JP6173148B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート上のトナー像を定着する定着装置に関する。この定着装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に搭載され得る。
従来より電子写真式の画像形成装置においては、離型剤(ワックス)が含有されたトナーを用いてシート(用紙)にトナー像を形成し、これを定着装置において加熱加圧することにより定着処理を行っている。
この定着処理の際に、トナーに含有されていたワックスが気化し、その直後、凝縮することが知られている。本発明者等の知見によれば、定着装置のシートの導入口付近に、凝縮後のワックス(数nm〜数百nm程度の微粒子、以下、ダストとも呼ぶ)の多くが存在、浮遊していることが分かっている。このようなシートの導入口付近に多く存在する凝縮直後のワックスに対し何ら対処を行わないと、定着装置外にその多くが拡散し、画像に良くない影響を与えてしまう恐れがある。そこで、凝縮直後のワックスを大粒径化させて、定着装置外に拡散しないようにすることが求められている。
一方、特許文献1に記載の電磁誘導方式の定着装置では、ワックスがコイルホルダに固着し堆積してしまうのを抑制すべく、コイルホルダの近傍に発熱体を設けている。詳細には、コイルホルダを発熱体により加熱することによりワックスを液化させて、コイルホルダに固着していたワックスを下方へ落下させるようにしている。
また、特許文献2に記載の定着装置では、定着ローラに付着した微粒子をクリーニングウェブにより除去するにあたり、クリーニングウェブに微粒子を捕捉するための捕捉材を含有させている。
特開2010−217580号公報 特開2011−112708号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の定着装置では、シートの導入口付近に多く存在するダストが定着装置外へ微粒子のまま拡散してしまうのを抑制することができないため、解決策にはなり得ない。
本発明の目的は、離型剤に起因する所定の粒径の粒子がそのまま定着装置外に拡散してしまうのを抑制することができる定着装置を提供することである。
本発明の他の目的は、離型剤に起因する所定の粒径の粒子の大粒径化を促進することができる定着装置を提供することである。
本発明の他の目的は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
上記の目的を達成するための本発明に係る定着装置の代表的な構成は、
離型剤を含有するトナーを用いてシートに形成された未定着トナー像をその間のニップ部にて熱定着する、前記シートの未定着トナー像が形成されている面と接触する加熱回転体および前記加熱回転体の重力方向下方に位置する加圧回転体と、
シート導入口およびシート排出口を有し、前記加熱回転体および前記加圧回転体を収容する筐体と、
前記シート導入口の近傍において前記筐体と前記加熱回転体との間の隙間を塞ぐように配置されており、前記シート導入口の近傍に発生する離型剤に起因する所定の粒径の粒子が浮遊している気流が前記隙間から前記シート排出口の側へ流れるのを抑制する第1の気流遮蔽部材と、
前記筐体の上側に配置されており、前記第1の気流遮蔽部材によって遮られて前記シート導入口から前記筐体の外に出た前記気流を前記筐体の上方の空間に実質滞留させる第2の気流遮蔽部材と、を有し、
前記空間は流入した気流が流出しないように閉空間とされていることを特徴とする。
本発明によれば、離型剤に起因する所定の粒径の粒子がそのまま定着装置外に拡散してしまうのを抑制することができる定着装置を提供することができる。離型剤に起因する所定の粒径の粒子の大粒径化を促進することができる。
参考例における画像形成装置を概略的に示した断面図 図1の画像形成装置における定着装置の部分の拡大横断面模式図 (a)は定着装置の分解斜視図、(b)は定着装置筐体の上カバーの上部に第2の気流遮蔽部材が配設されている状態の斜視図 定着装置の要部の拡大横断面模式図 加熱ユニットの分解斜視図 定着スリーブの層構成模式図 ダストの合体現象と付着現象の説明図 ダスト発生箇所の説明図 定着スリーブの周辺のダスト濃度を示すグラフ トナー像の通過領域と第1の気流遮蔽部材の幅関係の説明図 定着装置周辺部の熱気流解析における断面図 シミュレーションで求めた距離tを示すグラフ 実施例1の定着装置の概略構成を示す横断模式図 熱気流解析において、ニップ部入口に仮想粒子を発生させた時の仮想粒子が流れていく経路図 実施例2の定着装置の分解斜視図 定着装置をニップ部入口から見た構成図(定着装置正面図) 実施例3の定着装置の分解斜視図 実施例4の定着装置の分解斜視図
以下、本発明に係る定着装置の実施例について参考例と共に詳細に説明する。なお、特段の断りがない限り、本発明の思想の範囲内において、各種機器の構成を他の公知の構成に置き換えることは可能である。
<参考例>
(1)画像形成装置の全体構成
定着装置の説明をする前に、まず、定着装置を搭載した画像形成装置の一例の全体構成について説明する。図1は本参考例における画像形成装置1を概略的に示した断面図である。この画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いたレーザービームプリンタである。即ち、パーソナルコンピュータやイメージリーダ等の外部ホスト装置Bから制御回路部(制御手段:CPU)Aに入力される電気的画像信号に基づいて、シートPに画像形成を行う。
