JP2017059820A - 積層電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】固着強度が良好な積層電子部品を提供すること。
【解決手段】X軸およびY軸を含む平面に実質的に平行な内部電極層と誘電体層とがZ軸の方向に沿って交互に積層された素子本体を備える積層電子部品であって、素子本体のX軸の方向に相互に向き合う一対の側面にそれぞれ絶縁層16が備えられており、素子本体のY軸の方向に相互に向き合う一対の端面に、内部電極層と電気的に接続される外部電極6がそれぞれ備えられている。絶縁層は側面の周縁に形成された山状部16bと、側面の中央部分の平面部16cとを有し、絶縁層の平面部の表面に沿う表面仮想線と、山状部の第1内側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ1とし、絶縁層の平面部の表面に沿う表面仮想線と、山状部の第2外側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ2とした場合、θ1が5°〜25°であり、θ2が5°〜25°である。
【選択図】図3A

Description

本発明は、積層電子部品に関する。
近年、携帯電話などのデジタル電子機器に使用される電子回路の高密度化に伴う電子部品の小型化に対する要求は高く、当該回路を構成する積層電子部品の小型化、大容量化が急速に進んでいる。
積層セラミックコンデンサなどの積層電子部品においては、素子本体内に複数の内部電極が配置されており、特許文献1では、矩形のセラミックグリーンシートの全幅に至るように導電ペーストを印刷し、該導電ペーストが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、切断することで、導体層の両側端縁が露出している積層体を得ている。
そして、特許文献1では、この積層体を焼成することにより、導体層端縁が、外部電極との接続が予定されている端面だけでなく、一対の側面にも露出しているセラミック焼結体を得る。次に、セラミック焼結体の側面にセラミックを塗布、形成する。
しかしながら、積層セラミック電子部品は側面にセラミックを焼き付けると、側面と側面に塗布・形成したセラミック(サイドギャップ)の接着性が悪いために、電歪によって、コンデンサの構造欠陥が起き易く、また、外部応力を緩和することが困難であり、固着強度に問題があった。
特開2012−191159号公報
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、固着強度が良好な積層電子部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る積層電子部品は、以下の通りである。
[1]第1軸および第2軸を含む平面に実質的に平行な内部電極層と誘電体層とが第3軸の方向に沿って交互に積層された素子本体を備える積層電子部品であって、
前記素子本体の前記第1軸の方向に相互に向き合う一対の端面(側面)にそれぞれ絶縁層が備えられており、
前記素子本体の前記第2軸の方向に相互に向き合う一対の端面に、前記内部電極層と電気的に接続される外部電極がそれぞれ備えられており、
前記絶縁層は前記素子本体の前記第1軸方向の端面の周縁に形成された山状部と、前記素子本体の前記第1軸方向の端面の中央部分の平面部とを有し、
前記絶縁層の前記平面部の表面に沿う表面仮想線と、前記山状部の第1内側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ1とし、
前記絶縁層の前記平面部の表面に沿う表面仮想線と、前記山状部の第1外側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ2とした場合、
θ1が5°〜25°であり、
θ2が5°〜25°であることを特徴とする積層電子部品。
本発明によれば、絶縁層の平面部の表面に沿う表面仮想線と山状部の第1内側所定位置曲面の接線がなす角の角度および表面仮想線と第1外側所定位置での曲面の接線がなす角の角度が所定の範囲内であることにより、耐熱衝撃性および固着強度が良好な積層電子部品を提供できる。
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る積層電子部品は、以下の通りである。
[2]第1軸および第2軸を含む平面に実質的に平行な内部電極層と誘電体層とが第3軸の方向に沿って交互に積層された素子本体を備える積層電子部品であって、
前記素子本体の前記第1軸の方向に相互に向き合う一対の端面(側面)にそれぞれ絶縁層が備えられており、
前記素子本体の前記第2軸の方向に相互に向き合う一対の端面に、前記内部電極層と電気的に接続される外部電極がそれぞれ備えられており、
前記絶縁層は前記素子本体の前記第1軸方向の端面の周縁に形成された山状部と、前記素子本体の前記第1軸方向の端面の中央部分の平面部とを有し、
前記絶縁層の前記第2軸方向の端部の前記山状部における前記第1軸方向の最大幅の部分を前記外部電極が覆っていることを特徴とする積層電子部品。
本発明によれば、絶縁層の第2軸方向の端部の山状部における第1軸方向の最大幅の部分を外部電極が覆っていることにより、固着強度が良好な積層電子部品を提供できる。
上記[2]の具体的態様として、下記の態様が例示される。
[3]前記素子本体の前記第2軸方向の端部から、前記絶縁層の前記第2軸方向の端部の前記山状部における前記第1軸方向の最大幅までの前記第2軸方向に沿う長さをαとして、
前記素子本体の前記第2軸方向の端部からの前記絶縁層を覆う前記外部電極の前記第2軸方向に沿う被覆長さをβとした場合、
α/βは、1/30≦α/β<1である前記[2]に記載の積層電子部品。
また、上記目的を達成するための積層電子部品の製造方法としては、特に限定されないが、以下の製造方法が挙げられる。
[4]第1軸の方向に連続し、第1軸および第2軸を含む平面に実質的に平行な内部電極パターン層が形成されたグリーンシートを第3軸の方向に積層してグリーン積層体を得る工程と、
前記グリーン積層体を前記第2軸および前記第3軸を含む平面に平行な切断面が得られるように切断してグリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成して、内部電極層と誘電体層とが交互に積層した素子本体を得る工程と、
前記素子本体の前記第1軸方向の端面に絶縁層用ペーストを塗布して、焼き付けることにより、絶縁層が形成されたセラミック焼結体を得る工程と、
前記セラミック焼結体の前記第2軸方向の端面に外部電極用ペーストを焼き付けることにより、外部電極が形成された積層電子部品を得る工程と、を有し、
前記絶縁層は前記素子本体の前記第1軸方向の端面の周縁に形成された山状部と、前記素子本体の前記第1軸方向の端面の中央部分の平面部とを有し、
前記絶縁層の前記平面部の表面に沿う仮想線と、前記山状部の内側の曲面の接線がなす角の角度をθ1とし、
前記絶縁層の前記平面部の表面に沿う仮想線と、前記山状部の外側の曲面の接線がなす角の角度をθ2とした場合、
θ1が5°〜25°であり、
θ2が5°〜25°であることを特徴とする積層電子部品の製造方法。
また、上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る積層電子部品は、以下の通りである。
