JP2017066409A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 平版オフセット印刷において、非画線部の汚れを防止する、即ち整面効果を付与するためにメタリン酸等の無機酸またはその塩類を含む水溶液を印刷インキに添加することが行われている。本発明は前記の無機酸等が十分な整面効果を発揮する印刷インキ組成物及びその製造方法、並びにその印刷インキ組成物を用いて印刷した印刷物を提供する事を課題とする。
【解決手段】 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び硫酸バリウムから選ばれる一つ以上を含む体質顔料を含有する平版オフセット印刷インキ組成物に対して、リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウの塩から成る群から選ばれる一つ以上を粗大な粒子が含まれない条件で添加し、且つ印刷インキ中の水分を減らした印刷インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿し水を用いる平版オフセット印刷に用いられ、印刷汚れの発生することが少ない印刷インキ組成物に関する。
平版オフセット印刷の基本原理は水と油の反発現象を利用しており、印刷インキの付着する親油性の部分(画線部)と、印刷インキが付着しない部分(非画線部)からなる版を用いて印刷する。印刷に際しては、版面の非画線部に印刷インキを付着させないようにするために、予め湿し水を版面に供給している。
湿し水は濃縮湿し水組成物(エッチ液とも呼ばれる)を、水道水、地下水等の原水に対し1〜5%の濃度で添加して作られている。エッチ液の成分にはエチレングリコール系やプロピレングリコール系の溶剤、印刷インキの乳化調整剤としての界面活性剤、版面保護剤としての水溶性樹脂、リン酸類やその塩、クエン酸やその塩等が含まれている。
しかし、印刷が進むにつれて非画線部に印刷インキが付着することがある。非画線部に印刷インキが付着すると印刷物には汚れが発生し、商品、製品としての価値が無くなり損紙となる。非画線部に印刷インキが付着した場合、版面への水の供給量を増やす事で汚れの発生を抑制できるが、一方でインキの過乳化を誘発する。過乳化したインキは印刷機のローラー上で流動性を失い、飛び散り印刷機周辺を汚す原因となる。
そこで、非画線部への印刷インキ付着を防止するために、平版オフセット印刷インキ中に整面助剤としてリン酸類やその塩等が添加されてきた。整面とは非画線部を清浄にして、印刷インキが付着することを防ぐことを言う。しかしながら、このような整面助剤を添加しても効果が発揮されないことがあり、本発明者らはその原因について鋭意検討した結果、本発明の構成を見出した。
特許文献1及び2には、整面効果を付与するためにメタリン酸等の無機酸またはその塩類を含む水溶液を印刷インキに添加することが記載されている。乳化による流動性の低下を原因とするインキの転移不良が印刷機上で発生する事があるため、印刷インキには乳化、粘度、流動性の調整、またミスチングの低減の目的で炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムを添加する事が多い。特許文献1、2に記載された内容を実施する場合、添加される水溶液に含まれるリン酸ソーダが印刷インキ中の炭酸カルシウムと反応し、リン酸カルシウムが生成し、印刷機でインキを使用する前に整面効果を有するリン酸ソーダが消失する。そのため、整面効果を十分に発揮出来ない恐れがある。
特許文献3には、従来の技術として、版面を清浄化して印刷汚れを防止するために印刷インキ中にリン酸或いはメタリン酸等の物質を添加することがあったが、それらによっても汚れを完全に防止するには至っていないことが記載されている。
特許文献4には、金属石鹸型ドライヤーを含有するオフセット印刷用インキにおいて、リン酸やクエン酸及びまたはそれら酸の塩を含有させることにより、印刷汚れが改善される事が記載されている。
一例として記載されているメタリン酸塩、クエン酸ナトリウムは結晶性物質であるためベースインキ組成物に添加し撹拌するだけでは粗大な結晶がそのまま印刷インキ中に残ってしまうと考えられる。粗大な結晶は印刷時の紙面上の印刷インキ膜厚よりも大きいため、紙面上に印刷インキが転写されない部分が多数出現し、損紙となってしまう。また粗大粒子のままでは整面効果が弱いため、多量に添加する必要がある。
特願昭53−18223号公報 特願昭58−179310号公報 特開平9−12952号公報 特願2008−556087号公報
本発明は非画線部の汚れを防止する整面効果を有する印刷インキ組成物及びその製造方法、並びにその印刷インキ組成物を用いて印刷した印刷物を提供する事を課題とする。
上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び硫酸バリウムから選ばれる一つ以上を含有する平版オフセット印刷インキ組成物に対して、リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウの塩から成る群から選ばれる一つ以上を、粗大な粒子が含まれない条件で添加し、且つ印刷インキ中の水分を減らす事により本課題を解決する事を見出して本発明を完成するに至った。
(1)即ち本発明は下記の(a)〜(d)を全て満足する印刷インキ組成物である。
(a)下記の群Aより選択される一つ以上を含有する。
(b)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び硫酸バリウムから成る群から選ばれる一つ以上を含む体質顔料を含有する。
(c)含水率が0.5質量%以下である。
(d)JIS K5701−1の練和度試験に記載の方法で測定した位置Aの溝の深さが7.5μm以下である。
(群A)
リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウム塩。
(2)さらに本発明は、前記の群Aにおいて、
リン酸が、無水リン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、ヘキサポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸及びヘキサメタリン酸から成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアンモニウム塩が、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素アンモニウムナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアルカリ金属塩が、リン酸水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸水素カリウム、ポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアルカリ土類金属二水素塩が、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素バリウム及びリン酸二水素マグネシウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
