JP2017065126A - 加熱装置、乾燥装置、定着装置、画像形成装置及び画像形成システム - Google Patents

加熱装置、乾燥装置、定着装置、画像形成装置及び画像形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】加熱部材の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する構成で、部品点数の削減を図ることができる加熱装置、乾燥装置、定着装置、画像形成装置及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】搬送される被記録媒体Wに接触する上流側ヒートロール11Uと、上流用ヒータランプ14と、二つの非接触式温度センサ12及び接触式温度センサ13と、非接触式温度センサ12の検出結果に基づいて上流用ヒータランプ14の駆動を制御するヒータ制御部50と、を備える加熱装置である上流側加熱機構40において、演算装置51は、被記録媒体Wの搬送を停止しているときに、二つの非接触式温度センサ12の検出結果と、一つの接触式温度センサ13の検出結果と、を比較し、二つの非接触式温度センサ12の異常の有無を判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱装置、乾燥装置、定着装置、画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
従来、搬送される記録媒体等の加熱対象を加熱する加熱装置として、加熱対象に接触し、回転する筒状の加熱部材であるヒートロールと、ヒートロールの内部に配置され、ヒートロールに熱を付与する熱源であるヒータを備えたものがある。
例えば、特許文献1には、ヒートロールの表面温度を検出する非接触式温度センサを備え、非接触式温度センサの検出結果に基づいてヒータの駆動を制御する加熱装置(定着装置)が記載されている。この加熱装置は、非接触式温度センサをヒートロールの長手方向に複数備える。そして、ヒートロールの表面上における複数の非接触式温度センサのそれぞれの検出位置の近傍に、それぞれ接触するように複数の接触式温度センサを非接触式温度センサと同数備える。
特許文献1に記載の加熱装置では、所定のタイミングにおける複数の非接触式温度センサの検出値と、それぞれの検出位置の近傍に接触する接触式温度センサの検出値とを比較して、各非接触式温度センサの異常の有無を判断している。
しかしながら、複数の非接触式温度センサと、これと同数の接触式温度センサとを備える構成では、部品点数が多くなり、装置の大型化及び製造コストの増大に繋がる。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、搬送される加熱対象に接触する加熱部材と、前記加熱部材に熱を付与する熱源と、非接触で前記加熱部材の温度を検出する複数の非接触式温度検出手段と、接触して前記加熱部材の温度を検出する接触式温度検出手段と、前記非接触式温度検出手段の検出結果に基づいて前記熱源の駆動を制御する熱源駆動制御手段と、前記非接触式温度検出手段及び前記接触式温度検出手段の検出結果に基づいて、前記非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する温度検出異常検知手段とを備える加熱装置において、前記温度検出異常検知手段は、前記加熱対象の搬送を停止しているときに、前記複数の非接触式温度検出手段のうちの二以上の非接触式温度検出手段の検出結果と、一つの前記接触式温度検出手段の検出結果と、を比較し、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することを特徴とするものである。
本発明によれば、加熱部材の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する構成で、部品点数の削減を図ることができるという優れた効果がある。
実施形態1の上流側加熱機構の概略構成図。 実施形態1の画像形成システムの全体構成を示す説明図。 実施形態1の画像形成システムに用いられる乾燥装置の概略図。 複数のヒートロールを加熱する構成の説明図、(a)は、上流側ヒートロールと、下流側ヒートロールとの配置の説明図、(b)は、下流側加熱機構の模式図、(c)は、上流側加熱機構の模式図。 乾燥装置の制御系を示すブロック図。 非接触式温度センサの検出温度の経時変化の一例を示すグラフ。 被記録媒体が幅広である場合における上流側ヒートロールの二つの非接触式温度センサの検出温度の経時変化の一例を示すグラフ。 被記録媒体が幅広である場合の非接触式温度センサのベリファイチェック処理の制御を示すフローチャート。 被記録媒体が幅狭である場合における上流側ヒートロールの二つの非接触式温度センサの検出温度の経時変化の一例を示すグラフ。 被記録媒体が幅狭である場合の非接触式温度センサのベリファイチェック処理の制御を示すフローチャート。 変形例1における上流側ヒートロールの非接触式温度センサのベリファイチェック処理の制御を示すフローチャート。 変形例2における上流側ヒートロールの非接触式温度センサのベリファイチェック処理の制御を示すフローチャート。 変形例3における上流側ヒートロールの非接触式温度センサのベリファイチェック処理の制御を示すフローチャート。 実施形態2に係る画像形成装置の概略構成図。
〔実施形態1〕
以下、本発明を画像形成システムの加熱装置に適用した一つ目の実施形態(以下、「実施形態1」という)について説明する。
実施形態1では、加熱装置を備える画像形成システムとしてのインクジェット方式の印刷システムについて説明するがこれに限るものではない。
図2は、実施形態1の画像形成システム500の全体構成を示す説明図である。
画像形成システム500は、長尺状の連続紙等からなる被記録媒体Wに画像を形成するシステムである。
図2に示すように、画像形成システム500は、被記録媒体Wの搬送方向上流側から、給紙装置100、処理液塗布装置110、第一プリンタ120f、反転装置130、第二プリンタ120r、乾燥装置140及び後処理装置150を備える。
図2に示す画像形成システム500では、給紙装置100から繰り出された被記録媒体Wは、最初、処理液塗布装置110に送り込まれ、被記録媒体Wの表裏にそれぞれ処理液が塗布され塗布処理が行われる。次に塗布処理された被記録媒体Wは、インクジェットプリンタからなる第一プリンタ120fに送り込まれて、被記録媒体Wの表側にインク滴を吐出して所望の画像が形成される。その後に反転装置130により被記録媒体Wの表裏が反転され、引き続き被記録媒体Wはインクジェットプリンタからなる第二プリンタ120rに送り込まれて、被記録媒体Wの裏側にインク滴を吐出して所望の画像が形成される。次に、乾燥装置140に送り込まれて、被記録媒体Wの両面に対して加熱乾燥を実行した後、後処理装置150により巻き取られるシステムとなっている。
図3は、画像形成システム500に用いられる乾燥装置140の概略図であり、被記録媒体Wが搬送可能な状態を示している。
図3に示すように、乾燥装置140は、被記録媒体Wの搬送方向上流側からダンサー機構5、乾燥機構10、冷却機構20及び搬送機構30を備える。また、乾燥装置140内には、ローラの端部に軸受けを有し、回転自在のガイドローラ1(a〜j)が多数本設置されて、被記録媒体Wの搬送パスを確保している。
乾燥装置140内に到達した被記録媒体Wは、被記録媒体Wの弛みを吸収するダンサー機構5に搬送される。ダンサー機構5に搬送された被記録媒体Wは、回転自在な複数のダンサーローラ2(a〜b)ならびに複数のダンサーローラ2の間に配置されたガイドローラ1(a〜c)にわたって「W」型に巻き掛けられている。
ダンサー機構5は、乾燥装置140の筐体に対して上下方向に可動なダンサー可動フレーム3を備え、複数のダンサーローラ2はそれぞれローラ端部に設けた軸受けを介してダンサー可動フレーム3に回転自在に取り付けられて、ダンサーユニット4を構成している。従って、このダンサーユニット4は被記録媒体Wによって吊り下げられた状態になっている。
ダンサーユニット4は、ダンサー可動フレーム3によって重力方向に沿って移動可能になっており、ダンサー機構5は、このダンサーユニット4の位置を検出するダンサーユニット位置検出手段を備える。このダンサーユニット位置検出手段の出力に応じて搬送機構30が備える搬送ローラ31の駆動源を駆動制御することで、ダンサーユニット4の位置が調整できる構成になっている。
乾燥装置140内に被記録媒体Wが無い状態で被記録媒体Wを通紙する際は、ダンサーユニット4を上下方向の可動範囲の最上部(アッパリミット)まで上昇させておく。これにより、被記録媒体Wを「W」型に掛け回すダンサーローラ2(a〜b)とガイドローラ1(a〜c)の距離を狭めることができ、使用者による通紙作業が行い易い状態とすることができる。
ダンサー機構5を通過した被記録媒体Wは、乾燥機構10に到達する。
乾燥機構10は、駆動源を持たない複数のヒートロール11(11Ua〜11Ub、11La〜11Ld)を備える。複数のヒートロール11は、乾燥機構10内を下方から上方に向かう被記録媒体Wの搬送方向に沿って千鳥配置されている。複数のヒートロール11は回転自在に支持され、被記録媒体Wが掛け回された状態で搬送ローラ31が回転駆動し、被記録媒体Wが搬送されることで複数のヒートロール11が従動回転する。
ヒートロール11は、鉄やアルミニウム等の熱伝導率が高い材料からなる筒状部材であり、ヒートロール11の内部には、後述する熱源が配置されている。そして、後述する温度センサの検出結果に基づいて熱源を駆動することでヒートロール11の表面温度を制御し、ヒートロール11に接触する被記録媒体Wを加熱し、乾燥させることができる。
また、乾燥機構10は断熱壁101で囲まれており、熱が乾燥機構10の外部に伝達することを抑制する構成となっている。
乾燥機構10を通過した被記録媒体Wは、複数の冷却ローラ21(a〜d)を備えた冷却機構20に搬送される。冷却機構20に搬送された被記録媒体Wは、回転自在な複数の冷却ローラ21ならびに複数の冷却ローラ21の間に配置されたガイドローラ1(f〜i)にわたって「W」型に巻き掛けられている。
冷却機構20は、乾燥装置140の筐体に対して上下方向に可動な冷却可動フレーム22を備え、複数の冷却ローラ21はそれぞれローラ端部に設けた軸受けを介して冷却可動フレーム22に回転自在に取り付けられて、冷却ユニット24を構成している。従って、この冷却ユニット24は被記録媒体Wによって吊り下げられた状態になっている。
冷却ユニット24は、冷却可動フレーム22によって重力方向に沿って移動可能になっており、冷却機構20は、この冷却ユニット24の位置を検出する冷却ユニット位置検出手段を備える。
搬送中の被記録媒体Wを冷却する場合は、冷却ファン23の送風が被記録媒体Wに当たる面を広くするため、冷却ユニット24を下降方向へ駆動し、搬送中の固定位置にセットする。固定位置ではロック機構によって動かないように冷却ユニット24が固定された状態となる。
また、乾燥装置140内に被記録媒体Wが無い状態で被記録媒体Wを通紙する際は、ダンサーユニット4と同様に冷却ユニット24を上下方向の可動範囲の最上部(アッパリミット)まで上昇させておく。これにより、被記録媒体Wを「W」型に掛け回す冷却ローラ21(a〜d)とガイドローラ1(f〜i)の距離を狭めることができ、使用者による通紙作業が行い易い状態とすることができる。
冷却機構20を通過した被記録媒体Wは、搬送ローラ31を備えた搬送機構30に搬送される。
搬送機構30に搬送された被記録媒体Wは、モータなどの駆動源で回転駆動する搬送ローラ31と搬送ニップローラ32の間を通る。搬送ニップローラ32は、搬送ローラ31の軸方向に沿って複数個配置されており、搬送ニップローラ32はバネ等の付勢手段により搬送ローラ31側に押し付けられている。
図4は、複数のヒートロール11を加熱する構成の説明図である。
図4(a)は、乾燥装置140内での上流側ヒートロール11U(a〜b)と、下流側ヒートロール11L(a〜d)との配置の説明図である。図4(b)は、下流側ヒートロール11Lを含む下流側加熱機構45の模式図であり、図4(c)は、上流側ヒートロール11Uを含む上流側加熱機構40の模式図である。
図5は、実施形態1の画像形成システム500が備える乾燥装置140の制御系を示すブロック図である。
図1は、上流側ヒートロール11Uを用いて被記録媒体Wを加熱する上流側加熱機構40の概略構成図である。
図1、図4(b)及び図4(c)中の右側が乾燥装置140の図3中の手前側であり、
図1、図4(b)及び図4(c)中の左側が乾燥装置140の図3中の奥側である。
図4に示すように、乾燥装置140が備える六つのヒートロール11のうち、上流側の二つは、ヒータランプ(手前側ヒータランプ14f、奥側ヒータランプ14r)が軸方向中央を挟んで対称に配置された上流側ヒートロール11Uである。一方、下流側の四つは、ヒータランプ(長尺ヒータランプ15a、短尺ヒータランプ15b)が軸方向の一端側(奥側)に寄せて配置された下流側ヒートロール11Lである。
図1及び図4(c)に示すように、上流側ヒートロール11Uは、内部に熱源となる上流用ヒータランプ14(a、b)を備え、軸方向の手前側端部と奥側端部とのそれぞれに表面温度を検出する非接触式温度センサ12(f、r)を備える。また、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側端部の表面に接触して表面温度を検出する接触式温度センサ13を備える。
図5に示すように、ヒータ制御部50は、タイマ制御部52、目標温度制御部53及びメモリ54を備えた演算装置51を有する。
ヒータ制御部50は、上流側ヒートロール11Uの表面に対向配置された二つの非接触式温度センサ12(f、r)の検出結果に基づいて、二つの上流用ヒータランプ14(a、b)の駆動を制御し、上流側ヒートロール11Uの温度制御を行う。
また、接触式温度センサ13は、上流側ヒートロール11Uに直接接触するため、上流側ヒートロール11Uの回転中に接触させると、擦れによるセンサ部の故障や上流側ヒートロール11Uの表面の損傷が生じるおそれがある。このため、図1に示すように、接触式温度センサ13を接離する駆動源として、センサ接離モータ60を備え、上流側ヒートロール11Uの回転が停止しているときに、接触式温度センサ13を接触させる構成となっている。
