JP2018090718A - 活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents

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圭之郎 菱沼
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直毅 臣
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葵 伊藤
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Abstract

【課題】プラスチックフィルムや合成紙へ印刷した場合であっても印刷物の十分な耐摩擦性を得ることのできる、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物を提供すること。
【解決手段】エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含み、さらに、下記一般式(1)で表される環状シロキサン化合物及び/又は25℃における動粘度が3000mm/s以上であり下記一般式(2)で表される化合物、からなるシリコーンオイルを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物を用いる。
Figure 2018090718

【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物に関する。
オフセット印刷は、油性であるオフセット印刷用インキ組成物(以下、「インキ組成物」又は「インキ」と適宜省略する。)が水に反発する性質を利用した印刷方式であり、凹凸を備えた印刷版を用いる凸版印刷方式とは異なり、親油性の画像部と親水性の非画像部とを備えた、凹凸のない印刷版を用いることを特徴とする。この印刷版を用いて印刷を行う場合、まず、湿し水を印刷版に接触させて非画像部の表面に水膜を形成させた後に、インキ組成物を印刷版に供給する。すると、供給されたインキ組成物は、水膜の形成された非画像部には反発して付着せず、親油性の画像部のみに付着する。こうして、印刷版の表面にインキ組成物による画像が形成され、次いでそれがブランケット及び紙に順次転移することにより印刷が行われる。
また、上記のように湿し水を用いたオフセット印刷の他に、シリコーン樹脂により非画像部が形成された印刷版を用いた水無しオフセット印刷方式も実用化されている。この印刷方式では、湿し水がインキ組成物と反発して非画像部を形成するのではなく、シリコーン樹脂がインキ組成物と反発して非画像部となる。こうした点を除けば、水無しオフセット印刷もまた、湿し水を用いたオフセット印刷と共通の印刷方式である。そこで、本明細書では、湿し水を用いた印刷方式のみならず、水無し印刷方式をも含めた概念として「オフセット印刷」という用語を用いる。
ところで、オフセット印刷により得られた印刷物は、その表面に付着しているインキ組成物が十分に乾燥した状態とならなければ、印刷物を重ねた際に裏移りを生じたり、指で印刷物に触れた際にインキが付着したりするので、後工程に回したり、商品として流通させたりすることができない。したがって、オフセット印刷を行った後に、印刷物の表面に付着したインキ組成物を乾燥させる工程が必要となる。こうした工程を短時間で行うために、近年では活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いた印刷が盛んに行われるようになっている。そして、その印刷対象としては、紙のみならず、液体吸収性をもたないプラスチックフィルムや合成紙にまで拡大している。
このタイプのインキ組成物には、モノマーやオリゴマー等といった重合性化合物と、紫外線や電子線等の活性エネルギー線が照射された際に当該重合性化合物を重合させる重合開始剤と、が含まれる。そのため、このインキ組成物を用いて印刷された未乾燥状態の印刷物の表面に活性エネルギー線が照射されると、そこに含まれる重合性化合物が互いに重合して高分子量化する。その結果、印刷物の表面に存在するインキ組成物は瞬時にべとつきのない(すなわち乾燥した)皮膜に変化する。このような乾燥方式を採用するインキ組成物は、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1、2等を参照)。なお、この工程で用いられる活性エネルギー線としては紫外線や電子線が挙げられるが、装置のコストや扱いやすさなどに鑑みて紫外線が選択されることが多い。
特開2012−102217号公報 特許第4649952号公報
上記のように、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いて印刷を行う場合、紫外線等の活性エネルギー線を印刷物へ照射することにより、印刷物は速やかに乾燥状態となる。しかしながら、印刷物の表面がタックフリーとなって乾燥状態になったように見えても、印刷により形成されたインキ組成物の膜の内部で完全に重合反応が完了するには数時間から数日間程度の時間が必要である。そのため、印刷後しばらくの間、印刷物は、膜の中に存在するラジカルによって重合反応が続く、仮乾燥ともいえる状態になっている。
