JP2017049273A - 画像形成装置及び現像剤収容容器、シャッタ - Google Patents

画像形成装置及び現像剤収容容器、シャッタ Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成によって「シャッタ取付」と「シャッタの初期位置戻し」の両立を実現できる画像形成装置の提供。【解決手段】シャッタ8は、遮蔽部8fから突設されシャッタ8の取付方向に延伸する2つの係止部8aを有している。係止部8aは弾性変形可能に形成され、各係止部8aの先端部にはロック爪部8bが設けられている。ロック爪部8bは、シャッタ8の取付方向に交差する幅方向の外側に向かって突起している。ロック爪部8bの先端側には、第二傾斜面8cと第一傾斜面8dの異なる2つの傾斜面が形成されている。これによれば、第二傾斜面8cの傾斜角はできる限り小さくして、第二傾斜面8cと取付当接部4bとの摺動抵抗を弱めることと、第一傾斜面8dの傾斜角をできる限り大きくして、第一傾斜面8dと戻し当接部91との摺動抵抗を強くすることの両方を満たし得る。従って、「シャッタ取付」と「シャッタの初期位置戻し」の両立を実現できる。【選択図】図12

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機などの、電子写真技術を利用した画像形成装置、画像形成装置に用いて好適な現像剤収容容器、シャッタに関する。
電子写真技術を利用した画像形成装置では、現像剤が使用されている。画像形成装置は現像剤を用いて画像形成を行うが故に、現像剤は画像形成に伴い現像に供されて消費される。そこで、画像形成装置では現像剤補給装置(以下、単に補給装置と記す)によって新しい現像剤が補給されている。補給装置には、補給用の現像剤を収容した現像剤補給容器(以下、単に補給容器と記す)が挿抜可能に設けられている。補給容器の排出口には、補給容器からの現像剤漏れを防ぐためにシャッタが設けられている(特許文献1)。
シャッタは、予め補給容器に取り付けられている。補給容器を作成する際に、シャッタが補給容器に簡易に取り付けられるよう、シャッタは補給容器への取付方向に向けて突設され且つ先端部に傾斜面が形成された一対の係止部を有している。シャッタは補給装置への取付時に、係止部の傾斜面が補給容器の当接部に当接されることに応じて係止部が弾性変形することによって、補給容器に円滑に取り付けられ得る。
シャッタの取り付けられた補給容器が補給装置に装着される場合、補給装置への挿入途中に、係止部が補給装置の被係止部に係止されることでシャッタが補給装置に固定され、それ以降、補給容器はシャッタに対し相対的に移動する。補給容器は、シャッタが開き排出口が露出する位置まで移動される。こうして、補給容器の排出口と現像器の受入口とが連通され、補給容器から現像器への現像剤の補給が可能となる。一方、補給容器が補給装置から離脱される際には、補給容器が補給装置に未装着時の初期位置までシャッタを戻す必要がある。係止部の傾斜面は、シャッタを初期位置に戻す際にも利用されている。
特開2013−15826号公報
上述したように、従来では係止部の傾斜面を利用して、補給容器にシャッタを取り付ける際の「シャッタ取付」と、補給容器を補給装置から離脱させる際の「シャッタの初期位置戻し」とを実現するようにしている。そのためには、係止部の傾斜面が任意の傾斜角で形成される必要がある。ここで、円滑なシャッタ取付を実現するためには、傾斜面の傾斜角をできる限り小さくして、シャッタの取付時における傾斜面と当接部との摺動抵抗を弱めるのが望ましい。他方、確実にシャッタを初期位置に戻させるためには、傾斜面の傾斜角をできる限り大きくして、補給容器の離脱時における傾斜面と当接部との摺動抵抗を強めるのが望ましい。従来ではこれら相反する要望をできる限り満たすべく、傾斜角が調整されて傾斜面が形成されていた。しかしながら、傾斜角の調整は限られた範囲でしかなし得ず、必ずしも上記の要望の両方を満たし得るものではなかった。そこで、上記の「シャッタ取付」と「シャッタの初期位置戻し」とを両立可能なものが従来から望まれていたが、未だそうしたものは提案されていない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、「シャッタ取付」と「シャッタの初期位置戻し」との両立を簡易な構成で実現可能な画像形成装置及び現像剤収容容器、シャッタの提供を目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体に挿抜可能に設けられ現像剤を受け渡すための開口部を有する現像剤収容容器と、前記現像剤収容容器に装着可能に設けられ前記開口部を開閉するシャッタと、を備え、前記シャッタは、当該シャッタの挿入方向に交差する幅方向に移動可能な係合部を有し、前記装置本体は、前記現像剤収容容器を抜き出す動作に伴い前記シャッタが前記現像剤収容容器と共に所定方向に移動した際に、前記係合部に当接し前記シャッタを前記開口部を閉める位置に移動させる第一当接部を有し、前記現像剤収容容器は、前記シャッタが当該現像剤収容容器に対し前記所定方向に移動した際に、前記係合部に当接し前記係合部を前記幅方向に移動させて、前記シャッタを当該現像剤収容容器に装着させる第二当接部を有し、前記係合部は、前記現像剤収容容器の離脱方向の移動に伴い前記第一当接部と当接する第一傾斜面と、前記シャッタの挿入方向の移動に伴い前記所定方向に対する角度が前記第一傾斜面の前記角度よりも小さい角度で前記第二当接部と当接する第二傾斜面とを有する、ことを特徴とする。
本発明に係る現像剤収容容器は、開口部を有する収容部と、前記収容部に装着可能に設けられ前記開口部を開閉するシャッタと、を備え、前記シャッタは、当該シャッタの挿入方向に交差する幅方向に移動可能な係合部を有し、前記収容部は、前記シャッタの当該収容部への装着動作に伴い前記シャッタが前記挿入方向に移動した際に、前記係合部に当接し前記係合部を前記幅方向に移動させて、前記シャッタを当該収容部に装着させる当接部を有し、前記係合部は、前記シャッタの挿入方向の移動に伴い前記当接部と当接しない第一傾斜面と、前記挿入方向に対する角度が前記第一傾斜面の前記角度よりも小さい角度に設けられ、前記シャッタの挿入方向の移動に伴い前記当接部と当接する第二傾斜面とを有する、ことを特徴とする。
本発明に係るシャッタは、現像剤収容容器に装着可能なシャッタであって、開口部を有する板状の本体部と、前記本体部の側面から前記現像剤収容容器に挿入する挿入方向に突出した係止部と、前記係止部の先端側で前記挿入方向に交差する幅方向に移動可能な係合部と、を備え、前記係合部は凹状に形成された凹部を有し、前記挿入方向に対して所定角度で傾斜するように前記凹部に配設された第一傾斜面と、前記挿入方向に対する角度が前記所定角度よりも小さい角度で傾斜するように前記凹部以外に配設された第二傾斜面とを有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成によって「シャッタ取付」と「シャッタの初期位置戻し」の両立を実現することが可能となる。
