JP6861530B2 - 活性エネルギー線オフセット印刷用インキ組成物を用いて非吸収性媒体へ印刷を行う場合におけるインキ組成物の過乳化により生じる地汚れを抑制する方法 - Google Patents

活性エネルギー線オフセット印刷用インキ組成物を用いて非吸収性媒体へ印刷を行う場合におけるインキ組成物の過乳化により生じる地汚れを抑制する方法 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物、及びそれを用いた非吸収性媒体への印刷方法に関する。
オフセット印刷は、油性であるオフセット印刷用インキ組成物(以下、「インキ組成物」又は「インキ」と適宜省略する。)が水に反発する性質を利用した印刷方式であり、凹凸を備えた印刷版を用いる凸版印刷方式とは異なり、親油性の画像部と親水性の非画像部とを備えた、凹凸のない印刷版を用いることを特徴とする。この印刷版を用いて印刷を行う場合、まず、湿し水を印刷版に接触させて非画像部の表面に水膜を形成させた後に、インキ組成物を印刷版に供給する。すると、供給されたインキ組成物は、水膜の形成された非画像部には反発して付着せず、親油性の画像部のみに付着する。こうして、印刷版の表面にインキ組成物による画像が形成され、次いでそれがブランケット及び紙に順次転移することにより印刷が行われる。
ところで、オフセット印刷により得られた印刷物は、その表面に付着しているインキ組成物が十分に乾燥した状態とならなければ、印刷物を重ねた際に裏移りを生じたり、指で印刷物に触れた際にインキが付着したりするので、後工程に回したり、商品として流通させたりすることができない。したがって、オフセット印刷を行った後に、印刷物の表面に付着したインキ組成物を乾燥させる工程が必要となる。こうした工程を短時間で行うために、近年では活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いた印刷が盛んに行われるようになっている。そして、その印刷対象としては、紙のみならず、液体吸収性をもたないプラスチックフィルムや合成紙にまで拡大している。
このタイプのインキ組成物には、モノマーやオリゴマー等といった重合性化合物と、紫外線や電子線等の活性エネルギー線が照射された際に当該重合性化合物を重合させる重合開始剤と、が含まれる。そのため、このインキ組成物を用いて印刷された未乾燥状態の印刷物の表面に活性エネルギー線が照射されると、そこに含まれる重合性化合物が互いに重合して高分子量化する。その結果、印刷物の表面に存在するインキ組成物は瞬時にべとつきのない(すなわち乾燥した)皮膜に変化する。このような乾燥方式を採用するインキ組成物は、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1、2等を参照)。なお、この工程で用いられる活性エネルギー線としては紫外線や電子線が挙げられるが、装置のコストや扱いやすさなどに鑑みて紫外線が選択されることが多い。
特開2012−102217号公報 特許第4649952号公報
湿し水を用いてオフセット印刷を行う場合、印刷に用いられた湿し水はインキ組成物とともに印刷版からブランケットへ転写され、最終的に印刷用紙へ吸収される。湿し水は、印刷が行われている間は常に印刷版へ供給され続けているが、上記のように印刷用紙へと消費され続けるので、適切な設定のもとで印刷を行っている限りは印刷版上における湿し水の量が過剰になることはない。しかしながら、プラスチックフィルム等のような液体吸収性をもたない媒体へ印刷を行うと、湿し水が印刷版へ供給され続ける一方で、供給された湿し水は媒体へ吸収(すなわち消費)されないので、印刷版上における湿し水の量が過剰になりがちである。しかしながら、印刷時における湿し水の供給量を少なくして印刷を行うと、今度は非画像部にまでインキが付着する地汚れが起こりやすくなるので、結局、印刷版上での湿し水が過剰な状態で印刷を行わなければならなくなる。
このような状況であっても、活性エネルギー線硬化型でない従来型のインキ組成物であれば優れた乳化特性を備えるので印刷中に問題を生じることは少ない。しかしながら、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物では、硬化性を付与するために従来型とは異なった材料を用いているので、従来型のインキ組成物に比べて乳化特性が劣る傾向にある。したがって、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いて印刷を行う場合には、プラスチックフィルム等のような液体吸収性をもたない媒体へ印刷を行った際に印刷版上の湿し水が過剰になってインキ組成物が過乳化状態となり、印刷物に汚れを生じやすい傾向にあった。
また、インキ組成物が浸透しないプラスチックフィルム等の媒体へ印刷を行う場合、当該媒体へのインキ組成物の密着性を付与するために、紙用のインキ組成物よりも極性の高い素材を用いてインキ組成物を調製する必要がある。このような事情もまた、上記のような過乳化をもたらす一因となる。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、プラスチックフィルム等の非吸収性媒体へ印刷を行った場合であっても、過乳化に伴う汚れを抑制することのできる活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物、及びそれを用いた非吸収性媒体への印刷方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物の成分の一部としてリン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸の金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩及びクエン酸のマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1つを用いることにより上記の課題が解決されることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものであり、以下のようなものを提供する。
