JP2017168177A - 電子材料用洗浄剤及び電子材料の製造方法 - Google Patents

電子材料用洗浄剤及び電子材料の製造方法 Download PDF

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拓馬 竹田
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Abstract

【課題】磁気ディスク上に残留したパーティクルや有機物の残渣を低減できる電子材料用基板用洗浄剤及び電子材料の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】カチオン性界面活性剤(A)及び両性界面活性剤(B)からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(C)、アニオン性界面活性剤(D)並びに水(E)を含有する電子材料用洗浄剤であって、該洗浄剤の25℃におけるpHが6.0〜14.0であり、かつ界面活性剤(C)及びアニオン性界面活性剤(D)の合計モル数に対する界面活性剤(C)のモル数の比が0.15〜0.85である電子材料用洗浄剤(F)。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子材料用洗浄剤に関する。及び、この電子材料用洗浄剤を用いた電子材料の製造方法に関する。
電子材料、とりわけ磁気ディスクは、年々小型化、高容量化の一途をたどっており、磁気ヘッドの浮上量もますます小さくなってきている。そのため、磁気ディスク基板の製造工程で、砥粒や研磨屑等の無機物、加工油等の有機物の残留のない基板が求められている。また、表面精度の向上(表面粗さ、微少うねり、スクラッチ、ピット等の低減)も求められている。
磁気ディスク製造工程には、平坦化した基板を作成する工程であるサブストレート工程(1)と、磁性層を基板にスパッタする工程であるメディア工程(2)を含む。
このうち、サブストレート工程(1)では、基板の平坦化のために砥粒を含むスラリーによる研磨を行い、その後、スラリーおよび発生した研磨屑等のパーティクルや有機物をリンスして洗い流し、さらに、リンスで取り除けなかったパーティクルや有機物を基板を浸漬して洗浄する第1の洗浄工程と、基板にブラシを回転させながら接触させて洗浄する第2の洗浄工程とを含む洗浄工程で洗浄して完全に除去する。
一方、磁性層を基板にスパッタする工程であるメディア工程(2)では、搬送時や保管時に付着した異物を除去するためにスパッタリング前に第1の洗浄工程と第2の洗浄工程とを含む洗浄工程で洗浄する。さらに、搬送後から第1の洗浄工程の間に基板を浸漬して洗浄する受入れ洗浄工程を含む洗浄工程で洗浄する場合もある。
近年の磁気ディスクのますますの高容量化に伴って、基板の清浄度がこれまで以上に求められるようになり、従来の洗浄剤よりも高性能な洗浄剤が必要になってきている。磁気ディスクの厳しい高記録密度化を達成するためには、従来よりも微細なサイズのパーティクルの残留を減らす必要が出てきている。そのため、パーティクルや有機物の残留を従来以上に減らす必要がある。
そのため、パーティクルや有機物等の異物に対する洗浄性を向上させた洗浄剤が提案されている。例えば、特定の陽イオン界面活性剤及び/又は特定の両性界面活性剤を含有するpHが5以下のニッケル−リンメッキされた磁気ディスクアルミ基板用の洗浄剤が提案されている(特許文献1)。また、特定の非イオン性界面活性剤、水溶性アミン化合物および水を含有する磁気ディスク基板用の洗浄剤が提案されている(特許文献2)。
特開2009−087521号公報 特開2009−084509号公報
しかしながら、上記特許文献1の洗浄剤は、一定の洗浄力を有するが、対象となる基板の表面の表面粗さが洗浄後に増加する。磁気ディスクの高記録密度化のため、表面精度を向上する(例えば表面荒れを抑える)ことが今後ますます求められることが予想されるが、この洗浄剤では、洗浄後の表面荒れが大きく高記録密度化が困難である。
また、上記特許文献2の洗浄剤は、一定の洗浄力を有するが、受入れ洗浄や第1の洗浄工程で使用された場合、パーティクルや有機物の残留量が多く、近年求められている高い清浄度を達成するには不十分である。
さらに最近は、基板製造工程の各洗浄工程において、超音波やブラシを用いて物理的にパーティクルや有機物を基板から剥離するだけでなく、物理的な作用がはたらかなくても磁気ディスクからパーティクルや有機物を剥離する機能を有する洗浄剤が求められる。
そこで、従来の洗浄剤よりも磁気ディスク上に残留したパーティクルや有機物の残渣を低減でき、物理的な作用がはたらかなくても磁気ディスクからパーティクルや有機物を剥離する機能を有する電子材料用基板用洗浄剤及び電子材料の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、カチオン性界面活性剤(A)及び両性界面活性剤(B)からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(C)、アニオン性界面活性剤(D)並びに水(E)を含有する電子材料用洗浄剤であって、該洗浄剤の25℃におけるpHが6.0〜14.0であり、かつ界面活性剤(C)及びアニオン性界面活性剤(D)の合計モル数に対する界面活性剤(C)のモル数の比が0.15〜0.85である電子材料用洗浄剤(F)である。
