JP2017088012A - 鉄道車両用ブロック結合構造及びそれを用いた鉄道車両用構体 - Google Patents
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Abstract
Description
また、近年、図12に示すように、広告宣伝や路線等を印刷したフィルム170が鉄道車両の側構体に貼られている。転落防止柵160をホームに設置する駅があるので、フィルム170は、転落防止柵160越しに視認できるように、入口開口部130a上方に貼られる。ところが、図11に示す鉄道車両用ブロック結合構造140を備える側構体は、フィルム170を前側車端部から後側車端部まで連続して貼ると、段差150の部分に皺が寄りやすい。そのため、作業者は、段差150にフィルム170を切断して貼着しなければならず、作業性が悪かった。また、鉄道車両を洗車する場合には、洗車ブラシがフィルム170の切断部分170aに当たってフィルム170を捲り挙げてしまい、フィルム170が剥がれやすかった。
図13に示す第2従来例の鉄道車両用ブロック結合構造220は、結合部材221が平らな板であるため、外板121とフランジ部122bを重ねた厚さが入口フレーム131の厚さと同じになるように、外板121と縦骨122と入口フレーム131の板厚を調整する必要があった。しかし、外板121や縦骨122の板厚は、せん断力等に対する強度を確保するように設定される。また、入口フレーム131の板厚は、開閉扉の支持等に必要な強度を確保するように設定される。よって、外板121と縦骨122の板厚の和が入口フレーム131の板厚と同じになるように各々の板厚を調整するのは、困難であった。
尚、外板の分割数は、2分割に限定されず、3分割以上であっても良い。
図2に、車体1の外観斜視図を示す。鉄道車両の車体1は、一対の側構体2(鉄道車両用構体の一例)の上部に屋根構体3を連結し、下部に台枠4を連結し、前後端部に妻構体5を連結することにより、箱形に形成される。車体1は、各構体2〜5が耐腐食性があって強度が高いステンレス鋼で形成されている。車体1の側構体2は、車端窓6と中間窓7が窓開口部2bに取り付けられ、開閉扉8が入口開口部2aに開閉可能に取り付けられている。側構体2は、入口開口部2aの上部に、広告宣伝や路線等を示すフィルム9を貼着されている。
中間窓ブロック22と側入口ブロック23との結合を例に挙げて、ブロック結合方法を説明する。
中間窓ブロック22を製作する場合に、中間窓ブロック22の外板33のうち車長方向端部の裏面33bに結合部材31の窓側端部31cを重ねて接合する。これにより、結合部材31は、ブロック同士を結合する作業の前に中間窓ブロック22に取り付けられる。
以上説明した第1実施形態のブロック結合構造30では、結合部材31の窓側端部31cと入口側端部31bを外板33と入口フレーム32の車体内側に位置する面(裏面)33b,32bに接合すると、外板33と入口フレーム32の板厚の差分W3が結合部材31の段差部31aによって解消され、外板33と入口フレーム32の表面33a,32aを同じ位置に揃えた状態で中間窓ブロック22(又は車端窓ブロック21)と側入口ブロック23とを結合できる。そのため、窓ブロック22や側入口ブロック23を結合部材31に関係なく自由に設計できる。また、外板33の板厚W2と入口フレーム32の板厚W1との差分W3が大きい場合でも、セギリ加工により緩やかな曲げ角の段差部31aを結合部材31に無理なく形成し、金型の破損を防止できる。この場合でも、窓ブロック22と側入口ブロック23は、外板33と入口フレーム32が結合部材31の窓側端部31cと入口側端部31bに当接していれば、段差部31aの曲げ角に関係なく外板33と入口フレーム32とを近づけて隙間35を極力小さくすると共に外板33と入口フレーム32の表面33a,32aを同じ位置に揃えた状態で、結合されるので、結合部分の見栄えが良い。更に、外板33及び入口フレーム32と別の結合部材31に段差部31aを設けるので、窓ブロック22及び側入口ブロック23の寸法公差を調整するように外板33と入口フレーム32とを位置合わせしやすい。
次に、第2実施形態について説明する。図4に、本発明の第2実施形態に係る側構体41(鉄道車両用構体の一例)の一部を示す。図5に、図4のA−A断面に対応する第2実施形態の鉄道車両用ブロック結合構造40(以下「ブロック結合構造40」と略記する。)を示す。
第2実施形態のブロック結合構造40及び側構体41は、外板43の形状を除き、第1実施形態のブロック結合構造30及び側構体2と同様に構成されている。ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点は図面と説明に第1実施形態と同じ符号を使用し、適宜説明を省略する。尚、以下の説明では、中間窓ブロック42と側入口ブロック23とを結合する場合を例に挙げて説明するが、車端窓ブロックと側入口ブロックとの結合も同様であることは言うまでもない。
次に、第3実施形態について説明する。図6に、本発明の第3実施形態に係る側構体50(鉄道車両用構体の一例)の側面図を示す。図7に、図6に示す側構体50の分解図を示す。図8に、図6のB−B断面に対応する第3実施形態の鉄道車両用ブロック結合構造65(以下「ブロック結合構造65」と略記する。)の断面図を示す。図9に、図6のC−C断面に対応する第3実施形態のブロック結合構造65の断面図を示す。
