JP4594013B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材に形成された画像を加熱する加熱定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に複写機やプリンタなどに搭載される定着装置として用いられ画像形成装置に関する。
例えば、複写機・レーザプリンタ・ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプリンタ・画像表示(ディスプレイ)装置・記録機等の画像形成装置において、電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性樹脂等より成る顕画剤(トナー)を用いて被記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録シート・印刷紙など)の面に間接(転写)方式もしくは直接方式で形成担持させた目的の画像情報に対応した未定着トナー画像を該被記録材面に永久固着画像として加熱定着処理する加熱装置(像加熱装置、画像加熱定着装置)としては、所定の温度に維持された加熱体としての加熱ローラと、弾性層を有して前記加熱ローラに圧接する加圧部材としての加圧ローラによって被加熱材としての被記録材を挟持搬送しつつ加熱処理する熱ローラ方式が多用されている。また、このほかにもフラッシュ加熱方式・オーブン加熱方式・熱板加熱方式等種々の方式・構成のものが知られており、また実用されている。
最近では、この様な方式に変わって、固定支持された加熱体と、該加熱体に対向圧接しつつ搬送される耐熱性フィルム(定着フィルム)と、該フィルムを介して被加熱材としての被記録材を加熱体に密着させる加圧部材を有し、加熱体の熱をフィルムを介して被記録材へ付与することで記録材面に形成担持されている未定着画像を被記録材面に加熱定着させる方式・構成の加熱装置(フィルム加熱方式)が考案されている(特許文献1乃至17参照)。
このようなフィルム加熱方式の加熱装置は、昇温の速い低熱容量の加熱体や薄膜のフィルムを用いることができるため、省電力化やウェイトタイムの短縮化(クイックスタート性)が可能となる、画像形成装置等の本機の機内昇温を低めることができる等の利点を有し、効果的なものである。
例えば、図1は従来の画像形成装置の概略断面図を示している。一時帯電ローラ212によって一様に帯電された感光ドラム211は、画像信号に対応して変調されたレーザビームLの照射によってその表面に静電潜像が形成される。そして、感光ドラム211上の静電潜像は現像装置214による現像工程によってトナー像として顕像化され、トナーの帯電極性とは逆極性のバイアスに印加された転写ローラ215によって感光ドラム211上のトナー像は転写材P上に転写される。トナー像の転写を受けた上記転写材Pは、ガイドに沿って定着装置218に導かれ、定着装置218において熱と圧力によってトナー像の定着を受けた後、ハードコピーとして機外に排出される。なお、感光ドラム211上に残留する転写されなかった現像トナーはクリーニング装置216によって清掃され、感光ドラム211は最初のステップである一次帯電工程に送られ、以後、同様に繰り返し使用される。
特開昭63−313182号公報 特開平1−263679号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−44076号公報 特開平4−44077号公報 特開平4−44078号公報 特開平4−44079号公報 特開平4−44080号公報 特開平4−44081号公報 特開平4−44082号公報 特開平4−44083号公報 特開平4−204980号公報 特開平4−204981号公報 特開平4−204982号公報 特開平4−204983号公報 特開平4−204984号公報
しかしながら、熱ローラ方式やフィルム加熱方式の加熱装置のように、記録材を加熱体と加圧部材との圧接ニップ部に挟持搬送させて加熱処理する装置においては、構成部材の温度状態によって記録材を搬送する速度に変動を生じることがある。
例えば、図1に示すフィルム加熱方式の加熱装置のように、加熱体203にフィルム204を介して圧接させる加圧ローラ205を駆動回転させることで、フィルム204を摺動回転させて、記録材Pを挟持搬送させる加熱装置では、装置の稼働に伴って加圧ローラ205の温度が上昇すると、加圧ローラのゴム部が熱膨張することで、その回転周速度が増加する。回転周速度が増加すると、転写部Tと定着部Nの間で記録材が引っ張られるため、転写部において画像ブレが生じてしまう。一方、この引っ張り現象を見込んで加圧ローラの回転周速度を遅く設定しておくと、転写部Tと定着部Nの間で記録材にたるみが形成されるため、転写分離時の画像飛び散りなどの問題を生じてしまう。
このような引っ張り現象やたるみ形成現象をなくすため、転写部Tと定着部Nとの間の搬送距離を長くして、記録材の先後端が同時に挟持搬送される時間を短くする方法があるが、画像形成装置本体がかなり大型化してしまうのが実情であった。
また、別の方法として、加圧ローラ205の回転を各種ローラの回転と切り離して駆動させることで、加圧ローラ205の回転速度のみをプリント中に制御する方法、例えば、加圧ローラが熱膨張するほど回転速度を遅くする方法がある。
その一例として、プリント枚数ごとに係数を加算して、その積算値に応じて加圧ローラ205の回転速度を制御する「枚数駆動制御」がある。この方式によると、プリント枚数が増えるごとに積算値が増加し、積算値が増加すると加圧ローラ205の回転速度を遅くするものである。
この「枚数駆動制御」では、加熱時間の異なるモード、例えば厚紙プリント時に選択する厚紙モードでは、プリント時間を長くして加圧ローラを温める、もしくは、プロセススピードを遅くするなどの処理を行い、定着性を良くするが、この厚紙モードでは、1枚あたりに加算する係数をノーマルモード(普通紙に対応するモード)より多くしている。同じく、両面プリントのように、搬送路が長く、プリント時間が長いモードでも1枚あたりに加算する係数を多くしている。その他、紙搬送速度や紙搬送間隔(スループット)が異なる、様々なプリントモードに対応して、1枚あたりに加算する係数を決定している。そのため、制御の複雑化とシーケンス容量の増大化を引き起こす虞があった。
