JP2007079039A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材上の画像をニップ部にて加熱する画像加熱部材と、この画像加熱部材の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の出力に応じて画像加熱部材の温度を制御する制御手段と、設定された記録材幅に応じて画像加熱部材の幅方向端部側を冷却する冷却手段と、を有する画像形成装置において、装置の異常を適切に検出して、装置の信頼性の向上を図る。
【解決手段】画像加熱部材の温度検出手段よりも幅方向端部側の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の出力に応じて記録材幅の設定異常である旨を報知する報知手段と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像加熱装置を搭載した複写機・プリンタ・ファクシミリ等の電子写真式や静電記録方式等の画像形成装置に関する。
画像加熱装置としては、例えば、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置等を挙げることができる。
従来、未定着トナー像を記録材に定着する定着方式として、安全性、定着性のよさなどから、未定着トナー像を加熱、溶融して記録材に定着させる熱定着方式が一般に用いられている。
特に、熱効率の良さ、小型化の容易さなどから、加熱ローラ(ロール)と加圧ローラとが圧接された定着領域で記録材上の未定着トナー像を加熱、加圧して熱定着させる熱ローラ方式が多く用いられている。
熱ローラ方式の定着装置は、内部にヒータを備えた定着ローラと、これに対向圧接させた加圧ローラとを用い、この一対のローラ間の定着ニップ部に記録材を導入通過させる。これにより、記録材面に形成担持されている未定着トナー画像を熱と圧力で記録材面に定着させるものである。
近年では、クイックスタートや省エネルギーの観点からフィルム(ベルト)加熱方式の定着装置が実用化されている。
フィルム加熱方式の定着装置は、加熱体としてのセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(以下、定着フィルムと記す)を挟ませて定着ニップ部を形成させる。そして、定着ニップ部の定着フィルムと加圧ローラとの間に未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して定着フィルムと一緒に挟持搬送させる。これにより、定着フィルムを介してセラミックヒータの熱を与えながら定着ニップ部の加圧力で未定着トナー画像を記録材面に定着させるものである。
上述したような熱ローラ方式やフィルム加熱方式の定着装置に於いては、最大通紙幅の記録材よりも幅の小さい記録材の連続通紙時の非通紙部昇温という課題が知られている。
最大サイズ記録材を通紙して定着する場合、加熱ローラ表面は定着領域全長域に渡って略均一な温度分布となる。しかしながら、小サイズ記録材を連続通紙して定着した場合に、加熱ローラの非通紙域通過表面の温度が過度に上昇する。これは、小サイズ記録材を連続的に通紙すると、記録材の通過しない非通紙域では記録材による奪熱が無い分だけ、部分的に蓄熱されるためである。
小サイズ記録材通紙時の非通紙部昇温を防ぐために、定着装置の非通紙領域を冷却風によって冷却する構成が、例えば特許文献1〜3に提案されている。
上記のような定着装置においては、冷却用ファンが故障して機能しないことで、非通紙部昇温が押さえられない事態の発生等が考えられる。
特許文献4には、本体装置に具備させた冷却用ファンの駆動を本体装置内部の温度を検出する温度検出手段の検出温度情報により制御する冷却ファン装置の故障検出構成が記載されている。すなわち、前記ファンの駆動直前の温度検出手段の検出温度T1と、ファンを一定時間Δt駆動した後の温度検出手段の温度T2を用いて、(T2−T1)/Δt
を計算し、その値が規定値以上であった場合にファン故障と判断するものである。
特開昭60−136779号公報 特開平5−181382号公報 特開2003−076209号公報 特開平11−175169号公報
しかしながら、従来技術では、ファンの駆動時間と、一つの温度検出手段の検出温度からファンの異常を検出している。そのため、例えばユーザが設定された記録材幅よりも、誤って実際に幅の狭い記録材を通紙した際に、ファンの冷却効果により温度検出手段の温度は正常で、ファン異常も検出してない場合等に問題が生じる。すなわち、設定された記録材幅と実際の通紙幅の間の定着装置部分の温度が過昇温を生じてしまい、定着装置を破損してしまう可能性があった。
そこで本発明は、冷却手段を備えた画像加熱装置を搭載した画像形成装置について、冷却手段の故障等の適切な検出を可能にして、装置の信頼性の向上を図ることを目的としている。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材上の画像をニップ部にて加熱する画像加熱部材と、この画像加熱部材の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の出力に応じて画像加熱部材の温度を制御する制御手段と、設定された記録材幅に応じて画像加熱部材の幅方向端部側を冷却する冷却手段と、を有する画像形成装置において、画像加熱部材の温度検出手段よりも幅方向端部側の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の出力に応じて記録材幅の設定異常である旨を報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の他の代表的な構成は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材上の画像をニップ部にて加熱する画像加熱部材と、この画像加熱部材の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の出力に応じて画像加熱部材の温度を制御する制御手段と、設定された記録材幅に応じて画像加熱部材の幅方向端部側を冷却する冷却手段と、を有する画像形成装置において、画像加熱部材の温度検出手段よりも幅方向端部側の温度を検出する第1の温度検出手段と、画像加熱部材の温度検出手段から第1の温度検出手段の距離位置よりも短い距離位置の温度を検出する第2の温度検出手段と、第1及び第2の温度検出手段の出力に基づいて冷却手段の動作異常であるか記録材幅の設定異常であるかを判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
