JP2014039358A - アウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法 - Google Patents

アウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アウトレットボックスが火災等の熱にさらされた場合に、アウトレットボックス内部を炎、煙等が通ることを防ぐことができるアウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法を提供する。
【解決手段】貫通孔43を有する壁40に対して、アウトレットボックス1の開口部側を貫通孔を覆う様に設置し、熱膨張性耐火シール材80を壁とアウトレットボックスとの間に設置し、電線ケーブル類50がアウトレットボックスの挿通孔を挿通し、低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート20と高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート30を、アウトレットボックス内部の背面板側に組み合わせて設置する。
【選択図】図11

Description

本発明は、屋内配線に用いられるアウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法に関する。
建物の中空壁等の壁の内部に取り付けられるコンセントやスイッチ等の多くはプラスチック製の部品を含むため、火災が発生するとこれらのコンセントやスイッチ等が溶融変形し、火災の炎が前記中空壁等の壁の内部に侵入することがある。
火災の炎が中空壁等の壁の内部に侵入すると、コンセントやスイッチ等に接続されている電線ケーブル等を伝わって延焼が生じる問題がある。
この問題に対応するため、室内に設けられたコンセントやスイッチ等の背面、すなわち中空壁等の壁の内部にアウトレットボックスを設けた防火措置構造が提案されている。
図12は、従来のアウトレットボックスの防火措置構造を説明するための模式断面図である。
壁40に貫通孔が設けられ、前記壁40の内側から前記貫通孔を覆う様にアウトレットボックス1が設置されている。前記アウトレットボックス1は開口部を有する金属製の箱形状である。前記壁40の貫通孔に前記アウトレットボックス1の開口部を向けた状態により、金具等でスタッドに取り付けられた前記アウトレットボックス1が前記壁40に設置されている。
前記アウトレットボックス1の上面には挿通孔が設けられていて、この挿通孔を電線ケーブル類50が挿通している。
前記電線ケーブル類50は、筒状固定具60と筒状固定受具61とを使用してアウトレットボックス1の挿通孔に固定されている。
前記電線ケーブル類50に筒状固定具60を耐熱接着剤等により固定し、前記アウトレットボックス1の挿通孔に筒状固定受具61を固定し、前記筒状固定具60と筒状固定受具61とをはめ合わせることにより、前記電線ケーブル類50をアウトレットボックス1の挿通孔に固定することができる。
また前記筒状固定受具61と前記電線ケーブル類50との隙間ならびに前記アウトレットボックス1と壁40との隙間が耐熱パテ80で閉塞され、前記アウトレットボックス1の内部に熱膨張性耐火シート20が挿入され、さらに円筒状の筒状固定具60と筒状固定受具61との周囲に熱膨張性耐火シート62が巻かれている。
この従来のアウトレットボックスの防火措置構造によれば、より確実な防火性能を確保することができるとされる(特許文献1)。
特開2011−193717号公報
さらに本発明者らが検討を重ねたところ、次の問題があることを発見した。
先に説明した従来のアウトレットボックスの防火措置構造が火災等の熱にさらされると、前記筒状固定具60と筒状固定受具61とが溶融、焼失等し、前記筒状固定受具61内部に設置された耐熱パテ80が、前記電線ケーブル類50に沿って前記アウトレットボックス1の内部に垂れ下がる場合がある。
前記耐熱パテ80が前記アウトレットボックス1の内部にあると、前記アウトレットボックス1の内部に挿入された熱膨張性耐火シート20の自由な膨張が妨げられる。
この結果、前記アウトレットボックス1の内部が、前記熱膨張性耐火シート20による膨張残渣により完全には閉塞されず、火災等の炎、煙等が通過してしまう可能性がある。
一方、前記アウトレットボックス1が直接火災等の炎にさらされた場合には、前記アウトレットボックス1内に設置された熱膨張性耐火シート20が速やかに膨張するため特に問題はない。
しかし実際の火災現場では前記アウトレットボックス1が直接火災等の炎にさらされることなく、前記アウトレットボックス1が設置された壁の反対側から前記アウトレットボックス1の開口部に向けて火災等の炎が浸入してくる場合もある。
前記アウトレットボックス1が直接火災等の炎にさらされない場合には、前記アウトレットボックス1内に設置された熱膨張性耐火シート20が膨張する前に、火災等による炎、煙等が前記アウトレットボックス1内を通過する可能性がある。
本発明の目的は、前記アウトレットボックスが火災等の熱にさらされた場合に、前記アウトレットボックス内部を火災等の炎、煙等が通ることを防ぐことができるアウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、貫通孔を有する壁に対して、前記貫通孔を覆う様に設置されたアウトレットボックスの構造であって、前記壁と前記アウトレットボックスとの間に隙間があり、前記アウトレットボックス内部の背面板側に熱膨張性耐火シートが挿入され、前記壁の貫通孔の内周に熱膨張性耐火シートが設置されているアウトレットボックスの防火措置構造が、本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]貫通孔を有する壁に対して、前記貫通孔を覆う様に設置されたアウトレットボックスの構造であって、
前記アウトレットボックスが、背面板および前記背面板の外周に接合された側面板により囲まれた空間を有し、前記アウトレットボックスの開口部側を壁側に向けて壁に設置され、
熱膨張性耐火シール材が、前記壁と前記アウトレットボックスとの間に設置され、
電線ケーブル類が、前記アウトレットボックスの背面板および側面板の少なくとも一方に形成された挿通孔を挿通し、
二以上の熱膨張性耐火シートが、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入され、
前記二以上の熱膨張性耐火シートが、低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)と、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)とを含み、
前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)よりも低い温度で膨張を開始し、
前記アウトレットボックスの背面板に対する垂直方向を基準として、前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)および前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が、(A)、(B)の順に設置され、
前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記アウトレットボックス内部の背面板側と反対側に設置され、
前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が、前記アウトレットボックス内部の背面板側に設置されていることを特徴とする、アウトレットボックスの防火措置構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[2]前記アウトレットボックスが、アウトレットボックス本体と開口部を有する鍔板とを着脱自在に組み合わせてなり、
前記開口部を有する鍔板が、前記アウトレットボックス本体の開口部側に設置され、
支持枠体が、前記アウトレットボックスが設置された側とは反対側の壁の貫通孔外部に設置され、
連結部材が、前記壁の貫通孔を挿通し、前記開口部を有する鍔板と前記支持枠体とを着脱自在に連結している、上記[1]に記載のアウトレットボックスの防火措置構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]二以上の低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記二以上の低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)の側面を互いに対向させて、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入され、
および/または、
二以上の高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が、前記二以上の高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)の側面を互いに対向させて、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入されている、上記[1]または[2]に記載のアウトレットボックスの防火措置構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]前記熱膨張性耐火シートが、低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火層(a)および高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火層(b)を少なくとも積層してなり、