図4(b)に示すように、下流側ヒートロール11Lは、内部に熱源となる下流用ヒータランプ15(a、b)を備え、軸方向の奥側端部に表面温度を検出する奥側非接触式温度センサ12rを備える。また、下流側ヒートロール11Lの軸方向の奥側端部の表面に接触して表面温度を検出する接触式温度センサ13を備える。
また、下流側ヒートロール11Lに接触する接触式温度センサ13は、上流側ヒートロール11Uに接触する接触式温度センサ13と同様の接離機構により、下流側ヒートロール11Lに対して接離可能となっている。
ヒータ制御部50は、下流側ヒートロール11Lの表面に対向配置された一つの非接触式温度センサ12である奥側非接触式温度センサ12rの検出結果に基づいて、二つの下流用ヒータランプ15(a、b)の駆動を制御する。これにより、下流側ヒートロール11Lの温度制御を行う。
非接触式温度センサ12(r、f)は、汚れなどにより温度検出に誤差が発生することがあり、非接触式温度センサ12(r、f)が故障すると熱暴走が生じることがある。これらの温度検出の誤差や熱暴走によって装置が損傷することを回避するため、ヒータ制御部50は、非接触式温度センサ12と接触式温度センサ13との検出温度を比較し、非接触式温度センサ12の検出温度が正しいか否かのチェックを実行する。以下、このチェックを「ベリファイチェック」という。
また、加熱機構(40、45)は、図1、図4(b)及び図4(c)に示すように、非接触式温度センサ12(r、f)の故障等により、ヒートロール11(U、L)が上限温度を超えたことを検出する熱暴走センサ16を備える。さらに、被記録媒体Wの幅を検出するための幅検出センサ17を備える。
乾燥機構10内での被記録媒体Wの搬送パスは、乾燥機構10の下側から入り、上側から排出される。被記録媒体Wの入り口側となる上流側ヒートロール11Uは、被記録媒体Wの搬送開始時に下流側ヒートロール11Lに比べて被記録媒体Wに奪われる熱量が大きい。このため、上流側ヒートロール11Uの内部には下流用ヒータランプ15(a、b)に比べて高出力の上流用ヒータランプ14(r、f)が配置されている。
上流側ヒートロール11Uは、二本の上流用ヒータランプ14(r、f)の配置が軸方向で対称(図1及び図4(c)中で左右対称)となるように配置され、上流側ヒートロール11Uの軸方向の温度分布の均一化を図っている。
上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側を手前側ヒータランプ14fで加熱し、軸方向奥側を奥側ヒータランプ14rで加熱する。よって、上流側ヒートロール11Uの手前側と奥側とでそれぞれの温度コントロールが必要となるため、手前側と奥側との二か所に非接触式温度センサ12(r、f)を配置している。
下流側ヒートロール11Lは、上流側ヒートロール11Uに比べて被記録媒体Wに奪われる熱量が少なく、必要な熱量を効率的に与えることが可能となる。このため、被記録媒体Wの幅に応じて幅方向の長さが異なる二本の下流用ヒータランプ15として、長尺ヒータランプ15a及び短尺ヒータランプ15bが軸方向奥側の端部が揃うように配置される。
また、二本の下流用ヒータランプ15の端部が軸方向の奥側に配置されるため、温度コントロールを実行する非接触式温度センサ12(奥側非接触式温度センサ12r)は、奥側の一か所に配置する。
実施形態1の乾燥機構10では、その構成上、上流側ヒートロール11Uの非接触式温度センサ12(r,f)の取り付け位置を、ヒートロール11の手前側端部と奥側端部との二か所としている。しかし、非接触式温度センサ12の数が二以上であればよく、その数及び取り付け位置に関して、ここでは特に定めない。
図6は、乾燥機構10におけるヒートロール11における非接触式温度センサ12に異常がない状態での検出温度(以下、「ヒータ制御温度Tmpc」という)の経時変化の一例を示すグラフである。
横軸は、乾燥装置140の電源をONにした契機「C0」からの経過時間を示し、縦軸は温度変化を示す。
乾燥装置140の電源をONにした契機「C0」では、加熱機構(40、45)のヒータランプに通電がされていないNotReady中「P0」であるため、ヒータ制御温度Tmpcは常温T0付近を検出する。
NotReady中「P0」に、乾燥装置140の操作パネルOPの「START/STOPスイッチ」をオペレーターHが押下する、または、印刷制御装置160から立ち上げ命令が入力される、契機「C1」で待機温度立ち上げ中「P1」となる。そして、ヒータ制御温度Tmpcが常温T0から待機中目標温度T1へと上昇するようにヒータランプの立ち上げを開始し、待機中目標温度T1に到達した契機「C2」でReady中「P2」へ移行する。
先に述べたベリファイチェックは、契機「C1」及び契機「C2」で実行する。
ヒータ制御温度Tmpcが常温T0付近となる契機「C1」では、ヒータランプ(14、15)が駆動しておらず、ヒートロール11の表面の温度は略均一であるため、非接触式温度センサ12と接触式温度センサ13との検出温度を比較するのに適している。
また、故障や汚れにより、非接触式温度センサ12の検出値が常温T0で固定されたままとなる可能性や、実際の温度変化に対して検出温度の変化が小さくなる可能性がある。これに対して、契機「C2」で、ベリファイチェックを行うことで、非接触式温度センサ12の検出温度がヒートロール11の表面温度の変化に適切に追従していることを確認することができる。
契機「C2」の検知は、非接触式温度センサ12の検出温度が、待機中目標温度T1に到達したときに行われる。しかし、非接触式温度センサ12に異常があると、ヒートロール11の表面温度が待機中目標温度T1に到達しても契機「C2」の検知が行われず、ヒートロール11の温度をさらに高くする加熱が続けられるおそれがある。このため、契機「C1」で加熱を開始したあと、予め定められた時間内に上記検出温度が待機中目標温度T1に到達しない場合は、加熱機構に何らかの異常があるとして、加熱機構の駆動を停止し、操作パネルOP等にエラー表示を行う。また、加熱による温度上昇が早い場合でも熱暴走センサ16が予め定められた温度に到達したことを検知すると、加熱機構に何らかの異常があるとして、加熱機構の駆動を停止し、操作パネルOP等にエラー表示を行う。
また、契機「C2」では、加熱によりヒートロール11の表面のある程度の温度ムラが生じる可能性がある。しかし、印刷中目標温度T2よりも十分に温度が低い待機中目標温度T1の状態では、被記録媒体Wとヒートロール11との温度差が小さい。このため、ヒートロール11から熱伝導率の低い被記録媒体Wへの熱移動よりも、熱伝導率が高いヒートロール11内での熱移動の方が生じ易く、ヒートロール11の表面での温度ムラは生じ難い。そして、このとき生じる温度ムラはベリファイチェックを実行するには問題がない程度である。
乾燥装置140は、Ready中「P1」にプリンタ120から搬送開始信号を受信すると(契機「C3」)、Running中「P3」となる。そして、ヒータ制御温度Tmpcが待機中目標温度T1から印刷中目標温度T2へと上昇するようにヒータランプの立ち上げを開始し、ヒータ制御温度Tmpcが印刷中目標温度T2を維持するようにヒータランプへの通電を制御する。
その後、プリンタ120から搬送停止信号を受信すると(契機「C4」)、Ready中「P2」となる。そして、ヒータ制御温度Tmpcが印刷中目標温度T2から待機中目標温度T1へと下降するようにヒータランプの立ち下げを開始し、ヒータ制御温度Tmpcが待機中目標温度T1を維持するようにヒータランプへの通電を制御する。
乾燥装置140は、Ready中「P1」に「START/STOPスイッチ」が押下される、または、印刷制御装置160から立ち上げ命令が入力される、契機「C5」で、ヒータランプへの通電をOFFにして、NotReady状態「P0」へ移行する。これにより、ヒータ制御温度Tmpcは常温T0付近まで降下する。
また、乾燥装置140で障害が発生してヒータランプへの通電をOFFしたケース、もしくは、前記期間中に省エネモード等のヒータランプへの通電をOFFにするモードにモード切替したケースでは、加熱機構は、NotReady状態「P0」に移行する。
上述したように、非接触式温度センサ12(r、f)のベリファイチェックの方法としては、契機「C1」と、契機「C2」との二回実行する。
契機「C1」でセンサ接離モータ60を駆動して、接触式温度センサ13をヒートロール11に接触させ、一定期間(センサの自定数)経過した後に接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との出力を取得する。
また、 契機「C2」で同様に接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との出力を取得する。
ベリファイチェックでは、非接触式温度センサ12の検出温度と、接触式温度センサ13の検出温度との温度差が規定温度以内となっているかをチェックする。
次に、被記録媒体Wが幅広である場合の温度制御について説明する。
図7は、印刷を行う被記録媒体Wが幅広である場合における上流側ヒートロール11Uの二つの非接触式温度センサ12の検出温度の経時変化の一例を示すグラフである。
図7中の縦軸のTmp0〜Tmp6は目標温度を示す。温度は「Tmp0<Tmp6」の関係であり、図中上側ほど高温であることを示す。
また、横軸のtm0〜tm6は経過時間を示す。経過時間は「tm0<tm6」の関係であり、図中右側ほど後の時間であることを示す。
図7中の「Tmpf」は、乾燥装置140のフロント側(図3中の手前側)の端部に取り付けられた手前側非接触式温度センサ12fの検出温度を示す。また、「Tmpr」は、乾燥装置140のリア側(図3中の奥側)に取り付けられた奥側非接触式温度センサ12rの検出温度を示す。
図7中の契機「C6」は、被記録媒体Wの搬送を停止したときであり、契機「C7」は、契機「C6」から上流側ヒートロール11Uの温度ムラが均されるのに必要な所定時間経過したときであり、この間が温度均し期間「P4」となる。
幅広の被記録媒体Wを印刷するときの上流側ヒートロール11Uの温度分布は、手前側非接触式温度センサ12fの検出温度「Tmpf」と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度「Tmpr」とに違いは発生しない。なお、図7では、便宜的に「Tmpf」と「Tmpr」とを上下方向にずらして記載している。
幅広の被記録媒体Wは、上流側ヒートロール11Uの幅方向の全域を覆う様に接触するため、上流側ヒートロール11U側の熱量が幅方向の全域に渡って均一に被記録媒体Wに伝わる。このため、上流側ヒートロール11Uの幅方向の温度分布は、印刷中および、印刷停止契機(C6)以降も被記録媒体Wの幅方向基準となる奥側と被記録媒体Wの端の走行位置が変化する手前側とで、温度分布に大きな違いは発生しない。
図8は、被記録媒体Wが幅広である場合の上流側ヒートロール11U及び下流側ヒートロール11Lの非接触式温度センサ12のベリファイチェック処理の制御を示すフローチャートである。
まず、ベリファイチェック処理の制御が開始されると、ヒータランプ(14、15)の状態をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S0)。ここで、「温度コントロール」の状態とは、非接触式温度センサ12の検出温度に基づいてヒータランプの出力が制御されている状態であり、図6中の契機「C2」から契機「C5」までの間である。ヒータランプが温度コントロール状態に移行しているケース(S0で「Yes」)では、ベリファイチェック済みの状態、または、ベリファイチェック中の状態となっているため、ベリファイチェックを実行せずに終了(S14)する。
ヒータランプが温度コントロール状態ではないとき(S0で「No」)には、「待機中目標温度T1」の値を確認し、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S1)。乾燥装置140では、ヒートロール11を加熱して被記録媒体Wを乾燥させる制御だけでなく、ヒートロール11を加熱せずに常温のまま、被記録媒体Wを搬送することで乾燥する制御を行うことができる。このような制御を行う場合は、操作パネルOP等の入力装置によって「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定される。
このため、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定されたケース(S1で「Yes」)では、ヒータランプの温度コントロールが実行されないため、ベリファイチェック処理を終了(S14)する。
「待機中目標温度T1」が「0[℃]」ではない場合(S1で「No」)は、非接触式温度センサ12のベリファイチェックを実行するため、接触式温度センサ13をヒートロール11に対して接離するセンサ接離モータ60を駆動する。そして、接触式温度センサ13をヒートロール11に接触させる(S2)。
その後、接触式温度センサ13による温度検出を開始し(S3)、非接触式温度センサ12による温度検出を開始する(S4)。次に、温度取得期間の終了をチェックし(S5)、終了していれば(S5で「No」)、接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との検出温度のデータ(温度検出データ)を確定する。温度取得期間が終了しておらず、各センサのいずれかが温度取得中である場合(S5で「Yes」)は、温度取得期間が終了するまで待つ。
接触式温度センサ13は、温度測定対象物への接触直後は正しい温度が検出出来ない特性が有るため、センサの自定数に応じた温度取得期間を設ける。
温度取得期間の終了の契機で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。下流側ヒートロール11Lでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、下流側ヒートロール11Lの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。
次に、一回目(契機「C1」)のベリファイチェックを実行する(S6)。一回目のベリファイチェックでは、「S5」で取得した温度検出データから、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。この確認は、上流側ヒートロール11Uと下流側ヒートロール11Lとの両方で行われる。
さらに、上流側ヒートロール11Uでは、奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と手前側非接触式温度センサ12fの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
