JP5353343B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
詳しくは、電磁誘導加熱方式の定着装置は、定着ローラや定着ベルト等の定着部材、定着部材に圧接してニップ部を形成する加圧部材、定着部材の外周面に対向して定着部材を電磁誘導加熱する誘導加熱部、等で構成されている。また、誘導加熱部は、励磁コイル、励磁コイルを覆うコア、励磁コイルを保持するとともに定着部材に対向するコイルガイド、等で構成される。そして、誘導加熱部の励磁コイルが通電されると、定着部材の発熱層(または、定着部材に当接する加熱部材の発熱層)の周りに磁束が形成されて発熱層が電磁誘導加熱されて、定着部材が直接的(または間接的)に加熱される。こうして、ニップ部の位置で定着部材に接触する記録媒体上のトナーが加熱・溶融されて、記録媒体上にトナーが定着される。
ここで、定着部材の加熱効率を向上させるために、誘導加熱部(コイルガイド)は、定着部材に対して微小なギャップをあけて対向するように配設されている。
他方、特許文献4等には、熱ヒータ方式の定着装置であって、定着ベルトに圧接する加圧ローラを逆回転させることで、定着ベルト上にフィルミングしたワックスをクリーニングする技術が開示されている。
請求項1にかかる発明は、ワックスを含有した未定着のトナーを担持した記録媒体をニップ部に通して、前記記録媒体上に前記トナーを定着させる定着工程をおこなう定着装置であって、加圧部材が圧接されて該加圧部材とともに前記ニップ部を形成するとともに、所定方向に走行しながらトナーを加熱・溶融する定着部材と、前記定着部材の外周面に対向して設けられ、電磁誘導によって直接的または間接的に前記定着部材を加熱して定着温度にする誘導加熱部と、前記電磁誘導による熱源とは別に前記誘導加熱部に設けられ、通電により発熱する発熱体と、該発熱体に所定時間通電して前記発熱体を発熱させ、前記誘導加熱部に付着する前記ワックスを液化して除去するクリーニングモードと、を備えた定着装置を特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記ワックスは、融点が60〜90℃の範囲であるパラフィンワックスであることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2において、前記クリーニングモードは、前記発熱体を発熱させるとともに前記定着部材の走行をおこなうことを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記クリーニングモードは、前記定着工程がおこなわれているときにも動作可能に構成されていることを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項5において、前記クリーニングモードをおこなう前記間隔は可変であること特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項5又は6において、前記クリーニングモードをおこなう前記間隔は、前記ニップ部に搬送される記録媒体の枚数によって定められることを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、請求項5又は6において、前記クリーニングモードをおこなう前記間隔は、前記定着部材の走行距離または走行時間によって定められることを特徴とする。
請求項9にかかる発明は、請求項5又は6において、前記クリーニングモードをおこなう前記間隔は、前記トナーの消費量によって定められることを特徴とする。
請求項10にかかる発明は、請求項1乃至9のいずれか1項において、前記クリーニングモードは、前記定着部材に対向する前記誘導加熱部の対向面とその近傍との加熱温度が前記パラフィンワックスの融点以上になるように前記発熱体を発熱させることを特徴とする。
請求項12にかかる発明は、請求項1乃至11のいずれか1項において、前記クリーニングモードにおける前記発熱体に通電する前記所定時間は20秒以上であることを特徴とする。
請求項13にかかる発明は、請求項12において、前記所定時間は可変であることを特徴とする。
請求項14にかかる発明は、請求項1乃至13のいずれか1項において、前記クリーニングモードは、サービスマンまたはユーザーの操作によって強制的に実行されることを特徴とする。
請求項15にかかる発明は、請求項1乃至14のいずれか1項において、前記クリーニングモードがおこなわれているときに前記定着工程をともなうプリントをおこなうためのプリント要求があった場合に、前記クリーニングモードを中断して前記プリント要求を優先的に実行させることを特徴とする。
請求項16にかかる発明は、請求項15において、前記クリーニングモードが中断された場合に、前記プリント要求の実行が終了した後に新たに前記クリーニングモードを前記所定時間おこなうことを特徴とする。
請求項18にかかる発明は、請求項1乃至17のいずれか1項において、前記クリーニングモードがおこなわれているときに省エネルギーモードまたは電源オフモードをおこなうための要求があった場合に、前記クリーニングモードを優先的に実行させて前記クリーニングモードが終了した後に前記要求を実行させることを特徴とする。
請求項19にかかる発明は、請求項1乃至18のいずれか1項において、前記発熱体により直接昇温する前記誘導加熱部の所定位置の温度を検知する温度検知手段を備え、該温度検知手段で検知された温度が、前記ワックスの融点以上の温度となるように恒温制御可能に構成されていることを特徴とする。
請求項21にかかる発明は、請求項1乃至20のいずれか1項において、前記誘導加熱部は、前記定着部材を取り囲むように、前記定着部材と前記加圧部材との圧接部側を避けた略C字状に形成され、前記発熱体は、前記誘導加熱部における鉛直方向の縁部に、前記誘導加熱部の幅方向に亘って埋設されていることを特徴とする。
請求項22にかかる発明は、請求項1乃至21のいずれか1項において、蓄熱により前記定着温度が維持可能な状態に移行して前記誘導加熱部による消費電力が下がる際に、その下げる消費電力分を用いて前記クリーニングモードが実行可能に構成されていることを特徴とする。
請求項23にかかる発明は、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置を特徴とする。
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上に形成されたカラー画像を記録媒体P上に転写する2次転写ローラ、19は記録媒体P上のトナー像(未定着画像)を定着する電磁誘導加熱方式の定着装置、を示す。
