JP2017066810A - 防火構造、防火構造の施工方法 - Google Patents

防火構造、防火構造の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い防火性能を安定して実現できるとともに、安価な材料コストで煩雑な手間を要せず施工できることで、費用対効果に優れた防火構造を提供する。【解決手段】本発明の防火構造1は、貫通孔20が形成される建築物の壁材2と、鋼製ボックス3と、熱膨張性シート4とを備える。鋼製ボックス3は、背面板9と、背面板9の周縁から立設される側面板10とから構成されて、側面板10の先端が壁材2の貫通孔20の周囲に沿うように設置される。熱膨張性シート4は、側面板10と壁材2の双方に接するように鋼製ボックス3の周方向に延びるとともに、側面板10と壁材2とに接合することで、側面板10と壁材2との間の隙間を塞ぐものであり、背面板9には熱膨張性シート4は接合されない。【選択図】図2

Description

本発明は、防火構造、及び当該防火構造の施工方法に関する。
従来、建築物の壁材として、石膏ボードや珪酸カルシウム板等の耐火ボードが使用されており、耐火ボードに形成した貫通孔にコンセントやスイッチを設置することが行われている。
コンセントやスイッチの設置箇所では、火災の発生時に、コンセントやスイッチが溶融変形して、火災が、耐火ボードの貫通孔を通じて、耐火ボードの裏側に侵入する虞がある。そして、耐火ボードの裏側に火災が侵入すると、災がコンセントやスイッチに接続される電線を伝うことで、延焼が生じ得る。
そこで、コンセントやスイッチの裏側に鋼製ボックスを設けることが行われており、特許文献1には、熱膨張性シートを用いて鋼製ボックスに防火措置を講じることが提案されている。
特許文献1は、一対の強化石膏の耐火ボードを鋼製スタッドの両面に張り付けて構成される中空壁を、建築物の間仕切壁として使用するものである。一方の耐火ボードには鋼製ボックスを埋め込む開口部が形成され、鋼製ボックスの表側にコンセントやスイッチが取り付けられる。鋼製ボックスの背面板や側面板は、開口部から裏側(中空壁の内側)に延び出ており、この延び出た背面板や側面板の外面全体が熱膨張性シートで覆われる。熱膨張性シートの上には、石膏ボードやロックウール等の不燃材が積層される。
特許第426833号
近年、鋼製ボックスから延び出た電線管やケーブルを、中空壁の内側に通した後、反対側の耐火ボードに貫通させることが行われている。そして当該電線管やケーブルの貫通箇所における防火措置が適切に行われている場合には、上記反対側の耐火ボードと向かい合う鋼製ボックスの背面板に防火措置を施しても、防火性の向上に大きな効果が得られないことが公的機関の試験で確認されている。このため、中空壁の耐火ボードに対して鋼製ボックスを設置する場合には、防火性の向上を期待できる鋼製ボックスの部位に対して重点的に防火措置を施すことが費用対効果の面から好ましく、特許文献1の技術では、鋼製ボックスの背面板に熱膨張性シートを設置することが、防火措置の必要性に乏しい部位に、熱膨張性シートの設置手間や材料コストをかける無駄な措置となり得る。
また近年では、ボード材料の多様化で片壁が多く採用されていることを背景に、耐火ボードへの鋼製ボックスの取り付け方法として、特許文献1に開示されるような埋め込み式ではなく、耐火ボードに形成した貫通孔の周囲に鋼製ボックスの側面板を沿わせて、鋼製ボックスを留め付けることが一般的に行われている。このように鋼製ボックスが設置される場合には、鋼製ボックスの側面板を耐火ボードに隙間なく密着させることが、防火性を向上させる上で効果的である。しかしながら、そのような施工が困難であることで、耐火ボードと鋼製ボックスとの間に隙間が生じたまま放置されている実態がある。この問題に関し、特許文献1で使用される石膏ボードやロックウールは、形状追随性に乏しいため、耐火ボードと鋼製ボックスの側面板との間の隙間を埋めることに適していない。また、石膏ボードやロックウールは、鋼製ボックスに取り付けるために煩雑な手間を要し、経年使用により鋼製ボックスから脱落する虞もある。
本発明は、上記事項に鑑みなされたものであり、その目的は、貫通孔が形成される建築物の壁材と、側面板が壁材の貫通孔の周囲に沿うように設置される鋼製ボックスとを備える防火構造であって、高い防火性能を安定して実現できるとともに、安価な材料コストで煩雑な手間を要せず施工できることで、費用対効果に優れた防火構造、及び当該防火構造の施工方法を提供することである。
