JP2014142606A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】離型剤に起因する所定の粒径の粒子が広範囲に亘って拡散してしまうのを抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】離型剤を含有するトナーSを用いてシートPにトナー像を第1の位置12にて形成する画像形成部5,10,12と、画像形成部によりシートに形成されたトナー像を第2の位置101bにて熱と圧により定着する定着部103と、画像形成部と定着部との間においてエアフロー経路を形成するファン150と、第1の位置12から第2の位置に至るシート搬送経路とエアフロー経路との間を実質的に仕切る仕切り部120と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図4
【解決手段】離型剤を含有するトナーSを用いてシートPにトナー像を第1の位置12にて形成する画像形成部5,10,12と、画像形成部によりシートに形成されたトナー像を第2の位置101bにて熱と圧により定着する定着部103と、画像形成部と定着部との間においてエアフロー経路を形成するファン150と、第1の位置12から第2の位置に至るシート搬送経路とエアフロー経路との間を実質的に仕切る仕切り部120と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図4
Description
本発明は、シートにトナー像を形成する画像形成装置に関する。この画像形成装置としては、例えば、電子写真式の、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等を挙げることができる。
従来より電子写真式の画像形成装置においては、離型剤(ワックス)が含有されたトナーを用いて用紙(シート)にトナー像を形成し、これを定着装置において加熱及び加圧することにより定着処理を行っている。
その定着処理の際に、トナーに含有されていたワックスが気化し、その直後、凝縮することが知られている。本発明者等の知見によれば、定着装置の用紙の導入口付近に、凝縮後のワックス(数nm〜数百nm程度の微粒子、以下、ダストとも呼ぶ)の多くが存在、浮遊していることが分かっている。
このような用紙の導入口付近に多く存在する凝縮直後のワックスに対し何ら対処を行わないと、エアフローにのってその多くが機内に広範囲に亘って拡散し、画像に良くない影響を与えてしまう恐れがある。そこで、凝縮直後のワックスがエアフローにのって機内に広範囲に亘って拡散しないようにすることが求められている。
一方、特許文献1に記載の電磁誘導方式の定着装置では、ワックスがコイルホルダに固着し堆積してしまうのを防止すべく、コイルホルダの近傍に発熱体を設けている。詳細には、コイルホルダを発熱体により加熱することによりワックスを液化させて、コイルホルダに固着していたワックスを下方へ落下させるようにしている。
また、特許文献2に記載の定着装置では、定着ローラに付着した微粒子をクリーニングウェブにより除去するにあたり、クリーニングウェブに微粒子を補足するための捕捉材を含有させている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の定着装置では、用紙の導入口付近に多く存在するダストが機内の広範囲に亘って拡散してしまうのを抑制することができないため、解決策にはなり得ない。
本発明の目的は、離型剤に起因する所定の粒径の粒子が広範囲に亘って拡散してしまうのを抑制することができる画像形成装置を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、
離型剤を含有するトナーを用いてシートにトナー像を第1の位置にて形成する画像形成部と、
前記画像形成部によりシートに形成されたトナー像を第2の位置にて熱と圧により定着する定着部と、
前記画像形成部と前記定着部との間においてエアフロー経路を形成するファンと、
前記第1の位置から前記第2の位置に至るシート搬送経路と前記エアフロー経路との間を実質的に仕切る仕切り部と、
を有することを特徴とする。
離型剤を含有するトナーを用いてシートにトナー像を第1の位置にて形成する画像形成部と、
前記画像形成部によりシートに形成されたトナー像を第2の位置にて熱と圧により定着する定着部と、
前記画像形成部と前記定着部との間においてエアフロー経路を形成するファンと、
前記第1の位置から前記第2の位置に至るシート搬送経路と前記エアフロー経路との間を実質的に仕切る仕切り部と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、離型剤に起因する所定の粒径の粒子が広範囲に亘って拡散してしまうのを抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
<実施例1>
(1)画像形成装置例の全体的な構成説明
図3は本実施例における画像形成装置1の縦断正面模式図である。この画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンタ(カラー電子写真画像形成装置)である。即ち、パソコン・イメージリーダ等の外部ホスト装置Bから制御回路部(制御手段:CPU)Aに入力する電気的画像信号に基づいてシートである記録材(用紙、OHPシート、ラベル等。以下、用紙と記す)Pに画像形成を行う。
(1)画像形成装置例の全体的な構成説明
図3は本実施例における画像形成装置1の縦断正面模式図である。この画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンタ(カラー電子写真画像形成装置)である。即ち、パソコン・イメージリーダ等の外部ホスト装置Bから制御回路部(制御手段:CPU)Aに入力する電気的画像信号に基づいてシートである記録材(用紙、OHPシート、ラベル等。以下、用紙と記す)Pに画像形成を行う。
制御回路部Aは外部ホスト装置Bや操作部Cとの間で各種の電気的情報の授受をすると共に、画像形成装置1の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。ここで、図3の画像形成装置1は図面に垂直方向の手前側が前面側、奥側が背面側である。左右は前面側から見て左または右である。上下は重力方向において上または下である。
この画像形成装置1は画像形成器(画像形成部)として機能する第1から第4の4つの画像形成ステーション(以下、ステーションと記す)5(5Y、5M、5C、5K)を備えている。各ステーション5は画像形成装置1の装置本体1A内のほぼ中央部に左側から右側にかけてほぼ水平方向に順次に並行に配列されている。
各ステーション5は互いに同様の電子写真プロセス機構を有している。本実施例の各ステーション5は、画像が形成される像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)6を有する。また、このドラム6に作用するプロセス手段としての帯電ローラ(帯電手段)7、クリーニング部材(クリーニング手段)41、現像ユニット(現像手段)9を有している。
第1のステーション5Yは現像ユニット9のトナー収容室内にイエロー(Y)色の現像剤(以下、トナーと記す)が収容されている。第2のステーション5Mは現像ユニット9のトナー収容室内にマゼンタ(M)色のトナーが収容されている。第3のステーション5Cは現像ユニット9のトナー収容室内にシアン(C)色のトナーが収容されている。第4のステーション5Kは現像ユニット9のトナー収容室内にブラック(K)色のトナーが収容されている。
各ステーション5の下側には、各画像形成ステーション5のドラム6に対する画像形成器(画像形成部、露光手段)として機能するレーザースキャナユニット8が配置されている。また、各ステーション5の上側には、画像形成器(画像形成部)として機能する転写ユニット(中間転写ベルトユニット)10が設けられている。