本実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。 (a)現像剤補給装置の部分断面図、(b)装着部の外観斜視図、(c)装着部の断面図である。 現像剤補給容器と現像剤補給装置を示す拡大断面図である。 現像剤補給の流れを説明するフローチャートである。 現像剤補給装置の別の実施形態を示す拡大断面図である。 (a)現像剤補給容器を示す外観斜視図、(b)排出口周辺の様子を示す部分拡大図、(c)現像剤補給容器を現像剤補給装置の装着部に装着した状態を示す正面図である。 (a)現像剤補給容器の断面斜視図、(b)ポンプ部が使用上最大限伸張された状態の部分断面図、(c)ポンプ部が使用上最大限収縮された状態の部分断面図である。 (a)ポンプ部が使用上最大限伸張された状態の部分図、(b)ポンプが使用上最大限収縮された状態の部分図、(c)ポンプ部の部分図である。 本実施形態のシャッタを示す(a)上面図、(b)外観斜視図、(c)ロック爪部の拡大図である。 ロック爪部の傾斜面について説明する部分拡大斜視図である。 (a)シャッタの現像剤補給容器への取付開始時を示す上面図、(b)取付途中を示す上面図、(c)は取付完了時を示す上面図である。 現像剤補給容器の現像剤補給装置への装着開始時を示す、(a)上面図、(b)部分拡大図である。 現像剤補給容器の現像剤補給装置への装着途中を示す、(a)上面図、(b)部分拡大図である。 現像剤補給容器の現像剤補給装置への装着完了時を示す、(a)上面図、(b)部分拡大図である。 現像剤補給容器の現像剤補給装置からの取出しを説明するための、(a)上面図、(b)部分拡大図、(c)部分拡大斜視図である。 比較例のシャッタを示す(a)上面図、(b)外観斜視図、(c)ロック爪部の拡大図である。 比較例のシャッタを用いた現像剤補給容器の現像剤補給装置からの取出しを説明するための、(a)上面図、(b)部分拡大図、(c)部分拡大斜視図である。 比較例のシャッタを用いた現像剤補給容器の現像剤補給装置への再装着を説明するための、(a)上面図、(b)部分拡大図である
(画像形成装置)
以下、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。まず、画像形成装置について概要を説明し、続いて、この画像形成装置に搭載される現像剤補給装置並びに現像剤補給容器について順に説明する。
本実施形態の現像剤補給容器(所謂、トナーカートリッジ)が挿抜可能な現像剤補給装置を搭載した画像形成装置として、電子写真方式を採用した画像形成装置について図1を用いて説明する。
図1において、100は画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)である。また、101は原稿であり、原稿台ガラス102の上に置かれる。そして、原稿の画像情報に応じた光像を光学部103の複数のミラーMとレンズLnにより、電子写真感光体104(以下、感光体)上に結像させることにより静電潜像を形成する。この静電潜像は乾式の現像器(1成分現像器)201aにより現像剤(乾式粉体)としてのトナー(1成分磁性トナー)を用いて可視化される。
なお、本実施形態では現像剤補給容器1から補給すべき現像剤として1成分磁性トナーを用いた例について説明するが、このような例だけではなく、後述するような構成としても構わない。
具体的には、1成分非磁性トナーを用いて現像を行う1成分現像器を用いる場合、現像剤として1成分非磁性トナーを補給することになる。また、磁性キャリアと非磁性トナーを混合した2成分現像剤を用いて現像を行う2成分現像器を用いてもよく、その場合、現像剤として非磁性トナーを補給することなる。なお、この場合、現像剤として非磁性トナーとともに磁性キャリアも併せて補給する構成であってもよい。
105〜108は記録材(以下、「シート」ともいう)Pを収容するカセットである。これらカセット105〜108に積載されたシートPのうち、複写機の液晶操作部から操作者(ユーザ)が入力した情報もしくは原稿101のシートサイズを基に最適なカセットが選択される。ここで記録材としては用紙に限定されずに、例えばOHPシート等適宜使用、選択できる。
そして、給送分離装置105A〜108Aにより搬送された1枚のシートPを、搬送部109を経由してレジストローラ110まで搬送し、感光体104の回転と、光学部103のスキャンのタイミングを同期させて搬送する。
111は転写帯電器、112は分離帯電器である。ここで、転写帯電器111によって、感光体104上に形成された現像剤による像をシートPに転写する。そして、分離帯電器112によって、現像剤像(トナー像)の転写されたシートPを感光体104から分離する。
この後、搬送部113により搬送されたシートPは、定着部114において熱と圧によりシート上の現像剤像を定着させた後、片面コピーの場合には、排出反転部115を通過し、排出ローラ116により排出トレイ117へ排出される。
また、両面コピーの場合には、シートPは排出反転部115を通り、一度排出ローラ116により一部が装置外へ排出される。そして、この後、シートPの終端がフラッパ118を通過し、排出ローラ116にまだ挟持されているタイミングでフラッパ118を制御すると共に排出ローラ116を逆回転させることにより、再度装置内へ搬送される。さらに、この後、再給送搬送部119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
上記構成の装置本体100において、感光体104の回りには現像手段としての現像器201a、クリーニング手段としてのクリーナ部202、帯電手段としての一次帯電器203等の画像形成プロセス機器が設置されている。なお、現像器201aは原稿101の画像情報に基づき光学部103により感光体104に形成された静電潜像に現像剤を付着させることにより現像するものである。また、一次帯電器203は、感光体104上に所望の静電像を形成するため感光体表面を一様に帯電するためのものである。また、クリーナ部202は感光体104に残留している現像剤を除去するためのものである。
(現像剤補給装置)
次に、現像剤補給システムの構成要素である現像剤補給装置201について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図2(a)は現像剤補給装置201の部分断面図、図2(b)は現像剤補給容器1が挿抜可能な装着部10の外観斜視図、図2(c)は装着部10の断面図を示している。また、図3は、制御系並びに、現像剤補給容器1と現像剤補給装置201を部分的に拡大した断面図を示している。図4は、制御系による現像剤補給の流れを説明するフローチャートである。
現像剤補給装置201は、図1に示すように、現像剤補給容器1が挿抜可能な装着部(装着スペース)10と、現像剤補給容器1から排出された現像剤を一時的に貯留するホッパ10aと、現像器201aと、を有している。現像剤補給容器1は、図2(c)に示すように、装着部10に対して図中矢印M方向に挿入される構成となっている。現像剤補給容器1の長手方向(回転軸線方向)は、ほぼこの挿入方向と一致する。なお、現像剤補給容器1の装着部10からの離脱方向(所定方向、抜き出す方向)は、図中矢印M方向と反対方向である。
現像器201aは、図1及び図2(a)に示すように、現像ローラ201fと、撹拌部材201cと、送り部材201d、201eとを有している。そして、現像剤補給容器1から補給された現像剤は撹拌部材201cにより撹拌され、送り部材201d、201eにより現像ローラ201fに送られて、現像ローラ201fにより感光体104に供給される。
なお、現像ローラ201fには、ローラ上の現像剤コート量を規制する現像ブレード201g、現像器201aとの間の現像剤の漏れを防止するために現像ローラ201fに接触配置された漏れ防止シート201hが設けられている。
装着部10には、図2(b)に示すように、現像剤補給容器1が装着された際に現像剤補給容器1のフランジ部4(後述する図6(a)参照)に当接することでフランジ部4の回転方向への移動を規制する、回転方向規制部(保持機構)11が設けられている。
装着部10は現像剤補給容器1が装着された際に、図3に示すように、現像剤補給容器1の排出口(排出孔)4aと連通することにより、現像剤補給容器1から排出された現像剤を受入れる現像剤受入れ口(現像剤受入れ孔)13を有する。そして、現像剤補給容器1の排出口4aから現像剤が現像剤受入れ口13を通してホッパ10aに供給される。ホッパ10aは、現像器201aへ現像剤を搬送するための搬送スクリュー10bと、現像器201aと連通した開口10cと、ホッパ10a内に収容されている現像剤の量を検出する現像剤センサ10dを有している。現像剤補給容器1から排出された現像剤は、ホッパ10aによって現像器201aへと供給される。
