JP6401572B2 - 印刷インキ組成物及び印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷インキ組成物及び当該印刷インキ組成物を用いて印刷された印刷物に関する。
枚葉、オフ輪、新聞印刷に代表される平板オフセット印刷では、コスト削減や生産性向上の観点から薄膜印刷を可能とするインキへの期待が高まっている。
薄膜印刷とは、紙等の基材に印刷されるインキの膜厚が通常よりも薄くして印刷することを言い、薄膜印刷により、ブロッキングや裏抜け、裏移りの低減による損紙削減、高精細印刷対応といった品質面での改善、ミスチング低減による作業環境の改善等が期待できる。さらにインキ使用量の削減といったメリットも享受できる。
このような薄膜印刷に用いるインキとして、特許文献1には顔料濃度を従来のインキよりも高くし、粘度を従来のインキと同じレベルに維持する配合処方としたプロセス印刷用印刷インキ組成物セットが開示されている。
特開2007−154182号公報
ところで平版オフセット印刷の場合、印刷版の画線部のみにインキ組成物が付着するのが理想的であるが、実際には非画線部にもインキ組成物が付着する場合がある。こうして印刷版の非画線部に付着したインキは、印刷の進行とともに、例えば水着けローラーや水着けクロムローラー、ライダーローラーといった、水舟やスプレー等から印刷版へと湿し水を供給するために用いられる複数のローラー上に堆積する(以下、本明細書ではこれらの複数のローラーを総称して水着けローラーという)。水着けローラー上に堆積したインキ組成物は、湿し水と接した状態で長時間練られ続けることになり、やがて、粘度が上昇したインキ組成物は印刷版に固着したり、印刷版を介してブランケットに付着したりする。こうして付着したインキ組成物は、印刷紙面の汚れや、ヒッキー等を引き起こすことがある。このような不具合は、種々のオフセット印刷インキ組成物において起こりうるが、特に特許文献1に開示されているような顔料濃度が高いインキを用いて印刷した場合に観察されやすい。
本発明は平版オフセット印刷に好適に用いられるインキであって、水着けローラーへのインキの堆積が少ない印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、上述した目的の少なくとも一部を達成するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)
本適用例に係る印刷インキ組成物は、着色顔料と、体質顔料と、ワニスと、を含む印刷インキ組成物であって、印刷インキ組成物における着色顔料の含有量が13質量%以上30質量%以下であり、印刷インキ組成物における体質顔料の含有量が3質量%以上20質量%以下であり、体質顔料はカオリンを含有することを特徴とする。
(適用例2)
上記適用例に係る印刷インキ組成物において、体質顔料は炭酸カルシウムをさらに含むことが好ましい。
(適用例3)
上記適用例に係る印刷インキ組成物において、体質顔料における前記カオリンの含有量は25質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
(適用例4)
上記適用例に係る印刷インキ組成物において、インキ組成物におけるカオリンの含有量は2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
(適用例5)
上記適用例に係る印刷インキ組成物において、カオリンの平均粒子径は300nm以上700nm以下であることが好ましい。
(適用例6)
上記適用例に係る印刷インキ組成物において、カオリンは湿式カオリンであることが好ましい。
(適用例7)
上記適用例に係る印刷インキ組成物において、着色顔料がカーミン6Bであることが好ましい。
(適用例8)
本適用例の印刷物は、上記適用例に記載の印刷インキ組成物を用いて印刷されたことを特徴とする。
本発明の印刷インキ組成物によれば、印刷インキ組成物が水着けローラー上に堆積することが抑制される。また、本発明の印刷インキ組成物を用いて印刷された印刷物は、水着けローラー上への印刷インキ組成物の堆積に起因する紙面の汚れの少ない印刷物とすることができる。
本発明の印刷インキ組成物は、着色顔料と、体質顔料と、樹脂成分と、植物油と、石油系溶剤と、助剤とを含み、体質顔料としてカオリンを含むことを特徴とする。
本発明の印刷インキに用いる着色顔料としては特に限定されず、種々の有機顔料、無機顔料を用いることができる。例えば、イエロー顔料としては、ジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエロー等が挙げられ、マゼンタ顔料としては、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド等が挙げられる。シアン顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー等が挙げられ、ブラック顔料としてはファーネスカーボンブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
