JP6548922B2 - 活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物に関する。
オフセット印刷は、油性であるオフセット印刷用インキ組成物(以下、「インキ組成物」又は「インキ」と適宜省略する。)が水に反発する性質を利用した印刷方式であり、凹凸を備えた印刷版を用いる凸版印刷方式とは異なり、親油性の画像部と親水性の非画像部とを備えた、凹凸のない印刷版を用いることを特徴とする。この印刷版を用いて印刷を行う場合、まず、湿し水を印刷版に接触させて非画像部の表面に水膜を形成させた後に、インキ組成物を印刷版に供給する。すると、供給されたインキ組成物は、水膜の形成された非画像部には反発して付着せず、親油性の画像部のみに付着する。こうして、印刷版の表面にインキ組成物による画像が形成され、次いでそれがブランケット及び紙に順次転移することにより印刷が行われる。なお、印刷の際に印刷版へ供給される湿し水は、過剰であれば印刷紙面に水跡を生じたり印刷物における濃度低下を生じたりして好ましくなく、不足であれば印刷紙面に汚れを生じて好ましくない。このため、印刷に際して、適正な印刷紙面の得られる湿し水供給量の範囲というものが存在する。この湿し水供給量の適正な範囲は水幅と呼ばれてインキ組成物の銘柄ごとに異なる傾向があり、一般には、水幅の広いインキ組成物ほど印刷に際して使いやすいとされている。
ところで、オフセット印刷により得られた印刷物は、その表面に付着しているインキ組成物が十分に乾燥した状態とならなければ、印刷物を重ねた際に裏移りを生じたり、指で印刷物に触れた際にインキが付着したりするので、後工程に回したり、商品として流通させたりすることができない。したがって、オフセット印刷を行った後に、印刷物の表面に付着したインキ組成物を乾燥させる工程が必要となる。こうした工程を短時間で行うために、近年では活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いた印刷が盛んに行われるようになっている。
このタイプのインキ組成物には、モノマーやオリゴマー等といった重合性化合物と、紫外線や電子線等の活性エネルギー線が照射された際に当該重合性化合物を重合させる重合開始剤と、が含まれる。そのため、このインキ組成物を用いて印刷された未乾燥状態の印刷物の表面に活性エネルギー線が照射されると、そこに含まれる重合性化合物が互いに重合して高分子量化する。その結果、印刷物の表面に存在するインキ組成物は瞬時にべとつきのない(すなわち乾燥した)皮膜に変化する。このような乾燥方式を採用するインキ組成物として各種のものが提案されている(例えば、特許文献1、2等を参照)。なお、この工程で用いられる活性エネルギー線としては紫外線や電子線が挙げられるが、装置のコストや扱いやすさなどに鑑みて紫外線が選択されることが多い。
特開2012−102217号公報 特許第4649952号
活性エネルギー線硬化型のインキ組成物としては、ラジカル重合タイプのものが多く用いられている。この種のインキ組成物では、エチレン性の不飽和結合を備えたモノマーやオリゴマーが重合成分として含まれるとともに、活性エネルギー線の照射により分子開裂してラジカルを発生させる光重合開始剤とが含まれる。インキ組成物は、印刷後に活性エネルギー線が照射されたときにその内部でラジカルを発生させ、上記の重合成分が重合し硬化して乾燥した皮膜へと変換される。逆に言えば、このインキ組成物は、活性エネルギー線の照射を受けない暗所下では硬化せず、それゆえ一定の保存安定性を備えているということができる。
しかしながら、上記の光重合開始剤は、暗所下であっても、室温環境にてごく僅かに熱分解してラジカルを生成させる。インキ組成物内にラジカルが発生すると、そのラジカルが何らかの理由で消失するまで重合成分を重合させ続け、保存中のインキ組成物が硬化したり増粘したりして使用不能になる場合がある。このため、この種のインキ組成物には、重合禁止剤が添加される。重合禁止剤としてはBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)等のフェノール化合物が用いられることが多い。この種の化合物は、ラジカルとなった化学種に対して水素原子を供給することでこれを不活性化させることができる。近年では、より強力な重合禁止作用を発現させるために、アミノ基を備えたフェノール化合物も盛んに利用されている。アミノ基も上記のように、ラジカルとなった化学種を不活性化させる作用があるので、この種の重合禁止剤を含んだインキ組成物は、優れた保存安定性を示すものになる。
ところで、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物は、そうでない従来型のインキ組成物に比べて開発の歴史が浅く、従来型のインキ組成物に比べて印刷適性面で見劣りする場面も多い。例えば、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いてオフセット印刷を行うと、従来型のインキ組成物に比べて水幅が狭く、湿し水の供給量を絞った場合に印刷紙面が汚れやすく、湿し水の供給量を増やした場合に濃度低下を生じやすい傾向がある。これは、ビヒクル(主としてオリゴマー)の分子量が従来型のインキ組成物と比べて小さいことが要因の一つとして考えられる。一例であるが、従来型のインキ組成物では数十万もの分子量をもつ樹脂がビヒクルとして用いられるが、活性エネルギー硬化型のインキ組成物では反応性の観点から数万程度の分子量のものがビヒクルとして用いられる。このような水幅の問題は、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いた印刷においてしばしば生じるものであり、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物は印刷汚れを生じやすいという印象をユーザーに与えるものとなっている。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、湿し水の供給量が少ない場合においても印刷汚れを軽減することのできる活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、湿し水の供給量が少ない場合における印刷紙面への汚れの程度が、インキ組成物に含まれる重合禁止剤の種類によって大きく変わることを見出し、特定の化学構造を有する重合禁止剤を採用することによって、印刷紙面の汚れを著しく低減できることを知見した。本発明は、このような知見によりなされたものであり、以下のようなものを提供する。