なお、本実施形態において、現像剤受入れ口13の直径φは、装着部10内での現像剤による汚れを可及的に防止する目的より、微細口(ピンホール)として約2mmに設定されている。なお、現像剤受入れ口13の直径は排出口4aから現像剤が排出できる直径であればよい。
また、装着部10は、図2(b)、(c)に示すように、駆動機構(駆動部)として機能する駆動ギア300を有している。この駆動ギア300は、駆動モータ500(図3参照)から駆動ギア列を介して回転駆動力が伝達され、装着部10にセットされた状態にある現像剤補給容器1に対し回転駆動力を付与する機能を有している。
図3に示すように、駆動モータ500は、制御装置(CPU)600によりその動作を制御される。制御装置600は、現像剤センサ10dから入力された現像剤残量情報に基づき、駆動モータ500の動作を制御する。
なお、本実施形態において、駆動ギア300は、駆動モータ500の制御を簡易化させるため、一方向にのみ回転するように設定されている。つまり、制御装置600は、駆動モータ500について、そのオン(作動)/オフ(非作動)のみを制御する構成となっている。従って、駆動モータ500(駆動ギア300)を正方向と逆方向とに周期的に反転させることで得られる反転駆動力を現像剤補給容器1に付与する構成に比して、現像剤補給装置201の駆動機構の簡易化を図ることができる。
(現像剤補給容器の着脱方法)
次に、現像剤補給容器1の着脱方法について説明する。まず、操作者は装着部10に設けられた交換カバー(不図示)を開いて、現像剤補給容器1を装着部10へ挿入する。操作者によって装着部10の奥まで現像剤補給容器1が挿入されると、現像剤補給容器1の現像剤補給装置201への装着が完了する。その後、操作者は交換カバーを閉じる。ここで、現像剤補給容器1が装着された状態では、現像剤補給容器1のフランジ部4が装着部10に保持、固定されている。
現像剤補給容器1内の現像剤が空となったような場合、操作者は交換カバーを開き、装着部10から現像剤補給容器1を離脱させる(取り出す)。そして、現像剤が充填されている別の現像剤補給容器1を装着部10へと挿入、装着した後、交換カバーを閉じる。こうして、操作者は現像剤補給容器1の交換作業を行う。
(現像剤補給装置による現像剤補給制御)
次に、現像剤補給装置201による現像剤補給制御について、図4のフローチャートに基づき説明する。この現像剤補給制御は、制御装置(CPU)600により各種機器を制御することにより実行される。本実施形態では、現像剤センサ10dの出力に応じて制御装置600が駆動モータ500の作動/非作動の制御を行うことにより、ホッパ10a内に一定量以上の現像剤が収容されないように構成している。
具体的には、まず、現像剤センサ10dがホッパ10a内の現像剤収容量をチェックする(S100)。そして、現像剤センサ10dにより検出された現像剤収容量が所定量未満であると判定された場合、つまり、現像剤センサ10dにより現像剤が検出されなかった場合、駆動モータ500を駆動し、一定時間、現像剤の補給動作を実行する(S101)。
この現像剤補給動作の結果、現像剤センサ10dにより検出された現像剤収容量が所定量に達したと判定された場合、つまり現像剤センサ10dにより現像剤が検出された場合、駆動モータ500の駆動をオフし、現像剤の補給動作を停止する(S102)。この補給動作の停止により、一連の現像剤補給工程が終了する。
このような現像剤補給工程は、画像形成に伴い現像剤が消費されてホッパ10a内の現像剤収容量が所定値未満となると、繰り返し実行される構成となっている。
なお、現像剤補給装置201は、上述したような、現像剤補給容器1から排出された現像剤をホッパ10a内に一時的に貯留し、その後、現像器201aへ補給するものに限られない。例えば、図5に示すような現像剤補給装置であってもよい。図5は、現像剤補給装置の別の実施形態を示す拡大断面図である。
図5に示す現像剤補給装置は、図3に示した現像剤補給装置からホッパ10aを省き、現像剤補給容器1から現像器800へ直接的に現像剤を補給する。この場合の現像器800は、非磁性トナー及び磁性キャリアを含んだ2成分現像剤を用いて画像形成を行うタイプの現像器である。現像器800は、現像剤が補給される撹拌室と、現像スリーブ800aへ現像剤を供給する現像室とを有し、撹拌室と現像室には現像剤搬送方向が互いに逆向きとなる撹拌スクリュー800bが設置されている。そして、撹拌室と現像室は長手方向(現像剤搬送方向)両端部において互いに連通していることから、現像剤はこれら2つの部屋を循環搬送される。撹拌室には現像剤中のトナー濃度を検出する磁気センサ800cが設置されており、この磁気センサ800cの検出結果に基づいて制御装置600が駆動モータ500の動作を制御できるようにしている。
(現像剤補給容器)
次に、現像剤補給容器1について図6(a)乃至図7(c)を用いて説明する。ここで、図6(a)は現像剤補給容器1の外観斜視図、図6(b)は現像剤補給容器1の排出口4a周辺の部分拡大図、図6(c)は現像剤補給容器1を装着部10に装着した状態を示す正面図である。また、図7(a)は現像剤補給容器の断面斜視図、図7(b)はポンプ部が使用上最大限伸張された状態の部分断面図、図7(c)はポンプ部が使用上最大限収縮された状態の部分断面図である。
現像剤収容容器としての現像剤補給容器1は、図6(a)に示すように、中空円筒状に形成され内部に現像剤を収容する内部空間を備えた現像剤収容部2(容器本体とも呼ぶ)を有している。本実施形態では、円筒部2kと排出部4c(図5参照)、ポンプ部3a(図5参照)が現像剤収容部2として機能する。さらに、現像剤補給容器1は、現像剤収容部2の長手方向(現像剤搬送方向)一端側にフランジ部4(非回転部とも呼ぶ)を有している。また、円筒部2kはこのフランジ部4に対して相対回転可能に構成されている。なお、円筒部2kの断面形状を、現像剤補給工程における回転動作に影響を与えない範囲内において、非円形状としても構わない。例えば、楕円形状のものや多角形状のものを採用しても構わない。
なお、本実施形態では、図7(b)に示すように、現像剤収容室として機能する円筒部2kの全長L1が約460mm、外径R1が約60mmに設定されている。また、現像剤排出室として機能する排出部4cが設置されている領域の長さL2は約21mmである。ポンプ部3aの全長L3(使用上の伸縮可能範囲の中で最も伸びた状態のとき)は約29mmであり、図7(c)に示すように、ポンプ部3aの全長L4(使用上の伸縮可能範囲の中で最も縮んだ状態のとき)は約24mmである。
(現像剤補給容器の材質)
本実施形態では、後述するように、ポンプ部3aにより現像剤補給容器1内の容積を変化させることにより、排出口4aから現像剤を排出させる構成となっている。よって、現像剤補給容器1の材質としては、容積の変化に対して大きく潰れてしまったり、大きく膨らんでしまったりしない程度の剛性を有したものを採用するのが好ましい。
また、本実施形態では、現像剤補給容器1は、現像剤Tの排出時、外部とは排出口4aを通じてのみ連通しており、排出口4aを除き外部から密閉された構成としている。つまり、ポンプ部3aにより現像剤補給容器1の容積を減少、増加させて排出口4aから現像剤を排出する構成を採用していることから、安定した排出性能が保たれる程度の気密性が求められる。
そこで、本実施形態では、現像剤収容部2と排出部4cの材質をポリスチレン樹脂とし、ポンプ部3aの材質をポリプロピレン樹脂としている。
なお、使用する材質に関して、現像剤収容部2と排出部4cは容積可変に耐えうる素材であれば、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の他の樹脂を使用することが可能である。また、金属製であっても構わない。
また、ポンプ部3aの材質に関しては、伸縮機能を発揮し容積変化によって現像剤補給容器1の容積を変化させることができる材料であれば良い。例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン等を肉薄で形成したものでも構わない。また、ゴムや、その他の伸縮性材料などを使用することも可能である。