クエン酸のアンモニウム塩が、クエン酸水素二アンモニウム及びクエン酸三アンモニウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
クエン酸のアルカリ金属塩が、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム及びクエン酸水素二ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上である前記(1)に記載の印刷インキ組成物である。
(3)さらに本発明は、下記(e)〜(g)を全て満足するコンパウンドを原料の一つとして用いる前記(1)に記載の印刷インキ組成物の製造方法である。
(e)前記の群Aより選択される一つ以上を含有する。
(f)含水率が0.5質量%以下である。
(g)JIS K5701−1に記載の練和度試験に記載の方法で測定した位置Aの溝の深さが7.5μm以下である。
(4)さらに本発明は前記(1)または(2)のいずれかに記載の印刷インキ組成物を用いて作成した印刷物である。
本発明により、非画線部の汚れを防止する整面効果が向上する。それにより、印刷汚れの低減、損紙の削減及び印刷機の洗浄作業時間の削減等に効果がある。
以下に本発明を実施するための形態を詳細に説明する。尚%、部は特記しない限り質量基準である。
(印刷インキの主原料と含水率)
印刷インキ組成物は一般に顔料、ビヒクル及び助剤から成り、本発明の印刷インキ組成物も同様である。以下本発明の印刷インキ組成物の主な成分について説明する。
本発明の印刷インキ組成物は、顔料として有機顔料または無機の有色顔料と、体質顔料とを含み、体質顔料として炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び硫酸バリウムから選ばれる一つ以上を含有する。
助剤として、ワックス、ドライヤー、乾燥抑制剤、界面活性剤等が用いられる。特に本発明の印刷インキ組成物は助剤として次の群Aから選ばれる一つ以上を含有する。
群Aに属するものを整面助剤と呼ぶ。
(群A)
リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウム塩。
さらに印刷インキ組成物中の含水率は0.5質量%以下である。
前記のビヒクルとして、樹脂ワニス、石油系溶剤、植物油、鉱物油、植物油エーテル、植物油脂肪酸エステル等を適宜用いる。
(含水率の説明)
含水率とは、インキ組成物中に含まれる水分の割合を質量%で示したもので、通常カールフィッシャー法にて測定する。但しカールフィッシャー法による水分測定では、インキ組成物の原料中に結晶水を含むものがある場合は、その結晶水まで含んだ水分量が測定される。結晶水は本発明におけるインキ組成物の水分には含めない。
そこで、インキ組成物中に結晶水を含む原料が含まれる場合は、加熱乾燥式水分計を用いてその原料を105℃で恒量になるまで加熱し、減量した重さを本発明におけるインキ中の水分に含める。
計算例として、結晶水を含む原料が顔料Aだけであり、顔料Aを100g含有するインキ組成物1000gの水分量について説明する。
顔料(100g)のカールフィッシャー法による水分量・・・0.5g
顔料(100g)の前記の加熱乾燥式水分計による水分量・・0.3g
インキ組成物全量のカールフィッシャー法による水分量・・・・・・3g
この3gには顔料Aの結晶水の0.2g(=0.5−0.3)が含まれているため、それを差し引いて、インキ組成物中の水分は2.8gになり、含水率は0.28質量%になる。
結晶水を含む原料に結晶水がどの程度含まれているかを求めるには、前記の通り加熱乾燥式水分計とカールフィッシャー法による水分測定を併用する方法の他に、化学式に基づいて計算する方法や、技術文献から結晶水の含有量と脱離温度に関する情報を得て計算する方法を使用することができる。
尚、含水率が一定の割合以下であるべき理由は次の通りである。
前記したように、印刷インキ中には整面助剤としてリン酸類やその塩、クエン酸やその塩が添加されることが一般的である。
また印刷インキの流動性、粘度、乳化量等の調整の目的で、印刷インキ中に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムが添加されることが多いが、印刷インキ中の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムは水の存在下で、整面助剤として添加されているリン酸やクエン酸等と徐々に反応し、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸バリウムが生成する。
これらの塩になるとリン酸やクエン酸の整面効果は失われているため、印刷時に汚れが発生し易くなる。
印刷インキの整面効果を維持させるためには、印刷インキ中の含水率を0.5%以下まで低下させ、整面助剤がインキ保存中に全て塩に変化する事を抑制する事が好ましい。塩の生成を抑制する事が出来れば、整面効果の高い状態が維持されているため、印刷途中での汚れの発生を防止することができる。また、インキの整面効果が高ければ、印刷時に供給する湿し水の削減にもつながり、インキの過乳化に起因する印刷トラブルの削減にもつながる。
(印刷インキ組成物の含水率を下げる方法)
印刷インキ組成物中の水分は顔料中の水分に由来するものがほとんど全部である。
顔料には、乾燥工程を経てパウダー化されたパウダー顔料と、水中に分散した状態のスラリー顔料とがある。
パウダー顔料の含水率の調節は、乾燥温度と乾燥時間を調節し、顔料品質に影響しない限度内で、高温で長時間乾燥することによって行う。
スラリー顔料を濾過脱水して水分量を下げた固形物をウェットケーキ顔料と呼ぶ。ウェットケーキ顔料を使用する場合は、印刷インキ製造時のフラッシングと呼ばれる工程において、ワニスとウェットケーキ顔料をニーダー等の分散練肉機に投入し、混錬・分散・加熱脱水を行う。フラッシングを経て作られた印刷インキ組成物の含水率を下げるためには、フラッシング工程において脱水時の温度を上げたり、脱水工程の時間を長くしたりすることによって行う。
(整面助剤)
本発明の印刷インキ組成物は必須成分として、前記の群Aから選ばれる一つ以上を、整面効果を得るための助剤として含有する。
本発明の印刷インキ組成物中の整面助剤の合計含有量は、0.01〜0.5質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.2質量%である。
0.01質量%未満では汚れ防止効果が十分でない場合がある。一方、0.5質量%を越える量ではローラーはげや印刷インキ着肉不良が発生し、良好な印刷が困難になる。
(群Aに属する整面助剤について好ましく用いられるものの例示)
前記の群Aの整面助剤について好ましく用いられるものを例示すると、