前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火層(a)が、前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)に対応し、
前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火層(b)が、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)に対応する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のアウトレットボックスの防火措置構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]前記電線ケーブル類が、端部に筒状固定具が設置された可撓電線管の内部を挿通し、
筒状固定受具が、前記アウトレットボックスの挿通孔に設置され、
前記可撓電線管の端部に設置された筒状固定具が、前記アウトレットボックスの挿通孔に設置された筒状固定受具にはめ合わされ、
配電盤が、前記支持枠体に設置され、
前記可撓電線管の内部を挿通する前記電線ケーブル類が、前記アウトレットボックス内部に導入されて、前記配電盤に接続され、
前記配電盤が、有線通信用コンセント、電源用コンセント、電源用スイッチ、電源用ブレーカー、通電表示灯および情報表示装置からなる群より選ばれる少なくとも一つを備え、
前記配電盤および前記支持枠体が、化粧板により前記壁の外部から覆われ、前記化粧板の開口部を通じて、前記有線通信用コンセントおよび電源用コンセントに接続でき、前記配電盤の電源用コンセント、電源用スイッチおよび電源用ブレーカーを操作でき、前記配電盤の通電表示灯および情報表示装置を視認できる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のアウトレットボックスの防火措置構造を提供するものである。
また本発明は、
[6]高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)を、背面板および前記背面板の外周に接合された側面板により囲まれた空間を有するアウトレットボックス内部の背面板側に挿入する工程(1)と、
低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)を、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入する工程(2)と、
熱膨張性耐火シール材を、前記アウトレットボックスの開口部側に設置する工程(3)と、
前記アウトレットボックスの背面板および側面板の少なくとも一方に形成された挿通孔に、電線ケーブルを挿通させる工程(4)と、
、前記アウトレットボックスの開口部側を壁側に向けて壁に設置して、前記アウトレットボックスと前記壁との隙間を前記熱膨張性耐火シール材により閉塞する工程(5)と、
前記壁の垂直方向を基準として、前記壁の貫通孔の一部または全部と、前記アウトレットボックスの開口部の一部または全部とが互いに重なる位置に、前記壁に貫通孔を設ける工程(6)と、
を少なくとも有するアウトレットボックスの防火措置構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[7]支持枠体を、前記アウトレットボックスが設置された側とは反対側の壁の貫通孔外部に設置する工程(7)と、
アウトレットボックス本体と開口部を有する鍔板とを着脱自在に組み合わせてなるアウトレットボックスに設置された前記開口部を有する鍔板と、
前記支持枠体と、を、
前記壁の貫通孔を挿通させた連結部材により、着脱自在に連結する工程(8)と、
を有する、上記[6]に記載のアウトレットボックスの防火措置構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[8]前記工程(1)が、二以上の高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)を、前記二以上の高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)の側面を互いに対向させて、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入する工程であり、
および/または、
前記工程(2)が、二以上の低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)を、前記二以上の低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)の側面を互いに対向させて、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入する工程である、上記[6]または[7]に記載のアウトレットボックスの防火措置構造の施工方法を提供するものである。
また本発明の一つは、
[9]前記工程(1)により、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入された後に、前記工程(2)により低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入され、
前記アウトレットボックスの背面板に対する垂直方向を基準として(A)、(B)の順に、前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記アウトレットボックス内部の背面板側と反対側に設置され、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が、前記アウトレットボックス内部の背面板側に設置され、
前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)よりも低い温度で膨張を開始する、上記[6]〜[8]のいずれかに記載のアウトレットボックスの防火措置構造の施工方法を提供するものである。
本発明のアウトレットボックスの防火措置構造の場合は、前記アウトレットボックスの防火措置構造が火災等の熱にさらされた場合に、従来のアウトレットボックスの防火措置構造の様に前記熱膨張性耐火シートの膨張を妨げるものがなく、前記アウトレットボックスの内部が前記熱膨張性耐火シートによる膨張残渣により閉塞される。
さらに前記アウトレットボックスと前記壁との隙間も前記熱膨張性耐火シール材による膨張残渣により閉塞される。
このため前記アウトレットボックス内部を火災等の炎、煙等が通ることを防ぐことができることから、本発明のアウトレットボックスの防火措置構造は防火性に優れる。
本発明に使用する前記アウトレットボックスが直接火災等の炎にさらされた場合には、前記アウトレットボックス内に設置された前記熱膨張性耐火シートが速やかに膨張するため特に問題はない。
しかし実際の火災現場では前記アウトレットボックスが直接火災等の炎にさらされることなく、前記壁の貫通孔側から前記アウトレットボックスの開口部に向けて火災等の炎が浸入してくる場合もある。
従来のアウトレットボックスの防火措置構造では前記アウトレットボックスが直接火災等の炎にさらされない場合には、前記アウトレットボックス内に設置された熱膨張性耐火シートが膨張する前に、火災等による炎、煙等が前記アウトレットボックス内を通過する可能性があった。
本発明のアウトレットボックスの防火措置構造の場合は低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)と、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)とを組み合わせて使用することにより、この問題を解決することができる。
比較的十分に前記アウトレットボックスが加熱されない場合でも低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が膨張して膨張残渣を形成するため、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が十分膨張しない段階から前記アウトレットボックス内部が低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)による膨張残渣により閉塞される。
これにより前記アウトレットボックス内に設置された熱膨張性耐火シートが膨張する前に、火災等による炎、煙等が前記アウトレットボックス内を通過してしまう問題を解決することができる。
従来のアウトレットボックスの防火措置構造を施工する際には、耐熱パテ等のシール剤を使用していたため、従来のアウトレットボックスの防火措置構造の施工現場付近が耐熱パテ等のシール剤により汚れるという問題があった。
これに対し本発明のアウトレットボックスの防火措置構造を施工する際には、熱膨張性耐火シートおよび熱膨張性耐火シール材を使用することにより施工することが可能であり、耐熱パテ等のシール剤を使用する必要がないため、誰でも簡単に施工することが可能であり、耐熱パテ等のシール剤により施工現場付近が汚れる問題が発生しない。