なお、樹脂材料の厚みを調整するなどして、ポンプ部3a、現像剤収容部2、排出部4cのそれぞれが上述した機能を満たすのであれば、それぞれを同じ材質で、例えば、射出成形法やブロー成形法等を用いて一体的に成形されたものを用いても構わない。
以下、現像剤補給容器1における、フランジ部4、円筒部2k、ポンプ部3a、駆動受け機構(ギア部2d)、駆動変換機構(カム溝2e)、の構成について、順に、詳細に説明する。
(フランジ部)
フランジ部4には、図7(a)及び図7(b)に示すように、円筒部2kから搬送されてきた現像剤を一時的に収容するための中空の排出部(現像剤排出室)4cが設けられている。排出部4cは、開口部として排出口4aを底面に有する。この排出口4aの周囲には、孔のあいた開口シール5aが設けられている。シール部材としての開口シール5aは両面テープで排出部4cに貼り付けられ、後述のようにシャッタ8と排出部4cとに当接してこれらの隙間を封止した状態に挟持されることで、排出口4a周りから現像剤が漏れるのを防止する。なお、シャッタ8については後述する。
また、フランジ部4は、現像剤補給容器1が装着部10に装着されると、実質不動となるように構成されている。具体的には、フランジ部4が自ら円筒部2kの回転方向へ回転することがないように、図2(b)に示す回転方向規制部11が設けられている。従って、現像剤補給容器1が装着部10に装着された状態では、フランジ部4に設けられている排出部4cも、円筒部2kの回転方向へ回転することが実質阻止された状態となる(ガタ程度の移動は許容する)。なお、現像剤補給容器1は装着時、フランジ部4側を先頭に装着部10に挿入される。
一方、円筒部2kは現像剤補給装置201により回転方向への規制は受けずに、現像剤補給工程において回転し得る。
さらに、図7(a)乃至図7(c)に示すように、円筒部2kから螺旋状の凸部(搬送突起)2cにより搬送されてきた現像剤を、排出部4cへと搬送するための板状の搬送部材6が設けられている。この搬送部材6は、現像剤収容部2の一部の領域を略二分割するように設けられており、円筒部2kとともに一体的に回転する構成となっている。そして、この搬送部材6にはその両面に円筒部2kの回転軸線方向に対し、排出部4c側に傾斜した傾斜リブ6aが複数設けられている。
上記の構成により、搬送突起2cにより搬送されてきた現像剤は、円筒部2kの回転に連動してこの板状の搬送部材6により鉛直方向下方から上方へと掻き上げられる。その後、円筒部2kの回転が進むに連れて、重力によって搬送部材6の表面上を滑り落ち、やがて傾斜リブ6aによって排出部4c側へと受け渡される。本構成においては、この傾斜リブ6aは、円筒部2kが半周する毎に現像剤が排出部4cへと送り込まれるように、搬送部材6の両面に設けられている。
(円筒部)
次に、現像剤収容室として機能する円筒部2kについて、図6(a)乃至図7(c)を用いて説明する。
円筒部2kの内面には、図6(a)乃至図7(c)に示すように、収容された現像剤を自らの回転に伴い、現像剤排出室として機能する排出部4c(排出口4a)に向けて搬送する手段として機能する、螺旋状に突出した搬送突起2cが設けられている。円筒部2kは、上述した材質の樹脂を用いてブロー成型法により形成されている。
また、円筒部2kは、図7(b)乃至図7(c)に示すように、フランジ部4の内面に設けられたリング状のシール部材のフランジシール5bを圧縮した状態で、フランジ部4に対して相対回転可能に固定されている。
これにより、円筒部2kは、フランジシール5bと摺動しながら回転するため、回転中において現像剤が漏れることなく、また、気密性が保たれる。つまり、排出口4aを介した空気の出入りが適切に行われるようになり、現像剤の補給中における、現像剤補給容器1の容積可変を所望の状態にすることができるようになっている。
(ポンプ部)
図7(a)乃至図7(c)に示されるポンプ部3aは、前記ギア部2dが受けた駆動力により現像剤収容部2の内圧が大気圧よりも低い状態と高い状態とに交互に繰り返し切り替わるように動作する。
本実施形態では前述したように小さな排出口4aから現像剤を安定的に排出させるために、現像剤補給容器1の一部に上記したポンプ部3aを設けている。ポンプ部3aはその容積が可変可能な樹脂製の容積可変型ポンプとなっている。具体的には、ポンプ部3aとして、伸縮可能な蛇腹状の伸縮部材で構成されているものを採用している。具体的には、図7(a)乃至図7(c)に示すように、蛇腹状のポンプを採用しており、「山折り」部と「谷折り」部が周期的に交互に複数形成されている。
このポンプ部3aの伸縮動作により現像剤補給容器1内の圧力を変化させ、その圧力を利用して現像剤の排出を行っている。具体的には、ポンプ部3aを縮める際には現像剤補給容器1内が加圧状態となり、その圧力に押し出される形で現像剤が排出口4aから排出される。またポンプ部3aを伸ばす際には現像剤補給容器1内が減圧状態になり、外部から排出口4aを介してエアが取り込まれる。この取り込まれたエアにより排出口4a付近の現像剤が解れ、次の排出がスムーズに行われるようになっている。以上のような伸縮動作をポンプ部3aが繰り返し行うことで現像剤の排出が行われる。本実施形態のように、蛇腹状のポンプ部3aを採用した場合、伸縮量に対する容積変化量のばらつきを少なくすることができるので、安定した容積可変動作を行うことが可能となる。
(駆動受け機構)
次に、搬送突起2cを備えた円筒部2kを回転させるための回転駆動力を現像剤補給装置201から受ける、現像剤補給容器1の駆動受け機構(駆動入力部、駆動力受け部)について説明する。
現像剤補給容器1には、図6(a)に示すように、現像剤補給装置201の駆動ギア300(駆動機構として機能する)と係合(駆動連結)可能な駆動受け機構(駆動入力部、駆動力受け部)として機能するギア部2dが設けられている。このギア部2dは、円筒部2kと一体的に回転可能な構成となっている。従って、駆動ギア300からギア部2dに入力された回転駆動力は、図8(a)及び図8(b)の往復動部材3bを介してポンプ部3aへ伝達される仕組みとなっている。具体的には、駆動変換機構で後述する。本実施形態の蛇腹状のポンプ部3aは、その伸縮動作を阻害しない範囲内で、回転方向へのねじれに強い特性を備えた樹脂材を用いて製造されている。
なお、本実施形態では、円筒部2kの長手方向(現像剤搬送方向)側にギア部2dを設けているが、このような例に限られるものではなく、例えば、現像剤収容部2の長手方向他端側、つまり最後尾側に設けても構わない。この場合、対応する位置に駆動ギア300が設置されることになる。
また、本実施形態では、現像剤補給容器1の駆動入力部と現像剤補給装置201の駆動部間の駆動連結機構としてギア機構を用いているが、このような例に限られるものではなく、例えば、公知のカップリング機構を用いるようにしても構わない。具体的には、駆動入力部として非円形状の凹部を設け、一方、現像剤補給装置201の駆動部として前述の凹部と対応した形状の凸部を設け、これらが互いに駆動連結する構成としても構わない。
(駆動変換機構)
次に、現像剤補給容器1の駆動変換機構(駆動変換部)について説明する。なお、本実施形態では、駆動変換機構の例としてカム機構を用いた場合について説明する。
現像剤補給容器1には、ギア部2dが受けた円筒部2kを回転させるための回転駆動力を、ポンプ部3aを往復動させる方向の力へ変換する駆動変換機構(駆動変換部)として機能するカム機構が設けられている。つまり、本実施形態では、ギア部2dが受けた回転駆動力を、現像剤補給容器1側で往復動力へ変換することで、円筒部2kを回転させる駆動力とポンプ部3aを往復動させる駆動力を、1つの駆動入力部(ギア部2d)で受ける構成としている。これにより、現像剤補給容器1に駆動入力部を2つ別々に設ける場合に比して、現像剤補給容器1の駆動入力機構の構成を簡易化することが可能となる。更に、現像剤補給装置201の1つの駆動ギアから駆動を受ける構成としたため、現像剤補給装置201の駆動機構の簡易化にも貢献することができる。
