JP2008015344A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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雅裕 醒井
Susumu Ono
進 小野
Shigeki Nishiyama
茂樹 西山
Noriyuki Tajima
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Abstract

【課題】トナー像を記録紙に定着させる定着処理の開始時において、加圧ローラの熱膨張に起因する記録紙の搬送不良を防止し、画像不良の発生を防止する。
【解決手段】定着装置5において、定着処理を開始すべく定着ベルト24を昇温する際に、サーミスタ27によって検出した定着ベルト24の温度から昇温速度を算出し、その昇温速度に基づき当該定着処理における加圧ローラ26の初期の回転速度を決定する構成とし、定着処理の開始時に、加圧ローラ26の熱膨張によるローラ外径の変化にかかわらず、記録紙の搬送速度を一定に維持可能なようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、トナー像を記録紙に定着させる定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真プロセスにより記録紙に画像を形成する画像形成装置(プリンタ、ファクシミリ、複写機及び複合機など)においては、感光体ドラムや中間転写ベルト等から記録紙上に転写された未定着のトナーを加熱溶融するとともに記録紙に圧着させる定着装置が設けられている。この種の定着装置では、加熱体(加熱ローラ、加熱ベルト等)とともに記録紙を挟持搬送する加圧ローラが熱膨張することで、記録紙の搬送速度が変化して他の搬送機構との間で記録紙の引っ張り合いやタワミなどが発生し、その結果、転写不良や光沢ムラなどの画像不良が発生する場合がある。そこで、そのようなローラの熱膨張に起因する定着処理への悪影響を回避するための技術が存在する。
例えば、加熱体とそれに圧接する加圧ローラとの圧接ニップ部に上流側の処理部から搬送された記録紙を導入して挟持搬送させる定着装置において、加圧ローラの温度を検知する温度検知手段を設け、当該温度検知手段の検知温度の情報に基づき加圧ローラの駆動を制御する技術が知られている(特許文献1参照)。また、転写部と定着部との間の記録紙の搬送位置(上下レベル)を検知可能なセンサを設け、その検知結果に基づきローラ回転数を切り替えて記録紙のループ量(たるみ量)をコントロールする技術が知られている(特許文献1参照)。
また、例えば、加熱部材と加圧部材との圧接部で記録材上にトナー像を定着させる定着手段と、加熱部材の温度を制御する温度制御手段と、記録材を搬送するローラ及び像担持体を駆動する駆動手段とを有する画像形成装置において、記録材が加熱部材と加圧部材との圧接部に存在しない時に、加熱部材に供給した電力量に基づき駆動手段の回転数を変速し、記録材搬送速度を制御する技術が知られている(特許文献2参照)。
特開平7−261584号公報 特開2003−295674号公報
ところで、上記特許文献1に記載の加圧ローラの温度の情報に基づき加圧ローラの駆動を制御する従来技術は、加圧ローラの表面温度を測定して加圧ローラの熱膨張を加圧ローラの駆動を制御に反映させるものである。しかしながら、電源投入直後などの加圧ローラ全体が十分に暖まっていないときには、加圧ローラの表面温度と他の部位(弾性層、芯金等)との温度差が大きく、加圧ローラ全体の熱膨張の大きさを加圧ローラの駆動制御に適切に反映することができないという課題を有していた。特に、ウォームアップタイムの短いIH(Induction Heating)定着方式を用いた装置などでは、そのような課題はより顕著となる。
ここで、一例として、図10(a)は、定着装置で周囲温度20℃から加熱を開始した場合の経過時間と加圧ローラの表面温度との関係を示し、また、図10(b)は、定着装置で加圧ローラの回転速度を一定に保った場合の経過時間と用紙搬送速度との関係を示す。図10(a)に示すように、加圧ローラの表面温度Tsは、加熱開始直後から急激に上昇する。従って、図10(b)に示すように、その加圧ローラの表面温度から加圧ローラの熱膨張の大きさ(外径の変化)を予測して得られた用紙搬送速度(推定値)Vsも、加熱開始直後から急激に上昇することになる。しかし、実際には、加熱開始直後の加圧ローラは、その表面温度のみが急激に上昇するものの、それを構成する弾性層の熱伝導率が小さいために弾性層の内部及び芯金は温度上昇が小さく、実測される用紙搬送速度(実測値)Vrは緩やかな上昇曲線となる。このように、加圧ローラの表面温度から用紙搬送速度を推定する場合は、実測値との誤差が大きくなってしまう。