シートPは画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の記録材(記録媒体)であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHTシート、光沢紙等が含まれる。以下、用紙と記す。また、以下の説明では、便宜上、シートの扱いを通紙、排紙、給紙、通紙部、非通紙部などの用語を用いて説明するが、シートは紙に限定されるものではない。
画像形成装置1はトナー像を形成する作像エンジンを備え、トナー像を用紙Pに転写して画像を形成するように構成されている。作像エンジンは、画像形成装置1の装置本体1A内の所定の装着部に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジ3と、光走査装置(レーザースキャナ)4を備える。
カートリッジ3はその内部に、回転駆動される感光体30と、帯電ローラ31と、現像ローラ32と、クリーナ33を備えており、感光体30上に画像情報に応じたトナー像を形成し得るように構成されている。帯電ローラ31は感光体30を一様な背景部電位にまで帯電させる。現像ローラ32は光ビーム40の露光によって感光体30上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。クリーナ33は感光体30を清掃する。
作像エンジンの感光体30と対向する位置には、転写ローラ34が配設されている。光走査装置4は、画像情報に応じて変調された光ビーム40を発し、感光体30の軸方向に沿って走査し、感光体30を画像情報に応じて露光する。
一方、用紙Pは装置本体1A内の下部に収納される給紙カセット2から画像形成装置1の内部へ供給される。カセット2の上部にはカセット内に収容された用紙Pを引き出すためのピックアップローラ11及び給紙ローラ12が並設されている。また、給紙ローラ12と対向する位置には用紙Pの重送を阻止するリタードローラ13が配設されている。
カセット2から給紙された用紙Pは搬送経路10に入り、感光体30と転写ローラ34との当接部である転写部への用紙の突入タイミングを制御するレジストレーションローラ14へと送られる。その後、用紙Pは所定の制御タイミングで転写部へ送られ、転写部を挟持搬送されていく過程で感光体30からトナー像の転写を受ける。転写部を通った用紙Pは感光体30から分離されて定着装置5へ送られてトナー像の熱定着を受ける。定着装置5を出た用紙Pは排出ローラ15を経て、画像形成装置1の上部に設けられた排紙トレイ16に画像形成物(プリント)として排出される。
(2)定着装置の構成
図2は図1の画像形成装置1における定着装置5の部分の拡大横断面模式図、図3の(a)は定着装置5の分解斜視図、図4は定着装置5の要部の拡大横断面模式図である。本参考例における定着装置5は加熱源(加熱機構)としてセラミックヒータ等の面状(細板状)のヒータ50aを用いたベルト(フィルム)加熱方式−加圧部材駆動式の画像加熱装置である。このタイプの加熱装置は例えば特開平4−44075号公報等で知られている。
ここで、本参考例における定着装置5又はその構成部材に関して、正面側とは定着装置5を用紙入口側から見た面、背面側とはその反対側の面(用紙出口側)である。左右とは定着装置5を正面側から見て左(一端側)または右(他端側)である。また、上流側と下流側は用紙搬送方向(シート搬送方向)に関して上流側と下流側である。長手方向(幅方向)や用紙幅方向とは、用紙搬送路面において、用紙の搬送方向(シート搬送方向)に直交する方向に実質平行な方向である。短手方向とは用紙搬送路面において、用紙の搬送方向に実質平行な方向である。上下とは重力方向において上または下である。
本参考例における定着装置5においては、用紙Pの搬送は、用紙幅中心のいわゆる中央基準搬送でなされる。いわゆる片側基準搬送でなされてもよい。
定着装置5は左右方向を長手方向とする横長の装置である。定着装置5は、大別して、
1)回転する加熱部材(加熱回転体:第1の回転体)として定着スリーブ50bを有する加熱ユニット50と、
2)加熱ユニット50(定着スリーブ50b)の回転軸線に対して、その上端部が加熱ユニット50(定着スリーブ50b)の重力方向下方に位置している、回転する加圧部材(加熱回転体:第2の回転体)としての加圧ローラ51と、
3)それらを収容した筐体52と、
を有する。そして、筐体52即ち定着装置5が画像形成装置1の内部において装置本体1Aの本体フレームに対して所定に位置決めされて取り付けられている。
(2−1)筐体の構成
筐体52は、ベース52B、上カバー52U、一端側板(左側板)52L、他端側板(左側板)52Rで構成された横長の板金製内枠体を有する。この筐体52の正面側に用紙導入口(シート導入口)400を有する。また、筐体52の背面側に用紙排出口(シート排出口)500を有する。
一端側板52Lと他端側板52Rとの間に加熱ユニット50と加圧ローラ51がそれぞれ一端側と他端側が保持されて上下の位置関係で配設されており、両者間にニップ部54が形成されている。
用紙導入口400には作像エンジン側から定着装置5に対して搬送された用紙Pをニップ部54へガイドする入口ガイド部材(ガイド部材)56Aがベース52Bに対して所定に位置決めされて固定して配設されている。また、用紙排出口500にはニップ部54から出た用紙Pをガイドする出口ガイド部材(ガイド部材)56Bがベース52Bに対して所定に位置決めされて固定して配設されている。また、用紙排出口500には出口ガイド部材56Bよりも用紙搬送方向Xの下流側において用紙Pをニップ部で挟持搬送する定着排紙ローラ(シート排出搬送部材)55が配設されている。
定着排紙ローラ55は用紙Pを挟持搬送するためのニップ部を形成する下側ローラ53aと上側ローラ(コロ)53bを有する。下側ローラ55aのローラ軸55cが出口ガイド部材56Bに対して実質平行に配列されて回転可能に設けられている。下側ローラ55aはこの軸55cに沿って所定の間隔をあけて複数個が固着されて設けられている。上カバー52Uには上記の複数個の下側ローラ53aに対してそれぞれ対応する複数個の上側ローラ53bが回転可能に、かつ対応する下側ローラ53aに対して当接してニップ部を形成するように移動付勢されて配設されている。