[5]第1軸および第2軸を含む平面に実質的に平行な内部電極層と誘電体層とが第3軸の方向に沿って交互に積層された素子本体を備える積層電子部品であって、
前記素子本体の前記第1軸の方向に相互に向き合う一対の側面にそれぞれ絶縁層が備えられており、
前記素子本体の前記第2軸の方向に相互に向き合う一対の端面に、前記内部電極層と電気的に接続される外部電極がそれぞれ備えられており、
前記絶縁層は前記側面の周縁に形成された山状部と前記側面の中央部分の谷状部とを有し、
前記絶縁層の前記第1軸の方向に垂直な垂直仮想線と、前記山状部の第2内側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ1´とし、
前記絶縁層の前記第1軸の方向に垂直な垂直仮想線と、前記山状部の第2外側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ2´とした場合、
θ1´が5°〜25°であり、
θ2´が5°〜25°であるであることを特徴とする積層電子部品。
図1は、本発明の実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図である。 図2Aは、図1に示すIIA‐IIA線に沿う断面図である。 図2Bは、図1に示すIIB‐IIB線に沿う断面図である。 図2Cは、図1に示すIIB‐IIB線に沿う断面図である。 図2Dは、図1に示すIIB‐IIB線に沿う断面図である。 図2Eは、図1に示すIIB‐IIB線に沿う断面図である。 図2Fは、図1に示すIIB‐IIB線に沿う断面図である。 図2Gは、図1に示すIIB‐IIB線に沿う断面図である。 図3Aは、図2Bの要部断面図である。 図3Bは、図2Aの要部断面図である。 図3Cは、図2Dの要部断面図である。 図4は、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造過程におけるグリーンシートの積層工程を示す概略断面図である。 図5A(a)は、図4に示すV‐V線に沿うn層目の内部電極パターン層の一部を示す平面図であり、図5A(b)は、n+1層目の内部電極パターン層の一部を示す平面図である。 図5Bは、図4に示すV‐V線に沿う内部電極パターン層の一部を示す平面図である。 図6Aは図4に示すグリーンシートを積層後の積層体のX‐Z軸平面に平行な概略断面図である。 図6Bは図4に示すグリーンシートを積層後の積層体のY‐Z軸平面に平行な概略断面図である。 図7は本実施例の固着強度の測定方法を説明する模式図である。
本実施形態に基づき、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明は以下に説明する実施形態のみに限定されない。
また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
(第1実施形態)
積層セラミックコンデンサの全体構成
本実施形態に係る積層電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、セラミック焼結体4と、第1外部電極6と、第2外部電極8とを有する。また、セラミック焼結体4は、素子本体3と絶縁層16とを有する。
素子本体3は、X軸およびY軸を含む平面に実質的に平行な内側誘電体層10と内部電極層12とを有し、内側誘電体層10の間に内部電極層12がZ軸の方向に沿って交互に積層してある。ここで、「実質的に平行」とは、ほとんどの部分が平行であるが、多少平行でない部分を有していてもよいことを意味し、内部電極層12と内側誘電体層10は、多少、凹凸があったり、傾いていたりしてもよいという趣旨である。
図2Aに示すように、内側誘電体層10と、内部電極層12とが交互に積層される部分が内装領域13である。
また、素子本体3は、その積層方向Z(Z軸)の両端面に、外装領域11を有する。外装領域11は、内装領域13を構成する内側誘電体層10よりも厚い外側誘電体層を複数積層して形成してある。
なお、以下では、「内側誘電体層10」および「外側誘電体層」をまとめて、「誘電体層」と記載する場合がある。
内側誘電体層10および外装領域11を構成する誘電体層の材質は、同じでも異なっていても良く、特に限定されず、たとえば、ABOなどのペロブスカイト構造の誘電体材料やニオブ酸アルカリ系セラミックを主成分として構成される。
ABOにおいて、Aは、たとえばCa、Ba、Srなどの少なくとも一種、Bは、Ti、Zrなどの少なくとも一種である。A/Bのモル比は、特に限定されず、0.980〜1.020である。
このほか、副成分として、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、酸化マンガン、希土類元素酸化物、酸化バナジウム等が挙げられるがこれらに限定されない。その含有量も組成等に応じて適宜決定すればよい。
なお、副成分として、二酸化珪素、酸化アルミニウムを用いることで、焼成温度を低下させることができる。また、副成分として、酸化マグネシウム、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、酸化マンガン、希土類元素酸化物、酸化バナジウムを用いることで、寿命を改善させることができる。
内側誘電体層10および外側誘電体層の積層数は、用途等に応じて適宜決定すれば良い。
交互に積層される一方の内部電極層12は、セラミック焼結体4のY軸方向第1端部の外側に形成してある第1外部電極6の内側に対して電気的に接続してある引出部12Aを有する。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、セラミック焼結体4のY軸方向第2端部の外側に形成してある第2外部電極8の内側に対して電気的に接続してある引出部12Bを有する。
内装領域13は、容量領域14と引出領域15A,15Bとを有する。容量領域14は、積層方向に沿って内部電極層12が内側誘電体層10を挟んで積層する領域である。引出領域15Aは、外部電極6に接続する内部電極層12の引出部12Aの間に位置する領域である。引出領域15Bは、外部電極8に接続する内部電極層12の引出部12Bの間に位置する領域である。
内部電極層12に含有される導電材は特に限定されず、Ni、Cu、Ag、Pd、Al、Ptなどの金属、またはそれらの合金を用いることができる。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。
内部電極層12は、市販の電極用ペーストを使用して形成してもよく、内部電極層12の厚みは用途等に応じて適宜決定すればよい。
図2A〜図2Cに示すように、素子本体3のX軸方向の両端面(両側面)には、絶縁層16が形成されている。絶縁層16は、X軸方向の端面(側面)の周縁に形成された山状部16bと、中央部の平面部16cとを有する。
なお、図2B、図2Cおよび図3Aは、セラミック焼結体4のZ軸方向の中央部において、X軸およびY軸を含む平面に平行な断面であり、山状部16bは、平面部16cのY軸方向の両側に形成される。また、図2Aおよび図3Bにも示すように、セラミック焼結体4のY軸方向の中央部において、X軸およびZ軸を含む平面に平行な断面では、絶縁層16の山状部16bは、平面部16cのZ軸方向の両側に形成される。すなわち、絶縁層16の平面部16cからX軸方向に突出する山状部16bは、平面部16cの周縁部に連続して形成してある。