本発明者らは、テープ状の熱膨張性シートを用いて、鋼製ボックスの側面板と壁材との間の隙間を塞ぐことで、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1観点に係る防火構造は、貫通孔が形成される建築物の壁材と、背面板と、前記背面板の周縁から立設される側面板とから構成されて、前記背面板の反対面に開口を有し、当該開口を前記壁材の貫通孔に向けて、前記側面板の先端が前記壁材の貫通孔の周囲に沿うように設置される鋼製ボックスと、前記側面板と前記壁材の双方に接するように前記鋼製ボックスの周方向に延びるとともに、前記側面板と前記壁材とに接合することで、前記側面板と前記壁材との間の隙間を塞ぐテープ状の熱膨張性シートとを備え、前記背面板には、前記熱膨張性シートが接合されないことを特徴とする。
好ましくは、前記熱膨張性シートは、熱膨張性黒鉛或いはブチルゴムから形成されて、その自己粘着性により、前記側面板と前記壁材とに接合する。
好ましくは、前記熱膨張性シートは、前記側面板の外面と前記壁材の壁面とに接合することで、前記鋼製ボックスの外側から前記側面板と前記壁材との間の隙間を塞ぐ。
好ましくは、前記熱膨張性シートは、前記側面板の内面と前記貫通孔の孔面とに接合することで、前記鋼製ボックスの内側から前記側面板と前記壁材との間の隙間を塞ぐ。
本発明の第2観点に係る施工方法は、前記防火構造の施工方法であって、前記側面板の先端が前記壁材の壁面に沿うように、前記鋼製ボックスを設置する工程と、前記熱膨張性シートの幅一方側が前記側面板の外面に当接し、前記熱膨張性シートの幅他方側が前記壁材の壁面に当接するように、前記熱膨張性シートを鋼製ボックスの周方向に延ばして、前記熱膨張性シートの幅一方側及び幅他方側を、それぞれ前記側面板の外面及び前記壁材の壁面に接合する工程と、前記鋼製ボックスの開口と重なるように、前記壁材に前記貫通孔を形成する工程とを有する。
本発明の第3観点に係る施工方法は、前記防火構造の施工方法であって、前記熱膨張性シートの幅一方側が前記側面板の外面に当接するように、前記熱膨張性シートを前記鋼製ボックスの周方向に延ばして、前記熱膨張性シートの幅一方側を前記側面板の外面に接合する工程と、前記側面板の先端が前記壁材の壁面に沿うように前記鋼製ボックスを設置するとともに、前記側面板の先端から延び出た前記熱膨張性シートの幅他方側を、前記壁材の壁面に沿うように屈曲させて、前記壁材の壁面に接合する工程と、前記鋼製ボックスの開口と重なるように、前記貫通孔を前記壁材に形成する工程とを有する。
本発明の第4観点に係る施工方法は、前記防火構造の施工方法であって、前記側面板の先端が前記壁材の壁面に沿うように、前記鋼製ボックスを設置する工程と、前記鋼製ボックスの開口と重なるように、前記貫通孔を前記壁材に形成する工程と、前記熱膨張性シートの幅一方側が前記側面板の内面に当接し、前記熱膨張性シートの幅他方側が前記貫通穴の孔面に当接するように、前記熱膨張性シートを前記鋼製ボックスの周方向に延ばして、前記熱膨張性シートの幅一方側を前記側面板の内面に接合し、前記熱膨張性シートの幅他方側を前記貫通孔の孔面に接合する工程とを有する。
本発明の第4観点に係る施工方法は、前記防火構造の施工方法であって、前記熱膨張性シートの幅一方側が前記側面板の内面に当接するように、前記熱膨張性シートを前記鋼製ボックスの周方向に延ばして、前記熱膨張性シートの幅一方側を前記側面板の内面に接合する工程と、前記側面板の先端が壁材の壁面に沿うように鋼製ボックスを設置する工程と、前記鋼製ボックスの開口と重なるように、前記貫通孔を前記壁材に形成する工程と、前記側面板の先端から延び出た前記熱膨張性シートの幅他方側を、前記貫通孔の孔面に沿うように延ばして、前記貫通孔の孔面に接合する工程とを有する。
本発明によれば、熱膨張性シートがテープ状を呈することで、熱膨張性シートは高い形状追随性を有する。このため、鋼製ボックスと壁材との間の隙間を熱膨張性シートで隙間なく完全に埋めることができる。これにより、火災の発生時には、火災の熱で膨張する熱膨張性シートによって、鋼製ボックスと壁材との間から火災の熱が壁材の裏側に侵入することを確実に阻止できる。また鋼製ボックスの背面板には熱膨張性シートが設けられないので、熱膨張性シートの材料コストや、熱膨張性シートを接合する手間を小さく抑えることができる。以上のことから、本発明の防火構造は、高い防火性能を実現できるとともに、安価な材料コストで煩雑な手間を要せず施工できるので、費用対効果に優れる。
