JP2017088834A - 発泡体 - Google Patents

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晋太郎 脇村
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裕美子 加藤
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始基 近藤
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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性に優れた樹脂発泡体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の発泡体は、樹脂を含み、上記樹脂100質量%に対して、ポリフェニレンエーテル系樹脂を35〜80質量%含み、 JIS−K6767のB法に準拠して算出した、下記式で示される110℃で22時間加熱した後の寸法変化率が±1.0%以内であることを特徴している。
寸法変化率(%)={(L2−L1)/L1}×100
(式中、L1は、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後の発泡体の寸法(mm)を表す。L2は、温度110℃で22時間加熱した後の発泡体の寸法(mm)を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は発泡体に関する。特に、耐熱性に優れたポリフェニレンエーテル系発泡体に関する。
プラスチックは金属等と比較して軽量であるため、電子機器、雑貨、自動車用部品等の材料として広く使用されている。近年、省エネルギー等の観点から、より軽量で、且つ強度や耐衝撃性等の物性が優れているプラスチック材料が求められている。
このようなプラスチック材料として、ポリスチレン系樹脂発泡体等の樹脂発泡体が知られている。しかし、ポリスチレン系樹脂は剛性や断熱性に優れる一方、耐熱性に劣るため、自動車用部材等の、高い耐熱性が必要とされる用途への使用が限られていた。
ポリスチレン系樹脂発泡体等の樹脂発泡体の耐熱性を向上させる手段として、樹脂発泡体に主に含まれる樹脂よりガラス転移温度が高い樹脂を混合する方法があり、混合する樹脂としては、相溶性にも優れるポリフェニレンエーテル系樹脂が知られている。
特許文献1にはポリスチレン系樹脂にポリフェニレンエーテル系樹脂を配合し耐熱性を向上させた樹脂発泡成形体が開示されている。また、特許文献2にはポリフェニレンエーテル系樹脂を40質量%以上含む難燃性の発泡ビーズが開示されている。
特開2004−244440号公報 国際公開第2011/019057号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示された樹脂発泡成形体の耐熱温度は100℃程度であり、使用可能な用途はまだ限られたものであった。発泡成形体の耐熱性を更に向上させる方法としては、ポリフェニレンエーテル系樹脂の割合を高くすることが考えられる。しかし、ポリフェニレンエーテル系樹脂の割合を高くすると、樹脂を発泡させる際の加熱温度を高くする必要があり、予備発泡時の加熱で予備発泡粒子表面が一旦溶けて、隣の予備発泡粒子と一体化する「ブロッキング」と呼ばれる現象が起きやすくなる。このブロッキング現象を抑制する為に特許文献1ではアンチブロッキング剤を添加しているが、アンチブロッキング剤は、発泡成形時の予備発泡粒子の融着をも阻害する為、予備発泡粒子を融着させるために発泡成形時の加熱温度を高くする必要があった。しかしながら、成形機による加熱では、予備発泡粒子が十分に融着せず、耐熱性が高い樹脂発泡体を得ることは困難であった。
また、特許文献2ではポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が40質量%以上と高いが、難燃性を向上させる為に難燃剤を添加しており、これが可塑剤として働くため、結果として得られる発泡体の耐熱性が低下していた。
このように、高い耐熱性を有する、耐熱性に優れた樹脂発泡体が求められているのが現状である。
そこで本発明では、耐熱性に優れる発泡体を提供することを目的とする。特に、高い耐熱性が必要とされる自動車用部材等の成形材料として好適な発泡体を提供することを目的とする。
本発明は下記[1]〜[3]である。
[1]樹脂を含み、
上記樹脂100質量%に対して、ポリフェニレンエーテル系樹脂を35〜80質量%含み、
JIS−K6767のB法に準拠して算出した、下記式で示される110℃で22時間加熱した後の寸法変化率が±1.0%以内であることを特徴とする、発泡体。
寸法変化率(%)={(L2−L1)/L1}×100
(式中、L1は、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後の発泡体の寸法(mm)を表す。L2は、温度110℃で22時間加熱した後の発泡体の寸法(mm)を表す。)