本実施形態の絶縁層16における、山状部16bと平面部16cを有する構成は、焼き付け後に絶縁層16となる絶縁層用ペーストの粘度を調整したり、後述する絶縁層用ペースト塗布工程の手法や条件を適切に選択することにより形成することができる。
本実施形態では、図2B、図2Cまたは図3Aに示すように、外部電極6,8のX軸方向の両端部は、絶縁層16のY軸方向の両端部の山状部におけるX軸方向の最大幅(Mt)の部分(頂点16b2)を覆っていても良い。これにより、本実施形態の積層セラミックコンデンサは、固着強度が良好となる。
本実施形態の絶縁層16は、図2Bに示すように、素子本体3のY軸方向の端面のX軸方向の両端部を覆っていなくても良いし、図2Cに示すように、素子本体3のY軸方向の端面のX軸方向の両端部を覆う絶縁層延長部16aを一体的に有していても良い。
なお、絶縁層延長部16aは、図1、図2Bまたは図2Cに示す素子本体3のY軸方向の両端面を広く覆っていないことが好ましい。素子本体3のY軸方向の両端面には、外部電極6,8が形成されて内部電極12と接続される必要があるからである。
本実施形態の絶縁層16は、図2Aに示すように、素子本体3のZ軸方向の端面(主面)のX軸方向の両端部を覆う絶縁層延長部16aを一体的に有していても良い。また、図示していないが、絶縁層延長部16aは素子本体3のZ軸方向の端面の全面を覆っていても良い。
本実施形態の外部電極6,8は、Z軸方向の端面に形成された絶縁層延長部16aを覆う構成としても良い。
絶縁層16の軟化点は500℃〜1000℃であることが好ましい。これにより、前後の工程で発生しうる構造欠陥の影響を減らすことができる。
本実施形態の絶縁層16を構成する成分は、特に限定されず、例えば、セラミック、アルミニウム、ガラス、チタン、樹脂などが挙げられるが、ガラス成分で構成されていることが好ましい。絶縁層16をガラス成分で構成することにより、固着強度が良好になる。これは、ガラスと素子本体3との界面に反応相が形成されるため、ガラスと素子本体3の密着性が他の絶縁性物質に比べて優れているためであると考えられる。
また、ガラスは、セラミックに比べて絶縁性が高い。このため、絶縁層16がセラミックで構成されている場合に比べて、絶縁層16がガラス成分で構成されている場合は、向かい合う外部電極6,8の距離を短くしてもショート発生率を低くできる。したがって、絶縁層16がセラミックで構成されている場合に比べて、絶縁層16がガラス成分で構成されている場合は、外部電極6,8がセラミック焼結体4のX軸方向端面のY軸方向端部およびZ軸方向端面のY軸方向端部を広く覆う構成にしても、ショート発生率を低くできる。この効果は、絶縁層延長部16aが素子本体3のZ軸方向端面の全面を覆っている場合に、より顕著である。
素子本体3のX軸方向の端面を絶縁層16で被覆することにより、絶縁性が高められるだけでなく、外部からの環境負荷に対して、耐久性、耐湿性が増す。また、焼成後の素子本体3のX軸方向の端面を絶縁層16が被覆するため、サイドギャップの幅が小さく、かつ、均一な絶縁層16を形成することができる。
外部電極6,8の材質も特に限定されないが、Cu、Ag、Pd、Pt、Auあるいはこれらの合金、導電性樹脂など公知の導電材を用いることができる。外部電極の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。
なお、図1において、X軸、Y軸およびZ軸は、相互に垂直であり、Z軸が、内側誘電体層10および内部電極層12の積層方向に一致し、Y軸が、引出領域15A,15B(引出部12A,12B)が形成される方向に一致する。
本実施形態では、図2Aに示すように、絶縁層16のうち、セラミック焼結体4の幅方向(X軸方向)に沿って、素子本体3のX軸方向の端面から絶縁層16の外面までの区間をギャップ部としている。
本実施形態では、ギャップ部のX軸方向の幅Wgapは、セラミック焼結体4の幅方向(X軸方向)に沿って、素子本体3のX軸方向の端面から絶縁層16のX軸方向の端面までの寸法に一致する。幅Wgapの平均は、好ましくは、0.1μm〜40μmであり、素子本体3の幅W0に比較すれば、きわめて小さい。
Wgapを上記の範囲内とすることで、クラックが発生しにくくなると共に、セラミック焼結体4がより小型化されても、静電容量の低下が少ない。
なお、素子本体3の幅W0は、内側誘電体層10のX軸方向に沿う幅に一致する。
図2Aに示すように、素子本体3のZ軸方向の端面において、素子本体3のX軸方向の両端面からの絶縁層延長部16aのX軸方向のぞれぞれの幅をW1とする。この場合、W1とW0の比は、好ましくは1/30≦W1/W0である。
W1/W0が1/30以上であることで、電歪による構造欠陥や音鳴きをより減らすことができる。
また、W1/W0が1/2であってもよいが、その場合には、一方の絶縁層延長部16aと他方の絶縁層延長部16aがつながっている構成となる。すなわち、絶縁層16が素子本体3の主面と側面との4面で覆う構成となる。このような場合には、絶縁層16の塗布方法などによっては、素子本体3におけるX軸方向の端面を被覆する絶縁層が薄くなる可能性があり、電歪の緩和の効果が下がる傾向にある。一方、上記の通り、W1/W0が1/2の場合は、絶縁層をガラス成分で構成した場合に、外部電極6,8がセラミック焼結体4のX軸方向端面のY軸方向端部およびZ軸方向端面のY軸方向端部を広く覆う構成にしても、ショート発生率を低くできる効果が顕著となる。
本実施形態では、積層方向(Z軸方向)に隣接する誘電体層10で挟まれる内部電極層12のX軸方向端部は、素子本体3のX軸方向端面、すなわち、誘電体層10のX軸方向端部から内側に所定の引込み距離で凹んでいても良い。本実施形態では、従来に比較して、幅Wgapをきわめて小さくすることが可能になり、しかも、内部電極層12の引き込み距離が十分に小さい。そのため、本実施形態では、小型でありながら、大きな容量の積層コンデンサを得ることができる。
なお、絶縁層16を形成する前の素子本体3のX軸方向端面を、バレル研磨などで研磨することで、内部電極層12のX軸方向端部の引き込みを無くすことも可能である。内部電極層12のX軸方向端部の引き込みは、たとえば内部電極層12を形成する材料と誘電体層を形成する材料との焼結収縮率の違いにより形成される。
本実施形態では、図3Aまたは図3Bに示すように、絶縁層16の平面部16cの表面に沿う表面仮想線と、山状部16bの第1内側所定位置16b1での曲面の接線がなす角の角度をθ1とした場合、θ1は5°〜25°であることが好ましい。これにより、固着強度を良好にすることができる。
また、本実施形態では、図3Aまたは図3Bに示すように、絶縁層16の平面部16cの表面に沿う表面仮想線と、山状部16bの第1外側所定位置16b3での曲面の接線がなす角の角度をθ2とした場合、θ2は5°〜25°であることが好ましい。これにより、耐熱衝撃性を良好にすることができる。
第1内側所定位置16b1は以下に示す方法により決定する。まず、平面部16cのうち最も外側の点である平面端部16c1および山状部16bのうち山状部16bの頂点16b2を決定する。なお、頂点16b2は絶縁層16のY軸方向の両端部の山状部16bにおけるX軸方向の最大幅(Mt)の部分である。そして、Y軸方向座標またはZ軸方向座標が平面端部16c1および頂点16b2の中間であり、山状部16bの表面上にある点を第1内側所定位置16b1とする。
第1外側所定位置16b3は表面仮想線と山状部16bの外側の曲面との交点である。