また、上記特許文献1に記載の記録紙の搬送位置の検知結果に基づきループ量をコントロールする従来技術では、通常は転写部と定着部と間の通紙経路の空間は転写面のトナー画像の欠落を防止するために比較的広く確保されているので、用紙カール等により通紙位置が変化してセンサと記録紙の距離が変わってしまうと、センサと記録紙との間の距離を正確に測定することができないという課題を有していた。
また、上記特許文献2に記載の従来技術は、定着ニップ部に記録材が存在しない非通紙の状態(即ち、n枚目の転写材の後端が定着ニップ部を通過してからn+1枚目の転写材の先端が到達するまでの間)における電力量に基づき駆動手段の回転数を変速して記録材搬送速度を制御するものである。この従来技術では、通紙前(即ち、通紙枚数が0)の画像伸び量が0であることを前提としており、通紙前の加圧ローラの熱膨張の程度(即ち、通紙前の加圧ローラの温まり具合)については考慮していなかった。しかしながら、定着処理を一旦終了した後に再び処理を開始するような場合、通紙前の加圧ローラの熱膨張の程度は、前回の定着処理の内容や再開までの経過時間によって変動するので、そのような熱膨張を考慮して定着処理における初期の回転速度を適切に設定する必要がある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、トナー像を記録紙に定着させる定着処理を開始する際に、加圧ローラの熱膨張に起因する記録紙の搬送不良を防止し、延いては画像不良の発生を防止することのできる定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを主目的とする。
本発明の定着装置は、記録紙を加熱する加熱体と、前記加熱体に圧接された状態で回転駆動される加圧ローラと、前記加熱体の温度を検出する温度検出手段と、定着処理を開始すべく前記加熱体が昇温される際に、前記加熱体の温度から算出した昇温速度に基づき当該定着処理における前記加圧ローラの初期の回転速度を決定する回転速度決定手段とを備えたことを特徴とする。
このように本発明によれば、トナー像を記録紙に定着させる定着処理を開始する際に、加圧ローラの熱膨張の大きさを考慮するための適切な指標に基づき、定着処理における加圧ローラの初期の回転速度を決定することで、簡易な構成により、加圧ローラの熱膨張に起因する記録紙の搬送不良を防止し、延いては画像不良の発生を防止することができるという優れた効果を奏する。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、記録紙を加熱する加熱体と、前記加熱体に圧接された状態で回転駆動される加圧ローラと、前記加熱体の温度を検出する温度検出手段と、定着処理を開始すべく前記加熱体が昇温される際に、前記加熱体の温度から算出した昇温速度に基づき当該定着処理における前記加圧ローラの初期の回転速度を決定する回転速度決定手段とを備えた構成とする。
これによると、定着処理を開始する際に、加圧ローラの熱膨張の大きさ(即ち、加圧ローラの外径の変化)を考慮するための適切な指標(加熱体の昇温速度)に基づき、定着処理における加圧ローラの初期の回転速度を決定することで、簡易な構成により、加圧ローラの熱膨張に起因する記録紙の引っ張り合いやタワミなどの搬送不良を防止し、延いては画像不良の発生を防止することができる。
この場合、加圧ローラの初期の回転速度は、例えば、加熱体の昇温速度が予め定めた基準値よりも大きい場合には基準回転速度よりも小さくなるように決定する一方、加熱体の昇温速度が予め定めた基準値よりも小さい場合には基準回転速度よりも大きくなるように決定することができる。
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、前記回転速度決定手段は、前記加熱体の昇温のために投入される電力の値に応じて前記加熱体の昇温速度に対応する回転速度を定めた対応テーブルを用いて、前記加圧ローラの初期の回転速度を決定する構成とすることができる。
これによると、簡易な方法により、加熱体の昇温のために投入される電力の値が加熱体の昇温速度に及ぼす影響を考慮して加圧ローラの初期の回転速度を適切に決定することができる。
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、前記回転速度決定手段は、前記加熱体の昇温を開始してから所定時間が経過した後の前記加熱体の温度から算出した前記昇温速度に基づき前記初期の回転速度を決定する構成とすることができる。