実施形態1では、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12(r、f)の検出温度が正しいとする規定範囲を、実機における評価結果に基づいて接触式温度センサ13の検出温度の「±20[℃]」としている。しかし、この規定範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度等により変わるため、ここでは特に定めない。
次に、ベリファイエラーの発生の有無を確認する(S7)。ベリファイチェック(S6)の比較結果で異常が検出された場合(S7で「Yes」)は、ベリファイエラーの報告処理(S13)へ移行する。
ベリファイチェック(S6)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S7で「No」)は、待機中目標温度T1の値を確認する(S8)。「待機中目標温度T1<50[℃]」のケース(S8で「Yes」)では、待機中目標温度T1を到達契機(契機「C2」)で行う二回目のベリファイチェックを実行しない。このため、接触式温度センサ13をヒートロール11から離間させる処理(S12)へ移行する。
「待機中目標温度T1<50[℃]」のケースは、ベリファイチェック時の接触式温度センサ13の検出温度に対する非接触式温度センサ12の検出温度の規定範囲が「±20[℃]」のため、常温と変わらない検出結果が考えられる。このとき、「S6」で実行した一回目のベリファイチェックとの違いが発生しないことからベリファイチェックを終了する。
実施形態1では、待機中目標温度T1到達時のベリファイチェックを実行するか否かの判断基準を実機における評価結果に基づいて「待機中目標温度T1<50[℃]」としている。しかし、この範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
「待機中目標温度T1≧50[℃]」のケース(S8で「No」)では、待機中目標温度T1に到達した契機「C2」での二回目のベリファイチェックを実行する。そして、この二回目のベリファイチェックを実行するため、奥側非接触式温度センサ12rまたは手前側非接触式温度センサ12fの何れかの検出温度が待機中目標温度T1に到達したか否かをチェックする(S9)。何れの非接触式温度センサ12の検出温度も待機中目標温度T1に到達していない場合(S9で「Yes」)は、待機中目標温度T1の立ち上げ中として待機中目標温度T1に到達したことを検出するまで待つ。
待機中目標温度T1に到達した契機「C2」で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。下流側ヒートロール11Lでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、下流側ヒートロール11Lの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。
接触式温度センサ13は、温度測定対象物への接触直後は正しい温度が検出出来ない特性が有るため、センサの自定数に応じた温度取得期間が必要となる。しかし、待機中目標温度T1への立ち上げ中「P1」は、接触式温度センサ13をヒートロール11に接触させた状態となっており、センサが持つ自定数の期間の経過を待つことが不要となる。
何れか非接触式温度センサ12の検出温度が待機中目標温度T1に到達した場合(S9で「No」)は、二回目のベリファイチェックを実行する(S10)。二回目のベリファイチェックでは、契機「C2」で取得した温度検出データから、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。この確認は、上流側ヒートロール11Uと下流側ヒートロール11Lとの両方で行われる。
さらに、上流側ヒートロール11Uでは、奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と、手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fの検出温度と、を比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と手前側非接触式温度センサ12fの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
次に、ベリファイエラーの発生の有無を確認する(S11)。二回目のベリファイチェック(S10)の比較結果で異常が検出された場合(S11で「Yes」)は、ベリファイエラーの報告処理(S13)へ移行する。
二回目のベリファイチェック(S10)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S11で「No」)は、ベリファイチェックを終了するため、接触式温度センサ13をヒートロール11から離間させる処理(S12)へ移行する。その後、ベリファイチェックを行う処理を終了する(S14)。
ベリファイエラーの報告処理(S13)では、ベリファイエラーを印刷制御装置160やプリンタ120等の上位モジュールへ報告する。
「S7」及び「S11」で、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rの何れかの検出温度と、接触式温度センサ13の検出温度とに規定範囲以上の乖離が発生した場合は、ベリファイエラーとなる。この場合は、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rに異常が有ると認識し、上位モジュールへのエラー報告と併せて、全ヒータランプ(14、15)をOFFにする。さらに、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13をヒートロール11から離間させる処理を実行する(S12)。
次に、被記録媒体Wが幅狭である場合の温度制御について説明する。
図9は、印刷を行う被記録媒体Wが幅狭である場合における上流側ヒートロール11Uの二つの非接触式温度センサ12の検出温度の経時変化の一例を示すグラフである。
図9中の縦軸のTmp0〜Tmp6は目標温度を示す。温度は「Tmp0<Tmp6」の関係であり、図中上側ほど高温であることを示す。
また、横軸のtm0〜tm6は経過時間を示す。経過時間は「tm0<tm6」の関係であり、図中右側ほど後の時間であることを示す。
図9中の「Tmpf」は、乾燥装置140のフロント側(図3中の手前側)の端部に取り付けられた手前側非接触式温度センサ12fの検出温度を示す。また、「Tmpr」は、乾燥装置140のリア側(図3中の奥側)に取り付けられた奥側非接触式温度センサ12rの検出温度を示す。
図9中の契機「C6」は、被記録媒体Wの搬送を停止したときであり、契機「C7」は、契機「C6」から上流側ヒートロール11Uの温度ムラが均されるのに必要な所定時間経過したときであり、この間が温度均し期間「P4」となる。
図9に示すように、幅狭の被記録媒体Wを印刷時(契機「C6」よりも前)の上流側ヒートロール11Uの温度分布は、奥側非接触式温度センサ12rの検出温度「Tmpr」に比べて、手前側非接触式温度センサ12fの検出温度「Tmpf」が高くなる。これは、以下の理由による。
すなわち、被記録媒体Wの幅方向の奥側端部を、被記録媒体Wの走行ラインの基準となる奥側の基準位置に合わせた場合、被記録媒体Wの幅方向の手前側端部の走行位置は、被記録媒体Wの幅によって変化する。このため、被記録媒体Wが幅の狭い幅狭の場合は、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側では、上流側ヒートロール11Uの表面上に被記録媒体Wが掛からない状態となる。この状態の場合、被記録媒体Wが掛からない手前側を加熱する手前側ヒータランプ14fをOFFにし、奥側ヒータランプ14rのみで上流側ヒートロール11Uの温度コントロールを実行する。
軸方向の奥側は奥側非接触式温度センサ12rの検出温度に基づいて奥側ヒータランプ14rの出力を制御する温度コントロールにより、目標温度付近で推移する(図9中の「Tmpr」)。一方、軸方向の手前側は、奥側から流れ込んだ熱が上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面から放熱され続けることで、上流側ヒートロール11Uの手前側のみ表面が高温となる(図9中の「Tmpf」)。
一方、印刷停止により、上流側ヒートロール11Uの表面の目標温度が、印刷中目標温度T2よりも十分に低温の待機中目標温度T1に設定されると、次のような温度変化が生じることが分かっている。
すなわち、手前側には被記録媒体Wがなく、上流側ヒートロール11Uの熱が放熱し易いため、急激に温度が降下する。このため、印刷停止後(C6)に上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側で温度差が収束するまでの温度均し期間「P4」を経過すると、上流側ヒートロール11Uの両端の温度はほぼ同じになる。
しかしながら、幅狭の被記録媒体Wの印刷停止後の温度均し期間「P4」が経過する前に障害が発生して奥側ヒータランプ14rがオフになる場合や、温度均し期間「P4」中に省エネモード等の奥側ヒータランプ14rがオフになるモードに切り替わる場合がある。これらの場合では、上流側加熱機構40は、NotReady中「P0」に移行する。このように、NotReady中「P0」に移行した直後に、「START/STOPスイッチ」が押下される等により、奥側ヒータランプ14rの再立ち上げが実行される場合がある。このような場合には、上流側ヒートロール11U上の手前側非接触式温度センサ12fは、奥側非接触式温度センサ12rに比べて高温の状態でベリファイチェックが実行されることになる。
このように手前側の方が高温の状態でベリファイチェックが実行されると、手前側非接触式温度センサ12fは正常に温度検出をしていても、ベリファイチェックの結果において接触式温度センサ13の検出温度との温度差が規定範囲を超えることがある。この場合、手前側非接触式温度センサ12fの検出異常と誤認され、エラーを誤報告することになる。
図10は、被記録媒体Wが幅狭である場合の上流側ヒートロール11Uの非接触式温度センサ12のベリファイチェック処理の制御を示すフローチャートである。
まず、ベリファイチェック処理の制御が開始されると、奥側ヒータランプ14rの状態をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S100)。ここで、「温度コントロール」の状態とは、非接触式温度センサ12の検出温度に基づいて奥側ヒータランプ14rの出力が制御されている状態であり、図6中の契機「C2」から契機「C5」までの間である。奥側ヒータランプ14rが温度コントロール状態に移行しているケース(S100で「Yes」)では、ベリファイチェック済みの状態、または、ベリファイチェック中の状態となっているため、ベリファイチェックを実行せずに終了(S114)する。
奥側ヒータランプ14rが温度コントロール状態ではないとき(S100で「No」)には、「待機中目標温度T1」の値を確認し、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S101)。乾燥装置140では、上流側ヒートロール11Uを加熱せずに常温のまま、被記録媒体Wを搬送する制御を行う場合に、操作パネルOP等の入力装置によって「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定される。
このため、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定されたケース(S101で「Yes」)では、奥側ヒータランプ14rの温度コントロールが実行されないため、ベリファイチェック処理を終了(S114)する。
「待機中目標温度T1」が「0[℃]」ではない場合(S101で「No」)は、印刷停止後の放置時間をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S101−1)。
図9で示す通り、幅狭の被記録媒体Wを印刷した直後は、軸方向の奥側と手前側とでは上流側ヒートロール11Uの表面温度に乖離が発生している。このため、印刷停止からカウントしている放置時間カウンタが、手前側と奥側との温度差が均されるのに必要な所定時間に達していない場合(S101−1で「Yes」)は、放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)まで待つ。
実施形態1では、手前側と奥側との温度差が均されるのに必要な所定時間(温度均し期間「P4」)を実機における評価結果に基づいて「五分」と設定している。しかし、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)と、非接触式温度センサ12のベリファイチェックを実行するため、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに対して接離するセンサ接離モータ60を駆動する。そして、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S102)。
その後、接触式温度センサ13による温度検出を開始し(S103)、非接触式温度センサ12による温度検出を開始する(S104)。次に、温度取得期間の終了をチェックし(S105)、終了していれば(S105で「No」)、接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との検出温度のデータ(温度検出データ)を確定する。温度取得期間が終了しておらず、各センサのいずれかが温度取得中である場合(S105で「Yes」)は、温度取得期間が終了するまで待つ。
接触式温度センサ13は、温度測定対象物への接触直後は正しい温度が検出出来ない特性が有るため、センサの自定数に応じた温度取得期間を設ける。
温度取得期間の終了の契機で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。
次に、一回目(契機「C1」)のベリファイチェックを実行する(S106)。一回目のベリファイチェックでは、「S105」で取得した温度検出データから、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
