JP2016071131A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、記録材上のトナー像を定着する定着装置に関する。
定着ローラに加圧ローラを当接して記録材を加熱処理する定着装置が広く用いられている。定着ベルトに加圧ベルトを当接して記録材を加熱処理する定着装置も広く用いられている。
定着ローラの温度調整の目標温度を低下させた場合、定着ローラが新しい目標温度に収束するまでに冷却待ち時間が発生する。特許文献1では、冷却待ち時間を節約するために、送風ファンで冷却された加圧ローラを定着ローラに当接して回転させて、定着ローラを外側から強制冷却している。
特許文献1のように加圧ローラに送風ファンを付設し、送風ファンから送風して加圧ローラを空冷する構成において、送風ファンのON/OFFに伴って加圧ローラの実際の表面温度が変化していることが観察された。理由を調べたところ、加圧ローラの周面に近接又は当接した温度センサの検出温度が目標温度に収束するように加圧ローラの温度調整を行っており、送風ファンの送風が温度センサの検出温度を実際よりも低くしていることが判明した。
本発明は、送風部によるエアーが検出部の出力に影響を及ぼすことを抑制することができる定着装置を提供することを目的としている。
本発明の定着装置は、記録材上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する第1の回転体及び第2の回転体と、前記第1の回転体の温度を検出する検出部と、前記第1の回転体に向けて送風する送風部と、前記第1の回転体の周方向に沿って前記第1の回転体に非接触となるように設けられ、前記送風部によるエアーが前記検出部に向かうのを抑制する抑制部と、を有し、前記抑制部は、前記第1の回転体の周面に向かって開口した凹状部と、前記第1の回転体の周方向において前記凹状部を複数の空間に仕切る仕切り部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、送風部によるエアーが検出部の出力に影響を及ぼすことを抑制することができる。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(画像形成装置)
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト20に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト20に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部Paでは、感光ドラム3aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト20に一次転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム3bにマゼンタトナー像が形成されて、中間転写ベルト20に一次転写される。画像形成部Pc、Pdでは、感光ドラム3c、3dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト20に一次転写される。
記録材(シート、転写材)Pは、カセット10から1枚ずつ取り出されてレジストローラ12で待機する。記録材Pは、レジストローラ12によって中間転写ベルト20上のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ給送されてトナー像を二次転写される。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置9へ搬送され、定着装置9で加熱加圧を受けて画像を定着された後に、機体外部のトレイ13へ排出される。
両面印刷では、定着装置9において表面の画像を定着された記録材が反転搬送路111へ送り込まれ、スイッチバックして前後及び表裏反転状態で搬送路113を通過してレジストローラ12で待機する。記録材は、再び二次転写部T2へ給送されて裏面にトナー像を転写され、定着装置9で裏面の画像を定着された後に機体外部のトレイ13へ排出される。
(画像形成部)
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置1a、1b、1c、1dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、イエローの画像形成部Paについて説明し、他の画像形成部Pb、Pc、Pdに関する重複した説明を省略する。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置1a、1b、1c、1dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、イエローの画像形成部Paについて説明し、他の画像形成部Pb、Pc、Pdに関する重複した説明を省略する。
画像形成部Paは、感光ドラム3aの周囲に、コロナ帯電器2a、露光装置5a、現像装置1a、転写ローラ6a、及びドラムクリーニング装置4aを配置している。
コロナ帯電器2aは、感光ドラム3aの表面を、一様な電位に帯電させる。露光装置5aは、レーザービームを走査して感光ドラム3aに画像の静電像を書き込む。現像装置1aは、感光ドラム3aの静電像にトナーを移転して感光ドラム3aにトナー像を現像する。転写ローラ6aは、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加されて感光ドラム3aのトナー像を中間転写ベルト20へ一次転写させる。