リン酸が、無水リン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、ヘキサポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸及びヘキサメタリン酸から成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアンモニウム塩が、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素アンモニウムナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアルカリ金属塩が、リン酸水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸水素カリウム、ポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアルカリ土類金属二水素塩が、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素バリウム及びリン酸二水素マグネシウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
クエン酸のアンモニウム塩が、クエン酸水素二アンモニウム及びクエン酸三アンモニウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
クエン酸のアルカリ金属塩が、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム及びクエン酸水素二ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上である。
(印刷インキ組成物の配合)
本発明の印刷インキ組成物中の主要な成分の好ましい含有量は以下のようになる。
1)有機顔料及び/又は無機有色顔料・・・5〜40質量%。
2)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる一つ以上を含有する体質顔料・・・0.1〜20質量%。
3)樹脂ワニス・・・25〜35質量%。
4)沸点160〜330℃の石油系溶剤・・・ゼロ〜45質量%。
5)植物油、植物油エステル、植物油エーテルの合計・・・7〜40質量%。
6)BHT、HQ、TBHQ等の乾燥抑制剤、ワックス、金属ドライヤー等乾燥剤、その他添加剤等の合計・・・ゼロ〜8質量%。
7)整面助剤・・・・・合計で0.01〜0.5質量%。
前記のその他添加剤としては、花王株式会社製のデモール、ポイズ、エマルゲン、レオドール、ホモゲノール、第一工業製薬株式会社製のエパン、シャロール、ハイテノール、ノイゲン等の界面活性剤や分散剤が例示される。
尚、BHTはジブチルヒドロキシトルエン、HQはハイドロキノン、TBHQはt-ブチルヒドロキノンを表す。
(有機顔料)
本発明で用いられる有機顔料としては、捺染系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、ニトロ系顔料、ニトロソ系顔料、蛍光顔料がある。アゾ系としては溶性アゾ、不溶性アゾがあり、溶性アゾ顔料としてカーミン6B、レーキレッドC等がある。また、不溶性アゾ顔料として、モノアゾイエロー、モノアゾレッド、ジスアゾイエロー、ジスアゾオレンジがある。その他アゾ系として、ニッケルアゾエロー、パーマネントオレンジ、ニッケルアゾエロー、クロモフタルエロー、クロモフタルスカーレット等が上げられる。捺染系顔料としてはローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ、キノリンエローレーキ、アリザリンレーキ等がある。フタロシアニン顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型、ε型)、銅フタロシアニングリーン(塩素化、臭素化)、コバルトフタロシアニンブルー等がある。その他、無置換キナクリドン、ジメチルキナクリドン、アンスラキノニルレッド、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー、ナフトールエロー、ピグメントグリーン、ジオキサンバイオレット、ナフトールエロー、ピグメントグリーン、アルカリブルー、アニリンブラック、ルモゲンエロー、シグナルレッド等があげられる。
(無機有色顔料)
本発明で用いられる無機有色顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化クロム、水酸化クロム、黒色酸化物(鉄黒)、コバルトブルー、フェロシアン化物(紺青)、マンガンバイオレット、カーボンブラック、鉛白、群青、黄鉛、クロム酸モリブデン酸鉛(モリブデートオレンジ)、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、黄色酸化鉄(黄鉄)、赤色酸化鉄(べんがら)、ビリジアン、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、二硫化モリブデン、三酸化アンチモン、窒化珪素、炭化珪素等がある。
(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる一つ以上を含有する体質顔料)
本発明で用いられる炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムは体質顔料と呼ばれ、乾燥状態では外観がほぼ白色で屈折率が小さく、ワニスに分散させた際に、隠ぺい力が低くなる。体質顔料は、インキの流動性、粘度、乳化量等の調整に用いる。
本発明で用いられる炭酸カルシウムとしては、石灰石を原料に化学合成した炭酸カルシウムや天然の石灰石を粉砕して得られる重質炭酸カルシウムが挙げられる。インキの透明性、光沢の低下が少ない、練肉分散のしやすい化学合成した炭酸カルシウムが好ましい。そしてその中でも、立方体状のより微細な粒子の製造が可能で、表面処理が可能なコロイダル炭酸カルシウムが特に好ましい。
本発明で用いられる炭酸マグネシウムとしては、塩基性炭酸マグネシウムが挙げられる。
本発明で用いられる硫酸バリウムとしては、重晶石を粉砕したバライト粉と呼ばれる粉砕品と、化学反応にて製造した沈降性硫酸バリウムが挙げられる。微細な粒子が得られる沈降性硫酸バリウムの方が光沢の低下が小さいのでより好ましい。
本発明で用いられる体質顔料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムと同様に体質顔料として使用されるホワイトカーボン、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナホワイト、珪石粉末、珪藻土、合成シリカ、ケイ酸カルシウム、アタパルジャイト、セリサイト、マイカ、ハイドロタルサイト、ベントナイト、ゼオライト、カオリンクレー、パイロフィライト等を併用する事も可能である。
