JP2005128380A - 定着装置、画像形成装置、及びこれに使用されるトナー - Google Patents

定着装置、画像形成装置、及びこれに使用されるトナー Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着可能なトナーを用い、定着下限温度を低下させた場合であっても、定着部材のクリーニングを効率的に行い、異常画像の発生を抑えることのできる定着装置を提供する。
【解決手段】記録部材上の未定着トナーに接触してトナーを加熱しながら回転する定着部材260と、定着部材260に圧接して回転する加圧部材270と、定着部材260の温度を検知する温度検知手段280と、定着部材260の表面をクリーニングするクリーニング部材291とを備える定着装置25であって、定着ジョブ動作を積算するカウント手段412を有し、前記クリーニング部材291は、カウント手段412の積算値が予め設定された基準値になる毎に、定着部材260に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御され、加えて、前記温度検知手段280が検出する値によって定着部材260に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御される。
【選択図】図2

Description

本発明は電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に用いられる定着装置に関し、より詳細には定着部材の表面をクリーニングするクリーニング部材を備えた定着装置に関する。また、この定着装置を備えた画像形成装置、及びこれに使用されるトナーに関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、まず、予め一様に帯電された感光体上に原稿反射光等の光学的な画像情報を照射することによって、露光光量に応じた電荷を消失させて静電潜像を形成する。続いて、この静電潜像に対してトナーを付着させることによって形成したトナー像を転写紙上に転写してから、この転写紙を定着装置に搬送して加熱しながら加圧することによってトナー像を転写紙上に定着する。
定着装置としては、例えば、内部にヒータを備えた定着ローラと、この定着ローラの周面に圧接して連れ回りする加圧ローラとを備え、両ローラのニップ部に未定着トナー像を保持した転写紙を通紙させることによってトナー像を定着させる熱ローラ定着装置が挙げられる。
このような熱ローラ定着装置において、定着ローラの周面は転写紙上のトナー像と接触する部分であるために、離型性の良好なフッ素樹脂層等を被覆することによってトナー、紙粉等の異物の付着を防止する様に配慮されているが、実際にはトナー等の付着を完全に防止することはできない。特に、定着ローラの設定温度が高過ぎる場合等には、一旦転写紙上に付着したトナーが剥れて加熱ローラ側に付着するというオフセット現象が発生する。定着ローラ周面にトナー等が付着、堆積すると、定着性能の低下、更なるトナー付着の累積等が発生し、画質の悪化をもたらす原因となる。
このため、従来から定着ローラの周面を適宜クリーニングするための方式が種々提案されている。例えば、ローラから成るクリーニング部材を加熱ローラ周面に接触させるローラ方式、フェルトから成るクリーニング部材を加熱ローラに摺接させるフェルト方式、更には送り出しローラに巻かれたウェブを巻き取りローラによって巻取る過程でウェブによって定着ローラ周面のクリーニングを行うウェブ方式等が知られている。これらの中でもウェブ方式のクリーニング方式の性能は他の方式に比べ勝れているため、近年では多く用いられるようになった。
上記ウェブ方式のクリーニング装置としては、定着装置が一連の定着ジョブを終了する毎に、ウェブの新たな部分を定着ローラの周面に送り出してクリーニングを行うウェブ巻き取り動作を実行するクリーニング装置(例えば、特許文献1参照。)や、定着ローラの駆動時間をカウントするカウント手段を備え、カウント手段の積算値が予め設定された基準時間になる毎に、ウェブを送り出すクリーニング装置(例えば、特許文献2参照。)等がある。
特開平11−24484号公報 特開2003−140504号公報
ところで、近年、画像形成装置の省エネルギー化の要請が高まっており、装置内で最もエネルギーを必要とする定着装置の定着エネルギーを低減させる検討がなされている。その一つとして、低軟化点のトナーを用い、定着下限温度を低下させることが挙げられる。
このように定着下限温度を低下させた場合、トナーは温度上昇の影響を受けやすいために、例えば、定着ローラの長手方向に温度分布が発生し、部分的に定着ローラ表面の温度が上昇したり、厚紙通紙直後に定着ローラの温度が上昇した場合に、その温度上昇部に当接するクリーニングウェブに吸着したトナーが溶け出して定着ローラに逆転移するという問題が発生した。定着ローラに逆転移したトナーは、定着ニップを通過する転写紙に再転写し、異常画像を発生させる。このような現象は、また、定着温度が低下してコールドオフセットが発生する場合や、ジャムの発生により未定着トナーが多量にクリーニングウェブに入ってくる場合に発生しやすい。
したがって、上記異常画像の発生を回避するために、より効率的なクリーニングウェブの動作制御が必要とされている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みて、低温定着可能なトナーを用い、定着下限温度を低下させた場合であっても、定着部材のクリーニングを効率的に行い、異常画像の発生を抑えることのできる定着装置を提供することを課題とする。更には、該定着装置を備え、省エネルギー化に適した画像形成装置、及び、これに好適に使用されるトナーを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のことを課題とする。