本発明は、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含む活性エネルギー線オフセット印刷用インキ組成物を用いて非吸収性媒体へ印刷を行う場合において上記インキ組成物に、さらに、リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸の金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩及びクエン酸のマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加することを特徴とする、インキ組成物の過乳化により生じる地汚れを抑制する方法である。
本発明によれば、プラスチックフィルム等の非吸収性媒体へ印刷を行った場合であっても、過乳化に伴う汚れを抑制することのできる活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物、及びそれを用いた非吸収性媒体への印刷方法が提供される。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物の一実施形態、及び本発明の印刷方法の一実施態様について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態及び実施態様に限定されるものでなく、本発明の範囲において適宜変更を加えて実施することができる。
<活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物>
まずは、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物(以下、「インキ組成物」と適宜省略する。)について説明する。本発明のインキ組成物は、オフセット平版印刷に適用されるインキ組成物であり、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射を受けて硬化する能力を備える。後述するように、本発明のインキ組成物は、エチレン性不飽和結合を備えた化合物(モノマーやオリゴマー等)と光重合開始剤とを含有し、活性エネルギー線の照射を受けた際に光重合開始剤から生じたラジカルがエチレン性不飽和結合を備えた化合物を高分子量化させることで硬化する。そのため、印刷直後に印刷物の表面でべたついているインキ組成物に活性エネルギー線が照射されると、瞬時にこのインキ組成物が硬化して皮膜となり、乾燥(タックフリー)状態となる。
本発明のインキ組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線は、後述する光重合開始剤における化学結合を開裂させてラジカルを生じさせるものであればよい。このような活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が例示される。これらの中でも、装置のコストや扱いやすさという観点からは、活性エネルギー線として紫外線が好ましく例示される。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、その波長としては、用いる光重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜決定されればよいが、400nm以下を挙げることができる。このような紫外線を発生させる紫外線照射装置としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、希ガスを封入したエキシマランプ、紫外線発光ダイオード(LED)等を挙げることができる。
本発明のインキ組成物は、紙を初めとした各種の印刷媒体に対してのオフセット印刷に用いることが可能だが、印刷における地汚れを抑制する効果が高いので、上記のように過乳化に伴う地汚れの問題を生じがちな非吸水性印刷媒体への印刷用として好ましく用いられる。非吸収性印刷媒体とは、インキ組成物や、印刷時に用いられる湿し水をその内部へ吸収しない印刷媒体であり、このような印刷媒体としてはプラスチックフィルムやユポ(登録商標)等の合成紙等が挙げられる。
本発明のインキ組成物は、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含み、さらに、リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸の金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩及びクエン酸のマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする。また、本発明のインキ組成物は、着色成分(本発明において、インキ組成物に白色や金属色を付与する成分も着色成分に含めるものとする。)を含んでもよい。本発明のインキ組成物が着色成分を含む場合には、そのインキ組成物は例えば画像や文字等の印刷用途に用いることができるし、本発明のインキ組成物が着色成分を含まない場合には、そのインキ組成物は例えばコーティング等の用途に用いることができる。以下、各成分について説明する。
[エチレン性不飽和結合を備えた化合物]
エチレン性不飽和結合を備えた化合物は、後述する光重合開始剤より生じたラジカルによって重合して高分子量化する成分であり、モノマーやオリゴマー等と呼ばれる成分である。また、オリゴマーよりもさらに高分子量であるポリマーについてもエチレン性不飽和結合を備えたものが各種市販されている。このようなポリマーも上記モノマーやオリゴマーによって、又は当該ポリマー同士によって架橋されて高分子量化することができる。そこで、こうしたポリマーを、上記モノマーやオリゴマーとともにエチレン性不飽和結合を備えた化合物として用いてもよい。
モノマーは、エチレン性不飽和結合を有し、上記のように重合して高分子量化する成分であるが、重合する前の状態では比較的低分子量の液体成分であることが多く、樹脂成分を溶解させてワニスとする際の溶媒とされたり、インキ組成物の粘度を調節したりする目的にも用いられる。モノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ備える単官能モノマーや、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上備える2官能以上のモノマーが挙げられる。2官能以上のモノマーは、インキ組成物が硬化するのに際して分子と分子とを架橋することができるので、硬化速度を速めたり、強固な皮膜を形成させたりするのに寄与する。単官能のモノマーは、上記のような架橋能力を持たない反面、架橋に伴う硬化収縮を低減させるのに寄与する。これらのモノマーは、必要に応じて各種のものを組み合わせて用いることができる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキルアクリレート、(メタ)アクリル酸、エチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリオロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等を挙げることができる。これらの単官能モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味する。