同様に、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と、手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fの検出温度と、を比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と手前側非接触式温度センサ12fの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
実施形態1では、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12(r、f)の検出温度が正しいとする規定範囲を、実機における評価結果に基づいて接触式温度センサ13の検出温度の「±20[℃]」としている。しかし、この規定範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度等により変わるため、ここでは特に定めない。
次に、ベリファイエラーの発生の有無を確認する(S107)。ベリファイチェック(S106)の比較結果で異常が検出された場合(S107で「Yes」)は、ベリファイエラーの報告処理(S113)へ移行する。
ベリファイチェック(S106)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S107で「No」)は、待機中目標温度T1の値を確認する(S108)。「待機中目標温度T1<50[℃]」のケース(S108で「Yes」)では、待機中目標温度T1を到達契機(契機「C2」)で行う二回目のベリファイチェックを実行しない。このため、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる処理(S112)へ移行する。
「待機中目標温度T1<50[℃]」のケースは、ベリファイチェック時の接触式温度センサ13の検出温度に対する非接触式温度センサ12の検出温度の規定範囲が「±20[℃]」のため、常温と変わらない検出結果が考えられる。このとき、「S106」で実行した一回目のベリファイチェックとの違いが発生しないことからベリファイチェック処理を終了する。
実施形態1では、待機中目標温度T1到達時のベリファイチェックを実行するか否かの判断基準を実機における評価結果に基づいて「待機中目標温度T1<50[℃]」としている。しかし、この範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
「待機中目標温度T1≧50[℃]」のケース(S108で「No」)では、待機中目標温度T1に到達した契機「C2」での二回目のベリファイチェックを実行する。そして、この二回目のベリファイチェックを実行するため、奥側非接触式温度センサ12rまたは手前側非接触式温度センサ12fの何れかの検出温度が待機中目標温度T1に到達したか否かをチェックする(S109)。何れの非接触式温度センサ12の検出温度も待機中目標温度T1に到達していない場合(S109で「Yes」)は、待機中目標温度T1の立ち上げ中として待機中目標温度T1に到達したことを検出するまで待つ。
待機中目標温度T1に到達した契機「C2」で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。
接触式温度センサ13は、温度測定対象物への接触直後は正しい温度が検出出来ない特性が有るため、センサの自定数に応じた温度取得期間が必要となる。しかし、待機中目標温度T1への立ち上げ中「P1」は、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させた状態となっており、センサが持つ自定数の期間の経過を待つことが不要となる。
何れか非接触式温度センサ12の検出温度が待機中目標温度T1に到達した場合(S109で「No」)は、二回目のベリファイチェックを実行する(S110)。二回目のベリファイチェックでは、契機「C2」で取得した温度検出データから、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
同様に、上流側ヒートロール11Uでは、奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と手前側非接触式温度センサ12fの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
次に、ベリファイエラーの発生の有無を確認する(S111)。二回目のベリファイチェック(S110)の比較結果で異常が検出された場合(S111で「Yes」)は、ベリファイエラーの報告処理(S113)へ移行する。
二回目のベリファイチェック(S110)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S111で「No」)は、ベリファイチェックを終了するため、センサ接離モータ60を駆動し、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる(S112)。その後、ベリファイチェックを行う処理を終了する(S114)。
ベリファイエラーの報告処理(S113)では、ベリファイエラーを印刷制御装置160やプリンタ120等の上位モジュールへ報告する。
「S107」及び「S111」で、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rの何れかの検出温度と、接触式温度センサ13の検出温度とに規定範囲以上の乖離が発生した場合は、ベリファイエラーとなる。この場合は、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rに異常が有ると認識し、上位モジュールへのエラー報告と併せて、全ヒータランプ(14、15)をOFFにする。さらに、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる処理を実行する(S112)。
実施形態1の乾燥装置140は、インクジェットプリンタからなるプリンタ120から供給された長尺状の被記録媒体Wを乾燥させるものである。乾燥装置140は、被記録媒体Wに一定の張力を与えるためのダンサー機構5と、被記録媒体Wに印刷されたインクを乾燥させるための乾燥機構10と、を備える。さらに、乾燥装置140は、被記録媒体Wを乾燥した際に高温になった被記録媒体Wを冷却する冷却機構20と、乾燥装置140内の被記録媒体Wを後処理装置150に向けて搬送する搬送機構30とを備える。
乾燥機構10は、被記録媒体Wに従動回転する複数のヒートロール11と、ヒートロール11の内部の熱源となる複数のヒータランプ(14、15)と、を備える。また、ヒートロール11の温度制御を行うために、ヒートロール11の温度を検出する複数の非接触式温度センサ12を備える。さらに、非接触式温度センサ12の温度検出における異常の有無をチェックするベリファイチェックを実行するために、ヒートロール11に接触して温度を検出する接触式温度センサ13を備える。また、ベリファイチェックを実行する際に、接触式温度センサ13をヒートロール11に接触させ、ベリファイチェックが終わると接触式温度センサ13を離間させるセンサ接離モータ60を備える。
さらに、乾燥機構10は、非接触式温度センサ12の故障等によりヒートロール11が上限温度を超えたことを検出する熱暴走センサ16と、被記録媒体Wの幅を検出するための幅検出センサ17と、を備える。
ヒートロール11が回転するときには、接触式温度センサ13をヒートロール11から離間させ、ヒートロール11の回転が停止しているときに接触式温度センサ13をヒートロール11に接触させる構成となっている。これにより、接触式温度センサ13のセンサ部がヒートロール11の表面と擦れることによるセンサ部の故障や、ヒートロール11表面が削れる損傷等を防止することができる。
また、上流側ヒートロール11U内に左右対称に配置された上流用ヒータランプ14の加熱による温度分布を均一に制御するため、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側端部と手前側端部の二箇所に非接触式温度センサ12を配置している。さらに、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側端部に配置した接触式温度センサ13のみで、上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側との両方の非接触式温度センサ12(r、f)をベリファイチェックする構成となっている。
ここで従来の加熱装置の一例について説明する。
従来の加熱装置として、ヒートロールの内側に複数のヒータを備え、ヒートロールの軸方向の複数箇所に対向するように、複数の非接触式温度センサを設け、非接触式温度センサと同数の接触式温度センサを備えるものがある。
一般的にヒートロールは、紙等の加熱対象よりも熱伝導率が高い材料からなる。しかし、加熱対象が搬送されている状態では、加熱対象における未加熱の部分がヒートロールと接触する位置に到達し続けるため、ヒートロールと加熱対象との温度差が大きく、ヒートロールの熱は加熱対象へと移動し易い。このため、ヒートロール内での熱の伝達の効率は悪く、ヒートロールの表面上では温度ムラが生じ易い。
よって、ヒートロールの表面温度を検出し、その検出結果に基づいてヒータの出力を制御する場合は、軸方向において低温となっている部分や高温となっている部分を精度よく検出するためにヒートロールの軸方向の複数箇所で温度の検出を行うことが望ましい。
ヒートロールの軸方向の複数箇所に対向するように複数の非接触式温度センサを備える構成では、複数の非接触式温度センサの検出結果に基づいてヒータの出力を制御することでヒートロールの表面温度を高精度に制御することができる。
しかし、非接触式温度センサに異物が付着したり、非接触式温度センサが故障したりして、適切な温度検出を行うことができない異常が生じると、ヒータの出力を適切に制御することができなくなる。
非接触式温度センサの異常の有無を確認する構成として、接触式温度センサをヒートロールに接触させて接触式温度センサの検出温度と、非接触式温度センサの検出温度とを比較する構成がある。
上述したように、ヒートロールの表面上の温度ムラを考慮すると、接触式温度センサの検出位置と、非接触式温度センサの検出位置とは、できるだけ近づける必要がある。従来の加熱装置では、複数の非接触式温度センサと対をなす同数の接触式温度センサを配置し、それぞれの非接触式温度センサの検出位置の近傍に接触式温度センサを接触させるものがある。しかし、非接触式温度センサと接触式温度センサとの検出位置を一致させることはできず、さらに、実装上の都合により、非接触式温度センサの検出位置と接触式温度センサの検出位置とが、温度ムラの影響で温度差が生じるほどに離れてしまう場合がある。
従来の加熱装置のように、非接触式温度センサと同数の接触式温度センサを備えていても、ヒートロールの表面上の温度ムラが生じている状態では、検出位置を一致させることができなければ、適切に検出温度の比較を行うことができない。よって、非接触式温度センサと同数の接触式温度センサを備える構成であっても、適切に検出温度の比較を行うためには、ヒートロールの表面上に温度ムラが生じていない状態であることが求められる。
そこで、本発明者らは、ヒートロールの表面上に温度ムラが生じていない状態であれば、接触式温度センサと非接触式温度センサとの検出位置近づける必要はなく、一つの接触式温度センサで複数の非接触式温度センサの異常の有無を確認できることを見出した。
実施形態1の加熱装置である上流側加熱機構40は、上流側ヒートロール11Uの手前側端部と奥側端部とに非接触式温度センサ12(f、r)を配置し、奥側端部に接触式温度センサ13を配置している。接触式温度センサ13の検出位置の軸方向における位置は、奥側非接触式温度センサ12rと一致する。また、接触式温度センサ13は、センサ接離モータ60によって上流側ヒートロール11Uと接離可能となっている。このような上流側加熱機構40で、一つの接触式温度センサ13で、複数の非接触式温度センサ12のベリファイチェックする構成となっている。
上流側加熱機構40では、上流側ヒートロール11Uの奥側端部に配置された接触式温度センサ13で、上流側ヒートロール11Uの手前側端部および、奥側端部に配置された非接触式温度センサ12(f、r)のセンサ異常チェックを実行する。このため、ベリファイチェックを実行する条件としては、上流側ヒートロール11Uの奥側端部と手前側端部との表面温度がほぼ同じ状態となっている必要がある。
そこで、被記録媒体Wの搬送が停止しているタイミングで、ベリファイチェックを行っている。搬送が停止しているタイミングでは、被記録媒体Wにおける上流側ヒートロール11Uに接触する箇所が固定であるため被記録媒体Wと上流側ヒートロール11Uとの間での温度差が生じ難い。温度差が小さいことで、上流側ヒートロール11Uの熱は、被記録媒体Wへと移動し難く、上流側ヒートロール11U内での熱の伝達が生じ易く、上流側ヒートロール11Uの表面上での温度ムラが均さる。これにより、上流側ヒートロール11Uの奥側端部と手前側端部との表面温度がほぼ同じ状態とすることが可能となる。よって、上流側ヒートロール11Uの端部に取り付けられた一つの接触式温度センサ13で複数の非接触式温度センサ12の異常の有無をチェックすることが可能となる。
幅狭の被記録媒体Wを加熱する場合は、上流側ヒートロール11Uの表面上に被記録媒体Wが接触していない部分に熱が流れる(放熱する)ことにより、印刷停止直後の上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側とで温度差が発生する場合がある。しかし、図9のグラフに示す通り、実機評価による経験値から印刷動作終了後、五分経過後(契機「C7」)には上流側ヒートロール11Uの両端の温度は同じになることが確認出来た。このことから、幅狭の被記録媒体Wを加熱する場合でも所定時間の経過を待つことで、一つの接触式温度センサ13で複数の非接触式温度センサ12の異常の有無のチェックを実行することが可能となる。
図10に示すフローチャートでは、以下の(1)及び(2)の条件が揃った場合に、ベリファイチェックを実行する。
(1)待機中目標温度T1が0[℃]ではない。
(2)印刷停止後にヒータをOFFにした状態が五分以上継続した。