上記の構成により、冷却手段の故障等の適切な検出を可能にして、装置の信頼性の向上を図ることができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は実施例にて説明する各種構成にのみに限定されるものではない。即ち、本発明の思想の範囲内において実施例にて説明する各種構成を他の公知の構成に代替可能である。
(1)画像形成部
図5は本発明に従う画像形成装置の一例である電子写真フルカラープリンタの概略構成を示す縦断面模式図である。まず、記録材に画像を形成する画像形成手段である画像形成部の概略を説明する。
このプリンタは、制御回路部(制御基板:CPU)100と通信可能に接続した外部ホスト装置200からの入力画像情報に応じて作像動作して、記録材上にフルカラー画像を形成して出力することができる。外部ホスト装置200は、コンピュータ、イメージリーダー等である。制御回路部100は、外部ホスト装置200と信号の授受をする。また各種作像機器と信号の授受をし、作像シーケンス制御を司る。
8は無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと略記する)であり、二次転写対向ローラ9とテンションロ−ラ10との間に張架されていて、ローラ9が駆動されることにより矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。11は二次転写ローラであり、上記の二次転写対向ローラ9に対してベルト8を介して圧接させてある。ベルト8と二次転写ローラ11との当接部が二次転写部である。
1Y・1M・1C・1Bkは第1〜第4の4つの画像形成部であり、ベルト8の下側においてベルト移動方向に沿って所定の間隔をおいて一列に配置されている。各画像形成部はレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、それぞれ、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと略記する)2を有する。各ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、ドラムクリーナ装置6が配置されている。各転写ローラ5はベルト8の内側に配置してあり、ベルト8の下行き側ベルト部分を介して対応するドラム2に対して圧接させてある。各ドラム2とベルト8との当接部が一次転写部である。7は各画像形成部のドラム2に対するレーザ露光装置であり、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
制御回路部100は外部ホスト装置200から入力されたカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部を作像動作させる。これにより、第1〜第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkにおいて、それぞれ回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー像が形成される。なお、ドラム2にトナー像を形成する電子写真作像原理・プロセスは公知に属するからその説明は省略する。
各画像形成部のドラム2の面に形成される上記のトナー像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト8の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト8の面に上記の4つのトナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
一方、所定の給紙タイミングにて、それぞれ大小各種幅サイズの記録材Pを積載収容させた上下多段のカセット給紙部13A・13B・13Cのうちの選択された段位の給紙カセットの給紙ローラ14が駆動される。これにより、その段位の給紙カセットに積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。手差し給紙が選択されているときには、給紙ローラ18が駆動される。これにより、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)17上に積載セットされている記録材が1枚分離給紙されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。
レジストローラ16は、回転するベルト8上の上記のフルカラートナー像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト8上のフルカラーのトナー像が一括して記録材Pの面に順次に二次転写されていく。二次転写部を出た記録材は、ベルト8の面から分離され、縦ガイド19に案内されて、定着装置(定着器)20に導入される。この定着装置20により、上記の複数色のトナー像が溶融混色されて記録材表面に永久固着像として定着される。定着装置20を出た記録材はフルカラー画像形成物として搬送パス21を通って排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出される。
二次転写部にて記録材分離後のベルト8の面はベルトクリーニング装置12により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
モノ黒プリントモードの場合には、ブラックトナー像を形成する第4の画像形成部Bkのみが作像動作制御される。両面プリントモードが選択されている場合には、第1面プリント済みの記録材が排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出されていき、後端部が排紙ローラ22を通過する直前時点で排紙ローラ22の回転が逆転に変換される。これにより、記録材はスイッチバックされて再搬送パス24に導入される。そして、表裏反転状態になって再びレジストローラ16に搬送される。以後は、第1面プリント時と同様に、二次転写部、定着装置20に搬送されて、両面プリント画像形成物として排紙トレイ23上に送り出される。
(2)定着装置20
以下の説明において、定着装置またはこれを構成している部材について長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。定着装置に関して、正面とは記録材導入側の面、左右とは装置を正面から見て左または右である。記録材の幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
