JP2004309950A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小サイズ記録材に対する連続画像形成が行われると、定着部における温度分布が不均一になり、次の画像形成において、定着ムラが発生しやすくなるが、従来の技術ではこのような定着ムラを十分に無くすることが困難であった。
【解決手段】他熱体を冷却する制御とともに、加熱体の駆動の制御をを行い、温度差情報に基づいて、冷却手段のみでなく、加熱体の駆動も温度差情報に基づいて制御する。
【選択図】 図4
【解決手段】他熱体を冷却する制御とともに、加熱体の駆動の制御をを行い、温度差情報に基づいて、冷却手段のみでなく、加熱体の駆動も温度差情報に基づいて制御する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー像を記録材に定着する定着装置を備えた画像形成装置に関し、特に、小サイズ記録材の定着処理を行った場合に生ずる定着ムラの防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、一般に、トナー像を加熱溶融することにより記録材に定着することが行われる。このように加熱溶融によりトナー像を定着する熱定着装置としては、一対のローラで搬送を行いつつ定着する熱ローラ定着装置、一対のベルト又はベルトとローラとで搬送を行いつつ定着するベルト定着装置等があり、ベルト定着装置には、搬送ベルトを加熱部材とするものや、搬送ローラを加熱部材とするものや、ベルトをバックアップする固定のブロックを加熱部材とするものがある。
【0003】
熱定着装置においては、小サイズの記録材を連続処理した場合に、定着部の温度分布が不均一になり、その直後に大サイズの記録材を定着するときに定着ムラを生ずるという問題がある。すなわち、小サイズの記録材を連続して定着処理した場合に、通紙部分における熱の持ち出し、すなわち、記録材が通過する通紙部分において記録材により熱が奪われる現象が起こるのに対して、非通紙部分では記録材による熱の持ち出しがないなめに、通紙部分における温度と非通紙部分における温度に違いが生じ、その状態で大サイズの記録材を定着処理するときに定着ムラを生ずるという問題がある。
【0004】
このような問題に対して、特許文献1では、非通紙部分を冷却手段で冷却することが開示されている。また、特許文献2では、加熱体である加熱ローラにヒートパイプのような熱伝導率のよいものを用いることにより、熱の移動を良好にして定着部における温度分布を均一化することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−248170号公報
【0006】
【特許文献2】
実開昭62−103073号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年の技術趨勢では、前記特許文献1、2で開示されている技術では、定着部における温度の不均一を十分に解消することが困難になっている。
【0008】
すなわち、省エネルギーの観点から、定着装置の消費電力を圧縮する技術が進歩し、加熱体の熱容量を小さくするという手段により省エネルギーが実現されているが、このために加熱ローラ等の加熱体が薄肉化されている。このために、加熱体における熱の移動が抑制され、その結果として、前記特許文献1、2で開示されている技術を用いても、温度分布の不均一を十分に解消することが困難になっている。
【0009】
その結果、小サイズの記録材を連続定着処理した後に大サイズの記録材を定着処理したときに、定着ムラを生ずるという問題がある。
【0010】
本発明は、従来技術におけるこのような問題を解決することを目的とし、小サイズの記録材を定着処理し、後に大サイズの記録材を定着処理した場合に生ずる定着ムラの問題を解消し、常に均一な定着を行うことができる定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0012】
1.接触加熱体、該接触加熱体に対向して配置された加圧体、小サイズ記録材の通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第1温度センサ、小サイズ記録材の非通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第2温度センサ、前記接触加熱体の前記非通紙部分を冷却する冷却手段並びに前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方を駆動する駆動手段を有する定着装置を備えた画像形成装置であって、
前記第1温度センサにより検知された温度と前記第2温度センサにより検知された温度との温度差に応じて、前記冷却手段及び前記駆動手段を制御する制御手段を有する定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0013】
2.前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方に接触して定着部における温度分布を均一化させる温度均一化部材を有することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0014】
3.画像形成工程を実行していない場合に、前記温度差が第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記冷却手段及び前記駆動手段を作動させることを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
【0015】
4.画像形成工程を実行している場合に、前記温度差が前記第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を停止するとともに、前記冷却手段及び前記駆動手段を作動させることを特徴とする前記3に記載の画像形成装置。
【0016】
5.前記画像形成工程を停止した後に、前記温度差が第2の所定値以下になったときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を再開することを特徴とする前記4に記載の画像形成装置。
【0017】
6.二つの画像形成ジョブを実行する場合に、前記制御手段は、前記温度差及び前記二つの画像形成ジョブにおいて使用される記録材の幅の情報に基づいて、後の画像形成ジョブの実行の可否を判断することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0018】
7.第1の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの一つを実行した後に、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する記録材を用いて画像形成ジョブの他を実行する際に、前記制御手段は、前記温度差が第3の所定値以上のときに、前記第2の幅を有する記録材に対する前記画像形成工程の他の実行を禁止し、前記温度差が前記第3の所定値を下回るときに、前記第2の幅を有する記録材に対する前記画像形成工程の他を実行することを特徴とする前記6に記載の画像形成装置。
【0019】
8.前記制御手段は、使用される記録材が所定幅以下のときに、画像形成工程の実行中において、前記冷却手段を作動させることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0020】
9.接触加熱体、該接触加熱体に対向して配置された加圧体、小サイズ記録材の通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第1温度センサ、小サイズ記録材の非通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第2温度センサ、前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方に接触して定着部における温度分布を均一化させる温度均一化部材並びに前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方を駆動する駆動手段を有する定着装置を備えた画像形成装置であって、
前記第1温度センサにより検知された温度と前記第2温度センサにより検知された温度との温度差に応じて、前記駆動手段を制御する制御手段を有する定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0021】
10.画像形成工程を実行していない場合に、前記温度差が前記所定値以上のときに、前記制御手段は、前記駆動手段を作動させることを特徴とする前記8に記載の画像形成装置。
【0022】
11.画像形成工程を実行している場合に、前記温度差が前記第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を停止するとともに、前前記駆動手段を作動させることを特徴とする前記10に記載の画像形成装置。