第1内側所定位置16b1および第1外側所定位置16b3の決定方法には特に限定はない。例えばデジタルマイクロスコープを用いて目視にて決定することができる。なお、デジタルマイクロスコープを用いて目視にて決定する場合には、第1内側所定位置16b1および第1外側所定位置16b3の位置に多少の誤差が生じる場合があるが、それによるθ1およびθ2の大きさに及ぼす影響は通常は無視できるほど小さい。
従来は、素子本体から露出している内部電極層にセラミックを焼き付けていたが、この場合、セラミックと素子本体の側面との接着性が悪く、電歪によって構造欠陥が発生し易く、また、外部応力を緩和することが困難であり、固着強度に問題があった。
本実施形態の積層電子部品は、絶縁層16の平面部16cの表面に沿う表面仮想線と山状部16bの第1内側所定位置16b1での曲面の接線がなす角の角度θ1および表面仮想線と山状部16bの第1外側所定位置16b3での曲面の接線がなす角の角度θ2に特徴がある。この絶縁層16の山状部16bの角度θ1,θ2を所定の範囲内とすることによって、セラミック焼結体4と外部電極6,8の接着性を強固にし、電歪による素子本体3の変形を緩和するとともに、外部応力を緩和することができ、実装性を向上させることができる。
セラミック焼結体4のX軸方向の両側の幅Wgapは相互に同じでも異なっていてもよい。また、セラミック焼結体4のX軸方向の両側の幅W1も相互に同じでも異なっていてもよい。
内側誘電体層10の厚みtdは特に限定されないが、好ましくは0.1μm〜5.0μmである。
内部電極層12の厚みteは特に限定されないが、好ましくは0.1μm〜5.0μmである。
外装領域11の厚みtoは特に限定されないが、好ましくは0.1μm〜5.0μmである。
積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本発明の一実施形態としての積層セラミックコンデンサ2の製造方法について具体的に説明する。本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、絶縁層用ペーストを塗布・焼き付けし、絶縁層16を形成して、外部電極6,8を印刷または転写して焼き付けることにより製造される。
まず、焼成後に図1に示す内側誘電体層10を構成することになる内側グリーンシート10aおよび外側誘電体層を構成することになる外側グリーンシート11aを製造するために、内側グリーンシート用ペーストおよび外側グリーンシート用ペーストを準備する。
内側グリーンシート用ペーストおよび外側グリーンシート用ペーストは、通常、セラミック粉末と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペースト、または水系ペーストで構成される。
セラミック粉末の原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。セラミック粉末の原料は、本実施形態では、平均粒子径が0.45μm以下、好ましくは0.1〜0.3μm程度の粉体として用いられる。なお、内側グリーンシートをきわめて薄いものとするためには、グリーンシート厚みよりも細かい粉体を使用することが望ましい。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。用いる有機溶剤も特に限定されず、アルコール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、グリーンシート用ペースト中には、必要に応じて、各種分散剤、可塑剤、誘電体、副成分化合物、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。
可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルやフタル酸ベンジルブチルなどのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。
次に、焼成後に図1に示す内部電極層12A,12Bを構成することになる内部電極パターン層12aを製造するために、内部電極層用ペーストを準備する。内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。
導電材としてNiを用いる場合は、例えば、市販のCVD法、湿式化学還元法等を用いて作製したNiの粉体を用いてもよい。
焼成後に図1に示す外部電極6,8を構成することになる外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記にて調製した内側グリーンシート用ペーストおよび内部電極層用ペーストを使用して、図4に示すように、内側グリーンシート10aと、内部電極パターン層12aと、を交互に積層し、内部積層体13aを製造する。そして、内部積層体13aを製造した後に、外側グリーンシート用ペーストを使用して、外側グリーンシート11aを形成し、積層方向に加圧してグリーン積層体を得る。
なお、グリーン積層体の製造方法は、特に限定されず、例えば、シート法または印刷法で製造できる。また、上記の他、外側グリーンシート11aに直接内側グリーンシート10aと内部電極パターン層12aとを交互に所定数積層して、積層方向に加圧してグリーン積層体を得てもよい。
具体的には、まず、ドクターブレード法などにより、支持体としてのキャリアシート(たとえばPETフィルム)上に、内側グリーンシート10aを形成する。内側グリーンシート10aは、キャリアシート上に形成された後に乾燥される。
次に、図4に示すように、内側グリーンシート10aの表面に、内部電極層用ペーストを用いて、内部電極パターン層12aを形成し、内部電極パターン層12aを有する内側グリーンシート10aを得る。
この際、図5A(a)に示すように、n層目において、Y軸方向に内部電極パターン層12aの隙間32を形成し、X軸方向には連続する平坦な内部電極パターン層12aを形成する。
次に、図5A(b)に示すように、n+1層目においてもY軸方向に内部電極パターン層12aの隙間32を形成し、X軸方向には連続する平坦な内部電極パターン層12aを形成する。この際、n層目とn+1層目の内部電極パターン層の隙間32は積層方向であるZ軸方向において、重ならないように形成される。
このようにして、内部電極パターン層12aを有する内側グリーンシート10aを複数積層して、内部積層体13aを製造した後に、内部積層体13aの上下に外側グリーンシート用ペーストを使用して、適宜の枚数の外側グリーンシート11aを形成し、積層方向に加圧してグリーン積層体を得る。
次に、図5A(a)、図5A(b)、図6A、図6BのC1切断面およびC2切断面に沿って、グリーン積層体を切断してグリーンチップを得る。C1は、Y‐Z軸平面に平行な切断面であり、C2は、Z‐X軸平面に平行な切断面である。
図5A(a)に示すように、n層目において内部電極パターン層12aを切断するC2切断面の両隣のC2切断面は、内部電極パターン層12aの隙間32を切断する。また、n層目において内部電極パターン層12aを切断したC2切断面は、n+1層目においては内部電極パターン層12aの隙間32を切断する。
このような切断方法によりグリーンチップを得ることで、グリーンチップのn層目の内部電極パターン層12aは、グリーンチップのC2切断面において、一の切断面では露出し、他の切断面では露出しない構成となる。また、グリーンチップのn+1層目の内部電極パターン層12aは、グリーンチップのC2切断面において、n層目で内部電極パターン層12aが露出した方の切断面では、内部電極パターン層12aは露出せず、n層目で内部電極パターン層12aが露出していない方の切断面では、内部電極パターン層12aが露出する構成となる。