このような仮乾燥状態になっている印刷物は、硬化して形成されたインキ組成物の膜の表面強度(すなわち耐摩擦性)が不足しがちであり、摩擦や引っ掻き等のような外力が印刷物の表面に加わった際にインキ組成物の膜の表面に傷(スクラッチ)を生じることがある。すると、その印刷物は、見栄えが著しく低下してしまい商品価値が失われてしまうことになる。そのため、硬化後の膜の耐摩擦性を向上させるために、インキ組成物における処方上の工夫が必要になる。
上記のような耐摩擦性の問題は、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いて液体吸収性をもたないプラスチックフィルムやユポ(登録商標)等の合成紙に対して印刷を行った場合に特に顕著に観察される現象である。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、プラスチックフィルムや合成紙へ印刷した場合であっても印刷物の十分な耐摩擦性を得ることのできる、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型オフセット印刷インキ組成物において、特定のシリコーンオイルを含有させることにより上記の課題が解決されることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものであり、以下のようなものを提供する。
本発明は、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含み、さらに、下記一般式(1)で表される環状シロキサン化合物及び/又は25℃における動粘度が3000mm/s以上であり下記一般式(2)で表される化合物、からなるシリコーンオイルを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物である。
Figure 2018090718
(上記一般式(1)中、各Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、nは4〜6の整数である。上記一般式(2)中、各Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、mは0又は1以上の整数である。)
組成物全体に対して上記シリコーンオイルを0.3質量%以上含むことが好ましい。
上記一般式(1)におけるRがメチル基であり、上記一般式(2)におけるRがメチル基であることが好ましい。
さらに、ポリエチレン微粒子を含むことが好ましい。
上記ポリエチレン微粒子の体積中位粒子径D50は、2.0〜10μmであることが好ましい。
本発明によれば、プラスチックフィルムや合成紙へ印刷した場合であっても印刷物の十分な耐摩擦性を得ることのできる、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物が提供される。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物の一実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の範囲において適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物は、オフセット印刷に適用されるインキ組成物であり、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射を受けて硬化する能力を備える。後述するように、本発明のインキ組成物は、エチレン性不飽和結合を備えた化合物(モノマーやオリゴマー等)と光重合開始剤とを含有し、活性エネルギー線の照射を受けた際に光重合開始剤から生じたラジカルがエチレン性不飽和結合を備えた化合物を高分子量化させることで硬化する。そのため、印刷直後に印刷物の表面でべたついているインキ組成物に活性エネルギー線が照射されると、瞬時にこのインキ組成物が硬化して皮膜となり、乾燥(タックフリー)状態となる。
本発明のインキ組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線は、後述する光重合開始剤における化学結合を開裂させてラジカルを生じさせるものであればよい。このような活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が例示される。これらの中でも、装置のコストや扱いやすさという観点からは、活性エネルギー線として紫外線が好ましく例示される。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、その波長としては、用いる光重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜決定されればよいが、380nm以下を挙げることができる。このような紫外線を発生させる紫外線照射装置としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、希ガスを封入したエキシマランプ、紫外線発光ダイオード(LED)等を挙げることができる。