【0023】
12.前記画像形成工程を停止した後に、前記温度差が第2の所定値以下になったときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を再開することを特徴とする前記11に記載の画像形成装置。
【0024】
13.二つの画像形成ジョブを実行する場合に、前記制御手段は、前記温度差及び前記二つの画像形成ジョブにおいて使用される記録材の幅の情報に基づいて、後の画像ジョブの実行の可否を判断することを特徴とする前記9〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0025】
14.第1の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの一つを実行した後に、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの他を実行する際に、前記制御手段は、前記温度差が前記所定値以上のときに、前記第2の幅を有する記録材に対する画像形成工程の他の実行を禁止し、前記温度差が前記所定値を下回るときに、前記第2の幅を有する記録材に対する画像形成工程の他を実行することを特徴とする前記8〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0026】
15.前記接触加熱体は、誘導加熱型加熱手段により加熱されることを特徴とする前記1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示し、該画像形成装置は、画像形成部Aとその上に設置された画像読取装置Dから構成される。
【0028】
画像形成部Aは、回転する感光体1並びに感光体1の周囲に配置された帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5A、除電装置5B、分離爪5C及びクリーニング装置5Dを有し、帯電装置2によって感光体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光装置3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像装置4により反転現像して感光体1の表面にトナー像を形成する。
【0029】
給紙装置6Aから給紙された記録材Pは中間給紙部6Bを経て転写位置へと送られる。転写位置において転写装置5Aにより前記トナー像が記録材P上に転写される。その後に、記録材Pは除電装置5Bにより裏面の電荷が消去され、分離爪5Cにより感光体1から分離され、用紙搬送装置7Aにより搬送され、引き続き定着装置8により加熱定着処理され、排紙ローラ7Cにより排出される。なお、記録材Pの片面に画像形成を行う場合には、搬送路切り替え板7Bが破線の状態に切り替えられている。
【0030】
また、感光体1のトナー像転写後の表面は、分離爪5Cの下流においてクリーニング装置5Dにより表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
【0031】
一方、記録材Pの両面に画像形成を行う場合には、搬送路切り替え板7Bを実線の状態に切り替えることにより、定着装置8により加熱定着された記録材Pは下方に搬送され、反転搬送装置7Dにおいてスイッチバックして表裏反転された後、転写位置において新たなトナー像が裏面に転写される。その後は、上記と同工程で加熱定着され、破線の状態に切り替えた搬送路切り替え板7Bを通過した後、排紙ローラ7Cにより排出される。
【0032】
図2は図1における定着装置8の一例を示す。
定着装置8は、接触加熱体としての加熱ローラ20、加圧体としての加圧ローラ30、第1温度センサとしての温度センサTS1、第2温度センサとしての温度センサTS2及び冷却手段を有する。接触加熱体は記録材を搬送しつつ記録材上のトナー像を加熱定着する手段であり、接触加熱体としては、図示の加熱ローラの他に加熱ベルトを用いることができる。
【0033】
加熱ローラ20は駆動手段としてのモータ(図5に示す)により駆動されて矢印のように回転する。加熱ローラ20の内側に加熱手段が設けられ、該加熱手段は、円柱状のコイル支持部材22、該コイル支持部材22につる巻状に巻き付けられたコイル21からなる誘導加熱型加熱手段である。加熱ローラ20は鉄製のパイプからなり、コイル21に高周波電流を流すことにより、加熱ローラ20中に渦電流が誘起され、該渦電流により加熱ローラ20が発熱する。誘導加熱型加熱手段はエネルギー効率がよく迅速な加熱が出来る点で好ましく、このために加熱ローラ20の厚さは、0.2〜1.5mm程度が好ましく、0.5〜1mm程度が特に好ましい。なお、加熱手段としては、誘導加熱型加熱手段の他に、ハロゲンランプ等の放射熱により加熱する型のもの、抵抗加熱型等周知の任意の加熱手段を用いることができる。接触加熱体の材料には、誘導加熱型では鉄が好ましいが、他の型では、アルミニウム等の金属やポリイミド等の耐熱性の樹脂を用いることができる。接触加熱体の表面にフッ素樹脂等の離型層を設けのが好ましい。
【0034】
加圧体としての加圧ローラ30はパイプ状の芯金32及びシリコンゴムからなる耐熱弾性層31で構成される。加圧体は接触加熱体に圧接してニップを形成し記録材を搬送する手段であり、加圧体としては、図示の加圧ローラの他に加圧ベルトを用いることができる。加圧体の表面にフッ素樹脂等の離型層を設けることができる。なお、加圧体にも加熱手段を設けて加熱することができる。
【0035】
冷却手段は、冷却ファン40からなり、加熱ローラ20の回転軸方向両端部を冷却する。41は冷却ファン40による冷却範囲を加熱ローラ20の両端部に限定するダクトである。
【0036】
温度センサTS1は、加熱ローラ20の回転軸方向中央部の温度を検知し、温度センサTS2は、加熱ローラ20の回転軸方向端部の温度を検知する。温度センサTS1、TS2には、サーミスタ又はサーモカップルが用いられる。
【0037】
記録材Pは未トナー像Tを加熱ローラ20側に担持した状態で矢印のように加熱ローラ20と加圧ローラ30間のニップに導入され、該ニップを通過する際に加熱定着処理される。
【0038】
図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置における制御系のブロック図である。
【0039】
図において、制御手段CRは、温度センサTS1、センサTS2が検知した温度の温度差に応じて、図2に示す冷却ファン40、モータM及び画像形成部Aを制御する。画像形成部Aは前記に説明したように記録材Pに画像を形成する。駆動手段としてのモータMは図2における加熱ローラ20及び加圧ローラ30の少なくともいずれか一方を回転駆動する。
【0040】
図4は温度センサTS1、TS2の温度検知位置を示す図である。記録材Pは矢印のように進行して、加熱ローラ20と加圧ローラ30間のニップを通過し、通過の過程で、加熱ローラ20により加熱されて、記録材P上のトナー像が加熱定着される。記録材Pとしては、種々のサイズのものが用いられ、最小幅D1の記録材P1から最大幅D2の記録材P2間の種々のサイズのものが用いられる。
【0041】
記録材P3を加熱ローラ20と加圧ローラ30間に通紙して連続画像形成を行った場合に、記録材P3の幅D3に対応する加熱ローラ20の表面からは記録材P3により熱が奪われるが、幅D3の外側では熱が奪われることがない。その結果、加熱ローラ20の表面温度が記録材Pの幅D3に対応する中央部における温度T1と両端部における温度T2との間に温度差ΔTが生ずる。
【0042】
温度センサTS1(第1温度センサ)は中央部における温度T1を検知し、温度センサTS2(第2温度センサ)は端部における温度T2を検知する。
【0043】
使用される記録材の幅は種々あり、幅D3は各画像形成工程において様々であるが、記録材Pが加熱ローラ20と加圧ローラ30間のニップを通過する通紙部L1における温度と、その外側の非通紙部L2における温度の温度差ΔTは、図示のように2個の温度センサTS1、TS2により検知することができる。
【0044】
本実施の形態においては、温度差ΔTが所定値以上になったときに、冷却ファン40を作動させるとともに、加熱ローラ20を回転駆動して、温度差ΔTを速やかに許容値以下に低下させる制御が行われる。すなわち、加熱ローラ20を回転させながら、冷却ファン40により冷却風を加熱ローラ20に当てることにより、加熱ローラ20からの放熱量が多くなり、加熱ローラ20の両端部における高温状態が速やかに解消される。
【0045】
加熱ローラ20の駆動制御及び冷却ファン40のオン/オフ制御のための閾値である前記所定値は、後に説明する第1の所定値T1であり、所定値T1は、温度差ΔTが所定値T1以下であれば、定着ムラが生じないように設定され、たとえば、10℃〜30℃程度の値から選択されことが望ましい。
【0046】
