JP2017057937A - 変速機の変速操作機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】シフトフィーリングを改善させるカウンタウェイトと、セレクト操作に対してカウンタウェイトを非連動とするための空振り機構とを備えた変速機の変速操作機構において、空振り機構の作動不良を防止する。【解決手段】変速機の変速操作機構10に、コントロールロッド50に軸方向に相対移動可能に嵌合され、セレクト操作に連動してシフトフィンガ80と共に軸方向に移動するスリーブ部材60と、シフト操作時におけるコントロールロッド50の回動に対しては、シフトフィンガ80の回動を連動させ、セレクト操作時におけるスリーブ部材60及びシフトフィンガ80の軸方向移動に対しては、コントロールロッド50を非連動とするように、シフトフィンガ80をコントロールロッド50に係合させる係合機構52,84と、を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される変速機の変速操作機構に関し、車両用動力伝達技術の分野に属する。
一般に、自動車用の手動変速機は、クラッチを介してエンジンの出力軸に連結されたエンジン側のシャフトと、このシャフトに平行に配置され、差動装置を介して駆動輪に連結された駆動輪側のシャフトとを有する。これら両シャフト間には、複数の前進用ギヤ列と通常は1つのリバース用ギヤ列とが設けられる。そして、運転者のチェンジレバーの操作により、変速操作機構を介して1つのギヤ列が動力伝達状態とされる。
特許文献1に開示されているように、この種の手動変速機の変速操作機構には、コントロールロッドが設けられることがある。特許文献1の変速操作機構において、コントロールロッドは、変速機ケースを貫通して上下方向に延びるように配設されており、チェンジレバーのセレクト操作及びシフト操作に連動してコントロールロッドが軸方向移動及び回動を行うことにより、いずれか1つのギヤ列が動力伝達状態とされる。
この種の変速操作機構において、チェンジレバーのセレクト操作を伝達するセレクトケーブルが連結されたセレクトアウタレバーと、チェンジレバーのシフト操作を伝達するシフトケーブルが連結されたシフトアウタレバーとが、変速機ケースの上方に配設されることがある。
この場合、セレクトアウタレバーは、水平方向に延びる支持軸に揺動可能に支持されると共に、一端側においてセレクトケーブルを介してチェンジレバーに接続され、他端側においてコントロールロッドに係合される。また、シフトアウタレバーは、コントロールロッドの上端部に固定されると共に、シフトケーブルを介してチェンジレバーに接続される。そして、チェンジレバーがセレクト操作されれば、これに連動して支持軸周りに揺動するセレクトアウタレバーによってコントロールロッドが上下に軸方向移動されることにより、シフトロッドやシフトフォーク等でなる複数のシフトイン機構のいずれか1つがコントロールロッドに固設されたシフトフィンガに係合され、その状態で、チェンジレバーがシフト操作されれば、これに連動してシフトアウタレバーと共にコントロールロッドがその軸心周りに回動され、選択的に係合されたシフトイン機構がコントロールロッドの回動方向に応じて作動し、これにより、所望のギヤ列が動力伝達状態とされる。
ところで、チェンジレバーのシフト操作力がシフトケーブルを介してコントロールロッドに伝達される構成では、ケーブルを介在させずにシフト操作力が伝達される構成に比べて、シフトフィーリングが悪くなる傾向がある。
そこで、特許文献1の変速操作機構には、シフトフィーリングの改善を図るためのカウンタウェイトが設けられている。該カウンタウェイトは、シフトアウタレバーの下側近傍においてコントロールロッドに回動自在及び軸方向に相対移動自在に嵌合された状態で変速機ケース上に支持された嵌合支持部と、該嵌合支持部から径方向外側に延びる一対のアーム部と、各アーム部の先端に設けられた錘部とを備えている。また、該カウンタウェイトには、一方のアーム部から上方に突出した係合ピンが固定されており、該係合ピンは、コントロールロッドに平行に延びるように配置され、シフトアウタレバーに設けられた貫通穴に挿通されている。
そして、シフト操作に連動して、シフトアウタレバーと共にコントロールロッドがその軸心周りに回動するとき、シフトアウタレバーによって係合ピンが周方向に押し動かされることで、カウンタウェイトは、水平面上でコントロールロッドと一体的に回動する。これにより生じるカウンタウェイトの慣性を利用したシフトインが行われることで、シフト操作力が軽減されると共にスムーズなシフトインが実現されて、シフトフィーリングが改善する。
このようなカウンタウェイトを設けた場合、上記のようにシフトフィーリングが改善する一方で、セレクト操作時にコントロールロッドと共にカウンタウェイトが上下動すると、セレクトフィーリングが悪化する問題がある。
そこで、特許文献1の変速操作機構では、コントロールロッドのセレクト動作に対してカウンタウェイトを非連動とするための空振り機構が設けられている。この空振り機構は、上述したカウンタウェイトの係合ピンとシフトアウタレバーの貫通穴とで構成されており、セレクト操作に連動してコントロールロッドと共にシフトアウタレバーが上下動するとき、シフトアウタレバーの貫通穴がカウンタウェイトの係合ピンに沿って移動することで、貫通穴に対して係合ピンが空振りするようになっている。このような空振り機構の作用により、カウンタウェイトは、セレクト操作時にコントロールロッドやシフトアウタレバーの上下動に連動することなく静止状態に維持される。これにより、カウンタウェイトの重量によってセレクト操作力が増減することが防止されるため、カウンタウェイトを設けることによるセレクトフィーリングの悪化が防止される。
特開2012−067885号公報
しかしながら、特許文献1の変速操作機構では、空振り機構を構成する貫通穴がシフトアウタレバーに設けられており、該シフトアウタレバーは、必ず変速機ケースの外側においてケーブルを介してチェンジレバーに接続されるため、空振り機構が変速機ケースの外側に配置されることになる。そのため、空振り機構を構成する貫通穴の周縁部や係合ピンに泥水や埃等が付着する可能性がある。
したがって、貫通穴の内周と係合ピンの外周との間に泥水等の異物が入り込むことで、貫通穴に対する係合ピンの摺動抵抗が増大してセレクトフィーリングが悪化したり、異物の噛み込みや凍結によって、セレクト操作時に空振り機構が機能しなくなってコントロールロッドと共にカウンタウェイトが上下動したりする懸念がある。