2官能以上のモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー;トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のモノマー;等を挙げることができる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA;3官能)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DITMPTA;4官能)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA;6官能)、グリセリンプロポキシトリアクリレート(GPTA;3官能)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;2官能)等を好ましく挙げることができる。これらの2官能以上のモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オリゴマーは、上記のように重合して高分子量化する成分であるが、もともとが比較的高分子量の成分であるので、インキ組成物に適度な粘性や弾性を付与する目的にも用いられる。また、オリゴマーは比較的極性が高く、硬化後のインキ組成物に非吸収性媒体への密着性を付与する効果も期待できる。オリゴマーとしては、エポキシ樹脂等といったエポキシ化合物に含まれるエポキシ基を酸や塩基で開環させた後に生じる水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるエポキシ変性(メタ)アクリレート、ロジン変性エポキシアクリレート、二塩基酸とジオールとの縮重合物の末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるポリエステル変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル化合物の末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるポリエーテル変性(メタ)アクリレート、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との縮合物における末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるウレタン変性(メタ)アクリレート等を挙げることができる。このようなオリゴマーは市販されており、例えば、ダイセル・サイテック株式会社製のエベクリルシリーズ、サートマー社製のCN、SRシリーズ、東亜合成株式会社製のアロニックスM−6000シリーズ、7000シリーズ、8000シリーズ、アロニックスM−1100、アロニックスM−1200、アロニックスM−1600、新中村化学工業株式会社製のNKオリゴ等の商品名で入手することができる。これらのオリゴマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン性不飽和結合を備えたポリマーは、上述のモノマーやオリゴマーとともに高分子量化する成分であり、活性エネルギー線が照射される前から大きな分子量を備えているので、インキ組成物の粘弾性の向上に役立つ成分である。このようなポリマーは、例えば、低粘度の液体であるモノマー中に溶解又は分散された状態で用いられる。エチレン性不飽和結合を備えたポリマーとしては、ポリジアリルフタレート、未反応の不飽和基を備えたアクリル樹脂、アクリル変性フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、ポリジアリルフタレートは、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性が特に優れているので好ましく用いることができる。
インキ組成物中における、エチレン性不飽和結合を備えた化合物の含有量は、30〜60質量%が好ましく、35〜50質量%がより好ましい。エチレン性不飽和結合を備えた化合物の含有量が上記の範囲であることにより、良好な硬化性と良好な印刷適性とを両立できる。また、上記モノマーとオリゴマーとの比率は、質量比で、モノマー:オリゴマー=4:1〜1:4が好ましく、モノマー:オリゴマー=3:1〜1:3がより好ましい。モノマーとオリゴマーとの比率が上記の範囲であることにより、良好な硬化性と印刷適性とを両立できる。また、エチレン性不飽和結合を備えたポリマーの含有量としては、0〜50質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましく、0〜20質量%がさらに好ましい。ポリマーの含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物に適度な粘弾性を付与してミスチング等の発生を抑制できるとともに、インキ組成物の良好な硬化性を確保することができるので好ましい。
[光重合開始剤]
光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射を受けてラジカルを発生させる成分であり、生じたラジカルが上記エチレン性不飽和結合を備えた化合物を重合させ、インキ組成物を硬化させる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを生じさせるものであれば特に限定されない。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス−2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンジル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。このような光重合開始剤は市販されており、例えばBASF社からイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア184、イルガキュア379、イルガキュア819、TPO等の商品名で、Lamberti社からDETX等の商品名で入手することができる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