ベリファイチェックは、ヒータ立ち上げ動作開始契機(契機「C1」)および、上流側ヒートロール11Uの表面温度が待機中目標温度T1に到達したとき(契機「C2」)に実行する。
ベリファイチェックでは、上流側ヒートロール11Uの奥側端部に取り付けられた接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる。そして、一定期間(センサの自定数)経過後に上流側ヒートロール11Uの奥側端部に取り付けられた接触式温度センサ13の検出結果と、上流側ヒートロール11Uの奥側端部および、手前側端部に取り付けられた非接触式温度センサ12の検出結果を比較する。このとき、接触式温度センサ13の検出結果に対して、非接触式温度センサ12の検出結果が所定の温度範囲に入っていない場合、非接触式温度センサ12に異常が有ると判断する。
これにより、非接触式温度センサ12の汚れや、非接触式温度センサ12または接触式温度センサ13の故障などによる出力の異常を適正に検出することが出来る。そして、センサの汚れや故障などによって発生する不正な印刷結果の出力や、上流側加熱機構40自体に重大なダメージを与えるような温度上昇を未然に防ぐことが出来る。
実施形態1の乾燥装置140は、契機「C1」及び契機「C2」で、リア側とフロント側とに設置された二つの非接触式温度センサ12のベリファイチェックを同時に実行する。このため、演算装置51が、搬送速度情報取得手段としてプリンタ120の制御部または印刷制御装置160からプリンタ120における被記録媒体Wの搬送速度の情報を取得する。また、取得した搬送速度情報を元に乾燥装置140の乾燥制御が待機状態に移行し、ヒータランプ(14、15)が待機状態となっている時間を計測する手段である放置時間カウンタをタイマ制御部52が備える。そして、乾燥装置140の乾燥制御が印刷動作を停止してから次回ベリファイチェックを行うことができるまでに五分の規定時間を設けている。印刷動作を停止してから五分等の所定時間を経過した後に、ベリファイチェックを行うことで、上流側ヒートロール11Uのリア側とフロント側の温度分布が均一になったタイミングでベリファイチェックができ、検出精度の向上が出来る。
〔変形例1〕
次に、乾燥装置140に装備されている被記録媒体Wの幅に応じて、上述した「印刷停止後の放置時間」のチェックを行うか否かを判断する変形例1のベリファイチェック処理の制御について説明する。
図11は、変形例1における上流側ヒートロール11Uの非接触式温度センサ12のベリファイチェック処理の制御を示すフローチャートである。
ベリファイチェック処理の制御を開始してから、「待機中目標温度T1」の値を確認し、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S101)までは、図10に示すフローチャートと同様の制御を実行するため説明は省略する。また、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定されたケース(S101で「Yes」)の場合も、図10と同様に、ベリファイチェック処理を終了(S114)する。
一方、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」ではない場合(S101で「No」)は、被記録媒体Wの幅である用紙幅が幅広であるか否かのチェックを行い(S101−2)、印刷停止後の放置時間の要否を判断する。
図7に示すように、印刷を行う被記録媒体Wが幅広である場合は、印刷直後であっても、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側と手前側とで表面温度の乖離が発生しない。この場合、印刷停止からカウントしている放置時間カウンタのチェックが不要となる。
このため、変形例1では、被記録媒体Wが幅広の場合(S101−2で「Yes」)は、放置時間カウンタのチェック(S101−1)を実行せず、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S102)制御に移行する。
被記録媒体Wが幅狭の場合(S101−2で「No」)は、印刷停止後の放置時間をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S101−1)。
その後は、図10の「101−1」と同様に、放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)まで待つ。
放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)と、非接触式温度センサ12のベリファイチェックを実行するため、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに対して接離するセンサ接離モータ60を駆動する。そして、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S102)。
変形例1では、図11に示すフローチャートの「S102」以降の制御として、図10に示すフローチャートの「102」以降について説明した制御と同様の制御を実行するため、説明は省略する。
乾燥装置140は、被記録媒体Wの幅を検出する幅検出センサ17を備える。そして、変形例1では、幅検出センサ17から入手した信号を元に、乾燥機構10に装填された被記録媒体Wが幅広と判断された場合、印刷動作を停止してから次回ベリファイチェックまでの規定時間を計測せずにベリファイチェックを実行する。このように、被記録媒体Wの幅広と幅狭との判別を行い、ベリファイチェックを実行する際の所定時間経過待ち処理を幅狭の被記録媒体に限定することで、被記録媒体Wが幅広である場合のスループットの向上が出来る。
〔変形例2〕
次に、上流側ヒートロール11Uにおける手前側と奥側との検出温度の温度差に応じて、上述した「印刷停止後の放置時間」のチェックを行うか否かを判断する変形例2のベリファイチェック処理の制御について説明する。
図12は、変形例2における上流側ヒートロール11Uの非接触式温度センサ12のベリファイチェック処理の制御を示すフローチャートである。
ベリファイチェック処理の制御を開始してから、「待機中目標温度T1」の値を確認し、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S101)までは、図10に示すフローチャートと同様の制御を実行するため説明は省略する。また、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定されたケース(S101で「Yes」)の場合も、図10と同様に、ベリファイチェック処理を終了(S114)する。
一方、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」ではない場合(S101で「No」)は、変形例1と同様に、被記録媒体Wの幅である用紙幅が幅広であるか否かのチェックを行う(S101−2)。
乾燥装置140に装備されている被記録媒体Wが幅広の場合(S101−2で「Yes」)は、放置時間カウンタのチェック(S101−1)を実行せず、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S102)制御に移行する。
被記録媒体Wが幅狭の場合(S101−2で「No」)は、上流側ヒートロール11Uにおける手前側と奥側との検出温度の温度差が規定の範囲内であるか否かのチェックを行い(S101−3)、印刷停止後の放置時間の要否を判断する。
図9に示す、印刷を行う被記録媒体Wが幅狭である場合の温度均し期間「P4」は、搬送する可能性がある被記録媒体Wのうち、最も幅が狭い被記録媒体Wのケースを想定している。そのため、幅検出センサ17の検出結果に基づいて幅狭と判断された被記録媒体Wの中でも幅広に近いサイズの場合、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面から放熱され続ける範囲も小さくなり、温度均し期間「P4」も短くなる。
このため、変形例2では、スループットの向上を目的に、奥側非接触式温度センサ12rと手前側非接触式温度センサ12fとの検出温度の温度差を算出する。
温度差が規定範囲内の場合(S101−3で「Yes」)は、上流側ヒートロール11Uの温度ムラが収束したものと判断する。この場合は、放置時間カウンタのチェック(S101−1)を実行せず、ベリファイチェックを開始するために接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S102)制御に移行する。
温度差が規定範囲を超える場合(S101−3で「No」)は、上流側ヒートロール11Uの温度ムラが収束していないものと判断し、印刷停止後の放置時間をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S101−1)。
その後は、図10の「101−1」と同様に、放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)まで待つ。
放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)と、非接触式温度センサ12のベリファイチェックを実行するため、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに対して接離するセンサ接離モータ60を駆動する。そして、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S102)。
変形例2では、図12に示すフローチャートの「S102」以降の制御として、図10に示すフローチャートの「102」以降について説明した制御と同様の制御を実行するため、説明は省略する。
変形例2の乾燥装置140は、演算装置51が、上流側ヒートロール11Uのリア側とフロント側に設けられた非接触式温度センサ12から入手した上流側ヒートロール11Uの温度を元に、上流側ヒートロール11Uのリア側とフロント側の温度差を認識する。そして、ベリファイチェック開始時の上流側ヒートロール11Uのリア側とフロント側との温度差が規定範囲未満と判断された場合、印刷動作を停止してから次回ベリファイチェックまでの規定時間を計測せずにベリファイチェックを実行する。変形例2では、上流側ヒートロール11Uのリア側とフロント側との間の温度分布が、規定時間未満で均一となったことが判別出来ることから、幅狭の被記録媒体Wを加熱する場合であってもスループットの向上が出来る。
〔変形例3〕
次に、前回の印刷停止後からの放置時間に応じて、ベリファイチェックを行う非接触式温度センサ12を選択する変形例2のベリファイチェック処理の制御について説明する。
図13は、変形例3における上流側ヒートロール11Uの非接触式温度センサ12のベリファイチェック処理の制御を示すフローチャートである。
図10に示すフローチャートでは、印刷停止からカウントしている放置時間カウンタがカウントアウトする(温度均し期間「P4」を経過したことを検出する)まで、ベリファイチェックの実行を待つ構成である。この構成では、スループットの低下というデメリットが生じるおそれがある。
また、一回目のベリファイチェックを行うときに、上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側とで表面温度が乖離しているケースは、印刷動作の停止直後にヒータの立ち上げが実行されたケースである。よって、ヒータの再立ち上げ直前の印刷動作を行う前に一回以上のベリファイチェックが実行されているケースとなる。このため、手前側非接触式温度センサ12fの出力は正常であると仮定し、奥側非接触式温度センサ12rについてのみベリファイチェックを実行することで、スループットの低下を最小限で抑える変形例3の制御を以下に述べる。
まず、ベリファイチェック処理の制御が開始されると、奥側ヒータランプ14rの状態をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S200)。奥側ヒータランプ14rが温度コントロール状態に移行しているケース(S200で「Yes」)では、ベリファイチェック済みの状態、または、ベリファイチェック中の状態となっているため、ベリファイチェックを実行せずに終了(S214)する。
奥側ヒータランプ14rが温度コントロール状態ではないとき(S200で「No」)には、「待機中目標温度T1」の値を確認し、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S201)。乾燥装置140では、上流側ヒートロール11Uを加熱せずに常温のまま、被記録媒体Wを搬送する制御を行う場合に、操作パネルOP等の入力装置によって「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定される。
このため、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定されたケース(S201で「Yes」)では、奥側ヒータランプ14rの温度コントロールが実行されないため、ベリファイチェック処理を終了(S214)する。
「待機中目標温度T1」が「0[℃]」ではない場合(S201で「No」)は、印刷停止後の放置時間をチェックし、ベリファイチェックの実行モードを設定する(S201−1)。
図9で示す通り、幅狭の被記録媒体Wを印刷した直後は、軸方向の奥側と手前側とでは上流側ヒートロール11Uの表面温度に乖離が発生している。
このため、印刷停止からカウントしている放置時間カウンタが、手前側と奥側との温度差が均されるのに必要な所定時間に達していない場合(S201−1で「Yes」)は、ベリファイチェックをリアモードに設定する処理(S201−3)を実行する。このモードは、手前側非接触式温度センサ12fのベリファイチェックは行わず、奥側非接触式温度センサ12rのみのベリファイチェックを実行するモードである。
印刷停止からカウントしている放置時間カウンタが、手前側と奥側との温度差が均されるのに必要な所定時間に達している場合(S201−1で「No」)は、ベリファイチェックをリア/フロントモードに設定する処理(S201−2)を実行する。このモードは、手前側非接触式温度センサ12fと奥側非接触式温度センサ12rとの両方のベリファイチェックを実行するモードである。