[2]さらに、アンチブロッキング剤を、上記樹脂100質量部に対して、0.2質量部未満含む、[1]記載の発泡体。
[3]ポリフェニレンエーテル系樹脂を35〜80質量%含む発泡剤含有混合物を蒸気導入ラインと排気ラインとを備えた予備発泡機内に投入し、前記蒸気導入ラインから蒸気を6.0〜15.0kg/cm2Gの導入圧力で供給しながら予備発泡させて、得られた予備発泡粒子を成形型内に充填し加熱することを特徴とする、[1]又は[2]記載の発泡体の製造方法。
本発明によれば、耐熱性に優れる発泡体を提供することができる。また、本発明の発泡体は、高い耐熱性が必要とされる自動車用部材等の成形材料として好適である。
本発明について、以下具体的に説明する。尚、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
[発泡体]
本発明の発泡体は、樹脂を含み、上記樹脂100質量%に対して、ポリフェニレンエーテル系樹脂を35〜80質量%含み、JIS−K6767のB法に準拠して算出した、下記式で示される110℃で22時間加熱した後の寸法変化率が±1.0%以内である。
寸法変化率(%)={(L2−L1)/L1}×100
(式中、L1は、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後の発泡体の寸法(mm)を表す。L2は、温度110℃で22時間加熱した後の発泡体の寸法(mm)を表す。)
本実施形態の発泡体は、ポリフェニレンエーテル系樹脂以外に、さらに、ポリフェニレンエーテル系樹脂以外の樹脂、添加剤等を含んでいてもよい。
なお、本明細書においてポリフェニレンエーテル系樹脂以外の樹脂を、「他の樹脂」と称する場合がある。
(ポリフェニレンエーテル系樹脂)
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体をいい、例えば、下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる単独重合体、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む共重合体等が挙げられる。
Figure 2017088834
[式中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;アルキル基;アルコキシ基;フェニル基;ハロゲン原子と一般式(1)中のベンゼン環との間に少なくとも2個の炭素原子を有するハロアルキル基又はハロアルコキシ基で第3α−炭素を含まない基;からなる群から選択される一価の基である。]
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−ジフェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。中でも、特に、上記一般式(1)において、R1及びR2が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R3及びR4が水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である繰り返し単位を含む重合体が好ましい。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂は、一種単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂の重量平均分子量としては、20,000〜60,000が好ましい。
本実施形態の発泡体中に含まれる樹脂の総量(100質量%)に対する、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量は、35〜80質量%であり、40〜60質量%であることが好ましい。ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が35質量%未満であると、得られる発泡体の耐熱性が下がり、110℃以上の耐熱性を達成することが困難となる。また、80質量%超であると、樹脂と発泡剤を含む発泡剤含有混合物の予備発泡時や、予備発泡粒子の発泡成形時の温度を高くする必要があり、コストがかさむだけでなく、特別な設備が必要になるなど、実生産性に欠ける。
(他の樹脂)
上記他の樹脂としては、熱可塑性樹脂等が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等のポリオレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂;AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂;ポリスチレン系樹脂;メタクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;ポリエステル系樹脂;アクリル系樹脂;セルロース系樹脂;スチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1,2−ポリブタジエン系、フッ素ゴム系等の熱可塑性エラストマー;ポリアミド系、ポリアセタール系、ポリエステル系、フッ素系の熱可塑性エンジニアリングプラスチック;等が挙げられる。また本発明の目的を損なわない範囲で、変性、架橋された樹脂を用いてもよい。中でも、相溶性の観点からポリスチレン系樹脂が好ましい。
