JP2004198898A - 加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロングナロー紙等の通紙による加熱装置の破損を防止し、かつ、不必要にロングナローモード等のスループットが低下する状態に移行することを防止する。
【解決手段】加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置の検知温度と前記被加熱材一枚あたりの温度上昇量に基づいて、前記被加熱材の通紙間隔を変化させるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置の検知温度と前記被加熱材一枚あたりの温度上昇量に基づいて、前記被加熱材の通紙間隔を変化させるものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱材の加熱装置および該加熱装置を記録材(以下、用紙とも称する)に形成担持させた未定着像を加熱定着処理する装置として具備した電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ・複写機等の画像形成装置は、記録材に対して電子写真プロセス・静電記録プロセス等の作像手段で転写方式又は直接方式にて画像情報の未定着トナー画像を形成担持させ、その記録材を加熱装置(定着装置、定着器)に搬送導入して未定着トナー画像を永久固着画像として記録材に加熱定着させて、画像形成物として出力するものである。
【0003】
通常、画像形成装置およびその加熱装置には、様々な幅や長さをもった記録材が通紙される。ところで、封筒のような特に幅の狭い記録材を連続通紙すると、加熱装置内で記録材の通過する部分と、通過しない部分との熱の消費の差から通過しない部分での温度の上昇が大きくなる、いわゆる「非通紙部昇温」が発生する。
【0004】
この現象がひどくなると、加熱装置の加圧ローラの熱膨張に不均一を生じ、ゴムが破断したり、フィルム加熱方式の加熱装置にあってはフィルムの送り速度に差が生じて、ネジレが発生したりする。また、装置の耐熱温度を超えると、加圧ローラ表面、ヒーターホルダの溶融等がおこる。あるいは、小サイズ紙の通紙直後に大サイズ紙を通紙すると、小サイズ紙の非通紙部が高温になっているため、ここでトナーの溶融過多がおこり、小サイズ紙の非通紙部に相当する部分で高温オフセットも発生する。
【0005】
したがって、このような問題を防止するため、従来の装置では封筒のような小サイズ紙の通紙時には、記録材の通紙間隔を長くする、いわゆるスループットを下げることによって、通紙間隔を長くとって非通紙部昇温の低減を図っている。
【0006】
幅の狭いと通常サイズ紙の判別の方法としては、図7に示すように、用紙搬送路上に紙幅検知センサー14を設け、紙幅検知センサー14を幅方向において幅の狭い用紙と通常サイズ(A4サイズ)の用紙を判別できる位置に配置する方法がある。図7の場合では中央を通紙基準とする装置で、その中央近傍にトップセンサー13を配置し、紙幅検知センサー14を通紙基準中央から93mmの位置に配置して、紙幅検知センサー14が用紙を検知しない場合は幅の狭い小サイズと判断する。
【0007】
この方法では確実に幅の狭い用紙を検知できるが、装置のコストダウンおよび小型化の点では好ましくない。そのため、簡易的にトップセンサー13を用いて単純に長さの短い用紙を幅も狭い用紙として認識する方法も、よく用いられている。すなわち、トップセンサー13の紙有検知時間に応じて、用紙のサイズを判断する。例えば用紙の長さが270mm以上の用紙を通常サイズ、270mm未満のサイズを幅の狭い小サイズと判定して、スループットを下げる等の小サイズに対応した装置の制御を行うものである(例えば特許文献1参照)。
【0008】
ところで近年プリンタ市場の拡大にともない、記録材の寸法・厚み等には様々なバリエーションが生じており、従来想定していたシーケンスでは完全に対処できない場合がある。例えば、用紙幅が名詞サイズ並に狭く、長さはA4サイズよりも長い用紙(以下、ロングナロー紙と称する)も市場には存在する。
【0009】
このようなロングナロー紙は、紙幅センサーをもたない安価な構成の装置では、幅の狭い用紙であることは検知できない。そのためA4サイズのような通常サイズと同様、装置の設定上最も速いスループットで用紙を搬送してしまう。その場合、非通紙部の温度は数枚の連続通紙ですぐに許容温度を超えてしまい、そのまま通紙を続けると、確実に装置の破壊に到ってしまう。
【0010】
したがって、ヒーター上の幅の狭い用紙の通紙時に非通紙部となる領域に温度検知素子を配置し、非通紙部の温度を検知することでスループット等の制御を行う構成も近年ではよく用いられている(例えば特許文献2参照)。
【0011】
図2はフィルム加熱方式の加熱装置の概略断面図、図3は長手方向の部品配置図を示す。図において、22はヒーターホルダ23によって支持された加熱体としてのヒーターで、定着フィルム21を介して加圧ローラ25に図示しない加圧手段によって圧接されている。定着フィルム21は加圧ローラ25の回転駆動によって従動回転し、ニップHに導入された記録材Pを搬送するとともにヒーター22の熱を定着フィルム21を介して記録材Pに付与する。51は、いかなるサイズの用紙が通紙されても常に通紙領域となる位置に配された温度検知素子としてのメインサーミスタであり、この検知温度を所定の温度に維持することでヒーター22の発熱量をコントロールして用紙の定着に最適な加熱量を得る。
【0012】
52は、B5サイズよりも幅の狭い用紙が通紙された時に非通紙領域となる位置に配置されたサブサーミスタである。このサブサーミスタ52は温度制御には用いられず、非通紙昇温のようなヒーターの異常昇温のみを検知する。
【0013】
この構成において、幅の狭い用紙が連続通紙されると、この通紙中にサブサーミスタ52がメインサーミスタ51の検知温度に比べて著しく高い温度を検出するようになる。ここで、サブサーミスタ52が所定温度まで上昇したならば、所定時間給紙を待機(ウエイト)してスループットを落とす、もしくは加熱温度を下げる等の制御を行い、非通紙部の温度を低下させて装置の破壊等を防止する。このように非通紙部の温度を検知する構成を用いれば、より装置の安全性を高くすることができる。このため、直接非通紙部の昇温の値を検出して制御にフィードバックすることは必須になりつつある。
【特許文献1】
特開平05−289562号公報
【特許文献2】
特開2001−282036号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら幅の狭い用紙の通紙時、従来のようにサブサーミスタの検出値が所定温度に達した時にスループットの切り替えを行う制御では、装置の搬送路の構造によっては問題が生じる場合があった。
【0015】
通常、記録材を連続通紙する場合、先に給紙された記録材が加熱ニップ内から完全に抜ける前に次の記録材の給紙は行われているのが普通である。
【0016】
一般的にプリンタ等の画像形成装置では通紙間隔の長さは50〜100mm程度に設定されているが、これは一枚目の後端が加熱ニップを抜ける瞬間にはその手前50〜100mmの位置に二枚目の先端が来ていることを意味している。すなわち、給紙装置から加熱装置までの距離が50〜100mm以内でない限り、記録材が加熱ニップ内から完全に抜ける前に次の記録材の給紙は行われていなくてはならないのである。
【0017】
そのような一般的なプリンタの構造では、記録材が加熱ニップを通過中にサブサーミスタが危険な温度まで達してスループットを低下させることを要求しても、すでに次の記録材が給紙搬送されてきているために、今通過中の記録材と次の記録材の通紙間隔を空けることはできない。したがって、次の記録材はそのまま加熱ニップに突入してしまい、非通紙部昇温を危険な温度を超えて悪化させてしまうことになる。
【0018】
上記の場合、一枚目の記録材の加熱ニップ通紙時にサブサーミスタの高温を検知した時点で二枚目が給紙されていることが問題であるが、搬送路が長い装置の場合にはさらに三枚目までがすでに給紙されていることがあり得る。
【0019】
図6にそのようなプリンタの搬送路の長さを表す概略図を示す。図において、10は給紙カセット、1は感光ドラム、6は転写ローラ、12は加熱装置たる定着器である。プリント信号が入力されると、最初に給紙された用紙P1は給紙カセット10から給紙され、感光ドラム1と転写ローラ6によって形成される転写部Tに達し、そこで不図示の画像形成手段によって感光ドラム上1に形成されたトナー像の転写を受けて、やがて定着器12の加熱部Hを通過することによってトナー像が定着される。
【0020】
搬送路の距離は、給紙カセット10〜転写部T間が200mm、転写部T〜加熱部H間が200mmである。通紙間隔を50mmでA4サイズ紙(長さ297mm)の連続プリントを行う場合、一枚目の用紙P1の後端と二枚目の用紙P2の先端の距離が50mmであるから、二枚目の用紙P2の給紙開始は一枚目の用紙P1の先端が加熱部Hの53mm手前にきた時に行わなければならない。
【0021】
そして、三枚目の用紙P3の給紙開始は、P2の先端が加熱部Hの53mm手前で行われるから、この時一枚目の用紙P1の後端は加熱部Hの3mm手前ということになる。すなわち、一枚目の用紙P1が加熱部Hを通過中に三枚目の給紙を行わなければいけないということになる。