転写ユニット10は、図3において右側に配設した駆動ローラ10aと、左側に配設したテンションローラ10bと、この両ローラ間に懸回張設した中間転写体としての中間転写ベルト部材(以下、ベルトと記す)10cと、を有する。また、ベルト10cの内側には各ステーション5のドラム6に対向する第1から第4の4つの一次転写(1次転写)ローラ11が並行に配設されている。各ステーション5のドラム6は上面部分が各一次転写ローラ11の位置においてベルト10cの下行側ベルト部分の下面に接している。その接触部が一次転写部である。
駆動ローラ10aのベルト屈曲部の外側には画像形成器(画像形成部)として機能する二次転写(2次転写)ローラ12が配設されている。ベルト10cと二次転写ローラ12との接触部が二次転写部(用紙Pへ画像を形成する位置)である。テンションローラ10bのベルト屈曲部の外側には転写ベルトクリーニング装置10dが配設されている。
レーザースキャナユニット8の下側には、用紙給送カセット2が配設されている。カセット2は所定の要領にて装置本体1Aに対して引き出しおよび挿入可能に構成されている。装置本体1A内の右側にはカセット2から給送した用紙Pを上方へ搬送する上向きの用紙搬送路(縦パス:ほぼ垂直の記録材搬送路)Dが配設されている。
この用紙搬送路Dには下側から上側に順に、給送ローラ2aとリタードローラ2bとのローラ対、レジストローラ対4、二次転写ローラ12、定着装置103、両面フラッパ15a、排出ローラ対14が配設されている。装置本体1Aの上面は排出トレイ(排出用紙積載部)16となっている。
装置本体1Aの右側面側には手差し給送部(マルチ・パーパス・トレイ)3が設けられている。この手差し給送部3は不使用時には装置本体1Aに対して2点鎖線示のように縦起こして畳み込んだ閉状態(格納状態)にしておくことが出来る。使用時には実線示のように倒し開き状態にする。
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。制御回路部Aはプリント開始信号に基づいて画像形成装置1の画像形成動作を開始させる。即ち、画像形成タイミングに合わせて各ステーション5のドラム6が矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。ベルト10cも矢印Rの反時計方向(ドラムの回転に順方向)にドラム6の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザースキャナユニット8も駆動される。
この駆動に同期して、各ステーション5において、所定の帯電バイアスが印加された帯電ローラ7によりドラム6の表面が所定の極性・電位に均一に帯電される。レーザースキャナユニット8は各ドラム6の表面をY・M・C・Kの各色の画像情報信号に応じて変調されたレーザービームで主走査露光する。これにより、各ドラム6の表面に対応色の画像情報信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像ユニット9が有する現像ローラ(現像部材)によりトナー像(現像剤像)として現像される。現像ローラには所定の現像バイアスが印加される。
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のステーション5Yのドラム6にはフルカラー画像のY色成分に対応するY色トナー像が形成され、ベルト10c上に一次転写される。第2のステーション5Mのドラム6にはフルカラー画像のM色成分に対応するM色トナー像が形成され、ベルト10c上にすでに転写されているY色のトナー像に重畳されて一次転写される。
第3のステーション5Cのドラム6にはフルカラー画像のC色成分に対応するC色トナー像が形成され、ベルト10c上にすでに転写されているY色+M色のトナー像に重畳されて一次転写される。第4のステーション5Kのドラム6にはフルカラー画像のK色成分に対応するK色トナー像が形成され、ベルト10c上にすでに転写されているY色+M色+C色のトナー像に重畳されて一次転写される。
第1から第4の各一次転写ローラ11には、所定の制御タイミングにて、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の一次転写バイアスが印加される。このようにして、移動するベルト10c上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が合成形成される。この未定着トナー像はベルト10cの引き続く回転により搬送されて二次転写部に至る。各ステーション5において、ベルト10cに対するトナー像の一次転写後のドラム6の表面は一次転写残トナーがクリーニング部材(クリーニングブレード)41により拭掃除去されて、次の作像工程に供される。
一方、カセット2内の用紙Pが所定の制御タイミングで給送ローラ2aとリタードローラ2bによって1枚分給送されてレジストローラ対4へ搬送される。手差し給送モードである場合は、手差しトレイ3上の用紙Pが給送ローラ3aで繰り出され、搬送ローラ対3bでレジストローラ対4へ搬送される。
用紙Pは、レジストローラ対4によって所定の制御タイミングで二次転写部へ搬送される。二次転写ローラ12には、所定の制御タイミングにて、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の二次転写バイアスが印加される。これにより、用紙Pが二次転写部を挟持搬送されていく過程において、ベルト10c上の4色重畳のトナー像が用紙Pの面に順次に一括して二次転写される。本実施例においては、ステーション5、転写ユニット10、二次転写ローラ12が用紙Pに対して離型剤を含有するトナーによるトナー像を形成する画像形成部である。
二次転写部を出た用紙Pはベルト10cから分離され、定着部として機能する定着装置103へ搬送されてトナー像が用紙P上に固着像として加熱定着される。本実施例においては、用紙Pは、二次転写部(第1の位置)から定着装置103の後述する定着ニップ部(第2の位置)101bに至る搬送路(シート搬送経路)において、重力方向上方に搬送されて定着装置103に導入される。即ち、本実施例においては、定着装置103はベルト10cよりも重力方向上方に位置しており、したがって、定着ニップ部(第2の位置)101bは二次転写部(第1の位置)よりも重力方向上方に位置している。
定着装置103を下から上に抜け出て搬送された用紙Pは実線示の第1の姿勢aに保持されている両面フラッパ15aの下側を通り、排出ローラ14によって排出トレイ16に排出される。用紙Pに対するトナー像の二次転写後にベルト10cの表面に残留した二次転写残トナーは転写ベルトクリーニング装置10dによりベルト表面から除去され、クリーニングされたベルト10cの表面が繰り返して作像工程に供される。
定着装置103を出た片面画像形成済みの用紙Pを排紙トレイ16に排紙せず、用紙Pの2面目に印字するための両面搬送部(再循環搬送経路)15bに搬送して両面印字することもできる。この場合は、定着装置103を出た片面画像形成済みの用紙Pが破線示の第2の姿勢bに切り換えられた両面フラッパ15aの上面側を通り、反転搬送部(スイッチバックローラ対)15により排紙トレイ16の側に搬送される。
そして、用紙Pの搬送方向下流側の端部が両面フラッパ15aの上に到達すると、両面フラッパ15aが第1の姿勢aに戻されると共に、反転搬送部15が逆転駆動される。これにより、用紙Pは両面搬送部15b内を下向きに反転搬送され、搬送ローラ対15c、3bを経由して再びレジストローラ対4へ搬送される。以後は、片面画像形成モードの場合と同様に、二次転写部、定着装置103、排出ローラ対14の経路を搬送されて、両面画像形成済みの用紙Pが排紙トレイ16に排出される。
また、手差し給送部3の上部には、ジャム処理やメンテナンス時において用紙搬送路(縦パス)Dおよび定着装置103にアクセスできるよう右扉130が配設されている。右扉130は手差し給送部3を含めて扉回動軸130aを回動中心として画像形成装置1の装置本体1Aに対して開閉可能に構成されている。