これらの体質顔料は、印刷インキ組成物の全重量に対して0.1〜20質量%の割合で添加される。さらに、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる一つ以上を、印刷インキ組成物の全重量に対して0.1(仮)質量%以上含有する印刷インキ組成物に対して本発明は特に効果を発揮する。
(樹脂ワニス)
樹脂ワニスは、樹脂、植物油、植物油エステル、植物油エーテル、溶剤、増粘剤、酸化防止剤等からなる。本発明で用いられる樹脂ワニスに使用される樹脂は、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、石油樹脂変性ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル、植物油変性ロジン変性フェノール樹脂、植物油変性ロジンエステル、ポリエステル、アクリル樹脂等がある。
樹脂ワニスは粘稠な液体で、印刷インキの粘度や印刷適性を調整するために、植物油、植物油エステル、植物油エーテル、酸化防止剤、溶剤、増粘剤等から成る。酸化防止剤はワニス中の樹脂や植物油等の酸化を防止するために添加している。
本発明で用いられる樹脂ワニスに用いられる増粘剤としては、有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、有機亜鉛化合物、有機力ルシウム化合物等が挙げられる。これらのなかでも有機アルミニウム化合物が好ましい。例えば、オクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキサイド、アルミニウムジプロポキサイドモノアセチルアセトナート、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムジブトキサイドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリアセチルアセテート、アルミニウムオキサイドオクテート、アルミニウムオキサイドステアレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート等が挙げられる。その使用量は、樹脂ワニス100質量部に対して、増粘剤が0.1〜5質量部となる範囲が好ましく、0.2〜3質量部となる範囲がより好ましい。
本発明で用いられる樹脂ワニスに用いられる酸化防止剤としては、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、HQ(ハイドロキノン)、MHQ(メチルハイドロキノン)、TBHQ(t-ブチルヒドロキノン)等を用いることができる。
(石油系溶剤)
本発明で用いられる石油系溶剤の沸点は160〜330℃が好ましく、より好ましくは230〜330℃である。溶剤の例として、JX日鉱日石エネルギー株式会社製のAFソルベント4号、5号、6号、7号、0号ソルベントL、M、H、ISUケミカルCo.LTD製のDSOL240、260C、280等を挙げることができる。
(植物油)
本発明で用いられる植物油として、大豆油、亜麻仁油、米ぬか油、キリ油、ひまし油、脱水ひまし油、コーン油、サフラワー油、南洋油桐油、再生植物油、カノール油、菜種油、桐油、ラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、ヒマワリ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の油類及びこれらの熱重合油、酸化重合油が挙げられる。
(植物油エステル)
本発明で用いられる植物油エステルとしては、アマニ油脂肪酸メチルエステル、アマニ油脂肪酸エチルエステル、アマニ油脂肪酸プロピルエステル、アマニ油脂肪酸ブチルエステル、大豆油脂肪酸メチルエステル、大豆油脂肪酸エチルエステル、大豆油脂肪酸プロピルエステル、大豆油脂肪酸ブチルエステル、パーム油脂肪酸メチルエステル、パーム油脂肪酸エチルエステル、パーム油脂肪酸プロピルエステル、パーム油脂肪酸ブチルエステル、ひまし油脂肪酸メチルエステル、ひまし油脂肪酸エチルエステル、ひまし油脂肪酸プロピルエステル、ひまし油脂肪酸ブチルエステル、米ぬか油脂肪酸メチルエステル、米ぬか油脂肪酸エチルエステル、米ぬか油脂肪酸プロピルエステル、米ぬか油脂肪酸ブチルエステル、再生植物油のエステル類、南洋油桐油のエステル等が挙げられる。
(植物油エーテル)
本発明に用いられる植物油を原料とするエーテルの例としては、上記植物油のジ−n−オクチルエーテル、ジ−ノニルエーテル、ジヘキシルエーテル、ノニルヘキシルエーテル、ノニルブチルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジデシルエーテル、ノニルオクリルエーテル等が挙げられる。
(各種添加剤)
本発明の印刷インキ組成物には必要に応じ、ワックス、ドライヤー、酸化防止剤、汚れ防止剤等の印刷インキ用の各種添加剤を含有させてもよい。ワックスとしては、ポリエチレンワックス、PTFEワックス、サゾールワックス等が例として挙げられる。
ドライヤーとしては、コバルト、マンガン、鉛、亜鉛、鉄、カルシウム、セリウム、レアアース等の金属と、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、桐油酸、亜麻仁油酸、樹脂酸等のカルボン酸との塩である金属石鹸や、上記金属とのホウ酸塩等が例として挙げられる。
酸化防止剤としては、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、HQ(ハイドロキノン)、MHQ(メチルハイドロキノン)、TBHQ(t-ブチルヒドロキノン)等が例として挙げられる。
(その他の形態)
本発明は、瞬間硬化の特性の利便性から、紙器等の印刷分野で広く使用されている活性エネルギー線硬化型の平版印刷インキ組成物に対しても展開可能である。
本発明で述べる活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線をいう。活性エネルギー線として紫外線を照射して硬化塗膜とする場合には、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物中に光重合開始剤を添加し、硬化性を向上することが好ましい。また、必要であればさらに光増感剤を添加して、硬化性を向上することもできる。一方、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を用いなくても速やかに硬化するので、特に光重合開始剤や光増感剤を添加する必要はない。印刷分野においては紫外線および電子線が多く用いられており、特に紫外線が広範に利用される。紫外線を放射する紫外線ランプ光源は印刷機内部に設置されており、印刷用紙上に印刷されたインキはランプ直下を通過し、紫外線エネルギーを照射されることによって瞬間的に硬化される。本発明は光重合開始剤や光増感剤の有無に関わらず利用することができる。
(活性エネルギー線硬化型の印刷インキ組成物の配合)
本発明の活性エネルギー線硬化型の印刷インキ組成物中の主要な成分の好ましい含有量は以下のようになる。