図4は本実施例における画像加熱装置としての定着装置20の概略構成を示す横断面模式図である。この定着装置20は、大別して、フィルム(ベルト)加熱方式の定着機構部20Aと、送風冷却機構部(冷却手段)20Bとからなる。図6は定着機構部20Aの正面模式図、図7はその縦断正面模式図である。
(2−1)定着機構部20A
まず、定着機構部20Aの概略を説明する。定着機構部20Aは基本的には特開平4−44075〜44083、4−204980〜204984号公報等に開示のフィルム加熱方式・加圧回転体駆動方式(テンションレスタイプ)のオンデマンド定着装置である。
31は第1の定着部材(加熱部材)としてのフィルムアセンブリ、32は第2の定着部材(加圧部材)としての弾性加圧ローラであり、両者の圧接により定着ニップ(通紙ニップ)部Nを形成させている。
フィルムアセンブリ31において、33は記録材上の画像をニップ部にて加熱する画像加熱部材としての円筒状で可撓性を有する定着フィルム(定着ベルト、薄肉ローラ:以下、フィルムと略記する)である。34は横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するフィルムガイド部材(以下、ガイド部材と略記する)である。35は加熱源としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと略記する)であり、ガイド部材34の外面に、該部材の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設してある。フィルム33はヒータ35を取り付けたガイド部材34に対してルーズに外嵌させてある。36は横断面コ字型の剛性加圧ステイ(以下、ステイと略記する)であり、ガイド部材34の内側に配設してある。37はステイ36の左右両端部の外方突出腕部36aにそれぞれ嵌着した端部ホルダ、37aはこの端部ホルダ37と一体のフランジ部である。
加圧ローラ32は、芯金32aに、シリコーンゴム等の弾性層32bを設けて硬度を下げたものである。表面性を向上させるために、さらに外周に、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂層32cを設けてもよい。加圧ローラ32は加圧回転部材として、芯金32aの両端部を装置シャーシー(不図示)の左右の側板間に軸受部材を介して回転自由に軸受保持させて配設してある。
上記の加圧ローラ32に対して、フィルムアセンブリ31を、ヒータ35側を対向させて並行に配列し、左右の端部ホルダ37と左右の固定のばね受け部材39との間に加圧ばね40を縮設してある。これにより、ステイ36、ガイド部材34、ヒータ35が加圧ローラ32側に押圧付勢される。その押圧付勢力を所定に設定して、ヒータ35をフィルム33を挟んで加圧ローラ32に対して弾性層32bの弾性に抗して圧接させて、フィルム33と加圧ローラ32との間に記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。
本実施例におけるフィルム33は、図8の層構成模式図のように、内面側から外面側に順に、基層33a、弾性層33b、離型層33cの3層複合構造である。基層33aは、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性フィルムを使用できる。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、PES、PPS、PTFE、PFA、FEP等のフィルムを使用できる。本例では、直径25mmの円筒状ポリイミドフィルムを用いた。弾性層33bは、ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率4.18605×10−1W/m・℃(1×10−3[cal/cm.sec.deg])、厚さ200μmのシリコーンゴムを用いた。離型層203は厚さ20μmのPFAコート層を用いた。離型層33cは厚さ20μmのPFAコート層を用いた。PFAチューブを用いても良い。PFAコートは、厚さが薄く出来、材質的にもPFAチューブに比較してトナーをつつみ込む効果がより大きい点が優れている。一方、機械的及び電気的強度はPFAチューブがPFAコートよりも優っているので、場合により使い分けることが出来る。
本実施例におけるヒータ35は、ヒータ基板としてチッ化アルミニウム等を用いた、裏面加熱タイプのものであり、定着フィルム33・記録材Pの移動方向に直交する方向を長手とする低熱容量の横長の線状加熱体である。図9はそのヒータ35の横断面模式図と制御系統図である。このヒータ35はチッ化アルミニウム等でできたヒータ基板35aを有する。このヒータ基板35aの裏面側(定着フィルム対向面側とは反対面側)には長手に沿って設けた、例えばAg/Pd(銀/パラジウム)等の電気抵抗材料を約10μm、幅1〜5mmにスクリーン印刷等により塗工して設けた通電発熱層35bを有する。更にその上に設けたガラスやフッ素樹脂等の保護層35cを有する。本実施例においてはヒータ基板35aの表面側(フィルム対向面側)に摺動部材(潤滑部材)35dを設けている。
ヒータ35は、ガイド部材34の外面の略中央部にガイド長手に沿って形成具備させた溝部に、摺動部材35dを設けたヒータ基板表面側を露呈させて嵌入して固定支持させてある。定着ニップ部Nではこのヒータ35の摺動部材35dの面とフィルム33の内面が相互接触摺動する。そして、回転する画像過熱部材であるフィルム33がヒータ35により加熱される。
ヒータ35の通電発熱層35bの長手両端間に通電されることで、通電発熱層35bが発熱してヒータ35がヒータ長手方向の有効発熱幅Aの全域において急速に昇温する。そのヒータ温度(つまりは、フィルム33の温度)がヒータ保護層35cの外面に接触させて配設した、メイン温度検出手段(以下、メインサーミスタと記す)THにより検出される。そして、その出力(温度に関する信号値)がA/Dコンバータを介して制御回路部100に入力する。制御回路部100は、その入力する検出温度情報に基づいて、ヒータ温度を所定の定着温度に維持するように電源(電力供給部、ヒータ駆動回路)101から通電発熱層35bに対する通電を制御する。すなわち、ヒータ35で加熱される加熱回転部材であるフィルム33の温度がインサーミスタTHの出力に応じて制御回路部100によって所定の定着温度に温調される。