本発明は、湿し水を用いたオフセット印刷に用いられ、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含み、さらに、下記一般式(1)で表される重合禁止剤を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物である。
Figure 0006548922
(上記一般式(1)中、各Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Xは、2価の有機基、2価の原子、又は単結合を表し、nは、2〜4の整数を表す。)
組成物の全体に対する上記重合禁止剤の含有量が1質量%〜3質量%であることが好ましい。
上記重合禁止剤は、下記一般式(2)で表されることが好ましい。
Figure 0006548922
(上記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Rは、2価の有機基、又は単結合を表し、nは、2〜4の整数を表す。)
上記重合禁止剤は、下記式(3)で表されることが好ましい。
Figure 0006548922
本発明によれば、湿し水の供給量が少ない場合においても印刷汚れを軽減することのできる活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物が提供される。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物の一実施形態について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物(以下、インキ組成物と適宜省略する。)は、オフセット印刷に適用されるインキ組成物であり、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射を受けて硬化する能力を備える。後述するように、本発明のインキ組成物は、エチレン性不飽和結合を備えた化合物(モノマーやオリゴマー等)と光重合開始剤とを含有し、活性エネルギー線の照射を受けた際に光重合開始剤から生じたラジカルがエチレン性不飽和結合を備えた化合物を高分子量化させることで、硬化する。そのため、印刷直後に印刷物の表面でべたついているインキ組成物に活性エネルギー線が照射されると、瞬時にこのインキ組成物が硬化して皮膜となり、乾燥(タックフリー)状態となる。
本発明のインキ組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線は、後述する光重合開始剤における化学結合を開裂させてラジカルを生じさせるものであればよい。このような活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が例示される。これらの中でも、装置のコストや扱いやすさという観点からは、紫外線が活性エネルギー線として好ましく例示される。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、その波長としては、用いる光重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜決定されればよいが、380nm以下を挙げることができる。このような紫外線を発生させる紫外線照射装置としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、希ガスを封入したエキシマランプ、紫外線発光ダイオード(LED)等を挙げることができる。
本発明のインキ組成物は、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含み、さらに特定の化学構造を備えた重合禁止剤を含む。また、本発明のインキ組成物は、着色成分(本発明において、インキ組成物に白色や金属色を付与する成分も着色成分に含めるものとする。)を含んでもよい。本発明のインキ組成物が着色成分を含む場合には、そのインキ組成物は例えば画像や文字等の印刷用途に用いることができるし、本発明のインキ組成物が着色成分を含まない場合には、そのインキ組成物は例えばコーティング等の用途に用いることができる。以下、各成分について説明する。
[エチレン性不飽和結合を備えた化合物]
エチレン性不飽和結合を備えた化合物は、後述する光重合開始剤より生じたラジカルによって重合して高分子量化する成分であり、モノマーやオリゴマー等と呼ばれる成分である。また、オリゴマーよりもさらに高分子量であるポリマーについてもエチレン性不飽和結合を備えたものが各種市販されている。このようなポリマーも上記モノマーやオリゴマーによって、又は当該ポリマー同士によって架橋されて高分子量化することができる。そこで、こうしたポリマーを、上記モノマーやオリゴマーとともにエチレン性不飽和結合を備えた化合物として用いてもよい。