用紙導入口400の近傍において筐体52の上カバー52Uと加熱ユニット50の定着スリーブ50bとの間の隙間を塞ぐように第1の気流遮蔽部材(内部遮蔽部材)60が配置されている。第1の気流遮蔽部材60は筐体52の上カバー52Uの下面、あるいは筐体52の一端側板52Lと他端側板52Rとの間に固定して配設されている。この第1の気流遮蔽部材60は、後述するように、用紙導入口400の近傍に発生する、離型剤に起因する所定の粒径の粒子が浮遊している気流が上記の隙間から用紙排出口500の側への流れるのを抑制する。
また、筐体(52)の上カバー52Uの上側には第2の気流遮蔽部材61が配設されている。図3の(b)は上カバー52Uの上側に第2の気流遮蔽部材61が配設されている状態の斜視図である。この第2の気流遮蔽部材61は、後述するように、第1の気流遮蔽部材60によって遮られて用紙導入口400から筐体52の外に出た上記の気流を筐体52の上方の空間Sに実質滞留させる。
(2−2)加熱ユニットの構成
図5は加熱ユニット50の分解斜視図である。加圧ローラ51も一緒に描かれている。加熱ユニット50は、面状のヒータ50a、回転する加熱部材(加熱回転体:第1の回転体)としてのエンドレスベルト状の定着スリーブ50b、ヒータホルダ50c、加圧ステー50d、一端側と他端側のスリーブフランジ53L・53R等の組立体である。
ヒータホルダ50cは横断面ほぼ半円弧状樋型の横長の部材であり、液晶ポリマー等の耐熱樹脂により形成されている。ヒータ50aは通電により急峻に昇温するセラミックスヒータ等の低熱容量の横長の板状発熱体であり、ヒータホルダ50cの下面にホルダ長手に沿って配設されて保持されている。加圧ステー50dは横断面下向きU字型で横長の剛性部材であり、鉄等の金属で形成されており、ヒータホルダ50cの内側に配設されている。定着スリーブ50bは、ヒータホルダ50c、ヒータ50a、加圧ステー50dの組立体に対してルーズに外嵌(外挿)されている。
一端側と他端側のスリーブフランジ53L・53Rはそれぞれ耐熱樹脂による左右対称形状の成形品であり、ヒータホルダ50cの一端側と他端側とに対向させて対称に装着されており、定着スリーブ50bを保持する。定着スリーブ50bの両端部はこのスリーブフランジ53L・53R間で回転可能に保持されて端部位置の規制と保形がなされる。
(2−2−1)定着スリーブの構成
図6は定着スリーブ50bの層構成を説明する模式図である。定着スリーブ50bは、内側から外側の方へ順に、エンドレス(円筒状)の基層501と、プライマ層502と、弾性層503と、離型層504と、を積層した複合層部材である。定着スリーブ50bは、全体的に可撓性を有する薄肉の低熱容量の部材である。
基層501はSUS(ステンレス)等の金属製のベース層であり、熱ストレスと機械的ストレスに耐えるために、30μm程度の厚みを有している。プライマ層502は、基層501の上に、プライマを5μm程度の厚みで塗布することによって形成されている。
弾性層503は、トナー像を圧接する際に変形することによって、離型層504をトナー像に密着させる役目を果たす。離型層504はトナーや紙粉の付着防止性能を確保するために、離型性と耐熱性に優れたPFA樹脂を用いている。厚さは伝熱性を確保する観点から20μm程度である。
(2−2−2)スリーブフランジの構成
スリーブフランジ53L・53Rは、それぞれフランジ部53aと棚部53bと被押圧部53cとを有する。フランジ部53aは定着スリーブ50bの端面を受け止めて定着スリーブ50bのスラスト方向への移動を規制する部材であり、定着スリーブ50bの外形形状より大きい外形形状をしている。棚部53bはフランジ部53aの内面側に円弧状に設けられており、定着スリーブ50b端部内面を保持して定着スリーブ50bの円筒形状を保形する。被押圧部53cはフランジ部53aの外面側に設けられており、それぞれ加圧ばねなどの付勢手段57L・57Rによる押圧力Tを受ける。
(2−3)加圧ローラの構成
図4を参照して、加圧ローラ(加圧回転体:第2の回転体)51は、金属(アルミや鉄)の芯金511と、シリコンゴム等で形成された弾性層512、弾性層512を被覆する離型層513を有する弾性ローラである。離型層513はPFA等のフッ素系樹脂で、チューブを被覆させたものである。
加圧ローラ102は筐体52の一端側板52Lと他端側板52Rの間において、芯金511の一端側と他端側がそれぞれ軸受部材(不図示)を介して回転可能に支持されて配設されている。
加熱ユニット50は一端側板52Lと他端側板52Rとの間において加圧ローラ51に対してヒータ50aの側を対向させて上記の加圧ローラ51の上側に実質平行に配列されている。
ここで、加熱ユニット50の一端側と他端側のスリーブフランジ53Lと53Rはそれぞれ筐体52の一端側板53Lと他端側板53Rに形成された加圧ローラ51に向かう方向のガイド穴521(図3)に対してスライド移動可能に嵌着されている。そして、その一端側と他端側のスリーブフランジ53Lと53Rはそれぞれ付勢手段57L・57R(図5)により加圧ローラ51に向かう方向に所定の押圧力Tをもって押圧されている。
上記の押圧力Tにより、加熱ユニット50の全体、即ち、スリーブフランジ53L・53R、加圧ステー50d、ヒータホルダ50c、ヒータ50a、定着スリーブ50bの全体が加圧ローラ51の方向に移動する。そのため、ヒータ50aが定着スリーブ50bを介して加圧ローラ51に対して弾性層512の弾性に抗して所定の押圧力Tで押圧され、定着スリーブ50bと加圧ローラ51との間に用紙搬送方向Xに関して所定幅のニップ部54(図4)が形成される。