そこで、本発明は、シフトフィーリングを改善させるカウンタウェイトと、セレクト操作に対してカウンタウェイトを非連動とするための空振り機構とを備えた変速機の変速操作機構において、空振り機構の作動不良を防止することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る変速機の変速操作機構は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
シフト操作に連動して回動するコントロールロッドと、シフト操作時に該コントロールロッドと共に回動するカウンタウェイトと、前記コントロールロッドに設けられ、該コントロールロッドの軸方向に移動することで複数のシフトイン機構のいずれか1つに選択的に係合し、前記コントロールロッドの軸心周りに回動することで前記係合されたシフトイン機構を作動させるシフトフィンガとを備えた変速機の変速操作機構であって、
前記コントロールロッドに軸方向に相対移動可能に嵌合され、セレクト操作に連動して前記シフトフィンガと共に軸方向に移動するスリーブ部材と、
シフト操作時における前記コントロールロッドの回動に対しては、前記シフトフィンガの回動を連動させ、セレクト操作時における前記スリーブ部材及び前記シフトフィンガの軸方向移動に対しては、前記コントロールロッドを非連動とするように、前記シフトフィンガを前記コントロールロッドに係合させる係合機構と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明に係る変速機の変速操作機構は、前記請求項1に記載の発明において、
変速機ケースの外側に、セレクト操作に連動して回動するセレクトアウタレバーが配設されており、
前記スリーブ部材は、前記セレクトアウタレバーの回動に連動して軸方向移動するように該セレクトアウタレバーに係合されていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明に係る変速機の変速操作機構は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記係合機構は、
前記コントロールロッドから径方向外側に突出したピンと、
前記ピンに係合され、前記シフトフィンガ又は前記スリーブ部材に軸方向に延びるように形成されたスリット又は溝と、を備えていることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、セレクト操作時に、コントロールロッドに嵌合されたスリーブ部材と、係合機構を介してコントロールロッドに係合されたシフトフィンガとが軸方向に移動することで、該シフトフィンガが所定のシフトイン機構に係合し、この状態でシフト操作が行われると、コントロールロッドの回動に連動してシフトフィンガが回動することで、該シフトフィンガに係合されたシフトイン機構が作動して、所望の変速段にシフトインされる。このシフト操作時において、コントロールロッドと共にカウンタウェイトが回動することで、この回動により生じるカウンタウェイトの慣性を利用して、シフト操作力が軽減されると共にスムーズなシフトインが実現されて、シフトフィーリングが改善する。
シフトフィンガをコントロールロッドに係合させる上記の係合機構は、セレクト操作時において、前記スリーブ部材及びシフトフィンガの軸方向移動に対してコントロールロッドを非連動とするいわゆる空振り機構として機能する。そのため、セレクト操作時において、コントロールロッド及びカウンタウェイトを静止状態に維持することができ、これにより、カウンタウェイトが軸方向移動することによるセレクトフィーリングの悪化が防止される。
そして、上記の空振り機構として機能する係合機構は、変速機ケース内においてシフトフィンガ又はその周辺部に設けることができるため、変速機ケースの外側に空振り機構が配設される従来技術に比べて、泥水や埃等の異物が空振り機構の構成部品に付着することを抑制できる。したがって、異物が入り込むことによってセレクト操作時の摺動抵抗が増大する不具合や、異物の噛み込みや凍結によって空振り機構が機能できなくなる不具合を防止することができる。よって、空振り機構によるセレクトフィーリング改善機能を確実に果たすことができる。
また、空振り機構が変速機ケース内に設けられることにより、空振り機構を異物等から保護するためのカバー部材を変速機ケースの外側に取り付けなくてもよい。そのため、部品点数及び組立工数を低減できると共に、変速機のコンパクト化ひいては車両搭載性の向上を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、変速機ケースの外側に配設されたセレクトアウタレバーの係合相手は、コントロールロッドではなく、その外側に嵌合されたスリーブ部材であり、該スリーブ部材はコントロールロッドに対して軸方向に相対移動可能であるため、セレクト操作に連動してセレクトアウタレバーが回動するとき、スリーブ部材のみが軸方向に移動し、コントロールロッド及びカウンタウェイトを静止状態に維持できる。そのため、カウンタウェイトの重量によってセレクト操作力が増減することが防止されるため、カウンタウェイトを設けることによるセレクトフィーリングの悪化が防止される。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、シフト操作時には、コントロールロッドから径方向外側に突出したピンがコントロールロッドと共に回動し、これによって、シフトフィンガ又はスリーブ部材に形成されたスリット又は溝の側壁が前記ピンによって周方向に押し込まれることで、シフトフィンガがスリーブ部材と共に回動して、シフトインが行われる。このとき、カウンタウェイトがコントロールロッドと共に回動することで、良好なシフトフィーリングが得られる。また、セレクト操作に連動してシフトフィンガ及びスリーブ部材が軸方向に移動するとき、軸方向に延びる前記スリット又は溝内で前記ピンが空振りするため、該ピンと共にコントロールロッド及びカウンタウェイトを静止状態に維持でき、これにより、セレクトフィーリングの悪化が防止される。
