JP2017050039A - 電子材料基板用洗浄液 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄後に基板上に残留するパーティクルや有機物などの洗浄残渣を低減し、高記録密度化で要求される清浄度の高い電子材料基板用洗浄液を提供する。
【解決手段】水溶性アミン(A)を含む電子材料基板用洗浄液であって、該洗浄液の25℃におけるpHが10.5〜11.6であり、かつ条件式(1)を満たすことを特徴とする電子材料基板用洗浄液。
(水溶性アミン濃度+0.61)/洗浄液のpH≧0.059 (1)
[水溶性アミン濃度:洗浄液の重量に基づく水溶性アミン(A)の含有量(重量%)]
【選択図】なし

Description

本発明は、電子材料基板用洗浄液及び電子材料基板用洗浄液を用いた電子材料基板の製造方法に関するものである。
電子材料、とりわけ磁気ディスクは、年々小型化、高容量化の一途をたどっており、磁気ヘッドの浮上量もますます小さくなってきている。そのため、磁気ディスク基板の製造工程で、砥粒や研磨屑等の残留のない基板が求められている。
磁気ディスク製造工程には、平坦化した基板を作成する工程であるサブストレート工程(1)と、磁性層を基板にスパッタする工程であるメディア工程(2)を含む。
このうち、サブストレート工程(1)では、基板の平坦化のために砥粒を含むスラリーによる研磨を行い、その後、スラリーおよび発生した研磨屑等のパーティクルや有機物をリンスして洗い流し、さらに、リンスで取り除けなかったパーティクルや有機物を基板を浸漬して洗浄する第1の洗浄工程と、基板にブラシを回転させながら接触させて洗浄する第2の洗浄工程とを含む洗浄工程で洗浄して完全に除去する。
一方、磁性層を基板にスパッタする工程であるメディア工程(2)では、搬送時や保管時に付着した異物を除去するためにスパッタリング前に第1の洗浄工程と第2の洗浄工程とを含む洗浄工程で洗浄する。
近年の磁気ディスクのますますの高容量化に伴って、基板の清浄度がこれまで以上に求められるようになり、従来の洗浄剤を用いた洗浄方法よりも高性能な洗浄方法が必要になってきている。磁気ディスクの厳しい高記録密度化を達成するためには、従来よりも微細なサイズのパーティクルの残留を減らす必要が出てきている。特にアルミ基板は、近年のクラウドコンピューティングの発展に伴い、1枚あたり1TB以上の基板が求められている。そのため、パーティクルや有機物の残留を従来以上に減らす必要がある。
そのため、パーティクルや有機物等の異物に対する洗浄性を向上させた洗浄剤が提案されている。例えば、特定の非イオン性界面活性剤、水溶性アミン化合物および水を含有する磁気ディスク基板用の洗浄剤が提案されている(特許文献1)。また、アルカリ成分、アルドン酸類、水を含有し、pHが10以上である磁気ディスクガラス基板用の洗浄方法が提案されている(特許文献2)。
特開2009−084509号公報 特開2010−086563号公報
しかしながら、上記特許文献1、2の洗浄剤は、第2の洗浄工程で使用された場合、パーティクルや有機物の残留量が多く、近年求められている高い清浄度を達成するには不十分である。
また、洗浄残渣は磁気ディスク基板の高容量化を妨げる要因となる可能性が高く、今後の洗浄剤は、基板製造工程の最終洗浄工程である第2の洗浄工程においては特に、パーティクルや有機物を基板から剥離するだけでなく、磁気ディスクへの付着を防止できる洗浄が求められる。
そこで、従来よりも磁気ディスク上に残留したパーティクルや有機物の残渣を低減できる電子材料基板用洗浄液を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、水溶性アミン(A)を含む電子材料基板用洗浄液であって、該洗浄液の25℃におけるpHが10.5〜11.6であり、かつ条件式(1)を満たすことを特徴とする電子材料基板用洗浄液である。
(水溶性アミン濃度+0.61)/洗浄液のpH≧0.059 (1)
[水溶性アミン濃度:洗浄液の重量に基づく水溶性アミン(A)の含有量(重量%)]
本発明の電子材料基板用洗浄液は、製造工程において問題となる基板や研磨粒子から発生する微細なサイズのパーティクルや有機物の残渣低減効果に優れる。
そのため、磁気ディスク等の高記録密度化で要求される清浄度が高い電子材料基板を提供することができる。
本発明における電子材料基板とは、製造工程中に洗浄工程に用いられる電子材料基板であれば特に限定するものではない。
例えば、(1)表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされた磁気ディスク用アルミ基板および磁気ディスク用ガラス基板等の磁気ディスク用基板、(2)半導体素子及びシリコンウェハ等用の半導体基板、(3)SiC基板、GaAs基板、GaN基板、AlGaAs基板等の化合物半導体基板、(4)LED等用のサファイヤ基板等が挙げられる。
これらのうち、洗浄性の観点で好ましくは磁気ディスク用基板であり、具体的に表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされた磁気ディスク用アルミ基板、および磁気ディスク用ガラス基板である。