何れかのモードに設定される(S201−2またはS201−3)と、非接触式温度センサ12のベリファイチェックを実行するため、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに対して接離するセンサ接離モータ60を駆動する。そして、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S202)。
その後、接触式温度センサ13による温度検出を開始し(S203)、非接触式温度センサ12による温度検出を開始する(S204)。次に、温度取得期間の終了をチェックし(S205)、終了していれば(S205で「No」)、接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との検出温度のデータ(温度検出データ)を確定する。温度取得期間が終了しておらず、各センサのいずれかが温度取得中である場合(S205で「Yes」)は、温度取得期間が終了するまで待つ。
接触式温度センサ13は、温度測定対象物への接触直後は正しい温度が検出出来ない特性が有るため、センサの自定数に応じた温度取得期間を設ける。
温度取得期間の終了の契機で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。
次に、一回目(契機「C1」)のベリファイチェックを実行するために、ベリファイチェックの実行モードの設定されたモードをチェックする(S206−1)。
実行モードが、リア/フロントモードに設定されている場合(S206−1で「No」)は、通常のベリファイチェックを実行する(S206)。
一回目の通常のベリファイチェックでは、「S205」で取得した温度検出データから、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
同様に、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と、手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fの検出温度と、を比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と手前側非接触式温度センサ12fの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
変形例3では、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12(r、f)の検出温度が正しいとする規定範囲を、実機における評価結果に基づいて接触式温度センサ13の検出温度の「±20[℃]」としている。しかし、この規定範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度等により変わるため、ここでは特に定めない。
実行モードが、リアモードに設定されている場合(S206−1で「Yes」)は、リア側用のベリファイチェックを実行する(S206−2)。一回目のリア側用のベリファイチェックでは、「S205」で取得した温度検出データから、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
変形例3では、ベリファイチェックにおいて奥側非接触式温度センサ12rの検出温度が正しいとする規定範囲を、実機における評価結果に基づいて接触式温度センサ13の検出温度の「±20[℃]」としている。しかし、この規定範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度等により変わるため、ここでは特に定めない。
次に、ベリファイエラーの発生の有無を確認する(S207)。ベリファイチェック(S206またはS206−2)の比較結果で異常が検出された場合(S207で「Yes」)は、ベリファイエラーの報告処理(S213)へ移行する。
ベリファイチェック(S206またはS206−2)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S207で「No」)は、待機中目標温度T1の値を確認する(S208)。
「待機中目標温度T1<50[℃]」のケース(S208で「Yes」)では、待機中目標温度T1を到達契機(契機「C2」)で行う二回目のベリファイチェックを実行しない。このため、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる処理(S212)へ移行する。
「待機中目標温度T1<50[℃]」のケースは、ベリファイチェック時の接触式温度センサ13の検出温度に対する非接触式温度センサ12の検出温度の規定範囲が「±20[℃]」のため、常温と変わらない検出結果が考えられる。このとき、「S206」で実行した一回目のベリファイチェックとの違いが発生しないことから、接触式温度センサ13を離間させ(S212)、ベリファイチェック処理を終了する(S214)。
実施形態1では、待機中目標温度T1到達時のベリファイチェックを実行するか否かの判断基準を実機における評価結果に基づいて「待機中目標温度T1<50[℃]」としている。しかし、この範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
「待機中目標温度T1≧50[℃]」のケース(S208で「No」)では、待機中目標温度T1に到達した契機「C2」での二回目のベリファイチェックを実行する。そして、この二回目のベリファイチェックを実行するため、奥側非接触式温度センサ12rの検出温度が待機中目標温度T1に到達したか否かをチェックする(S209)。奥側非接触式温度センサ12rの検出温度が待機中目標温度T1に到達していない場合(S209で「Yes」)は、待機中目標温度T1の立ち上げ中として待機中目標温度T1に到達したことを検出するまで待つ。
待機中目標温度T1に到達した契機「C2」で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。
接触式温度センサ13は、温度測定対象物への接触直後は正しい温度が検出出来ない特性が有るため、センサの自定数に応じた温度取得期間が必要となる。しかし、待機中目標温度T1への立ち上げ中「P1」は、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させた状態となっており、センサが持つ自定数の期間の経過を待つことが不要となる。
奥側非接触式温度センサ12rの検出温度が待機中目標温度T1に到達した場合(S209で「No」)は、二回目(契機「C2」)のベリファイチェックを実行するために、ベリファイチェックの実行モードの設定されたモードをチェックする(S210−1)。
実行モードが、リア/フロントモードに設定されている場合(S210−1で「No」)は、二回目の通常のベリファイチェックを実行する(S210)。
二回目の通常のベリファイチェックでは、契機「C2」で取得した温度検出データから、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
同様に、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と、手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fの検出温度と、を比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と手前側非接触式温度センサ12fの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
変形例3では、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12(r、f)の検出温度が正しいとする規定範囲を、実機における評価結果に基づいて接触式温度センサ13の検出温度の「±20[℃]」としている。しかし、この規定範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度等により変わるため、ここでは特に定めない。
実行モードが、リアモードに設定されている場合(S210−1で「Yes」)は、二回目のリア側用のベリファイチェックを実行する(S210−2)。二回目のリア側用のベリファイチェックでは、契機「C2」で取得した温度検出データから、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度とを比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と奥側非接触式温度センサ12rの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
変形例3では、ベリファイチェックにおいて奥側非接触式温度センサ12rの検出温度が正しいとする規定範囲を、実機における評価結果に基づいて接触式温度センサ13の検出温度の「±20[℃]」としている。しかし、この規定範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度等により変わるため、ここでは特に定めない。
次に、ベリファイエラーの発生の有無を確認する(S211)。二回目のベリファイチェック(S210またがS210−2)の比較結果で異常が検出された場合(S211で「Yes」)は、ベリファイエラーの報告処理(S213)へ移行する。
二回目のベリファイチェック(S210またはS210−2)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S211で「No」)は、ベリファイチェックを終了するため次の制御を行う。センサ接離モータ60を駆動し、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させ(S212)、その後、ベリファイチェックを行う処理を終了する(S214)。
ベリファイエラーの報告処理(S213)では、ベリファイエラーを印刷制御装置160やプリンタ120等の上位モジュールへ報告する。
「S207」及び「S211」で、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rの何れかの検出温度と、接触式温度センサ13の検出温度とに規定範囲以上の乖離が発生した場合は、ベリファイエラーとなる。この場合は、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rに異常が有ると認識し、上位モジュールへのエラー報告と併せて、全ヒータランプ(14、15)をOFFにする。さらに、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる処理を実行する(S212)。
変形例3の上流側加熱機構40が備える演算装置51は、印刷動作を停止してから次回ベリファイチェックまでの時間が規定時間を経過しているか否かに応じて、ベリファイチェックを実行する非接触式温度センサ12を選択する。これにより、規定時間を経過する前であっても、リア側のベリファイチェックを優先的に実行することで、スループットの向上ができる。
また、上流側ヒートロール11Uのリア側とフロント側との温度分布が均一とならないのは、被記録媒体Wが幅狭の場合である。被記録媒体Wが幅狭の場合は、手前側ヒータランプ14fを用いずに、奥側ヒータランプ14rのみの温度コントロールを行う場合がある。奥側ヒータランプ14rのみの温度コントロールを行う場合は、温度コントロールを実行するリア側の奥側非接触式温度センサ12rのベリファイチェックを優先的に実行することで、幅狭の被記録媒体Wにおいてスループットの向上が出来る。
印刷時の目標温度である印刷中目標温度T2の設定を変更すると、幅狭の被記録媒体Wを印刷した際に発生する上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側とに発生する温度差も変化する。このように温度差が変化すると、印刷停止後に上流側ヒートロール11Uの温度ムラが均されるのに必要な所定時間(温度均し期間「P4」)も変化する。このため、印刷制御装置160や操作パネルOP等の入力装置によって印刷中目標温度T2が設定された際には、次のような制御を行う構成としてもよい。すなわち、設定された印刷中目標温度T2に応じて、印刷動作を停止してから次回のベリファイチェックを実行可能とするまでの規定時間(温度均し期間「P4」)のデータを変更する制御を行う構成としてもよい。
印刷中目標温度T2の設定に応じて、次回のベリファイチェックまでの規定時間データを可変することで、印刷中目標温度T2に応じて変わる印刷後の上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側との温度差の影響を考慮した温度均し期間「P4」を設定できる。これにより、印刷終了後に温度均し期間「P4」だけ待つ必要がある幅狭の被記録媒体Wを乾燥させる場合であっても、印刷中目標温度T2に応じて温度均し期間「P4」を短くすることが可能となり、スループットの向上を図ることが出来る。
外気温度や湿度などの環境条件が変化すると、幅狭の被記録媒体Wを印刷した際に発生する上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側とに発生する温度差も変化する。このように温度差が変化すると、印刷停止後に上流側ヒートロール11Uの温度ムラが均されるのに必要な所定時間(温度均し期間「P4」)も変化する。このため、印刷制御装置160や操作パネルOP等の入力装置によって環境条件が入力された際や、温湿度計等の環境条件検出手段によって環境条件の変化が検出された際には、次のような制御が行われる。すなわち、環境条件に応じて印刷動作を停止してから次回のベリファイチェックを実行可能とする規定時間(温度均し期間「P4」)のデータを変更する制御を行う構成としてもよい。
この構成では、外部から入力可能な設定手段としての入力装置を有し、保守員またはオペレーターHが、印刷動作を停止してから次回ベリファイチェックまでの規定時間として予め設定した規定時間データを変更可能となる。これにより、外気温度や湿度などの環境条件の影響を最小限に抑えることが可能となり、ベリファイチェックの検出精度を向上することが出来る。
温度センサ(12、13)の種類やヒートロール11の種類により、温度の応答性が変わる。このため、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12(r,f)の検出結果が正しいとする温度差の範囲(±20[℃]等)のデータ内容を、印刷制御装置160や操作パネルOP等の入力装置から、適宜変更可能な構成としてもよい。