まず、原稿読込部4によって、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ(不図示である)が設置されている。そして、転写バイアスローラの位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト17は、2次転写ローラ18との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラが、2次転写ローラ18との間に中間転写ベルト17を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト17上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される(2次転写工程である)。このとき、中間転写ベルト17には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト17は、中間転写クリーニング部16の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト17上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト17上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部7には、記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ8が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pが搬送経路K1に向けて給送される。
搬送経路K1に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ(不図示である)のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト17上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラが回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置19の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ9によって、装置本体1外に出力画像として排出されて(破線矢印方向の移動である)、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置19は、誘導加熱部25(磁束発生手段)、誘導加熱部25に対向する定着部材としての定着ローラ20、定着ローラ20に圧接する加圧部材としての加圧ローラ30、入口ガイド板41、拍車ガイド板42、分離ガイド板43、出口ガイド板50、サーミスタ61、62、発熱体80、温度検知手段90等で構成される。
ここで、定着部材としての定着ローラ20は、鉄やステンレス鋼等からなる芯金23上に、発泡シリコーンゴム等からなる断熱弾性層22、スリーブ層21が順次積層されたものであって、その外径が40mm程度に形成されている。
定着ローラ20のスリーブ層21は、内周面側から基材層、第1酸化防止層、発熱層、第2酸化防止層、弾性層、離型層が順次積層された多層構造体である。詳しくは、基材層は層厚が40μm程度のステンレスで形成されたものであり、第1酸化防止層及び第2酸化防止層は層厚が1μm以下のニッケルをストライクめっき処理にて形成したものであり、発熱層は層厚が10μm程度の銅で形成されたものであり、弾性層は層厚が150μm程度のシリコーンゴムで形成されたものであり、離型層は層厚が30μm程度のPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で形成されたものである。
ここで、定着ローラ20に対向する位置であって、ニップ部の上流側(搬送方向上流側)には、複数の拍車が幅方向に並設された拍車ガイド板42が設置されている。拍車ガイド板42は、ニップ部に送入される記録媒体Pの定着面(画像が定着される面である)に対向する位置に配設されて、記録媒体Pをニップ部に案内するものである。拍車ガイド板42は、記録媒体P上の未定着画像に拍車が接触してもその画像に擦れ跡が生じないように、拍車の周面がノコ歯状に形成されている。
また、ニップ部の上流側(記録媒体Pの搬送方向上流側である)であって、ニップ部に近接する位置には、定着ローラ20に接触する接触型温度検知センサとしてのサーミスタ62が配設されている。サーミスタ62は、駆動部側の幅方向端部に配設されていて、定着ローラ20の幅方向端部の表面温度を検知する。
また、図示は省略するが、定着ローラ20の幅方向中央部に対向する位置には、サーモパイル(非接触型温度検知センサ)が配設されている。
そして、サーミスタ62やサーモパイルによって、定着ローラ20上の温度(定着温度)を検知して、サーミスタ62やサーモパイルによる検知結果に基いて、誘導加熱部25による加熱量を調整する。なお、本実施の形態1では、定着工程時(通紙時)における定着温度が160〜165℃になるように誘導加熱部25の制御がおこなわれている。
なお、本実施の形態1では、定着ローラ20の加熱効率を高めるために、加圧ローラ30にハロゲンヒータ等のヒータ33が内設されている。ヒータ33に電力が供給されることにより、ヒータ33の輻射熱によって加圧ローラ30が加熱されて、定着ローラ20の表面が加圧ローラ30を介して加熱されることになる。
また、図示は省略するが、加圧ローラ30の幅方向中央部に対向する位置には、サーモパイル(非接触型温度検知センサ)が配設されている。
そして、サーミスタ61やサーモパイルによって、加圧ローラ30上の温度を検知して、サーミスタ61やサーモパイルによる検知結果に基いて、ヒータ33による加熱量を調整する。
ここで、加圧ローラ30に対向する位置であって、ニップ部に送入される記録媒体Pの非定着面に対向する位置(ニップ部の上流側である)には、入口ガイド板41が設置されている。入口ガイド板41は、ニップ部に送入される記録媒体Pをニップ部に案内するものである。
また、加圧ローラ30に対向する位置であって、ニップ部から送出される記録媒体Pの非定着面に対向する位置(ニップ部の下流側である)には、出口ガイド板50が設置されている。出口ガイド板50は、ニップ部から送出された定着工程後の記録媒体Pを定着工程後の搬送経路に向けて案内するためのものである。
誘導加熱部25は、コア部27(励磁コイルコア)、コイル部26(励磁コイル)、コイルガイド28等で構成される。
コア部27は、フェライト等の強磁性体(比透磁率が2500程度である)からなり、定着ローラ20の発熱層に向けて効率のよい磁束を形成するためのものでありアーチコア、センターコア、サイドコア等で構成されている。このコア部27は、図2に示すように、縦断面視、中央に凸部を設けた略C字状に形成されている。
コイル部26は、細線を複数本撚り合わせてなるリッツ線を、略C字状のコア部27上に沿うように、コア部27の幅方向(図2奥行き方向である)に巻回してなる。