1.本発明は、未定着トナーに接触してトナーを加熱しながら回転する定着部材と、該定着部材に圧接して回転する加圧部材と、定着部材の温度を検知する温度検知手段と、定着部材の表面をクリーニングするクリーニング部材とを備える定着装置であって、前記定着装置は、流出開始温度80〜120℃、ガラス転移点40〜60℃のトナーを定着させる定着装置であり、定着ジョブ動作を積算するカウント手段を有し、前記クリーニング部材は、該カウント手段の積算値が予め設定された基準値になる毎に、前記定着部材に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御され、加えて、前記温度検知手段が検出する値によって前記定着部材に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御される定着装置である。
2.前記クリーニング部材は、クリーニングウェブであることを特徴とする。
3.前記定着部材は、通紙時の温度範囲が予め規定されており、通紙時に前記温度検知手段により検知された温度が、該温度範囲の上限値又は下限値のいずれかを超えたときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動されることを特徴とする。
4.前記温度検知手段は、前記定着部材の軸方向に複数並べて設けられ、軸方向端部に位置する温度検知手段により検知された温度が、予め規定された温度を超えたときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動されることを特徴とする。
5.前記定着装置において、記録部材のジャム処理後の復帰動作時に、前記温度検知手段により検知された温度が予め規定された温度以下であったときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動されることを特徴とする。
6.また、本発明は、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、像担持体表面のトナー像を転写紙に転写する転写手段と、記録部材上のトナー像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、該定着手段は前記いずれかの定着装置である 画像形成装置である。
7.前記画像形成装置は、周辺温度を検知する手段を有し、画像形成装置周辺の環境温度に応じて、前記定着装置の前記クリーニング部材の駆動制御を変更することを特徴とする。
8.前記画像形成装置の周辺の温度が予め規定された温度以上になったときに、ジョブ動作を積算する前記カウント手段による積算値の基準値を変更して、前記クリーニング部材を駆動制御することを特徴とする。
9.前記画像形成装置において、前記現像手段で用いられるトナーは、少なくともバインダ樹脂と着色剤を含み、該バインダ樹脂がポリエステルを含むことを特徴とする。
10.前記画像形成装置において、前記現像手段で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする。
11.前記画像形成装置において、前記現像手段で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
12.前記画像形成装置において、前記現像手段で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
13.前記画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
14.また、本発明は、電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、前記いずれかの画像形成装置において使用されるトナーであり、少なくともバインダ樹脂と着色剤を含み、該バインダ樹脂がポリエステルを含むトナーである。
15.前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
16.前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
17.前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とするトナー。
18.前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
本発明により、低温定着可能なトナーを用い、定着下限温度を低下させても、定着部材のクリーニングを効率的に行うことができ、異常画像を発生させることのない定着装置を提供することができる。また、本定着装置を搭載した画像形成装置により、低温定着性に優れ、省エネルギー化できると共に、良好な画像を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、内部にハロゲンヒータ等の熱源を備える定着ローラ26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
図2は、第1の実施形態としての定着装置の構成を示す図である。
定着装置は、定着ローラ260と、定着ローラ260に圧接する加圧ローラ270とからなり、定着ローラ260と加圧ローラ270のニップ部に未定着画像を保持した転写紙を通紙することにより、トナー像を定着させる。