また、同じプリントモードの場合でも、画像容量のサイズによってプリント時間が長くなる場合がある。例えば、ビットマップ画像のように複雑で異なる大容量の画像を連続でプリントした場合、画像情報を時系列の電気デジタル信号に変換するのに時間がかかるため、最大スループットが出せず、プリント時間が長くなる。すなわち、画像容量の大きさによりプリント時間が変わってくる。そのため、同じプリントモード、同じ枚数でプリントしても、画像容量のサイズにより加圧ローラの温度上昇や熱膨張量が変わることがある。この場合、前述の「枚数駆動制御」では、画像容量のサイズに応じて、加算する係数を変えることが考えられるが、画像サイズによって、どの程度のプリント時間になるかは完全には予測できるわけではなく、また予測したとしても、さらなる制御の複雑化とシーケンス容量の増大化を引き起こすだけである。
また、前述の枚数制御によると、枚数ごとに加算する係数の積算値に応じて、加熱温度を制御する「枚数温度制御」がある。これは、様々なプリントモードごとに、1枚あたりに加算する係数を決定し、その積算値に応じて定着温度を低下させていく制御である。しかし、前述のように、同じプリントモードでもプリント時間が長くなるような場合に、その延長した分の加圧ローラの温度上昇に対応することができず、適した定着温度の切替えができなくなるために、オフセットや定着不良などの弊害を引き起こす虞があった。
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、装置の稼動により加熱装置の温度状態が変化して、加圧ローラの回転速度に変動を生じた場合でも、記録材の引っ張り現象やたるみ形成現象による弊害を、装置全体を大型化することなく解消できる像形成装置を提供するものである。
また、本発明は、装置の稼動により加熱装置の温度状態が変化して、加圧ローラが温度上昇した場合でも、オフセットや定着不良などの問題を解消できる像形成装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、画像データを含む画像形成ジョブを受信し、画像データに基づいて記録材上に画像を形成する画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、感光体と現像剤を用いて記録材上に現像剤像を形成する画像形成部と、記録材に形成された画像を加熱し、定着させるための加熱定着部とを備え、加熱定着部は、画像定着動作を、少なくとも予備加熱段階、通紙段階、紙間段階、及び本体停止段階の複数段階に分割し、各段階における動作時間を計測するタイマ手段と、各段階毎に単位時間当りの制御係数が用意され、タイマ手段によって計測された各段階における動作時間と各段階毎の制御係数とをそれぞれ乗算し、各乗算結果を積算して積算値を演算する積算値演算手段と、積算値に基づいて、加熱定着部の動作を制御する動作制御手段と、を備え、タイマ手段は、加熱定着部のヒータOFF時間である本体停止段階においてもヒータOFF時間が所定時間に達するまで時間を計測し続け、積算値演算手段は、本体停止段階における制御係数を負の値にして計測時間の増加と共に積算値を減少させ、動作制御手段は、本体停止段階が所定時間に達する前に画像形成ジョブを受信した場合も、ジョブ受信時点における積算値に応じて加熱定着部の動作を制御することを特徴とする。
さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態および添付図面によって明らかになるものである。
以上のように、本発明によれば、加圧ローラの回転速度を制御する制御方法に関して、紙搬送速度や紙搬送間隔(スループット)を変えている様々なモードでプリントする場合、また、同じプリントモードでもプリント時間が長くなるような場合等、あらゆるプリント条件に同時に対応できるようになる。
また、本発明によれば、装置の稼動により加熱装置の温度状態が変化して、加圧ローラの回転速度に変動を生じた場合でも、記録材の引っ張り現象やたるみ形成現象による弊害を、装置全体を大型化することなく解消できる。
さらに、本発明によれば、紙搬送速度や紙搬送間隔(スループット)を変えている様々なモードでプリントする場合、また、同じプリントモードでもプリント時間が長くなるような場合等、あらゆるプリント条件に同時に対応できるようになる。
さらにまた、本発明によれば、装置の稼動により加熱装置の温度状態が変化して、加圧ローラが温度上昇した場合でも、オフセットや定着不良などの問題を解消できるようになる。
<第1の実施形態>
(1)画像形成装置例(図2)
図2は画像形成装置の一例の概略構成図である。この画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用のプリンタであり、第1乃至第3の各実施形態に共通に適用されるものである。
111は、矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピード(周速度)をもって回転駆動される、潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム111は、その回転過程で一次帯電手段(本例は帯電ローラ)112により所定の極性・電位に一様に一次帯電処理される。その帯電処理面に対して113の露光装置(原稿画像のスリット結像露光手段、レーザビーム走査露光手段等)により光像露光Lがなされて目的の画像情報の静電潜像が形成される。
次いでその潜像が、現像手段114によってトナー像として可視化される。そのトナー像が、感光ドラム111と、転写手段としての転写ローラ115の圧接ニップ部である転写部Tに不図示の給紙手段部から所定のタイミングで給送された被記録材(転写材)Pに順次に転写されていく。転写部Tでトナー像の転写を受けた被記録材Pは感光ドラム111面から分離されて搬送ガイド117で後述する加熱装置である画像加熱定着装置118へ搬送されてトナー像の加熱定着処理を受けた後、排紙センサー131を通過して、画像形成物(コピー、プリント)として出力される。被記録材Pへのトナー像転写後の感光ドラム111面はクリーニング手段116にて転写残りトナー等の残存付着物の除去処理を受け、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置118(図3)
