JP2005128380A - 定着装置、画像形成装置、及びこれに使用されるトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録部材上の未定着トナーに接触してトナーを加熱しながら回転する定着部材260と、定着部材260に圧接して回転する加圧部材270と、定着部材260の温度を検知する温度検知手段280と、定着部材260の表面をクリーニングするクリーニング部材291とを備える定着装置25であって、定着ジョブ動作を積算するカウント手段412を有し、前記クリーニング部材291は、カウント手段412の積算値が予め設定された基準値になる毎に、定着部材260に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御され、加えて、前記温度検知手段280が検出する値によって定着部材260に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御される。
【選択図】図2
Description
定着装置としては、例えば、内部にヒータを備えた定着ローラと、この定着ローラの周面に圧接して連れ回りする加圧ローラとを備え、両ローラのニップ部に未定着トナー像を保持した転写紙を通紙させることによってトナー像を定着させる熱ローラ定着装置が挙げられる。
このため、従来から定着ローラの周面を適宜クリーニングするための方式が種々提案されている。例えば、ローラから成るクリーニング部材を加熱ローラ周面に接触させるローラ方式、フェルトから成るクリーニング部材を加熱ローラに摺接させるフェルト方式、更には送り出しローラに巻かれたウェブを巻き取りローラによって巻取る過程でウェブによって定着ローラ周面のクリーニングを行うウェブ方式等が知られている。これらの中でもウェブ方式のクリーニング方式の性能は他の方式に比べ勝れているため、近年では多く用いられるようになった。
このように定着下限温度を低下させた場合、トナーは温度上昇の影響を受けやすいために、例えば、定着ローラの長手方向に温度分布が発生し、部分的に定着ローラ表面の温度が上昇したり、厚紙通紙直後に定着ローラの温度が上昇した場合に、その温度上昇部に当接するクリーニングウェブに吸着したトナーが溶け出して定着ローラに逆転移するという問題が発生した。定着ローラに逆転移したトナーは、定着ニップを通過する転写紙に再転写し、異常画像を発生させる。このような現象は、また、定着温度が低下してコールドオフセットが発生する場合や、ジャムの発生により未定着トナーが多量にクリーニングウェブに入ってくる場合に発生しやすい。
したがって、上記異常画像の発生を回避するために、より効率的なクリーニングウェブの動作制御が必要とされている。
1.本発明は、未定着トナーに接触してトナーを加熱しながら回転する定着部材と、該定着部材に圧接して回転する加圧部材と、定着部材の温度を検知する温度検知手段と、定着部材の表面をクリーニングするクリーニング部材とを備える定着装置であって、前記定着装置は、流出開始温度80〜120℃、ガラス転移点40〜60℃のトナーを定着させる定着装置であり、定着ジョブ動作を積算するカウント手段を有し、前記クリーニング部材は、該カウント手段の積算値が予め設定された基準値になる毎に、前記定着部材に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御され、加えて、前記温度検知手段が検出する値によって前記定着部材に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御される定着装置である。
2.前記クリーニング部材は、クリーニングウェブであることを特徴とする。
4.前記温度検知手段は、前記定着部材の軸方向に複数並べて設けられ、軸方向端部に位置する温度検知手段により検知された温度が、予め規定された温度を超えたときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動されることを特徴とする。
5.前記定着装置において、記録部材のジャム処理後の復帰動作時に、前記温度検知手段により検知された温度が予め規定された温度以下であったときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動されることを特徴とする。
8.前記画像形成装置の周辺の温度が予め規定された温度以上になったときに、ジョブ動作を積算する前記カウント手段による積算値の基準値を変更して、前記クリーニング部材を駆動制御することを特徴とする。
10.前記画像形成装置において、前記現像手段で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする。
12.前記画像形成装置において、前記現像手段で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
13.前記画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
15.前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
17.前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とするトナー。
18.前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、内部にハロゲンヒータ等の熱源を備える定着ローラ26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
定着装置は、定着ローラ260と、定着ローラ260に圧接する加圧ローラ270とからなり、定着ローラ260と加圧ローラ270のニップ部に未定着画像を保持した転写紙を通紙することにより、トナー像を定着させる。