ここで、図8(a)はポンプ部3aが使用上最大限伸張された状態の部分図、図8(b)はポンプ部3aが使用上最大限収縮された状態の部分図、図8(c)はポンプ部の部分図である。図8(a)及び図8(b)に示すように、回転駆動力をポンプ部3aの往復動力に変換する為に介する部材としては往復動部材3bを用いている。具体的には、駆動ギア300から回転駆動を受けた駆動入力部(ギア部2d)と、一体となっている全周に溝が設けられているカム溝2eが回転する。このカム溝2eには、往復動部材3bから一部が突出した往復動部材係合突起3cがカム溝2eに係合している。なお、本実施形態では、この往復動部材3bは図8(c)に示すように、円筒部2kの回転方向へ自らが回転することがないように(ガタ程度は許容する)、保護部材回転規制部3fによって円筒部2kの回転方向が規制されている。このように、回転方向が規制されることで、カム溝2eの溝に沿って(図7の矢印X方向もしくは逆方向)往復動するように規制されている。さらに、往復動部材係合突起3cは、カム溝2eに複数係合するように設けられている。具体的には、円筒部2kの外周面に2つの往復動部材係合突起3cが約180°対向するように設けられている。
往復動部材係合突起3cは、少なくとも1つ設けられていれば構わない。但し、ポンプ部3aの伸縮時の抗力により駆動変換機構等にモーメントが発生し、スムーズな往復動が行われない恐れがあるため、後述するカム溝2e形状との関係が破綻しないよう複数個設けるのが好ましい。
以上のように、駆動ギア300から入力された回転駆動力でカム溝2eが回転することで、カム溝2eに沿って往復動部材係合突起3cが矢印X方向もしくは逆方向に往復動作する。これに応じて、ポンプ部3aが伸張した状態(図8(a))と、ポンプ部3aが収縮した状態(図8(b))を交互に繰り返して、現像剤補給容器1の容積可変を達成することができる。
(シャッタ)
現像剤補給容器1には、シャッタ8が排出部4cとの間で開口シール5aを挟持するようにして排出部4cの底部に装着可能に設けられる(図7(a)参照)。シャッタ8は、現像剤補給容器1が現像剤補給装置201に未装着状態で排出口4aを閉じ、現像剤補給容器1が現像剤補給装置201に装着状態で排出口4aを開くようになっている。即ち、シャッタ8は、現像剤補給容器1の現像剤補給装置201への挿抜動作に伴い排出口4aを開閉し得る。これにより、未装着時の現像剤補給容器1からの現像剤漏れの防止と、装着時の現像剤補給容器1からの現像剤供給とを実現する。本実施形態のシャッタ8について、図9(a)乃至図10を用いて説明する。
図9(a)及び図9(b)に示すように、シャッタ8は本体部として板状の遮蔽部8fを有し、遮蔽部8fにはシャッタ開口8eが開口されている。シャッタ8は、現像剤補給容器1の排出口4aに対しスライド移動可能に取り付けられる。これにより、遮蔽部8fのシャッタ開口8eが排出口4aに対向する場合にのみ現像剤補給容器1から現像剤が排出され、それ以外の場合には現像剤補給容器1から現像剤が排出されないようにできる。
シャッタ8は、遮蔽部8fの側面からシャッタ8の現像剤補給容器1に対する挿入方向(便宜上、取付方向と呼ぶ)に延伸する2つの係止部8aを有している。係止部8aは弾性変形可能に形成され、各係止部8aの先端部には図中点線で囲むロック爪部8bが設けられている。係止部8aは、ロック爪部8bがシャッタ8の取付方向に直交する幅方向の内側に押圧された場合に、遮蔽部8f側に近づくように幅方向内側に弾性変形する。係止部8aは、幅方向内側への押圧が解除された場合に、遮蔽部8f側から遠ざかるように幅方向外側に弾性変形が回復する。こうした係止部8aの弾性変形に応じて、ロック爪部8bは幅方向に移動可能である。
ロック爪部8bは、シャッタ8の取付方向に交差する幅方向の外側に向かって突起した形状に形成されている。そして、ロック爪部8bは、先端側に第二傾斜面8cと第一傾斜面8dの異なる2つの傾斜面を有する。図9(b)に示すように、第一傾斜面8dは、第二傾斜面8cの幅方向外側端部から幅方向内側端部に向かって第二傾斜面8cの上端側の一部を削った凹状に形成されている。第一傾斜面8dはシャッタ8の取付方向に関し、第二傾斜面8cよりも係止部8aの根本(先端側とは反対)側に形成されている。
図9(c)に示すように、第一傾斜面8dは、傾斜角βが第二傾斜面8cの傾斜角α(所定角度)よりも大きくなるように形成されている(α<β)。反対に言うと、第二傾斜面8cの傾斜角αは、第一傾斜面8dの傾斜角βよりも小さい。ここで、第一傾斜面8dの傾斜角βは、ロック爪部8bの幅方向外側端部の点Oから第一傾斜面8dに沿って延ばされる直線nと、係止部8aに沿ってシャッタ8の取付方向に延ばされる直線lとがなす角度である。これに対し、第二傾斜面8cの傾斜角αは、ロック爪部8bの幅方向外側端部の点Oから第二傾斜面8cに沿って延ばされる直線mと、係止部8aに沿ってシャッタ8の取付方向に延ばされる直線lとがなす角度である。なお、本実施形態では、直線lの方向はシャッタ8の取付方向だけでなく現像剤補給容器1の離脱方向(所定方向)にもほぼ一致する。
図10に示すように、ロック爪部8bは第二傾斜面8cの一部に凹状に形成された凹部8hを有する。凹部8hは、第二傾斜面8cに対しシャッタ8の取付方向に交差する幅方向に直交し且つシャッタ8の取付方向に直交する方向にずれて形成されている。第一傾斜面8dは凹部8hに設けられ、第二傾斜面8cは凹部8h以外(凹部以外)に設けられる。そのため、第一傾斜面8dは第二傾斜面8cの一部に並べられた状態で、第二傾斜面8cよりもシャッタ8の取付方向の上流側に配設される。このように、ロック爪部8bには傾斜角の異なる2つの傾斜面8c、8dが形成されている。
(シャッタの取付)
上述したシャッタ8の現像剤補給容器1への取り付けについて、図11(a)乃至図11(c)を用いて説明する。図11(a)は現像剤補給容器1へのシャッタ8の取付開始時、図11(b)はシャッタ8の取付途中、図11(c)はシャッタ8の取付完了時を示している。
図11(a)に示すように、シャッタ8は現像剤補給容器1に対し現像剤補給容器1の長手方向にスライド移動されて取り付けられる。ここでのシャッタ8の取付方向は、図中矢印A方向である。シャッタ8が現像剤補給容器1に取り付けられる場合、シャッタ8の係止部8aが現像剤補給容器1の排出部4cの取付路に侵入する。排出部4cの取付路の途中には、取付路の幅を狭くするように第二当接部としての取付当接部4bが設けられている。シャッタ8が現像剤補給容器1に挿入されると、ある時点で係止部8aのロック爪部8b(より具体的には第二傾斜面8c)が取付当接部4bに当接する。ロック爪部8bが取付当接部4bに当接した状態で更にシャッタ8が押し込まれると、図11(b)に示すように、ロック爪部8bが幅方向内側(図中矢印D、E方向)に押圧されながら摺動するので、係止部8aは幅方向内側に弾性変形する。係止部8aの弾性変形に伴い、ロック爪部8bは取付当接部4bを乗り超える。ロック爪部8bが取付当接部4bを乗り超えた時点で、係止部8aは幅方向内側への押圧が解除されて幅方向外側に弾性変形が回復する。そして、図11(c)に示すように、係止部8aがより深く侵入することで、シャッタ8の取り付けが完了する。
なお、後述するように(後述の図12(a)参照)、現像剤補給容器1が現像剤補給装置201に装着される際には、係止部8aのロック爪部8bを現像剤補給装置201に係止させ、シャッタ開口8eと排出口4aとを対向させ得るようにしている。ロック爪部8bを現像剤補給装置201に係止可能にするため、図11(c)に示すように、ロック爪部8bが排出部4cから幅方向に所定量(図中に突出量sで示す)だけ突出されるようにして、シャッタ8は現像剤補給容器1に取り付けられる。
