JPH0826107A - 鉄道車両車体およびその製作方法 - Google Patents

鉄道車両車体およびその製作方法

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JPH0826107A
JPH0826107A JP7060385A JP6038595A JPH0826107A JP H0826107 A JPH0826107 A JP H0826107A JP 7060385 A JP7060385 A JP 7060385A JP 6038595 A JP6038595 A JP 6038595A JP H0826107 A JPH0826107 A JP H0826107A
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JP
Japan
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vehicle body
joined
laminated
longitudinal direction
roof
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Application number
JP7060385A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Horibatake
勝利 堀畑
Morishige Hattori
守成 服部
Mamoru Ohara
守 大原
Kenji Kimura
謙治 木村
Michifumi Takechi
通文 武市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Kasado Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Kasado Engineering Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速走行する際に鉄道車両の構体に作用する圧
力荷重に耐えうる、高い剛性を有するとともに、軽量化
を図ることを目的としたものである。 【構成】鉄道車両の構体1を構成する台枠3の側梁6お
よび側構体2と屋根構体4を接続する軒内部、即ち肩部
は閉断面押し出し型材(中空材)20として、他は全て
軽合金製の面板とコアをろう付けによって接合した積層
パネルにより構成する。 【効果】構体全体の剛性を向上することができるととも
に、構体全体の重量を大幅に軽減でき、製作の容易な車
両の構体構造を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両の構体に係
り、特に軽量で高速走行するものに好適な鉄道車両の構
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軽量で高速走行するものに好適な鉄道車
両の構体構造として、軽合金製ろう付け積層パネルを用
いて構成した構体が提供されている。積層パネルは対を
なした2枚の面板の間に積層状のコア、補強材、結合部
材を配置し、一体にろう付けしたものである。材料はア
ルミニウム合金製である。結合部材は面板の周囲に配置
され、強度部材となる。隣接するパネル同士を結合部材
の部分で溶接して、側構体、屋根構体を作り、この各構
体を溶接で接合して車両構体とする。このような構体は
例えば、特開平05−136296号公報に示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年鉄道車両は高速化
の傾向にあるが、高速化に伴い、軌道への衝撃の増大、
走行時に発生する騒音の増大、運転動力費の増大、停止
のためのブレ−キエネルギ−の増大などの問題点が生じ
るため、鉄道車両全体を軽量化する必要がある。車両の
軽量化を図る上で、質量の大きなウエイトを占める構体
を軽量化することが必要不可欠である。
【0004】また、鉄道車両が高速でトンネル内を走行
する場合、車外圧力が急激に変化することが知られてい
る。特に、車両同士がトンネル内ですれ違う場合に大き
な圧力変動が短時間に発生し、構体に大きな圧力荷重が
作用する。また、この圧力荷重は走行速度の2乗に比例
する速度依存性を有することが知られている。このた
め、構体の剛性向上および圧力荷重に対する強度向上を
図らなければならない。ところが、構体の剛性および強
度の向上を図ることと、軽量化を図ることとは相反する
関係にあり、実現するのが困難な状況にある。
【0005】構体の剛性向上と軽量化という相反する条
件を満足するために、屋根構体と側構体を、積層パネル
によって構成することは実現の可能性が大きい。
【0006】しかし、屋根構体と側構体の接合部である
軒部分は、一般的に小半径の曲面部材となるため、前記
積層パネル自体の製作と加工が煩雑になるという懸念が
ある。また、軒部材は応力の変曲点となるため多数の補
強材を設置する必要が生じ、製作工数増大という問題が
あった。
【0007】また、窓を有する側構体においては窓の周
囲に大きな応力が発生するので、強固に作る必要があ
る。このため、窓の周囲の積層パネルには十分な補強部
材を必要とし、価格が高くなり、重量増加になる。ま
た、窓と窓の間の積層パネルは小さいので、結果的に価
格が高くなりやすい。
【0008】本発明の目的とするところは、製作費安価
で軽量で高い剛性を有した鉄道車両車体を提供すること
にある。その一つは、屋根構体と側構体との接続部の軒
の部分を安価に構成することにある。第2番目は、側構
体の窓の部分を安価に構成することにある。
【0009】第3の目的は、キャンバを有した車体にお
いてその製作を容易に、かつ、精度良く行うことができ
る鉄道車両車体を提供することにある。
【0010】第4の目的は、屋根上に集電装置あるいは
特高ケーブル用碍子等の外部艤装品を設置する必要が有
る場合に、該外部艤装品の設置が容易で、かつ、所定の
強度を確保し得る車体を提供することにある。
【0011】第5の目的は、室内艤装品を容易に設置す
ることができる鉄道車両車体を提供することにある。
【0012】第6の目的は、製作の容易な鉄道車両車体
の製作方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記1番目の目的は、台
枠、側構体、屋根構体および妻構体からなり、前記側構
体および前記屋根構体は、一対の面板の間にコアおよび
結合部材を備えた積層パネルで構成してなる鉄道車両の
構体において、前記側構体と前記屋根構体との間の軒部
に車両の長手方向に沿って軽合金製の閉断面の押し出し
型材を配置しており、該押し出し型材の押し出し方向は
車両の長手方向であり、該押し出し型材を前記側構体と
屋根構体に接合したこと、を特徴とする。
【0014】前記2番目の目的は、台枠、側構体、屋根
構体および妻構体からなり、前記側構体は、一対の面板
の間にコアおよび結合部材を備えた積層パネルで構成し
てなる鉄道車両の構体において、前記側構体の窓と窓と
の間の吹き寄せ部を軽合金製の閉断面の押し出し型材で
構成していること、を特徴とする。
【0015】前記第3の目的は、車体長手方向に引き通
して配置される押し出し型材と、該押し出し型材に隣接
して車体長手方向に複数並べて配置される積層パネルと
によって側構体および屋根構体の少なくとも一方を構成
しており、前記複数の積層パネルの構体構成状態におけ
る上部位置および下部位置の車体長手方向寸法を、キャ
ンバに対応した長さだけ前記下部位置の寸法を短くした
ことにより、達成される。
【0016】前記第4の目的は、屋根構体の車端側位置
に車外艤装品設置範囲に対応した長さ寸法および幅寸法
を有した押し出し型材を配置しており、該押し出し型材
に接続して車体長手方向に複数の積層パネルを接合して
屋根構体を構成したことにより、達成される。
【0017】前記第5の目的は、台枠と側構体および側
構体と屋根構体との間に、車体長手方向に引き通して押
し出し型材を設置しており、該各押し出し型材の室内側
の面に艤装品支持部を一体に形成しており、該各押し出
し型材の間に車体長手方向に複数の積層パネルを隣接し