(2−4)定着シーケンス
定着装置5の定着シーケンス(定着処理)の動作は次のとおりである。制御回路部Aは、所定の制御タイミングで加圧ローラ51を図4の回転方向R51に所定の速度で回転駆動させる。加圧ローラ51の回転駆動は加圧ローラ51と一体の駆動ギアG(図5)に制御回路部Aで制御される駆動源Mの駆動力が伝達されることでなされる。
加圧ローラ51が回転駆動されることで、ニップ部54において定着スリーブ50bに加圧ローラ51との摩擦力で回転トルクが作用する。これにより、定着スリーブ50bが、その内面をヒータ50aに密着させて摺動しながら、ヒータホルダ50cと加圧ステー50dの外回りを加圧ローラ51の速度とほぼ対応した速度で回転方向R50bに従動して回転する。
また、定着排紙ローラ55の下側ローラ55aの軸55cにも駆動源Mの駆動力が伝達されて図2の回転方向R55aに所定の速度で回転駆動される。上側ローラ55bは下側ローラ55aの回転に従動して回転方向R55bに回転する。
また、制御回路部Aは電源部58からヒータ50aに対して通電を開始させる。ヒータ50aに対する通電は、ヒータ50aの一端側と他端側に装着した通電コネクタ50eL・50eR(図5)を介してなされる。この通電によりヒータ50aは有効全長域に渡って急速に昇温する。その昇温がヒータ50aの裏面側(ニップ部54と反対側の面)に設けられた温度検知手段としてのサーミスタTHによって検知される。
制御回路部AはサーミスタTHで検知されるヒータ温度に基づいてヒータ温度が所定の目標設定温度に昇温して温調されるようにヒータ50aに対する電源部58からの供給電力を制御する。本参考例における目標設定温度は約180℃である。
この定着装置5に対して作像エンジン側から未定着トナー像Iを担持した用紙Pが未定着トナー像Iが形成されている面が上向きで下面(裏面)が用紙入口ガイド部材56Aにガイドされてニップ部54に導入されニップ部54で挟持搬送される。ニップ部54において定着スリーブ50bが用紙Pの未定着トナー像Iが形成されている面と接触する。
用紙Pはニップ部54を挟持搬送される過程でヒータ50aの熱が定着スリーブ50bを介して付与される。未定着トナー像Iはヒータ50aの熱によって溶融され、ニップ部54にかかっている圧力によって用紙Pに熱定着される。ニップ部54を出た用紙Pは用紙出口ガイド部材56Bにガイドされて定着排紙ローラ55に中継ぎされて用紙出口500から定着装置5外へ送出される。
(3)トナーに内包される離型剤
次に、トナーIに内包(含有)される離型剤、本例ではワックスについて説明する。定着処理時にトナーIが定着スリーブ50bに転移してしまうオフセットと呼ばれる現象を生じる恐れがあり、このようなオフセット現象は画像不良などの問題を引き起こす要因となってしまう。
そこで、本例では、ワックスをトナーIに内包させている。つまり、定着処理時にトナーIからワックスが染み出るようにしている。その結果、加熱により溶融したワックスが定着スリーブ50bと用紙P上のトナー像の界面に介在することになり、オフセット現象を防止する(離型作用)ことが可能となる。
なお、ワックスの分子構造を含んだ化合物も、ここではワックスと呼ぶことにする。例えば、トナーの樹脂分子に炭化水素鎖等のワックス分子構造を反応させたものである。また、離型剤として、ワックスの他に、シリコンオイル等の離型作用を有する他の物質を用いることも可能である。
本例ではパラフィンワックスを用いており、ワックスの融点Tmは約75℃前後である。ニップ部54を目標設定温度180℃に保った場合、トナーI中のワックスが瞬時に溶融してトナー像と定着スリーブ50bの界面に染み出るように融点Tmは設定されている。
ワックスが溶融する際、ワックス中の低分子量成分等、ワックスの一部は気化(揮発)する。ワックスは長鎖分子成分から構成されているが、その長さは均一でなく、一定の分布がある。つまり、ワックスには、鎖が短く沸点の低い低分子成分と、鎖が長く沸点の高い高分子成分があって、ワックスの一部である低分子成分が気化するものと考えられる。
気化したワックス成分は、空気中で冷やされて凝縮し、数nm〜数百nm程度の微粒子(ダスト)が存在し得る。但し、多くは、数nm〜数十nmの粒径の微粒子となっているものと推察される。
このダストはワックス成分であるため粘着性を有しており、画像形成装置1の内部の各所に付着して問題を起こす恐れがある。例えば、ダストが定着排紙ローラ55や排出ローラ15に固着、堆積して汚れを生じさせると、その汚れが用紙Pに移行して画像に影響してしまう恐れがある。また、画像形成装置に搭載された定着装置周辺の雰囲気を排気する排気(排熱)機構に設置されたフィルタ59(図1)に付着して目詰まりを起こす恐れがある。
(4)定着処理に伴う離型剤に起因する発生粒子(ダスト)について
本発明者等の研究によれば、定着処理時に気化(揮発)し、その後、凝縮したワックス(離型剤)成分(ダストとも呼ぶ)の多くが、定着装置5の用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍(図2、図4)に存在することが分かった。また、定着装置5の用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍において、凝縮後のワックス成分(ダスト)が、互いの衝突により、大粒径化する現象が促進されることが分かった。以下、詳述する。
(4−1)ダストの性質と発生箇所について
離型剤(ワックス)に起因するダストの性質として、互いに合体して大型化する性質と、気体中にある固形物に付着する性質が知られている。図7の(a)と(b)は、それらの性質を説明する図である。