定着装置118は、加圧部材駆動式・テンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置である。この定着装置118も各実施形態に共通に適用される。
101は耐熱性樹脂製の横長ステイであり、下記のエンドレス耐熱性フィルム(定着フィルム)103の内面ガイド部材となる。エンドレスの耐熱性フィルム104は、加熱体としてのヒータ103を含む上記ステイ101に外嵌させてある。このエンドレスの耐熱性フィルム104の内周長とヒータ103を含むステイ101の外周長はフィルム104の方を例えば3mm程大きくしてあり、従ってフィルム104はヒータ103を含むステイ101に対して周長が余裕をもってルーズに外嵌している。
フィルム104は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるため、その膜厚は総厚40〜100μm程度とし、耐熱性・離型性・強度・耐久性等のあるPI・PTFE・PFA・FEP等の単層、あるいはポリイミド・ポリアミドイミド・PEEK・PES・PPS等の外周表面にPTFE・PFA・FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。本実施例ではポリイミドフィルムの外周表面にPTFE・PFA等のフッ素樹脂に導電剤を添加したコート層を設けたものである。加熱体としてのヒータ103は、高熱伝導材であるアルミナ等でできた基板103aの表面の略中央部に長手に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)等の電気抵抗材料(発熱体)103bを厚み約10μm、幅1〜3mmにスクリーン印刷等により塗工し、その上に保護層103cとしてガラスやフッ素樹脂等をコートしている。
105はヒータ103との間でフィルム104を挟んで圧接ニップである定着部Nを形成し、フィルム104を駆動する回転体としての加圧ローラであり、アルミニウム・鉄・ステンレス等の芯軸105aと、この軸に外装したシリコンゴム等の離型性のよい耐熱ゴム弾性体からなる、肉厚3mm、外径20mmのローラ部105bとからなる。また、表面には被記録材P、定着フィルム104の搬送性、トナーの汚れ防止の理由からフッ素樹脂を分散させたコート層105cを設けてある。
芯金105aの端部が定着装置駆動用モータにより駆動されることで矢示の反時計方向に回転駆動され、この加圧ローラ105の回転駆動により耐熱性フィルム104の内面がヒータ103の面に密着摺動しながら矢印の方向(時計方向)に回転駆動される。エンドレスの耐熱性フィルム104は非駆動時においてはヒータ103と加圧ローラ105との圧接ニップ部Nに挟まれている部分を除く残余の大部分の略全周長部分がテンションフリーである。加圧ローラ105が回転駆動されるとニップ部Nにおいてフィルム104に回転加圧ローラ105との摩擦力で移動力がかかり、フィルム104が加圧ローラ105の回転周速と略同速度をもってフィルム内面がヒータ103面(=保護層103c面)を摺動しつつ時計方向に回転駆動される。
このフィルム駆動時においては、ニップ部Nとこのニップ部Nよりもフィルム移動方向上流側であって、このニップ部近傍のフィルム内面ガイド部分とニップ部の間の部分のみにおいてフィルムにテンションが加わる。このようにフィルムを駆動することで、該フィルムの回転過程におけるヒータ長手に沿う寄り移動力を小さくしてフィルムの寄り移動制御手段を簡略化し、また駆動トルクも小さくして、装置の簡素化、小型化、低コスト化等を図ることができる。
而して、上記のフィルム駆動とヒータ103の発熱体層103bへの通電を行なわせた状態において、未定着トナー像を担持した被記録材Pが定着部であるニップ部Nの回転フィルム104と回転加圧ローラ105との間に像担持面上向きで導入されると、被記録材Pはフィルム104と一緒にニップ部Nを通過していく。そして、このニップ部Nにおいてフィルム内面に接しているヒータ103の熱エネルギーがフィルム104を介して被記録材Pに付与されて、またニップ部Nにおける加圧力によりトナー像の熱定着がなされる。
ヒータ103は、発熱体層103bの長手両端間に電圧印加(電力供給)がなされることで該発熱体層103bが発熱し、基板103aが加熱され、低熱容量であるヒータ103全体の温度が立ち上りよく急速昇温する。ヒータ103の温度制御はヒータ103上に設けられたサーミスタ132の出力をA/D変換しCPU106に取り込み、その情報をもとにトライアック107によりヒータ103の発熱体層103bに通電するAC電圧を位相・波数制御等によりヒータ通電電力を制御することで行なう。SはAC電源である。
サーミスタ132の位置は、安定した定着性を確保するために、ヒータ103の被記録材搬送基準部付近として常に被記録材通紙部の温度を検知させ、該サーミスタ132の検知温度が所定の設定温度より低いとヒータ103が昇温するように、また高い場合はヒータ103が降温するように通電を制御することで、ヒータ103はその通紙部が定着時一定温調される。そして、複数枚の画像形成指令(プリント指令)による連続プリント時には連続的に定着動作が実行される。また、プリント指令を待つスタンバイ時はヒータ103への通電がオフされ、メインスイッチのオンで更にプリント指令後にヒータ103への通電が開始される。
(3)加圧ローラの駆動方法(図4)
第1の実施形態における加圧ローラ105の駆動方法を以下に詳述する
図4は加圧ローラを制御するための制御系を示すブロック図である。図4において、106はCPUであり、装置全体の様々な制御を司っている。例えば、図示しないROMに格納されているプログラムを読み出し、それに基づいて本実施形態に係る係数制御を実行する。また、108は高圧回路であり、転写バイアスの電圧制御を実行するものである。150はタイマー手段であり、後述のような予備過熱時間、通紙時間及び紙間時間等を計測するものである。110は、モータM1を駆動するための第1のモータ駆動回路である。