第1実施形態に係る防火構造を示す斜視図である。 第1実施形態に係る防火構造を示す垂直断面図である。 第1実施形態に係る防火構造を示す水平断面図である。 鋼製ボックスを示す斜視図である。 第1実施形態に係る防火構造の施工工程を説明するための垂直断面図である。 鋼製ボックスに熱膨張性シートを接合した状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る防火構造の施工工程を説明するための垂直断面図である。 第2実施形態に係る防火構造を示す斜視図である。 第2実施形態に係る防火構造を示す垂直断面図である。 第2実施形態に係る防火構造を示す水平断面図である。 第2実施形態に係る防火構造の施工工程を説明するための垂直断面図である。 鋼製ボックスに熱膨張性シートを接合した状態を示す斜視図である。 第2実施形態に係る防火構造の施工工程を説明するための垂直断面図である。 第2実施形態に係る防火構造の変形例を示す垂直断面図である。 本発明の防火構造の変形例を示す垂直断面図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る防火構造1を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る防火構造1を示す垂直断面図であり、図3は、第1実施形態に係る防火構造1を示す水平断面図である。
第1実施形態に係る防火構造1は、壁材2と、鋼製ボックス3と、テープ状の熱膨張性シート4とを備える。壁材2は、壁材5とともに、中空壁6を構成するものである。壁材2,5は、強化石膏ボードや珪酸カルシウム板を2枚重ね合わせた耐火ボードであり、上下方向に延びる。壁材2及び壁材5は、支柱としての軽量鉄骨7(図3)の一方面及び他方面に張り付けられており、壁材2と壁材5との間には、軽量鉄骨7の幅ほどの間隔があいている。壁材2には、コンセント8やスイッチを設置するための貫通孔20が形成される。
鋼製ボックス3は、コンセントボックス、アウトレットボックス、スイッチボックス、或いはボタンボックスと称されるものであり、中空壁6の内部(壁材2と壁材5との間)に設置される。鋼製ボックス3は、一面が開口する箱状を呈する。具体的には図4に示すように、鋼製ボックス3は、略正方形状の背面板9と、背面板9の周縁から立設される4つの側面板10とを備えるものであり、これら側面板10の内側に凹部11が形成される。凹部11は、電線23等を収容する空間として使用されるものであり、背面板9の反対面に凹部11の開口がある。背面板9には、ボルト挿通用の孔12が形成される。上下の側面板10,10の先端には、一対の突出部10b,10bが形成される。突出部10b,10bは、上下の側面板10,10に略垂直かつ凹部11の内方に向かって延びる。突出部10b,10bの各々には、螺子挿通用の孔13が形成される。上側の側面板10には、円形の開口部10c(ノックアウト)が形成される。
以上の鋼製ボックス3は、図2や図3に示すように、凹部11の開口を壁材2に向けて、側面板10の先端が壁材2の貫通孔20の周囲に沿うように設置される。図3に示すように、軽量鉄骨7には、鋼製ボックス3に向けて延びる支持金具21が取り付けられており、鋼製ボックス3は、孔12(図4)に挿通されるボルトと、このボルトに締結されるナットとよって、支持金具21に固定される。また、鋼製ボックス3は、孔13(図4)に挿通される螺子により、壁材2に固定される。開口部10c(図4)にはコネクタ22(図2)が接続され、このコネクタ22を介して凹部11内に引き込まれた電線23が、コンセント8やスイッチ(以下、コンセント8等)に接続される。
図2や図3に示すように、熱膨張性シート4は、側面板10の外面10aと壁材2の裏側の壁面2aとの双方に接するように、鋼製ボックス3の周方向に延びる。熱膨張性シート4は、側面板10の外面10aと壁材2の壁面2aとに接合しており、鋼製ボックス3の外側から側面板10と壁材2との間の隙間を塞ぐ。
上述の熱膨張性シート4は、耐火性を有する熱膨張材から形成されたものである。この熱膨張材として、バインダー又はマトリックスとしての熱可塑性樹脂、ゴム物質、又は熱硬化性樹脂などの合成樹脂、熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含む、熱膨張性樹脂組成物が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