図7の(a)に示すように、加熱源20aの上に沸点150〜200℃の高沸点物質20を置き、200℃前後に加熱すると、高沸点物質20の揮発物21aが発生する。揮発物21aは常温空気に触れると直ちに沸点温度以下になるので、空気中で凝縮し、数nm〜数十nm程度の粒径の微粒子(ダスト)21bに変化する。この現象は、水蒸気が露点温度を下回ると、微小水滴になって霧を発生させる現象と同じものである。
そして、ダスト21bは、ブラウン運動により空気中を移動しているので、互いに衝突して合体し、より大きな粒径のダスト21cに成長することが知られている。この成長は、ダストが活発に移動すればするほど、言い換えると、雰囲気が高温状態にあればあるほど、促進される。また、この成長は、ダストが一定サイズ以上になると次第に鈍化し、止まる。これは、合体によってダストが大型化するとブラウン運動による空気中の移動が不活発になるためと推定される。
次に、図7の(b)において、微小ダスト21bとより大きなダスト21cを含んだ空気αが、気流22に沿って壁23に向かう場合を考える。この時、微小ダスト21bよりも大きなダスト21cの方が壁23に付着しやすく、拡散され難い。これは、ダスト21cは慣性力が大きく、壁23に勢いよく衝突するためと推定される。
この現象は、気流の速度が風速計の計測限界を下回る0.2m/s以下の場合、つまり気流が非常に遅い場合であっても同様である。従って、ダスト21cを大粒径化すればするほど、特に、数百nm程度の微粒子は定着装置内に留まり易く(多くは定着スリーブに付着)、定着装置外への拡散を抑制し得ることが分かる。
このように、ダストは合体して大型化(大粒径化)する性質と、大型化(大粒径化)すると周辺の物体に付着し易くなるという二つの性質を持っている。なおダストの合体のし易さは、ダストの成分と温度、濃度に依存する。例えば、粘着しやすい成分が高温になって柔らかくなり、また高濃度下でダスト同士の衝突確率が上がると、合体し易くなる。従って、ダストが大粒径化すれば、ダストが微粒子(凝縮直後の粒径)のまま定着装置外に拡散されてしまうのを抑制できることが分かる。
次に、ダストの発生箇所について、図8と図9に基づいて説明する。図8は、図2と図4と異なり、トナー像Iを載せた用紙Pがニップ部54に挟持搬送されている状況にあり、ダストが発生している状態を示している。なお、図8においては図2における第1の気流遮蔽部材60と第2の気流遮蔽部材61は配設していない。
かかる状況下で、ニップ部54の入口側のポイントAと出口側のポイントBにおいて、ダスト濃度を測定したところ、図9のように、ポイントAの濃度の方が顕著に高かった。このダストの測定には、米TSI社製の高速応答型パーティクルサイザー(FMPS)を用いた。
この高速応答型パーティクルサイザー(FMPS)は、個数濃度(個/cm)、重量濃度(μg/m)を測定することができる。本例では、粒径が5.6nm以上560nm以下の微粒子(所定の粒径の粒子)の個数濃度(個/cm)をダスト濃度としている。
この結果は、ダストの発生箇所が、定着装置5の用紙導入口400(ニップ入口54c)の近傍であることを示している。この現象の推定理由として、高温の定着スリーブ50bがトナー像Iに接触した時に、ワックスの低分子量成分が瞬時に揮発し、ニップ部54を通過したころには揮発が終わっていることが考えられる。
(4−2)ダスト対策
そこで、本参考例における定着装置5は、筺体52の内部において、加熱ユニット50側の用紙導入口400(ニップ入口54c)の付近に位置し、定着スリーブ50bと上カバー52Uとの間の隙間を塞ぐよう配置される第1の気流遮蔽部材60を設ける。さらに、上カバー52Uの上部に定着装置5と画像形成装置本体側部材(定着装置近傍の装置本体側部材)との隙間を埋める位置に第2の気流遮蔽部材61を設けている。これにより、画像形成装置1の内部におけるダストの拡散を抑制することができる。
図10は定着装置5における、加熱ユニット50と、加圧ローラ51と、第1の気流遮蔽部材60と、の部分の斜視模型図である。筐体52を構成する部材や第2の気流遮蔽部材61などの他の定着装置構成部材は省略してある。
第1の気流遮蔽部材60の長手方向の幅W1は、用紙P上のトナー像Iの通過領域の幅W2よりも幅が広くなるように設定するのが好ましい。なお、幅W2は、画像形成装置1で使用可能な最大幅の用紙を使用したとき、その最大幅の用紙に対して画像形成可能な領域の幅(最大画像幅)に相当する。その結果、第1の気流遮蔽部材60は、定着スリーブ50bがトナー像Iと接触し得る領域よりも幅方向両外側に延在する位置関係となる。
しかし、画像形成装置1の使用において、最大幅の用紙を用いる頻度が少なければ、幅W2を上記より狭くしても、本件発明の課題を十分に解決できる。その場合は、最も使用頻度の高い用紙における最大画像幅を幅W2とするのが装置小型化の観点で妥当である。
図11に熱気流解析における定着装置5周辺部の断面図を示すもので、図8のように第1の気流遮蔽部材60と第2の気流遮蔽部材61を配設していない定着装置5についてのものである。
図中に無数に存在する線は気流(エアフロー)の向きを表しており、矢印で表記している経路D1、D2、D3、D4、D5は主な気流の方向を示している。定着装置5周辺の気流は用紙Pがニップ部54に突入することにより、用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍で最も大きくなる。この時、気流は、加圧ローラ51の下方にはほとんど向かわず、定着スリーブ50bの上方へ向かう(経路D1)。加熱ユニット50の上方に侵入できなかった気流は用紙搬送方向Xとは逆方向に向かう(経路D2)。