本発明の電子材料用洗浄剤は、製造工程において問題となる電子材料の表面加工後の加工油、製造設備又は外部環境から混入する有機物等の有機異物残渣低減効果に優れる。
本発明における電子材料用とは、製造工程中に洗浄工程に用いられる電子材料であれば特に限定するものではない。
例えば、(1)表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされた磁気ディスク用アルミ基板および磁気ディスク用ガラス基板等の磁気ディスク用基板、(2)半導体素子及びシリコンウェハ等用の半導体基板、(3)SiC基板、GaAs基板、GaN基板、AlGaAs基板等の化合物半導体基板、(4)LED等用のサファイヤ基板等が挙げられる。
これらのうち、洗浄性の観点で好ましくは磁気ディスク用基板であり、具体的に表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされた磁気ディスク用アルミ基板、および磁気ディスク用ガラス基板である。
本発明におけるカチオン性界面活性剤(A)としては、4級アンモニウム塩型の界面活性剤(A−1)及びアミン系界面活性剤(A−2)等が挙げられる。これらのうち2種以上を組み合わせてもよい。
洗浄性の観点から4級アンモニウム塩型の界面活性剤(A−1)及びアミン系界面活性剤(A−2)が好ましく、4級アンモニウム塩型の界面活性剤(A−1)がより好ましい。
4級アンモニウム塩型の界面活性剤(A−1)の具体例としては、例えばセチルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド塩、ジオクタデシルジメチルアンモニウムアジピン酸塩、ジデジルジメチルアンモニウムアジピン酸塩、ジドデジルジメチルアンモニウムグルコン酸塩等が挙げられる。
アミン系界面活性剤(A−2)の具体例としては、ラウリルアミンEO2モル付加物、ラウリルアミンEO8モル付加物、シクロヘキシルアミンEO2モル付加物、シクロヘキシルアミンEO8モル付加物、オクタデシルアミンEO8モル付加物、ジオクチルアミンEO12モル付加物、ジヘプタデシルアミンEO12モル付加物、ジオクタデシルアミンEO12モル付加物、ヤシ油アミンEO12モル付加物及びココアミンEO8モル付加物等が挙げられる。
本発明における両性界面活性剤(B)としては、ベタイン型両性界面活性剤(B−1)及びアミノ酸型両性界面活性剤(B−2)等が挙げられる。これらのうち2種以上を組み合わせてもよい。
洗浄性の観点からベタイン型両性界面活性剤(B−1)及びアミノ酸型両性界面活性剤(B−2)が好ましく、及びアミノ酸型両性界面活性剤(B−2)がより好ましい。
ベタイン型両性界面活性剤(B−1)は、分子内に第4級アンモニウム塩型のカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤であり、具体例としては、例えばラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン及び2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム塩等が挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤(B−2)は、分子内にアミノ基とカルボキシル基を持っている両性界面活性剤であり、例えば下記一般式(1)であらわされるアルキルポリ(アミノアルキル)グリシン、アルキルアミノ酢酸、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミノジプロピオン酸及びそれらの塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、塩酸塩等)等が挙げられる。
洗浄性の観点から一般式(1)であらわされるアルキルポリ(アミノアルキル)グリシンが特に好ましい。
−{NH−(CH−NHCHCOOH (1)
[式中、Rは、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;rは1〜25の整数;nは1〜40の整数である。]
一般式(1)におけるRは炭素数6〜24の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基である。
炭素数6〜24の飽和炭化水素基としては、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ブチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、ステアリル基、n−トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基及びテトラコシル基などが挙げられる。
炭素数6〜24の不飽和炭化水素基としてはオクタデセニル基及びオクタデカジエニル基などが挙げられる。
は洗浄性の観点からオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基及びステアリル基が好ましく、オクチル基及びラウリル基がより好ましく、ラウリル基が更に好ましい。
