JP2000137407A - プリンタおよびその制御方法 - Google Patents

プリンタおよびその制御方法

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JP2000137407A
JP2000137407A JP10313522A JP31352298A JP2000137407A JP 2000137407 A JP2000137407 A JP 2000137407A JP 10313522 A JP10313522 A JP 10313522A JP 31352298 A JP31352298 A JP 31352298A JP 2000137407 A JP2000137407 A JP 2000137407A
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temperature
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JP10313522A
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English (en)
Inventor
Osamu Kunimori
修 国森
Motonori Kirihara
基範 桐原
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Data Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、連続印刷時の高速性と、1枚目の
印刷完了までの時間の短縮とを両立させたプリンタおよ
びその制御方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 印刷速度を変更可能に構成する。そし
て、定着器の温度を検出し、印刷開始時点での温度に応
じて印刷速度を決定する。従って、定着器が定格の温度
に達していない場合でも、印刷速度を低速に設定するこ
とで、早期に印刷を開始できる(図8)。また、他の構
成例としては、印刷と印刷との間に十分な時間がある場
合(例えば、クリーニングの実行中)には、この間に定
着器を昇温させ、次回の印刷時には改めて印刷速度を決
定する。さらに別の構成としては、印刷開始後も、定着
器の昇温を継続する。そして、印刷1枚ごとに印刷開始
時の温度を予め予測し、その温度に応じて印刷速度を1
枚毎に再設定して行く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プリンタ
およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真プリンタ72について図23,
図24を用いて説明する。図23は、電子写真プリンタ
72の概要を示す図である。図24は、印刷部74の構
成を示す図である。
【0003】電子写真プリンタ72は、図23に示すと
おり、制御部73による編集によって得られたイメージ
データの印刷を行なう印刷部74と、制御部73と印刷
部74とをつなぐプリンタインターフェース76とを備
えて構成されている。
【0004】端末機71から印刷データが送られてくる
と、電子写真プリンタ72の制御部73は、これをイメ
ージデータに変換し始める。また、これと並行して、プ
リンタインターフェース部76を介して印刷部74へ、
電子写真プロセス75のウォームアップを指示する。
【0005】この指示を受けた印刷部74は、電子写真
プロセス75を印刷可能状態にするべくウォームアップ
動作を開始する。例えば、定着器87を加熱して、その
温度を所定の温度にまで上昇させる。
【0006】イメージデータへの変換が1ページ分終了
すると、制御部73は印刷部74へ印刷起動命令を送る
ことで、印刷の開始を指示する。
【0007】この印刷起動命令を受けると、印刷部74
は、電子写真プロセス75が印刷可能状態であるかを確
認する。この確認内容としては、例えば、定着器87の
温度が印刷可能温度に達しているか等が挙げられる。確
認の結果、印刷可能状態であった場合には、給紙ローラ
79,レジストローラ80等を作動させて、印刷用紙供
給部77から電子写真プロセス75へと印刷用紙78を
搬送させる(図24参照)。
【0008】これと並行して、制御部73は、イメージ
データを印刷部74の電子写真プロセス75へ送り、印
刷処理を行わせる。電子写真プロセス75においては、
図24に示すとおり、その外周面に感光体が設けられた
感光体ドラム82を備えており、これが矢印の方向に回
転している。そして、この感光体ドラム82の周りに
は、帯電器85、露光器84、現像器83、転写器86
が配置されている。さらに、用紙搬送経路上における感
光体ドラム82等よりも下流位置には、定着器87が配
置されている。そのため、感光体ドラム82の表面に
は、この回転に伴って露光器84,現像器83等による
処理が順に施されてゆく。すなわち、露光器84は、イ
メージデータに従って発光することで、感光体ドラム8
2の外周に静電潜像を形成する。続いて、この現像器8
3が、この静電潜像を現像してトナー像とする。さら
に、転写器86が、このトナー像を用紙搬送機構によっ
て搬送されてきた印刷用紙81に転写する。トナー像が
転写された印刷用紙81は、定着器87へと搬送され
る。そして、この定着器87は、このトナー像を定着さ
せるとともに、定着処理後のこの印刷用紙を排出部89
へ排出する。
【0009】以上の一連の印刷処理においては、定着器
の温度がその画質に大きく影響する。定着器の温度は、
図25に示すように制御されていた。すなわち、定着器
の加熱用ランプをONとして加熱を開始してから印刷の
目標温度に達するまで待ち、目標温度に達すると一定の
速度で印刷を行う。印刷完了後は、温度を監視しつつラ
ンプをON/OFFすることで、いつでもすぐに印刷が
開始できるように最適な温度に保ちつづける。図25に
は描かれていないが、この後、印刷が行われないまま一
定の時間が経過した場合には、電力を節約するために、
定着器をOFFにする。
【0010】このような温度制御は、例えば、図26の
ような処理によって実現されている。すなわち、制御部
73からウォームアップ命令を受けると、印刷部74は
ウォームアップを開始する(ステップ902)。このウ
ォームアップは、定着器加熱用の定着器ランプをONに
して、定着器87を加熱することで行う。ウォームアッ
プ開始後、印刷部74は、定着器87の温度Tを確認し
つつ、定着器制御温度T(n)に達するのを待つ(ステ
ップ904,906)。この定着器制御温度T(n)と
しては、用紙をある一定の用紙搬送速度V(n)で搬送
した場合にトナーを適正に定着できるような値が設定さ
れている。なお、通常のプリンタにおける用紙印刷走行
速度V(n)は1種類だけである。定着器の温度Tが定
着器制御温度T(n)に達した場合には、印刷部74は
定着器87の温度を保ちつつ印刷処理が起動されるのを
待つ(ステップ908,910)。そして、制御部73
から印刷の指示があれば印刷を行う(ステップ91
2)。この印刷は、印刷用紙をある一定の用紙印刷走行
速度V(n)で搬送して行う。また、定着器87の温度
も定着器制御温度T(n)に保って行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】電子写真プリンタに
は、連続印刷時の印刷速度の高速化と、1枚目の印刷が
完了するまでの時間の短縮化とが要求されている。しか
し、これら二つの要求は、以下に述べるとおり相反する
ものであり、その両方に応えることは困難であった。
【0012】連続印刷時の印刷速度を上げるためには、
用紙走行速度V(n)を上げる必要がある。そして、こ
れに応じてトナーの定着性を最適とするように定着温度
T(n)も高くせざるをえない。その結果、印刷開始時
に、定着器17が印刷可能温度に達するまでの時間が長
くなるという問題があった。
【0013】最近は処理速度の高い制御部3を備え、印
刷データをイメージデータに展開するための処理時間の
短縮を図った装置がある。しかし、いかにイメージデー
タへの展開が高速であっても、定着器温度がT(n)に
達するまでは印刷ができないため、1枚目の印刷完了ま
での時間はあまり短くはなっていなかった。イメージデ
ータへの展開処理に要する時間が短い場合の例を図27
に、一方、展開処理に要する時間が長い場合の例を図2
8に示した。図27,図28を比較すればわかるよう
に、イメージデータへの展開処理に要する時間(図にお
いては、印刷データ到着〜印刷起動に相当)は大幅に異
なっているものの、印刷終了までのトータルでの時間の
差は少ない。このような問題は一度に印刷する枚数が少
ない場合ほど顕著であった。
【0014】高速印刷時の定着性を向上させるために、
定着器の備えるヒートローラの肉厚を厚くしている場合
には、印刷温度に達するまでの時間はさらに長くなる。
従って、このような問題は、高速性を追求した装置ほど
顕著であった。
【0015】本発明は、連続印刷時の高速性と、1枚目
の印刷完了までの時間の短縮とを両立させた電子写真プ
リンタを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、その第1の態様として
は、用紙に未定着の画像を形成するとともに、該用紙を
所定の走行速度で加熱部を通過させて画像を定着させる
ことで、印刷を行うプリンタの制御方法において、印刷
開始前に加熱部の温度を検出し、該検出した温度に応じ
た用紙の走行速度を求め、未定着の画像が形成された用
紙を、この求めた走行速度で前記加熱部を通過させて定
着を行うことを特徴とするプリンタの制御方法が提供さ
れる。
【0017】定着が行われない状態が所定時間以上続く
場合には、この間に加熱部の温度を上昇させ、次に定着
を行う際には改めて用紙の走行速度を設定しなおすこと
が好ましい。
【0018】本発明の第2の態様としては、用紙に未定
着の画像を形成するとともに該用紙を所定の走行速度で
加熱部を通過させてこの画像を定着させることで印刷を
行い、印刷後の用紙を用紙排出部に排出するプリンタの
制御方法において、印刷処理の起動から、印刷後の用紙
を排出し終わるまでの時間が最短となる最短印刷条件を
求め、求めた最短印刷条件に従って、前記加熱部の温度
および用紙の走行速度を設定したうえで印刷を開始する
ことを特徴とするプリンタの制御方法が提供される。
【0019】印刷を開始した以降の期間において前記加
熱部を昇温させるとともに、最短印刷条件を所定のタイ
ミングで繰り返し求め、その度毎に、新たに求められた
最短印刷条件に従って前記加熱部の温度および用紙の走
行速度を設定しなおしてもよい。
【0020】前記最短印刷条件を、前記加熱部を昇温さ
せた場合における温度の経時変化を示す温度変化情報に
基づいて求めてもよい。
【0021】前記最短印刷条件を、さらに、用紙の長
さ、用紙間の間隔、およびそのときの加熱部の温度に基
づいて求めてもよい。
【0022】本発明の第3の態様としては、用紙に未定
着の画像を形成するとともに該用紙を所定の走行速度で
加熱部を通過させてこの画像を定着させることで、印刷
を行うプリンタの制御方法において、前記加熱部を昇温
させその温度が画像を定着できる最低の温度に達した時
点で前記加熱部の昇温を継続したままでそのとき受信さ
れている印刷データの全頁を順次印刷した場合におけ
る、各頁それぞれについての印刷開始時における前記加
熱部の温度を予測し、この予測された温度に応じて、そ
の頁の画像を定着する際の用紙の走行速度を決定するこ
とを特徴とするプリンタの制御方法が提供される。
【0023】本発明の第4の態様としては、用紙に未定
着の画像を形成するとともに該用紙を所定の走行速度で
加熱部を通過させてこの画像を定着させることで、印刷
を行うプリンタの制御方法において、印刷データのすべ
ての頁を印刷するのに要する総印刷時間を算定する処理
を、1枚目の印刷を開始する際の前記加熱部の温度であ
る初期印刷開始温度を変更しつつ繰り返すことで、総印
刷時間が最も短くなる最短印刷条件を求め、求めた最短
印刷条件で印刷を行うことを特徴とするプリンタの制御
方法が提供される。
【0024】前記最短印刷条件で所定枚を印刷する度ご
とに、未印刷の印刷データについてあらためて最短印刷
条件を求めなおすことが好ましい。
【0025】前記総印刷時間を算定する処理は、前記加
熱部を昇温させその温度が画像を定着できる最低温度以
上の初期印刷開始温度に達した時点で前記加熱部の昇温
を継続したままでそのとき受信されている印刷データの
全頁を順次印刷した場合における、各頁それぞれについ
ての印刷開始時における前記加熱部の温度を予測し、こ
の予測された温度に応じてその頁の画像を定着する際の
用紙の走行速度を決定し、決定した各頁それぞれについ
ての走行速度に基づいて各頁の印刷に要する時間を求
め、さらに各頁の印刷に要する時間の総和を求めること
であってもよい。
【0026】前述した第3,第4の態様においては、各
頁それぞれについての印刷開始時における前記加熱部の
温度の予測を、前記加熱部を昇温させた場合における温
度の経時変化を示す温度変化情報と、前記加熱部の温度