これによると、加熱体の温度分布は昇温開始直後では不均一な状態となり得るので、そのような昇温開始直後に検出した温度から不適切な昇温速度が算出されることを防止することができる。例えば、加熱体としての定着ベルトを回転させながらその所定領域を誘導加熱によって昇温するような場合、昇温開始直後の未だ加熱されていない部位の温度を検出して不適切な昇温速度が算出されることを回避することができる。
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、環境温度を検出する環境温度検出手段を更に備え、前記回転速度決定手段は、前記環境温度に応じて前記加熱体の昇温速度に対応する回転速度を定めた対応テーブルを用いて、前記加圧ローラの初期の回転速度を決定する構成とすることができる。
これによると、簡易な方法により、環境温度が加熱体の加圧ローラの熱膨張に及ぼす影響を考慮して加圧ローラの初期の回転速度を適切に決定することができる。特に、加圧ローラの熱膨張の大きさは定着処理を行う際に通紙される記録紙の温度の影響も受けるが、記録紙(給紙トレイ)の周辺に環境温度検出手段を配置することで、そのような記録紙の温度の影響も考慮して加圧ローラの初期の回転速度をより適切に決定することが可能となる。
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明のいずれかの定着装置を備えた画像形成装置である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のに係る複合機の概略構成を示す模式的な断面図である。この複合機(画像形成装置)1は、原稿の画像を読み取る原稿読取部2と、読み取った原稿の画像に基づきシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各色成分ごとのトナー像を形成する感光体ドラム3A−3Dと、これら感光体ドラム3A−3D上に形成されたトナー像を重ね合わせてカラー画像に合成し、記録紙(紙以外の記録材を含む)に転写する転写部4と、記録紙上に転写された未定着トナー像の定着処理を行う定着部(定着装置)5とを備えており、給紙カセット6にセットされた記録紙Pは、搬送経路7に沿って転写部4に送られて記録面にトナー像が転写された後に、通紙経路8をさらに定着部5に送られてその記録面のトナー像が定着されて排紙トレイ9上に排出される。
図2は、図1に示した定着部の詳細構成を示す断面図である。定着部5は、ヒートローラ21及び当該ヒートローラ21から所定の距離をおいて平行に配置された定着ローラ22と、ヒートローラ21及び定着ローラ22に架け渡されて定着ローラ22の回転にともない回転する一方、ヒートローラ21に対向配置された誘導加熱部23によってヒートローラ21とともに誘導加熱される定着ベルト(加熱体)24と、定着ベルト24を介して定着ローラ22に圧接された状態で回転駆動され、定着ローラ22に対する定着ベルト24の巻き掛け部分との間に、定着処理される記録紙を挟み込むための定着ニップ部25を形成する加圧ローラ26と、定着ベルト24の内周面側に配置され、定着ベルト24における定着ニップ部25近傍の温度を検出するサーミスタ(温度検出手段)27とを備えており、未定着トナー像Dを形成した記録紙Pを、定着ニップ部25において定着ベルト24及び加圧ローラ26により押圧しつつ加熱することにより、トナー像Dを溶融させて記録紙Pに定着させるための処理が行われる。
加圧ローラ26の芯金26aは、比較的熱伝導性の高い材料(例えば、アルミニウム)を用いて形成することができ、その肉厚を厚くすることで温度分布をより均一化することができる。また、芯金26aを覆って加圧ローラ26の表層をなす弾性層26bは、弾力性に富む材料(例えば、シリコーンゴム)を用いて形成することができる。また、定着ローラ22は、その表層をなす弾性層(例えば、シリコンスポンジ)を有しており、さらに、定着ベルト24は、耐熱性のフィルム基材(例えば、ポリイミド)上に弾性層(例えば、シリコーンゴム)及び表面離型層(例えば、PTFE)等の各部材を重ねた無端状ベルトである。
図3は、図1に示した定着部の制御系の概略構成を示す図である。定着部5の制御系は、本体制御基板41及びIH(Induction Heater)電源基板51を有する。本体制御基板41には、定着部5の処理動作を統括的に制御するCPU42と、CPU42が制御を行うための制御プログラムが格納されるROM43と、CPU42の制御のためのワークエリアを提供するRAM44と、後述する回転速度決定テーブル等のCPU42の制御に関する種々のデータを格納する不揮発性メモリ45と、定着処理に関する時間を計測するためのタイマ46が設けられている。また、IH電源基板51には、AC入力部52と、AC入力部52からコイル30に入力される電力を制御するIH電源コントローラ(電力供給手段)53とが設けられている。CPU42は、定着ベルト24の温度情報をサーミスタ27から取得し、その温度情報に基づき定着ニップ部25における定着温度を適正値に保持するように加熱制御を実行する。このとき、IH電源コントローラ53は、CPU42からの命令に従って、誘導加熱部23のコイル30に投入される電力が、定着処理を開始する際のサーミスタ27の検出温度に応じて設定された設定電力値となるように入力電圧を制御する。
