JP2009114358A - Ctp版用オフセット印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷時の汚れが発生しやすいCTP版を使用したオフセット印刷において、汚れの発生を防止し、かつローラーストリップ現象の発生を防止できるCTPオフセット印刷用インキ組成物を得ることを目的とする。
【解決手段】少なくとも顔料、バインダー樹脂、溶剤及び整面剤を含有するCTP版用オフセット印刷インキ組成物において、上記整面剤が水溶性硝酸塩であることを特徴とするCTP版用オフセット印刷インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はオフセット印刷用インキ組成物に関し、特にCTP印刷版を使用したオフセット印刷において、効果的に印刷物の汚れを防止することができるインキ組成物に関する。
オフセット印刷では、インキを付着させる親油性の部位(画像部)とインキを付着させない親水性の部位(非画像部)を設けた印刷版を用いて、非画像部に予め湿し水と呼ばれる水性成分を供給し、その後、油性のインキを画像部のみに選択的に付着させて印刷する。従来、オフセット印刷に使用する印刷版の作成にあたっては、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構造からなるいわゆるPS版が利用されてきた。
この場合、感光性樹脂は露光により硬化又は分解する材料であり、露光後、硬化するタイプ(ネガ)では未露光部分が、一方、分解するタイプ(ポジ)では露光部分がアルカリ現像剤で除去されるようになっている。そして、印刷画像に応じてネガ又はポジで網点画像が焼き付けられた製版フィルムを用いて、PS版の画像部の感光性樹脂層が残るように露光し、アルカリ現像液で非画像部の樹脂層を溶解除去する方法により印刷版が得られる。
しかし、近年、コンピューターを用いて画像情報を電子的に処理、蓄積、出力するデジタル化技術が広く普及している。そこで、コンピューターの画像情報をもとに、プレートセッターでレーザー光を画像部だけに直接照射・露光して印刷版を作成する、CTP(コンピュータートゥープレート)という製版方法が広く用いられるようになっている。この方法によれば、PS版の露光のために必要だった製版フィルムを使用せずに製版することができるので、製版時間が短縮され、コストも低減される。このことからCTP製版は、速報性が重視される新聞印刷はもとより、小部数印刷への対応が求められる商業印刷においてもメリットが大きく、普及が進んでいる。
また、CTP印刷版は、レーザー光を直接版面に照射して製版するため、従来の製版フィルムを介して製版する方法と比較して、光の回折や干渉が起こらない分、画像部の網点の配置が正確で太りや細りをなくすことができ、高精細な印刷物が得られるというメリットも併せ持つ。
ところで、CTP製版はこうしたメリットが大きい一方で、印刷において紙面の汚れを生じやすいという課題を有している。なぜなら、CTP製版で使用される版材は、従来使用されてきたPS版よりも保水能力が小さく、非画像部にインキが付着しやすいからである。近年、高精細な印刷物を得るために、印刷版に供給する湿し水の量を少なくする傾向が顕著であるので、なおさらCTP製版で作成された印刷版(以下、CTP版とも略記する。)を使用した際の汚れが発生しやすい状況にあるといえる。
こうした問題を解決するためには、オフセット印刷用インキ組成物に整面剤と呼ばれる成分を添加することが有効である。整面剤がどのように非画像部の汚れを防止するかは必ずしも明らかではないが、一般的な説明として、印刷版の非画像部であるアルミ表面に整面剤が結合し、その部分の保水能力を高めることで汚れを防止しているといわれている。このような整面剤としては、従来、塩類が広く用いられ、中でも保水能力を高める効果が高いリン酸化合物の塩が広く用いられてきた(例えば、特許文献1を参照。)。
しかし、上記の通り、CTP版はPS版と比較して保水能力が小さいという傾向があるので、汚れを防止するためにはどうしてもリン酸化合物の塩の量を増量しなければならない。すると、汚れは防止されても、リン酸化合物の塩が印刷機のローラーを親水化して、ローラーにインキが付着しなくなるローラーストリップ現象が発生するといった問題が新たに生じることになる。
特開平9−12952号公報(段落0005)
そこで、本発明は、CTP版を使用したオフセット印刷(本発明において、単に「CTPオフセット印刷」ということもある。)において汚れの発生を防止し、かつローラーストリップ現象の発生を抑制できるCTP版用オフセット印刷インキ組成物を得ることを目的とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、整面剤として特に水溶性硝酸塩化合物を使用することにより、CTPオフセット印刷における汚れを効果的に防止することができ、かつローラーストリップの発生といった問題の発生を防止できることを見出したことにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)少なくとも顔料、バインダー樹脂、溶剤及び整面剤を含有するCTP版用オフセット印刷インキ組成物において、上記整面剤が水溶性硝酸塩であることを特徴とするCTP版用オフセット印刷インキ組成物に関する。