とその温度での定着に適した用紙の走行速度とを対応づ
けた速度情報とに基づいて行ってもよい。
【0027】本発明の第5の態様としては、用紙に未定
着の画像を形成するとともに該用紙を所定の走行速度で
加熱部を通過させてこの画像を定着させることで、印刷
を行うプリンタの制御方法において、印刷開始に先だっ
て前記加熱部を所定温度にまで昇温させるとともに、昇
温途中においては1枚目の印刷を開始するまでの残り時
間を求め、求めた残り時間を使用者に報知することを特
徴とするプリンタの制御方法が提供される。
【0028】本発明の第6の態様としては、用紙上に未
定着の画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手
段によって未定着の画像が形成された用紙に、所望の量
の熱を与えることで画像を定着させる定着手段とを備
え、前記定着手段は、その温度を所望の温度に制御さ
れ、ここを通過する用紙に熱を付与する加熱部と、前記
加熱部の温度を制御する温度制御手段と、前記画像形成
手段によって未定着の画像が形成された用紙を、別途設
定された走行速度で前記加熱部を通過させる走行手段
と、前記加熱部の温度を検出する温度検出手段と、前記
温度検出手段が検出した温度に基づいてその時の前記加
熱部の温度に応じた走行速度を求め、これを前記走行手
段による用紙の走行速度として設定する制御手段とを有
することを特徴とするプリンタが提供される。
【0029】前記定着手段による定着が所定時間以上行
われないことを検知する使用状況検知手段を備え、前記
制御手段は、所定時間以上定着が行われないことを前記
使用状況検知手段が検知した場合には、前記温度制御手
段によって前記加熱部を昇温させ、次の用紙に対し定着
を行う際には改めて用紙の走行速度を設定しなおすこと
が好ましい。
【0030】前記走行手段による用紙の走行速度と前記
加熱部の温度との対応関係を定義した速度情報を記憶し
た記憶手段を有し、前記制御手段は、前記速度情報を参
照することで、前記加熱部の温度に応じた走行速度を求
めてもよい。
【0031】本発明の第7の態様としては、用紙が収容
される用紙収容部と、印刷後の用紙が排出される用紙排
出部と、前記用紙収容部に収容された用紙を所定の搬送
経路に沿って搬送し前記用紙排出部に排出する搬送手段
と、前記搬送手段によって搬送されてきた用紙上に未定
着の画像を形成する画像形成処理を行う画像形成手段
と、その温度が所望の温度に設定される加熱部を備え、
前記搬送手段によって所定の走行速度で搬送されてき
た、前記画像形成手段によって未定着の画像が形成され
た用紙に対し、前記加熱部によって所望の量の熱を与え
てこの画像を定着させる定着手段と、前記加熱部を所望
の温度に制御する温度制御手段と、前記画像形成手段に
よって画像形成処理が起動されてから、前記搬出手段が
用紙を排出し終わるまでの時間が最短となる最短印刷条
件を求める探索手段と、前記探索手段の求めた前記最短
印刷条件に従って、前記加熱部の温度および前記搬送手
段による用紙の走行速度を設定する制御手段とを有する
ことを特徴とするプリンタが提供される。
【0032】前記温度制御手段は、前記画像形成手段に
よる画像の形成が開始されて以降の期間において前記加
熱部を昇温させるものであり、前記探索手段は、前記画
像形成手段による画像の形成が開始された後も所定のタ
イミングで繰り返し最短印刷条件を求めるものであり、
前記制御手段は、前記探索手段が最短印刷条件を求める
度毎に、新たに求められた最短印刷条件に従って前記加
熱部の温度および前記搬送手段による用紙の走行速度を
設定しなおすものであってもよい。
【0033】本発明の第8の態様としては、印刷データ
を受信する受信手段と、用紙上に、受信手段に受信され
た印刷データに応じて未定着の画像を形成するとともに
所望の量の熱を与えることでこの画像を定着させること
で、印刷を行う印刷手段とを備え、前記印刷手段は、用
紙上に未定着の画像を形成する画像形成手段と、その温
度を所望の温度に制御され、ここを通過する用紙に熱を
付与する加熱部と、前記加熱部の温度を制御する温度制
御手段と、前記画像形成手段によって未定着の画像が形
成された用紙を、別途設定された走行速度で前記加熱部
を通過させる走行手段と、前記加熱部の温度を検出する
温度検出手段と、前記加熱部を昇温させその温度が画像
を定着できる最低の温度に達した時点で前記加熱部の昇
温を継続したままでそのとき前記受信手段に受信されて
いる印刷データの全頁を順次印刷した場合における、各
頁それぞれについての印刷開始時における前記加熱部の
温度を予測する予測手段と、前記予測手段の予測した温
度に応じて、その頁の画像を定着する際における前記走
行手段による用紙の走行速度を設定する制御手段とを有
することを特徴とするプリンタが提供される。
【0034】本発明の第9の態様としては、用紙に未定
着の画像を形成するとともに、該用紙を所定の走行速度
で加熱部を通過させて画像を定着させることで、印刷を
行うプリンタにおいて、印刷データのすべての頁を印刷
するのに要する総印刷時間を算定する処理を、1枚目の
印刷を開始する際の前記加熱部の温度である初期印刷開
始温度を変更しつつ繰り返すことで、総印刷時間が最も
短くなる最短印刷条件を求める最短条件探索手段と、前
記最短条件印刷手段の求めた最短印刷条件で印刷を行う
印刷手段とを有することを特徴とするプリンタが提供さ
れる。
【0035】前記最短条件探索手段は、前記最短印刷条
件で所定枚が印刷される度ごとに、未印刷の印刷データ
についてあらためて最短印刷条件を求めなおすものであ
ってもよい。
【0036】前記印刷手段は、用紙に未定着の画像を形
成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像
が形成された用紙に、所望の量の熱を与えることで画像
を定着させる定着手段とを備えて構成されたものであ
り、前記定着手段は、その温度を所望の温度に制御さ
れ、ここを通過する用紙に熱を付与する加熱部と、前記
加熱部の温度を制御する温度制御手段と、前記画像形成
手段によって未定着の画像が形成された用紙を、別途設
定された走行速度で前記加熱部を通過させる走行手段
と、前記加熱部の温度を検出する温度検出手段とを備え
て構成されたものであり、前記最短条件探索手段は、前
記加熱部を昇温させその温度が画像を定着できる最低温
度以上の初期印刷開始温度に達した時点で前記加熱部の
昇温を継続したままでそのとき受信されている印刷デー
タの全頁を順次印刷した場合における、各頁それぞれに
ついての印刷開始時における前記加熱部の温度を予測す
る予測手段と、前記予測手段によって予測された温度に
応じてその頁の画像を定着する際の用紙の走行速度を決
定し、さらに決定した各頁それぞれについての走行速度
に基づいて各頁の印刷に要する時間を求め、さらに各頁
の印刷に要する時間の総和を求めることで、前記総印刷
時間を算定する算定手段とを備えて構成されるものであ
ってもよい。
【0037】前述した第8,第9の態様においては、前
記予測手段は、前記温度制御手段によって前記加熱部を
昇温させた場合における温度の経時変化を示す温度変化
情報と、前記加熱部の温度とその温度での定着に適した
用紙の走行速度とを対応づけた速度情報とに基づいて、
印刷開始時における前記加熱部の温度を予測するもので
あってもよい。
【0038】本発明の第10の態様においては、用紙に
未定着の画像を形成するとともに該用紙を所定の走行速
度で加熱部を通過させてこの画像を定着させることで、
印刷を行うプリンタにおいて、印刷開始に先立って前記
加熱部を所定の温度にまで昇温させる温度制御手段と、
1枚目の印刷を開始するまでの残り時間を求める演算手
段と、前記演算手段が求めた残り時間を使用者に報知す
る報知手段とを有することを特徴とするプリンタが提供
される。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。
【0040】実施の形態1.本実施の形態1の電子写真
方式のプリンタは、用紙走行速度を2種類以上備えこれ
を使い分けるとともに、これにあわせて定着器の制御目
標温度も変更することで、連続印刷時の高速性と、1枚
目の印刷時の待ち時間の短縮化とを図ったことを主な特
徴としている。なお、本明細書において言う「印刷速
度」、「用紙走行速度」とは、厳密には、定着器を通過
する際の用紙の速度を意味している。
【0041】まず、本実施の形態1におけるプリンタの
基本構成の概要を図1を用いて説明する。
【0042】データ受信/編集処理部1では、マイクロ
プロセッサが所定のソフトウェアを実行することで、印
刷データの受信処理、編集処理を行っている。データ受
信/編集処理部1によってビットマップデータに編集、
展開された印刷データは、機構制御部2から出力される
タイミング信号に従って、データ受信/編集処理部1か
ら機構制御部2へ転送される。機構制御部2は、機構部
3を動作させる各種ドライブ信号、及び機構部3から入
力されるセンサ信号に基づいて、印刷動作を制御してい
る。例えば、印刷用紙の走行にしたがって印刷データを
印刷ヘッドに転送する。
【0043】これ以降においては、上記部分毎にさらに
詳細に説明する。
【0044】まず、データ受信/編集処理部1の詳細な
構成を図2を用いて説明する。
【0045】データ受信/編集処理部1は、図2に示す
とおり、マイクロプロセッサ11、データバス12、ア
ドレスバス13、データRAM14、プログラムROM
15、メモリコントロール回路16、操作部表示部1
7、操作部制御回路18、エンジンインターフェース回
路19およびネットワークインターフェース制御回路2
0を備えて構成されている。
【0046】マイクロプロセッサ11は、データ受信/
編集処理部1全体の制御を行うものである。このマイク
ロプロセッサ11は、プログラムROM15に格納され
た制御プログラム及び各種データが格納されるデータR
AM14にアクセスすることにより制御を行う機能を備
えている。なお、これらへのアクセスに際して、アドレ
スバス13を通じてアドレスを出力し、また、データバ
ス12を通じてアドレスに対応したデータの入出力がお
こなわれるようになっている。
【0047】メモリコントロール回路16は、データR
AM14,プログラムROM15に対するアクセスのコ
ントロールを行うものである。
【0048】操作部表示部17は、使用者からの指示
(例えば、用紙サイズの設定指示、印刷枚数)を受け付
ける操作部と、このプリンタの状態などを示す所望の情
報を表示させる表示部とを備えている。
【0049】操作部制御回路18は、マイクロプロセッ
サ11からの表示指令に基き操作部表示部17を制御し
て所望の表示を行わせるものである。また、操作部表示
部17の受け付けた使用者からの指示を、マイクロプロ
セッサ11へ伝えるものである。
【0050】エンジンインターフェース回路19は、マ
イクロプロセッサ11による制御の下、機構制御部2に
対して印刷データ及び機構部3への動作指令の出力、さ
らには、機構部3の動作状態の読み取りを行うものであ
る。
【0051】ネットワークインターフェース制御回路2
0は、Ether Net等のネットワークに接続され
印刷データの受信、装置状態の発信等を行うものであ
る。
【0052】次に、機構部3の詳細な構成を図3を用い
て説明する。
【0053】機構部3は、図3に示すとおり、サーミス
タ21、定着器ランプ22、ヒートローラ23、リード
コンタクト24、バックアップローラ25、定着器モー
タ26、ドラムユニット27、ドラムモータ28、書き
込み開始センサ29、転写ローラ30、レジストモータ
31、レジストローラユニット32、用紙入り口センサ
33、ホッピングモータ34、ホッピングローラ35、
用紙カセット36等を備えて構成されている。
【0054】ホッピングローラ35は、用紙カセット3
6にセットされた用紙を1枚剥離、搬送するためのもの
であり、ホッピングモータ34によって駆動される構成
となっている。
【0055】用紙入り口センサ33は、ホッピングロー
ラ35によって剥離、搬送されてきた用紙がレジスト位
置に到達したことを検出するためのものである。該用紙
入り口センサ33は、検出結果を機構制御部2の後述す
る用紙入り口センサ回路53を介してマイクロプロセッ
サ41へ出力している。
【0056】レジストローラユニット32は、用紙を搬
送するためのものであり、レジストモータ31によって
駆動される構成となっている。
【0057】書き込み開始センサ29は、レジストロー
ラユニット32等によって搬送されてきた用紙が書き出
し位置に到達したことを検出するためのものである。こ
の書き込み開始センサ29は、検出結果を機構制御部2
の後述する書き込み開始センサ回路55を介してマイク
ロプロセッサ41へ出力している。
【0058】ドラムユニット27は、その内部に、帯電
器、感光体ドラム、LEDヘッド62(図4参照)、現
像器等を備えて構成されており、この感光体ドラム上に
印字データに応じて静電潜像を形成すると共に、これを
現像して該感光体ドラム上にトナー像を形成するもので
ある。該ドラムユニット27は、ドラムモータ28によ
って駆動されている。また、このドラムユニット27に