さらに、グリーンチップのC1切断面においては、全ての層で内部電極パターン層12aが露出する構成となる。
また、内部電極パターン層12aの形成方法としては、特に限定されず、印刷法、転写法の他、蒸着、スパッタリングなどの薄膜形成方法により形成されていてもよい。
また、内部電極パターン層12aの隙間32に段差吸収層20を形成してもよい。段差吸収層20を形成することで、グリーンシート10aの表面で内部電極パターン層12aによる段差がなくなり、最終的に得られるセラミック焼結体4の変形防止に寄与する。
段差吸収層20は、たとえば内部電極パターン層12aと同様にして、印刷法などで形成される。段差吸収層20は、グリーンシート10aと同様なセラミック粉末と有機ビヒクルを含むが、グリーンシート10aと異なり、印刷により形成されるために、印刷しやすいように調整してある。印刷法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷などが例示される。
グリーンチップは、固化乾燥により可塑剤が除去され固化される。固化乾燥後のグリーンチップは、メディアおよび研磨液とともに、バレル容器内に投入され、水平遠心バレル機などにより、バレル研磨される。バレル研磨後のグリーンチップは、水で洗浄され、乾燥される。乾燥後のグリーンチップに対して、脱バインダ工程、焼成工程、必要に応じて行われるアニール工程を行うことにより、素子本体3が得られる。
脱バインダ工程は、公知の条件とすればよく、たとえば、保持温度を200℃〜400℃とすればよい。
本実施形態において、焼成工程およびアニール工程は、還元雰囲気で行う。その他の焼成条件またはアニール条件は、公知の条件とすればよく、たとえば、焼成の保持温度は1000℃〜1300℃であり、アニールの保持温度は500℃〜1000℃である。
脱バインダ工程、焼成工程およびアニール工程は、連続して行なっても、独立して行なってもよい。
次に、上記素子本体3のX軸方向の両端面に、絶縁層用ペーストをスクリーン印刷で塗布し、焼き付けることにより、絶縁層16を形成し、図1および図2に示すセラミック焼結体4を得る。この絶縁層16により、絶縁性が高められるだけでなく、耐湿性も良好とされる。絶縁層用ペーストを塗布する場合には、ペーストが、素子本体3のX軸方向の両端面のみではなく、素子本体3のZ軸方向の両端面のX軸方向の両端部および/またはY軸方向の両端面のX軸方向の両端部にも塗布されるようにしてもよい。
絶縁層16をガラスで構成する場合には、この絶縁層用ペーストは、例えば上記したガラス原料と、エチルセルロースを主成分とするバインダと分散媒であるテルピネオール等とをミキサーで混練して得る。
本実施形態の絶縁層用ペーストの粘度は、30Pa・s〜120Pa・sであることが好ましい。これにより、θ1およびθ2を好ましい範囲にすることができ、耐熱衝撃性および固着強度が良好な積層セラミックコンデンサを得ることができる。上記の観点から、絶縁層用ペーストの粘度は30Pa・s〜120Pa・sであることがより好ましい。
絶縁層用ペーストの粘度は、分散媒であるテルピネオール等の量を変化させることで調整できる。
素子本体3への絶縁層16の形成方法は特に限定されないが、例えば、下記の方法が挙げられる。
まず、素子本体3のX軸方向の端面に、絶縁層用ペーストをスクリーン印刷で塗布し、乾燥させる。これが、第1絶縁層用ペースト塗布工程である。その後、素子本体3のX軸方向の中央部を樹脂などでマスキングする。
次に第2絶縁層用ペースト塗布工程として、X軸方向の中央部がマスキングされた素子本体3のX軸方向の端部をディップまたはスクリーン印刷により、再度塗布し、乾燥および脱バインダ処理を経て、焼き付けることにより、絶縁層16を形成して、セラミック焼結体4を得る。
焼き付け時に液状化した絶縁層用ペーストのガラス成分は、内側誘電体層10の端部から内部電極層12の端部までの空隙に毛細管現象により容易に入り込む。従って、絶縁層16により、上記空隙が確実に満たされ、絶縁性が高められるだけでなく、耐湿性も良好とされる。
上記のようにして得られたセラミック焼結体4のY軸方向の両端面および/またはZ軸方向の両端面に、必要に応じて、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施す。
次に、絶縁層16が焼き付けられたセラミック焼結体4のY軸方向の両端面に、外部電極用ペーストを塗布して焼き付けし、外部電極6,8を形成する。外部電極6,8の形成については、絶縁層16の形成後に行っても良く、絶縁層16の形成と同時に行ってもよいが、好ましくは、絶縁層16を形成した後が良い。
また、外部電極6,8の形成方法についても特に限定されず、外部電極用ペーストの塗布・焼き付け、ディップ・焼き付け、メッキ、蒸着、スパッタリングなどの適宜の方法を用いることができる。
そして、必要に応じ、外部電極6,8表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本実施形態の積層セラミックコンデンサ2は、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
従来は、誘電体層の一部をギャップ部としていたため、グリーンシートの表面のうち、焼成後にギャップ部となる部分には、X軸方向に沿って所定間隔で内部電極パターン層を形成しない余白パターンを形成していた。
これに対して、本実施形態では、内部電極パターン層はX軸方向に沿って連続して形成され、ギャップ部は、素子本体に絶縁層を形成することにより得られる。このため、ギャップ部を形成するための余白パターンを形成しない。したがって、従来の方法とは異なり、グリーンシートに平坦な内部電極パターン層の膜が形成される。このため、グリーンシートの面積当りのグリーンチップの取得個数が従来に比べて増加できる。
また、本実施形態では、従来と異なり、グリーン積層体の切断時に余白パターンを気にせずに済むため、従来に比べて、切断歩留まりが改善されている。
さらに、従来は、グリーンシートを積層すると、余白パターン部分は、内部電極パターン層が形成されている部分に比べて厚みが薄く、切断する際に、グリーンチップの切断面付近が湾曲してしまう問題があった。また、従来は内部電極パターン層の余白パターン部分近くに、盛り上がりが形成されるため、内部電極層に凹凸が生じ、これらを積層することで、内部電極またはグリーンシートが変形するおそれがあった。これに対して、本実施形態では、余白パターンを形成せず、内部電極パターン層の盛り上がりも形成されない。
さらに、本実施形態は、内部電極パターン層が平坦な膜であり、内部電極パターン層の盛り上がりが形成されず、また、ギャップ部付近において、内部電極パターン層の滲みやカスレが生じないため、取得容量を向上できる。この効果は、素子本体が小さければ小さいほど顕著である。
(第2実施形態)
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサは、絶縁層16のY軸方向の端部の山状部16bにおけるX軸方向の最大幅の部分を外部電極6,8が覆っていること必須としていること以外は、第1実施形態と同様であり、重複する説明は省略する。