本発明の第1実施形態に係る変速機の変速操作機構を側方から見た断面図である。 セレクトアウタレバーとスリーブ部材との係合部を示す図1のA−A線断面図である。 スリーブ部材及びその周辺部を示す図1のB矢視図である。 シフトフィンガ及びその周辺部を示す図1のC−C線断面図である。 インターロック規制部材を示す斜視図である。 図1と同じ方向から見たブラケットの側面図である。 セレクト動作の一例を示す図1と同様の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る変速機の変速操作機構を側方から見た断面図である。 セレクトアウタレバーとスリーブ部材との係合部を示す図8のD−D線断面図である。 スリーブ部材及びその周辺部を示す図8のE矢視図である。 シフトフィンガ及びその周辺部を示す図8のF−F線断面図である。 シフト動作の一例を示す図11と同様の断面図である。 セレクト動作の一例を示す図8と同様の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1〜図7を参照しながら、第1実施形態に係る変速機の変速操作機構10について説明する。図1は、変速操作機構10を側方から見た断面図、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、図1のB矢視図、図4は、図1のC−C線断面図、図5は、後述のインターロック規制部材70を示す斜視図、図6は、後述のブラケット90を示す側面図、図7は、変速操作機構10のセレクト動作の一例を示す図1と同様の断面図である。
図1に示すように、変速操作機構10は、例えば前輪駆動式の車両に搭載される横置き式の手動変速機に設けられたものであり、該手動変速機は、例えば前進6段、後退1段の変速段を有する。
変速操作機構10は、セレクトケーブル(図示せず)及びシフトケーブル(図示せず)を介してチェンジレバー(図示せず)に連絡されており、チェンジレバーの操作に連動して動作するようになっている。また、変速操作機構10は、例えば、予め組み立てられた状態で変速機ケース2に取り付けられるカセット式のものであり、変速機ケース2の上面部2aには、変速操作機構10を取り付けるための例えば円形の開口部4が設けられている。
変速機ケース2内には、複数のシフトロッド100,112,134,156が互いに平行に例えば水平方向に延びるように配置されている。具体的に、これらのシフトロッドは、リバース用のシフトイン機構を構成するリバースシフトロッド100、1速及び2速用のシフトイン機構を構成する1−2速シフトロッド112、3速及び4速用のシフトイン機構を構成する3−4速シフトロッド134、5速及び6速用のシフトイン機構を構成する5−6速シフトロッド156である。
各シフトロッド100,112,134,156には、フォークゲート160,161,162,163が取り付けられており、これらのフォークゲート160〜163の先端部は、上下方向に並べて配置されている。具体的には、上から、リバースシフトロッド100に取り付けられたリバースフォークゲート160、1−2速シフトロッド112に取り付けられた1−2速フォークゲート161、3−4速シフトロッド134に取り付けられた3−4速フォークゲート162、5−6速シフトロッド156に取り付けられた5−6速フォークゲート163の順で並べられている。
上記のシフトイン機構は、変速操作機構10によって選択的に作動可能である。シフトイン機構が作動すると、対応するフォークゲート160〜163と共に、これに対応するシフトフォーク(図示せず)が、該シフトフォークが設けられたシフトロッド100,112,134,156と共に又は該シフトロッド100,112,134,156上を軸方向に移動する。これにより、前進変速段の場合は、例えば同期装置(図示せず)が作動することで所望の前進変速段へのシフトインが実現され、後退変速段の場合は、例えば選択摺動機構(図示せず)が作動することで後退変速段へのシフトインが実現される。
変速操作機構10は、変速機ケース2の上面部2aを貫通して上下方向に延びるコントロールロッド50と、上面部2aの開口部4を塞ぐ蓋部材12とを備えている。
コントロールロッド50は、後述の構成によって、チェンジレバーのセレクト操作に対しては非連動とされ、シフト操作には連動して軸心周りに矢印D2方向に回動する。
図1及び図2に示すように、蓋部材12は、変速機ケース2の上面部2aに沿って配置されるベースプレート部14と、ベースプレート部14から上方に膨出したハウジング部15とを備えている。
ベースプレート部14は、開口部4に対応した形状を有し、例えば円形とされている。ベースプレート部14は、開口部4を上側から塞ぐように変速機ケース2上に配置されており、ベースプレート部14の周縁部は、例えばボルト42によって変速機ケース2の上面部2aに固定されている。
ハウジング部15は、上下方向に延びる筒状部16を有し、該筒状部16は、コントロールロッド50の一部を取り囲むように配置されている。図1に示すように、筒状部16の下端側は開放されているが、筒状部16の上端開口は上面部16aによって塞がれている。
上面部16aには、コントロールロッド50が挿通される貫通穴16bが設けられている。コントロールロッド50の外周面と貫通穴16bの内周面との間には、例えばゴムからなるシール部材49が介装されており、これにより、変速機ケース2内のオイルが筒状部16内を通って外部へ漏れ出ることが防止される。上面部16aの下側には、コントロールロッド50の外周面に装着されたスナップリング54が配置されており、該スナップリング54が上面部16aに干渉することにより、コントロールロッド50の上方への抜け止めが果たされている。
図2に示すように、ハウジング部15は、筒状部16から側方に膨出した膨出部17と、該膨出部17の側面から外側に突出したボス部18とを更に備えている。膨出部17には、後述のセレクトアウタレバー20の駆動レバー部26が収容されており、ボス部18は、後述するセレクトアウタレバー20の支持軸21を回転可能に支持している。
図1に示すように、コントロールロッド50の下端側は、変速機ケース2において上面部2aよりも下側に設けられた水平面部2bを貫通しており、コントロールロッド50の下端部は、水平面部2bに設けられた貫通穴6の内側に、軸受部材8を介して回転可能に嵌合されている。軸受部材8としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材8の内周面に対するコントロールロッド50の回転抵抗が軽減されている。
さらに、変速操作機構10は、チェンジレバーのセレクト操作に連動して回動するセレクトアウタレバー20と、チェンジレバーのシフト操作に連動して回動するシフトアウタレバー30と、シフト操作時にコントロールロッド50と共に回動することでシフトフィーリングを向上させるカウンタウェイト40とを備えている。