は、帯電器、感光体ドラム等をクリーニングするための
クリーニング機構も備えられている。これらのクリーニ
ング機構は、機構制御部2のマイクロプロセッサ41か
らの指示に従って、図には示していない制御駆動系統に
よって所定のタイミングで作動させられるようになって
いる。
【0059】転写ローラ30は、感光体ドラム上に形成
されたトナー像を、搬送されてきた用紙に転写するため
のものである。
【0060】ヒートローラ23およびバックアップロー
ラ25は、トナー像が転写された用紙を両者の間に挟ん
で搬送することで、この用紙に転写されているトナー像
を加熱、加圧して、トナー像を定着させるものである。
バックアップローラ25およびヒートローラ23は、ギ
ヤを介して連結された定着器モータ26によって回転駆
動されるようになっている。定着に必要な熱は、定着器
ランプ(ハロゲンランプ)22によってヒートローラ2
3を加熱することで与えられる構成となっている。な
お、この定着器ランプ22は、リードコンタクト24に
よって電力を供給されている。
【0061】本実施の形態1では、用紙を搬送する機構
の駆動源となる各種モータ(定着器モータ26、ドラム
モータ28、レジストモータ31、ホッピングモータ3
4)としてパルスモータが採用されており、用紙搬送速
度を変更可能である。
【0062】サーミスタ21は、ヒートローラ23の温
度を検出するものである。このサーミスタ21は検出結
果を、サーミスタ検出回路57(図4参照)へ出力して
いる。
【0063】次に、機構制御部2の詳細な構成を図4を
用いて説明する。
【0064】機構制御部2は、図4に示すとおり、マイ
クロプロセッサ41、プログラムROM42、データR
AM43、ドラムモータ駆動回路44、定着器モータ駆
動回路46、ホッピングモータ駆動回路48、レジスト
モータ駆動回路50、用紙入り口センサ回路53、書き
込み開始センサ回路55、サーミスタ検出回路57、エ
ンジンインターフェース回路58、定着器ランプON/
OFF回路59、ヘッドデータ転送回路61、LEDヘ
ッド62等を備えて構成されている。
【0065】マイクロプロセッサ(以下「CPU」と称
す)41は機構制御部2および機構部3の全体を制御す
るものである。このCPU41は、プログラムROM4
2に格納された制御プログラム及び各種データが格納さ
れるデータRAM43にアクセスすることにより制御を
行う機能を備えている。このCPU41等によって実現
されている機能としては、例えば、後述する定着器モー
タ駆動回路46、ドラムモータ駆動回路44等を介し
て、各種モータを制御することで、用紙の搬送並びに画
像の形成の速度を所望の値に設定、変更する機能を備え
ている。また、定着器ランプON/OFF回路59を介
して、定着器ランプ22のON/OFFを制御すること
で、ヒートローラ23の温度を制御する機能を備えてい
る。
【0066】データRAM43に格納される情報として
は、定着器(より厳密にはヒートローラ23)のその時
の制御目標温度等が挙げられる。
【0067】本実施の形態1におけるプログラムROM
42には、制御プログラムの他に、あらかじめ用意され
た速度設定テーブルが格納されている。この速度設定テ
ーブルは、図5に示したとおり、定着器の制御目標温度
と、用紙の搬送速度とを対応づけて定義したものであ
る。本実施の形態1では、さらには、その搬送速度を実
現するための各種モータに対するパルスレートも対応づ
けて定義されている。この速度設定テーブルにおいて
は、基本的には、図6に示すように、用紙の搬送速度が
高いほど制御目標温度を高くするように設定されてい
る。図5、図6において、V1は用紙走行最低速度、V
(n)は最高速度である。V(n),T(n)は従来の
プリンタの印刷用紙走行速度及び定着器制御温度に相当
する。なお、図5においては、説明を簡単にするため、
ドラムモータについてのパルスレートのみを記載してい
る。また、これ以降の説明では、説明を簡単にするため
速度制御については、ドラムモータ28についてだけ述
べて他のモータについては省略している場合がある。し
かし、ドラムモータ28以外のモータについても同様の
観点、手法に基づいた速度制御が行われている。
【0068】ドラムモータ駆動回路44は、ドラムユニ
ット27を駆動するドラムモータ28のドライブ信号を
CPU41の指示に基づいて生成している。
【0069】定着器モータ駆動回路46は、定着器(ヒ
ートローラ23,バックアップローラ25等)を駆動す
る定着器モータ26のドライブ信号をCPU41の指示
に従って生成するものである。
【0070】ホッピングモータ駆動回路48は、ホッピ
ングローラ35を駆動するホッピングモータ34のドラ
イブ信号をCPU41の指示に従って生成するものであ
る。
【0071】レジストモータ駆動回路50は、用紙搬送
の一旦を行うレジストローラユニット32を駆動するレ
ジストモータ31のドライブ信号をCPU41の指示に
従って生成するものである。
【0072】先に述べたとおり本実施の形態では、ドラ
ムモータ28、定着器モータ26、ホッピングモータ3
4、レジストモータ31としてパルスモータを採用して
いる。従って、CPU41からドラムモータ駆動回路4
4等へ入力されるパルス信号のパルスレートを変更する
ことで、感光体ドラム等の回転速度、すなわち用紙搬送
速度を所望の値に設定可能になっている。
【0073】用紙入り口センサ回路53は、用紙入り口
センサ33からの信号を、CPU41が処理可能な信号
に変換するものである。
【0074】書き込み開始センサ回路54は、書き込み
開始センサ29からの信号を、CPU41が処理可能な
信号に変換するものである。
【0075】サーミスタ21は、先に述べたとおり、定
着器のヒートローラ23に接触して取り付けられてお
り、ヒートローラ23の温度を検出するものである。こ
のサーミスタ21は検出した温度に対応したアナログ電
圧を出力する。
【0076】サーミスタ検出回路57は、サーミスタ2
1の出力するアナログ電圧を、内臓するA/D(アナロ
グーデジタル変換)回路によりデジタル値に変換したう
えで、CPU41へ出力するものである。このサーミス
タ検出回路57は、CPU41からの指令により作動し
ている。
【0077】エンジンインターフェース回路58は、前
述した機構部3に対する印刷データ、制御コマンドをC
PU41に対しインターフェースする。
【0078】定着器ランプON/OFF回路59は、定
着器ランプ22の電力源である、AC100Vの交流を
ON又はOFFするものである。この定着器ランプON
/OFF回路59は、サーミスタ21からの検出温度に
基づいてCPU41によって制御されている。
【0079】リードコンタクト24は、定着器ランプ2
2の両端のソケットにコンタクトしており、ON/OF
F制御された、AC100Vを供給する。
【0080】ヘッドデータ転送回路61は、エンジンイ
ンターフェース回路58を通して送られるラスターイメ
ージの印刷データをCPUプログラム制御のもとLED
ヘッド62に送出するものである。
【0081】LEDヘッド62は、ヘッドデータ転送回
路61から送られてきたラスターイメージ印刷データ
を、LEDエレメントにセットしタイミングに合わせて
点灯、滅灯するものである。LEDヘッド62の走査タ
イミンダは、ドラムモータ28の駆動パルスに同期して
いる。
【0082】次に、本実施の形態1のプリンタの動作を
図7,図8,図9を用いて説明する。
【0083】図7は、本実施の形態1における印刷処理
を示すフローチャートである。図8は、印字データをイ
メージデータに展開するのに要する処理時間が、定着器
等のウォームアップ時間よりも短い場合における動作例
である。図9は、印字データをイメージデータに展開す
るのに要する処理時間が、定着器等のウォームアップ時
間よりも長い場合における動作例である。
【0084】データ受信処理/編集処理部1が端末機よ
り印刷データを受けると、機構制御部2に対して定着器
のウォームアップを指示する。この指示を受けた機構制
御部2のCPU41は、これ以降以下のように動作す
る。
【0085】まずCPU41は、印刷可能な最高の用紙
走行速度V(n)での定着器制御温度T(n)となるよ
うに、定着器の温度制御を開始する(ステップ10
2)。通常、定着器の温度はT(n)以下であるため、
まず、加熱を行うべく定着器ランプ22を通電状態とす
る。この定着器ランプ22のON/OFFは、具体的に
は、CPU41が定着器ランプON/OFF回路59に
指令を送り、リードコンタクト24による定着器ランプ
22への電力供給を開始/停止させることで行われる。
【0086】続いて、CPU41は、データ受信/編集
処理部1は印刷起動命令が送信されているか否か(ステ
ップ104)、また、定着器の温度TがT(n)に到達
しているか否か(ステップ106,108)を確認しつ
つ、いずれかの条件が満たされるのを待つ。この温度の
確認は、具体的には、サーミスタ検出回路57を介して
入力されるサーミスタ21の検出温度をCPU41が確
認することで行われている。
【0087】ステップ104〜ステップ108の結果、
印刷が起動される前に定着器の温度TがT(n)に到達
した場合、すなわち、イメージデータへの展開処理に要
する時間が、定着器のウォームアップに要する時間より
も長かった場合には、ステップ110,112の処理を
実行する。すなわち、定着器の温度をT(n)に保つ温
度制御を行いつつ、印刷が起動されるのを待つ。ステッ
プ112において、印刷が起動されていた場合には、印
刷を開始する。このときの印刷は、定着器の制御目標温
度をT(n)、用紙走行速度をV(n)、ドラムモータ
28のパルスレートをP(n)にして行う。つまり、こ
の場合には、図9に示すとおり、プリンタの用紙走行最
高速度V(n)で印刷が行われる。なお、図5には描い
ていないが、速度設定テーブルには定着器モータ26等
の他のモータについてのパルスレートも規定されてお
り、ドラムモータ28の場合と同様に、この速度設定テ
ーブルに基づいてそれぞれのパルスレートが設定され
る。
【0088】一方、ステップ104〜ステップ108の
結果、定着器の温度TがT(n)に到達する前に印刷が
起動された場合、すなわち、イメージデータへの展開処
理に要する時間が、定着器のウォームアップに要する時
間よりも短かった場合には、ステップ114〜ステップ
120の処理を実行する。すなわち、CPU41は、そ
の時点での定着器の温度Tを検出し(ステップ11
4)、T(1)≦Tの関係が成立しているか否かを判定
する(ステップ116)。ここで、温度T(1)は、印
刷可能最低速度V(1)での定着器の制御目標温度であ
る。T(1)≦Tが成立していなかった場合には、再び
ステップ114に戻り同様の処理を繰り返しつつ温度が
T(1)に達するのを待つ。
【0089】ステップ116において、T(1)≦Tが
成立していた場合には、ステップ118へ進む。ステッ
プ118において、CPU41は、テーブルを参照する
ことで、T(m)<T≦T(m+1)の関係が成立する
温度T(m+1)を求める。また、このテーブルに基づ
いて、温度T(m+1)に対応する用紙走行速度をV
(m+1)に設定する。さらに、用紙走行速度がV(m
+1)となるように、ドラムモータ28のパルスレート
をP(m+1)に設定する(ステップ120)。そし
て、その後、すみやかに印刷を開始する。このときの印
刷は、定着器の制御目標温度をT(m+1)、用紙走行
速度をV(m+1)にして行う。この場合には、定着器
の温度TがT(n)に達するまで待つことなく印刷が開
始されるため、図8に示すように、イメージデータへの
展開処理が開始されてから1枚目の印刷用紙が排出され
るまでの時間が従来よりも短い。
【0090】以上説明したとおり、本実施の形態1のプ
リンタでは、電源投入直後等のように定着器が低温の状
態においても、印字定着性を損なうことなく、1枚目の
印刷用紙が排出されるまでの時間を短縮できる。つま
り、印刷動作開始までの時間が短縮されるため、いつま
でたっても印刷動作が開始されないという不安感をオペ
レータにいだかせことはなくなる。
【0091】また、イメージデータへの展開処理に要す
る時間が定着器等のウォームアップ時間より長い場合に
は、プリンタの用紙走行最高速度で印刷できるためプリ
ンタ全体のスループットが短縮できる。
【0092】さらに本発明を実際の装置に適用する場合
には、CPU41による制御方法を変更するだけでよ
く、装置のハードウエア構成は変更する必要がない。従
って、実施が容易である。既に、製造販売されている装
置に対しても、制御プログラムが書き換え可能なメモリ
に記憶されている場合には適用可能である。
【0093】なお、ヒートローラ23の温度は必ずしも
直接測定する必要はない。間接的に測定するようにして
も実質的には同じ事である。例えば、その温度が、ヒー
トローラ23の温度と相関を有する部位の温度を測定
し、その測定結果を該相関に基づいて補正することで、
ヒートローラ23の温度を検出することができる。
【0094】実施の形態2.本実施の形態2のプリンタ
は、連続印刷時に、何らかの理由によって用紙の間隔が
一定以上空いている期間、より正確には、定着器による
定着が所定時間以上行われていない期間がある場合に