中間転写ベルト20は、テンションローラ14、駆動ローラ15、及び対向ローラ16に掛け渡して支持され、駆動ローラ15に駆動されて矢印R2方向に回転する。二次転写ローラ11は、対向ローラ16に支持された中間転写ベルト20に圧接して二次転写部T2を形成する。ベルトクリーニング装置30は、クリーニングウエブを中間転写ベルト20に摺擦させて二次転写部T2を通過した転写残トナーをクリーニングする。
(定着装置)
図2は定着装置の構成の説明図である。図2に示すように、案内部材の一例である入口ガイド905は、定着ローラ910に位置関係が固定され、定着ニップ部Nへ記録材を案内する。記録材Pは、入口ガイド905に案内されて定着装置9の定着ニップ部Nに導かれ、定着ローラ910と加圧ローラ920とによって挟持搬送される。記録材P上のトナー画像Tは、定着ニップ部Nを通過する過程で加熱加圧されて記録材Pの表面に画像が定着される。
図2は定着装置の構成の説明図である。図2に示すように、案内部材の一例である入口ガイド905は、定着ローラ910に位置関係が固定され、定着ニップ部Nへ記録材を案内する。記録材Pは、入口ガイド905に案内されて定着装置9の定着ニップ部Nに導かれ、定着ローラ910と加圧ローラ920とによって挟持搬送される。記録材P上のトナー画像Tは、定着ニップ部Nを通過する過程で加熱加圧されて記録材Pの表面に画像が定着される。
第2の回転体の一例である定着ローラ910は、記録材のトナー像担持面に当接して記録材を加熱する。定着ローラ910は、アルミニウム、鉄等のパイプ材で形成された芯金910aの外側にシリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱弾性体で形成された弾性層910bを配置し、表面にPFA、PTFEといったフッ素樹脂材料の離型層910cを被覆している。定着ローラ910は、図示しない駆動機構によって矢印A方向に回転する。加圧ローラ920は、定着ローラ910に対して圧接/離間が可能に配置され、定着ローラ910に圧接することにより、定着ニップ部Nを形成して、矢印B方向に従動回転する。
第1の回転体の一例である加圧ローラ920は、定着ローラ910との間に記録材のニップ部の一例である定着ニップ部Nを形成する。加圧ローラ920は、定着ローラ910と同様に、パイプ材で形成された芯金920aの外側に耐熱弾性体の弾性層920bを配置し、表面にフッ素樹脂材料の離型層920cを被覆している。
記録材検知部906は、入口ガイド905の下部に設置されて、記録材Pの通過を検知する。記録材検知部906は、検知フラグ906aとフォトインタラプタ906bとで構成され、記録材Pが通過すると、検知フラグ906aが倒れてフォトインタラプタ906bが透過光を検知することにより、記録材Pの通過を検知する。
定着ローラ910の内部には、ヒータ911が非回転に配設される。ヒータ911は、通電により赤外線を放射して定着ローラ910を内部より加熱する。定着ローラ910に対して非接触にサーミスタ912が配設される。サーミスタ912は、定着ローラ910の表面温度を検出する。ヒータ制御部904は、サーミスタ912の出力に基づいてヒータ911への電力供給をON/OFF制御して、定着ローラ910の表面温度を定着時の目標温度(プリント温度)又は非定着時の待機温度(スタンバイ温度)に保つ。ヒータ制御部904は、サーミスタ912で検知した表面温度に基づいてヒータ911への電力供給を制御して、定着ローラ910の表面温度をトナーの定着に適した温度に保つ。
加圧ローラ920に対しても、同様に、加熱部の一例であるヒータ921が非回転に配設され、サーミスタ922が配設される。検出部の一例であるサーミスタ922は、加圧ローラ920の周面に近接又は当接した位置で加圧ローラ920の温度を検出する。制御部の一例であるヒータ制御部904は、サーミスタ922の出力に基づいて加圧ローラ920の加熱を制御する。ヒータ制御部904は、サーミスタ922の出力に基づいてヒータ921への電力供給をON/OFF制御(ヒータ921への通電を制御)して、加圧ローラ920の表面温度を定着ローラ910の目標温度よりも低い目標温度に保つ。ヒータ制御部904は、サーミスタ922で検知した表面温度に基づいてヒータ921への電力供給を制御して、加圧ローラ920の表面温度を定着画像が再溶解されない温度に保つ。
図1に示すように、両面印刷の場合、定着装置9で第1面の画像が定着された記録材は、フラッパー110により反転搬送路111に導かれ、第2面にトナー像を転写して定着装置9により画像の定着を行う。この際、加圧ローラ920の表面温度が高すぎると、第1面の画像が加圧ローラ920に触れて再溶解されて乱される可能性がある。このため、定着ローラ910の表面温度に対して、加圧ローラ920の表面温度は低めに設定されている。
ここでは、普通紙の加熱処理時及び普通紙の加熱処理待機時、定着ローラ910の目標温度は170℃、加圧ローラ920の目標温度は100℃である。ヒータ制御部904は、サーミスタ912、922の検出温度がそれぞれの目標温度に収束するように、ヒータ911、921の出力を制御する。
(接離機構)
図3はスタンバイ状態の定着装置の説明図である。図3に示すように、定着装置9は、普通紙に対して直ちに画像の定着を開始できるスタンバイ状態で待機する際、定着ローラ910から加圧ローラ920を離間させている。温度の高い定着ローラ910に温度の低い加圧ローラ920が圧接して回転する状態を維持していると、加圧ローラ920が外側から加熱されて、加圧ローラ920の加熱をOFFしても加圧ローラ920の表面温度が目標温度を超えてしまう。普通紙の加熱処理待機時であれば、表面温度が170℃の定着ローラ910に加熱されて加圧ローラ920の表面温度が130℃を超えてしまう。
