JP6575861B2 - 加熱装置、乾燥装置、定着装置、画像形成装置及び画像形成システム - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の加熱装置では、所定のタイミングにおける複数の非接触式温度センサの検出値と、それぞれの検出位置の近傍に接触する接触式温度センサの検出値とを比較して、各非接触式温度センサの異常の有無を判断している。
以下、本発明を画像形成システムの加熱装置に適用した一つ目の実施形態(以下、「実施形態1」という)について説明する。
実施形態1では、加熱装置を備える画像形成システムとしてのインクジェット方式の印刷システムについて説明するがこれに限るものではない。
画像形成システム500は、長尺状の連続紙等からなる被記録媒体Wに画像を形成するシステムである。
図2に示すように、画像形成システム500は、被記録媒体Wの搬送方向上流側から、給紙装置100、処理液塗布装置110、第一プリンタ120f、反転装置130、第二プリンタ120r、乾燥装置140及び後処理装置150を備える。
図3に示すように、乾燥装置140は、被記録媒体Wの搬送方向上流側からダンサー機構5、乾燥機構10、冷却機構20及び搬送機構30を備える。また、乾燥装置140内には、ローラの端部に軸受けを有し、回転自在のガイドローラ1(a〜j)が多数本設置されて、被記録媒体Wの搬送パスを確保している。
ダンサー機構5は、乾燥装置140の筐体に対して上下方向に可動なダンサー可動フレーム3を備え、複数のダンサーローラ2はそれぞれローラ端部に設けた軸受けを介してダンサー可動フレーム3に回転自在に取り付けられて、ダンサーユニット4を構成している。従って、このダンサーユニット4は被記録媒体Wによって吊り下げられた状態になっている。
乾燥装置140内に被記録媒体Wが無い状態で被記録媒体Wを通紙する際は、ダンサーユニット4を上下方向の可動範囲の最上部(アッパリミット)まで上昇させておく。これにより、被記録媒体Wを「W」型に掛け回すダンサーローラ2(a〜b)とガイドローラ1(a〜c)の距離を狭めることができ、使用者による通紙作業が行い易い状態とすることができる。
乾燥機構10は、駆動源を持たない複数のヒートロール11(11Ua〜11Ub、11La〜11Ld)を備える。複数のヒートロール11は、乾燥機構10内を下方から上方に向かう被記録媒体Wの搬送方向に沿って千鳥配置されている。複数のヒートロール11は回転自在に支持され、被記録媒体Wが掛け回された状態で搬送ローラ31が回転駆動し、被記録媒体Wが搬送されることで複数のヒートロール11が従動回転する。
また、乾燥機構10は断熱壁101で囲まれており、熱が乾燥機構10の外部に伝達することを抑制する構成となっている。
冷却ユニット24は、冷却可動フレーム22によって重力方向に沿って移動可能になっており、冷却機構20は、この冷却ユニット24の位置を検出する冷却ユニット位置検出手段を備える。
また、乾燥装置140内に被記録媒体Wが無い状態で被記録媒体Wを通紙する際は、ダンサーユニット4と同様に冷却ユニット24を上下方向の可動範囲の最上部(アッパリミット)まで上昇させておく。これにより、被記録媒体Wを「W」型に掛け回す冷却ローラ21(a〜d)とガイドローラ1(f〜i)の距離を狭めることができ、使用者による通紙作業が行い易い状態とすることができる。
搬送機構30に搬送された被記録媒体Wは、モータなどの駆動源で回転駆動する搬送ローラ31と搬送ニップローラ32の間を通る。搬送ニップローラ32は、搬送ローラ31の軸方向に沿って複数個配置されており、搬送ニップローラ32はバネ等の付勢手段により搬送ローラ31側に押し付けられている。
図4(a)は、乾燥装置140内での上流側ヒートロール11U(a〜b)と、下流側ヒートロール11L(a〜d)との配置の説明図である。図4(b)は、下流側ヒートロール11Lを含む下流側加熱機構45の模式図であり、図4(c)は、上流側ヒートロール11Uを含む上流側加熱機構40の模式図である。
図1は、上流側ヒートロール11Uを用いて被記録媒体Wを加熱する上流側加熱機構40の概略構成図である。
図1、図4(b)及び図4(c)中の右側が乾燥装置140の図3中の手前側であり、
図1、図4(b)及び図4(c)中の左側が乾燥装置140の図3中の奥側である。
ヒータ制御部50は、上流側ヒートロール11Uの表面に対向配置された二つの非接触式温度センサ12(f、r)の検出結果に基づいて、二つの上流用ヒータランプ14(a、b)の駆動を制御し、上流側ヒートロール11Uの温度制御を行う。
また、下流側ヒートロール11Lに接触する接触式温度センサ13は、上流側ヒートロール11Uに接触する接触式温度センサ13と同様の接離機構により、下流側ヒートロール11Lに対して接離可能となっている。
ヒータ制御部50は、下流側ヒートロール11Lの表面に対向配置された一つの非接触式温度センサ12である奥側非接触式温度センサ12rの検出結果に基づいて、二つの下流用ヒータランプ15(a、b)の駆動を制御する。これにより、下流側ヒートロール11Lの温度制御を行う。
上流側ヒートロール11Uは、二本の上流用ヒータランプ14(r、f)の配置が軸方向で対称(図1及び図4(c)中で左右対称)となるように配置され、上流側ヒートロール11Uの軸方向の温度分布の均一化を図っている。
また、二本の下流用ヒータランプ15の端部が軸方向の奥側に配置されるため、温度コントロールを実行する非接触式温度センサ12(奥側非接触式温度センサ12r)は、奥側の一か所に配置する。
横軸は、乾燥装置140の電源をONにした契機「C0」からの経過時間を示し、縦軸は温度変化を示す。
乾燥装置140の電源をONにした契機「C0」では、加熱機構(40、45)のヒータランプに通電がされていないNotReady中「P0」であるため、ヒータ制御温度Tmpcは常温T0付近を検出する。
ヒータ制御温度Tmpcが常温T0付近となる契機「C1」では、ヒータランプ(14、15)が駆動しておらず、ヒートロール11の表面の温度は略均一であるため、非接触式温度センサ12と接触式温度センサ13との検出温度を比較するのに適している。
また、故障や汚れにより、非接触式温度センサ12の検出値が常温T0で固定されたままとなる可能性や、実際の温度変化に対して検出温度の変化が小さくなる可能性がある。これに対して、契機「C2」で、ベリファイチェックを行うことで、非接触式温度センサ12の検出温度がヒートロール11の表面温度の変化に適切に追従していることを確認することができる。
その後、プリンタ120から搬送停止信号を受信すると(契機「C4」)、Ready中「P2」となる。そして、ヒータ制御温度Tmpcが印刷中目標温度T2から待機中目標温度T1へと下降するようにヒータランプの立ち下げを開始し、ヒータ制御温度Tmpcが待機中目標温度T1を維持するようにヒータランプへの通電を制御する。
また、乾燥装置140で障害が発生してヒータランプへの通電をOFFしたケース、もしくは、前記期間中に省エネモード等のヒータランプへの通電をOFFにするモードにモード切替したケースでは、加熱機構は、NotReady状態「P0」に移行する。