また本発明は、(2)上記水溶性硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム及び硝酸バリウムからなる群より選択される少なくとも1種である上記(1)項記載のCTP版用オフセット印刷インキ組成物に関する。
また本発明は、(3)上記水溶性硝酸塩の含有量が0.01〜2質量%である上記(1)項又は(2)項記載のCTP版用オフセット印刷インキ組成物に関する。
また本発明は、(4)CTP製版方法により作成された印刷版を用いて、上記(1)項〜(3)項のいずれか1項記載のCTP版用オフセット印刷インキ組成物を印刷して得られることを特徴とする印刷物に関する。
上記構成の本発明のインキ組成物は、整面剤として水溶性硝酸塩を使用するという特徴によって、通常のインキ組成物では汚れの発生しやすいCTP版を用いたオフセット印刷において、顕著に汚れの発生を抑制することができる。したがって、当該インキ組成物を使用してCTP版でオフセット印刷をすることにより、非画像部の汚れが充分に防止された、鮮明な印刷物を得ることができる。このことは本発明の効果の一つである。
なお、本発明のインキ組成物を使用すると非画像部の汚れが低減されるので、ユーザーは意図的に湿し水量を少なくして印刷することができることになる。すると、インキの乳化が抑制されて印刷再現性が向上するので、高精細であるという前述のCTP印刷版の特徴をより際立たせることが可能である。このことも本発明の効果の一つである。
そして対象となる印刷分野は、CTP版を使用したオフセット印刷であれば、商業印刷、新聞印刷のいずれでも良い。特に、新聞印刷等のロングラン印刷によって版面の温度が高くなると、湿し水が蒸発するのに伴って非画像部にインキが付着しやすくなるが、本発明のインキ組成物を使用するとそのような状況でも汚れの少ない印刷物が得られる。このことも本発明の効果の一つである
以下、本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物について更に詳細に説明する。
本発明のインキ組成物はCTPオフセット印刷に使用されるものである。本発明のインキ組成物は、一般のオフセット印刷にも使用することはできるが、整面剤として水溶性硝酸塩を使用するという本発明の特徴によって、通常のインキ組成物では汚れの発生しやすいCTPオフセット印刷において汚れを顕著に防止することができる。なお、本発明において、「CTPオフセット印刷」とは、CTP製版方法により作成された印刷版を用いて行うオフセット印刷のことをいう。
顔料、バインダー樹脂、溶剤及び水溶性硝酸塩(整面剤)を含む本発明のインキ組成物の各構成材料について、以下説明する。
本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物を得るために使用する顔料としては、通常のオフセット印刷インキで一般的に用いられる無色又は有色の、無機又は有機顔料が使用でき、具体的には、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、有機ベントナイト、カオリナイトクレー、二酸化珪素、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料等が例示できる。これらの顔料は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明において、インキ組成物中の顔料の含有量は5〜50質量%が適量である。
本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物を構成するバインダー樹脂としては、通常のオフセット印刷インキで一般的に用いられるバインダー樹脂が使用でき、具体的には、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂等の各種フェノール樹脂、石油樹脂、各種アルキッド樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂、これらの乾性油変性樹脂、ギルソナイト樹脂等が例示できる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記バインダー樹脂のなかでも、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂が好ましく、ロジン変性フェノール樹脂が特に好ましい。