本発明のインキ組成物は、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含み、さらに、上記一般式(1)で表される環状シロキサン化合物及び/又は25℃における動粘度が3000mm/s以上であり上記一般式(2)で表される化合物、からなるシリコーンオイルを含むことを特徴とする。また、本発明のインキ組成物は、着色成分(本発明において、インキ組成物に白色や金属色を付与する成分も着色成分に含めるものとする。)を含んでもよい。本発明のインキ組成物が着色成分を含む場合には、そのインキ組成物は例えば画像や文字等の印刷用途に用いることができるし、本発明のインキ組成物が着色成分を含まない場合には、そのインキ組成物は例えばコーティング等の用途に用いることができる。以下、各成分について説明する。
[エチレン性不飽和結合を備えた化合物]
エチレン性不飽和結合を備えた化合物は、後述する光重合開始剤より生じたラジカルによって重合して高分子量化する成分であり、モノマーやオリゴマー等と呼ばれる成分である。また、オリゴマーよりもさらに高分子量であるポリマーについてもエチレン性不飽和結合を備えたものが各種市販されている。このようなポリマーも上記モノマーやオリゴマーによって、又は当該ポリマー同士によって架橋されて高分子量化することができる。そこで、こうしたポリマーを、上記モノマーやオリゴマーとともにエチレン性不飽和結合を備えた化合物として用いてもよい。
モノマーは、エチレン性不飽和結合を有し、上記のように重合して高分子量化する成分であるが、重合する前の状態では比較的低分子量の液体成分であることが多く、樹脂成分を溶解させてワニスとする際の溶媒とされたり、インキ組成物の粘度を調節したりする目的にも用いられる。モノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ備える単官能モノマーや、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上備える2官能以上のモノマーが挙げられる。2官能以上のモノマーは、インキ組成物が硬化するのに際して分子と分子とを架橋することができるので、硬化速度を速めたり、強固な皮膜を形成させたりするのに寄与する。単官能のモノマーは、上記のような架橋能力を持たない反面、架橋に伴う硬化収縮を低減させるのに寄与する。これらのモノマーは、必要に応じて各種のものを組み合わせて用いることができる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキルアクリレート、(メタ)アクリル酸、エチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリオロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等を挙げることができる。これらの単官能モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味する。
2官能以上のモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー;トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のモノマー;等を挙げることができる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA;3官能)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DITMPTA;4官能)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA;6官能)、グリセリンプロポキシトリアクリレート(GPTA;3官能)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;2官能)等を好ましく挙げることができる。これらの2官能以上のモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オリゴマーは、上記のように重合して高分子量化する成分であるが、もともとが比較的高分子量の成分であるので、インキ組成物に適度な粘性や弾性を付与する目的にも用いられる。オリゴマーとしては、エポキシ樹脂等といったエポキシ化合物に含まれるエポキシ基を酸や塩基で開環させた後に生じる水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるエポキシ変性(メタ)アクリレート、ロジン変性エポキシアクリレート、二塩基酸とジオールとの縮重合物の末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるポリエステル変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル化合物の末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるポリエーテル変性(メタ)アクリレート、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との縮合物における末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるウレタン変性(メタ)アクリレート等を挙げることができる。