JP2017043427A - ローラおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高トルクへの耐性が向上したローラを提供する。
【解決手段】ローラ1は、回転軸を挿入するベアリング2と、ベアリング2を組み込んだハウジング3と、ハウジング3を装着した筒状体4とを備える。筒状体4は、ハウジング3を装着する開口部5を有する。筒状体4の開口部5の内周面には、長さ方向を有する複数の溝部と、各溝部の長さ方向の両側部に沿って開口部5の内周面から径方向内側へ向かって突出する側方突起部とを形成する。そして、開口部5の内周面内にハウジング3を圧入することにより、開口部5の内周面とハウジング3の外側圧接面とを圧接し、かつ、側方突起部がハウジング3の外側圧接面に食い込むように係合する。
【選択図】図1
【解決手段】ローラ1は、回転軸を挿入するベアリング2と、ベアリング2を組み込んだハウジング3と、ハウジング3を装着した筒状体4とを備える。筒状体4は、ハウジング3を装着する開口部5を有する。筒状体4の開口部5の内周面には、長さ方向を有する複数の溝部と、各溝部の長さ方向の両側部に沿って開口部5の内周面から径方向内側へ向かって突出する側方突起部とを形成する。そして、開口部5の内周面内にハウジング3を圧入することにより、開口部5の内周面とハウジング3の外側圧接面とを圧接し、かつ、側方突起部がハウジング3の外側圧接面に食い込むように係合する。
【選択図】図1
Description
本発明は、搬送装置に用いられるローラおよびその製造方法に関する。
従来から、ベルトコンベヤ用のローラとして、ベアリングが組み込まれたハウジングを、筒状体の開口部に固定したものが用いられている。
また、このようなローラとしては、特許文献1に示すように、筒状体(パイプ)の開口部を径方向内側に加圧し、ハウジングの外周面と筒状体の内周面とを圧接させるとともに、ハウジングの外周面の先端部を筒状体の開口部の端面へ向かって折り返し、かしめることにより、筒状体にハウジングを嵌め込んだものが知られている。
しかしながら、この種のローラでは、許容トルク値を超える負荷がローラにかかると、筒状体がハウジングに対してスリップしてしまう虞がある。
したがって、高負荷にも対応できるように、筒状体とハウジングとが強固に結合され、高トルクに対する耐性が向上したローラが求められていた。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、高トルクへの耐性が向上したローラおよびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載されたローラは、回転軸が挿入されるベアリングと、前記ベアリングが組み込まれたハウジングと、前記ハウジングが装着された開口部を有する筒状体とを備え、前記筒状体の前記開口部の内周面には、溝部と、前記溝部に沿って前記開口部の内周面から径方向内側へ向かって突出する突起部とが形成され、前記開口部の内周面と前記ハウジングの外周面とが圧接され、かつ、前記突起部が前記ハウジングの外周面に係合されているものである。
請求項2に記載されたローラは、請求項1記載のローラにおいて、溝部は、長さ方向を有し、突起部は、前記溝部の長さ方向の側部に沿って形成された側方突起部を有し、開口部の内周面とハウジングの外周面とが圧接され、かつ、前記側方突起部が前記ハウジングの外周面に係合されているものである。
請求項3に記載されたローラは、請求項2記載のローラにおいて、筒状体は、ベアリングに挿入された回転軸と同心状に配置され、溝部は、長さ方向が前記回転軸と略平行で、開口部の内周面の周方向に等間隔で複数形成され、側方突起部は、前記各溝部の長さ方向の両側部に形成されているものである。
請求項4に記載されたローラは、請求項1ないし3いずれか一記載のローラにおいて、筒状体は、金属製であり、突起部は、開口部の内周面と一体に形成された金属片であるものである。
請求項5に記載されたローラは、請求項1ないし4いずれか一記載のローラにおいて、開口部は、筒状体の軸方向の両端部に設けられ、前記開口部それぞれにハウジングが装着されているものである。