セレクトアウタレバー20、シフトアウタレバー30及びカウンタウェイト40は、変速機ケース2の上面部2aの上方に配設されている。
シフトアウタレバー30は、水平方向に延びるように配置されている。シフトアウタレバー30の一端部には、コントロールロッド50の外側に嵌合された筒状の嵌合部32が設けられている。嵌合部32は、蓋部材12の上面部16aの上側に配置されており、例えば、コントロールロッド50と嵌合部32に跨がって径方向に差し込まれたスプリングピン33によって、コントロールロッド50の上端部に固定されている。
シフトアウタレバー30は、嵌合部32からコントロールロッド50の径方向外側に延びるように配置されている。シフトアウタレバー30には、例えばその長さ方向中間部において、前記シフトケーブルが接続されるケーブルピン35が例えば溶接によって固定されている。ケーブルピン35は、シフトアウタレバー30から上方に突出して、コントロールロッド50に平行な方向に延びるように配置されている。
カウンタウェイト40は、シフトアウタレバー30の先端部に設けられている。カウンタウェイト40は、例えば溶接によりシフトアウタレバー30の上面に接合されている。ただし、カウンタウェイト40は、シフトアウタレバー30と一体に設けられてもよい。
カウンタウェイト40は、シフトアウタレバー30を介してコントロールロッド50に固定されており、シフトアウタレバー30は、カウンタウェイト40を支持するアーム部として機能するようになっている。これにより、カウンタウェイト専用のアーム部が廃止されることで、部品点数及び組立工数の削減が図られると共に、変速操作機構10における変速機ケース2の外側への突出部分のコンパクト化が図られ、これにより、手動変速機の車両搭載性が向上する。
チェンジレバーがシフト操作されると、シフトアウタレバー30は、コントロールロッド50と共に該コントロールロッド50の軸心周りに回動する。このとき、カウンタウェイト40も、シフトアウタレバー30及びコントロールロッド50と共に回動し、これによって生じたカウンタウェイト40の慣性を利用して、シフト操作力が軽減されると共にスムーズなシフトインが実現されて、シフトフィーリングが向上する。
図1〜図3に示すように、セレクトアウタレバー20は、水平方向に延びる支持軸21と、支持軸21の一端部から径方向に延びる操作レバー部24と、支持軸21の他端部から径方向に延びる駆動レバー部26とを備えている。
支持軸21は、蓋部材12のボス部18に軸受部材46を介して回転可能に支持されている。軸受部材46としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材46の内周面に対する支持軸21の回転抵抗が軽減されている。また、支持軸21の外周面とボス部18の内周面との間には、例えばゴムからなるシール部材47が介装されており、これにより、変速機ケース2内のオイルがボス部18内を通って外部へ漏れ出ることが防止される。
操作レバー部24の基端部には、支持軸21の外側に嵌合された筒状の嵌合部22が設けられている。嵌合部22は、例えば、支持軸21と嵌合部22に跨がって径方向に差し込まれたスプリングピン23によって支持軸21に固定されている。操作レバー部24の先端部には、前記セレクトケーブルが接続されるケーブルピン25が設けられている。ケーブルピン25は、支持軸21に平行に延びるように配置されている。
駆動レバー部26は、膨出部17の内部空間から筒状部16の内部空間に跨がって配置されている。駆動レバー部26の先端部27は、例えば円形とされ、筒状部16内に配置されている。
また、変速操作機構10は、セレクトアウタレバー20に係合されるスリーブ部材60を備えている。スリーブ部材60は、コントロールロッド50の外側に嵌合され、上下方向に延びるように配置されている。スリーブ部材60の内周面とコントロールロッド50の外周面との間には一対の軸受部材64,66が介装されており、スリーブ部材60は、コントロールロッド50に対して相対的に軸方向移動自在且つ回動自在とされている。軸受部材64,66としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材64,66の内周面に対するコントロールロッド50の摺動抵抗及び回転抵抗が軽減されている。
スリーブ部材60は、変速機ケース2の上面部2aを貫通して上下方向に延びるように配置されており、上面部2aよりも上側に突出した部分は、蓋部材12の筒状部16内に収容されている。スリーブ部材60の外周面と筒状部16の内周面との間には軸受部材48が介装されている。軸受部材48としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材48の内周面に対するスリーブ部材60の摺動抵抗が軽減されている。
スリーブ部材60の周壁には、セレクトアウタレバー20に係合される係合部62が設けられている。係合部62は、スリーブ部材60の上端近傍部に設けられている。係合部62は、例えば水平方向に延びる溝状に形成されている。係合部62には、セレクトアウタレバー20における駆動レバー部26の先端部27が嵌まり込んでいる。このようにして係合部62に係合されたセレクトアウタレバー20の先端部27は、係合部62の上下一対の側壁に挟み込まれており、これらの側壁に案内されることで係合部62の長さ方向に沿って相対移動可能とされている。
なお、係合部62は、必ずしも溝状でなくてもよく、スリーブ部材60の周壁を貫通する貫通穴であってもよい。
上記のようにセレクトアウタレバー20がスリーブ部材60に係合されていることにより、チェンジレバーのセレクト操作に連動してセレクトアウタレバー20が支持軸21の軸心周りに回動すると、これによって上下に揺動するセレクトアウタレバー20の先端部27によって上方又は下方に押し込まれることで、スリーブ部材60が上下方向、すなわち軸方向D1に移動する。
また、変速操作機構10は、スリーブ部材60の下側においてコントロールロッド50に嵌合されたインターロック規制部材70を備えている。
図1及び図5に示すように、インターロック規制部材70は、コントロールロッド50が挿通される貫通穴71a,72aをそれぞれ有する上下一対の水平プレート部71,72と、これらの水平プレート部71,72間を繋ぐ縦壁部73,74とを備えている。
