが、この構成に限定されない。インクリボンカセット200に関する情報が格納される媒体としては、バーコードなどの一次元コードやQRコード(「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標)などの二次元コードなどといった、印刷物であっても良い。また、インクリボンカセット200に関する情報を書込むことができる媒体も、非接触のICチップに限定されない。
図2(a)は、インクリボンカセット200の断面図である。204はインクリボンであり、205は供給ボビンであり、206は巻き取りボビンである。インクリボンカセット200は、供給ボビン収容部207と巻取りボビン収容部208を有している。供給ボビン収容部207には、インクリボン204を供給する供給ボビン205が収容される。供給ボビン205には、印刷に使用されていない未使用のインクリボン204があらかじめ巻かれている。巻取りボビン収容部208には、インクリボン204を巻取る巻取りボビン206が収容される。供給ボビン205と巻取りボビン206は所定の間隔をもって配置されており、それぞれ回転自在に保持される。
図2(b)は、インクリボン204の構成例を示す模式図である。インクリボン204は、フィルム層226と、イエローのインク層222Yと、マゼンタのインク層222Mと、シアンのインク層222Cと、オーバーコート層222Oとを有する。フィルム層226は、巻取りボビン206による巻取り方向、すなわち、インクリボン204の搬送方向に長い長尺のフィルムである。そして、フィルム層226の表面には、イエローのインク層222Yと、マゼンタのインク層222Mと、シアンのインク層222Cと、オーバーコート層222Oとが、前記記載の順序で長手方向に周期的に配列される。このように、インクリボン204には、複数の色のインク層222Y,222M,222Cとオーバーコート層222Oとが、長手方向に順次並ぶように設けられる。説明の便宜上、イエローのインク層222Yと、マゼンタのインク層222Mと、シアンのインク層222Cと、オーバーコート層222Oのように、印刷動作において用紙304に転写する材料の層を「転写材層222」と称することがある。
インクリボン204には、各々の転写材層222の頭出しのための帯状のマーカー221が設けられる。ここでは、イエローのインク層222Y、マゼンタのインク層222M、シアンのインク層222C、オーバーコート層222Oのマーカーには、それぞれ、符号「221Y」、「221M」、「221C」、「221O」を付して区別することがある。それぞれのマーカー221は、各々の転写材層222よりも反射率が低い線、例えば黒色の塗料による線が適用される。マーカー221が設けられる位置としては、各々の転写材層222の巻取りボビン206による巻取り方向(搬送方向)の前側であって、フィルム層226が露出している位置が適用される。
マーカー221は、プリンタ100に設けられるマーカー検知用のマーカーセンサ140によって検知される。なお、イエローのインク層222Yの頭出しの際の位置の検知用として、2本のマーカー221Yが設けられる。イエローのインク層222Y以外の他の転写材層222の頭出しの際の位置の検知用には、それぞれ1本ずつのマーカー221が設けられる。メインコントローラ110は、各々の転写材層222の頭出しの際に、マーカーセンサ140によって検知したマーカー221の数の相違により、イエローのインク層222Yの位置と、他の転写材層222の位置と区別して検知できる。
図3(a)は用紙トレイ300の構成例を示す斜視図である。301はトレイカバーであり、302はトレイケースである。図3(a)に示すように、用紙トレイ300は、トレイカバー301とトレイケース302から構成される。トレイカバー301は、図3(a)の矢印Cの方向に回動可能であり、トレイケース302に対して開閉可能に設けられる。303は用紙収容部であり、トレイケース302の内部に設けられる。用紙収容部303には、複数の用紙304を重ねて収容することができる。
図3(b)は、用紙304を裏面(印刷をしない面)から見た平面図である。用紙304の裏面には、用紙識別コード305が印刷されている。用紙識別コード305には、用紙304に関する情報が格納されている。メインコントローラ110は、プリンタ100に設けられた用紙検出センサ141(後述)によってこの用紙識別コード305を読取り、用紙304に関する情報を取得できる。用紙識別コード305は、バーコードやQRコード(「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標)などの印刷が望ましい。ただし、用紙304に関する情報を格納できることができればよく、具体的な構成は限定されない。
図4は、プリンタ100の機能構成の例を示すブロック図である。110はプリンタ100を制御するメインコントローラである。メインコントローラ110には、CPUを有するコンピュータが適用される。144はROMである。ROM144は、メインコントローラ110に接続され、コンピュータプログラムである制御プログラムなどが格納されている。143は、RAMである。RAM143は、メインコントローラ110のワークエリアとして用いられる。コンピュータであるメインコントローラ110は、ROM144に格納されたコンピュータプログラムである制御プログラムを読出し、RAM143を演算処理用のワークメモリとして用いて実行する。これにより、後述する処理を含め、プリンタ100の制御が実現する。また、RAM143には、操作部104を介して入力された各種設定データや測定結果等を、一時的に格納することができる。
145Yは、イエロー画像データを一時的に格納するイエローイメージバッファである。145Mは、マゼンタ画像データを 一時的に格納するマゼンタイメージバッファである。145Cは、シアン画像データを一時的に格納するシアンイメージバッファである。これらのイメージバッファ145Y,145M,145Cには、画像データ入力部107を介して受信した画像データを、色ごとにビットマップ形式で格納する。
120はサーマルヘッドである。サーマルヘッド120には、不図示の発熱体が主走査方向に並べて内蔵されている。119は、ヘッド駆動回路である。ヘッド駆動回路119は、サーマルヘッド120に内蔵される発熱体を駆動する。118はドライバコントローラである。ドライバコントローラ118は、メインコントローラ110の制御にしたがい、ヘッド駆動回路119を制御してサーマルヘッド120に内蔵される複数の発熱体を発熱させる。この際、イメージバッファ145Y〜145Cに格納されたビットマップ形式の各色の画像データを用いる。これにより、インクリボン204の各々の転写材層222の各色のインク(染料)およびオーバーコート材を昇華させて用紙304に転写する。これにより、用紙304に画像が印刷される。
117は用紙搬送モータである。113は、用紙搬送モータ117を駆動する用紙搬送モータドライバである。用紙搬送モータドライバ113は、メインコントローラ110の制御にしたがって用紙搬送モータ117を駆動する。これにより、用紙304を搬送する。116は巻取りボビンモータである。112は巻取りボビンモータドライバである。巻取りボビンモータ116は、メインコントローラ110の制御にしたがい、巻取りボビンモータ116を駆動する。これにより、供給ボビン205に巻かれたインクリボン204の未使用の部分が引出されて搬送されるとともに、巻取りボビン206に巻取られる。115はヘッドアップダウンモータである。ヘッドアップダウンモータ115は、サーマルヘッド120の昇降を行う。111はヘッドアップダウンモータドライバである。ヘッドアップダウンモータドライバ111は、メインコントローラ110の制御にしたがい、ヘッドアップダウンモータ115を駆動する。これにより、サーマルヘッド120を印画位置と待機位置との間で移動させる。なお、印画位置と待機位置については後述する。
