以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔実施例1〕
まず、画像形成装置の基本構成について説明し、続いて、この画像形成装置に搭載される現像剤補給システム、つまり、現像剤受入れ装置(現像剤補給装置)と現像剤補給容器の構成について順に説明する。
(画像形成装置)
現像剤補給容器(所謂、トナーカートリッジ)が着脱可能(取り外し可能)に装着される現像剤受入れ装置が搭載された画像形成装置の一例として、電子写真方式を採用した複写機(電子写真画像形成装置)の構成について図1を用いて説明する。
図1において、100は複写機本体(以下、「画像形成装置本体」もしくは「装置本体」という)である。また、101は原稿であり、原稿台ガラス102の上に置かれる。そして、原稿の画像情報に応じた光像を光学部103の複数のミラーMとレンズLnにより、電子写真感光体104(以下、「感光体ドラム」という)上に結像させることにより静電潜像を形成する。この静電潜像は現像器201bにより現像剤としてのトナーを用いて可視化される。
105〜108は記録媒体(以下、「シート」ともいう)Sを収容するカセットである。これらカセット105〜108に積載されたシートSのうち、図2に示す複写機の操作部100aから操作者(ユーザ)が入力した情報もしくは原稿101のシートサイズを基に最適なカセットが選択される。ここで記録媒体としては用紙に限定されずに、例えばOHPシート等適宜使用、選択できる。
そして、給送分離装置105A〜108Aにより搬送された1枚のシートSを、搬送部109を経由してレジストローラ110まで搬送し、感光体ドラム104の回転と、光学部103のスキャンのタイミングを同期させて搬送する。
111、112は転写帯電器、分離帯電器である。ここで、転写帯電器111によって、感光体ドラム104上に形成された現像剤による像をシートSに転写する。そして、分離帯電器112によって、現像剤像(トナー像)の転写されたシートSを感光体ドラム104から分離する。
この後、搬送部113により搬送されたシートSは、定着部114において熱と圧によりシート上の現像剤像を定着させた後、片面コピーの場合には、排出反転部115を通過し、排出ローラ116により排出トレイ117へ排出される。
また、両面コピーの場合には、シートSは排出反転部115を通り、一度排出ローラ116により一部が装置外へ排出される。そして、この後、シートSの終端がフラッパ118を通過し、排出ローラ116にまだ挟持されているタイミングでフラッパ118を制御すると共に排出ローラ116を逆回転させることにより、再度装置内へ搬送される。さらに、この後、再給送搬送部119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
また、多重コピーの場合には、シートSは排出反転部115を通り、一度排出ローラ116により一部が装置外へ排出される。そして、この後、シートSの終端がフラッパ118を通過し、排出ローラ116にまだ挟持されているタイミングでフラッパ118を制御すると共に排出ローラ116を逆回転させることにより、再度装置本体100内へ搬送される。更にこの後、再給送搬送部119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
上記構成の装置本体100において、感光体ドラム104の回りには現像手段としての現像装置201、クリーニング手段としてのクリーナ装置202、帯電手段としての一次帯電器203等の画像形成プロセス機器(プロセス手段)が配置されている。現像装置201は、原稿101の画像情報に基づいて一様に帯電された感光体ドラム104上を光学部103により露光して形成された静電潜像を、現像剤(トナー)を用いて現像するものである。そして、この現像装置201へ現像剤としてのトナーを補給するための現像剤補給容器1が使用者によって装置本体100に着脱可能に装着されている。なお、現像剤補給容器1からトナーのみを画像形成装置側へ補給する場合や、トナー及びキャリアを補給する場合であっても本発明を適用できる。本実施形態では前者の例についての説明である。
また、現像装置201は、収容手段としての現像剤ホッパ部201aと現像器201bとを有している。現像剤ホッパ部201aは、現像剤補給容器1から補給された現像剤を撹拌するための撹拌部材201cを有している。そして、この撹拌部材201cにより撹拌された現像剤は、マグネットローラ201dにより現像器201bに送られる。現像器201bは、現像ローラ201fと、搬送部材201eを有している。そして、マグネットローラ201dにより現像剤ホッパ部201aから送られた現像剤は、搬送部材201eにより現像ローラ201fに送られて、この現像ローラ201fにより感光体ドラム104に供給される。なお、クリーナ装置202は、感光体ドラム104に残留している現像剤を除去するためのものである。また、一次帯電器203は、感光体ドラム104上に所望の静電像を形成するために感光体ドラム104の表面を一様に帯電するためのものである。
図2に示す外装カバーの一部である現像剤補給容器交換用前カバー15(以下、「交換用前カバー」という)を図3に示すように使用者が開けると、装着手段の一部である容器受け台50が、駆動系(不図示)によって所定の位置まで引き出される。そして、この容器受け台50上に現像剤補給容器1を載置する。使用者が現像剤補給容器1を装置本体100から取り出す際には、容器受け台50を引き出し、容器受け台50に載っている現像剤補給容器1を取り出す。ここで、交換用前カバー15は現像剤補給容器1を着脱(交換)するための専用カバーであって、現像剤補給容器1を着脱するためだけに開閉される。尚、装置本体100のメンテナンスは、前面カバー100cを開閉することによって行われる。尚、容器受け台50を介することなく、現像剤補給容器1を装置本体100に直接装着し、又、装置本体100から取り外してもよい。
(現像剤受入れ装置)
現像剤受入れ装置(現像剤補給装置)の構成について図4を用いて説明する。図4は実施例1における現像剤受入れ装置200の部分斜視図である。
図4に示すように、現像剤受入れ装置200は、主に後述する現像剤補給容器1の回転振れ規制部1A4と当接するボトル受けローラ23、現像剤補給容器1の駆動受け部1A5に回転駆動力を伝達する駆動ギア25(何れも支持部は省略)が設けられている。さらに現像剤受入れ装置200には、現像剤補給容器1の位相検知部(被検知部)1A6と当接することにより現像剤補給容器1の位相(回転)を検知する位相検知フラグ62、位相検知フラグ62を検知する位相検知センサ61が設けられている。尚、位相検知フラグ62は弾性部材(不図示)により鉛直下方向に付勢されており、回転軸Q(図17)を中心に回転可能となっている。
また現像剤受入れ装置200には、現像剤補給容器1から排出され現像剤を一時的に貯留する現像剤ホッパ部201a、現像剤ホッパ部201aへ連通する現像剤ホッパ連通部200h、現像剤ホッパ部201a内の現像剤を現像装置201(図1参照)へ搬送するスクリュー部材27が設けられている。さらに現像剤受入れ装置200には、現像剤補給容器1が有するカバー53(図13(a))の現像剤受入れ装置突き当て部53cと当接するカバー突き当て部200g、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に挿入する際、カバー53のガイド溝53aと当接することにより矢印T方向の変位を規制する挿入ガイド200e、シャッタ52(図10(a))のストッパ部52b(52c)と係合するシャッタストッパ部200a(200b)が設けられている。
(現像剤補給容器)
現像剤補給容器1について図6を用いて説明する。図6は現像剤補給容器1の断面斜視図である。
図6に示すように、現像剤補給容器1は、主に容器本体1A、フランジ部41、シャッタ52、ポンプ部54、往復部材51、カバー53から構成される。そして現像剤補給容器1は後述する現像剤補給手段により、現像剤補給容器1内の現像剤を現像剤ホッパ部201a(図5参照)へ補給する。以下に、現像剤補給容器1を構成する各要素について、詳細に説明する。
(容器本体)
容器本体1Aについて、図7を用いて説明する。図7は容器本体1Aの斜視図である。
容器本体1Aは、内部に現像剤を収容する現像剤収容部1A2と、容器本体1Aが軸Pに対してR方向に回転することによって現像剤収容部1A2内の現像剤を矢印A方向(図6)ヘ搬送する螺旋状の突起(現像剤搬送部)1A1から構成される。
容器本体1Aは、現像剤受入れ装置200の駆動ギア25より回転駆動力を受ける駆動受け部1A5と、前記駆動受け部1A5に入力する回転駆動力により回転する前記収容部1A2の位相を検知するための位相検知部1A6を有している。さらに容器本体1Aは、前記収容部1A2が回転する際、前記位相検知部1A6と前記駆動受け部1A5の回転振れを抑制するための回転振れ規制部1A4を有している。さらに本実施例1の容器本体1Aは、後述する実施例2の容器に対し、カム溝1A3が設けられている点が異なる。本実施例1では、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5、位相検知部1A6が、容器本体1Aと一体的に形成されている。図6(b)に項の構成を示す。本実施例では、プラスチック等からなる一つの樹脂材料(本実施例では駆動受け部品)に位相検知部1A6と駆動受け部1A5の回転振れを抑制するための回転振れ規制部1A4が設けられている。そして、駆動受け部品の端部に設けられている駆動伝達部1A7が現像剤収容部1A2と接続する。駆動伝達部1A7と現像剤収容部1A2とが一体で回転することで、駆動受け部1A5が受けた駆動力を現像剤収容部1A2に伝達する。その結果、トナーを搬送する搬送部が回転可能となっている。
尚、本実施例1では、回転振れ規制部1A4と駆動受け部1A5と位相検知部1A6が容器本体1Aとが一体的に一つの部品に形成されている構成(図6(b))を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、カム溝1A3と回転振れ規制部1A4と駆動受け部1A5と位相検知部1A6とが一体に形成され、容器本体1Aに一体的に取り付ける構成等であってもよい。
また、前記収容部1A2は、容器本体1Aだけではなく、容器本体1Aと後述するフランジ部41(図8参照)とポンプ部54(図11参照)の内部スペースを合わせたものとなる。
また、本実施例1では、回転振れ規制部1A4に対して位相検知部1A6の形状を凹形状としたが、回転振れ規制部1A4に対して位相検知部1A6の形状を凸形状にしてもかまわない。
実施例1では、現像剤補給容器1がR方向に回転して現像剤を補給する際(図6)、駆動受け部1A5と位相検知部1A6の双方のラジアル方向のガタ防止効果の向上を目的として、回転振れ規制部1A4の真円度を0.05とした。回転振れ規制部1A4は真円に近いほど、より高いラジアル方向のガタ防止効果が期待できるが、必要以上の幾何公差を設けるとコストアップにつながるため、真円度を0.05とした。このように回転振れ規制部は円筒部の形状となっている。