これらは、一種単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記他の樹脂としての上記ポリスチレン系樹脂としては、スチレン又はスチレン誘導体の単独重合体、スチレン及び/又はスチレン誘導体を主成分とする共重合体等が挙げられる。スチレン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジフェニルエチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。
スチレン又はスチレン誘導体の上記単独重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリクロロスチレン等が挙げられる。
スチレン及び/又はスチレン誘導体を主成分とする上記共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体;スチレン−アクリロニトリル共重合体;スチレン−マレイン酸共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;スチレン−マレイミド共重合体;スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体;スチレン−N−アルキルマレイミド共重合体;スチレン−N−アルキル置換フェニルマレイミド共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−メタクリル酸共重合体;スチレン−メチルアクリレート共重合体;スチレン−メチルメタクリレート共重合体;スチレン−n−アルキルアクリレート共重合体;スチレン−n−アルキルメタクリレート共重合体;エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合体;ABS、ブタジエン−アクリロニトリル−α−メチルベンゼン共重合体等の三元共重合体;スチレングラフトポリエチレン、スチレングラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、(スチレン−アクリル酸)グラフトポリエチレン、スチレングラフトポリアミド等のグラフト共重合体;等が挙げられる。さらに、必要に応じてブタジエン等のゴム成分を添加したポリスチレン系樹脂を使用してもよい。
これらは、一種単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の発泡体中に含まれる樹脂の総量(100質量%)に対する、上記他の樹脂の含有量は、20〜65質量%であることが好ましく、40〜63質量%であることがより好ましい。他の樹脂の含有量が20質量%以上であると、押出時の押出加工性に優れる。また、65質量%以下であると、ポリフェニレンエーテル系樹脂による耐熱性向上効果が得られやすい。
(添加剤)
上記添加剤としては、例えば、難燃剤、ゴム成分、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔料、染料、耐光性改良剤、帯電防止剤、耐衝撃改質剤、タルク等の核剤、ガラスビーズ、無機充填剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
本実施形態の発泡体中に含まれる樹脂の総量(100質量部)に対する、アンチブロッキング剤の含有量は、0.2質量部未満であることが好ましく、0.1質量部未満であることがより好ましい。アンチブロッキング剤の含有量が0.2質量部未満であると、予備発泡粒子の成形時に予備発泡粒子が融着し、耐熱性に一層優れる発泡体が得ることができる。
上記アンチブロッキング剤としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルシリコン等が挙げられる。
本実施形態の発泡体中に含まれる樹脂の総量(100質量部)に対する、難燃剤の含有量は、耐熱性が一層向上する観点から、10質量部未満であることが好ましく、5質量部未満であることがより好ましく、3質量部未満であることがさらに好ましい。
上記難燃剤としては、臭素化合物等のハロゲン系化合物、リン系化合物やシリコーン系化合物等の非ハロゲン系化合物等の有機系難燃剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムに代表される金属水酸化物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンに代表されるアン