インキ組成物中における光重合開始剤の含有量としては、1〜20質量%が好ましく挙げられ、3〜15質量%がより好ましく挙げられ、5〜13質量%がさらに好ましく挙げられる。インキ組成物中における光重合開始剤の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物の十分な硬化性と、良好な内部硬化性やコストとを両立できるので好ましい。
[特定の化合物]
本発明のインキ組成物は、下記に説明する特定の化合物を含むことを特徴とする。本発明のインキ組成物は、このような特定の化合物を含むことにより、非吸収性媒体への印刷を行った際に生じ得る過乳化に伴う地汚れを抑制することができる。これらの化合物を含むことによりこうした地汚れを抑制できる理由は明らかでないが、表面がアルミニウムで形成された非画像部に対して、これらの化合物に含まれる、金属に対して比較的高い配位能を備えたアニオンが配位して非画像部の表面を保護することで、そのような効果がもたらされている可能性がある。
上記特定の化合物は、リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸の金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩及びクエン酸のマグネシウム塩からなる群より選択される。本発明のインキ組成物は、この群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する。
この群に含まれる化合物としては、リン酸が、無水リン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、ヘキサポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸及びヘキサメタリン酸からなる群から選ばれる1つ以上であり、リン酸のアンモニウム塩が、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素アンモニウムナトリウムからなる群から選ばれる1つ以上であり、リン酸のアルカリ金属塩が、リン酸水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸水素カリウム、ポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1つ以上であり、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩が、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素バリウム及びリン酸二水素マグネシウムからなる群から選ばれる1つ以上であり、クエン酸のアンモニウム塩が、クエン酸水素二アンモニウム及びクエン酸三アンモニウムからなる群から選ばれる1つ以上であり、クエン酸のアルカリ金属塩が、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム及びクエン酸水素二ナトリウムからなる群から選ばれる1つ以上を挙げることができる。これらの中でも、ピロリン酸カリウムを好ましく挙げることができる。
上記特定の化合物の添加量としては、インキ組成物全体に対して0.0001〜1質量%が好ましく挙げられ、0.01〜0.5質量%がより好ましく挙げられ、0.05〜0.5質量%がさらに好ましく挙げられる。
[着色成分]
本発明のインキ組成物には、必要に応じて着色成分を添加することができる。着色成分は、インキ組成物に着色力や隠蔽力等を付与するために添加される成分であり、着色顔料、白色顔料、金属パウダー等が挙げられる。このような着色成分としては、従来からインキ組成物に使用されている有機及び/又は無機顔料を特に制限無く挙げることができる。なお、本発明のインキ組成物が着色成分を含まない場合にはコーティング用途等に好ましく用いられる。
着色成分としては、ジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエロー等のイエロー顔料、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウオッチングレッド等のマゼンタ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー等のシアン顔料、カーボンブラック等の黒色顔料、酸化チタン等の白色顔料、アルミニウムペースト、ブロンズパウダー等の金属パウダー等が例示される。
着色成分の含有量としては、インキ組成物の全体に対して8〜30質量%程度が例示されるが、特に限定されない。なお、着色されたインキ組成物を調製する場合、補色として他の色の着色成分を併用したり、他の色のインキ組成物を添加したりすることも可能である。
[その他の成分]
本発明のインキ組成物には、上記の各成分に加えて、必要に応じて他の成分を添加することができる。このような成分としては、体質顔料、樹脂成分、重合禁止剤、分散剤、リン酸塩等の塩類、PTFE、ポリエチレン系ワックス・オレフィン系ワックス・フィッシャートロプシュワックス等のワックス類、アルコール類、植物油や鉱物油等の油成分等が挙げられる。
体質顔料は、インキ組成物に適度な印刷適性や粘弾性等の特性を付与するための成分であり、インキ組成物の調製において通常用いられる各種のものを用いることができる。このような体質顔料としては、クレー、カオリナイト(カオリン)、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素(シリカ)、ベントナイト、タルク、マイカ、酸化チタン等が例示される。こうした体質顔料の添加量としては、インキ組成物全体に対して0〜33質量%程度が例示されるが、特に限定されない。
樹脂成分は、インキ組成物に適度な印刷適性や粘弾性等の特性を付与するのに寄与する成分である。このような樹脂成分としては、従来から印刷用のインキ組成物用途に用いられてきた各種の樹脂を挙げることができるが、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性を有するものであることが好ましく、スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、植物油変性アルキド樹脂、石油樹脂等を挙げることができる。