1)有機顔料及び/又は無機有色顔料・・・5〜50質量%。
2)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる一つ以上を含有する体質顔料・・・0.1〜30質量%。
3)重合性アクリレートモノマー・・・10〜50質量%
4)バインダー樹脂・・・5〜40質量%。
5)光重合開始剤・・・0〜20質量%。
6)ワックス、分散剤、重合禁止剤等の助剤・・・0〜10質量%。
7)整面助剤・・・合計で0.01〜0.5質量%。
有機顔料及び/又は無機有色顔料、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる一つ以上を含有する体質顔料、ワックス、分散剤、重合禁止剤等の助剤、整面助剤は上述したものを用いることができる。また、重合性アクリレートモノマー、光重合開始剤は従来公知のものを使用でき特に制限はない。バインダー樹脂としてはアクリレート基等の重合性基を有するオリゴマー類であるエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等、もしくは非重合性樹脂であるジアリルフタレート樹脂やポリエステル樹脂等が用いられる。このようなバインダー樹脂は親水性が高く過乳化しやすく、版面への水の供給量を減らして印刷することが好ましい。本発明の活性エネルギー線硬化型の印刷インキ組成物は整面効果が高いため、版面への水の供給量を減らしても印刷汚れを抑制することができる。
(印刷インキ組成物の製造)
本発明の印刷インキ組成物を製造するには、常法に従い、顔料、ビヒクル及び助剤等を混合し、練肉分散する工程において、前記の整面助剤を添加して製造することができる。
練肉分散する工程においては、3本ロールミルやビーズミル等を用いて、顔料や助剤等に含まれる粒子を微細に粉砕・分散する工程を必ず経るようにする。それにより、本発明で用いる整面助剤は印刷インキ中に微細に分散され、粗大な粒子が含まれないようにすることができる。
(印刷インキ組成物の練和度)
本発明の印刷インキ組成物に整面助剤を添加するには、3本ロールミル等で練肉分散する。その場合、JIS K5701−1に記載の練和度試験において、練和度の位置Aの溝の深さが7.5μm以下(目盛では3以下)になるように練肉することが好ましい。
練和度とは、顔料や助剤等の粒子状の原料がインキ中にどれくらい微細に分散されているかの程度を言い、その評価はJIS K5701−1(平成12年1月20日制定)の4.3練和度に規定される方法を用いる。
JISの規定によれば、溝の深さが25μmから0μmまで直線的に変化しているグラインドメータのゲージ盤上の溝が一番深い所に試料を置き、スクレーパーを用いて溝内に試料の膜を作る。ゲージ盤上には一般に溝の深さに対応する目盛が0から10まで記されている。例えば深さ25μmの位置には目盛として10が記され、深さ10μmの位置には目盛として4が記され、深さ7.5μmの位置には目盛として3が記されている。
試料中に粒子が存在すると、その粒子がスクレーパーで掻き取られて移動することにより、その粒子の大きさ(直径等)より浅い溝内に線が生じる。その線を観察し、10mm以上連続した線が、一つの溝について3本以上現れたところの目盛の位置をAとし、10本以上現れたところの目盛の位置をBとする。
本発明においては、前記の位置Aの溝の深さが7.5μm以下であることが好ましい。これは目盛では3の位置に相当する。
この練和度と同等かそれよりも微細に、即ち位置Aの溝の深さが7.5μm以下になるように粒子が微細に分散されていれば、通常の印刷において印刷インキは問題なく紙面上に転写される。位置Aの溝の深さが7.5μmよりも大きいと、直径等が7.5μmより大きい粗大な粒子が多数含まれることになり、紙に印刷インキが転写されない白抜けの部分が発生し易くなる。
(コンパウンドを用いる製造方法)
本発明の印刷インキ組成物に整面助剤を添加するには、前記の三本ロールミル等で練肉分散する方法の他に、整面助剤、ビヒクル及びその他添加剤や助剤等を含有するコンパウンドを別途製造しておき、それを本発明の印刷インキ組成物を製造する際の原料の一つとして用いることができる。ここで言うコンパウンドは下記(e)、(f)及び(g)を全て満足する。
(e)前記の群Aより選択される一つ以上を含有する。
(f)含水率が0.5質量%以下である。
(g)JIS K5701−1に記載の練和度試験に記載の方法で測定した位置Aの溝の深さが7.5μm以下である。
尚、群Aに属する整面助剤について、好ましく用いられるものは前記に例示した通りである。
本発明の印刷インキ組成物の含水率の測定はカールフィッシャーにて行う。以下に測定法の一例をあげる。
カールフィッシャー本体の溶剤は、トルエン:アクアミクロンGEX(株式会社エーピーアイ コーポレーション製)=2:1(容量比)からなる混合溶剤を使用する。
水分計に混合溶剤をセットし、無水常態にしてから含水率の測定に使用する。
試料溶解用の溶剤にはTHF(テトラヒドロフラン)を使用する。THF8gに試料2gを溶解させた溶液をカールフィッシャーの滴定に使用する。
試料を溶解した溶液ならびに試料溶解用のTHFの含水率をそれぞれカールフィッシャー水分計にて測定し、試料中の含水率を算出する。
含水率を求める例として、紅色の顔料カーミン6B(C.I.Pigment Red 57:1)を用いる場合について説明する。印刷インキ用には通常β型のカーミン6Bが使用される。
β型カーミン6Bの場合、カーミン6Bの結晶転移(第1報)(色材協会誌、色材協会、1984年、249−254)等の文献を参照すると、β型カーミン6Bの1分子に対して結晶水が1分子含まれていることがわかる。この結晶水は200℃付近で脱離するため、含水率には含めない。
β型カーミン6Bの分子量は442であるので、β型カーミン6Bの質量1部の中に、水分が0.04質量部含まれることになる。
結晶水を有する原料としてβ型カーミン6Bのみを20%含有する印刷インキ組成物の水分量をカールフィッシャー水分計で測定し、1.25質量%の値が得られたとすると、その内結晶水に由来する水分は0.8質量%(=20×0.04)となる。本発明における含水率は0.45質量%(=1.25−0.8)となり、本発明の印刷インキ組成物としての効果を得るための含水率0.5質量%以下を満足する。
以下に実施例により本発明を詳細に説明する。
(印刷インキ用樹脂ワニス(A)の調製)
ロジン変性フェノール樹脂としてベッカサイトF−8305(重量平均分子量4.5万、DIC株式会社製)44質量部及び大豆白絞油(日清オイリオグループ(株)製)15質量部を仕込み、窒素気流下で220℃に昇温して1.5時間加熱撹拌後、AFソルベント7号(石油系溶剤:JX日鉱日石エネルギー(株)製)39.7質量部を加えて、30分撹拌した後、140℃まで冷却した。
冷却後AFソルベント7号で50%希釈したアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート溶液を1.0質量部加えて160℃に昇温し1.0時間加熱撹拌後、140℃まで冷却し、BHT(本州化学(株)社製)0.3質量部を仕込み撹拌した後、ワニス(A)を得た。