て接合配置したことにより、達成される。
【0018】前記第1の目的を達成する第2の手段は、
長手方向両端部分をそれぞれ台車によって支持される台
枠と、複数の窓開口を列をなして構成した一対の側構体
と、屋根構体と、一対の妻構体と、からなり、前記各側
構体は一対の面板と心材とを金属間接合によって接合し
構成された複数の積層パネルを溶接によって接合するこ
とにより構成されており、前記側構体と屋根構体との接
合部分に、車体の長手方向に沿って配置され前記溶接に
よって接合された複数の積層パネルに接合される軒部型
材を備えた鉄道車両車体において、前記軒部型材は内板
部および外板部を接合して長手方向に伸びた中空部をな
す隔壁部を備えており、前記列をなした窓開口部の上方
部を車体長手方向に連続して溶接接合された複数の積層
パネルによって構成しており、前記軒部型材と窓開口上
方部積層パネルとは前記各台車間の長さ以上に渡って連
続して接合されていることを特徴とするものである。
【0019】前記第1の目的を達成する第3の手段は、
一対の側面部と、屋根部と、一対の妻部と、台枠とから
なり、前記各側面部を二枚の面板の間に芯材を配置して
金属間接合により接合した複数の側積層パネルから構成
している鉄道車両車体において、前記各側面部を構成す
る複数の前記側積層パネルは、車体長手方向に沿って隣
接して並べられ、それぞれ溶接によって接合されてお
り、前記各側積層パネルの前記屋根部側の端部と、車体
長手方向のほぼ車体全長に渡ってその長手方向を配置さ
れる中空材とを、前記二枚の面板と中空材を車体長手方
向に連続した溶接によって接合していることを特徴とす
るものである。
【0020】前記第1の目的を達成する第4の手段は、
積層パネルが一対の面板と芯材を金属間接合して構成さ
れており、前記面板は厚さが0.8mm以上1.5mm以下
であって、一対の面板の厚さが2.2mm以下であり、直
線的に形成された前記積層パネルを、複数溶接して構成
された一対の側面部と、一対の妻部と、台枠と、屋根部
と、前記一対の側面部と屋根部との間に一体的に溶接さ
れ両者を結び、かつ、積層パネルより小さな曲率半径を
有する軒部材と、からなる鉄道車両車体において、前記
軒部材を、その平行な二つの板部分は90°以上120
°以下の曲率半径を有する形状となし、それぞれの厚さ
は前記積層パネルの面板よりも厚いものとし、前記板部
の間隔は前記積層パネルの面板の間隔と同等か板部の厚
さを付加した間隔と同等として押出し型材パネルで構成
したことを特徴とするするものである。
【0021】前記第6の目的を達成する第1の製作方法
は、一対の面板の間に芯材および枠材を配置してそれぞ
れ金属間接合によって接合した側積層パネルを、車体長
手方向に沿って並べて溶接接合する工程と、前記接合し
た側積層パネルの屋根部側端部に、中空材を溶接接合し
て側構体を構成する工程と、該側構体の側積層パネルを
台枠の側梁に溶接接合する工程と、前記側構体の中空材
に屋根構体を接合する工程と、前記側構体,台枠および
屋根構体の車体長手方向端部に妻構体を接合する工程
と、からなることを特徴とするものである。
【0022】前記第6の目的を達成する第2の製作方法
は、台枠と、該台枠に接合された一対の側構体および一
対の妻構体と、前記一対の側構体および一対の妻構体に
接合された屋根構体と、前記側構体と屋根構体の間に車
体長手方向に連続して配置される軒部型材とからなる鉄
道車両車体の製作方法において、前記軒部型材を予め車
体長手方向について曲げており、台形の積層パネルを溶
接によって接合した側積層パネルと前記軒部型材を溶接
接合することを特徴としたものである。
【0023】
【作用】前記1番目の目的に対する構成においては、積
層パネルでは小さな曲率での製作が煩雑な軒の部分を押
し出し型材として一体成形するため、材料コストを安価
にでき、かつ、小さな曲率でも面外曲げ剛性を高くで
き、軽量で安価な構体とすることができる。
【0024】前記2番目の目的に対する構成において
は、吹き寄せ部を押し出し型材で構成しているので、安
価にできるものである。
【0025】前記第3の目的に対する構成は、各積層パ
ネルを車体長手方向に並べて配置し、それぞれを接合す
る構造となっていることから、該各積層パネルをキャン
バを考慮した形状に構成しておきこれらを溶接によって
接合すれば、積層パネルによって構成される部分がそれ
自体キャンバを備えた形状となることから、押し出し型
材のみを組合せて構体を構成する場合に比べて、キャン
バを備えた構体を精度良く、かつ、容易に製作すること
ができる。
【0026】第4の目的に対応する構成は、外部艤装品
を設置する部分の構体構造を押し出し型材によって構成
することから、艤装品支持部を一体に形成したり、該支
持部の板厚を厚くすることが素材単体で可能であり、前
記外部艤装品の設置が容易であり、かつ、十分な強度を
確保することができる。
【0027】第5の目的に対応する構成は、構体の室内
側においてほぼ四隅に艤装品支持部が設置されており、
各艤装品支持部間にユニット化した艤装品を設置するこ
とにより、室内の各面すなわち両側面および天井面に対
応したユニットに艤装品を構成して、構体内部の狭い空
間での艤装品設置作業を少なくして、艤装品の設置を容
易にすることができる。
【0028】前記第1目的を達成する第2の手段によれ
ば、複数の積層パネルを溶接接合した部分に一体構造の
型材を接合するとともに、該接合部分が各台車間距離以
上であるため、十分な強度を複雑な構造とすることな
く、確保することができる。
【0029】前記第1の目的を達成する第3の手段によ
れば、隣接配置して接合した複数の側積層パネルを、中
空材に対して車体長手方向に連続した溶接にって接合す
ることにより、該各積層パネルと高強度部材である中空
材との間の力の伝達が車体長手方向について分散して行
われるため、応力集中が生じることがない。
【0030】前記第1の目的を達成する第4の手段によ
れば、前記軒部材は平板部分の角度を前述のように構成
していることから、車体断面を略円形に構成することが
できるとともに、略円形の車体断面を構成する際、この
軒部分の角度は製作上の条件を考慮して設定されるもの
ではなく、車体内部のスペース確保を主眼に設定され
る。したがって、この角度が如何なる角度であっても容
易に、かつ、正確に形成することができる押出し型材に
よって構成するものである。
【0031】前記第6の目的を達成する第1の製作方法
によれば、複数の積層パネルを溶接接合したものに前記
中空材を溶接接合することにより、各ブロックとしての
長手方向における曲げ強度を向上させることでき、反
転,組立ての際の位置決め作業を容易に行える。
【0032】前記第6の目的を達成する第2の製作方法
によれば、予めキャンバーに対応させて軒部型材を曲げ
ておくことにより、積層パネルとの接合作業が容易に、
かつ、正確に行えるものである。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図4に
よって説明する。図において、構体1は、一対の側構体
2、台枠3、屋根構体4および一対の妻構体5から構成
されている。一対の側構体2および屋根構体4は後述す
る複数の積層パネル10を溶接により接合することによ
って構成されている。前記側構体2には、窓開口部Wが
形成されている。前記窓開口部Wより上の部分すなわち
幕部,窓開口部Wより下の部分すなわち腰部および隣合
った窓開口部Wの間の部分すなわち吹き寄せ部は、それ
ぞれ積層パネル10によって構成されている。
【0034】台枠3は、車体幅方向の両端に車体長手方
向に引通して設置され側梁6と、一対の前記側梁6の間
に車体幅方向に引通して設置された複数の横梁7と、各
横梁7の上に設置された床板8と、からなる。また、該
台枠3の台車によって支えられる支持部には、枕梁が設
けられており、車体長手方向に車端から引き通された中
梁が前記枕梁に接続されている。この中梁には連結器が
設置されており、該連結器から伝えられた車端圧縮荷重
を前記枕梁に伝え、該枕梁によって台枠全体へ前記車端
圧縮荷重を分散させて伝達する構成となっている。側梁
6は台枠3に対して側構体2を接合する位置に設置され