各水平プレート部71,72は、例えば概ね矩形とされ、各水平プレート部71,72周縁部には、例えばコ字形の切り欠き71b,72bが形成されている。これらの切り欠き71b、72bは、上下に並ぶように配置されている。縦壁部73,74は一対設けられており、これらの縦壁部73,74は、切り欠き71b、72bを挟んだ周方向の両側に分かれて配置されている。各縦壁部73,74の上端は、上側の水平プレート部71の周縁に一体に連なっており、下端は、下側の水平プレート部72の周縁に一体に連なっている。
上側の水平プレート部71における縦壁部73,74とは反対側の縁部には、下側に突出する上側爪部75が設けられ、下側の水平プレート部72における縦壁部73,74とは反対側の縁部には、上側に突出する下側爪部75が設けられている。
以上のように構成されたインターロック規制部材70は、側面視においてC字形の全体形状を有する。インターロック規制部材70は、その上側の水平プレート部72においてスリーブ部材60の下端部に例えば溶接により接合されており、これにより、スリーブ部材60と一体に動作するようになっている。したがって、セレクト操作時において、インターロック規制部材70は、スリーブ部材60と共に軸方向D1に移動される。なお、インターロック規制部材70は、スリーブ部材60と一体に形成されてもよい。
さらに、図1及び図3に示すように、変速操作機構10は、上記のフォークゲート160〜163に選択的に係合するシフトフィンガ80を備えている。シフトフィンガ80は、スリーブ部材60よりも下側においてコントロールロッド50の外側に遊嵌された筒状部材である。
シフトフィンガ80は、インターロック規制部材70の上下の水平プレート部71,72間に配置されており、これらの水平プレート部71,72間に挟み込まれることで軸方向D1に位置決めされている。したがって、セレクト操作時において、シフトフィンガ80は、スリーブ部材60に連動して軸方向D1に移動する。
図3及び図4に示すように、シフトフィンガ80には、該シフトフィンガ80を厚み方向に貫通するスリット84が設けられている。スリット84は、軸方向D1に延びるように形成されている。
スリット84には、コントロールロッド50から径方向外側に突出したピン52が係合されている。ピン52は、中実の棒状部材であり、径方向外側からの打ち込みによってコントロールロッド50に固定されている。ピン52は、スリット84を通ってシフトフィンガ80を径方向に貫通しており、ピン52の先端はシフトフィンガ80の外周面よりも外側に配置されている。ピン52は、スリット84の側壁によって周方向D2の移動が規制されると共に、スリット84に沿って軸方向D1に相対移動可能となっている。
なお、スリット84は、上端と下端が閉じたスロット状に形成されているが、上方又は下方に開放するように形成されてもよい。また、ピン52は、シフトフィンガ80を貫通しなくてもよく、ピン52の先端は、シフトフィンガ80の厚み方向中間部に配置されてもよい。この場合、シフトフィンガ80を厚み方向に貫通するスリット84に代えて、軸方向D1に延びる溝をシフトフィンガ80の内周面に形成して、該溝にピン52を係合させてもよい。
上記のようなスリット84とピン52とを有する係合機構を介してコントロールロッド50にシフトフィンガ80が係合されていることにより、シフト操作に連動してコントロールロッド50が回動するとき、コントロールロッド50のピン52によってスリット84の側壁が周方向に押し込まれることで、シフトフィンガ80は矢印D2方向に回動する。
一方、セレクト操作に連動してスリーブ部材60及びインターロック規制部材70と共にシフトフィンガ80が軸方向D1に移動するとき、コントロールロッド50のピン52は、スリット84に沿って軸方向D1に相対移動するのみであり、シフトフィンガ80に対して空振りすることになる(図1及び図7参照)。したがって、セレクト操作時において、コントロールロッド50は、スリーブ部材60及びシフトフィンガ80の軸方向移動に連動することなく、静止状態に維持される。これにより、コントロールロッド50に固定されたカウンタウェイト40も、セレクト操作時に静止状態に維持され、カウンタウェイト40が上下方向に移動することによるセレクトフィーリングの悪化が防止される。
図1及び図4に示すように、シフトフィンガ80の外周面の一部はカム面86とされており、該カム面86には、ブラケット90を介して蓋部材12に固定された押圧部材95が押圧されている。押圧部材95には弾性部材97が内蔵されており、該弾性部材97の弾性力がカム面86に加えられる。
カム面86には、シフト方向D2の位置(一方のシフト完了位置、中立位置、他方のシフト完了位置)に応じて押圧部材95が選択的に係合される3つの凹部が周方向に並設されると共に、各凹部は上下方向に延びる溝状に形成され、各凹部の底部には、セレクト方向の中立状態において押圧部材95に当接する最深部から上方に向かって浅くなるような傾斜と、前記最深部から下方に向かうに従って浅くなるような傾斜とが形成されている。これにより、カム面86と押圧部材95は、セレクト操作によって上方又は下方に軸方向移動したスリーブ部材60、インターロック規制部材70及びシフトフィンガ80をセレクト方向D1の中立位置へ戻そうとする力を発生させるセレクトリターン機能と、コントロールロッド50をシフト方向の所定位置に位置決めするディテント機能とを有する。
押圧部材95は、インターロック規制部材70の一対の縦壁部73,74間に挟み込まれるように配置されている。そのため、シフト操作に連動してコントロールロッド50が回動するとき、押圧部材95に一方の縦壁部73,74が干渉することで、インターロック規制部材70及びこれに接合されたスリーブ部材60の回動が規制される。
なお、図6に示すように、ブラケット90には、シフトフィンガ80の外周面に対向配置されたガイドプレート93が一体に設けられており、該ガイドプレート93においてシフトパターンに対応して形成されたガイド穴93aに、シフトフィンガ80の外周面に突設されたガイドピン88が挿通されている(図4参照)。これにより、セレクト操作時及びシフト操作時に、ガイドプレート93のガイド穴93aに沿ってガイドピン88を案内するガイド機能が果たされる。
図1及び図4に示すように、シフトフィンガ80には、該シフトフィンガ80の外周面から径方向外側に延びるフィンガ部82が設けられている。フィンガ部82は、軸方向D1においてインターロック規制部材70の上側及び下側爪部75,76の先端部間に配置されている。