契機「C1」でセンサ接離モータ60を駆動して、接触式温度センサ13をヒートロール11に接触させ、一定期間(センサの自定数)経過した後に接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との出力を取得する。
また、 契機「C2」で同様に接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との出力を取得する。
ベリファイチェックでは、非接触式温度センサ12の検出温度と、接触式温度センサ13の検出温度との温度差が規定温度以内となっているかをチェックする。
図7は、印刷を行う被記録媒体Wが幅広である場合における上流側ヒートロール11Uの二つの非接触式温度センサ12の検出温度の経時変化の一例を示すグラフである。
図7中の縦軸のTmp0〜Tmp6は目標温度を示す。温度は「Tmp0<Tmp6」の関係であり、図中上側ほど高温であることを示す。
また、横軸のtm0〜tm6は経過時間を示す。経過時間は「tm0<tm6」の関係であり、図中右側ほど後の時間であることを示す。
図7中の契機「C6」は、被記録媒体Wの搬送を停止したときであり、契機「C7」は、契機「C6」から上流側ヒートロール11Uの温度ムラが均されるのに必要な所定時間経過したときであり、この間が温度均し期間「P4」となる。
幅広の被記録媒体Wは、上流側ヒートロール11Uの幅方向の全域を覆う様に接触するため、上流側ヒートロール11U側の熱量が幅方向の全域に渡って均一に被記録媒体Wに伝わる。このため、上流側ヒートロール11Uの幅方向の温度分布は、印刷中および、印刷停止契機(C6)以降も被記録媒体Wの幅方向基準となる奥側と被記録媒体Wの端の走行位置が変化する手前側とで、温度分布に大きな違いは発生しない。
まず、ベリファイチェック処理の制御が開始されると、ヒータランプ(14、15)の状態をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S0)。ここで、「温度コントロール」の状態とは、非接触式温度センサ12の検出温度に基づいてヒータランプの出力が制御されている状態であり、図6中の契機「C2」から契機「C5」までの間である。ヒータランプが温度コントロール状態に移行しているケース(S0で「Yes」)では、ベリファイチェック済みの状態、または、ベリファイチェック中の状態となっているため、ベリファイチェックを実行せずに終了(S14)する。
このため、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定されたケース(S1で「Yes」)では、ヒータランプの温度コントロールが実行されないため、ベリファイチェック処理を終了(S14)する。
その後、接触式温度センサ13による温度検出を開始し(S3)、非接触式温度センサ12による温度検出を開始する(S4)。次に、温度取得期間の終了をチェックし(S5)、終了していれば(S5で「No」)、接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との検出温度のデータ(温度検出データ)を確定する。温度取得期間が終了しておらず、各センサのいずれかが温度取得中である場合(S5で「Yes」)は、温度取得期間が終了するまで待つ。
温度取得期間の終了の契機で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。下流側ヒートロール11Lでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、下流側ヒートロール11Lの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。
ベリファイチェック(S6)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S7で「No」)は、待機中目標温度T1の値を確認する(S8)。「待機中目標温度T1<50[℃]」のケース(S8で「Yes」)では、待機中目標温度T1を到達契機(契機「C2」)で行う二回目のベリファイチェックを実行しない。このため、接触式温度センサ13をヒートロール11から離間させる処理(S12)へ移行する。
実施形態1では、待機中目標温度T1到達時のベリファイチェックを実行するか否かの判断基準を実機における評価結果に基づいて「待機中目標温度T1<50[℃]」としている。しかし、この範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
二回目のベリファイチェック(S10)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S11で「No」)は、ベリファイチェックを終了するため、接触式温度センサ13をヒートロール11から離間させる処理(S12)へ移行する。その後、ベリファイチェックを行う処理を終了する(S14)。
「S7」及び「S11」で、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rの何れかの検出温度と、接触式温度センサ13の検出温度とに規定範囲以上の乖離が発生した場合は、ベリファイエラーとなる。この場合は、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rに異常が有ると認識し、上位モジュールへのエラー報告と併せて、全ヒータランプ(14、15)をOFFにする。さらに、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13をヒートロール11から離間させる処理を実行する(S12)。
図9は、印刷を行う被記録媒体Wが幅狭である場合における上流側ヒートロール11Uの二つの非接触式温度センサ12の検出温度の経時変化の一例を示すグラフである。
図9中の縦軸のTmp0〜Tmp6は目標温度を示す。温度は「Tmp0<Tmp6」の関係であり、図中上側ほど高温であることを示す。
また、横軸のtm0〜tm6は経過時間を示す。経過時間は「tm0<tm6」の関係であり、図中右側ほど後の時間であることを示す。
図9中の契機「C6」は、被記録媒体Wの搬送を停止したときであり、契機「C7」は、契機「C6」から上流側ヒートロール11Uの温度ムラが均されるのに必要な所定時間経過したときであり、この間が温度均し期間「P4」となる。
すなわち、手前側には被記録媒体Wがなく、上流側ヒートロール11Uの熱が放熱し易いため、急激に温度が降下する。このため、印刷停止後(C6)に上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側で温度差が収束するまでの温度均し期間「P4」を経過すると、上流側ヒートロール11Uの両端の温度はほぼ同じになる。