140は、マーカー検知用のマーカーセンサである。マーカーセンサ140は、インクリボン204の各々の転写材層222のマーカー221を検知する。メインコントローラ110は、巻取りボビンモータ116によるインクリボン204の巻き上げ動作を、マーカーセンサ140の検知結果に基づいて行う。142は、インクリボンカセット検知センサである。インクリボンカセット検知センサ142は、メインコントローラ110の制御にしたがい、インクリボンカセット200に設けられたインクリボンIDチップ201の情報の読取りと書込みを行う。
ここで、プリンタ100の内部構成の例と基本的な動作の例について説明する。図5A〜図5Fは、プリンタ100の内部構成の例と印刷動作の例を示す断面図である。なお、図5Aは待機状態を示し、図5Bは用紙304を給紙した状態を示し、図5Cは用紙304が印刷開始位置にある状態を示す。また、図5Dは印刷開始前の状態を示し、図5Eは印刷動作中(転写材層222の転写動作中)の状態を示し、図5Fは印刷終了時の状態を示す。
120はサーマルヘッドである。サーマルヘッド120には、複数の発熱体が内蔵されている。121はサーマルヘッド支持アームである。サーマルヘッド支持アーム121は、回動軸123を中心に回動可能に支持されており、サーマルヘッド120を印画位置と待機位置とに移動可能に支持する。122は放熱板である。放熱板122は、サーマルヘッド120に取り付けられており、サーマルヘッド120で発生した熱を外部に放散する。124は剥離板である。剥離板124はサーマルヘッド120に取り付けられており、インクリボン204の搬送方向を略90°方向転換することにより、用紙304から剥離する。130はプラテンローラである。プラテンローラ130はプリンタ100に回転自在に配置されており、用紙304の搬送に従動して回転するように構成される。
サーマルヘッド120は、サーマルヘッド支持アーム121に支持され、図5Aに示す位置から図5Dに示す位置に回動可能である。図5Aに示すサーマルヘッド120の位置は待機位置であり、インクリボン204および用紙304から離れた位置である。図5Dに示すサーマルヘッド120の位置は印画位置である。サーマルヘッド120が印画位置に移動すると、サーマルヘッド120とプラテンローラ130とでインクリボン204および用紙304に圧接力を生じさせる。
131は搬送ローラである。搬送ローラ131は、用紙搬送モータ117により駆動され回転する。132は従動ローラである。従動ローラ132は、搬送ローラ131に対向して設けられ、搬送ローラ131の回転に従動して回転する。133は給紙ローラである。給紙ローラ133は、用紙搬送モータ117により駆動され回転する。134は排紙ローラである。排紙ローラ134は給紙ローラ133に対向して配置され、給紙ローラ133の回転に従動して回転する。
150は用紙ガイドであり、図5Aに示す位置から図5Bに示す位置に回動可能に支持されている。用紙ガイド150は、下方向に付勢されており、給紙時でない場合には図5Aに示す位置にある。そして用紙ガイド150は、給紙時には、用紙304により持ち上げられ、図5Bに示す位置に回転する。151は加圧板である。加圧板151は、不図示の駆動源により回動駆動され、図5Aに示す位置から図5Bに示す位置まで回動可能に構成されている。
140は、マーカー検知用のマーカーセンサである。マーカーセンサ140は、発光素子と受光素子とを有しており、インクリボン204の搬送経路の一側に設けられる。そして、マーカーセンサ140は、インクリボン204に光を照射し、インクリボン204からの反射光を検出することで、インクリボン204のマーカー221を検知する。すなわち、マーカー221はフィルム層226や転写材層222と比較して反射率が低いため、マーカー221がマーカーセンサ140に対向する位置にあると、マーカーセンサ140の受光素子で検知される反射光が弱くなる(反射光の光量が少なくなる)。そこで、メインコントローラ110は、マーカーセンサ140により検知される光量が少なくなった場合に、インクリボン204のマーカー221がマーカーセンサ140に対向する位置にあると判定する。このように、マーカーセンサ140により、インクリボン204に設けられるマーカー221の位置を検知できる。そして、メインコントローラ110は、マーカーセンサ140によるマーカー221の検知結果に基づいて、インクリボン204の各々の転写材層222の頭出しを行うことができる。例えば、マーカーセンサ140によってマーカー221が検知される位置を、各々の転写材層222の頭出し位置とする。
141は用紙検出センサである。用紙検出センサ141は、照射された光が用紙304により反射され、反射された光を検知することで用紙304の裏面にある用紙識別コード305に書き込まれた用紙304の情報、例えば用紙IDを読み取ることができる。用紙検出センサ141には、用紙識別コード305を読取れる構成であればよく、具体的な構成は限定されない。例えば、用紙識別コード305がバーコードであれば、公知の各種バーコードリーダーが適用できる。用紙識別コード305がQRコード(登録商標)であれば、公知の各種QRコードリーダーやカメラが適用できる。142はインクリボンカセット検出センサである。インクリボンカセット検知センサ142はインクリボンカセット200のインクリボンIDチップ201に書き込まれたインクリボン204の情報を読み取ることができる。
次に、プリンタ100の印刷動作を説明する。図6Aは、プリンタ100の印刷動作を示すフローチャートである。図6Bは、図6Aの「通常印刷処理」の内容を示すフローチャートである。図6Cは、図6Aの「識別不可インク/用紙用印刷処理」の内容を示すフローチャートである。これらの処理を実行するためのコンピュータプログラムは、あらかじめROM144に格納されている。メインコントローラ110(CPU)は、このコンピュータプログラムをROM144から読出し、RAM143をワークエリアとして用いて実行する。これにより、図6A〜図6Cに示す処理が実現する。メインコントローラ110は、カセット装着部101にインクリボンカセット200が装着され、トレイ装着部102に用紙トレイ300が装着された状態で、操作部104に対して使用者等からの印刷指令の操作を検知すると、図5Aに示す処理を開始する。
ステップS101では、メインコントローラ110は、インクリボンカセット検知センサ142により、インクリボンカセット200のインクリボンIDチップ201に格納されているインクリボンカセット200に関する情報を読取って取得する。ここでは、インクリボンカセット200のカセットIDなどといった、インクリボンカセット200の識別情報を読取って取得する。