この構成では、外部から入力可能な設定手段としての入力装置を有し、保守員あるいはオペレーターHが、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12の検出結果が正しいとする温度範囲として予め設定した温度範囲データを変更可能となる。これにより、温度センサ(12、13)やヒートロール11の種類などのデバイス条件の影響を最小限に抑えることが可能となり、ベリファイチェックの検出精度を向上することが出来る。
ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12(r,f)の検出結果が正しいとする温度差の範囲(±20[℃]等)が変更されると、二回目のベリファイチェックを行うか否かを判断する待機中目標温度T1の条件も変わる。このため、二回目のベリファイチェックを行うか否かを判断する待機中目標温度T1についての予め設定したデータ内容(50[℃]等)を、印刷制御装置160や操作パネルOP等の入力装置から、適宜変更な構成としてもよい。
この構成では、外部から入力可能な設定手段おしての入力装置を有し、保守員あるいはオペレーターHが、目標温度到達時に実行する二回目のベリファイチェックを実行するか否かの判断温度として予め設定した判断温度データを変更可能となる。これにより、ベリファイチェックを実行する温度条件を変更可能とし、環境条件やデバイス条件の影響を最小限に抑えることで、ベリファイチェックの検出精度を向上することが出来る。
上述した実施形態1では、画像形成装置であるプリンタ120と乾燥装置140とを備えた画像形成システム500について説明した。被記録媒体に画像を形成して乾燥させる構成としては、画像形成部と乾燥処理部とを一つの筐体内に備えた画像形成装置でもよく、この乾燥処理部の加熱手段として、上流側加熱機構40と同様の構成を適用可能である。
〔実施形態2〕
上述した実施形態1では、加熱装置を画像形成システムに設けて被記録媒体Wに塗布されたインク液を乾燥させる構成について説明したが、加熱装置を適用する構成は、これに限定されるものではない。例えば、上記構成の加熱装置を電子写真方式の画像形成装置における定着装置に設けて記録媒体に形成されたトナー画像を定着させてもよい。
以下、本発明を画像形成装置の定着装置に適用した二つ目の実施形態(以下、「実施形態2」という)について説明する。
図14は、実施形態2に係る画像形成装置400の概略構成図である。
画像形成装置400は、給紙部404と、レジストローラ対406と、潜像担持体としての感光体408と、転写装置410と、定着装置412等を有している。
給紙部404は、記録材としての用紙Sが積載状態で収容される給紙トレイ414と、給紙トレイ414に収容された用紙Sを最上のものから順に一枚ずつ分離して送り出す給紙コロ416等を有している。
給紙コロ416によって送り出された用紙Sは、レジストローラ対406で一旦停止される。その後、感光体408上に形成されたトナー像の先端と、用紙Sの搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイミングで、レジストローラ対406により転写部Nへ送られる。
感光体408の周りには、感光体の回転方向順に、帯電ローラ418と、露光装置420と、現像装置422と、転写装置410と、クリーニング装置424等が配置され、画像形成部450を構成している。帯電ローラ418と現像装置422との間の感光体上に露光装置420からの露光光Lbが照射され、走査されるようになっている。
画像形成部450では、感光体408が回転を始めると、感光体408の表面が帯電ローラ418により均一に帯電され、画像データに基づいて露光光Lbが感光体408上に照射、走査されて作成すべき画像に対応した潜像が形成される。この潜像は、感光体408の回転により現像装置422と対向する位置まで移動し、ここで現像装置422からトナーが潜像に供給されて可視像化され、トナー像が形成される。
感光体408上に形成されたトナー像は、所定のタイミングで転写部Nに進入してきた用紙S上に、転写装置410による転写バイアスの印加により転写される。
トナー像が転写された用紙Sは、定着装置412へ向けて搬送され、定着装置412でトナー像が用紙Sに定着された後、排紙トレイ460へ排出されスタックされる。
転写部Nを通過した感光体408上に残った残留トナーは、感光体408の回転に伴ってクリーニング装置424に至り、掻き落とされて、感光体408の表面が清掃される。その後、感光体408上の残留電位が、除電手段により除去され、次の作像工程に備えられる。
定着装置412は、加熱ローラ438と加圧ローラ430とを備え、用紙S上のトナー像を熱と圧力とによって用紙S上に定着する。この定着装置412が備える加熱ローラ438を加熱する加熱装置として、上記実施形態1の上流側ヒートロール11Uを加熱する上流側加熱機構40と同様の構成を適用することができる。
これにより、定着装置412として、加熱部材である加熱ローラ438の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する構成で、部品点数の削減を図ることができる。また、この定着装置412を備える画像形成装置400の部品点数の削減を図ることができる。
画像形成装置400は、一つの感光体408上のトナー像を用紙Sに直接転写する構成である。画像形成装置としては、複数の感光体上に形成されたトナー像を用紙に転写する構成や感光体上のトナー像を中間転写体を介して用紙に転写する構成であってもよい。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
搬送される被記録媒体W等の加熱対象に接触する上流側ヒートロール11U等の加熱部材と、加熱部材に熱を付与する手前側ヒータランプ14f及び奥側ヒータランプ14r等の熱源と、非接触で加熱部材の温度を検出する奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の複数の非接触式温度検出手段と、接触して加熱部材の温度を検出する接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段と、非接触式温度検出手段の検出結果に基づいて熱源の駆動を制御するヒータ制御部50等の熱源駆動制御手段と、非接触式温度検出手段及び接触式温度検出手段の検出結果に基づいて、前記非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する演算装置51等の温度検出異常検知手段とを備える上流側加熱機構40等の加熱装置において、温度検出異常検知手段は、加熱対象の搬送を停止しているときに、複数の非接触式温度検出手段のうちの二以上の非接触式温度検出手段の検出結果と、一つの接触式温度検出手段の検出結果と、を比較し、二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、加熱部材の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する構成で、部品点数の削減を図ることができる。これは、以下の理由による。
すなわち、加熱対象を搬送しているタイミングでは、加熱対象の未加熱の部分が加熱部材と接触する位置に到達し続けるため、加熱部材と加熱対象との温度差が大きく、加熱部材の熱は加熱対象へと移動し易い。このため、加熱部材内での熱の伝達の効率は悪く、加熱部材の表面上の位置によって温度が異なる温度ムラが生じ易い。このような場合、表面上の一箇所が所望の温度に到達していても、他の箇所が所望の温度に到達していない状態となることがある。よって、温度検出の箇所が一箇所だけでは、温度検出手段の検出結果に基づいて熱源の駆動を制御する際に、適切な制御を行うことができない。これに対して、態様Aでは、特許文献1の加熱装置と同様に、複数の非接触式温度検出手段を備え、その検出結果に基づいて熱源駆動制御手段が熱源の駆動を制御することで、より適切に熱源の駆動を制御できる。
態様Aでは、特許文献1の加熱装置と同様に、非接触式温度検出手段及び接触式温度検出手段の検出結果に基づいて、非接触式温度検出手段の異常の有無を判断している。この構成では、加熱部材における非接触式温度検出手段の検出位置と接触式温度検出手段の検出位置とが略同じ温度であることを前提とし、検出結果同士を比較した温度差が所定の温度以上であるときに非接触式温度検出手段に異常が有ると判断する。このように異常の有無の判断を行う場合、加熱部材における非接触式温度検出手段の検出位置と、接触式温度検出手段の検出位置との間で温度差があると、検出結果を適切に比較することができない。上述のように加熱部材の表面上に温度ムラが生じている場合、加熱部材における非接触式温度検出手段の検出位置と接触式温度検出手段の検出位置との距離が離れるほど、検出位置同士の間での温度差が大きくなり、検出結果を適切に比較することができなくなる。特許文献1の加熱装置では、複数の非接触式温度検出手段と同数の接触式温度検出手段を設けることで、加熱部材における接触式温度検出手段の検出位置を非接触式温度検出手段の検出位置に近づけている。このように検出位置同士を近づけることで、温度ムラに起因して検出位置同士の間で温度差が生じることを抑制することができる。しかし、非接触式温度検出手段の異常の有無の判断用の接触式温度検出手段を、非接触式温度検出手段と同数備える構成では、部品点数が多くなる。
これに対して、態様Aでは、二以上の非接触式温度検出手段及び一つの接触式温度検出手段による温度の検出を、加熱対象の搬送を停止しているときに行う。
搬送を停止しているタイミングとしては、加熱部材に加熱対象が接触していない場合と、加熱部材に加熱対象が接触している場合とがあり得る。
加熱部材に加熱対象が接触していない場合には、加熱部材から熱が移動する対象がないため、加熱部材内の熱の伝達効率が向上し、加熱部材の表面上の温度ムラが均された状態となる。
また、加熱部材に加熱対象が接触している場合には、搬送を停止した加熱対象における加熱部材と接触する箇所が固定であるため、加熱部材と加熱対象との温度差が生じ難く、温度差が小さいことで、加熱部材の熱は加熱対象へと移動し難い。このため、加熱部材内の熱の伝達効率が向上し、加熱部材の表面上の温度ムラが均された状態となる。
態様Aでは、接触式温度検出手段及び非接触式温度検出手段による温度の検出を加熱対象の搬送を停止しているときに行うため、加熱部材の表面上の温度ムラが均された状態で温度検出を行うことができる。加熱部材の表面上の温度ムラが均された状態であれば、加熱部材における接触式温度検出手段の検出位置を複数の非接触式温度検出手段のそれぞれの検出位置に近づける必要がなくなる。よって、一つの接触式温度検出手段の検出結果と、二以上の非接触式温度検出手段の検出結果とを比較して、二以上の非接触式温度検出手段のそれぞれについて、適切に異常の有無を判断することが可能となる。これにより、接触式温度検出手段の数を複数の非接触式温度検出手段よりも少ない数とすることができ、非接触式温度検出手段と同数の接触式温度検出手段を備える構成に比べて、部品点数の削減を図ることができる。
(態様B)
態様Aにおいて、演算装置51等の温度検出異常検知手段は、被記録媒体W等の加熱対象の搬送を停止してから五分等の所定時間の経過後における奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段と接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段の検出結果とに基づいて、二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、上流側ヒートロール11U等の加熱部材の表面の温度分布が均一になった状態における検出結果に基づいて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することで、検出精度の向上が出来る。
(態様C)
態様Bにおいて、被記録媒体W等の加熱対象の搬送方向に直交する方向の長さである加熱対象の幅を検出する幅検出センサ17等の加熱対象幅検出手段を備え、検出した加熱対象の幅が、所定の長さを超えるときには、所定時間の経過前であっても奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段と接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する。
これによれば、上記変形例1について説明したように、加熱対象の幅が広く、上流側ヒートロール11U等の加熱部材に温度ムラが生じ難い条件の場合に、所定の時間を待たずに非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することで処理速度を向上できる。
(態様D)
態様BまたはCの何れかの態様において、奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段のそれぞれの検出結果同士の温度差が、所定の範囲内であるときには、所定時間の経過前であっても二以上の非接触式温度検出手段と接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する。
これによれば、上記変形例2について説明したように、上流側ヒートロール11U等の加熱部材に温度ムラが少ない状態の場合に、所定の時間を待たずに非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することで処理速度を向上できる。
(態様E)
態様Aにおいて、演算装置51等の温度検出異常検知手段は、被記録媒体W等の加熱対象の搬送を停止してからの所定時間の経過の前後によって、奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段のうち、接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段の検出結果に基づいて異常の有無を判断する非接触式温度検出手段を選択する。
これによれば、上記変形例3について説明したように、上流側ヒートロール11U等の加熱部材の表面の温度分布が均一になる前は、接触式温度検出手段との検出位置同士における温度差が少ない非接触式温度検出手段について優先的に異常の有無を判断する。これにより、速度処理を向上できる。