図3はスタンバイ状態の定着装置の説明図である。図3に示すように、定着装置9は、普通紙に対して直ちに画像の定着を開始できるスタンバイ状態で待機する際、定着ローラ910から加圧ローラ920を離間させている。温度の高い定着ローラ910に温度の低い加圧ローラ920が圧接して回転する状態を維持していると、加圧ローラ920が外側から加熱されて、加圧ローラ920の加熱をOFFしても加圧ローラ920の表面温度が目標温度を超えてしまう。普通紙の加熱処理待機時であれば、表面温度が170℃の定着ローラ910に加熱されて加圧ローラ920の表面温度が130℃を超えてしまう。
図2に示すように、加圧ローラ920は、加圧アーム907の回動に伴って、定着ローラ910に対する圧接位置と離間位置との間を移動する。加圧ローラ920の両端を回転自在に支持する軸受920eは、回動軸925を中心にして回動可能な加圧アーム907に固定されている。加圧アーム907は、駆動モータ928が加圧カム927を回転させることにより、加圧ばね926を介して回動端を上下に移動させる。
制御部930は、駆動モータ928を制御して加圧アーム907を回動させることにより、定着ローラ910に対する加圧ローラ920の圧接と離間とを切り替える。制御部930は、トナー像が転写された記録材が定着装置9へ搬送される直前のタイミングで定着ローラ910に対して加圧ローラ920を圧接させて定着ニップ部Nを形成する。また、記録材が連続して定着ニップ部Nを通過している間は、圧接状態を維持する。そして、一連の記録材の定着処理が終了すると、その最後の記録材が定着ニップ部Nを通過したタイミングで定着ローラ910から加圧ローラ920を離間させる。
図2に示すように、サーミスタ922は、加圧アーム907に位置関係を固定して取り付けられている。サーミスタ922は、加圧アーム907に位置関係が固定されているため、加圧ローラ920の圧接・離間の回転移動動作に追従して動く。サーミスタ922は、加圧ローラ920が離間位置へ移動する動作に追従して加圧アーム907と一体に回動する。このため、図3に示すように、加圧ローラ920が離間位置へ移動する過程、あるいは加圧ローラ920が圧接位置へ移動する過程を通じて、サーミスタ922は、加圧ローラ920に対して同一の接触状態を保つ。
制御部930は、定着装置9がスタンバイ状態を維持している間、図3に示すように加圧アーム907を下方へ回動している。加圧ローラ920は、定着ローラ910から離間した位置に移動した状態で回転して次の加熱処理の開始を待機する。
(冷却ファン)
図2に示すように、定着装置9の下部には、加圧ローラ920へ向かって送風する冷却ファン903が配設される。送風部の一例である冷却ファン903は、加圧ローラ920に送風する。冷却ファン903は、軸流ファンであって、不図示のエアフィルタを通じた空気を加圧ローラ920に吹き付けて加圧ローラ920の周面に沿った気流を形成して加圧ローラ920を冷却する。
図2に示すように、定着装置9の下部には、加圧ローラ920へ向かって送風する冷却ファン903が配設される。送風部の一例である冷却ファン903は、加圧ローラ920に送風する。冷却ファン903は、軸流ファンであって、不図示のエアフィルタを通じた空気を加圧ローラ920に吹き付けて加圧ローラ920の周面に沿った気流を形成して加圧ローラ920を冷却する。
排気ファン950は、定着装置9が配置された画像形成装置100の筐体内の空気を外部へ排気して、ヒータ911、921で熱せられた定着装置9の熱が画像形成装置100の筐体内にこもらないようにする。
定着ローラ910の温度調整の目標温度が変更されると、その後、定着ローラ910の表面温度が新しい目標温度へ収束するまで、画像形成が中断されてダウンタイムが発生する。ここで、目標温度が高く変更された場合は、加熱の投入電力を高めることで速やかにダウンタイムを解消できる。しかし、目標温度が下げられた場合、自然冷却を待っていたのでは、ダウンタイムが際限なく伸びてしまう。そこで、実施の形態1では、冷却ファン903によって空冷された加圧ローラ920を定着ローラ910に圧接して定着ローラ910の温度低下を促進する。制御部930は、定着ローラ910の温度調整の目標温度が下げられた場合、加圧ローラ920を定着ローラ910に圧接して回転させると同時に、冷却ファン903をONして加圧ローラ920を冷却することで、定着ローラ910を強制冷却する。
また、定着ローラ910と加圧ローラ920の目標温度が異なる場合、プリント中に目標温度の高い定着ローラ910から目標温度の低い加圧ローラ920へ熱が伝わって加圧ローラ920の表面温度が目標温度を超えてしまうことがある。そこで、実施の形態1では、プリント中の加圧ローラ920に冷却ファン903から送風して強制冷却を行う。
送風制御部の一例である制御部930は、検出部の一例であるサーミスタ922の出力に基づいて冷却ファン903の送風を制御する。制御部930は、連続した定着処理の過程で、サーミスタ922が検知する加圧ローラ920の表面温度が目標温度に対して一定以上昇温した場合(目標温度よりも高い所定温度以上のとき)、加圧ローラ920へむけて送風することで加圧ローラ920を強制冷却する。送風制御部の一例である制御部930は、サーミスタ922の出力に基づいて冷却ファン903のON/OFFを制御する。
(定着装置の制御)