ステップS102では、メインコントローラ110は、ステップS101で取得した情報に基づき、装着されたインクリボンカセット200がプリンタ100で適切に処理可能であるか否かのインク判定を行う。このインク判定では、具体的には、メインコントローラ110は、取得したカセットIDが、プリンタ100で判定可能であり、プリンタで適した処理を行うことのできるインクリボンカセットのカセットIDであるか否かを判定する。ここで、インクリボンカセットに適した処理とは、例えば、サイズに応じて印刷データのサイズを決定して印刷データを作成する、インク種別に応じて色補正処理を行って印刷データを作成する等である。プリンタ100で適切な所定を施すことのできるインクリボンカセットについては、カセットIDとインクリボンのサイズ、種類とを対応付けてあらかじめROM144に格納されており、カセットIDを識別することができる。メインコントローラ110は、取得したカセットIDとROM144に格納されたカセットIDとを照合することにより、インクカセットを識別する。これにより、メインコントローラ110は、取得したカセットIDからインクリボンのサイズ、種類を特定でき、プリンタ100で適した処理を行えるインクリボンカセットであると判定できる。インクリボンカセット200のカセットIDが取得できない、または、インクリボンのサイズ、種類が判定できない場合、つまり、プリンタ100で適切な処理ができるか不明な場合には、ステップS103に進む。インクリボンのサイズ、種類が判定できた場合には、ステップS103,S104を経ずにステップS105に進む。
ステップS103では、メインコントローラ110は、表示制御部106を制御し、表示部103に、インクリボンカセット200がインクリボンのサイズ、種類等が不明であることを示す警告画面を表示する。この警告画面の表示により、使用者に対して、印刷動作を継続する操作または中止する操作を促す。そして、メインコントローラ110は、操作部104に対して印刷動作を継続する操作または印刷動作を中止する操作を検出するまで、このステップで待機する。図7(a)は、ステップS103において表示部103に表示する警告画面の例である。なお、警告画面の内容は、図7(a)に示す内容に限定されない。要は、現在装着されているインクリボンカセット200のインクリボンのサイズ、種類等が不明であることを知らせるとともに、印刷動作の継続または中止の操作を促す内容であればよい。使用者は、表示部103の警告画面を確認することで、現在装着されているインクリボンカセット200のインクリボンのサイズ、種類等が不明であり、プリンタ100で適した処理を行えない可能性があることを認識することができる。そして、使用者は、表示部103の警告画面を確認することで、現在装着されているインクリボンカセット200を用いて印刷動作を継続するか否かを選択することになる。
ステップS104では、メインコントローラ110は、印刷動作を継続(実行)する操作が行われたか、または、印刷動作を中止する操作が行われたかを判定する。印刷動作を中止する操作を検出した場合には、メインコントローラ110は、印刷動作を中止し、一連の処理を終了する。このような処理によれば、使用者は、インクリボンカセット200のインクリボンの仕様が不明であるある場合には、印刷動作を中止させることができる。
一方、印刷動作を継続する操作が行われた場合には、ステップS105に進む。この場合には、使用者は、インクリボンカセット200のインクリボンがプリンタ100で適切な処理を行えるかが不明であると承知したうえで、印刷を実行させることになる。
ステップS105では、メインコントローラ110は、給紙を行う。具体的には、まず、メインコントローラ110は、不図示の加圧板151の駆動源を制御して加圧板151を回転駆動し、図5Aに示す位置から図5Bに示す位置に移動させる。これにより、給紙ローラ133と用紙304が圧接する。そして、メインコントローラ110は、給紙ローラ133の不図示の給紙駆動源を制御して給紙ローラ133を回転駆動する。これにより、用紙304が給紙される。
ステップS106では、メインコントローラ110は、用紙検出センサ141によって、給紙される用紙304の裏面に印刷された用紙識別コード305を読取り、用紙304の情報を取得する。
ステップS107では、メインコントローラ110は、ステップS106で取得した情報に基づき、用紙304の仕様がプリンタ100に適しているかの用紙判定を行う。この用紙判定では、具体的には、S106において取得した用紙IDに基づいて、用紙304の仕様(サイズ、種類等)を識別する。ROM144には、用紙IDと用紙のサイズ、種類との対応関係があらかじめ格納されており、メインコントローラ110は、取得した用紙IDとROM144に格納されたカセットIDとを照合することにより、用紙304を識別する。これにより、メインコントローラ110は、取得した用紙IDから用紙304のサイズ、種類を特定でき、プリンタ100で適した処理を行えるようになる。用紙304を識別でき、用紙304がプリンタ100に適していると判定され、かつ、ステップS102においてインクリボンカセット200を識別でき、インクリボンカセット200の仕様がプリンタ100に適していると判定されている場合には、ステップS108に進み、「通常印刷処理」を行う。「通常印刷処理」については後述する。一方、用紙304を識別を識別できず、用紙304の仕様がプリンタ100に適しているか不明な場合、ステップS109に進む。なお、ステップS107においてインクリボンカセット200を識別できたとしても、ステップS102においてインクリボンカセット200を識別できなかった場合は、S111に進むようにする。
ステップS109では、メインコントローラ110は、表示制御部106を制御し、表示部103に、用紙304の仕様がプリンタ100に適しているかが不明であることを示す警告画面の表示を行う。この警告画面の表示により、使用者に対して、印刷動作を継続する操作または中止する操作を促す。そして、メインコントローラ110は、操作部104に対して印刷動作を継続する操作または印刷動作を中止する操作を検出するまで、このステップで待機する。図7(a)は、このステップS109で表示部103に表示する警告画面の例である。なお、警告画面の内容は、図7(a)に示す内容に限定されない。要は、用紙304の仕様がプリンタ100に適しているかが不明であることを知らせるとともに、印刷動作の継続または中止の操作を促す内容であればよい。使用者は、表示部103の警告画面を確認することで、使用している用紙304の仕様がプリンタ100に適しているかが不明であることを認識できる。また、このとき使用者は警告画面を見て操作部104を操作し印刷動作を継続するか否かを選択することができる。そして、使用者は、表示部103の警告画面を確認することで、給紙された用紙304を用いて印刷動作を継続するか否かを選択することになる。
ステップS110では、メインコントローラ110は、印刷動作を継続(実行)する操作が行われたか、または、印刷動作を中止する操作が行われたかを判定する。印刷動作を中止する操作を検出した場合には、メインコントローラ110は、印刷動作を中止し、一連の処理を終了する。このような処理によれば、使用者は、用紙304の仕様がプリンタ100に適しているかが不明である場合には、印刷動作を中止させることができる。一方、ステップS110において印刷動作を継続する操作を検出した場合には、ステップS111に進む。このような処理により、用紙304が、プリンタ100において種別やサイズが識別不可能であり、用紙304に適した処理ができないと承知している使用者は印刷動作を進めることができる。
ステップS111の「識別不可インク/用紙用印刷処理」は、インクリボンカセット200と用紙304の少なくとも一方の仕様がプリンタ100に適しているかが不明である場合の印刷処理である。詳細は後述する。この場合には、使用者は、インクリボンカセット200の仕様がプリンタ100に適しているかが不明であると承知したうえで、印刷を実行させることになる。このように、本発明の実施形態では、インクリボンカセット200と用紙304の仕様の両方がプリンタ100に適している場合には、「通常印刷処理」を行う。一方、インクリボンカセット200と用紙304の少なくとも一方の仕様がプリンタ100に適しているかが不明である場合には、「識別不可インク/用紙用印刷処理」を実行する。