加圧ローラの駆動制御に関し、まず、プリント動作を数段階、例えば予備加熱時間(ヒータ103が通電を開始してから排紙センサー131がオンするまでの時間)、通紙時間(排紙センサー131がオンしてからオフするまでの時間)、紙間時間(排紙センサー131がオフしてからオンするまでの時間)などに分割し、その分割された時間(動作状態或いは動作段階という)ごとに異なる係数を定める。
そして、それぞれの動作状態(或いは動作段階という)が100msec経過するごとに各係数を加算していき、その積算値に応じて加圧ローラの速度を変化させる。以下、これを「係数駆動制御」と呼称する。
加圧ローラは本体メインモータM1とは別の専用モータM2で駆動される。このモータM2はCPU106で記録された積算値をもとに第2のモータ駆動回路109で制御される。
ここで、この「係数駆動制御」とは、加熱装置118が冷えているような、駆動開始状態からの連続プリント時においては、例えば、下記の表1のように、係数(制御係数)を、予備加熱時間を+7、通紙時間を−1、紙間時間を+6というように設定し、プリント動作が開始されると、各係数を100msecごとに加算していく。係数は加圧ローラの温度が上昇する場合をプラス、下降する場合をマイナスとした。予備加熱時間と紙間時間では、ヒータ103の通電により加圧ローラ105の温度は上昇する。通紙時間では、記録材が加圧ローラ105を通過する際に加圧ローラ105の熱を奪うため加圧ローラ105の温度は下降する。また、係数の大きさは温度の上昇度合いによる。なお、この制御係数を変えることによって加圧ローラの回転速度等の微妙な制御に対応することができるようになる。
加算された係数は積算値として記録され、その積算値に応じて加圧ローラ105の回転速度が変化する。表2に積算値と加圧ローラの回転速度の減速率を示す。
Figure 0004594013
Figure 0004594013
上記の表1に従う係数駆動制御では、積算値が250増えるごとに加圧ローラの回転が0.1%ずつ減速していく。例えば、連続プリントでA4の記録材を100枚通紙した場合、1枚目で予備加熱時間は7sec、通紙時間は1.5sec、紙間時間は0.5secとなり、積算値は505(=7×7sec/100msec−1.5sec/100msec+0.5sec×6/100msec)に増えるため、2枚目は減速率0.2%で回転する。100枚目を終了すると、1枚目からの累積で予備加熱時間は7sec、通紙時間は150sec、紙間時間は49.5secとなり、積算値は1710に増えるため、101枚目は減速率0.6%で回転する。その他、プリント時間が長いモードでプリントする場合、例えば、両面の連続プリントのように紙間時間が長い場合や厚紙専用モードのように予備加熱時間や紙間時間が長い場合においては、プリント時間が長い分だけ係数を加算される回数が増えるため、積算値は最大で7500近くまで増え、減速率は最大で2.9%になる。
このような制御を行うのは、連続プリントを行うと加圧ローラ105の温度が上昇するが、回転速度を一定に維持するには加圧ローラ105の熱膨張を考慮して、その回転速度を遅くすることが好ましいからである。このため、加圧ローラ105が温度上昇により熱膨張すると、積算値を増やして加圧ローラ105の回転数を遅くするように制御している。
また、間欠プリント時、例えばプリント終了後、本体が停止してすぐのプリント等のように加熱装置が暖まっている状態の時には、プリント開始直前の静止時の加熱体103の温度(初期サーミスタ検知温度)に基づいて、記録材1枚目の駆動速度を決定するなどの制御を行う。
例えば、表2及び表3に従う係数駆動制御においては、プリント開始直前で加熱装置118が冷えている場合には、サーミスタ132の検知温度(初期サーミスタ検知温度)が50℃未満となり、この場合、表3より回転速度の減速率は0.00%であるから、表2の積算値は0から係数が加算される。
また、前回のプリント終了後、本体の休止時間が短い場合、例えば初期サーミスタ検知温度が100℃の状態でプリントが開始される場合には、表3に従って減速率が1.0%に決定され、表2の減速率1.0%の積算値2501からのプリントとなる。
Figure 0004594013
(4)第1の実施形態に係る加熱定着装置の動作説明(フローチャートを用いて)
図5は、本実施形態に係る加熱定着装置の動作を説明するためのフローチャートであり、(3)で説明した動作をまとめたものとなっている。なお、本フローチャートの動作の制御はCPU106によって実行される。
ステップS101で印刷要求がされると、ステップS102において積算値がリセットされているかが判断される。電源を立ち上げて最初の印刷の場合には当然に積算値は「0」となっている。また、既に何回か印刷がなされている場合には積算値はリセットされていない限り何らかの値を示している。積算値がリセットされて「0」の場合には処理はステップS103に移行し、リセットされていない場合には処理はステップS104に移行する。
ステップS103では、サーミスタ132の温度を検知し、ステップS105においてこの検知温度によってモータM2の回転速度を決定する。つまり、表3により検知温度に対応した減速率に設定される。例えば検知温度が50℃未満なら減速率は0.00%である。一方、ステップS104では図示しないメモリ(例えばRAM)に格納されている積算値を読み出(検知)し、ステップS105においてこの積算値によってモータM2の回転速度を決定する。つまり、表2により検知された積算値に対応した減速率に設定される。例えば、初期積算値が260の場合、減速率は0.10%となる。
このようにステップS105でモータM2の初期回転速度が決定されると、処理はステップS106に移行し、ヒータをONし、加圧ローラ105を加熱する。
続いてステップS107において、係数加算を行い、積算値を取得する。100msec(単位時間)毎に加算すべき制御係数が表1に示されているが、印刷ジョブの各ページ毎に各動作段階(予備加熱時、通紙時、紙間時)の動作時間と制御係数を乗算し、それらを加算して積算値を取得する。上述のように、例えば1枚目で予備加熱時間が7sec、通紙時間が1.5sec、紙間時間が0.5secの場合には、積算値は505(=7×7sec/100msec−1×1.5sec/100msec+6×0.5sec/100msec)となる。