図4は定着装置の制御のフローチャートである。
図4は定着装置の制御のフローチャートである。
図2を参照して図4に示すように、定着装置9は、定着ローラ910から加圧ローラ920を離間してそれぞれの目標温度に維持した状態で、画像形成装置(100:図1)における画像形成の開始を待機している。画像形成装置(100)は、外部のコンピュータ等からプリントジョブのデータが送信されると(S1)プリントジョブで指定された画像形成を実行する。
制御部930は、プリントジョブで指定された記録材での定着ローラ910の目標温度に対してサーミスタ912の検出温度が±1℃の範囲であれば、ジョブスタート可能と判断する(S2のyes)。
制御部930は、加圧ローラ920を定着ローラ910へ圧接して定着ニップ部Nを形成する(S3)。
その後、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdでトナー像が形成され、トナー像が転写された記録材が順次、定着装置9に送り込まれて画像を定着される。連続的な定着処理の実行中、薄紙の加熱処理が続くと定着ローラ910の熱が加圧ローラ920へ過剰に流れ込んで加圧ローラ920の表面温度が目標温度100℃を超える場合がある。
そのため、制御部930は、サーミスタ922の検知温度が104℃を超えたら(S4のyes)冷却ファン903をONし(S5)、冷却が奏功して検知温度が100℃を下回ると(S6のyes)冷却ファン903をオフする(S7)。このように冷却ファン903を制御して連続的な記録材の定着処理を継続する。
制御部930は、ジョブで指定された画像形成(プリントアウト)が終了すると(S8のyes)、加圧ローラ920を定着ローラ910から離間位置に移動して、スタンバイ状態に移行する(S9)。このとき、冷却ファン903が回転していれば、サーミスタ922の検知温度が100℃を下回った時点でオフされる。
制御部930は、プリントジョブで指定された記録材での定着ローラ910の目標温度に対してサーミスタ912の検出温度が±1℃の範囲でなければ、ジョブスタート不可能と判断する(S2のno)。
プリントジョブで指定された記録材が定着ローラ910の温度調整の目標温度の変更を要するものである場合(S2のno)、目標温度を上昇させるか低下させるかを判断する(S10)。単位面積当たり重量の大きな厚紙が指定されている場合、目標温度は上昇される。制御部930は、目標温度を上昇させた場合(S10のno)、定着ローラ910の表面温度が新たな目標温度に達すると(S2のyes)、加圧ローラ920を定着ローラ910へ圧接して定着ニップ部Nを形成する(S3)。
単位面積当たり重量の小さい薄紙が指定されている場合、目標温度は低下される。しかし、目標温度を低下させた場合(S10のyes)、ヒータ911をOFFしても自然放熱だけでは定着ローラ910の温度はなかなか下がらない。
このため、制御部930は、相対的に冷たい加圧ローラ920を定着ローラ910へ圧接して定着ローラ910を表面から強制的に冷却する(S11)。また、定着ローラ910に加熱されて温度上昇する加圧ローラ920を冷却するために冷却ファン903をONする(S12)。
制御部930は、定着ローラ910、加圧ローラ920の表面温度がともに変更された目標温度へ変更完了すると(S13のyes)、冷却ファン903をオフして(S14)、加圧ローラ920を離間位置に移動する(S15)。これにより、新たな設定温度への切り替えが完了する。制御部930は、定着ローラ910の表面温度が新たな目標温度に達すると(S2のyes)、加圧ローラ920を定着ローラ910へ圧接して定着ニップ部Nを形成する(S3)。
(サーミスタの検出温度誤差)
定着ローラ910の表面温度を検知するために、従来は、定着ローラ910の表面に当接させて接触式のサーミスタを配置していた。しかし、接触式のサーミスタの場合、定着ローラ910の回転中、サーミスタが定着ローラ910の表面を摺擦し続け、摺擦部分に異物が付着すると定着ローラ910に摺擦傷が発生して好ましくない。そのため、近年では、非接触式の温度センサが採用されることもある。
定着ローラ910の表面温度を検知するために、従来は、定着ローラ910の表面に当接させて接触式のサーミスタを配置していた。しかし、接触式のサーミスタの場合、定着ローラ910の回転中、サーミスタが定着ローラ910の表面を摺擦し続け、摺擦部分に異物が付着すると定着ローラ910に摺擦傷が発生して好ましくない。そのため、近年では、非接触式の温度センサが採用されることもある。
定着ローラ910及び加圧ローラ920に付設される温度センサは、画像形成装置100の処理速度の高速化に伴い、接触式/非接触式にかかわらず、熱容量が小さくて応答性の高いものが求められている。
実施の形態1において、サーミスタ912、922は、熱容量が小さくて応答性が高く、熱的な外乱に対して敏感に反応する。このため、冷却ファン903を作動させて加圧ローラ920に送風を行うと、送風されたエアの一部がサーミスタ912、922に流れ込んで熱的な外乱を発生させ、サーミスタ912、922の検知温度が低めに出力されてしまう。その結果、同じ目標温度で温度調整された定着ローラ910の実際の表面温度が冷却ファン903のON時には少し高くなって、溶融したトナーが定着ローラ910へ移転するトナーオフセットが発生し易くなる。また、冷却ファン903のON時とOFF時とで出力された定着画像の光沢度が違ってくる。
また、加圧ローラ920の温度を検出するサーミスタ922は、冷却ファン903に近い位置に配置されているため、冷却ファン903の送風の影響をより受け易い。