(ヘキサメタリン酸ナトリウムコンパウンドベース(B)の調製)
ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。下記の配合割合(1〜3の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がったコンパウンドベースの練和度の位置Aの目盛が3以下(目盛3における溝の深さは7.5μm)になるように調整した。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・73部
2)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・・20部
3)AFソルベント7号・・・・・・・・・・・・7部
(クエン酸水素二アンモニウムコンパウンドベース(C)の調製)
クエン酸水素二アンモニウムは小松屋(株)製のものを用いた。下記の配合割合(1〜3の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がったコンパウンドベースの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・73部
2)クエン酸水素二アンモニウム・・・・・・・20部
3)AFソルベント7号・・・・・・・・・・・・7部
(実施例1の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは、竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例2の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸マグネシウムはナイカイ塩業(株)製の塩基性炭酸マグネシウムTTを用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸マグネシウム・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例3の印刷インキ調整)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、硫酸バリウムは堺化学工業(株)製の沈降性硫酸バリウムSS−50を用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)硫酸バリウム・・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例4の印刷インキ調整)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、ピロリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のピロリン酸四ナトリウム(無水)を用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ピロリン酸ナトリウム・・・・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例5の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。その後蒸留水を印刷インキに0.3質量部を添加し、混合分散した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
6)蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・0.3部
印刷インキの含水率が0.44%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例6及び7の印刷インキの調製)
下記の配合割合(実施例6及び7それぞれの合計は100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウムコンパウンドベース(B)・・1部(実施例6)
クエン酸水素二アンモニウムコンパウンドベース(C)・・1部(実施例7)
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・・・・・・・・・13部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例8の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、85%リン酸として和光純薬工業(株)製の試薬特級りん酸を用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・64.96部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・5部
4)85%リン酸・・・・・・・・・・・・・・0.24部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.18%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例9の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、クエン酸として小松屋(株)製の無水クエン酸を用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)クエン酸・・・・・・・・・・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例10の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは、白石工業(株)製の白艶華T−DDを用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・69.2部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・0.8部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例11の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは、白石工業(株)製の白艶華T−DDを用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例12の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは、白石工業(株)製の白艶華T−DDを用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・60部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