JP2017082020A - 光学用樹脂組成物、光学材料及び複合光学素子 - Google Patents

光学用樹脂組成物、光学材料及び複合光学素子 Download PDF

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小林 信幸
Nobuyuki Kobayashi
信幸 小林
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    • C08F222/102Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols of dialcohols, e.g. ethylene glycol di(meth)acrylate or 1,4-butanediol dimethacrylate

Abstract

【課題】光学材料に高屈折率、大きな正の異常分散性、高透明性及び高耐熱性を付与し得る光学用樹脂組成物、並びに該光学用樹脂組成物からなる光学材料及び複合光学素子を提供する。【解決手段】少なくとも、分子構造中に硫黄原子を有さない(メタ)アクリレート系重合性化合物と分子構造中にスルフィド結合を有する重合性化合物とからなる光学用樹脂組成物、該光学用樹脂組成物からなる光学材料、並びに、ガラスレンズと該ガラスレンズ上に積層された樹脂レンズとを備え、樹脂レンズは該光学材料から形成されてなる複合光学素子。【選択図】図1

Description

本開示は、光学用樹脂組成物、光学材料及び複合光学素子に関する。
光学素子は、透明性以外にも種々の光学特性が求められ、近年特に、適度の屈折率及びアッベ数や、耐熱性を光学材料に付与し得る樹脂組成物の開発が進められている。
特許文献1には、スルフィド結合を有する3官能以上のポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られたチオウレタンプレポリマー化合物、少なくとも1種の2官能以上の(メタ)アクリレート化合物、及びこれらとラジカル共重合可能な化合物を含有する樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、重合性官能基を有する有機化合物、金属酸化物微粒子、及び重合開始剤を少なくとも含有する有機無機ハイブリッド樹脂組成物が開示されている。
特許第3830227号公報 特開2012−162595号公報
本開示は、光学材料に高屈折率、大きな正の異常分散性、高透明性及び高耐熱性を付与し得る光学用樹脂組成物、及び該光学用樹脂組成物からなる光学材料を提供する。また本開示は、ガラスレンズ上に、該光学材料からなる樹脂レンズが積層されたハイブリッドレンズである、複合光学素子を提供する。
本開示における光学用樹脂組成物は、
少なくとも、分子構造中に硫黄原子を有さない(メタ)アクリレート系重合性化合物と、分子構造中にスルフィド結合を有する重合性化合物とからなる
ことを特徴とする。
本開示における光学材料は、
少なくとも分子構造中に硫黄原子を有さない(メタ)アクリレート系重合性化合物と分子構造中にスルフィド結合を有する重合性化合物とからなる光学用樹脂組成物、からなる
ことを特徴とする。
本開示における複合光学素子は、
ガラスレンズと、該ガラスレンズ上に積層された樹脂レンズとを備え、
前記樹脂レンズは、少なくとも分子構造中に硫黄原子を有さない(メタ)アクリレート系重合性化合物と分子構造中にスルフィド結合を有する重合性化合物とからなる光学用樹脂組成物からなる光学材料、から形成されてなる
ことを特徴とする。
本開示における光学用樹脂組成物は、光学材料に高屈折率、大きな正の異常分散性、高透明性及び高耐熱性を付与することができる。
複合光学素子の一例である、実施の形態2に係るハイブリッドレンズの概略構成図 実施の形態2に係るハイブリッドレンズの製造工程を示す概略説明図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を充分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1について説明する。
[1.光学用樹脂組成物及び光学材料]
光学材料は、後述する実施の形態2に係るハイブリッドレンズ10を構成している樹脂レンズ(第2レンズ12)を形成する材料である。
光学材料は、少なくとも、分子構造中に硫黄原子を有さない(メタ)アクリレート系重合性化合物(以下、硫黄非含有(メタ)アクリレートという)と、分子構造中にスルフィド結合を有する重合性化合物(以下、スルフィド化合物という)とで構成される光学用樹脂組成物からなり、これら硫黄非含有(メタ)アクリレートとスルフィド化合物とが共重合し、硫黄非含有(メタ)アクリレート由来の構造単位と、スルフィド化合物由来の構造単位とを有する。