セレクト操作に連動してスリーブ部材60及びインターロック規制部材70と共にシフトフィンガ80が軸方向移動すると、コントロールロッド50に沿って上下に並べて配設された上記のフォークゲート160〜163のうち、セレクト操作により選択されたセレクト位置に対応するフォークゲート160〜163の先端に設けられた係合凹部170に、フィンガ部82が係合する(図1及び図7参照)。このとき、フィンガ部82に係合されていないフォークゲート160〜163には、インターロック規制部材70の上側又は下側爪部75,76が係合される。
この状態で更にシフト操作が行われると、コントロールロッド50と共にシフトフィンガ80が回動することで、フィンガ部82に係合されたフォークゲート160〜163がシフトロッド100,112,134,156の軸方向D3(図4参照)に移動される。これによって、対応するシフトイン機構が作動することで、シフト操作により選択された変速段での動力伝達状態が実現される。
このとき、シフトフィンガ80に係合されていないフォークゲート160〜163は、インターロック規制部材70の爪部75,76との係合によってシフトロッド100,112,134,156の軸方向D3(図4参照)への移動が規制されるため、複数のシフトイン機構が同時に作動することが防止され、これにより、変速機構のインターロックが回避される。
以上で説明した変速操作機構10によれば、セレクト操作時におけるスリーブ部材60及びシフトフィンガ80の軸方向移動に対してコントロールロッド50を非連動とするいわゆる空振り機構が、シフトフィンガ80のスリット84と、該スリット84に係合されたコントロールロッド50のピン52とで構成されている。ピン52及びスリット84はいずれも変速機ケース2内に収容されているため、ピン52の外周面やスリット84の内周面に泥水や埃等の異物が付着することを防止できる。
したがって、ピン52とスリット84間の係合部に異物が入り込むことによってセレクト操作時の摺動抵抗が増大する不具合や、異物の噛み込みや凍結によって空振り機構が機能できなくなる不具合を防止することができる。よって、空振り機構によるセレクトフィーリング改善機能を確実に果たすことができる。
また、変速機ケース2内に空振り機構が設けられることにより、空振り機構を異物等から保護するためのカバー部材を変速機ケース2の外側に取り付けなくてもよい。そのため、部品点数及び組立工数を低減できると共に、手動変速機のコンパクト化ひいては車両搭載性の向上を図ることができる。
さらに、コントロールロッド50は軸方向D1に動かされることがないため、コントロールロッド50における蓋部材12の上面部16aの上側に露出した部分に付着した異物が、コントロールロッド50の下方への移動によって蓋部材12の内部や変速機ケース2の内部に入り込むことを防止でき、これによって、変速操作機構10の各種軸受部や係合部での異物の噛み込みを防止できる。
[第2実施形態]
続いて、図8〜図13を参照しながら、第2実施形態に係る変速操作機構210について説明する。
図8は、変速操作機構210を側方から見た断面図、図9は、図8のD−D線断面図、図10は、図8のE矢視図、図11は、図8のF−F線断面図、図12は、変速操作機構210のシフト動作の一例を示す図11と同様の断面図、図13は、変速操作機構210のセレクト動作の一例を示す図8と同様の断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図8〜図13において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
図8に示すように、変速操作機構210は、第1実施形態と同様に変速機ケース2に取り付けられるカセット式のものである。変速機ケース2内には、第1実施形態と同様、複数のシフトロッド100,112,134,156と、これらに対応するフォークゲート160,161,162,163が設けられている。
変速操作機構210は、第1実施形態と同様のコントロールロッド50、蓋部材12、セレクトアウタレバー20、シフトアウタレバー30、及びカウンタウェイト40を備えている。
チェンジレバーのセレクト操作に対して、コントロールロッド50は非連動とされる。したがって、セレクト操作時において、コントロールロッド50とこれに固定されたカウンタウェイト40は静止状態に維持される。一方、チェンジレバーがシフト操作されると、シフトアウタレバー30と共に、コントロールロッド50がその軸心周りに矢印D2方向に回動する。このとき、カウンタウェイト40も、シフトアウタレバー30及びコントロールロッド50と共に回動し、これによって生じたカウンタウェイト40の慣性を利用して、シフト操作力が軽減されると共にスムーズなシフトインが実現されて、シフトフィーリングが向上する。
また、変速操作機構210は、第1実施形態と同様にセレクトアウタレバー20に係合されたスリーブ部材260を備えている。スリーブ部材260は、コントロールロッド50の外側に嵌合され、上下方向に延びるように配置されている。スリーブ部材260の内周面とコントロールロッド50の外周面との間には一対の軸受部材266,268が介装されており、スリーブ部材260は、コントロールロッド50に対して相対的に軸方向移動自在且つ回動自在とされている。軸受部材266,268としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材266,268の内周面に対するコントロールロッド50の摺動抵抗及び回転抵抗が軽減されている。
スリーブ部材260は、大径部261と、これよりも小さな外径を有する小径部262とを有する。小径部262は、大径部261の下側に一体に連なっている。大径部261と小径部262は、同一の内径を有し、小径部262の内周面は、大径部261の内周面に連続している。
スリーブ部材260の大径部261は、変速機ケース2の上面部2aを貫通して上下方向に延びるように配置されており、上面部2aよりも上側に突出した部分は、蓋部材12の筒状部16内に収容されている。大径部261の外周面と筒状部16の内周面との間には軸受部材248が介装されている。軸受部材248としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材248の内周面に対する大径部261の摺動抵抗及び回転抵抗が軽減されている。
大径部261の周壁には、セレクトアウタレバー20に係合される係合部263が設けられている。係合部263は、大径部261の上端近傍部に設けられている。