は、この間に定着器の温度を上昇させることで、定着器
の温度が上昇した分だけそれ以降は、用紙走行速度、す
なわち印刷速度を高めることを主な特徴とするものであ
る。なお、連続印刷中に定着器が使用されない期間とし
ては、本実施の形態2においては連続印刷中にも適宜行
われるクリーニングのための期間が挙げられる。
【0095】本実施の形態2は、機構制御部2のCPU
41等によって実現される制御内容が実施の形態1とは
異なる。これ以外の点は、基本的には実施の形態1と同
様である。従って、これ以降の説明は実施の形態1との
相違点を中心に行うことにする。
【0096】機構制御部2のCPU41は、機構制御部
2および機構部3の全体を制御するものである。本実施
の形態2におけるCPU41は、各部の動作を制御して
印刷、クリーニング等を実現している。特に、クリーニ
ングについては、複数枚の印刷を連続して行っている間
にもクリーニングを実行するタイミングになった場合に
は、印刷動作の開始を遅延させて、クリーニングを実行
するようになっている。本実施の形態では所定枚数だけ
印刷を行う毎に、次の印刷を開始する前にクリーニング
を行うようになっている。このクリーニング実行タイミ
ングの検出は、CPU41自身がプリンタの使用状況状
態を検出することで(より具体的には、前回、クリーニ
ングを行ってからの印刷枚数を計数することで)、行う
ようになっている。
【0097】次に、本実施の形態2におけるプリンタの
動作を図10を用いて説明する。
【0098】ここでは、連続して10枚印刷する毎に、
クリーニングを行うものとする。このクリーニングは、
10枚目の印刷用紙の後端が、転写ローラ30のニップ
部分を通過後に、用紙が排出されるまでは停止しない。
クリーニングの対象は、主として、ドラムユニット27
に収容されている帯電器、転写ローラ30等である。
【0099】CPU41は、1枚目の用紙に対して、定
着器温度T(m+1)、用紙走行速度V(m+1)で印
刷を開始する(ステップ130)。なお、この1枚目の
用紙に対する印刷については、実施の形態1と同様にし
て行われる。
【0100】印刷開始後は、1枚目の用紙へのトナー定
着までの印刷プロセスを終了するのを待つ(ステップ1
32)。印刷プロセスが終了したか否かは、CPU41
が用紙入り口センサ33の検出結果に基づいて判定す
る。つまり、用紙後端が定着器のニップ部を通過した時
点で印刷プロセスが終了したと判断する。
【0101】印刷プロセスが終了していた場合には、続
いてクリーニング処理を行うか否かを判定する(ステッ
プ134)。この判定は、印刷の実行回数をCPU41
がカウントしており、10枚を連続して印刷していた場
合には、クリーニングを行うことになる。判定の結果、
クリーニング処理を行う場合には、実際にクリーニング
を開始させる(ステップ136)。一方、これと並行し
て、定着器の制御目標温度としてT(n)を設定したう
えで、定着器ランプ22をONにして定着器の加熱を開
始する(ステップ138)。なお、クリーニングを行っ
ていることに起因して定着処理が行われない期間の長さ
は、CPU41による制御シーケンス上においてあらか
じめわかっているため、この期間の長さはここでは判定
していない。但し、定着処理が行われない期間の長さが
その都度変化する場合、また、既知でない場合には、そ
の期間の長さを判定しその判定結果に応じて定着器の加
熱を行うか否かを決定することになる。
【0102】この後、CPU41は印刷プロセスのクリ
ーニングが終了するのを待つ(ステップ140)。クリ
ーニングモードは、ドラムを回転させてドラム上に付着
したトナーを回収および現像に戻す動作であり、ドラム
モータは駆動している。用紙は搬送されていない。ステ
ップ140における判定の結果、クリーニングが終了し
ていた場合には、次のページの印刷処理が起動されてい
るか否かを判定する(ステップ142)。
【0103】ステップ142における判定の結果、次の
ページの印刷処理が起動されていなければ、印刷を終了
する。この図10には記載されていないが、このように
して印刷を終了した後も、CPU41は、定着器の温度
がT(n)に達するまでは加熱を続ける。温度がT
(n)に達した後は、その温度T(n)を維持するよう
に温度制御を行う。
【0104】一方、ステップ142において次ページの
印刷処理が起動されていた場合には、その時の定着器の
温度Tおよびこれに応じた新たな用紙走行速度を設定す
るべくステップ154〜ステップ158の処理を行う。
すなわち、定着器の温度Tを検出し(ステップ15
4)、その検出結果(温度T)に基づいて速度設定テー
ブルを参照することでその温度Tに対応した制御目標温
度T(k+1)を決定する(ステップ156)。さら
に、この制御目標温度T(k+1)に対応する用紙走行
速度V(k+1)を求める。但し、このときの温度T
と、新たな制御目標温度T(k+1)との間には、T
(k)<T≦T(k+1)(但し、m≦k)の関係があ
るものとする。また、定着器の温度は上昇しているた
め、V(m)≦V(k)の関係がある。ステップ158
の後、CPU41は、この定着器の新たな制御目標温度
T(k+1)、新たな用紙走行速度V(k+1)で印刷
を開始させる(ステップ160)。その後は、再びステ
ップ132に戻り同様の処理を繰り返す。
【0105】ところで、ステップ134においてクリー
ニングを行わないと判定された場合には、続いて、次の
ページの印刷処理が起動されているか否かを判定する
(ステップ144)。この判定の結果、次の印刷処理が
起動されていた場合には、前ページと同じ設定(定着器
制御目標温度T(m+1)、用紙走行速度V(m+
1))で印刷を開始させる。
【0106】逆に、ステップ144において、次ページ
の印刷処理が起動されていなかった場合には、CPU4
1は、印刷された用紙をすべて排出し終わるか、あるい
は、次ページの印刷が起動されるのを待ちつづける(ス
テップ148、ステップ152)。また、この間は、定
着器の制御目標温度としてT(n)を設定したうえで、
定着器の加熱を継続している(ステップ150)。その
結果、ステップ148において、印刷された用紙をすべ
て排出し終わっていると判定された場合には、そのまま
印刷を終了する。次ページの印刷が起動されたか否かを
判定する(ステップ152)。一方、ステップ152に
おいて、次ページの印刷が起動されていた場合には、ス
テップ154〜ステップ158の処理を実行すること
で、印刷の条件を設定し直した上で印刷を開始する。こ
のステップ154〜ステップ158の内容については、
既に述べたとおりである。
【0107】以上の制御を行った場合における、定着器
の制御目標温度等の変化の様子を図11に示した。
【0108】なお、図11の例では、作図の都合上、2
枚目の印刷が終了した時点でクリーニングを行うように
なっている。
【0109】1枚目の印刷は、定着器制御温度T(m+
1)、ドラムモータ28の速度P(m+1)の条件で開
始する。この図11の例では、1枚目の用紙へのトナー
定着までの印刷プロセスを終了した時点で(つまり、用
紙後端が定着器のニップ部を通過した時点で)、既に2
枚目の印刷起動を受けている。従って、2枚目の印刷
も、1枚目の印刷と同じ条件(定着温度、印刷走行速
度)で行う。
【0110】2枚目の印刷が終わった時点で3枚目の印
刷起動を受けている。しかし、この時には、印刷プロセ
スのクリーニング処理を行うため、3枚目の印刷はすぐ
には開始されない。3枚目の印刷は、クリーニングが終
了してから開始されることになる。従って、このクリー
ニングを行っている間、定着器の制御温度をT(n)に
設定することで、その温度を上昇させる。
【0111】クリーニングが終了した時点において、定
着器の温度はT(k+1)にまで上昇している。従っ
て、これ以降はこの温度を維持するように、定着器制御
温度としてこのT(k+1)を設定する。また、ドラム
モータの速度もこれに合わせてP(k+1)に設定す
る。そして、この条件で、3枚目以降の印刷を開始す
る。その結果、3枚目以降は、1枚目、2枚目よりも高
速に印刷が行われることになる。
【0112】以上説明したとおり本実施の形態2では、
適宜印刷状況に応じて、適宜、定着器の温度を上昇させ
て、それ以降の印刷速度を高めることができる。従っ
て、印字定着性を損なうことなく印刷全体のスループッ
トをさらに向上させることができる。定着器の温度を上
昇させる機会としては、クリーニングの実行中に限定さ
れるものではない。例えば一台のプリンタがネットワー
クを介して多数の端末に接続されている場合には、複数
の端末から印刷要求がでている場合であっても、ある端
末から依頼された印刷を終了し他の端末から依頼された
印刷を開始する際には、所定の時間だけ印刷用紙の給紙
がとぎれる。従って、このようなときに定着器を加熱す
ることも可能である。なお、実施の形態1のプリンタで
は、1枚目の印刷時に設定した印刷速度で連続印刷が終
了するまで、ドラムモータ等の回転速度すなわち用紙の
走行速度を一定に保っていた。そのため、多数枚の連続
印刷を行う場合には、従来技術よりもスループットが低
下することがある。
【0113】この他、本実施の形態2のプリンタでは、
実施の形態1と同様の効果も得られる。
【0114】実施の形態3.本実施の形態3は、印刷起
動命令を受けてから印刷用紙が排出されるまでの時間が
最短となるように、定着器制御温度および印刷用紙走行
速度を、用紙のサイズ等に応じて設定することを主な特
徴とする。
【0115】本実施の形態3のプリンタは、機構制御部
2のCPU41による、ドラムモータの制御、および定
着器の温度制御の内容が実施の形態1とは異なる。これ
以外の構成は基本的には実施の形態1と同様である。
【0116】本実施の形態3におけるCPU41は、定
着器のその時の温度および用紙サイズに基づいて、印刷
を最も短時間で終了することのできる印刷条件(定着温
度、用紙走行速度)を求める機能を備えている。この機
能の詳細については後ほど述べる動作説明において述べ
ることにする。なお、各種制御を行う際に必要な各種情
報は、予めプログラムROM42等に格納されている。
【0117】プログラムROM42には、図12に示す
ように、各サイズの用紙の用紙長と、プリンタにおける
用紙の走行路長とを示す情報が格納されている。また、
図13に示すように、定着器の温度上昇曲線を示す情報
が格納されている。この情報は、定着器を、ある基準と
なる温度T(1)から温度T(n)にまで昇温させてい
った場合における、温度の経時変化を示したものであ
る。この情報を用いることで、定着器を所望の温度にま
で昇温するのに要する時間を求めることができる。当然
ながらこの温度上昇曲線は、定着器ランプ22の出力、
ヒートローラ23の熱容量等によって異なってくるた
め、実際に実験を行って、あるいは、様々な条件を考慮
したシミュレーションによって得たものである。
【0118】プログラムROM42には、この他、実施
の形態1と同様の速度設定テーブル(図5)が格納され
ている。既に説明したとおりこの速度設定テーブルは、
定着器の制御目標温度と、用紙の搬送速度とを対応づけ
て定義したものである。図5の例では、さらには、その
搬送速度を実現するための各種モータに対するパルスレ
ートも対応づけて定義されている。
【0119】本実施の形態3のプリンタの印刷動作を図
14を用いて説明する。
【0120】CPU41は、まず実施の形態1,2と同
様にして、印刷起動を受けた時又は印刷プロセスのクリ
ーニングを終了した時点における定着器の温度Tを検出
する(ステップ170)。そして、この検出した温度T
に基づいて速度設定テーブル(図5参照)を参照するこ
とで、T(m)<T≦T(m+1)を満たすようなmを
求める(ステップ172)。
【0121】続いてCPU41は、用紙のサイズを検出
するとともに、その検出結果に基づいてプログラムRO
M42に格納されている情報(図12)を参照すること
で用紙長を得る(ステップ174)。なお、用紙のサイ
ズは、操作部表示部17を用いて指定されている設定内
容に基づいて得ている。また、これまで特に説明してい
なかったが、用紙カセット36には用紙サイズを検出す
るためのセンサ(不図示)が設置されており、このセン
サの検出結果に基づいて得ている。
【0122】さらに、給紙が開始されてから排出される
までに用紙後端が走行する距離L(=用紙長+用紙走行
路長)を求める(ステップ176)。ここでは用紙走行
路長を460mmで固定としているが、給紙、排出方
法、両面印刷等によっては用紙走行路長が変わることが
ある。そのような場合には、当然、その時の用紙走行路
長の値を用いて計算を行う。
【0123】続いて、CPU41は、温度T(m+1)
から温度T(k)(但し、k=m+1,m+2,・・・
・,n)まで定着器の温度を上昇させた後に印刷を行っ
た場合における、用紙排出までに要する時間txを様々
な場合について計算する。さらに、このk、つまり、温
度T(k)を様々に変更し、その時間txがもっとも短
い場合を求める(ステップ178〜ステップ190)。
以下、このステップ178〜ステップ190の処理をさ
らに詳細に述べる。
【0124】まず、CPU41は、この計算における初