本実施形態では、図2B、図2Cまたは図3Aに示すように、外部電極6,8のX軸方向の両端部は、絶縁層16のY軸方向の両端部の山状部におけるX軸方向の最大幅(Mt)の部分(頂点16b2)を覆っている。これにより、本実施形態の積層セラミックコンデンサは、固着強度が良好となる。
また、図3Aに示すように、素子本体3のY軸方向の端部から、絶縁層16のY軸方向の端部の山状部におけるX軸方向の最大幅(Mt)までのY軸方向に沿う長さをαとして、素子本体3のY軸方向の端部からの絶縁層16を覆う外部電極6,8のY軸方向に沿う被覆長さをβとする。
本実施形態では、α/βは、1/30≦α/β<1であることが好ましい。
1/30≦α/β<1の場合は、α/βが1/30より小さい場合に比べて、外部電極6,8の被覆長さが短く、外部電極6,8を覆うめっきの伸びによるショートの発生率を低くすることができる。
一方、1/30≦α/β<1の場合は、α/βが1以上の場合に比べて、外部電極6,8の被覆長さが長く、固着強度を良好にすることができる。
また、素子本体3のX軸方向端部から絶縁層16のX軸方向端部までの最大幅をMtとした場合、Mt/βは、1/30〜1/10であることが好ましい。これにより、耐熱衝撃性および固着強度を良好にすることができる。
(第3実施形態)
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサは、図2D,図2Eおよび図3Cに示すように、絶縁層16´は、X軸方向の端面(側面)の周縁に形成された山状部16b´および谷状部16c´からなり、平面部16cが観察されないこと以外は第1実施形態と同様であり、重複する説明は省略する。
本実施形態では、図3Cに示すように、絶縁層16´の谷状部16c´のうち、谷状部最小点16c1´を通り、X軸方向に対して垂直な方向に引かれる仮想線と、山状部16b´の第2内側所定位置16b1´での曲面の接線がなす角の角度をθ1´とした場合、θ1´は5°〜25°であることが好ましい。これにより、固着強度を良好にすることができる。なお、谷状部最小点16c1´は谷状部16c´のうち、絶縁層16のY軸方向の中央部分におけるX軸方向の最小幅の部分である。
また、本実施形態では、図3Cに示すように、谷状部最小点16c1´を通りX軸方向に対して垂直な方向に引かれる垂直仮想線と、山状部16b´の第2外側所定位置16b3´での曲面の接線がなす角の角度をθ2´とした場合、θ2´は5°〜25°であることが好ましい。これにより、耐熱衝撃性を良好にすることができる。
図3Cに示す場合における第2内側所定位置16b1´は以下に示す方法により決定する。まず、谷状部最小点16c1´および山状部16b´のうち山状部16b´の頂点16b2´を決定する。そして、Y軸方向座標が谷状部最小点16c1´および頂点16b2´の中間であり、山状部16b´または谷状部16c´の表面上にある点を第2内側所定位置16b1´とする。なお、本実施形態では、山状部16b´と谷状部16c´との境界は必ずしも明確ではない。
第2外側所定位置16b3´は垂直仮想線と山状部16b´の外側の曲面との交点である。
本実施形態の積層電子部品は、垂直仮想線と第1内側所定位置16b1´での曲面の接線がなす角の角度θ1´および垂直仮想線と山状部16b´の第1外側所定位置16b3´での曲面の接線がなす角の角度θ2´に特徴がある。この絶縁層16´の山状部16b´または谷状部16c´の角度θ1´,θ2´を所定の範囲内とすることによって、セラミック焼結体4と外部電極6,8の接着性を強固にし、電歪による素子本体3の変形を緩和するとともに、外部応力を緩和することができ、実装性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。たとえば、第1実施形態から第3実施形態のうち、複数の実施形態の特長を同時に備えていてもよい。
また、絶縁層は側面の周縁に形成された山状部を有することが全ての実施形態で共通しているが、山状部は側面の全周に形成されている必要はない。例えば図2F,図2Gに示すように側面の一部のみに山状部が形成されていてもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態では、平面部16cは必ずしもX軸方向に垂直でなくてもよく、傾いていてもよい。平面部16cが傾いている場合には、表面仮想線も傾くことになる。
さらに、第1実施形態および第2実施形態では、全ての切断面でθ1およびθ2が所定の範囲内となる必要はなく、第3実施形態では、全ての切断面でθ1´およびθ2´が所定の範囲内となる必要はない。例えば、第3実施形態では、図1のZ軸方向の中央部で切断して図2Dおよび図3Cを得ているが、Z軸方向のその他の箇所で切断する場合には、θ1´とθ2´とのいずれか一つ以上が特定の範囲外となる場合や、2つの山状部ができていない形状である場合などがある。
また、たとえば、内部電極パターン層12aは、図5A(a)、図5A(b)に示したパターンの他、図5Bに示すように、格子状の内部電極パターン層12aの隙間32を有するパターンであってもよい。
なお、第2実施形態のようにα/βを所定範囲内に制御する方法には特に制限はないが、例えばペーストのディップおよび印刷の厚みを変化させることで制御できる。第3実施形態のように平面部が存在しない態様は第2絶縁層ペーストのディップ及び印刷厚みを薄く変化させることにより得られる場合がある。また、図2F,図2Gに示すように一方にのみ山状部が存在する態様は断面の切り口を変化させることや、チップを傾けることや、第2絶縁層ペーストのディップ及び印刷を傾けることにより得られる場合がある。また、平面部が傾いている態様は、断面の切り口を変化させることや、チップを傾けることや、第2絶縁層ペーストのディップ及び印刷を傾けることにより得られる場合がある。
また、本発明の積層電子部品は、積層セラミックコンデンサに限らず、その他の積層電子部品に適用することが可能である。その他の積層電子部品としては、誘電体層が内部電極を介して積層される全ての電子部品であり、たとえばバンドパスフィルタ、チップインダクタ、積層三端子フィルタ、圧電素子、チップサーミスタ、チップバリスタ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品などが例示される。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
下記の通り、試料番号1〜試料番号7のコンデンサ試料を作製して、θ1およびθ2の測定ならびに耐熱衝撃性および固着強度の評価を行った。
まず、BaTiO系セラミック粉末:100重量部と、ポリビニルブチラール樹脂:10重量部と、可塑剤としてのジオクチルフタレート(DOP):5重量部と、溶媒としてのアルコール:100重量部とをボールミルで混合してペースト化し、内側グリーンシート用ペーストを得た。
また、上記とは別に、Ni粒子44.6重量部と、テルピネオール:52重量部と、エチルセルロース:3重量部と、ベンゾトリアゾール:0.4重量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極層用ペーストを作製した。
上記にて作製した内側グリーンシート用ペーストを用いて、PETフィルム上に、乾燥後の厚みが7μmとなるように内側グリーンシート10aを形成した。次いで、この上に内部電極層用ペーストを用いて、内部電極パターン層12aを所定パターンで印刷した後、PETフィルムからシートを剥離し、内部電極パターン層12aを有する内側グリーンシート10aを得た。