(試作検討結果)
図8は比較例の定着装置の構成の説明図である。図8に示すように、比較例の定着装置9Hは、図2に示す遮風部材908を有しない以外は実施の形態1の定着装置9と同一に構成されている。そのため、図8中、実施の形態1の定着装置9と共通の構成部材には図2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図8は比較例の定着装置の構成の説明図である。図8に示すように、比較例の定着装置9Hは、図2に示す遮風部材908を有しない以外は実施の形態1の定着装置9と同一に構成されている。そのため、図8中、実施の形態1の定着装置9と共通の構成部材には図2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示すように、比較例の定着装置9Hでは、遮風部材908(908H、908I、908J)が無い場合、冷却ファン903の送風の一部がサーミスタ912、922へ流れ込んでサーミスタ912、922を冷却してしまう。このため、冷却ファン903のON時とOFF時とでは、サーミスタ922の検出温度は10度以上も異なる。
このとき、サーミスタ922の検出温度に応じて制御されるヒータ911のON/OFFタイミングが10℃高温側へシフトして、加圧ローラ920の表面温度が110℃に温度調整される。また、加圧ローラ920の表面温度が閾値温度の104℃を大きく超えた114℃にならないと冷却ファン903がONしなくなり、加圧ローラ920の表面温度が閾値温度の100℃を大きく超えた110℃で冷却ファン903がOFFしてしまう。
その結果、加圧ローラ920の表面温度が高温側へシフトして、両面印刷時に、記録材の裏面画像を軟化させて加圧ローラ920の表面傷を転写することがある。あるいは、加圧ローラ920の表面温度が高温側へシフトして、定着ローラ910の温度調整の目標温度が低下された際に定着ローラ910に当接させても、定着ローラ910の温度低下が遅くなることがある。
また、定着装置9Hの筺体内の空気は、加熱されて自然対流が発生し、自然対流が定着装置9の上方の隙間から漏れ出して排気ファン950に補足されて機体の外部へ排出されている。冷却ファン903を作動させると、自然対流を大幅に超えた流量の上昇気流が定着装置9の中を流れて排気ファン950によって機体の外部へ排出される。このため、冷却ファン903のON状態ではOFF状態に比較して大量の冷たいエアがサーミスタ912、922の横をすり抜けて上昇する。上昇する冷たいエアの流れは、サーミスタ912、922に熱的な外乱を発生させて、検出温度が低めに出力されてしまう。
実施の形態1では、冷却ファン903は、プリント中においてもスタンバイ中においても、加圧ローラ920の温度が過昇温しているときに動作させる。このため、加圧ローラ920が離間位置、圧接位置どちらに位置しても、サーミスタ912、922の誤検知が生じないようにする必要がある。
そこで、図8に太い実線で示すように、冷却ファン903とサーミスタ922との間に一枚板の遮風部材908Hを設けてサーミスタ912、922へ向かう冷却ファン903の送風を遮ることが検討された。しかし、加圧ローラの熱膨張、取り付け誤差、着脱交換時のクリアランスを考慮すると、遮風部材908Hの先端と加圧ローラとの間に1.5mm以上の隙間を設ける必要がある。そして、遮風部材908Hの先端と加圧ローラとの間に1.5mmの隙間を設けると、遮風部材908Hの先端と加圧ローラの隙間を抜ける送風によってサーミスタ922の検出温度が影響を受けてしまうことが確認された。
また、図8に細い破線で示すように、冷却ファン903とサーミスタ922との間にブロック状の遮風部材908Iを設けてサーミスタ912、922へ向かう冷却ファン903の送風を遮ることが検討された。しかし、遮風部材908Iと加圧ローラとの間に1.5mmの隙間を設けると、遮風部材908Iの先端と加圧ローラの隙間を抜ける送風によってサーミスタ922の検出温度が影響を受けてしまうことが確認された。
さらに、図8に太い破線で示すように、冷却ファン903とサーミスタ922との間にU字溝状の遮風部材908Jを設けてサーミスタ912、922へ向かう冷却ファン903の送風を遮ることが検討された。しかし、遮風部材908Jと加圧ローラとの間に1.5mmの隙間を設けると、遮風部材908Jの先端と加圧ローラの隙間を抜ける送風によってサーミスタ922の検出温度が影響を受けてしまうことが確認された。
そして、図8に示す遮風部材908Jの内側に図5に示すように2枚の仕切り板を追加してU字溝を加圧ローラ920の回転方向に複数並べた凹状部材を試作して同様に評価実験を行った。すると、試作した遮風部材と加圧ローラとの間に1.5mmの隙間を設けても、温度センサの検出温度に影響が及ばなくなることが確認された。
そこで、実施の形態1では、図2に示すように、冷却ファン903とサーミスタ922との間にU字溝を複数並べた形状の遮風部材908を設けて、サーミスタ912、922へ向かう冷却ファン903の送風を遮っている。
(遮風部材)
図5は遮風部材の斜視図である。図2に示すように、抑制部の一例である遮風部材908は、加圧アーム907に位置関係を固定して取り付けられている。遮風部材908は、加圧アーム907に位置関係が固定されているため、加圧ローラ920の圧接・離間の回転移動動作に追従して動く。遮風部材908は、加圧ローラ920が離間位置へ移動する動作に追従して加圧アーム907と一体に回動する。このため、図3に示すように、加圧ローラ920が離間位置へ移動する過程、あるいは加圧ローラ920が圧接位置へ移動する過程を通じて、サーミスタ922は、加圧ローラ920に対して同一の隙間の対向状態を保つ。