このように冷却ファン40を作動させるとともに、モータMを作動させて加熱ローラ20を駆動しその表面温度分布を均一化する制御は、画像形成工程を実行していない期間に行われる。すなわち、画像形成装置の休止時に前記制御が行われるか、又は画像形成工程の実行中に温度差ΔTが所定値以上になったときに画像形成を中止して前記制御が行われる。前記制御では、記録材の通紙がない状態で回転する加熱ローラ20を冷却ファン40で冷却するので冷却効率がよく、加熱ローラ20の表面の温度分布が速やかに均一化する。
【0047】
通紙部と非通紙部の境界の幅D3は、記録材のサイズの使用頻度に応じて設定される。最大幅D1は一般にA3サイズの幅とされるが、たとえば、A4Rの記録材Pの使用頻度が高い場合には、D3はA4サイズの幅(短辺の長さ)に設定される。
【0048】
なお、幅D3を変更可能とし操作部において種々設定できるようにすることもできる。
【0049】
図5は定着装置8の他の例を示す。
図5(a)では、加熱ローラ20の表面温度を均一化する手段として、温度均一化部材50が用いられる。温度均一化部材50は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材料のローラからなり。温度均一化部材50を加圧ローラ50に接触させ、加圧ローラ30を回転することにより、図3に示す温度T2の高温部の熱が、温度均一化部材50においてその回転軸方向に移動し、表面温度が均一化される。そして、均一化された温度分布は加圧ローラ30を介して加熱ローラ20に転写され、加熱ローラ20の表面温度が均一化される。温度均一化部材50は、加圧ローラ30に代えて加熱ローラ20に接触させてもよく、また加熱ローラ20及び加圧ローラ30のそれぞれに設けてもよい。
【0050】
図5(b)は、加熱ローラ20の表面温度を均一化する手段として、冷却ファン40及び温度均一化部材50を用いた例を示す。冷却ファン40及び温度均一化部材50を用いることにより、より一層速やかに加熱ローラ20の表面温度を均一にすることができる。
【0051】
次に、図6〜13を参照して本発明の実施の形態における制御について説明する。
【0052】
図6は温度差検知のサブルーチンのフローチャートである。
ステップS1において、温度センサTS1、TS2の出力を読み込み、ステップS2において温度差ΔTを計算する。
【0053】
図7は図2に示す定着装置8を有する画像形成装置における制御のサブルーチンのフローチャートである。図7のサブルーチンのスタート時点では、モータMはオフであり加熱ローラ20は停止している。すなわち、図7に示す制御は、画像形成装置の主電源がオンであり、画像形成部Aが停止している状態からスタートする。
【0054】
ステップS10において温度差ΔTが所定値T1以上か否かを判断する。所定値T1以上のときは(S10のYes)、冷却ファン40をオンし(S11)、モータMをオンして加熱ローラ20を回転駆動する(S12)。温度差ΔTが所定値未満のときは、処理を行うことなく終了する。
【0055】
図8も図7と同様に図2に示す定着装置8を有する画像形成装置における制御を示すが、図8は、画像形成部Aが作動中、すなわち、画像形成工程の実行中における制御のサブルーチンのフローチャートである。
【0056】
ステップS21において、画像形成動作停止フラグのオン/オフをチェックし、オフの場合、ステップS22に移行して温度差ΔTが第1の所定値T1以上か否かを判断する。所定値以上のときは(S22のYes)、画像形成部Aを停止させる(S23)。画像形成工程の停止後、冷却ファン40をオンし(S24)、モータMを起動して加熱ローラ20を回転駆動し(S25)、画像形成動作停止フラグをオンにする。
【0057】
ステップS21の判断において、画像形成動作停止フラグがオン(Yes)である状態は、ステップS26の処理後の状態、すなわち、画像形成部Aを停止し、冷却ファン40をオンし、加熱ローラ20を駆動している状態である。この状態で温度差ΔTが第2の所定値T2以下か否かを判断する(S27)。第2の所定値T2は、加熱ローラ20の表面温度が均一化された状態を示すものとして設定された値であり、第1の所定値より小さい。温度差ΔTが第2の所定値T2より大であるとき(S27のNo)のときは、終了するが、第2の所定値T2以下のときは(S27のYes)、冷却ファン40をオフし(S28)、モータMをオフして加熱ローラ20を停止させ(S29)、画像形成部Aを作動させて画像形成工程を再開し(S30)、画像形成動作停止フラグをオフに切り替える(S31)。
【0058】
なお、ステップS30におけるモータMのオフを省略し、加熱ローラ20の駆動を継続して画像形成工程の再開(S30)に移行してもよい。
【0059】
本発明の実施の形態の他の例では、前後する二つの画像形成ジョブを実行する際に、後の画像形成ジョブの実行の可否を、前の画像形成ジョブにおいて用いられた記録材の幅と、後の画像形成ジョブにおいて用いられる記録材の幅と、温度差ΔTとに基づいて判断する。
【0060】
具体的には、一つの画像形成ジョブを実行した結果、温度差ΔTが第3の所定値T3以上になったときに、次の画像形成ジョブを実行するのに際して、前の画像形成ジョブにおいて用いた記録材よりも広い幅の記録材に対する画像形成を禁止して定着ムラを防止している。図9はこのような実施の形態における制御のサブルーチンのフローチャートである。
【0061】
ステップS40の判断で画像形成中の場合には(S40のYes)、サブルーチンは終了する。画像形成中でない場合には(S40のNo)、画像形成動作停止フラグのオン/オフをチェックし(S41)、Yesの場合は、温度差ΔTが第3の所定値T3以上か否かを判断し、以上のときは(S42のYes)、温度均一化制御に移行する。第3の所定値T3はほぼ第1の所定値T1に等しいが、必ずしも一致しない。
【0062】
ステップS43において、記録材の幅が前のジョブにおいて用いられた記録材の幅よりも広いか否かが判断される。ステップS43における判断は、記録材のサイズを検知する検知手段からのサイズ情報、記録材を収納する記録材収納部からのサイズ情報又は操作部において設定されたサイズ情報に基づいて行われる。
【0063】
前の記録材の幅以下である場合には(S43のNo)終了し、前の記録材の幅より大であるときは(S43のYes)、画像形成部Aを停止させて画像形成工程の実行を禁止し(S44)、冷却ファン40をオンし(S45)、加熱ローラ20を駆動し(S46)、画像形成動作停止フラグをオンして(S47)終了する。
【0064】
ステップS41の判断で画像形成動作停止フラグがオンのときは、温度差ΔTが第4の所定値T4以下であるか否かが判断される(S48)。第4の所定値T4は、加熱ローラ20の表面温度が均一であると判断するための閾値であり、第2の所定値T2にほぼ等しい。温度差ΔTが第4の所定値T4より大である場合には(S48のNo)、終了し、温度差ΔTが第4の所定値T4以下であるときは、冷却ファン40をオフし(S49)、画像形成部Aを作動させて画像形成工程を開始し(S50)、画像形成動作停止フラグをオフして(S51)終了する。
【0065】
小サイズの記録材を用いて画像形成を行う場合には、加熱ローラ20の表面温度が不均一になるので、記録材のサイズ情報に基づいて、冷却ファン40を制御することが望ましい。図10に示すサブルーチンはこのような制御を行うものである。
【0066】
ステップS60において、画像形成中であるときは(S60のYes)、記録材の幅が第5の所定値W以下か否かが判断される。所定値W以下である場合には(S61のYes)、冷却ファン40がオンされ終了する(S62)。画像形成中は加熱ローラ20は回転しているので、冷却ファン40による冷却作用と加熱ローラ20の回転による冷却作用の相乗効果により温度分布が均一化される。記録材の幅が所定値Wより大の場合には、そのまま終了する。
【0067】
ステップS60の判断で、画像形成中でないときは、冷却ファン40及び加熱ローラ20の駆動をオフして終了する(S63、S64)。画像形成装置の休止中において、冷却ファン40及び加熱ローラ20が停止しているときには、ステップS63、S64は実質的に実行されず、これらが作動している場合に実行されるのであって、ステップS63、S64は初期化を行う処理である。
【0068】
図11、12は図5(a)に示す定着装置8を有する画像形成装置における制御のサブルーチンのフローチャートである。図11の制御は休止中の画像形成装置の制御であり、図12の制御は作動中、すなわち画像形成工程を実行中の制御である。
【0069】
図11において、ステップS70で温度差ΔTが第1の所定値T1以上か否かが判断される。ステップS70においてYesのときは、加熱ローラ20の駆動がオンされ(S71)、Noのときは加熱ローラ20の駆動がオフされる。
【0070】