一般式(1)におけるrは1〜25の整数である。rは水への溶解度の観点から1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、2〜3が更に好ましい。
一般式(1)におけるnは1〜40の整数である。洗浄性の観点から1〜15が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が更に好ましい。
アミノ酸型両性界面活性剤(B−2)の具体例としては、例えばβ−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム塩、ヤシアルキル−β−アミノプロピオン酸ナトリウム塩、オクタデシルアミノエチルアミノエチルグリシンナトリウム塩、ドデシルアミノエチルアミノエチルグリシンナトリウム塩、ドデシルアミノエチルアミノエチルグリシン塩酸塩等が挙げられる。
本発明におけるアニオン性界面活性剤(D)としては、高分子アニオン性界面活性剤(D−1)及び低分子アニオン性界面活性剤(D−2)が挙げられる。これらのうち2種以上を組み合わせてもよい。
高分子アニオン性界面活性剤(D−1)の具体例としては、ポリアクリル酸、アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/(メタ)アクリル酸共重合体、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸/(メタ)アクリル酸/アクリルアミド共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ジメチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等並びにこれらの塩、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート硫酸エステル}、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート硫酸エステル共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}の硫酸エステル化物等並びにこれらの塩、ポリ{(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸}、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸共重合体、ナフタレンホスホン酸ホルムアルデヒド縮合物等並びにこれらの塩、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル}、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}のリン酸エステル化物並びにこれらの塩、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸−イタコン酸共重合体、(メタ)アクリル酸−フマル酸共重合体、(メタ)アクリル酸/酢酸ビニル共重合体及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}のカルボキシメチル化物、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、安息香酸ホルムアルデヒド縮合物、安息香酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物及びこれらの塩等が挙げられる。
塩としては、1級アミン(メチルアミン、エチルアミン及びブチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン並びにグアニジン等)塩;2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等のジアルキルアミン並びにジエタノールアミン等)塩;3級アミン{トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のトリアルキルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン並びに1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等}塩;アミジン{1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1H−イミダゾール、2−メチル−1H−イミダゾール、2−エチル−1H−イミダゾール、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、2−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン、1,6(4)−ジヒドロピリミジン等}塩、アルカリ金属(ナトリウムカチオン及びカリウムカチオン等)塩、アンモニウム塩及び第4級アンモニウム(テトラアルキルアンモニウム等)塩等が挙げられる。