加圧ローラ32はモータ(駆動手段)M1により矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ32の回転駆動による加圧ローラ32とフィルム33の外面との定着ニップ部Nにおける摩擦力でフィルム33に回転力が作用する。これにより、フィルム33が、その内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ35に密着して摺動しながら矢示の反時計方向にガイド部材34の外回りを回転する(加圧ローラ駆動方式)。フィルム33は加圧ローラ32の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって回転する。左右のフランジ部37aは、回転するフィルム33がガイド部材34の長手に沿って左方または右方に寄り移動したとき寄り移動側のフィルム端部を受け止めて寄り移動を規制する役目をする。定着ニップ部Nにおけるヒータ35とフィルム33の内面との相互摺動摩擦力を低減させるために、定着ニップ部Nのヒータ面に摺動部材35dを配設し、フィルム33の内面との間に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させる。
そして、プリントスタート信号に基づいて、加圧ローラ32の回転が開始され、またヒータ35のヒートアップが開始される。フィルム33の回転周速度が定常化し、ヒータ35の温度が所定に立ち上がった状態において、定着ニップ部Nにトナー画像tを担持させた記録材Pがトナー画像担持面側をフィルム33側にして導入される。記録材Pは定着ニップ部Nにおいてフィルム33を介してヒータ35に密着して定着ニップ部Nをフィルム33と一緒に移動通過していく。その移動通過過程においてヒータ35で加熱されるフィルム33により記録材Pに熱が付与されてトナー画像tが記録材P面に加熱定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pはフィルム33の面から分離されて排出搬送される。
本実施例では、記録材Pの搬送は記録材中心のいわゆる中央基準搬送で行なわれる。すなわち、装置に通紙使用可能な大小いかなる幅の記録材も、記録材の幅方向中央部が定着フィルム33の長手方向中央部を通過することになる。Sはその記録材中央通紙基準線(仮想線)である。
aは装置に通紙可能な最大幅記録材の通紙幅(最大通紙幅)である。たとえば、A3縦送り幅297mmである。ヒータ長手方向の有効発熱領域幅Aはこの最大通紙幅aよりも少し大きくしてある。
b−1は最大通紙幅aよりも小さい幅サイズの記録材の通紙幅(第1通紙域)である。たとえば、A5横送り幅210mmである。b−2は最大通紙幅aと通紙幅b−1との差幅部、すなわち、通紙幅b−1の記録材を通紙したときに生じる非通紙部(第1非通紙域)である。
b−3は通紙幅b−1よりも小さい幅サイズの記録材の通紙幅(第2通紙域)である。例えば官製葉書縦送り幅100mmである。b−4は最大通紙幅aと通紙幅b−3との差幅部、すなわち、通紙幅b−3の記録材を通紙したときに生じる非通紙部(第2非通紙域)である。
前記メインサーミスタTHは、大小どの通紙幅の記録材も通過する記録材中央通紙基準線Sに略対応する位置のヒータ温度(=通紙部温度)を検出するように配設してある。
TH1とTH2は第1と第2の2つの端部温度検出手段である。以下、第1の端部温度検出手段を第1端部サーミスタと記す。この第1端部サーミスタTH1による温度検出を第1温度検出とする。また、第2の端部温度検出手段を第2端部サーミスタと記す。この第2端部サーミスタTH2による温度検出を第1温度検出とする。
第1端部サーミスタTH1は最大通紙幅aの端部近傍より内側の位置においてフィルム温度を検出するように配設してある。
また、第2端部サーミスタTH2は、後述する冷却手段によって冷却されない領域で、通紙可能な最小サイズ記録材(例えば官製葉書縦送り)の通紙域端部よりも外側に設けてある。
これにより、図6・図7においては、第1端部サーミスタTH1は第1の非通紙域b−2に対応する部分のフィルム温度を検出することができる。また第2端部サーミスタTH1は第2の非通紙域b−4に対応する部分のフィルム温度を検出することができる。
具体的には、第1および第2の端部サーミスタTH1・TH2はそれぞれガイド部材34に基部が固定される板ばね形状の弾性支持部材38の自由端に配置されている。そして、弾性支持部材38の弾性によりフィルム33の基層33aの内面に温度検出部を弾性的に当接させてフィルム部分の温度を検出させている。各端部サーミスタTH1・TH2の出力がA/Dコンバータを介して制御回路部100に入力する。
(2−2)送風冷却機構部20B
送風冷却機構部20Bは、定着機構部20Aの第1非通紙域b−2の昇温を送風により冷却する冷却手段である。図10はこの送風冷却機構部20Bの外観斜視模式図である。図11は図10の(11)−(11)線に沿う拡大断面図である。
図4・図10・図11を参照して、本実施例における送風冷却機構部20Bを説明する。送風冷却機構部20Bは、送風(冷却)ファン(送風装置、以下、ファンと略記する)41と、このファン41で生じる冷却風を導く冷却用ダクト42と、この冷却用ダクト42の定着機構部20Aに対向する部分に配置された送風口(ダクト開口部)43を有する。また、この送風口43の開口幅を通紙される記録材の幅に適した幅に調整するシャッタ(遮蔽板)44と、このシャッタを駆動するシャッタ駆動装置(開口幅調節手段)45を有する。
上記のファン41、冷却用ダクト42、送風口43、シャッタ44はフィルム33の長手方向左右部に対称に配置されている。49はファン41の吸気側に配設した吸気チャンネル部である。上記ファン41にはシロッコファン等の遠心ファンを使用することが可能である。
左右のシャッタ44は、送風口43を形成した、左右方向に延びている支持板46の板面に沿って左右方向にスライド移動可能に支持させてある。この左右のシャッタ44をラック歯47とピニオンギア48により連絡させ、ピニオンギア48をモータ(パルスモータ)M2で正転または逆転駆動する。これにより、左右のシャッタ44を連動してそれぞれに対応する送風口43に対して左右対称の関係で開閉動するようにしてある。上記の支持板46、ラック歯47、ピニオンギア48、モータM2によりシャッタ駆動装置45が構成されている。
左右の送風口43の幅は、それぞれ第1非通紙域b−2の幅に対応している。左右のシャッタ44は支持板46の長手中央から外に向けて送風口43を所定量だけ閉める向きに配置されている。