【0022】
実際の給紙命令は給紙ローラによる用紙のピックアップまでのタイムラグを考慮するため、さらに上記のタイミングよりも早く行われる。したがって、A4サイズの長さで幅の狭い用紙が通紙された時、一枚目の用紙P1の後端においてサブサーミスタの検知温度が危険な温度に達しても、二枚目はもちろん三枚目まですでに給紙命令が発せられているために、そのままのスループットでさらに二枚の用紙が定着器を通過し、非通紙部の温度は危険温度をはるかに超えて上昇してしまうことになる。
【0023】
このような事態を防止するには、スループットダウンの命令を出力するサブサーミスタの検知温度(以降しきい温度と呼ぶ)を低く設定して、その後、温度上昇しても危険温度を超えないように余裕をもたせてやる方法がある。
【0024】
しかし、温度検出後、常にさらに二枚の記録材が通紙されることを前提に設定したのでは、あまりに設定温度が低くなりすぎ、実際の必要以上に頻繁にスループットが落ちる可能性がある。
【0025】
特に、上記のしきい温度の設定は最も非通紙昇温の厳しい、用紙の坪量が200g/m2以上の厚紙を想定して行うことになるが、実際に使用される用紙は通常100g/m2以下のものがほとんどである。100g/m2以下の用紙の場合、非通紙部の昇温速度は遅いため、200g/m2以上の厚紙で設定されたしきい温度を超えても危険な温度に到達するまでは、通常のスループットでもまだまだ余裕がある。したがって、200g/m2以上の用紙を想定したしきい温度では、不必要なスペックダウンになってしまうのである。
【0026】
本発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、非通紙部昇温に起因する不都合を無くした加熱装置を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い前記被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、前記非通紙部の温度検知素子の検知温度と前記被加熱材一枚あたりの温度上昇量に基づいて、前記被加熱材の通紙間隔を変化させることを特徴とする加熱装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面について説明する。
【0029】
〈実施例1〉
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成模型図である。この本実施例の画像形成装置は電子写真方式を用いたレーザープリンタであり、最大用紙幅がレター(LETTER)サイズで、プロセススピード140mm/sec、通紙間隔を53mmでA4サイズ紙を24枚/分(ppm)で出力するプリンタである。
【0030】
ホストコンピュータ(不図示)からのプリント指令が装置に入力され、装置が駆動開始されると、記録材としての用紙Pは、給紙カセット10もしくは、マルチトレイ9から給紙される。用紙Pは給紙ガイド7に導かれて、やがて搬送路上にある、トップセンサー13のレバーを倒し、用紙の先端がトップセンサー13の位置を通過したことが検知される。この後、用紙後端がトップセンサー13を通過するまで、トップセンサー13は紙有状態を検知し続ける。トップセンサー13のレバーは用紙の後端が通過すると元に戻り、用紙後端がトップセンサー13の位置を通過したことが検知される。
【0031】
やがて、用紙は感光ドラム1の下部の転写ローラ6と対向した転写部Tに達する。感光ドラム1上には、帯電ローラ11によって一様均一な帯電がなされた後、レーザー走査露光装置3より出た画像信号に対応したレーザー光Lを照射されて、表面に静電潜像が形成される。レーザー走査露光装置3は、回転するポリゴンミラー31にレーザー光を反射させ、この反射光をレンズ32で焦点を絞り、折り返しミラー33等で感光ドラム1上に照射するものである。
【0032】
このようにして形成された潜像は現像装置2によって選択的にトナーが付着させられてトナー像として可視化され、感光ドラム1の回転にともない転写部Tへ搬送される。転写部Tでは、転写ローラ6が用紙の裏面(背面)からトナーと逆極性の電界を加えることにより、トナー像を用紙に転写する。
【0033】
トナー像が転写された用紙は、搬送ガイド15に導かれて加熱装置たる定着装置(定着器)12へと達し、そこを通過する過程で熱および圧力が印加されて、用紙の先端からトナー像が用紙に定着されていく。トナー像の定着処理を受けた用紙は、搬送ガイド16に導かれて画像形成物(プリント、コピー)として排紙される。
【0034】
図2は定着装置12の概略構成断面図であり、加熱体としてのヒーター22をヒーターホルダ23に支持し、これを定着フィルム21を介して加圧ローラ25に図示しない加圧手段によって圧接させている。
【0035】
定着フィルム21は定着処理の高速化の一環としての熱容量の低減化のために、耐熱性のPTFE、PFA又はFEP等を主成分とする単層、或いは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES又はPPS等を主成分とする無端状の基体の外周面にPTFE、PFA又はFEP等をコーティングした複合層に構成されていると共に、フィルム21の全層厚が100μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下に採られている。
【0036】
ヒーター22は、アルミナ等に代表されるセラミックスを主成分とする薄板状の基板22Aの一方の面に、Ag/Pd(銀パラジウム)等を主成分とする発熱抵抗体22Bをスクリーン印刷等により塗工したのち、ガラス或いはフッ素等を主成分とする保護層22Cで被覆するなどにて構成されており、基板22Aの他方の面には、図2に示すように、サーミスタ51が当接若しくは近接して支持されている。
【0037】
ヒーターホルダー23は、ヒーター22を支持するとともに定着フィルム21の内面を長手方向全域にわたってガイドする機能を有する。
【0038】
加圧ローラ25は、鉄、アルミニウム等を主成分とする円柱状若しくは略円柱状の芯金25Aの外周面に、耐熱性及び離型性を有するシリコーンゴム等を主成分とする円筒状の弾性層25Bを被覆するなどにて構成されていると共に、芯金25Aが駆動機構(図示せず)から駆動力を受けることにより、加圧ローラ25は、いずれか一方の方向に回転するようになっている。
【0039】
そして、定着フィルム21は加圧ローラ25の回転駆動によって従動回転し、ニップHに導入された記録材Pを搬送するとともにヒーター22の熱をフィルム21を介して記録材Pに付与する。
【0040】
この時、定着装置12はヒーター22を所定の温度に維持して用紙の定着に最適な加熱量を得る。本実施例の定着装置12では、通常サイズ(A4サイズ)通紙時で200℃に設定している。ヒータ22の温度制御はヒータ22上に配された温度検知素子(サーミスタ)51の検知温度が一定になるように、ヒータ22への通電を制御することによって行われる。サーミスタ51の出力信号はA/Dコンバータ61を介してCPU62に入力される。CPU62はこの入力信号に基づき、ACドライバー63を介して加熱体としてのヒーター22の発熱抵抗体22Bへの供給電力を制御し、ヒーター22の温度を所定の温度になるように温調する。
【0041】
CPU62によるヒーター22の加熱動作の制御としては、発熱抵抗体22Bに通電される交流バイアスの振幅或いは周期等をサーミスタ51の検知温度に応じて切り換えるという制御の他に、任意の一定時間に亘る外部電源から発熱抵抗体22Bへの通電量を調整するという制御、所謂、位相制御或いは波数制御が行われている。特に、波数制御は、通電に付随するノイズの発生が位相制御に比べて少ないという利点を有していることから、加熱装置12においては、ヒーター22の加熱動作の制御として、波数制御が採用されている。
【0042】
ヒーター22上には、温度制御に用いられるサーミスタ51の他に、小サイズ通紙時に非通紙部となる領域にサーミスタ52を配置し、非通紙部昇温それ自体を検知している。
【0043】
サーミスタ52の出力信号もサーミスタ51と同様にA/Dコンバータ61を介してCPU62に入力されており、CPU62はサーミスタ52の温度情報をリアルタイムに検知している。
【0044】
図3は定着装置12の長手方向の概略断面図を示すもので、図において、51は、いかなるサイズの用紙が通紙されても常に通紙領域となる位置に配されたメインサーミスタであり、52は、B5サイズよりも幅の小さな用紙が通紙された時に非通紙領域となる位置に配されたサブサーミスタである。サブサーミスタ52は温度制御には用いられず、非通紙昇温のようなヒーターの異常昇温のみを検知する。
【0045】
用紙Pの後端がトップセンサー13の位置を通過すると、トップセンサー13のレバーが元に戻り、用紙後端がトップセンサー13の位置を通過したことが検知される。つまり、トップセンサー13は用紙が存在しない状態(紙無し状態)になったことを検知する。そして、連続プリントの場合には、一定間隔で次の用紙を給紙し、同様のプロセスを経て、プリントを生成していく。