そして、ステップS108では、ステップS107で取得した積算値が表2で示される各範囲について、前回の積算値の範囲が今回の積算値の範囲に変更が生じた(各範囲の上限及び下限閾値をまたぐ)かが判断される。変更が生じた場合には処理はステップS109に移行し、そこで各積算値の範囲に対応する減速率によってモータM2の回転速度が制御される。変更が生じない場合にはステップS109をスキップし、ステップS110に移行する。
ステップS110では、ヒータをOFFするか(加圧ローラ105の加熱を止めるか)否かが判断される。つまり、あるジョブの印刷が終了していない(連続通紙)場合には次のページの印刷動作が継続されるため、係数加算処理であるステップS107に処理が戻る。そして、積算値を取得しさらにモータ速度制御(ステップS109)が実行される。また、あるジョブの印刷が終了した(間欠通紙)場合には、処理はステップS111に移行する。
ステップS111では、ヒータOFFの時間が所定時間(例えば40sec)を超えてないかが判断される。ここでは、加圧ローラ105が加熱を止めたため冷えてしまい、取得した積算値が次の印刷動作でそのまま使えるか否かが判断される。所定時間を超えてても再度の印刷指示がなされない場合には処理はステップS113に移行し、ステップS112で所定時間超えるまでに再度の印刷指示がなされれば処理はステップS104に戻り、印刷処理が開始される。そのとき使用される初期積算値は前回の印刷動作中に得られた値となる。
ステップS113では、積算値がリセットされる。加圧ローラ105の温度が対応する減速率(表3)と積算値が対応する減速率(表2)との解離が大きくなりすぎてしまっているからである。
ステップS114では、再度の印刷指示がなされたかが判断され、なされなければ処理は終了する。指示がなされれば処理はステップS103に戻り、印刷処理が続行される。
(5)評価1
以上に説明した駆動制御を用いて、画像容量の大きい複数の記録材を連続プリントした場合の積算値の変化を確認した。
比較例として、枚数ごとに係数を加算して、その積算値でモータの速度を制御する従来例の「枚数駆動制御」を用いた場合を確認した。その結果が図6に示されている。
図6は、本実施形態と比較例1(従来例)の積算値の変化を示す。図6より、枚数ごとにプリント時間が異なることがわかる。これは、前述のように、画像容量の大きい記録材をプリントすると、画像情報を時系列電気デジタル信号に変換するのに時間がかかるため、紙間時間が延長し、また容量により時間がばらつくためである。
紙間時間がばらつき、枚数ごとにプリント時間が異なる場合、枚数ごとに増える積算値の量もプリント時間に応じて変化することが好ましい。また、紙間時間が延長した場合、延長した分だけ加圧ローラ105が受け取る熱量が多くなるので、1プリントあたりに増える積算値の量も多くなることが好ましい。
積算値の変化をみると、100msecごとに係数を加算する本実施例の「係数駆動制御」の方が、枚数ごとに係数を加算する従来の「枚数駆動制御」よりも、紙間時間の差を正確に制御していることがわかる。本実施形態の駆動制御は100msecごとに係数を加算しているため、紙間時間が延長した場合でも、その延長した分だけ加算回数が増え、積算値を所望の値まで増やすことができる。
一方、従来の駆動制御は枚数ごとに係数を加算しているため、紙間時間が延長した場合でも、枚数ごとに加算する係数は変わらず、積算値を所望の値まで増やすことはできない。
(5)評価2
次に、転写部Tと定着部Nの記録材Pの引っ張り現象やたるみ形成現象を確認した。
図7は本評価における検出方法を示したものであり、130は転写部Tと定着部Nとの間における被記録材部分の搬送位置(上下レベル)を検知する手段であり、本評価ではレーザ変位計(KEYENCE LC2210)を用いて、記録材Pとの距離を測定して記録材の搬送位置を検出した。
検出する搬送位置(上下レベル)に関して、図7の点線aの搬送位置状態を記録材が最もたるんだ状況(たるみの発生した状況)として、それを検出位置の下限値とした。また、点線bの搬送位置状態を記録材が最も引っ張り合った状況(たるみの発生した状況)として、それを検出位置の上限値とした。これら上限位置と下限位置の中間を示す曲線cは、記録材Pがたるみすぎず、引っ張りすぎない状態を維持する理想的な上下レベルであり、この位置を上下レベル0とした。本評価では、被記録材Pが引っ張りすぎると検知結果はプラスとなり、たるみすぎるとマイナスとなり、その絶対値が大きくなるほど上下レベルの程度が悪いことになる。その結果が図8に示されている。
図8の縦軸は転写部Tと定着部Nにおける紙の搬送位置(上下レベル)である。記録材Pが引っ張りすぎると検知結果はプラスとなり、たるみすぎるとマイナスとなり、その絶対値が大きくなるほど上下レベルの程度が悪いことになる。
搬送位置の変化をみると、100msecごとに係数を加算する「時間駆動制御」の方が、枚数ごとに係数を加算する従来の「枚数駆動制御」よりも、搬送安定性に優れていることがわかる。
本実施形態の駆動制御は、紙間時間の延長やばらつきに対応して、常に積算値を所望の値にすることができる。そのため、画像容量が大きく、紙間時間がばらつく場合でも、加圧ローラ105の熱膨張量を考慮して正確に回転速度を制御することができる。一方、比較例の駆動制御では、紙間時間の延長やばらつきに対応できず、積算値を所望の値まで増やすことができない。そのため、加圧ローラ205の熱膨張に正確に対応できず、転写部Tと定着部Nで引っ張り搬送となってしまう。しかも、プリント枚数が増えるほど、前述の所望の値との差は広がるため、引っ張り搬送はますます悪化する。
以上のように、本実施形態における「係数駆動制御」によれば、プリント時間を予備加熱時間、通紙時間、紙間時間に分割して、その分割された時間ごとに定めた係数を100msecごとに加算し、その積算値に応じて駆動速度を変化させるような駆動制御を用いることにより、プリント時間が異なる様々なプリント条件においても、加圧ローラの熱膨張や熱収縮による記録材の引っ張り現象やループ形成現象による弊害を、装置全体を大型化することなく解消できる。