低分子アニオン性界面活性剤(D−2)の具体例としては、スルホン酸系界面活性剤[オクチルアルコールのスルホコハク酸ジエステル、ドデシルベンゼンスルホン酸等並びにこれらの塩]、硫酸エステル系界面活性剤[テトラデシルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物硫酸エステル、オクチルアルコールエチレンオキサイド2モル付加物硫酸エステル、ラウリルアルコールエチレンオキサイド2モル付加物硫酸エステル、ラウリルアルコールエチレンオキサイド2.5モル付加物硫酸エステル等並びにこれらの塩]、脂肪酸系界面活性剤(デカン酸等並びにこれらの塩)及びリン酸エステル系界面活性剤[オクチルアルコールのリン酸モノエステルナトリウム等並びにこれらの塩]等が挙げられる。
塩としては、前記の高分子アニオン性界面活性剤(D−1)で例示したものと同様の塩が挙げられる。
本発明の電子材料用洗浄剤は、界面活性剤(C)及びアニオン性界面活性剤(D)を含有する。界面活性剤(C)及びアニオン性界面活性剤(D)をある一定のモル数の比で洗浄剤中に含有させることによって、電子材料表面にパーティクルや有機物が付着した場合、界面活性剤(C)とアニオン性界面活性剤(D)が互いに界面活性剤分子間の電荷反発を抑制することにより、パーティクルや有機物の表面に対する吸着を促進するため、パーティクルや有機物の除去性を高く出来ると推定される。
界面活性剤(C)はカチオン性界面活性剤(A)及び両性界面活性剤(B)からなる群から選ばれる少なくとも1種選ばれるが、洗浄剤の保存安定性の観点から、両性界面活性剤(B)のみから選ばれることが好ましい。両性界面活性剤(B)としては、有機異物残渣低減の観点から、アミノ酸型両性界面活性剤(B−2)が好ましい。アニオン界面活性剤(D)としては、有機異物残渣低減の観点からは、低分子アニオン性界面活性剤(D−2)が好ましく、パーティクルの再付着防止の観点から好ましいのは、高分子型アニオン性界面活性剤(D−1)である。
本発明において、界面活性剤(C)及びアニオン性界面活性剤(D)の合計モル数に対する界面活性剤(C)のモル数の比は、0.15〜0.85であり、下記式(2)で表される。有機異物残渣低減の観点から、好ましくは0.20〜0.82、更に好ましくは0.25〜0.80である。0.15未満又は0.80を超えると有機物に対する除去性が不十分になるという問題がある。
0.15≦{界面活性剤(C)のモル数/(界面活性剤(C)のモル数+アニオン性界面活性剤(D)のモル数)}≦0.85 (2)
本発明において、カチオン性界面活性剤(A)の含有量は、洗浄剤(F)の重量に基づき0.01〜50重量%であり、洗浄剤の保存安定性及び有機異物残渣低減の観点から、好ましくは0.1〜30重量%であり、更に好ましくは1〜20重量%である。
本発明において、両性界面活性剤(B)の含有量は、洗浄剤(F)の重量に基づき0.01〜50重量%であり、洗浄剤の保存安定性及び有機異物残渣低減の観点から、好ましくは0.1〜20重量%であり、更に好ましくは1〜9重量%である。
本発明において、界面活性剤(C)の含有量は、洗浄剤の保存安定性及び有機異物残渣低減の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、好ましくは0.01〜50重量%であり、更に好ましくは0.1〜20重量%であり、最も好ましくは1〜9重量%である。
本発明において、アニオン性界面活性剤(D)の含有量は、洗浄剤の保存安定性及び有機異物残渣低減の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、好ましくは0.01〜50重量%であり、更に好ましくは0.1〜30重量%であり、最も好ましくは1〜20重量%である。
本発明における水(E)としては、超純水、イオン交換水、RO水及び蒸留水等が挙げられ、清浄度の観点から超純水及びイオン交換水が好ましい。
本発明において、水(E)の含有量は、洗浄剤の保存安定性及び有機異物残渣低減の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、好ましくは0.01〜99.98重量%であり、更に好ましくは40.0〜90.0重量%であり、最も好ましくは60.0〜89.0重量%である。
本発明における25℃における洗浄剤(F)のpHは、有機異物残渣低減の観点から、6.0〜14.0であり、好ましくは8.0〜13.0、更に好ましくは9.0〜12.5である。なお、pHは、pHメーター(株式会社堀場製作所製、M−12)を用いて測定温度25℃で測定される。
洗浄剤(F)のpHは、洗浄剤(F)を25℃に調整しながらpH調整剤(J)を徐々に加え、pHメーターを用いて目的とするpHになるまで添加して調整する。
洗浄剤(F)には界面活性剤(C)、アニオン性界面活性剤(D)及び水(E)以外に、有機アルカリ(G)、キレート剤(H)、ノニオン性界面活性剤(I)、pH調整剤(J)、ハイドロトロープ剤(K)および防腐剤(L)等を配合してもよい。
有機アルカリ(G)としては、炭素数1〜36の脂肪族アミン(G−1)、炭素数1〜23のアルカノールアミン(G−2)及びこれらの混合物が挙げられる。
脂肪族アミン(G−1)としては、炭素数1〜12のアルキルアミン、炭素数2〜6のアルキレンジアミン、炭素数4〜6の環状アミン、炭素数5〜10のアミジン化合物及びポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルキルアミンとしては、炭素数1〜6のモノアルキルアミン[メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン及びヘキシルアミン等]並びに炭素数2〜12のジアルキルアミン[ジメチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、ブチルメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン及びジヘキシルアミン等]等が挙げられる。