本実施の形態では、コイルガイド28(誘導加熱部25)のC字状部の外面である対向面28aと、定着ローラ20の外周面とのギャップが、2±0.1mmに設定されている。
なお、図4を参照して、誘導加熱部25は、当該画像形成装置で画像形成が可能な最大幅の記録媒体Pよりも幅広で形成され、定着ローラ20を支持した定着装置19の主部から分離可能に構成されている。そして、定着装置19の主部(図3に示すユニットである)は、ドア100が開放された状態で、図4に示す誘導加熱部25から分離されて画像形成装置本体1から取出されることになる(図1の右方向への移動である)。
なお、本実施の形態では、発熱体80としてポリイミドヒータを例示しているが、ニクロム線ヒータをかかる部位に埋設したり、ハロゲンヒータでかかる部位を加熱しても良く、特に限定されない。
温度検知手段90は、サーミスタからなり、最大幅の記録媒体Pの幅X1より外方で、発熱体80の直上となる下側の側壁部28b上(所定位置)に、サーミスタの電極90aが当接されて、発熱体80により直接昇温する誘導加熱部25の温度を検知するようになっている。このように温度検知手段90を最大画像領域外とすることで、温度検知手段90へのパラフィンワックスの付着を防止できる。
なお、本実施の形態では、恒温制御が容易なことから温度検知手段を用いた制御を行っているが、温度検知手段がなくても、電力供給の上限などを設定すれば、発熱体80による発熱温度の制御が可能である。
不図示の駆動モータによって定着ローラ20が図2の反時計方向に回転駆動され、それにともない加圧ローラ30が時計方向に回転する。そして、定着ローラ20のスリーブ層21(発熱層)は、誘導加熱部25との対向位置で、誘導加熱部25から発生される磁束によって加熱される。
詳しくは、発振回路が周波数可変の電源部(不図示である)からコイル部26に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである)の高周波交番電流が通電されることで、コイル部26から定着ローラ20のスリーブ層21に向けて磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、スリーブ層21の発熱層に渦電流が生じて、発熱層はその電気抵抗によってジュール熱が発生して誘導加熱される。こうして、スリーブ層21(定着ローラ20)は、自身の発熱層の誘導加熱によって加熱される。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、入口ガイド板41(または拍車ガイド板42)に案内されながら定着ローラ20と加圧ローラ30との間(ニップ部である)に送入される(矢印Y1の搬送方向の移動である)。そして、定着ローラ20から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ローラ20と加圧ローラ30との間から送出される(矢印Y2の搬送方向の移動である)。
ニップ部を通過した定着ローラ20表面は、その後に再び誘導加熱部25との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
本実施の形態1において、トナーTには、融点が60〜90℃の範囲であるパラフィンワックスが含有されている。詳しくは、トナーTは、融点が60℃以上90℃以下であるパラフィンワックス及び結着樹脂を含有する母体粒子を有していて、その母体粒子は、DSC測定における吸熱ピークのパラフィンワックス由来の吸熱量が3.5J/g以上5.5J/g以下であり、平均円形度が0.950以上0.980以下になるように形成されたものである。このようにトナーTに融点が60〜90℃の範囲であるパラフィンワックスを含有させることで、低温定着性を向上させるとともに、定着ローラ20にオイルを塗布することなく定着ローラ20や加圧ローラ30に対する記録媒体Pの分離性(離型性)を高めることができる。特に、トナーに他のワックス(例えば、カルナバワックス、ライスワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックス等である)を含有させた場合に比べて、定着ローラ20等に対する記録媒体Pの分離性(離型性)を高めることができる。なお、本実施の形態1では、トナーTに含有させるパラフィンワックスの融点を67℃に設定している。
(粒径分布)
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの重量平均粒径(D4)は3〜8μmが好ましい。重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)は1.00〜1.30の範囲にあることが好ましい。(D4/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。同様の理由で、2μm以下の粒子が1〜10個数%であることが好ましい。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では現像効率を高くすることができる。一方でトナーを小粒径化するときの課題として、粒径の大きな粒子に較べてキャリアへの非静電的付着力が大きいため、キャリア表面に長くとどまり攪拌ストレスを受けやすくキャリア表面へ固着しキャリアの帯電能力を下げる原因となる。こうした問題を防止するため2μm以下の粒子は1〜10個数%であることが好ましい。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
アスペクト比、平均円形度、2μm以下の超微粉トナーの計測には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−3000;シスメックス社製)を用いて計測し、同機付属の解析ソフトを用いて解析を行なった。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−3000を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。
本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを充分にぬらすことができないため、分散が不充分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせることが可能となる。
平均円形度=(粒子面積と等しい塩の周囲長)/(粒子周囲長)
アスペクト比=(最大長垂直長)/(最大長)
平均円形度が主として粒子の凹凸度合いを表現する形状係数なのに対し、アスペクト比は主として粒子の針状度を表現する形状係数である。
トナーの形状とクリーニング性(クリーニング部15におけるクリーニング性である。