さらに、定着スリーブ50bは約180℃に昇温しており、それに伴って、定着装置5上方の空間Sは約60℃程に昇温する。この空間Sの昇温過程において、定着装置5の上方への上昇気流が発生する(経路D3)。経路D3は、定着装置5の用紙導入口400(ニップ入口54c)から侵入(侵入口D3I)し、定着装置5の上方を通過して、定着排紙ローラ55周辺から排出(排出口D3O)される。
定着スリーブ50bおよび加圧ローラ51の表面近傍はそれぞれの回転方向R50、R51に沿った気流(経路D4、D5)が存在する。従って、用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍で発生したダストの拡散経路は、加熱ユニット50の上方を通過し画像形成装置1の内部へ拡散する経路D1が存在する。また、経路D2を経由して、定着装置5の上方を通過し画像形成装置1の内部へ拡散する経路D3が存在する。
図12は定着スリーブ50bと加圧ローラ51の周速Vと、距離tについての関係を示す。定着スリーブ50bと経路D1の間には、ダストの存在しない隙間(距離t)が存在する。定着スリーブ50bから距離tにある位置は、経路D1と経路D4の境界であり、この境界より内側は、用紙導入口400(ニップ入口54c)方向にダストを含んでいない空気を送り込んでいる。この境界より外側は、用紙導入口400(ニップ入口54c)で発生したダストが存在する領域となる。
なお、隙間tは、図12に示すように、周速Vに依存する。周速Vが大きい時は経路D4の影響が強くなり、距離tを広げているものと推定される。
ダストを用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍に封じ込めるためには、経路D1を実質塞ぐことが求められる。第1の気流遮蔽部材60と定着スリーブ50bの間隔はdS(図2)に設定されおり、経路D1を実質塞ぐためには、間隔dSを0に近づける必要がある(十分に塞ぐことのできない理由は後述する)。
具体的な間隔dSの設定方法としては、図12を用いる方法が考えられる。図12における距離tは、経路D1と経路D4の境界から定着スリーブ50bまでの距離を意味しているので、表面周速Vが115〜200mm/sの範囲にある場合は、
0.5<dS(mm)<0.0059×V+0.72
となるようにすれば良い。
下限を0.5mmとした理由は、定着スリーブ50bと第1の気流遮蔽部材60の接触を防ぐためである。前述したように、これら部材の表面はPFA樹脂であるため傷付き易く、接触によって傷付くと画像に影響してしまう。部品公差や熱による部材変形等を考慮すると、0.5mmより狭くすることは設計上極めて困難なので下限を0.5mmとした。
なお、上記方法は経路D1を十分に遮ることを前提においた方法であるが、実際には経路D1の一部を阻害すれば、本件発明の課題であるダスト汚れを防ぐことができることが多い。
そこで、ダストの流れの出口である定着排紙ローラ55付近でダスト濃度を高速応答型パーティクルサイザー(FMPS)で測定し、第1の気流遮蔽部材60の効果を判定する方法がより実用である。
例えばdSを4mmからスタートして段階的に狭くしてゆき(例:4mm→3.5mm→3.0mm→2.5mm→2.0mm→1.5mm)、定着排紙ローラ55付近のダスト濃度が下がり始める数値を選ぶと良い。下がっているか否かの判断基準は、第1の気流遮蔽部材60がない場合のダスト濃度の2/3以下とするのが妥当である。ダストはガス分子に比べると拡散性が低いため、局所的なダスト濃度は、通紙等によって発生する気流の乱れによって変動し易い。
本発明者の経験によれば、±30%程度の変動があるので判断基準を2/3以下とした。本参考例においては、dSを2.0mmとした時に、定着排紙ローラ55付近のダスト濃度が2/3以下に下がり、ダスト汚れによって生じる問題を防止できる。
第1の気流遮蔽部材60は定着スリーブ50bの表面から0.5mm以上3.5mm以内の位置に配置されるのが好ましい。即ち、定着スリーブ50bの表面と第1の気流遮蔽部材60との間に0.5mm以上3.5mm以内の間隔(ギャップ)dSが存在しているのが好ましい。これにより、第1の気流遮蔽部材60を設けていない構成の場合に測定されるダスト濃度の70%未満のダスト濃度とすることができるためである。つまり、気流D1(図11)の一部の移動を第1の気流遮蔽部材60により阻害できれば、ダストによる問題を実用上無視できるレベルにすることが可能となるためである。
なお、下限値の0.5mmは、これ以上、定着スリーブ50bの表面に第1の気流遮蔽部材60を接近させると、定着ベルト105に接触してしまう恐れがあるためである。
ただ、第1の気流遮蔽部材60を設けることにより上述したように経路D1を塞ぐと、必然的に経路D2への気流量が増大する。ダストを用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍で封じ込めきれない場合、ダストは経路D3を通って画像形成装置1の内部に拡散する。そのため、画像形成装置1へのダスト拡散を抑制するため、空間S内でダストの付着を促進させる必要がある。
定着装置5の周辺には、定着スリーブ50bが昇温することで空間Sに向かう上昇気流が存在する(経路D3)。そのため、積極的に空間S方向に向かわせるにはエアフロー侵入口D3Iに加え、エアフロー排出口D3Oを持つ必要がある。加え、ダストの付着を促進させるには、経路D3の侵入口D3Iに比べ小さな排出口D3Oを持つ必要がある。
というのは、侵入口D3Iに対して小さな排出口D3Oを持つことで、排出口D3Oでの流速が上がり、慣性力が大きくなることで、排出口D3O周辺にダストを付着させることができる。したがって、排出口D3Oからある程度エアフローが流れ出て、かつ、侵入口D3Iに比べて、排出口D3Oの流速が速い必要がある。