請求項6に記載されたローラの製造方法は、ベアリングが組み込まれたハウジングを筒状体の開口部の内周面で圧接保持するローラの製造方法であって、前記筒状体の前記開口部の内周面を切削することにより、前記内周面に溝部および前記溝部に沿って突出する突起部を形成する切削工程と、前記ハウジングを前記筒状体の前記開口部に挿入しながら前記開口部を径方向の内側へ加圧することにより、前記突起部を前記ハウジングの外周面に係合させながら前記開口部の内周面と前記ハウジングの外周面とを圧接する装着工程とを具備するものである。
請求項7に記載されたローラの製造方法は、請求項6記載のローラの製造方法において、切削工程では、筒状体の開口部の内周面を切削可能な切削部材を有する切削体を用い、筒状体の開口部の端面の一部に前記切削部材が接触した状態から、前記切削体を前記筒状体内へ向けて前記筒状体の軸方向と平行に圧入することにより、前記開口部の内周面を前記切削部で切削して溝部および突起部を形成するものである。
本発明のローラによれば、筒状体とハウジングとを強固に結合でき、トルクへの耐性を向上できる。
また、本発明のローラの製造方法によれば、筒状体とハウジングとを強固に結合でき、ローラのトルクへの耐性を向上できる。
以下、本発明の一実施の形態の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、1は本発明に係るローラであり、このローラ1は、例えばローラコンベヤまたはベルトコンベヤ等の搬送装置に用いられる。
ローラ1では、ベアリング2が組み込まれたハウジング3が、筒状体4の軸方向の端部に位置する開口部5内に圧接して取り付けられている。
ベアリング2の開口部11には、図示しないローラ回転軸が挿入される。ベアリング2は、ローラ1における回転軸であるローラ回転軸を挿入可能な開口部11が設けられた内輪12と、内輪12に対して相対的に回転可能な外輪13とを有している。そして、外輪13は、開口部11に挿入されて固定されたローラ回転軸に対して、回転自在である。
図2に示すように、ハウジング3は、1対のカバー部材である第1のカバー部材14と第2のカバー部材15とを有している。そして、第1のカバー部材14と第2のカバー部材15とでベアリング2を覆うように組み立てることで、ベアリング2が組み込まれたハウジング3が製造される。
第1のカバー部材14は、ベアリング2の一方側の側面である第1側面を覆う第1側面覆部16と、この第1側面覆部16の外側端部から第1側面覆部16と交差する方向に延在する外周面覆部17と、この外周面覆部17の先端部から外周面覆部17と交差する方向である外側へ突出したフランジ部18とが連続して一体に形成されている。つまり、第1のカバー部材14は、1枚の板材を所定の角度で曲げ成形することによって、第1側面覆部16と、外周面覆部17と、フランジ部18とが形成されている。
第1側面覆部16は、ハウジング3の組立状態にて、ベアリング2の軸方向の一方側である第1外側面と接触して覆うように配置される。
また、第1側面覆部16の中心には、ベアリング2の開口部11を開放するように開口部19が設けられている。
外周面覆部17は、第1側面覆部16の外縁から約90度に折り曲げられて形成されており、ハウジング3の組立状態にて、ベアリング2の外輪13の外周に接触して覆うものである。
フランジ部18は、外周面覆部17の第1側面覆部16と繋がった一端部とは反対側である終端部から約90度に折り曲げられて形成され、ベアリング2の回転中心軸からラジアル方向に延在しているものである。つまり、フランジ部18は、ベアリング2の回転中心軸と直交する方向において、その回転中心軸から遠ざかる外側へ向けて延在している。
第2のカバー部材15は、ベアリング2の他方側の側面である第2側面を覆う第2側面覆部21と、この第2側面覆部21の外側端部から第2側面覆部21と交差する方向に延在する圧接部22と、この圧接部22の先端部から圧接部22と交差する方向である外側へ突出した開口端規制部23とが連続して一体に形成されている。つまり、第2のカバー部材15は、1枚の板材を所定の角度で曲げ成形することによって、第2側面覆部21と、圧接部22と、開口端規制部23とが形成されている。