本発明における洗浄液は、水溶性アミン(A)を含む電子材料基板用洗浄液であって、該洗浄液の25℃におけるpHが10.5〜11.6であり、かつ条件式(1)を満たすことを特徴とする電子材料基板用洗浄液である。
(水溶性アミン濃度+0.61)/洗浄液のpH≧0.059 (1)
[水溶性アミン濃度:洗浄液の重量に基づく水溶性アミン(A)の含有量(重量%)]
本発明における25℃における洗浄液のpHは、10.5〜11.6であり、洗浄性の観点から、好ましくは10.6〜11.5、更に好ましくは10.7〜11.4である。
<pHの測定方法>
本発明におけるpHは、100倍希釈した洗浄液を25℃に調整し、pHメーター(株式会社堀場製作所製、F−71)を用いて測定される。
本発明の洗浄液は、条件式(1)を満たす洗浄液である。
(水溶性アミン濃度+0.61)/洗浄液のpH≧0.059 (1)
[水溶性アミン濃度:洗浄液の重量に基づく水溶性アミン(A)の含有量(重量%)]
本発明の洗浄液が、条件式(1)から外れる場合には、清浄度の高い電子材料基板が得られない。さらに、Ni−Pメッキを施した基板に対する適度なエッチング性及びパーティクルに対する洗浄性の観点から、条件式(2)を満たす洗浄剤が好ましく、条件式(3)を満たす洗浄剤がさらに好ましい。
1.0>(水溶性アミン濃度+0.61)/洗浄液のpH≧0.059 (2)
0.8>(水溶性アミン濃度+0.61)/洗浄液のpH≧0.059 (3)
本発明の電子材料基板用洗浄液は、研磨速度向上の観点から、水溶性アミン(A)を含有する。尚、本発明において、水溶性アミンの「水溶性」とは、水に対して2g/100ml以上の溶解度を有することをいい、水溶性アミン(A)としては、炭素数1〜36の脂肪族アミン(A−1)、炭素数1〜23のアルカノールアミン(A−2)及びこれらの混合物が挙げられる。
(A−1)としては、炭素数1〜12のアルキルアミン、炭素数2〜6のアルキレンジアミン、炭素数4〜6の環状アミン、炭素数5〜10のアミジン化合物及びポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルキルアミンとしては、炭素数1〜6のモノアルキルアミン[メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン及びヘキシルアミン等]並びに炭素数2〜12のジアルキルアミン[ジメチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、ブチルメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン及びジヘキシルアミン等]等が挙げられる。
炭素数2〜6のアルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
炭素数4〜6の環状アミンとしては、ピペリジン、ピペラジン、キヌクリジン及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等が挙げられる。
炭素数5〜10のアミジン化合物としては、DBU及びDBN等が挙げられる。
ポリ(n=2〜5)アルキレンポリ(n=3〜7)アミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンヘプタミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン及びペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。
(A−2)としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−(アミノエチル)エタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加物及びヒドロキシルアミン等が挙げられる。
(A)のうち、洗浄性の観点から、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(アミノエチル)エタノールアミン、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加物及びこれらの混合物が好ましく、更に好ましくはN−(アミノエチル)エタノールアミン、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加物及びこれらの混合物である。
本発明の洗浄液には水溶性アミン(A)以外に、水、キレート剤(B)、界面活性剤(C)、pH調整剤(D)、ハイドロトロープ剤(E)および防腐剤(F)等を配合してもよい。
洗浄液に使用される水としては、超純水、イオン交換水、RO水及び蒸留水等が挙げられ、清浄度の観点から超純水及びイオン交換水が好ましい。
キレート剤(B)としては、ホスホン酸基を分子内に有するキレート剤(B1)およびカルボン酸基を分子内に有するキレート剤(B2)及びその他のキレート剤(B3)が挙げられる。