)の関係を評価し、形状(特にアスペクト比)がクリーニング特性と密接な相関を有することを見出した。アスペクト比が小さいトナーでは、圧密条件下でのトナー粒子間の相互に作用する力が大きく、感光体ドラム上の転写残トナーをクリーニンブレード等でせき止める(クリーニングする)工程において、ブレードによりせき止められたトナーが凝集しトナー層を形成しやすい。したがって、転写残トナーがブレードのみでなく、ブレードでせき止められたこのトナー層によってもせき止められ、クリーニングブレードをすり抜けるトナー量が減少し良好なクリーニング性を得ることができる。
アスペクト比が0.90より大きいトナーではクリーニング性が悪化し、一方でアスペクト比が0.80より小さいと、クリーニング以外の工程で、流動性が低いことによる不具合、具体的には配管内でのトナー詰まりの発生など不具合が顕著となる。このためアスペクト比には最適範囲があり、その値は0.80〜0.90である。
(1)トナーの形状が球に近いほど、トナーとキャリアが点接触であるためか、トナーがキャリア上で回転しながら接触するため、キャリアの表面でトナーが転がりやすくなり、パラフィンワックス、低分子量樹脂成分等のトナー成分がキャリア上に固着しやすくなる。その結果、キャリアの帯電能力を低下させやすくなる。これはトナーとキャリアとの接触面積が小さい(二成分現像方式)、トナーと現像スリーブとの接触面積が小さい(1成分現像方式)ことに対応する。
(2)一方、トナーの表面形状が粗く、凹凸の多い形状では、トナーとキャリアが面接触となるため、キャリアの表面でトナーが転がりにくくなるが、トナーとキャリアの接触面積が大きく、パラフィンワックス、低分子量樹脂成分等のトナー成分がキャリア上に固着しやすくなる。その結果、キャリアの帯電能力を低下させやすくなる。これはトナーとキャリアとの接触面積が大きい(二成分現像方式)、トナーと現像スリーブとの接触面積が大きい(1成分現像方式)ことに対応する。
(3)トナーとキャリアが長時間攪拌されると凹凸よりも形状の影響が強く現れる。すなわち実使用条件での耐久性評価などにおいてトナーとキャリアを現像機内で長時間攪拌すると、トナー上の凹凸が削りとられる、もしくは変形するなどによって凹凸は残らなくなるためであり、この結果、上記(1)の影響が現れる。
(4)このためトナーの帯電性、特に長期の攪拌によるキャリアの帯電能力の低下と関連するトナー形状としてはアスペクト比で見ることが好ましく、アスペクト比が低いほど、キャリア上で転がりにくく、アスペクト比が高いほど球形に近いためキャリア上を転がりやすい。このためトナーとキャリアが適度な接触を維持しつつトナー成分がキャリア上に固着しない範囲のアスペクト比としては0.80〜0.90の範囲にあることが好ましい。
トナーの形状係数SF−1が130〜160の範囲にあり、形状係数SF−2が110〜140の範囲にあることが好ましい。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表わされる。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表わされる。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入し該トナーの粒子100個について解析して計算した。
D/Sを15〜40%、(L/M)>2のトナーをSF−1、SF−2で表現すると、SF−1が130〜160の範囲にあり、形状係数SF−2が110〜140の範囲にある。
フルカラー画像形成装置においては、現像剤中のトナー濃度としてはトナー濃度3〜12wt%の範囲で用いられることが多い。画像濃度の制御は現像剤中のトナーとキャリアの粒径、すなわち表面積を考慮し、キャリア表面積に締めるトナーの占有面積が100%以下となるよう制御されるが、これはトナーとキャリアの充分な接触を維持し、トナーとキャリアの接触不良によるトナーの帯電不足を防止するための処置である。ここで、高トナー濃度の現像剤においては、トナー中の低融点ワックス、樹脂などがキャリア表面上に固着しキャリアの帯電能力を下げるという問題が生じやすい。
トナーのガラス転移点(Tg)は、通常40〜70℃、好ましくは40〜60℃である。40℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不充分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステルの共存により、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
また、定着性能のうち耐ホットオフセット性を得るためには離型材料が多いことが好ましく、一方、離型剤はキャリアに固着しやすいため、現像剤キャリアの帯電能力を長期間維持する上では少ないことが好ましい。この観点から、トナー中の離型剤の含有量として、DSCにおける離型剤由来の吸熱ピークの吸熱量が3.5〜5.5J/gの範囲にあることが優れた耐ホットオフセット性とキャリアの帯電能力維持の両面で望ましい。なお、本実施の形態1では、上述したように、トナーTに含有させる離型剤として、融点が60〜90℃の範囲であるパラフィンワックスを用いている。
・測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
・温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
また、トナーTgは2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能をもちいてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナーのTgに相当する。
〈変性ポリエステル〉
本発明のトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)及び3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)及び(B1)と少量の(B2)の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/または伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は、他のトナー材料を含むトナー粒子としたときに、通常35〜70℃、好ましくは40〜65℃、より好ましくは40〜60℃となるものである。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不充分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
上記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