<第2の実施形態>
以下に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に関する画像形成装置は、第1の実施形態の「係数駆動制御」に関するもので、プリント終了後、本体が停止して加熱装置の温度が低下していく状態の時に、マイナスの係数を加算して積算値を減少させることを特徴とする。なお、本体の構成、及び、その他の係数加算方法については前述の第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。
(1)本実施形態では、プリント中を予備加熱時間、通紙時間、紙間時間、及び、本体停止時間に分割して、その分割された時間において100msecごとに係数を加算する。その係数の積算値に応じて加圧ローラの回転速度を制御する。表4に各時間に加算する係数を示す。
Figure 0004594013
本実施例における係数加算方式によると、プリント終了後、本体が停止して加熱装置118の温度が低下していく状態の時に、マイナスの係数を加算して積算値を減少させる。
例えば、加圧ローラ105が膨張していて、積算値が2800で、減速率が1.1%の状態で本体が停止すると、100msecごとに−5ずつ係数を加算していく。その後、本体停止から30sec経過すると積算値は1300まで減少し、その状態で次のプリントが開始されると、減速率は0.5%でスタートする(表2参照)。
このような制御を行うのは、本体が停止した直後の状態で加圧ローラ105の温度が急激に低下するためであり、次のプリント開始時の加圧ローラの回転速度を最適にするには、このときの加圧ローラ105の温度低下、及び、膨張量の減少にあわせて、積算値を減少させることが好ましい。
また、第1の実施形態で本体停止後に次のプリントを開始するときは、サーミスタの初期検知温度をもとに加圧ローラ105の回転速度を決めていた。しかし、サーミスタはヒータの温度を検知しているため、加圧ローラ105の膨張量を正確に予測するのは難しい。
従って、本実施例のように、本体停止後に積算値を減少させて、その積算値から加圧ローラ105の膨張量を予測し、回転速度を決定する方が、より精度よく搬送を安定させることができる。
(2)第2の実施形態に係る加圧定着装置の動作制御(フローチャートを用いて)
図9は、本実施形態に係る加熱定着装置の動作を説明するためのフローチャートであり、(1)で説明した動作をまとめたものとなっている。なお、本フローチャートの動作の制御もCPU106によって実行される。第1の実施形態との差異は、ステップS201が設けられている、つまり、プリント終了後、本体が停止して加熱装置118の温度が低下していく状態の時に、マイナスの係数を加算して積算値を減少させる動作を追加していることである。従って、その前後の処理を中心についてのみここでは説明する。
図9において、ステップS110でヒータがOFFされた(加圧ローラ105の加熱を止めた)と判断されると、本体が停止し、処理はステップS201に移行する。そして、ステップS201において、本体停止後の積算値減少処理を実行する。表4には本体停止時は積算値を100msec経過毎に5だけ減算していく(「−5」加算)。これは本体停止による加圧ローラの温度低下に対応するためである。
ステップS111では、ヒータOFFの時間が所定時間(例えば40sec)を超えてないかが判断される。ここでは、加圧ローラ105が加熱を止めたため冷えてしまい、取得した積算値が次の印刷動作でそのまま使えるか否かが判断される。所定時間を超えてても再度の印刷指示がなされない場合には処理はステップS113に移行し、ステップS112で所定時間超えるまでに再度の印刷指示がなされれば処理はステップS104に戻り、印刷処理が開始される。ステップS112で再度の印刷処理の指示がなされない場合には積算値を減算するため処理はステップS201に戻る。
以上のように、第2の実施形態では本体停止時の温度低下を考慮して加圧ローラ105のモータの回転初期速度を決定しているので、第1の実施形態よりも最適な初期回転速度で印刷を開始することができるようになる。ヒータOFF時間が所定時間(例えば40sec)を超えていない場合、第1の実施形態では本体停止時の積算値を用いてモータ初期回転速度を決定しているが、実際本体停止により加圧ローラ105の温度低下があるので、最適な初期回転速度とのずれが多少生じるからである。
<第3の実施形態>
以下に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。第2の実施形態に関する画像形成装置は、第1の実施形態の係数加算方式を用いて、その積算値に応じて加熱温度を変化させる「係数温度制御」に関するものである。なお、本体の構成、及び係数加算方法については前述実施例1と同様のため、説明を省略する。
(1)本実施形態では、プリント中を予備加熱時間、通紙時間、紙間時間に分割して、その分割された時間において100msecごとに係数を加算する。その係数の積算値に応じてヒータ103の加熱温度を制御する。
表5に積算値と加熱温度の関係を示す。本実施例における「係数温度制御」によると、プリントを開始すると積算値が増え、その積算値がしきい値を超えると加熱温度が変化する。
例えば、本実施例では、加熱装置118が冷えているような、駆動開始状態からの連続プリント時においては、加熱温度を、積算値が0から750で200℃、積算値が751から1500で195℃、積算値が1501から2500で190℃、積算値が2501から4500で185℃、積算値が4500から7500で180℃というように、記録材を連続通紙する際に、係数の積算値に応じて加熱温度を低下させていく。
一方、このような制御を行うのは、加圧ローラ105の温度は連続プリントしていくと上昇するが、定着性を一定に維持するには記録材Pに与える熱量(加熱体の発熱量+加圧ローラの発熱量)を一定にすることが好ましいからである。このため、加圧ローラ105の温度が上昇して加圧ローラ105の発熱量が大きくなると、加熱体103の記録材加熱温度を低下させて加熱体103の発熱量を小さくし、記録材Pに付与する熱量を一定にするように制御を行うようにしている。