本実施形態のブロック結合構造65及び側構体50は、車端窓ブロック59の外板51と中間窓ブロック60の外板55と結合部材61を分割している点が、第1実施形態と相違する。ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については図面と説明に第1実施形態と同じ符号を使用し、説明を適宜省略する。
前記各実施形態では、車体表面を平滑にするため外板と入口フレームとの表面の位置を合わせるように構成されている。しかし、外板と入口フレームとの表面の位置を寸分違わぬように形成することは出来ないので、結合部材に設ける段差部の変形量は多少の誤差を許容するものである。
前記実施形態では、縦骨として断面がハット形のものを示して説明したが、断面がいわゆるZ形をした骨部材などであってもよい。
前記実施形態では、結合部材31の段差部31aをセギリ加工により設けたが、厚みの厚い板に切削等の機械加工を施すことにより結合部材31の段差部31aを設けても良い。
前記実施形態では、側構体を構成するブロックについて説明したが、屋根構体と側構体とを一体的に分割したブロックについても、上記実施形態の鉄道車両用ブロック結合構造を適用できる。
前記第3実施形態では、結合部材61を分割しているが、結合部材を分割せずに、上部段差部62aと中間段差部63aと下部段差部を切削等の機械加工等により設けてもよい。これによれば、分割したパネルを接合して外板を構成した後、1回の接合処理で結合部材を外板に取り付けることができ、作業性が良い。
前記第3実施形態では、中間窓ブロックの外板を3分割したが、例えば、窓開口部を形成された第2パネルと窓開口部を形成されていない第1パネルに、外板を2分割しても良い。この場合、第2パネルの板厚を第1パネルの板厚より厚くすると良い。
前記第3実施形態では、幕板パネル52,56と腰板パネル54,58を同じ板厚にしたが、幕板パネル52,56と吹寄パネル53,57と腰板パネル54,58を全て異なる板厚にしても良い。この場合、上部結合部材62と中間結合部材63と下部結合部材64は、各パネル52〜54、56〜58の板厚との差に応じて上部段差部62aと中間段差部63aと下部段差部の大きさを設定すれば、各パネル52〜54、56〜58と入口フレーム32との間に生じる段差を簡単に抑制できる。
2b 窓開口部
23 側入口ブロック
31 結合部材
31a 段差部
31b 入口側端部(第2接合部の一例)
31c 窓側端部(第1接合部の一例)
32 入口フレーム
43c 上底部
43d 下底部
56 幕板パネル(第1パネルの一例)
57 吹寄パネル(第2パネルの一例)
61 結合部材
62a 上部段差部(第1段差部の一例)
63a 中間段差部(第2段差部の一例)
2,41,50 側構体(鉄道車両用構体の一例)
22,42、60 中間窓ブロック(窓ブロックの一例)
30,40,65 鉄道車両用ブロック結合構造
33,43,55 外板
L1,L2 車長方向長さ
W3、W31,W32 差分
W1,W2、W21,W22 板厚
Claims (5)
- 窓開口部を形成された外板を有する窓ブロックと、前記外板より板厚が厚い入口フレームによって入口開口部が形成された側入口ブロックと、前記窓ブロックと前記側入口ブロックとを結合する結合部材とを有する鉄道車両用ブロック結合構造において、
前記結合部材は、
前記外板の構体内側に位置する面に接合される第1接合部と、
前記入口フレームの構体内側に位置する面に接合される第2接合部と、
前記第1接合部と前記第2接合部との間に、前記外板の板厚と前記入口フレームの板厚との差分と同じ大きさで設けられた段差部とを有し、
前記外板と前記入口フレームの表面を同じ位置に揃えた状態で前記窓ブロックと前記側入口ブロックとを結合していること、
を特徴とする鉄道車両用ブロック結合構造。 - 請求項1に記載する鉄道車両用ブロック結合構造において、
前記外板は、屋根構体に接合される上底部の車長方向長さが、台枠に接合される下底部の車長方向長さより長い台形形状に設けられていること、
を特徴とする鉄道車両用ブロック結合構造。 - 請求項2に記載する鉄道車両用ブロック結合構造において、
前記入口フレームと前記外板が、ステンレス鋼により形成され、ブレージングにより接合されていること、
を特徴とする鉄道車両用ブロック結合構造。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する鉄道車両用ブロック結合構造において、
前記外板は、車体高さ方向に分割され、第1パネルと、前記第1パネルより板厚が厚い第2パネルとを有すること、
前記結合部材は、前記第1パネルの板厚と前記入口フレームの板厚との差分と同じ大きさの第1段差部と、前記第2パネルの板厚と前記入口フレームの板厚との差分と同じ大きさの第2段差部とを有すること、
を特徴とする鉄道車両用ブロック結合構造。 - 請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載する鉄道車両用ブロック結合構造により、複数に分割されたブロック同士が結合されていることを特徴とする鉄道車両用構体。
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