上記ロジン変性フェノール樹脂としては、例えば、ロジン類又はその誘導体と、フェノールアルデヒド付加縮合物(いわゆるレゾール)と、更に必要に応じて多価アルコールとの反応によって得られるものが挙げられる。ここで、上記ロジン類又はその誘導体としては、ロジン類又はそのカルボキシル基含有誘導体であることが好ましい。上記ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、水添ロジン又はこれらの重合物等が挙げられ、その誘導体としては、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸を添加したロジン誘導体等のカルボキシル基含有誘導体等が挙げられる。
本発明において、インキ組成物中のバインダー樹脂の含有量は10〜40質量%が適量である。
なお、上記バインダー樹脂は、必要に応じて、適量のゲル化剤(バインダー樹脂に対して15質量%以下程度)を使用し、樹脂を架橋させることができる。このような場合に使用するゲル化剤としては、アルミニウムアルコラート類、アルミニウムキレート化合物等が挙げられ、好ましい具体例としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、エチルアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート等が例示できる。
本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物を構成する溶剤としては、上記バインダー樹脂を溶解することができるものであれば、植物油由来のもの、鉱物油由来のものを問わず使用することができ、これらは単独又は複数を組み合わせて使用することができる。
上記植物油由来の溶剤としては、植物油そのもの、又は植物油を原料とする脂肪酸エステルや重合油が挙げられる。これらは単独で使用することも可能であるし、複数を組み合わせて使用することもできる。
上記植物油としては、アマニ油、桐油、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、パーム油等、乾性油、不乾性油を問わず使用することができるが、印刷後に印刷物を空気酸化によって乾燥させる場合には乾性油や半乾性油が好適に使用される。上記脂肪酸エステルとしては、脂肪酸モノアルキルエステル化合物等が挙げられる。上記脂肪酸モノアルキルエステル化合物を構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和又は不飽和脂肪酸(ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等)が例示できる。上記脂肪酸モノアルキルエステル化合物を構成するアルコール由来のアルキル基としては、炭素数1〜10のもの(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル)が例示できる。
上記植物油由来の溶剤の中でも、アマニ油、桐油、大豆油はオフセットインキ組成物用として好ましく使用され、更にその中でも大豆油は一定量使用することにより、環境対応製品を示すアメリカ大豆油協会のソイシール認定を受けることができるといった利点もある。これらは単独で使用することも可能であるし、複数を組み合わせて使用することもできる。
上記鉱物油由来の溶剤としては、鉱物油そのもの、又は石油系溶剤が挙げられる。中でも、オフセット印刷用溶剤として使用されている水と相溶しない沸点160℃以上、とりわけ200℃以上のものが好適に使用できる。具体的には、軽油、スピンドル油、マシン油、シリンダー油、テルペン油、ミネラルスピリット等の鉱物油;n−パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤、α−オレフィン系等の石油系溶剤が例示でき、これらの溶剤は、単独で又は2種以上を併用して使用できる。なお、近年の環境問題等から非芳香族系溶剤を使用することが好ましい。
本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物中の溶剤の含有量は、好ましくは30質量%以上で、より好ましくは30〜60質量%である。
本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物を構成する整面剤としては、水溶性硝酸塩が使用される。水溶性硝酸塩を使用することにより、非画像部へのインキの付着を抑制できるため、CTPオフセット印刷において、汚れの発生を顕著に防止できる。また、水溶性硝酸塩を使用することにより、ローラーストリップ現象の発生も防止できる。