ており、その断面形状は閉断面(中空材)をなした押し
出し型材によって構成されている。横梁7は側梁6の側
面に溶接で結合されている。横梁7は車体長手方向に所
定のピッチで平行に配置されている。また、前記床板8
は後述の積層パネルによって構成されており、床板8の
上面と枕梁の上面が面一となるように両者は接合されて
おり、枕梁に直接接合された床板8は、車体長手方向に
連結される他の床板よりもその面板或いはコアの板厚を
厚くして、該床板の平面部分に平行な方向の荷重に対す
る座屈強度を向上させた構造となっている。
【0035】側構体2、屋根構体4、床板8を構成する
積層パネル10は、図3に示すように、一対の面板11
および面板12と、該面板11と面板12との間に配置
される複数のハニカム状のコア13と、隣接したコア1
3の間に所定の間隔で配置される強度部材14と、面板
11と面板12との間であって積層パネル10自体の外
周に沿って配置される結合部材15と、からなる。前記
強度部材14は、積層パネル10の厚さ方向に対して直
角な方向に任意のピッチで配置されている。前記積層パ
ネル10を構成する部材は、軽合金(例えばアルミニウ
ム合金)製であり、ろう付けによって一体に接合されて
いる。これらの積層パネルは、それ自体の結合部材15
と面板の外周端部を、隣接して配置される他の積層パネ
ルの外周端部あるいは側梁6あるいは後述する中空材に
溶接によって接合される。前記面板11,12の厚さ
は、0.8mmから1.5mm程度のものを使用し、該
面板11,12を合わせた厚さを中空押出材の平均的な
板厚2.2mmよりも薄く構成する。また、前記コア1
3の厚さは、0.2mm程度とする。このように、前記
積層パネル10は、全体として中空押出形材よりもその
重量を軽く構成されている。
【0036】前記側構体2は、窓開口部Wより上部を構
成する幕部パネルブロック2aと、窓開口部Wより下部
を構成するの腰部パネルブロック2bと、隣接した窓開
口部Wの間に配置される吹き寄せパネル2cと、出入り
口部分を構成する出入り口パネルから構成されている。
前記幕部パネルブロック2aは、長方形の積層パネル1
0を車体長手方向にそれぞれ隣接して配置した後、これ
らを溶接接合して構成される。前記積層パネル10の各
接合部分は、前記接合作業の前に切削加工によって高精
度に加工されている。すなわち、前記側構体2を構成す
る各積層パネル10は、車体に予め形成される車体長手
方向の中央部分が上方へ突き出るような反りすなわちキ
ャンバに対応してほぼ台形に形成されている。すなわ
ち、該積層パネル10は、構体を形成している状態で、
その上辺の長さが下辺よりも長く形成された四角形すな
わち、台形に形成されている。したがって、複数の前記
積層パネル10を接合した状態で、前記幕部パネルブロ
ック2aは、その長手方向中央部が突き出るように湾曲
した弓形の形状となる。前記幕部パネルブロック2aの
湾曲に伴う該ブロックの長手方向の端部と中央部とのず
れは、車体全長を25mとした場合に20ないし30m
m程度に設定される。
【0037】前記腰部パネルブロック2bも前記幕部パ
ネルブロック2aと同様に複数の積層パネル10を接合
して構成される。また、前記腰部パネルブロック2bは
前記幕部パネルブロック2aと同様に、車体長手方向に
ついて弓形に湾曲した形状に構成されている。前記吹き
寄せパネル2cは、窓開口部Wの車体長手方向の幅寸法
に一致した間隔を隔てて前記幕部パネルブロック2aと
前記腰部パネルブロック2bとの間に配置される。吹き
寄せパネル2cは、前記幕部パネルブロック2aと前記
腰部パネルブロック2bに溶接によって接合される。二
つの吹き寄せパネル2c,前記幕部パネルブロック2a
および前記腰部パネルブロック2bによって窓開口部W
は構成される。前記吹き寄せパネル2c,前記幕部パネ
ルブロック2aおよび前記腰部パネルブロック2bのそ
れぞれの接合は、すべて溶接によって行われる。
【0038】屋根構体4は、複数の積層パネル10を車
体長手方向に並べて溶接によって接合することにより、
構成される。屋根構体4は、車体幅方向について外側へ
突き出るように湾曲した形状となっており、その曲率は
側構体と同様に比較的大きく構成されている。
【0039】前記幕部パネルブロック2aの屋根構体側
の端部には、中空材20が接合される。前記中空材20
は、通常、軽合金製(アルミニウム合金)の押出し型材に
よって構成されており、それ自体の長手方向を車体長手
方向に沿わせて配置されている。また、前記中空材20
の長さは、車体の全長に一致した長さとなっている。但
し、前記中空材20は、二つの台車によって支持される
構体1の各支持点SPすなわち前後の枕梁が設置される
位置の間隔と同等以上の長さに構成されていればよい。
【0040】中空材20は、外表面部20aと、内表面
部20dと、これらをつなぐ隔壁20gから構成されて
いる。中空材20は、幅方向の断面形状が円弧状に湾曲
した形状となっている。
【0041】中空材20の外表面部20aは、前記側構
体2および屋根構体4の外表面と可能な限り段差が少な
く滑らかになるように接合されている。前記外表面部2
0aの側構体側の端部20cは、側構体2の幕部パネル
ブロック2aの外表面と連続した滑らかな面をなすよう
に溶接によって接合されている。すなわち、幕部パネル
ブロック2aを構成する積層パネルの面板と前記中空材
20の端部20cとが溶接によって滑らかに接合され
る。前記幕部パネルブロック2aは円弧状に湾曲した形
状となっており、中空材20の端部20cは幕部パネル
ブロック2aの曲率に近似した曲率に形成されている。
【0042】なお、中空材20のその平行な二つの板部
分すなわち幕部パネルブロック2aに接合される部分お
よび屋根構体4に接合される部分を90°以上120°
以下の曲率半径を有する形状となしている。車体側面部
と屋根部分との接合部を、前記角度に構成することによ
り、車体断面を円形断面に構成するとともに両者を滑ら
かな曲率によってつなぐことができる。
【0043】前記外表面部20aの屋根構体側の端部2
0bは、屋根構体4を構成する積層パネルの曲率に近似
した曲率に形成されている。前記端部20bは、屋根構
体4を構成する積層パネルの端に重ね合わせて配置さ
れ、溶接によって接合される。前記端部20bと前記積
層パネルの面板は、溶接によって表面が滑らかになるよ
うに接合される。前記内表面部20dの側構体側の端部
20eは、幕部パネルブロック2aの積層パネルに重ね
合わされ、溶接によって接合されている。前記端部20
eは、幕部パネルブロック2aの積層パネルの結合部材
および面板に対して、可能な限り表面の段差が小さくな
るように溶接によって接合される。前記内表面部20d
の屋根構体側の端部20fは、屋根構体4を構成する積
層パネルの端に重ね合わせて配置され、溶接によって接
合される。前記端部20fと前記屋根構体4の積層パネ
ルの面板は、表面が滑らかになるように溶接によって接
合される。前記端部20fは、積層パネル10の結合部
材および面板に対して可能な限り表面の段差が小さくな
るように溶接によって接合される。
【0044】前記中空材20は、側構体2の前記幕部パ
ネルブロック2aおよび屋根構体4に対して、車体長手
方向のほぼ全長に渡って、連続した溶接によって接合さ
れる。したがって、中空材20の外表面部20aおよび
内表面部20dは、それぞれ幕部パネルブロック2aの
各積層パネル10の外側の面板と内側の面板に直接溶接
によって接合されている。
【0045】このような構成によれば、側構体2と中空
材20とは車体長手方向に連続して接合されていること
から、構体1に作用する垂直荷重或いは車外圧力の変動
に伴う圧力荷重が作用した場合に、前記接合部分に応力
集中が生じることがない。前記中空材20は、その長さ
が構体1を台車で支持する前後の支持点SPの間隔より
も長いため、車体の垂直荷重を一本の梁として負担す
る。この点からも、該中空材20は、応力集中の防止に
有効である。また、側構体2の幕部パネルブロック2a
と中空材20とは、積層パネル10の各面板および接合
部材15と中空材20の外表面部20aおよび内表面部
20dが接合されるため、両者間の力の伝達が円滑に行