第2側面覆部21は、ハウジング3の組立状態にて、ベアリング2の軸方向の他方側である第2外側面と接触して覆うものである。
また、第2側面覆部21の中心には、ベアリング2の開口部11を開放するように開口部24が設けられている。
圧接部22は、第2側面覆部21の外側端部から約90度に折り曲げられて形成されている。また、圧接部22は、ハウジング3の組立状態にて、ベアリング2の回転中心軸と略平行であり、かつ、ベアリング2の外輪13の外周面と間隔を空けて対向する位置に設けられる。さらに、圧接部22は、ベアリング2の外輪13と対向する内側圧接面25と、その内側圧接面25とは反対側に位置する外側圧接面26とを有している。
開口端規制部23は、第2側面覆部21と繋がった圧接部22の一端部とは反対側である終端部から約90度に折り曲げられて形成され、ベアリング2の回転中心軸からラジアル方向に延在している。つまり、開口端規制部23は、ベアリング2の回転中心軸と直交する方向において、その回転中心軸から遠ざかる外側へ向けて延在している。
そして、ハウジング3を組み立てる際には、第1のカバー部材14のフランジ部18を第2のカバー部材15の第2側面覆部21に接触させ、フランジ部18の終端部を圧接部22の内側圧接面25と接触させる。そして、第2のカバー部材15の圧接部22の内側圧接面25の内側(ベアリング2の回転中心軸への方向)へ突出する係止部27を数箇所形成する。すなわち、ベアリング2の側面を第1側面覆部16と第2側面覆部21とで覆い、第2側面覆部21と係止部27とでフランジ部18を挟まれるように固定することで、第1のカバー部材14と第2のカバー部材15とが結合され、ベアリング2が組み込まれた状態のハウジング3が完成する。
なお、係止部27は、圧接部22の外側圧接面26からベアリング2の回転中心軸への方向に押し出し加工されることで、内側圧接面25に形成された複数の突起である。これら複数の係止部27は、例えば、圧接部22の外側圧接面26において、周方向に等間隔で45度ずつ互いに離間して配置されている。
筒状体4は、円筒状に成形されている。また、筒状体4の素材は金属である。筒状体4には、軸方向に向かって空洞が形成されており、軸方向の両端部に開口部5を有している。そして、筒状体4は、両開口部5内それぞれにハウジング3が装着されて、筒状体4の回転中心軸とベアリング2に挿入されたローラ回転軸とが同心状に配置される。すなわち、筒状体4の回転中心軸は、ローラ回転軸の中心に配置される。
筒状体4は、開口部5の内周面31に形成された複数(例えば8個)の溝部32と、溝部32に沿って開口部5の内周面31から径方向内側へ向かって突出する突起部を有している。突起部は、側方突起部33および終端突起部34とからなる。
図3に示すように、溝部32は、長さ方向が筒状体4の軸方向(回転軸)に略平行となるように、例えば開口部5の内周面31を切削することにより、内周面31から凹状に形成されている。
これら複数の溝部32は、開口部5の内周面31において、筒状体4の周方向に等間隔で設けられている。
側方突起部33および終端突起部34は、開口部5の内周面31と一体に形成された金属片であり、例えば溝部32を形成する際の切削加工に伴って生じるバリまたは切屑等で形成される。
側方突起部33は、溝部32の長さ方向の両側部に沿って設けられている。すなわち、側方突起部33は、溝部32の幅方向の両端部に臨むように、溝部32の両側辺に沿って溝部32の長さ方向にわたって連続的に設けられている。
終端突起部34は、溝部32の長さ方向において開口部5の縁部とは反対側である終端部に沿って設けられている。すなわち、終端突起部34は、溝部32の長さ方向の終端部に臨むように、溝部32の奥側に溝部32の幅方向にわたって連続的に設けられている。
なお、溝部32を切削加工によって形成する場合には、側方突起部33の金属量より終端突起部34の金属量の方が多く、側方突起部33より終端突起部34の方が、筒状体4の径方向の内側へ長く突出している。