ホスホン酸基を分子内に有するキレート剤(B1)としては、メチルジホスホン酸(塩)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(塩)、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸(塩)(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(塩)(NTMP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリアミノトリエチルアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トランス−1、2−シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、グリコールエーテルジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)及びテトラエチレンペンタミンヘプタ(メチレンホスホン酸)(塩)、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、トリポリリン酸(塩)及びヘキサメタリン酸(塩)等が挙げられる。
カルボン酸基を分子内に有するキレート剤(B2)としては、水酸基を有するヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩(B21)と水酸基を有しないカルボン酸及び/又はその塩(B12)がある。ヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩(B21)としては、クエン酸(塩)、乳酸(塩)、没食子酸(塩)等が挙げられる。水酸基を有しないカルボン酸及び/又はその塩(B22)としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)(塩)、ヒドロキシエチル−イミノ二酢酸(HIDA)(塩)、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸(DCTA)(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)(塩)、ニトリロ三酢酸(NTA)(塩)、β−アラニンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸ジ酢酸(塩)、メチルグリシンジ酢酸(塩)、イミノジコハク酸(塩)、セリンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸(塩)及びグルタミン酸(塩)、ピロメリット酸(塩)、ベンゾポリカルボン酸(塩)、シクロペンタンテトラカルボン酸(塩)等、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、マレイン酸誘導体、シュウ酸(塩)、マロン酸(塩)、コハク酸(塩)、グルタル酸(塩)、アジピン酸(塩)等が挙げられる。
その他のキレート剤(B3)としては、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−エタンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−プロパンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,3−プロパンジアミン及びN,N’−ビス(サリチリデン)−1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
キレート剤(B)のうちで、洗浄性向上の観点から好ましいのは、ホスホン酸基を分子内に有するキレート剤(B1)およびカルボン酸基を分子内に有するキレート剤(B2)であり、更に好ましいのは、クエン酸(塩)、EDTA(塩)、DTPA(塩)、HIDA(塩)、NTA(塩)、NTMP(塩)、HEDP(塩)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(塩)、ピロリン酸(塩)等である。特に好ましいのは、HEDP(塩)、NTMP(塩)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(塩)、クエン酸(塩)、DTPA(塩)、及びHIDA(塩)である。
界面活性剤(C)としては、ノニオン性界面活性剤(C1)及びアニオン性界面活性剤(C2)等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(C1)としては、アルキレンオキサイド付加型ノニオン性界面活性剤及び多価アルコール型ノニオン界面活性剤等が挙げられる。アルキレンオキサイド付加型ノニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜18のアルコールアルキレンオキサイド1〜30モル付加物、炭素数1〜12のアルキルフェノールエチレンオキサイド1〜30モル付加物、炭素数8〜18の脂肪酸エチレンオキサイド1〜30モル付加物、ポリプロピレングリコール(分子量200〜4000)エチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