定着ローラ260は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金261の外周に、加圧ローラ270とニップを形成するために、例えば発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐熱弾性材料で環状に成型加工された弾性層262を備える。弾性層262の表層には、転写紙及びトナーの離型性を良くするために離型層を設ける。離型層には、耐熱性があり表面エネルギーの小さい材料が使用され、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの高分子樹脂からなる耐熱性チューブとして使用される。定着ローラ260の芯金261中には定着ローラ260の温度上昇を加速させるためのハロゲンヒータ263が配設される。
加圧ローラ270は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金271の外周にフッ素系ゴム、シリコーンゴム等の耐熱弾性材料からなる弾性層272を適度な厚みで備え、定着ローラ260と同様に、表層にフッ素系樹脂等からなる離型層を備える。また、加圧ローラ270は、定着ローラ260に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層272を弾性変形させることにより定着ローラ260との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
クリーニングウェブ291は、布、紙、樹脂シート、樹脂フィルム、金属箔等の適宜な材料によって構成できるが、本実施形態では、クリーニングウェブ291が定着ローラ260の周面に摺接して該周面をクリーニングすると共に、その周面にオイルを塗布するように、オイルを含浸できる材料から構成されている。例えば、アラミドとPETの繊維を混合してなる不織布に、オイルを含浸したもの等が使用される。かかるクリーニングウェブ291が定着ローラ260の周面に摺擦するとき、これに含浸されたオイルが定着ローラ260周面に塗布される。このオイルとしては、定着ローラ260の周面にトナーが移行しにくく、またその周面の潤滑性を高め、さらにその周面の摩擦を防止するオイル等が使用される。
押圧部材294は、ウェブを定着ローラ260周面に押し当て、その接触部に必要なニップを形成するものであり、耐熱性の低硬度ゴム又は発泡ウレタンやシリコーンからなるゴム層表面をもつ。また、押圧部材294は、定着ローラ260の方向に一定の加圧力を与える押圧バネ295を有する。
定着装置は、加熱ローラ251、定着ローラ264、定着ローラ264に圧接する加圧ローラ271と、加熱ローラ251と定着ローラ264との間に掛け渡された定着ベルト250とからなっている。
定着ローラ264、加圧ローラ271は、図2に示す定着装置の定着ローラ260、加圧ローラ270とほぼ同様にして、金属製の芯金265、272の外周に、耐熱弾性材料からなる弾性層266、273を備える。弾性層266、273の厚みは適宜調整される。また、弾性層266、273の表層には、転写紙及びトナーの離型性を良くするために、フッ素系樹脂等からなる離型層を設ける。芯金265、272内部には、それぞれハロゲンヒータ267、274が配置されている。また、加圧ローラ271は、定着ベルト250を挟んで定着ローラ264に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を変形させることにより定着ローラ264との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ベルト250は、基体には、耐熱性樹脂や、金属から形成された無端状のベルト状基体が用いられる。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、金属ベルトの材質としては、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。樹脂と重層を形成しても良く、特に、ポリイミド樹脂にニッケルを電鋳したベルトが強度と弾性を有し、耐久性があるので好ましい。厚さは100μm以下の薄肉のものが望ましい。定着ベルト250は、転写紙、トナーと加圧接触するため、高離型性シリコーンゴム等からなる弾性層と摩擦係数が小さいフッ素系樹脂で耐熱離型層を有する構成になっている。
加熱ローラ251は、掛け回されている定着ベルト250を張架して、さらに、加熱するための部材である。このため、加熱ローラ251の内部に、ハロゲンランプ、ニクロム線等の加熱部材253が設けられている。また、加熱ローラ251は、アルミ、炭素鋼、ステンレス鋼等の中空金属円筒の薄肉ローラであるが、熱伝導性が良好な厚さ1〜4mmのアルミニウム製円筒を用いることで、軸方向での温度分布を小さくすることができる。さらに、加熱ローラ251の表面には、定着ベルト250との摩耗を防止するために、アルマイト処理の表面処理が施されている。
尚、定着クリーニング装置290の構成については、図2と同様であるので、ここでは説明を省略する。以下、定着クリーニング装置290に係る説明は、図2に示された定着装置の構成を前提とするものである。
図4は、定着クリーニング装置290のブロック図である。ウェブ制御装置500は、画像形成装置本体制御部600を有し、積算カウンタ412、ウェブ駆動部410に接続され、更には定着ローラ260の温度を制御する温度制御装置285、及び排紙センサ411に接続されている。
定着装置25は、定着工程を終え、定着ニップを通過して排紙トレイに向かって排紙される転写紙をカウントする、排紙センサ411を備える。この排紙センサ411によって、定着ジョブ枚数をカウントし、積算カウンタ412で積算する。
図5は、通常の印字動作におけるクリーニングウェブの駆動制御のフローチャートである。印字動作を開始して、定着ジョブ枚数を排紙センサ411で検知し、積算カウンタ412の積算値が所定のX枚を超えたときに、ウェブ駆動部410によって巻き取りローラ293が駆動され、所定量クリーニングウェブ291が巻き取られる。それに伴い、供給ローラ292は、未使用のウェブを送り出す。図中、ウェブ駆動部410の駆動時間がP秒となっているのは、クリーニングウェブ291の新たな面を供給するのに必要な予め設定された時間を意味する。