【0046】
用紙のスループットは、トップセンサー13が紙先端、あるいは後端を検知してから一定時間経過後に次の用紙を給紙することで保たれる。本実施例では前記した通り、通常のスループットで通紙間隔が53mmとなるようにしている。
【0047】
小サイズ紙が通紙された場合、上記のトップセンサー13が紙有り状態を検知している時間が、通常サイズ紙が通紙された時よりも短くなる。これによって、通常サイズ紙と小サイズ紙の判別を行いB5サイズよりも長さの短い用紙の時には、スループットを切り替えて、通常の24ppmよりも落として通紙を行う。本実施例では例えば通紙間隔を753mmにして、8ppmにスループットを切り替える。
【0048】
このようなスループット制御を行う理由は、B5サイズよりも長さの短い用紙は一般的に幅も短く、非通紙部の昇温が大きいためである。幅が短く、かつ長さがB5サイズよりも長い用紙が通紙された場合は、上記の方法では幅が短いことが検知できないため、通常サイズの用紙として通紙間隔53mmのスループットでプリント処理が行われる。したがって非通紙部の昇温は激しく、数枚の連続通紙ですぐに非通紙部の温度は加圧ローラ25やヒーターホルダ23が破損する危険のある温度まで上昇する。
【0049】
本実施例の定着器ではヒータ22の温度が260℃以上になると各部品が破損する危険が生じる。サブサーミスタ52はこのような非通紙部昇温をダイレクトに検知するため、ヒーター22の非通紙部が危険な温度に上昇する前に、スループットを切り替える等の処置を行い、装置の破損を防止することができる。
【0050】
本実施例では、非通紙部の温度をサブサーミスタ52によって検知し、サブサーミスタ温度とある特定の期間の温度の上昇度合いの組み合わせによって、スループットを切り替えるタイミングを決定する。
【0051】
図4は、この時のスループット切り替えの制御テーブルを示す。幅が短く、長さがB5よりも長い用紙が通紙された時、用紙の長さや厚さによって非通紙部の昇温の度合いが異なるため、スループットの切り替えを行う「しきい温度」の最適値がそれぞれ異なってくるのは前記した通りである。
【0052】
例えばロングナロー紙が通紙された時、上記の通り、まず通常サイズの用紙と同様に通紙間隔53mmで連続通紙が行われる。この時、サブサーミスタ52の検知温度は常にモニタされ、異常昇温の監視を行っている。それと同時に、用紙の定着ニップへの先端突入時と用紙の後端排出時のサブサーミスタ温度を検出し、用紙一枚の通紙中に何度の温度上昇があったかを計算する。
【0053】
これにより、非通紙部の現在の温度から、次の用紙の通紙によって何℃まで非通紙部の温度が上昇するかを予測することが可能になる。ある時点でサブサーミスタ52の検知温度が同じであっても、用紙一枚中の温度上昇の大きい用紙と小さい用紙ではその後の非通紙部の温度上昇の度合いは、当然異なる。
【0054】
したがって、上記のように温度上昇量を予測し、この予測に基づいて危険温度に達する前にスループットの切り替え指令を出す構成にすれば、それぞれの用紙ごとに「しきい温度」を異ならせ、適切な値に設定することができる。
【0055】
本実施例では、スループット切り替えの指令が出てから、最大で2枚の用紙が切り替え前の通紙間隔53mmのスループット(A4の長さなら24ppm)で通紙されることを想定して、2枚通紙後のサブサーミスタの温度が危険温度(本実施例では260℃)に達すると予測される温度を「しきい温度」に設定する。
【0056】
図4に示す制御テーブルにおいて、例えば用紙一枚中での温度上昇が19degの時、サブサーミスタ温度が230℃の時点で、スループットの切り替え指令が出ることになる。温度上昇量19deg/pageに対してサブサーミスタ温度230℃では、2枚の通紙で268℃に達する計算になるが、実際は通紙間隔で5deg程度非通紙部の温度が低下するため、これを見込んで制御テーブルは設定されている。
【0057】
230℃をしきい温度とする上記の例に対して、一枚中の温度上昇が9degの用紙では、サブサーミスタ温度が250℃で切り替え指令が出るため、通紙間隔が53mmのスループットで、より多くの通紙ができる。したがって、一つのしきい温度だけでスループットの切り替えタイミングを決めていた従来の場合と比較して、温度上昇量としきい温度をマトリックスで組み合わせて制御テーブルを形成した本実施例は、用紙の厚さや長さによる非通紙部昇温の違いを考慮して、それぞれの用紙ごとに最適なスループットの切り替えタイミングを設定することができる。
【0058】
これにより、装置の破壊や高温オフセットを発生させずに、かつ、でき得る限りプリント速度を最速に維持させ、パフォーマンスを最大限発揮できる構成とすることができる。
【0059】
ところで、上記の例では非通紙部の昇温の度合いを用紙一枚ごとに検知しているが、単位時間あたりの昇温速度で制御を行ってもよい。単位時間あたりの温度上昇を計測して制御を行った場合の制御テーブルを図5に示す。
【0060】
用紙一枚ごとの昇温に応じてスループットの切り替えを決定する場合は、用紙一枚が通紙されるまでスループットの切り替え指令が出されないため、切り替えタイミングが遅くなる恐れもある。これに対して、単位時間あたりの昇温速度で制御を行えば、用紙の通紙中、随時切り替え指令を出すことが可能である。
【0061】
昇温速度は、あまり短い時間内での温度上昇から判定すると誤差が大きくなるため、検知時間はある程度長い時間をとる必要があり、本実施例では1.0sec間の昇温速度を使用している。しかしこれは、1.0sec単位でなくとも0.1secや0.5sec等任意の値を選択できる。サブサーミスタ温度の監視自体は、本実施例の場合1.0msecごとに行っているため、例えば1.0sec単位の昇温速度を計測する場合、昇温速度の検知データ1000個分を1.0msecごとに常時更新し続けて、最新の結果を得るようにすることができる。したがって、スループットの切り替え指令は1.0msec単位で出すことができる。
【0062】
昇温速度の計算方法は、あらためていうまでもないが、サンプリング開始時のサブサーミスタ温度を単位時間経過後のサブサーミスタ温度から引いた値を単位時間で割ったものである。繰り返すがCPU62には常に1.0msecごとにサブサーミスタ温度の情報が入力されているのであり、この情報をCPU62はいつでも計算・加工等の処理を施して制御に反映して用いることが可能である。本例では上記の方法によって、常時更新され続ける昇温速度の計算結果に対して図5のテーブルを比較・反映させて、しきい温度によるスループットの切り替えタイミングを変化させている。
【0063】
ところで、単位時間あたりの昇温速度に反映されてくる用紙の性質は主に厚みであるため、用紙一枚ごとの温度上昇量のような用紙の長さ要因の温度上昇はこの値自体には含まれない。したがって、単位時間あたりの昇温速度は大きくても用紙一枚ではさほど温度上昇しない、という場合も出てくる。あるいはその逆に、単位時間あたりの昇温速度は小さくても用紙が長いために一枚あたりの昇温は大きいこともある。
【0064】
このような問題に対しては、連続プリント時の一枚目の用紙の長さをトップセンサで検知しておいて、この結果を制御テーブルに反映させるようにしてやればよい。すなわち、用紙の長さと単位時間あたりの昇温速度から一枚中で何度の温度上昇があるかを予測し、ここからさらにスループット切り替え指令が出てから2枚通紙された後の温度上昇量を予測して、切り替えタイミングを決定するのである。
【0065】
通常、連続プリントの一枚目では非通紙部昇温はさほど大きくなく、一枚目からしきい温度を超えることはまずありえないため、このような制御は可能である。
【0066】
なお、上記例ではスループットを低速に切り替えることで非通紙部昇温の緩和を行ったが、一定時間給紙を待機させることで非通紙部の温度を低下させることもできる。その場合は、一定時間の待機後に通紙間隔53mmのスループットで給紙を再開することができるが、低速のスループットで通紙を行ってもよい。
【0067】
また、給紙待機を一定時間ではなく、所定温度までサブサーミスタの検知温度が低下するまで行う、といった方法をとることも可能である。この時、通紙間隔は一定ではなくなるが、ダイレクトに温度によって給紙タイミングを決めるため、あらかじめ決まったスループットで通紙するよりも、所定時間内でより多くのプリントを行うことができる。
【0068】
具体的には、例えば図4に示した制御テーブルで「しきい温度」に達したら給紙を待機(ウエイト)する指令を出して、定着器が非通紙回転により温度が低下するのを待つ。そして、サブサーミスタの検知温度が160℃以下になったら、給紙を再開し通紙間隔53mmのスループットでプリントを行う。
【0069】
そして、再給紙後の連続通紙によって再び定着器が昇温し「しきい温度」に達したら、また給紙を待機して160℃以下になるまで非通紙回転を行い高温部を冷却する。この非通紙回転時はヒータを通常の定着温度よりも低温に制御するか、或いは通電をオフしておけば、冷却効果が高まり早く給紙を再開できる。
【0070】