前記荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。10質量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
トナー形状を制御するための無機フィラーとしては、モンモリロナイト、もしくはその有機変性物(クレイトンAPA)が用いられる。無機フィラーの機能は、トナー表面に凹凸を形成させることでありそのメカニズムは下記のとおりである。
トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させるトナー製造方法においては、乳化時にトナー材料液中の無機フィラーが有機溶媒と水系溶媒の界面に移動し、乳化分散体(反応物)の表面形状に集まる。次に、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥する工程において、表面に存在する無機フィラーが反応物表面に凸凹を形成する。従って、本発明の形状を得る上で、無機フィラー量を0.1〜10重量部の範囲で量を制御し形状を変化させることができ、無機フィラー量が多いほどSF−1、SF−2の値が大きくなり異形化する。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜0.3μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、100〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような外添剤は表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
特に、シリカ、酸化チタンに上記の表面処理を施して得られる疎水性シリカ、疎水性酸化チタンを用いることが好ましい。
(トナーバインダの製造方法)
トナーバインダは以下の方法などで製造することができる。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート化合物(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)及びエーテル類(テトラヒドロフランなど)などの多価イソシアネート化合物(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
未変性ポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
1)着色剤、未変性ポリエステル(i)、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100質量部に対し、通常0〜300質量部、好ましくは0〜100質量部、さらに好ましくは25〜70質量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50質量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000質量部を超えると経済的でない。
水系媒体に分散させる前記樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)は、好ましくは50〜110℃、より好ましくは50〜90℃であり、ガラス転移点(Tg)が50℃未満の場合、トナー保存性の悪化、またはリサイクル時トナー回収経路にて固着、凝集する確率が高くなる。ガラス転移点(Tg)が110℃超の場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。更に好ましい範囲としては50〜70℃の範囲が挙げられる。
また、その重量平均分子量は10万以下であることが望ましい。好ましくは5万以下である。その下限値は、通常、4000である。重量平均分子量が10万を超える場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。
樹脂微粒子において、その体積平均粒径は、光散乱光度計(大塚電子製)にて測定した値で、10〜200nm、好ましくは20〜80nmである。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるため、または、ワックスのトナー最表面への露出を防ぐために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/または伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行なうことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行なわれる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本実施の形態1では、定着工程がおこなわれるとき(ニップ部に記録媒体Pが通紙されているときである)以外に、温度検知手段90で検知された温度と予め設定された温度とに基づいて、発熱体80に通電し発熱させて、誘導加熱部25に固着するパラフィンワックスを除去するクリーニングモードを所定時間おこなう、とした例である。
クリーニングモードは、低融点(60〜90℃の範囲である)のパラフィンワックスを含有したトナーを用いた場合に、ニップ部の位置や定着ローラ20の表面等でパラフィンワックスが揮発して、揮発したパラフィンワックスが定着ローラ20に対向する誘導加熱部25(コイルガイド28)の対向面28aに付着して固着する不具合を抑止するためにおこなわれる。すなわち、誘導加熱部25(コイルガイド28)の下側の側壁部28bとその近傍の対向面28aにパラフィンワックスが固着して蓄積されて(図2及び図4の破線で囲んだ位置への固着である)、その蓄積されたパラフィンワックスの高さが定着ローラ20と対向面28aとの微小ギャップ(2mm程度である)を超えてしまうと、誘導加熱部25に固着したパラフィンワックスの一部が定着ローラ20に付着してしまう。そして、定着ローラ20に付着したパラフィンワックスが、定着工程時にニップ部の位置で記録媒体P上に付着して、「ワックス付着画像」が出力されてしまう。
これに対して、本実施の形態1では、一定の間隔ごとにクリーニングモードをおこなって、発熱体80を発熱させているために、下側の側壁部28bとその近傍の対向面28aにパラフィンワックスが固着してしまっても、下側の側壁部28bとその近傍の対向面28aが加熱されてパラフィンワックスが液状化されて、その位置にパラフィンワックスが蓄積されることなく対向面28aと下側の側壁部28bとに沿って重力方向に流動することになる。