スチレン−アクリル樹脂は、スチレンとアクリル酸エステルとの共重合体であり、市販のものを各種用いることができる。スチレン−アクリル樹脂を用いる場合、固形であるスチレン−アクリル樹脂を上記モノマーに溶解させてワニスとし、それをインキ組成物の調製の際に添加して用いるのが簡便である。この場合、ワニス中におけるスチレン−アクリル樹脂の含有量としては、ハンドリング性等を考慮して適宜決定されればよいが、一例として5〜50質量%程度を挙げることができる。
インキ組成物中に樹脂成分を添加する場合、インキ組成物中におけるその含有量は、5〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。樹脂成分の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物に適度な粘弾性を付与してミスチング等の発生を抑制できるとともに、インキ組成物の良好な硬化性を確保することができるので好ましい。
重合禁止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン等のフェノール化合物や、酢酸トコフェロール、ニトロソアミン、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン等を好ましく例示することができ、中でもブチルヒドロキシトルエンをより好ましく例示することができる。インキ組成物にこのような重合禁止剤が添加されることにより、保存時に重合反応が進行してインキ組成物が増粘するのを抑制できる。インキ組成物中の重合禁止剤の含有量としては、0.1〜1質量%程度を例示することができる。
分散剤は、インキ組成物中に含まれる着色成分や体質顔料を良好な状態に分散させるために用いられる。このような分散剤は、各種のものが市販されており、例えばビックケミー・ジャパン株式会社製のDISPERBYK(商品名)シリーズ等を挙げることができる。
上記の各成分を用いて本発明のインキ組成物を製造するには、従来公知の方法を適用できる。このような方法としては、上記の各成分を混合した後にビーズミルや三本ロールミル等で練肉して顔料(すなわち着色成分及び体質顔料)を分散させた後、必要に応じて添加剤(重合禁止剤、アルコール類、ワックス類等)を加え、さらに上記モノマー成分や油成分の添加により粘度調整することが例示される。インキ組成物における粘度としては、ラレー粘度計による25℃での値が10〜70Pa・sであることを例示できるが、特に限定されない。
<非吸収性媒体への印刷方法>
上記本発明の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物を用いてオフセット平版印刷を行うことを特徴とする、非吸収性媒体への印刷方法も本発明の一つである。本発明の印刷方法は、本発明のインキ組成物を用いることと非吸収性媒体に対して印刷を行うこととを除いて、通常のオフセット平版印刷技術を用いて実施されるものである。本発明のインキ組成物、及び非吸収性媒体については既に説明した通りであるので、ここでの説明を省略する。
本発明の印刷方法では、まず、プラスチックフィルム等の非吸収性媒体に対して上記本発明のインキ組成物を用いてオフセット平版印刷を行う。これにより得られた未乾燥状態の印刷物に対して活性エネルギー線の照射を行うことにより、その印刷物は瞬時に乾燥状態となる。これは、印刷対象である非吸収性媒体の表面に存在するインキ組成物が、活性エネルギー線の照射により硬化することで実現される。活性エネルギー線としては、電子線や紫外線等公知のものを採用することができるが、設置コストや運用の容易さ等の面からは紫外線が好ましく用いられる。既に述べたように、本発明のインキ組成物は、非吸収性媒体に対して印刷を行った場合であっても地汚れの発生が抑制することができるので、本発明の印刷方法によれば、地汚れのない、非吸収性媒体の良好な印刷物を得ることができる。
以下、実施例を示すことにより本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は質量部を意味する。
[インキ組成物の調製]
表1に示すように、カーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA−70)18部、アルカリブルートナー7部、ポリエステルアクリレート(サイテック社製、EB436)45部、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA;3官能モノマー)17部、イルガキュア907(光重合開始剤、BASF社製)10部、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(EAB;光重合開始剤)2部、及び上記で説明した「特定の化合物」を所定の部数で混合した後、三本ロールミルで練肉し、実施例1〜5、及び比較例1のインキ組成物を得た。なお、表1に記載した各配合量の数値は質量部である。
[地汚れの評価]
地汚れの評価に際しては、三菱ダイヤ菊半枚葉印刷機1−E(三菱重工業株式会社製)を用い、印刷用紙をユポ(合成紙;ユポは登録商標)として実印刷を行った。印刷条件は、11,000枚/時とし、非画像部分の汚れの有無を目視で観察することにより評価した。評価基準を下記の通りとし、表1の「地汚れ」欄に評価結果を記載した。
(評価基準)
○:地汚れは全く発生しなかった
△:実用上問題の無い程度の地汚れが観察された
×:地汚れが顕著に観察された
Figure 0006861530
表1に示すように、本発明のインキ組成物を用いることにより、非吸収性媒体へオフセット印刷を行ったときの地汚れが顕著に抑制されることがわかる。

Claims (1)

  1. エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含む活性エネルギー線オフセット印刷用インキ組成物を用いて非吸収性媒体へ印刷を行う場合において前記インキ組成物に、リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸の金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩及びクエン酸のマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加することを特徴とする、インキ組成物の過乳化により生じる地汚れを抑制する方法
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