図1は、本発明に使用するアウトレットボックスを例示した模式斜視図である。 図2は、本発明に使用するアウトレットボックスを例示した模式斜視図である。 図3は、本発明に使用する熱膨張性耐火シートの形状を説明するための模式斜視図である。 図4は、本発明に使用するアウトレットボックスの模式断面図である。 図5は、アウトレットボックスの側面板により囲まれる内部の空間を、壁と平行な面により切断して得られる断面の形状と前記熱膨張性耐火シートの配置状態を説明するための模式断面図である。 図6は、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100の施工工程を説明するための模式要部断面図である。 図7は、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100の施工工程を説明するための模式要部断面図である。 図8は、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100の施工工程を説明するための模式要部断面図である。 図9は、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100の施工工程を説明するための模式要部断面図である。 図10は、アウトレットボックス内部を観察した状態を説明するための模式図である。 図11は、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100の模式断面図である。 図12は、従来のアウトレットボックスの防火措置構造を説明するための模式断面図である。
最初に本発明に使用するアウトレットボックスについて説明する。
図1および図2は本発明に使用するアウトレットボックスを例示した模式斜視図である。
背面板5の外周に上側面板2、横側面板3および下側面板4が隙間無く接合されることによりアウトレットボックス本体1aが形成されている。このアウトレットボックス本体1aの内部には背面板5、上側面板2、横側面板3および下側面板4により囲まれた直方体形状の空間が形成され、この空間に外部から電線ケーブル類を導入することができる。
前記上側面板2、横側面板3および下側面板4からなる側面板と、前記背面板5とは直角に接合されていてもよいし、曲面を含むように接合されていてもよい。
また前記上側面板2、横側面板3および下側面板4のそれぞれの端面11側、すなわち開口部10側に鍔板6が螺子7により着脱自在に組み合わされている。
本発明に使用するアウトレットボックス1は、例えば、前記アウトレットボックス本体1aと、前記鍔板6とを着脱自在に組み合わせること等により得ることができる。
前記鍔板6は前記アウトレットボックス本体1aに対し、配電盤等(図示せず)を容易に設置することができるように設けられたものであり、前記鍔板6の内部には図2に例示するように略長方形の開口部14が設けられている。
前記鍔板6は、通常は壁に設けられた貫通孔を覆うことのできる大きさを有している。
これにより、前記上側面板2、横側面板3および下側面板4からなる側面板の端面11側、すなわち前記アウトレットボックス本体1aの開口部10側を壁側に向けて前記貫通孔を覆う様にアウトレットボックスを設置することができる。
図2に示されるように、前記鍔板6が前記アウトレットボックス本体1aに着脱自在に組み合わされた後は、図1に示される前記アウトレットボックス本体1aの開口部10と、前記鍔板6の開口部14とは同じとなる。そこで前記アウトレットボックス1の開口部は、参照符号14として示す。
また前記上側面板2には挿通孔8が形成されている。なお、使用しない挿通孔は不燃材9により閉塞密閉されている。図1では前記上側面板2の内側に不燃材9が配置されていて、貫通孔が閉塞密閉されている。前記不燃材9の素材は、前記アウトレットボックス1と同様のものを使用することができる。
図2に示されるように、前記鍔板6に設けられた切り欠きを含む螺子孔12および前記側面板の端面11に設けられた螺子孔13に対して螺子7をねじ込むことにより、前記側面板の端面11に前記鍔板6を設置することができる。これにより図1に示される本発明に使用するアウトレットボックス1が得られる。
なお前記鍔板6には適宜配電盤等を固定するための螺子孔を設けることができる。
本発明に使用するアウトレットボックス1の素材は防火性を備えたものであれば特に限定はないが、一例を挙げるとすれば、例えば、無機製、金属製等のものが使用される。
無機製のものとしては、例えば、セラミック製、陶磁器製等のものが挙げられる。
また金属製のものとしては、例えば、アルミニウム、銅、鋼鉄、ステンレス、錫、鉛等のものの一種もしくは二種以上の合金のもの等が挙げられる。
本発明に使用するアウトレットボックス1は、一例を挙げるとすれば、例えば、IJS C 8340に規定されている電線管用金属製ボックスおよびボックスカバー等が挙げられる。具体的には、軟鉄鋼製のものが好ましく、熱間圧延軟鉄鋼板により形成されているものであればさらに好ましい。前記熱間圧延軟鉄鋼板はJIS G3131に規定されているものであればさらに好ましい。
次に本発明に使用する熱膨張性耐火シートについて説明する。
図3は本発明に使用する熱膨張性耐火シートの形状を説明するための模式斜視図である。
本発明に使用する熱膨張性耐火シートは、低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート20と高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート30である。
例えば図3(a)に例示されるように熱膨張性耐火シート20,30からなるものであってもよいし、図3(b)に例示されるように、二以上の短冊状の熱膨張性耐火シートの厚み方向に、二以上の熱膨張性耐火シート20a、30a等を組み合わせてなるものであってもよいし、図3(c)に例示されるように、熱膨張性耐火シートの厚み方向に、樹脂組成物の成分がそれぞれ異なる熱膨張耐火層20b,30b等が積層されてなるものであってもよい。
本発明では低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート20と高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート30等とを複数組み合わせて使用する。
本発明における熱膨張開始温度とは熱機械分析装置を用いて10℃/minの昇温速度で測定を行った際に、熱膨張性耐火シート20,30の体積増加が開始された時の温度をいう。
前記熱膨張性耐火シート20,30の熱膨張開始温度を変化させるには、前記熱膨張性耐火シート20,30に含まれる熱膨張成分について、異なる熱膨張開始温度を持つものを適宜選択すればよい。なお前記熱膨張性耐火シート20,30の詳細な組成については後述する。
前記熱膨張性耐火シート20,30の形状に限定はなく、本発明に使用するアウトレットボックスの背面板5の形状にあわせて適宜選択することができる。
また本発明に使用する熱膨張性耐火シート20,30は柔軟性があるものが好ましい。柔軟性のある熱膨張性耐火シートは壁の貫通孔を通すときに適宜変形させることができるから容易に施工することができる。
本発明に使用する熱膨張性耐火シート20,30をアウトレットボックス1内に設置する際は、例えば図3に例示される前記熱膨張性耐火シート20,30をアウトレットボックス1内部の背面板5に接して配置することが好ましく、前記熱膨張性耐火シート20,30をアウトレットボックス1内部の背面板5に固定することがより好ましい。
前記熱膨張性耐火シート20、30等をアウトレットボックスの内壁に固定する方法としては、例えば、片面または両面に粘着層を備えた粘着テープを使用して前記熱膨張性耐火シート20,30をアウトレットボックスの内部の背面板5に固定する方法、接着剤を使用して前記熱膨張性耐火シート20,30をアウトレットボックス1の内部の背面板5に固定する方法、粘着性を有する熱膨張性耐火シート20,30を使用して前記熱膨張性耐火シート20a等をアウトレットボックス1の内部の背面板5に固定する方法、ビス等を使用して前記熱膨張性耐火シート20,30をアウトレットボックス1の内部の背面板5に固定する方法等が挙げられる。
粘着性を有する熱膨張性耐火シートについては後述するが、例えば、熱膨張性耐火シートを構成する樹脂成分に粘着成分を添加する方法、熱膨張性耐火シートに粘着層を追加して積層する方法等が挙げられる。
図4は、本発明に使用するアウトレットボックスの模式断面図である。
本発明に使用するアウトレットボックス1は、前記側面板の端面11(図2参照)を壁側に向けて壁に設置されるものである。図4における一点破線a−aは、アウトレットボックスの側面板により囲まれる内部の空間を、壁と平行な面により切断する切断面を例示したものである。
また図5は前記アウトレットボックスの側面板により囲まれる内部の空間を、壁と平行な面により切断して得られる断面の形状と前記熱膨張性耐火シートの配置状態を説明するための模式断面図である。
図5では前記アウトレットボックスの側面板により囲まれる内部の空間を、壁と平行な面(図4における一点破線a−a)により切断して得られる断面の形状が参照符号2,3,4により表され、前記熱膨張性耐火シート20の形状が参照符号20aにより表されている。
前記熱膨張性耐火シート20,30に使用されるそれぞれ熱膨張性耐火シート20a,30aの縦、横および厚みのうち、縦および横の部分が図5における前記熱膨張性耐火シート20aとして示されている。
本発明に使用される前記熱膨張性耐火シート20の面積、すなわちそれぞれの前記熱膨張性耐火シート20aの縦および横により表される面積は、前記アウトレットボックス1の側面板2,3,4により囲まれる内部の空間を、壁と平行な面により切断して得られる断面15の断面積の最大値に対して55〜100%の範囲であることが好ましい。
前記熱膨張性耐火シート20の面積が前記断面15の断面積の最大値に対して55%以上の場合には、本発明のアウトレットボックスの防火措置構造が火災等の熱にさらされた場合でも、炎等がアウトレットボックスを通過することを防止することができる。