具体的に、本実施の形態1では、温度検知手段90による検知温度に対応した電気的なデータ(温度検知手段90からの出力電圧に基づいたデータ)と、100℃に対応した電気的なデータ(予め設定されているデータ)とを比較して、クリーニングモード時の下側の側壁部28b表面の温度が、パラフィンワックスの融点以上である100℃程度になるように、発熱体80へ供給する電力が調整される。なお、本実施の形態では、定着工程時(通紙時)における定着温度が160〜165℃になるように誘導加熱部25の制御がおこなわれている。
ここで、本実施の形態1では、発熱体80の発熱温度を可変できるように構成している。具体的には、サービスマンが装置本体1の操作部(不図示である)を操作することで、クリーニングモード時の下側の側壁部28bとその近傍の対向面28aの温度を可変できるように構成している。これにより、ユーザーの使用条件に合わせて、最適なクリーニングモードの設定をおこなうことができる。例えば、クリーニングモード時の下側の側壁部28bとその近傍の対向面28aの温度を高く設定すればするほど、かかる部位の温度上昇が早まるため、クリーニング時間を短縮することができる利点がある。
なお、クリーニングモードにおける定着ローラ20の走行速度(外周面における線速である)はできるだけ遅くすることが、騒音抑制の面で望ましい。具体的には、クリーニングモードにおける定着ローラ20の走行速度を、定着装置19の最低線速(本実施の形態1では約50mm/秒である)に設定することで、騒音を抑制することができる。
なお、本実施の形態1においては、定着ローラ20及び加圧ローラ30を回転駆動してクリーニングモードをおこなっているが、定着ローラ20及び加圧ローラ30を回転させずに通電(加熱)のみによりクリーニングモードを実行することも可能である。さらに、定着ローラ20と加圧ローラ30とを脱圧状態または非接触状態としてクリーニングモードを実行するようにすれば、定着ローラ20の熱が加圧ローラ30に奪われにくく、無駄な電力消費を抑制できて、圧力によって双方のローラ20、30が劣化する不具合を軽減することができる。
図7に示すように、まず、画像形成装置にてプリントの動作(画像形成プロセス)が開始されると(ステップS1)、そのジョブ中にプリント枚数(出力枚数)に応じて枚数カウンタが更新される(ステップS2)。詳しくは、装置本体1の排紙ローラ9の位置に配設された出口センサ(不図示である)によって、プリントが完了して装置外に排出される記録媒体Pが検知されて、その検知信号が制御部に送信されて、メモリに記憶された枚数カウンタの値が更新される。
そして、プリント動作が終了すると(ステップS3)、枚数カウンタが所定値A(本実施の形態では、5000枚に設定されている)に達したかが判別される(ステップS4)。その結果、枚数カウンタが所定値Aに達していないものと判別された場合には、誘導加熱部25へのパラフィンワックスの固着が生じていないものとして、本フローを終了する(ステップS10)。
そして、クリーニングモードが実行されている間、プリント要求(ユーザーの操作部の操作等によって、制御部に送られるプリントをおこなうための指令である)があるかが判別される(ステップS6)。その結果、プリント要求がないものと判別された場合には、さらに省エネルギーモードをおこなうための要求(プリント要求が所定時間ない場合等に、定着温度の制御温度を低めにシフトさせるために制御部に自動的に送られる指令である)があるかが判別される(ステップS7)。その結果、省エネルギーモードの要求がないものと判別された場合には、クリーニングモードが所定時間実行された後にクリーニングモードを終了する(ステップS8)。なお、本実施の形態1では、クリーニングモードの実行時間が160秒に設定されている。
その後、メモリに記憶された枚数カウンタがリセットされて(ステップS9)、次回のクリーニングモードの実行への準備がおこなわれ、本フローを終了する(ステップS10)。
具体的に、図7のステップS6において、クリーニングモードが実行されている間にプリント要求があるものと判別された場合には、一旦、クリーニングモードを中断する(ステップS11)。そして、ステップS6で受けたプリント要求に基づいてプリント動作を開始して(ステップS12)、プリントが終了すると(ステップS13)、ステップS5以降のフローを繰り返す。すなわち、クリーニングモードを最初から実行する。このように、クリーニングモードよりもユーザーのプリント要求を優先させることで、プリントをおこなうユーザーに対してクリーニングモードによる待ち時間をなくすことができる。
具体的に、図7のステップS7において、クリーニングモードが実行されている間に省エネルギーモードの要求があるものと判別された場合には、クリーニングモードを中断せずに継続する(ステップS14)。そして、所定時間(160秒である)のクリーニングモードが終了すると(ステップS15)、その後に枚数カウントをリセットして(ステップS16)、省エネルギーモードが実行される(ステップS19)。このように、省エネルギーモードよりもクリーニングモードを優先させることで、「ワックス付着画像」の発生を確実に抑止することができる。
さらに、クリーニングモードをおこなう間隔を、トナーの消費量によって定めることもできる。具体的に、記録媒体P上に形成される画像の画像比率を、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に静電潜像を形成する書込み部2のデューティから求めて、画像形成プロセスで消費されるトナー消費量を求める。トナー消費量と、定着装置19の位置で揮発するパラフィンワックスの量と、は相関があるために、トナー消費量が所定値に達するごとにクリーニングモードをおこなうことで、「ワックス付着画像」の発生を抑止することができる。
以上説明したように、本実施の形態1では、定着工程がおこなわれるとき以外に、発熱体80に通電して発熱させて誘導加熱部25に固着するパラフィンワックスを除去するクリーニングモードをおこなっているために、融点が60〜90℃の範囲であるパラフィンワックスを含有したトナーTを用いた場合であっても、プリント出力される記録媒体P上に「ワックス付着画像」が生じる不具合を確実に抑止することができる。
図8及び図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は、実施の形態3における定着装置の定着温度の変化を示すグラフであって、前記実施の形態1における図6に対応する図である。なお図8中、下側の側壁部28bとその近傍の対向面28aの温度を「固着部温度」と表記している。図9は、定着装置の制御を示すフローチャートであって、前記実施の形態1における図7に対応する図である。本実施の形態2における定着装置は、クリーニングモードが中断された後の制御の方法が、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、クリーニングモードがおこなわれているときにプリント要求があった場合に、クリーニングモードを中断してプリント要求を優先的に実行させるように制御している。