また、このような給紙を待機させてヒータの低温検知で給紙を再開する制御と、あらかじめ決められた低速のスループットに切り替える制御とを組み合わせることも可能である。例えば、幅の短い用紙によって非通紙部が昇温し、昇温速度によって決まる「しきい温度」をサブサーミスタ52が検知したら、通紙間隔を53mmから3903mmに切り替え、スループットを低速の2ppmにする。
【0071】
そして、この低速のスループットによって非通紙部の温度が低下し、160℃以下を検知したら再び通紙間隔を53mmに切り替える。この制御では単純に給紙を待機する場合と異なり、確実に一定値以上のスループットを保証できるという利点がある。
【0072】
〈実施例2〉
実施例1ではロングナロー紙等の連続プリントによる非通紙部昇温に対して、スループットを切り替えて通紙間隔を大きくすることで、非通紙部の昇温を緩和していたが、装置の駆動速度を低速に切り替える方法を用いることもできる。
【0073】
その場合の動作を以下に説明する。
【0074】
幅の狭く長さの長いロングナロー紙等が連続通紙され、非通紙部が昇温すると、サブサーミスタ52がこれを検知して図4の制御テーブルにしたがい「しきい温度」に達した時点で、装置の駆動速度を切り替える必要をまず認識する。そして、その時点ですでに給紙されていた用紙の後端が定着部を通過するまで、通常の駆動速度でプリント動作を続ける。この際、次の用紙の給紙は行わず待機状態にある。その後、用紙の後端が定着ニップを抜けたら、装置の駆動速度切り替えを指令して、プロセススピードを140mm/secから70mm/secの半速に切り替える。それと同時に定着器の温度制御も通常よりも制御温度の低い半速用のものに切り替わる。
【0075】
用紙の後端が定着ニップを抜けるタイミングは、トップセンサー13の位置を用紙の後端が抜けたタイミングと装置の搬送路の長さから類推して判断することができ、例えばトップセンサー13から定着ニップまでの長さが250mmでプロセススピードが140mm/secの場合ならば、トップセンサー13が用紙の後端を検知してから約1.786秒後に用紙の後端が定着ニップを抜けることになる。
【0076】
或いは、定着ニップの搬送方向で下流側に排紙センサを設けて後端を検知してもよい。
【0077】
このように駆動速度が遅くなると、通紙間隔が時間的に長くなると同時に、単位時間あたりの用紙への加熱量が少なくてすむため、加熱温度を低くして非通紙部昇温を少なくすることができる。そして、駆動速度が切り替わった時点で用紙の給紙を再開し、そのまま低速の駆動速度でプリント動作を行う。
【0078】
プロセススピードの切り替えに対して、レーザー光による画像形成は画像クロックを切り替える等の処理を行うが、一般的にプロセススピードを2分の1に切り替える場合には、単純に1ラインの画像走査毎、その後に1ライン空白を設けるだけで対処することが多い。
【0079】
スループットは、駆動速度が半速なので通常時(A4長さならば24ppm)の半分(A4長さでは12ppm)になるが、通紙間隔を通常よりも広げてさらにスループットを落としても問題はない。あるいは、駆動速度を切り替えることによって一旦低下したサブサーミスタの検知温度が、再び上昇して図4のテーブルで決まるしきい温度を超える度に、12ppmから8ppm、6ppmへと徐々にスループットを落としていく構成にしてもよい。
【0080】
駆動速度を低速に切り替える本実施例の場合、単純にスループットを落とすだけだった実施例1の構成よりも加熱温度を低くすることができるため、駆動速度自体は遅くても、スループットは速くして非通紙昇温を緩和することができる。
【0081】
なお、前記の実施例も含めて本記載ではB5サイズ以下の小サイズ紙に対しては、長さを検知することでこのサイズを判定して、あらかじめ決められた小サイズ用のスループット制御等を行っているが、B5サイズ以下の用紙に対して本発明を適用しても問題ないことはいうまでもない。
【0082】
本発明の様々な例と実施例が示され説明されているが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられてた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0083】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0084】
(実施態様1)加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い前記被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、前記非通紙部の温度検知素子の検知温度と昇温速度に基づいて、前記被加熱材の通紙間隔を変化させることを特徴とする加熱装置であり、用紙の厚みや長さの違いによる非通紙部の昇温度合いの差を考慮した適切な切り替えタイミングで通紙間隔を変化させることができる。またこれにより、非通紙部昇温による加熱装置の破損や、高温オフセットを防止することができるという効果がある。
【0085】
(実施態様2)前記温度検知素子の検知温度と昇温速度が所定の値を超えた時に、前記被加熱材の給紙を待機させることを特徴とする請求項1および実施態様1に記載の加熱装置であり、非通紙部昇温を大きく低下させて、装置の安全性を高くすることができるという効果がある。
【0086】
(実施態様3)前記温度検知素子の検知温度が所定の値以下に低下した時に給紙を再開することを特徴とする実施態様2に記載の加熱装置であり、予め決められた通紙間隔で通紙を行うよりも、所定時間内に通紙枚数をより多くすることができるという効果がある。
【0087】
(実施態様4)加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い前記被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、前記温度検知素子の検知温度と昇温速度に基づいて、加熱装置の駆動速度(加熱装置による被加熱材の搬送速度)を変化させることを特徴とする加熱装置であり、非通紙部昇温を抑えながら、より速いスループットで効率的に通紙を行うことができるという効果がある。
【0088】
(実施態様5)前記被加熱材が未定着像を形成担持させた記録材であり、装置が前記未定着像を前記記録材に加熱定着させる加熱定着装置であることを特徴とする請求項1および実施態様2乃至4のいずれか1つに記載の加熱装置であり、記録材に確実に未定着像を定着することができるという効果がある。
【0089】
(実施態様6)前記記録材に未定着像を形成担持させる作像手段と、記録材に形成担持させた未定着像を定着させる定着手段を有し、前記定着手段が請求項1および実施態様5のいずれか1つに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置であり、未定着像を被加熱材に安定に且つ強固に定着させることができ、高品質の画像形成を行なうことができる画像形成装置を得ることができるという効果がある。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、前記非通紙部の温度検知素子の検知温度と昇温速度に基づいて、被加熱材の通紙間隔を変化させるように構成したので、用紙の厚みや長さの違いによる非通紙部の昇温度合いの差を考慮した適切な切り替えタイミングで通紙間隔を変化させることができる。またこれにより、非通紙部昇温による加熱装置の破損や、高温オフセットを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における画像形成装置の概略構成模型図である。
【図2】実施例における加熱装置(定着装置)の概略構成模型図である。
【図3】実施例における加熱装置(定着装置)の長手方向概略構成模型図である。
【図4】実施例におけるスループット切り替えの制御テーブルである。
【図5】実施例における昇温速度に応じたスループット切り替えの制御テーブルである。
【図6】プリンタの搬送路の長さを表す概略図である。
【図7】小サイズ紙を検知するためのセンサー配置図である。
【符号の説明】
P 用紙(記録材)
1 感光ドラム
2 現像装置
3 レーザー走査露光装置
6 転写ローラ
9 マルチトレイ
10 給紙カセット
11 帯電ローラ
12 加熱装置
13 トップセンサー
14 紙幅センサー
21 定着フィルム
22 ヒーター
25 加圧ローラ
51 メインサーミスタ
52 サブサーミスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱材の加熱装置および該加熱装置を記録材(以下、用紙とも称する)に形成担持させた未定着像を加熱定着処理する装置として具備した電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ・複写機等の画像形成装置は、記録材に対して電子写真プロセス・静電記録プロセス等の作像手段で転写方式又は直接方式にて画像情報の未定着トナー画像を形成担持させ、その記録材を加熱装置(定着装置、定着器)に搬送導入して未定着トナー画像を永久固着画像として記録材に加熱定着させて、画像形成物として出力するものである。
【0003】
通常、画像形成装置およびその加熱装置には、様々な幅や長さをもった記録材が通紙される。ところで、封筒のような特に幅の狭い記録材を連続通紙すると、加熱装置内で記録材の通過する部分と、通過しない部分との熱の消費の差から通過しない部分での温度の上昇が大きくなる、いわゆる「非通紙部昇温」が発生する。