制御回路部100には、ユーザによる使用記録材サイズの入力や、給紙カセット13や手差しトレイ17の記録材幅自動検出機構(不図示)といった情報に基づき通紙される記録材の幅情報W(図9)がインプットされる。そして、制御回路部100は、その情報に基づき、ファン41と、シャッタ駆動装置45を制御する。
すなわち、制御回路部100は、通紙される記録材の幅情報がA3縦送り幅サイズ幅の大サイズ記録材であるときは、冷却不要であるから、ファン41はOFFとする。また、図12のように、送風口43をシャッタ44で完全に閉じた状態にする。
A5横送り幅の小サイズ記録材であるときは、図13のように、シャッタ44を送風口43を完全に開いた全開位置に移動する。そして、第1端部サーミスタTH1の検出温度が所定の上限温度以上になったらファン41をONにする。これにより、第1非通紙部b−2が冷却される。第1非通紙部b−2の温度が所定の下限温度よりも下がったら、ファン41をOFFにする。このようなファン41のON−OFF制御により、第1非通紙部b−2の昇温が許容範囲内に温調される。
通紙される記録材の幅が、最大通紙幅aよりも小さく、第1通紙領域b−1の幅よりも大きいときには、制御回路部100は、それらの場合に生じる非通紙部に対応する分だけ送風口43を開いた位置にシャッタ44を移動する。そして、第1端部サーミスタTH1の検出温度に応じてファン41のON−OFF制御をして非通紙部の昇温を許容範囲内に温調する。
シャッタ44の位置情報はシャッタ44の所定位置に配置されたフラグ50を支持板46上に配置されたセンサ51により検出する。具体的には、図12のように、送風口43を全閉したシャッタ位置でホームポジションを定め、開口量はモータM2の回転量から検出している。
シャッタ44の現在位置を直接検出する開口幅検出センサを具備させ、該センサによるシャッタ位置情報を制御回路にフィードバックして、通紙される記録材の幅に対応させてシャッタ44を適正な開口幅位置に移動制御するようにすることもできる。シャッタの停止位置はシャッタのエッジ位置をセンサで検出することで、小サイズ記録材の幅方向の長さに対応する位置を精度良く定められる。従って、最大通紙幅aよりも小さく、第1通紙領域b−1の幅よりも大きい小サイズ記録材の非通紙領域に対してのみ冷却風の送風を行なうことができる。
通紙される記録材の幅が、第1通紙領域b−1の幅よりも小さいときには、送風冷却機構部20Bは動作させない。すなわち、制御回路部100は、ファン41はOFFとする。また、送風口43をシャッタ44で完全に閉じた状態にする。そして、第1または第2端部サーミスタTH1またはTH2の検出温度が所定の上限温度以上になったら、スループットダウン制御をする。
ここで、スループットダウン制御とは、単位時間当たりに定着ニップ部Nを通過する記録材の枚数を減少させる制御である。具体的には、下記のa・b・cのような方法がある。
a:定着装置に通紙される記録材の紙間間隔を大きくして非通紙領域温度を下げる。
b:定着装置に通紙される記録材の紙間間隔を広げつつ、記録材が定着領域を通過しない時に加熱動作を停止して非通紙領域温度を下げる。
c:定着装置の記録材の排出速度を小さくする。
このスループットダウン制御により、第2非通紙領域b−4の非通紙部昇温が緩和される。
(3)装置異常判断モード
(3−1)次に、本実施例に係わる、前記送風冷却機構20B(冷却手段)と、第1端部サーミスタTH1と、第2端部サーミスタTH2を用いて、装置の異常状態を判断する制御シーケンスを図1を用いて説明する。
図9において、102は制御回路部100内の判定手段(判定機能部)であり、第1と第2の端部サーミスタTH1・TH2の出力に基いて、冷却手段の動作異常であるか、記録材幅の設定異常であるかを判断する。判定手段102は、その異常である旨を報知する報知手段(報知機能部)103を有する。報知手段103はその異常である旨を表示する表示手段104または/および201を有する。表示手段104は画像形成装置(プリンタ)側に具備させている表示手段(液晶表示器等)、表示手段201は外部ホスト装置200側に具備させている表示手段(液晶表示器等)である。
まず、制御回路部(CPU)100から、プリントジョブスタートの信号が出される(S100)。
次に、プリント中に、S101で、第1端部サーミスタTH1による検出温度(第1温度検出)がT0℃以上を検出した場合、定着機構部20Aの端部を冷却するために冷却風を送風するファン41(送風装置)の稼動する(S102)。
ファン41が動作している際に、S103で、第1端部サーミスタTH1による検出温度が所定値T1℃以上を検出した場合は、判定手段102は、ファン41が正常に動作していないと判断する(S104)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、画像形成装置を停止する(S105)。画像形成装置の停止は,画像形成の中断と同義である。
S103で第1端部サーミスタTH1による検出温度はT1℃より低いが、S106で第2端部サーミスタTH2による検出温度(第2温度検出)がT2℃以上を検出した場合を説明する。
この場合には、判定手段102は、定着機構部20Aの第2端部サーミスタTH2近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、ユーザに装置に異常が発生している注意を促す(S107)。そして、装置を停止する(S108)。
S106で第2端部サーミスタTH2がT2℃より低い場合は、画像形成処理を正常に行い(S109)、全ての印字処理が終了した時点でジョブを終了する(S110)。
S101で、定着機構部20Aの端部を冷却する必要がなく、送風冷却機構20Bが動作していない場合は、以下のようなシーケンスになる。
S111で、第1端部サーミスタTH1による検出温度が所定値T1℃以上を検出した場合は、判定手段102は、定着機構部20Aの第1端部サーミスタTH1近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い(S112)、装置を停止する(S113)。
S111で第1端部サーミスタTH1の温度は所定値T1℃より低い。しかし、第2端部サーミスタTH2がT2℃以上を検出した場合も(S114)、判定手段102は定着機構部20Aの第2端部サーミスタTH2近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する(S115)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(S116)。