チモン系化合物等の無機系難燃剤;等が挙げられる。
本実施形態の発泡体の、JIS−K6767のB法に準拠して算出した、110℃で22時間加熱した後の寸法変化率は、110℃での耐熱性に優れるという観点から、±1.0%以内であることが好ましい。
本明細書において、寸法変化率は、以下の方法で算出できる。
寸法変化率(%)={(L2−L1)/L1}×100
(式中、L1は、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後の発泡体の寸法(mm)を表す。L2は、L1の測定後に、加熱温度(例えば、110℃、120℃、130℃など)で22時間加熱した後の発泡体の寸法(mm)を表す。また、発泡体の寸法は、JIS−K6767のB法に準拠して測定される寸法をいう。)
加熱後の寸法変化率は、例えば、樹脂中のポリフェニレンエーテルの含有量、発泡体中に含まれる添加剤の含有量等によって調整することができる。
本実施形態の発泡体の、JIS−K6767のB法に準拠して算出した、120℃で22時間加熱した後の寸法変化率は、120℃での耐熱性に優れるという観点から、±1.0%以下であることが好ましい。
本実施形態の発泡体の、JIS−K6767のB法に準拠して算出した、130℃で22時間加熱した後の寸法変化率は、130℃での耐熱性に優れるという観点から、±1.0%以下であることが好ましい。
本実施形態の発泡体は、例えば、電気機器、雑貨、自動車用部品、建築部材等の材料として用いることができ、中でも高い耐熱性が要求される自動車用部品の材料として好適に用いることができる。
[発泡体の製造方法]
本発明の発泡体の製造方法は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を35〜80質量%含む発泡剤含有混合物を蒸気導入ラインと排気ラインとを備えた予備発泡機内に投入し、上記蒸気導入ラインから蒸気を6.0〜15.0kg/cm2Gの導入圧力で供給しながら予備発泡させて、得られた予備発泡粒子を成形型内に充填し加熱する方法である。
本実施形態の、発泡体の製造方法は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を35〜80質量%含む樹脂を含む混合物を調製する混合物調製工程と、
上記混合物に発泡剤を添加して発泡剤含有混合物を調製する発泡剤添加工程と、
蒸気導入ラインを備えた予備発泡機内に上記発泡剤含有混合物を投入し、上記蒸気導入ラインから蒸気を6.0〜15.0kg/cm2Gの導入圧力で供給しながら上記発泡剤含有混合物を予備発泡させて予備発泡粒子を得る予備発泡工程と、
上記予備発泡粒子を成形型内に充填して、上記予備発泡粒子を発泡、成形して発泡体を得る発泡成形工程と、
を含むことが好ましい。
上述の本実施形態の発泡体の製造方法としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む樹脂を予備発泡させて予備発泡粒子を調製し、得られた予備発泡粒子を成形する方法が挙げられ、中でも、本発明の発泡体の製造方法が好ましい。
なお、予備発泡粒子とは、最終段階の発泡を行っていない発泡性を有する粒子をいう。
(混合物調製工程)
上記混合物調製工程では、上記樹脂中の上記ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有割合を35〜80質量%とし、さらに他の樹脂や必要に応じて各種添加材を添加して混合物を調製することが好ましい。
上記樹脂(100質量%)中の、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有割合は40〜60質量%であることが好ましい。ポリフェニレンエーテル樹脂の含有割合が35質量%未満になると、耐熱性が下がり、110℃以上の耐熱性を達成することが困難になる。80質量%を超えると、発泡、成形等の加工に必要な温度が急激に高くなり、コストがかさむだけでなく、特別な設備が必要になる等、実生産性に欠ける。
上記混合物調製工程では、上記樹脂に上記他の樹脂を混合してもよい。上記他の樹脂としては、上述のものが挙げられる。
上記樹脂(100質量%)中の、上記他の樹脂の混合割合は20〜65質量%であることが好ましく、40〜63質量%であることがより好ましい。他の樹脂の含有量が20質量%以上であると、ポリフェニレンエーテル系樹脂の相溶性に優れる。また、65質量%以下であると、ポリフェニレンエーテル系樹脂により耐熱性向上効果が得られやすい。
上記混合物調製工程では、上記樹脂の他に、上記添加剤等を添加、混合して混合物を調製してもよい。上記添加剤としては、上述のものが挙げられる。
(発泡剤添加工程)
上記発泡剤添加工程では、混合物に発泡剤を添加することが好ましい。