モノマーは、エチレン性不飽和結合を有し、上記のように重合して高分子量化する成分であるが、重合する前の状態では比較的低分子量の液体成分であることが多く、樹脂成分を溶解させてワニスとする際の溶媒とされたり、インキ組成物の粘度を調節したりする目的にも用いられる。モノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ備える単官能モノマーや、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上備える2官能以上のモノマーが挙げられる。2官能以上のモノマーは、インキ組成物が硬化するのに際して分子と分子とを架橋することができるので、硬化速度を速めたり、強固な皮膜を形成させたりするのに寄与する。単官能のモノマーは、上記のような架橋能力を持たない反面、架橋に伴う硬化収縮を低減させるのに寄与する。これらのモノマーは、必要に応じて各種のものを組み合わせて用いることができる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキルアクリレート、(メタ)アクリル酸、エチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリオロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等を挙げることができる。これらの単官能モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味する。
2官能以上のモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー;トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のモノマー;等を挙げることができる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA;3官能)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DITMPTA;4官能)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA;6官能)、グリセリンプロポキシトリアクリレート(GPTA;3官能)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;2官能)等を好ましく挙げることができる。これらの2官能以上のモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オリゴマーは、上記のように重合して高分子量化する成分であるが、比較的高分子量の成分であるので、インキ組成物に適度な粘性や弾性を付与する目的にも用いられる。オリゴマーとしては、エポキシ樹脂等といったエポキシ化合物に含まれるエポキシ基を酸や塩基で開環させた後に生じる水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるエポキシ変性(メタ)アクリレート、ロジン変性エポキシアクリレート、二塩基酸とジオールとの縮重合物の末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるポリエステル変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル化合物の末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるポリエーテル変性(メタ)アクリレート、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との縮合物における末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるウレタン変性(メタ)アクリレート等を挙げることができる。このようなオリゴマーは市販されており、例えば、ダイセル・サイテック株式会社製のエベクリルシリーズ、サートマー社製のCN、SRシリーズ、東亜合成株式会社製のアロニックスM−6000シリーズ、7000シリーズ、8000シリーズ、アロニックスM−1100、アロニックスM−1200、アロニックスM−1600、新中村化学工業株式会社製のNKオリゴ等の商品名で入手することができる。これらのオリゴマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン性不飽和結合を備えたポリマーは、上述のモノマーやオリゴマーとともに高分子量化する成分であり、活性エネルギー線が照射される前から大きな分子量を備えているので、インキ組成物の粘弾性の向上に役立つ成分である。このようなポリマーは、例えば、低粘度の液体であるモノマー中に溶解又は分散された状態で用いられる。エチレン性不飽和結合を備えたポリマーとしては、ポリジアリルフタレート、未反応の不飽和基を備えたアクリル樹脂、アクリル変性フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、ポリジアリルフタレートは、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性が特に優れているので好ましく用いることができる。
インキ組成物中における、エチレン性不飽和結合を備えた化合物の含有量は、30〜80質量%が好ましく、40〜75質量%がより好ましく、50〜70質量%がさらに好ましい。エチレン性不飽和結合を備えた化合物の含有量が上記の範囲であることにより、良好な硬化性と良好な印刷適性とを両立できる。また、上記モノマーとオリゴマーとの比率は、質量比で、モノマー:オリゴマー=4:1〜1:1が好ましく、モノマー:オリゴマー=3:1〜1:1がより好ましく、モノマー:オリゴマー=2:1〜1:1がさらに好ましい。モノマーとオリゴマーとの比率が上記の範囲であることにより、良好な硬化性と印刷適性とを両立できる。また、エチレン性不飽和結合を備えたポリマーの含有量としては、5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。ポリマーの含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物に適度な粘弾性を付与してミスチング等の発生を抑制できるとともに、インキ組成物の良好な硬化性を確保することができるので好ましい。
[光重合開始剤]