まず、ベリファイチェック処理の制御が開始されると、奥側ヒータランプ14rの状態をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S100)。ここで、「温度コントロール」の状態とは、非接触式温度センサ12の検出温度に基づいて奥側ヒータランプ14rの出力が制御されている状態であり、図6中の契機「C2」から契機「C5」までの間である。奥側ヒータランプ14rが温度コントロール状態に移行しているケース(S100で「Yes」)では、ベリファイチェック済みの状態、または、ベリファイチェック中の状態となっているため、ベリファイチェックを実行せずに終了(S114)する。
このため、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定されたケース(S101で「Yes」)では、奥側ヒータランプ14rの温度コントロールが実行されないため、ベリファイチェック処理を終了(S114)する。
図9で示す通り、幅狭の被記録媒体Wを印刷した直後は、軸方向の奥側と手前側とでは上流側ヒートロール11Uの表面温度に乖離が発生している。このため、印刷停止からカウントしている放置時間カウンタが、手前側と奥側との温度差が均されるのに必要な所定時間に達していない場合(S101−1で「Yes」)は、放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)まで待つ。
その後、接触式温度センサ13による温度検出を開始し(S103)、非接触式温度センサ12による温度検出を開始する(S104)。次に、温度取得期間の終了をチェックし(S105)、終了していれば(S105で「No」)、接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との検出温度のデータ(温度検出データ)を確定する。温度取得期間が終了しておらず、各センサのいずれかが温度取得中である場合(S105で「Yes」)は、温度取得期間が終了するまで待つ。
温度取得期間の終了の契機で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。
ベリファイチェック(S106)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S107で「No」)は、待機中目標温度T1の値を確認する(S108)。「待機中目標温度T1<50[℃]」のケース(S108で「Yes」)では、待機中目標温度T1を到達契機(契機「C2」)で行う二回目のベリファイチェックを実行しない。このため、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる処理(S112)へ移行する。
実施形態1では、待機中目標温度T1到達時のベリファイチェックを実行するか否かの判断基準を実機における評価結果に基づいて「待機中目標温度T1<50[℃]」としている。しかし、この範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
二回目のベリファイチェック(S110)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S111で「No」)は、ベリファイチェックを終了するため、センサ接離モータ60を駆動し、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる(S112)。その後、ベリファイチェックを行う処理を終了する(S114)。
「S107」及び「S111」で、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rの何れかの検出温度と、接触式温度センサ13の検出温度とに規定範囲以上の乖離が発生した場合は、ベリファイエラーとなる。この場合は、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rに異常が有ると認識し、上位モジュールへのエラー報告と併せて、全ヒータランプ(14、15)をOFFにする。さらに、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる処理を実行する(S112)。
さらに、乾燥機構10は、非接触式温度センサ12の故障等によりヒートロール11が上限温度を超えたことを検出する熱暴走センサ16と、被記録媒体Wの幅を検出するための幅検出センサ17と、を備える。
従来の加熱装置として、ヒートロールの内側に複数のヒータを備え、ヒートロールの軸方向の複数箇所に対向するように、複数の非接触式温度センサを設け、非接触式温度センサと同数の接触式温度センサを備えるものがある。
よって、ヒートロールの表面温度を検出し、その検出結果に基づいてヒータの出力を制御する場合は、軸方向において低温となっている部分や高温となっている部分を精度よく検出するためにヒートロールの軸方向の複数箇所で温度の検出を行うことが望ましい。
しかし、非接触式温度センサに異物が付着したり、非接触式温度センサが故障したりして、適切な温度検出を行うことができない異常が生じると、ヒータの出力を適切に制御することができなくなる。
非接触式温度センサの異常の有無を確認する構成として、接触式温度センサをヒートロールに接触させて接触式温度センサの検出温度と、非接触式温度センサの検出温度とを比較する構成がある。
そこで、本発明者らは、ヒートロールの表面上に温度ムラが生じていない状態であれば、接触式温度センサと非接触式温度センサとの検出位置近づける必要はなく、一つの接触式温度センサで複数の非接触式温度センサの異常の有無を確認できることを見出した。
(1)待機中目標温度T1が0[℃]ではない。
(2)印刷停止後にヒータをOFFにした状態が五分以上継続した。
ベリファイチェックでは、上流側ヒートロール11Uの奥側端部に取り付けられた接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる。そして、一定期間(センサの自定数)経過後に上流側ヒートロール11Uの奥側端部に取り付けられた接触式温度センサ13の検出結果と、上流側ヒートロール11Uの奥側端部および、手前側端部に取り付けられた非接触式温度センサ12の検出結果を比較する。このとき、接触式温度センサ13の検出結果に対して、非接触式温度センサ12の検出結果が所定の温度範囲に入っていない場合、非接触式温度センサ12に異常が有ると判断する。
次に、乾燥装置140に装備されている被記録媒体Wの幅に応じて、上述した「印刷停止後の放置時間」のチェックを行うか否かを判断する変形例1のベリファイチェック処理の制御について説明する。
図11は、変形例1における上流側ヒートロール11Uの非接触式温度センサ12のベリファイチェック処理の制御を示すフローチャートである。
図7に示すように、印刷を行う被記録媒体Wが幅広である場合は、印刷直後であっても、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側と手前側とで表面温度の乖離が発生しない。この場合、印刷停止からカウントしている放置時間カウンタのチェックが不要となる。