また、クリーニングウェブ291の動作と共に、積算カウンタ412の積算値はリセットされる。クリーニングウェブ291は、その新たな面を定着ローラ260周面に摺接させて、積算カウンタ412の積算値が再び所定の定着ジョブ枚数になるまでクリーニングを行う。
図6は、定着ジョブ動作中の定着ローラ260の温度変化を示す図である。連続通紙する場合、定着ローラ260周面の温度は、図6中実線で示すように徐々に低下する。温度検知センサ280からの検知信号に応じて、温度制御装置285は定着ローラ260内部のヒータ263の動作を制御するが、その制御にも拘わらず、定着ローラ260の温度が、定着設定温度の下限値を超えた場合、コールドオフセットを発生しやすくなる。コールドオフセットが発生すると、クリーニングウェブ291には多量のトナーが入ってくる。
一方、小サイズの転写紙を連続通紙する場合、転写紙が通過する定着ニップの領域では熱の消費があるため、定着ローラ260のこの領域では温度が低下するが、転写紙が通過しない領域では熱の消費がなく、定着ローラ260のこの領域の温度は逆に上昇してしまう。従って、定着ローラ260周面の温度は、長手方向で分布が生じる。また、厚紙通紙モードを設定した場合に、画像形成装置本体制御部600からの指示で温度制御装置285が定着ローラ260のヒータ263を点灯し続けると、厚紙通紙直後の定着ローラ260周面の温度が上昇することがある。図6中の破線では、上記のような小サイズ転写紙の通紙時における定着ローラ260端部や、厚紙通紙直後の定着ローラ260周面の温度上昇の様子を示している。このように、定着ローラ260周面の検知温度が定着設定温度の上限を超えた場合、後述するように、流出開始温度、ガラス転移点共に低いトナーを使用している本装置においては、当接するクリーニングウェブ291に付着したトナーが溶け出して定着ローラ260に逆転移しやすくなる。特に、コールドオフセットが発生した後のクリーニングウェブ291には多量のトナーが付着しており、定着ローラ260への逆転移が起きやすい状況となっている。
また、温度検知値がAに該当しない場合は、更に、温度検知値がB、すなわち、検知温度<定着設定温度下限値の関係に該当するか否かを判断する。温度検知値がBに該当するとき、更に印刷動作が進行中であるか、終了したかを判断し、印刷動作が終了していれば、ウェブ駆動部410を駆動し、クリーニングウェブの新たな面を供給する。図中、ウェブ駆動部410の駆動時間がR秒となっているのは、クリーニングウェブ291の新たな面を供給するのに必要な予め設定された時間を意味する。
一方、温度検知値がBにも該当しない場合は、定常のクリーニングウェブの駆動制御でよいため、上記のフローを繰り返すようにする。
また、定着ローラ260の周面の温度が定着設定温度の下限値よりも低下した場合、コールドオフセットが発生して、クリーニングウェブ291に多量のトナーが付着するが、温度を検知した後、印字動作終了のタイミングに合わせてクリーニングウェブ291の新たな面を供給するように駆動させることで、その後に定着ローラ260の周面温度が部分的に上昇した場合でも、定着ローラ260に当接するクリーニングウェブ291のトナー付着量は少ないので、トナーの逆転移を防ぐことができる。また、クリーニングウェブ291に多量のトナーが付着することで起きるトナーすり抜け等のクリーニング不良を未然に防ぐことができる。
ここで、図7のフローチャートに示すようにクリーニングウェブ291の駆動を印字動作終了後としたのは、定着ローラ260の周面の温度が定着設定温度の下限値よりも低いことを検知した場合は、クリーニングウェブ291に付着したトナーの溶け出しは問題にならないため、即、その定着ローラ260の温度において弊害がもたらされるわけでなく、また、印字動作終了後に1回だけウェブ駆動部410をONにすることで、効率的なクリーニングウェブ291の駆動が可能となるからである。
一方、温度検知センサ280bは、定着ローラ260の周面の最大サイズ紙が通過する最大通紙領域の端部に設置されている。先にも述べたように、温度検知センサ280bが設置された位置における定着ローラ260の周面は、小サイズ紙を通紙した場合には、定着熱が消費されることがないので、温度検知センサ280aの設置位置よりも高い温度を示すことがある(図9実線参照)。特に、小サイズ紙を連続通紙した場合など、定着ローラ160の軸方向で多大な温度分布が発生することがあるため、定着ローラ260の最大通紙領域の端部のみが定着設定温度上限を超える温度となった場合、その領域に接触するクリーニングウェブ291に付着したトナーが溶け出し定着ローラ260に逆転移することが問題となる。そこで、温度検知センサ280bにより、このような定着ローラ260端部の温度上昇を検知し、トナー溶け出しを効果的に防止することができる。
図10は、転写紙のジャムが発生したときの定着ローラ260の周面温度の時間変化を示した図である。転写紙のジャムが発生すると、定着装置は緊急停止するため、ハロゲンヒータ263の電源が停止する。このため、ジャム処理を行っている間、定着ローラ260の周面温度は徐々に低下していく。定着ローラ260の周面温度が、やがてコールドオフセット発生温度を下回ると、定着ローラ260には未定着画像が多量に入力されることになる。この後、定着装置の復帰動作時に定着ローラ260の回転に従って、クリーニングウェブ291に多量の未定着トナーが入力され、その後の印字動作においてクリーニング不良をきたす原因ともなる。
図11は、転写紙ジャム処理後における定着装置の復帰動作時のクリーニングウェブ291の駆動制御を示すフローチャートである。ジャム処理後の定着装置の復帰動作においては、先ず、定着ローラ260の周面温度が待機時の設定温度になっているかどうかを温度検知センサ280によって検知しにいく。待機時の設定温度になっていれば、このまま印字動作に備えることができる。また、定着ローラ260の周面温度が待機時の設定温度以下である場合は、その温度検知値が予め設定された温度C、例えばコールドオフセット発生温度よりも低いかどうかを判断する。設定温度Cよりも高ければ、コールドオフセットは発生していないと判断し、その後定着ローラ260の温度を待機時の設定温度に上昇させるべく、ハロゲンヒータ263を点灯させる。