このようなオリゴマーは市販されており、例えば、ダイセル・サイテック株式会社製のエベクリルシリーズ、サートマー社製のCN、SRシリーズ、東亜合成株式会社製のアロニックスM−6000シリーズ、7000シリーズ、8000シリーズ、アロニックスM−1100、アロニックスM−1200、アロニックスM−1600、新中村化学工業株式会社製のNKオリゴ等の商品名で入手することができる。これらのオリゴマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン性不飽和結合を備えたポリマーは、上述のモノマーやオリゴマーとともに高分子量化する成分であり、活性エネルギー線が照射される前から大きな分子量を備えているので、インキ組成物の粘弾性の向上に役立つ成分である。このようなポリマーは、例えば、低粘度の液体であるモノマー中に溶解又は分散された状態で用いられる。エチレン性不飽和結合を備えたポリマーとしては、ポリジアリルフタレート、未反応の不飽和基を備えたアクリル樹脂、アクリル変性フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、ポリジアリルフタレートは、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性が特に優れているので好ましく用いることができる。
インキ組成物中における、エチレン性不飽和結合を備えた化合物の含有量は、30〜60質量%が好ましく、35〜50質量%がより好ましい。エチレン性不飽和結合を備えた化合物の含有量が上記の範囲であることにより、良好な硬化性と良好な印刷適性とを両立できる。また、上記モノマーとオリゴマーとの比率は、質量比で、モノマー:オリゴマー=4:1〜1:4が好ましく、モノマー:オリゴマー=3:1〜1:3がより好ましい。モノマーとオリゴマーとの比率が上記の範囲であることにより、良好な硬化性と印刷適性とを両立できる。また、エチレン性不飽和結合を備えたポリマーの含有量としては、0〜50質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましく、0〜20質量%がさらに好ましい。ポリマーの含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物に適度な粘弾性を付与してミスチング等の発生を抑制できるとともに、インキ組成物の良好な硬化性を確保することができるので好ましい。
[光重合開始剤]
光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射を受けてラジカルを発生させる成分であり、生じたラジカルが上記エチレン性不飽和結合を備えた化合物を重合させ、インキ組成物を硬化させる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを生じさせるものであれば特に限定されない。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス−2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンジル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。このような光重合開始剤は市販されており、例えばBASF社からイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア184、イルガキュア379、イルガキュア819、TPO等の商品名で、Lamberti社からDETX等の商品名で入手することができる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
インキ組成物中における光重合開始剤の含有量としては、1〜20質量%が好ましく挙げられ、3〜15質量%がより好ましく挙げられ、5〜13質量%がさらに好ましく挙げられる。インキ組成物中における光重合開始剤の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物の十分な硬化性と、良好な内部硬化性やコストとを両立できるので好ましい。
[シリコーンオイル]
本発明のインキ組成物は、下記に説明する特定のシリコーンオイルを含むことを特徴とする。本発明のインキ組成物は、このようなシリコーンオイルを含むことにより、通常の印刷用紙の場合は勿論、プラスチックフィルムやユポ(登録商標)等の合成紙のような液体吸収性に乏しい媒体に印刷した場合であっても、印刷物における良好な耐摩擦性が得られ、かつブロッキングを抑制することができる。
本発明のインキ組成物に用いられるシリコーンオイルは、下記一般式(1)で表される環状シロキサン化合物及び/又は25℃における動粘度が3000mm/s以上であり下記一般式(2)で表される化合物、からなる。
Figure 2018090718
上記一般式(1)中、各Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基である。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましく挙げられ、全てのRがメチル基であることが特に好ましく挙げられる。nは4〜6の整数である。