被記録媒体Wが幅狭の場合(S101−2で「No」)は、印刷停止後の放置時間をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S101−1)。
その後は、図10の「101−1」と同様に、放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)まで待つ。
次に、上流側ヒートロール11Uにおける手前側と奥側との検出温度の温度差に応じて、上述した「印刷停止後の放置時間」のチェックを行うか否かを判断する変形例2のベリファイチェック処理の制御について説明する。
図12は、変形例2における上流側ヒートロール11Uの非接触式温度センサ12のベリファイチェック処理の制御を示すフローチャートである。
乾燥装置140に装備されている被記録媒体Wが幅広の場合(S101−2で「Yes」)は、放置時間カウンタのチェック(S101−1)を実行せず、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S102)制御に移行する。
図9に示す、印刷を行う被記録媒体Wが幅狭である場合の温度均し期間「P4」は、搬送する可能性がある被記録媒体Wのうち、最も幅が狭い被記録媒体Wのケースを想定している。そのため、幅検出センサ17の検出結果に基づいて幅狭と判断された被記録媒体Wの中でも幅広に近いサイズの場合、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面から放熱され続ける範囲も小さくなり、温度均し期間「P4」も短くなる。
温度差が規定範囲内の場合(S101−3で「Yes」)は、上流側ヒートロール11Uの温度ムラが収束したものと判断する。この場合は、放置時間カウンタのチェック(S101−1)を実行せず、ベリファイチェックを開始するために接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uに接触させる(S102)制御に移行する。
温度差が規定範囲を超える場合(S101−3で「No」)は、上流側ヒートロール11Uの温度ムラが収束していないものと判断し、印刷停止後の放置時間をチェックし、ベリファイチェックの実行の可否を判断する(S101−1)。
その後は、図10の「101−1」と同様に、放置時間カウンタがカウントアウトする(S101−1で「No」)まで待つ。
次に、前回の印刷停止後からの放置時間に応じて、ベリファイチェックを行う非接触式温度センサ12を選択する変形例2のベリファイチェック処理の制御について説明する。
図13は、変形例3における上流側ヒートロール11Uの非接触式温度センサ12のベリファイチェック処理の制御を示すフローチャートである。
また、一回目のベリファイチェックを行うときに、上流側ヒートロール11Uの奥側と手前側とで表面温度が乖離しているケースは、印刷動作の停止直後にヒータの立ち上げが実行されたケースである。よって、ヒータの再立ち上げ直前の印刷動作を行う前に一回以上のベリファイチェックが実行されているケースとなる。このため、手前側非接触式温度センサ12fの出力は正常であると仮定し、奥側非接触式温度センサ12rについてのみベリファイチェックを実行することで、スループットの低下を最小限で抑える変形例3の制御を以下に述べる。
このため、「待機中目標温度T1」が「0[℃]」に設定されたケース(S201で「Yes」)では、奥側ヒータランプ14rの温度コントロールが実行されないため、ベリファイチェック処理を終了(S214)する。
図9で示す通り、幅狭の被記録媒体Wを印刷した直後は、軸方向の奥側と手前側とでは上流側ヒートロール11Uの表面温度に乖離が発生している。
このため、印刷停止からカウントしている放置時間カウンタが、手前側と奥側との温度差が均されるのに必要な所定時間に達していない場合(S201−1で「Yes」)は、ベリファイチェックをリアモードに設定する処理(S201−3)を実行する。このモードは、手前側非接触式温度センサ12fのベリファイチェックは行わず、奥側非接触式温度センサ12rのみのベリファイチェックを実行するモードである。
印刷停止からカウントしている放置時間カウンタが、手前側と奥側との温度差が均されるのに必要な所定時間に達している場合(S201−1で「No」)は、ベリファイチェックをリア/フロントモードに設定する処理(S201−2)を実行する。このモードは、手前側非接触式温度センサ12fと奥側非接触式温度センサ12rとの両方のベリファイチェックを実行するモードである。
その後、接触式温度センサ13による温度検出を開始し(S203)、非接触式温度センサ12による温度検出を開始する(S204)。次に、温度取得期間の終了をチェックし(S205)、終了していれば(S205で「No」)、接触式温度センサ13と非接触式温度センサ12との検出温度のデータ(温度検出データ)を確定する。温度取得期間が終了しておらず、各センサのいずれかが温度取得中である場合(S205で「Yes」)は、温度取得期間が終了するまで待つ。
温度取得期間の終了の契機で、上流側ヒートロール11Uでは、軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13と奥側非接触式温度センサ12rとによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向奥側の表面の温度検出が実行される。また、同じタイミングで、軸方向の手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fによって、上流側ヒートロール11Uの軸方向手前側の表面の温度検出が実行される。
同様に、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と、手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fの検出温度と、を比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と手前側非接触式温度センサ12fの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
ベリファイチェック(S206またはS206−2)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S207で「No」)は、待機中目標温度T1の値を確認する(S208)。
「待機中目標温度T1<50[℃]」のケース(S208で「Yes」)では、待機中目標温度T1を到達契機(契機「C2」)で行う二回目のベリファイチェックを実行しない。このため、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる処理(S212)へ移行する。
実施形態1では、待機中目標温度T1到達時のベリファイチェックを実行するか否かの判断基準を実機における評価結果に基づいて「待機中目標温度T1<50[℃]」としている。しかし、この範囲は、乾燥機構10の構造や環境温度により変わるため、ここでは特に定めない。