図4に示すように、内部電極パターン層12aを有する内側グリーンシート10aを積層して、内部積層体13aを製造した後に、内部積層体13aの上下に外側グリーンシート用ペーストを使用して、適宜の枚数の外側グリーンシート11aを形成し、積層方向に加圧接着してグリーン積層体を得た。外側グリーンシート用ペーストは、内側グリーンシート用ペーストと同様の方法により得た。
次に、図5A(a)、図5A(b)、図6A、図6Bに示すように、グリーン積層体をC1切断面およびC2切断面に沿って切断してグリーンチップを得た。
次に、得られたグリーンチップについて、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、素子本体3を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:60℃/時間、保持温度:260℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1000℃〜1200℃とし、温度保持時間を2時間とした。冷却速度は200℃/時間とした。なお、雰囲気ガスは、加湿したN+H混合ガスとした。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:500℃〜1000℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNガスとした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを使用した。
次に、BaO:14.4重量部、ZnO:12.0重量部、B:11.6重量部、CaO:3.6重量部、SiO:3.0重量部と、テルピネオール:5.0〜60.0重量部と、エチルセルロース:3重量部と、ベンゾトリアゾール:0.4重量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して表1に示す粘度の絶縁層用ペーストを調製した。本実施例の絶縁層用ペーストにより得られる絶縁層の軟化点は655℃であった。
また、試料番号1〜試料番号7の各試料毎に、テルピネオールの量を変化させることにより、絶縁層用ペーストの粘度を変化させた。
絶縁層用ペーストの粘度はレオメーター(BROOKFIELD社製、RVDV−II+P CP)を用いて測定した。なお、25℃条件下でせん断速度10sec−1における粘度を測定した。
素子本体3のX軸方向の端面に、絶縁層用ペーストを膜厚が20μmになるようにスクリーン印刷で塗布した(第1絶縁層用ペースト塗布工程)。
次に、180℃で乾燥して、アクリル樹脂を絶縁層表面に印刷し、マスキングを行った後、第1絶縁層用ペースト塗布工程で用いた絶縁層用ペーストと同じ絶縁層用ペーストにて、表1に示す膜厚でスクリーン印刷を行った(第2絶縁層用ペースト塗布工程)。得られたチップについて、180℃で乾燥して、ベルトコンベア炉を用いて、脱バインダ処理、焼き付けを行い、素子本体3に絶縁層16を形成してセラミック焼結体4を得た。絶縁層用ペーストの脱バインダ処理、焼き付け条件は以下の通りとした。
脱バインダ処理
昇温速度:1000℃/時間
保持温度:500℃
温度保持時間:0.25時間
雰囲気:空気中
焼き付け
昇温速度:700℃/時間
保持温度:700℃〜1000℃
温度保持時間:0.5時間
雰囲気:加湿したNガス
得られたセラミック焼結体4のY軸方向の端面をバレル処理により研磨した。
次に、平均粒径0.4μmの球状のCu粒子とフレーク状のCu粉の混合物100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂5重量部をブチルカルビトール95重量部に溶解したもの)30重量部、およびブチルカルビトール6重量部とを混練し、ペースト化した外部電極用ペーストを得た。
得られた外部電極用ペーストをセラミック焼結体4のY軸方向の端面にディップにより10〜15μmの膜厚で転写し、N雰囲気で850℃にて10分間焼成して外部電極6,8を形成し、外部電極6,8にめっきにより被覆層を形成して、積層セラミックコンデンサ2を得た。
上記のようにして製造したコンデンサ試料(積層セラミックコンデンサ2)のサイズは、3.2×2.5×1.5mmであり、内側誘電体層10は10層であった。なお、内側誘電体層10の厚みは5.0μmであり、内部電極層12の厚みは約1.2μmであった。
得られたコンデンサ試料を下記の方法で測定または評価した。
<θ1、θ2>
コンデンサ試料がZ軸方向の端面を下にして立つように樹脂埋めを行い、他方の端面を積層セラミックコンデンサ2のZ軸方向に沿って研磨し、素子本体3のZ軸方向の高さが、1/2H0となる研磨断面を得た。次に、この研磨断面に対しイオンミリングを行い、研磨によるダレを除去した。このようにして、観察用の断面を得た。
次に、観察用の断面において、図3Aに示すθ1およびθ2を測定した。具体的には、三角比から角度を算出した。1つの試料について絶縁層16の隅の4箇所でθ1およびθ2を測定した。この作業をコンデンサ試料30個に対して行い、合計120箇所のθ1とθ2のそれぞれの平均を求めた。結果を表2に示す。ただし、絶縁層が欠損している箇所についてはカウントしなかった。
なお、幅の測定には、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製VHXマイクロスコープ)を使用し、5000倍レンズで観察および測定を行った。また、第1内側所定位置および第1外側所定位置については目視にて特定した。
<耐熱衝撃性>
コンデンサ試料100個について、250℃の溶融はんだに10cm/secの速度で浸漬し、10秒後、10cm/secにて引き上げ、これを10回繰り返した後、絶縁抵抗を測定して、ショート不良率を調べた。結果を表2に示す。250℃でのショート不良率が0%である場合を良好であると判断した。
<固着強度>
図7に示すように、コンデンサ試料102を回路基板104に実装した状態で、超硬の加圧治具106をコンデンサ試料102のX軸方向の端面に向けて30mm/minの速度で移動させて、加圧治具106により、矢印P1方向からコンデンサ試料102を加圧した。このとき、10Nの荷重でコンデンサ試料102が破壊するか否かによって固着強度を評価した。コンデンサ試料100個について試験を行い、コンデンサ不良率を求めた。結果を表2に示す。評価基準としては、5%未満をより良好、5%以上15%以下を良好とした。なお、本実施例に係るコンデンサ試料102の内部構造は、図1および図2に示す積層セラミックコンデンサ2と同様である。
Figure 2017059820
Figure 2017059820
θ1が2.0°よりも大きく、30.0°よりも小さく、θ2が4.0°よりも大きく、32.0°よりも小さい場合(試料番号2〜試料番号5)は、θ1が2.0°の場合(試料番号1)に比べて、固着強度が良好であることが確認できた。
試料番号1は絶縁層の山状部が薄い形状となってしまうために、その部分が外部応力に対して耐えられず、固着強度不良が出たと考えられる。
また、θ1が2.0°よりも大きく、30.0°よりも小さく、θ2が4.0°よりも大きく、32.0°よりも小さい場合(試料番号2〜試料番号5)は、θ2が32.0°よりも大きい場合(試料番号6、試料番号7)に比べて、耐熱衝撃性が良好であることが確認できた。