[2.硫黄非含有(メタ)アクリレート]
硫黄非含有(メタ)アクリレートとしては、光学用途において一般的に用いられている、硫黄原子を有さない(メタ)アクリレートを使用することができる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ハロゲン置換フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、α−ナフチル(メタ)アクリレート、β−ナフチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチルオキシエチルアクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を同時に用いることができる。
また、前記単官能(メタ)アクリレート類及び多官能(メタ)アクリレート類の他にも、例えば、以下の化学式(2)で表される単官能(メタ)アクリレートや、化学式(1)及び(3)〜(56)で表される多官能(メタ)アクリレートの少なくとも1種を用いることができる。なお、本開示において「(メタ)アクリ」は「アクリ」又は「メタクリ」を意味する。
Figure 2017082020
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硫黄非含有(メタ)アクリレートは、分子構造中に芳香環を1つ以下有する化合物であることが有益である。分子構造中に芳香環を2つ以上有する硫黄非含有(メタ)アクリレートは、400nm程度の波長を有する青色光線の吸収性が高く、該分子構造中に芳香環を2つ以上有する硫黄非含有(メタ)アクリレートを用いた光学用樹脂組成物からなる光学材料は、青色光線の透過率が低下し、該光学材料を樹脂レンズとした場合には、黄色を帯びた像が形成される恐れがある。
[3.スルフィド化合物]
前記硫黄非含有(メタ)アクリレートのみからなる重合体、すなわち硫黄非含有(メタ)アクリレート由来の構造単位のみを有する光学材料と比較して、硫黄非含有(メタ)アクリレートとスルフィド化合物との共重合体、すなわち硫黄非含有(メタ)アクリレート由来の構造単位とスルフィド化合物由来の構造単位とを有する光学材料は、屈折率が上昇し、正の異常分散性が大きくなる。また、硫黄非含有(メタ)アクリレートとスルフィド化合物とで構成される光学用樹脂組成物からなる光学材料は、高屈折率及び大きな正の異常分散性だけでなく、高透明性及び高耐熱性も併せて付与される。
スルフィド化合物には特に限定がなく、前記硫黄非含有(メタ)アクリレートとの共重合が可能であればよいが、例えば、一般式(α):
Figure 2017082020
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよく、硫黄原子を含まない2価の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよく、硫黄原子を含まない2価の芳香族炭化水素基、又は単結合を示し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す)で表されるスルフィド化合物が挙げられる。
前記R及びRを示す、置換基を有していてもよく、硫黄原子を含まない2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、酸素原子を含む置換基を有していてもよく、硫黄原子を含まない、直鎖状、分枝鎖状又は環状の、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等が挙げられる。また、置換基を有していてもよく、硫黄原子を含まない2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、酸素原子を含む置換基を有していてもよく、硫黄原子を含まない、ベンゼン環、ナフタレン環等を含む2価の炭化水素基等が挙げられ、具体的には、例えば、式(α−1):
Figure 2017082020
又は式(α−2):
Figure 2017082020
で表される2価の基が挙げられる。
これらの中では、得られる光学用樹脂組成物による屈折率、正の異常分散性及び耐熱性の向上効果が大きいという点で、以下の化学式(57)、(58)及び(59)で表されるスルフィド化合物を用いることが有益であり、加えて透明性の向上効果も大きいという点で、化学式(57)及び(58)で表される、分子構造中に芳香環を1つ以下有するスルフィド化合物を用いることが有益である。スルフィド化合物として分子構造中に芳香環を1つ以下有する化合物を用いた光学用樹脂組成物からなる光学材料は、青色光線の透過率が低下する恐れがなく、該光学材料を樹脂レンズとした場合に、黄色を帯びた像が形成される恐れもない。