なお、本実施形態では、ステップS102においてインクリボンカセット200を識別することにより、インクリボンカセット200の仕様がプリンタ100に適するかを判定するインク判定を行う。また、ステップS107において用紙304を識別することにより、用紙304の仕様がプリンタ100に適するかを判定する用紙判定を行う。しかし、この構成に限定されない。すなわち、インクリボンカセット200と用紙304の少なくとも一方についてプリンタ100に適するかを判定すればよい。例えば、インクリボンカセット200の識別についてのみ行う構成であれば、ステップS106は不要である。そしてこの場合には、ステップS107において、インクリボンカセット200を識別可能であり、プリンタ100で適切な処理が可能であると判定された場合には、ステップS108に進む。一方、用紙304の識別についてのみ行う場合には、ステップS102〜S104は不要である。この場合には、ステップS107において、用紙304が識別可能であり、プリンタ100で適切な処理が可能であると判定された場合には、ステップS108に進む。また、識別したインクリボンカセット200と用紙304の組み合わせによって、プリンタ100で適切な印刷処理をできない場合には、インクリボンカセット200と用紙304の組み合わせに応じて、「識別不可インク/用紙用印刷処理」を行うようにしてもよい。
次に、図6Bに示す通常印刷処理について説明する。本発明の実施形態では、各色のインク層222Y,222M,222Cを用紙304に順次転写し、その後にオーバーコート層222Oの転写を行う。なお、本発明の実施形態では、1色目にイエローのインク層222Yを転写し、2色目にマゼンタのインク層222Mを転写し、3色目にシアンのインク層222Cを転写するものとする。
まず、ステップS200において、メインコントローラ110は、印刷対象の画像データから、印刷用の画像データを生成する。印刷用の画像データ(印刷データ)の生成において、メインコントローラ110は、印刷対象の画像データ、イエロー、マゼンタ、シアンの各成分を抽出した、イエロー画像データ、マゼンタ画像データ、シアン画像データをそれぞれ生成する。イエロー画像データ、マゼンタ画像データ、シアン画像データは、印刷サイズ(用紙サイズ)に応じたサイズで生成され、各色の画像データは、画素毎に濃度を示す情報が示されている。また、印刷データの生成においては、ステップS101で取得したインクカセットID、ステップS106で取得した用紙IDに基づいて判定されるインクリボンカセット200の仕様、用紙304の仕様に応じて各種処理が施される。例えば、インクリボン204のサイズ、用紙304のサイズに応じて印刷データのサイズを決定し、そのサイズとなるように、画像データまたは印刷データにリサイズ処理を施したり、インクリボンカセット200の種類、用紙304の種類に応じて、画像データまたは印刷データの補正処理、変換処理を行う。このような処理を行うことで、インクリボンカセット200と用紙304の仕様に応じた、適切な印刷処理を行うことができる。また、インクリボンカセット200の仕様や用紙304の仕様に応じてサーマルヘッド120の駆動方法を切り替えたり、サーマルヘッド120の温度変化が印刷結果に影響しないように、駆動を制御するための温度補正パラメータを調整したりしてもよい。
ステップS201では、一色目の画像としてイエロー画像の印刷を行う。イエロー画像の印刷は、インクリボン204のイエローのインク層222Yの頭出しを行い、次いで、イエローのインク層222Yを用紙304に転写する、という順序で行う。
まず、メインコントローラ110は、巻取りボビンモータドライバ112を制御して巻取りボビンモータ116を駆動し、インクリボン204を搬送する。そして、マーカーセンサ140によりイエローのインク層222Yのマーカー221Yを検出した場合には、インクリボン204の搬送を停止する。これにより、イエローのインク層222Yの頭出しが行われる。
次いで、メインコントローラ110は、図示しない駆動源を制御してサーマルヘッド支持アーム121を回動させ、サーマルヘッド120を待機位置から図5Dに示す印画位置に移動させる。そしてサーマルヘッド120を印画位置で静止させ、サーマルヘッド120とプラテンローラ130で用紙304とインクリボン204を圧接する。その後、メインコントローラ110は、用紙搬送モータドライバ113を制御して用紙搬送モータ117を駆動し、搬送ローラ131を回転させて用紙304を図5Dの矢印F方向に搬送する。そして、用紙304を搬送しながら、ドライバコントローラ118は、イメージバッファ145Yに格納されるイエロー画像データを用いて、サーマルヘッド120の発熱体を発熱させる。これにより、インクリボン204のイエローのインク層222Yが用紙304へ熱転写され、イエロー画像が印刷される。
イエローのインク層222Yを転写している間は、メインコントローラ110は、巻取りボビンモータドライバ112を制御して巻取りボビンモータ116を駆動し、インクリボン204を用紙304と同じ搬送速度で図5Eの矢印F方向に搬送する。そして、転写が完了したインクリボン204は、剥離板124により略90°方向転換され、用紙304から剥離される。
なお、インクリボン204は、インクリボンカセット200に回転自在に設けられたガイドシャフト211に当接しながら搬送される。このような構成によれば、インクリボン204の搬送抵抗を小さくすることができ、インクリボン204の搬送不良による皺等の印刷不良を防ぐことができる。
次に、2色目のマゼンタ画像の印刷を行うため、リターン動作を行う。メインコントローラ110は、ヘッドアップダウンモータドライバ111を制御してヘッドアップダウンモータ115を駆動し、サーマルヘッド支持アーム121を回動させる。これにより、サーマルヘッド120とプラテンローラ130の圧接を解除し、サーマルヘッド120を図5Fに示す位置に移動させて静止させる。そして、メインコントローラ110は、用紙搬送モータドライバ113を制御して用紙搬送モータ117を駆動し、用紙304を搬送ローラ131により図5Fに示す位置から図5Cに示す印刷開始位置に矢印E方向に搬送する。
また、メインコントローラ110は、用紙304の搬送と同時に、マゼンタのインク層222Mの頭出しを行う。すなわち、メインコントローラ110は、巻取りボビンモータドライバ112を制御して巻取りボビンモータ116を駆動し、巻き取りボビン206を回転させる。そして、マーカーセンサ140によりマゼンタのインク層222Mの頭出しに位置に設けられたマーカー221Mを検出した場合には、巻取りボビンモータ116の回転を停止してインクリボン204の搬送を停止する。これにより、マゼンタのインク層222Mの頭出しが完了する。
ステップS203ではマゼンタ画像の印刷を行う。ステップS204では、リターン動作を行うとともに、シアンのインク層222Cの頭出しを行う。ステップS205では、シアン画像の印刷を行う。ステップS206では、リターン動作を行うとともに、オーバーコート層222Oの頭出しを行う。ステップS207では、オーバーコートの印刷を行う。なお、これらのステップS203〜S207は、用紙304に転写する転写材層222および頭出しを行う転写材層222が異なるほかは、ステップS201とS202のそれぞれと同様の処理が適用される。このように、本発明の実施形態では、複数の色のインク層222Y,222M,222Cを順次転写して画像を印刷し、その後、オーバーコート層222Oを転写する。