ゴム物質としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム(U)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂のうち、後述する熱膨張性黒鉛を配合する場合に、その膨張温度以下で成形可能であるという観点から、ポリオレフィン系樹脂またはゴム物質が好ましく、中でもポリエチレン系樹脂が好ましい。また、防火性能をより向上させるために、充填剤を多量に配合することが可能であるという観点からは、ゴム物質が好ましい。さらに、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。特に分子構造の選択が広範囲で、樹脂組成物の防火性能や力学物性を調整することが容易であることから、エポキシ樹脂が好ましい。
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。このように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、さらにアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、十分な膨張断熱層が得られず、また粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、樹脂に配合する際に分散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP−EG」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
熱膨張性樹脂組成物には、さらに無機充填剤を配合することが好ましい。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こり、分散性が悪くなる。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましい。粒径が100μmを超えると、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
熱膨張性樹脂組成物では、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を添加してもよい。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及び、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
化学式(1)中、R1及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウム類としては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、さらにフェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加されてもよい。また、一般的な難燃剤を添加してもよく、難燃剤による燃焼抑制効果により防火性能を向上させることができる。
樹脂組成物において、無機充填剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して10〜400重量部が好ましい。配合量が10重量部以上であると、十分な防火性能が得られ、400重量部以下であると機械的強度が維持される。無機充填剤の配合量は、より好ましくは40〜350重量部である。
樹脂組成物において、リン化合物を添加する場合、リン化合物の配合量は、樹脂成分100重量部に対して30〜300重量部である。配合量が30重量部以上であると、膨張断熱層の強度を向上させる効果が十分であり、300重量部以下であると、機械的強度が維持される。リン化合物の配合量は、より好ましくは40〜250重量部である。
また、熱膨張性シート4を形成するために使用可能な市販の熱膨張性の耐火性シートとしては、例えば積水化学工業社製フィブロック(登録商標。エポキシ樹脂またはブチルゴムを樹脂成分とし、リン化合物、熱膨張性黒鉛および無機充填材等を含む熱膨張性樹脂組成物のシート状成形物)、住友スリーエム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)などが挙げられる。
なお、熱膨張性シート4を側面板10や壁材2に接合する作業を容易とするために、熱膨張性シート4は、自己粘着性を有する熱膨張性黒鉛或いはブチルゴム等から形成されることが好ましい。また本発明では、自己粘着性のない熱膨張性シート4を使用することもでき、この場合、側面板10の外面10aや壁材2の壁面2aに塗布した粘着層に熱膨張性シート4を重ね合わせることや、接着剤を用いることで、熱膨張性シート4が側面板10や壁材2に接合される。
次に、第1実施形態に係る防火構造1の施工方法について図5を参照して説明する。
防火構造1の施工は、壁材5が軽量鉄骨7に貼り付けられていないことで、壁材2の裏側から作業が可能なときに行われる。