Figure 2017082020
スルフィド化合物の量には特に限定がなく、目的とする光学材料の屈折率、正の異常分散性、透明性等の光学特性に応じ、スルフィド化合物と共重合させる硫黄非含有(メタ)アクリレートとの比率を考慮して適宜調整すればよいが、例えば、光学用樹脂組成物全量の70重量%以下、さらには50重量%以下であることが有益であり、光学用樹脂組成物全量の5重量%以上、さらには8重量%以上であることが有益である。
[4.重合開始剤]
光学材料は、光学用樹脂組成物を少なくとも構成する硫黄非含有(メタ)アクリレートとスルフィド化合物とを共重合させてなるものであり、後述する実施の形態2のように、この光学材料を硬化させ、図2に示す第1レンズ11上に第2レンズ12を積層してハイブリッドレンズ10を形成するので、光学用樹脂組成物には重合開始剤が含有されることが有益である。
重合開始剤の種類には特に限定がなく、用いる硫黄非含有(メタ)アクリレート及びスルフィド化合物の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサン系、アシルフォスフィンオキサイド系等の公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。これらの中でも、光学材料へのより高屈折率及び大きな正の異常分散性の付与が可能であるという点から、重量平均分子量が1000〜2000のヒドロキシケトン化合物を用いることが有益である。重合開始剤の量にも特に限定がなく、例えば、光学用樹脂組成物全量の1〜5重量%であることが有益である。
[5.共重合体]
光学用樹脂組成物を少なくとも構成する硫黄非含有(メタ)アクリレートとスルフィド化合物とを共重合させることにより、共重合体を得ることができるが、その方法には特に限定がない。例えば、少なくとも硫黄非含有(メタ)アクリレートとスルフィド化合物とからなるモノマー混合物に、例えば前記光ラジカル重合開始剤を添加し、充分に撹拌して均質なモノマー混合液を調製した後、紫外線、可視光線等を照射し、適宜温度、時間を調整して重合反応させればよい。
共重合体の分子量は、光学材料に、高屈折率及び大きな正の異常分散性が付与されるだけでなく、高透明性及び高耐熱性も併せて付与される効果が充分に発現される限り特に限定はないが、重量平均分子量が200〜1000程度であることが有益である。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について図面を参照しながら説明する。
[1.ハイブリッドレンズ]
図1は、実施の形態2に係るハイブリッドレンズの概略構成図である。ハイブリッドレンズレンズ10は、第1レンズ11と第2レンズ12とで構成されている。ハイブリッドレンズ10は、複合光学素子の一例である。
第1レンズ11は、ガラスレンズの一例であり、ガラス材料から形成されている。第1レンズ11は、両凸形状のレンズである。
第2レンズ12は、樹脂レンズの一例であり、実施の形態1に係る光学材料から形成されている。第2レンズ12は、第1レンズ11の一方の光学面上に積層されている。
[2.異常分散性]
異常分散性ΔPgFは、個々の材料のd線(波長588nm)におけるアッベ数νdに対応する正常分散ガラスの標準線上の点とその材料の部分分散比PgFとの偏差である。部分分散比PgFは、以下の式(b)にて定義される。
PgF=(ng−nF)/(nF−nC) ・・・(b)
ここで、
ng:材料のg線(波長436nm)における屈折率、
nF:材料のF線(波長486nm)における屈折率、
nC:材料のC線(波長656nm)における屈折率
である。
本実施の形態2に係る樹脂レンズ、すなわち第2レンズ12は、以下の条件(a)を満足することが有益である。
ΔPgF>0.04 ・・・(a)
ここで、
ΔPgF:異常分散性
である。
なお、屈折率、アッベ数、ΔPgFの測定には、プリズムカップラー(Metricon社製、MODEL 2010)を用いることができる。
[3.製造方法]
ハイブリッドレンズ10の製造方法について、図面を用いて説明する。ここでは、光学材料を構成する光学用樹脂組成物を紫外線硬化性アクリル系樹脂組成物とする。
図2は、実施の形態2に係るハイブリッドレンズの製造工程を示す概略説明図である。まず、第1レンズ11を成形する。ガラスレンズの一例である第1レンズ11には特に限定がなく、第1レンズ11は、射出成形、プレス成形等の公知の製造方法を用いて成形される。