詳細は後述するが、CPU42(回転速度決定手段)は、定着処理を開始すべく定着ベルト24が昇温される際に、サーミスタ27が検出する定着ベルト24の温度から昇温速度を算出し、その昇温速度に基づき当該定着処理における加圧ローラ26の初期の回転速度を決定する。定着処理が開始されると、CPU42は、加圧ローラ26の駆動モータ61の周波数制御を実行することで、その決定した初期の回転速度で加圧ローラ26を駆動させる。これにより、定着処理の開始時(例えば、停止していた複合機1が動作を開始する場合や、印字処理を一旦終了した後に再び処理を開始するような場合)において、加圧ローラ26の熱膨張の影響を回避するように、その回転速度を適切に制御することができる。
また、CPU42は、定着ベルト24の昇温速度を算出した際に、IH電源コントローラ53からコイル30に投入される電力値の情報を取得し、この電力値に応じて加圧ローラ26の初期の回転速度を決定することが可能である。コイル30に投入される電力値は、入力電圧とコイル30に流れる電流の検出値とに基づき算出される。さらに、CPU42は、複合機内温度センサ(環境温度検出手段)47に接続されており、その温度センサ47から取得する複合機1内の温度情報に応じて、加圧ローラ26の初期の回転速度を決定することが可能である。この温度センサ47は、複合機1内の任意の位置に設けることが可能であるが、特に、給紙カセット6にセットされた記録紙Pの周辺に配置することが好ましい。これにより、定着処理を行う際の加圧ローラ26の熱膨張に対する記録紙の温度の影響を考慮して加圧ローラ26の初期の回転速度をより適切に決定することが可能となる。
図4は、図2及び図3に示した定着部が用いる回転速度決定テーブルの一例を示す図である。この回転速度決定テーブルは、定着ベルト24の昇温速度とこれに対応して設定すべき加圧ローラ26の初期の回転速度とが示された対応テーブルであり、サーミスタ27が検出する定着ベルト24の温度から算出される昇温速度X(℃/sec)の範囲と、それら昇温速度の範囲に対応する加圧ローラ回転数(rpm)との情報が含まれている。この回転速度決定テーブルは、定着ベルト24の昇温速度Xについて、X<9の場合には加圧ローラ26の回転数が60rpm、9≦X<11の場合には加圧ローラ26の回転数が59.5rpm、11≦X<13の場合には加圧ローラ26の回転数が59rpm、13≦Xの場合には加圧ローラ26の回転数が58.5rpmにそれぞれ決定されることを示している。
ここで、加圧ローラ回転数は、定着ベルト24の昇温速度から推定される加圧ローラ26の熱膨張の大きさ(外径の変化)に基づき設定することが可能であり、これにより加圧ローラ26の熱膨張に関わらず記録紙の搬送速度を概ね一定に維持可能なようにする。また、各昇温温度の範囲は、同一範囲内で加圧ローラ26の熱膨張の大きさが概ね等しくなる(記録紙の搬送速度の変化が許容範囲内となる)ように設定することができる。このような昇温温度の範囲と加圧ローラ回転数との対応関係については、複合機1の構成や使用環境等に応じて異なり得る。このようなテーブルを用いることで、CPU42は、定着ベルト24の温度から算出した昇温速度に基づき加圧ローラ26の初期の回転速度を簡易に決定することができる。
図5は、定着処理開始前の加圧ローラの温まり具合が定着ベルトの昇温速度に及ぼす影響を説明するための図であり、図6は、誘導加熱用のコイルへの投入電力が定着ベルトの昇温速度に及ぼす影響を説明するための図である。
図5には、誘導加熱用のコイルに対する投入電力が1200Wの場合に、(ケースa)加圧ローラが比較的温まっているとき、及び(ケースb)加圧ローラが比較的冷えているときの定着ベルトの昇温イメージがそれぞれ示されている。ここで、時間t1、t2は、定着ベルト24の昇温速度を算出するためにサーミスタ27が定着ベルト24の温度を検出するタイミングを示しており、また、温度T1a、T2a及び温度T1b、T2bは、それぞれケースa及びケースbにおいて時間t1、t2でサーミスタ27が検出した温度を示している。このとき昇温速度Xは、例えば、X=(T2−T1)/(t2−t1)の式から算出することができる。図に示すように、時間t1、t2間における定着ベルト24の昇温速度は、加圧ローラ26の温まり具合(例えば、定着処理終了後に次の定着処理を開始する際の加圧ローラ26の残留熱量)に応じて変化し、加圧ローラ26の熱膨張の大きさを考慮するための適切な指標となり得る。