そして、筒状体4にハウジング3が圧入されると、図4に示すように、ハウジング3の外側圧接面26が開口部5の側方突起部33によって削られて、側方突起部33が外側圧接面26に食い込むように係合される。
筒状体4における開口部5の内周面31とハウジング3との圧接面には、開口部5の内周面31の側方突起部33がハウジング3の外側圧接面26に係合した第1のゾーン35と、開口部5の内周面31とハウジング3の外側圧接面26とが密着している第2のゾーン36とが繰り返し形成されて、開口部5の内周面31とハウジング3の外側圧接面26とが僅かに噛み合った状態となって、筒状体4がハウジング3を圧接保持してローラ1が完成する。
次に、上記ローラ1の製造方法を説明する。
ローラ1を製造する際には、所定の長さにカットされた筒状体4を用い、切削工程において、図5に示す切削工具である切削体41を用いて開口部5の内周面31を切削加工することにより、内周面31に溝部32と側方突起部33と終端突起部34とを形成する。
また、切削工程にて溝部32と側方突起部33と終端突起部34とを形成した後、装着工程において、筒状体4の開口部5内にベアリング2を保持した状態のハウジング3を圧入する。
なお、一本の筒状体4を製造するにあたり、切削工程と装着工程とを連続して繰り返す必要はなく、これらの工程を別工程として、それぞれの工程を行ってもよい。
また、切削工程と装着工程とは、1台の加工装置により行う必要がなく、切削工程用の加工装置と、装着工程用の加工装置とをそれぞれ用意してもよい。
ここで、切削工程で用いる切削体41を説明する。
図5に示すように、切削体41は、円柱状の基台部42と、この基台部42の外周に沿って設けられた切削部材43とを有している。
基台部42の外周には、例えば円弧状の周面を有する複数(例えば8個)の凹部44が、所定の間隔(例えば45度ずつの間隔)で等間隔に設けられている。これら凹部44は、例えば円弧状の周面を有し、円弧の一部が基台部42の外周を境界として開放された形状である。そして、凹部44には、切削部材43が着脱可能に嵌合される。
切削部材43は、例えば円柱状等の棒状部材であり、その一部が凹部44に嵌合され、その他の部分が基台部42の外周より外側へ突出している。そして、切削部材43が複数の凹部44全てに取り付けられると、切削部材43の一部が基台部42の外周から等間隔で突出する。
また、切削体41は、基台部42の各凹部44に切削部材43が取り付けられた状態にて、基台部42の径と同じ大きさかまたは僅かに大きい図示しない固定部材が、基台部42の両端面を覆って切削部材43を軸方向で挟むように固定されている。
このように固定部材が設けられることにより、基台部42の凹部44に嵌合された切削部材43が固定部材に挟まれて軸方向への移動が規制される。
そして、基台部42の外径の半径の長さは、筒状体4(開口部5)の内径の半径の長さよりも短くされている。また、基台部42の中心部から最も離れた切削部材43の部位(切削部材43における基台部42から突出した部分の頂点)までの長さが、筒状体4の内径の半径より長く、筒状体4の外径の半径より短い。なお、基台部42の中心部から前記切削部材43の頂点までの長さは、筒状体4の内径の半径よりわずかに長ければよい。
切削工程では、このような切削体41がセットされた加工装置を用いて筒状体4を加工する。
まず、図6(a)に示すように、筒状体4の回転中心軸の延長線上に切削体41の基台部42の中心部が位置するように、筒状体4の開口部5の端面と切削体41の各切削部材43の端面とを対向させて加工装置に筒状体4をセットする。なお、加工装置に筒状体4がセットされた状態では、筒状体4の回転中心軸に沿った方向である軸方向の両端部において、開口部5の端面に切削部材43の端面が対向した状態となる。
次いで、切削体41が筒状体4に接近する方向に移動することで、各切削部材43の基台部42の外周から突出した部分の頂点付近が、開口部5の端面に接近し、そのまま開口部5の端面の肉厚の一部の範囲に各切削部材43の基台部42から突出した頂点付近が接触する。