ただし、本実施の形態2では、クリーニングモードが中断された場合に、クリーニングモードの中断前後の積算時間が所定時間(160秒間である)に一致するように、プリント要求の実行が終了した後にクリーニングモードをおこなうように制御している。
以上説明したように、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、定着工程がおこなわれるとき以外に、発熱体80に通電して発熱させて誘導加熱部25に固着するパラフィンワックスを除去するクリーニングモードをおこなっているために、融点が60〜90℃の範囲であるパラフィンワックスを含有したトナーTを用いた場合であっても、プリント出力される記録媒体P上に「ワックス付着画像」が生じる不具合を確実に抑止することができる。
実施の形態1または2では、定着工程がおこなわれるとき以外に、温度検知手段で検知された温度と予め設定された温度とに基づいて、発熱体80に通電し発熱させて、誘導加熱部25に固着するパラフィンワックスを除去するクリーニングモードを所定時間おこなう、とした例であったが、実施の形態3では、定着工程がおこなわれるときでも、定着工程を中断することなく、クリーニングモードを所定時間おこなう、とした例である。そのため実施の形態1と同じ構成、及び、動作の説明は省略する。
すなわち、実施の形態3では、図7中の、ステップS5において、枚数カウンタが所定値A(積算枚数である)に達した際に、定着工程を中断することなく、クリーニングモードを所定時間おこなう。
そのため、図7中の、ステップS6、ステップS11、ステップS12、ステップS11、ステップS13が無く(図9の場合、ステップS17も無い)、クリーニングモードがおこなわれているときにプリント要求があっても、クリーニングモードを中断することなくプリントを実行させるように制御している。これは、通電により発熱する発熱体80を電磁誘導とは別に設けて、定着工程がおこなわれているときにもクリーニングモードが動作可能としたからであり、実施の形態3によれば、ダウンタイムを回避したり、クリーニングモードの中断を回避したりできる。
実施の形態4では、実施の形態3と同じく、枚数カウンタが所定値A(積算枚数である)に達した際に、定着工程を中断することなく、クリーニングモードを所定時間おこなうように制御しているが、実施の形態3との相違は、クリーニングモード中における誘導加熱部25への電力供給と、発熱体80への電力供給との配分を限定したものである。
上述したように、枚数カウンタが所定値A(積算枚数である)に達した際に、クリーニングモードが実行されるが、その所定値Aに達したときが、定着温度に達した直後の場合(例えば画像形成装置に電源を投入してウォームアップ直後)であったり、定着工程を数回経て定着ローラ20と加圧ローラ30とが十分に蓄熱されている場合であったりと、様々なケースがある。定着温度に達した直後は、誘導加熱部25への電力を下げずに、定着温度を安定させる必要があるが、定着工程を数回経て定着温度が安定した後は電力を下げることが可能である。実施の形態4では、定着温度が安定した後に誘導加熱部25への電力を下げ、その下げた電力で発熱体80を発熱させるものである。
定着温度に達した直後、枚数カウンタが所定値Aに達していた場合(本実施の形態では所定値Aが5000枚であるから、ウォームアップ直後の一枚目が5000枚目)、定着温度を安定させる必要があることから、例えば、定着温度に達した直後をカウント起算として通紙枚数が10枚までは、誘導加熱部25への電力上限を1000Wとして供給し、発熱体80への電力供給を行わない。通紙枚数が10枚を超え20枚に至るまでは、誘導加熱部25への電力上限を900Wとして供給し、発熱体80への電力上限を100Wとして供給を行う。続いて、通紙枚数が20枚を超え30枚に至るまでは、誘導加熱部25への電力上限を800Wとして供給し、発熱体80への電力上限を200Wとして供給を行う。同じように、通紙枚数が30枚を超え40枚に至るまでは、誘導加熱部25への電力上限を800Wとして供給し、発熱体80への電力上限を300Wとして供給を行い、通紙枚数が40枚を超え50枚に至るまでは、誘導加熱部25への電力上限を700Wとして供給し、発熱体80への電力上限を400Wとして供給を行う。これらの電力配分は予め記憶された図10のテーブルデータに基づいて行う。
この実施の形態4によれば、定着温度が安定した後に誘導加熱部25への電力を下げ、その下げた電力で発熱体80を発熱させるから、電磁誘導による熱源とは別に、パラフィンワックスを液化して除去するための発熱体を設けても、定着装置全体としては消費電力が従来と何ら変わりが無く、省エネルギー効果を得ることができる。
図12にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図12は、実施の形態5における定着装置を示す断面図であって、本実施の形態5における定着装置は、定着部材として定着ベルト65が用いられている点が、定着部材として定着ローラ20が用いられている前記実施の形態1〜4のものとは相違する。
図12に示すように、本実施の形態5における定着装置20は、誘導加熱部25、定着部材としての定着ベルト65、加熱ローラ66、定着補助ローラ67、加圧部材としての加圧ローラ30、発熱体80、温度検知手段90等で構成される。なお、誘導加熱部25、加圧ローラ30、発熱体80、温度検知手段90は、実施の形態1と同じであるため、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
加熱ローラ66は、ステンレス鋼等で形成された円筒体である。加熱ローラ66や定着補助ローラ67は、図12の反時計方向に回転する。
発熱層を備えた定着ベルト65は、加熱ローラ66及び定着補助ローラ67に張架・支持されている。定着ベルト65は、内周面側から、ベース層、弾性層、発熱層、シリコーンゴム層、離型層、が積層されている。そして、定着ベルト65の発熱層は、誘導加熱部25から発せられる磁束によって電磁誘導加熱される。
定着補助ローラ67の回転駆動によって、定着ベルト65は図9の反時計方向に周回するとともに、加熱ローラ66も反時計方向に回転して、加圧ローラ30も時計方向に回転する。定着ベルト65は、誘導加熱部25との対向位置で加熱される。
詳しくは、不図示の電源部からコイル部25に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである)の高周波交番電流を流すことで、発熱層に向けて磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、定着ベルト65の発熱層に渦電流が生じて、発熱層の電気抵抗によってジュール熱が発生して、発熱層が加熱される。こうして、定着ベルト65は、自身の発熱層の発熱によって加熱される。