【0004】
この現象がひどくなると、加熱装置の加圧ローラの熱膨張に不均一を生じ、ゴムが破断したり、フィルム加熱方式の加熱装置にあってはフィルムの送り速度に差が生じて、ネジレが発生したりする。また、装置の耐熱温度を超えると、加圧ローラ表面、ヒーターホルダの溶融等がおこる。あるいは、小サイズ紙の通紙直後に大サイズ紙を通紙すると、小サイズ紙の非通紙部が高温になっているため、ここでトナーの溶融過多がおこり、小サイズ紙の非通紙部に相当する部分で高温オフセットも発生する。
【0005】
したがって、このような問題を防止するため、従来の装置では封筒のような小サイズ紙の通紙時には、記録材の通紙間隔を長くする、いわゆるスループットを下げることによって、通紙間隔を長くとって非通紙部昇温の低減を図っている。
【0006】
幅の狭いと通常サイズ紙の判別の方法としては、図7に示すように、用紙搬送路上に紙幅検知センサー14を設け、紙幅検知センサー14を幅方向において幅の狭い用紙と通常サイズ(A4サイズ)の用紙を判別できる位置に配置する方法がある。図7の場合では中央を通紙基準とする装置で、その中央近傍にトップセンサー13を配置し、紙幅検知センサー14を通紙基準中央から93mmの位置に配置して、紙幅検知センサー14が用紙を検知しない場合は幅の狭い小サイズと判断する。
【0007】
この方法では確実に幅の狭い用紙を検知できるが、装置のコストダウンおよび小型化の点では好ましくない。そのため、簡易的にトップセンサー13を用いて単純に長さの短い用紙を幅も狭い用紙として認識する方法も、よく用いられている。すなわち、トップセンサー13の紙有検知時間に応じて、用紙のサイズを判断する。例えば用紙の長さが270mm以上の用紙を通常サイズ、270mm未満のサイズを幅の狭い小サイズと判定して、スループットを下げる等の小サイズに対応した装置の制御を行うものである(例えば特許文献1参照)。
【0008】
ところで近年プリンタ市場の拡大にともない、記録材の寸法・厚み等には様々なバリエーションが生じており、従来想定していたシーケンスでは完全に対処できない場合がある。例えば、用紙幅が名詞サイズ並に狭く、長さはA4サイズよりも長い用紙(以下、ロングナロー紙と称する)も市場には存在する。
【0009】
このようなロングナロー紙は、紙幅センサーをもたない安価な構成の装置では、幅の狭い用紙であることは検知できない。そのためA4サイズのような通常サイズと同様、装置の設定上最も速いスループットで用紙を搬送してしまう。その場合、非通紙部の温度は数枚の連続通紙ですぐに許容温度を超えてしまい、そのまま通紙を続けると、確実に装置の破壊に到ってしまう。
【0010】
したがって、ヒーター上の幅の狭い用紙の通紙時に非通紙部となる領域に温度検知素子を配置し、非通紙部の温度を検知することでスループット等の制御を行う構成も近年ではよく用いられている(例えば特許文献2参照)。
【0011】
図2はフィルム加熱方式の加熱装置の概略断面図、図3は長手方向の部品配置図を示す。図において、22はヒーターホルダ23によって支持された加熱体としてのヒーターで、定着フィルム21を介して加圧ローラ25に図示しない加圧手段によって圧接されている。定着フィルム21は加圧ローラ25の回転駆動によって従動回転し、ニップHに導入された記録材Pを搬送するとともにヒーター22の熱を定着フィルム21を介して記録材Pに付与する。51は、いかなるサイズの用紙が通紙されても常に通紙領域となる位置に配された温度検知素子としてのメインサーミスタであり、この検知温度を所定の温度に維持することでヒーター22の発熱量をコントロールして用紙の定着に最適な加熱量を得る。
【0012】
52は、B5サイズよりも幅の狭い用紙が通紙された時に非通紙領域となる位置に配置されたサブサーミスタである。このサブサーミスタ52は温度制御には用いられず、非通紙昇温のようなヒーターの異常昇温のみを検知する。
【0013】
この構成において、幅の狭い用紙が連続通紙されると、この通紙中にサブサーミスタ52がメインサーミスタ51の検知温度に比べて著しく高い温度を検出するようになる。ここで、サブサーミスタ52が所定温度まで上昇したならば、所定時間給紙を待機(ウエイト)してスループットを落とす、もしくは加熱温度を下げる等の制御を行い、非通紙部の温度を低下させて装置の破壊等を防止する。このように非通紙部の温度を検知する構成を用いれば、より装置の安全性を高くすることができる。このため、直接非通紙部の昇温の値を検出して制御にフィードバックすることは必須になりつつある。
【特許文献1】
特開平05−289562号公報
【特許文献2】
特開2001−282036号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら幅の狭い用紙の通紙時、従来のようにサブサーミスタの検出値が所定温度に達した時にスループットの切り替えを行う制御では、装置の搬送路の構造によっては問題が生じる場合があった。
【0015】
通常、記録材を連続通紙する場合、先に給紙された記録材が加熱ニップ内から完全に抜ける前に次の記録材の給紙は行われているのが普通である。
【0016】
一般的にプリンタ等の画像形成装置では通紙間隔の長さは50〜100mm程度に設定されているが、これは一枚目の後端が加熱ニップを抜ける瞬間にはその手前50〜100mmの位置に二枚目の先端が来ていることを意味している。すなわち、給紙装置から加熱装置までの距離が50〜100mm以内でない限り、記録材が加熱ニップ内から完全に抜ける前に次の記録材の給紙は行われていなくてはならないのである。
【0017】
そのような一般的なプリンタの構造では、記録材が加熱ニップを通過中にサブサーミスタが危険な温度まで達してスループットを低下させることを要求しても、すでに次の記録材が給紙搬送されてきているために、今通過中の記録材と次の記録材の通紙間隔を空けることはできない。したがって、次の記録材はそのまま加熱ニップに突入してしまい、非通紙部昇温を危険な温度を超えて悪化させてしまうことになる。
【0018】
上記の場合、一枚目の記録材の加熱ニップ通紙時にサブサーミスタの高温を検知した時点で二枚目が給紙されていることが問題であるが、搬送路が長い装置の場合にはさらに三枚目までがすでに給紙されていることがあり得る。
【0019】
図6にそのようなプリンタの搬送路の長さを表す概略図を示す。図において、10は給紙カセット、1は感光ドラム、6は転写ローラ、12は加熱装置たる定着器である。プリント信号が入力されると、最初に給紙された用紙P1は給紙カセット10から給紙され、感光ドラム1と転写ローラ6によって形成される転写部Tに達し、そこで不図示の画像形成手段によって感光ドラム上1に形成されたトナー像の転写を受けて、やがて定着器12の加熱部Hを通過することによってトナー像が定着される。
【0020】
搬送路の距離は、給紙カセット10〜転写部T間が200mm、転写部T〜加熱部H間が200mmである。通紙間隔を50mmでA4サイズ紙(長さ297mm)の連続プリントを行う場合、一枚目の用紙P1の後端と二枚目の用紙P2の先端の距離が50mmであるから、二枚目の用紙P2の給紙開始は一枚目の用紙P1の先端が加熱部Hの53mm手前にきた時に行わなければならない。
【0021】
そして、三枚目の用紙P3の給紙開始は、P2の先端が加熱部Hの53mm手前で行われるから、この時一枚目の用紙P1の後端は加熱部Hの3mm手前ということになる。すなわち、一枚目の用紙P1が加熱部Hを通過中に三枚目の給紙を行わなければいけないということになる。
【0022】
実際の給紙命令は給紙ローラによる用紙のピックアップまでのタイムラグを考慮するため、さらに上記のタイミングよりも早く行われる。したがって、A4サイズの長さで幅の狭い用紙が通紙された時、一枚目の用紙P1の後端においてサブサーミスタの検知温度が危険な温度に達しても、二枚目はもちろん三枚目まですでに給紙命令が発せられているために、そのままのスループットでさらに二枚の用紙が定着器を通過し、非通紙部の温度は危険温度をはるかに超えて上昇してしまうことになる。
【0023】
このような事態を防止するには、スループットダウンの命令を出力するサブサーミスタの検知温度(以降しきい温度と呼ぶ)を低く設定して、その後、温度上昇しても危険温度を超えないように余裕をもたせてやる方法がある。
【0024】
しかし、温度検出後、常にさらに二枚の記録材が通紙されることを前提に設定したのでは、あまりに設定温度が低くなりすぎ、実際の必要以上に頻繁にスループットが落ちる可能性がある。
【0025】
特に、上記のしきい温度の設定は最も非通紙昇温の厳しい、用紙の坪量が200g/m2以上の厚紙を想定して行うことになるが、実際に使用される用紙は通常100g/m2以下のものがほとんどである。100g/m2以下の用紙の場合、非通紙部の昇温速度は遅いため、200g/m2以上の厚紙で設定されたしきい温度を超えても危険な温度に到達するまでは、通常のスループットでもまだまだ余裕がある。したがって、200g/m2以上の用紙を想定したしきい温度では、不必要なスペックダウンになってしまうのである。
【0026】