本発明で使用される水溶性硝酸塩とは、水に対する溶解度がおおむね10〔飽和溶液100g中に含まれる硝酸塩(無水物)の質量(g);25℃〕以上の硝酸塩化合物である。このような化合物としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム等のアルカリ金属の硝酸塩;硝酸バリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸ベリリウム等のアルカリ土類金属の硝酸塩;硝酸アルミニウム、硝酸亜鉛、硝酸ジルコニウム、硝酸ニッケル、硝酸マンガン、硝酸クロム、硝酸銅、硝酸銀、硝酸インジウム、硝酸コバルト、硝酸ビスマス、硝酸錫、硝酸セリウム等の水溶性金属硝酸塩;硝酸アンモニウム;硝酸尿素等が例示される。
なかでも、入手の容易性やコストの面から、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウムが好ましく使用される。これらは単独でも複数組み合わせても使用可能である。
本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物中の水溶性硝酸塩の含有量は0.01〜2質量%であれば良好な効果が得られ、より好ましくは0.03〜1質量%であり、更に好ましくは0.03〜0.3質量%である。
更に本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物には、上記の構成材料以外に必要に応じて、顔料分散剤、耐摩擦性向上剤、裏移り防止剤、酸化防止剤、非イオン系界面活性剤、ドライヤー等の添加剤を適宜使用することができる。
次に、上記構成材料を含有するCTP版用オフセット印刷インキ組成物の製造法について説明する。
本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物を製造するには、従来公知の製造方法(ドライグラインド法、フラッシング法等)が使用できる。
例えば、(1)バインダー樹脂、溶剤、必要に応じてゲル化剤を加熱することで予め油性印刷インキ用ワニスを調整しておく。次いで、油性印刷インキ用ワニスに、乾燥した顔料、必要に応じて溶剤、顔料分散剤を加え、ビーズミルや3本ロールミル等で練肉分散させることにより油性印刷インキ用ベースを得る。更に、油性印刷インキ用ベースに、水で溶解した水溶性硝酸塩を添加し、必要に応じて油性印刷インキ用ワニス、溶剤、添加剤を加え所定の粘度に調整する方法、(2)バインダー樹脂、溶剤、必要に応じてゲル化剤を加熱することで予め油性印刷インキ用ワニスを調整しておく。顔料の水懸濁液(含水ケーキ、又は乾燥顔料に水を加えて水懸濁液としたもの)に油性印刷インキ用ワニスを加えて、フラッシャー(ニーダー)又は脱溶媒する機構を有する攪拌装置等でフラッシングし、フラッシングした組成物中の水の含有量が、好ましくは2質量%以下となるまで、脱水させる。次いで、脱水した組成物に、必要に応じて、油性印刷インキ用ワニス等を加え、ビーズミルや3本ロールミル等で練肉分散させることにより油性印刷インキ用ベースを得る。更に、油性印刷インキ用ベースに、水で溶解した水溶性硝酸塩を添加し、必要に応じて油性印刷インキ用ワニス、溶剤、添加剤を加え所定の粘度に調整する方法が挙げられる。なお、(1)、(2)、或いはその他のいずれの製法においても、水溶性硝酸塩は水で溶解した状態で添加する他に、油性印刷インキ用ワニス中に水溶性硝酸塩をロールミル等で分散させてコンパウンドとしたものを添加することもできるし、水溶性硝酸塩を固体のままインキに添加してロールミル等で分散混合することもできる。
更に、本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物を、通常の湿し水を利用するCTPオフセット印刷方式で、塗工紙、微塗工紙、上質紙、中質紙等の印刷基材に印刷して印刷物を得る。このようにして得られる印刷物は、非画像部の汚れが充分に防止された、美粧な印刷物である。CTP印刷版は高精細であることも特徴の一つであるが、本発明のインキ組成物を使用することにより印刷中の湿し水量を少なくして再現性よく印刷することができるので、このようなCTP印刷版の特徴をより際立たせることも可能である。
本発明のCTP版用オフセット印刷インキ組成物は、上述した構成よりなるので、CTPオフセット印刷において顕著に汚れを防止できる。また、湿し水量を少なくして高精細印刷を行うことも可能である。更に、整面剤の使用に起因するローラーストリップ現象の発生を防止できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
製造例1
<オフセット印刷インキ用ワニスの製造>
コンデンサー、温度計及び攪拌機を装着した四つ口フラスコに、ロジン変性フェノール樹脂、大豆油、石油系溶剤(新日本石油株式会社製アロマフリーソルベント7号)を下記配合となるように仕込み、200℃に昇温した後、同温度で1時間加熱攪拌し、オフセット印刷インキ用ワニスを得た。