光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射を受けてラジカルを発生させる成分であり、生じたラジカルが上記エチレン性不飽和結合を備えた化合物を重合させ、インキ組成物を硬化させる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを生じさせるものであれば特に限定されない。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス−2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンジル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。このような光重合開始剤は市販されており、例えばBASF社からイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア184、イルガキュア379、イルガキュア819、TPO等の商品名で、Lamberti社からDETX等の商品名で入手することができる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
インキ組成物中における光重合開始剤の含有量としては、1〜20質量%が好ましく挙げられ、3〜15質量%がより好ましく挙げられ、5〜13質量%がさらに好ましく挙げられる。インキ組成物中における光重合開始剤の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物の十分な硬化性と、良好な内部硬化性やコストとを両立できるので好ましい。
[重合禁止剤]
重合禁止剤は、インキ組成物に含まれる光重合開始剤が保管中に熱分解して予期せずラジカルが発生した場合に、そのラジカルによって重合反応が進行してインキ組成物が硬化したり増粘したりして使用不能になるのを抑制する成分であり、本発明では特に下記一般式(1)で表される化合物を用いる。
Figure 0006548922
重合禁止剤は、インキ組成物中に意図せず生じたラジカルに水素を付加するなどの作用によりこれを失活させる働きを有するとされている。従来、このような作用を備えた化合物としては、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)等のようなフェノール化合物が知られており、コーティング組成物のように透明な硬化物を与える硬化性組成物に用いられてきた。一方、インキ組成物には顔料成分等のように活性エネルギー線を吸収してしまう成分が多く含まれるため、コーティング用途の透明な組成物等に比べて多量の光重合開始剤を添加するのが普通である。従って、この種のインキ組成物では、コーティング用途の透明な組成物等に比べて保存中に発生するラジカルの量が多くなり、それゆえBHTのような単なるフェノール化合物では保存中の重合禁止能が不足する傾向にある。そこで、例えば下記化学式(4)(2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール)に示すような、アミノ基を有するフェノール化合物が重合禁止剤として広く用いられている。このような化合物は、BHT等のようなアミノ基を持たないフェノール化合物に比べて特に高い重合禁止作用を示すので、インキ組成物の保存安定性を著しく向上させる。
Figure 0006548922
しかしながら、本発明者らの検討によれば、高い重合禁止能を備えた上記のような化合物は、保存安定性を向上させる一方で、印刷時における印刷紙面に汚れを誘発する要因にもなり得ることがわかった。そこで、本発明者らは、インキ組成物の実用的な保存安定性を維持しながら、印刷紙面への汚れを誘発しにくい重合禁止剤について検討を行った結果、下記一般式(1)で表される化合物を活性エネルギー線硬化型のインキ組成物における重合禁止剤として用いることにより、実用的な保存安定性と、湿し水供給量の少ない場合における印刷紙面汚れの抑制とを両立できることを見出した。本発明は以上の知見によりなされたものであり、本発明に係る活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、下記一般式(1)で表される化合物を重合禁止剤として含む。
Figure 0006548922
上記一般式(1)中、各Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Xは、2価の有機基、2価の原子、又は単結合を表し、nは、2〜4の整数を表す。Rが4の場合、1個の炭素原子に、一般式(1)における括弧内の置換基が4個結合された状態となる。
Rの選択肢となる1価の有機基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、アリール基、炭素数6〜10のアラルキル基、ヒドロキシメチル基、水酸基、アセチル基等が挙げられる。
Xの選択肢となる2価の有機基としては、途中にエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合若しくはアミド結合を備えていてもよい炭素数1〜8のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、繰り返し回数が2〜5のポリオキシエチレン基若しくはポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
Xの選択肢となる2価の原子としては、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
より具体的には、上記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)で表されるものであることが好ましい。
Figure 0006548922