炭素数2〜6のアルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
炭素数4〜6の環状アミンとしては、ピペリジン、ピペラジン、キヌクリジン及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等が挙げられる。
炭素数5〜10のアミジン化合物としては、DBU及びDBN等が挙げられる。
ポリ(n=2〜5)アルキレンポリ(n=3〜7)アミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンヘプタミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン及びペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。
アルカノールアミン(G−2)としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−(アミノエチル)エタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加物及びヒドロキシルアミン等が挙げられる。
有機アルカリ(G)のうち、洗浄性の観点から、モノエタノールアミン、N−(アミノエチル)エタノールアミン、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加物及びこれらの混合物が好ましく、更に好ましくはN−(アミノエチル)エタノールアミン、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加物及びこれらの混合物である。
なお、有機アルカリ(G)は単独又は2つ以上を同時に併用することができる。
キレート剤(H)としては、カルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を分子内に含有するキレート剤(H−1)、ホスホン酸(塩)基又はリン酸(塩)基を分子内に含有するキレート剤(H−2)及びその他のキレート剤(H−3)が挙げられる。
カルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を分子内に含有するキレート剤(H−1)としては、水酸基を有するヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩(H−11)と水酸基を有しないカルボン酸及び/又はその塩(H−12)がある。ヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩(H−11)としては、クエン酸(塩)、乳酸(塩)、没食子酸(塩)等が挙げられる。水酸基を有しないカルボン酸及び/又はその塩(H−12)としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)(塩)、ヒドロキシエチル−イミノ二酢酸(HIDA)(塩)、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸(DCTA)(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)(塩)、ニトリロ三酢酸(NTA)(塩)、β−アラニンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸ジ酢酸(塩)、メチルグリシンジ酢酸(塩)、イミノジコハク酸(塩)、セリンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸(塩)及びグルタミン酸(塩)、ピロメリット酸(塩)、ベンゾポリカルボン酸(塩)、シクロペンタンテトラカルボン酸(塩)等、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、マレイン酸誘導体、シュウ酸(塩)、マロン酸(塩)、コハク酸(塩)、グルタル酸(塩)、アジピン酸(塩)等が挙げられる。
ホスホン酸(塩)基又はリン酸(塩)基を分子内に含有するキレート剤(H−2)としては、メチルジホスホン酸(塩)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(塩)、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸(塩)(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(塩)(NTMP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリアミノトリエチルアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トランス−1、2−シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、グリコールエーテルジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)及びテトラエチレンペンタミンヘプタ(メチレンホスホン酸)(塩)、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、トリポリリン酸(塩)及びヘキサメタリン酸(塩)等が挙げられる。