われる。すなわち、中空材20の外表面部20aと積層
パネル10の外表面側の面板との間で、各種の方向の力
が円滑に伝達される。中空材20の内表面部20dと積
層パネル10の内表面側の面板との間で、各種の方向の
力が円滑に伝達される。したがって、側構体2と中空材
20との間で応力集中に伴う不具合が生じることがな
い。このことは、各部材の板厚を薄くすることにもつな
がり、構体1の軽量化の点でも有利である。
【0046】構体1の両側下部の前記側梁6と構体1の
肩部に配置された中空材20は、それぞれ閉断面をなし
ていることから、それ自体のねじり剛性および曲げ剛性
が非常に高い。前記側構体2を台枠3の側梁6に対して
接合し、中空材20を介して側構体2と屋根構体4を接
合するため、構体1の剛性を向上できる。
【0047】現在製作されている中空材は、各部の板厚
が積層パネルの面板に比べて厚い。したがって、中空材
は積層パネルよりも強度および剛性は高く、かつ、重量
は重い。前記実施例の構体1において、窓開口部Wが形
成されていることから吹き寄せパネル2cの部分は、強
度,剛性が前記中空材20に比べて低い。前記構体1
は、この吹き寄せ2cの部分と強度および剛性の高い中
空材20との間に、車体長手方向に積層パネル10を連
続して接合した幕パネルブロック2aを設置した構造と
なっている。中空材20と吹き寄せパネル2cの部分が
離れた位置で、構体1を構成している。この構体1にお
いては、中空材20,幕パネルブロック2aおよび吹き
寄せパネル2cの順に、強度,剛性が段階的に変化して
いる。したがって、前記各部材間においては、極端に強
度,剛性が変化しておらず、応力の集中を防止すること
ができる。
【0048】前記積層パネル10は、面板11と面板1
2をコア13をパネルの全面に渡って接合した構造とな
っていることから、パネルの厚さ方向すなわち面外曲げ
剛性が高い。前記側梁6と中空材20との間には、面外
曲げ剛性の高い積層パネル10が配置され、両者の間隔
を強固に保持している。また、積層パネル10の厚さ方
向に対して直角な方向の荷重に対して、十分な強度,剛
性を発揮することができる。したがって、側構体2或い
は構体全体としての相当曲げ剛性(EI)を向上させる
ことができる。すなわち、従来の骨部材と外板部材とを
接合した構体においては、外板部材がその厚さ方向すな
わち面外に変形している。そして、この車体に荷重が作
用した場合に、前記外板が各骨部材間で有効に力を伝達
できるまで変形した状態で強度および剛性を発揮する。
この従来の構体において、前記外板の面外方向の変形を
無くすことは一般的な車体製作方法では困難である。こ
のため、前記骨部材と外板部材からるなる構体において
は、外板の面外方向の変形量の差によって負担荷重が異
なり、応力集中が生じやすい構造であった。これに対し
て前記積層パネル10は、一対の面板をコアによって接
合していることから、面板の面外方向の変形を非常に少
なくすることができる。このため、積層パネル10は中
空材20との接合部において、均一に力を伝達させるこ
とができ、無用な変形も少なくない。したがって、従来
のように外板の変形に起因する強度低下を防止すること
ができる。
【0049】また、前記側梁6の室内側側面には、横梁
7以外に積層パネル10からなる床板8が接合されてい
る。側梁6への床板8の接合位置は、外側梁6の上下方
向中央部より上方へずれていることから、該床板8は側
梁6の曲げ剛性を向上させる。また、床板8は横梁7の
曲げ剛性も向上させる。このことにより、前記側梁6の
高さ寸法および幅寸法を従来のものに比べて短くし、構
体1の軽量化を図ることができる。
【0050】さらに、中空材20の横断面における高さ
寸法すなわち外表面部20aから内表面部20dまでの
距離は、側構体2および屋根構体4の積層パネル10の
厚さ寸法にほぼ一致しており、構体全体として、均一な
強度,剛性が得られる。さらに、構体1の外周面の平滑
化が図れる。
【0051】このように構体1を構成する一対の側構体
2、台枠3および屋根構体4は、側梁6および中空材2
0の部分で接合されることから、これら接合部分での応
力集中を防止することができる。したがって、前記一対
の側構体2、台枠3および屋根構体4を構成する各部材
の板厚を薄くして軽量化を図ることができる。
【0052】さらに、中空材20の端部20e,端部2
0fには、突出したフランジ部が形成されており、前記
端部20eのフランジに幕部パネルブロック2aの積層
パネルの少なくとも一部が重ね合わされている。また、
前記端部20fのフランジに対して屋根構体4の積層パ
ネルの端部が重ね合わされている。このように各ブロッ
クの溶接接合部において、重ね合わせる構造を採用する
ことにより、接合する部材同士の位置決めが作業が容易
に行なえる。
【0053】前記実施例における閉断面形状を備えた中
空材20は、軽金属製の押出形材であり、全体を一体に
成形することができる。なお、該中空材20を複数の部
分に分割した形状で製作し、これらを接合して構成して
も良い。
【0054】前記構体1の製作状況を図19および図2
0により、説明する。構体1の各部に対応させて積層パ
ネル10の外周を切削加工して、基本構成部材である積
層パネル10を製作する。側構体2は、まず、幕部パネ
ルブロック2aおよび腰部パネルブロック2bの製作か
ら始まる。車体長手方向に複数の積層パネル10を並べ
て接合することにより、幕部パネルブロック2aおよび
腰部パネルブロック2bは製作される。幕部パネルブロ
ック2aおよび腰部パネルブロック2bは、完成した状
態で弓形に湾曲している。この幕部パネルブロック2a
および腰部パネルブロック2bを治具G1上に配置す
る。幕部パネルブロック2aと腰部パネルブロック2b
との間に、複数の吹き寄せパネル2cを配置する。さら
に、前記幕部パネルブロック2aの屋根構体側の端部に
沿わせて、前記中空材20を配置する。前記中空材20
は、その長手方向ついて直線状に構成されているが、側
構体2を湾曲して構成するため、治具G1に沿わせて拘
束することにより曲げられる。すなわち、中空材20
は、前記幕部パネルブロック2aの湾曲状態に一致する
ように、全体を湾曲させた状態で治具G1に拘束され
る。中空材20は、治具G1に設置された拘束具Gaに
よって、該治具G1の部品支持面に沿わせて拘束され
る。この状態で、幕部パネルブロック2a、腰部パネル
ブロック2bおよび複数の吹き寄せパネル2cを溶接に
よって接合する。さらに、前記幕部パネルブロック2a
と中空材20を、該中空材20を湾曲させた状態で、溶
接によって接合する。
【0055】なお、前記治具G1は、部品を支持する面
が構体1の側構体2および中空材20の外面形状に一致
するように構成されている。この部品支持面に前記幕部
パネルブロック2a、腰部パネルブロック2b、複数の
吹き寄せパネル2cおよび中空材20を拘束して、側構
体2を製作する。
【0056】屋根構体4も同様に、屋根構体用の治具に
複数の積層パネルを並べて拘束し、これらを溶接によっ
て接合して製作される。前記屋根構体用治具には、屋根
構体の外表面形状に一致した部品支持面が形成されてい
る。
【0057】台枠3は、まず、一対の側梁6の間に複数
の横梁7を配置して、これらを相互に溶接によって接合
する。つぎに、前記各側梁6と各横梁7で囲まれた部分
に床板8を配置し、この状態で各床板8同士および床板
8と側梁6および横梁7を溶接によって接合する。この
ようにして台枠は、完成する。
【0058】妻構体5も治具上に外板となる部材および
骨部材を並べ、これらを拘束した状態で、溶接により接
合する。なお、妻構体5は前記側構体程の強度,剛性は
必要ではなく、外板となる部材として積層パネルをを用
いなくても良い。
【0059】前述のようにして構成された一対の側構体
2,台枠3,屋根構体4および一対の妻構体5を組立る
状況について説明する。まず、一対の側構体2を対向さ
せて保持し、かつ、前記側構体2の長手方向の各端部に
一対の妻構体5を配置し、さらに、前記側構体2と前記
妻構体5の上方に屋根構体4を配置する。この状態で、
前記各部材の相互の位置を確認しながら拘束する。この
とき、前記側構体2と中空材20の湾曲状態に一致する