この範囲は65〜100%の範囲であれば好ましく、71%〜100%の範囲であればより好ましい。
また加熱前の熱膨張性耐火シート20,30の厚みをt、前記加熱前の熱膨張性耐火シートを50kw/mの加熱条件下で30分間加熱した後の厚みをtとした場合、前記熱膨張性耐火シート20,30の熱膨張倍率はt/tにより定義される。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火シート20,30の熱膨張倍率は、3〜100倍の範囲であることが好ましい。
前記熱膨張倍率が3倍以上の場合は、前記熱膨張性耐火シート20,30の膨張残渣が前記アウトレットボックス1の内部を十分に閉塞する。また前記熱膨張倍率が100倍以下の場合には前記熱膨張性耐火シート20,30の膨張残渣の密度が小さくなることを防止できるため膨張残渣の強度を維持することができ、火災等で生じた熱風等により膨張残渣が崩れることを防止できる。
前記アウトレットボックス1内部に挿入される熱膨張性耐火性シート20,30の熱膨張倍率は、20〜100倍の範囲であることが好ましい。この範囲であれば形状保持性に優れることから前記熱膨張性耐火性シート20,30をアウトレットボックス1内部に挿入しやすくなる。
また前記熱膨張性耐火性シート20,30の熱膨張倍率は、20〜60の範囲であることがより好ましく、20〜50の範囲であればさらに好ましい。
また本発明においては前記熱膨張性耐火シート20,30に加えて、熱膨張性耐火シール材80が使用される。
前記熱膨張性耐火シール材80についても先に説明した熱膨張性耐火シート20,30の場合と同様であり、火災等の熱にさらされた場合に、前記壁とアウトレットボックス1との隙間を十分に閉塞できる膨張倍率を有するものが使用される。
前記熱膨張性耐火シール材80はテープ形状のものが好ましい。
次に本発明に使用する前記熱膨張性耐火シート20,30の厚みについて説明する。
先に説明した図4におけるアウトレットボックス1の背面板5の内面から、アウトレットボックス1の鍔板6の最外面までの距離がアウトレットボックス1内部の奥行きの長さLである。
なおアウトレットボックス1の背面板5に曲面が含まれる場合等、前記奥行きの長さLが場所によって変化する場合には、前記Lの値は、アウトレットボックス1の背面板5の内面からアウトレットボックス1の鍔板6の最外面までの最大距離を採用するものとする。
前記熱膨張性耐火シートの厚みの合計tと、前記アウトレットボックス内部の奥行きの長さL(図4参照)と、t/tにより表される前記熱膨張性耐火シートの熱膨張倍率との関係は、t×(t/t)/Lを基準として、1.5〜8の範囲にあることが好ましい。
t×(t/t)/Lの値が1.5以上の場合は、前記熱膨張性耐火シート20の膨張残渣が前記アウトレットボックス1の内部を十分閉塞することができる。また t×(t/t)/Lの値が8以下の場合は、熱膨張性耐火シート20の膨張残渣を緻密に維持することができる。
t×(t/t)/Lの値は、1.5〜5の範囲が好ましく、2〜4の範囲であればより好ましい。
次に本発明に使用する前記熱膨張性耐火シート20,30の材料について説明する。
前記熱膨張性耐火シート20,30の材料としては、例えば、熱膨張性樹脂組成物をシートの形状に成形したもの、熱膨張性樹脂組成物と基材とを積層してシートの形状に成形したもの等が挙げられる。
前記基材としては、例えば、金属板、金属箔、金属繊維シート、金属網、無機板、無機繊維シート、無機繊維網、有機樹脂板、有機樹脂フィルム、有機繊維シート、有機繊維網等が挙げられる。
前記金属板、金属箔、金属繊維シート、金属網等に使用する金属としては、例えば、アルミニウム、銅、鋼鉄、ステンレス、錫、鉛等の一種もしくは二種以上の合金等が挙げられる。
前記金属板と金属箔との関係については、アウトレットボックス1の内部に挿入することのできる大きさの平面形状を基準として、一端を固定して水平に保持したときに一定の形状を保持できる厚さのものを金属板とし、一端を固定して水平に保持したときに折れ曲がる厚さのものを金属箔として説明する。
後述する有機樹脂板および有機樹脂フィルムとの関係についても、前記金属板と金属箔との関係と同様である。
前記金属繊維シートとしては、例えば、金属繊維を編むことによりシート状に成形したもの、金属繊維を編まずに樹脂等を使用してシート状に成形したもの等が挙げられる。
前記金属網としては、例えば、金属線を組み合わせて網状に成形したもの、前記金属板、金属繊維シートを金型等を使用して打ち抜くことにより多数の孔を形成したもの等が挙げられる。
前記無機板としては、例えば、セラミック板、ケイ酸カルシウム板、石膏板、パーライト板等が挙げられる。
前記無機繊維シートおよび前記無機繊維網に使用する無機繊維としては、例えば、ロックウール、セラミックウール、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維、セラミックブランケット等が挙げられる。
前記無機繊維シートとしては、例えば、無機繊維を編むことによりシート状に成形したもの、無機繊維を編まずに樹脂等を使用してシート状に成形したもの等が挙げられる。
前記無機繊維網としては、例えば、無機繊維を組み合わせて網状に成形したもの、前記無機板、無機繊維シートを金型等を使用して打ち抜くことにより多数の孔を形成したもの等が挙げられる。
前記有機樹脂板としては、例えば、熱可塑性樹脂板、熱硬化性樹脂板等が挙げられる。
前記有機樹脂フィルムとしては、例えば、熱可塑性樹脂フィルム、熱硬化性樹脂フィルム等が挙げられる。
前記有機繊維シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂繊維シート、熱硬化性樹脂繊維シート等が挙げられる。
前記有機繊維網としては、例えば、熱可塑性樹脂繊維網、熱硬化性樹脂繊維網等が挙げられる。
前記有機樹脂板、前記有機樹脂フィルム、前記有機繊維シートおよび前記有機繊維網に使用する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂に特に限定はないが、一例を挙げるとすれば後述する熱膨張性樹脂組成物に使用する樹脂成分の場合と同様である。
具体的には、前記有機樹脂板および前記有機樹脂フィルムに使用するのは熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂等が挙げられる。
また前記有機繊維シートおよび前記有機繊維網に使用する有機繊維としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、木綿、セルロース等が挙げられる。
前記有機繊維シートとしては、例えば、有機繊維を編むことによりシート状に成形した織布、有機繊維を編まずに樹脂等を使用してシート状に成形した不織布等が挙げられる。
前記有機繊維網としては、例えば、有機繊維を組み合わせて網状に成形したもの、前記有機樹脂板、有機繊維シートを金型等を使用して打ち抜くことにより多数の孔を形成したもの等が挙げられる。
本発明に使用する基材に特に限定はなく、一種もしくは二種以上を適宜選択して使用することができる。
本発明に使用する基材の実施形態の一例を挙げるとすれば、例えば、アルミニウム箔とガラス繊維シートとを積層して得られるアルミニウム箔ラミネートガラスクロス等が挙げられる。
前記熱膨張性樹脂組成物をシートの形状に成形する方法としては、例えば、前記熱膨張性樹脂組成物を溶融押出、熱プレス成形等によりシートの形状に成形する方法等が挙げられる。
前記熱膨張性樹脂組成物と基材とを積層してシートの形状に成形する方法としては、例えば、前記基材に対して熱膨張性樹脂組成物を溶融押出して積層する方法、前記基材と熱膨張性樹脂組成物とを熱プレス成形等により積層する方法、熱膨張性樹脂組成物を溶剤に溶解または縣濁させた塗料を前記基材に吹き付けたり、塗布したりする方法等が挙げられる。
次に前記熱膨張性樹脂組成物について説明する。
前記熱膨張性樹脂組成物としては、例えば、樹脂成分、熱膨張成分、無機充填材等を含むものが挙げられる。
前記樹脂成分に限定はないが、一例を挙げるとすれば、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルフィド樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアルキレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
天然ゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム等のゴム樹脂等が挙げられる。
また前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェノール樹脂等が挙げられる。
前記樹脂成分を使用する際は、樹脂成分の原料となるモノマーを予備的に反応させたプレポリマーを使用することができる。
前記樹脂成分は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する前記樹脂成分の中でもポリオレフィン樹脂、ゴム樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂であればより好ましい。エポキシ樹脂を使用した場合にはアウトレットボックスが火災等の熱にさらされた場合に緻密で堅固な膨張残渣を形成することからエポキシ樹脂を使用することがさらに好ましい。
前記ウレタン樹脂としては、例えば、イソシアネート類と多価アルコールとを反応させて得られるものが挙げられる。
前記イソシアネート類としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