上記一般式(2)中、各Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基である。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましく挙げられ、全てのRがメチル基であることが特に好ましく挙げられる。mは0又は1以上の整数である。
上記一般式(2)で表される化合物からなるシリコーンオイルを用いる場合、25℃における動粘度が3000mm/s以上のものを用いる。本発明者らの検討によれば、25℃における動粘度が3000mm/s未満のシリコーンオイルを含むインキ組成物では耐摩擦性が十分に付与されず、実用上問題を生じる可能性があるためである。上記一般式(2)で表される化合物からなるシリコーンオイルの25℃における動粘度は、5000mm/s以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましく、15000mm/s以上であることがさらに好ましく、20000mm/s以上であることがさらに好ましく、30000mm/s以上であることが特に好ましい。本発明者らの検討によれば、上記一般式(2)で表される化合物からなるシリコーンオイルの25℃における動粘度は高ければ高いほどよく、その傾向は150000mm/s以上まで続くことが確認されている。このような動粘度を備えたシリコーンオイルは、シリコーンオイルのメーカーから動粘度に応じて各種のグレードに分類されて販売されているので、メーカーのカタログ値を参考にして入手することができる。
上記一般式(1)で表される化合物からなるシリコーンオイルを用いる場合、25℃における動粘度の大きさの如何を問わず、ブロッキングに対する良好な抑制効果をインキ組成物に付与することができる。上記一般式(1)で表される化合物からなるシリコーンオイルを用いる場合、その化合物としては、環中に4個の珪素原子を備えたオクタメチルシクロテトラシロキサン、環中に5個の珪素原子を備えたデカメチルシクロペンタシロキサン、環中に6個の珪素原子を備えたドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が好ましく挙げられる。
上記のシリコーンオイルの組成物全体に対する添加量は、0.3質量%以上が好ましく0.5質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上がさらに好ましい。シリコーンオイルの添加量がこのような条件を満たすことにより、印刷後における十分な耐摩擦性を得ることができるので好ましい。また、同添加量の上限は特にないが、10質量%程度を挙げることができる。
[ポリエチレン微粒子]
本発明のインキ組成物は、上記の各成分に加えて、ポリエチレン(以下、PEとも呼ぶ。)の微粒子を含むことが好ましい。インキ組成物に上記シリコーンオイルとPE微粒子とが添加されることにより、印刷後のブロッキングがより一層抑制されるので好ましい。ブロッキングとは、仮乾燥状態になっている印刷物を棒積みや巻き取りの状態で保管した際に、印刷物の表面と、そのすぐ上に存在する印刷物の裏面とが接着された状態になる現象のことであり、このような状態になると、印刷物を一枚一枚剥がすのに大変な労力を要したり、場合によっては印刷物が使用不能になってしまったりすることがある。こうした現象もまた、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を用いて液体吸収性をもたないプラスチックフィルムやユポ(登録商標)等の合成紙に対して印刷を行った際にしばしば観察されるものである。
PE微粒子は、各メーカーからパウダーワックスとして市販されているのでそれを用いればよい。PE微粒子の体積中位粒子径D50は、2.0〜10μmであるものが好ましく用いられ、2.0〜6.0μmであるものがより好ましく用いられる。ここで、積中位粒子径D50とは、この値より小さい粒子の体積合計と、この値より大きい粒子の体積合計とが、全体の体積合計の各々50%ずつである値を示すものである。PE微粒子のインキ組成物全体に対する添加量としては、1〜8質量%が好ましく挙げられ、1〜5質量%がより好ましく挙げられる。
[着色成分]
本発明のインキ組成物には、必要に応じて着色成分を添加することができる。着色成分は、インキ組成物に着色力や隠蔽力等を付与するために添加される成分であり、着色顔料、白色顔料、金属パウダー等が挙げられる。このような着色成分としては、従来からインキ組成物に使用されている有機及び/又は無機顔料を特に制限無く挙げることができる。なお、本発明のインキ組成物が着色成分を含まない場合にはコーティング用途等に好ましく用いられる。
着色成分としては、ジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエロー等のイエロー顔料、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウオッチングレッド等のマゼンタ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー等のシアン顔料、カーボンブラック等の黒色顔料、酸化チタン等の白色顔料、アルミニウムペースト、ブロンズパウダー等の金属パウダー等が例示される。