図3、図4は、右扉130が閉じられている状態時を示している模式図である。画像形成装置1は右扉130が閉じられている状態において稼動が可能である。ジャム処理やメンテナンス時には右扉130を軸130a中心に図3において時計回りに回転して開放する。図5は右扉130が開かれた状態時を示している模式図である。右扉130が開かれることで、レジストレジストローラ対4から定着装置103に至る部分の用紙搬送路(縦パス)D、定着装置103、および両面搬送部15bが開放される。これによりジャム処理やメンテナンスを行うことが出来る。
二次転写ローラ12と、その上部と下部の搬送ガイド130b・130cは右扉130の側に配設されている。右扉130が閉じられると、二次転写ローラ12は転写ユニット10の駆動ローラ10aのベルト屈曲部の外側に当接して二次転写部を形成する。用紙の搬送をガイドする搬送ガイド130bは、後述する仕切り部として機能するシート状部材(可撓性シート)120に対向配置されている。搬送ガイド130b・130c、搬送ガイド17は、ほぼ重力方向上向きの用紙搬送路(縦パス)Dを形成する。
搬送ガイド130bは、右扉130を閉じることで二次転写部を通過した用紙Pの未定着画像が転写されていない面をガイドし、定着装置103まで案内する役目を果たす。即ち、搬送ガイド130bは、転写ユニット10と定着装置103との間に配設された搬送ガイド130bである。そして、用紙Pを、トナー像担持面とは反対側の面をガイドして転写ユニット10(二次転写部)から定着装置103へ誘導する。
画像形成装置1の稼動状態時に発生する定着装置103およびこれを駆動するモータ等の電気部品の稼働に伴う熱により、画像形成部(中間転写体)が昇温してしまう恐れがあることから、その間にエアフロー経路が形成されている。具体的には、冷却および/または換気手段としてのファン150が配置されている。ファン150は装置本体1Aの前面に設けられている。その結果、画像形成部の温度を一定温度以下に抑えることが可能となる。
このファン150の駆動により、機内温度に比して温度の低い外気を吸気して装置本体1Aの前面から画像形成部と定着装置103の間に吹き込む。そして、装置本体1Aの背面のルーバー(不図示)を通過して装置本体1Aの外に排出されるエアフローが形成されている。本実施例において、上記のファン150が、搬送ガイド130bの近傍の開空間に機内換気のためのエアフロー28(図4)を形成するためのエアフロー形成手段である。
(2)定着装置103
図1の(A)は本実施例における定着装置103の横断面模式図、(B)は定着装置103の分解斜視図である。本実施例における定着装置103は加熱源としてセラミックヒータ等の面状(細板状)のヒータ101aを用いたベルト(フィルム)加熱方式−加圧部材駆動式の画像加熱装置である。このタイプの加熱装置は例えば特開平4−44075号公報等で知られている。
図1の(A)は本実施例における定着装置103の横断面模式図、(B)は定着装置103の分解斜視図である。本実施例における定着装置103は加熱源としてセラミックヒータ等の面状(細板状)のヒータ101aを用いたベルト(フィルム)加熱方式−加圧部材駆動式の画像加熱装置である。このタイプの加熱装置は例えば特開平4−44075号公報等で知られている。
定着装置103は用紙搬送路面内において用紙Pの搬送方向(シート搬送方向)Xに直交する方向に平行な方向を長手方向とする横長の装置である。定着装置103は、大別して、加熱ユニット101と、対向部材(加圧部材)としての加圧ローラ102と、それらを収容した筐体(定着筐体)100と、を有する。この筐体は用紙の通過を許容するように加熱ユニット101と加圧ローラ102を内包している。
図2は加熱ユニット101の分解斜視図である。なお、加圧ローラ102も描かれている。加熱ユニット101は、ヒータホルダ104、面状のヒータ101a、加圧ステー104a、加熱部材としてのエンドレスベルト状の定着スリーブ105、一端側と他端側のスリーブフランジ106L・106Rなどによる組立体である。
ホルダ104は横断面ほぼ半円弧状樋型の横長の部材であり、液晶ポリマー等の耐熱樹脂により形成されている。ヒータ101aは通電により急峻に昇温するセラミックスヒータ等の低熱容量の横長の板状発熱体であり、ホルダ104の外面側の周方向中央部にホルダ長手に沿って配設されて保持されている。ステー104aは横断面U字型で横長の剛性部材であり、鉄等の金属で形成されており、ホルダ104の内側に配設されている。スリーブ105は、ホルダ104、ヒータ101a、ステー104aの組立体に対してルーズに外嵌(外挿)されている。
一端側と他端側のフランジ106L・106Rはそれぞれ耐熱樹脂による対称形状の成形品であり、ホルダ104の一端側と他端側とに対称形状に装着されている。フランジ106L・106Rはスリーブ105を保持する保持部材である。スリーブ105の両端部はフランジ106L・106R間で回転可能に保持されて端部位置の規制と保形がなされる。
フランジ106L・106Rは、図2のように、それぞれ、フランジ部106aと棚部106bと被押圧部106cとを有する。フランジ部106aはスリーブ105の端面を受け止めてスリーブ105のスラスト方向への移動を規制する鍔部であり、スリーブ105の外形形状より所定に大きい外形形状をしている。棚部106bはフランジ部106aの内面側に円弧状に設けられており、スリーブ端部内面を保持してスリーブ105の円筒形状を保形する。被押圧部106cはフランジ部106aの外面側に設けられており、付勢手段(不図示)による押圧力Tを受ける。
図6の(b)は本実施例におけるスリーブ105の層構成模式図である。スリーブ105は、内側から外側に順に、エンドレス(円筒状)の基層105aと、プライマ層105bと、弾性層105cと、離型層105dと、を積層した複合層部材である。スリーブ105は、全体的に可撓性を有する薄肉の低熱容量の部材であり、自由状態においてはほぼ円筒形状を保持する。
基層105aはSUS(ステンレス)等の金属製のベース層であり、熱ストレスと機械的ストレスに耐えるために、30μm程度の厚みを有している。プライマ層105bは、基層105aの上に、カーボン等の導電粒子を適量分散した導電性プライマを5μm程度の厚みで塗布することによって形成されている。
弾性層105cは、トナー像を圧接する際に変形することによって、離型層105dをトナー像に密着させる役目を果たす。離型層105dはトナーや紙粉の付着抑制性能を確保するために、離型性と耐熱性に優れたPFA樹脂を用いている。厚さは伝熱性を確保する観点から20μm程度である。PFA樹脂は離型性と耐熱性に優れる一方で、比較的傷つき易い素材であるため、後述のように可撓性を有するシート状部材120を定着スリーブ105の回転方向にならうように接触させるのが好ましい。
図6の(c)は本実施例における加圧ローラ102の層構成模式図である。加圧ローラ102は、金属(アルミや鉄)の芯金102aと、シリコンゴム等で形成された弾性層102b、弾性層102bを被覆する離型層102cを有する弾性ローラである。離型層102cはPFA等のフッ素系樹脂で、チューブを被覆させたものである。スリーブ105の周長と加圧ローラ102の周長はほぼ同じである。
筐体100は、ベース板109、ステー108、一端側板107L、他端側板107R、とで構成された横長の板金製の内枠体を有する。また、その内枠体の外側に装着された、後カバー110、第1上カバー111、前下カバー112、第2上カバー113、一端側カバー117L、他端側カバー117R、とで構成された横長の耐熱樹脂製に外枠体を有する。なお、図1の(B)においては、図の煩雑を避けるため、第2上カバー113等の一部部品は省略されている。
加圧ローラ102は上記の内枠体の一端側板107Lと他端側板107Rとの間に芯金102aの一端側と他端側がそれぞれ軸受(不図示)を介して回転可能に支持されて配設されている。
加熱ユニット101も上記の内枠体の一端側板107Lと他端側板107Rとの間において加圧ローラ102に対してヒータ101aの側を対向させて加圧ローラ102に並行に配列されている。
加熱ユニット101の一端側と他端側のフランジ106Lと106Rはそれぞれ内枠体の一端側板と他端側の側板107Lと107Rに形成された加圧ローラ102に向かう方向のガイド穴(不図示)に対してスライド移動可能に嵌着されている。そして、その一端側と他端側のフランジ106Lと106Rはそれぞれ付勢手段(不図示)により加圧ローラ102に向かう方向に所定の押圧力Tをもって押圧されている。