まず図5(a)に示すように、各側面板10の先端が壁材2の壁面2aに沿うように、鋼製ボックス3を設置する。この際には、孔12(図4)に挿通したボルトと、これに締結したナットとよって、鋼製ボックス3を支持金具21に固定する。また、孔13(図4)に挿通した螺子によって、鋼製ボックス3を壁材2に固定する。
ついで図5(b)に示すように、熱膨張性シート4の幅一方側4aが側面板10の外面10aに当接し、熱膨張性シート4の幅他方側4bが壁材2の壁面2aに当接するように、熱膨張性シート4を鋼製ボックス3の周方向に延ばす。そして、熱膨張性シート4の幅一方側4a及び幅他方側4bを、側面板10の外面10a及び壁材2の壁面2aに接合する。
ついで図5(c)に示すように、壁材2に貫通孔20を形成する。この際には、鋼製ボックス3の凹部11の開口と、貫通孔20とが重なるように、貫通孔20の形成位置を調整する。
以上の工程で、防火構造1が構成される。この後、貫通孔20からの作業により、図5(d)に示すように、コネクタ22を介して凹部11内に電線23を引き込むとともに、電線23をコンセント8等に接続して、コンセント8等を貫通孔20の周囲に取り付けることが行われる。
或いは、防火構造1を構築するために以下に示す施工が行われてもよい。
まず図6に示すように、熱膨張性シート4を鋼製ボックス3の周方向に延ばして、熱膨張性シート4の幅一方側4aを側面板10の外面10aに接合する。
ついで図7(a)に示すように、各側面板10の先端が壁材2の壁面2aに沿うように鋼製ボックス3を設置するとともに、側面板10の先端から延び出た熱膨張性シート4の幅他方側4bを、壁材2の壁面2aに沿うように屈曲させて、壁材2の壁面2aに接合する。また、図5(a)と同様の方法で、鋼製ボックス3を支持金具21や壁材2に固定する。
ついで図7(b)に示すように、凹部11の開口と重なるように、貫通孔20を壁材2に形成する。以上の工程によっても防火構造1が構築され、この後、図7(c)に示すように、コネクタ22から凹部11内に引き込んだ電線23をコンセント8等に接続して、コンセント8等を貫通孔20の周囲に取り付けることが行われる。
第1実施形態によれば、熱膨張性シート4がテープ状を呈することで、熱膨張性シート4は高い形状追随性を有する。このため、鋼製ボックス3と壁材2との間の隙間を熱膨張性シート4で隙間なく完全に埋めることができる。これにより、火災の発生時には、火災の熱で膨張する熱膨張性シート4によって、火災の熱が鋼製ボックス3と壁材2との間から壁材2の裏側(中空壁6の内部)に侵入することを確実に阻止できる。また鋼製ボックス3の背面板9には熱膨張性シート4が設けられないので、熱膨張性シート4の材料コストや、熱膨張性シート4の接合手間を小さく抑えることができる。以上のことから、第1実施形態の防火構造1は、高い防火性能を実現できるとともに、安価な材料コストで煩雑な手間を要せず施工できるので、費用対効果に優れる。
また、熱膨張性シート4が側面板10や壁材2に接合されるので、地震等により鋼製ボックス3が揺れても、熱膨張性シート4が脱落せず、長期にわたり安定した防火性能を実現できる。
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態と共通する点については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図8は、第2実施形態に係る防火構造30を示す斜視図である。図9は、第2実施形態に係る防火構造30を示す垂直断面図であり、図10は、第2実施形態に係る防火構造30を示す水平断面図である。図11は、第2実施形態に係る防火構造30の施工工程を説明するための垂直断面図である。
第2実施形態の防火構造30では、熱膨張性シート4の幅一方側4aが側面板10の内面10eに接合され、熱膨張性シート4の幅他方側4bが貫通孔20の孔面20aに接合されることで、熱膨張性シート4が、鋼製ボックス3の内側から側面板10と壁材2との間の隙間を塞いでいる。また第1実施形態と同様、背面板9には熱膨張性シート4は接合されていない。
第2実施形態の防火構造30を施工する際には、まず図11(a)に示すように、各側面板10の先端が壁材2の壁面2aに沿うように、鋼製ボックス3を設置する。この際には、図5(a)と同様の方法で、鋼製ボックス3を支持金具21や壁材2に固定する。
ついで図11(b)に示すように、鋼製ボックス3の凹部11の開口と重なるように、貫通孔20を壁材2に形成する。