上記発泡剤添加工程において、上記発泡剤としては、特には限定されず、一般的に用いられているガスを使用することができる。上記発泡剤としては、例えば、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等の無機ガス;トリクロロフルオロメタン(R11)、ジクロロジフルオロメタン(R12)、クロロジフルオロメタン(R22)、テトラクロロジフルオロエタン(R112)、ジクロロフルオロエタン(R141b)、クロロジフルオロエタン(R142b)、ジフルオロエタン(R152a)、HFC−245fa、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−225ca等のフルオロカーボンを含むガス;プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等の飽和炭化水素を含むガス;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類を含むガス;ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン等のケトン類を含むガス;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類を含むガス;蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステル等のカルボン酸エステル類を含むガス;塩化メチル、塩化エチル等の塩素化炭化水素類を含むガス;等が挙げられる。
中でも、上記発泡剤は、安全性の観点から、無機ガスが好ましい。また、無機ガスは炭化水素等の有機ガスに比べ樹脂に溶けにくく、発泡成形工程の後、発泡体からガスが抜けやすいので、発泡体の経時での寸法安定性がより優れる利点もある。さらに、残存ガスによる樹脂の可塑化も起こりにくく、成形後、より早い段階から優れた耐熱性を発現しやすいメリットもある。無機ガスの中でも、樹脂への溶解性、取り扱いの容易さの観点から、炭酸ガスがより好ましい。
上記発泡剤添加工程において、上記混合物に上記発泡剤を添加、含浸させる方法としては、特には限定されず、一般的に行われている方法が適用できる。発泡剤を含浸させる方法としては、例えば、水等の懸濁系を利用して水性媒体で行う方法(懸濁含浸法)、重炭素水素ナトリウム等の熱分解型発泡剤を用いる方法(発泡剤分解法)、発泡剤を臨界圧力以上の雰囲気で液相状態にして上記混合物に接触させる方法(液相含浸法)、気相状態の発泡剤を臨界圧力未満の高圧雰囲気下で上記混合物に接触させる方法(気相含浸法)等が挙げられる。中でも、気相含浸法が好ましい。これは、一般的に高温条件下で実施される懸濁含浸法に比べて、上記混合物中の上記樹脂への発泡剤の溶解度がより良く、発泡剤の含有量を高くすることができる為、高発泡倍率で気泡サイズが均一な発泡体が得られやすくなるからである。発泡剤分解法も同様に高温条件下で実施されるだけでなく、加えた熱分解型発泡剤全てがガスになる訳ではない為、ガス発生量が相対的に少なくなりやすい。その為、気相含浸法の方が、発泡剤含有量を高くすることができる。また、気相含浸法は、液相含浸法と比べると、耐圧装置や冷却装置等の設備がよりコンパクトになりやすく、設備費が低く抑えやすくなる。上記気相含浸法における、気相含浸条件は特には限定されないが、雰囲気圧力として0.5〜6.0MPaが好ましく、雰囲気温度は5〜30℃が好ましい。上記範囲であると、より効率的に上記混合物へ発泡剤を含浸させることができる。
(予備発泡工程)
上記予備発泡工程において、上記発泡剤含有混合物を予備発泡させる方法は特に限定されないが、例えば、高圧条件下から一気に低圧雰囲気下に開放し、上記発泡剤含有混合物内に溶解している発泡剤をガス化して膨張させる方法や、圧力蒸気等により加熱し、上記発泡剤含有混合物内に溶解している発泡剤をガス化して膨張させる方法等が挙げられる。中でも、加熱発泡させる方法が好ましい。これは、高圧条件下から一気に低圧雰囲気下に開放する方法に比べると、予備発泡粒子内部の気泡サイズが均一になりやすいからである。また、発泡倍率の制御、特に低発泡倍率品が得られやすい利点がある。
予備発泡粒子を所望の倍率まで発泡させる際、一段階で所望の倍率まで発泡させてもよいし、二次発泡、三次発泡と、多段階で発泡させてもよい。多段階で発泡させる場合、二次発泡以降の発泡前に無機ガスで加圧処理を行う事が好ましい。加圧処理に用いるガスは特には限定されないが、難燃性やガスの安全性の観点から無機ガスが好ましい。無機ガスの例として、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等が挙げられ、取り扱いの容易さと経済性の観点から、炭酸ガスや空気が好ましいが、それに限定されるものではない。加圧処理の方法も特には限定されないが、予備発泡中の上記発泡剤含有混合物が含まれる加圧タンク内に無機ガスを供給して加圧する方法等が挙げられる。