このような構成とすることで、現像剤補給時に現像剤補給容器1が図6の矢印R方向に回転する際、真円に近い形状の回転振れ規制部1A4とボトル受けローラ(回転部材)23が当接することで位相検知部1A6と駆動受け部1A5の双方の回転振れを抑制できる。このように、回転振れ規制部は回転部材と当接する当接面としての機能を有する。その結果、駆動伝達と位相検知の双方の精度向上が期待できる。さらに、現像剤補給容器1の回転による振動も低減できるため、画質の向上が期待できる。
また、駆動受け部品は駆動受け部1A5及び位相検知部1A6を回転振れ規制部1A4に隣接して配置した構成である。このような構成とすることで、駆動受け部1A5と位相検知部1Aとを離れた位置に配置した構成に比べて、位相検知部1A6と駆動受け部1A5の双方の回転振れをより抑制できる。その結果、駆動伝達と位相検知の双方の精度向上や、画質の向上がより期待できる。
(バッフル部材)
バッフル部材40について図6を用いて説明する。図6は実施例1における現像剤補給容器1の部分断面斜視図である。
実施例1のバッフル部材40は、最終的に現像剤を搬送する箇所が後述する実施例2とは異なる。具体的には、最終的に現像剤はバッフル部材40の回転に伴って、傾斜突起40aを滑り落ちるように貯留部41f(図9(b))へ搬送される点が実施例2とは異なる。
(フランジユニット部)
続いて、フランジユニット部60について図6を用いて説明する。図6は現像剤補給容器1の断面斜視図である。
図6に示すように、フランジユニット部60は、フランジ部41、往復部材51、ポンプ部54、カバー53、シャッタ52より構成される。
フランジユニット部60は容器本体1Aと相対回転可能に取り付けられ、現像剤補給容器1が現像剤受入れ装置200に装着されると、図5に示すように、現像剤受入れ装置200に対してフランジユニット部60は軸P回りの回転が規制された状態で保持される。フランジ部41の一端にはポンプ部54がネジ接合され、他端には容器本体1Aがシール部材(不図示)を介して接合される。また、往復部材51はポンプ部54をスラスト方向に挟み込むようにして配置され、往復部材51に設けられた係合突起51b(図12(a))が容器本体1Aのカム溝1A3(図7)に嵌め込まれる。さらに、フランジ部41のシャッタ挿入部41c(図8(a))にはシャッタ52(図10)が組み込まれる。また、ユーザーが現像剤補給容器1に触れて予期せぬケガが発生するのを防止する目的と、往復部材51やポンプ部54の保護を目的として、カバー53(図13)が設けられている。
(フランジ部)
次に、フランジ部41について図8、図9を用いて説明する。図8(a)と図8(b)はフランジ部41の斜視図を示している。図9(a)はフランジ部41の正面図、図9(b)はE−E断面図、図9(c)は右側面図、図9(d)はF−F断面図を示している。
フランジ部41は、ポンプ部54(図11)がネジ接合されるポンプ接合部41dと、容器本体1Aが接合される容器本体接合部41eと、容器本体1Aとバッフル部材40(図6)から搬送された現像剤を貯め込む貯留部41f(図9(b))を備えている。さらにフランジ部41は、現像剤補給容器1の交換時にシャッタ52を矢印B方向(図14)へ押すシャッタ押出しリブ41k(図9(d))と、シャッタ挿入部41cを備えている。
また図8(b)に示すように、フランジ部41は、前述した貯留部41f内の現像剤を排出する円形のシール穴41jを形成した開口シール41gを備えている。ここで、開口シール41gは両面テープでフランジ部41の下面に貼り付けられ、後述するシャッタ52とフランジ部41に圧縮された状態で挟持されている。
またフランジ部41は、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に装着又は現像剤受入れ装置200から取り出す操作に伴い、後述するシャッタ52が有する支持部52d(図10(a))の弾性変形を規制する規制リブ41i(図9(d)を備えている。尚、規制リブ41iは、シャッタ挿入部41c(図9(d))の挿入面より鉛直上方向に突出し、現像剤補給容器1の装着方向に沿って形成されている。さらにフランジ部41には、物流による破損や、ユーザーによる誤操作からシャッタ52を保護する保護部41h(図8(b))が設けられている。
(シャッタ)
次に図10を用いてシャッタ52について説明する。図10(a)はシャッタ52の正面図、10(b)は斜視図である。
シャッタ52は、現像剤補給容器1(図6)に対して相対移動可能に設けられ、現像剤補給容器1の着脱動作に伴い、シャッタ52に設けられた排出口1aが開閉される。なお、現像剤補給容器1の着脱動作と排出口1aの開閉の詳しい方法は後述する。シャッタ52には、現像剤補給容器1が現像剤受入れ装置200に装着されていないときに、フランジ部41のシール穴41j(図8(b))からの現像剤の漏れを防ぐ現像剤封止部52aと、現像剤封止部52aの背面側にフランジ部41のシャッタ挿入部41c(図9(d))上を摺動する摺動面52iが設けられている。シャッタ52は、現像剤補給容器1がシャッタ52に対して相対移動することが可能となるように、現像剤補給容器1の着脱動作に伴い、現像剤受入れ装置200のシャッタストッパ部200a,200b(図4)に保持されるストッパ部52b,52cを有している。
また、シャッタ52は、前記ストッパ部52b,52cが変位可能となるように支持する支持部52dを有しており、現像剤封止部52aより延設されて弾性変形可能に設けられている。
さらに、現像剤補給容器1が現像剤受入れ装置200に非装着時に、シャッタ52が現像剤補給容器1に対して相対移動するのを防止する目的として、現像剤封止部52aにはロック突起52eが設けられている。
ここで、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200へ着脱する際のシャッタ52の開閉に伴って現像剤が不用に排出されてしまい、その周辺が現像剤で汚れてしまうのを可及的に防止する目的で、排出口1aの直径は極力小さくすることが望ましく、実施例1では約Φ2mmに設定されている。また、実施例1では現像剤補給容器1の下面側に、すなわちフランジ部41(図8(b))の下面側にシール穴41jと排出口1aを設けたが、基本的には現像剤補給容器1の現像剤受入れ装置200への挿入方向の上流側(図6矢印B方向)端面もしくは下流側(図6矢印A方向)端面位以外の側面に設けられていれば、実施例1で示す接続構成を適用することができる。
(ポンプ部)
次に図11を用いてポンプ部54について説明する。図11はポンプ部54の正面図である。
ポンプ部54は駆動ギア25(図5)より駆動受け部1A5(図7)が受けた回転駆動力により現像剤収容部1A2(図7)の内圧を周期的に変化させるように動作するポンプ部である。
ポンプ部54の開口端側には、フランジ部41(図8(a))と接合可能なように接合部54bが設けられている。実施例1では、接合部54bとしてネジが形成された構成を例示している。さらに、ポンプ部54の他端側には、後述する往復部材51と同期して変位するために往復部材51と係合する往復部材係合部54cを備えている。
実施例1では上述したように小さな排出口1a(図10(a))から現像剤を安定的に排出させるために、現像剤補給容器1にポンプ部54を設けている(図6)。ポンプ部54はその容積が可変である容積可変型ポンプとなっている。このポンプ部54の伸縮動作により現像剤補給容器1内の圧力を変化させ、その圧力を利用して現像剤の排出を行っている。
ポンプ部54は、「山折り」部と「谷折り」部が周期的に形成された蛇腹状の伸縮部54aが設けられている。その折り目を基点として、伸縮部54aは折り畳まれたり、伸びたりすることができる。
また、実施例1ではポンプ部54の材料としてはポリプロピレン樹脂(以下、PPと略す)を採用したが、これに限定されるものではない。ポンプ部54の材料に関しては、伸縮機能を発揮し容積変化によって現像剤収容部1A2(図7)の内圧を変化させることができる前提の材料であれば何でもよい。例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン等を薄肉で形成したものでも構わない。また、ゴムやその他の伸縮性材料などを使用することも可能である。さらに、ポンプ部54の役割は現像剤収容部1A2(図7)の内圧を変化させることであるため、ポンプの代わりにピストンを使用することも可能である。
(往復部材)
次に、図12を用いて往復部材51について説明する。図12(a)、図12(b)は往復部材51の斜視図を示している。
往復部材51は前述したポンプ部54の容積を変化させるために、ポンプ部54に設けられた往復部材係合部54c(図11)に係合するポンプ部係合部51aを備えている。さらに往復部材51は組み立てられた際に、前述したカム溝1A3(図7)に嵌め込まれる係合突起51bを備えている。係合突起51bはポンプ部係合部51a近傍より延在するアーム51cの先端部に設けられている。また、往復部材51は、後述するカバー53の往復部材保持部53b(図13(b))によって矢印A、B方向(図6)にのみスライド可能に保持される。したがって、駆動受け部1A5(図7)が駆動ギア25(図5)から回転駆動力を受け、容器本体1Aが回転すると、カム溝1A3も容器本体1Aに同期して回転し、カム溝1A3(図7)に嵌め込まれた係合突起51bのカム作用とカバー53の往復部材保持部53b(図14(b))の作用により、往復部材51は矢印A、B方向へ往復運動する(図6)。その往復運動に同期して、ポンプ部54が伸縮運動をする。すなわち、往復部材51は、カム溝1A3とともに、駆動受け部1A5に入力する回転駆動力をポンプ部54を動作させる力へ変換する。
(カバー)
次に図13を用いてカバー53について説明する。図13(a)、図13(b)はカバー53の斜視図を示している。
上述したように、カバー53は、ユーザーが現像剤補給容器1に触れて予期せぬケガが発生するのを防止する目的と、往復部材51やポンプ部54の保護を目的として、図6のように設けられている。詳しくは、カバー53は、フランジ部41、ポンプ部54、往復部材51の全体を覆うようにフランジ部41と一体的に設けられている。
また、カバー53には、現像剤受入れ装置200が備える挿入ガイド200e(図4)と係合することで、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に挿入するのをサポートするガイド溝53aが設けられている。さらに、カバー53には、軸P(図6)に対して往復部材51の回転変位を規制するための往復部材保持部53bが設けられている。
そして、カバー53には、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に挿入する際、現像剤受入れ装置200のカバー突き当て部200g(図5)と当接することで現像剤補給容器1の装着を完了させるための現像剤受入れ装置突き当て部53cが設けられている。現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に挿脱着する詳しい方法は後述する。