多価アルコール型ノニオン界面活性剤としては、グリセリンの脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル並びにラウリン酸モノエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。具体例としては、炭素数12のアルコールエチレンオキサイド9モル付加物、グリセリンモノオレート、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド30モル付加物、等が挙げられる。
アニオン界面活性剤(C2)としては、スルホン酸型界面活性剤[炭素数8のアルコールのスルホコハク酸ジエステル(塩)、ドデシルベンゼンスルホン酸(塩)等]、硫酸エステル型界面活性剤[炭素数14のアルコールエチレンオキサイド3モル付加物硫酸エステル(塩)、炭素数8のアルコールエチレンオキサイド2モル付加物硫酸エステル(塩)、炭素数12〜13のアルコールの硫酸エステル(塩)等]、脂肪酸型界面活性剤(炭素数10の脂肪酸(塩)等)、リン酸エステル型界面活性剤[炭素数8のアルコールのリン酸モノエステル(塩)等]、高分子型アニオン性界面活性剤[ポリカルボン酸、ポリスチレンスルホン酸、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/(メタ)アクリル酸共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/(メタ)アクリル酸/アクリルアミド共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ジメチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等並びにこれらの塩、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート硫酸エステル}、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート硫酸エステル共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}の硫酸エステル化物等並びにこれらの塩、ポリ{(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸}、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸共重合体、ナフタレンホスホン酸ホルムアルデヒド縮合物等並びにこれらの塩、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル}、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}のリン酸エステル化物並びにこれらの塩、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸−イタコン酸共重合体、(メタ)アクリル酸−フマル酸共重合体、(メタ)アクリル酸/酢酸ビニル共重合体及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}のカルボキシメチル化物、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、安息香酸ホルムアルデヒド縮合物、安息香酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物及びこれらの塩等]等が挙げられる。アニオン性界面活性剤のうち好ましいのは、パーティクルの再付着防止の観点から高分子型アニオン性界面活性剤である。高分子型アニオン性界面活性剤を使用する場合は、必要によりさらにスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、脂肪酸型界面活性剤及びリン酸エステル型界面活性剤から選ばれる1種以上を併用してもよい。
pH調整剤(D)として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
ハイドロトロープ剤(E)として、パラトルエンスルホン酸塩、安息香酸塩等が挙げられる。
防腐剤(F)として、市販の防腐剤を使用することができる。
水溶性アミン(A)の濃度は、洗浄性の観点から、実使用時における洗浄液の重量に基づいて、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.005〜5重量%、特に好ましくは0.01〜3重量%である。
キレート剤(B)の濃度は、洗浄性の観点から、実使用時における洗浄液の重量に基づいて、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.01〜2重量%である。