同様に、上流側ヒートロール11Uの軸方向の奥側に配置された接触式温度センサ13の検出温度と、手前側に配置された手前側非接触式温度センサ12fの検出温度と、を比較する。そして、接触式温度センサ13の検出温度と手前側非接触式温度センサ12fの検出温度との温度差が、「±20[℃]」の規定範囲となることを確認する。
二回目のベリファイチェック(S210またはS210−2)の比較結果で異常が検出されかなった場合(S211で「No」)は、ベリファイチェックを終了するため次の制御を行う。センサ接離モータ60を駆動し、接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させ(S212)、その後、ベリファイチェックを行う処理を終了する(S214)。
「S207」及び「S211」で、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rの何れかの検出温度と、接触式温度センサ13の検出温度とに規定範囲以上の乖離が発生した場合は、ベリファイエラーとなる。この場合は、手前側非接触式温度センサ12fまたは奥側非接触式温度センサ12rに異常が有ると認識し、上位モジュールへのエラー報告と併せて、全ヒータランプ(14、15)をOFFにする。さらに、センサ接離モータ60を駆動して接触式温度センサ13を上流側ヒートロール11Uから離間させる処理を実行する(S212)。
また、上流側ヒートロール11Uのリア側とフロント側との温度分布が均一とならないのは、被記録媒体Wが幅狭の場合である。被記録媒体Wが幅狭の場合は、手前側ヒータランプ14fを用いずに、奥側ヒータランプ14rのみの温度コントロールを行う場合がある。奥側ヒータランプ14rのみの温度コントロールを行う場合は、温度コントロールを実行するリア側の奥側非接触式温度センサ12rのベリファイチェックを優先的に実行することで、幅狭の被記録媒体Wにおいてスループットの向上が出来る。
この構成では、外部から入力可能な設定手段としての入力装置を有し、保守員あるいはオペレーターHが、ベリファイチェックにおいて非接触式温度センサ12の検出結果が正しいとする温度範囲として予め設定した温度範囲データを変更可能となる。これにより、温度センサ(12、13)やヒートロール11の種類などのデバイス条件の影響を最小限に抑えることが可能となり、ベリファイチェックの検出精度を向上することが出来る。
この構成では、外部から入力可能な設定手段おしての入力装置を有し、保守員あるいはオペレーターHが、目標温度到達時に実行する二回目のベリファイチェックを実行するか否かの判断温度として予め設定した判断温度データを変更可能となる。これにより、ベリファイチェックを実行する温度条件を変更可能とし、環境条件やデバイス条件の影響を最小限に抑えることで、ベリファイチェックの検出精度を向上することが出来る。
上述した実施形態1では、加熱装置を画像形成システムに設けて被記録媒体Wに塗布されたインク液を乾燥させる構成について説明したが、加熱装置を適用する構成は、これに限定されるものではない。例えば、上記構成の加熱装置を電子写真方式の画像形成装置における定着装置に設けて記録媒体に形成されたトナー画像を定着させてもよい。
以下、本発明を画像形成装置の定着装置に適用した二つ目の実施形態(以下、「実施形態2」という)について説明する。
画像形成装置400は、給紙部404と、レジストローラ対406と、潜像担持体としての感光体408と、転写装置410と、定着装置412等を有している。
給紙コロ416によって送り出された用紙Sは、レジストローラ対406で一旦停止される。その後、感光体408上に形成されたトナー像の先端と、用紙Sの搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイミングで、レジストローラ対406により転写部Nへ送られる。
感光体408上に形成されたトナー像は、所定のタイミングで転写部Nに進入してきた用紙S上に、転写装置410による転写バイアスの印加により転写される。
定着装置412は、加熱ローラ438と加圧ローラ430とを備え、用紙S上のトナー像を熱と圧力とによって用紙S上に定着する。この定着装置412が備える加熱ローラ438を加熱する加熱装置として、上記実施形態1の上流側ヒートロール11Uを加熱する上流側加熱機構40と同様の構成を適用することができる。
画像形成装置400は、一つの感光体408上のトナー像を用紙Sに直接転写する構成である。画像形成装置としては、複数の感光体上に形成されたトナー像を用紙に転写する構成や感光体上のトナー像を中間転写体を介して用紙に転写する構成であってもよい。
搬送される被記録媒体W等の加熱対象に接触する上流側ヒートロール11U等の加熱部材と、加熱部材に熱を付与する手前側ヒータランプ14f及び奥側ヒータランプ14r等の熱源と、非接触で加熱部材の温度を検出する奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の複数の非接触式温度検出手段と、接触して加熱部材の温度を検出する接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段と、非接触式温度検出手段の検出結果に基づいて熱源の駆動を制御するヒータ制御部50等の熱源駆動制御手段と、非接触式温度検出手段及び接触式温度検出手段の検出結果に基づいて、前記非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する演算装置51等の温度検出異常検知手段とを備える上流側加熱機構40等の加熱装置において、温度検出異常検知手段は、加熱対象の搬送を停止しているときに、複数の非接触式温度検出手段のうちの二以上の非接触式温度検出手段の検出結果と、一つの接触式温度検出手段の検出結果と、を比較し、二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、加熱部材の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する構成で、部品点数の削減を図ることができる。これは、以下の理由による。
すなわち、加熱対象を搬送しているタイミングでは、加熱対象の未加熱の部分が加熱部材と接触する位置に到達し続けるため、加熱部材と加熱対象との温度差が大きく、加熱部材の熱は加熱対象へと移動し易い。このため、加熱部材内での熱の伝達の効率は悪く、加熱部材の表面上の位置によって温度が異なる温度ムラが生じ易い。このような場合、表面上の一箇所が所望の温度に到達していても、他の箇所が所望の温度に到達していない状態となることがある。よって、温度検出の箇所が一箇所だけでは、温度検出手段の検出結果に基づいて熱源の駆動を制御する際に、適切な制御を行うことができない。これに対して、態様Aでは、特許文献1の加熱装置と同様に、複数の非接触式温度検出手段を備え、その検出結果に基づいて熱源駆動制御手段が熱源の駆動を制御することで、より適切に熱源の駆動を制御できる。