S114で第2端部サーミスタTH2がT2℃より低い温度を検出している場合は、画像形成処理を正常に行い(S109)、全ての印字処理が終了した時点でジョブを終了する(S110)。
このように、図1の制御シーケンスは、第1と第2の端部サーミスタTH1またはTH2が異常高温を検出した際に装置に何らかの異常が発生していると判断し、ユーザに注意を促し、装置を停止するものである。

(3−2)次に、図2のフローチャートで、実際に通紙された記録材がユーザによって設定された記録材サイズとは異なることを検出する制御シーケンスについて説明する。
まず、ユーザによって設定される記録材サイズは次の設定とする。すなわち、定着領域の幅方向サイズが前述した領域b−2間の最大サイズ、または、定着領域の幅方向サイズが第2端部サーミスタTH2より外側で、かつ送風冷却機構20Bで冷却されない領域b−3の幅サイズになるように設定することとする。
そして、制御回路部100から、プリントジョブスタートの信号が出される(S200)。
次にプリント中に、S201で、第1端部サーミスタTH1による検出温度がT0℃以上を検出した場合、定着機構部20Aの端部を冷却するために冷却風を送風するファン41(送風装置)を稼動する(S202)。
次に、S203で、第1端部サーミスタTH1が所定値T1℃以上を検出した場合は、判定手段102はファン41が正常に動作していないと判断する(S204)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(S205)。
S203で、第1端部サーミスタTH1の検出温度はT1℃より低いが、S206で第2端部サーミスタTH2がT2℃以上を検出した場合は、S209で、設定記録材サイズを判断する。
ここで、ユーザによる記録材設定が定着領域の幅方向サイズが、第2端部サーミスタTH2より外側で、かつ送風冷却機構20Bで冷却されない領域b−3間の幅サイズになるように設定されていた場合を説明する。
この場合には、判定手段102は、実際に通紙した記録材サイズが設定した記録材幅サイズよりも小さい記録材幅サイズの記録材が通紙したと判断する(S210)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(211)。
また、設定記録材サイズが領域b−3より小さい幅に設定されている場合には、判定手段102は、定着装置の第2端部サーミスタTH2近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する(S212)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(S213)。
S206で第2端部サーミスタTH2がT2℃より低い場合は、画像形成処理を正常に行い(S207)、全ての印字処理が終了した時点でジョブを終了する(S208)。
S201で、定着機構部20Aの端部を冷却する必要がなく、送風冷却機構20Bが動作していない場合は、以下のようなシーケンスになる。
S214で、第1端部サーミスタTH1による温度が所定値T1以上を検出した場合は、S221で、記録材設定サイズを判断する。
ここで、ユーザによる記録材設定が定着領域の幅方向サイズが領域b−1より大きいサイズに設定されていた場合には、判定手段102は、実際に通紙した記録材サイズがユーザが設定した記録材サイズとは異なり小さいと判断する(S222)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(S223)。
S221で設定記録材サイズが領域b−1より小さい幅に設定されている場合には、判定手段102は、定着機構部20Aの第2端部サーミスタTH2近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(S225)。
S214で、第1端部サーミスタTHの温度は所定値T1より低く正常だが、S215で第2端部サーミスタTH2がT2以上を検出した場合は、S216で、設定記録材サイズを判断する(S216)。
ここで、ユーザによる記録材設定が定着領域の幅方向サイズが第2端部サーミスタTH2より外側で、かつ送風冷却機構20Bで冷却されない領域b−3間の幅サイズになるように設定されていた場合を説明する。
この場合には、判定手段102は、実際に通紙した記録材サイズがユーザが設定した記録材サイズとは異なり小さいと判断する(S217)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(S218)。
設定記録材サイズが領域b−3より小さい幅に設定されている場合には、判定手段102は、定着機構部20Aの第2端部サーミスタTH2近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する(S219)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(S220)。
S215で、第2端部サーミスタTH2が所定値T2より低い温度を検出している場合は、画像形成処理を正常に行い(S207)、全ての印字処理が終了した時点でジョブを終了する(S208)。
このように、図2の制御シーケンスは、第1と第2の端部サーミスタTH1またはTH2が異常高温を検出し、ユーザが設定した記録材サイズとは異なる記録材が通紙と判断し、ユーザに注意を促し、装置を停止するものである。
(3−3)次に、図3のフローチャートで、記録材サイズ異常を検出した際に、装置を停止させずに、画像形成処理を継続するシーケンスついて説明する。
まず、図2と同様にユーザは記録材サイズを設定することとする。ユーザによって設定される記録材サイズは次の設定とする。すなわち、定着領域の幅方向サイズが前述した領域b−2間の最大サイズ、または、定着領域の幅方向サイズが第2端部サーミスタTH2より外側で、かつ送風冷却機構20Bで冷却されない領域b−3の幅サイズになるように設定することとする。
そして、制御回路部100から、プリントジョブスタートの信号が出される(S300)。
次にプリント中に、S301で、第1端部サーミスタTH1による検出温度がT0℃以上かを検出した場合、定着機構部20Aの端部を冷却するために冷却風を送風するファン41を稼動する(S302)。
次に、S303で、第1端部サーミスタTH1の検出温度が所定値T1℃以上を検出した場合は、判定手段102は、ファン41が正常に動作していないと判断する(S304)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にてその旨のエラー表示を行い、装置を停止する(S305)。