本参考例において、侵入口D3Iの流速は0.12m/sであった。このとき、排出口D3Oを小さくすることで、流速は0.67m/sから3.02m/sとなり、排出口D3O下流部におけるダスト放散量は40%削減することができた。このように、侵入口D3Iに対して小さな排出口D3Oを持つことで、排出口D3Oの流速が上がり、ダストの付着を促進させ、画像形成装置1の内部にダストが拡散することを防ぐことができる。
上記のように、第1の気流遮蔽部材60がニップ部54から発生するダストをニップ周辺に封じ込める。さらに、第2の気流遮蔽部材61が、ニップ周辺から漏れ出たダストを、定着装置上方にある空間Sに導く。空間Sに導かれたダストは、空間出口にある微小な出口により加速され、空間出口周辺に衝突し、付着する。空間Sは用紙通紙領域ではないために、堆積したダストが用紙に付着することを防ぐ。
<実施例1>
図13は、本実施例を示した定着装置5の横断模式図である。本実施例参考例において定着装置5と画像形成装置1との間に弾性部材62を設けることで、エアフロー侵入経路はもつが、エアフロー排出経路はもたない構成となる。その他の定着装置構成は実施例1の定着装置5と同様である。即ち空間Sの気流出口が塞がれていて空間Sに流入する上記の気流が空間Sから流出しないことを特徴とする。
定着装置上方にある空間Sの出口をふさぐことで、封じ込めたダストの濃度が上昇し、空間S内で合体・衝突を促進させる。そのため、用紙通紙領域にダストが堆積することがなく、ダストが用紙に付着することを防ぐ。
即ち、定着スリーブ50bは約180℃に昇温しており、それに伴って、定着装置5の上方の空間Sは約60℃程に昇温する。この空間Sの昇温過程において、定着装置5上方への上昇気流が発生し、用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍で発生したダストは空間S方向へ向かう。空間Sに向かったダストを空間Sに留めることで、空間S内でのダスト濃度が上昇し、合体・付着を促進させ、画像形成装置1の内部に拡散することを防ぐことができる。
<実施例2>
図14は、図8のように第1の気流遮蔽部材60と第2の気流遮蔽部材61を配設していない定着装置5について仮想粒子が流れていく経路を示したものである。即ち、用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍に重量ゼロの仮想粒子をシミュレーションプログラム上で発生させた時、仮想粒子が流れていく経路を示したものである。この手法は、気流シミュレーション結果における気流経路を調べるために用いられるものである。
仮想粒子(ダストに相当)は、用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍に衝突した後、定着スリーブ50bの上方に向かう粒子(経路D1:図14の(b))が存在する。また、加熱ユニット50もしくは加圧ローラ51の軸方向に向かう粒子(経路D5:図14の(a))が存在する。
加熱ユニット50の軸方向に移動した仮想粒子は、一端側板52L、もしくは他端側板52Rと、加熱ユニット50、もしくは加圧ローラ51にある隙間を通り(経路D6L、D6R:図14の(a))、画像形成装置1の内部に拡散する。つまり、経路D1、D6L、D6Rを塞ぐことで画像形成装置1の内部にダストが拡散するのを抑制できる。
図15、図16はそれぞれ本実施例を説明する定着装置5の分解斜視図と、定着装置5を用紙導入口400(ニップ入口54c)から見た正面図である。即ち、用紙導入口400(ニップ入口54c)の近傍において筐体52と定着スリーブ50bまたは加圧ローラ51もしくはその両者の長手方向端部との間の隙間を塞ぐように第3の気流遮蔽部材(端部遮蔽部材)60L、60Rが配置されている。この第3の気流遮蔽部材60L、60Rにより経路D6L、D6Rが塞がれて上記の気流の用紙排出口500の側への流れが抑制される。
より具体的に、第3の気流遮蔽部材60L、60Rは、一端側板52Lもしくは他端側板52Rの内側から加熱ユニット50の長手方向端部に延伸している。そして、一端側板52Lもしくは他端側板52Rと、加熱ユニット50もしくは加圧ローラ51との用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍の隙間に設置される。これにより、経路D6L、D6Rを塞ぎ、画像形成装置1の内部へのダスト拡散を抑制することができる。
<実施例3>
図17は本発明の第3の実施例を示した定着装置5の分解斜視図である。実施例2の場合と同様に、第3の気流遮蔽部材(端部遮蔽部材)60L、60Rが設けられている。即ち、部材60L、60Rが、一端側板52Lもしくは他端側板52R内側から加熱ユニット50の長手方向端部に延伸している。そして一端側板52Lもしくは他端側板52Rと、加熱ユニット50もしくは加圧ローラ51との用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍の隙間に設置されている。これにより、経路D6L、D6Rを塞ぐ。
さらに、第1の気流遮蔽部材(内部遮蔽部材)60は、筺体52の内部において、加熱ユニット50側の用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍に位置し、定着スリーブ50bと上カバー52Uとの間の隙間を塞ぐよう配置されている。この第1の気流遮蔽部材60は、経路D1を塞ぎ、画像形成装置1の内部へのダスト拡散を抑制することができる。
<実施例4>
図18は本発明の第4の実施例を示した定着装置5の分解斜視図である。本実施例においては実施例1の定着装置5の第1の気流遮蔽部材60(図3)に、さらに、端部遮蔽部材60L、60Rを具備させたものである。その他の定着装置構成は実施例1の定着装置5と同様である。即ち、第3の気流遮蔽部材(端部遮蔽部材)60L、60Rが第1の気流遮蔽部材(内部気流遮蔽部材)60の一端部または両端部に例えば一体成形で設けられていることを特徴とする。