着色成分の含有量としては、インキ組成物の全体に対して8〜30質量%程度が例示されるが、特に限定されない。なお、着色されたインキ組成物を調製する場合、補色として他の色の着色成分を併用したり、他の色のインキ組成物を添加したりすることも可能である。
[その他の成分]
本発明のインキ組成物には、上記の各成分に加えて、必要に応じて他の成分を添加することができる。このような成分としては、体質顔料、樹脂成分、重合禁止剤、分散剤、リン酸塩等の塩類、ポリエチレン系ワックス・オレフィン系ワックス・フィッシャートロプシュワックス等のワックス類、アルコール類、植物油や鉱物油等の油成分等が挙げられる。
体質顔料は、インキ組成物に適度な印刷適性や粘弾性等の特性を付与するための成分であり、インキ組成物の調製において通常用いられる各種のものを用いることができる。このような体質顔料としては、クレー、カオリナイト(カオリン)、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素(シリカ)、ベントナイト、タルク、マイカ、酸化チタン等が例示される。こうした体質顔料の添加量としては、インキ組成物全体に対して0〜33質量%程度が例示されるが、特に限定されない。
樹脂成分は、インキ組成物に適度な印刷適性や粘弾性等の特性を付与するのに寄与する成分である。このような樹脂成分としては、従来から印刷用のインキ組成物用途に用いられてきた各種の樹脂を挙げることができるが、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性を有するものであることが好ましく、スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、植物油変性アルキド樹脂、石油樹脂等を挙げることができる。
スチレン−アクリル樹脂は、スチレンとアクリル酸エステルとの共重合体であり、市販のものを各種用いることができる。スチレン−アクリル樹脂を用いる場合、固形であるスチレン−アクリル樹脂を上記モノマーに溶解させてワニスとし、それをインキ組成物の調製の際に添加して用いるのが簡便である。この場合、ワニス中におけるスチレン−アクリル樹脂の含有量としては、ハンドリング性等を考慮して適宜決定されればよいが、一例として5〜50質量%程度を挙げることができる。
インキ組成物中に樹脂成分を添加する場合、インキ組成物中におけるその含有量は、5〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。樹脂成分の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物に適度な粘弾性を付与してミスチング等の発生を抑制できるとともに、インキ組成物の良好な硬化性を確保することができるので好ましい。
重合禁止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン等のフェノール化合物や、酢酸トコフェロール、ニトロソアミン、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン等を好ましく例示することができ、中でもブチルヒドロキシトルエンをより好ましく例示することができる。インキ組成物にこのような重合禁止剤が添加されることにより、保存時に重合反応が進行してインキ組成物が増粘するのを抑制できる。インキ組成物中の重合禁止剤の含有量としては、0.1〜1質量%程度を例示することができる。
分散剤は、インキ組成物中に含まれる着色成分や体質顔料を良好な状態に分散させるために用いられる。このような分散剤は、各種のものが市販されており、例えばビックケミー・ジャパン株式会社製のDISPERBYK(商品名)シリーズ等を挙げることができる。
上記の各成分を用いて本発明のインキ組成物を製造するには、従来公知の方法を適用できる。このような方法としては、上記の各成分を混合した後にビーズミルや三本ロールミル等で練肉して顔料(すなわち着色成分及び体質顔料)を分散させた後、必要に応じて添加剤(重合禁止剤、アルコール類、ワックス類等)を加え、さらに上記モノマー成分や油成分の添加により粘度調整することが例示される。インキ組成物における粘度としては、ラレー粘度計による25℃での値が10〜70Pa・sであることを例示できるが、特に限定されない。
以下に実施例を挙げて本発明のインキ組成物をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は質量部を意味する。
カーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA−70)18部、アルカリブルートナー7部、ポリエステルアクリレート(サイテック社製、EB436)33部、トリメチロールプロパントリアクリレート(3官能モノマー)12部、イルガキュア907(光重合開始剤、BASF社製)10部、及び4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(光重合開始剤)2部を混合した後、三本ロールミルで練肉し、インキベースを調製した。