なお、定着ベルト24は、図3に示したように、回転しながらその所定領域(コイル30に外囲された領域)が誘導加熱部23によって誘導加熱されるが、定着ベルト24の昇温を開始した直後は、サーミスタ27の検出部位は、定着ベルト24の未だ加熱されていない領域に位置するので、定着ベルト24の昇温を開始してから規定時間t0(例えば、2sec)が経過した後に検出した温度に基づき昇温速度を算出することが望ましい。これにより、不適切な昇温速度が算出されることを防止することができる。また、昇温速度は、図5に示したような時間t1、t2における2つの検出温度のみから求めるものに限定されるものではなく、例えば、適切な時間内で同様の複数の昇温速度を求めてその平均値を用いることもできる。
図6には、誘導加熱用のコイルに対する投入電力が1000W、1100W及び1200Wの場合の定着ベルトの昇温イメージがそれぞれ示されている。これらは、図5で説明した(ケースa)に相当し、それぞれの加圧ローラの温まり具合が同様である場合を示している。このとき、時間t1、t2間における定着ベルト24の昇温速度は、図に示すように、投入電力の増大にともない増加する傾向を示す。従って、加圧ローラ26の初期の回転速度を適切に決定するためには、次の図7に示すように、そのような投入電力が定着ベルト24の昇温速度に及ぼす影響を考慮することが好ましい。
図7は、図4に示した回転速度決定テーブルの第1の変更例を示す図である。この回転速度決定テーブルは、定着ベルト24の昇温のために投入される電力の値(1200W、1100W、1000W)ごとに、定着ベルト24の昇温速度とこれに対応して設定すべき加圧ローラ26の初期の回転速度とが示された対応テーブルであり、サーミスタ27が検出する定着ベルト24の温度から算出される昇温速度X(℃/sec)の範囲と、それら昇温速度の範囲に対応する加圧ローラ回転数(rpm)との情報が含まれている。ここでは、上述のような投入電力が定着ベルト24の昇温速度に及ぼす影響を考慮して、図4に示した昇温速度の範囲を補正した構成としているが、同様に、各昇温速度の範囲に対応する加圧ローラ回転数を補正するような構成も可能である。このようなテーブルを用いることで、定着ベルト24の昇温のために投入される電力の値が定着ベルト24の昇温速度に及ぼす影響を考慮して加圧ローラ26の初期の回転速度を適切に決定することができる。
この図7に示した回転速度決定テーブルは、複合機内温度センサ47が検出する複合機1内の温度Tの条件が10℃≦T<30である場合について示している。しかしながら、複合機1内の温度Tの変動は、加圧ローラ26の熱膨張にも影響を及ぼすので、加圧ローラ26の初期の回転速度を適切に決定するためには、次の図8に示すように、そのような複合機1内の温度が及ぼす影響を考慮することが好ましい。
図8は、図4に示した回転速度決定テーブルの第2の変更例を示す図である。図8(A)及び(B)は、図7に示した回転速度決定テーブルを基準として、複合機1内の温度Tがそのテーブルの条件を外れた場合について示しており、ぞれぞれT<10℃及び30℃≦Tの場合の回転速度決定テーブルである。図8(A)に示すように、複合機1内の温度がより低い場合(T<10℃)には、設定すべき加圧ローラ回転数に対応する昇温速度の範囲が低くなるように補正され、一方、図8(B)に示すように、複合機1内の温度がより高い場合(30℃≦T)には、設定すべき加圧ローラ回転数に対応する昇温速度の範囲が高くなるように補正される。このようなテーブルを用いることで、複合機1内の温度が定着ベルト24の加圧ローラ26の熱膨張に及ぼす影響を考慮して加圧ローラ26の初期の回転速度を適切に決定することができる。
図9は、図2及び図3に示した定着部における加圧ローラの初期の回転速度の決定手順を示すフロー図である。CPU42は、温度センサ47から複合機1内の温度情報を取得し(ST101)、その温度情報に基づき図7及び図8に示したような回転速度決定テーブルの中から対応する一のテーブルを選択する(ST102)。そこで、ユーザからの印刷開始の指示があると(ST103:YES)、CPU42は、駆動モータ61によって加圧ローラ26ローラの回転を開始させ、これに伴い定着ローラ22及び定着ベルト24の回転も開始される(ST104)。そこで、誘導加熱部23によって誘導加熱が開始され(ST105)、同時にタイマ46の計測時間tがリセットされて、計時を開始する(ST106)。