ように、屋根構体4を湾曲させた状態で拘束する。一対
の側構体2と一対の妻構体5とを溶接によって接合する
とともに、これらと前記屋根構体4を溶接によって接合
する。
【0060】このようにして構成した5面体を前記台枠
3の上に載せて、一対の側構体2および一対の妻構体5
と台枠3とを溶接によって接合する。このとき、台枠3
は側構体2の湾曲状態に一致させるように、台枠3を湾
曲させて前記接合を行う。
【0061】このような製作方法によれば、幕部パネル
ブロック2aおよび腰部パネルブロック2bは予め湾曲
した形状に構成され、これらを吹き寄せパネル2cを含
めて治具G1に拘束した状態で接合することから、作業
が容易に行える。また、中空材20は、治具G1に拘束
されることによって、前記幕部パネルブロック2aの湾
曲した形状に一致した形状に保持される。したがって、
幕部パネルブロック2aと中空材20は、容易に、か
つ、正確に治具G1上に配置される。前記幕部パネルブ
ロック2aに対して中空材20を湾曲させて拘束した状
態で、車体長手方向の連続溶接によって接合される。こ
のように幕部パネルブロック2aと中空材20は、連続
溶接によって接合されるため、該溶接部の均一化が図れ
るとともに信頼性を向上させることができる。また、前
記中空材20は、治具G1に固定されることによって所
定の構体1のキャンバに対応した形状に保持されること
から、側構体2と接合した状態で高い寸法精度を確保す
ることができる。
【0062】次に、本発明による他の実施例について、
図5ないし図8により説明する。側構体2は、前記実施
例に加えて、屋根構体4に接続する軒部を積層パネル1
0で構成している。側構体2の窓Wと窓Wとの間の吹き
寄せ部30は積層パネルではなく、押し出し型材で形成
している。吹き寄せ部30は腰部と幕部とを溶接で接合
している。吹き寄せ部30は2つの押し出し型材31
a,31bからなり、両者を溶接で結合している。押し
出し型材31a,31bはその断面形状が閉断面であ
り、内部には複数の隔壁で区切られた複数の中空部が形
成されている。吹き寄せ部30の外表面30aは、側構
体2の幕部および腰部に連続した面をなすように形成さ
れ、例えば側構体の表面が円弧状に形成されている場合
にも同一曲率となるように形成されている。押し出し型
材の押し出し方向は車両の長手方向であるので、前記円
弧を容易に形成できる。
【0063】図7においてLの範囲が切削前の押し出し
型材31a,31bの長さである。幕部および腰部と接
続する隅部31c,31dは円弧状に形成し、応力の集
中を防止している。
【0064】押し出し型材31a,31bの内面と外面
との間の隔壁を切削して、窓を取り付けるための凹部3
1eを形成している。この凹部31eには補強用の板3
2を溶接している。また、押し出し型材31a,31b
の外面側の窓W側の端部31fが内面側の窓W側の端部
31gよりも窓側に突出し、窓の取付けを容易にしてい
る。
【0065】かかる構成によれば、他の部分に比べて積
層パネルの大きさが小さくなり、応力の大きい吹き寄せ
部30を押し出し型材を構成しているので、軽量で安価
にできるものである。
【0066】上記実施例では、吹き寄せ部30を2つの
押し出し型材31a、31bを溶接接合により構成して
いるが、窓の大きさにより一体成形の押し出し型材にで
きる。
【0067】図9ないし図11の実施例について説明す
る。図において、前記実施例と同一符号は同一部材を示
すものである。この実施例は吹き寄せ部30が平面をな
す場合の実施例であり、閉断面押し出し型材を用いてい
る。押し出し型材35は押し出し方向を車両の垂直方向
に向けている。幕部および腰部と接続する隅部35c,
35dは円弧状に形成し、応力の集中を防止している。
端部35f,35gの大きさは前記端部31f,31g
と同様である。窓W側の隔壁35kの位置は窓を取り付
けるための凹部が構成できるように設置している。
【0068】次に、図12,図13により鉄道車両の速
度と剛性および耐圧度の関係について説明する。図12
の横軸に高速車両の営業最高速度を、縦軸に構体の剛性
値を構体質量で割った比剛性を示す。図12において、
●印は現在営業中の車両の比剛性の値を示したもので、
△印は前に述べた実施例で示した構体構造による車両の
比剛性値を示す。日本では、軌道の構造や騒音、振動等
の環境問題などの制約から車両の速度を向上するために
は、車両の重量を軽量化する必要がある。車両の軽量化
を図るためには、構体および機器の重量を軽減する必要
がある。一方、乗客の乗心地を良くするためには構体の
剛性値を一定に保持する必要がある。そこで、比剛性値
(構体剛性値/構体質量)の実績車両の値をプロットす
ると、図12のような1次関数となる。このトレンドを
見て300km/h以上350km/h以下の車両は、0.3(G
N・m2/ton)以上0.4(GN・m2/ton)以下に設計する必要が
ある。
【0069】次に、図13の横軸に高速車両の営業最高
速度を、縦軸に車両同士のすれ違い時や、トンネル突入
時に構体に作用する圧力荷重を構体質量で割った比耐圧
度を示す。図13において、●印は現在営業中の車両の
比耐圧度の値を示したもので、△印は前に述べた実施例
で示した構体構造による車両の比耐圧度を示す。前に説
明したように、車両の高速化により、車両同士のすれ違
いや、トンネル突入による変動圧力荷重は大きくなり、
その値の速度依存性は速度の2乗則である。したがっ
て、構体の強度を安全に保つためには構体に作用する圧
力荷重の耐量を増大する必要がある。そこで、比耐圧度
(圧力荷重/構体質量)の実績車両の値をプロットする
と図13のようになり、2乗則の関数で相関性を表わす
ことができる。この結果300km/h以上350km/h以下
の車両は、1.5(kPa/ton)以上3.0(kPa/ton)以下に
設計する必要がある。
【0070】次に、本発明による鉄道車両の構体のさら
に別実施例を図14ないし図17によって説明する。同
図において、前記実施例と同一符号は、同一部材を示す
ものである。
【0071】側構体52は、腰部をなす積層パネル10
および幕部をなす積層パネル10と、これらを連結する
ように窓W間に配置された吹寄64,さらに前記幕部の
積層パネル10の上方に設置される。閉断面をなした押
し出し型材60より構成されている。前記腰部および幕
部をなす積層パネル10は側構体52のキャンバを形成
するため、下辺よりも上辺が長い略台形に形成されてお
り、複数の該積層パネル60を車体長手方向に並べて接
合することにより、側構体52を上方へ凸の湾曲した形
状すなわちキャンバを構成することができる。なお、側
出入口の周辺は、押し出し型材を組合せて門型に形成し
た出入口パネル52aとして構成されており、前記各積
層パネル10に接合されている。
【0072】前記出入口パネル52aは、各積層パネル
10および押し出し型材60に接合されるため、全体が
矩形に形成さている。さらに、出入口パネル52aに隣
接して設けられるユティリティ室を形成する部分の側壁
52bは、ユティリティ室内の各種内装品を設置するこ
とから押し出し型材を用いて構成することも考えられ
る。
【0073】前記押し出し型材60の詳細構成を図16
によって説明する。押し出し型材60が側構体上部の小
曲率部分を構成する場合、その幅寸法は800mm〜10
00mm程度の比較的広い寸法となり、現状の押し出し成
形技術によれば分割形成せざるを得ない。したがって、
押し出し型材60h,60lを溶接接合することにより
押し出し型材60を形成している。また、押し出し型材
60の曲率は、幅方向の両端の曲率半径R2が中央部の
曲率半径R1よりも大きくなるように形成され、室内空
間の確保を考慮している。
【0074】前記押し出し型材60h,60lの室内側
表面の幅方向端部には、内装品支持用の支持レール60
rがそれぞれ一体成形によって形成されいる。この支持
レール60r,60rは、後述する荷棚,側内装パネ
ル,空調ダクトおよび天井パネルを支持するために用い
られる。
【0075】前記押し出し型材60h,60lは、閉断
面すなわち内部に中空部を有した断面形状となってお
り、剛性確保と軽量化を図っている。前記中空部を形成