(現像剤排出原理)
次に、現像剤排出原理について、図6を用いて説明する。軸Pを中心とした、現像剤補給容器1の回転(矢印R方向)によって容器本体1Aに形成された螺旋状の突起1A1が現像剤を容器本体1Aの上流側から下流側(矢印A方向)へ搬送する。そして、螺旋状の突起1A1によって搬送された現像剤はやがてバッフル部材40に達する。次に現像剤補給容器1と一体的に回転するバッフル部材40で掻き揚げられた現像剤がバッフル部材40の表面上を滑り落ち、傾斜突起40aによってフランジ部41の貯留部41fへ搬送される。この動作を繰り返すことによって、現像剤補給容器1内部の現像剤は順次、撹拌・搬送されてフランジ部41の貯留部41f(図9(b))へ貯留される。
そして、上述したように、往復部材51の往復運動と同期して、ポンプ部54は伸縮運動をする。詳しく説明すると、ポンプ部54を縮める際には、現像剤補給容器1内が加圧状態となり、その圧力に押し出される形で貯留部41f(図9(b))に貯留された現像剤が排出口1a(図10(a))から排出される。またポンプ部54を伸ばす際には、現像剤補給容器1内が減圧状態になり、外部から排出口1a(図10(a))を介してエアが取り込まれる。この取り込まれたエアにより排出口1a(図10(a))や貯留部41f(図9(b))付近の現像剤が解れ、次の排出がスムーズに行われるようになっている。以上のようにポンプ部54が伸縮運動を繰り返し行うことで現像剤の排出が行われる。
(現像剤補給容器の挿入動作)
次に実施例1における現像剤補給容器の挿入動作(装着動作)について図14(a)〜(d)を用いて説明する。
図14(a)には、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に挿入させる途中の状態が示されている。
図14(b)には、現像剤補給容器1の挿入が更に進み、シャッタ52の先端部に設けたストッパ部52b(図10(a))と現像剤受入れ装置200に設けられたシャッタストッパ部200a(図4)に係止された状態が示されている。
図14(c)は、現像剤補給容器1の現像剤受入れ装置突き当て部53c(図13(a))をカバー突き当て部200g(図4)まで突き当てることによって現像剤補給容器1の装着が完了した状態を示している。
図14(d)は図14(b)の部分G−G断面図である。
まず、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に矢印A方向へ装着し始めると、フランジユニット部60は現像剤受入れ装置200に対して軸P(図5)に対して回転が不可となるように保持される。この時点では、シール穴41j(図8(b))はシャッタ52の現像剤封止部52a(図10(b))によって封止された状態にある。
そのまま現像剤補給容器1を矢印A方向に挿入すると、シャッタ52はシャッタストッパ部200a(図4)とストッパ部52b(図10(a))との係止により、シャッタ52はこれ以上矢印A方向に変位不可となり、その状態で現像剤補給容器1のみが矢印A方向へ動くため、シャッタ52は現像剤補給容器1に対して相対的に矢印B方向にスライドしていく(図14(b)、図14(d))。
さらに現像剤補給容器1を矢印A方向にスライドさせ、現像剤補給容器1の現像剤受入れ装置突き当て部53cをカバー突き当て部200gまで突き当てることによって、現像剤補給容器1の装着が完了する(図14(c))。このとき、フランジ部41に設けているシール穴41j(図8(b))がシャッタ52に設けられている排出口1a(図10(a))と重なることで連通し、現像剤補給が可能となる。
この状態での駆動モータ(図5)を駆動させると、回転駆動力は、駆動ギア25から駆動受け部1A5へと伝達され、容器本体1Aが回転し、現像剤を搬送、排出する構成になっている。
また、図5、図14(c)において、現像剤補給容器1は現像剤受入れ装置200に設けられたボトル受けローラ23と回転振れ規制部1A4の当接により回転可能に支持されているため、わずかな駆動トルクでもスムーズに回転することが可能である。尚、ボトル受けローラ23は現像剤受入れ装置200に回転自在に設けてある。上述したように、現像剤補給容器1の内部に収容されている現像剤が排出口1aから順次排出されることで、現像剤は現像剤ホッパ部201a(図14)に一時的に貯留され、さらにスクリュー部材27(図14)により現像器201b(図1)へ搬送され、現像剤補給が行われる。以上が、現像剤補給容器1の挿入動作である。
(現像剤補給容器の交換動作)
次に、現像剤補給容器1の交換動作について図14(a)〜(d)を用いて説明する。画像形成のプロセスに伴い、現像剤補給容器1内の現像剤が略全量消費されると、現像剤受入れ装置200に設けられた現像剤補給容器空検知手段(不図示)によって現像剤補給容器1内の現像剤が無くなったことが検知され、その旨が液晶等の表示手段100b(図3)によりユーザーに知らされる。
現像剤補給容器1の交換はユーザー自身が行い、その手順は以下の通りである。
まず、閉じられた状態の交換用前カバー15を図3の位置まで開く。次にユーザーが図14(c)の状態の現像剤補給容器1を矢印B方向にスライドさせる。このとき、フランジ部41に設けているシール穴41j(図8(b))がシャッタ52に設けられている排出口1a(図10(a))と重なることで連通しており、現像剤補給が可能な状態である。
そのまま現像剤補給容器1を矢印B方向にスライドさせると、やがてフランジ部41のシャッタ押出しリブ41k(図9(d)、図14(d))がシャッタ52のストッパ部52b(図10(a))を矢印B方向(図15)へ押し始める。
さらに現像剤補給容器1を矢印B方向へスライドさせていくと、現像剤受入れ装置200のシャッタストッパ部200b(図4)とシャッタ52のストッパ部52c(図10(a))の係合により支持部52d(図10(a))を基点にシャッタストッパ部52b,52cは矢印H方向(図14(d))に撓み、シャッタ52は矢印B方向へ進む(図14(b)、図14(d))。
さらに現像剤補給容器1を矢印B方向にスライドすると、シャッタの支持部52d(図10)は自らの弾性力によって復帰し、挿入ガイド200eによるシャッタストッパ部52bとストッパ部52cの係止が解除され、フランジ部41に設けているシール穴41j(図8(b))とシャッタ52に設けられている現像剤封止部52a(図10(b))が重なることでシール穴41j(図8(b))が封鎖される(図14(a))。
次にユーザーは、空の現像剤補給容器1を図14(a)に示す矢印B方向に引き出し、現像剤受入れ装置200から取り出す。この後、ユーザーは新しい現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に矢印A方向へ挿入した後(図14(c))、交換用前カバー15(図3)を閉じる。そして、上述したようにシール穴41j(図8(b))とシャッタ52の排出口1a(図10(a))が重なることで連通し、現像剤補給が可能な状態となる。以上が、現像剤補給容器の交換動作である。
〔現像剤受入れ装置による現像剤補給制御〕
次に、実施形態1の現像剤受入れ装置200による現像剤補給制御について、図15、図16を用いて説明する。図15は制御装置600の機能構成を示すブロック図であり、図16は補給動作の流れを説明するフローチャートである。
実施例1では、軸Pを中心に回転する位相検知部1A6(図23)に位相検知フラグ62を当接させ、位相検知フラグ62が位相検知センサ61を通過することで、現像剤供給容器1の位相(回転数)を検知している。位相検知センサ61の出力に応じて制御装置600が駆動モータ500を作動/非作動の制御を行うことにより、現像剤補給容器1内の現像剤を定量的に現像剤ホッパ部201a内に排出(補給)している。
また、実施例1では、現像剤ホッパ部201a内に一時的に貯留される現像剤の量(現像剤面の高さ)を制限している。そこで、現像剤ホッパ部201a内に収容されている現像剤の量を検知する現像剤センサ24k(不図示)を設けている。そして、その現像剤センサ24kの出力に応じて制御装置600が駆動モータ500を作動/非作動の制御を行うことにより、現像剤ホッパ部201a内に一定量以上の現像剤が収容されないように構成している。
その制御フローについて説明する。まず図16に示すように、現像剤センサ24kが現像剤ホッパ部201a内の現像剤残量をチェックする(S100)。そして、現像剤センサ24kにより検出された現像剤収容量が所定未満であると判断された場合、つまり現像剤センサ24kにより現像剤が検出されなかった場合、駆動モータ500を駆動し、現像剤の補給を実行する(S101)。
次に、位相検知フラグ62が位相検知センサ61を通過したかをチェックする(S102)。位相検知フラグ62が位相検知センサ61を通過していない場合、現像剤の補給は継続される(S103)。一方、位相検知フラグ62が位相検知センサ61を通過した場合、駆動モータ500の駆動をオフし(S105)、再度現像剤ホッパ部201a内の現像剤残量をチェックする(S100)。このように、現像剤補給容器1の位相(回転)を検知して現像剤の補給動作を作動/非作動することで、定量的に現像剤補給を実行できる。更に、現像剤補給容器1の位相(回転)を検知することで、現像剤補給容器1内の現像剤残量をある程度予測することもできる。
次に、現像剤センサ24kにより検出された現像剤収容量が所定量に達したと判断された場合、つまり、現像剤センサ24kにより現像剤が検出された場合、駆動モータ500の駆動をオフし、現像剤の補給動作を停止する(S106)。この補給動作の停止により、一連の現像剤補給工程が終了する。
このような、現像剤補給工程は、画像形成に伴い現像剤が消費されて現像剤ホッパ部201a内の現像剤収容量が所定未満になると、繰り返し実行される構成となっている。
〔補給精度、画質、回転駆動負荷の比較〕
次に、図17〜図24を用いて、比較例1、変形例1〜5、実施例1の補給精度、画質、回転駆動負荷の比較について説明する。ここでは、本発明の作用効果を最もよく表す駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6の配置の違いによる補給精度、画質、回転駆動負荷の優劣を比較した。実施例1では、後述する実施例2に比べて、カム溝1A3(図24)が追加されており、カム溝1A3は容器挿入方向最下流側に配置するのが望ましい。なぜならば、カム溝1A3を容器挿入方向最下流側に配置することで、往復部材51を小型化できるからである。図17は比較例1の部分拡大図、図18は変形例1の部分拡大図、図19は変形例2の部分拡大図、図20は変形例3の部分拡大図、図21は変形例4の部分拡大図、図22は変形例5の部分拡大図、図23は実施例1の部分拡大図、図24は実施例1においてカバー53を外した状態の部分拡大図を示している。
表1は各構成の違いによる、現像剤補給時における現像剤補給容器1の「補給精度」、「画質」、「回転駆動負荷」を検証した結果を示す。