図2(a)に示すように、ディスペンサー20を用い、成形型21の成形面に光学材料23を吐出する。
次に、図2(b)に示すように、光学材料23の上方から第1レンズ11を載せ、光学材料23が所定の厚みになるまで押し広げる。そして、成形型21を回転台(図示せず)に載せて回転させる。
そして、図2(c)に示すように、第1レンズ11の上方から光源22にて紫外線を照射し、光学材料23を硬化させることにより、ガラスレンズである第1レンズ11上に、樹脂レンズである第2レンズ12が積層された、複合光学素子であるハイブリッドレンズ10が得られる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1及び2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
以下に、本実施の形態に係る実施例と、比較例とを示す。なお、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
各実施例及び比較例の結果は、後の表1に示す。各樹脂レンズの光学特性は、プリズムカップラー(Metricon社製、MODEL 2010)を用いて測定した。表1中、ndはd線における屈折率であり、透過率(%T)は波長400nmの光線の透過率である。
<実施例1>
化学式(1)で表される化合物(以下、硫黄非含有化合物Aという)0.7249gと、化学式(57)で表される化合物(以下、スルフィド化合物Aという)0.0803gとに、重合開始剤としてIrgacure184(BASF社製、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、重量平均分子量204、以下、光重合開始剤aという)0.0250gを添加し、これらを充分に撹拌して均質なモノマー混合液である光学用樹脂組成物を調製した。このモノマー混合液に、UV照射装置(ウシオ電機(株)製、SP−9)にてUV光(80mW/cm・90sec)を照射し、重合反応を促進して得られた共重合体である光学材料を硬化させ、さらに約80℃で約1時間加熱して樹脂レンズのサンプル(厚み50μm)を作製した。なお、以下の実施例2〜7及び比較例1においても、同じ手順でサンプルを作製した。
表1に示すように、実施例1のサンプルは、1.62を超える高屈折率を有し、条件(a)を満足する、大きな正の異常分散性を示し、透過率が86%を超えて、高透明性及び高耐熱性である。したがって、実施例1のサンプルは、ハイブリッドレンズに適用可能であることが分かった。
<実施例2>
実施例1において、硫黄非含有化合物Aの量を0.5638gに、スルフィド化合物Aの量を0.2409gに、光重合開始剤aの量を0.0249gに各々変更したほかは、実施例1と同様にして実施例2のサンプルを作製した。
表1に示すように、実施例2のサンプルは、1.64を超える高屈折率を有し、条件(a)を満足する、大きな正の異常分散性を示し、透過率が86%を超えて、高透明性及び高耐熱性である。したがって、実施例2のサンプルは、ハイブリッドレンズに適用可能であることが分かった。
<実施例3>
実施例1において、硫黄非含有化合物Aの量を0.4078gに、スルフィド化合物Aの量を0.4078gに、光重合開始剤aの量を0.0265gに各々変更したほかは、実施例1と同様にして実施例3のサンプルを作製した。
表1に示すように、実施例3のサンプルは、1.66を超える高屈折率を有し、条件(a)を満足する、大きな正の異常分散性を示し、透過率が85%を超えて、高透明性及び高耐熱性である。したがって、実施例3のサンプルは、ハイブリッドレンズに適用可能であることが分かった。
<実施例4>
実施例1において、硫黄非含有化合物Aの量を0.2605gに、スルフィド化合物Aの量を0.6052gに、光重合開始剤aの量を0.0267gに各々変更したほかは、実施例1と同様にして実施例4のサンプルを作製した。
表1に示すように、実施例4のサンプルは、1.68を超える高屈折率を有し、条件(a)を満足する、大きな正の異常分散性を示し、透過率が83%を超えて、高透明性及び高耐熱性である。したがって、実施例4のサンプルは、ハイブリッドレンズに適用可能であることが分かった。
<実施例5>
実施例2において、硫黄非含有化合物Aの量を0.5635gに、スルフィド化合物A0.2409gを化学式(58)で表される化合物(以下、スルフィド化合物Bという)0.2408gに、光重合開始剤aの量を0.0248gに各々変更したほかは、実施例2と同様にして実施例5のサンプルを作製した。
表1に示すように、実施例5のサンプルは、1.63を超える高屈折率を有し、条件(a)を満足する、大きな正の異常分散性を示し、透過率が86%を超えて、高透明性及び高耐熱性である。したがって、実施例5のサンプルは、ハイブリッドレンズに適用可能であることが分かった。