本発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、非通紙部昇温に起因する不都合を無くした加熱装置を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い前記被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、前記非通紙部の温度検知素子の検知温度と前記被加熱材一枚あたりの温度上昇量に基づいて、前記被加熱材の通紙間隔を変化させることを特徴とする加熱装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面について説明する。
【0029】
〈実施例1〉
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成模型図である。この本実施例の画像形成装置は電子写真方式を用いたレーザープリンタであり、最大用紙幅がレター(LETTER)サイズで、プロセススピード140mm/sec、通紙間隔を53mmでA4サイズ紙を24枚/分(ppm)で出力するプリンタである。
【0030】
ホストコンピュータ(不図示)からのプリント指令が装置に入力され、装置が駆動開始されると、記録材としての用紙Pは、給紙カセット10もしくは、マルチトレイ9から給紙される。用紙Pは給紙ガイド7に導かれて、やがて搬送路上にある、トップセンサー13のレバーを倒し、用紙の先端がトップセンサー13の位置を通過したことが検知される。この後、用紙後端がトップセンサー13を通過するまで、トップセンサー13は紙有状態を検知し続ける。トップセンサー13のレバーは用紙の後端が通過すると元に戻り、用紙後端がトップセンサー13の位置を通過したことが検知される。
【0031】
やがて、用紙は感光ドラム1の下部の転写ローラ6と対向した転写部Tに達する。感光ドラム1上には、帯電ローラ11によって一様均一な帯電がなされた後、レーザー走査露光装置3より出た画像信号に対応したレーザー光Lを照射されて、表面に静電潜像が形成される。レーザー走査露光装置3は、回転するポリゴンミラー31にレーザー光を反射させ、この反射光をレンズ32で焦点を絞り、折り返しミラー33等で感光ドラム1上に照射するものである。
【0032】
このようにして形成された潜像は現像装置2によって選択的にトナーが付着させられてトナー像として可視化され、感光ドラム1の回転にともない転写部Tへ搬送される。転写部Tでは、転写ローラ6が用紙の裏面(背面)からトナーと逆極性の電界を加えることにより、トナー像を用紙に転写する。
【0033】
トナー像が転写された用紙は、搬送ガイド15に導かれて加熱装置たる定着装置(定着器)12へと達し、そこを通過する過程で熱および圧力が印加されて、用紙の先端からトナー像が用紙に定着されていく。トナー像の定着処理を受けた用紙は、搬送ガイド16に導かれて画像形成物(プリント、コピー)として排紙される。
【0034】
図2は定着装置12の概略構成断面図であり、加熱体としてのヒーター22をヒーターホルダ23に支持し、これを定着フィルム21を介して加圧ローラ25に図示しない加圧手段によって圧接させている。
【0035】
定着フィルム21は定着処理の高速化の一環としての熱容量の低減化のために、耐熱性のPTFE、PFA又はFEP等を主成分とする単層、或いは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES又はPPS等を主成分とする無端状の基体の外周面にPTFE、PFA又はFEP等をコーティングした複合層に構成されていると共に、フィルム21の全層厚が100μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下に採られている。
【0036】
ヒーター22は、アルミナ等に代表されるセラミックスを主成分とする薄板状の基板22Aの一方の面に、Ag/Pd(銀パラジウム)等を主成分とする発熱抵抗体22Bをスクリーン印刷等により塗工したのち、ガラス或いはフッ素等を主成分とする保護層22Cで被覆するなどにて構成されており、基板22Aの他方の面には、図2に示すように、サーミスタ51が当接若しくは近接して支持されている。
【0037】
ヒーターホルダー23は、ヒーター22を支持するとともに定着フィルム21の内面を長手方向全域にわたってガイドする機能を有する。
【0038】
加圧ローラ25は、鉄、アルミニウム等を主成分とする円柱状若しくは略円柱状の芯金25Aの外周面に、耐熱性及び離型性を有するシリコーンゴム等を主成分とする円筒状の弾性層25Bを被覆するなどにて構成されていると共に、芯金25Aが駆動機構(図示せず)から駆動力を受けることにより、加圧ローラ25は、いずれか一方の方向に回転するようになっている。
【0039】
そして、定着フィルム21は加圧ローラ25の回転駆動によって従動回転し、ニップHに導入された記録材Pを搬送するとともにヒーター22の熱をフィルム21を介して記録材Pに付与する。
【0040】
この時、定着装置12はヒーター22を所定の温度に維持して用紙の定着に最適な加熱量を得る。本実施例の定着装置12では、通常サイズ(A4サイズ)通紙時で200℃に設定している。ヒータ22の温度制御はヒータ22上に配された温度検知素子(サーミスタ)51の検知温度が一定になるように、ヒータ22への通電を制御することによって行われる。サーミスタ51の出力信号はA/Dコンバータ61を介してCPU62に入力される。CPU62はこの入力信号に基づき、ACドライバー63を介して加熱体としてのヒーター22の発熱抵抗体22Bへの供給電力を制御し、ヒーター22の温度を所定の温度になるように温調する。
【0041】
CPU62によるヒーター22の加熱動作の制御としては、発熱抵抗体22Bに通電される交流バイアスの振幅或いは周期等をサーミスタ51の検知温度に応じて切り換えるという制御の他に、任意の一定時間に亘る外部電源から発熱抵抗体22Bへの通電量を調整するという制御、所謂、位相制御或いは波数制御が行われている。特に、波数制御は、通電に付随するノイズの発生が位相制御に比べて少ないという利点を有していることから、加熱装置12においては、ヒーター22の加熱動作の制御として、波数制御が採用されている。
【0042】
ヒーター22上には、温度制御に用いられるサーミスタ51の他に、小サイズ通紙時に非通紙部となる領域にサーミスタ52を配置し、非通紙部昇温それ自体を検知している。
【0043】
サーミスタ52の出力信号もサーミスタ51と同様にA/Dコンバータ61を介してCPU62に入力されており、CPU62はサーミスタ52の温度情報をリアルタイムに検知している。
【0044】
図3は定着装置12の長手方向の概略断面図を示すもので、図において、51は、いかなるサイズの用紙が通紙されても常に通紙領域となる位置に配されたメインサーミスタであり、52は、B5サイズよりも幅の小さな用紙が通紙された時に非通紙領域となる位置に配されたサブサーミスタである。サブサーミスタ52は温度制御には用いられず、非通紙昇温のようなヒーターの異常昇温のみを検知する。
【0045】
用紙Pの後端がトップセンサー13の位置を通過すると、トップセンサー13のレバーが元に戻り、用紙後端がトップセンサー13の位置を通過したことが検知される。つまり、トップセンサー13は用紙が存在しない状態(紙無し状態)になったことを検知する。そして、連続プリントの場合には、一定間隔で次の用紙を給紙し、同様のプロセスを経て、プリントを生成していく。
【0046】
用紙のスループットは、トップセンサー13が紙先端、あるいは後端を検知してから一定時間経過後に次の用紙を給紙することで保たれる。本実施例では前記した通り、通常のスループットで通紙間隔が53mmとなるようにしている。
【0047】
小サイズ紙が通紙された場合、上記のトップセンサー13が紙有り状態を検知している時間が、通常サイズ紙が通紙された時よりも短くなる。これによって、通常サイズ紙と小サイズ紙の判別を行いB5サイズよりも長さの短い用紙の時には、スループットを切り替えて、通常の24ppmよりも落として通紙を行う。本実施例では例えば通紙間隔を753mmにして、8ppmにスループットを切り替える。
【0048】
このようなスループット制御を行う理由は、B5サイズよりも長さの短い用紙は一般的に幅も短く、非通紙部の昇温が大きいためである。幅が短く、かつ長さがB5サイズよりも長い用紙が通紙された場合は、上記の方法では幅が短いことが検知できないため、通常サイズの用紙として通紙間隔53mmのスループットでプリント処理が行われる。したがって非通紙部の昇温は激しく、数枚の連続通紙ですぐに非通紙部の温度は加圧ローラ25やヒーターホルダ23が破損する危険のある温度まで上昇する。
【0049】
本実施例の定着器ではヒータ22の温度が260℃以上になると各部品が破損する危険が生じる。サブサーミスタ52はこのような非通紙部昇温をダイレクトに検知するため、ヒーター22の非通紙部が危険な温度に上昇する前に、スループットを切り替える等の処置を行い、装置の破損を防止することができる。
【0050】
本実施例では、非通紙部の温度をサブサーミスタ52によって検知し、サブサーミスタ温度とある特定の期間の温度の上昇度合いの組み合わせによって、スループットを切り替えるタイミングを決定する。