する隔壁は、前記曲率半径が小さくなる程、その設置間
隔を短くしており、積層パネル10に正負の圧力荷重が
作用した際の面外曲げ変形に対して十分な強度を備えた
構造となっている。
【0076】図14に示した吹寄64も前記押し出し型
材60と同様に、閉断面の押し出し型材によって構成さ
れており、室内側表面には内装品支持用の支持レール6
0rが一体成形されている。
【0077】台枠53は、前記実施例とほぼ同様に一対
の側梁62の間に横梁7を設置し、かつ、床板8を設け
た構造となっている。ただし、前記一対の側梁62に
は、車体幅方向中央部の側面であって前記横梁7の接合
位置より上方に、内装品を支持するための支持レール6
2rが一体成形さている。各側梁62の前記支持レール
62rは、例えば幕部,窓周囲および腰部を一体成形に
よって覆う側内装パネルの下端部を専用固定ボルト等に
よって支持するものである。この場合、前記側内装パネ
ルは、その上端を前述の押し出し型材60lの支持レー
ル60rに引掛け、上下方向中間部を前記吹寄64の支
持レール64に押し付けた状態で、下端を前記支持レー
ル62rに固定する構造となっている。すなわち、側内
装パネルは、側構体52の室内側表面の曲率よりも小さ
い曲率半径を有した構成となっており、上端および下端
を固定することにより中間部は、吹寄64等の部分で押
し付けられて固定される構造となっている。さらに、側
内装パネルと側構体52との間に、復元性を有した断熱
材を介在させることにより、断熱性を確保し、かつ、側
内装パネルの振動防止を図ることができる。なお、前記
断熱材としては、発泡ウレタン等を用いる。
【0078】前記側構体52は、前記実施例の側構体2
とほぼ同様な製作方法によって製作される。すなわち、
幕部パネルブロック,腰部パネルブロック,吹き寄せパ
ネルおよび中空材60lを治具上に配置し、これらを拘
束した状態で溶接により接合する。前記中空材60l
は、構体のキャンバに一致するように湾曲させた状態で
治具に拘束されている。
【0079】屋根構体54は、まず、屋根パネルブロッ
ク70aを製作し、次に、図21に示すように、この屋
根パネルブロック70aの幅方向両側にそれぞれ中空材
60hを溶接により接合することにより製作される。前
記屋根パネルブロック70aは、複数の積層パネル70
を車体長手方向に順次並べ、これらを溶接により接合し
て製作される。各積層パネル70の車体長手方向の端部
は、屋根パネルブロック70aを構体のキャンバに一致
させるように湾曲させるために、車外側の面板の縁が車
内側の面板よりも、わずか突き出すように形成されてい
る。このように形成された各積層パネル70を溶接によ
って接合することにより、屋根パネルブロック70aは
構体のキャンバに一致するように湾曲した形状となる。
この屋根パネルブロック70と中空材60hを、屋根構
体用の治具G2に載せて拘束する。前記治具G2は、そ
の部品支持面が屋根構体54の外表面の形状に一致する
ように形成されている。また、前記部品支持面は、屋根
パネルブロック70aおよび中空材60hに対して、構
体のキャンバに一致した曲げを与えるように形成されて
いる。屋根パネルブロック70と中空材60hは、治具
G2に拘束されることにより、構体のキャンバに一致す
るように曲げられる。このような状態で屋根パネルブロ
ック70と中空材60hは、溶接により接合される。
【0080】一対の前記側構体52および前記屋根構体
54は、一対の妻構体を含めて位置決めを行い、相互に
溶接により接合される。この時、前記側構体52と屋根
構体54は、中空材60hと中空材60lの端部を車体
長手方向に連続して溶接することにより接合される。前
記側構体52と屋根構体54は、それぞれ構体のキャン
バに一致するように湾曲した形状であるが、前記説明の
ように治具によって精度良く製作されていることから、
接合作業が容易に行える。また、前記屋根構体54は、
その幅方向両端部に車体長手方向に伸びた中空材60h
が取り付けられている、このため、該屋根構体54は、
積層パネルのみで構成されたものよりも剛性が高く、そ
の移動や反転等作業が容易に行える。
【0081】一方、屋根構体54および側構体52に構
成されるキャンバは、予め各積層パネル10あるいは積
層パネル70を加工することによって複数の押し出し型
材を強制的に曲げて接合する場合に比べて比較的容易に
形成することができる。また、溶接部の強度信頼性の面
からは、車体長手方向に引き通して配置される押し出し
型材60の配置は有利であり、前記側構体52と屋根構
体54の組合せは、両方の利点を合理的に利用した構造
となっている。
【0082】なお、前記押し出し型材60を屋根構体と
して構成しても良い。この場合、押し出し型材60と押
し出し型材60Sを先に組んで接合し、接合した複数の
積層パネル70を接合して構成する。
【0083】前記構体において、室内艤装品の設置状況
を図17により説明する。側内装パネル81は、側構体
52の幕部から側梁62の上部までも覆う構造となって
いる。側内装パネル81は、室内側の幕部,窓Wの周囲
および腰部を一体に覆う構造となっており、例えば、ア
ルミ合金製板材に樹脂製シートを貼った状態で一体プレ
ス成形した構造となっている。また、側内装パネル81
は、側構体52の円弧状曲面よりも曲率の小さい曲面に
形成されており、側構体52との間に断熱材を介在させ
た状態で、上端を押し出し型材60の支持レール60r
に固定し、下端を側梁62の支持レール62rに固定す
る。側内装パネル82の中間部分は、側構体52との曲
率の違いにより押し付けられ、吹寄64の支持レール6
4rで固定されることになる。また、該吹寄64の支持
レール64rへの側内装パネル81の固定を室内側から
開口を設けてビス等によって行なうか、あるいは、固定
金具を予め設置しておいて、支持レール64rに引掛け
ることによって固定する。側内装パネル81の裏面に
は、必要により車体上下方向に沿って補強材を接着によ
り取付ける。
【0084】荷棚82は、その下端および上端を押し出
し型材60の支持レール60rに固定ボルトによって固
定されることにより取付けられる。なお、荷棚82の下
端は、支持レール60rに固定するとともに前記側内装
パネル81の上端を覆う構成となっている。荷棚82
は、前蓋82aが開閉式となっており、内部に固定用ボ
ルトを配置しているため通常の使用状態では室内側に前
記固定ボルトが露出することがない。
【0085】天井パネル83は、車体幅方向両側に設け
られた押し出し型材60の支持レール60rにまたがっ
て取付けられる。該天井パネル83と屋根構体との間に
は、空調ダクト84が設置ている。該空調ダクト84
は、幅方向の一端を支持レール60rに他方を積層パネ
ル70の内部補強部材に取付けた支持レール70rに固
定している。支持レール70rは積層パネル70の内部
に設けられた型材からなる内部補強材に下穴を設け固定
用芯金を介して取付けられている。前記空調ダクト84
への調和空気の供給は、構体の妻側から行なわれ、か
つ、調和空気の吹出しは天井パネル84に設けた吹出口
84aを介して行なわれる。
【0086】このような内艤装構造において、その作業
手順としては、天井部分および側壁部を先行して行な
い、荷棚82をその後取付けることとなる。すなわち、
空調ダクト84を設置した後に、天井パネル83を取付
ける。
【0087】一方、側内装パネル81は、断熱材85を
設置して側構体52の内面に取付ける。この状態で荷棚
82を押し出し型材60に固定する。このようにして、
荷棚82によって天井パネル83と側内装パネル81の
端部を覆い見栄えの向上を図る。なお、荷棚82の支持
レール60rへの取付けは、一方をひっかけ式とし他方
を固定ボルトによって行なえば、作業性を向上できる。
【0088】このような構成によれば、構体の四隅すな
わち構体垂直断面における上下両側に押し出し型材60
および側梁62からなる閉断面構造の型材を車体長手方
向に引通して配置し、これらを積層パネル10,70に
よって接合する構造となっていることから、構体全体の
相当曲げ剛性(EI)を向上させることができる。
【0089】また、前記積層パネル10,70は構体全