また前記多価アルコールとしては、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ基を持つモノマーと硬化剤とを反応させて得られる樹脂等が挙げられる。
前記エポキシ基を持つモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のモノマーが挙げられる。
また、グリシジルエステル型として、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが挙げられる。
更に多官能のグリシジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オルトクレゾール型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン、フェノール型等のモノマーが挙げられる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また、前記硬化剤としては、例えば、重付加型硬化剤、触媒型硬化剤等が挙げられる。
前記重付加型硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が挙げられる。
前記触媒型硬化剤としては、例えば三級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が挙げられる。これらエポキシ樹脂の硬化方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
なお、前記樹脂成分の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、二種以上の樹脂成分を混合したものを使用することができる。
また本発明に使用する熱膨張性樹脂組成物にはリン化合物を添加することができる。
前記リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、
ポリリン酸アンモニウム類、
化学式1で表される化合物等が挙げられる。
これらのリン化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらのうち、防火性の観点から、赤リン、下記の化学式で表される化合物、及び、ポリリン酸アンモニウム類が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
Figure 2014039358
@0001


上記化学式中、R及びRは、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
前記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、難燃性、安全性、コスト、取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好ましい。
市販品としては、例えば、クラリアント社製の「商品名:EXOLIT AP422」および「商品名:EXOLIT AP462」等が挙げられる。
前記リン化合物は、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩と反応して、金属炭酸塩の膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
次に前記熱膨張性樹脂組成物の各成分のうち、前記熱膨張成分について説明する。前記熱膨張成分は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張性成分に特に限定はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等の熱膨張性層状無機物が挙げられる。
前記熱膨張成分は、構成成分等によってその熱膨張開始温度が異なるものを市販品として入手することができる。本発明では、異なる熱膨張開始温度を有する前記熱膨張成分を選択することにより、熱膨張性耐火シート20の熱膨張開始温度を変化させることができる。
前記熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物および前記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
粒度が20メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、充分な膨張残渣が得られにくく、また、粒度が200メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、前記熱可塑性樹脂又はエポキシ樹脂と混練する際に分散性が悪くなり、物性が低下し易い。
上記中和された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON社製
の「GRAFGUARD#160」、「GRAFGUARD#220」、東ソー社製の「GREP−EG」等が挙げられる。
次に先の熱膨張性樹脂組成物の各成分のうち、前記無機充填材について説明する。
前記無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記無機充填材は骨材的役割を果たして、加熱後に生成する膨張残渣強度の向上や熱容量の増大に寄与する。
このため、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機物が好ましく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び周期律表IIbの金属炭酸塩又はこれらと前記含水無機物との混合物が好ましい。
本発明に使用する無機充填材が粒状の場合には、その粒径としては、0.5〜200μmの範囲のものが好ましく、1〜50μmの範囲のものがより好ましい。
無機充填材の添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、粒径0.5μm以上では二次凝集を防止することができ、分散性が悪くなることを防ぐことができる。
また、無機充填材の添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることによって樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、上記範囲の中でも粒径の大きいものが好ましい。
なお、粒径が200μm以下であれば、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下することを防ぐことができる。
前記無機充填材の中でも、特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩、
骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物が好ましい。
前記含水無機物及び金属炭酸塩を併用することは、燃焼残渣の強度向上や熱容量増大に大きく寄与すると考えられる。
前記無機充填材の中で、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、および、燃焼残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで燃焼残渣の強度が向上する点で好ましい。
また、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
前記含水無機物の粒径は、小さくなると嵩が大きくなって高充填化が困難となるので、脱水効果を高めるために高充填するには粒径の大きなものが好ましい。具体的には、粒径が18μmでは、1.5μmの粒径に比べて充填限界量が約1.5倍程度向上することが知られている。さらに、粒径の大きいものと小さいものとを組み合わせることによって、より高充填化が可能となる。
前記含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「商品名:ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「商品名:ハイジライトH−31」(昭和電工社製)等が挙げられる。
前記炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「商品名:ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「商品名:BF300」(備北粉化社製)等が挙げられる。
冒頭に説明したとおり、本発明に使用する熱膨張性樹脂組成物としては、上記に説明した樹脂成分、前記熱膨張成分、前記無機充填材等を含む樹脂組成物からなるもの等を挙げることができるが、次にこれらの配合について説明する。
前記樹脂組成物は、前記樹脂成分100重量部に対し、前記熱膨張成分を20〜350重量部及び前記無機充填材を50〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。また、前記熱膨張成分および前記無機充填材の合計は、200〜600重量部の範囲が好ましい。
かかる樹脂組成物は加熱によって膨張し膨張残渣を形成する。この配合によれば、前記熱膨張性樹脂組成物は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することもでき、安定した防火性能を達成することができる。
前記熱膨張成分の量が20重量部以上であると、膨張倍率が向上し、充分な耐火、防火性能が得られる。
一方、熱膨張成分の量が350重量部以下であると、擬集力が向上するため、成形品の強度が大きくなる。