なお、表1中の数値と記号の意味は、以下の通りである。
補給精度20%は、目標値±20%の補給精度である。位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を規制することで、位相検知フラグ62と位相検知センサ61の検知精度が向上する。その結果、トナー排出時にバッフル部材40とカム溝1A3の位相決めが正確に行われることで、貯留部41fに貯まる現像剤の量やポンプ部54の伸縮量も安定するため、補給精度の向上ができる。
補給精度30%は、目標値±30%の補給精度である。補給精度20%の場合同様、回転振れ規制部により位相検知部の回転振れ起因による振動を規制することができ、補給精度の向上ができる。しかし、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、補給精度20%と比較すると、振動規制効果が低く、補給精度が劣ってしまう。
補給精度40%は、目標値±40%の補給精度である。回転振れ規制部を設けていないため、位相検知部の回転振れ起因による振動によって、補給精度30%と比較すると補給精度が劣ってしまう。
画質◎は、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を規制することができ、回転駆動伝達が向上するため、画質の向上ができる。
画質○は、◎の場合同様、回転振れ規制部により駆動受け部の回転振れ起因による振動を規制することができ、駆動伝達が向上するため、画質の向上が期待できる。しかし、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、◎と比較すると振動規制効果が低く、画質が劣ってしまう。
画質△は、回転振れ規制部を設けていないため、駆動受け部の回転振れ起因による振動によって、○と比較すると画質が劣ってしまう。
容器本体1Aに設けられる位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5は、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200へ挿入する際、現像剤受入れ装置200に設けられる位相検知フラグ62、ボトル受けローラ23、駆動ギア25と当接または噛み合う構成である(図23)。したがって、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200へ挿入する際のユーザーの操作性を考慮すると、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」の周方向外形は容器挿入方向下流側から徐々に大きくなる配置構成が望ましい。よって、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」の配置構成で駆動受け部の周方向外形が制限されるため、現像剤補給容器1が回転する際の駆動負荷に影響する。以下に「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」の配置構成の違いによる駆動負荷への影響と表1の記号の意味を説明する。
回転駆動負荷◎は、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向最上流側に配置されることで、駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
回転駆動負荷○は、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から2番目に配置されることで、駆動受け部の外径を2番目に大きくすることができるため、駆動受け部の回転駆動負荷を小さくすることができるが、◎と比べると回転駆動負荷が大きくなる。
回転駆動負荷△は、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から3番目に配置されることで、駆動受け部の外径が最も小さくなるため、○と比較すると回転駆動負荷が大きくなってしまう。
(比較例1)
図17を用いて比較例1について説明する。比較例1は容器本体1Aに設けられる駆動受け部1A5、位相検知部1A6と(回転振れ規制部1A4はなし)、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例1とは異なっており、その他の構成は実施例1と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側(矢印A方向)から位相検知部1A6、駆動受け部1A5の順に並ぶ配置である。
この配置だと、回転振れ規制部を設けていないため、位相検知部の回転振れ起因による振動によって補給精度が悪くなり、おおよそ目標値±40%の補給精度となる。
画質に関しては、回転振れ規制部を設けていないため、回転振れ規制部を設けた場合と比較すると、駆動受け部の回転振れ起因による振動によって画質が劣ってしまう。
回転駆動負荷に関しては、駆動受け部が容器挿入方向最上流側に配置されることで駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
(変形例1)
図18を用いて実施例1の変形例1について説明する。変形例1は容器本体1Aに設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例1とは異なっており、その他の構成は実施例1と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側(矢印A方向)からカム溝1A3、駆動受け部1A5、位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4の順に並ぶ配置である。
この配置だと、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも補給精度の向上ができ、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、回転振れ規制部により駆動受け部の回転振れ起因による振動を規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも画質の向上が期待できる。しかし、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されている場合と比較すると、振動規制効果が低く、画質が劣ってしまう。
回転駆動負荷に関しては、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から3番目に配置されることで、駆動受け部の外径が最も小さくなるため、駆動受け部が容器挿入方向上流側から1番目に配置された場合や2番目に配置された場合と比較すると、回転駆動負荷が大きくなってしまう。
(変形例2)
図19を用いて実施例1の変形例2について説明する。変形例2は容器本体1Aに設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例1とは異なっており、その他の構成は実施例1と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側(矢印A方向)からカム溝1A3、位相検知部1A6、駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4の順に並ぶ配置である。
この配置だと、回転振れ規制部により位相検知部の回転振れ起因による振動を規制することができ、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも補給精度の向上が期待できる。しかし、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置される場合と比較すると、振動規制効果が低く、おおよそ目標値±30%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも画質の向上ができる。
回転駆動負荷に関しては、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から2番目に配置されることで、駆動受け部の外径を2番目に大きくすることができるため、駆動受け部の回転駆動負荷を小さくすることができる。しかし、駆動受け部を容器挿入方向上流側から1番目に配置した場合と比べると、回転駆動負荷が大きくなる。
(変形例3)
図20を用いて実施例1の変形例4について説明する。変形例4はフランジ部41に設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例1とは異なっており、その他の構成は実施例1と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側(矢印A方向)からカム溝1A3、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5、位相検知部1A6の順に並ぶ配置である。
この配置だと、回転振れ規制部により位相検知部の回転振れ起因による振動を規制することができ、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも補給精度の向上が期待できる。しかし、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置される場合と比較すると、振動規制効果が低く、おおよそ目標値±30%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも画質の向上ができる。
回転駆動負荷に関しては、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から2番目に配置されることで、駆動受け部の外径を2番目に大きくすることができるため、駆動受け部の回転駆動負荷を小さくすることができる。しかし、駆動受け部を容器挿入方向上流側から1番目に配置した場合と比べると、回転駆動負荷が大きくなる。
(変形例4)
図21を用いて実施例1の変形例4について説明する。変形例4は容器本体1Aに設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例1とは異なっており、その他の構成は実施例1と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側(矢印A方向)からカム溝1A3、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6、駆動受け部1A5の順に並ぶ構成である。