定着ローラ260は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金261の外周に、加圧ローラ270とニップを形成するために、例えば発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐熱弾性材料で環状に成型加工された弾性層262を備える。弾性層262の表層には、転写紙及びトナーの離型性を良くするために離型層を設ける。離型層には、耐熱性があり表面エネルギーの小さい材料が使用され、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの高分子樹脂からなる耐熱性チューブとして使用される。定着ローラ260の芯金261中には定着ローラ260の温度上昇を加速させるためのハロゲンヒータ263が配設される。
加圧ローラ270は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金271の外周にフッ素系ゴム、シリコーンゴム等の耐熱弾性材料からなる弾性層272を適度な厚みで備え、定着ローラ260と同様に、表層にフッ素系樹脂等からなる離型層を備える。また、加圧ローラ270は、定着ローラ260に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層272を弾性変形させることにより定着ローラ260との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ローラ260の外周面には、熱電対、サーミスタ等からなり、定着ローラ外周面の温度を検知する温度検知センサ280が配置されている。温度検知センサ280からの検知信号に応じて図示しない温度制御装置により定着ローラ260内部のヒータ263の動作を制御し、定着ローラ260の温度を制御する。
定着クリーニング装置290は、可撓性のクリーニングウェブ291と、クリーニングウェブ291を定着ローラ160外周面に押し当てる押圧部材294と、使用済みのウェブを巻き取る巻き取りローラ293と、未使用のウェブを保持し、送り出す供給ローラ292とからなる。モータからなるウェブ駆動部410が巻き取りローラ293を駆動し所定の間隔で断続的に少しずつウェブを巻き取っていく。この巻き取る間隔は、ウェブ駆動部410に接続するウェブ制御装置500によって制御される。
クリーニングウェブ291は、布、紙、樹脂シート、樹脂フィルム、金属箔等の適宜な材料によって構成できるが、本実施形態では、クリーニングウェブ291が定着ローラ260の周面に摺接して該周面をクリーニングすると共に、その周面にオイルを塗布するように、オイルを含浸できる材料から構成されている。例えば、アラミドとPETの繊維を混合してなる不織布に、オイルを含浸したもの等が使用される。かかるクリーニングウェブ291が定着ローラ260の周面に摺擦するとき、これに含浸されたオイルが定着ローラ260周面に塗布される。このオイルとしては、定着ローラ260の周面にトナーが移行しにくく、またその周面の潤滑性を高め、さらにその周面の摩擦を防止するオイル等が使用される。
押圧部材294は、ウェブを定着ローラ260周面に押し当て、その接触部に必要なニップを形成するものであり、耐熱性の低硬度ゴム又は発泡ウレタンやシリコーンからなるゴム層表面をもつ。また、押圧部材294は、定着ローラ260の方向に一定の加圧力を与える押圧バネ295を有する。
図3は、第2の実施形態としての定着装置の構成を示す図である。
定着装置は、加熱ローラ251、定着ローラ264、定着ローラ264に圧接する加圧ローラ271と、加熱ローラ251と定着ローラ264との間に掛け渡された定着ベルト250とからなっている。
定着ローラ264、加圧ローラ271は、図2に示す定着装置の定着ローラ260、加圧ローラ270とほぼ同様にして、金属製の芯金265、272の外周に、耐熱弾性材料からなる弾性層266、273を備える。弾性層266、273の厚みは適宜調整される。また、弾性層266、273の表層には、転写紙及びトナーの離型性を良くするために、フッ素系樹脂等からなる離型層を設ける。芯金265、272内部には、それぞれハロゲンヒータ267、274が配置されている。また、加圧ローラ271は、定着ベルト250を挟んで定着ローラ264に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を変形させることにより定着ローラ264との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ベルト250は、基体には、耐熱性樹脂や、金属から形成された無端状のベルト状基体が用いられる。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、金属ベルトの材質としては、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。樹脂と重層を形成しても良く、特に、ポリイミド樹脂にニッケルを電鋳したベルトが強度と弾性を有し、耐久性があるので好ましい。厚さは100μm以下の薄肉のものが望ましい。定着ベルト250は、転写紙、トナーと加圧接触するため、高離型性シリコーンゴム等からなる弾性層と摩擦係数が小さいフッ素系樹脂で耐熱離型層を有する構成になっている。