態様Aでは、特許文献1の加熱装置と同様に、非接触式温度検出手段及び接触式温度検出手段の検出結果に基づいて、非接触式温度検出手段の異常の有無を判断している。この構成では、加熱部材における非接触式温度検出手段の検出位置と接触式温度検出手段の検出位置とが略同じ温度であることを前提とし、検出結果同士を比較した温度差が所定の温度以上であるときに非接触式温度検出手段に異常が有ると判断する。このように異常の有無の判断を行う場合、加熱部材における非接触式温度検出手段の検出位置と、接触式温度検出手段の検出位置との間で温度差があると、検出結果を適切に比較することができない。上述のように加熱部材の表面上に温度ムラが生じている場合、加熱部材における非接触式温度検出手段の検出位置と接触式温度検出手段の検出位置との距離が離れるほど、検出位置同士の間での温度差が大きくなり、検出結果を適切に比較することができなくなる。特許文献1の加熱装置では、複数の非接触式温度検出手段と同数の接触式温度検出手段を設けることで、加熱部材における接触式温度検出手段の検出位置を非接触式温度検出手段の検出位置に近づけている。このように検出位置同士を近づけることで、温度ムラに起因して検出位置同士の間で温度差が生じることを抑制することができる。しかし、非接触式温度検出手段の異常の有無の判断用の接触式温度検出手段を、非接触式温度検出手段と同数備える構成では、部品点数が多くなる。
これに対して、態様Aでは、二以上の非接触式温度検出手段及び一つの接触式温度検出手段による温度の検出を、加熱対象の搬送を停止しているときに行う。
搬送を停止しているタイミングとしては、加熱部材に加熱対象が接触していない場合と、加熱部材に加熱対象が接触している場合とがあり得る。
加熱部材に加熱対象が接触していない場合には、加熱部材から熱が移動する対象がないため、加熱部材内の熱の伝達効率が向上し、加熱部材の表面上の温度ムラが均された状態となる。
また、加熱部材に加熱対象が接触している場合には、搬送を停止した加熱対象における加熱部材と接触する箇所が固定であるため、加熱部材と加熱対象との温度差が生じ難く、温度差が小さいことで、加熱部材の熱は加熱対象へと移動し難い。このため、加熱部材内の熱の伝達効率が向上し、加熱部材の表面上の温度ムラが均された状態となる。
態様Aでは、接触式温度検出手段及び非接触式温度検出手段による温度の検出を加熱対象の搬送を停止しているときに行うため、加熱部材の表面上の温度ムラが均された状態で温度検出を行うことができる。加熱部材の表面上の温度ムラが均された状態であれば、加熱部材における接触式温度検出手段の検出位置を複数の非接触式温度検出手段のそれぞれの検出位置に近づける必要がなくなる。よって、一つの接触式温度検出手段の検出結果と、二以上の非接触式温度検出手段の検出結果とを比較して、二以上の非接触式温度検出手段のそれぞれについて、適切に異常の有無を判断することが可能となる。これにより、接触式温度検出手段の数を複数の非接触式温度検出手段よりも少ない数とすることができ、非接触式温度検出手段と同数の接触式温度検出手段を備える構成に比べて、部品点数の削減を図ることができる。
態様Aにおいて、演算装置51等の温度検出異常検知手段は、被記録媒体W等の加熱対象の搬送を停止してから五分等の所定時間の経過後における奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段と接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段の検出結果とに基づいて、二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、上流側ヒートロール11U等の加熱部材の表面の温度分布が均一になった状態における検出結果に基づいて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することで、検出精度の向上が出来る。
態様Bにおいて、被記録媒体W等の加熱対象の搬送方向に直交する方向の長さである加熱対象の幅を検出する幅検出センサ17等の加熱対象幅検出手段を備え、検出した加熱対象の幅が、所定の長さを超えるときには、所定時間の経過前であっても奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段と接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する。
これによれば、上記変形例1について説明したように、加熱対象の幅が広く、上流側ヒートロール11U等の加熱部材に温度ムラが生じ難い条件の場合に、所定の時間を待たずに非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することで処理速度を向上できる。
態様BまたはCの何れかの態様において、奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段のそれぞれの検出結果同士の温度差が、所定の範囲内であるときには、所定時間の経過前であっても二以上の非接触式温度検出手段と接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する。
これによれば、上記変形例2について説明したように、上流側ヒートロール11U等の加熱部材に温度ムラが少ない状態の場合に、所定の時間を待たずに非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することで処理速度を向上できる。
態様Aにおいて、演算装置51等の温度検出異常検知手段は、被記録媒体W等の加熱対象の搬送を停止してからの所定時間の経過の前後によって、奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段のうち、接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段の検出結果に基づいて異常の有無を判断する非接触式温度検出手段を選択する。
これによれば、上記変形例3について説明したように、上流側ヒートロール11U等の加熱部材の表面の温度分布が均一になる前は、接触式温度検出手段との検出位置同士における温度差が少ない非接触式温度検出手段について優先的に異常の有無を判断する。これにより、速度処理を向上できる。
態様B乃至Eの何れかの態様において、被記録媒体W等の加熱対象の搬送を開始するとき上流側ヒートロール11U等の加熱部材の目標温度(印刷中目標温度T2等)が変更可能であり、目標温度に基づいて、所定時間を変化させる。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、幅狭の加熱対象を加熱する場合であっても、目標温度に応じて所定時間を短くすることが可能となり、処理速度の向上を図ることが出来る。
態様B乃至Fの何れかの態様において、外部からの入力によって所定時間が可変である。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、搬送動作を停止してから次回の非接触式温度センサ12等の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断するまでの所定時間を変更可能となる。よって、環境条件の影響を最小限に抑え、異常の有無を判断する判断精度を向上することが可能となる。