ついで、貫通孔20からの作業で、図11(c)に示すように、熱膨張性シート4の幅一方側4aが側面板10の内面10eに当接し、熱膨張性シート4の幅他方側4bが貫通孔20の孔面20aに当接するように、熱膨張性シート4を鋼製ボックス3の周方向に延ばして、熱膨張性シート4の幅一方側4aを側面板10の内面10eに接合し、熱膨張性シート4の幅他方側4bを貫通孔20の孔面20aに接合する。
以上の工程で、防火構造30が構成される。この後、貫通孔20からの作業により、図11(d)に示すように、コネクタ22を介して凹部11内に電線23を引き込むとともに、電線23をコンセント8等に接続して、コンセント8等を貫通孔20の周囲に取り付けることが行われる。
或いは、防火構造30を構築するために以下に示す施工が行われてもよい。
まず図12に示すように、熱膨張性シート4の幅一方側4aが側面板10の内面10eに当接するように、熱膨張性シート4を鋼製ボックス3の周方向に延ばし、熱膨張性シート4の幅一方側4aを側面板10の内面10eに接合する。
ついで図13(a)に示すように、各側面板10の先端が壁材2の壁面2aに沿うように鋼製ボックス3を設置する。この際には、図5(a)と同様の方法で、鋼製ボックス3を支持金具21や壁材2に固定する。
ついで図13(b)に示すように、鋼製ボックス3の凹部11の開口と重なるように、貫通孔20を壁材2に形成する。
ついで、貫通孔20からの作業で、図13(c)に示すように、熱膨張性シート4の幅他方側4bを、貫通穴20の孔面20aに沿うように延ばして、貫通孔20の孔面20aに接合する。以上の工程によっても防火構造30を構築でき、この後、図13(d)に示すように、コネクタ22から凹部11内に引き込んだ電線23をコンセント8等に接続して、コンセント8等を貫通孔20の周囲に取り付けることが行われる。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるとともに、熱膨張性シート4が鋼製ボックス3の内側に設置されるため、熱膨張性シート4が鋼製ボックス3の外側に落下しない。このため、長期にわたって安定した防火性能を実現できる。
また、熱膨張性シート4の形状追随性が高いことで、鋼製ボックス3の凹部11の径と貫通孔20の径とが一致する場合や相違する場合でも、熱膨張性シート4で側面板10と壁材2との間の隙間を塞ぐことができる。すなわち図14(a)に示すように、凹部11の径と貫通孔20の径とが一致する場合には、熱膨張性シート4は直線状に延びて側面板10の内面10eや貫通孔20の孔面20aに沿うものとなって、側面板10と壁材2との間の隙間を塞ぐ。また図9に示すように凹部11の径が貫通孔20の径よりも大きい場合や、図14(b)に示すように凹部11の径が貫通孔20の径よりも小さい場合には、熱膨張性シート4は、S字状に屈曲して内面10eや孔面20aに沿うものとなって、側面板10と壁材2との間の隙間を塞ぐ。
本発明は上記第1及び第2実施形態に示す例に限定されず、種々変更することができる。
例えば上記第1及び第2実施形態では、熱膨張性シート4の幅は、該熱膨張性シート4によって側面板10と壁材2との間の隙間を埋めて防火効果が確保される限り、任意の幅に設定され得る。
また上記第1及び第2実施形態では、必ずしも熱膨張性シート4を4つの側面板10に設ける必要はなく、防火効果が確保される限りにおいて、4つの側面板10のうちの1つ、2つ、又は3つの側面板10に熱膨張性シート4を設けるようにしてもよい。
また上記第1及び第2実施形態では、必ずしも鋼製ボックス3の背面板9の形状が略正方形である必要もなく、背面板9は、略長方形のような他の矩形であってよいし、矩形以外の形状をしていてもよい。
また図15に示すように、側面板10の外面10aと壁材2の壁面2aとに接合される熱膨張性シート4Aと、側面板10の内面10eと貫通孔20の孔面20aとに接合される熱膨張性シート4Bとの双方を設けて、これら熱膨張性シート4A,4Bにより鋼製ボックス3の外側及び内側から側面板10と壁材2との間の隙間を塞いでもよい。
また上記第1及び第2実施形態では、中空壁6を構成する壁材2に鋼製ボックス3を取り付ける例を示したが、鋼製ボックス3は、片壁に取り付けられてもよい。この場合、片壁は、例えばSウオール(吉野石膏登録商標)と称される耐火ボードから構成され、片壁には、コンセント8やスイッチを設置するための貫通孔が形成される。鋼製ボックス3は、側面板10の先端が片壁の貫通孔の周囲に沿うように設置される。テープ状の熱膨張性シート4は、側面板10の外面10aと片壁の裏側壁面との双方に接するように鋼製ボックス3の周方向に延びて、側面板10の外面10aと片壁の裏側壁面に接合することで、側面板10と片壁との間の隙間を鋼製ボックス3の外側から塞ぐものとされる。或いは、テープ状の熱膨張性シート4は、側面板10の内面10eと片壁の貫通孔の孔面との双方に接するように鋼製ボックス3の周方向に延びるとともに、側面板10の内面10eと片壁の貫通孔の孔面に接合することで、側面板10と片壁との間の隙間を鋼製ボックス3の内側から塞ぐものとされる。