加熱ローラ251は、掛け回されている定着ベルト250を張架して、さらに、加熱するための部材である。このため、加熱ローラ251の内部に、ハロゲンランプ、ニクロム線等の加熱部材253が設けられている。また、加熱ローラ251は、アルミ、炭素鋼、ステンレス鋼等の中空金属円筒の薄肉ローラであるが、熱伝導性が良好な厚さ1〜4mmのアルミニウム製円筒を用いることで、軸方向での温度分布を小さくすることができる。さらに、加熱ローラ251の表面には、定着ベルト250との摩耗を防止するために、アルマイト処理の表面処理が施されている。
定着ベルト250を挟んで加熱ローラ251の外周面には、熱電対、サーミスタ等からなり、定着ベルト250外周面の温度を検知する温度検知センサ281が配置されている。温度検知センサ281からの検知信号に応じて図示しない温度制御装置により加熱ローラ251、定着ローラ264、加圧ローラ271内部のヒータ253、267、274の動作を制御し、定着ベルト250の温度を制御する。
尚、定着クリーニング装置290の構成については、図2と同様であるので、ここでは説明を省略する。以下、定着クリーニング装置290に係る説明は、図2に示された定着装置の構成を前提とするものである。
本発明の定着クリーニング装置290の駆動制御について詳しく説明する。
図4は、定着クリーニング装置290のブロック図である。ウェブ制御装置500は、画像形成装置本体制御部600を有し、積算カウンタ412、ウェブ駆動部410に接続され、更には定着ローラ260の温度を制御する温度制御装置285、及び排紙センサ411に接続されている。
定着装置25は、定着工程を終え、定着ニップを通過して排紙トレイに向かって排紙される転写紙をカウントする、排紙センサ411を備える。この排紙センサ411によって、定着ジョブ枚数をカウントし、積算カウンタ412で積算する。
図5は、通常の印字動作におけるクリーニングウェブの駆動制御のフローチャートである。印字動作を開始して、定着ジョブ枚数を排紙センサ411で検知し、積算カウンタ412の積算値が所定のX枚を超えたときに、ウェブ駆動部410によって巻き取りローラ293が駆動され、所定量クリーニングウェブ291が巻き取られる。それに伴い、供給ローラ292は、未使用のウェブを送り出す。図中、ウェブ駆動部410の駆動時間がP秒となっているのは、クリーニングウェブ291の新たな面を供給するのに必要な予め設定された時間を意味する。
また、クリーニングウェブ291の動作と共に、積算カウンタ412の積算値はリセットされる。クリーニングウェブ291は、その新たな面を定着ローラ260周面に摺接させて、積算カウンタ412の積算値が再び所定の定着ジョブ枚数になるまでクリーニングを行う。
本発明に係る定着クリーニング装置290は、上記に加え、定着ローラ260の温度検知によって以下のような制御をすることを特徴とする。
図6は、定着ジョブ動作中の定着ローラ260の温度変化を示す図である。連続通紙する場合、定着ローラ260周面の温度は、図6中実線で示すように徐々に低下する。温度検知センサ280からの検知信号に応じて、温度制御装置285は定着ローラ260内部のヒータ263の動作を制御するが、その制御にも拘わらず、定着ローラ260の温度が、定着設定温度の下限値を超えた場合、コールドオフセットを発生しやすくなる。コールドオフセットが発生すると、クリーニングウェブ291には多量のトナーが入ってくる。
一方、小サイズの転写紙を連続通紙する場合、転写紙が通過する定着ニップの領域では熱の消費があるため、定着ローラ260のこの領域では温度が低下するが、転写紙が通過しない領域では熱の消費がなく、定着ローラ260のこの領域の温度は逆に上昇してしまう。従って、定着ローラ260周面の温度は、長手方向で分布が生じる。また、厚紙通紙モードを設定した場合に、画像形成装置本体制御部600からの指示で温度制御装置285が定着ローラ260のヒータ263を点灯し続けると、厚紙通紙直後の定着ローラ260周面の温度が上昇することがある。図6中の破線では、上記のような小サイズ転写紙の通紙時における定着ローラ260端部や、厚紙通紙直後の定着ローラ260周面の温度上昇の様子を示している。このように、定着ローラ260周面の検知温度が定着設定温度の上限を超えた場合、後述するように、流出開始温度、ガラス転移点共に低いトナーを使用している本装置においては、当接するクリーニングウェブ291に付着したトナーが溶け出して定着ローラ260に逆転移しやすくなる。特に、コールドオフセットが発生した後のクリーニングウェブ291には多量のトナーが付着しており、定着ローラ260への逆転移が起きやすい状況となっている。
そこで、以下のようにして、定着クリーニング装置290の動作を制御する。図7は、本発明に係る定着クリーニング装置のクリーニングウェブの駆動制御のフローチャートである。積算カウンタ412の積算値が所定のX枚を超えたときは、図5のF1で示すフローと同様であるが、積算カウンタ412の所定の積算値に満たない場合において、更に、温度検知センサ280の温度検知値を参照し、以下のような制御をする。先ず、温度検知値がA、すなわち、検知温度>定着設定温度上限値の関係に該当することを検知したとき、ウェブ駆動部410によって巻き取りローラ293が駆動され、所定量クリーニングウェブ291が巻き取られる。それに伴い、供給ローラ292は、未使用のウェブを送り出す。図中、ウェブ駆動部410の駆動時間がQ秒となっているのは、クリーニングウェブ291の新たな面を供給するのに必要な予め設定された時間を意味する。