その他のキレート剤(H−3)としては、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−エタンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−プロパンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,3−プロパンジアミン及びN,N’−ビス(サリチリデン)−1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
キレート剤(H)のうちで、洗浄性向上の観点から好ましいのは、カルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を分子内に含有するキレート剤(H−1)及びホスホン酸(塩)基又はリン酸(塩)基を分子内に含有するキレート剤(H−2)であり、更に好ましいのは、クエン酸(塩)、EDTA(塩)、DTPA(塩)、HIDA(塩)、NTA(塩)、NTMP(塩)、HEDP(塩)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(塩)、ピロリン酸(塩)等である。特に好ましいのは、HEDP(塩)、NTMP(塩)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(塩)、クエン酸(塩)、DTPA(塩)、及びHIDA(塩)である。
なお、キレート剤(H)は単独又は2つ以上を同時に併用することができる。
ノニオン性界面活性剤(I)としては、アルキレンオキサイド付加型ノニオン性界面活性剤及び多価アルコール型ノニオン界面活性剤等が挙げられる。アルキレンオキサイド付加型ノニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜18のアルコールアルキレンオキサイド1〜30モル付加物、炭素数1〜12のアルキルフェノールエチレンオキサイド1〜30モル付加物、炭素数8〜18の脂肪酸エチレンオキサイド1〜30モル付加物、ポリプロピレングリコール(分子量200〜4000)エチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
多価アルコール型ノニオン界面活性剤としては、グリセリンの脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル並びにラウリン酸モノエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。具体例としては、炭素数12のアルコールエチレンオキサイド9モル付加物、グリセリンモノオレート、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド30モル付加物、等が挙げられる。
なお、ノニオン性界面活性剤(I)は単独又は2つ以上を同時に併用することができる。
pH調整剤(J)として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
ハイドロトロープ剤(K)として、パラトルエンスルホン酸塩、安息香酸塩等が挙げられる。
防腐剤(L)として、市販の防腐剤を使用することができる。
有機アルカリ(G)の濃度は、洗浄性の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、0.01〜40重量%、好ましくは3〜16、更に好ましくは4〜10重量%である。
キレート剤(H)の濃度は、洗浄性の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、好ましくは0.001〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
ノニオン性界面活性剤(I)の濃度は、洗浄性の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
pH調整剤(J)の濃度は、洗浄性の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、好ましくは0.001〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
ハイドロトロープ剤(K)の濃度は、洗浄液の保管安定性の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
防腐剤(L)の濃度は、洗浄液の保管安定性の観点から、洗浄剤(F)の重量に基づき、0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の電子材料の製造方法について説明する。