態様A乃至Gの何れかの態様において、演算装置51等の温度検出異常検知手段は、非接触式温度センサ12等の非接触式温度検出手段の検出結果と接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段の検出結果との温度差が所定の温度差を越えたときに非接触式温度検出手段に異常があると判断するものであり、外部からの入力によって所定の温度差が可変である。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、温度センサ(12、13)や上流側ヒートロール11Uの種類などのデバイス条件の影響を最小限に抑えることが可能となり、異常の有無を判断する判断精度を向上することが可能となる。
態様A乃至Hの何れかの態様において、演算装置51等の温度検出異常検知手段は、奥側非接触式温度センサ12r及び手前側非接触式温度センサ12f等の二以上の非接触式温度検出手段の何れか、または接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段が、所定の温度となったことを検出したときに、非接触式温度検出手段の異常の有無の判断を行い、外部からの入力によって所定の温度が可変である。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、非接触式温度検出手段の異常の有無の判断を行う所定の温度が変更可能となり、環境条件やデバイス条件の影響を最小限に抑え、異常の有無を判断する判断精度を向上することが可能となる。
態様A乃至Iの何れかの態様において、接触式温度センサ13等の接触式温度検出手段を上流側ヒートロール11U等の加熱部材に対して接離するセンサ接離モータ60等の接離手段を備え、接離手段は、被記録媒体W等の加熱対象の搬送を停止した後に、接触式温度検出手段を加熱部材に対して接触させ、加熱対象の搬送を開始する前に、接触式温度検出手段を加熱部材から離間させる。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、加熱部材との擦れによる接触式温度検出手段のセンサ部等の検出部の故障や加熱部材の表面の損傷が生じることを防止できる。
被記録媒体W等の被乾燥媒体を加熱手段によって加熱し、乾燥させる乾燥装置140等の乾燥装置において、加熱手段として、態様A乃至Jの何れかの態様に係る上流側加熱機構40等の加熱装置の構成を備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、加熱部材の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する乾燥装置で、部品点数の削減を図ることができる。
被記録媒体W等の記録媒体にインク液を塗布して画像を形成するプリンタ120等の画像形成装置と、記録媒体の搬送方向における画像形成装置の下流側に位置し、画像形成装置で画像が形成された記録媒体を加熱して乾燥する乾燥処理手段と、を備えた画像形成システム500等の画像形成システムであって、乾燥処理手段として、態様Kに係る乾燥装置140等の乾燥装置を備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、記録媒体のインク液を乾燥装置で乾燥させる画像形成システムで、部品点数の削減を図ることができる。
記録媒体にインク液を塗布して画像を形成する画像形成部と、画像形成部で画像が形成された記録媒体を加熱手段によって加熱して乾燥する乾燥処理部と、を備えた画像形成装置であって、加熱手段として、態様A乃至Jの何れかの態様に係る上流側加熱機構40等の加熱装置と同様の構成を備える。
これによれば、上記実施形態1について説明した構成と同様に、記録媒体のインク液を乾燥処理部で乾燥させる画像形成装置で、部品点数の削減を図ることができる。
加熱手段によって発生させた熱を用いてトナーを軟化もしくは溶融させて用紙S等の記録媒体に定着する定着装置412等の定着装置において、加熱手段として、態様A乃至Jの何れかの態様に係る上流側加熱機構40等の加熱装置と同様の構成を備える。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、加熱部材の温度を複数の非接触式温度検出手段で検出し、接触式温度検出手段を用いて非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する定着装置で、部品点数の削減を図ることができる。
トナーを用いて用紙S等の記録媒体上にトナー像を形成する画像形成部450等のトナー像形成手段と、トナー像を担持する記録媒体の表面を加熱し、記録媒体上にトナー像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置400等の画像形成装置において、定着手段として、態様Nに係る定着装置を用いる。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、画像形成装置の部品点数の削減を図ることができる。
2 ダンサーローラ
3 ダンサー可動フレーム
4 ダンサーユニット
5 ダンサー機構
10 乾燥機構
11 ヒートロール
11L 下流側ヒートロール
11U 上流側ヒートロール
12 非接触式温度センサ
12f 手前側非接触式温度センサ
12r 奥側非接触式温度センサ
13 接触式温度センサ
14 上流用ヒータランプ
14f 手前側ヒータランプ
14r 奥側ヒータランプ
15 下流用ヒータランプ
15a 長尺ヒータランプ
15b 短尺ヒータランプ
16 熱暴走センサ
17 幅検出センサ
20 冷却機構
21 冷却ローラ
22 冷却可動フレーム
23 冷却ファン
24 冷却ユニット
30 搬送機構
31 搬送ローラ
32 搬送ニップローラ
40 上流側加熱機構
45 下流側加熱機構
50 ヒータ制御部
51 演算装置
52 タイマ制御部
53 目標温度制御部
54 メモリ
60 センサ接離モータ
100 給紙装置
101 断熱壁
110 処理液塗布装置
120 プリンタ
120f 第一プリンタ
120r 第二プリンタ
130 反転装置
140 乾燥装置
150 後処理装置
160 印刷制御装置
400 画像形成装置
404 給紙部
406 レジストローラ対
408 感光体
410 転写装置
412 定着装置
414 給紙トレイ
416 給紙コロ
418 帯電ローラ
420 露光装置
422 現像装置
424 クリーニング装置
430 加圧ローラ
438 加熱ローラ
450 画像形成部
460 排紙トレイ
500 画像形成システム
H オペレーター
Lb 露光光
N 転写部
OP 操作パネル
S 用紙
T0 常温
T1 待機中目標温度
T2 印刷中目標温度
Tmpc ヒータ制御温度
W 被記録媒体
Claims (14)
- 搬送される加熱対象に接触する加熱部材と、