・10部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例13の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは、白石工業(株)製の白艶華T−DDを用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・52部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・18部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例14の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは、竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・65.17部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.03部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(実施例15の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは、竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・65.1部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・・0.1部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(比較例1の印刷インキの調製)
下記の配合割合で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375である。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)AFソルベント7号・・・・・・・・・・・14部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(比較例2の印刷インキの調製)
下記の1)〜4)の原料を配合し、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
その後、5)のヘキサメタリン酸ナトリウムを添加した。尚、添加後の練肉は行っていない。ヘキサメタリン酸ナトリウム添加後の印刷インキの練和度の位置Aの目盛は8以上であった。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375である。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
5)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(比較例3の印刷インキの調製)
下記の1)〜4)の原料を配合し、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
その後、5)のクエン酸水素二アンモニウムを添加した。尚、添加後の練肉は行っていない。クエン酸水素二アンモニウム添加後の印刷インキの練和度の位置Aの目盛は8以上であった。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375である。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、クエン酸水素二アンモニウムは小松屋(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
5)クエン酸水素二アンモニウム・・・・・・0.2部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(比較例4の印刷インキの調製)
下記の1)〜5)の原料を配合し、3本ロールミルを用いて練肉した。JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。その後蒸留水を印刷インキに0.5質量部添加し、混合分散した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375である。また、炭酸カルシウムは竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.3部
6)蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5部
印刷インキの含水率が0.64%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(比較例5及び6の印刷インキの調製)
下記の1)〜5)の原料を配合し、3本ロールミルを用いて練肉した。JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。その後蒸留水を印刷インキに0.5質量部添加し、混合分散した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375である。また、炭酸カルシウムは、竹原化学工業(株)製のNEOLIGHT SA−300を用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・・・・・・・・・65部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・・・・・・・・・16部
3)炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
4)ヘキサメタリン酸ナトリウムコンパウンドベース(B)・・・・1部(比較例5)
クエン酸水素アンモニウムコンパウンドベース(C)・・・・・1部(比較例6)
5)AFソルベント7号・・・・・・・・・・・・・・・・・12.5部
6)蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5部
印刷インキの含水率が0.64%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
(比較例7の印刷インキ調製)
下記の配合割合(1〜5の合計100質量部)で、3本ロールミルを用いて練肉し、JIS K5701−1に記載の練和度試験にて、出来上がった印刷インキの練和度の位置Aの目盛が3以下になるように調整した。
尚、フタロシアニンブルーはDIC(株)製のFASTOGEN Blue FA5375を用いた。また、炭酸カルシウムは、白石工業(株)製の白艶華T−DDを用いた。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムは太洋化学工業(株)製のものを用いた。
1)前記の印刷インキ用樹脂ワニス(A)・・・70部