現像剤補給容器1へのシャッタ8の取付後、保護カバー4eが現像剤補給容器1のフランジ部4(図7(a)参照)に取り付けられる。保護カバー4eは、シャッタ8の一端部に対向して位置付けられる対向部4fを有している。対向部4fがシャッタ8の一端部に当接している場合には、シャッタ開口8eが排出口4aに対向しておらず、遮蔽部8fが排出口4aに対向した状態となる。この状態にある場合のシャッタ8の現像剤補給容器1に対する相対位置を、ここでは「初期位置」と呼ぶ。現像剤補給容器1が現像剤補給装置201に未装着状態である場合、シャッタ8は「初期位置」に位置して排出口4aを閉じた状態である。
本実施形態では現像剤補給容器1に対しシャッタ8を円滑に取り付け可能とするため、ロック爪部8bに傾斜角αの第二傾斜面8cを形成している。第二傾斜面8cを形成することで、ロック爪部8bが取付当接部4bに当接した際に係止部8aが撓みやすくなるので、取付時に大きな力を掛けずともロック爪部8bは取付当接部4bを乗り超えられる。これによれば、シャッタ8は円滑に取り付けられ得る。ただし、第二傾斜面8cの傾斜角α(図9(c)参照)が大きくなるにつれ、第二傾斜面8cと取付当接部4bとの摺動抵抗が強まって、ロック爪部8bが取付当接部4bに引っ掛かりロック爪部8bが破損する恐れが大きくなる。これを避けるため、第二傾斜面8cの傾斜角αはできる限り小さくして、第二傾斜面8cと取付当接部4bとの摺動抵抗を弱めるのが望ましい。
ロック爪部8bには傾斜角αの第二傾斜面8cの他に傾斜角βの第一傾斜面8dが形成されるが、シャッタ8の取付時には、摺動抵抗を低減できる傾斜角αの小さい第二傾斜面8cだけを取付当接部4bに当接させる必要がある。これを実現するため、既に述べた通り、ロック爪部8bに第二傾斜面8cを全面に亘って形成する一方で、第一傾斜面8dを凹状に形成して第二傾斜面8cよりも取付方向に関し後退させている。
(現像剤補給容器の装着)
次に、シャッタ8が取り付けられた現像剤補給容器1の現像剤補給装置201への装着動作について、図12(a)乃至図14(b)を用いて説明する。装着動作とは、未装着の現像剤補給容器1が装着部10に装着されて現像剤補給装置201によって現像剤が補給可能になるまでの動作をいう。なお、図12(a)乃至図14(b)では、図中左側がフランジ部4側であり、図中右側が現像剤収容部2側である。
現像剤補給容器1は、図中矢印C方向(装着方向)にスライド移動して装着部10へ挿入される。即ち、現像剤補給容器1の装着部10への挿入方向は、上述したシャッタ8の現像剤補給容器1への取付方向と反対である。図12(a)に示すように、現像剤補給容器1が装着部10へ挿入開始されると、現像剤補給容器1の移動にあわせてシャッタ8も図中矢印C方向に現像剤補給容器1と一緒に移動する。
装着部10には、係止部8aのロック爪部8bに当接可能に、被係合部としてのロック爪係止部9と第一当接部としての戻し当接部91とが設けられている。ロック爪係止部9は戻し当接部91よりも、現像剤補給容器1の装着方向下流側に設けられている。
現像剤補給容器1の装着時、まずロック爪部8bは戻し当接部91に当接する。この場合にロック爪部8bが戻し当接部91に当接すると、ロック爪部8bが幅方向内側(図中矢印D、E方向)に押圧され、係止部8aは幅方向内側に弾性変形する。係止部8aの弾性変形に伴い、ロック爪部8bは戻し当接部91を乗り超える。なお、戻し当接部91の現像剤補給容器1の装着時にロック爪部8bに当接する面は傾斜しており、ロック爪部8bが戻し当接部91を容易に乗り超えられるつまりは引っ掛からないようにしている。
シャッタ8が現像剤補給容器1と一緒にさらに移動すると、ロック爪部8bがロック爪係止部9に係止される。この場合、図12(b)に示すように、ロック爪部8bのストッパ部8gとロック爪係止部9の第一シャッタストッパ部9aとが当接して、シャッタ8は装着部10に固定される。この状態では、シャッタ開口8eが排出口4aに対向していないことから、現像剤補給容器1から現像剤は排出され得ない。
シャッタ8が装着部10に固定された状態では、図13(a)に示すように、現像剤補給容器1のみが移動する。即ち、現像剤補給容器1とシャッタ8とは相対移動する。現像剤補給容器1とシャッタ8とが相対移動すると、排出部4cに現像剤補給容器1の挿入方向に向けて延設されている規制リブ4dが、図13(b)に示すように、係止部8aと遮蔽部8fとの間の隙間に入り込む。この場合、係止部8aはロック爪係止部9と規制リブ4dとに挟まれて弾性変形できず、図中矢印D方向にも図中矢印E方向にも変位できない。このように、係止部8aを規制することで、現像剤補給容器1の移動に応じてロック爪部8bとロック爪係止部9との係止が解除され、シャッタ8が移動してしまわないようにしている。
引き続き、現像剤補給容器1とシャッタ8とが相対移動することに伴い、図14(a)乃至図14(b)に示すように、規制リブ4dが係止部8aの根本やロック爪部8bに突き当たり、それ以上の現像剤補給容器1の図中矢印C方向への移動が制限される。これにより、現像剤補給容器1の装着部10への装着が完了した状態となる。この装着完了状態では、シャッタ開口8eが排出口4aに対向するため、上述したようなポンプ部3aの往復動による補給動作に従って現像剤補給容器1から現像剤が排出可能な状態になる。
(現像剤補給容器の離脱)
次に、現像剤補給容器1の現像剤補給装置201からの離脱動作について、図12(a)乃至図15(c)を用いて説明する。現像剤補給容器1の離脱動作は、上述した装着動作の逆の手順で行われる。離脱動作とは、現像剤補給容器1が装着部10から取り出し可能になるまでの動作をいう。
現像剤補給容器1は、図中矢印F方向(離脱方向)にスライド移動して装着部10から取り出される。即ち、現像剤補給容器1の装着部10からの離脱方向は、上述したシャッタ8の現像剤補給容器1への取付方向とほぼ一致する。図14(a)乃至図14(b)に示す装着完了状態の場合、規制リブ4dが係止部8aと遮蔽部8fとの間の隙間に入り込んでいることから、係止部8aは図中矢印D方向にも図中矢印E方向にも変位できない。そのため、現像剤補給容器1を図中矢印F方向へ移動させても、ロック爪部8bとロック爪係止部9との係止が解除されず、シャッタ8は移動し得ない。つまり、シャッタ8は装着部10に固定された状態が維持され、現像剤補給容器1のみが移動し得る。こうして、現像剤補給容器1がシャッタ8に対し相対的に移動すると、シャッタ開口8eと排出口4aとの対向関係が解除されて、現像剤補給容器1から現像剤が排出されない状態になる。
引き続き、現像剤補給容器1のみが図中矢印F方向に移動されることに伴い、図13(a)及び図13(b)に示す状態を経て、現像剤補給容器1とシャッタ8とは図12(a)及び図12(b)に示す状態に至る。この場合、係止部8aは規制リブ4dによる規制が解除され、図中矢印D方向、図中矢印E方向のどちらにも変位可能となる。
そして、現像剤補給容器1を図中矢印F方向へさらに移動させた場合には、図12(b)に示すように、ロック爪部8bがロック爪係止部9の第二シャッタストッパ部9bに沿って移動する。これにより、係止部8aが弾性変形する。すると、ロック爪部8bとロック爪係止部9との係止が解除されるので、シャッタ8が現像剤補給容器1と一緒に装着部10に対して図中矢印F方向に移動可能となる。
この場合に、シャッタ8が「初期位置」まで戻っていないことがある。そうすると、シャッタ8が「初期位置」に戻っていないまま、現像剤補給容器1が現像剤補給装置201から取り出されてしまい得る。これは、移動する現像剤補給容器1に対し相対的にシャッタ8を移動させない摩擦力(以下、静止摩擦力と呼ぶ)が、互いに当接するシャッタ8と開口シール5aとの間に生じるためである。即ち、ロック爪部8bとロック爪係止部9との係止が解除されたときのシャッタ8と現像剤補給容器1との位置関係が静止摩擦力により維持されたまま、現像剤補給容器1とシャッタ8とが一緒に移動するので、シャッタ8が「初期位置」に戻り難いと考えられる。シャッタ8が初期位置に戻っていない現像剤補給容器1を再装着すると、後述するように(後述の図18(a)及び図18(b)参照)、現像剤補給容器1や現像剤補給装置201の一部(特に装着部10)を破損させる恐れがある。