また前記無機充填材の量が50重量部以上であると、燃焼後の残体積量を確保することができるため、十分な膨張残渣が得られる。さらに可燃物の比率が減少するため、難燃性が向上する。
一方、無機充填材の量が400重量部以下であると樹脂成分の配合比率が増加するため、十分な凝集力が得られるため成形品としての強度を確保することができる。
前記樹脂組成物における熱膨張成分および無機充填材の合計量は、200重量部以上では燃焼後の残渣量を確保することができ十分な防火性能が得られ、600重量部以下であると機械的物性の低下を防ぐことができ、長期の使用に耐えられる。
さらに本発明に使用する前記熱膨張性樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
次に前記熱膨張性樹脂組成物の製造方法について説明する。
前記熱膨張性樹脂組成物の製造方法に特に限定はないが、例えば、前記熱膨張性樹脂組成物を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、前記熱膨張性樹脂組成物を加熱下に溶融させる等の方法により前記熱膨張性樹脂組成物を得ることができる。
前記熱膨張性樹脂組成物は、上記各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練することにより得ることができる。
また、前記熱膨張性樹脂組成物の樹脂成分として熱硬化性樹脂を使用する場合には、熱可塑性樹脂のモノマーと硬化剤とに別々に充填材を混練しておき、成形直前にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
以上説明した方法により、本発明に使用する前記熱膨張性樹脂組成物を得ることができる。この熱膨張性樹脂組成物を溶融押出、熱プレス成形等の方法により前記熱膨張性耐火シート20を得ることができる。本発明に使用する熱膨張性耐火シート30についても同様である。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火シート20および熱膨張性耐火シート30は、先に説明した通り、熱膨張性樹脂組成物をシートの形状に成形したもの、熱膨張性樹脂組成物と基材とを積層してシートの形状に成形したもの等を使用することができる。
取り扱い性の面から、前熱第一の膨張性耐火シート20はおよび熱膨張性耐火シート30は、金属箔層、熱膨張性樹脂層および無機繊維層等を積層したものを使用することが好ましい。これらの積層には溶融同時押出、熱プレス等の他、接着剤により各層を貼着する手段等が挙げられる。
本発明に使用する前熱膨張性耐火シート20は、市販品を適宜選択して使用することができる。この様な市販品としては、例えば、積水化学工業社製のフィブロック(登録商標。エポキシ樹脂やゴムと、熱膨張性黒鉛等を含有する樹脂組成物を含むシート材料)、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社製のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等が挙げられる。
次に本発明に使用される壁について説明する。
本発明に使用される壁としては、例えば、建築物の壁、間仕切り壁、床、天井等、船舶の防水区画や船室に設けられた鋼板等が挙げられる。
前記壁に使用される素材は、コンクリート、不燃性ボード、鋼板等が挙げられる。
前記不燃性ボードとしては、例えば、無機繊維を成形した無機繊維ボード、耐熱パネル等が挙げられる。
前記無機繊維ボードとしては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等の無機繊維を焼結剤、熱可塑性樹脂、接着剤等を使用して成形して得られるボード等が挙げられる。
また前記耐熱パネルとしては、例えば、セメント系パネル、無機セラミック系パネル等が挙げられる。
前記セメント系パネルとしては、例えば、硬質木片セメント板、無機繊維含有スレート板、軽量気泡コンクリート板、モルタル板、プレキャストコンクリート板等が挙げられる。
前記無機セラミック系パネルとしては、例えば、石膏ボード、けい酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ミネラルウール板、窯業系板等が挙げられる。
ここで前記石膏ボードとしては、具体的には焼石膏に鋸屑やパーライト等の軽量材を混入し、両面に厚紙を貼って成形したもので、例えば、普通石膏ボード(JIS A6901準拠:GB−R)、化粧石膏ボード(JIS A6911準拠:GB−D)、防水石膏ボード(JIS A6912準拠:GB−S)、強化石膏ボード(JIS A6913準拠:GB−F)、吸音石膏ボード(JIS A6301準拠:GB−P)等が挙げられる。
前記壁に使用される素材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
また本発明に使用する壁に限定はなく、通常壁に使用されるものを適宜選択して使用することができる。前記壁の具体的な形状としては、例えば、内部に空間のない壁、内部に空間がある中空壁等を使用することができる。
前記中空壁としては、例えば、金属フレーム、鉄骨等の枠材に、前記耐熱パネル等を固定した構造のもの等が挙げられる。
前記壁として中空壁を使用する場合には、前記中空壁の内部に無機繊維等を設置することもできる。
前記無機繊維としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
次に実施例により、前記アウトレットボックスを使用した本発明の実施形態について図面を参照しつつさらに詳細に説明する。
なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
図6〜図9は、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100の施工工程を説明するための模式要部断面図である。
図6に示されるように、前記アウトレットボックス1の内部に、熱膨張性耐火シート20,30を設置する。また熱膨張性耐火シール材80を、前記アウトレットボックス1の鍔板6の全周に設置する。
前記アウトレットボックス1は金属製であり、前記壁40は厚さ21mmの強化石膏ボードを2枚重ねて形成されている。
また実施例1に使用したアウトレットボックス1の構造は、図1および2に使用したものと同様である。
実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100は、先の図3(b)の場合と同様、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100に使用される前記熱膨張性耐火シート20,30は、二以上の熱膨張性耐火シート20a,30aを組み合わせて使用される。
前記熱膨張性耐火シート20は、熱膨張開始温度が80〜250℃の範囲で、低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)であり、前記熱膨張性耐火シート30は、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)である。
前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)の熱膨張開始温度は、80℃を超えて150℃以下の範囲であることが好ましく、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)の熱膨張開始温度は、150℃を超えて250℃以下の範囲であることが好ましい。
前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)は熱膨張性耐火シート20aに対応し、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)は熱膨張性耐火シート30aに対応する。
前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)は、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)よりも低い温度から膨張を開始する。
前記アウトレットボックス1の内部で、前記壁40の垂直方向を基準として、前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)を前記アウトレットボックス1の開口部14側に配置し、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)を前記アウトレットボックス1の背面板5側に配置することにより、火災の初期段階の比較的低い温度でも前記アウトレットボックス1の内部を閉塞させることができる。
通常、比較的低温で膨張が始まる熱膨張性耐火シートの膨張は比較的低温で終了する傾向がある。これに対し、比較的高温で膨張が始まる熱膨張性耐火シートの膨張は比較的高温で終了する傾向がある。
本発明に使用する熱膨張性耐火シートとして前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)のみを使用した場合には、前記アウトレットボックス1の内部を挿通する前記電線ケーブル類50等が火災等の熱により十分溶融、焼失する前に前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)の膨張が止まる場合がある。