界面活性剤(C)の濃度は、洗浄性の観点から、実使用時における洗浄液の重量に基づいて、好ましくは0.0001〜5重量%、更に好ましくは0.001〜2重量%である。
pH調整剤(D)の濃度は、洗浄性の観点から、実使用時における洗浄液の重量に基づいて、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.01〜2重量%である。
ハイドロトロープ剤(E)の濃度は、洗浄液の保管安定性の観点から、実使用時における洗浄液の重量に基づいて、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.01〜2重量%である。
防腐剤(F)の濃度は、洗浄液の保管安定性の観点から、実使用時における洗浄液の重量に基づいて、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.01〜2重量%である。
本発明の電子材料基板の洗浄方法について説明する。
洗浄方法の具体的な実施態様は、水溶性アミン(A)を含む電子材料基板用洗浄液を使用して、基板にブラシを接触させて洗浄(ブラシ洗浄)する方法であれば、特に限定するものではなく、洗浄方法の例としては、洗浄液を電子材料基板表面上に射出または、洗浄用ブラシに射出し、電子材料基板表面を洗浄用ブラシを用いてこすることで洗浄することが好ましい。
ブラシ洗浄は、ブラシを回転させながら基板に接触させて洗浄する方法が挙げられる。ブラシの回転数は、洗浄性の観点から50〜3000rpm、好ましくは100〜2000rpm、さらに好ましくは200〜1000rpmである。
ブラシ洗浄のブラシと基板の接触時間は、生産性の観点から1〜60秒、好ましくは5〜30秒である。
ブラシとしては、特に限定はなく、PVA(ポリビニルアルコール)スポンジ、ナイロンブラシ等が使用でき、洗浄性の観点からPVAスポンジが好ましい。
また、本発明において、洗浄方法は上記ブラシ洗浄に加えて、浸漬洗浄、超音波浸漬洗浄、超音波スプレー洗浄等、その他洗浄方法と組み合わせてもよい。
本発明の別の実施態様は、電子材料基板を研磨した後に、上記洗浄液を用い、ブラシと基板を接触させて洗浄する工程を有する電子材料基板の製造方法であり、洗浄後の基板上異物が少ない電子材料基板を製造することが可能となる。
本発明の製造方法を用いた表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされた磁気ディスク用アルミ基板の製造工程(一部)の一例を以下に示す。
(1)砥粒としてコロイダルシリカを用いて表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされたアルミ基板を研磨する。
(2)研磨後のアルミ基板を純水で軽くリンスした後、アルミ基板を超音波浸漬洗浄を行う。
(3)アルミ基板を引き上げ、純水で軽くリンスした後、洗浄液を用いてブラシ洗浄を行う。
(4)洗浄後、純水でリンスした後、スピン乾燥で乾燥させる。
上記製造工程(2)における浸漬温度は5〜90℃であり、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20〜60℃である。
上記製造工程(2)における超音波周波数は100kHz〜1500kHzであり、好ましくは200kHz〜1000kHzである。
上記製造工程(2)における洗浄時間は1分〜60分であり、好ましくは5分〜30分である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
表1中の下記の化合物は以下のものを使用した。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル:三洋化成工業製「エマルミンNL−110」
ポリカルボン酸ナトリウム塩:三洋化成工業製「キャリボンL−400」
実施例1〜8、および比較例1〜4
表1に記載の組成となるように、各成分を配合し、25℃、マグネチックスターラーで40rpm、20分間攪拌して、洗浄剤(S1)〜(S8)および比較のための洗浄剤(R1)〜(R4)を得た。
上記洗浄剤をさらに超純水でそれぞれ100倍希釈して、性能試験用の洗浄液(A1)〜(A8)及び比較の洗浄液(X1)〜(X4)を作成した。
100倍希釈した洗浄液を25℃に調整し、pHメーター(堀場社製、F−71)を用いてpHを測定した。
洗浄液の洗浄性は下記の方法で行った。
尚、本評価は大気からの汚染を防ぐため、クラス1,000(FED−STD−209D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で実施した。
<洗浄性試験(パーティクル)>
(1)3.5インチの磁気ディスク用ニッケルリンめっきされたアルミ基板及びポリウレタン製の研磨パッド(フジボウ株式会社製、「H9900S」)を研磨装置(株式会社ナノファクター製、「FACT−200」)にセットした。
(2)回転数を30rpm、揺動回数を60回/分、押し付け圧を50g重/cmに設定し、市販のコロイダルシリカ(フジミインコーポレイテッド製「COMPOL20」、粒径約20nm)を研磨剤として1mL/秒の速度で基板に注ぎながら5分間研磨した。