上記の押圧力により、フランジ106L・106R、ステー104a、ホルダ104の全体が加圧ローラ102の方向に移動する。そのため、ヒータ101aがスリーブ105を介して加圧ローラ102に対して弾性層102bの弾性に抗して所定の押圧力で押圧する。これにより、スリーブ105と加圧ローラ102との間に記録材搬送方向Xに関して所定幅のニップ部(定着ニップ部)101bが形成される。図6の(a)は図1の(A)におけるニップ部101b部分の拡大図である。
定着装置103の定着動作は次のとおりである。制御回路部Aは、所定の制御タイミングで加圧ローラ102を図1の(A)において矢印R102の時計方向に所定の速度で回転駆動させる。加圧ローラ102の回転駆動は加圧ローラ102と一体の駆動ギアG(図2)に駆動源(不図示)の駆動力が伝達されることでなされる。
加圧ローラ102が回転駆動されることで、ニップ部101bにおいてスリーブ105に加圧ローラ102との摩擦力で回転トルクが作用する。これにより、スリーブ105が、その内面がヒータ101aに密着して摺動しながら、ホルダ104とステー104aの外回りを加圧ローラ102の速度とほぼ対応した速度で矢印R105の反時計方向に従動回転する。
また、制御回路部Aは電源部(不図示)からヒータ101aに対する通電を開始する。ヒータ101aに対する通電はヒータ101aの一端側と他端側に装着した通電コネクタ101dL・101dR(図2)を介してなされる。この通電によりヒータ101aは有効全長域に渡って急速に昇温する。その昇温がヒータ101aの裏面側(ニップ部101bと反対側の面)に設けられた温度検知手段としてのサーミスタTHによって検知される。
制御回路部AはサーミスタTHで検知されるヒータ温度に基づいてヒータ温度が所定の目標設定温度に昇温して温調されるようにヒータ101aに対する供給電力を制御する。本実施例における目標設定温度は約170℃である。
上記の定着装置状態において、二次転写部側から未定着のトナー像Sを担持した用紙Pが定着装置103側に搬送される。そして、搬送ガイド130b、後カバー110のガイド面110aにガイドされてニップ部入口101cに導入されニップ部101bで挟持搬送される。
用紙Pはニップ部101bを挟持搬送される過程でヒータ101aの熱がスリーブ105を介して付与される。未定着トナー像Sはヒータ101aの熱によって溶融され、また、定着ニップ部101bにかかっている圧力によって固着像として用紙Pに加熱定着(熱圧定着)される。ニップ部101bを出た用紙Pは定着排紙ローラ対118により定着装置103外へ送出される。
定着装置103の筐体100には封止部材(仕切り部)120が設けられている。この封止部材120の記録材搬送方向Xの一端側はスリーブ105に向かって延伸して筐体100とスリーブ105の隙間を塞いでいる。また、他端側は搬送ガイド130bの対向面に向かって延伸してニップ部101bよりも記録材搬送方向Xの上流側の空間をエアフロー28(図4)から遮断している。
より具体的には、定着装置103の前下カバー112の貼付け面112aには封止部材としての可撓性を有するシート状部材120が貼付けられ、その一端側は、スリーブ105に接触している。シート状部材120は、耐熱性と摺動性と弾性を兼ね備えたフッ素樹脂からなり、その弾性力によってスリーブ105に付勢され、前下カバー112とスリーブ105の間を封止するように構成されている。
シート状部材120は、スリーブ105の表面の垂直方向に対して傾いていて、且つシート状部材120のスリーブ105側の端部は、スリーブ105の回転方向を向くように配置されている。このようにスリーブ105の回転方向にならうようにシート状部材120を接触させることで、スリーブ105にかかる負荷を減らし、表面の傷発生を防いでいる。
一方で、シート状部材120の他端側は、図3および図4に示すように搬送ガイド130bの対向面まで延伸し、転写ユニット(画像形成部)10のベルト10cの近傍まで(所定のギャップ(所定ギャップ)をあけて)突出している。前述したように、搬送ガイド130bの近傍には画像形成部を一定温度以下にするためのエアフロー28(図4)が形成されている。シート状部材120の他端側は、このエアフロー28を実質的に遮断し、少なくともニップ部101bの上流近傍(記録材搬送方向上流近傍)に気流を発生させないように構成されている。
ベルト10cとシート状部材120は所定の空隙を確保して積極的に接触させないことで、ベルト10cにかかる負荷を減らし、ベルト10c表面に傷が発生するのを防ぐようにしている。
図5は、ジャム処理やメンテナンス時に扉回動軸130aを回動中心として右扉130を開放した状態を説明する図である。メンテナンスで定着装置103を取り出す際、矢印27の方向に定着装置103を装置本体1A内から引き抜くが、省スペースで着脱動作を行うためにシート状部材120の他端側は弾性力(可撓性)を有することが望ましい。
本実施例では前下カバー112の貼付け部112aを支点として貼付けたシート状部材120の一端を自由端として定着スリーブ105に当接させ、定着装置103から突出した他端も自由端として構成されている。そのため、矢印29方向に可撓することが可能となる。本構成においては、ジャム処理で定着ニップ部101bの上流から用紙を引き抜く際にも作業性が向上する。
なお、シート状部材120の搬送ガイド130bからの距離は、最低でも10mm以上遠ざけて配置されている。これは搬送ガイド130bの対向部に障害物があると、用紙が定着装置103に搬送される際、カールや搬送によるばたつきにより未定着画像が障害物に擦れて画像不良を起こすためである。
また、図7に示すように、スリーブ105の長手方向におけるシート状部材120の幅W1は次のとおりである。即ち、少なくともニップ部101bにおける用紙Pに印字されたトナー像121(S)の通過領域の全域(最大印字領域幅W2)をカバーするように、幅W2より広く設定されている。
トナー像121の通過領域とは、トナー像121の最大幅、すなわち画像形成装置1で印字可能な最も幅広い画像121の幅を意味する。W1>W3>W2の関係になっている。
本実施例では最大印字領域W2よりひとまわり大きい最大用紙幅(シートの最大搬送幅:装置に使用可能な最大幅のシートの幅)W3に対し、W1>W3の関係になっている。即ち、シート状部材120の幅W1は、用紙Pの最大搬送幅W3よりも広くなるように構成されている。この構成によりニップ部101bのトナー像の通過領域で発生するダストをエアフロー28(図4)から確実に遮断することができる。
(3)トナーに内包される離型ワックス
次に、トナーSに内包(含有)される離型ワックス(離型剤)について説明する。プリンタのようなトナーSを用いる画像形成装置1においては、トナーSがスリーブ105に付着するオフセットと呼ばれる現象を生じることがある。オフセットしたトナーは画像不良やニップ部101bの温度変動といった様々な問題を引き起こす。
次に、トナーSに内包(含有)される離型ワックス(離型剤)について説明する。プリンタのようなトナーSを用いる画像形成装置1においては、トナーSがスリーブ105に付着するオフセットと呼ばれる現象を生じることがある。オフセットしたトナーは画像不良やニップ部101bの温度変動といった様々な問題を引き起こす。
そこで、本実施例の画像形成装置1は、離型剤として離型ワックスをトナーSに内包(含有)させることにより、加熱定着時にトナーSから離型ワックスが染み出るようにしている。加熱により溶融した離型ワックスはスリーブ105と用紙P上のトナー像の界面に介在してオフセットを防ぐ作用を持つ。
離型ワックスの融点Tmは約75℃前後である。ニップ部101bを目標設定温度170℃に保った場合、トナーS中の離型ワックスが瞬時に溶融してトナー像とスリーブ105の界面に染み出るように融点Tmは設定されている。離型ワックスが溶融する際、離型ワックス中の低分子量成分等、離型ワックスの一部は気化する。離型ワックスは長鎖分子成分から構成されているが、その長さは均一でなく、一定の分布がある。つまり離型ワックスには、鎖が短く沸点の低い低分子成分と、鎖が長く沸点の高い高分子成分があって、離型ワックスの一部である低分子成分が気化するわけである。