この配置だと、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも補給精度の向上ができ、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、回転振れ規制部により駆動受け部の回転振れ起因による振動を規制することができ、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも画質の向上が期待できる。しかし、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されている場合と比較すると、振動規制効果が低く、画質が劣ってしまう。
回転駆動負荷に関しては、駆動受け部が容器挿入方向最上流側に配置されることで、駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
(変形例5)
図22を用いて実施例1の変形例5について説明する。変形例5は容器本体1Aに設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施形態1とは異なっており、その他の構成は実施形態1と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側(矢印A方向)からカム溝1A3、駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6の順に並ぶ構成である。
この配置だと、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも補給精度の向上が期待でき、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも画質の向上ができる。
回転駆動負荷に関しては、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から3番目に配置されることで、駆動受け部の外径が最も小さくなるため、駆動受け部が容器挿入方向上流側から1番目に配置された場合や2番目に配置された場合と比較すると、回転駆動負荷が大きくなってしまう。
(実施例1)
図23、図24を用いて実施例1について説明する。実施例1の容器本体1Aに設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6の配置は現像剤補給容器1の挿入方向下流側(矢印A方向)からカム溝1A3、位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5の順に並ぶ構成である。
この配置だと、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも補給精度の向上が期待でき、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも画質の向上が期待できる。
回転駆動負荷に関しては、駆動受け部が容器挿入方向最上流側に配置されることで、駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
上述の比較結果では、比較例1、変形例1〜5、実施例1の補給精度、画質、回転駆動負荷の優劣を述べているが、本発明においては「駆動受け部1A5」、「回転振れ規制部1A4」、「位相検知部1A6」をどのように配置することも可能である。
しかし、補給精度、画質、回転駆動負荷の3つの評価項目を比較した場合、「駆動受け部1A5」、「回転振れ規制部1A4」、「位相検知部1A6」の配置構成により、各評価項目の優劣が決まる。以下に「駆動受け部1A5」、「回転振れ規制部1A4」、「位相検知部1A6」の好適な配置構成とその理由を述べる。
回転駆動負荷に関しては、駆動受け部1A5を容器挿入方向最上流側に配置することで駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
補給精度に関しては、位相検知部と回転振れ規制部を隣接して配置することで、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することができ、位相検知フラグ62と位相検知センサ61の検知精度が向上する。その結果、トナー排出時にバッフル部材40の位相決めが精確に行われるため、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも補給精度の向上ができ、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部を隣接して配置することで、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することができ、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例1よりも画質の向上が期待できる。
以上より、最も好適な構成は容器挿入方向下流側からカム溝1A3、位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5と配置する構成、つまり「実施例1」の構成である。
本実施例によれば、現像剤補給時における現像剤補給容器の回転振れを回転振れ規制部で規制することによって、位相検知部と駆動受け部の双方の回転振れを低減できる。その結果、駆動伝達と位相検知の双方の精度向上ができる。さらに、現像剤補給容器の回転による振動も低減できるため、画質の向上ができる。
特に本実施例においては、位相検知部1A6の位相検知結果により、容器本体1A、及び容器本体1A内に配置されるバッフル部材40の回転量や回転停止位置が制御されることから、前記回転振れ規制部1A4を隣接配置することで容器内での現像剤の搬送量及びタイミングの制御が容易且つ正確に行える。
更に前述したように本実施の形態では、容器本体1A4の回転により、現像剤の排出に寄与するポンプ部54を作動させる構成を採用している。そのため前記位相検知部1A6による検知が正確に行えることは、現像剤補給容器1からの排出量が正確に制御できることに繋がる。
以上から位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5の配置については、本実施例で示したバッフル部材40やポンプ部54を有する現像剤補給容器においては特に有効である。
〔実施例2〕
次に実施例2について説明する。実施例2では現像剤補給容器1の構成が一部異なっており、それに伴い、現像剤受入れ装置200の構成、及び現像剤補給容器1の現像剤受入れ装置200への着脱動作が一部異なっている。その他の構成に関しては実施例1とほぼ同等である。したがって、本実施例2では上述した実施例1と同様な構成に関しては同符号を用いることで詳細な説明を省略する。
以下の説明では、画像形成装置の基本構成についての説明を省略し、画像形成装置に搭載される現像剤補給システム、つまり、現像剤受入れ装置(現像剤補給装置)と現像剤補給容器の構成について順に説明する。
(現像剤受入れ装置)
まず、現像剤受入れ装置200について図26を用いて説明する。図26は実施例2における現像剤受入れ装置200に現像剤補給容器1(図25)を矢印A方向に挿入する途中の様子を示す断面斜視図である。
図26に示すように、現像剤受入れ装置200には、主に後述する現像剤補給容器1の回転振れ規制部(当接部)1A4と当接するボトル受けローラ23、現像剤補給容器1の駆動受け部1A5に回転駆動力を伝達する駆動ギア25が設けられている。また現像剤受入れ装置200には、現像剤補給容器1の位相検知部(被検知部)1A6と当接することにより現像剤補給容器1の位相(回転)を検知する位相検知フラグ62、位相検知フラグ62を検知する位相検知センサ61が設けられている。さらに現像剤受入れ装置200には、現像剤補給容器1から排出され現像剤を一時的に貯留する現像剤ホッパ部201a、現像剤ホッパ部201a内の現像剤を現像装置201(図1)へ搬送するスクリュー部材27が設けられている。さらに現像剤受入れ装置200には、後述する現像剤補給容器1の封止部材2と係合する封止部材係合部20、現像剤ホッパ部201aに連通する隔壁200fが設けられている。この隔壁200fには現像剤補給容器1の一部を回転可能に支持し、かつ現像剤ホッパ部201aを密封する不図示のシール部材が設けられている。尚、位相検知フラグ62は弾性部材(不図示)により鉛直下方向に付勢されており、回転軸Q(図17)を中心に回転可能となっている。
(現像剤補給容器)
続いて、実施例2の現像剤補給容器1について図25、図26、図27を用いて説明する。図25は実施例1における現像剤補給容器1の部分斜視図である。図26は現像剤補給容器を現像剤受入れ装置200に対して矢印A方向へ挿入途中の様子を表す部分斜視図である。図27(a)〜(c)は現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に対して矢印A方向に挿入完了するまでの様子を段階的に表す部分断面図である。
図25に示すように、現像剤補給容器1は主に容器本体1A、フランジ部41、バッフル部材40、封止部材2から構成される。
現像剤補給容器1は略円筒形状に形成され、その一端面のほぼ中央に容器本体1Aの円筒部より小径の排出口1aが突設されている。排出口1aには排出口1aを閉じる封止部材2が設けてあり、図27(a)〜(c)に関連した後述する説明にて理解されるように、この封止部材2が現像剤補給容器1に対して相対的にスライド移動(図25矢印Aもしくは矢印B方向)することにより、排出口1aの開閉動作を行う構成になっている。
現像剤補給容器1の内部構成について図25を用いて説明する。上述のように、現像剤補給容器1は略円筒形状をしており、現像剤受入れ装置200に略水平に配置され、現像剤受入れ装置200から回転駆動力を受けて、軸Pを中心に矢印R方向に回転する構成になっている。
そして現像剤補給容器1の内部には現像剤を搬送するためのバッフル部材40が配置される。現像剤補給容器1が回転することにより、螺旋状の突起1A1によって現像剤補給容器1の上流側から下流側へ(矢印A方向)搬送されてきた現像剤はやがてバッフル部材40に到達する。傾斜突起40aの一端は、排出口1aに接続するように設けられており、最終的に現像剤はバッフル部材40の回転に伴って、この突起40aを滑り落ちるように排出口1aへ搬送される。
現像剤補給容器1の内部構成は、現像剤補給容器1が現像剤受入れ装置200から回転駆動力を受けることにより、現像剤を排出する機能を有するものであれば、特にその内部の形状や構成について限定するものではない。つまり、現像剤補給容器1の内部構成については、実施形態1のように一般的によく知られている螺旋状の突起1A1を形成したものや、その他の構成であっても構わない。
(容器本体)
容器本体1Aについて、図25を用いて説明する。図25に示すように、容器本体1Aは内部に現像剤を収容する現像剤収容部1A2と、容器本体1Aが軸Pに対してR方向に回転することによって現像剤収容部1A2内の現像剤を矢印A方向ヘ搬送する螺旋状の突起1A1から構成される。
(フランジ部)