そして、図6(b)に示すように、切削体41が筒状体4の軸方向(回転中心軸)と平行に開口部5内へ圧入されることにより、各切削部材43が、筒状体4の開口部5の端面から筒状体4の奥側へ開口部5の内周面31を切削しながら進入する。
つまり、切削体41による筒状体4(開口部5)の内周面31の切削加工では、切削部材43の頂点付近が、筒状体4の開口部5の端面において、肉厚の一部、すなわち内径から外径へ向けた一部の範囲に接触し、そのまま筒状体4の回転中心軸と平行に内周面31を切削しながら進入する。なお、切削部材43において内周面31に作用する部分以外の部分は、内周面31に接触することなく開口部5内に挿入される。
このように切削部材43によって開口部5の内周面31が切削されることにより、内周面31に溝部32が形成されるとともに、バリが発生する。また、発生したバリによって、内周面31には溝部32の両側部において溝部32に沿って径方向内側へ隆起する側方突起部33と、溝部32の開口部5の端面とは反対側である終端に沿って径方向内側へ隆起する終端突起部34が形成される。溝部32は、切削部材43の進行方向であるローラ回転軸と平行な方向に、切削部材43が筒状体4内へ進入する量に応じて形成される。そして、側方突起部33は溝部32の形成方向に沿って隆起して形成される。また、終端突起部34は、切削部材43が筒状体4へ進入した際の切削部材43が到達した最奥部よりも奥側に隆起して形成される。なお、溝部32の長さ方向は、筒状体4への切削部材43の進入方向に対応し、幅方向は切削部材43の切削面に対応する。
そして、開口部5内へ切削体41が所定距離だけ圧入されて開口部5の内周面31に溝部32と側方突起部33と終端突起部34とが形成された後、図6(c)に示すように、切削体41が筒状体4の回転中心軸と平行に筒状体4から離間する方向へ移動して、開口部5から退出する。これにより、切削工程が終了する。
なお、このように筒状体4の開口部5の内周面31を切削する際には、筒状体4の開口部5の径が所定の径より小さい場合に、内周面31を切削する前に切削加工する筒状体4の径を均一にするために、例えば図7に示す構成の切削体45を用いて拡径してもよい。切削体45は、基台部46および切削部材47よりも先に筒状体4内に進入して、筒状体4の開口部5を所定の径に拡径する拡径部材としての固定部材48を有している。この拡径部材として利用する固定部材48は、截頭錐体状で基台部42と接する底面の径は、基台部42とは反対側に位置する上面の径より僅かに大きい。これにより、切削工程を実施する際に開口部5が所定の径より小さい径の筒状体4が混入していても、開口部5を所定の径に拡げることができる。そのため、開口部5が所定の径より小さいことにより、開口部5の内周面31を所定の深さより深く切削してしまうことを防止できる。なお、基台部46の軸方向において固定部材48とは反対側に設けられた固定部材49は、基台部46と同径の円柱状である。
次いで、切削工程と装着工程とを同一の加工装置で続けて行うため、切削工程から装着工程へ移る際に、切削体41と筒状体4とを加工装置から取り外す。
また、ハウジング3を加工装置に保持するためのハウジング保持体51を加工装置にセットし、そのハウジング保持体51に、ベアリング2が組み込まれたハウジング3をセットする。
さらに、図8(a)に示すように、ハウジング3と開口部5とが対向し、ハウジング3に組み込まれたベアリング2の回転中心軸であるローラ回転軸の延長線上に筒状体4の回転中心軸が配置されて、ハウジング3の外側圧接面26の延長線上に開口部5の内周面31が位置するように、筒状体4をセットする。なお、ハウジング3の開口部がハウジング保持体51に設けられた保持軸52に装着されて、ハウジング保持体51に対してハウジング3が位置決めされている。
次いで、図8(b)に示すように、筒状体4の開口部5にハウジング3が挿入されるように圧入する。
この圧入作業では、開口部5内にハウジング3が挿入されるにつれて、加圧具53によって開口部5の外周面が径方向内側に向けて徐々に締め付けられる。そして、内周面31の側方突起部33が、外側圧接面26に食い込むように係合するとともに、開口部5の内周面31とハウジング3の外周面である圧接部22の外側圧接面26とが圧接される。