気化したワックス成分は、空気中で冷やされて凝縮し、数十〜数百nm程度のダスト(塵芥)になる。しかし、このダストはワックス成分であるため粘着性があり、画像形成装置1の内部に付着して問題を起こすことがある。例えばダストが定着排紙ローラ対118や排出ローラ対14に付着堆積して汚れを生じさせると、その汚れは用紙Pに移行して画像に影響する。また、画像形成装置1が排気フィルタを装着している場合は、排気フィルタに付着して目詰まりを起こすことがある。
(4)ダスト対策
そこで本実施例の定着装置103は、シート状部材120を、筐体100の一部である前下カバー112と、加熱部材であるスリーブ105の間に設けて封止することによって、装置本体1Aの内部におけるダストの拡散を抑制している。
そこで本実施例の定着装置103は、シート状部材120を、筐体100の一部である前下カバー112と、加熱部材であるスリーブ105の間に設けて封止することによって、装置本体1Aの内部におけるダストの拡散を抑制している。
シート状部材120の作用を理解するために、ダストの一般的性質と、本発明者等による知見について説明する。以下ではそれらを説明しつつ、シート状部材120の作用を解説する。
ダストの一般的性質として、互いに合体して大型化する性質と、気中にある固形物に付着する性質が知られている。図8はそれら性質を説明する図である。(A)のように、加熱源20aの上に沸点150〜200℃の高沸点物質20を置き、200℃前後に加熱すると、高沸点物質20の揮発物21aが発生する。揮発物21aは常温空気に触れると直ちに沸点温度以下になるので、空気中で凝縮し、数nm〜数十nm程度の微小ダスト21bに変化する。この現象は、水蒸気が露点温度を下回ると、微小水滴になって霧を発生させる現象と同じものである。
微小ダスト21bは、ブラウン運動により空気中を移動しているので、互いに衝突して合体し、より大きなダスト21cに成長することが知られている。この成長は、ダストが一定サイズ以上になると次第に鈍化し、止まる。合体によってダストが大型化するとブラウン運動による空気中の移動が不活発になるためと推定される。
次に、図8の(B)において、微小ダスト21bとより大きなダスト21cを含んだ空気αが、エアフロー22にのって壁23に向かう場合を考える。この時、微小ダスト21bよりも大きなダスト21cの方が壁23に付着しやすい。ダスト21cは慣性力が大きく、壁23に勢いよく衝突するためと推定される。この現象は、エアフロー速度が一般的な風速計の計測限界を下回る0.2m/s以下の場合、つまりエアフローが非常に弱い場合であっても同様である。
このように、ダストは合体して大型化する性質と、大型化すると周辺の物体に付着し易くなるという二つの性質を持っている。ダストの合体のし易さは、ダストの成分と温度、濃度に関係する。例えば粘着しやすい成分が高温になって柔らかくなり、また高濃度下でダスト同士の衝突確率が上がると、合体し易くなる。
上記性質に基づいて、画像形成装置1の内部におけるダスト拡散の抑制策を考えると、ダストを含んだ空気をスリーブ105の近傍に封じ込めるのが良いとわかる。スリーブ105の近傍はダストの発生箇所に近いため、ダスト濃度が高く、またスリーブ105の表面熱によって雰囲気温度も高いので、ダストの合体に適している。
次に、ダストの発生箇所を、図9と図10に基づいて説明する。図9は、シート状部材120を外した定着装置103を示す。また、トナー像を載せた用紙Pはニップ部101bに挟持搬送されている。つまりダストを発生している状態である。かかる状態において、ニップ部101bの入口101c側のポイントAと出口側のポイントBのダスト濃度を測定したところ、図10のように、ポイントAの濃度の方が高かった。
測定には米国TSI社の高速応答型パーティクルサイザーFMPSを用いた。測定前の予想は、トナー像がニップ部101bで十分暖められた箇所、つまり出口側の濃度が高いというものであったが、実際の結果は逆であった。この結果は、ダストの発生箇所が、ニップ部入口101cであることを示している。この現象の推定理由として、高温のスリーブ105がトナー像に接触した時に、離型ワックスの低分子量成分が瞬時に揮発し、ニップ部101bを通過したころには揮発が終わっていることが考えられる。
次に、ニップ部入口101cで発生したダストが、機内に拡散してゆく経路を、図11に示すシミュレーション結果に基づいて説明する。図11は、ニップ部入口101c近辺の空気が、経路24に沿って流れて行く様子を示している。図11中の矢印Fは重力方向を意味する。
シミュレーションは、表面温度170℃のスリーブ105が速度Vで反時計回りに回転し、用紙Pが速度Vで図11中の上方に移動すると仮定して、熱と気流について行った。そのためシミュレーションにおいては、スリーブ105周辺に発生する自然対流による上昇空気流、及びスリーブ105の表面移動に伴い発生するフィルム表面エアフロー25が考慮されている。なお、経路24は、ニップ部入口101cに重量ゼロの仮想粒子をシミュレーションプログラム上で発生させることによって求めた。この手法は、気流シミュレーション結果における気流経路を調べるために良く用いられる。
重量ゼロの仮想粒子は慣性力を持たず、また現実の粒子が持つブラウン運動による拡散も再現できないが、仮想粒子によって示される経路24は、実際のダストの流出経路をある程度再現していると思われる。
図11の経路24によれば、ニップ部入口101cで発生したダストは、スリーブ105の表面に沿って時計回りに移動し、ローラ対118近辺の隙間を通過して用紙Pに沿って上昇していく。またスリーブ105と経路24の間には、隙間tが存在する。この隙間tは、スリーブ表面エアフロー25が、経路24とスリーブ105の間に入りこむことによって発生している。
以上、ダストの合体と付着、ダストの発生箇所がニップ部入口101cであること、発生したダストはスリーブ105の表面に沿って移動していくことを説明した。図1に示すシート状部材120は、これらの知見に基づいて考案されたもので、ひとつはスリーブ105の表面に沿って上昇していくダストの流れを遮断してダストを領域26に滞留させるための機能を持つ。もうひとつは、図4のエアフロー28に対して領域26に滞留したダストを画像形成装置内部に拡散させない機能を持つ。
図10の棒グラフの右端のデータは、シート状部材120を設けた時のポイントB(図9)のダスト濃度を示す。シート状部材120がない場合と比べて、ポイントBのダスト濃度は約1/5に抑えることができた。その結果、画像形成装置内部におけるダストの拡散を抑制して画像汚れやフィルタ詰まりを改善することができた。
ダストは、シート状部材120によって、筐体100とスリーブ105の間を移動できなくなり、ダストは図1の(A)に示す領域26に滞留する。ここに滞留したダストは、温度が高く濃度も高いため、急速に合体が進む。そして合体によって大型化したダストは、自然対流と用紙Pの移動によって生じる上昇気流に乗って、スリーブ105に向かい、付着する。付着したダストはスリーブ105の熱によって溶融して用紙Pに付着するが、微小なダストの付着であるため、画像への影響は実用上無視できるレベルに収まる。
ダストは、シート状部材120によって、筐体100とスリーブ105の間を移動できなくなり、ダストは図1の(A)に示す領域26に滞留する。ここに滞留したダストは、温度が高く濃度も高いため、急速に合体が進む。そして合体によって大型化したダストは、自然対流と用紙Pの移動によって生じる上昇気流に乗って、スリーブ105に向かい、付着する。付着したダストはスリーブ105の熱によって溶融して用紙Pに付着するが、微小なダストの付着であるため、画像への影響は実用上無視できるレベルに収まる。
つまり、スリーブ105と筐体100の間に位置するシート状部材120の部分が、ニップ部101b付近から発生するダストをニップ部周辺に封じ込める。封じ込められたダストは、互いに合体して大型化し、回転するスリーブ105に付着する。スリーブ105に付着したダストは用紙に移行するが、微細な粒なので画像に影響を及ぼすことはない。