本発明の印刷インキ組成物において、着色顔料の含有量は13質量%以上30質量%以下であることが好ましく、16質量%以上21質量%以下であることがより好ましい。着色顔料の含有量をかかる範囲とすることで、基材に印刷するインキの膜厚を通常よりも薄くしたとしても、印刷物の印刷濃度が従来と変わらない印刷物を得ることができ、上限を越えた場合の不具合を防止することができる。印刷インキ組成物中に含まれる着色顔料の割合が30質量%を超える場合、水着けローラーへの固着や絡みを抑制するためにはカオリンを多量に添加する必要がある。そうすると、印刷インキ組成物中に着色顔料と体質顔料が多量に含まれることにより印刷インキ組成物の流動性が低下し、印刷時のドットゲインが小さくなったり、インキの着肉性が低下することでかえって画像の濃度が低下したりする恐れがある。
本発明は種々の顔料を用いた印刷インキ組成物に対して有用であるが、中でもブリリアントカーミン6Bを用いた印刷インキ組成物に対して特に効果を発揮する。また、本発明は着色顔料としてブリリアントカーミン6Bを用い、着色顔料の含有量が16質量%以上21質量%である印刷インキ組成物に対してさらに効果を発揮する。すなわち、基材に印刷するインキの膜厚を通常よりも薄くしてインキの使用量を減らしたとしても、印刷物の印刷濃度が従来と変わらない印刷物を得ることができるとともに、水着けローラーへの固着が抑制された印刷インキ組成物を得ることができる。
本発明の印刷インキ組成物は、体質顔料を含む。体質顔料の含有量は、印刷インキ組成物の全重量の3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。また、着色顔料と体質顔料の含有量の合計が、印刷インキ組成物の全重量の16質量%以上50質量%以下であることが好ましく、21質量%以上36質量%以下であることがより好ましい。
さらに本発明の印刷インキ組成物は、必須成分としてカオリンを含む。印刷インキ組成部中にカオリンを含むことにより、印刷インキ組成物が水着けローラー上に堆積することを抑制することができる。カオリンとしては、水を利用して精製、漂白することにより製造される湿式カオリン、湿式カオリンを焼成することにより製造される焼成カオリン、乾燥状態で精製、分級されることにより製造される乾式カオリンのいずれも用いることができるが、湿式カオリンを用いることが特に好ましい。
本発明に用いられるカオリンは何らかの表面処理剤により表面処理を施されたものであってもよいし、未処理のものであってもよい。表面処理が施されたものと未処理のものとを混合して用いてもよい。
カオリンの表面処理剤としては、炭素数4〜22の脂肪酸やそのエステル化物、脂肪酸塩等が挙げられ、上記脂肪酸としてはカプロン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。また、上記脂肪酸のエステル化物としてはステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、パルミチン酸ステアリル、パルミチン酸ラウリル等が挙げられ、脂肪酸塩としては上記に例示した脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
表面処理されたカオリンを用いる場合は、上記の表面処理剤の中でもステアリン酸で処理されたものを用いることが好ましい。
本発明に用いられるカオリンの平均粒子径は300nm以上700nm以下であることが好ましく、350nm以上450nm以下であることがより好ましい。カオリンの平均粒子径をこのような範囲とすることにより、水着けローラー上への印刷インキ組成物の堆積を抑制することができる。
カオリンの含有量は、印刷インキ組成物の全重量の2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、水着けローラー上への印刷インキ組成物の堆積を抑制しつつ、印刷品位に優れた印刷インキ組成物とすることができる。
また、印刷インキ組成物に含まれる体質顔料の全重量に対するカオリンの含有量は25質量%以上100質量%以下であることが好ましく、25質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。カオリンの含有量が体質顔料全体の25質量%以上であれば、水着けローラー上への印刷インキ組成物の堆積を抑制できる。