また、間欠プリント時、例えばプリント終了後、本体が停止してすぐのプリントなどのように加熱装置118が暖まっている状態のときには、プリント開始直前の静止時の加熱体103の温度に基づいて、記録材1枚目の加熱温度を決定するなどの制御を行う。
例えば、本実施形態では、下記の表5、表6に従う係数加熱温度制御の例においては、プリント開始直前で加熱装置118が冷えている場合には、サーミスタ132の検知温度が50℃未満となり、この場合、表6により加熱温度は200℃であるから、表5の加熱温度200℃の最小積算値0から係数が加算されることになり、加熱温度は係数の積算値に応じて200℃から180℃に低下していく。
また、プリント開始直前で加熱装置118が温まっている場合、例えば、サーミスタ132の検知温度が85℃の状態でプリントが開始される場合には、表5に従って加熱温度が190℃に決定され、表5の加熱温度190℃の初期積算値1500から係数が加算されることになる。
Figure 0004594013
Figure 0004594013
(2)第3の実施形態に係る加圧定着装置の動作制御(フローチャートを用いて)
図10は、本実施形態に係る加熱定着装置の動作を説明するためのフローチャートであり、(1)で説明した動作をまとめたものとなっている。なお、本フローチャートの動作の制御もCPU106によって実行される。
ステップS101で印刷要求がされると、ステップS102において積算値がリセットされているかが判断される。電源を立ち上げて最初の印刷の場合には当然に積算値は「0」となっている。また、既に何回か印刷がなされている場合には積算値はリセットされていない限り何らかの値を示している。積算値がリセットされて「0」の場合には処理はステップS103に移行し、リセットされていない場合には処理はステップS104に移行する。
ステップS103では、サーミスタ132の温度を検知し、ステップS301においてこの検知温度によってヒータ103の加熱温度を決定する。つまり、表6により検知温度に対応したヒータの初期加熱温度に設定される。例えば検知温度が50℃未満なら初期加熱温度は200℃である。一方、ステップS104では図示しないメモリ(例えばRAM)に格納されている積算値を読み出(検知)し、ステップS301においてこの積算値によってヒータ103の初期加熱温度を決定する。つまり、表5により検知された積算値に対応した加熱温度に設定される。例えば、初期積算値が800の場合、加熱温度は195℃となる。
このようにステップS301でヒータの初期加熱温度が決定されると、処理はステップS106に移行し、ヒータをONし、加圧ローラ105を加熱する。
続いてステップS107において、係数加算を行い、積算値を取得する。100msec(単位時間)毎に加算すべき制御係数が表1に示されているが、印刷ジョブの各ページ毎に各動作段階(予備加熱時、通紙時、紙間時)の動作時間と制御係数を乗算し、それらを加算して積算値を取得する。上述のように、例えば1枚目で予備加熱時間が7sec、通紙時間が1.5sec、紙間時間が0.5secの場合には、積算値は505(=7×7sec/100msec−1×1.5sec/100msec+6×0.5sec/100msec)となる。
そして、ステップS108では、ステップS107で取得した積算値が表2で示される各範囲について、前回の積算値の範囲が今回の積算値の範囲に変更が生じた(各範囲の上限及び下限閾値をまたぐ)かが判断される。変更が生じた場合には処理はステップS302に移行し、そこで各積算値の範囲に対応する加熱温度によってヒータを加熱制御する。例えば、初期積算値が1200であったとし、1枚目の印刷終了後に積算値505が加算されると、現時点でのトータルの積算値は1705となる。表5を参照すると、加熱温度は190℃に制御されることになる。一方、積算値の範囲に変更が生じない場合にはステップS302をスキップし、ステップS110に移行する。例えば、初期積算値が800であったとし、1枚目の印刷終了後に積算値505が加算されると、現時点でのトータルの積算値は1305となる。表5を参照すると、加熱温度は195℃に制御されるが、これは前回の温度と同じである。
ステップS110では、ヒータをOFFするか(加圧ローラ105の加熱を止めるか)否かが判断される。つまり、あるジョブの印刷が終了していない(連続通紙)場合には次のページの印刷動作が継続されるため、係数加算処理であるステップS107に処理が戻る。そして、積算値を取得しさらにモータ速度制御(ステップS109)が実行される。また、あるジョブの印刷が終了した(間欠通紙)場合には、処理はステップS201に移行する。
ステップS201において、本体停止後の積算値減少処理を実行する。表4には本体停止時は積算値を100msec経過毎に5だけ減算していく(「−5」加算)。これは本体停止による加圧ローラの温度低下に対応するためである。なお、第3の実施形態では、ステップS201を省略してもよい。
ステップS111では、ヒータOFFの時間が所定時間(例えば40sec)を超えてないかが判断される。ここでは、加圧ローラ105が加熱を止めたため冷えてしまい、取得した積算値が次の印刷動作でそのまま使えるか否かが判断される。所定時間を超えてても再度の印刷指示がなされない場合には処理はステップS113に移行し、ステップS112で所定時間超えるまでに再度の印刷指示がなされれば処理はステップS104に戻り、印刷処理が開始される。ステップS112で再度の印刷処理の指示がなされない場合には積算値を減算するため処理はステップS201に戻る。
ステップS113では、積算値がリセットされる。加圧ローラ105の温度が対応する加熱温度(表6)と積算値が対応する加熱温度(表5)との解離が大きくなりすぎてしまっているからである。
ステップS114では、再度の印刷指示がなされたかが判断され、なされなければ処理は終了する。指示がなされれば処理はステップS103に戻り、印刷処理が続行される。