(シャッタの初期位置戻し)
そこで、本実施形態では、図12(a)及び図12(b)に示した状態から、さらに現像剤補給容器1を図中矢印F方向に移動させた場合に、確実にシャッタ8が初期位置へ戻るようにしている。この点について、図15(a)乃至図15(c)を用いて説明する。図15(a)乃至図15(b)には、図12(a)及び図12(b)に示した状態からさらに図中矢印F方向へ現像剤補給容器1(並びにシャッタ8)を移動させた場合の状態を示している。なお、図15(a)及び図15(b)においても、図中左側がフランジ部4側であり、図中右側が現像剤収容部2側である。
図15(a)乃至図15(c)に示すように、現像剤補給容器1を図中矢印F方向に移動させると、ロック爪部8bが戻し当接部91に当接する。ただし、この場合には、ロック爪部8bの第一傾斜面8dが戻し当接部91に当接される。戻し当接部91はロック爪係止部9に、ロック爪部8bの第二傾斜面8cに当接することなく第一傾斜面8dのみに当接可能に形成されている。
ロック爪部8bが戻し当接部91に当接した場合、図15(b)乃至図15(c)に示すように、係止部8aを介してシャッタ8は現像剤補給容器1の離脱方向と反対方向(図中矢印G方向)の抵抗力(以下、シャッタ戻し力と呼ぶ)を受ける。「シャッタ戻し力」は、シャッタ8を離脱方向に移動される現像剤補給容器1に対して反対方向(図中矢印G方向)に相対移動させ得る力である。
本実施形態では、「シャッタ戻し力」が上述した「静止摩擦力」よりも大きい。そうなるように、ロック爪係止部9には戻し当接部91が、ロック爪部8bには第一傾斜面8dが設けられる。戻し当接部91は、上述のように第一傾斜面8dのみに当接可能に形成されている。他方、第一傾斜面8dは、傾斜角βが第二傾斜面8cの傾斜角αよりも大きくなるように形成されている(α<β、図9(c)参照)。即ち、ロック爪部8bに第二傾斜面8cとは別に第一傾斜面8dを設けることで、第一傾斜面8dの傾斜角βをできる限り大きくでき、もって第一傾斜面8dと戻し当接部91との摺動抵抗を強くできるようにしている。
「シャッタ戻し力」が「静止摩擦力」よりも大きい故、シャッタ8はロック爪部8bとロック爪係止部9との係止が解除されたときに例え「初期位置」まで戻っていなくても、現像剤補給容器1の移動に伴って「初期位置」に戻される。即ち、シャッタ8は「シャッタ戻し力」によって、現像剤補給容器1とは反対向き(図中矢印G方向)に動かされる。そして、シャッタ8は、保護カバー4eの対向部4f(図7(a)参照)に当接するまでつまり「初期位置」まで動かされる。既に述べた通り、対向部4fがシャッタ8の一端部に当接している場合には、シャッタ開口8eが排出口4aに対向しておらず、遮蔽部8fが排出口4aに対向した状態となる。シャッタ8は「初期位置」に戻った以降、保護カバー4eの対向部4fに押される形で現像剤補給容器1と一緒に移動する。よって、現像剤補給容器1が現像剤補給装置201から取り出された時には、シャッタ8が「初期位置」まで確実に戻った状態となっている。
(比較例)
ここで、本実施形態と比較例とを比較する。比較例を説明するため、図16(a)乃至図18(b)を提示する。図16(a)は比較例のシャッタを示す上面図、図16(b)は外観斜視図、図16(c)はロック爪部の拡大図である。図17(a)は比較例のシャッタを用いた現像剤補給容器の現像剤補給装置からの取出しを説明するための上面図、図17(b)は部分拡大図、図17(c)は部分拡大斜視図である。図18(a)は比較例のシャッタを用いた現像剤補給容器の現像剤補給装置への再装着を説明するための上面図、図18(b)は部分拡大図である。なお、本実施形態と比較例とは、後述のようにロック爪部8bの第一傾斜面8dの有無だけが異なることから、同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図16(a)乃至図16(c)に示す比較例と、図9(a)乃至図9(c)に示した本実施形態とを比較して理解できるように、比較例のシャッタ81は、ロック爪部8bに第一傾斜面8dが設けられておらず第二傾斜面8cのみが設けられている。この第二傾斜面8cの傾斜角θは、円滑なシャッタ取付を実現するにはできる限り小さい方が望ましく、確実にシャッタを初期位置に戻させるにはできる限り大きい方が望ましい。しかしながら、比較例のようにロック爪部8bに1つの第二傾斜面8cしか設けていない場合には、円滑な「シャッタ取付」と確実な「シャッタの初期位置戻し」のいずれかに特化して傾斜角θを決めざるを得なかった。
「シャッタ取付」に特化して傾斜角θをできる限り小さい傾斜角α(<傾斜角β)で第二傾斜面8cのみを形成した場合には、「シャッタの初期位置戻し」の際に都合がよくない。即ち、図17(a)乃至図17(c)に示すように、現像剤補給容器1を図中矢印F方向に移動させると、ロック爪部8bが戻し当接部91に当接する。この場合、ロック爪部8bの第二傾斜面8cが戻し当接部91に当接される。ロック爪部8bが戻し当接部91に当接すれば、係止部8aを介してシャッタ81は現像剤補給容器1の離脱方向(図中矢印F方向)と反対向き(図中矢印G方向)の「シャッタ戻し力」を受ける。
ただし、第二傾斜面8cが小さい傾斜角αで形成された場合、大きい傾斜角βで形成された場合に比べると、シャッタ81が受ける「シャッタ戻し力」は小さくなる。そうすると、「シャッタ戻し力」が上述した「静止摩擦力」よりも大きくならない恐れがある。「シャッタ戻し力」が「静止摩擦力」よりも小さければ、シャッタ81は現像剤補給容器1と反対向き(図中矢印G方向)に動かされない。従って、ロック爪部8bとロック爪係止部9との係止が解除されたときに「初期位置」まで戻っていなければ、シャッタ81が「初期位置」にない状態で現像剤補給容器1が現像剤補給装置201から取り出されてしまう。
シャッタ81が初期位置にない現像剤補給容器1を再装着する場合、現像剤補給容器1や装着部10等を破損させ得る。この点について図18(a)及び図18(b)を用いて説明する。
図12(a)及び図12(b)に示した場合に比較して理解できるように、シャッタ81が初期位置にないと、ロック爪部8bはロック爪係止部9に係止されず、ロック爪係止部9と規制リブ4dとの間に挟まれた状態になりやすい。即ち、装着部10のロック爪係止部9と排出部4cの規制リブ4dとの間には、現像剤補給容器1の移動に伴って係止部8aが図中矢印D方向、図中矢印E方向に変位しながら通過可能に、隙間(クリアランス)が確保されている。シャッタ81が初期位置にある場合、ロック爪部8bはロック爪係止部9に摺動してロック爪係止部9と規制リブ4dとの間を何ら問題なく通過し得る。
他方、シャッタ81が初期位置にない場合、シャッタ81は初期位置よりも現像剤収容部2寄りに位置している。そのため、ロック爪部8bがロック爪係止部9と規制リブ4dとの間を通過する際に、ロック爪部8bの動きを許容できるだけの隙間が、ロック爪部8bと規制リブ4dとの間に確保され得なくなる。そうすると、ロック爪部8bと規制リブ4dとが干渉し、ロック爪部8bはロック爪係止部9と規制リブ4dとの間に引っ掛かる。こうなると、シャッタ81が現像剤補給容器1の挿入方向(図中矢印C方向)に動くことができず、それ以上、現像剤補給容器1を装着することが難しくなる。仮に、強引に現像剤補給容器1を押し込んだ場合、現像剤補給容器1や装着部10等が破損してしまい得る。