一方で印刷インキ組成物に含まれるカオリンの含有量が多すぎると、余剰のカオリンが印刷プロセス中で用いられる水に流出し、印刷プロセスで用いられる水が懸濁することがある。このような場合でも印刷物の印刷品位はほとんど影響を受けないが、廃液処理の工程が増加する場合がある。このため、カオリンと他の体質顔料とを併用し、体質顔料におけるカオリンの含有量を90質量%以下とすることがより好ましい。
カオリンと併用される体質顔料としては、ろう石クレー等のクレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化ケイ素、ベントナイト、酸化チタン等、公知のものを1種類または2種類以上用いることができ、これらの中でも炭酸カルシウムを用いることが特に好ましい。また、体質顔料はロジン酸などにより表面処理されていてもよいし、未処理であってもよい。カオリンと併用される体質顔料として炭酸カルシウムを用いる場合、その平均粒子径は25nm以上140nm以下であることが好ましい。
本発明の印刷インキ組成物に用いられる樹脂成分としては、フェノール樹脂、石油樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、ロジンエステル、アルキッド樹脂、変性アルキッド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ギルソナイト樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。これらの樹脂の中でも、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂及びギルソナイト樹脂が好ましく用いられ、いずれの樹脂を用いるかについては着色顔料との組み合わせにより適宜選択される。一般的に、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料等のカラー顔料を用いたインキ組成物にはロジン変性フェノール樹脂が用いられ、ブラック顔料を用いたインキ組成物にはロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、ギルソナイト樹脂のいずれも用いられるが、カーボンブラックを顔料として用いたインキ組成物の場合には石油樹脂やギルソナイト樹脂が用いられることが多い。
ロジン変性フェノール樹脂は、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、天然ロジン等のロジン類と、アルキルフェノールと、ホルムアルデヒドと、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのポリオールとを反応させて得る。重量平均分子量は10,000〜300,000のものが好ましい。
石油系樹脂は、石油化学の製造工程から得られる不飽和炭化水素を原料とし、これらを精製、重合して得られる芳香族及び脂肪族の炭化水素樹脂である。JX日鉱日石エネルギー株式会社製の「ネオポリマー120」、「ネオポリマー140」、「ネオポリマー170S」、東ソー株式会社製の「ペトコール120」、「ペトコール140」などが挙げられる。
ギルソナイト樹脂は、天然鉱脈より採掘された天然アスファルタイトから抽出された軟化点110〜180℃の脂肪族炭化水素系樹脂である。主成分としてはアスファルテン、樹脂、油分からなり、アメリカンギルソナイト社製のもの等が挙げられる。
植物油としては、ヒマシ油、落花生油、オリーブオイルなどの不乾性油、大豆油、綿実油、菜種油、ゴマ油、コーン油などの半乾性油、アマニ油、エノ油、桐油などの乾性油、再生植物油、植物エステル等の植物由来成分などを用いることができる。
石油系溶剤としては、炭素数6〜20の炭化水素が好ましく用いられる。具体的には、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、トリメチルペンタンなどのパラフィン系溶剤、シクロヘキサン、シクロヘキシルメタン、オクタデシルシクロヘキサン、メチルイソプロピルシクロヘキサンなどのナフテン系溶剤、JX日鉱日石エネルギー株式会社製の「AFソルベント4号」、「AFソルベント5号」、「AFソルベント6号」、「AFソルベント7号」等が挙げられる。
本発明の印刷インキ組成物は、必要に応じて皮張り防止剤、粘度調整剤、ポリエチレン系やフッ素系の皮膜強化剤、分散剤、汚れ防止剤、乳化調整剤、酸化防止剤等の助剤を含んでいてもよい。これらの助剤としては、従来公知のものを好適に用いることができる。
本発明の印刷インキ組成物は、上記の原料を用い、公知の方法で製造することができる。例えば、必要量の樹脂、植物油、石油系溶剤等を用いて調整したワニスに、着色顔料、体質顔料を添加し、攪拌機で充分に混合し、プレミキシングを行う。その後、必要量のワニス、溶剤、及び他の添加剤を添加し、ショットミル、ロールミル等で練肉を行う。練肉後、ワニス、石油系溶剤、植物油、その他ワックス、酸化防止剤、乳化調整剤等の助剤を添加し、充分に攪拌混合する。