期条件として、k=m+1、tx(min)=t(ma
x)、k(min)=m+1を設定する(ステップ17
8)。ここで、txは、定着器の温度上昇を開始してか
ら用紙排出までに要する時間であり、tx(min)は
その最小値である。tmaxとは、温度上昇開始から印
刷を完了後、用紙排出までに要する時間として考えられ
る最大値であり、あらかじめ定数として備えている。ま
た、k(min)は、t(min)が求められたときの
kの値である。なお、印刷起動命令を受けてから定着器
の昇温が開始されるまでの時間は非常に短いため、tx
は印刷起動命令を受けてから用紙は排出までに要する時
間と事実上等しくなっている。
【0125】続いて、CPU41は、まず、kを1イン
クリメント(+1)する(ステップ180)。この後、
CPU41は、定着器の温度をT(m+1)からT
(k)まで上昇させるのに要する時間t(=t(k)−
t(m+1))を求める(ステップ182)。この場
合、先に行ったステップ178においてk=mと設定さ
れており、さらに、ステップ180においてこれがイン
クリメントされている。従って、初めてこのステップ1
82を行う場合にはk=m+1となっており、実際には
t(m+1)−t(m+1)の演算を行うことになる。
これは、温度を上昇させることなく、そのまま印刷を行
った場合に相当する。なお、この演算に用いられるt
(m+1)は、定着器の温度を、T(1)からT(m+
1)まで上昇させるのに要する時間であり、プログラム
ROM42に格納されている温度上昇曲線の情報(図1
3)を参照することで得られる。 t(k)についても
同様である。
【0126】続いて、CPU41は、定着器の温度上昇
を開始してから、印刷後に用紙を排出し終わるまでの合
計時間txを求める。(ステップ184)。この合計時
間txは、具体的には、先にステップ182において求
めた温度上昇に要する時間t(=t(k)−t(m+
1))と、用紙の給紙開始から排出完了までに要する時
間(=L/V(k))とを加算することで求められる。
なお、V(k)は、定着器の温度がT(k)である場合
における、十分な定着性が得られる用紙走行速度であ
る。
【0127】次に、CPU41は、このようにしてその
ときに求めた時間tx(= L/V(k)+t(k)−
t(m+1))が、それまでに求めた時間txの最小値
tx(min)以下であるか否かを判定する(ステップ
186)。tx(min)よりも小さければ、ステップ
188へ進んで、 tx(min)、k(min)を更
新する。つまり、このときに求めた時間txを新たな最
小時間tx(min)とする。また、この新たなtx
(min)を求めた際のkをk(min)とする。この
後は、ステップ190へ進む。一方、ステップ186に
おける判定の結果、そのときに求めた時間txが最小値
tx(min)以下ではなかった場合には、そのままス
テップ190へ進む。
【0128】なお、ステップ178における初期設定に
よってtx(min)=tmaxとされているため、初
めてこのステップ188を行う際には、txは必ずtx
(min)(このときには、tmax )よりも小さく
なり、ステップ188へ進むことになる。
【0129】ステップ190において、CPU41は、
kがnに達しているか否かを判定する。判定の結果、n
に達していなければ、ステップ180へ戻り、kをイン
クリメントした上でまた同様の処理を繰り返す。以上の
処理(ステップ180〜ステップ190)を繰り返すこ
とで、CPU41は、時間txがもっとも短くなるkを
求めることができる。
【0130】一方、ステップ190における判定の結
果、kがnに達していた場合には、それまでの処理によ
って求められた条件に従って印刷を開始するべくステッ
プ192へ進む。ステップ192において、CPU41
はk(min)に対応する定着器の温度T(k)を求
め、これを定着制御温度として設定する。さらには、用
紙走行速度としてV(k)を設定する。
【0131】この後、CPU41は、定着器の温度がT
(k)に達するのを待つ(ステップ194)。そして、
定着器の温度がT(k)に達した時点で、用紙走行速度
V(k)で印刷を開始する。
【0132】次に具体的な数値に基づいて効果を検討す
る。
【0133】ここでは、用紙走行速度として、50mm
/sと100mm/sとの2つを備えているものとす
る。また、用紙走行速度が50mm/sである場合の定
着温度を150℃、用紙走行速度が100mm/sであ
る場合の定着温度を200℃とする。定着器の温度上昇
速度は3℃/秒とする。
【0134】A4サイズ(210mm×297mm)の
用紙を横方向(短辺を用紙の走行方向に向けた状態)に
して用いる場合について考える。ここでは、定着器温度
が150℃の時に、印刷起動受けたものとする。用紙走
行速度を50mm/sに設定する場合には、定着器温度
は既に150℃となっているため、すぐに印刷を開始で
きる。従って、印刷に要する時間は、13.4秒であ
る。これに対し、用紙走行速度を100mm/sに設定
する場合には、印刷を開始する前に定着器温度を50℃
(=200℃−150℃)だけ上昇させなければならな
い。従って、印刷が完了するまでの時間、すなわち、こ
の温度上昇に要する時間と、印刷に要する時間との合計
は、19.7秒である。これに対し、極端に長い用紙、
ここでは、用紙走行方向の長さが1000mmの用紙を
用いる場合について考える。この場合も同様に、定着器
温度が150℃の時に、印刷起動受けたものとする。用
紙走行速度を50mm/sに設定する場合には、定着器
温度は既に150℃となっているため、すぐに印刷を開
始できる。従って、印刷に要する時間は、29.2秒で
ある。これに対し、用紙走行速度を100mm/sに設
定する場合には、印刷を開始する前に定着器温度を50
℃(=200−150)だけ上昇させなければならな
い。従って、印刷が完了するまでの時間、すなわち、こ
の温度上昇に要する時間と印刷に要する時間との合計
は、27.6秒である。従って、A4用紙(長さ210
mm)は150℃で印刷を行い、長さ1000mm用紙
は200℃に達した後に印刷を行った方が印刷用紙の排
出までの時間が短縮できる。
【0135】本実施の形態3では、印刷用紙の用紙長を
考慮した制御を行うことで、用紙の長短に関係無く常に
全体のスループットを向上できる。また、実施の形態2
と同様の効果も得られる。
【0136】上述した説明は片面印刷の場合についての
ものであったが、本発明は両面印刷の場合にも適用可能
である。但し、表面と裏面とで印刷速度が異なる場合に
は、裏面印刷用の速度設定テーブルを別途備える必要が
ある。
【0137】実施の形態4.本実施の形態4のプリンタ
は、印刷中も定着器の加熱を継続することで、その時の
温度に合わせて、用紙1枚毎に、印刷速度を更新してゆ
くことを主な特徴としている。
【0138】本実施の形態4は、機構制御部2のCPU
41によって行われている印刷の制御の内容が実施の形
態1とは異なる。これ以外のプリンタの基本構成は、実
施の形態1と同様である。従ってこれ以降の説明はCP
U41等による印刷制御の内容を中心に行う。
【0139】CPU41は、機構制御部2および機構部
3の全体を制御するものであり、各部を制御して印刷を
実行させる機能を備えている。特に本実施の形態4にお
いては、印刷中も定着器ランプ22をONにして定着器
(ヒートローラ23)の加熱を継続するようになってい
る。また、印刷開始時点での定着器の温度をあらかじめ
印刷1枚毎に予測するとともに、その予測温度に応じて
印刷速度等をあらかじめ設定する機能を備えている。こ
のような温度予測、印刷制御に際して必要なデータは、
プログラムROM42等にあらかじめ用意されている。
【0140】プログラムROM42に格納されているデ
ータとしては、定着器の温度上昇プロフィールTP、印
刷可能最低温度、温度低下幅(後述するTd1, Td
2,・・・)、速度設定テーブル等が挙げられる。
【0141】温度上昇プロフィールTPとは、印刷を行
うことなく定着器を加熱した場合における温度の経時変
化である(図16参照)。
【0142】印刷可能最低温度とは、印刷を実行可能な
最低の温度であり、主としてトナーの融点によって決定
される。図16においては、温度T0が印刷可能最低温
度に相当する。
【0143】温度低下幅(後述するTd1, Td2,
・・・)とは、印刷の実行が定着器の温度上昇に与える
影響を示すデータであり、用紙サイズ毎に設定されてい
る。これは、印刷の実行が定着器の温度上昇に対して影
響するのは用紙が定着器(特に、ヒートローラ23)か
ら熱を奪うからであり、その奪う熱量は用紙のサイズに
よって異なるからである。なお、印刷に用いられる用紙
のサイズは、上位装置から印刷データとともに送信され
てくるようになっている。また、用紙カセット36内に
セットされた用紙サイズは、プリンタのデータRAM4
3に記憶されるようになっている。
【0144】速度設定テーブルは、実施の形態1におけ
る速度設定テーブル(図5)と同様のものである。
【0145】これら温度上昇プロフィールTP、温度低
下幅、速度設定テーブル等は、あらかじめ実験によって
得られた結果に基づいて作成されている。
【0146】本実施の形態4のプリンタの動作を図1
5,図16を用いて説明する。
【0147】図15は、機構制御部2のCPU41によ
るプログラム制御のフローチャートである。図16は、
定着器の温度制御動作タイムチャートである。この図1
6における温度上昇プロフィールTPは、印刷を全く行
わなかった場合についてのものである。
【0148】待機状態が解除されると、あるいは電源が
投入されると、CPU41は定着器ランプ22をONに
して定着器の加熱を開始する(ステップ202)。その
後は、定着器の温度を監視しつつ、その温度が印刷可能
最低温度(図16における温度T0)に達するのを待つ
(ステップ204,ステップ206)。なお、定着器の
温度は、サーミスタ21により検出結果に基づいて判定
している。先に述べたとおり、この印刷可能最低温度と
は、印刷開始可能な最低の温度であり、主としてトナー
の融点によって決定される。
【0149】ステップ206における判定の結果、印刷
可能最低温度まで達していた場合には、続いて、CPU
41は、データ受信/編集処理部1に受信済みの印刷デ
ータが何枚分蓄積されているかを確認する(ステップ2
08)。また、1枚目の印刷開始温度として、印刷可能
最低温度T0を初期設定する(ステップ209)。これ
以降は、蓄積された印刷データが3枚であった場合を例
にとって説明を行う。
【0150】まずCPU41は、1枚目の印刷開始温度
(ここでは印刷可能最低温度T0)に達した時点ですぐ
に1枚目の印刷を開始するものとして、印刷速度V1、
印刷時間TS1、温度低下幅Td1を求める(ステップ
210)。ここで、印刷速度V1とは、1枚目の印刷を
行う場合における用紙の走行速度であり、1枚目の印刷
を開始する際の定着器の温度(ここでは、印刷可能開始
温度T0)によって異なる。印刷時間TS1とは、1枚
目の印刷に要する時間であり、これには1枚目の印刷完
了後2枚目の印刷が開始されるまでの時間も含まれる。
温度低下幅Td1とは、定着器の温度がT0となってい
る状態で印刷を行ったことに起因して生じた温度上昇の
鈍化幅である。つまり、図16に示すとおり、印刷をし
ていなかった場合には、時間TS1経過後における定着
器の温度は、温度上昇プロフィールTP上のTr1とな
っているはずである。しかし、印刷を行ったことで、温
度上昇が鈍化し、実際には温度Tr1よりも低くなって
いる。温度低下幅Td1とは、この温度Tr1と、実際
の温度との差に相当する。なお、このような温度低下
は、定着器が用紙に熱を奪われることで生じる。これら
の各種値は、印刷可能最低温度T0をパラメータとし
て、実験からもとめられる値である。
【0151】次に、CPU41は2枚目の印刷開始温度
を求める(ステップ212)。すなわち、温度上昇プロ
フィールTP(図16参照)から、温度T0の状態か
ら、印刷を行うことなく時間TS1が経過した後の温度
Tr1を求める。そして、このTr1からステップ21
0で求めたTd1を減算することで、2枚目の印刷開始
温度T1を求めることができる。
【0152】次に、CPU41は、このようにして求め
たT1をパラメータとして、印刷速度V2、印刷時間T
S2、温度低下分Td2を求める(ステップ214)。
ここで、印刷速度V2とは、定着器の温度がT1の状態
で、印刷を行う場合における用紙の走行速度である。印
刷時間TS2とは、1枚目の印刷に要する時間であり、
これには2枚目の印刷完了後3枚目の印刷が開始される
までの時間も含まれる。温度低下幅Td2とは、定着器
の温度がT1となっている状態で印刷を開始した場合に
生じる温度上昇の鈍化幅である。つまり、図16に示す
とおり、印刷をしていなかった場合には、時間TS2経
過後における定着器の温度は、温度上昇プロフィールT
P上のTr2となっているはずである。しかし、印刷を
行ったことで、温度上昇が鈍化し、実際には温度Tr2
よりも低くなっている。温度低下幅Td2とは、この温
度Tr2と、実際の温度との差に相当する。
【0153】次に、CPU41は3枚目の印刷開始温度