電子材料製造工程における電子材料中間体を洗浄する方法としては、電子材料中間体を、浸漬(ディップ)洗浄、超音波を用いたディップ洗浄、洗浄用テープを用いたテープ洗浄、及びポリビニルアルコール等を主成分とするスポンジを用いたスクラブ洗浄等の方法が挙げられる。パーティクルなどの異物の固着防止性の観点から、好ましくは、洗浄液(F)の希釈液に電子材料中間体を浸漬又は洗浄液(F)の希釈液を電子材料中間体に噴霧した後、さらに水で電子材料中間体を洗浄する方法である。有機異物残渣低減の観点から、好ましくは浸漬(ディップ)洗浄、超音波を用いたディップ洗浄である。
本発明の別の実施態様は、電子材料中間体を研磨した後に、洗浄剤(F)の希釈液を用い、前記実施態様と同様の洗浄工程を有する電子材料の製造方法であり、洗浄後の基板上異物が少ない電子材料用基板を製造することが可能となる。但し、洗浄方法の具体的な実施態様は、洗浄剤(F)を使用して電子材料中間体を洗浄する方法であれば、特に限定するものではない。
本発明の製造方法を用いた表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされた磁気ディスク用アルミ基板の製造工程(一部)の一例を以下に示す。
(a)サブストレート工程において、砥粒としてコロイダルシリカを用いてアルミ基板を研磨する。
(b)研磨後のアルミ基板を引き上げ、純水で軽くリンスした後、洗浄機にセットして超音波を用いたディップ洗浄及びスクラブ洗浄をおこなう。
(c)洗浄後、純水でリンスした後、スピン乾燥で乾燥させる。
(d)アルミ基板を容器に梱包し、メディア工程に搬送する。
(e)搬送後、洗浄剤(F)の希釈液を用いて受け入れ洗浄をおこなう。
(f)アルミ基板を引き上げ、洗浄機にセットして洗浄剤(F)の希釈液を用いて超音波を用いたディップ洗浄をおこなう。
(g)引き続きスクラブ洗浄、純水でリンスした後、スピン乾燥で乾燥させる。
上記製造工程(e)及び(f)における浸漬温度は5〜90℃であり、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20〜60℃であり、洗浄時間は1分〜60分であり、好ましくは5分〜30分である。
上記製造工程(f)における超音波周波数は100kHz〜1500kHzであり、好ましくは200kHz〜1000kHzである。
上記製造工程(g)におけるスクラブスポンジの回転数は、洗浄性の観点から50〜3000rpm、好ましくは100〜2000rpm、さらに好ましくは200〜1000rpmである。スポンジと基板の接触時間は、生産性の観点から1〜60秒、好ましくは5〜30秒である。スピン乾燥時の基板回転数は、1000〜6000rpmであり、好ましくは2000〜5000rpmである。スピン乾燥時間は、1〜10分である。
本発明の電子材料の製造方法で製造される電子材料は、前述したように、製造工程中に洗浄工程を含む電子材料であれば特に限定するものではなく、例えば、磁気ディスク基板、シリコン半導体基板、化合物半導体基板、サファイヤ基板等が挙げられる。
これらのうち、生産効率向上の観点で好ましくは磁気ディスク用基板であり、具体的に磁気ディスク用ガラス基板、及び表面がニッケル−リン(Ni−P)メッキされた磁気ディスク用アルミ基板である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
[製造例1]ポリアクリル酸DBU塩の合成
温調及び攪拌が可能な反応容器にイソプロピルアルコール300部及び超純水100部を仕込み、窒素置換後、75℃に昇温した。撹拌下で、アクリル酸の75%水溶液407部及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートの15%イソプロピルアルコール溶液95部を3.5時間かけてそれぞれ同時に滴下した。滴下終了後、75℃で5時間撹拌した後、系内が固化しないように超純水を間欠的に投入し、イソプロピルアルコールが検出できなくなるまで水とイソプロピルアルコールの混合物を留去した。得られたポリアクリル酸水溶液を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)(450部)でpHが7になるまで中和し、超純水で濃度調整することにより、アニオン性界面活性剤であるポリアクリル酸DBU塩の40%水溶液を得た。尚、合成したポリアクリル酸DBU塩の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記。)によって、ポリエチレンオキサイドを標準物質として40℃で測定され、装置本体:東ソー(株)製HLC−8120、カラム:東ソー(株)製TSKgel G5000 PWXL、G3000 PW XL、検出器:装置本体内蔵の示差屈折計検出器、溶離液:0.2M無水硫酸ナトリウム、10%アセトニトリル緩衝液、溶離液流量:0.8ml/分、カラム温度:40℃、試料:1.0重量%の溶離液溶液、注入量:100μl、標準物質:東ソー(株)製TSK SE−30、SE−15、SE−8、SE−5の条件により測定した。
GPC法による重量平均分子量(Mw)は10,000であった。
実施例1〜12、及び比較例1〜7
表1及び表2に記載の組成となるように、各成分を配合し、25℃、マグネチックスターラーで40rpm、20分間攪拌して、本発明の洗浄剤(F)及び比較用の洗浄剤(R)を得た。
なお、ブランクとして電気抵抗率が18MΩ・cm以上の純水を比較例1とした。