フランジ部41について図25、図26を用いて説明する。図25に示すように、フランジ部41は、容器本体1Aに取り付けられ、フランジ部41と容器本体1Aは回転軸Pを中心にして矢印R方向に一体的に回転する。フランジ部41は、略中空円筒形状に形成され、その一端面のほぼ中央に円筒部が突設されており、この円筒部先端側が現像剤を現像剤ホッパ部201a(図26)へ排出するための排出口1aとなっている。
図26に示すように、フランジ部41の他端面の外周側の全周に渡って、現像剤受入れ装置200からの回転駆動力を受ける駆動受け部(駆動入力部)1A5、ボトル受けローラ23と当接することにより現像剤補給容器1の回転振れを規制する回転振れ規制部1A4、周面の一部に回転位相を検知する位相検知部1A6が、一体的に形成されている。
尚、本実施例2では、駆動受け部1A5と回転振れ規制部1A4と位相検知部1A6がフランジ部41と一体的に形成されている例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、駆動受け部1A5と回転振れ規制部1A4と位相検知部1A6を別体として成形し、フランジ部41に一体的に取り付ける構成等であってもよい。
また、現像剤収容部1A2は、容器本体1Aだけではなく、容器本体1Aとフランジ部41の内部スペースを合わせたものとなる。
また、本実施例2では、回転振れ規制部1A4に対して位相検知部1A6の形状を凹形状としたが、回転振れ規制部1A4に対して位相検知部1A6の形状を凸形状にしてもかまわない。
実施例2では、現像剤補給容器1がR方向に回転して現像剤を補給する際(図30)、駆動受け部1A5と位相検知部1A6の双方のラジアル方向のガタ防止効果の向上を目的として、回転振れ規制部1A4の真円度を0.05とした。回転振れ規制部1A4は真円に近いほど、より高いラジアル方向のガタ防止効果が期待できるが、必要以上の幾何公差を設けるとコストアップにつながるため、真円度を0.05とした。
このような構成とすることで、現像剤補給時に現像剤補給容器1が図30の矢印R方向に回転する際、真円に近い形状の回転振れ規制部1A4とボトル受けローラ23が当接することで位相検知部1A6と駆動受け部1A5の双方の回転振れを抑制できる。その結果、駆動伝達と位相検知の双方の精度向上が期待できる。さらに、現像剤補給容器1の回転による振動も低減できるため、画質の向上が期待できる。
また、駆動受け部1A5及び位相検知部1A6を回転振れ規制部1A4に隣接して配置した構成としている。このような構成とすることで、駆動受け部1A5と位相検知部1A6とを離れた位置に配置した構成に比べて、位相検知部1A6と駆動受け部1A5の双方の回転振れをより抑制できる。その結果、駆動伝達と位相検知の双方の精度向上や、画質の向上がより期待できる。
(バッフル部材)
バッフル部材40について図25を用いて説明する。図25に示すように、バッフル部材40は容器本体1Aに取り付けられ、バッフル部材40と容器本体1Aは軸Pを中心にして一体的に矢印R方向に回転する。バッフル部材40には表裏両面に傾斜した傾斜突起40aが複数設けられ、傾斜突起40aの一端は排出口1aに達している。
(封止部材)
次に、実施例2における封止部材2の構成について図28〜図30を用いて更に説明する。図28(a)と図28(b)は封止部材2の斜視図である。図29は封止部材2の(a)正面図、(b)左側面図、(c)右側面図、(d)上面図、(e)C−C断面図である。図30は実施例2における現像剤補給容器1が現像剤受入れ装置200の封止部材係合部20と係合し、現像剤を供給している状態の断面斜視図である。
図28〜図30において、封止部材2は現像剤補給容器1の排出口1aを開封可能に封止する封止部2bを備えている。また、封止部2bは排出口1aの内径よりも適当量大きく設定されたシール部2aを備えている。シール部2aは排出口1aを形成する内壁1bと圧入することにより密着してシールしていることから、適度な弾性を有することが好ましい。
(弾性変形部)
次に、弾性変形部2cについて図28〜図30を用いて説明する。封止部材2は複数の弾性変形部2cを備えている。
封止部材2の複数の弾性変形部2cには、それぞれ1つの係合突起3が設けられている。この係合突起3が封止部材係合部20によって半径方向内側(図29(e)矢印D方向)へ押圧されることで、弾性変形部2cは容易に弾性変形可能である。更に、係合突起3と対となって解除突起4が設けられており、係合突起3と解除突起4は弾性変形部2cを介して一体となっている。
一方、現像剤受入れ装置200に設けた封止部材係合部20の係止穴20hは封止部材2の係止面3bと係止するように構成されている。
(係合突起)
係合突起3は弾性変形部2cの円筒面よりも半径方向外側に向かって突出している。この係合突起3は、現像剤補給容器1と封止部材2とを離間させる(排出口1aを閉状態から開状態にする)際に、封止部材2を現像剤受入れ装置200の被係止部としての係止穴20hにスナップフィット的に係止させるための係止部として作用する係止面3bを有している。また、封止部材2は弾性変形を補助、促進するためのスリット溝2eを備えている。そして、係合突起3及び解除突起4は、半径方向内側(矢印D方向)に押圧された場合には半径方向内側(矢印D方向)に弾性変形し、半径方向内側(矢印D方向)の押圧を解除した場合には、半径方向外側(矢印Dと逆方向)に弾性変形が回復する構成となっている。
すなわち、図30に示すように、係合突起3は現像剤補給容器1と封止部材2とを相対的にスライド移動(矢印A方向)させて排出口1aを開閉するために封止部材係合部20と係止される係止機能(抜け止め機能)を、弾性変形部2c、係止面3bで果たしている。
また、封止部材2を現像剤受入れ装置200の封止部材係合部20に挿入する際に、スムーズに挿入されるように、係合突起3はテーパ面3cを有している。
図26に示すように、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に対して矢印A方向に挿入していくと、やがて封止部材係合部20と封止部材2の係合が開始され、テーパ面3cと係合突起3は封止部材2の内面から押圧力を受け、弾性変形部2cが半径方向内側に変位する。更に現像剤補給容器1の挿入を進めると、テーパ面3cと係合突起3が封止部材係合部20の内面から受けていた押圧力が解除される。すると、弾性変形部2cは弾性変位した状態から復帰し、封止部材(係止部)2と現像剤受入れ装置(被係止部)200との係止が完了する。
そして、係止が完了した後、封止部材2と現像剤補給容器1とを相対的に離間させるために、封止部材2を矢印A方向へスライド移動させることで、排出口1aが閉状態から開状態とされ、現像剤排出可能状態となる。尚、実施例2では、容器本体1Aに固定されたフランジ部41を現像剤受入れ装置200に係止させてスライド方向の移動を規制した状態において、封止部材2を前進(図30、A方向)、後退(図30、B方向)させることで排出口1aの開封、密封を行っている。もちろん、封止部材2を現像剤受入れ装置200に係止させてスライド方向の移動を規制した状態において、容器本体1Aを前進(図30、A方向)、後退(図30、B方向)させることで排出口1aの開封、密封を行う構成であってもよい。
(解除突起)
次に係合突起3と対を成して設けている解除突起4について図28〜図30を用いて説明する。この解除突起4は、現像剤補給容器1を交換する際に封止部材係合部20に係合した封止部材2の係止状態を解除するための突起であって、この係止を解除して古い現像剤補給容器1を取り出して新しい現像剤補給容器1に交換するためのものである。
この解除突起4は、現像剤受入れ装置200の解除部材21のスライド動作(図30のB方向)により、解除突起4が押圧されることで弾性変形部2cが半径方向内側に弾性変形し、係合突起3と封止部材係合部20の係止状態を解除する役割を果たしている。
尚、本例では、係合突起3及び解除突起4を円周方向に4分割した位置にそれぞれペアとなるように設けたが、2箇所あるいは3箇所などその位置や数については任意に設定してもかまわない。
(フランジ係止部)
次に封止部材2のもう一つの機能である、フランジ部41と係止するフランジ係止部5(図28(b))について説明する。
フランジ係止部5は半径方向外側に突出した突起部5bを備えている。この突起部5bは、図28(b)のようなスナップフィット構造を有し、上述した排出口を形成する内壁1bの段差面41b(図30)と係止して封止部材2の離間距離を規制するための役割を果たしている。
さらに、このフランジ係止部5はスナップフィット構造であることから、フランジ部41に対してフランジ係止部5を挿入する(図30矢印B方向)際はフランジ係止部5が容易に半径方向内側に撓みながら挿入されるためにスムーズに挿入でき、且つ抜けにくい構成になっている。
ここで重要なのは、このようにフランジ係止部5に設けた突起部5b及びフランジ係止部5の構成がスナップフィット構造を有しているという点である。スナップフィットの利点は僅かな段差面41bでもスラスト方向(図30A方向)に対しては極めて強い係止力を発揮できる点である。したがって、排出口を形成する内壁1bのような比較的肉厚の薄いような箇所においても、その肉厚の範囲内で僅かな段差面41bを形成することにより封止部材2とフランジ部41を係止するために必要な係止力を、スナップフィット構造によって実現できるのである。
以上説明してきたような封止部材2はプラスチック等の樹脂を射出成型して製造するのが好ましいが、他の材料及び製造方法であっても、任意に分割、接合しても構わない。また、排出口1aに圧入嵌合してこれを密封する機能が要求されるため、適度な強度と弾性が必要とされる。
そのような材料としては低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖状ポリアミド、例えば商品名ナイロン、高密度ポリエチレン、ポリエステル、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)等が好ましく利用できる。
また、シール部のみをエラストマーなどの比較的軟らかい材料にし、封止部材2を先に述べたような樹脂材料にして2色成形するということも、もちろん可能である。このような構成にすると、シール部が軟らかいエラストマーなので密着性が高まりより良いシール性が得られることと、封止部材2の開封時の力を低減でき、より好ましい。尚、実施例2においては封止部材2本体をABS樹脂、シール部2aのみをエラストマーとした2色成形した例を示している。
(現像剤補給容器の挿入動作)
図26、図27(a)〜図27(c)、図30を用いて実施例2における現像剤補給容器1の挿入動作について説明する。
図26に示すように、現像剤受入れ装置200には、現像剤補給容器1と連結して封止部材2を開閉する封止部材係合部20が具備されている。封止部材係合部20は不図示のベアリング等によって回転可能に支持され、現像剤受入れ装置200内に設けた不図示の駆動機構により、矢印A方向もしくは矢印B方向にスライドする構成になっている。