画像形成装置の休止状態では、加熱ローラ20は回転している場合と停止している場合がある。例えば、図9のステップS46のように、画像形成工程の実行中でない場合でもモータMがオンして加熱ローラ20が駆動される場合がある。ステップS71における加熱ローラ20の駆動オンは、加熱ローラ20が回転しているときは、駆動を続行することを意味し、停止しているときは、起動することを意味する。同様に、ステップS72のオフは、加熱ローラ20が停止している場合は、停止を継続することを意味し、回転しているときは、停止させることを意味する。
【0071】
図12において、画像形成動作停止フラグがオンのときは(S80のNo)、温度差ΔTが第1の所定値T1以上か否かが判断され、所定値以上のときは(S81のYes)、画像形成部Aを停止させ(S82)、加熱ローラ20を駆動し(S83)、画像形成動作停止フラグをオンして(S84)終了する。
【0072】
ステップS81の判断において、温度差ΔTが第1の所定値T1未満のときは(S82のNo)、そのまま終了する。ステップS80の判断で画像形成動作停止フラグがオフのときは(S80のNo)、温度差ΔTが第2の所定値T2以下か否かを判断し、第2の所定値T2を超えるときは(S95のNo)、そのまま終了し、T2以下のときは、加熱ローラ20の駆動をオフする(S86)。すなわち、画像形成動作停止フラグがオンで、温度差ΔTが第2の所定値T2以下のときは、加熱ローラ20の駆動をオフし(S86)、画像形成部Aを作動させ(S87)、画像形成動作停止フラグをオンとして(S88)終了する。
【0073】
図13は、図5(a)に示す定着装置8を有する画像形成装置が前後するジョブの実行において、記録材の幅の大小により、画像形成工程の実行の可否を判断し制御するサブルーチンのフローチャートである。すなわち、図9に示す制御に対応するものである。
【0074】
ステップS90の判断で画像形成中の場合には(S90のYes)、サブルーチンは終了する。画像形成中でない場合には(S90のNo)、画像形成動作停止フラグのオン/オフをチェックし(S91)、Yesの場合は、温度差ΔTが第3の所定値T3以上か否かを判断し、以上のときは(S92のYes)、温度均一化制御に移行する。第3の所定値はほぼ第1の所定値に等しい値であるが、必ずしも一致しない。
【0075】
ステップS93において、記録材の幅が前のジョブにおいて用いられた記録材の幅よりも広いか否かが判断される。ステップS93における判断は、記録材のサイズを検知する検知手段からのサイズ情報、記録材を収納する記録材収納部からのサイズ情報又は操作部において設定されたサイズ情報に基づいて行われる。
【0076】
前の記録材の幅以下である場合には終了し、前の記録材の幅より大であるときは、画像形成部Aを停止させて画像形成工程を停止し(S94)、加熱ローラ20の駆動をオンし(S95)、画像形成動作停止フラグをオンにして(S96)終了する。
【0077】
ステップS91の判断で画像形成動作停止フラグがオン(Yes)のときは、温度差ΔTが第4の所定値T4以下であるか否かが判断される(S97)。第4の所定値T4は、加熱ローラ20の表面温度が均一であると判断するための閾値であり、第2の所定値T2にほぼ等しい。温度差ΔTが第4の所定値T4より大である場合には(S97のNo)終了し、温度差ΔTが第4の所定値T4以下であるときは、加熱ローラ20の駆動をオフし(SS98)、画像形成部Aを作動させて画像形成工程を開始し(S99)、画像形成動作停止フラグをオフにして(S100)終了する。
【0078】
なお、図5(b)に示す例では、図7〜10に示す制御が行われる。
【0079】
【発明の効果】
請求項1〜15のいずれかの発明により、小サイズ記録材に対する画像形成を行った結果、生ずる定着部における温度分布の不均一が速やかに是正されるので、定着ムラの発生が良好に防止される。
【0080】
加熱体の容量を小さくしても定着部における温度分布の不均一の発生が防止されるので、加熱体の熱容量を小さくすることが可能になり、定着装置の立ち上がり時間を短縮することが可能になり、省エネルギー化が促進される。
【0081】
請求項2の発明により、定着部の温度分布の不均一がより一層速やかに解消する。
【0082】
請求項3、10の発明により、画像形成装置の休止状態において、定着部における温度分布の不均一が是正されるので、たとえば、連続画像形成の直後に画像を形成する場合に起きやすい定着ムラが良好に防止されるなど、定着開始時における装置の状態により、定着ムラが発生することがなくなる。
【0083】
請求項4、11の発明により、定着部における温度分布の不均一を確実に無くすることができる。
【0084】
請求項5、12の発明により、温度分布が均一化した段階で自動的に画像形成が再開するので、定着ムラの発生防止制御による画像形成降雨率の低下を最小限にすることができるとともに、定着ムラの発生防止制御に伴って操作が複雑になることはない。
【0085】
請求項6、7、13、14の発明により、複数の画像形成ジョブを実行する際に、小サイズ記録材に対する画像形成により生ずる定着ムラの発生を確実に防止することができる。
【0086】
請求項8の発明により、小サイズ記録材に対する画像形成の再に発生しやすい定着部における温度分布の不均一を良好に抑制することができる。
【0087】
請求項15の発明により、加熱体の迅速な加熱が可能であり、従って、ヲームアップ時間による装置の立ち上がりを考慮して定着装置の予熱する必要がなくなって、装置の省エネルギー化が実現される。しかも、省エネルギー化に付随して生ずる定着部の温度分布の不均一が良好に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す図である。
【図2】定着装置の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置における制御系のブロック図である。
【図4】第1、第2温度センサの温度検知位置を示す図である。
【図5】定着装置の他の例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【符号の説明】
8 定着装置
20 加熱ローラ
30 加圧ローラ
40 冷却ファン
50 温度均一化部材
A 画像形成部
CR 制御手段
M モータ
TS1、TS2 温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー像を記録材に定着する定着装置を備えた画像形成装置に関し、特に、小サイズ記録材の定着処理を行った場合に生ずる定着ムラの防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、一般に、トナー像を加熱溶融することにより記録材に定着することが行われる。このように加熱溶融によりトナー像を定着する熱定着装置としては、一対のローラで搬送を行いつつ定着する熱ローラ定着装置、一対のベルト又はベルトとローラとで搬送を行いつつ定着するベルト定着装置等があり、ベルト定着装置には、搬送ベルトを加熱部材とするものや、搬送ローラを加熱部材とするものや、ベルトをバックアップする固定のブロックを加熱部材とするものがある。
【0003】
熱定着装置においては、小サイズの記録材を連続処理した場合に、定着部の温度分布が不均一になり、その直後に大サイズの記録材を定着するときに定着ムラを生ずるという問題がある。すなわち、小サイズの記録材を連続して定着処理した場合に、通紙部分における熱の持ち出し、すなわち、記録材が通過する通紙部分において記録材により熱が奪われる現象が起こるのに対して、非通紙部分では記録材による熱の持ち出しがないなめに、通紙部分における温度と非通紙部分における温度に違いが生じ、その状態で大サイズの記録材を定着処理するときに定着ムラを生ずるという問題がある。
【0004】
このような問題に対して、特許文献1では、非通紙部分を冷却手段で冷却することが開示されている。また、特許文献2では、加熱体である加熱ローラにヒートパイプのような熱伝導率のよいものを用いることにより、熱の移動を良好にして定着部における温度分布を均一化することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−248170号公報
【0006】
【特許文献2】
実開昭62−103073号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年の技術趨勢では、前記特許文献1、2で開示されている技術では、定着部における温度の不均一を十分に解消することが困難になっている。
【0008】
すなわち、省エネルギーの観点から、定着装置の消費電力を圧縮する技術が進歩し、加熱体の熱容量を小さくするという手段により省エネルギーが実現されているが、このために加熱ローラ等の加熱体が薄肉化されている。このために、加熱体における熱の移動が抑制され、その結果として、前記特許文献1、2で開示されている技術を用いても、温度分布の不均一を十分に解消することが困難になっている。
【0009】
その結果、小サイズの記録材を連続定着処理した後に大サイズの記録材を定着処理したときに、定着ムラを生ずるという問題がある。
【0010】