上記予備発泡工程において、上記発泡剤含有混合物を予備発泡させる際、予備発泡機へと供給する蒸気の導入圧力は6.0〜15.0kg/cm2Gが好ましく、より好ましくは6.1〜12.0kg/cm2Gである。導入圧力が低いと、予備発泡機を加熱する能力が低くなるので、予備発泡する際、所定の温度まで昇温するのに必要な時間が長くなる。これにより、予備発泡粒子表面が一旦溶けて、隣の予備発泡粒子と一体化する「ブロッキング」と呼ばれる現象が起きやすくなる。導入蒸気圧が6.0kg/cm2G以上の場合、予備発泡機内の蒸気圧力が速やかに上昇し、ブロッキングしていない良好な予備発泡粒子を得やすくなる。
なお、ブロッキング現象を抑制するためには、アンチブロッキング剤を添加することが一般的である。しかし、アンチブロッキング剤は粉末状であることが多く、粉末状のアンチブロッキング剤は発泡体に付着することがあり、顧客から好まれないことが多い。さらに、アンチブロッキング剤は予備発泡時のブロッキングを防ぐ利点がある反面、予備発泡粒子を成形する際には、予備発泡粒子同士の融着を阻害することになり、得られる発泡体の見栄え、強度に悪影響を及ぼす。その為、アンチブロッキング剤を添加した場合には、予備発泡粒子の成形温度を高くする必要があるが、発泡体を成形する成形機には加熱上限温度があり、予備発泡粒子が融着する温度まで成形機内の温度を上げることができずに、見栄えや強度が不十分となる場合がある。そのため、耐熱性が高い発泡体の場合、アンチブロッキング剤は、上記樹脂100質量部に対して、0.2質量部未満であることが好ましい。この範囲内であると、予備発泡時のブロッキングを抑制しつつ、成形時の予備発泡粒子の融着を阻害しづらい。
この観点からも、導入蒸気圧を調整しブロッキングを抑制する事は、耐熱性の高い発泡体を製造する上で大変重要である。また、排気ラインから排気する蒸気量は特に限定されず、予備発泡機が所望の温度になるように調節すればよい。
上記予備発泡工程で得られる上記予備発泡粒子の形状は、特に限定されないが、例えば、円柱状、直方体状、球状、不定型の粉砕品等が挙げられる。上記予備発泡粒子の大きさは、0.2〜3mmが好ましい。大きさがこの範囲にあると、予備発泡後の粒子が適度な大きさになり、取り扱い易く、また、成形時の充填がより密になりやすくなる。
なお、予備発泡粒子の大きさは、ノギスにより測定することができる。
上記予備発泡工程で得られる上記予備発泡粒子の発泡倍率は、特には限定されないが、1.5〜30cc/gが好ましく、2〜20cc/gがより好ましい。この範囲であると、軽量化のメリットを活かしつつ、優れた耐熱性を有する発泡体が得られる。多段階で所望の倍率に調整する際には、一次発泡倍率は1.4〜10cc/gが好ましい。この範囲であると、発泡体中のセルサイズが均一になりやすく、二次発泡能を付与しやすくなる。
なお、予備発泡粒子の発泡倍率とは、予備発泡粒子の重量Wに対する、予備発泡粒子の体積Vの比(V/W)をいう。また、本明細書において、予備発泡粒子又は発泡体の体積は、水没法で測定した体積をいう。
上記予備発泡工程で得られる上記予備発泡粒子の独立気泡率は、高い程よく、50%以上が好ましく、より好ましくは60%以上である。この範囲内であると、より優れた成形加工性を発現しやすい。
なお、本明細書において、独立気泡率とは、ASTM D−2856に準拠し、エアピクノメーター(例えば、Beckman社製、品名:MODEL930)を用いて測定した値をいう。
上記予備発泡工程で得られる上記予備発泡粒子の平均セル径は、1〜1000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましい。平均セル径が1μm未満であると、セルとセルの間の膜厚が薄くなり破泡等の現象が起こりやすく、発泡性や成形性が低下しやすくなる。また、平均セル径が1000μm超であると、発泡倍率が上がりづらく、発泡体の見栄えが悪くなりやすい。
なお、本明細書において、平均セル径とは、予備発泡粒子又は発泡体の切片の電子顕微鏡写真から、セル20個の長径を求め、それらの平均した値をいう。
上記予備発泡工程で得られる上記予備発泡粒子のセルサイズの均一性は、特には限定されないが、内周部のセルサイズに対する外周部のセルサイズの割合が、0.1〜10であることが好ましく、0.5〜5であることがより好ましい。この範囲内であると、セルとセルの間の膜厚がより均一となり、破泡等の現象が起きづらく、より良好な発泡性、成形性を発現しやすい。
なお、本明細書において、セルサイズの均一性における内周部のセルサイズとは、予備発泡粒子又は発泡体の切片の電子顕微鏡写真から、切片の中心に近い独立セル(外気と連結している樹脂に囲まれていない開放セルや、他のセルと連結している連続セルを除く)20個の長径を求め、それらの平均した値をいう。また、外周部のセルサイズとは、予備発泡粒子又は発泡体の切片の電子顕微鏡写真から、切片の外周に近い、樹脂に囲まれた独立セル20個の長径を求め、それらの平均した値をいう。
(発泡成形工程)