図5は遮風部材の斜視図である。図2に示すように、抑制部の一例である遮風部材908は、加圧アーム907に位置関係を固定して取り付けられている。遮風部材908は、加圧アーム907に位置関係が固定されているため、加圧ローラ920の圧接・離間の回転移動動作に追従して動く。遮風部材908は、加圧ローラ920が離間位置へ移動する動作に追従して加圧アーム907と一体に回動する。このため、図3に示すように、加圧ローラ920が離間位置へ移動する過程、あるいは加圧ローラ920が圧接位置へ移動する過程を通じて、サーミスタ922は、加圧ローラ920に対して同一の隙間の対向状態を保つ。
図2を参照して図5に示すように、遮風部材908は、加圧ローラ920の周面との間に隙間を隔てて冷却ファン903と加圧ローラ920温度検出部との間に配置されてサーミスタ922へ向かう冷却ファン903の送風を遮る。
遮風部材908は、加圧ローラ920の回転軸線に沿った方向に連続して加圧ローラ920の周面に向かって開口したU字型の凹状部を有している。この凹状部は、複数の遮風板908a(仕切り部)により、加圧ローラ920の回転方向に隣接し且つ2以上配列するように形成される。遮風部材908は、底板908cを有している。複数の遮風板908aは、加圧ローラ920の回転方向に間隔を置いて並べられている。遮風板908aの底板908cと反対側の縁が最近接部908bである。最近接部908bは、加圧ローラ920の表面に対して所定の隙間を介して配置されている。
遮風部材908は、加圧ローラ920の回転軸線方向(長手方向)の両端部に壁が無い(両端部が開放された)3つの空間908mを有する。3つの空間908mは、U字型に折り曲げた大小二つのアルミニウム板を複数個所で折り爪結合して形成している。
図2に示すように、遮風部材908は、加圧アーム907に取り付けられているため、加圧ローラ920の圧接・離間の回転移動動作に追従して動く。その結果、遮風部材908の加圧ローラ920に最も近接した最近接部(908b:図5)と加圧ローラ920との隙間は、圧接・離間動作に関わらず一定に保たれる。
遮風部材908を用いて上述したように性能評価実験を行ったところ、最近接部908bと加圧ローラ920との隙間が2.0mm以下であれば、冷却ファン903の送風がサーミスタ912の検出温度に影響を及ぼさないことが確認された。冷却ファン903のON/OFFにかかわらず、サーミスタ922は良好に加圧ローラ920の温度を検出できることが確認された。
この実験結果に基づいて、最近接部908bと加圧ローラ920の隙間を1.5mmに設定した。最近接部908bと加圧ローラ920の隙間は、なるべく小さくしつつも取り付け公差ばらつきや加圧ローラ920の熱膨張を加味しても接触することのないよう設定する必要がある。隙間の設定は、定着装置の構成、冷却ファンの送風量、サーミスタの応答性によって適宜変更して設定することも可能である。
(遮風部材における空気の流れ)
図6はスタンバイ時の空気の流れの説明図である。図7は画像形成時の空気の流れの説明図である。図6、図7は、遮風部材908の拡大断面図に想定される空気の流れを記入したものである。
図6はスタンバイ時の空気の流れの説明図である。図7は画像形成時の空気の流れの説明図である。図6、図7は、遮風部材908の拡大断面図に想定される空気の流れを記入したものである。
図6に示すように、冷却ファン903から、加圧ローラ920へ向けて冷却エアが吹き込まれると、冷却エアの一部は、加圧ローラ920表面又は遮風部材908の外側に沿って流れるエアフローF1となる。エアフローF1は、主に加圧ローラ920及び定着ローラ910を冷却するのに使用されるエアフローである。
冷却エアの別の一部は、加圧ローラ920と遮風部材908の最近接部908bとの隙間に流れ込むエアフローF2となる。エアフローF2の一部は、最初の空間908mにおいて、遮風板908aと底板908cとで囲まれる空間の中で対流するエアフローF3を形成する。エアフローF2の一部が、一対の遮風板908aと底板908cと加圧ローラ920とで囲まれたU字型の空間に入り込んで渦状の空気流を形成することで、出口側の遮風板908aと加圧ローラ920の隙間を通過する空気流が減衰する。
サーミスタ922に到達しようとするエアフローF2は、まず、加圧ローラ920と遮風部材908の最近接部908bとの隙間を通って最初の空間908mへ流れ込むときに減衰する。
減衰しながらも最初の空間908mに流れ込んだエアフローF2は、最初の空間908mに流れ込むときに一旦拡散する。拡散したエアフローは、2番目の空間908mに流れ込むエアフローF2と、最初の空間908mで渦を巻くように対流・減衰しながら回転軸線方向の両端の開口部へ向けて抜けていくエアフローF3とに分離される。この結果、2番目の空間908mへ流れ込むエアフローF2は、最初の空間908mへ流れ込んだときのエアフローF2に比べて大きく減衰している。
減衰しながらも2番目の空間908mに流れ込んだエアフローF2は、2番目の空間908mに流れ込むときに一旦拡散する。拡散したエアフローは、3番目の空間908mに流れ込むエアフローF2と、2番目の空間908mの空間で渦を巻くように対流・減衰しながら回転軸線方向の両端の開口部へ向けて抜けていくエアフローF3とに分離される。この結果、3番目の空間908mへ流れ込むエアフローF2は、2番目の空間908mへ流れ込んだときのエアフローF2に比べて大きく減衰している。