また、ハウジング3を開口部5内へ所定距離分だけ進入させると、開口部5の端面に開口端規制部23が接触して、開口部5にハウジング3が固定される。
ハウジング3が開口部5内へ所定距離分進入して、筒状体4の開口部5にハウジング3が装着されると、加工装置のハウジング保持体51が筒状体4から離間する方向へ移動して、図8(c)に示すように、ハウジング保持体51がハウジング3から離間する。これにより、装着工程が終了し、ローラ1が完成する。
ここで、ハウジング3が開口部5に圧接された状態では、径方向内側に加圧された開口部5およびハウジング3の圧接部22が、筒状体4の回転中心軸側へ接近する方向に傾斜している。
このような傾斜により、第1のカバー部材14のフランジ部18がベアリング2に挿入されたローラ回転軸側へ加圧されて、第2のカバー部材15の内側圧接面25とベアリング2の外輪13とでフランジ部18が強固に挟まれるため、第1のカバー部材14と第2のカバー部材15とが強固に結合されるとともに、ハウジング3によるベアリング2の保持力が強固になる。
また、第2のカバー部材15の開口端規制部23と開口部5の端面部との当接により、筒状体4の開口部5から奥側への方向であるスラスト方向へのハウジング3の移動を規制できる。なお、ハウジング3のスラスト方向への移動規制のために、さらに終端突起部34をハウジング3の第2のカバー部材15の第2側面覆部21の外側面に当接させてもよい。
次に、上記一実施の形態の作用および効果等を説明する。
上記ローラ1によれば、側方突起部33が形成された開口部5の内周面31とハウジング3の外周面である外側圧接面26とが圧接されているため、開口部5の側方突起部33がハウジング3の外側圧接面26に噛み合うように係合する。したがって、開口部5の内周面31とハウジング3の外側圧接面26とを強力に圧接でき、筒状体4がハウジング3を強固に保持できるため、高トルクに対する耐性を向上できる。その結果、ローラ1における耐荷重性能を向上でき、高負荷にも対応できる。そのため、ローラ1は、ローラコンベヤのローラよりも高負荷を受けやすいベルトコンベヤのプーリ(例えば、テールプーリまたはテークアッププーリ)として用いる場合に特に有効である。
また、開口部5の内周面31には、筒状体4の回転中心軸と略平行に形成された複数の溝部32が周方向に沿って等間隔で設けられ、各溝部32の両側部に側方突起部33が形成されていることにより、開口部5の内周面31とハウジング3の外側圧接面26との接触面では、側方突起部33が外側圧接面26に係合した第1のゾーン35と、開口部5の内周面31と外側圧接面26とが密着した第2のゾーン36とが、周方向に沿って繰り返し配置される。そのため、開口部5の内周面31とハウジング3の外側圧接面26とが噛み合ったような状態となり、その噛み合った状態がハウジング3の筒状体4のスリップを防止できる効果を奏するため、圧接部分が第2のゾーン36だけで構成されている場合に比べて、筒状体4がハウジング3を強固に保持できる。
側方突起部33は、開口部5の内周面31に一体に形成された金属片、すなわちバリであるため、溝部32の切削加工によって発生した金属片を取り除くことなくそのまま利用でき、加工コストを抑えることができるとともに、加工時間を短縮できる。
溝部32および側方突起部33を形成する際には、筒状体4の開口部5の内周面31を浅く切削するだけでよいので、切削の影響による筒状体4の剛性の低下を抑えることができる。
ローラ1を製造する際には、切削工程にて開口部5の内周面31に溝部32と側方突起部33と終端突起部34とを形成し、装着工程にて筒状体4の開口部5の内周面31にハウジング3の外側圧接面26を圧接することで、開口部5の側方突起部33がハウジング3の外側圧接面26に係合されて、筒状体4にハウジング3が強固に保持されたローラ1を容易に製造できる。
切削工程では、溝部32の切削加工によって生じる金属片で側方突起部33が形成されるため、切削体41を開口部5内に1回圧入するだけで、溝部32および側方突起部33が形成でき、加工コストおよび加工時間を抑えることができる。