上記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Rは、2価の有機基、又は単結合を表し、nは、2〜4の整数を表す。なお、上記一般式(2)のRの選択肢となる有機基については、上記一般式(1)のRの選択肢となる有機基で説明したものと同様である。
の選択肢となる2価の有機基としては、炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられる。これらのアルキレン基の中でもメチレン基、エチレン基又はプロピレン基が好ましく挙げられ、中でもエチレン基が特に好ましく挙げられる。
上記一般式(2)において、nは4であることが好ましい。このような化合物のより好ましい具体例として、下記化学式(3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0006548922
上記化学式(3)の化合物を得るには、例えば、4つの水酸基を有するペンタエリスリトールと、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸とを脱水触媒の存在下でエステル化すればよい。また、上記化学式(3)の化合物は、IRGANOX1010(BASF社の商品名)の名称で樹脂に耐熱性を付与するための酸化防止剤としても市販されている。
上記一般式(1)で表される重合禁止剤は、実用上十分な程度の保存安定性をインキ組成物にもたらすものだが、アミノ基を有する上述の重合禁止剤と比較してやや保存安定性が劣る傾向がある。しかしながら、重合禁止剤を一般式(1)で表される化合物に置き換えることにより、インキ組成物を印刷に適用した際に、湿し水供給量の少ない場合においても印刷紙面汚れの発生を抑制できるという、それを補って余りある効果が得られる一方で、保存安定性がやや劣ることについてはインキ組成物に添加する重合禁止剤の量を増加すれば従来のものと同様の保存安定性を得ることができるので、このことは大きな問題ではない。一般式(1)で表される重合禁止剤のインキ組成物への添加量としては、組成物の全体に対して1〜3質量%を好ましく挙げることができる。
[着色成分]
着色成分は、インキ組成物に着色力や隠蔽力等を付与するために添加される成分であり、着色顔料、白色顔料、金属パウダー等が挙げられる。このような着色成分としては、従来からインキ組成物に使用されている有機及び/又は無機顔料を特に制限無く挙げることができる。なお、本発明のインキ組成物において着色成分は必須でなく、着色成分を含まない場合にはコーティング用途等に好ましく用いられる。
着色成分としては、ジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエロー等のイエロー顔料、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウオッチングレッド等のマゼンタ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー等のシアン顔料、カーボンブラック等の黒色顔料、酸化チタン等の白色顔料、アルミニウムペースト、ブロンズパウダー等の金属パウダー等が例示される。
着色成分の含有量としては、インキ組成物の全体に対して8〜30質量%程度が例示されるが、特に限定されない。なお、着色されたインキ組成物を調製する場合、補色として他の色の着色成分を併用したり、他の色のインキ組成物を添加したりすることも可能である。
[その他の成分]
本発明のインキ組成物には、上記の各成分に加えて、他の成分を必要に応じて添加することができる。このような成分としては、体質顔料、樹脂成分、分散剤、リン酸塩等の塩類、ポリエチレン系ワックス・オレフィン系ワックス・フィッシャートロプシュワックス等のワックス類、アルコール類、植物油や鉱物油等の油成分等が挙げられる。
体質顔料は、インキ組成物に適度な印刷適性や粘弾性等の特性を付与するための成分であり、通常のオフセット印刷用インキ組成物で用いられる各種のものを用いることができる。このような体質顔料としては、クレー、カオリナイト(カオリン)、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素(シリカ)、ベントナイト、タルク、マイカ、酸化チタン等が例示される。こうした体質顔料の添加量としては、インキ組成物全体に対して0〜33質量%程度が例示されるが、特に限定されない。
樹脂成分は、インキ組成物に適度な印刷適性や粘弾性等の特性を付与するのに寄与する成分である。このような樹脂成分としては、従来から印刷用のインキ組成物用途に用いられてきた各種の樹脂を挙げることができるが、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性を有するものであることが好ましく、スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、植物油変性アルキド樹脂、石油樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、スチレン−アクリル樹脂は、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性が特に優れるので好ましく用いることができる。
スチレン−アクリル樹脂は、スチレンとアクリル酸エステルとの共重合体であり、市販のものを各種用いることができる。スチレン−アクリル樹脂を用いる場合、固形であるスチレン−アクリル樹脂を上記モノマーに溶解させてワニスとし、それをインキ組成物の調製の際に添加して用いるのが簡便である。この場合、ワニス中におけるスチレン−アクリル樹脂の含有量としては、ハンドリング性等を考慮して適宜決定されればよいが、一例として5〜50質量%程度を挙げることができる。
インキ組成物中に樹脂成分を添加する場合、インキ組成物中におけるその含有量は、5〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。樹脂成分の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物に適度な粘弾性を付与してミスチング等の発生を抑制できるとともに、インキ組成物の良好な硬化性を確保することができるので好ましい。