前記加熱部材に熱を付与する熱源と、
非接触で前記加熱部材の温度を検出する複数の非接触式温度検出手段と、
接触して前記加熱部材の温度を検出する接触式温度検出手段と、
前記非接触式温度検出手段の検出結果に基づいて前記熱源の駆動を制御する熱源駆動制御手段と、
前記非接触式温度検出手段及び前記接触式温度検出手段の検出結果に基づいて、前記非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する温度検出異常検知手段とを備える加熱装置において、
前記温度検出異常検知手段は、前記加熱対象の搬送を停止してから所定時間の経過後における、前記複数の非接触式温度検出手段のうちの二以上の非接触式温度検出手段の検出結果と、一つの前記接触式温度検出手段の検出結果と、を比較し、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断するものであり、
前記加熱対象の搬送方向に直交する方向の長さである前記加熱対象の幅を検出する加熱対象幅検出手段を設け、
検出した前記加熱対象の幅が、所定の長さを超えるときには、前記所定時間の経過前であっても前記二以上の非接触式温度検出手段と前記接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することを特徴とする加熱装置。 - 請求項1に記載の加熱装置において、
前記二以上の非接触式温度検出手段のそれぞれの検出結果同士の温度差が、所定の範囲内であるときには、前記所定時間の経過前であっても前記二以上の非接触式温度検出手段と前記接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することを特徴とする加熱装置。 - 搬送される加熱対象に接触する加熱部材と、
前記加熱部材に熱を付与する熱源と、
非接触で前記加熱部材の温度を検出する複数の非接触式温度検出手段と、
接触して前記加熱部材の温度を検出する接触式温度検出手段と、
前記非接触式温度検出手段の検出結果に基づいて前記熱源の駆動を制御する熱源駆動制御手段と、
前記非接触式温度検出手段及び前記接触式温度検出手段の検出結果に基づいて、前記非接触式温度検出手段の異常の有無を判断する温度検出異常検知手段とを備える加熱装置において、
前記温度検出異常検知手段は、前記加熱対象の搬送を停止してから所定時間の経過後における、前記複数の非接触式温度検出手段のうちの二以上の非接触式温度検出手段の検出結果と、一つの前記接触式温度検出手段の検出結果と、を比較し、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断するものであり、
前記二以上の非接触式温度検出手段のそれぞれの検出結果同士の温度差が、所定の範囲内であるときには、前記所定時間の経過前であっても前記二以上の非接触式温度検出手段と前記接触式温度検出手段との検出結果に基づいて、前記二以上の非接触式温度検出手段の異常の有無を判断することを特徴とする加熱装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の加熱装置において、
前記温度検出異常検知手段は、前記加熱対象の搬送を停止してから所定時間が経過しているか否かに応じて、前記二以上の非接触式温度検出手段のうち、前記接触式温度検出手段の検出結果に基づいて異常の有無を判断する前記非接触式温度検出手段を選択することを特徴とする加熱装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の加熱装置において、
前記加熱対象の搬送を開始するときの前記加熱部材の目標温度が変更可能であり、
前記目標温度に基づいて、前記所定時間を変化させることを特徴とする加熱装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の加熱装置において、
外部からの入力によって前記所定時間が可変であることを特徴とする加熱装置。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の加熱装置において、
前記温度検出異常検知手段は、前記非接触式温度検出手段の検出結果と前記接触式温度検出手段の検出結果との温度差が所定の温度差を越えたときに前記非接触式温度検出手段に異常があると判断するものであり、
外部からの入力によって前記所定の温度差が可変であることを特徴とする加熱装置。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の加熱装置において、
前記温度検出異常検知手段は、前記二以上の非接触式温度検出手段の何れか、または前記接触式温度検出手段が、所定の温度となったことを検出したときに、前記非接触式温度検出手段の異常の有無の判断を行い、
外部からの入力によって前記所定の温度が可変であることを特徴とする加熱装置。 - 請求項1乃至8の何れかに記載の加熱装置において、
前記接触式温度検出手段を前記加熱部材に対して接離する接離手段を備え、
前記接離手段は、前記加熱対象の搬送を停止した後に、前記接触式温度検出手段を前記加熱部材に対して接触させ、前記加熱対象の搬送を開始する前に、前記接触式温度検出手段を前記加熱部材から離間させることを特徴とする加熱装置。 - 被乾燥媒体を加熱手段によって加熱し、乾燥させる乾燥装置において、
前記加熱手段として、請求項1乃至9の何れかの加熱装置を備えることを特徴とする乾燥装置。 - 記録媒体にインク液を塗布して画像を形成する画像形成装置と、
記録媒体の搬送方向における前記画像形成装置の下流側に位置し、前記画像形成装置で画像が形成された記録媒体を加熱して乾燥する乾燥処理手段と、を備えた画像形成システムであって、
前記乾燥処理手段として、請求項10の乾燥装置を備えることを特徴とする画像形成システム。 - 記録媒体にインク液を塗布して画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された記録媒体を加熱手段によって加熱して乾燥する乾燥処理部と、を備えた画像形成装置であって、
前記加熱手段として、請求項1乃至9の何れかの加熱装置を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 加熱手段によって発生させた熱を用いてトナーを軟化もしくは溶融させて記録媒体に定着する定着装置において、
前記加熱手段として、請求項1乃至9の何れかに記載の加熱装置を用いることを特徴とする定着装置。 - トナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
トナー像を担持する記録媒体の表面を加熱し、記録媒体上にトナー像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
前記定着手段として、請求項13に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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