これに対し、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100の場合は、前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)および前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)を併用していることから、仮に前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)の膨張が止まった場合でも、前記アウトレットボックス1が火災等の熱により加熱され続けた場合には前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が膨張を続ける。このため前記アウトレットボックス1の内部を確実に閉塞することができる。
また前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)の厚みが、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)の厚みよりも小さい前記熱膨張性耐火シート20aを使用することにより、より簡単に前記熱膨張性耐火シート20を前記アウトレットボックス1の背面板5側に挿入することができる。
実施例1の場合には二種類の異なる熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート20,30を使用したが、三種類以上の異なる熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート20を使用することもできる。
次に図7に示されるように、前記アウトレットボックス1に形成された挿通孔8(図1参照)から前記アウトレットボックス1内部に電線ケーブル類50を挿通させる。
本発明に使用する電線ケーブル類50としては、例えば、電力線用ケーブル、アンテナ線用ケーブル、光ファイバーケーブル等が挙げられる。電線ケーブル類は単芯もしくは2芯以上のものを使用することができる。
前記電力線用ケーブル、アンテナ線用ケーブル等は銅等の金属配線をポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ガラス繊維等の絶縁体により被覆されたものを使用することが好ましい。
前記光ファイバーケーブルは、光ファイバーが合成樹脂製のもの、ガラス製のもの等を使用することができる。
実施例1に使用した電線ケーブル類50は、電力線用ケーブル51が可撓電線管52内を挿通しているものである。
前記可撓電線管52は合成樹脂製で自由に曲げることができるものであり、市販品を適宜選択して使用することができる。前記可撓電線管52はJIS C8411に準拠するものであれば好ましい。
前記可撓電線管52のアウトレットボックス1側末端に筒状固定具60が固定されている。一方、前記アウトレットボックス1の挿通孔8に筒状固定受具61が隙間無く密着設置されている。前記筒状固定具60と前記筒状固定受具61とをはめ合わせて固定することにより、前記可撓電線管52の末端を前記アウトレットボックス1に密着して設置することができる。
前記筒状固定具60と前記筒状固定受具61とはそれぞれ配管コネクターとして市販されているもの等を適宜選択して使用することができる。
次に図8に示されるように金具等でスタッド(図示せず)に取り付けられた前記アウトレットボックス1を前記壁40に設置する。
図8に示されるアウトレットボックス1は、金具等を使用してスタッドに固定することにより、壁に設置することができる。前記アウトレットボックス1を壁に設置するための金具、スタッド等は市販されていて、市販されている金具、スタッド等を適宜選択して使用することができる。
スタッドを用いて前記アウトレットボックス1を前記壁40に設置する際には、前記壁40に対して前記熱膨張性耐火シール材80を介して隙間なく設置する。
次に図9に示されるように、前記壁40に貫通孔43を開ける。前記アウトレットボックス1の開口部14と前記壁40の貫通孔43とは、前記壁40の垂直方向を基準として、前記壁40の貫通孔43の一部または全部と、前記アウトレットボックス1の開口部14の一部または全部とが互いに重なる位置に調整される。
実施例1の場合は、金具等でスタッドに取り付けられた前記アウトレットボックス1が前記壁40に設置されている。前記アウトレットボックス1の位置に対応する前記壁40に貫通孔43を開けた。
これに対して前記壁40に貫通孔43を開けてから、金具等でスタッドに取り付けられた前記アウトレットボックス1を前記貫通孔43を覆う様に前記壁40に設置することもできる。
前記熱膨張性耐火シート20の形状は、図3(a)に示されている二以上の短冊状の熱膨張性耐火シート20aの場合と同様である。
実施例1の場合は、前記熱膨張性耐火シート20aとして積水化学工業社製のフィブロック(登録商標。エポキシ樹脂を含む熱膨張性耐火シート)を使用した。
前記熱膨張性耐火シート20aは、粘着成分が添加されていることから、前記アウトレットボックス1の内部の背面板5に貼着することができる。
前記熱膨張性耐火シート20aを前記アウトレットボックス1の内部の背面板5に、前記二以上の熱膨張性耐火シート20aの側面が互いに対向するように並べて敷き詰めた。
実施例1に使用される前記熱膨張性耐火シート20は、前記アウトレットボックス1が火災等の炎により加熱された場合に、前記アウトレットボックス1の内部を十分閉塞するだけの膨張残渣が生じるように、その膨張倍率、厚み等を決定することができる。
図10は、前記アウトレットボックス1が設置された側とは反対側の壁40側から、前記壁40の垂直方向を基準として前記アウトレットボックス1内部を観察した状態を説明するための模式図である。
なお説明の便宜上図10では、前記壁40、前記貫通孔43、前記鍔板6および前記熱膨張性耐火シート20のみが記載されている。
図10に示されるように、前記アウトレットボックス1の背面板5側に前記熱膨張性耐火シート20が敷き詰められている。
次に図11に示されるように、前記電力線用ケーブル51の末端を配電盤70に接続する。
前記配電盤70には、インターネット回線、電話回線等を接続するための有線通信用コンセント、100V、200V等の電源を供給するための電源用コンセント、電源の供給を制御するための電源用スイッチ、一定以上の電力を使用した場合に電流を遮断するための電源用ブレーカー、通電中であるかどうかを表示するための通電表示灯、現在の時刻、制御機器の作動状況等を表示するための情報表示装置等を設置することができる。
前記電力線用ケーブル51の末端を配電盤70に接続した後、前記配電盤70を支持枠体71に設置する。
次に前記支持枠体71を、前記アウトレットボックス1が設置された側とは反対側の壁40の貫通孔43外部に設置した。
続いて連結部材62を前記壁40の貫通孔43に挿通させ、前記アウトレットボックス1の前記鍔板6と前記支持枠体71とを螺子により着脱自在に固定した。
前記支持枠材71および前記連結部材62は金属製であり、前記アウトレットボックス1の場合と同様、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100が火災等の熱にさらされた場合でも一定形状を維持することができる。
次に化粧板72を前記配電盤70および前記支持枠体71を前記壁40の外部から覆う様に設置する。前記化粧板72を螺子等の固定手段により前記支持枠体71に固定することができる。
前記化粧板72には開口部が設けられていて、前記壁40の外部から前記化粧板72の開口部を通じて、前記配電盤の有線通信用コンセント、電源用コンセントに接続することができ、電源用スイッチ、電源用ブレーカー等を操作することができ、前記配電盤の通電表示灯、情報表示装置等を視認することができる。
上記の工程により、実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100が得られる。
実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100が火災等の熱にさらされると、前記熱膨張性耐火シート20,30により生成した膨張残渣が前記アウトレットボックス1の内部を閉塞する。
また前記熱膨張性耐火シール材80により生成した膨張残渣が、前記壁40と前記アウトレットボックス1の隙間を閉塞する。
前記熱膨張性耐火シール材80により生成した膨張残渣は、アウトレットボックスの開口部および壁40の貫通孔43に拡張し、火災等の炎に対する遮炎効果を発揮する。
この様に、前記熱膨張性耐火シート20,30および前記熱膨張性耐火シール材80のそれぞれにより生成した膨張残渣により、前記壁40の貫通孔43、前記アウトレットボックス1の内部、前記アウトレットボックス1と前記壁40との隙間等を通じて火災等の炎、煙等が拡散することを防止することができる。
また実施例1に係るアウトレットボックスの防火措置構造100は耐熱パテ等のシール剤を使用する必要がなく、簡単に施工することができる。
1 アウトレットボックス
2 上側面板
3 横側面板
4 下側面板
5 背面板
6 鍔板
7 螺子
8 挿通孔
9 不燃材
10 アウトレットボックス本体の開口部
11 端面
12、13 螺子孔
14 アウトレットボックスの開口部
20,20a,30,30a 熱膨張性耐火シート
20b,30b 熱膨張性耐火層
40 壁
43 貫通孔
50 電線ケーブル類
51 電力線用ケーブル
52 可撓電線管
60 筒状固定具
61 筒状固定受具
62 連結部材
70 配電盤
71 支持枠体
72 化粧板
80 熱膨張性耐火シール材
100 アウトレットボックスの防火措置構造
一点破線a−a アウトレットボックスの切断面
L アウトレットボックス内部の奥行きの長さ

Claims (9)

  1. 貫通孔を有する壁に対して、前記貫通孔を覆う様に設置されたアウトレットボックスの構造であって、