を求める(ステップ216)。すなわち、温度上昇プロ
フィールTP(図16参照)から、温度T0の状態か
ら、印刷を行なうことなく時間(TS1+TS2)が経
過した後の温度Tr2を求める。そして、このTr2か
ら(Td1+Td2)を減算することで、3枚目の印刷
開始温度T2を求めることができる。
【0154】さらに、CPU41は、このT2をパラメ
ータとして、3枚目の印刷に際しての印刷速度V3、印
刷時間TS3、温度低下分Td3を、ステップ214と
同様にして求める(ステップ218)。
【0155】これ以降、CPU41はこれまでに求めた
条件に従いつつ印刷を実行する。すなわち、CPU41
は、まず、ステップ210で求めた印刷速度Vlで1枚
目の印刷を行う(ステップ220)。この1枚目の印刷
終了後は、定着器の温度が先に求めた印刷開始温度T1
になっているか否かを判定する(ステップ222)。判
定の結果、実際にはT1まで達していなかった場合に
は、温度がT1に達するのをそのまま待つ。一方、T1
に達していた場合には、ステップ214で求めた印刷速
度V2で2枚目の印刷を行う(ステップ224)。2枚
目の印刷終了後は、定着器の温度がステップ216で求
めた印刷開始温度T2になっているか否かを判定する
(ステップ226)。判定の結果、実際にはT2まで達
していなかった場合には、温度がT2に到達するのをそ
のまま待つ。一方、T2に達していた場合には、ステッ
プ218で求めた印刷速度V3で3枚目の印刷を行う
(ステップ228)。
【0156】ここでの説明は印刷データが3枚分蓄積さ
れている場合を例にとって述べた。蓄積されている印刷
データが1枚だけである場合には、ステップ212,2
14,216,218は行われることはない。蓄積され
ている印刷データが2枚だけである場合には、ステップ
216,218は行われることはない。蓄積されている
印刷データがN(N≧4)枚蓄積されている場合には、
ステップ210の実行後、ステップ212およびステッ
プ214とほぼ同様の処理を、N−1回繰り返すこと
で、すべての頁(印刷データ)についての印刷速度、印
刷開始温度を決定する。そして、その後、1枚目の印刷
を開始する。印刷開始後には、当然、ステップ220お
よびステップ222と同様の処理を、印刷データの枚数
分だけ繰り返し行うことになる。
【0157】以上説明したとおり本実施の形態4によれ
ば印刷開始するまでの時間を短縮することができ、操作
者に不安感を抱かせることもなくなる。また、複数枚を
連続して印刷する場合には、1枚毎に徐々に用紙走行速
度すなわち印刷速度を高めてゆくことができる。すなわ
ち、1枚目の印刷開始までの時間の短縮と、複数枚を連
続する場合における全体としての印刷時間の短縮とを両
立できる。
【0158】実施の形態5.本実施の形態5は、印刷終
了までに要する時間が最短となるような印刷条件(印刷
開始温度、印刷速度等)を印刷データの枚数をも考慮し
て予測し、この予測によって求めた条件で印刷を行うこ
とを主な特徴としている。
【0159】本実施の形態5は、機構制御部2のCPU
41によって行われている印刷の制御の内容が実施の形
態4とは異なる。これ以外のプリンタの基本構成は、実
施の形態4と同様である。従ってこれ以降の説明はCP
U41等による印刷制御の内容を中心に行う。
【0160】CPU41は、機構制御部2および機構部
3の全体を制御するものであり、各部を制御して印刷を
実行させる機能を備えている。特に本実施の形態5にお
いては、印刷中も定着器ランプ22をONにして定着器
(ヒートローラ23)の加熱を継続するようになってい
る。また、印刷開始時点での定着器の温度をあらかじめ
予測するとともに、その予測温度に応じて印刷速度等を
求める機能を備えている。さらには、印刷データが何枚
あるかをも考慮して、印刷終了までに要する時間が最も
短くなるような印刷条件(印刷開始温度、印刷速度等)
を探索する機能を備えている。このような温度予測、印
刷制御に際して必要なデータは、プログラムROM42
等にあらかじめ用意されている。
【0161】プログラムROM42に格納されているデ
ータとしては、定着器の温度上昇プロフィールTP、印
刷可能最低温度、温度低下幅(後述するTd1, Td
2,・・・)、速度設定テーブル等が挙げられる。これ
らについては実施の形態4と同様のものであるため説明
を省略する。
【0162】本実施の形態5のプリンタの動作を図1
6,図17を用いて説明する。
【0163】図17は、機構制御部2のCPU41によ
るプログラム制御のフローチャートである。図16は、
定着器の温度制御動作タイムチャートである。この図1
6における温度上昇プロフィールTPは、印刷を全く行
わなかった場合についてのものである。
【0164】まず、CPU41は、定着器の温度を印刷
可能最低温度にまで上昇させた上で、印刷1枚毎につい
ての印刷開始温度、印刷速度、温度低下幅、印刷時間を
計算で求め、これを互いの対応関係を明確にした上でデ
ータRAM43に保持する(ステップ242〜ステップ
258)。この図17の例では、印刷データが3枚ある
ことを仮定し、印刷開始温度T1,T2、印刷速度V
1,V2,V3、温度低下幅Td1,Td2,Td3、
印刷時間TS1,TS2,TS3を求めている。このス
テップ242〜ステップ258の個々のステップにおけ
る処理については、実施の形態4の図15におけるステ
ップ202〜ステップ218と同様であるため、説明を
省略する。但し、本実施の形態5においては、後述する
ように、このステップ250〜ステップ258の処理を
繰り返すことで総印刷時間がもっとも短くなる場合を探
索している。この場合、ステップ250〜ステップ25
8の計算(図15におけるステップ210〜ステップ2
18に相当)においては、前提条件として、1枚目の印
刷開始温度があらかじめ与えられていることが必要であ
る。第1回目の計算においてはステップ249において
設定された印刷可能最低温度がこの1枚目の印刷開始温
度として採用される。第2回目以降の計算においては、
後述するとおりこの1枚目の印刷開始温度を所定温度ず
つ高くしていくようになっている。
【0165】ステップ258の後、CPU41は、3枚
分の総印刷時間(=TS1+TS2+TS3)を求め、
これをこのときの計算の前提となった1枚目の印刷開始
温度の設定値等と対応づけてデータRAM43に保持す
る(ステップ260)。
【0166】次に、CPU41は、1枚目の印刷開始温
度として、それまでの設定値よりも所定温度だけ高い温
度を設定する(ステップ262)。
【0167】この後、この1枚目の印刷開始温度の新た
な設定値が既に制御目標温度に達しているか否かを判定
する(ステップ264)。判定の結果、まだ達していな
ければ、ステップ250に戻り再び同様の処理を繰り返
すことで、1枚目の印刷開始温度としてステップ262
において設定された新たな値を採用した場合における総
印刷時間を再び求める。CPU41は、ステップ264
における判定の結果が、この1枚目の印刷開始温度の設
定値が制御目標温度に達するまでこの後も同様の処理を
繰り返す。
【0168】ステップ264における判定の結果、この
1枚目の印刷開始温度の設定値が制御目標温度に達して
いた場合、CPU41はこれまで求めた総印刷時間の中
でもっとも短いものを判別するとともに、この総印刷時
間がもっとも短くなる場合の1枚目の印刷開始温度を選
択し、これを実際の1枚目の印刷開始温度Tstとして
設定する(ステップ266)。
【0169】これ以降、CPU41は、このようにして
設定された1枚目の印刷開始温度Tstおよびこれを前
提条件として先に求められた印刷開始温度T1,T2、
印刷速度V1,V2,V3に従って印刷を実行する(ス
テップ268〜ステップ276)。すなわち、CPU4
1は、定着器の温度がこのようにして設定された1枚目
の印刷開始温度Tstに到達しているか否かを判定する
(ステップ268)。判定の結果、まだTstに到達し
ていなかった場合には、温度がTstに到達するのをそ
のまま待つ。一方、Tstに到達していた場合には、1
枚目の印刷を行う(ステップ270)。この1枚目の印
刷終了後は、定着器の温度が先に求めた印刷開始温度T
1になっているか否かを判定する(ステップ272)。
判定の結果、実際にはT1まで達していなかった場合に
は、温度がT1に達するのをそのまま待つ。一方、T1
に達していた場合には、先に求めた印刷速度V2で2枚
目の印刷を行う(ステップ274)。2枚目の印刷終了
後は、定着器の温度が先に求めた印刷開始温度T2にな
っているか否かを判定する(ステップ276)。判定の
結果、実際にはT2まで達していなかった場合には、温
度がT2に到達するのをそのまま待つ。一方、T2に達
していた場合には、先に求めた印刷速度V3で3枚目の
印刷を行う(ステップ278)。
【0170】ここでの説明は印刷データが3枚分蓄積さ
れている場合だけを例にとって述べた。蓄積されている
印刷データが1枚だけである場合には、ステップ25
2,254,256,258は行われることはない。蓄
積されている印刷データが2枚だけである場合には、ス
テップ256,258は行われることはない。蓄積され
ている印刷データがN(N≧4)枚蓄積されている場合
には、ステップ250の実行後、ステップ252および
ステップ254とほぼ同様の処理を、N−1回繰り返す
ことで、すべての頁(印刷データ)についての印刷速
度、印刷開始温度を決定する。そして、その後、ステッ
プ260〜ステップ264の処理を行うことになる。ま
た、印刷開始後には、当然、ステップ268およびステ
ップ270と同様の処理を、印刷データの枚数分だけ繰
り返し行うことになる。
【0171】以上説明したとおり本実施の形態5によれ
ば、印刷に要する時間が最も短くなるような印刷条件
(印刷開始温度、印刷速度)を印刷データの枚数も考慮
して予測し、この予測によって求めた条件で印刷を行っ
ている。従って、定着器が定格の制御目標温度に達して
から印刷を開始する場合に較べて、短時間で印刷を完了
できる。
【0172】なお、総印刷時間の求め方は上述した手法
に限定されるものではなく、他の手法によって求めても
構わない。
【0173】実施の形態6.本実施の形態6は、実施の
形態5と同様に、印刷終了までに要する時間が最短とな
るような印刷条件(印刷開始温度、印刷速度等)を印刷
データの枚数をも考慮して予測し、この予測によって求
めた条件で印刷を行っている。さらに、本実施の形態6
においては、この予測を所定枚(ここでは1枚)印刷す
る毎にすべてやり直すことで、印刷実行中に生じる状況
変化(例えば、新たな印刷データが送られてきたこと)
に即座に対応して常に最短の時間で印刷が完了できるよ
うにしたことを主な特徴とする。
【0174】本実施の形態6は、機構制御部2のCPU
41によって行われている印刷の制御の内容が実施の形
態5とは異なる。これ以外のプリンタの基本構成は、実
施の形態5と同様である。従ってこれ以降の説明はCP
U41等による印刷制御の内容を中心に行う。
【0175】CPU41は、機構制御部2および機構部
3の全体を制御するものであり、各部を制御して印刷を
実行させる機能を備えている。特に本実施の形態6にお
いては、実施の形態5と同様に、印刷中も定着器ランプ
22をONにして定着器(ヒートローラ23)の加熱を
継続するようになっている。また、印刷開始時点での定
着器の温度をあらかじめ予測するとともに、その予測温
度に応じて印刷速度等を求める機能を備えている。ま
た、印刷データが何枚あるかをも考慮して、印刷終了ま
でに要する時間が最も短くなるような印刷条件(印刷開
始温度、印刷速度等)を探索する機能を備えている。さ
らに本実施の形態6においてはこの予測を1枚印刷する
毎にすべてやり直すようになっている。このような温度
予測、印刷制御に際して必要なデータは、プログラムR
OM42等にあらかじめ用意されている。
【0176】プログラムROM42に格納されているデ
ータとしては、実施の形態5と同様、定着器の温度上昇
プロフィールTP、印刷可能最低温度、温度低下幅(後
述するTd1, Td2,・・・)、速度設定テーブル
等が挙げられる。
【0177】本実施の形態6のプリンタの動作を図1
8,図19,図20を用いて説明する。
【0178】図18は、機構制御部2のCPU41によ
るプログラム制御のフローチャートである。図19,図
20は、定着器の温度制御動作タイムチャートである。
この図19,図20における温度上昇プロフィールTP
は、印刷を全く行わなかった場合についてのものであ
る。
【0179】先に述べたとおり、温度予測、印刷条件の
設定等の処理そのものについては、実施の形態5と同様
である。本実施の形態6では、このような処理を印刷1
枚毎にすべてやり直すことで、印刷実行中に生じた状況
変化に逐次対応可能としたことを主な特徴としている。
従ってこれ以降の説明は、この特徴を中心に述べること
にする。
【0180】まず、CPU41は、印刷開始温度、印刷
速度等の第1回目の予測を行う(ステップ302〜ステ
ップ320)。このステップ302〜ステップ320の
処理は、基本的には、実施の形態5の図17におけるス
テップ242〜ステップ264と同様である。但し、こ