オーバーコート層222Oは、用紙304に印刷された画像(転写された各色のインク層222Y,222M,222C)の外的な要因による劣化を低減するために行われる。また、プリンタ100は、オーバーコート層222Oを光沢調の仕上がりとなるように転写する光沢調モードと、マット調の仕上がりとなるように転写するマット調モードとを有する。光沢調モードにおいては、ドライバコントローラ118は、サーマルヘッド120に印加するエネルギーを所定の適切なエネルギーとなるように制御することにより、オーバーコート層222Oを光沢調の仕上がりを有するように転写する。一方、マット調モードにおいては、ドライバコントローラ118は、光沢調モードに比較して高いエネルギーをサーマルヘッド120に印加することにより、オーバーコート層222Oをマット調の仕上がりを有するように転写できる。
「通常印刷処理」においては、使用者は、光沢調モードとマット調モードのいずれかを選択できる。すなわち、使用者は、印刷処理の開始前などに操作部104に対して光沢調モードとマット調モードのいずれかを選択する操作を行う。メインコントローラ110は、操作部104に対する選択操作に応じて光沢調モードとマット調モードとを切替える。
ステップS208では、メインコントローラ110は、用紙304を排紙するために、給紙ローラ133を回転駆動する。そして、用紙304を給紙ローラ133と排紙ローラ134でニップさせ、プリンタ100の外部へ排出する。
(第1の実施形態の識別不可インク/用紙用印刷処理)
次に、図6Cを参照して、第1の実施形態の「識別不可インク/用紙用印刷処理」について説明する。なお、「通常印刷処理」と共通の処理については、説明を省略する。
ステップS300では、「通常印刷処理」のステップS200と同様に、インクリボン、用紙の仕様に応じた印刷データの生成処理を行う。
ステップS301では、イエロー画像の印刷を行う。イエロー画像の印刷の処理の内容は、基本的には、通常印刷処理のステップS201と同様である。ただし、識別不可インク/用紙用印刷処理のイエロー画像の印刷においては、メインコントローラ110は、用紙304の搬送速度を、通常印刷処理のステップS201における用紙304の搬送速度よりも遅くする。また、メインコントローラ110は、サーマルヘッド120で発生させる熱量を、通常印刷処理のステップS201において発生させる熱量に比較して少なくする。
用紙304の搬送速度を遅くする理由は次のとおりである。用紙304とインクリボンカセット200の少なくとも一方が識別不可能であり、プリンタ100に適していない場合には、用紙304とインクリボン204の密着性が、プリンタ100に適した用紙304およびインクリボンカセット200に比較して高くなることがある。その場合、インクリボン204を用紙304から剥離させるために剥離板124で発生する負荷が大きくなる。そして、用紙304に図5Dの矢印E方向の力が発生するため、搬送ローラ131にかかる搬送負荷が、プリンタ100に適した用紙304およびインクリボン204に比べ大きくなるおそれがある。そこで、識別不可インク/用紙用印刷処理においては、用紙304の搬送速度を、通常印刷処理のステップS201に比べ遅くする。これにより、用紙搬送モータ117の駆動力を確保でき、搬送ローラ131にかかる搬送負荷が大きくなった場合でも、用紙304を正常に搬送することができる。なお、このステップS301における用紙304の搬送速度は、例えば、ステップS201における搬送速度の半分以下であることが好ましい。
識別不可インク/用紙用印刷処理において、サーマルヘッド120で発生させる熱量を少なくする理由は、次のとおりである。用紙304とインクリボン204の少なくとも一方が識別不可能でありプリンタ100に適しておらず、用紙304とインクリボン204の密着性が過剰に高い場合には、インクリボン204が用紙304に強固に貼り付くことがある。この場合には、剥離板124によってインクリボン204を用紙304から剥離できなくなることがある。インクリボン204は、用紙304から剥離されないと、用紙304とともに図5Dの矢印F方向に搬送され、搬送ローラ131と従動ローラ132によるニップ位置を通過することになる。そして、搬送されたインクリボン204は、搬送ローラ131と従動ローラ132のニップ位置通過後に用紙304から剥がれると、従動ローラ132に巻き付く。この場合には、インクリボンカセット200をプリンタ100から取り出すことができなくなる。そこで、このような事態の発生を防止するため、このステップS301においては、サーマルヘッド120で発生させる熱量を少なくする。すなわち、サーマルヘッド120に印加するエネルギーを、通常印刷処理のステップS202に比べて少なくする。これにより、用紙304とインクリボン204が剥離板124により剥離できない程度に貼り付くことを防止する。例えば、ステップS301においてサーマルヘッド120に印加するエネルギーの量は、ステップS201の約4割以下とすることが好ましい。
ステップS302では、メインコントローラ110は、次のマゼンタ画像の印刷を行うため、リターン動作とマゼンタのインク層222Mの頭出しを行う。このステップS302のリターン動作は、ステップS202のリターン動作と同様である。ただし、ステップS301と同様に、用紙304の搬送速度を、通常印刷処理のステップS202に比べ遅くする。これにより、搬送ローラ131に掛る搬送負荷が大きくなった場合においても、正常に用紙304を搬送できる。具体的には、ステップS301と同様に、ステップS202の半分以下の搬送速度にすることが好ましい。
ステップS303では、メインコントローラ110は、ステップS203と同様に、マゼンタ画像を印刷する。ステップS303においても、ステップS301と同様に、通常印刷処理に比べ遅い搬送速度で用紙304を搬送する。また、サーマルヘッド120に印加するエネルギーも通常印刷処理に比べ小さくする。
ステップS304では、メインコントローラ110は、次のシアン画像を印刷するため、リターン動作と、シアンのインク層222Cの頭出しを行う。このステップS304においても、ステップS302と同様に、通常印刷処理に比べ遅い搬送速度で用紙304を搬送する。
ステップS305では、メインコントローラ110は、印刷動作を一時停止させる。そして、メインコントローラ110は、表示制御部106を制御し、表示部103に、用紙304とインクリボンカセット200が識別不可能である旨の警告画面を表示する。図7(a)は、このステップS305において表示する警告画面の例を示す図である。なお、警告画面の内容は、図7(a)に示す内容に限定されない。要は、用紙304とインクリボンカセット200が識別できず、プリンタ100で適切な処理を行えるかが不明であることを知らせるとともに、印刷動作の継続または中止の操作を促す内容であればよい。使用者は、表示部103の警告画面を確認することで、操作部104を操作し印刷動作を継続するか否かを選択することができる。また、用紙304とインクリボンカセット200のうち識別できなかったものだけをユーザに通知してもよいし、識別できなかった仕様のみを通知するようにしてもよい。