このように、サーミスタ922に到達しようとするエアフローは、間隔を置いて並べられた複数の遮風板908aと加圧ローラ920の隙間を通過するたびに、減衰、拡散、エアフローF2とF3とに分離を繰り返して大きく減衰する。
このようにして、最終的にサーミスタ922に到達するエアフローF2は、最初のエアフローF2に比べて大幅に抑制されたものとなる。その結果、冷却ファン903のON/OFFに関わらず、サーミスタ922を用いて加圧ローラ920の表面温度を良好に検出できる。
遮風部材908によるエアフロー減衰効果は、定着ローラ910の表面温度を検知するサーミスタ912へ向かう冷却ファン903の送風に対しても有効である。遮風部材908は、サーミスタ912へ向かう冷却エアも減らしてサーミスタ912によって検出された定着ローラ910の表面温度の誤差を減らす。
図7に示すように、遮風部材908は、加圧アーム907と一体に移動するため、画像形成時においても遮風部材908と加圧ローラ920の対向状態はスタンバイ時と同一である。画像形成時とスタンバイ時とで、加圧ローラ920と遮風部材908の最近接部908bとの隙間が同一であるため、各空間908mにおいてエアフローF1、F2、F3の流れ方が同一に再現される。このため、画像形成時であろうとスタンバイ時であろうと、サーミスタ922を用いて加圧ローラ920の表面温度を良好に検出できる。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1では、遮風部材が、冷却ファン903の送風がサーミスタ922へ流れ込むことを抑制するので、サーミスタ922による加圧ローラ920の温度誤検出を低減できる。温度誤検出に伴う冷却ファン903の動作タイミングのずれや、加圧ローラ920の温度調整の狂いを抑制できる。
実施の形態1では、遮風部材が、冷却ファン903の送風がサーミスタ922へ流れ込むことを抑制するので、サーミスタ922による加圧ローラ920の温度誤検出を低減できる。温度誤検出に伴う冷却ファン903の動作タイミングのずれや、加圧ローラ920の温度調整の狂いを抑制できる。
実施の形態1では、接離機構の一例である加圧アーム907は、定着ローラ910に対して加圧ローラ920を接離させる。連動機構の一例である加圧アーム907は、加圧アーム907の回動に伴って遮風部材908を移動させて遮風部材908の先端と加圧ローラ920との対向距離を一定に保つ。このため、離間状態でも当接状態でもサーミスタ922は、サーミスタ922へ向かう冷却ファン903の送風による外乱を生じない。精度高く加圧ローラ920の温度を検出して正確な温度制御が可能となる。
実施の形態1では、加圧アーム907は、加圧ローラ920の回転軸を支持して定着ローラ910に位置関係が固定された回動軸の周りで回動することにより定着ローラ910に対して加圧ローラ920を接離させるレバー部材である。このため、部品点数少なく、小型に構成できる。遮風部材908が加圧アーム907に位置関係を固定して配置される構造であるため、遮風部材908を移動させる専用の機構が必要ない。
<実施の形態2>
図9は実施の形態2における遮風板の配置の説明図である。図9に示すように、実施の形態2の定着装置9は、図5に示す実施の形態1の定着装置に対して、遮風部材908の遮風範囲が異なる以外は同一であるため、図6中、実施の形態1と共通する構成には図5と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図9は実施の形態2における遮風板の配置の説明図である。図9に示すように、実施の形態2の定着装置9は、図5に示す実施の形態1の定着装置に対して、遮風部材908の遮風範囲が異なる以外は同一であるため、図6中、実施の形態1と共通する構成には図5と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図9に示すように、実施の形態2では、実施の形態1に比較して加圧ローラ920の回転軸線方向における遮風部材908の長さを短くして、遮風部材908が風を遮る遮風範囲を、サーミスタ912が配置されている位置周辺に限定している。このため、図9に示す比較例1に比較すれば加圧ローラ920の冷却効率が低くなるが、図5に示す実施の形態1よりも加圧ローラ920の冷却効率が高くなる。
なお、図7に示すように、サーミスタ912が定着ローラ910に対して複数配置されている場合、それぞれのサーミスタ912の配置に対応した部分に遮風部材908を加圧ローラ920回転軸方向に複数配置することになる。
いずれにせよ、実施の形態2では、図2に示すように、遮風部材908は、実施の形態1と同様、回動軸925を中心にして加圧ローラ920と一体に回動される加圧アーム907に位置関係が固定される。その結果、定着ローラ910に対する加圧ローラ920の圧接状態と離間状態とで遮風部材908の先端と加圧ローラ920の隙間は変化せず、サーミスタ912、922へ向かう冷却ファン903の送風を同程度に遮ることができる。冷却ファン903のオン/オフ、加圧ローラ920の圧接/離間にかかわらず、サーミスタ912、922の検知温度に対する冷却ファン903の送風の影響を除いて、定着ローラ910及び加圧ローラ920の表面温度を一定に保つことができる。