体のキャンバを考慮した外周部の加工が施こされてお
り、溶接接合するだけで容易にキャンバを構成でき、か
つ、該積層パネル10,70と押し出し型材60との組
合せによって、溶接部の強度信頼性を向上できる。
【0090】前記積層パネル10,70と押し出し型材
60の接合部は、両者の車外表面が面一となっており、
車体表面の平滑化が容易であるとともに、構体に正負の
圧力変動が作用した場合に力が円滑に伝達され、応力集
中等の不具合を防止することができる。また、各側構体
52に対して屋根構体54はその幅方向端部を乗せ掛け
られるように押し出し型材60の端部を形成しているこ
とから、両者の接合作業が突合せ方式に比べて容易に行
なえる。
【0091】押し出し型材60は、曲率半径を小さくし
た部分について中空断面を形成する隔壁の間隔を狭くし
て、剛性向上を図った構成となっている。したがって、
室内空間を確保しながら強度を確保できる。
【0092】なお、押し出し型材60の形状について
は、応力集中の生じやすい幅方向中央部について、室内
表面から車外表面までの厚さ寸法を厚くして剛性の向上
は図ることも考えられる。
【0093】ところで、前記吹寄64は、閉断面の押し
出し材を窓の幅寸法に合わせて設置しているが、車体長
手方向に連続して構成した中空押し出し材に窓開口部を
機械加工によって構成してもよい。すなわち、吹寄部の
みならず窓外枠を一体の押し出し材によって構成しても
よい。このような押し出し材に前記積層パネルを接合し
て側構体を構成する。このような構成によれば、窓周囲
を完全な母材とすることができ、強度向上あるいは軽量
化が図れる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、軽
量で耐圧性の優れた鉄道車両の構体を提供することがで
きる。
【0095】また、本発明によれば、屋根構体と側構体
との接続部の軒の部分を安価に構成することにより、製
作費安価で軽量で高い剛性を有した鉄道車両の構体を提
供することができる。
【0096】また、本発明によれば、吹き寄せを閉断面
構造の押し出し型材によって構成することにより、側構
体の窓の部分を安価に構成することができる。
【0097】また、本発明によれば、積層パネルと車体
長手方向に引き通した押し出し型材を組み合わせること
により、キャンバを有した構体においてその製作を容易
に、かつ、精度良く行うことができる。
【0098】また、本発明によれば、屋根上に集電装置
あるいは特高ケーブル用碍子等の外部艤装品を設置する
必要が有る場合に、該外部艤装品の設置が容易で、か
つ、所定の強度を確保し得る構体を提供することができ
る。
【0099】また、本発明によれば、押し出し型材に一
体成形によって支持レール等の支持手段を設置すること
により、室内艤装品を容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の鉄道車両の構体の断面斜視
図である。
【図2】図1の鉄道車両の構体の外観斜視図である。
【図3】図1の積層パネルの断面図である。
【図4】図1の構体の軒部の縦断面図である。
【図5】本発明の他の実施例の鉄道車両の構体の断面斜
視図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】図6の左側面図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】本発明の他の実施例の鉄道車両の構体の断面図
である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】図10の11−11線視図である。
【図12】本発明による鉄道車両の速度と比剛性の関係
を示す図である。
【図13】本発明による鉄道車両の速度と比耐圧度の関
係を示す図である。
【図14】本発明による鉄道車両の構体のさらに別の実
施例を示した断面斜視図である。
【図15】図14に示した構体の屋根部分を示した斜視
図である。
【図16】図15の16−16線断面図である。
【図17】図14に示した構体の押し出し型材の詳細構
造を示した断面図である。
【図18】図14に示した構体において内部艤装品を設
置した状態を示す断面図である。
【図19】図1から図4に示した実施例の側構体の積層
パネルの配置を示した斜視図である。
【図20】図19に示した積層パネルを治具上に設置し
た状態を示した斜視図である。
【図21】図14から図18に示した屋根構体を治具上
で製作している状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
1…構体、2…側構体、3…台枠、4…屋根構体、5…
妻構体、6…側梁、7…横梁、8…床板、10…積層パ
ネル、11、12…面板、13…コア、14…強度部
材、15…結合部材、20…軒部の押し出し型材、30
…吹き寄せ部、31a,31b,35…押し出し型材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大原 守 山口県下松市大字東豊井794番地 日立笠 戸エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 木村 謙治 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 武市 通文 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台枠、側構体、屋根構体および妻構体から
    なり、前記側構体および前記屋根構体は、一対の面板の
    間にコアおよび結合部材を備えた積層パネルで構成して
    なる鉄道車両車体において、前記側構体と前記屋根構体
    との間の軒部に車両の長手方向に沿って軽合金製の閉断
    面の押し出し型材を配置しており、該押し出し型材の押
    し出し方向は車両の長手方向であり、該押し出し型材を
    前記側構体と屋根構体に接合していること、を特徴とす
    る鉄道車両車体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の鉄道車両車体において、前
    記側構体は窓の上部、下部を前記積層パネルで構成して
    いること、を特徴とする鉄道車両車体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の鉄道車両車体において、前
    記押し出し型材は、その外表面が車体をなす側構体およ
    び屋根構体に連続して形成される面をなし、その内面が
    連続形成される円弧状曲面をなしていること、を特徴と
    する鉄道車両車体。
  4. 【請求項4】台枠、側構体、屋根構体および妻構体から
    なり、前記側構体は、一対の面板の間にコアおよび結合
    部材を備えた積層パネルで構成してなる鉄道車両車体に
    おいて、前記側構体の窓の上部と下部との間の吹き寄せ
    部を両者を接続する軽合金製の閉断面の押し出し型材で
    構成していること、を特徴とする鉄道車両車体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の鉄道車両車体において、前
    記押し出し型材はその押し出し方向を車両の長手方向に
    向けて設置していること、を特徴とする鉄道車両車体。
  6. 【請求項6】請求項4記載の鉄道車両車体において、前
    記押し出し型材はその押し出し方向を車両の垂直方向に
    向けて設置していること、を特徴とする鉄道車両車体。
  7. 【請求項7】請求項5記載の鉄道車両車体において、前
    記押し出し型材は、その外表面が車体をなす側構体およ
    び屋根構体に連続して形成される面をなし、その室内側
    表面が連続形成される円弧状曲面をなしていること、を
    特徴とする鉄道車両車体。
  8. 【請求項8】速度300km/hで走行する高速車両におい
    て、車両車体剛性値を構体質量で割った比剛性が0.3
    (GN・m2/ton)以上であること、を特徴とする鉄道車両車
    体。
  9. 【請求項9】速度300km/h以上350km/h以下で走行