こでは、印刷データが2枚分となっている。
【0181】この後、CPU41は、第1回目の予測に
よって求められた、その時点での印刷データのすべてを
印刷し終わるのに要する時間が最短となる印刷開始温度
を、実際の印刷開始温度Tst1aとして採用すること
を決定する(ステップ322)。そして、定着器の温度
がこのようにして決定された印刷開始温度Tst1aに
到達するのを待って(ステップ324)、1枚目の印刷
を実行する(ステップ326)。1枚目の印刷後、CP
U41は、定着器の温度が2枚目の印刷開始温度T1a
に達するのを待つ(ステップ328)。
【0182】ステップ328において2枚目の印刷開始
温度T1aに達していた場合、CPU41は、印刷開始
温度、印刷速度等の第2回目の予測を行う(ステップ3
30〜ステップ346)。ステップ330〜346の処
理は、基本的にはステップ308〜ステップ320と同
様である。但し、ここでは、印刷データが3枚分となっ
ている。
【0183】この後、CPU41は、第2回目の予測に
よって求められた、その時点での印刷データのすべてを
印刷し終わるのに要する時間が最短となる印刷開始温度
を、実際の印刷開始温度Tst1bとして採用すること
を決定する(ステップ348)。そして、定着器の温度
がこのようにして決定された印刷開始温度Tst1bに
到達するのを待って(ステップ350)、1枚目(最初
からの累計では2枚目)の印刷を実行する(ステップ3
52)。
【0184】この印刷後、CPU41は、定着器の温度
が2枚目(当初からの累計では3枚目)の印刷開始温度
T1bに達しているか否かを判定する(ステップ35
4)。まだ達していなければそのまま待つ。一方、印刷
開始温度T1bに達していた場合には、再び、受信済み
の印刷データの枚数をチェックする。
【0185】これ以降も1枚印刷する毎に、ステップ3
08〜ステップ328と同様の処理を繰り返すことで、
その都度、その時の状況に合わせて印刷条件を変更しつ
つ印刷を行っていく。そして、最終的には、印刷データ
がすべてなくなった時点で印刷処理を終了する。
【0186】以上説明したとおり本実施の形態6では、
印刷を複数枚連続して行う場合には適宜予測をやり直し
ているため、印刷中に生じた状況変化に的確に対応する
ことができる。例えば、印刷データのすべてを受け取る
前に印刷を開始した場合には、印刷中にもその都度印刷
データが送られてくるが、本実施の形態6のプリンタで
はこのような印刷開始後における印刷データの追加が生
じても、常に、最短の時間で印刷を終了可能である。ま
た、定着器の温度が印刷可能最低温度には達している
が、定格の定着温度には達していない状態で印刷を開始
した場合でも、同様に常に最短の時間で印刷を終了可能
である。
【0187】なお、予測をやり直すタイミングは、印刷
1枚毎に限定されるものではない。例えば、印刷2枚毎
に行うようにしてもよい。予測をやり直すタイミング、
頻度は、予測の実行に要する時間、印刷データの転送に
要する時間等を考慮して決定すればよい。
【0188】実施の形態7.本実施の形態7は、定着器
の加熱に際して、その温度が印刷可能最低温度に到達す
るまでの時間を予測しこれを表示することを主な特徴と
している。
【0189】本実施の形態7は、機構制御部2のCPU
41によって行われている印刷の制御の内容が実施の形
態4とは異なる。これ以外のプリンタの基本構成は、実
施の形態4と同様である。従ってこれ以降の説明はCP
U41等による印刷制御の内容を中心に行う。
【0190】CPU41は、機構制御部2および機構部
3の全体を制御するものであり、各部を制御して印刷を
実行させる機能を備えている。特に本実施の形態7にお
いては、定着器の加熱に際してその温度が印刷可能最低
温度に到達するまでの時間を予測しこれを表示する機能
を備えている。これ以外の点は、実施の形態4と同様で
ある。
【0191】本実施の形態7のプリンタの動作を図2
1,図22を用いて説明する。
【0192】図21は、機構制御部2のCPU41によ
るプログラム制御のフローチャートである。図22は、
定着器の温度制御動作タイムチャートである。
【0193】本実施の形態7におけるCPU41の動作
は、実施の形態4における動作(図15)とほぼ同様で
ある。但し、本実施の形態7では、図15におけるステ
ップ202〜ステップ206に代わって、図21に示し
た処理を行うようになっている。以下の説明は、実施の
形態4(図15)との相違点を中心に述べることにす
る。
【0194】待機状態が解除されると、あるいは電源が
投入されると、CPU41は定着器ランプ22をONに
して定着器の加熱を開始する(ステップ402)。
【0195】続いて、CPU41は、データ受信/編集
処理部1に受信済みの印刷データの有無を確認する(ス
テップ404)。その結果、印刷データがある場合に
は、定着器のその時の温度Tcを読み取る(ステップ4
06)。そして、読み取った温度Tcに基づいて、温度
上昇プロフィールTPを参照することで、印刷可能最低
温度T0に到達するまでの時間Tdspを求める(ステ
ップ408)。そして、このようにして求めた時間Td
spを示すデータを、データ受信/編集処理部1へ送
る。これを受け取ったデータ受信/編集処理部1のマイ
クロプロセッサ11は、この時間Tdspを操作部表示
部17に表示させる(ステップ410)。
【0196】なお、ステップ404において受信済みの
印刷データがなかった場合には、直接、ステップ412
へ進む。
【0197】ステップ412において、CPU41は、
定着器のその時の温度Tcを読み取り(ステップ41
2)、このとき読み取った温度Tcが既に印刷可能最低
温度T0に到達しているか否かを判定する(ステップ4
14)。判定の結果、まだ印刷可能最低温度T0に到達
していない場合には、再びステップ404に戻り同様の
処理を繰り返す。これにより、印刷可能最低温度T0に
到達するまで、操作部表示部17へ印刷が開始されるま
での時間が、更新を繰り返しながら表示されていくこと
になる。
【0198】ステップ414において印刷可能最低温度
T0に到達していた場合には、図15におけるステップ
208以降の処理に移る。
【0199】以上説明したとおり本実施の形態7によれ
ば、印刷開始までの残り時間が表示されるため、印刷開
始までの待ち時間がわからず操作者がいらいらすること
がなくなる。この他、実施の形態4と同様の効果も得ら
れる。
【0200】なお、残り時間の報知の仕方は表示に限る
ものではなく、音声で報知するようにしても構わない。
【0201】
【発明の効果】以上説明した通り本発明のプリンタおよ
びその制御方法では、連続印刷時の高速性と、1枚目の
印刷完了までの時間の短縮とを両立させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるプリンタの概
要を示す図である。
【図2】 データ受信/編集処理部の構成を示す図であ
る。
【図3】 機構部の構成を示す分解斜視図である。
【図4】 機構制御部の構成を示す図である。
【図5】 速度設定テーブルを示す図である。
【図6】 プリンタの用紙走行速度(V)と、その速度
(V)において定着性を満足する定着温度Tとの関係の
一例を示すグラフである。
【図7】 本発明の実施の形態1における機構制御部の
CPUによる印刷の制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】 本発明の実施の形態1における印刷制御の様
子を示すタイムチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態1における印刷制御の様
子を示すタイムチャートである。
【図10】 本発明の実施の形態2における機構制御部
のCPUによる印刷の制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図11】 実施の形態2における印刷制御の様子を示
すタイムチャートである。
【図12】 プログラムROMに格納されている情報の
一部(用紙サイズ、用紙走行路長)を示す図である。
【図13】 プログラムROMに格納されている情報の
一部(定着器の温度上昇曲線)を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態3における機構制御部
のCPUによる印刷の制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図15】 本発明の実施の形態4における機構制御部
のCPUによるプログラム制御のフローチャートであ
る。
【図16】 本発明の実施の形態4における定着器の温
度制御動作タイムチャートである。
【図17】 本発明の実施の形態5における機構制御部
のCPUによるプログラム制御のフローチャートであ
る。
【図18】 本発明の実施の形態6における機構制御部
のCPUによるプログラム制御のフローチャートであ
る。
【図19】 本発明の実施の形態6における定着器の温
度制御動作タイムチャートである。
【図20】 本発明の実施の形態6における定着器の温
度制御動作タイムチャートである。
【図21】 本発明の実施の形態7における機構制御部
のCPUによるプログラム制御のフローチャートであ
る。
【図22】 本発明の実施の形態7における定着器の温
度制御動作タイムチャートである。
【図23】 従来の電子写真プリンタの概要を示す図で
ある。
【図24】 従来の印刷部の概要を示す図である。
【図25】 従来の温度制御を示す図である。
【図26】 従来の印刷制御を示すフローチャートであ
る。
【図27】 イメージデータへの展開時間が短い場合に
おける、従来の印刷動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図28】 イメージデータへの展開時間が長い場合に
おける、従来の印刷動作を示すタイミングチャートであ
る。
【符号の説明】
1 データ受信/編集処理部、 2 機構制御部、 3
機構部、 11 マイクロプロセッサ、 12 デー
タバス、 13 アドレスバス、 14 データRA
M、 15 プログラムROM、 16 メモリコント
ロール回路、 17 操作部表示部、 18 操作部制
御回路、 19 エンジンインターフェース回路、 2
0 ネットワークインターフェース制御回路、 21
サーミスタ、 22 定着器ランプ、 23 ヒートロ
ーラ、 24 リードコンタクト、25 バックアップ
ローラ、 26 定着器モータ、 27 ドラムユニッ
ト、 28 ドラムモータ、 29 書き込み開始セン
サ、 30 転写ローラ、31 レジストモータ、 3
2 レジストローラユニット、 33 用紙入り口セン
サ、 34 ホッピングモータ、 35 ホッピングロ
ーラ、 36 用紙カセット、 41 マイクロプロセ
ッサ(CPU)、 42 プログラムROM、 43
データRAM、 44 ドラムモータ駆動回路、 46
定着器モータ駆動回路、 48 ホッピングモータ駆
動回路、 50 レジストモータ駆動回路、 53 用
紙入り口センサ回路、 55 書き込み開始センサ回
路、57 サーミスタ検出回路、 58 エンジンイン
ターフェース回路、 59定着器ランプON/OFF回
路、 61 ヘッドデータ転送回路、 62 LEDヘ
ッド、 71 端末、 72 電子写真プリンタ、 7
3 制御部、 74印刷部、 75 電子写真プロセ
ス、 76 プリンタインターフェース部、77 印刷
用紙供給部、 78 印刷用紙、 79 給紙ローラ、
80 レジストローラ、 81 印刷用紙、 82
感光体ドラム、 83 現像器、84 露光器、 85
帯電器、 86 転写器、 87 定着器、 89
排出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H027 DA12 DA32 DA39 EA12 EA18 EC06 EC08 ED25 EE03 EE07 EF09 ZA07 2H033 AA01 AA20 AA29 CA03 CA04 CA05 CA07 CA20 CA28 CA30 CA32 CA36 CA48 CA57 9A001 BB02 BB06 CC01 FZ03 GG01 HH33 HH34 KK42

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に、該用紙を所定の走行速度で加熱部を通過させて画像
    を定着させることで、印刷を行うプリンタの制御方法に
    おいて、 印刷開始前に加熱部の温度を検出し、該検出した温度に
    応じた用紙の走行速度を求め、未定着の画像が形成され
    た用紙を、この求めた走行速度で前記加熱部を通過させ
    て定着を行うことを特徴とするプリンタの制御方法。
  2. 【請求項2】 定着が行われない状態が所定時間以上続
    く場合には、この間に加熱部の温度を上昇させ、次に定
    着を行う際には改めて用紙の走行速度を設定しなおすこ
    とを特徴とする請求項1記載のプリンタの制御方法。
  3. 【請求項3】 用紙に未定着の画像を形成するとともに
    該用紙を所定の走行速度で加熱部を通過させてこの画像
    を定着させることで印刷を行い、印刷後の用紙を用紙排