S303で、第1端部サーミスタTH1の検出温度はT1℃より低いが、S306で第2端部サーミスタTH2がT2℃以上を検出した場合は、S309で、設定記録材サイズを判断する。
ここで、ユーザによる記録材設定が定着領域の幅方向サイズが第2の端部サーミスタTH2より外側で、かつ送風装置で冷却されない領域b−3間の幅サイズになるように設定されていた場合を説明する。
この場合には、判定手段102は、実際に通紙した記録材サイズが設定した記録材幅サイズよりも小さい記録材幅サイズの記録材が通紙したと判断する(310)。報知手段103の報知で表示手段104・201にて記録材サイズが異常であることを表示した上で、通紙紙間を通常よりあけ、定着機構部20Aの異常高温を防止するためのスループットダウン処理を行い(S311)、画像形成処理を継続する(S307)。
設定記録材サイズが領域b−3より小さい幅に設定されている場合には、判定手段102は、定着機構部20Aの第2の端部サーミスタTH2近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する(S312)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にて装置が異常であることを表示した上で、通紙紙間を通常よりあけ、定着装置の異常高温を防止するためのスループットダウン処理を行い(S313)、画像形成処理を継続する(S307)。
S301で、定着機構部20Aの端部を冷却する必要がなく、送風冷却機構20Bが動作していない場合は、以下のようなシーケンスになる。
S314で、第1端部サーミスタTH1の検出温度が所定値T1以上を検出した場合は、S321で、記録材設定サイズを判断する。
ここで、ユーザによる記録材設定が定着領域の幅方向サイズが領域b−1より大きいサイズに設定されていた場合を説明する。この場合には、判定手段102は、実際に通紙した記録材サイズがユーザが設定した記録材サイズとは異なり小さいと検出する(S322)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にて記録材サイズが異常であることを表示した上で、通紙紙間を通常よりあけ、定着装置の異常高温を防止するためのスループットダウン処理を行い(S323)、画像形成処理を継続する(S307)。
S321で設定記録材サイズが領域b−1より小さい幅に設定されている場合には、判定手段102は、定着機構部20Aの第1端部サーミスタTH1近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する(S324)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にて装置が異常であることを表示した上で、通紙紙間を通常よりあけ、定着機構部20Aの異常高温を防止するためのスループットダウン処理を行い(S325)、画像形成処理を継続する(S307)。
S314で第1端部サーミスタTH1の検出温度は所定値T1より低く正常だが、S315で第2の端部サーミスタTH2がT2以上を検出した場合は、S316で、設定記録材サイズを判断する。
ここで、ユーザによる記録材設定が定着領域の幅方向サイズが第2の端部サーミスタTH2より外側で、かつ送風冷却機構20Bで冷却されない領域b−3間の幅サイズになるように設定されていた場合を説明する。
この場合には、判定手段102は、実際に通紙した記録材サイズがユーザが設定した記録材サイズとは異なり小さいと検出する(S317)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にて記録材サイズが異常であることを表示した上で、通紙紙間を通常よりあけ、定着装置の異常高温を防止するためのスループットダウン処理を行い(S318)、画像形成処理を継続する(S307)。
設定記録材サイズが領域b−3より小さい幅に設定されている場合には、判定手段102は、定着機構部20Aの第2の端部サーミスタTH2近傍が何らかの要因で異常高温になっていると判断する(S319)。そして、報知手段103の報知で表示手段104・201にて記録材サイズが異常であることを表示した上で、通紙紙間を通常よりあけ、定着装置の異常高温を防止するためのスループットダウン処理を行い(S320)、画像形成処理を継続する(S307)。
S315で、第2の端部サーミスタTH2が所定温度T2より低い温度を検出している場合は、画像形成処理を正常に行い(S307)、全ての印字処理が終了した時点でジョブを終了する(S308)。
ジョブ終了後には、通紙された記録材サイズと設定されているサイズが異なることによってスループットダウン処理が行われたならば、報知手段103の報知で表示手段104・201にてユーザにその旨を通知する。
そして、装置異常によるスループットダウン処理が行われた場合は、報知手段103の報知で表示手段104・201にてユーザに装置に何らかの異常が発生していることを通知し、次ジョブは開始しないように制御する。
このように、紙間をあけるスループットダウン処理を行うことで、極力装置の不停止を実現する。
また、上記の制御において、冷却手段の動作異常であると判定されたとき、画像形成を中断するとともにその後の画像形成を禁止とする。そして、記録材幅の設定異常であると判定されたとき、スループットダウン処理、すなわち、単位時間当たりに定着ニップ部を通過する記録材の枚数を減少させることにより画像形成を続行する制御にすることもできる。
また、上記の制御において、冷却手段の動作異常であると判定されたとき、画像形成を中断するとともにその後の画像形成を禁止とする。そして、記録材幅の設定異常であると判定されたとき、画像形成を中断するとともに記録材幅の再設定後の画像形成を可能とする制御にすることもできる。
なお、上記図1〜図3のフローにおいて、所定温度T0、所定温度T1、所定温度T2はそれぞれ具体的には、例えば、所定温度T0:195℃(等速、普通紙)、所定温度T1:250℃、所定温度T2:250℃である。ただし、所定温度T0は、速度・マテリアルによって異なり、170℃位〜210℃位になる。また、定着温調温度は、等速・普通紙で230℃位になる。
第1と第2の端部サーミスタTH1とTH2は、図14のような配置関係とすることもできる。すなわち、図7は第1と第2の端部サーミスタTH1とTH2はメインサーミスタTHに対して同じ側の配置であるが、図14のように第1と第2の端部サーミスタTH1とTH2をメインサーミスタTHに対して互いに逆側に配置してもよい。すなわち、第2の端部サーミスタTH2は、メインサーミスタTHから第1端部サーミスタTH1の距離位置よりも短い距離位置において、フィルム33の温度を検出するように配置されればよい。