本発明は、従来技術におけるこのような問題を解決することを目的とし、小サイズの記録材を定着処理し、後に大サイズの記録材を定着処理した場合に生ずる定着ムラの問題を解消し、常に均一な定着を行うことができる定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0012】
1.接触加熱体、該接触加熱体に対向して配置された加圧体、小サイズ記録材の通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第1温度センサ、小サイズ記録材の非通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第2温度センサ、前記接触加熱体の前記非通紙部分を冷却する冷却手段並びに前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方を駆動する駆動手段を有する定着装置を備えた画像形成装置であって、
前記第1温度センサにより検知された温度と前記第2温度センサにより検知された温度との温度差に応じて、前記冷却手段及び前記駆動手段を制御する制御手段を有する定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0013】
2.前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方に接触して定着部における温度分布を均一化させる温度均一化部材を有することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0014】
3.画像形成工程を実行していない場合に、前記温度差が第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記冷却手段及び前記駆動手段を作動させることを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
【0015】
4.画像形成工程を実行している場合に、前記温度差が前記第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を停止するとともに、前記冷却手段及び前記駆動手段を作動させることを特徴とする前記3に記載の画像形成装置。
【0016】
5.前記画像形成工程を停止した後に、前記温度差が第2の所定値以下になったときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を再開することを特徴とする前記4に記載の画像形成装置。
【0017】
6.二つの画像形成ジョブを実行する場合に、前記制御手段は、前記温度差及び前記二つの画像形成ジョブにおいて使用される記録材の幅の情報に基づいて、後の画像形成ジョブの実行の可否を判断することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0018】
7.第1の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの一つを実行した後に、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する記録材を用いて画像形成ジョブの他を実行する際に、前記制御手段は、前記温度差が第3の所定値以上のときに、前記第2の幅を有する記録材に対する前記画像形成工程の他の実行を禁止し、前記温度差が前記第3の所定値を下回るときに、前記第2の幅を有する記録材に対する前記画像形成工程の他を実行することを特徴とする前記6に記載の画像形成装置。
【0019】
8.前記制御手段は、使用される記録材が所定幅以下のときに、画像形成工程の実行中において、前記冷却手段を作動させることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0020】
9.接触加熱体、該接触加熱体に対向して配置された加圧体、小サイズ記録材の通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第1温度センサ、小サイズ記録材の非通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第2温度センサ、前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方に接触して定着部における温度分布を均一化させる温度均一化部材並びに前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方を駆動する駆動手段を有する定着装置を備えた画像形成装置であって、
前記第1温度センサにより検知された温度と前記第2温度センサにより検知された温度との温度差に応じて、前記駆動手段を制御する制御手段を有する定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0021】
10.画像形成工程を実行していない場合に、前記温度差が前記所定値以上のときに、前記制御手段は、前記駆動手段を作動させることを特徴とする前記8に記載の画像形成装置。
【0022】
11.画像形成工程を実行している場合に、前記温度差が前記第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を停止するとともに、前前記駆動手段を作動させることを特徴とする前記10に記載の画像形成装置。
【0023】
12.前記画像形成工程を停止した後に、前記温度差が第2の所定値以下になったときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を再開することを特徴とする前記11に記載の画像形成装置。
【0024】
13.二つの画像形成ジョブを実行する場合に、前記制御手段は、前記温度差及び前記二つの画像形成ジョブにおいて使用される記録材の幅の情報に基づいて、後の画像ジョブの実行の可否を判断することを特徴とする前記9〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0025】
14.第1の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの一つを実行した後に、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの他を実行する際に、前記制御手段は、前記温度差が前記所定値以上のときに、前記第2の幅を有する記録材に対する画像形成工程の他の実行を禁止し、前記温度差が前記所定値を下回るときに、前記第2の幅を有する記録材に対する画像形成工程の他を実行することを特徴とする前記8〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0026】
15.前記接触加熱体は、誘導加熱型加熱手段により加熱されることを特徴とする前記1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示し、該画像形成装置は、画像形成部Aとその上に設置された画像読取装置Dから構成される。
【0028】
画像形成部Aは、回転する感光体1並びに感光体1の周囲に配置された帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5A、除電装置5B、分離爪5C及びクリーニング装置5Dを有し、帯電装置2によって感光体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光装置3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像装置4により反転現像して感光体1の表面にトナー像を形成する。
【0029】
給紙装置6Aから給紙された記録材Pは中間給紙部6Bを経て転写位置へと送られる。転写位置において転写装置5Aにより前記トナー像が記録材P上に転写される。その後に、記録材Pは除電装置5Bにより裏面の電荷が消去され、分離爪5Cにより感光体1から分離され、用紙搬送装置7Aにより搬送され、引き続き定着装置8により加熱定着処理され、排紙ローラ7Cにより排出される。なお、記録材Pの片面に画像形成を行う場合には、搬送路切り替え板7Bが破線の状態に切り替えられている。
【0030】
また、感光体1のトナー像転写後の表面は、分離爪5Cの下流においてクリーニング装置5Dにより表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
【0031】
一方、記録材Pの両面に画像形成を行う場合には、搬送路切り替え板7Bを実線の状態に切り替えることにより、定着装置8により加熱定着された記録材Pは下方に搬送され、反転搬送装置7Dにおいてスイッチバックして表裏反転された後、転写位置において新たなトナー像が裏面に転写される。その後は、上記と同工程で加熱定着され、破線の状態に切り替えた搬送路切り替え板7Bを通過した後、排紙ローラ7Cにより排出される。
【0032】