分散剤は、インキ組成物中に含まれる着色成分や体質顔料を良好な状態に分散させるために用いられる。このような分散剤は、各種のものが市販されており、例えばビックケミー・ジャパン株式会社製のDISPERBYK(商品名)シリーズ等を挙げることができる。
上記の各成分を用いて本発明のインキ組成物を製造するには、従来公知の方法を適用できる。このような方法としては、上記の各成分を混合した後にビーズミルや三本ロールミル等で練肉して顔料(すなわち着色成分及び体質顔料)を分散させた後、必要に応じて添加剤(重合禁止剤、アルコール類、ワックス類等)を加え、さらに上記モノマー成分や油成分の添加により粘度調整することが例示される。インキ組成物における粘度としては、ラレー粘度計による25℃での値が10〜60Pa・sであることを例示できるが、特に限定されない。
以下に実施例を挙げて本発明のインキ組成物をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は質量部を意味する。
表1及び2に示す配合にて各材料を混合した後、三本ロールミルにて練肉し、実施例1〜7、及び比較例1〜3のインキ組成物を調製した。なお、表1及び2に示した配合量は質量部であり、各材料の内容は下記に示すものとした。
マゼンタ顔料:カーミン6B
カーボンブラック:カーボンブラック、三菱化学株式会社製、製品名MA−7
体質顔料:炭酸カルシウム、白石工業株式会社製、製品名白艶華T−DD
オリゴマー:塩素化ポリエステルアクリレート、サートマー社製、製品名CN736
モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)
重合開始剤:イルガキュア(商品名)184:907:369=2:5:8(質量比)
重合禁止剤A:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](上記化学式(3)の化合物)
重合禁止剤B:2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール(上記化学式(4)の化合物)
[保存安定性評価]
実施例1〜7、及び比較例1〜3のインキ組成物のそれぞれについて、暗所下における保存安定性評価を行った。まず、インキ組成物の10gを密閉缶にとり、それを40℃の恒温槽にて7日間放置した。その後、インキ組成物のラレー粘度を測定し、放置前のラレー粘度と比較することにより保存安定性を評価した。評価基準は下記の通りであり、その結果を表1及び表2の「保存安定性」欄に示す。
◎:放置後の粘度増加が放置前に比べて5%未満である
○:放置後の粘度増加が放置前に比べて5%以上10%未満である
△:放置後の粘度増加が放置前に比べて10%以上であるが硬化はしていない
×:放置後に硬化しており使用不能だった
[印刷紙面汚れ評価]
実施例1〜7、及び比較例1〜3のインキ組成物のそれぞれについて印刷機を使用した実印刷を行い、その際の印刷紙面汚れを評価した。印刷に際しては、印刷機をLITHRONE LS426、湿し水をKG−502(1.5%;株式会社小森コーポレーション製)、印刷用紙を三菱特アート紙(菊版)として、標準水量から水ダイヤルを5ポイント下げた場合の印刷紙面における汚れ度合いを評価した。評価基準は下記の通りであり、その結果を表1及び表2の「印刷紙面汚れ」欄に示す。
○:印刷紙面の汚れが認められなかった
×:印刷紙面の汚れが認められた
Figure 0006548922
Figure 0006548922
表1及び表2から明らかなように、上記一般式(1)で表される重合禁止剤を含んだインキ組成物は、保存安定性及び印刷紙面汚れ適性が良好であり、とりわけ重合禁止剤の含有量がインキ組成物の全体に対して1〜3質量%である場合に十分な保存安定性が得られることがわかる。この含有量は従来型の重合禁止剤に比べて幾分多めではあるが、本発明のインキ組成物では湿し水の供給量が少ない場合における印刷紙面汚れが完全に抑制されており、重合禁止剤の増量によるコストの増加を補って余りある結果となった。

Claims (4)

  1. 湿し水を用いたオフセット印刷に用いられ、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含み、
    さらに、下記一般式(1)で表される重合禁止剤を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
    Figure 0006548922
    (上記一般式(1)中、各Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Xは、2価の有機基、2価の原子、又は単結合を表し、nは、2〜4の整数を表す。)
  2. 組成物の全体に対する前記重合禁止剤の含有量が1質量%〜3質量%である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
  3. 前記重合禁止剤が下記一般式(2)で表される請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
    Figure 0006548922
    (上記一般式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Rは、2価の有機基、又は単結合を表し、nは、2〜4の整数を表す。)
  4. 前記重合禁止剤が下記式(3)で表される請求項1〜3のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
    Figure 0006548922
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