このような処理を実行する理由は次のとおりである。一般的に、用紙304の表面には、インクリボン204が用紙304から剥離できるように、離型剤が塗布されている。しかしながら、用紙304の表面に塗布されている離型剤は、ステップS301のイエロー画像の印刷とステップS303のマゼンタ画像の印刷とを経ると、消費されて減少する。したがって、マゼンタ画像の印刷後であってシアン画像の印刷の前においては、イエロー画像の印刷とマゼンタ画像の印刷に比べ、インクリボン204が用紙304から剥離しにくい状態となっている。
用紙304とインクリボン204の剥離不良が発生する前には、異音やバンディング、染料の異常転写等の予兆となる事象が発生することが多い。そこで、ステップS305において印刷動作を一時停止することにより、使用者は用紙304の状態を確認することができ、これらの事象が発生しているか否を判断できる。そして、これらの事象が発生していた場合は、印刷動作を中止させることで用紙304とインクリボン204の剥離不良を未然に防ぐことができプリンタ100に致命的な故障が発生することはない。
ステップS306では、メインコントローラ110は、操作部104に対して印刷動作を継続する操作があったか、印刷動作を中止する操作があったかを判定する。印刷動作を継続する操作を検知した場合には、ステップS307に進む。印刷動作を中止する操作を検知した場合には、ステップS312に進む。なお、いずれかの操作を検出するまで、このステップで待機する。
ステップS307では、メインコントローラ110は、ステップS205と同様にシアン画像を印刷する。ステップS307においても、ステップS301と同様に、通常印刷処理に比べて用紙304の搬送速度を遅くすする。また、サーマルヘッド120に印加するエネルギーも、通常印刷処理に比べて少なくする。
ステップS308では、メインコントローラ110は、ステップS206と同様に、次のオーバーコートの印刷を行うため、リターン動作とオーバーコート層222Oの頭出しを行う。ステップS308においても、ステップS302と同様に、通常印刷処理に比べて用紙304の搬送速度を遅くする。
ステップS309では、メインコントローラ110は、ステップS305と同様に、印刷動作を一時停止させる。そして、メインコントローラ110は、表示制御部106を制御して、表示部103にインクリボンカセット200と用紙304の少なくとも一方の仕様が不明である旨の警告画面を表示する。そして、印刷動作を継続する操作または中止する操作を検出するまで、このステップで待機する。図7(b)は、ステップS309において表示する警告画面の例を示す図である。図7(b)に示すように、このステップS309において表示する警告画面の内容は、ステップS305において表示する警告画面の内容(図7(a)参照)に比較して、警告の程度が高い。このとき、使用者は、警告画面を確認することにより、印刷動作を継続するか否かを選択することができる。
このステップS309を実行する理由は、次のとおりである。ステップS307のシアン画像の印刷により、用紙304の表面に塗布されている離型剤がさらに消費され減少している。また、この次のオーバーコートの印刷では、印刷する画像の内容によらず、サーマルヘッド120に一定の高エネルギーを印加して、インクリボン204のオーバーコート層222Oを用紙304の全面に均一に転写する。このため、インクリボン204と用紙304の密着性が高い状態となる。そこで、図7(b)に示すように、ステップS305で表示する警告画面(図7(a)参照)に比較して、警告の程度を高くする。これにより、使用者に対し、用紙304とインクリボン204の密着性が高い状態にあるということを、効果的に伝えることができる。
また、ステップS309において警告画面を表示させ印刷動作を一時停止することにより、使用者は、用紙304の状態を確認して、予兆となる事象が発生しているか否かを判断できる。この場合には、使用者は、操作部104に対して、印刷動作の中止を指示する操作を行うことができる。そしてこの場合には、印刷動作を中止することで、用紙304とインクリボン204の剥離不良を未然に防ぐことができる。
ステップS310では、メインコントローラ110は、操作部104に対して印刷動作を中止する操作が行われたか、印刷動作を継続する操作が行われたかを判定する。印刷動作を中止する操作が行われたと判定した場合には、ステップS312に進み、印刷動作を継続する操作が行われたと判定した場合にはステップS311に進む。
ステップS311では、メインコントローラ110は、ステップS207と同様に、オーバーコートを印刷する。ステップS311においても、ステップS301と同様に、通常印刷処理に比べて用紙304の搬送速度を遅くする。なお、通常印刷処理のステップS207では、光沢調モードとマット調モードのいずれのモードでもオーバーコート層222Oを印刷できる。これに対して、識別不可インク/用紙用印刷処理のステップS311では、マット調の仕上がりの動作を禁止する。これは、マット調の仕上がりの動作においては、光沢仕上がりに比較して、サーマルヘッド120に印加するエネルギー量が多くなり、用紙304とインクリボン204とが密着しやすくなるためである。なお、メインコントローラ110は、マット調モードに設定されている場合であっても、光沢調モードの動作をする。また、メインコントローラ110は、光沢調モードの動作においても、サーマルヘッド120に印加するエネルギー量を、通常印刷処理のオーバーコートの印刷(ステップS207)に比べて少なくする。
ステップS312では、メインコントローラ110は、給紙ローラ133を回転駆動し、給紙ローラ133と排紙ローラ134で用紙304をニップさせてプリンタ100の外部へ排出する。
以上のように、識別不可インク/用紙用印刷処理では、プリンタ100で識別できず、適切な処理を施せるかが不明な用紙304とインクリボン204を使用した場合において、各色の画像の印刷動作およびリターン動作の用紙304の搬送速度を、通常印刷処理に比べ遅くする。これにより、ジャムの発生する可能性を低減することができる。また、サーマルヘッド120に印加するエネルギー量を通常印刷処理に比べ少なくする。これにより、用紙304とインクリボン204の剥離不良発生の可能性を低減することができる。
更にシアン画像の印刷(ステップS307)とオーバーコートの印刷(ステップS311)それぞれの前に、印刷を一時停止する。これにより、使用者等は、用紙304の状態を確認することができる。プリンタ100に故障が発生する前に、印刷を中止することが可能となる。
なお、本実施形態では、3色の画像を印刷する構成において、2色目(最後から2番目)のマゼンタ画像の印刷の後であって3色目(最後)のシアン画像の印刷の前に印刷動作を一時停止する構成を示したが、この構成に限定されない。要は、複数の色の画像を印刷する構成において、最後から2番目の色の画像の印刷の後であって、最後の色の画像を印刷する前に、印刷動作を一時的に停止する構成であればよい。前述の実施形態では、イエローの画像、マゼンタの画像、シアンの画像の順に順次印刷する構成を示したが、この場合には、マゼンタの画像が最後から2番目の色の画像となり、シアンの画像が最後の色の画像となる。
また、各色の画像の印刷の前およびオーバーコートの印刷の前の全てにおいて、印刷動作を一時停止する構成であってもよい。このような構成であれば、用紙304とインクリボン204の剥離不良発生の可能性をより低減することができる。
また、前述のとおり、用紙304に塗布される剥離剤は、印刷を重ねるにしたがって消費されて減少していき、インクリボン204が用紙304から剥離しにくくなっていく。そこで、複数の色の画像を順次印刷する場合には、2色目以降の画像の印刷の前に、それぞれ印刷処理を一時停止する構成であってもよい。例えば、イエロー画像とマゼンタ画像とシアン画像とを順次印刷する場合には、1色目のイエロー画像の印刷の前には一時停止せず、2色目以降となるマゼンタ画像とシアン画像の印刷の前に、それぞれ印刷動作を一時停止する構成であってもよい。