以上に説明した「係数温度制御」は、プリント動作を数段階、例えば予備加熱時間、通紙時間、紙間時間(さらに第2の実施形態のように本体停止時間)などに分割し、その分割された時間(動作状態或いは動作段階という)ごとに異なる係数を定める。そして、それぞれの動作状態(或いは動作段階という)が100msec経過するごとに各係数を加算していき、その積算値に応じて加熱温度を決定する。そのため、画像容量の大きいビットマップ画像を連続通紙するなど、同じプリントモードでプリント時間が長くなるような場合でも、その延長した分を正確に係数として加算することができる。
したがって、従来の「枚数温度制御」で発生していたオフセットや定着不良などの問題を解消することができる。
<その他の実施形態>
本発明では、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピィ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM,CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれている。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含む。
また、上記実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードがネットワークを介して配信されることにより、システム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納され、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても、達成されることは云うまでもない。
<実施形態の効果>
以上のように本発明に係る実施形態によれば、プリント動作を数段階、例えば予備加熱時間、通紙時間、紙間時間などに分割し、その分割された時間(動作状態或いは動作段階という)ごとに異なる係数を定める。そして、それぞれの動作状態(或いは動作段階という)が100msec経過するごとに各係数を加算していき、その積算値に応じて加圧ローラの回転を駆動制御する。このような制御を行うと、紙搬送速度や紙搬送間隔(スループット)を変えている様々なモードでプリントする場合や同じプリントモードでもプリント時間が長くなるような場合でも、加圧ローラの熱膨張や熱収縮による記録材の引っ張り現象やループ形成現象による弊害を、装置全体を大型化することなく解消できる定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
また、上述の係数加算方式を用いて加熱温度制御を行うと、紙搬送速度や紙搬送間隔(スループット)を変えている様々なモードでプリントする場合や同じプリントモードでもプリント時間が長くなるような場合でも、より適切な温度切替えができて、オフセットや定着不良のない定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
従来例の加熱定着装置の簡略断面図である。 本発明に係る画像形成装置の簡略断面図である。 本発明に係る加熱定着装置の簡略断面図である。 第1の実施形態に係る加圧ローラ駆動方法 第1の実施形態に係る加圧定着装置の動作制御を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態と比較例1(従来例)の積算値の変化を表す図である。 第1の実施形態の搬送位置レベルの検出方法を示す簡略断面図である。 第1の実施形態のの搬送位置レベルの検出結果を示す図である。 第2の実施形態に係る加圧定着装置の動作制御を説明するためのフローチャートである。 第3の実施形態に係る加圧定着装置の動作制御を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
103 ヒータ
104 フィルム
105 加圧ローラ
111 感光ドラム
115 転写ローラ
118 加熱装置
131 排紙センサー
132 温度検知素子
150 タイマ手段
M1 メインモータ
M2 定着専用モータ

Claims (4)

  1. 画像データを含む画像形成ジョブを受信し、前記画像データに基づいて記録材上に画像を形成する画像形成装置であって
    感光体と現像剤を用いて記録材上に現像剤像を形成する画像形成部と、
    前記記録材に形成された画像を加熱し、定着させるための加熱定着部と
    を備え、
    前記加熱定着部は、
    画像定着動作を、少なくとも予備加熱段階、通紙段階、紙間段階、及び本体停止段階の複数段階に分割し、各段階における動作時間を計測するタイマ手段と、
    前記各段階毎に単位時間当りの制御係数が用意され、前記タイマ手段によって計測された前記各段階における動作時間と前記各段階毎の制御係数とをそれぞれ乗算し、各乗算結果を積算して積算値を演算する積算値演算手段と、
    前記積算値に基づいて、前記加熱定着部の動作を制御する動作制御手段と、を備え、
    前記タイマ手段は、前記加熱定着部のヒータOFF時間である前記本体停止段階においてもヒータOFF時間が所定時間に達するまで時間を計測し続け、
    前記積算値演算手段は、前記本体停止段階における前記制御係数を負の値にして計測時間の増加と共に前記積算値を減少させ、
    前記動作制御手段は、前記本体停止段階が前記所定時間に達する前に前記画像形成ジョブを受信した場合も、ジョブ受信時点における前記積算値に応じて前記加熱定着部の動作を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記動作制御手段は、前記積算値に基づいて前記加熱定着部の駆動速度を変更制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記動作制御手段は、前記積算値に基づいて前記加熱定着部の加熱温度を変更制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記各段階毎の制御係数は、前記各段階毎に異なることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
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