    出部に排出するプリンタの制御方法において、 印刷処理の起動から、印刷後の用紙を排出し終わるまで
    の時間が最短となる最短印刷条件を求め、求めた最短印
    刷条件に従って、前記加熱部の温度および用紙の走行速
    度を設定したうえで印刷を開始することを特徴とするプ
    リンタの制御方法。
  4. 【請求項4】 印刷を開始した以降の期間において前記
    加熱部を昇温させるとともに、最短印刷条件を所定のタ
    イミングで繰り返し求め、その度毎に、新たに求められ
    た最短印刷条件に従って前記加熱部の温度および用紙の
    走行速度を設定しなおすことを特徴とする請求項3記載
    のプリンタの制御方法。
  5. 【請求項5】 前記最短印刷条件を、前記加熱部を昇温
    させた場合における温度の経時変化を示す温度変化情報
    に基づいて求めることを特徴とする請求項3または4記
    載のプリンタの制御方法。
  6. 【請求項6】 前記最短印刷条件を、さらに、用紙の長
    さ、用紙間の間隔、およびそのときの加熱部の温度に基
    づいて求めることを特徴とする請求項5記載のプリンタ
    の制御方法。
  7. 【請求項7】 用紙に未定着の画像を形成するとともに
    該用紙を所定の走行速度で加熱部を通過させてこの画像
    を定着させることで、印刷を行うプリンタの制御方法に
    おいて、 前記加熱部を昇温させその温度が画像を定着できる最低
    の温度に達した時点で前記加熱部の昇温を継続したまま
    でそのとき受信されている印刷データの全頁を順次印刷
    した場合における、各頁それぞれについての印刷開始時
    における前記加熱部の温度を予測し、 この予測された温度に応じて、その頁の画像を定着する
    際の用紙の走行速度を決定することを特徴とするプリン
    タの制御方法。
  8. 【請求項8】 用紙に未定着の画像を形成するとともに
    該用紙を所定の走行速度で加熱部を通過させてこの画像
    を定着させることで、印刷を行うプリンタの制御方法に
    おいて、 印刷データのすべての頁を印刷するのに要する総印刷時
    間を算定する処理を、1枚目の印刷を開始する際の前記
    加熱部の温度である初期印刷開始温度を変更しつつ繰り
    返すことで、総印刷時間が最も短くなる最短印刷条件を
    求め、 求めた最短印刷条件で印刷を行うことを特徴とするプリ
    ンタの制御方法。
  9. 【請求項9】 前記最短印刷条件で所定枚を印刷する度
    ごとに、未印刷の印刷データについてあらためて最短印
    刷条件を求めなおすことを特徴とする請求項8記載のプ
    リンタの制御方法。
  10. 【請求項10】 前記総印刷時間を算定する処理は、 前記加熱部を昇温させその温度が画像を定着できる最低
    温度以上の初期印刷開始温度に達した時点で前記加熱部
    の昇温を継続したままでそのとき受信されている印刷デ
    ータの全頁を順次印刷した場合における、各頁それぞれ
    についての印刷開始時における前記加熱部の温度を予測
    し、 この予測された温度に応じてその頁の画像を定着する際
    の用紙の走行速度を決定し、決定した各頁それぞれにつ
    いての走行速度に基づいて各頁の印刷に要する時間を求
    め、さらに各頁の印刷に要する時間の総和を求めること
    であることを特徴とする請求項8または9記載のプリン
    タの制御方法。
  11. 【請求項11】 各頁それぞれについての印刷開始時に
    おける前記加熱部の温度の予測を、 前記加熱部を昇温させた場合における温度の経時変化を
    示す温度変化情報と、前記加熱部の温度とその温度での
    定着に適した用紙の走行速度とを対応づけた速度情報と
    に基づいて行うことを特徴とする請求項7または10記
    載のプリンタの制御方法。
  12. 【請求項12】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に該用紙を所定の走行速度で加熱部を通過させてこの画
    像を定着させることで、印刷を行うプリンタの制御方法
    において、 印刷開始に先だって前記加熱部を所定温度にまで昇温さ
    せるとともに、昇温途中においては1枚目の印刷を開始
    するまでの残り時間を求め、求めた残り時間を使用者に
    報知することを特徴とするプリンタの制御方法。
  13. 【請求項13】 用紙上に未定着の画像を形成する画像
    形成手段と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙に、所望の量の熱を与えることで画像を定着させる定
    着手段とを備え、 前記定着手段は、 その温度を所望の温度に制御され、ここを通過する用紙
    に熱を付与する加熱部と、 前記加熱部の温度を制御する温度制御手段と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙を、別途設定された走行速度で前記加熱部を通過させ
    る走行手段と、 前記加熱部の温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段が検出した温度に基づいてその時の前
    記加熱部の温度に応じた走行速度を求め、これを前記走
    行手段による用紙の走行速度として設定する制御手段と
    を有することを特徴とするプリンタ。
  14. 【請求項14】 前記定着手段による定着が所定時間以
    上行われないことを検知する使用状況検知手段を備え、 前記制御手段は、所定時間以上定着が行われないことを
    前記使用状況検知手段が検知した場合には、前記温度制
    御手段によって前記加熱部を昇温させ、次の用紙に対し
    定着を行う際には改めて用紙の走行速度を設定しなおす
    ことを特徴とする請求項13記載のプリンタ。
  15. 【請求項15】 前記走行手段による用紙の走行速度と
    前記加熱部の温度との対応関係を定義した速度情報を記
    憶した記憶手段を有し、 前記制御手段は、前記速度情報を参照することで、前記
    加熱部の温度に応じた走行速度を求めることを特徴とす
    る請求項13または14記載のプリンタ。
  16. 【請求項16】 用紙が収容される用紙収容部と、 印刷後の用紙が排出される用紙排出部と、 前記用紙収容部に収容された用紙を所定の搬送経路に沿
    って搬送し前記用紙排出部に排出する搬送手段と、 前記搬送手段によって搬送されてきた用紙上に未定着の
    画像を形成する画像形成処理を行う画像形成手段と、 その温度が所望の温度に設定される加熱部を備え、前記
    搬送手段によって所定の走行速度で搬送されてきた、前
    記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用紙
    に対し、前記加熱部によって所望の量の熱を与えてこの
    画像を定着させる定着手段と、 前記加熱部を所望の温度に制御する温度制御手段と、 前記画像形成手段によって画像形成処理が起動されてか
    ら、前記搬出手段が用紙を排出し終わるまでの時間が最
    短となる最短印刷条件を求める探索手段と、 前記探索手段の求めた前記最短印刷条件に従って、前記
    加熱部の温度および前記搬送手段による用紙の走行速度
    を設定する制御手段と、 を有することを特徴とするプリンタ。
  17. 【請求項17】 前記温度制御手段は、前記画像形成手
    段による画像の形成が開始されて以降の期間において前
    記加熱部を昇温させるものであり、 前記探索手段は、前記画像形成手段による画像の形成が
    開始された後も所定のタイミングで繰り返し最短印刷条
    件を求めるものであり、 前記制御手段は、前記探索手段が最短印刷条件を求める
    度毎に、新たに求められた最短印刷条件に従って前記加
    熱部の温度および前記搬送手段による用紙の走行速度を
    設定しなおすものであることを特徴とする請求項16記
    載のプリンタ。
  18. 【請求項18】 印刷データを受信する受信手段と、 用紙上に、受信手段に受信された印刷データに応じて未
    定着の画像を形成するとともに所望の量の熱を与えるこ
    とでこの画像を定着させることで、印刷を行う印刷手段
    とを備え、 前記印刷手段は、 用紙上に未定着の画像を形成する画像形成手段と、 その温度を所望の温度に制御され、ここを通過する用紙
    に熱を付与する加熱部と、 前記加熱部の温度を制御する温度制御手段と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙を、別途設定された走行速度で前記加熱部を通過させ
    る走行手段と、 前記加熱部の温度を検出する温度検出手段と、 前記加熱部を昇温させその温度が画像を定着できる最低
    の温度に達した時点で前記加熱部の昇温を継続したまま
    でそのとき前記受信手段に受信されている印刷データの
    全頁を順次印刷した場合における、各頁それぞれについ
    ての印刷開始時における前記加熱部の温度を予測する予
    測手段と、 前記予測手段の予測した温度に応じて、その頁の画像を
    定着する際における前記走行手段による用紙の走行速度
    を設定する制御手段とを有することを特徴とするプリン
    タ。
  19. 【請求項19】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に、該用紙を所定の走行速度で加熱部を通過させて画像
    を定着させることで、印刷を行うプリンタにおいて、 印刷データのすべての頁を印刷するのに要する総印刷時
    間を算定する処理を、1枚目の印刷を開始する際の前記
    加熱部の温度である初期印刷開始温度を変更しつつ繰り
    返すことで、総印刷時間が最も短くなる最短印刷条件を
    求める最短条件探索手段と、 前記最短条件印刷手段の求めた最短印刷条件で印刷を行
    う印刷手段とを有することを特徴とするプリンタ。
  20. 【請求項20】 前記最短条件探索手段は、前記最短印
    刷条件で所定枚が印刷される度ごとに、未印刷の印刷デ
    ータについてあらためて最短印刷条件を求めなおすもの
    であることを特徴とする請求項19記載のプリンタ。
  21. 【請求項21】 前記印刷手段は、 用紙に未定着の画像を形成する画像形成手段と、 前記画像形成手段によって画像が形成された用紙に、所
    望の量の熱を与えることで画像を定着させる定着手段と
    を備えて構成されたものであり、 前記定着手段は、 その温度を所望の温度に制御され、ここを通過する用紙
    に熱を付与する加熱部と、 前記加熱部の温度を制御する温度制御手段と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙を、別途設定された走行速度で前記加熱部を通過させ
    る走行手段と、 前記加熱部の温度を検出する温度検出手段とを備えて構
    成されたものであり、 前記最短条件探索手段は、 前記加熱部を昇温させその温度が画像を定着できる最低
    温度以上の初期印刷開始温度に達した時点で前記加熱部
    の昇温を継続したままでそのとき受信されている印刷デ
    ータの全頁を順次印刷した場合における、各頁それぞれ
    についての印刷開始時における前記加熱部の温度を予測
    する予測手段と、 前記予測手段によって予測された温度に応じてその頁の
    画像を定着する際の用紙の走行速度を決定し、さらに決
    定した各頁それぞれについての走行速度に基づいて各頁
    の印刷に要する時間を求め、さらに各頁の印刷に要する
    時間の総和を求めることで、前記総印刷時間を算定する
    算定手段とを備えて構成されることを特徴とする請求項
    19または20記載のプリンタ。
  22. 【請求項22】 前記予測手段は、前記温度制御手段に
    よって前記加熱部を昇温させた場合における温度の経時
    変化を示す温度変化情報と、前記加熱部の温度とその温
    度での定着に適した用紙の走行速度とを対応づけた速度
    情報とに基づいて、印刷開始時における前記加熱部の温
    度を予測するものであることを特徴とする請求項18ま
    たは21記載のプリンタ。
  23. 【請求項23】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に該用紙を所定の走行速度で加熱部を通過させてこの画
    像を定着させることで、印刷を行うプリンタにおいて、 印刷開始に先立って前記加熱部を所定の温度にまで昇温
    させる温度制御手段と、 1枚目の印刷を開始するまでの残り時間を求める演算手
    段と、 前記演算手段が求めた残り時間を使用者に報知する報知
    手段とを有することを特徴とするプリンタ。
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