<実施例6>
実施例3において、硫黄非含有化合物Aの量を0.4075gに、スルフィド化合物A0.4078gを化学式(59)で表される化合物(以下、スルフィド化合物Cという)0.4076gに、光重合開始剤aの量を0.0264gに各々変更したほかは、実施例3と同様にして実施例6のサンプルを作製した。
表1に示すように、実施例6のサンプルは、1.67を超える高屈折率を有し、条件(a)を満足する、大きな正の異常分散性を示し、透過率が80%を超えて、高透明性及び高耐熱性である。したがって、実施例6のサンプルは、ハイブリッドレンズに適用可能であることが分かった。
<実施例7>
実施例3において、光重合開始剤a0.0265gをオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン](重量平均分子量1500、以下、光重合開始剤bという)0.0265gに変更したほかは、実施例3と同様にして実施例7のサンプルを作製した。
表1に示すように、実施例7のサンプルは、1.66を超える高屈折率を有し、条件(a)を満足する、大きな正の異常分散性を示し、透過率が84%を超えて、高透明性及び高耐熱性である。したがって、実施例7のサンプルは、ハイブリッドレンズに適用可能であることが分かった。
なお、実施例7のサンプルは、高分子量の光重合開始剤bを用いて得られたものであるので、実施例3のサンプルよりもさらに、高屈折率を有し、大きな正の異常分散性を示している。
<比較例1>
実施例1において、硫黄非含有化合物Aの量を1.0000gに、光重合開始剤aの量を0.0310gに各々変更し、スルフィド化合物Aを使用しなかったほかは、実施例1と同様にして比較例1のサンプルを作製した。
表1に示すように、比較例1のサンプルと実施例1〜6のサンプルとを比較すると、実施例1〜6のサンプルは、比較例1のサンプルの高い透過率をほぼ維持しながら、屈折率が、比較例1のサンプルよりもかなり高くなっており、しかも正の異常分散性も、比較例1のサンプルよりもかなり大きくなっている。したがって、比較例1のサンプルとは異なり、スルフィド化合物を用いた実施例1〜6のサンプルから、高屈折率、大きな正の異常分散性、高透明性及び高耐熱性を有するハイブリッドレンズを得ることが可能であることが分かった。
特に実施例1〜3及び5のサンプルは、分子構造中に芳香環を1つ以下有するスルフィド化合物を用い、かつ該スルフィド化合物の量を光学用樹脂組成物全量の50重量%以下として得られたものであるので、波長400nmの光線の透過率が85%を超えて極めて高く、実施例1〜3及び5のサンプルから、より高透明性を有するハイブリッドレンズを得ることが可能であることが分かった。
Figure 2017082020
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、レンズ、プリズム等の光学素子用の材料に好適に用いることができる。
10 ハイブリッドレンズ
11 第1レンズ
12 第2レンズ
20 ディスペンサー
21 成形型
22 光源
23 光学材料

Claims (6)

  1. 少なくとも、分子構造中に硫黄原子を有さない(メタ)アクリレート系重合性化合物と、分子構造中にスルフィド結合を有する重合性化合物とからなる、光学用樹脂組成物。
  2. 前記分子構造中に硫黄原子を有さない(メタ)アクリレート系重合性化合物は、分子構造中に芳香環を1つ以下有する化合物である、請求項1に記載の光学用樹脂組成物。
  3. 重合開始剤が含有されており、
    前記重合開始剤は、重量平均分子量が1000〜2000のヒドロキシケトン化合物である、請求項1に記載の光学用樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載の光学用樹脂組成物からなる、光学材料。
  5. ガラスレンズと、該ガラスレンズ上に積層された樹脂レンズとを備え、
    前記樹脂レンズは、請求項4に記載の光学材料から形成されてなる、複合光学素子。
  6. 前記樹脂レンズは、以下の条件(a)を満足する、請求項5に記載の複合光学素子:
    ΔPgF>0.04 ・・・(a)
    ここで、
    ΔPgF:異常分散性
    である。
JP2014058511A 2014-03-20 2014-03-20 光学用樹脂組成物、光学材料及び複合光学素子 Pending JP2017082020A (ja)

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