上記発泡成形工程において、上記予備発泡粒子は、一般的な発泡成形法によって成形し、発泡体とすることができる。発泡成形方法の例としては、特に限定されないが、成形型内に予備発泡粒子を充填し、加熱することにより予備発泡粒子を発泡させると同時に、予備発泡粒子同士を融着させた後、冷却により固化させて成形した発泡体を得る方法等が挙げられる。成形型内に予備発泡粒子を充填する方法は、特には限定されないが、例えば、成形型を多少開けた状態で予備発泡粒子を充填する方法、成形型を閉じたままの状態で加圧圧縮した予備発泡粒子を充填する方法等が挙げられる。
上記発泡成形工程において、セルの大きさが均一になるという観点から、予備発泡粒子を成形型に充填する前に、予備発泡粒子に無機ガスで加圧処理を施す事が好ましい。加圧処理を施す事により、予備発泡粒子内の気泡に一定のガス圧力を付与でき、より均一に発泡した発泡体が得られやすくなる。加圧処理を実施する場合の圧力源は特には限定されないが、前述した耐熱性、寸法安定性の観点から、無機ガスを用いるのが好ましい。無機ガスの例として、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等が挙げられ、取り扱いの容易さと経済性の観点から、炭酸ガスや空気が好ましいが、それに限定されるものではない。加圧処理の方法も特には限定されないが、加圧タンク内に予備発泡粒子を充填し、該タンク内に無機ガスを供給して加圧する方法等が挙げられる。
本実施形態の発泡体の発泡倍率は特には限定されないが、1.5〜40cc/gが好ましく、2〜25cc/gがより好ましい。この範囲であると、軽量化のメリットを活かしつつ、優れた耐熱性を維持しやすくなる。
なお、発泡体の発泡倍率とは、発泡体の重量Wに対する、発泡体の体積Vの比(V/W)をいう。
次に、実施例及び比較例により本発明を説明する。なお、本発明はこれらに限られるものではない。
まず、実施例及び比較例で用いた、評価方法について以下に説明する。
(1)発泡倍率
発泡体の重量W(g)を測定した後、水没法で発泡体の体積V(cc)を測定して、発泡体の発泡倍率(V/W)を算出した。
(2)ブロッキング性
予備発泡後の予備発泡粒子を手で触り、予備発泡粒子同士の一体化(ブロッキング)具合を評価した。
◎(優れる):ブロッキングなし。
○(良好):僅かにブロッキングするが、容易に手でほぐれる。
×(不良):手でほぐしてもほぐれない。
(3)成形性
発泡成形して得られた発泡体の外観を目視で確認し、評価した。
◎(優れる):外観は良好。
○(良好):若干、予備発泡粒子間の空隙がみられるが、実使用上問題なし。
×(不良):成形不可。
(4)寸法変化率
加熱温度を、110℃、120℃、130℃として、JIS−K6767の寸法安定性評価のB法に準じて寸法変化率を測定した。
[実施例1]
ポリスチレン系樹脂(商品名「GP685」、PSジャパン株式会社製)60質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂(商品名「S201A」、旭化成ケミカルズ株式会社製)40質量%を、押出機にて加熱溶融混練した後に押出し、混合物を調製した。
得られた混合物を、予備発泡機の耐圧容器に収容し、容器内の気体を乾燥空気で置換した後、発泡剤として二酸化炭素(気体)を注入し、圧力3.0MPa、温度10℃の条件下で3時間かけて混合物に二酸化炭素を含浸させ、導入蒸気圧6kg/cm2Gで予備発泡させ、予備発泡粒子を得た。
この予備発泡粒子を加圧・加温装置に収容し、圧力源として空気を注入し、23℃の条件下で0.4MPaまで4時間かけて昇圧し、その後0.4MPaで4時間保持し、加圧処理を施した。これを、水蒸気孔を有する成形金型内(内寸法312mm×312mm×10mm)に充填し、加圧水蒸気で加熱して予備発泡粒子を膨張・融着させた後、冷却し成形金型より取り出し、発泡体を得た。
[実施例2]
発泡体の発泡倍率を20倍とした以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。
[実施例3]
導入蒸気圧15kg/cm2Gで予備発泡した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。
[実施例4]
導入蒸気圧4kg/cm2Gで予備発泡した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。
[実施例5]
樹脂100質量部に対して、アンチブロッキング剤として炭酸カルシウム(商品名「Silver−W」、白石工業株式会社製)0.2質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。
[実施例6]
樹脂100質量部に対して、アンチブロッキング剤として炭酸カルシウム(商品名「Silver−W」、白石工業株式会社製)0.1質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。
[実施例7]
樹脂の混合比率を、ポリスチレン系樹脂65質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂35質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。