また、シート状部材120の他端側を転写ユニット10の近傍まで延伸させることで、ニップ部周辺を機内換気のためのエアフロー28から遮蔽する(仕切る)効果を有する。従って、画像形成装置内の広範囲に亘ってダストが拡散してしまうのを抑制することが可能となる。
以上のように、仕切り部としてのシート状部材120は二次転写部(第1の位置)から定着ニップ部(第2の位置)101bに至る用紙搬送経路(シート搬送経路)と前記エアフロー経路との間を実質仕切る。そして、シート状部材120は用紙搬送経路を二次転写部101bから定着ニップ部101bへ用紙の搬送をガイドするガイド部である搬送ガイド130b・ガイド面110aと協働して実質閉空間としている。
<実施例2>
次に、実施例2の定着装置103を図12に基づいて説明する。実施例1の定着装置103と異なる部分は次の点である。即ち、封止部材であるシート状部材120の幅方向(用紙幅方向)の一端側と他端側の両端部にはそれぞれシート状部材120に対向する搬送ガイド130bに向かう方向に折り曲げられた壁面部120a・120bが設けられている点である。つまり、シート状部材120は用紙Pの最大搬送幅W3よりも広い領域幅W1に設けられている。そして、シート状部材120幅方向の少なくとも一端側に搬送ガイド130bに向かう方向に折り曲げられた壁面部120a、120bを有する。
次に、実施例2の定着装置103を図12に基づいて説明する。実施例1の定着装置103と異なる部分は次の点である。即ち、封止部材であるシート状部材120の幅方向(用紙幅方向)の一端側と他端側の両端部にはそれぞれシート状部材120に対向する搬送ガイド130bに向かう方向に折り曲げられた壁面部120a・120bが設けられている点である。つまり、シート状部材120は用紙Pの最大搬送幅W3よりも広い領域幅W1に設けられている。そして、シート状部材120幅方向の少なくとも一端側に搬送ガイド130bに向かう方向に折り曲げられた壁面部120a、120bを有する。
図15の(A)は上記の壁面部120a・120bが設けられているシート状部材120の斜視図である。その他の画像形成装置構成および定着装置構成は実施例1同様であるから同一の構成の部分に関しては同一符号を付し説明を省略する。
図12の(A)は実施例2を説明する要部斜視図、(B)は装置本体上方から見た要部の模式図である。前下カバー112の貼付け面112aには上記のシート状部材120が貼付けられ、シート状部材120は用紙Pの最大搬送幅W3よりも広い領域W1に設けられている。シート状部材120の幅方向の両端部にはそれぞれ一体的に折り曲げられた上記の壁面部120aと120bを有する。
エアフロー形成手段としてのファン150は実施例1の画像形成装置1のファン150と比べて定着ニップ部入口101cに近接配置されている。この場合、エアフロー28はベルト10cの表面に沿って、二次転写部と定着装置103に至る用紙搬送路まで侵入する経路以外に、画像形成装置1の前面から直接に当該用紙搬送路を横断して背面に設けたルーバー151から抜ける経路も形成される。
本実施例の形態においては、シート状部材120の壁面部120aおよび120bによって、当該用紙搬送路の幅方向の側面から侵入するエアフロー28からニップ部入口101cを遮蔽することができる。即ち、スリーブ105、加圧ローラ102、シート状部材120、壁面部120aおよび120b、搬送ガイド130bで囲われる空間部分にニップ部入口101cで発生したダストが効果的に滞留する。これにより、画像形成装置内部におけるダストの拡散を抑制して画像汚れやフィルタ詰まりを改善することができた。
<実施例3>
次に、実施例3の定着装置103を図13に基づいて説明する。実施例2の定着装置103と異なる部分は、封止部材であるシート状部材120の幅方向(用紙幅方向)の一端側だけに、シート状部材120に対向する搬送ガイド130bに向かう方向に折り曲げられた壁面部分120aが設けられている点である。図15の(B)はその壁面部分120aが設けられているシート状部材120の斜視図である。その他の画像形成装置構成および定着装置構成は実施例1と同様であるから同一の装置構成の部分に関しては同一符号を付し説明を省略する。
次に、実施例3の定着装置103を図13に基づいて説明する。実施例2の定着装置103と異なる部分は、封止部材であるシート状部材120の幅方向(用紙幅方向)の一端側だけに、シート状部材120に対向する搬送ガイド130bに向かう方向に折り曲げられた壁面部分120aが設けられている点である。図15の(B)はその壁面部分120aが設けられているシート状部材120の斜視図である。その他の画像形成装置構成および定着装置構成は実施例1と同様であるから同一の装置構成の部分に関しては同一符号を付し説明を省略する。
図13は実施例3を説明する装置本体上方から見た要部模式図である。シート状部材1120は用紙Pの最大搬送幅W3よりも広い領域に設けられている。シート状部材120の幅方向の一端には一体的に折り曲げられた壁面部120aを有する。一方で、他端には壁面部を設けていない。
本実施例の形態においては、シート状部材120の壁面部120aによって、特に風速が強く、かつエアフロー侵入面である画像形成装置1の前面から侵入するエアフロー28から定着ニップ部入口101cを遮蔽することができる。
本実施例の場合も、画像形成装置内部におけるダストの拡散を抑制して画像汚れやフィルタ詰まりを改善することができた。また、本実施例の場合は、殆ど風速のない、シート状部材120の他端側を開放することで用紙搬送路の湿気を適度に放出させることができる。その結果、結露による搬送不良や画像不良といった事態を生じる恐れがない。
<実施例4>
次に、実施例4の定着装置103を図14に基づいて説明する。本実施例の定着装置103の場合は、封止部材であるシート状部材120の幅方向(用紙幅方向)の一端側と他端側の両端部には壁面部120a・120bが設けられている。この壁面部120a・120bはシート状部材120に対向する搬送ガイド130b・110aに向かう方向に折り曲げられている。そして、壁面部120aと120bの高さ(搬送ガイド130b・110aに向かう方向の長さ)を異ならせている。図15の(C)はその壁面部分120a・120bが設けられているシート状部材120の斜視図である。
次に、実施例4の定着装置103を図14に基づいて説明する。本実施例の定着装置103の場合は、封止部材であるシート状部材120の幅方向(用紙幅方向)の一端側と他端側の両端部には壁面部120a・120bが設けられている。この壁面部120a・120bはシート状部材120に対向する搬送ガイド130b・110aに向かう方向に折り曲げられている。そして、壁面部120aと120bの高さ(搬送ガイド130b・110aに向かう方向の長さ)を異ならせている。図15の(C)はその壁面部分120a・120bが設けられているシート状部材120の斜視図である。
他の実施例の画像形成装置構成および定着装置構成と同一構成の部分に関しては同一符号を付し説明を省略する。
図14は実施例4を説明する装置本体上方から見た要部模式図である。シート状部材1120は用紙Pの最大搬送幅W3よりも広い領域に設けられている。シート状部材120の幅方向の一端側には一体的に折り曲げられ、曲げ高さL1の壁面120aを有する。一方で、他端側には一体的に折り曲げられ、曲げ高さL2の壁面120bを有する。L1<L2である。
また、他の実施例と異なる点として、エアフロー形成手段であるファン150は画像形成装置1の背面に、ルーバー151は画像形成装置1の前面に配置され、背面から吸い出して排気するエアフローとしている。本実施例の形態においては、シート状部材120の他端側の壁面部分120bの曲げ高さL2は一端側の壁面部120aの曲げ高さL1よりも高く設定している。よって、特に風速が強い画像形成装置1の背面から定着ニップ部入口101cを遮蔽することができる。
即ち、部材120の幅方向の一端側と他端側とに壁面部120aと120bを有する場合において、エアフロー28の主な流入側の壁面部120bの搬送ガイド130bに向かう方向への折り曲げ高さが他方の壁面部120aに比して高い構成にしている。