【0051】
図4は、この時のスループット切り替えの制御テーブルを示す。幅が短く、長さがB5よりも長い用紙が通紙された時、用紙の長さや厚さによって非通紙部の昇温の度合いが異なるため、スループットの切り替えを行う「しきい温度」の最適値がそれぞれ異なってくるのは前記した通りである。
【0052】
例えばロングナロー紙が通紙された時、上記の通り、まず通常サイズの用紙と同様に通紙間隔53mmで連続通紙が行われる。この時、サブサーミスタ52の検知温度は常にモニタされ、異常昇温の監視を行っている。それと同時に、用紙の定着ニップへの先端突入時と用紙の後端排出時のサブサーミスタ温度を検出し、用紙一枚の通紙中に何度の温度上昇があったかを計算する。
【0053】
これにより、非通紙部の現在の温度から、次の用紙の通紙によって何℃まで非通紙部の温度が上昇するかを予測することが可能になる。ある時点でサブサーミスタ52の検知温度が同じであっても、用紙一枚中の温度上昇の大きい用紙と小さい用紙ではその後の非通紙部の温度上昇の度合いは、当然異なる。
【0054】
したがって、上記のように温度上昇量を予測し、この予測に基づいて危険温度に達する前にスループットの切り替え指令を出す構成にすれば、それぞれの用紙ごとに「しきい温度」を異ならせ、適切な値に設定することができる。
【0055】
本実施例では、スループット切り替えの指令が出てから、最大で2枚の用紙が切り替え前の通紙間隔53mmのスループット(A4の長さなら24ppm)で通紙されることを想定して、2枚通紙後のサブサーミスタの温度が危険温度(本実施例では260℃)に達すると予測される温度を「しきい温度」に設定する。
【0056】
図4に示す制御テーブルにおいて、例えば用紙一枚中での温度上昇が19degの時、サブサーミスタ温度が230℃の時点で、スループットの切り替え指令が出ることになる。温度上昇量19deg/pageに対してサブサーミスタ温度230℃では、2枚の通紙で268℃に達する計算になるが、実際は通紙間隔で5deg程度非通紙部の温度が低下するため、これを見込んで制御テーブルは設定されている。
【0057】
230℃をしきい温度とする上記の例に対して、一枚中の温度上昇が9degの用紙では、サブサーミスタ温度が250℃で切り替え指令が出るため、通紙間隔が53mmのスループットで、より多くの通紙ができる。したがって、一つのしきい温度だけでスループットの切り替えタイミングを決めていた従来の場合と比較して、温度上昇量としきい温度をマトリックスで組み合わせて制御テーブルを形成した本実施例は、用紙の厚さや長さによる非通紙部昇温の違いを考慮して、それぞれの用紙ごとに最適なスループットの切り替えタイミングを設定することができる。
【0058】
これにより、装置の破壊や高温オフセットを発生させずに、かつ、でき得る限りプリント速度を最速に維持させ、パフォーマンスを最大限発揮できる構成とすることができる。
【0059】
ところで、上記の例では非通紙部の昇温の度合いを用紙一枚ごとに検知しているが、単位時間あたりの昇温速度で制御を行ってもよい。単位時間あたりの温度上昇を計測して制御を行った場合の制御テーブルを図5に示す。
【0060】
用紙一枚ごとの昇温に応じてスループットの切り替えを決定する場合は、用紙一枚が通紙されるまでスループットの切り替え指令が出されないため、切り替えタイミングが遅くなる恐れもある。これに対して、単位時間あたりの昇温速度で制御を行えば、用紙の通紙中、随時切り替え指令を出すことが可能である。
【0061】
昇温速度は、あまり短い時間内での温度上昇から判定すると誤差が大きくなるため、検知時間はある程度長い時間をとる必要があり、本実施例では1.0sec間の昇温速度を使用している。しかしこれは、1.0sec単位でなくとも0.1secや0.5sec等任意の値を選択できる。サブサーミスタ温度の監視自体は、本実施例の場合1.0msecごとに行っているため、例えば1.0sec単位の昇温速度を計測する場合、昇温速度の検知データ1000個分を1.0msecごとに常時更新し続けて、最新の結果を得るようにすることができる。したがって、スループットの切り替え指令は1.0msec単位で出すことができる。
【0062】
昇温速度の計算方法は、あらためていうまでもないが、サンプリング開始時のサブサーミスタ温度を単位時間経過後のサブサーミスタ温度から引いた値を単位時間で割ったものである。繰り返すがCPU62には常に1.0msecごとにサブサーミスタ温度の情報が入力されているのであり、この情報をCPU62はいつでも計算・加工等の処理を施して制御に反映して用いることが可能である。本例では上記の方法によって、常時更新され続ける昇温速度の計算結果に対して図5のテーブルを比較・反映させて、しきい温度によるスループットの切り替えタイミングを変化させている。
【0063】
ところで、単位時間あたりの昇温速度に反映されてくる用紙の性質は主に厚みであるため、用紙一枚ごとの温度上昇量のような用紙の長さ要因の温度上昇はこの値自体には含まれない。したがって、単位時間あたりの昇温速度は大きくても用紙一枚ではさほど温度上昇しない、という場合も出てくる。あるいはその逆に、単位時間あたりの昇温速度は小さくても用紙が長いために一枚あたりの昇温は大きいこともある。
【0064】
このような問題に対しては、連続プリント時の一枚目の用紙の長さをトップセンサで検知しておいて、この結果を制御テーブルに反映させるようにしてやればよい。すなわち、用紙の長さと単位時間あたりの昇温速度から一枚中で何度の温度上昇があるかを予測し、ここからさらにスループット切り替え指令が出てから2枚通紙された後の温度上昇量を予測して、切り替えタイミングを決定するのである。
【0065】
通常、連続プリントの一枚目では非通紙部昇温はさほど大きくなく、一枚目からしきい温度を超えることはまずありえないため、このような制御は可能である。
【0066】
なお、上記例ではスループットを低速に切り替えることで非通紙部昇温の緩和を行ったが、一定時間給紙を待機させることで非通紙部の温度を低下させることもできる。その場合は、一定時間の待機後に通紙間隔53mmのスループットで給紙を再開することができるが、低速のスループットで通紙を行ってもよい。
【0067】
また、給紙待機を一定時間ではなく、所定温度までサブサーミスタの検知温度が低下するまで行う、といった方法をとることも可能である。この時、通紙間隔は一定ではなくなるが、ダイレクトに温度によって給紙タイミングを決めるため、あらかじめ決まったスループットで通紙するよりも、所定時間内でより多くのプリントを行うことができる。
【0068】
具体的には、例えば図4に示した制御テーブルで「しきい温度」に達したら給紙を待機(ウエイト)する指令を出して、定着器が非通紙回転により温度が低下するのを待つ。そして、サブサーミスタの検知温度が160℃以下になったら、給紙を再開し通紙間隔53mmのスループットでプリントを行う。
【0069】
そして、再給紙後の連続通紙によって再び定着器が昇温し「しきい温度」に達したら、また給紙を待機して160℃以下になるまで非通紙回転を行い高温部を冷却する。この非通紙回転時はヒータを通常の定着温度よりも低温に制御するか、或いは通電をオフしておけば、冷却効果が高まり早く給紙を再開できる。
【0070】
また、このような給紙を待機させてヒータの低温検知で給紙を再開する制御と、あらかじめ決められた低速のスループットに切り替える制御とを組み合わせることも可能である。例えば、幅の短い用紙によって非通紙部が昇温し、昇温速度によって決まる「しきい温度」をサブサーミスタ52が検知したら、通紙間隔を53mmから3903mmに切り替え、スループットを低速の2ppmにする。
【0071】
そして、この低速のスループットによって非通紙部の温度が低下し、160℃以下を検知したら再び通紙間隔を53mmに切り替える。この制御では単純に給紙を待機する場合と異なり、確実に一定値以上のスループットを保証できるという利点がある。
【0072】
〈実施例2〉
実施例1ではロングナロー紙等の連続プリントによる非通紙部昇温に対して、スループットを切り替えて通紙間隔を大きくすることで、非通紙部の昇温を緩和していたが、装置の駆動速度を低速に切り替える方法を用いることもできる。
【0073】
その場合の動作を以下に説明する。
【0074】
幅の狭く長さの長いロングナロー紙等が連続通紙され、非通紙部が昇温すると、サブサーミスタ52がこれを検知して図4の制御テーブルにしたがい「しきい温度」に達した時点で、装置の駆動速度を切り替える必要をまず認識する。そして、その時点ですでに給紙されていた用紙の後端が定着部を通過するまで、通常の駆動速度でプリント動作を続ける。この際、次の用紙の給紙は行わず待機状態にある。その後、用紙の後端が定着ニップを抜けたら、装置の駆動速度切り替えを指令して、プロセススピードを140mm/secから70mm/secの半速に切り替える。それと同時に定着器の温度制御も通常よりも制御温度の低い半速用のものに切り替わる。
【0075】