図2は図1における定着装置8の一例を示す。
定着装置8は、接触加熱体としての加熱ローラ20、加圧体としての加圧ローラ30、第1温度センサとしての温度センサTS1、第2温度センサとしての温度センサTS2及び冷却手段を有する。接触加熱体は記録材を搬送しつつ記録材上のトナー像を加熱定着する手段であり、接触加熱体としては、図示の加熱ローラの他に加熱ベルトを用いることができる。
【0033】
加熱ローラ20は駆動手段としてのモータ(図5に示す)により駆動されて矢印のように回転する。加熱ローラ20の内側に加熱手段が設けられ、該加熱手段は、円柱状のコイル支持部材22、該コイル支持部材22につる巻状に巻き付けられたコイル21からなる誘導加熱型加熱手段である。加熱ローラ20は鉄製のパイプからなり、コイル21に高周波電流を流すことにより、加熱ローラ20中に渦電流が誘起され、該渦電流により加熱ローラ20が発熱する。誘導加熱型加熱手段はエネルギー効率がよく迅速な加熱が出来る点で好ましく、このために加熱ローラ20の厚さは、0.2〜1.5mm程度が好ましく、0.5〜1mm程度が特に好ましい。なお、加熱手段としては、誘導加熱型加熱手段の他に、ハロゲンランプ等の放射熱により加熱する型のもの、抵抗加熱型等周知の任意の加熱手段を用いることができる。接触加熱体の材料には、誘導加熱型では鉄が好ましいが、他の型では、アルミニウム等の金属やポリイミド等の耐熱性の樹脂を用いることができる。接触加熱体の表面にフッ素樹脂等の離型層を設けのが好ましい。
【0034】
加圧体としての加圧ローラ30はパイプ状の芯金32及びシリコンゴムからなる耐熱弾性層31で構成される。加圧体は接触加熱体に圧接してニップを形成し記録材を搬送する手段であり、加圧体としては、図示の加圧ローラの他に加圧ベルトを用いることができる。加圧体の表面にフッ素樹脂等の離型層を設けることができる。なお、加圧体にも加熱手段を設けて加熱することができる。
【0035】
冷却手段は、冷却ファン40からなり、加熱ローラ20の回転軸方向両端部を冷却する。41は冷却ファン40による冷却範囲を加熱ローラ20の両端部に限定するダクトである。
【0036】
温度センサTS1は、加熱ローラ20の回転軸方向中央部の温度を検知し、温度センサTS2は、加熱ローラ20の回転軸方向端部の温度を検知する。温度センサTS1、TS2には、サーミスタ又はサーモカップルが用いられる。
【0037】
記録材Pは未トナー像Tを加熱ローラ20側に担持した状態で矢印のように加熱ローラ20と加圧ローラ30間のニップに導入され、該ニップを通過する際に加熱定着処理される。
【0038】
図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置における制御系のブロック図である。
【0039】
図において、制御手段CRは、温度センサTS1、センサTS2が検知した温度の温度差に応じて、図2に示す冷却ファン40、モータM及び画像形成部Aを制御する。画像形成部Aは前記に説明したように記録材Pに画像を形成する。駆動手段としてのモータMは図2における加熱ローラ20及び加圧ローラ30の少なくともいずれか一方を回転駆動する。
【0040】
図4は温度センサTS1、TS2の温度検知位置を示す図である。記録材Pは矢印のように進行して、加熱ローラ20と加圧ローラ30間のニップを通過し、通過の過程で、加熱ローラ20により加熱されて、記録材P上のトナー像が加熱定着される。記録材Pとしては、種々のサイズのものが用いられ、最小幅D1の記録材P1から最大幅D2の記録材P2間の種々のサイズのものが用いられる。
【0041】
記録材P3を加熱ローラ20と加圧ローラ30間に通紙して連続画像形成を行った場合に、記録材P3の幅D3に対応する加熱ローラ20の表面からは記録材P3により熱が奪われるが、幅D3の外側では熱が奪われることがない。その結果、加熱ローラ20の表面温度が記録材Pの幅D3に対応する中央部における温度T1と両端部における温度T2との間に温度差ΔTが生ずる。
【0042】
温度センサTS1(第1温度センサ)は中央部における温度T1を検知し、温度センサTS2(第2温度センサ)は端部における温度T2を検知する。
【0043】
使用される記録材の幅は種々あり、幅D3は各画像形成工程において様々であるが、記録材Pが加熱ローラ20と加圧ローラ30間のニップを通過する通紙部L1における温度と、その外側の非通紙部L2における温度の温度差ΔTは、図示のように2個の温度センサTS1、TS2により検知することができる。
【0044】
本実施の形態においては、温度差ΔTが所定値以上になったときに、冷却ファン40を作動させるとともに、加熱ローラ20を回転駆動して、温度差ΔTを速やかに許容値以下に低下させる制御が行われる。すなわち、加熱ローラ20を回転させながら、冷却ファン40により冷却風を加熱ローラ20に当てることにより、加熱ローラ20からの放熱量が多くなり、加熱ローラ20の両端部における高温状態が速やかに解消される。
【0045】
加熱ローラ20の駆動制御及び冷却ファン40のオン/オフ制御のための閾値である前記所定値は、後に説明する第1の所定値T1であり、所定値T1は、温度差ΔTが所定値T1以下であれば、定着ムラが生じないように設定され、たとえば、10℃〜30℃程度の値から選択されことが望ましい。
【0046】
このように冷却ファン40を作動させるとともに、モータMを作動させて加熱ローラ20を駆動しその表面温度分布を均一化する制御は、画像形成工程を実行していない期間に行われる。すなわち、画像形成装置の休止時に前記制御が行われるか、又は画像形成工程の実行中に温度差ΔTが所定値以上になったときに画像形成を中止して前記制御が行われる。前記制御では、記録材の通紙がない状態で回転する加熱ローラ20を冷却ファン40で冷却するので冷却効率がよく、加熱ローラ20の表面の温度分布が速やかに均一化する。
【0047】
通紙部と非通紙部の境界の幅D3は、記録材のサイズの使用頻度に応じて設定される。最大幅D1は一般にA3サイズの幅とされるが、たとえば、A4Rの記録材Pの使用頻度が高い場合には、D3はA4サイズの幅(短辺の長さ)に設定される。
【0048】
なお、幅D3を変更可能とし操作部において種々設定できるようにすることもできる。
【0049】
図5は定着装置8の他の例を示す。
図5(a)では、加熱ローラ20の表面温度を均一化する手段として、温度均一化部材50が用いられる。温度均一化部材50は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材料のローラからなり。温度均一化部材50を加圧ローラ50に接触させ、加圧ローラ30を回転することにより、図3に示す温度T2の高温部の熱が、温度均一化部材50においてその回転軸方向に移動し、表面温度が均一化される。そして、均一化された温度分布は加圧ローラ30を介して加熱ローラ20に転写され、加熱ローラ20の表面温度が均一化される。温度均一化部材50は、加圧ローラ30に代えて加熱ローラ20に接触させてもよく、また加熱ローラ20及び加圧ローラ30のそれぞれに設けてもよい。
【0050】
図5(b)は、加熱ローラ20の表面温度を均一化する手段として、冷却ファン40及び温度均一化部材50を用いた例を示す。冷却ファン40及び温度均一化部材50を用いることにより、より一層速やかに加熱ローラ20の表面温度を均一にすることができる。
【0051】
次に、図6〜13を参照して本発明の実施の形態における制御について説明する。
【0052】
図6は温度差検知のサブルーチンのフローチャートである。
ステップS1において、温度センサTS1、TS2の出力を読み込み、ステップS2において温度差ΔTを計算する。
【0053】
図7は図2に示す定着装置8を有する画像形成装置における制御のサブルーチンのフローチャートである。図7のサブルーチンのスタート時点では、モータMはオフであり加熱ローラ20は停止している。すなわち、図7に示す制御は、画像形成装置の主電源がオンであり、画像形成部Aが停止している状態からスタートする。
【0054】
ステップS10において温度差ΔTが所定値T1以上か否かを判断する。所定値T1以上のときは(S10のYes)、冷却ファン40をオンし(S11)、モータMをオンして加熱ローラ20を回転駆動する(S12)。温度差ΔTが所定値未満のときは、処理を行うことなく終了する。
【0055】
図8も図7と同様に図2に示す定着装置8を有する画像形成装置における制御を示すが、図8は、画像形成部Aが作動中、すなわち、画像形成工程の実行中における制御のサブルーチンのフローチャートである。
【0056】
ステップS21において、画像形成動作停止フラグのオン/オフをチェックし、オフの場合、ステップS22に移行して温度差ΔTが第1の所定値T1以上か否かを判断する。所定値以上のときは(S22のYes)、画像形成部Aを停止させる(S23)。画像形成工程の停止後、冷却ファン40をオンし(S24)、モータMを起動して加熱ローラ20を回転駆動し(S25)、画像形成動作停止フラグをオンにする。
【0057】