「シャッタの初期位置戻し」に特化して傾斜角θをできる限り大きい傾斜角β(>傾斜角α)で第二傾斜面8cのみを形成した場合には、「シャッタ取付」の際に都合がよくない。上述したように(図11(a)乃至図11(c)参照)、シャッタ8が現像剤補給容器1に挿入されると、ロック爪部8bが取付当接部4bに当接するのに伴い係止部8aが弾性変形し、ロック爪部8bが取付当接部4bを乗り超える。ここで、第二傾斜面8cが大きい傾斜角βで形成されている場合、小さい傾斜角αで形成された場合に比べると、ロック爪部8bを取付当接部4bを乗り超えさせるために必要な力が大きくなる。それ故、シャッタ8が強引に現像剤補給容器1に挿入されることになり易く、その結果、ロック爪部8bの破損などが生じ得る。
これに対し、本実施形態では、係止部8aのロック爪部8bに第二傾斜面8cと第一傾斜面8dの2つの傾斜面を設けた。これによれば、円滑な「シャッタ取付」の実現のために、できる限り小さい傾斜角α(<傾斜角β)で第二傾斜面8cを形成すればよい。と同時に、確実な「シャッタの初期位置戻し」の実現のために、できる限り大きい傾斜角β(>傾斜角α)で第一傾斜面8dを形成すればよい。即ち、ロック爪部8bに2つの異なる傾斜面を設けたことで、「シャッタ取付」に対応した傾斜角αと「シャッタの初期位置戻し」に対応した傾斜角βとを同時に設定できる。
以上のように、本実施形態によれば、簡易な構成によって「シャッタ取付」と「シャッタの初期位置戻し」の両立を実現することができる。また、傾斜面の傾斜角を限られた範囲で設定する必要がなく、傾斜角を変えて傾斜面を形成することが容易であるため、「シャッタ取付」と「シャッタの初期位置戻し」とを両立させた、品質のよい現像剤補給容器を提供することが臨機応変に行い得る。
<他の実施形態>
なお、本実施形態の現像剤補給容器1として、ポンプ部3aを設けていない現像剤補給容器1であってもよい。この場合、ポンプ部3a以外については同様であってよく、現像剤補給容器1内での現像剤の搬送に関しては、円筒部2k、搬送部材6により排出部4cへ搬送される構成であってよい。ただし、ポンプ部3aを設けない場合には、圧力変動による強制的な現像剤の排出動作が行われ得ない。そのため、排出口4aの口径は、現像剤が重力によって十分に排出され得る大きさとするのが望ましい。このように、ポンプ部3aを設けていない現像剤補給容器1であっても、係止部8aのロック爪部8bに第二傾斜面8cと第一傾斜面8dの2つの傾斜面を設けることにより、「シャッタ取付」と「シャッタの初期位置戻し」の両立を実現し得る。
なお、上述した実施形態では現像剤収容容器として現像剤補給容器1を例に説明したがこれに限らない。例えば、現像剤が補給される撹拌室と現像スリーブ800aへ現像剤を供給する現像室とを有する現像器800であってもよい(図5参照)。ただし、ここでは図示を省略したが、現像器800には過剰な現像剤を排出するために排出口が設けられ、排出口には開閉可能にシャッタが取り付けられている。
1…現像剤収容容器(現像剤補給容器)、4…収容部(フランジ部)、4b…第二当接部(当接部、取付当接部)、5a…シール部材(開口シール)、8…シャッタ、8a…係止部、8b…係合部(ロック爪部)、8c…第二傾斜面、8d…第一傾斜面、8h…凹部、8f…本体部(遮蔽部)、9…被係合部(ロック爪係止部)、91…第一当接部(戻し当接部)、100…装置本体

Claims (7)

  1. 装置本体と、
    前記装置本体に挿抜可能に設けられ現像剤を受け渡すための開口部を有する現像剤収容容器と、
    前記現像剤収容容器に装着可能に設けられ前記開口部を開閉するシャッタと、を備え、
    前記シャッタは、当該シャッタの挿入方向に交差する幅方向に移動可能な係合部を有し、
    前記装置本体は、前記現像剤収容容器を抜き出す動作に伴い前記シャッタが前記現像剤収容容器と共に所定方向に移動した際に、前記係合部に当接し前記シャッタを前記開口部を閉める位置に移動させる第一当接部を有し、
    前記現像剤収容容器は、前記シャッタが当該現像剤収容容器に対し前記所定方向に移動した際に、前記係合部に当接し前記係合部を前記幅方向に移動させて、前記シャッタを当該現像剤収容容器に装着させる第二当接部を有し、
    前記係合部は、前記現像剤収容容器の離脱方向の移動に伴い前記第一当接部と当接する第一傾斜面と、前記シャッタの挿入方向の移動に伴い前記所定方向に対する角度が前記第一傾斜面の前記角度よりも小さい角度で前記第二当接部と当接する第二傾斜面とを有する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記係合部は、前記第二傾斜面の一部に凹状に形成された凹部を有し、
    前記第一傾斜面は、前記凹部に前記第二傾斜面よりも前記挿入方向の上流側に設けられ、前記シャッタが前記現像剤収容容器に対し前記所定方向に移動した際に前記第二当接部に当接しない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記凹部は、前記第二傾斜面に対し前記幅方向に直交し且つ前記所定方向に直交する方向にずれて形成され、前記第二傾斜面の一部が前記直交する方向に関し前記第一傾斜面に並んで配設されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記現像剤収容容器の前記開口部の周囲に設けられ、前記現像剤収容容器と前記シャッタとの隙間を封止するシール部材を備え、
    前記係合部は、前記第一傾斜面と前記第一当接部とが当接している場合に、前記現像剤収容容器を抜き出す動作に伴い、前記シャッタと前記シール部材との間に生じて前記シャッタを前記現像剤収容容器に対して前記離脱方向の反対方向に相対移動させない静止摩擦力よりも大きく、前記シャッタを前記現像剤収容容器に対して前記反対方向に相対移動させる抵抗力を、前記第一傾斜面と前記第一当接部との間に生じさせる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記装置本体は、前記第一当接部よりも前記現像剤収容容器の装着方向下流側に設けられ、前記現像剤収容容器が装着された状態で前記係合部を係合して前記シャッタを前記開口部を開く位置に保持する被係合部を有し、
    前記係合部は、前記現像剤収容容器を抜き出すときに前記被係合部に当接する前記第二傾斜面の一部と前記被係合部との係合が解除されて前記離脱方向に移動し、その後、前記現像剤収容容器の離脱方向の移動に伴い前記第一傾斜面が前記第一当接部に当接する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 開口部を有する収容部と、
    前記収容部に装着可能に設けられ前記開口部を開閉するシャッタと、を備え、
    前記シャッタは、当該シャッタの挿入方向に交差する幅方向に移動可能な係合部を有し、
    前記収容部は、前記シャッタの当該収容部への装着動作に伴い前記シャッタが前記挿入方向に移動した際に、前記係合部に当接し前記係合部を前記幅方向に移動させて、前記シャッタを当該収容部に装着させる当接部を有し、
    前記係合部は、前記シャッタの挿入方向の移動に伴い前記当接部と当接しない第一傾斜面と、前記挿入方向に対する角度が前記第一傾斜面の前記角度よりも小さい角度に設けられ、前記シャッタの挿入方向の移動に伴い前記当接部と当接する第二傾斜面とを有する、
    ことを特徴とする現像剤収容容器。
  7. 現像剤収容容器に装着可能なシャッタであって、
    開口部を有する板状の本体部と、
    前記本体部の側面から前記現像剤収容容器に挿入する挿入方向に突出した係止部と、
    前記係止部の先端側に前記挿入方向に交差する幅方向に移動可能な係合部と、を備え、
    前記係合部は凹状に形成された凹部を有し、前記挿入方向に対して所定角度で傾斜するように前記凹部に配設された第一傾斜面と、前記挿入方向に対する角度が前記所定角度よりも小さい角度で傾斜するように前記凹部以外に配設された第二傾斜面とを有する、
    ことを特徴とするシャッタ。
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