そして、本実施の形態5においても、前記各実施の形態と同様に、定着工程がおこなわれるとき以外、または、定着工程がおこなわれると同時に、最適なタイミングでクリーニングモードがおこなわれる。
以上説明したように、本実施の形態5でも、前記各実施の形態と同様に、定着工程がおこなわれるとき以外に、または、定着工程がおこなわれると同時に、発熱体80に通電して発熱させることで、下側の側壁部28bとその近傍の対向面28aに固着するパラフィンワックスを除去するクリーニングモードをおこなっているために、融点が60〜90℃の範囲であるパラフィンワックスを含有したトナーTを用いた場合であっても、プリント出力される記録媒体P上に「ワックス付着画像」が生じる不具合を確実に抑止することができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
Claims (23)
- ワックスを含有した未定着のトナーを担持した記録媒体をニップ部に通して、前記記録媒体上に前記トナーを定着させる定着工程をおこなう定着装置であって、
加圧部材が圧接されて該加圧部材とともに前記ニップ部を形成するとともに、所定方向に走行しながらトナーを加熱・溶融する定着部材と、
前記定着部材の外周面に対向して設けられ、電磁誘導によって直接的または間接的に前記定着部材を加熱して定着温度にする誘導加熱部と、
前記電磁誘導による熱源とは別に前記誘導加熱部に設けられ、通電により発熱する発熱体と、
該発熱体に所定時間通電して前記発熱体を発熱させ、前記誘導加熱部に付着する前記ワックスを液化して除去するクリーニングモードと、
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記ワックスは、融点が60〜90℃の範囲であるパラフィンワックスであることを特徴とする定着装置。 - 前記クリーニングモードは、前記発熱体を発熱させるとともに前記定着部材の走行をおこなうことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードは、前記定着工程がおこなわれているときにも動作可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードは、一定の間隔ごとにおこなわれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードをおこなう前記間隔は可変であること特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードをおこなう前記間隔は、前記ニップ部に搬送される記録媒体の枚数によって定められることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードをおこなう前記間隔は、前記定着部材の走行距離または走行時間によって定められることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードをおこなう前記間隔は、前記トナーの消費量によって定められることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードは、前記定着部材に対向する前記誘導加熱部の対向面とその近傍との加熱温度が前記ワックスの融点以上になるように前記発熱体を発熱させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記発熱体による発熱温度は可変であることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードにおける前記発熱体に通電する前記所定時間は20秒以上であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記所定時間は可変であることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードは、サービスマンまたはユーザーの操作によって強制的に実行されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードがおこなわれているときに前記定着工程をともなうプリントをおこなうためのプリント要求があった場合に、前記クリーニングモードを中断して前記プリント要求を優先的に実行させることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードが中断された場合に、前記プリント要求の実行が終了した後に新たに前記クリーニングモードを前記所定時間おこなうことを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードが中断された場合に、前記クリーニングモードの中断前後の積算時間が前記所定時間に一致するように前記プリント要求の実行が終了した後に前記クリーニングモードをおこなうことを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードがおこなわれているときに省エネルギーモードまたは電源オフモードをおこなうための要求があった場合に、前記クリーニングモードを優先的に実行させて前記クリーニングモードが終了した後に前記要求を実行させることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記発熱体により直接昇温する前記誘導加熱部の所定位置の温度を検知する温度検知手段を備え、該温度検知手段で検知された温度が、前記ワックスの融点以上の温度となるように恒温制御可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記誘導加熱部及び前記発熱体は、前記記録媒体の幅よりも幅広に形成され、前記所定位置は、前記ニップ部に搬送された前記記録媒体の幅より外方であることを特徴とする請求項19に記載の定着装置。
- 前記誘導加熱部は、前記定着部材を取り囲むように、前記定着部材と前記加圧部材との圧接部側を避けた略C字状に形成され、
前記発熱体は、前記誘導加熱部における鉛直方向の縁部に、前記誘導加熱部の幅方向に亘って埋設されていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の定着装置。 - 蓄熱により前記定着温度が維持可能な状態に移行して前記誘導加熱部による消費電力が下がる際に、その下げる消費電力分を用いて前記クリーニングモードが実行可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の定着装置。
- 請求項1乃至22のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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