図27(a)には、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に矢印A方向へ挿入している途中の状態が示されている。この時点ではまだ、排出口1a(図30参照)は封止部材2により封止された状態にある。
図27(b)には、現像剤補給容器1の挿入が更に矢印A方向へ進み、封止部材2に設けた係合突起3(図28(b))が封止部材係合部20に係止(抜け止め)された状態が示されている。係合突起3と封止部材係合部20の係止方法については上述しているため、ここでは省略する。
この時、封止部材2は、係合突起3に設けた係止部としての係止面3b(図28(a))が被係止部としての係止穴20h(図30)にスラスト方向(図30軸P方向)に係止されているため、この係止を解除しない限り、封止部材2は封止部材係合部20に固定された状態にある(多少のガタがあっても良い)。
図27(c)は、封止部材2と封止部材係合部20が係合した後、封止部材2がフランジ部41(図30)から相対的に離れて排出口1a(図30)が開き、現像剤補給が可能となった状態が示されている。
この状態での駆動モータ(図26)を駆動させると、回転駆動力は、駆動ギア25から駆動受け部1A5へと伝達され、現像剤補給容器1が回転し、現像剤を搬送、排出する構成になっている。尚、封止部材2はフランジ部41に対して空回転する構成になっている。
また、図27(c)において、現像剤補給容器1は現像剤受入れ装置200に設けられたボトル受けローラ23と回転振れ規制部1A4の当接により回転可能に支持されているため、わずかな駆動トルクでもスムーズに回転することが可能である。尚、ボトル受けローラ23は現像剤受入れ装置200に回転自在に設けてある。上述したように、現像剤補給容器1の内部に収容されている現像剤が排出口1a(図30)から順次排出されることで、現像剤は現像剤ホッパ部201a(図27)に一時的に貯留され、さらにスクリュー部材27(図27)により現像器201b(図1)へ搬送され、現像剤補給が行われる。以上が、現像剤補給容器1の挿入動作である。
(現像剤補給容器の交換動作)
次に、現像剤補給容器1の交換動作について説明する。画像形成のプロセスに伴い、現像剤補給容器1内の現像剤が略全量消費されると、現像剤受入れ装置200に設けられた現像剤補給容器空検知手段(不図示)によって現像剤補給容器1内の現像剤が無くなったことが検知される。そして、その旨が液晶等の表示手段100b(図3)によりユーザーに知らされる。
現像剤補給容器1の交換はユーザー自身が行い、その手順は以下の通りである。
まず、閉じられた状態の交換用前カバー15を図3の位置まで開く。次に、現像剤受入れ装置200の制御によって封止部材係合部20を矢印B方向(図27)にスライドさせ、封止部材係合部20のスライド動作に伴い、図27(c)の状態にある封止部材2は矢印B方向(図27)へスライドする。すると、排出口1aを開放する状態にあった封止部材2が排出口1aに圧入嵌合され、排出口1aが閉止されることで、上記図27(b)に示す状態となる。このとき、封止部材2は封止部材係合部20と係止状態を維持している。
次に、現像剤受入れ装置200の制御により、解除部材21(図30)が矢印B方向(図27)にスライドする。解除部材21のスライドが進むと、やがて、解除部材21の内面が解除突起4を半径方向内側に押圧し始める。すると、弾性変形部2cが半径方向内側に撓むことにより、封止部材2と封止部材係合部20の係止が解除される。
次にユーザーは、現像剤受入れ装置200との係止が解除された空の現像剤補給容器1を矢印B(図27)方向に引き出し、現像剤受入れ装置200から取り出す。この後、ユーザーは新しい現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200に矢印A方向へ挿入し(図27(b))、交換用前カバー15を閉じる。そして、上述のように現像剤排出口開閉手段により封止部材係合部20に係止された状態の封止部材2が現像剤補給容器1から離間され、排出口1aが開口される(図27(c))。以上が、トナー補給容器の交換手順である。
〔現像剤受入れ装置による現像剤補給制御〕
実施例2における現像剤受入れ装置200による現像剤補給制御は実施例1と同様であるため、省略する。
〔補給精度、画質、回転駆動負荷の比較〕
次に、比較例2、変形例6〜10、実施例2(図31)の補給精度、画質、回転駆動負荷の比較について説明する。ここでは、本発明の作用効果を最もよく表す駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6の配置の違いによる補給精度、画質、回転駆動負荷の優劣を比較した。実施例2では、実施例1のカム溝1A3が省かれている。尚、図31は実施例2の部分拡大図を示している。
表2は各構成の違いによる、現像剤補給時における現像剤補給容器1の「補給精度」、「画質」、「回転駆動負荷」を検証した結果を示す。
なお、表2中の数値と記号の意味は、以下の通りである。
補給精度20%は、目標値±20%の補給精度である。位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を規制することで、位相検知フラグ62と位相検知センサ61の検知精度が向上する。その結果、トナー排出時にバッフル部材40の位相決めが精確に行われるため、補給精度の向上ができる。
補給精度30%は、目標値±30%の補給精度である。補給精度20%の場合同様、回転振れ規制部により位相検知部の回転振れ起因による振動を規制することができ、補給精度の向上ができる。しかし、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、補給精度20%と比較すると、振動規制効果が低く、補給精度が劣ってしまう。
補給精度40%は、目標値±40%の補給精度である。回転振れ規制部を設けていないため、位相検知部の回転振れ起因による振動によって、補給精度30%と比較すると補給精度が劣ってしまう。
画質◎は、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を規制することができ、駆動伝達が向上するため、画質の向上ができる。
画質○は、◎の場合同様、回転振れ規制部により駆動受け部の回転振れ起因による振動を規制することができ、回転駆動伝達が向上するため、画質の向上が期待できる。しかし、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、◎と比較すると振動規制効果が低く、画質が劣ってしまう。
画質△は、回転振れ規制部を設けていないため、駆動受け部の回転振れ起因による振動によって、○と比較すると画質が劣ってしまう。
フランジ部41に設けられる位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5は、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200へ挿入する際、現像剤受入れ装置200に設けられる位相検知フラグ62、ボトル受けローラ23、駆動ギア25と当接または噛み合う構成である(図31)。したがって、現像剤補給容器1を現像剤受入れ装置200へ挿入する際のユーザーの操作性を考慮すると、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」の周方向外形は容器挿入方向下流側から徐々に大きくなる配置構成が望ましい。よって、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」の配置構成で駆動受け部の周方向外形が制限されるため、現像剤補給容器1が回転する際の駆動負荷に影響する。以下に「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」の配置構成の違いによる駆動負荷への影響と表2の記号の意味を説明する。
回転駆動負荷◎は、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向最上流側に配置されることで、駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
回転駆動負荷○は、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から2番目に配置されることで、駆動受け部の外径を2番目に大きくすることができるため、駆動受け部の回転駆動負荷を小さくすることができるが、◎と比べると回転駆動負荷が大きくなる。
回転駆動負荷△は、「位相検知部」、「回転振れ規制部」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から3番目に配置されることで、駆動受け部の外径が最も小さくなるため、○と比較すると回転駆動負荷が大きくなってしまう。
(比較例2)
比較例2について説明する(不図示)。比較例2はフランジ部41に設けられる駆動受け部1A5、位相検知部1A6と(回転振れ規制部1A4はなし)、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例2とは異なっており、その他の構成は実施例2と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側からカム溝1A3、位相検知部1A6、駆動受け部1A5の順に並ぶ配置である。
この配置だと、回転振れ規制部を設けていないため、位相検知部の回転振れ起因による振動によって補給精度が悪くなり、おおよそ目標値±40%の補給精度となる。
画質に関しては、回転振れ規制部を設けていないため、回転振れ規制部を設けた場合と比較すると、駆動受け部の回転振れ起因による振動によって画質が劣ってしまう。
回転駆動負荷に関しては、駆動受け部が容器挿入方向最上流側に配置されることで駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
(変形例6)
実施例2の変形例6について説明する(不図示)。変形例6はフランジ部41に設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例2とは異なっており、その他の構成は実施例2と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側から駆動受け部1A5、位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4の順に並ぶ配置である。
この配置だと、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例2よりも補給精度の向上が期待でき、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、回転振れ規制部により駆動受け部の回転振れ起因による振動を規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例2よりも画質の向上が期待できる。しかし、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されている場合と比較すると、振動規制効果が低く、画質が劣ってしまう。