このほか、各色の画像の印刷前には印刷動作を一時停止せず、オーバーコートを印刷する前にのみ印刷動作を一時停止する構成であってもよい。前述のとおり、オーバーコートの印刷では、画像の内容によらず、サーマルヘッド120に一定の高エネルギーを印加して、オーバーコート層222Oを用紙304の全面に均一に転写する。このため、インクリボン204と用紙304の密着性が高い状態となり、インクリボン204が用紙304から剥離しにくい状態になりやすい。そこで、少なくとも、各色の画像の印刷後、オーバーコートの印刷の前に印刷動作を一時停止して前述の処理を実行することにより、インクリボン204が用紙304から剥離しにくくなることを抑制する。
なお、識別不可インク/用紙用印刷処理の場合には、マット調モードであっても、オーバーコートの印刷(ステップS311)において、光沢調モードの動作をする構成を示したが、この構成に限定されない。例えば、その他の動作として、使用者による操作に応じてマット調モードの動作を選択禁止とする動作であっても良い。マット調モードの場合には、光沢調モードの場合と比較して、高階調(高いエネルギー)でオーバーコートそう220Oの転写を行うため、張り付きが生じやすい。用紙304またはインクリボンカセット200の仕様が判定できた場合には、判定結果に基づいて、どの程度の階調(エネルギー)でインクリボン204が用紙304に張り付くかが分かるため、張り付かないようにマット調の印刷が可能である。一方、使用が判定できなかった場合には、どの程度の階調(エネルギー)で張り付きが生じるかが分からないため、マット調モードでオーバーコート層220Oの転写の際に、張り付きが生じるおそれがある。したがって、この場合には、マット調モードの動作を禁止する。
具体的には、メインコントローラ110は、表示制御部106を制御して、印刷設定メニューを表示部103に表示する。この印刷設定メニューには、用紙304およびインクリボンカセット200がプリンタ100の仕様に適しているか否かを入力するメニューと、光沢調モードとマット調モードを選択する表示仕上げメニューを含ませる。そして、メインコントローラ110は、使用者による入力操作に基づいて、用紙304とインクリボンカセット200がプリンタ100の仕様に適するか否かを判定する。プリンタ100の仕様に適するか不明であると判定した場合は、メインコントローラ110は、表面仕上げメニューを選択できないようにする。または、表面仕上げメニューから、マット調モードを選択できないようにする。このような構成であっても、識別不可インク/用紙用印刷処理において、マット調モードの動作を禁止できる。
さらに、本実施形態では、ステップS103,S109,S305において表示する警告画面と、ステップS309において表示する警告画面とで、警告の程度を変える。すなわち、複数回にわたって警告画面を表示する構成において、少なくとも初回の警告画面と最終回の警告画面とで、警告の程度を変える。具体的には、初回の警告画面に比較して、最終回の警告画面の警告の程度を高くする。なお、複数回のうち、初回と最後以外の警告画面については、特に限定しなくてもよい。ただしこの場合には、ある回の警告画面の警告の程度が、それよりも前の回の警告画面の程度よりも低くならないようにする。また、特に、オーバーコートの印刷においては、各色の画像の印刷に比較してインクリボン204が用紙304に貼り付きやすい。このため、オーバーコートの印刷の直前(すなわち、最終回)の警告画面の警告の程度を、初回を含めそれまでの警告画面の警告の程度よりも高くすることが好ましい。
(第2の実施形態の識別不可インク/用紙用印刷処理)
識別不可インク/用紙用印刷処理の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、印刷する画像の各色の濃度を解析し、その解析結果に応じて、印刷動作の一時停止と警告画面の表示を行う形態である。図8は、第2の実施例に係る識別不可インク/用紙用印刷処理を示すフローチャートである。
ステップS400では、ステップS300と同様に、用紙やインクの仕様に合わせて、画像データから印刷データを生成する。
ステップS401では、メインコントローラ110は、濃度解析を実行する。濃度解析では、メインコントローラ110は、印刷する画像からイエロー画像/マゼンタ画像/シアン画像の各色の画像の濃度を解析して算出する。
ステップS402では、メインコントローラ110は、濃度判定の処理を実行し、ステップS401で解析して算出したイエロー画像の濃度が所定値以上であるか所定値未満であるかを判定する。例えば、イエロー画像/マゼンタ画像/シアン画像の各色の画像の濃度の平均値が所定値未満であるかを判定する。また、イエロー画像/マゼンタ画像/シアン画像の各色の画像に含まれる所定値以上の濃度の画素の数や割合が所定値未満であるかを判定してもよい。なお、この濃度(濃度の平均値や、濃度が所定値以上の画素の数または割合)の所定値はあらかじめ設定されており、例えばあらかじめROM144に格納されている。ステップS402においてイエロー画像の濃度が所定値未満と判定された場合はステップS405に進む。一方、ステップS402においてイエロー画像の濃度が所定値以上と判定された場合はステップS403に進む。
ステップS403では、メインコントローラ110は、印刷動作を一時停止させる。そして、メインコントローラ110は、表示制御部106を介して、プリンタ100の表示部103に、警告画面を表示する。図7(a)は、このステップS403で表示する警告画面の一例を示す。図7(a)に示すように、このステップS403では、インクリボンカセット200と用紙の少なくとも一方が、プリンタ100において判定できず、適した処理ができない旨の表示を行う。印刷するイエロー画像の濃度が高い場合、イエローのインク層222Yを転写する際にサーマルヘッド120に印加するエネルギーが大きくなる。このため、用紙304とインクリボン204の剥離不良が発生する可能性が高くなる。そこで、このステップS403において、印刷動作を一時停止させ、表示部103に警告画面を表示する。これにより、使用者に注意を促すことができる。使用者は、この警告画面を見て、印刷動作を継続するか否かを選択することができる。
ステップS404では、メインコントローラ110は、操作部104に対して印刷動作を継続する操作が行われたか、印刷動作を中止する操作が行われたかを判定する。印刷動作を中止する操作を検出した場合には、場合にはステップS420に進む。一方、印刷を継続する操作を検出した場合には、ステップS405に進む。
ステップS405では、メインコントローラ110は、イエロー画像を印刷する。次のステップS406では、メインコントローラ110は、リターン処理を行うとともに、マゼンタのインク層222Mの頭出しを行う。これらの処理は、それぞれ、図6(c)のステップS301とステップS302と同じである。
ステップS407では、メインコントローラ110は、ステップS401での濃度の解析結果に基づいて、マゼンタ画像の濃度が所定値以上であるか否かを判定する。マゼンタ濃度が所定値以上と判定された場合はステップS408に進む。この場合には、ステップS408とステップS409を経て、ステップS410に進む。ステップS408とステップS409の内容は、ステップS402とステップS403と同様である。また、ステップS408とステップS409を実行する理由も、前述と同様である。一方、マゼンタの濃度が所定値未満であると判断された場合には、ステップS408とステップS409を経ずにステップS410に進む。