上記の手順で得られたインキベースを表1に示す配合でシリコーンオイル、又はシリコーンオイル及びPEパウダーを添加して混合することにより、実施例1〜9、及び比較例1〜3のインキ組成物をそれぞれ得た。なお、表1に記載したシリコーンオイルAはポリジメチルシロキサン(上記一般式(2)の化合物のうち全てのRがメチル基のもの)であり、シリコーンオイルBはデカメチルシクロペンタシロキサン(上記一般式(2)の化合物のうち全てのRがメチル基でnが5のもの)であり、PEパウダー1はShamrock社製のS−349N1(体積中位粒子径D50:2.0〜6.0μm)であり、PEパウダー2はShamrock社製のS−349N5(体積中位粒子径D50:8.0〜10.0μm)である。なお、シリコーンオイルAについては動粘度の異なるもの各種用いたので、その25℃における動粘度(mm/s)を表1の「動粘度」欄に記した。また、表1に記載した各配合量はそれぞれ質量部を表す。
[耐摩擦性試験]
実施例1〜9、及び比較例1〜3のインキ組成物のそれぞれについて、印刷物とした後における印刷面の耐摩擦性試験を行った。インキ組成物の試料0.1ccをとりRI展色機(2分割ロール、株式会社明製作所製)を用いてPP(ポリプロピレン)フィルム(積水成型工業株式会社製、製品名:ポリセームPC−8162)に展色し、直ちに紫外線照射(メタルハライドランプ、照射量:36mJ/cm)を行って展色されたインキ組成物を硬化皮膜とした。これを室温で1分間放置した後、硬化皮膜(すなわち印刷面)の表面を学振型耐摩擦堅牢度試験機(荷重1kg、あて紙:上質紙)で10回擦った。擦った後における印刷面の状態を目視で観察し、下記の基準にて評価した。その評価結果を表1の「耐摩擦性」欄に示す。
◎:印刷面に全く傷がなく、きわめて良好
○:印刷面にわずかなかすり傷が観察されるが、実用上の問題はない
△:印刷面に目立つ傷が観察される
×:印刷面に皮膜の剥離が観察される
[ブロッキング評価]
実施例1〜9、及び比較例1〜3のインキ組成物のそれぞれについて、印刷物とした後における印刷面のブロッキング試験を行った。インキ組成物の試料0.1ccをとりRI展色機(2分割ロール、株式会社明製作所製)を用いて上記PPフィルムに展色し、直ちに紫外線照射(メタルハライドランプ、照射量:36mJ/cm)を行って展色されたインキ組成物を硬化皮膜とした。これを2枚作製し、1枚目の印刷面の表面に2枚目の裏面が接触するように2枚の印刷物を重ねてさらに上下10枚ずつの上質紙で挟み、500g/cmの荷重をかけながら25℃で24時間放置した。その後、重ねた2枚の印刷物を剥離し、その剥離の際の抵抗でブロッキングの有無を評価した。その評価結果を表1の「耐ブロッキング性」欄に示す。
◎:2枚を剥離する際に全く抵抗を感じない
○:2枚を剥離する際に僅かな抵抗を感じる
△:2枚を剥離する際にかなりの抵抗を感じる
×:2枚を剥離する際に印刷面の剥離を生じる
Figure 2018090718
表1に示すように、上記一般式(1)で表される化合物からなるシリコーンオイルを含むインキ組成物(実施例7)、又は上記一般式(2)で表される化合物からなるシリコーンオイルであって、その25℃における動粘度が3000mm/s以上であるものを含むインキ組成物(実施例1〜6、8、9)では、そうでないインキ組成物に比べて耐摩擦性及び耐ブロッキング性が向上することがわかる。また、本発明におけるシリコーンオイルを含むインキ組成物にPEパウダーを添加すると耐ブロッキング性がさらに向上し、その効果は、体積中位粒子径D50が2.0〜6.0μmであるPEパウダー1を用いたものの方がより大きくなることがわかる。

Claims (5)

  1. エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び光重合開始剤を含み、
    さらに、下記一般式(1)で表される環状シロキサン化合物及び/又は25℃における動粘度が3000mm/s以上であり下記一般式(2)で表される化合物、からなるシリコーンオイルを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
    Figure 2018090718
    (上記一般式(1)中、各Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、nは4〜6の整数である。上記一般式(2)中、各Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、mは0又は1以上の整数である。)
  2. 組成物全体に対して前記シリコーンオイルを0.3質量%以上含む請求項1記載の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
  3. 前記一般式(1)におけるRがメチル基であり、前記一般式(2)におけるRがメチル基である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
  4. さらに、ポリエチレン微粒子を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
  5. 前記ポリエチレン微粒子の体積中位粒子径D50が2.0〜10μmである請求項4記載の活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物。
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