    前記アウトレットボックスが、背面板および前記背面板の外周に接合された側面板により囲まれた空間を有し、前記アウトレットボックスの開口部側を壁側に向けて壁に設置され、
    熱膨張性耐火シール材が、前記壁と前記アウトレットボックスとの間に設置され、
    電線ケーブル類が、前記アウトレットボックスの背面板および側面板の少なくとも一方に形成された挿通孔を挿通し、
    二以上の熱膨張性耐火シートが、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入され、
    前記二以上の熱膨張性耐火シートが、低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)と、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)とを含み、
    前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)よりも低い温度で膨張を開始し、
    前記アウトレットボックスの背面板に対する垂直方向を基準として、前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)および前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が、(A)、(B)の順に設置され、
    前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記アウトレットボックス内部の背面板側と反対側に設置され、
    前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が、前記アウトレットボックス内部の背面板側に設置されていることを特徴とする、アウトレットボックスの防火措置構造。
  2. 前記アウトレットボックスが、アウトレットボックス本体と開口部を有する鍔板とを着脱自在に組み合わせてなり、
    前記開口部を有する鍔板が、前記アウトレットボックス本体の開口部側に設置され、
    支持枠体が、前記アウトレットボックスが設置された側とは反対側の壁の貫通孔外部に設置され、
    連結部材が、前記壁の貫通孔を挿通し、前記開口部を有する鍔板と前記支持枠体とを着脱自在に連結している、請求項1に記載のアウトレットボックスの防火措置構造。
  3. 二以上の低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記二以上の低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)の側面を互いに対向させて、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入され、
    および/または、
    二以上の高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が、前記二以上の高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)の側面を互いに対向させて、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入されている、請求項1または2に記載のアウトレットボックスの防火措置構造。
  4. 前記熱膨張性耐火シートが、低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火層(a)および高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火層(b)を少なくとも積層してなり、
    前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火層(a)が、前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)に対応し、
    前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火層(b)が、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)に対応する、請求項1〜3のいずれかに記載のアウトレットボックスの防火措置構造。
  5. 前記電線ケーブル類が、端部に筒状固定具が設置された可撓電線管の内部を挿通し、
    筒状固定受具が、前記アウトレットボックスの挿通孔に設置され、
    前記可撓電線管の端部に設置された筒状固定具が、前記アウトレットボックスの挿通孔に設置された筒状固定受具にはめ合わされ、
    配電盤が、前記支持枠体に設置され、
    前記可撓電線管の内部を挿通する前記電線ケーブル類が、前記アウトレットボックス内部に導入されて、前記配電盤に接続され、
    前記配電盤が、有線通信用コンセント、電源用コンセント、電源用スイッチ、電源用ブレーカー、通電表示灯および情報表示装置からなる群より選ばれる少なくとも一つを備え、
    前記配電盤および前記支持枠体が、化粧板により前記壁の外部から覆われ、前記化粧板の開口部を通じて、前記有線通信用コンセントおよび電源用コンセントに接続でき、前記配電盤の電源用コンセント、電源用スイッチおよび電源用ブレーカーを操作でき、前記配電盤の通電表示灯および情報表示装置を視認できる、請求項1〜4のいずれかに記載のアウトレットボックスの防火措置構造。
  6. 高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)を、背面板および前記背面板の外周に接合された側面板により囲まれた空間を有するアウトレットボックス内部の背面板側に挿入する工程(1)と、
    低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)を、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入する工程(2)と、
    熱膨張性耐火シール材を、前記アウトレットボックスの開口部側に設置する工程(3)と、
    前記アウトレットボックスの背面板および側面板の少なくとも一方に形成された挿通孔に、電線ケーブルを挿通させる工程(4)と、
    、前記アウトレットボックスの開口部側を壁側に向けて壁に設置して、前記アウトレットボックスと前記壁との隙間を前記熱膨張性耐火シール材により閉塞する工程(5)と、
    前記壁の垂直方向を基準として、前記壁の貫通孔の一部または全部と、前記アウトレットボックスの開口部の一部または全部とが互いに重なる位置に、前記壁に貫通孔を設ける工程(6)と、
    を少なくとも有するアウトレットボックスの防火措置構造の施工方法。
  7. 支持枠体を、前記アウトレットボックスが設置された側とは反対側の壁の貫通孔外部に設置する工程(7)と、
    アウトレットボックス本体と開口部を有する鍔板とを着脱自在に組み合わせてなるアウトレットボックスに設置された前記開口部を有する鍔板と、
    前記支持枠体と、を、
    前記壁の貫通孔を挿通させた連結部材により、着脱自在に連結する工程(8)と、
    を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のアウトレットボックスの防火措置構造の施工方法。
  8. 前記工程(1)が、二以上の高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)を、前記二以上の高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)の側面を互いに対向させて、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入する工程であり、
    および/または、
    前記工程(2)が、二以上の低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)を、前記二以上の低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)の側面を互いに対向させて、前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入する工程である、請求項6または7に記載のアウトレットボックスの防火措置構造の施工方法。
  9. 前記工程(1)により、高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入された後に、前記工程(2)により低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が前記アウトレットボックス内部の背面板側に挿入され、
    前記アウトレットボックスの背面板に対する垂直方向を基準として(A)、(B)の順に、前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記アウトレットボックス内部の背面板側と反対側に設置され、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)が、前記アウトレットボックス内部の背面板側に設置され、
    前記低熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(A)が、前記高熱膨張開始温度の熱膨張性耐火シート(B)よりも低い温度で膨張を開始する、請求項6〜8のいずれかに記載のアウトレットボックスの防火措置構造の施工方法。
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