第1の気流遮蔽部材60は、筺体52の内部において、加熱ユニット50側の用紙導入口400(ニップ入口54c)近傍に位置し、定着スリーブ50bと上カバー52Uとの間の隙間を塞ぐよう配置され、経路D1を塞ぐ。
さらに、第1の気流遮蔽部材60の端部には端部遮蔽部材60L、60Rを備えている。端部遮蔽部材60L、60Rは、一端側板52Lもしくは他端側板52R内側から加熱ユニット50回転軸方向に延伸している。そして、一端側板52Lもしくは他端側板52Rと、加熱ユニット50もしくは加圧ローラ51とのニップ入口54c近傍の隙間に設置される。
これにより、経路D1、D6L、D6Rを塞ぎ、画像形成装置1の内部へのダスト拡散を抑制することができる。
<その他の事項>
1)参考例、実施例1〜4における定着装置の各特徴構成を適宜に組み合わせて実施例以外の定着装置構成にすることもできる。
2)参考例、実施例1〜4において、定着装置が有する加熱回転体(第1の回転体)として定着スリーブ5bを例に、これを加圧回転体(第2の回転体)としての加圧ローラ51により回転駆動する構成について説明した。しかしこの構成に限られない。例えば、加熱回転体として可撓性を有する無端状の定着ベルトを用い、これが複数の支持ローラに支持され、そして、これらの支持ローラのうちの1つにより定着ベルトが回転駆動される装置構成であっても構わない。また、定着スリーブや定着ベルトの代わりに定着ローラを用いる構成であっても構わない。
3)参考例、実施例1〜4において、加熱回転体としての定着スリーブ5bを加熱する加熱機構として面状ヒータを用いる例について説明したが、加熱機構はこれに限られない。例えば、電磁誘導加熱するための励磁コイル、ハロゲンヒータ、赤外線ランプなど他の加熱機構を用いる構成としても構わない。この場合、定着スリーブをその内側から加圧ローラに向けて加圧するための加圧パッドを用いることになる。また、加熱機構を定着スリーブの外部に配置する構成としても良い。
4)また、参考例、実施例1〜4において、定着装置が有する加圧回転体として加圧ローラ51を例に説明したが、例えば、加圧ベルトを用いる構成にしても構わない。
5・・定着装置、50・・加熱ユニット、51・・加圧ローラ、52・・筐体、54・・ニップ部、60・・第1の気流遮蔽部材(内部気流遮蔽部材)、61・・第2の気流遮蔽部材、60L、60R・・第3の気流遮蔽部材(端部遮蔽部材)

Claims (9)

  1. 離型剤を含有するトナーを用いてシートに形成された未定着トナー像をその間のニップ部にて熱定着する、前記シートの未定着トナー像が形成されている面と接触する加熱回転体および前記加熱回転体の重力方向下方に位置する加圧回転体と、
    シート導入口およびシート排出口を有し、前記加熱回転体および前記加圧回転体を収容する筐体と、
    前記シート導入口の近傍において前記筐体と前記加熱回転体との間の隙間を塞ぐように配置されており、前記シート導入口の近傍に発生する離型剤に起因する所定の粒径の粒子が浮遊している気流が前記隙間から前記シート排出口の側へ流れるのを抑制する第1の気流遮蔽部材と、
    前記筐体の上側に配置されており、前記第1の気流遮蔽部材によって遮られて前記シート導入口から前記筐体の外に出た前記気流を前記筐体の上方の空間に実質滞留させる第2の気流遮蔽部材と、を有し、
    前記空間は流入した気流が流出しないように閉空間とされていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱回転体の表面と前記第1の気流遮蔽部材との間に0.5mm以上3.5mm以内の間隔が存在していることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第1の気流遮蔽部材は装置に使用可能な最大幅のシートの画像形成可能な領域が前記ニップ部を通過する幅よりも幅方向両外側へ延在していることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記シート導入口の近傍において前記筐体と前記加熱回転体または前記加圧回転体もしくはその両者の長手方向端部との間の隙間を塞ぐように配置されており、前記気流が前記隙間から前記シート排出口の側へ流れるのを抑制する第3の気流遮蔽部材を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の定着装置。
  5. 前記第3の気流遮蔽部材が前記第1の気流遮蔽部材の一端部または両端部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記離型剤はワックスであり、前記所定の粒径は5.6nm以上560nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の定着装置。
  7. 前記シート導入口には前記ニップ部に向けてシートをガイドするガイド部材が有ることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着装置。
  8. 前記シート排出口には前記ニップ部から出たシートをガイドするガイド部材が有ることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の定着装置。
  9. 前記シート排出口には前記ガイド部材よりもシート搬送方向の下流側にシートをニップ部で挟持搬送するシート排出搬送部材が有ることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
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