一方、温度検知値が設定温度Cよりも低い場合は、コールドオフセットが発生していると判断し、クリーニングウェブ291への多量のトナー入力に備え、ウェブ駆動部410を駆動させ、クリーニングウェブ291の新たな面を供給するようにする。これにより、コールドオフセットが発生して多量の未定着トナーがクリーニングウェブ291に入力されても、良好にクリーニングを行うと共に、その後の印字動作においてクリーニング不良が発生するのを防止することができる。
その後、定着ローラ260の温度を上昇させるべく、ハロゲンヒータ263を点灯させる。温度検知値が設定温度C以上、更には、最終的に待機時設定温度になるまでハロゲンヒータ263を点灯させる。
例えば、環境温度が高く、定着クリーニング部の温度も高くなると、クリーニングウェブ291に付着したトナーが溶け出しやすくなるため、図7に示すフローチャートに従ったクリーニングウェブ291の駆動制御によっても、定着ローラ260へのトナーの逆転移を防げない場合がある。そこで、画像形成装置に環境温度を検知する温度センサ等を設け、その信号に基づいて、定着クリーニング部の動作、すなわちクリーニングウェブ291の駆動を制御するようにすることが好ましい。
すなわち、標準の環境温度範囲を予め規定しておき、検知された環境温度がそれよりも高くなった場合には、積算カウンタ412の積算値の基準値(図7のフローチャートにおける「X枚」に相当。)を小さくする変更をし、クリーニングウェブ291の駆動間隔を短くすることが効果的である。
流出開始温度の測定は、島津製作所製の高架式フローテスター「CFT−500型」を用いて行った。プランジャーに一定の圧力(荷重10kg/cm2)を掛けながら昇温速度3℃/分としてトナーを加熱し、溶融させる。トナーが直径0.5mmのノズルから流れ出し、プランジャーの下降が始まった温度を流出開始温度として測定した。
ガラス転移点(Tg)の測定は、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を用いて行った。まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置、室温まで試料を冷却して10分放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。ガラス転移点(Tg)は、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
本発明に係るトナーは、例えば、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させることにより得られる。以下に、トナーの構成材料及び製造方法の例を挙げて説明する。
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
尚、生成するポリマーの分子量は、THFを溶媒としゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
尚、ガラス転移点(Tg)の測定は、既述の通り理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を用いて行った。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、粒径分布を狭くすることで、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。しかしながら、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
尚、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA-II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコールターカウンターTA-II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)及びパーソナルコンピュータ(PC9801:NEC社製)に接続し、測定した。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
図14は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図14において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図14(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図14(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
10 中間転写ベルト
21 露光装置
22 二次転写装置
25 定着装置
26 定着ローラ
27 加圧ローラ
40 感光体(像担持体)
260 定着ローラ
280、281 温度検知センサ
290 定着クリーニング装置
291 クリーニングウェブ
291 供給ローラ
293 巻き取りローラ
410 ウェブ駆動部
412 積算カウンタ
500 ウェブ制御装置
Claims (18)
- 記録部材上の未定着トナーに接触してトナーを加熱しながら回転する定着部材と、該定着部材に圧接して回転する加圧部材と、定着部材の温度を検知する温度検知手段と、定着部材の表面をクリーニングするクリーニング部材とを備える定着装置であって、
前記定着装置は、流出開始温度80〜120℃、ガラス転移点40〜60℃のトナーを定着させる定着装置であり、
定着ジョブ動作を積算するカウント手段を有し、前記クリーニング部材は、該カウント手段の積算値が予め設定された基準値になる毎に、前記定着部材に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御され、加えて、前記温度検知手段が検出する値によって前記定着部材に対して新たなクリーニング面が供給されるように駆動制御される ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、 前記クリーニング部材は、クリーニングウェブである ことを特徴とする定着装置。