ステップS21の判断において、画像形成動作停止フラグがオン(Yes)である状態は、ステップS26の処理後の状態、すなわち、画像形成部Aを停止し、冷却ファン40をオンし、加熱ローラ20を駆動している状態である。この状態で温度差ΔTが第2の所定値T2以下か否かを判断する(S27)。第2の所定値T2は、加熱ローラ20の表面温度が均一化された状態を示すものとして設定された値であり、第1の所定値より小さい。温度差ΔTが第2の所定値T2より大であるとき(S27のNo)のときは、終了するが、第2の所定値T2以下のときは(S27のYes)、冷却ファン40をオフし(S28)、モータMをオフして加熱ローラ20を停止させ(S29)、画像形成部Aを作動させて画像形成工程を再開し(S30)、画像形成動作停止フラグをオフに切り替える(S31)。
【0058】
なお、ステップS30におけるモータMのオフを省略し、加熱ローラ20の駆動を継続して画像形成工程の再開(S30)に移行してもよい。
【0059】
本発明の実施の形態の他の例では、前後する二つの画像形成ジョブを実行する際に、後の画像形成ジョブの実行の可否を、前の画像形成ジョブにおいて用いられた記録材の幅と、後の画像形成ジョブにおいて用いられる記録材の幅と、温度差ΔTとに基づいて判断する。
【0060】
具体的には、一つの画像形成ジョブを実行した結果、温度差ΔTが第3の所定値T3以上になったときに、次の画像形成ジョブを実行するのに際して、前の画像形成ジョブにおいて用いた記録材よりも広い幅の記録材に対する画像形成を禁止して定着ムラを防止している。図9はこのような実施の形態における制御のサブルーチンのフローチャートである。
【0061】
ステップS40の判断で画像形成中の場合には(S40のYes)、サブルーチンは終了する。画像形成中でない場合には(S40のNo)、画像形成動作停止フラグのオン/オフをチェックし(S41)、Yesの場合は、温度差ΔTが第3の所定値T3以上か否かを判断し、以上のときは(S42のYes)、温度均一化制御に移行する。第3の所定値T3はほぼ第1の所定値T1に等しいが、必ずしも一致しない。
【0062】
ステップS43において、記録材の幅が前のジョブにおいて用いられた記録材の幅よりも広いか否かが判断される。ステップS43における判断は、記録材のサイズを検知する検知手段からのサイズ情報、記録材を収納する記録材収納部からのサイズ情報又は操作部において設定されたサイズ情報に基づいて行われる。
【0063】
前の記録材の幅以下である場合には(S43のNo)終了し、前の記録材の幅より大であるときは(S43のYes)、画像形成部Aを停止させて画像形成工程の実行を禁止し(S44)、冷却ファン40をオンし(S45)、加熱ローラ20を駆動し(S46)、画像形成動作停止フラグをオンして(S47)終了する。
【0064】
ステップS41の判断で画像形成動作停止フラグがオンのときは、温度差ΔTが第4の所定値T4以下であるか否かが判断される(S48)。第4の所定値T4は、加熱ローラ20の表面温度が均一であると判断するための閾値であり、第2の所定値T2にほぼ等しい。温度差ΔTが第4の所定値T4より大である場合には(S48のNo)、終了し、温度差ΔTが第4の所定値T4以下であるときは、冷却ファン40をオフし(S49)、画像形成部Aを作動させて画像形成工程を開始し(S50)、画像形成動作停止フラグをオフして(S51)終了する。
【0065】
小サイズの記録材を用いて画像形成を行う場合には、加熱ローラ20の表面温度が不均一になるので、記録材のサイズ情報に基づいて、冷却ファン40を制御することが望ましい。図10に示すサブルーチンはこのような制御を行うものである。
【0066】
ステップS60において、画像形成中であるときは(S60のYes)、記録材の幅が第5の所定値W以下か否かが判断される。所定値W以下である場合には(S61のYes)、冷却ファン40がオンされ終了する(S62)。画像形成中は加熱ローラ20は回転しているので、冷却ファン40による冷却作用と加熱ローラ20の回転による冷却作用の相乗効果により温度分布が均一化される。記録材の幅が所定値Wより大の場合には、そのまま終了する。
【0067】
ステップS60の判断で、画像形成中でないときは、冷却ファン40及び加熱ローラ20の駆動をオフして終了する(S63、S64)。画像形成装置の休止中において、冷却ファン40及び加熱ローラ20が停止しているときには、ステップS63、S64は実質的に実行されず、これらが作動している場合に実行されるのであって、ステップS63、S64は初期化を行う処理である。
【0068】
図11、12は図5(a)に示す定着装置8を有する画像形成装置における制御のサブルーチンのフローチャートである。図11の制御は休止中の画像形成装置の制御であり、図12の制御は作動中、すなわち画像形成工程を実行中の制御である。
【0069】
図11において、ステップS70で温度差ΔTが第1の所定値T1以上か否かが判断される。ステップS70においてYesのときは、加熱ローラ20の駆動がオンされ(S71)、Noのときは加熱ローラ20の駆動がオフされる。
【0070】
画像形成装置の休止状態では、加熱ローラ20は回転している場合と停止している場合がある。例えば、図9のステップS46のように、画像形成工程の実行中でない場合でもモータMがオンして加熱ローラ20が駆動される場合がある。ステップS71における加熱ローラ20の駆動オンは、加熱ローラ20が回転しているときは、駆動を続行することを意味し、停止しているときは、起動することを意味する。同様に、ステップS72のオフは、加熱ローラ20が停止している場合は、停止を継続することを意味し、回転しているときは、停止させることを意味する。
【0071】
図12において、画像形成動作停止フラグがオンのときは(S80のNo)、温度差ΔTが第1の所定値T1以上か否かが判断され、所定値以上のときは(S81のYes)、画像形成部Aを停止させ(S82)、加熱ローラ20を駆動し(S83)、画像形成動作停止フラグをオンして(S84)終了する。
【0072】
ステップS81の判断において、温度差ΔTが第1の所定値T1未満のときは(S82のNo)、そのまま終了する。ステップS80の判断で画像形成動作停止フラグがオフのときは(S80のNo)、温度差ΔTが第2の所定値T2以下か否かを判断し、第2の所定値T2を超えるときは(S95のNo)、そのまま終了し、T2以下のときは、加熱ローラ20の駆動をオフする(S86)。すなわち、画像形成動作停止フラグがオンで、温度差ΔTが第2の所定値T2以下のときは、加熱ローラ20の駆動をオフし(S86)、画像形成部Aを作動させ(S87)、画像形成動作停止フラグをオンとして(S88)終了する。
【0073】
図13は、図5(a)に示す定着装置8を有する画像形成装置が前後するジョブの実行において、記録材の幅の大小により、画像形成工程の実行の可否を判断し制御するサブルーチンのフローチャートである。すなわち、図9に示す制御に対応するものである。
【0074】
ステップS90の判断で画像形成中の場合には(S90のYes)、サブルーチンは終了する。画像形成中でない場合には(S90のNo)、画像形成動作停止フラグのオン/オフをチェックし(S91)、Yesの場合は、温度差ΔTが第3の所定値T3以上か否かを判断し、以上のときは(S92のYes)、温度均一化制御に移行する。第3の所定値はほぼ第1の所定値に等しい値であるが、必ずしも一致しない。
【0075】
ステップS93において、記録材の幅が前のジョブにおいて用いられた記録材の幅よりも広いか否かが判断される。ステップS93における判断は、記録材のサイズを検知する検知手段からのサイズ情報、記録材を収納する記録材収納部からのサイズ情報又は操作部において設定されたサイズ情報に基づいて行われる。
【0076】
前の記録材の幅以下である場合には終了し、前の記録材の幅より大であるときは、画像形成部Aを停止させて画像形成工程を停止し(S94)、加熱ローラ20の駆動をオンし(S95)、画像形成動作停止フラグをオンにして(S96)終了する。
【0077】
ステップS91の判断で画像形成動作停止フラグがオン(Yes)のときは、温度差ΔTが第4の所定値T4以下であるか否かが判断される(S97)。第4の所定値T4は、加熱ローラ20の表面温度が均一であると判断するための閾値であり、第2の所定値T2にほぼ等しい。温度差ΔTが第4の所定値T4より大である場合には(S97のNo)終了し、温度差ΔTが第4の所定値T4以下であるときは、加熱ローラ20の駆動をオフし(SS98)、画像形成部Aを作動させて画像形成工程を開始し(S99)、画像形成動作停止フラグをオフにして(S100)終了する。
【0078】
なお、図5(b)に示す例では、図7〜10に示す制御が行われる。
【0079】
【発明の効果】
請求項1〜15のいずれかの発明により、小サイズ記録材に対する画像形成を行った結果、生ずる定着部における温度分布の不均一が速やかに是正されるので、定着ムラの発生が良好に防止される。
【0080】