また、温度検知値がAに該当しない場合は、更に、温度検知値がB、すなわち、検知温度<定着設定温度下限値の関係に該当するか否かを判断する。温度検知値がBに該当するとき、更に印刷動作が進行中であるか、終了したかを判断し、印刷動作が終了していれば、ウェブ駆動部410を駆動し、クリーニングウェブの新たな面を供給する。図中、ウェブ駆動部410の駆動時間がR秒となっているのは、クリーニングウェブ291の新たな面を供給するのに必要な予め設定された時間を意味する。
一方、温度検知値がBにも該当しない場合は、定常のクリーニングウェブの駆動制御でよいため、上記のフローを繰り返すようにする。
上記のフローにおいて、定着ローラ260の周面の温度が定着設定温度の上限値を超えた場合、クリーニングウェブ291に付着したトナーの溶け出しが発生しやすいが、温度を検知した時点でクリーニングウェブ291の新たな面を供給するように駆動制御することで、このような溶け出しを防止し、引き続いて行われる印字動作においても良好なクリーニングを行わせることができる。
また、定着ローラ260の周面の温度が定着設定温度の下限値よりも低下した場合、コールドオフセットが発生して、クリーニングウェブ291に多量のトナーが付着するが、温度を検知した後、印字動作終了のタイミングに合わせてクリーニングウェブ291の新たな面を供給するように駆動させることで、その後に定着ローラ260の周面温度が部分的に上昇した場合でも、定着ローラ260に当接するクリーニングウェブ291のトナー付着量は少ないので、トナーの逆転移を防ぐことができる。また、クリーニングウェブ291に多量のトナーが付着することで起きるトナーすり抜け等のクリーニング不良を未然に防ぐことができる。
ここで、図7のフローチャートに示すようにクリーニングウェブ291の駆動を印字動作終了後としたのは、定着ローラ260の周面の温度が定着設定温度の下限値よりも低いことを検知した場合は、クリーニングウェブ291に付着したトナーの溶け出しは問題にならないため、即、その定着ローラ260の温度において弊害がもたらされるわけでなく、また、印字動作終了後に1回だけウェブ駆動部410をONにすることで、効率的なクリーニングウェブ291の駆動が可能となるからである。
尚、図5、図7において、各フローでのウェブ駆動部410の駆動時間をそれぞれP秒、Q秒、R秒としているが、それぞれ同じ時間としても、フローによって異なる時間として構わない。
本発明の定着装置は、好ましくは、温度検知センサ280が定着ローラ260の軸方向に複数並べて設けられる。図8は、複数の温度検知センサを備える定着ローラを模式的に示す図である。また、図9は、定着ローラの軸方向における周面温度の分布を示す図である。この装置は、転写紙を中央基準で搬送しながら画像を定着させる装置であり、定着ローラ260の中央部と端部とにそれぞれ温度検知センサ280a、280bを備えている。温度検知センサ280aは、転写紙のサイズが小サイズであっても大サイズであっても、常に通紙がある定着ローラ260の領域に設置されており、定着熱が奪われる度に定着ローラ260周面温度の低下等を検知して、その信号を温度制御装置285に送っている。温度制御装置285は、定着ローラ260の周面温度が常に定着設定温度範囲内になるように制御している。
一方、温度検知センサ280bは、定着ローラ260の周面の最大サイズ紙が通過する最大通紙領域の端部に設置されている。先にも述べたように、温度検知センサ280bが設置された位置における定着ローラ260の周面は、小サイズ紙を通紙した場合には、定着熱が消費されることがないので、温度検知センサ280aの設置位置よりも高い温度を示すことがある(図9実線参照)。特に、小サイズ紙を連続通紙した場合など、定着ローラ160の軸方向で多大な温度分布が発生することがあるため、定着ローラ260の最大通紙領域の端部のみが定着設定温度上限を超える温度となった場合、その領域に接触するクリーニングウェブ291に付着したトナーが溶け出し定着ローラ260に逆転移することが問題となる。そこで、温度検知センサ280bにより、このような定着ローラ260端部の温度上昇を検知し、トナー溶け出しを効果的に防止することができる。
尚、図8においては、装置が転写紙を中央基準で搬送する装置として説明したが、片側基準で転写紙を搬送する装置に関しても同様にして本発明を適用することができる。この場合、転写紙の基準点とは軸方向反対側の定着ローラ端部領域に複数あるうちの1つの温度検知センサ280bを設置すればよい。
また、定着装置において転写紙のジャムが発生し、ジャム処理を行った後における装置の復帰動作時に、クリーニングウェブ291の駆動制御を、以下のようにすることが望ましい。
図10は、転写紙のジャムが発生したときの定着ローラ260の周面温度の時間変化を示した図である。転写紙のジャムが発生すると、定着装置は緊急停止するため、ハロゲンヒータ263の電源が停止する。このため、ジャム処理を行っている間、定着ローラ260の周面温度は徐々に低下していく。定着ローラ260の周面温度が、やがてコールドオフセット発生温度を下回ると、定着ローラ260には未定着画像が多量に入力されることになる。この後、定着装置の復帰動作時に定着ローラ260の回転に従って、クリーニングウェブ291に多量の未定着トナーが入力され、その後の印字動作においてクリーニング不良をきたす原因ともなる。
図11は、転写紙ジャム処理後における定着装置の復帰動作時のクリーニングウェブ291の駆動制御を示すフローチャートである。ジャム処理後の定着装置の復帰動作においては、先ず、定着ローラ260の周面温度が待機時の設定温度になっているかどうかを温度検知センサ280によって検知しにいく。待機時の設定温度になっていれば、このまま印字動作に備えることができる。また、定着ローラ260の周面温度が待機時の設定温度以下である場合は、その温度検知値が予め設定された温度C、例えばコールドオフセット発生温度よりも低いかどうかを判断する。設定温度Cよりも高ければ、コールドオフセットは発生していないと判断し、その後定着ローラ260の温度を待機時の設定温度に上昇させるべく、ハロゲンヒータ263を点灯させる。