用紙の後端が定着ニップを抜けるタイミングは、トップセンサー13の位置を用紙の後端が抜けたタイミングと装置の搬送路の長さから類推して判断することができ、例えばトップセンサー13から定着ニップまでの長さが250mmでプロセススピードが140mm/secの場合ならば、トップセンサー13が用紙の後端を検知してから約1.786秒後に用紙の後端が定着ニップを抜けることになる。
【0076】
或いは、定着ニップの搬送方向で下流側に排紙センサを設けて後端を検知してもよい。
【0077】
このように駆動速度が遅くなると、通紙間隔が時間的に長くなると同時に、単位時間あたりの用紙への加熱量が少なくてすむため、加熱温度を低くして非通紙部昇温を少なくすることができる。そして、駆動速度が切り替わった時点で用紙の給紙を再開し、そのまま低速の駆動速度でプリント動作を行う。
【0078】
プロセススピードの切り替えに対して、レーザー光による画像形成は画像クロックを切り替える等の処理を行うが、一般的にプロセススピードを2分の1に切り替える場合には、単純に1ラインの画像走査毎、その後に1ライン空白を設けるだけで対処することが多い。
【0079】
スループットは、駆動速度が半速なので通常時(A4長さならば24ppm)の半分(A4長さでは12ppm)になるが、通紙間隔を通常よりも広げてさらにスループットを落としても問題はない。あるいは、駆動速度を切り替えることによって一旦低下したサブサーミスタの検知温度が、再び上昇して図4のテーブルで決まるしきい温度を超える度に、12ppmから8ppm、6ppmへと徐々にスループットを落としていく構成にしてもよい。
【0080】
駆動速度を低速に切り替える本実施例の場合、単純にスループットを落とすだけだった実施例1の構成よりも加熱温度を低くすることができるため、駆動速度自体は遅くても、スループットは速くして非通紙昇温を緩和することができる。
【0081】
なお、前記の実施例も含めて本記載ではB5サイズ以下の小サイズ紙に対しては、長さを検知することでこのサイズを判定して、あらかじめ決められた小サイズ用のスループット制御等を行っているが、B5サイズ以下の用紙に対して本発明を適用しても問題ないことはいうまでもない。
【0082】
本発明の様々な例と実施例が示され説明されているが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられてた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0083】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0084】
(実施態様1)加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い前記被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、前記非通紙部の温度検知素子の検知温度と昇温速度に基づいて、前記被加熱材の通紙間隔を変化させることを特徴とする加熱装置であり、用紙の厚みや長さの違いによる非通紙部の昇温度合いの差を考慮した適切な切り替えタイミングで通紙間隔を変化させることができる。またこれにより、非通紙部昇温による加熱装置の破損や、高温オフセットを防止することができるという効果がある。
【0085】
(実施態様2)前記温度検知素子の検知温度と昇温速度が所定の値を超えた時に、前記被加熱材の給紙を待機させることを特徴とする請求項1および実施態様1に記載の加熱装置であり、非通紙部昇温を大きく低下させて、装置の安全性を高くすることができるという効果がある。
【0086】
(実施態様3)前記温度検知素子の検知温度が所定の値以下に低下した時に給紙を再開することを特徴とする実施態様2に記載の加熱装置であり、予め決められた通紙間隔で通紙を行うよりも、所定時間内に通紙枚数をより多くすることができるという効果がある。
【0087】
(実施態様4)加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い前記被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、前記温度検知素子の検知温度と昇温速度に基づいて、加熱装置の駆動速度(加熱装置による被加熱材の搬送速度)を変化させることを特徴とする加熱装置であり、非通紙部昇温を抑えながら、より速いスループットで効率的に通紙を行うことができるという効果がある。
【0088】
(実施態様5)前記被加熱材が未定着像を形成担持させた記録材であり、装置が前記未定着像を前記記録材に加熱定着させる加熱定着装置であることを特徴とする請求項1および実施態様2乃至4のいずれか1つに記載の加熱装置であり、記録材に確実に未定着像を定着することができるという効果がある。
【0089】
(実施態様6)前記記録材に未定着像を形成担持させる作像手段と、記録材に形成担持させた未定着像を定着させる定着手段を有し、前記定着手段が請求項1および実施態様5のいずれか1つに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置であり、未定着像を被加熱材に安定に且つ強固に定着させることができ、高品質の画像形成を行なうことができる画像形成装置を得ることができるという効果がある。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、所定サイズよりも幅の短い被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、前記非通紙部の温度検知素子の検知温度と昇温速度に基づいて、被加熱材の通紙間隔を変化させるように構成したので、用紙の厚みや長さの違いによる非通紙部の昇温度合いの差を考慮した適切な切り替えタイミングで通紙間隔を変化させることができる。またこれにより、非通紙部昇温による加熱装置の破損や、高温オフセットを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における画像形成装置の概略構成模型図である。
【図2】実施例における加熱装置(定着装置)の概略構成模型図である。
【図3】実施例における加熱装置(定着装置)の長手方向概略構成模型図である。
【図4】実施例におけるスループット切り替えの制御テーブルである。
【図5】実施例における昇温速度に応じたスループット切り替えの制御テーブルである。
【図6】プリンタの搬送路の長さを表す概略図である。
【図7】小サイズ紙を検知するためのセンサー配置図である。
【符号の説明】
P 用紙(記録材)
1 感光ドラム
2 現像装置
3 レーザー走査露光装置
6 転写ローラ
9 マルチトレイ
10 給紙カセット
11 帯電ローラ
12 加熱装置
13 トップセンサー
14 紙幅センサー
21 定着フィルム
22 ヒーター
25 加圧ローラ
51 メインサーミスタ
52 サブサーミスタ
Claims (1)
- 加熱体と、この加熱体の温度を検出する温度検知素子を少なくとも一つ以上有し、前記加熱体の発する熱エネルギーを搬送導入される被加熱材に付与して排出する加熱装置において、
所定サイズよりも幅の短い前記被加熱材が搬送された場合に、非通紙部となる位置に前記温度検知素子の少なくとも一つが配置されているとともに、
前記非通紙部の温度検知素子の検知温度と前記被加熱材一枚あたりの温度上昇量に基づいて、前記被加熱材の通紙間隔を変化させることを特徴とする加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002369655A JP2004198898A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 加熱装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007212582A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-23 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2008180899A (ja) * | 2007-01-24 | 2008-08-07 | Canon Inc | 画像形成装置、及び制御方法 |
JP2009251395A (ja) * | 2008-04-08 | 2009-10-29 | Canon Inc | 画像形成装置及びその制御方法 |
US8121502B2 (en) | 2008-04-03 | 2012-02-21 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing unit including heating regulator to adjust a heating width of a heating member |
JP2015187692A (ja) * | 2014-03-12 | 2015-10-29 | 株式会社リコー | 定着装置及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369655A patent/JP2004198898A/ja active Pending
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