- 請求項1又は2に記載の定着装置において、 前記定着部材は、通紙時の温度範囲が予め規定されており、通紙時に前記温度検知手段により検知された温度が、該温度範囲の上限値又は下限値のいずれかを超えたときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動される ことを特徴とする定着装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の定着装置において、 前記温度検知手段は、前記定着部材の軸方向に複数並べて設けられ、軸方向端部に位置する温度検知手段により検知された温度が、予め規定された温度を超えたときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動される ことを特徴とする定着装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の定着装置において、 記録部材のジャム処理後の復帰動作時に、前記温度検知手段により検知された温度が予め規定された温度以下であったときに、前記クリーニング部材は前記定着部材に対する新たなクリーニング面を供給するように駆動される ことを特徴とする定着装置。
- 潜像を担持する像担持体と、 像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、 帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、 像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、 像担持体表面のトナー像を転写紙に転写する転写手段と、 記録部材上のトナー像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
前記定着手段は、請求項1ないし5のいずれかに記載の定着装置である ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6に記載の画像形成装置において、 前記画像形成装置は、周辺温度を検知する手段を有し、画像形成装置周辺の環境温度に応じて、前記定着装置の前記クリーニング部材の駆動制御を変更する ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項7に記載の画像形成装置において、 前記画像形成装置の周辺の温度が予め規定された温度以上になったときに、ジョブ動作を積算する前記カウント手段による積算値の基準値を変更して、前記クリーニング部材を駆動制御する ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項6ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、 前記現像手段で用いられるトナーは、少なくともバインダ樹脂と着色剤を含み、該バインダ樹脂がポリエステルを含む ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項9に記載の画像形成装置において、 前記現像手段で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項9又は10に記載の画像形成装置において、 前記現像手段で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項9ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、 前記現像手段で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項9ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、 前記現像手段で使用されるトナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある ことを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、 該トナーは、請求項6ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において使用されるトナーであり、少なくともバインダ樹脂と着色剤を含み、該バインダ樹脂がポリエステルを含む ことを特徴とするトナー。
- 請求項14に記載のトナーにおいて、 前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる ことを特徴とするトナー。
- 請求項14又は15に記載のトナーにおいて、 前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある ことを特徴とするトナー。
- 請求項14ないし16のいずれかに記載のトナーにおいて、 前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある ことを特徴とするトナー。
- 請求項14ないし17のいずれかに記載のトナーにおいて、 前記トナーは、略球形状であり、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある ことを特徴とするトナー。
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Cited By (7)
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- 2003-10-27 JP JP2003365703A patent/JP2005128380A/ja active Pending
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