一方、温度検知値が設定温度Cよりも低い場合は、コールドオフセットが発生していると判断し、クリーニングウェブ291への多量のトナー入力に備え、ウェブ駆動部410を駆動させ、クリーニングウェブ291の新たな面を供給するようにする。これにより、コールドオフセットが発生して多量の未定着トナーがクリーニングウェブ291に入力されても、良好にクリーニングを行うと共に、その後の印字動作においてクリーニング不良が発生するのを防止することができる。
その後、定着ローラ260の温度を上昇させるべく、ハロゲンヒータ263を点灯させる。温度検知値が設定温度C以上、更には、最終的に待機時設定温度になるまでハロゲンヒータ263を点灯させる。
次に、画像形成装置設置位置における環境温度の影響について考える。図12は、連続通紙時における定着ローラ260の検知温度と、定着クリーニング部の温度とを模式的に示す図である。通紙時間と共に、定着ローラ260の検知温度は低下し、それに伴い定着クリーニング部の温度も低下する。両者の温度差は、画像形成装置が置かれた周辺の温度が高いほど温度差が小さく、低いほど温度差が大きくなることが分かっている。
例えば、環境温度が高く、定着クリーニング部の温度も高くなると、クリーニングウェブ291に付着したトナーが溶け出しやすくなるため、図7に示すフローチャートに従ったクリーニングウェブ291の駆動制御によっても、定着ローラ260へのトナーの逆転移を防げない場合がある。そこで、画像形成装置に環境温度を検知する温度センサ等を設け、その信号に基づいて、定着クリーニング部の動作、すなわちクリーニングウェブ291の駆動を制御するようにすることが好ましい。
すなわち、標準の環境温度範囲を予め規定しておき、検知された環境温度がそれよりも高くなった場合には、積算カウンタ412の積算値の基準値(図7のフローチャートにおける「X枚」に相当。)を小さくする変更をし、クリーニングウェブ291の駆動間隔を短くすることが効果的である。
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、低温定着可能なトナーであり、その流出開始温度は80〜120℃の範囲にある。より好ましくは、85〜110℃の範囲である。流出開始温度が120℃を超えると、低温定着性に劣り、十分な定着性が得られないか、あるいは十分な定着性を得るために多大な定着エネルギーを要する。また、流出開始温度が80℃未満では、ホットオフセットを起こしやすくなる。
流出開始温度の測定は、島津製作所製の高架式フローテスター「CFT−500型」を用いて行った。プランジャーに一定の圧力(荷重10kg/cm)を掛けながら昇温速度3℃/分としてトナーを加熱し、溶融させる。トナーが直径0.5mmのノズルから流れ出し、プランジャーの下降が始まった温度を流出開始温度として測定した。
また、上記トナーのガラス転移点は、40〜60℃である。40℃未満では、トナーの耐熱保存性が悪化し、60℃を超えると低温定着性が不十分となる。より好ましくは、45〜55℃である。
ガラス転移点(Tg)の測定は、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を用いて行った。まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置、室温まで試料を冷却して10分放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。ガラス転移点(Tg)は、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
上記に示す流出開始温度とガラス転移点の範囲を有するトナーとしては、特に、バインダ樹脂としてポリエステル樹脂を含むことが好適である。以下に、トナーの好ましい態様について説明する。
本発明に係るトナーは、例えば、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させることにより得られる。以下に、トナーの構成材料及び製造方法の例を挙げて説明する。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
尚、生成するポリマーの分子量は、THFを溶媒としゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜60℃、好ましくは40〜55℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、60℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
尚、ガラス転移点(Tg)の測定は、既述の通り理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を用いて行った。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