これらの原料はインキに必要とされる粘度や流動性に合わせて使用量を調整する。また、これらの原料の添加時期は固定したものではなく、原料の混合状態等に基づいて適切に調整する。
以下の実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例、比較例において部及び%は特に断りのない限り質量基準である。
1.ロジン変性フェノール樹脂ワニスの調整
コンデンサー、温度計、攪拌機を装着した四つ口フラスコにロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量 10.0万、軟化点 161℃、酸価 18.0)45部、大豆油(日新オイリオ株式会社製)25部、AFソルベント6号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製) 14.5部を仕込み、180℃で1時間加熱攪拌する。その後AFソルベント6号15部、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(ALCH−50F 川研ファインケミカル株式会社製) 0.5部を加え、ロジン変性フェノール樹脂ワニスを得た。このロジン変性フェノール樹脂ワニスを実施例及び比較例で使用した。
2.印刷インキ組成物の調整
(実施例1)
ブリリアントカーミン6B:20部、ステアリン酸で表面処理した平均粒子径400nmのカオリン:8部、ロジン変性フェノール樹脂ワニス:50部を、3本ロールミルにてインキ中の粗大粒子が5μm以下になるまで練肉分散し、次いで石油系溶剤としてAFソルベント6号:5.7部、植物油として大豆油16部、乾燥防止剤として2,6-ジ-ターシャリーブチル-4-クレゾール(H−BHT 本州化学工業株式会社製):0.3部を混合し、実施例1の印刷インキ組成物を得た。なお、インキ中の粗大粒子の粒子径とは、JIS K5701−1に記載の練和度試験における練和度を指す。
(実施例2)
用いるカオリンの量を10部とし、大豆油の量を14部とした以外は実施例1と同様にして、実施例2の印刷インキ組成物を得た。
(実施例3)
用いるカオリンの量を12部とし、大豆油の量を10部、石油系溶剤の量を7.7部とした以外は実施例1と同様にして、実施例3の印刷インキ組成物を得た。
(実施例4)
用いるカオリンの量を15部とし、ロジン変性フェノール樹脂ワニスの量を48部、大豆油の量を8部、石油系溶剤の量を8.7部とした以外は実施例1と同様にして、実施例4の印刷インキ組成物を得た。
(実施例5)
体質顔料として、ステアリン酸で処理した平均粒子径400nmのカオリン:4部と炭酸カルシウム(白艶華T−DD 白石工業株式会社製):4部を併用した以外は実施例1と同様にして、実施例5の印刷インキ組成物を得た。
(実施例6)
体質顔料として、ステアリン酸で処理した平均粒子径400nmのカオリン:2部と炭酸カルシウム:6部を併用した以外は実施例1と同様にして、実施例6の印刷インキ組成物を得た。
(実施例7)
体質顔料として、ステアリン酸で処理した平均粒子径400nmのカオリン:0.2部と炭酸カルシウム:7.2部を併用した以外は実施例1と同様にして、実施例7の印刷インキ組成物を得た。
(実施例8)
実施例1で用いたカオリンに換えて、表面処理していない平均粒子径300nmのカオリンを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例8の印刷インキ組成物を得た。
(実施例9)
実施例1で用いたカオリンに換えて、表面処理していない平均粒子径400nmのカオリンを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9の印刷インキ組成物を得た。
(実施例10)
実施例1で用いたカオリンに換えて、表面処理していない平均粒子径600nmのカオリンを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例10の印刷インキ組成物を得た。
(実施例11)
ブリリアントカーミン6Bに換えて、フタロシアニンブルー:20部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例11の印刷インキ組成物を得た。
(比較例1)
実施例1で用いたカオリンの全量を、炭酸カルシウムで代用した以外は実施例1と同様にして、比較例1の印刷インキ組成物を得た。
(比較例2)
用いるブリリアントカーミン6Bの量を12部とし、炭酸カルシウムの量を16部とした以外は比較例1と同様にして、比較例2の印刷インキ組成物を得た。
(比較例3)