加熱体の容量を小さくしても定着部における温度分布の不均一の発生が防止されるので、加熱体の熱容量を小さくすることが可能になり、定着装置の立ち上がり時間を短縮することが可能になり、省エネルギー化が促進される。
【0081】
請求項2の発明により、定着部の温度分布の不均一がより一層速やかに解消する。
【0082】
請求項3、10の発明により、画像形成装置の休止状態において、定着部における温度分布の不均一が是正されるので、たとえば、連続画像形成の直後に画像を形成する場合に起きやすい定着ムラが良好に防止されるなど、定着開始時における装置の状態により、定着ムラが発生することがなくなる。
【0083】
請求項4、11の発明により、定着部における温度分布の不均一を確実に無くすることができる。
【0084】
請求項5、12の発明により、温度分布が均一化した段階で自動的に画像形成が再開するので、定着ムラの発生防止制御による画像形成降雨率の低下を最小限にすることができるとともに、定着ムラの発生防止制御に伴って操作が複雑になることはない。
【0085】
請求項6、7、13、14の発明により、複数の画像形成ジョブを実行する際に、小サイズ記録材に対する画像形成により生ずる定着ムラの発生を確実に防止することができる。
【0086】
請求項8の発明により、小サイズ記録材に対する画像形成の再に発生しやすい定着部における温度分布の不均一を良好に抑制することができる。
【0087】
請求項15の発明により、加熱体の迅速な加熱が可能であり、従って、ヲームアップ時間による装置の立ち上がりを考慮して定着装置の予熱する必要がなくなって、装置の省エネルギー化が実現される。しかも、省エネルギー化に付随して生ずる定着部の温度分布の不均一が良好に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す図である。
【図2】定着装置の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置における制御系のブロック図である。
【図4】第1、第2温度センサの温度検知位置を示す図である。
【図5】定着装置の他の例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における制御のフローチャートである。
【符号の説明】
8 定着装置
20 加熱ローラ
30 加圧ローラ
40 冷却ファン
50 温度均一化部材
A 画像形成部
CR 制御手段
M モータ
TS1、TS2 温度センサ
Claims (15)
- 接触加熱体、該接触加熱体に対向して配置された加圧体、小サイズ記録材の通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第1温度センサ、小サイズ記録材の非通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第2温度センサ、前記接触加熱体の前記非通紙部分を冷却する冷却手段並びに前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方を駆動する駆動手段を有する定着装置を備えた画像形成装置であって、
前記第1温度センサにより検知された温度と前記第2温度センサにより検知された温度との温度差に応じて、前記冷却手段及び前記駆動手段を制御する制御手段を有する定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方に接触して定着部における温度分布を均一化させる温度均一化部材を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 画像形成工程を実行していない場合に、前記温度差が第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記冷却手段及び前記駆動手段を作動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 画像形成工程を実行している場合に、前記温度差が前記第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を停止するとともに、前記冷却手段及び前記駆動手段を作動させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成工程を停止した後に、前記温度差が第2の所定値以下になったときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を再開することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 二つの画像形成ジョブを実行する場合に、前記制御手段は、前記温度差及び前記二つの画像形成ジョブにおいて使用される記録材の幅の情報に基づいて、後の画像形成ジョブの実行の可否を判断することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 第1の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの一つを実行した後に、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する記録材を用いて画像形成ジョブの他を実行する際に、前記制御手段は、前記温度差が第3の所定値以上のときに、前記第2の幅を有する記録材に対する前記画像形成工程の他の実行を禁止し、前記温度差が前記第3の所定値を下回るときに、前記第2の幅を有する記録材に対する前記画像形成工程の他を実行することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、使用される記録材が所定幅以下のときに、画像形成工程の実行中において、前記冷却手段を作動させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 接触加熱体、該接触加熱体に対向して配置された加圧体、小サイズ記録材の通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第1温度センサ、小サイズ記録材の非通紙部分における前記接触加熱体の温度を検知する第2温度センサ、前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方に接触して定着部における温度分布を均一化させる温度均一化部材並びに前記接触加熱体及び前記加圧体の少なくともいずれか一方を駆動する駆動手段を有する定着装置を備えた画像形成装置であって、
前記第1温度センサにより検知された温度と前記第2温度センサにより検知された温度との温度差に応じて、前記駆動手段を制御する制御手段を有する定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成工程を実行していない場合に、前記温度差が前記所定値以上のときに、前記制御手段は、前記駆動手段を作動させることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 画像形成工程を実行している場合に、前記温度差が前記第1の所定値以上のときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を停止するとともに、前前記駆動手段を作動させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成工程を停止した後に、前記温度差が第2の所定値以下になったときに、前記制御手段は、前記画像形成工程を再開することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 二つの画像形成ジョブを実行する場合に、前記制御手段は、前記温度差及び前記二つの画像形成ジョブにおいて使用される記録材の幅の情報に基づいて、後の画像ジョブの実行の可否を判断することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 第1の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの一つを実行した後に、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する記録材を用いて前記画像形成ジョブの他を実行する際に、前記制御手段は、前記温度差が前記所定値以上のときに、前記第2の幅を有する記録材に対する画像形成工程の他の実行を禁止し、前記温度差が前記所定値を下回るときに、前記第2の幅を有する記録材に対する画像形成工程の他を実行することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記接触加熱体は、誘導加熱型加熱手段により加熱されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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