実施の形態2では、遮風部材908は、加圧ローラ920の回転方向に流れる冷却ファン903の送風を遮る加圧ローラ920の回転軸線方向の範囲が加圧ローラ920の回転軸線方向の長さ未満である。しかし、加圧ローラ920の回転軸線方向における遮風部材908の長さは、冷却ファン903の送風が遮風部材908の両端を周回してサーミスタ912へ到達しない長さである。具体的には、加圧ローラ920の長さ400mmの1/2以下の一例である160mmである。これにより、冷却ファン903による加圧ローラ920全体の除熱性能が高まるとともに、定着ローラ910の端部の温度が上昇する非通紙部昇温の冷却にも効果がある。
実施の形態2では、遮風部材908は、凹状部の加圧ローラ920の回転軸線に沿った方向(長手方向)の両端部が閉じられている。これにより、冷却ファン903の送風が流れ込んだときに、両端部が開放されている場合よりも空間908m内の圧力が高まり、遮風部材908の長さが短くても遮風部材908と加圧ローラ920の隙間を流れる冷却エアの遮風効果が損なわれないで済む。
<その他の実施の形態>
上述した実施の形態1、2は、本発明の実施の形態の一例にすぎず、本発明は、上述した実施の形態1、2の構成と制御には限定されない。
上述した実施の形態1、2は、本発明の実施の形態の一例にすぎず、本発明は、上述した実施の形態1、2の構成と制御には限定されない。
実施の形態1の構成を採用するか実施の形態2の構成を採用するかは、冷却ファン903の送風能力と、使用しているサーミスタの応答性によって選択することができる。
実施の形態1、2では、第1の回転体、第2の回転体としていずれもローラ部材を使用しているが、第1の回転体、第2の回転体の一方又は両方を複数の張架ローラに張架された無端状のベルト部材等の別の回転体に置き換えてもよい。
実施の形態1、2では、検出部として接触式のサーミスタを採用したが、サーモパイル、熱電対、半導体素子、その他の温度センサ等を採用してもよい。これらは非接触式でもよい。
実施の形態1において遮風部材908と加圧ローラ920の対向間隔は、1.5mmとしたが、遮風部材908と加圧ローラ920の隙間の設定は、定着装置9の構成、冷却ファン903の送風量、サーミスタ912の応答性によって適宜変更してもよい。
1a、1b、1c、1d 現像装置
3a、3b、3c、3d 感光ドラム
5a、5b、5c、5d 露光装置
9 定着装置、10 カセット、11 二次転写ローラ
12 レジストローラ、20 中間転写ベルト
100 画像形成装置、
903 冷却ファン、904 ヒータ制御部、905 入口ガイド
907 加圧アーム、908 遮風部材、910 定着ローラ
911、921 ヒータ、912、922 サーミスタ
920 加圧ローラ、925 回動軸、926 加圧ばね
927 加圧カム、928 駆動モータ 930 制御部
N 定着ニップ部、Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成部
3a、3b、3c、3d 感光ドラム
5a、5b、5c、5d 露光装置
9 定着装置、10 カセット、11 二次転写ローラ
12 レジストローラ、20 中間転写ベルト
100 画像形成装置、
903 冷却ファン、904 ヒータ制御部、905 入口ガイド
907 加圧アーム、908 遮風部材、910 定着ローラ
911、921 ヒータ、912、922 サーミスタ
920 加圧ローラ、925 回動軸、926 加圧ばね
927 加圧カム、928 駆動モータ 930 制御部
N 定着ニップ部、Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成部
Claims (7)
- 記録材上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する第1の回転体及び第2の回転体と、
前記第1の回転体の温度を検出する検出部と、
前記第1の回転体に向けて送風する送風部と、
前記第1の回転体の周方向に沿って前記第1の回転体に非接触となるように設けられ、前記送風部によるエアーが前記検出部に向かうのを抑制する抑制部と、を有し、
前記抑制部は、前記第1の回転体の周面に向かって開口した凹状部と、前記第1の回転体の周方向において前記凹状部を複数の空間に仕切る仕切り部と、を有することを特徴とする定着装置。 - 前記抑制部は、前記第1の回転体の周方向において前記凹状部が3つの空間に仕切られるように、別の仕切り部を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記第1の回転体の長手方向において前記凹状部の両端部は閉じられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
- 前記第1の回転体を前記第2の回転体に対し接離させる接離機構を有し、前記接離機構は前記抑制部を前記第1の回転体との位置関係を維持したまま移動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記第1の回転体を加熱する加熱部と、前記第1の回転体の温度が目標温度となるように前記検出部の出力に応じて前記加熱部への通電を制御する制御部と、を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記送風部は、前記第1の回転体の温度が前記目標温度よりも高い所定温度以上のとき、前記第1の回転体に向けて送風することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記検出部は、前記第1の回転体の周面に接触するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
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