実施例1〜12及び比較例2〜7の洗浄剤(F−1)〜(F−12)及び(R−2)〜(R−7)を25℃に調整し、pHメーター(堀場社製、F−53)を用いてpHを測定した。
性能評価試験は下記の方法で行った。
なお、本評価は大気からの汚染を防ぐため、クラス1,000(FED−STD−209D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で実施した。
電子材料中間体として2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板又は磁気ディスク用のNi−Pメッキされたアルミ基板を用いた。洗浄性については、パーティクルや有機物などの異物の除去率を、洗浄後の試験基板上に残留した異物重量を測定することで評価を行った。本試験における有機物としては、製造設備に一般的に使用される可塑剤としてジオクチルフタレートを代表的な異物として用いた。表面荒れについては、洗浄後の試験基板を原子間力顕微鏡(エスアイアイナノテクノロジー製、E−sweep)で測定することで評価を行った。
<洗浄性の評価>
(1)試験用基板表面に0.02gのジオクチルフタレート(東京化成工業製)の液滴を10箇所作成し、基板表面に有機異物を付着させ、各基板重量を測定した。
(2)実施例1〜12及び比較例2〜7の洗浄剤(F−1)〜(F−12)及び(R−2)〜(R−7)を50倍希釈し、洗浄性評価用の試験液を得た。比較例1は純水をそのまま試験液とした。
(3)試験用基板を上記試験液が1000mL入ったビーカーに縦方向に浸漬し、3分間静置した。
(4)3分経過後、試験用基板を引き上げ、24時間常温で風乾し除去性評価用基板を作成した。
(5)各基板の重量を測定し、以下の式によりジオクチルフタレートの除去率を計算した。結果を表1及び表2に示す。
ジオクチルフタレートの除去率(%)=100−[{有機異物付着後の基板重量(g)−洗浄及び風乾後の基板重量(g)}/{0.02(g)×10}×100]
<表面荒れの評価>
(1)実施例1〜12及び比較例2〜7の洗浄剤(F−1)〜(F−12)及び(R−2)〜(R−7)を50倍希釈し、表面荒れ評価用の試験液を得た。比較例1は純水をそのまま試験液とした。
(2)上記試験液を張った超音波洗浄機(出力:200kHz)に浸漬し、25℃で10分間洗浄した。
(3)洗浄後の基板を洗浄機から取り出し、1分間流水で基板を洗い流し、窒素ガスで基板を乾燥し評価用基板を得た。
(4)洗浄後の試験基板を用いて、原子間力顕微鏡(エスアイアイナノテクノロジー製、E−sweep)で下記の条件で表面粗さを測定した。
測定モード:DFM(タッピングモード)
スキャンエリア:10μm×10μm
走査線数:256本(Y方向スキャン)
補正:X、Y方向のフラット補正あり
ブランクとして比較例1の純水で洗浄した基板の表面粗さも同様に測定し、以下の式で表面荒れ(A) を算出した。
A(%)=(洗浄後の基板の表面粗さ(Å)−ブランクの表面粗さ(Å))/(ブランクの表面粗さ(Å))×100
表面荒れは以下の評価基準で評価し、評価結果を表1及び表2に示した。
[表面荒れの評価基準]
5:Aが30%未満
3:Aが30%以上70%未満
1:Aが70%以上
Figure 2017168177
Figure 2017168177
表1より、本願実施例1〜12の洗浄剤は、基板表面の有機異物の除去性が高く、かつ洗浄後の基板の表面荒れが低いことから、洗浄性に優れかつ高い表面精度と両立できることがわかる。
一方で比較例1の純水は洗浄後の基板の表面荒れが低いが、基板表面の有機異物除去性が低い。また、比較例2〜7の洗浄液は、洗浄性に一定の性能を有するが、実施例1〜5の洗浄液と比較して劣り、さらに、比較例2及び7の洗浄液は洗浄後に基板表面が荒れ、洗浄性と表面精度の両立ができていない。
本発明の電子材料用洗浄剤及び電子材料の製造方法は、電子材料上残渣を従来の洗浄剤より大幅に低減できる。さらに物理的な作用がはたらかなくても磁気ディスクからパーティクルや有機物を剥離する機能を有する。そのため、製造工程中に加工油等を用いて表面加工を必要とする電子材料、特にハードディスク等の磁気ディスク基板製造工程における基板の洗浄剤及び製造方法として使用することができる。

Claims (3)

  1. カチオン性界面活性剤(A)及び両性界面活性剤(B)からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(C)、アニオン性界面活性剤(D)並びに水(E)を含有する電子材料用洗浄剤であって、該洗浄剤の25℃におけるpHが6.0〜14.0であり、かつ界面活性剤(C)及びアニオン性界面活性剤(D)の合計モル数に対する界面活性剤(C)のモル数の比が0.15〜0.85である電子材料用洗浄剤(F)。
  2. 該電子材料が磁気ディスク基板である請求項1に記載の電子材料用洗浄剤。
  3. 請求項1又は2に記載の電子材料用洗浄剤を用いて、電子材料を洗浄する工程を含む電子材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019182936A (ja) * 2018-04-04 2019-10-24 ライオンハイジーン株式会社 液体洗浄剤

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