図9及び図10に示すように、係合部263は、例えば水平方向に延びる溝状に形成されている。係合部263には、セレクトアウタレバー20における駆動レバー部26の先端部27が嵌まり込んでいる。このようにして係合部263に係合されたセレクトアウタレバー20の先端部27は、係合部263の上下一対の側壁に挟み込まれており、これらの側壁に案内されることで係合部263の長さ方向に沿って相対移動可能とされている。
図9に示すように、係合部263の溝底は、コントロールロッド50の軸心よりも駆動レバー部26の長さ方向基端側に位置する第1傾斜面部263aと、コントロールロッド50の軸心よりも駆動レバー部26の長さ方向先端側に位置する第2傾斜面部263bとを有する。第1傾斜面部263aは、駆動レバー部26の長さ方向基端側に向かって次第に駆動レバー部26から遠ざかるように傾斜しており、第2傾斜面部263bは、駆動レバー部26の長さ方向先端側に向かって次第に駆動レバー部26から遠ざかるように傾斜している。これにより、コントロールロッド50の軸心周りにスリーブ部材260が回動したときに、駆動レバー部26が第1傾斜面部263a及び第2傾斜面部263b、すなわち係合部263の溝底に干渉することが回避される。
なお、係合部263は、必ずしも溝状でなくてもよく、スリーブ部材260の大径部261の周壁を貫通する貫通穴であってもよい。
上記のようにセレクトアウタレバー20がスリーブ部材260に係合されていることにより、チェンジレバーのセレクト操作に連動してセレクトアウタレバー20が支持軸21の軸心周りに回動すると、これによって上下に揺動するセレクトアウタレバー20の先端部27によって上方又は下方に押し込まれることで、スリーブ部材260が上下方向、すなわち軸方向D1に移動する。
図8及び図10に示すように、スリーブ部材260には、上記のフォークゲート160〜163に選択的に係合するシフトフィンガ280が固定されている。シフトフィンガ280は、スリーブ部材260に固定されていることにより、セレクト操作時において、スリーブ部材260と共に軸方向D1に移動する。シフトフィンガ280は、スリーブ部材260の小径部262の外側に嵌合された筒状部材であり、例えば溶接によって小径部262に固定されている。シフトフィンガ280は、小径部262に嵌合されていることにより、仮に大径部261に嵌合される場合に比べてコンパクトに形成され得る。なお、シフトフィンガ280は、スリーブ部材260と一体に形成されてもよい。
スリーブ部材260には、該スリーブ部材260を厚み方向に貫通するスリット264が設けられている。スリット264は、軸方向D1に延びるように形成されている。スリット264は、例えば、スリーブ部材260における小径部262の上端部に設けられ、シフトフィンガ280よりも上側に配置されている。
スリット264には、コントロールロッド50から径方向外側に突出したピン252が係合されている。ピン252は、中実の棒状部材であり、径方向外側からの打ち込みによってコントロールロッド50に固定されている。ピン252は、スリット264を通ってスリーブ部材260の小径部262を径方向に貫通しており、ピン252の先端は小径部262の外周面よりも外側に配置されている。ピン252は、スリット264の側壁によって周方向D2の移動が規制されると共に、スリット264に沿って軸方向D1に相対移動可能となっている。
なお、スリット264は、上端と下端が閉じたスロット状に形成されているが、上方又は下方に開放するように形成されてもよい。また、ピン252は、小径部262を貫通しなくてもよく、ピン252の先端は、小径部262の厚み方向中間部に配置されてもよい。この場合、スリーブ部材260の小径部262を厚み方向に貫通するスリット264に代えて、軸方向D1に延びる溝をスリーブ部材260の内周面に形成して、該溝にピン252を係合させてもよい。
上記のようなスリット264とピン252とを有する係合機構を介してコントロールロッド50にスリーブ部材260が係合されていることにより、シフト操作に連動してコントロールロッド50が回動するとき、コントロールロッド50のピン252によってスリット264の側壁が周方向に押し込まれることで、スリーブ部材260及びこれに固定されたシフトフィンガ280は矢印D2方向に回動する。
一方、セレクト操作に連動してスリーブ部材260と共にシフトフィンガ280が軸方向D1に移動するとき、コントロールロッド50のピン252は、スリット264に沿って軸方向D1に相対移動するのみであり、スリーブ部材260に対して空振りすることになる(図8及び図13参照)。したがって、セレクト操作時において、コントロールロッド50は、スリーブ部材260及びシフトフィンガ280の軸方向移動に連動することなく、静止状態に維持される。これにより、コントロールロッド50に固定されたカウンタウェイト40も、セレクト操作時に静止状態に維持され、カウンタウェイト40が上下方向に移動することによるセレクトフィーリングの悪化が防止される。
シフトフィンガ280は、第1実施形態と同様のカム面86を備えており、該カム面86と、該カム面86に押圧される押圧部材95とは、第1実施形態と同様のセレクトリターン機能及びディテント機能を有する。
図10及び図11に示すように、シフトフィンガ280は、第1実施形態と同様のフィンガ部82を備えている。また、シフトフィンガ280には、該シフトフィンガ280を厚み方向に貫通する一対の貫通穴284,285が設けられている。これらの貫通穴284,285は、フィンガ部82の周方向一方側及び他方側にそれぞれ隣接して配置されている。
セレクト操作に連動してスリーブ部材260と共にシフトフィンガ280が軸方向移動すると、コントロールロッド50に沿って上下に並べて配設された上記のフォークゲート160〜163のうち、セレクト操作により選択されたセレクト位置に対応するフォークゲート162にフィンガ部82が係合する(図8参照)。このとき、フィンガ部82に係合されたフォークゲート162(図8参照)の先端部は、シフトフィンガ280の貫通穴284,285に対向配置され(図11参照)、その他のフォークゲート160,161,163は、シフトフィンガ280における貫通穴284,285が設けられていない部分の外周面に近接して対向配置される。
この状態で更にシフト操作が行われると、コントロールロッド50と共にシフトフィンガ280が回動することで、フィンガ部82に係合されたフォークゲート162(図8参照)が対応するシフトロッド134の軸方向D3(図11及び図12参照)に移動される。これによって、対応するシフトイン機構が作動することで、シフト操作により選択された変速段での動力伝達状態が実現される。