ステップS410では、メインコントローラ110は、マゼンタ画像を印刷する。次のステップS411では、メインコントローラ110は、リターン動作を行うとともに、シアンのインク層222Cの頭出しを行う。これらのステップは、それぞれ、ステップS303とステップS304と同じである。
ステップS412では、メインコントローラ110は、ステップS401でのシアン画像の濃度の解析結果に基づいて、シアン画像の濃度が所定値以上であるか所定値未満であるかを判定する。シアン画像の濃度が所定値以上と判断された場合はステップS413に進む。この場合には、ステップS413とステップS414を経て、ステップS415に進む。ステップS413とステップS414の内容は、ステップS402とステップS403と同様である。また、ステップS413とステップS414を実行する理由も、前述と同様である。一方、シアン画像の濃度が所定値未満であると判断された場合には、ステップS413とステップS414を経ずにステップS415に進む。シアン画像の濃度が所定値以下と判断された場合はステップS415に進む。
ステップS415〜S420は、図6(c)に示すステップS307〜S312と同じである。したがって、説明を省略する。
このように、第2の実施形態では、濃度解析によりイエロー画像とマゼンタ画像とシアン画像のそれぞれの濃度を解析して算出し、濃度判定により各色の画像の濃度が所定値以上であるか所定値未満であるかを判断する。そして、濃度が所定値以上の色の画像の印刷動作の前に、印刷動作を一時停止して警告画面の表示を行うとともに、使用者に対して印刷動作を継続するか中止するかの操作を促す。すなわち、各色の画像の濃度解析結果と濃度判定結果に基づいて、印刷動作を一時停止するか否かを決定する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (13)

  1. インクリボンに設けられる複数の色のインクとオーバーコートとをサーマルヘッドによって順次に用紙に転写して画像を印刷するプリンタであって、
    前記プリンタにセットされた前記インクリボンの仕様を判定するためのインク判定手段と、前記プリンタにセットされた前記用紙の仕様を判定するための用紙判定手段と、のうちの少なくとも1つと、
    前記インク判定手段により前記インクリボンの仕様を判定できない場合、または、前記用紙判定手段により用紙の仕様を判定できない場合を判定できない場合に、前記サーマルヘッドによる転写が開始された後であって、前記複数のインクまたは前記オーバーコートの少なくとも1つの種類のインクを転写する前に、印刷動作を一時停止する制御手段と、を有することを特徴とする熱転写方式のプリンタ。
  2. 前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、前記複数の色のインクを転写した後、前記オーバーコートを転写する前に、印刷動作を一時停止することを特徴とする請求項1に記載の熱転写方式のプリンタ。
  3. 前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、さらに、1色目のインクを転写した後、2色目以降のいずれかまたは残り全てのインクを転写する前に、印刷動作を一時停止することを特徴とする請求項2に記載の熱転写方式のプリンタ。
  4. 前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、最後から2色目のインクを転写した後、最後のインクを転写する前に、印刷動作を一時停止することを特徴とする請求項3に記載の熱転写方式のプリンタ。
  5. 前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、前記複数のインクおよび前記オーバーコートのそれぞれの転写の前に、印刷動作を一時停止することを特徴とする請求項1に記載の熱転写方式のプリンタ。
  6. 印刷する画像の前記複数のインクのそれぞれの転写の濃度が所定値以上であるか否かを判定する濃度判定手段をさらに有し、
    前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、前記濃度判定手段により所定値以上であると判定された色のインクの転写の前に、印刷動作を一時停止することを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写方式のプリンタ。
  7. 前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合に、印刷動作を一時停止する際に、警告画面を表示する表示部をさらに有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の熱転写方式のプリンタ。
  8. 前記制御手段が複数回にわたって印刷動作を一時停止する場合には、
    前記表示部は、少なくとも初回と最終回とで警告画面の内容を変えることを特徴とする請求項7に記載の熱転写方式のプリンタ。
  9. 前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    制御手段は、前記インクリボンの仕様を判定できた場合で、かつ、前記用紙の仕様を判定できた場合に比較して、前記用紙の搬送速度を遅くすることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の熱転写方式のプリンタ。
  10. 前記オーバーコートを光沢調に転写する光沢調モードと、マット調に転写するマット調モードをさらに有し、
    前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、前記オーバーコートのマット調の印刷を禁止することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の熱転写方式のプリンタ。
  11. 使用者により光沢調モードとマット調モードを選択する操作が可能な操作手段をさらに有し、
    前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、前記操作手段により前記マット調モードを選択できないようにすることを特徴とする請求項10に記載の熱転写方式のプリンタ。
  12. 前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、前記インクリボンの仕様が判定できた場合で、かつ、前記用紙の仕様を判定できた場合に比較して、サーマルヘッドに印加するエネルギーを少なくすることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の熱転写方式のプリンタ。
  13. 印刷する画像の各色のインクの転写の濃度を解析する濃度解析手段をさらに有し、
    前記インクリボンの仕様を判定できなかった場合、または、前記用紙の仕様を判定できなかった場合には、
    前記制御手段は、前記濃度解析手段による解析結果に応じて、前記サーマルヘッドに印加するエネルギーを制御することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の熱転写方式のプリンタ。
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