2)フタロシアニンブルー・・・・・・・・・・16部
3)ヘキサメタリン酸ナトリウム・・・・・・0.2部
4)AFソルベント7号・・・・・・・・・13.8部
印刷インキの含水率が0.14%である事をカールフィッシャー水分計で確認した。
以上記載した配合により調製した実施例1〜15及び比較例1〜7の印刷インキについて、下記の耐汚れ性試験及び紙面品質確認試験を行った。その結果を表1〜3に示す。
(耐汚れ性試験)
耐汚れ性試験は、マンローランド社製ローランド704印刷機を使用し評価した。印刷開始時の湿し水供給ダイヤルを一定にした状態で印刷し、印刷紙面に汚れが生じるか否かによって判定した。試験には画線面積90%の部分が35%、20%の部分が35%、非画線部が30%からなる版を使用した。
評価の基準は次の通りである。
画線面積90%部分、20%部分および非画線部が汚れなかった場合・・・◎、
画線面積20%部分および非画線部が汚れなかった場合・・・○、
非画線部は汚れなかったが画線面積20%部分が一部汚れた場合・・・△、
非画線部も汚れた場合・・・×。
印刷試験を実施した際の条件は以下の通りである。
印刷機:ローランド704印刷機(セパレート連続給水方式)(マンローランド社製)
湿し水:プレサートSD100(DICグラフィックス(株)製)濃度1.5%
印刷速度:8,000枚/時
室温25℃、湿度55%
印刷用紙・OKトップコートN(王子製紙(株)製)
(紙面品質確認試験)
インキ0.125ccを、2分割ロールを用いてRIテスター(株式会社明製作所製)でOK金藤片面アート紙(王子製紙(株)製)に展色した。その後、雰囲気温度100℃の乾燥機に20秒放置してヒートセットさせ、印刷紙面の状態を目視で確認した。インキが転写されていない部分が多数認められる場合を×、転写されていない部分がほとんど無い場合を○とした。
(ミスチング試験)
25℃に空調された室内において、JIS K5701−1(平版インキ試験方法)の4.2粘着性の項に記載のロータリータックメータを使用し、インキ量1.32ml、ローラー温度42℃、ローラーの回転数1200rpmの条件下で10分間運転した。運転開始前に、ローラーから10cmの距離に白紙を定置しておき、運転中に飛散したインキを捕集し、この白紙の汚れ具合を目視によって判定した。評価基準は次の通りである。
飛散量が極めて少ない・・・5、
飛散量が通常よりも少ない・・・4、
飛散量が通常レベル・・・3
飛散量が通常よりも多い・・・2、
飛散量が極めて多い・・・1。
(流動性試験)
25℃±2℃で管理された部屋で、JIS K5701−1に4.1に記載のスプレッドメーターよる方法で流動性を評価した。60秒後の広がり直径にあたるD値(mm)を測定した。印刷機上のインキの転移性を良好にするため、D値は38以上であることが好ましいが、D値が大きすぎると乳化量が増えたり、ミスチングが悪化したりするため、42以下であることが好ましい。
Figure 2017066409
Figure 2017066409
Figure 2017066409
実施例1〜15に示されるように、ヘキサメタリン酸ナトリウムやクエン酸水素二アンモニウムを添加し、印刷インキ中の含水率を0.5%未満にする事で、良好な耐汚れ性が得られた。実施例6、7においてコンパウンドベースで添加し、印刷インキ中の含水率を0.5%未満にした場合も同様の結果が得られた。
ヘキサメタリン酸ナトリウムやクエン酸水素二アンモニウムを添加し、練肉しなかった比較例2及び3では、添加したものが異物として残り、異物確認試験で×となった。体質顔料を添加しなかった比較例7では、ミスチング通常よりも多くなった。
本発明により、非画線部の汚れを防止する整面効果が高まり、汚れによる印刷機の洗浄時間と損紙が大幅に削減される。

Claims (4)

  1. 下記の(a)〜(d)を全て満足する印刷インキ組成物。
    (a)下記の群Aより選択される一つ以上を含有する。
    (b)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び硫酸バリウムから成る群から選ばれる一つ以上を含む体質顔料を含有する。
    (c)含水率が0.5質量%以下である。
    (d)JIS K5701−1の練和度試験に記載の方法で測定した位置Aの溝の深さが7.5μm以下である。
    (群A)
    リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウム塩。
  2. 前記の群Aにおいて、
    リン酸が、無水リン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、ヘキサポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸及びヘキサメタリン酸から成る群から選ばれる一つ以上であり、
    リン酸のアンモニウム塩が、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素アンモニウムナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
    リン酸のアルカリ金属塩が、リン酸水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸水素カリウム、ポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
    リン酸のアルカリ土類金属二水素塩が、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素バリウム及びリン酸二水素マグネシウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
    クエン酸のアンモニウム塩が、クエン酸水素二アンモニウム及びクエン酸三アンモニウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
    クエン酸のアルカリ金属塩が、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム及びクエン酸水素二ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上である請求項1に記載の印刷インキ組成物。
  3. 下記(e)〜(g)を全て満足するコンパウンドを原料の一つとして用いる請求項1に記載の印刷インキ組成物の製造方法。
    (e)前記の群Aより選択される一つ以上を含有する。
    (f)含水率が0.5質量%以下である。
    (g)JIS K5701−1に記載の練和度試験に記載の方法で測定した位置Aの溝の深さが7.5μm以下である。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載の印刷インキ組成物を用いて作成した印刷物。
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