このとき、図12に示すように、フィンガ部82に係合されたフォークゲート162(図8参照)は、フィンガ部82の周方向に隣接するいずれか一方の貫通穴284内に入り込むことで、シフトフィンガ280の外周面との干渉が回避される。一方、その他のフォークゲート160,161,163は、シフトフィンガ280の外周面との干渉によってシフトロッド100,112,156の軸方向D3(図4参照)への移動が規制されるため、複数のシフトイン機構が同時に作動することが防止される。これにより、第2実施形態では、第1実施形態で用いられたインターロック規制部材70(図1等参照)を省略しつつ、変速機構のインターロックを防止できる。
以上で説明した変速操作機構210によれば、セレクト操作時におけるスリーブ部材260及びシフトフィンガ280の軸方向移動に対してコントロールロッド50を非連動とするいわゆる空振り機構が、スリーブ部材260のスリット264と、該スリット264に係合されたコントロールロッド50のピン252とで構成されている。ピン252及びスリット264はいずれも変速機ケース2内に収容されているため、ピン252の外周面やスリット264の内周面に泥水や埃等の異物が付着することを防止できる。
したがって、ピン252とスリット264間の係合部に異物が入り込むことによってセレクト操作時の摺動抵抗が増大する不具合や、異物の噛み込みや凍結によって空振り機構が機能できなくなる不具合を防止することができる。よって、空振り機構によるセレクトフィーリング改善機能を確実に果たすことができる。
また、変速機ケース2内に空振り機構が設けられることにより、空振り機構を異物等から保護するためのカバー部材を変速機ケース2の外側に取り付けなくてもよい。そのため、部品点数及び組立工数を低減できると共に、手動変速機のコンパクト化ひいては車両搭載性の向上を図ることができる。
さらに、コントロールロッド50は軸方向D1に動かされることがないため、コントロールロッド50における蓋部材12の上面部16aの上側に露出した部分に付着した異物が、コントロールロッド50の下方への移動によって蓋部材12の内部や変速機ケース2の内部に入り込むことを防止でき、これによって、変速操作機構210の各種軸受部や係合部での異物の噛み込みを防止できる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の第1実施形態では、スリーブ部材60、インターロック規制部材70及びシフトフィンガ80が互いに別の部品で構成される例を説明し、第2実施形態では、シフトフィンガ280にインターロック防止機能を持たせることでインターロック規制部材を省略して、該シフトフィンガ280とスリーブ部材260の2部品を用いる例を説明したが、本発明では、スリーブ部材にフィンガ部を一体に設けることでシフトフィンガを省略したり、スリーブ部材にインターロック防止機能を持たせることでインターロック規制部材を省略したり、スリーブ部材にフィンガ部を一体に設けると共にインターロック防止機能を持たせることでシフトフィンガとインターロック規制部材を省略したりしてもよい。
また、上述の第1実施形態では、シフトフィンガ80にスリット84が設けられる例を説明し、第2実施形態では、シフトフィンガ280よりも上方においてスリーブ部材260にスリット264が設けられる例を説明したが、本発明では、シフトフィンガよりも下方においてスリーブ部材又はこれに固定された別部材にスリット又は溝が設けられてもよい。
以上のように、本発明によれば、セレクト操作に対してカウンタウェイトを非連動とするための空振り機構を備えた変速機の変速操作機構において、空振り機構の作動不良を防止することが可能となるから、この種の変速操作機構を備えた手動変速機の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
2 変速機ケース
10 変速操作機構
12 蓋部材
20 セレクトアウタレバー
30 シフトアウタレバー
40 カウンタウェイト
50 コントロールロッド
52 ピン
60 スリーブ部材
70 インターロック規制部材
80 シフトフィンガ
84 スリット
82 フィンガ部
90 ブラケット
93 ガイドプレート
160〜163 フォークゲート
100,112,134,156 シフトロッド
210 変速操作機構
252 ピン
260 スリーブ部材
261 大径部
262 小径部
264 スリット
280 シフトフィンガ

Claims (3)

  1. シフト操作に連動して回動するコントロールロッドと、シフト操作時に該コントロールロッドと共に回動するカウンタウェイトと、前記コントロールロッドに設けられ、該コントロールロッドの軸方向に移動することで複数のシフトイン機構のいずれか1つに選択的に係合し、前記コントロールロッドの軸心周りに回動することで前記係合されたシフトイン機構を作動させるシフトフィンガとを備えた変速機の変速操作機構であって、
    前記コントロールロッドに軸方向に相対移動可能に嵌合され、セレクト操作に連動して前記シフトフィンガと共に軸方向に移動するスリーブ部材と、
    シフト操作時における前記コントロールロッドの回動に対しては、前記シフトフィンガの回動を連動させ、セレクト操作時における前記スリーブ部材及び前記シフトフィンガの軸方向移動に対しては、前記コントロールロッドを非連動とするように、前記シフトフィンガを前記コントロールロッドに係合させる係合機構と、を備えていることを特徴とする変速機の変速操作機構。
  2. 変速機ケースの外側に、セレクト操作に連動して回動するセレクトアウタレバーが配設されており、
    前記スリーブ部材は、前記セレクトアウタレバーの回動に連動して軸方向移動するように該セレクトアウタレバーに係合されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の変速操作機構。
  3. 前記係合機構は、
    前記コントロールロッドから径方向外側に突出したピンと、
    前記ピンに係合され、前記シフトフィンガ又は前記スリーブ部材に軸方向に延びるように形成されたスリット又は溝と、を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機の変速操作機構。
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