以上説明したように、送風冷却機構20B(冷却手段)と、第1端部サーミスタTH1と、第2端部サーミスタTH2を用いて、装置の異常を検出することが可能となる。
また、検出状況に応じては、通紙間隔をあけ、装置の異常高温を避けることで、装置を極力停止させない制御を実施することも可能となる。
上記において、画像加熱部材は低熱容量の薄肉ローラタイプであるとしたが、特にこれに限定されるものではなく、ベルトタイプの画像加熱部材でも同様の効果が得られる。
画像加熱手段20Aは実施例のフィルム加熱方式の加熱装置に限られず、熱ローラ方式の加熱装置、その他の構成の加熱装置とすることができる。電磁誘導加熱方式の装置にすることもできる。
また、画像加熱手段20Aは記録材の通紙を片側搬送基準で行なう構成のものであっても同様の効果が得られる。
送風冷却機構部20Bの送風口43に対するシャッタ44およびその駆動装置45は無くてもよい。
装置の異常状態を判断する制御シーケンスのフロー図(その1) 装置の異常状態を判断する制御シーケンスのフロー図(その2) 装置の異常状態を判断する制御シーケンスのフロー図(その3) 実施例の定着装置(画像加熱装置)の概略構成を示す横断面模式図 その定着装置を搭載した画像形成装置の一例の縦断面模式図 その定着装置の定着機構部の正面模式図 その定着機構部の縦断正面模式図 定着フィルムの層構成模型図 ヒータの横断面模型図と制御系統のブロック図 送風冷却機構部の外観斜視模式図 図10の(11)−(11)線に沿う拡大断面図 シャッタが送風口を完全に閉ざした全閉位置に移動した状態図 シャッタが送風口を完全に開いた全開位置に移動した状態図 第1と第2の端部サーミスタTH1とTH2の他の配置例を示した図
符号の説明
20・・定着装置(画像加熱装置)、20A・・定着機構部(画像加熱手段)、20B・・送風冷却機構部(冷却手段)、TH1・・第1端部温度検出手段、TH2・・第2端部温度検出手段、100・・制御回路部

Claims (11)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材上の画像をニップ部にて加熱する画像加熱部材と、この画像加熱部材の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の出力に応じて画像加熱部材の温度を制御する制御手段と、設定された記録材幅に応じて画像加熱部材の幅方向端部側を冷却する冷却手段と、を有する画像形成装置において、
    画像加熱部材の温度検出手段よりも幅方向端部側の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の出力に応じて記録材幅の設定異常である旨を報知する報知手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記報知手段は、前記温度検出手段による検出温度が所定温度に到達したとき、記録材幅の設定異常である旨を報知することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 記録材幅の設定異常であると判定されたとき、単位時間当たりに前記ニップ部を通過する記録材の枚数を減少させることを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
  4. 記録材幅の設定異常であると判定されたとき、画像形成を中断させることを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
  5. 前記報知手段は記録材幅の設定異常である旨を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの画像形成装置。
  6. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材上の画像をニップ部にて加熱する画像加熱部材と、この画像加熱部材の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の出力に応じて画像加熱部材の温度を制御する制御手段と、設定された記録材幅に応じて画像加熱部材の幅方向端部側を冷却する冷却手段と、を有する画像形成装置において、
    画像加熱部材の温度検出手段よりも幅方向端部側の温度を検出する第1の温度検出手段と、画像加熱部材の温度検出手段から第1の温度検出手段の距離位置よりも短い距離位置の温度を検出する第2の温度検出手段と、第1及び第2の温度検出手段の出力に基づいて冷却手段の動作異常であるか記録材幅の設定異常であるかを判定する判定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記第2の温度検出手段による検出温度が所定温度以上、且つ、前記第1の温度検出手段による検出温度が所定温度未満である場合、記録材幅の設定異常であると判定し、
    前記第1の温度検出手段による検出温度が所定温度以上となった場合、前記冷却手段の動作異常であると判定することを特徴とする請求項6の画像形成装置。
  8. 冷却手段の動作異常であると判定されたとき、画像形成を中断するとともにその後の画像形成を禁止とし、
    記録材幅の設定異常であると判定されたとき、単位時間当たりに前記ニップ部を通過する記録材の枚数を減少させることにより画像形成を続行することを特徴とする請求項6又は7の画像形成装置。
  9. 冷却手段の動作異常であると判定されたとき、画像形成を中断するとともにその後の画像形成を禁止とし、
    記録材幅の設定異常であると判定されたとき、画像形成を中断するとともに記録材幅の再設定後の画像形成を可能とすることを特徴とする請求項6又は7の画像形成装置。
  10. 冷却手段の動作異常であると判定されたとき、所定幅以下の記録材に対するその後の画像形成を禁止とし、所定幅よりも大きい記録材に対するその後の画像形成を可能とすることを特徴とする請求項8又は9の画像形成装置。
  11. 前記判定手段は異常である旨を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項6乃至10のいずれかの画像形成装置。
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