試料番号6および試料番号7は、絶縁層の山状部が大きく出ている形状であり、外部電極が絶縁層のギャップ部を抑え込みにくい。そのために、熱衝撃に耐えることができず、クラックが発生したと考えられる。
実施例2
第2絶縁層用ペースト塗布工程の印刷膜厚を10μmとして、外部電極用ペーストをセラミック焼結体4のY軸方向の端面にディップにより転写した際のディップ膜厚を表3に記載のものに変えた以外は実施例1の試料番号4と同様にして試料番号8〜試料番号17のコンデンサ試料を作製して、α/βの測定ならびに耐熱衝撃性、固着強度およびショート不良率の評価を行った。結果を表3に示す。
なお、試料番号8〜試料番号17で用いた絶縁層用ペーストの組成は、BaO:14.4重量部、ZnO:12.0重量部、B:11.6重量部、CaO:3.6重量部、SiO:3.0重量部と、テルピネオール:52重量部、エチルセルロース:3重量部、ベンゾトリアゾール:0.4重量部であった。
また、試料番号8〜試料番号17の耐熱衝撃性および固着強度の評価は実施例1と同様に行った。α/βの測定方法とショート不良率の評価方法は後述の通りである。なお、試料番号8〜試料番号17のθ1は24.5°であり、θ2は23.5°であった。
<α/β>
コンデンサ試料を用意し、θ1、θ2の測定の場合と同様にして、観察用の断面を得た。
次に、観察用の断面において、図3Aに示すαおよびβを測定した。1つの試料について絶縁層16の隅の4箇所でαとβを測定し、この作業をコンデンサ試料30個に対して行い、αとβでそれぞれ合計120箇所の測定を行い、平均のαおよびβを求めて、α/βを算出した。結果を表3に示す。ただし、絶縁層が欠損している箇所についてはカウントしなかった。また、試料番号8〜試料番号17のいずれの試料も平均のαは6μmであった。
なお、αおよびβの測定には、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製VHXマイクロスコープ)を使用し、5000倍レンズで観察および測定を行った。
<ショート不良率>
コンデンサ試料の抵抗値を絶縁抵抗計(HEWLETT PACKARD社製E2377A)により測定し、抵抗値が100kΩ以下になったサンプルを、ショート不良と判定した。100個のコンデンサ試料に対して上記の測定を行い、ショート不良を起こしたコンデンサ試料の比率を、ショート不良率とした。ショート不良率は、好ましくは15%以下とした。
Figure 2017059820
α/βが1/40より大きく、1より小さい場合(試料番号10〜試料番号14)は、α/βが1/40以下の場合(試料番号8、試料番号9)に比べて、ショート不良率が良好であることが確認できた。
試料番号8および試料番号9は、外部電極を被覆し過ぎたことにより、外部電極を覆うめっきの伸びにより、一方の外部電極と他方の外部電極の間で導通が発生し易くなり、ショート不良率が増大したと考えられる。
また、α/βが1/40より大きく、1より小さい場合(試料番号10〜試料番号14)は、α/βが1以上の場合(試料番号15〜試料番号17)に比べて、固着強度が良好であった。
以上のように、本発明に係る積層電子部品は、小型高容量で使用されることが多いノートパソコンやスマートフォンに用いる電子部品として有用である。
2,102… 積層セラミックコンデンサ
3… 素子本体
4… セラミック焼結体
6… 第1外部電極
8… 第2外部電極
10… 内側誘電体層
10a… 内側グリーンシート
11… 外装領域
11a… 外側グリーンシート
12… 内部電極層
12A,12B… 引出部
12a… 内部電極パターン層
13… 内装領域
13a… 内部積層体
14… 容量領域
15A,15B…引出領域
16… 絶縁層
16a… 絶縁層延長部
16b… 山状部
16b1… 第1所定位置
16b2… 頂点
16b3… 第2所定位置
16c… 平面部
16c1… 平面端部
20… 段差吸収層
32… 内部電極パターン層の隙間
104… 基板
106… 加圧治具

Claims (4)

  1. 第1軸および第2軸を含む平面に実質的に平行な内部電極層と誘電体層とが第3軸の方向に沿って交互に積層された素子本体を備える積層電子部品であって、
    前記素子本体の前記第1軸の方向に相互に向き合う一対の側面にそれぞれ絶縁層が備えられており、
    前記素子本体の前記第2軸の方向に相互に向き合う一対の端面に、前記内部電極層と電気的に接続される外部電極がそれぞれ備えられており、
    前記絶縁層は前記側面の周縁に形成された山状部と、前記側面の中央部分の平面部とを有し、
    前記絶縁層の前記平面部の表面に沿う表面仮想線と、前記山状部の第1内側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ1とし、
    前記絶縁層の前記平面部の表面に沿う表面仮想線と、前記山状部の第1外側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ2とした場合、
    θ1が5°〜25°であり、
    θ2が5°〜25°であるであることを特徴とする積層電子部品。
  2. 第1軸および第2軸を含む平面に実質的に平行な内部電極層と誘電体層とが第3軸の方向に沿って交互に積層された素子本体を備える積層電子部品であって、
    前記素子本体の前記第1軸の方向に相互に向き合う一対の側面にそれぞれ絶縁層が備えられており、
    前記素子本体の前記第2軸の方向に相互に向き合う一対の端面に、前記内部電極層と電気的に接続される外部電極がそれぞれ備えられており、
    前記絶縁層は前記側面の周縁に形成された山状部と、前記側面の中央部分の平面部とを有し、
    前記絶縁層の前記第2軸方向の端部の前記山状部における前記第1軸方向の最大幅の部分を前記外部電極が覆っていることを特徴とする積層電子部品。
  3. 前記素子本体の前記第2軸方向の端部から、前記絶縁層の前記第2軸方向の端部の前記山状部における前記第1軸方向の最大幅までの前記第2軸方向に沿う長さをαとして、
    前記素子本体の前記第2軸方向の端部からの前記絶縁層を覆う前記外部電極の前記第2軸方向に沿う被覆長さをβとした場合、
    α/βは、1/30≦α/β<1である請求項2に記載の積層電子部品。
  4. 第1軸および第2軸を含む平面に実質的に平行な内部電極層と誘電体層とが第3軸の方向に沿って交互に積層された素子本体を備える積層電子部品であって、
    前記素子本体の前記第1軸の方向に相互に向き合う一対の側面にそれぞれ絶縁層が備えられており、
    前記素子本体の前記第2軸の方向に相互に向き合う一対の端面に、前記内部電極層と電気的に接続される外部電極がそれぞれ備えられており、
    前記絶縁層は前記側面の周縁に形成された山状部と前記側面の中央部分の谷状部とを有し、
    前記絶縁層の前記第1軸に垂直な垂直仮想線と、前記山状部の第2内側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ1´とし、
    前記絶縁層の前記第1軸に垂直な垂直仮想線と、前記山状部の第2外側所定位置での曲面の接線がなす角の角度をθ2´とした場合、
    θ1´が5°〜25°であり、
    θ2´が5°〜25°であるであることを特徴とする積層電子部品。
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