以上のようにして得られるトナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましく、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。小粒径のトナーを用いることで、潜像に対して緻密にトナーを付着させることができる。しかしながら、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、粒径分布を狭くすることで、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。しかしながら、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
尚、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA-II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコールターカウンターTA-II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)及びパーソナルコンピュータ(PC9801:NEC社製)に接続し、測定した。
また、本発明に係るトナーは、以下のような形状係数SF−1、SF−2の値に好ましい範囲を有する。図13は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
本発明に係るトナーはSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるトナーである。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体40との接触が点接触に近くなるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体40との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、球形トナーは転写後の感光体40上に残存する場合、クリーニングブレード等のクリーニング手段では除去されにくいため、トナーの形状係数SF−1又はSF−2はある程度大きい方がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
また、本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図14は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図14において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図14(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図14(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 第1の実施形態としての定着装置の構成を示す図である。 第2の実施形態としての定着装置の構成を示す図である。 定着クリーニング装置のブロック図である。 通常の印字動作におけるクリーニングウェブの駆動制御のフローチャートである。 定着ジョブ動作中の定着ローラの温度変化を示す図である。 本発明に係る定着クリーニング装置のクリーニングウェブの駆動制御のフローチャートである。 複数の温度検知センサを備える定着ローラを模式的に示す図である。 定着ローラの軸方向における周面温度の分布を示す図である。 転写紙のジャムが発生したときの定着ローラの周面温度の時間変化を示した図である。 転写紙ジャム処理後における定着装置の復帰動作時のクリーニングウェブの駆動制御を示すフローチャートである。 連続通紙時における定着ローラの検知温度と、定着クリーニング部の温度とを模式的に示す図である。 形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。
符号の説明
4 現像装置
10 中間転写ベルト
21 露光装置
22 二次転写装置
25 定着装置
26 定着ローラ
27 加圧ローラ
40 感光体(像担持体)
260 定着ローラ
280、281 温度検知センサ
290 定着クリーニング装置
291 クリーニングウェブ
291 供給ローラ
293 巻き取りローラ
410 ウェブ駆動部
412 積算カウンタ
500 ウェブ制御装置

Claims (18)

  1. 記録部材上の未定着トナーに接触してトナーを加熱しながら回転する定着部材と、該定着部材に圧接して回転する加圧部材と、定着部材の温度を検知する温度検知手段と、定着部材の表面をクリーニングするクリーニング部材とを備える定着装置であって、
    前記定着装置は、流出開始温度80〜120℃、ガラス転移点40〜60℃のトナーを定着させる定着装置であり、
    定着ジョブ動作を積算するカウント手段を有し、前記クリーニング部材は、該カウント手段の積算値が予め設定された基準値になる毎に、前記定着部材に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御され、加えて、前記温度検知手段が検出する値によって前記定着部材に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御される ことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、 前記クリーニング部材は、クリーニングウェブである ことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置において、 