本実施例の場合も、画像形成装置内部におけるダストの拡散を抑制して画像汚れやフィルタ詰まりを改善することができた。また、微少な風速のある画像形成装置1の前面を風速に応じて開放することで用紙搬送路の湿気を適度に放出させることができる。その結果、結露による搬送不良や画像不良といった事態を生じる恐れがない。
シート状部材120はスリーブ105に当接してダストの移動を防ぎつつ、隙間なく連続したシート状部材120をニップ部上流まで延伸させ、ニップ部入口付近のエアフローから遮断できるものであれば良い。その機能を果たすものであれば、シート状部材120の形態は実施例1乃至実施例4に限定されるものではない。
<実施例5>
図16の(A)は本実施例5における定着装置103の横断面模式図、(B)は定着装置103の分解斜視図である。実施例1〜4の定着装置103と共通する構成部材・部分には共通の符号を付して再度の説明は省略する。
図16の(A)は本実施例5における定着装置103の横断面模式図、(B)は定着装置103の分解斜視図である。実施例1〜4の定着装置103と共通する構成部材・部分には共通の符号を付して再度の説明は省略する。
本実施例の定着装置103においては、筐体100は、加圧ローラ102の近傍に延伸していて、ニップ部101bに導入される用紙Pの最大印字領域幅W2(図7)よりも長い第1の近接部分110bを有している。本実施例においては、この第1の近接部分110bは筐体100の内枠体外側に装着された後カバー110の内面側に後カバー110の幅方向に沿って具備させている。
また、本実施例の定着装置103においては、ニップ部101bよりも記録材搬送方向Xの上流側に配設された搬送ガイドであって、用紙Pを、トナー像担持面とは反対側の面をガイドしてニップ部101bへ誘導する搬送ガイド140を有する。この搬送ガイド140は、加圧ローラ102の近傍に延伸していて、かつ用紙Pをニップ部101bへ誘導する第2の近接部分(ガイドフレーム)140aを有している。搬送ガイド140のこの第2の近接部分140aよりも記録材搬送方向Xの上流側の部分を搬送ガイド上流部分140bとする。
なお、本実施例の定着装置103においては、図示はされていないが、実施例1〜4の定着装置103におけるようなシート状部材120が設けられている。
前述したように、ダストは、用紙上のトナーSが定着装置103のニップ部101bにて加熱されることによって発生するため、主にニップ部101bの記録材搬送方向Xの上流部である図16の(A)におけるポイントAで発生する。ポイントAで発生したダストは周辺の気流に乗って、機内に拡散していく。
そして、前述したように、ダストを含んだ空気を発生箇所のポイントA近傍に封じ込めることで、高濃度で滞留させ、ダストの合体を促進させるのが良い。また、スリーブ105と加圧ローラ102の近傍はダストの発生箇所に近いため、ダスト濃度が高く、またスリーブ105の表面熱によって雰囲気温度も高いので、ダストの合体に適している。
そこで、本実施例ではダストを発生ポイントA付近で閉じ込め、ダストの合体を促進することで機内へのダストの拡散を防ぐために、後カバー110とニップ部101bの記録材搬送方向Xの上流側に搬送ガイド140を配設したことに特徴がある。以下で、本実施例のおける定着装置103の特徴的な構成を述べる。
後カバー110には加圧ローラ102に近接するダスト遮断リブ(第1の近接部分)110bが設けられている。この遮断リブ110bの加圧ローラ102の長手方向における幅は、ニップ部101bにおける、用紙Pに印字されたトナー像の通過領域の全域W2(図7)をカバーするように、より広く設定されている。また、遮断リブ110bと加圧ローラ102とは互いの磨耗を防ぐため、一定の隙間が設けられている。
図17の(a)および(b)は加圧ローラ102と後カバー110との間に生じる気流の説明図である。
(a)は後カバー110に加圧ローラ102に近接するダスト遮断リブ110bが設けられていない場合である。この場合は、回転体である加圧ローラ102は回転する際にその表面にその回転方向に沿った回転気流200を発生させる。また、後カバー110と加圧ローラ102の間には加熱ユニット101から発生する熱により温められた空気により、上昇気流201が発生する。回転気流200と上昇気流201の方向が逆になる加圧ローラ102のニップ部対向側では、2つの気流200と201がぶつかり、ほぼ無風となる空間202が発生する。
ダストは非常に軽量な粒子のため、この2つの気流200と201に乗って移動する。回転気流200に乗ったダストはその流れにより、ニップ部101bに戻され、逆に上昇気流201に乗ったダストは気流の上昇にあわせて、定着排紙ローラ対118の隙間や筐体100の隙間から定着装置の外に漏れ出て行く。また空間202にあるダストはブラウン運動によって空間202内を拡散し、最終的に2つの気流200と201のどちらかに乗ることになる。前述のように特に上昇気流201は定着装置外にダストを拡散させる要因となる。
そこで、ダスト遮断リブ110bは、図17の(b)に示すように、少なくとも空間202まで、可能ならば回転気流200が発生している領域まで加圧ローラ102に近づけることが望ましい。これにより上昇気流201を遮断し、上昇気流201によって運ばれるダストを定着装置内に閉じ込めることができる。遮断リブ110bと加圧ローラ102との距離は熱気流シミュレーション等で容易に求めることができる。
ポイントAで発生したダストは前述の経路とは別に搬送ガイド140の近傍からも、機内に拡散する。ニップ部101bで発生したダストは、図16の(A)で示すように、用紙定着中は用紙Pによって遮断され、非印字面側に移動することはないが、用紙定着後は搬送中の先行紙と次紙の間の紙間からダストが非印字面側に移動する。移動したダストは両面搬送部15b(図3)に移動し、両面搬送部15bの隙間を介して、上部の反転搬送部15へ移動するなどで機内に拡散していく。機内に拡散したダストは徐々に堆積し、あるとき塊となって用紙Pに移動し、用紙上の画像に影響を及ぼすことがある。
図18は連続通紙時における先行紙P1と次紙P2の紙間L2がポイントAにある場合の定着装置103の模式図である。前述のダスト拡散を抑制するため、本実施例では図18に示すように定着装置103の搬送ガイド140の記録材搬送方向Xにおける長さL1を紙間L2より延長している。また搬送ガイド140は、ダストを遮断するために上記長さL1の領域のうち少なくとも紙間L2以上の長さの領域においては、ニップ部101bにおけるトナー像の通過領域の幅以内には長手方向に開口部を持たない。
即ち、搬送ガイド140は、記録材搬送方向Xの長さは用紙Pの連続搬送時における先行紙P1と次紙P2との紙間間隔L2より長い。かつ、紙間間隔L2の間隔以下の長さの場所に少なくともニップ部101bに導入される用紙Pの最大印字領域幅W2(図7)の幅以内には開口部を持たないことを特徴とする。
そのために、搬送ガイド140の第2の近接部分(ガイドフレーム)140aと搬送ガイド上流部分140bはそれぞれが少なくともニップ部101bにおけるトナー像の通過領域の幅以内は長手方向に開口部を持たない形状になっている。
本実施例の定着装置103における搬送ガイド140は第2の近接部分(ガイドフレーム)140aと搬送ガイド上流部分140bとの2つの部材をヒンジ軸140cで連結した構成としてある。第2の近接部分は筐体100に取り付けられて支持されている。搬送ガイド上流部分140bは第2の近接部分140aに対してヒンジ軸140cを中心に回動可能である。
搬送ガイド上流部分140bは自由状態においては自重によりヒンジ軸140cを中心に第2の近接部分140aから垂れ下る方向に回動する。そして、搬送ガイド上流部分140bは上端部140b1が第2の近接部分140aの下端部140a1に当接して接合するまで回動して停止している図16の(A)や図18に示される閉じ姿勢状態に保持されている。
この搬送ガイド上流部分140bの閉じ姿勢状態において、搬送ガイド140は第2の近接部分140aと搬送ガイド上流部分140bの搬送ガイド面が上下に一連となって搬送ガイドとして機能する。即ち、搬送ガイド140は、二次転写部から上方に搬送された用紙Pを、トナー像担持面とは反対側の面をガイドしてニップ部101bへ誘導するガイドとして機能する。