回転駆動負荷に関しては、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から3番目に配置されることで、駆動受け部の外径が最も小さくなるため、駆動受け部が容器挿入方向上流側から1番目に配置された場合や2番目に配置された場合と比較すると、回転駆動負荷が大きくなってしまう。
(変形例7)
実施例2の変形例7について説明する(不図示)。変形例7はフランジ部41に設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施形態2とは異なっており、その他の構成は実施形態2と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側から位相検知部1A6、駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4の順に並ぶ配置である。
この配置だと、回転振れ規制部により位相検知部の回転振れ起因による振動を規制することができ、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例2よりも補給精度の向上が期待できる。しかし、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置される場合と比較すると、振動規制効果が低く、おおよそ目標値±30%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例2よりも画質の向上ができる。
回転駆動負荷に関しては、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から2番目に配置されることで、駆動受け部の外径を2番目に大きくすることができるため、駆動受け部の回転駆動負荷を小さくすることができる。しかし、駆動受け部を容器挿入方向上流側から1番目に配置した場合と比べると、回転駆動負荷が大きくなる。
(変形例8)
実施例2の変形例8について説明する(不図示)。変形例8はフランジ部41に設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例2とは異なっており、その他の構成は実施例2と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側から回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5、位相検知部1A6の順に並ぶ配置である。
この配置だと、回転振れ規制部により位相検知部の回転振れ起因による振動を規制することができ、比較例2よりも補給精度の向上が期待できる。しかし、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置される場合と比較すると、振動規制効果が低く、おおよそ目標値±30%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例2よりも画質の向上ができる。
回転駆動負荷に関しては、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から2番目に配置されることで、駆動受け部の外径を2番目に大きくすることができるため、駆動受け部の回転駆動負荷を小さくすることができる。しかし、駆動受け部を容器挿入方向上流側から1番目に配置した場合と比べると、回転駆動負荷が大きくなる。
(変形例9)
実施例2の変形例9について説明する(不図示)。変形例9はフランジ部41に設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例2とは異なっており、その他の構成は実施例2と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側から回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6、駆動受け部1A5の順に並ぶ構成である。
この配置だと、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、回転振れ規制部を設けていない比較例2よりも補給精度の向上ができ、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、回転振れ規制部により駆動受け部の回転振れ起因による振動を規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部を設けていない比較例2よりも画質の向上が期待できる。しかし、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されていないため、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置されている場合と比較すると、振動規制効果が低く、画質が劣ってしまう。
回転駆動負荷に関しては、駆動受け部が容器挿入方向最上流側に配置されることで、駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
(変形例10)
実施例2の変形例10について説明する(不図示)。変形例10はフランジ部41に設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6と、駆動ギア25、位相検知フラグ62、位相検知センサ61、ボトル受けローラ23の配置が実施例2とは異なっており、その他の構成は実施例2と同様である。具体的には、現像剤補給容器1の挿入方向下流側から駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6の順に並ぶ構成である。
この配置だと、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例2よりも補給精度の向上ができ、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部を設けていない比較例2よりも画質の向上ができる。
回転駆動負荷に関しては、「位相検知部(被検知部)」、「回転振れ規制部(当接部)」、「駆動受け部」のうち、駆動受け部が容器挿入方向上流側から3番目に配置されることで、駆動受け部の外径が最も小さくなるため、駆動受け部が容器挿入方向上流側から1番目に配置された場合や2番目に配置された場合と比較すると、回転駆動負荷が大きくなってしまう。
(実施例2)
図31を用いて実施例2について説明する。実施例2のフランジ部41に設けられる駆動受け部1A5、回転振れ規制部1A4、位相検知部1A6の配置は現像剤補給容器1の挿入方向下流側から位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5の順に並ぶ構成である。
この配置だと、位相検知部と回転振れ規制部が隣接して配置され、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、回転振れ規制部を設けていない比較例2よりも補給精度の向上が期待でき、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部が隣接して配置され、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することで、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部を設けていない比較例2よりも画質の向上が期待できる。
回転駆動負荷に関しては、駆動受け部が容器挿入方向最上流側に配置されることで、駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
上述の比較結果より、比較例2、変形例6〜10、実施例2の補給精度、画質、回転駆動負荷の優劣を述べたが、本発明では「駆動受け部1A5」、「回転振れ規制部1A4」、「位相検知部1A6」をどのような配置とすることも可能である。
しかし、補給精度、画質、回転駆動負荷の3つの評価項目を比較した場合、「駆動受け部1A5」、「回転振れ規制部1A4」、「位相検知部1A6」の配置構成により、各評価項目の優劣が決まる。以下に「駆動受け部1A5」、「回転振れ規制部1A4」、「位相検知部1A6」の好適な配置構成とその理由を述べる。
回転駆動負荷に関しては、駆動受け部1A5を容器挿入方向最上流側に配置することで駆動受け部の外径を1番大きくすることができるため、回転駆動負荷を最も小さくすることができる。
補給精度に関しては、位相検知部と回転振れ規制部を隣接して配置することで、位相検知部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することができ、位相検知フラグ62と位相検知センサ61の検知精度が向上する。その結果、トナー排出時にバッフル部材40の位相決めが正確に行われるため、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例2よりも補給精度の向上ができ、おおよそ目標値±20%の補給精度となる。
画質に関しては、駆動受け部と回転振れ規制部を隣接して配置することで、駆動受け部の回転振れ起因による振動を効率よく規制することができ、駆動伝達が向上し、回転振れ規制部1A4を設けていない比較例2よりも画質の向上が期待できる。
以上より、最も好適な構成は容器挿入方向下流側から位相検知部1A6、回転振れ規制部1A4、駆動受け部1A5と配置する構成、つまり「実施例2」の構成である。
本実施例によっても、前述した実施例と同様に、現像剤補給時における現像剤補給容器の回転振れを回転振れ規制部で規制することによって、位相検知部と駆動受け部の双方の回転振れを低減できる。その結果、駆動伝達と位相検知の双方の精度向上ができる。さらに、現像剤補給容器の回転による振動も低減できるため、画質の向上ができる。
〔他の実施例〕
前述した実施例では、位相検知部1A6が凹部(又は凸部)である構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図32に示すように、位相検知部1A6を回転振れ規制部1A4と同じ面上に設けた銀紙などの反射面とする構成でも良い。この構成の場合、位相検知部1A6を検知する装置側の位相検知センサ63を光学センサとする。このように構成しても、前述した実施例と同様の効果が得られる。
また前述した実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に用いられる現像剤補給容器或いは現像剤補給システムに本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。