前記定着部材は、通紙時の温度範囲が予め規定されており、通紙時に前記温度検知手段により検知された温度が、該温度範囲の上限値又は下限値のいずれかを超えたときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動される ことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の定着装置において、 前記温度検知手段は、前記定着部材の軸方向に複数並べて設けられ、軸方向端部に位置する温度検知手段により検知された温度が、予め規定された温度を超えたときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動される ことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の定着装置において、 記録部材のジャム処理後の復帰動作時に、前記温度検知手段により検知された温度が予め規定された温度以下であったときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動される ことを特徴とする定着装置。
  6. 潜像を担持する像担持体と、 像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、 帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、 像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、 像担持体表面のトナー像を転写紙に転写する転写手段と、 記録部材上のトナー像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
    前記定着手段は、請求項1ないし5のいずれかに記載の定着装置である ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、 前記画像形成装置は、周辺温度を検知する手段を有し、画像形成装置周辺の環境温度に応じて、前記定着装置の前記クリーニング部材の駆動制御を変更する ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7に記載の画像形成装置において、 前記画像形成装置の周辺の温度が予め規定された温度以上になったときに、ジョブ動作を積算する前記カウント手段による積算値の基準値を変更して、前記クリーニング部材を駆動制御する ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項6ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、 前記現像手段で用いられるトナーは、少なくともバインダ樹脂と着色剤を含み、該バインダ樹脂がポリエステルを含む ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9に記載の画像形成装置において、 前記現像手段で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである ことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項9又は10に記載の画像形成装置において、 前記現像手段で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある ことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項9ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、 前記現像手段で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項9ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、 前記現像手段で使用されるトナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある ことを特徴とする画像形成装置。
  14. 電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、 該トナーは、請求項6ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において使用されるトナーであり、少なくともバインダ樹脂と着色剤を含み、該バインダ樹脂がポリエステルを含む ことを特徴とするトナー。
  15. 請求項14に記載のトナーにおいて、 前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる ことを特徴とするトナー。
  16. 請求項14又は15に記載のトナーにおいて、 前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある ことを特徴とするトナー。
  17. 請求項14ないし16のいずれかに記載のトナーにおいて、 前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とするトナー。
  18. 請求項14ないし17のいずれかに記載のトナーにおいて、 前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある ことを特徴とするトナー。
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