ここで、第2の近接部分140aの下端部140a1には目地封止部材130dが設けられている。この目地封止部材130dは、搬送ガイド上流部分140bが第2の近接部分140aに対して閉じ姿勢状態に回動されているときの搬送ガイド上流部分140bは上端部140b1と第2の近接部分140aの下端部140a1と間の長手方向の隙間を封止する。
これにより、搬送ガイド140の全体で少なくともニップ部101bにおけるトナー像の通過領域の幅以内は長手方向に開口部を持たない構成としている。目地封止部材130dは第2の近接部分140aの上端部140b1、或いは第2の近接部分140aの下端部140a1と第2の近接部分140bの下端部140b1の両方に配設してもよい。
以上の構成を持つ開口部の無い搬送ガイド140により用紙間を抜けるダストは直接両面搬送部15b(図3)に移動することができなくなる。
上記のように、本実施例の定着装置103によれば、加圧ローラ102の近傍に延伸した第1の近接部分110bにより、加圧ローラ102と筐体100の間を流れるニップ部101bから発生するダストを筐体内に封じ込める。封じ込められたダストは、互いに合体して大型化し、回転する加圧ローラ102と筐体100に付着する。加圧ローラ102に付着したダストは用紙Pに移行するが、微細な粒なので画像に影響を及ぼすことはない。
また、加圧ローラ102側の搬送ガイド140を用紙間隔L2より延長することにより、ニップ部101bで発生したダストが用紙間L2を抜けて、両面搬送部15bや定着装置下流の搬送ガイド部に汚染が拡大することを抑止することができる。
また、用紙のジャム処理の際には、右扉130(図3)を開いて用紙搬送路Dを開放(図5)する。そして、搬送ガイド140の搬送ガイド上流部分140bをヒンジ軸140cを中心に、図19のように、開放した右扉130側にほぼ水平に持ち上げて開き姿勢状態に回動する。これにより、定着装置103のニップ部入口101cの部分が開放され、定着装置103内の用紙の視認性が従来と同等に確保される。
上記のように、搬送ガイド上流部分140bが回動可能な構成であることにより次の効果が得られる。即ち、搬送ガイド140を画像形成部(転写ユニット10)の方向に延長することで用紙のジャム処理の際に右扉130を開いて用紙搬送路Dを開放したときの定着装置内の用紙の視認性が低下ことが抑制される。つまり、搬送ガイド上流部分140bを回動可能にすることにより、加圧ローラ102側の搬送ガイドを延長することでジャム処理時の操作性が低下することを抑制することができる。
加えて、本実施例の構成では高濃度のダストが搬送ガイド140の周辺に滞留することになるため、搬送ガイド140が汚染されやすい。そのため、搬送ガイド140の搬送ガイド上流部分140bをヒンジ軸140ccから着脱可能とし、交換性を向上させている。
搬送ガイド上流部分140bが汚染された際は、第2の近接部分140aから搬送ガイド上流部分140bをはずし、清掃を行うか、新たな搬送ガイド上流部分140bに付け替えることにより、堆積したダストが画像に影響することを抑制している。つまり、搬送ガイド部材を着脱可能にすることにより、付着したワックスよって汚染されたガイドの交換を容易にすることができる。
ここで、搬送ガイド140は、その全体、あるいは第2の近接部分140aよりも記録材搬送方向Xの上流側の搬送ガイド部分140bの少なくとも一部が筐体100に対して回動可能に配設されている構成にすることができる。また、搬送ガイド140は、その全体、あるいは第2の近接部分140aよりも記録材搬送方向Xの上流側の搬送ガイド部分140bの少なくとも一部が筐体100に対して着脱可能に配設されている構成にすることができる。
<その他の事項>
1)実施例1〜5では、画像形成装置1として、ドラム6を複数備えたフルカラーレーザービームプリンタを取り上げたが、画像形成装置はドラム6を一つ備えたモノクロの複写機やプリンタであってもよい。したがって、画像形成装置としては、フルカラーレーザービームプリンタに限定されるものではない。
1)実施例1〜5では、画像形成装置1として、ドラム6を複数備えたフルカラーレーザービームプリンタを取り上げたが、画像形成装置はドラム6を一つ備えたモノクロの複写機やプリンタであってもよい。したがって、画像形成装置としては、フルカラーレーザービームプリンタに限定されるものではない。
2)定着装置103における回転体であるスリーブ105は、複数の張架部材間に懸回張設して循環移動させる可撓性を有するエンドレスベルトにすることも出来る。また、回転体であるスリーブ105は、剛性を有する回転可能なローラ体(ヒートローラ)にすることも出来る。また、回転体であるスリーブ105は、繰り出し部から巻き取り部に走行移動される有端のウエブ状部材にすることもできる。
3)定着器の加熱手段としては上記実施例のような面状ヒータ101aに限られない。電磁誘導加熱構成、ハロゲンヒータ、赤外線ランプなど他の加熱源を使用する内部加熱構成あるいは外部加熱構成とすることも出来る。
4)実施例1〜5の定着装置において、回転体である加圧ローラ102は、エンドレスベルト部材にすることもできる。また、加圧ローラ102は非回転部材にすることも出来る。例えば、表面の摩擦係数が小さい加圧パッドなどの非回転部材の形態にすることもできる。
1・・画像形成装置、5,10,12・・画像形成部、103・・定着部、150・・ファン、120・・仕切り部、S・・トナー、P・・シート
Claims (9)
- 離型剤を含有するトナーを用いてシートにトナー像を第1の位置にて形成する画像形成部と、
前記画像形成部によりシートに形成されたトナー像を第2の位置にて熱と圧により定着する定着部と、
前記画像形成部と前記定着部との間においてエアフロー経路を形成するファンと、
前記第1の位置から前記第2の位置に至るシート搬送経路と前記エアフロー経路との間を実質仕切る仕切り部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の位置から前記第2の位置に向けてシートの搬送をガイドするガイド部を更に有し、前記仕切り部は前記シート搬送経路を前記ガイド部と協働して実質閉空間とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ファンはシート搬送方向と直交する方向に沿って前記エアフロー経路を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記定着部はシートをその間で挟持搬送する第1及び第2の回転体を有し、前記仕切り部はその一端が前記第1の回転体に所定ギャップをもって近接するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成部は、感光体と、前記感光体から1次転写されたトナー像を前記第1の位置にてシートへ2次転写するための中間転写体と、を有し、前記仕切り部はその一端が前記中間転写体に所定ギャップをもって近接するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記定着部は前記中間転写体よりも重力方向上方に位置していることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記仕切り部は可撓性シートであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記シート搬送経路におけるシート搬送方向と直交する方向において、前記仕切り部の幅は前記装置に使用可能な最大幅のシートの幅よりも広いことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記第2の位置は前記第1の位置よりも重力方向上方に位置していることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像形成装置。
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