[実施例8]
発泡体の発泡倍率を、25倍とした以外は実施例7と同様にして成形品を得た。
[実施例9]
樹脂の混合比率を、ポリスチレン系樹脂50質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂50質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。
[比較例1]
樹脂の混合比率を、ポリスチレン系樹脂56質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂44質量%とし、難燃剤としてのトリフェニルホスフェートを樹脂100質量部に対して10質量部用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。
[比較例2]
樹脂の混合比率を、ポリスチレン系樹脂70質量%、ポリフェニレンエーテル系樹脂30質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡体を得た。
[比較例3]
樹脂の混合比率を、ポリスチレン系樹脂10%、ポリフェニレンエーテル系樹脂90%とし、実施例1と同様の手順で発泡体を製造しようとしたが、耐熱性が高すぎて予備発泡させることができなかった。
Figure 2017088834
表1にも示されるように、実施例1において、予備発泡して得られた予備発泡粒子は、ブロッキングがなかった。また実施例1で得られた発泡体は、発泡倍率が15倍であり、また、寸法変化率は110℃で−0.4%、120℃でも−0.8%と100℃超の温度でも寸法変化が少なく、120℃でも優れた耐熱性を示した。また、発泡成形後の発泡体の外観も良好であった。
実施例2において、予備発泡して得られた予備発泡粒子は、ブロッキングがなかった。また実施例2で得られた発泡体は、120℃の寸法変化率が−0.9%と小さく、120℃でも優れた耐熱性を有していた。また、発泡成形後の発泡体の外観も良好であった。
実施例3で得られた発泡体は、実施例1と同様の成形性、耐熱性を示した。実施例4において、導入蒸気圧4kg/cm2Gで予備発泡した際に、予備発泡粒子に若干のブロッキングを伴っていた以外は実施例1と同様の成形性、耐熱性を示した。
実施例5、6共に予備発泡粒子のブロッキングはなかったが、アンチブロッキング剤の濃度が高い実施例5において、得られた発泡体に、若干、予備発泡粒子間の隙間があった。しかし、実使用上問題はないレベルであり、耐熱性に関しては実施例1と同様であった。実施例6については、予備発泡粒子間の隙間がない発泡体が得られ、耐熱性も実施例1と同様であった。
実施例7において、樹脂の総量に対するポリフェニレンエーテル系樹脂の含有割合を下げても、得られた発泡体の110℃における寸法変化率は−0.8%と良好であり、110℃でも耐熱性に優れていた。発泡倍率を25倍とした実施例8でも同様の結果が得られた。
実施例9において、予備発泡して得られた予備発泡粒子は、ブロッキングがなかった。また実施例9で得られた発泡体は、130℃の寸法変化率が−0.9%であり、130℃での耐熱性にも優れていた。また、発泡成形後の発泡体の外観も良好であった。
比較例1では、可塑剤として働く難燃剤を添加した影響で、ポリフェニレンエーテル系樹脂を44質量%含んでいるにも関わらず、110℃の寸法変化率が−1.6%で、耐熱性に劣っていた。
比較例2では、予備発泡粒子にブロッキングはなく、発泡成形後の発泡体の外観も良好であったが、ポリフェニレンエーテル系樹脂の比率が低いことから、110℃の寸法変化率が−1.5%で、耐熱性に劣っていた。
本発明の発泡体は、軽量化と同時に高い耐熱性を示し、特に自動車用部材として好適である。

Claims (3)

  1. 樹脂を含み、前記樹脂100質量%に対して、ポリフェニレンエーテル系樹脂を35〜80質量%含み、
    JIS−K6767のB法に準拠して算出した、下記式で示される110℃で22時間加熱した後の寸法変化率が±1.0%以内であることを特徴とする、発泡体。
    寸法変化率(%)={(L2−L1)/L1}×100
    (式中、L1は、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後の発泡体の寸法(mm)を表す。L2は、温度110℃で22時間加熱した後の発泡体の寸法(mm)を表す。)
  2. さらに、アンチブロッキング剤を、前記樹脂100質量部に対して、0.2質量部未満含む、請求項1に記載の発泡体。
  3. ポリフェニレンエーテル系樹脂を35〜80質量%含む発泡剤含有混合物を蒸気導入ラインと排気ラインとを備えた予備発泡機内に投入し、前記蒸気導入ラインから蒸気を6.0〜15.0kg/cm2Gの導入圧力で供給しながら予備発泡させて、得られた予備発泡粒子を成形型内に充填し加熱することを特徴とする、請求項1又は2記載の発泡体の製造方法。
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