次に、タイマ46の計測時間tが規定時間t0を越えると(ST107:YES)、CPU42は、IH電源コントローラ53の入力電圧及び電流の検出値から算出される投入電力値の情報を取得する(ST108)。そこで、CPU42は、計測時間tがt1に達したときのサーミスタ27の検出温度の情報を取得し(ST109)、続いて、計測時間tがt2に達したときのサーミスタ27の検出温度の情報を取得する(ST110)。
次に、CPU42は、取得したサーミスタ27の検出温度から、定着ベルト24の昇温速度を算出する(ST111)。そこで、CPU42は、その算出した昇温速度及びST108で取得した投入電力値に基づき、ST102で選択した回転速度決定テーブルを参照して、加圧ローラ26の初期の回転速度を決定する(ST112)。これにより、一連の回転速度の決定手順が終了し、その後、CPU42は、その決定した初期の回転速度でモータ61により加圧ローラ26を駆動させ、印字動作(定着動作)が開始されることになる。
なお、定着処理中の加圧ローラ26の回転速度は、先に決定した初期の回転速度のまま一定である必要はないが、定着部5に連続して通紙される記録紙の枚数が比較的少なく加圧ローラ26の外径の変動が許容範囲内である場合には、初期の回転速度のままで印字処理を行うことも可能である。一方、定着部5に連続して通紙される記録紙の枚数が比較的多く加圧ローラ26の外径の変動が許容範囲を超えるような場合には、加圧ローラ26の回転速度を適宜変更することも可能である。その場合、例えば、CPU42が、加圧ローラ26の温度を取得してその取得した温度に基づき加圧ローラ26の駆動モータ61の周波数制御を実行するような構成とすることができる。
本発明に係る定着装置及びこれを備えた画像形成装置は、トナー像を記録紙に定着させる定着処理を開始する際に、加圧ローラの熱膨張に起因する記録紙の搬送不良を防止し、延いては画像不良の発生を防止することができ、トナー像を記録紙に定着させる定着装置及びこれを備えた画像形成装置として有用である。
本発明に係る複合機の概略構成を示す模式的な断面図 図1に示した定着部の詳細構成を示す断面図 図1に示した定着部の制御系の概略構成を示す図 定着部が用いる回転速度決定テーブルの一例を示す図 定着処理開始前の加圧ローラの温まり具合が定着ベルトの昇温速度に及ぼす影響についての説明図 コイルへの投入電力が定着ベルトの昇温速度に及ぼす影響についての説明図 図4の回転速度決定テーブルの第1の変更例を示す図 図4の回転速度決定テーブルの第2の変更例を示す図 定着部における加圧ローラの初期の回転速度の決定手順を示すフロー図 従来技術における加圧ローラの駆動制御結果を示す図
符号の説明
1 複合機(画像形成装置)
5 定着部(定着装置)
21 ヒートローラ
24 定着ベルト(加熱体)
26 加圧ローラ
26a 芯金
26b 弾性層
27 サーミスタ(温度検出手段)
42 CPU(回転速度決定手段)
45 メモリ
46 タイマ
47 複合機内温度センサ(環境温度検出手段)
53 IH電源コントローラ(電力供給手段)
61 駆動モータ

Claims (5)

  1. 記録紙を加熱する加熱体と、
    前記加熱体に圧接された状態で回転駆動される加圧ローラと、
    前記加熱体の温度を検出する温度検出手段と、
    定着処理を開始すべく前記加熱体が昇温される際に、前記加熱体の温度から算出した昇温速度に基づき当該定着処理における前記加圧ローラの初期の回転速度を決定する回転速度決定手段と
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転速度決定手段は、前記加熱体の昇温のために投入される電力の値に応じて前記加熱体の昇温速度に対応する回転速度を定めた対応テーブルを用いて、前記加圧ローラの初期の回転速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記回転速度決定手段は、前記加熱体の昇温を開始してから所定時間が経過した後の前記加熱体の温度から算出した前記昇温速度に基づき前記初期の回転速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 環境温度を検出する環境温度検出手段を更に備え、
    前記回転速度決定手段は、前記環境温度に応じて前記加熱体の昇温速度に対応する回転速度を定めた対応テーブルを用いて、前記加圧ローラの初期の回転速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えた画像形成装置。
JP2006188184A 2006-07-07 2006-07-07 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 Pending JP2008015344A (ja)

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