ブリリアントカーミン6Bに換えて、フタロシアニンブルーを用いた以外は比較例1と同様にして、比較例3の印刷インキ組成物を得た。
3.評価
調整した実施例1−11、比較例1−3のインキを用いてN−600型印刷機(東浜精機株式会社製)にて印刷速度12万部/時、新聞用更紙を使用してベタ部の紙面濃度が0.95±0.03の条件で印刷を行った。水着けローラー上への印刷インキ組成物の堆積の度合いを調べるため、印刷物の汚れ性、水着けローラーへの印刷インキ組成物の絡み性、固着性の3項目について評価した。結果を表1、表2にまとめた。
3.1汚れ性
水着けローラー上への印刷インキ組成物の堆積の度合いと、印刷物の紙面の汚れには相関が見られる。例えば水着けローラー上に印刷インキ組成物が堆積すると、やがて印刷インキ組成物が印刷版上に移り、印刷物の紙面に汚れを引き起こす。よって、印刷物紙面の汚れの状態から水着けローラーの状態を評価することができる。得られた印刷物の紙面の汚れを観察し、比較例2のインキを用いて印刷した印刷物の汚れを3とし、最も汚れが少ない印刷物の汚れが5となるように印刷物の汚れの程度を区分し、5段階で評価した。
3.2絡み性
水着けローラー上に印刷インキ組成物が絡むと、印刷版上への湿し水の供給が不安定となり、印刷物の紙面に汚れを引き起こす。印刷機の水着けローラーの状態を観察し、水着けローラーへの印刷インキ組成物の絡み性を5段階で評価した。このとき、比較例2のインキの絡みを3とし、最も絡みが良好なインキの絡みが5となるよう区分した。
3.3固着性
水着けローラー上に印刷インキ組成物が固着すると、印刷版上への湿し水の供給が不安定となり、印刷物の紙面にヒッキーを引き起こす。印刷機の水着けローラーの状態を観察し、水着けローラーへの印刷インキ組成物の固着性を5段階で評価した。このとき、比較例2のインキの固着の度合いを3とし、最も固着が少ないインキが5となるよう区分した。
Figure 0006401572
Figure 0006401572
表から明らかなように、実施例1−11の印刷インキ組成物を用いて印刷すると、比較例1−3の印刷インキ組成物を用いて印刷した場合よりも汚れが少ない印刷物を得ることができた。また、実施例1−11の印刷インキ組成物は、比較例1−3の印刷インキ組成物よりも、水着けローラー上での絡みや固着が抑制されていた。
本発明の印刷インキ組成物は、湿し水を供給するタイプの平板オフセット印刷に特に好適に用いることができる。本発明の印刷インキ組成物を用いることにより、水着けローラー上への印刷インキ組成物の堆積を抑制することができ、印刷紙面の汚れが少ない印刷物を得ることができる。さらに、印刷インキ中の着色顔料の含有量を従来品に比べて高めることができ、薄膜印刷を行ったとしても印刷物の印刷濃度が従来と変わらない印刷物を得ることができる。

Claims (8)

  1. 着色顔料と、
    体質顔料と、
    ワニスと、を含む印刷インキ組成物であって、
    前記印刷インキ組成物における前記着色顔料の含有量が16質量%以上21質量%以下であり、
    前記印刷インキ組成物における前記体質顔料の含有量が3質量%以上20質量%以下であり、
    前記体質顔料はカオリンを含有し、
    前記顔料がカーミン6Bであることを特徴とする印刷インキ組成物。
  2. 前記体質顔料は炭酸カルシウムをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷インキ組成物。
  3. 前記体質顔料における前記カオリンの含有量は25質量%以上90質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷インキ組成物。
  4. 前記印刷インキ組成物における前記カオリンの含有量は2質量%以上15質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷インキ組成物。
  5. 前記カオリンの平均粒子径は300nm以上700nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷インキ組成物。
  6. 前記カオリンの平均粒子径が300nm以上450nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷インキ組成物。
  7. 前記カオリンは湿式カオリンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の印刷インキ組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の印刷インキ組成物を用いて印刷された印刷物。
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