1,30 防火構造
2 壁材
2a 壁材の壁面
3 鋼製ボックス
4 熱膨張性シート
4a 熱膨張性シートの幅一方側
4b 熱膨張性シートの幅他方側
9 背面板
10 側面板
10a 側面板の外面
10e 側面板の内面
20 貫通孔
20a 貫通孔の孔面

Claims (8)

  1. 貫通孔が形成される建築物の壁材と、
    背面板と、前記背面板の周縁から立設される側面板とから構成されて、前記背面板の反対面に開口を有し、当該開口を前記壁材の貫通孔に向けて、前記側面板の先端が前記壁材の貫通孔の周囲に沿うように設置される鋼製ボックスと、
    前記側面板と前記壁材の双方に接するように前記鋼製ボックスの周方向に延びるとともに、前記側面板と前記壁材とに接合することで、前記側面板と前記壁材との間の隙間を塞ぐテープ状の熱膨張性シートとを備え、
    前記背面板には、前記熱膨張性シートが接合されない防火構造。
  2. 前記熱膨張性シートは、熱膨張性黒鉛或いはブチルゴムから形成されて、その自己粘着性により、前記側面板と前記壁材とに接合する請求項1に記載の防火構造。
  3. 前記熱膨張性シートは、前記側面板の外面と前記壁材の壁面とに接合することで、前記鋼製ボックスの外側から前記側面板と前記壁材との間の隙間を塞ぐ請求項1又は2に記載の防火構造。
  4. 前記熱膨張性シートは、前記側面板の内面と前記貫通孔の孔面とに接合することで、前記鋼製ボックスの内側から前記側面板と前記壁材との間の隙間を塞ぐ前記請求項1又は2に記載の防火構造。
  5. 請求項3に記載の防火構造の施工方法であって、
    前記側面板の先端が前記壁材の壁面に沿うように、前記鋼製ボックスを設置する工程と、
    前記熱膨張性シートの幅一方側が前記側面板の外面に当接し、前記熱膨張性シートの幅他方側が前記壁材の壁面に当接するように、前記熱膨張性シートを鋼製ボックスの周方向に延ばして、前記熱膨張性シートの幅一方側及び幅他方側を、それぞれ前記側面板の外面及び前記壁材の壁面に接合する工程と、
    前記鋼製ボックスの開口と重なるように、前記壁材に前記貫通孔を形成する工程とを有する防火構造の施工方法。
  6. 請求項3に記載の防火構造の施工方法であって、
    前記熱膨張性シートの幅一方側が前記側面板の外面に当接するように、前記熱膨張性シートを前記鋼製ボックスの周方向に延ばして、前記熱膨張性シートの幅一方側を前記側面板の外面に接合する工程と、
    前記側面板の先端が前記壁材の壁面に沿うように前記鋼製ボックスを設置するとともに、前記側面板の先端から延び出た前記熱膨張性シートの幅他方側を、前記壁材の壁面に沿うように屈曲させて、前記壁材の壁面に接合する工程と、
    前記鋼製ボックスの開口と重なるように、前記貫通孔を前記壁材に形成する工程とを有する防火構造の施工方法。
  7. 請求項4に記載の防火構造の施工方法であって、
    前記側面板の先端が前記壁材の壁面に沿うように、前記鋼製ボックスを設置する工程と、
    前記鋼製ボックスの開口と重なるように、前記貫通孔を前記壁材に形成する工程と、
    前記熱膨張性シートの幅一方側が前記側面板の内面に当接し、前記熱膨張性シートの幅他方側が前記貫通穴の孔面に当接するように、前記熱膨張性シートを前記鋼製ボックスの周方向に延ばして、前記熱膨張性シートの幅一方側を前記側面板の内面に接合し、前記熱膨張性シートの幅他方側を前記貫通孔の孔面に接合する工程とを有する防火構造の施工方法。
  8. 請求項4に記載の防火構造の施工方法であって、
    前記熱膨張性シートの幅一方側が前記側面板の内面に当接するように、前記熱膨張性シートを前記鋼製ボックスの周方向に延ばして、前記熱膨張性シートの幅一方側を前記側面板の内面に接合する工程と、
    前記側面板の先端が壁材の壁面に沿うように鋼製ボックスを設置する工程と、
    前記鋼製ボックスの開口と重なるように、前記貫通孔を前記壁材に形成する工程と、
    前記側面板の先端から延び出た前記熱膨張性シートの幅他方側を、前記貫通孔の孔面に沿うように延ばして、前記貫通孔の孔面に接合する工程とを有する防火構造の施工方法。
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