    する高速車両において、構体剛性値を構体質量で割った
    比剛性が0.3(GN・m2/ton)以上0.4(GN・m2/ton)以下
    の値とし、車両に作用する圧力荷重を構体質量で割った
    比耐圧度が1.5(kPa/ton)以上3.0(kPa/ton)以下の
    値であること、を特徴とする鉄道車両車体。
  10. 【請求項10】車体長手方向に引き通して配置される押
    し出し型材と、該押し出し型材に隣接して車体長手方向
    に複数並べて配置される積層パネルとによって側構体お
    よび屋根構体の少なくとも一方を構成しており、前記複
    数の積層パネル車体構成状態における上部位置および下
    部位置の車体長手方向寸法を、キャンバに対応した長さ
    だけ前記下部位置の寸法を短くしたことを特徴とする鉄
    道車両車体。
  11. 【請求項11】屋根構体の車端側位置に車外艤装品設置
    範囲に対応した長さ寸法および幅寸法を有した押し出し
    型材を配置しており、該押し出し型材に接続して車体長
    手方向に複数の積層パネルを接合して屋根構体を構成し
    たことを特徴とする鉄道車両車体。
  12. 【請求項12】台枠と側構体および側構体と屋根構体と
    の間に、車体長手方向に引き通して押し出し型材を設置
    しており、該各押し出し型材の室内側の面に艤装品支持
    部を一体に形成しており、該各押し出し型材の間に車体
    長手方向に複数の積層パネルを隣接して配置し各積層パ
    ネル同士および各積層パネルと前記押し出し型材を接合
    したことを特徴とする鉄道車両車体。
  13. 【請求項13】長手方向両端部分をそれぞれ台車によっ
    て支持される台枠と、複数の窓開口を列をなして構成し
    た一対の側構体と、屋根構体と、一対の妻構体と、から
    なり、前記各側構体は一対の面板と心材とを金属間接合
    によって接合し構成された複数の積層パネルを溶接によ
    って接合することにより構成されており、前記側構体と
    屋根構体との接合部分に、車体の長手方向に沿って配置
    され前記溶接によって接合された複数の積層パネルに接
    合される軒部型材を備えた鉄道車両車体において、前記
    軒部型材は内板部および外板部を接合して長手方向に伸
    びた中空部をなす隔壁部を備えており、前記列をなした
    窓開口部の上方部を車体長手方向に連続して溶接接合さ
    れた複数の積層パネルによって構成しており、前記軒部
    型材と窓開口上方部積層パネルとは前記各台車間の長さ
    以上に渡って連続して接合されていることを特徴とした
    鉄道車両車体。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の鉄道車両車体におい
    て、軒部型材は少なくとも一つの押出し型材によって構
    成されており、該軒部型材は前記各台車間の長さ以上の
    長さを有していることを特徴とした鉄道車両車体。
  15. 【請求項15】一対の側面部と、屋根部と、一対の妻部
    と、台枠とからなり、前記各側面部を二枚の面板の間に
    芯材を配置して金属間接合により接合した複数の側積層
    パネルから構成している鉄道車両車体において、前記各
    側面部を構成する複数の前記側積層パネルは、車体長手
    方向に沿って隣接して並べられ、それぞれ溶接によって
    接合されており、前記各側積層パネルの前記屋根部側の
    端部と、車体長手方向のほぼ車体全長に渡ってその長手
    方向を配置される中空材とを、前記二枚の面板と中空材
    を車体長手方向に連続した溶接によって接合しているこ
    とを特徴とする鉄道車両車体。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の鉄道車両車体におい
    て、前記側面部は、車体を構成した状態におけるその垂
    直方向について複数の側積層パネルを隣接配置して溶接
    接合しており、前記中空材から離れた位置の積層パネル
    の位置に窓開口部を形成している。前記側面部に形成さ
    れる窓開口部と中空材との間には、前記積層パネルが車
    体長手方向に連続して配置されていることを特徴とした
    鉄道車両車体。
  17. 【請求項17】請求項15に記載の鉄道車両車体におい
    て、前記中空材は、前記側積層パネルへの接合端部の厚
    さが該側積層パネルの厚さ同等であり、さらに、前記中
    空材は、幅方向断面について円弧状曲面に形成されてい
    ることを特徴とした鉄道車両車体。
  18. 【請求項18】請求項15に記載の鉄道車両車体におい
    て、上部の左右両側に配置された中空材の間に、一対の
    面板の間に芯材を配置してそれぞれ金属間接合によって
    接合した屋根積層パネルを車体長手方向に隣接して配置
    しており、該各屋根積層パネルは溶接接合されており、
    さらに、前記各屋根積層パネルはそれぞれ前記左右の中
    空材に溶接によって接合されていることを特徴とした鉄
    道車両車体。
  19. 【請求項19】請求項15に記載の鉄道車両車体におい
    て、前記側積層パネルは、その幅方向断面が曲面をなし
    ており、前記中空材の前記側積層パネルへの接合部分
    は、前記側積層パネルと同等の曲率を有した曲面をなし
    ていることを特徴とした鉄道車両車体。
  20. 【請求項20】積層パネルは、一対の面板と芯材を金属
    間接合して構成されており、前記面板は厚さが0.8mm
    以上1.5mm以下であって、一対の面板の厚さが2.2
    mm以下であり、直線的に形成された前記積層パネルを、
    複数溶接して構成された一対の側面部と、一対の妻部
    と、台枠と、屋根部と、前記一対の側面部と屋根部との
    間に一体的に溶接され両者を結び、かつ、積層パネルよ
    り小さな曲率半径を有する軒部材と、からなる鉄道車両
    車体において、前記軒部材を、その平行な二つの板部分
    は90°以上120°以下の曲率半径を有する形状とな
    し、それぞれの厚さは前記積層パネルの面板よりも厚い
    ものとし、前記板部の間隔は前記積層パネルの面板の間
    隔と同等か板部の厚さを付加した間隔と同等として押出
    し型材パネルで構成したことを特徴とする鉄道車両車
    体。
  21. 【請求項21】一対の面板の間に芯材および枠材を配置
    してそれぞれ金属間接合によって接合した側積層パネル
    を、車体長手方向に沿って並べて溶接接合する工程と、
    前記接合した側積層パネルの屋根部側端部に、中空材を
    溶接接合して側構体を構成する工程と、該側構体の側積
    層パネルを台枠の側梁に溶接接合する工程と、前記側構
    体の中空材に屋根構体を接合する工程と、前記側構体,
    台枠および屋根構体の車体長手方向端部に妻構体を接合
    する工程と、からなる鉄道車両車体の製作方法。
  22. 【請求項22】台枠と、該台枠に接合された一対の側構
    体および一対の妻構体と、前記一対の側構体および一対
    の妻構体に接合された屋根構体と、前記側構体と屋根構
    体の間に車体長手方向に連続して配置される軒部型材と
    からなる鉄道車両車体の製作方法において、前記軒部型
    材を予め車体長手方向について曲げており、台形の積層
    パネルを溶接によって接合した側積層パネルと前記軒部
    型材を溶接接合することを特徴とした鉄道車両車体の製
    作方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001055139A (ja) * 1999-08-18 2001-02-27 Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd 鉄道車両の台枠構造
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