(3)上記の研磨したアルミ基板を研磨装置から取り出し、1分間流水ですすいでリンスした。
(4)超音波浸漬洗浄:研磨装置からアルミ基板を取り外して、市販の洗浄剤を張った超音波洗浄機(出力:430kHz)に浸漬し、30℃で10分間洗浄した。洗浄後の基板を超音波洗浄機から取り出し、20秒間流水で基板を洗い流した。
(5)ブラシ洗浄:流水で洗い流した基板をスクラブ洗浄機にセットし、洗浄液(A1)〜(A8)及び比較の洗浄液(X1)〜(X4)を用い、ブラシを500rpmで回転させて、基板に接触させて洗浄した後、20秒間流水で基板を洗い流した。
(6)上記基板をスピン乾燥機にセットし、3000rpmで基板を乾燥させた。
(7)光を評価用基板に当て、発生する微弱な散乱光を集光、増幅させることで表面の微細なパーティクルを強調し、検査することができる表面検査装置(ビジョンサイテック社製、「MicroMax VMX−6100SK」)を使って、評価用基板表面を任意に5箇所(10mm×10mm角)選んでその範囲内のパーティクル数を数え、5箇所の平均値を算出した。なお、ブランクとして水でブラシ洗浄を実施した場合の基板上パーティクル数は140個であった。
それぞれの基板上のパーティクル数をブランクの基板上パーティクル数と比較し、下記の判断基準に従い、洗浄性を判定した。結果を表1に示す。
5:ブランク(140個)の20%未満
4:20%〜40%未満
3:40%〜60%未満
2:60%〜80%未満
1:80%以上
表1より、実施例1〜8の洗浄液は、第2の洗浄工程で使用することで高い洗浄性を示すことがわかる。
一方、水溶性アミン成分を含まない比較例1、またpHが11.6より大きい比較例2、さらにpHが10.5より小さい比較例3、さらに式1を満足しない比較例4は、実施例1〜5に比べて洗浄性が低いことがわかる。
<洗浄性試験(有機物)>
(1)磁気ディスク用ガラス基板又は表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされた磁気ディスク用アルミ基板を5%のラウリン酸を含むイソプロパノールアミン/水塩溶液に5分間浸漬した後、超純水で表面を1分間洗い流し、窒素でブローして乾燥することにより、汚染基板を調整した。
(2)ブラシ洗浄:流水で洗い流した基板をスクラブ洗浄機にセットし、洗浄液(A1)〜(A8)及び比較の洗浄液(X1)〜(X4)を用い、ブラシを500rpmで回転させて、基板に接触させて洗浄した後、20秒間流水で基板を洗い流した。
(3)上記基板をスピン乾燥機にセットし、3000rpmで基板を乾燥させた。
(4)光を評価用基板に当て、発生する微弱な散乱光を集光、増幅させることで表面の微細なパーティクルを強調し、検査することができる表面検査装置(ビジョンサイテック社製、「MicroMax VMX−6100SK」)を使って、評価用基板表面を任意に5箇所(10mm×10mm角)選んでその範囲内のパーティクル数を数え、5箇所の平均値を算出した。なお、ブランクとして水でブラシ洗浄を実施した場合の基板上パーティクル数は560個であった。
それぞれの基板上のパーティクル数をブランクの基板上パーティクル数と比較し、下記の判断基準に従い、洗浄性を判定した。結果を表1に示す。
5:ブランク(560個)の20%未満
4:20%〜40%未満
3:40%〜60%未満
2:60%〜80%未満
1:80%以上
本発明の電子材料基板用洗浄液は、基板上残渣を従来の洗浄液より大幅に低減できる。そのため、製造工程中に研磨を必要とする電子材料、特にハードディスク等の磁気ディスク基板製造工程における基板に使用することができる。

Claims (5)

  1. 水溶性アミン(A)を含む電子材料基板用洗浄液であって、該洗浄液の25℃におけるpHが10.5〜11.6であり、かつ条件式(1)を満たすことを特徴とする電子材料基板用洗浄液。
    (水溶性アミン濃度+0.61)/洗浄液のpH≧0.059 (1)
    [水溶性アミン濃度:洗浄液の重量に基づく水溶性アミン(A)の含有量(重量%)]
  2. 前記水溶性アミン(A)が、炭素数1〜36の脂肪族アミン(A−1)及び/又は炭素数1〜23のアルカノールアミン(A−2)である請求項1記載の電子材料基板用洗浄液。
  3. さらにキレート剤(B)及び/又は界面活性剤(C)を含有する請求項1又は2記載の電子材料基板用洗浄液。
  4. 前記キレート剤(B)が、ホスホン酸基を分子内に有するキレート剤(B1)及びカルボン酸基を分子内に有するキレート剤(B2)からなる群から選ばれる1種以上である請求項3記載の電子材料基板用洗浄液。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の電子材料基板用洗浄液を用いて、電子材料基板を洗浄する工程を含む電子材料基板の製造方法であって、電子材料基板がニッケル−リンメッキされた磁気ディスク用のアルミ基板である電子材料基板の製造方法。
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