(態様F)
態様B乃至Eの何れかの態様において、被記録媒体W等の加熱対象の搬送を開始するとき上流側ヒートロール11U等の加熱部材の目標温度(印刷中目標温度T2等)が変更可能であり、目標温度に基づいて、所定時間を変化させる。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、幅狭の加熱対象を加熱する場合であっても、目標温度に応じて所定時間を短くすることが可能となり、処理速度の向上を図ることが出来る。
(態様G)
態様B乃至Fの何れかの態様において、外部からの入力によって所定時間が可変である。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、搬送動作を停止してから次回の非接触式温度センサ12等の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断するまでの所定時間を変更可能となる。よって、環境条件の影響を最小限に抑え、異常の有無を判断する判断精度を向上することが可能となる。
(態様H)
態様A乃至Gの何れかの態様において、演算装置51等の温度検出異常検知手段は、非接触式温度センサ12等の非接触式温度検出手段の検出結果と接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段の検出結果との温度差が所定の温度差を越えたときに非接触式温度検出手段に異常があると判断するものであり、外部からの入力によって所定の温度差が可変である。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、温度センサ(12、13)や上流側ヒートロール11Uの種類などのデバイス条件の影響を最小限に抑えることが可能となり、異常の有無を判断する判断精度を向上することが可能となる。
(態様I)
態様A乃至Hの何れかの態様において、演算装置51等の温度検出異常検知手段は、奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段の何れか、または接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段が、所定の温度となったことを検出したときに、非接触式温度検出手段の異常の有無の判断を行い、外部からの入力によって所定の温度が可変である。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、非接触式温度検出手段の異常の有無の判断を行う所定の温度が変更可能となり、環境条件やデバイス条件の影響を最小限に抑え、異常の有無を判断する判断精度を向上することが可能となる。
(態様J)
態様A乃至Iの何れかの態様において、接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段を上流側ヒートロール11U等の加熱部材に対して接離するセンサ接離モータ60等の接離手段を備え、接離手段は、被記録媒体W等の加熱対象の搬送を停止した後に、接触式温度検出手段を加熱部材に対して接触させ、加熱対象の搬送を開始する前に、接触式温度検出手段を加熱部材から離間させる。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、加熱部材との擦れによる接触式温度検出手段のセンサ部等の検出部の故障や加熱部材の表面の損傷が生じることを防止できる。
(態様K)
被記録媒体W等の被乾燥媒体を加熱手段によって加熱し、乾燥させる乾燥装置140等の乾燥装置において、加熱手段として、態様A乃至Jの何れかの態様に係る上流側加熱機構40等の加熱装置の構成を備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、加熱部材の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する乾燥装置で、部品点数の削減を図ることができる。
(態様L)
被記録媒体W等の記録媒体にインク液を塗布して画像を形成するプリンタ120等の画像形成装置と、記録媒体の搬送方向における画像形成装置の下流側に位置し、画像形成装置で画像が形成された記録媒体を加熱して乾燥する乾燥処理手段と、を備えた画像形成システム500等の画像形成システムであって、乾燥処理手段として、態様Kに係る乾燥装置140等の乾燥装置を備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、記録媒体のインク液を乾燥装置で乾燥させる画像形成システムで、部品点数の削減を図ることができる。
(態様M)
記録媒体にインク液を塗布して画像を形成する画像形成部と、画像形成部で画像が形成された記録媒体を加熱手段によって加熱して乾燥する乾燥処理部と、を備えた画像形成装置であって、加熱手段として、態様A乃至Jの何れかの態様に係る上流側加熱機構40等の加熱装置と同様の構成を備える。
これによれば、上記実施形態1について説明した構成と同様に、記録媒体のインク液を乾燥処理部で乾燥させる画像形成装置で、部品点数の削減を図ることができる。
(態様N)
加熱手段によって発生させた熱を用いてトナーを軟化もしくは溶融させて用紙S等の記録媒体に定着する定着装置412等の定着装置において、加熱手段として、態様A乃至Jの何れかの態様に係る上流側加熱機構40等の加熱装置と同様の構成を備える。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、加熱部材の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する定着装置で、部品点数の削減を図ることができる。
(態様O)
トナーを用いて用紙S等の記録媒体上にトナー像を形成する画像形成部450等のトナー像形成手段と、トナー像を担持する記録媒体の表面を加熱し、記録媒体上にトナー像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置400等の画像形成装置において、定着手段として、態様Nに係る定着装置を用いる。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、画像形成装置の部品点数の削減を図ることができる。
1 ガイドローラ
2 ダンサーローラ
3 ダンサー可動フレーム
4 ダンサーユニット
5 ダンサー機構
10 乾燥機構
11 ヒートロール
11L 下流側ヒートロール
11U 上流側ヒートロール
12 非接触式温度センサ
12f 手前側非接触式温度センサ
12r 奥側非接触式温度センサ
13 接触式温度センサ
14 上流用ヒータランプ
14f 手前側ヒータランプ
14r 奥側ヒータランプ
15 下流用ヒータランプ
15a 長尺ヒータランプ
15b 短尺ヒータランプ
16 熱暴走センサ
17 幅検出センサ
20 冷却機構
21 冷却ローラ
22 冷却可動フレーム
23 冷却ファン
24 冷却ユニット
30 搬送機構
31 搬送ローラ
32 搬送ニップローラ
40 上流側加熱機構
45 下流側加熱機構
50 ヒータ制御部
51 演算装置
52 タイマ制御部
53 目標温度制御部
54 メモリ
60 センサ接離モータ
100 給紙装置
101 断熱壁
110 処理液塗布装置
120 プリンタ
120f 第一プリンタ
120r 第二プリンタ
130 反転装置
140 乾燥装置
150 後処理装置
160 印刷制御装置
400 画像形成装置
404 給紙部
406 レジストローラ対
408 感光体
410 転写装置
412 定着装置
414 給紙トレイ
416 給紙コロ
418 帯電ローラ
420 露光装置
422 現像装置
424 クリーニング装置
430 加圧ローラ
438 加熱ローラ
450 画像形成部
460 排紙トレイ
500 画像形成システム
H オペレーター
Lb 露光光
N 転写部
OP 操作パネル
S 用紙
T0 常温
T1 待機中目標温度
T2 印刷中目標温度
Tmpc ヒータ制御温度
W 被記録媒体
特開2008−102413号公報

Claims (15)

  1. 搬送される加熱対象に接触する加熱部材と、
    前記加熱部材に熱を付与する熱源と、
    非接触で前記加熱部材の温度を検出する複数の非接触式温度検出手段と、
    接触して前記加熱部材の温度を検出する接触式温度検出手段と、
    前記非接触式温度検出手段の検出結果に基づいて前記熱源の駆動を制御する熱源駆動制御手段と、
    前記非接触式温度検出手段及び前記接触式温度検出手段の検出結果に基づいて、前記非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する温度検出異常検知手段とを備える加熱装置において、
    前記温度検出異常検知手段は、前記加熱対象の搬送を停止しているときに、前記複数の非接触式温度検出手段のうちの二以上の非接触式温度検出手段の検出結果と、一つの前記接触式温度検出手段の検出結果と、を比較し、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することを特徴とする加熱装置。
  2. 請求項1に記載の加熱装置において、
    前記温度検出異常検知手段は、前記加熱対象の搬送を停止してから所定時間の経過後における前記二以上の非接触式温度検出手段と前記接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することを特徴とする加熱装置。
  3. 請求項2に記載の加熱装置において、
    前記加熱対象の搬送方向に直交する方向の長さである前記加熱対象の幅を検出する加熱対象幅検出手段を備え、
    検出した前記加熱対象の幅が、所定の長さを超えるときには、前記所定時間の経過前であっても前記二以上の非接触式温度検出手段と前記接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することを特徴とする加熱装置。
  4. 請求項2または3の何れかに記載の加熱装置において、
    前記二以上の非接触式温度検出手段のそれぞれの検出結果同士の温度差が、所定の範囲内であるときには、前記所定時間の経過前であっても前記二以上の非接触式温度検出手段と前記接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することを特徴とする加熱装置。
  5. 請求項1に記載の加熱装置において、
    前記温度検出異常検知手段は、前記加熱対象の搬送を停止してからの所定時間の経過の前後によって、前記二以上の非接触式温度検出手段のうち、前記接触式温度検出手段の検出結果に基づいて異常の有無を判断する前記非接触式温度検出手段を選択することを特徴とする加熱装置。
  6. 請求項2乃至5の何れかに記載の加熱装置において、
    前記加熱対象の搬送を開始するときの前記加熱部材の目標温度が変更可能であり、
    前記目標温度に基づいて、前記所定時間を変化させることを特徴とする加熱装置。
  7. 請求項2乃至6の何れかに記載の加熱装置において、
    外部からの入力によって前記所定時間が可変であることを特徴とする加熱装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の加熱装置において、
    前記温度検出異常検知手段は、前記非接触式温度検出手段の検出結果と前記接触式温度検出手段の検出結果との温度差が所定の温度差を越えたときに前記非接触式温度検出手段に異常があると判断するものであり、
    外部からの入力によって前記所定の温度差が可変であることを特徴とする加熱装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の加熱装置において、
    前記温度検出異常検知手段は、前記二以上の非接触式温度検出手段の何れか、または前記接触式温度検出手段が、所定の温度となったことを検出したときに、前記非接触式温度検出手段の異常の有無の判断を行い、
    外部からの入力によって前記所定の温度が可変であることを特徴とする加熱装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載の加熱装置において、
    前記接触式温度検出手段を前記加熱部材に対して接離する接離手段を備え、
    前記接離手段は、前記加熱対象の搬送を停止した後に、前記接触式温度検出手段を前記加熱部材に対して接触させ、前記加熱対象の搬送を開始する前に、前記接触式温度検出手段を前記加熱部材から離間させることを特徴とする加熱装置。
  11. 被乾燥媒体を加熱手段によって加熱し、乾燥させる乾燥装置において、
    前記加熱手段として、請求項1乃至10の何れかの加熱装置を備えることを特徴とする乾燥装置。
  12. 記録媒体にインク液を塗布して画像を形成する画像形成装置と、
    記録媒体の搬送方向における前記画像形成装置の下流側に位置し、前記画像形成装置で画像が形成された記録媒体を加熱して乾燥する乾燥処理手段と、を備えた画像形成システムであって、
    前記乾燥処理手段として、請求項11の乾燥装置を備えることを特徴とする画像形成システム。
  13. 記録媒体にインク液を塗布して画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で画像が形成された記録媒体を加熱手段によって加熱して乾燥する乾燥処理部と、を備えた画像形成装置であって、
    前記加熱手段として、請求項1乃至10の何れかの加熱装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  14. 加熱手段によって発生させた熱を用いてトナーを軟化もしくは溶融させて記録媒体に定着する定着装置において、
    前記加熱手段として、請求項1乃至10の何れかに記載の加熱装置を用いることを特徴とする定着装置。
  15. トナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    トナー像を担持する記録媒体の表面を加熱し、記録媒体上にトナー像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
    前記定着手段として、請求項14に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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