(配合比率)
ロジン変性フェノール樹脂(KG−1804:荒川化学工業株式会社製):50部、大豆油:10部、石油系溶剤:40部 合計100部
製造例2
<オフセット印刷用ベースインキ組成物の製造>
カーミン6B(住化カラー株式会社製顔料)、製造例1で得られたオフセット印刷インキ用ワニスを下記配合で混合し、ビーズミル、3本ロールミルで順次混練した。次いで、大豆油、石油系溶剤を下記配合となるように仕込み、攪拌し、オフセット印刷用ベースインキ組成物を得た。
(配合比率)
オフセット印刷インキ用ワニス:54.6部、顔料:16部、大豆油:1.5部、石油系溶剤:27.9部 合計:100部
実施例1〜6、比較例1〜3
<オフセット印刷用インキ組成物の製造>
製造例2で得られたオフセット印刷用ベースインキ組成物に、インキ組成物全体質量に対して整面剤純分として表1の配合%となるように整面剤の50%水溶液を仕込み、攪拌し、実施例1〜6、比較例1〜3のオフセット印刷用インキ組成物を得た。
[耐汚れ性評価試験]
実施例1〜6、比較例1〜3のオフセット印刷用インキ組成物の耐汚れ性を、東浜精機株式会社製5N−600型印刷実験機で実際に印刷して評価した。印刷試験は、湿し水供給量を一定にした状態で実施し、印刷紙面に汚れが生じるか否かによって判定した。CTP版で印刷した場合と、PS版(従来版)で印刷した場合の試験の結果をそれぞれ表1に示す。ここで、表中の耐汚れ性の評価基準については、非画像部全体に占める汚れの部分の面積が0割(汚れ無し)の場合は○、汚れの部分の面積が0割を超え3割未満の場合は△、汚れの部分の面積が3割以上の場合は×とした。印刷試験を実施した際の条件は以下の通りである。
印刷機:5N−600型印刷実験機(湿し水機構:スプレー給水方式)(東浜精機株式会社製)
印刷版:PS版;V−NN(富士フイルム株式会社製)
CTP版;HN−N(富士フイルム株式会社製)
湿し水:エコセブン N−1(湿し水中濃度0.7容量%)(サカタインクス株式会社製)
印刷速度:12万部/時
温度/湿度:25℃/60%
印刷用紙:超軽量新聞用紙(王子製紙株式会社製)
[耐ローラーストリップ性能試験]
ローラーストリップについては、上記印刷試験におけるローラーストリップ発生時の印刷部数で評価した。その結果を表1に示す。なお、表1において「未発生」とは、10000部印刷してもローラーストリップが発生しなかったことを意味する。
Figure 2009114358
表1に示す通り、整面剤としてピロりん酸カリウムを使用したインキ組成物では、PS版使用時には汚れが発生しないものの、CTP版使用時には汚れが発生した(比較例1、2)。そして、この汚れを解消するために整面剤を増量すると汚れは解消するものの、今度はローラーストリップが発生した(比較例3)。これに対して、整面剤として水溶性硝酸塩を使用すると、CTP版使用時でも汚れが発生しなかった(実施例1〜6)。更に、整面剤として水溶性硝酸塩を使用した場合には、ピロりん酸カリウムでローラーストリップが発生した濃度の整面剤を添加してもローラーストリップは発生しなかった。このことから、水溶性硝酸塩を整面剤として添加したオフセット印刷用インキ組成物は、保水能力が小さく汚れの発生しやすいCTP版を使用した印刷に特に適することが示された。
整面剤として水溶性硝酸塩を使用した本発明のインキ組成物は、CTP版を使用したオフセット印刷において格別の汚れ防止効果を有する。このため、PS版を使用した従来のオフセット印刷と同様の水量操作で印刷を行うことができる。対象となる印刷は、CTP版を使用した商業印刷又は新聞印刷のいずれでも良いが、ロングラン印刷を行う新聞印刷においてより顕著な効果を得ることができる。

Claims (4)

  1. 少なくとも顔料、バインダー樹脂、溶剤及び整面剤を含有するCTP版用オフセット印刷インキ組成物において、
    前記整面剤が水溶性硝酸塩である
    ことを特徴とするCTP版用オフセット印刷インキ組成物。
  2. 前記水溶性硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム及び硝酸バリウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のCTP版用オフセット印刷インキ組成物。
  3. 前記水溶性硝酸塩の含有量が0.01〜2質量%である請求項1又は2記載のCTP版用オフセット印刷インキ組成物。
  4. CTP製版方法により作成された印刷版を用いて、請求項1、2又は3記載のCTP版用オフセット印刷インキ組成物を印刷して得られることを特徴とする印刷物。
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