切削体41は、切削部材43を着脱可能であるため、切削加工によって切削能力が劣化した切削部材43を適宜交換でき、切削部材43が基台部42に一体に固定された構成に比べて容易にメンテナンスできる。
なお、上記一実施の形態では、開口部5の内周面31において溝部32が周方向に等間隔で設けられた構成としたが、このような構成には限定されず、溝部32の数や位置は適宜決定できる。
側方突起部33は、溝部32を切削することによって生じる金属片で形成された構成としたが、このような構成には限定されず、溝部32に沿って設けられ開口部5の径方向内側へ突出した構成であれば、形成方法は適宜決定できる。
側方突起部33は、溝部32の両側辺に沿って溝部32の長さ方向にわたって連続的に設けられた構成としたが、このような構成には限定されず、側方突起部33の位置や範囲は適宜決定できる。
切削工程では、切削部材43を開口部5の端面から筒状体4の奥側へ押し込んで開口部5の内周面31を切削しているが、このような構成には限定されず、例えば、切削部材43を開口部5の端面に接触させずに切削体41を開口部5内へ進入させ、切削部材43が開口部5の端面を通過した後に、切削部材43を径方向外側へ移動させて開口部5の内周面31に接触させ、切削部材43を拡げながら切削加工を行う構成にしてもよい。
1 ローラ
2 ベアリング
3 ハウジング
4 筒状体
5 開口部
31 内周面
32 溝部
33 突起部としての側方突起部
34 突起部としての終端突起部
41 切削体
43 切削部材
2 ベアリング
3 ハウジング
4 筒状体
5 開口部
31 内周面
32 溝部
33 突起部としての側方突起部
34 突起部としての終端突起部
41 切削体
43 切削部材
Claims (7)
- 回転軸が挿入されるベアリングと、
前記ベアリングが組み込まれたハウジングと、
前記ハウジングが装着された開口部を有する筒状体とを備え、
前記筒状体の前記開口部の内周面には、溝部と、前記溝部に沿って前記開口部の内周面から径方向内側へ向かって突出する突起部とが形成され、
前記開口部の内周面と前記ハウジングの外周面とが圧接され、かつ、前記突起部が前記ハウジングの外周面に係合されている
ことを特徴とするローラ。 - 溝部は、長さ方向を有し、
突起部は、前記溝部の長さ方向の側部に沿って形成された側方突起部を有し、
開口部の内周面とハウジングの外周面とが圧接され、かつ、前記側方突起部が前記ハウジングの外周面に係合されている
ことを特徴とする請求項1記載のローラ。 - 筒状体は、ベアリングに挿入された回転軸と同心状に配置され、
溝部は、長さ方向が前記回転軸と略平行で、開口部の内周面の周方向に等間隔で複数形成され、
側方突起部は、前記各溝部の長さ方向の両側部に形成されている
ことを特徴とする請求項2記載のローラ。 - 筒状体は、金属製であり、
突起部は、開口部の内周面と一体に形成された金属片である
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のローラ。 - 開口部は、筒状体の軸方向の両端部に設けられ、
前記開口部それぞれにハウジングが装着されている
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のローラ。 - ベアリングが組み込まれたハウジングを筒状体の開口部の内周面で圧接保持するローラの製造方法であって、
前記筒状体の前記開口部の内周面を切削することにより、前記内周面に溝部および前記溝部に沿って突出する突起部を形成する切削工程と、
前記ハウジングを前記筒状体の前記開口部に挿入しながら前記開口部を径方向の内側へ加圧することにより、前記突起部を前記ハウジングの外周面に係合させながら前記開口部の内周面と前記ハウジングの外周面とを圧接する装着工程と
を具備することを特徴とするローラの製造方法。 - 切削工程では、筒状体の開口部の内周面を切削可能な切削部材を有する切削体を用い、筒状体の開口部の端面の一部に前記切削部材が接触した状態から、前記切削体を前記筒状体内へ向けて前記筒状体の軸方向と平行に圧入することにより、前記開口部の内周面を前記切削部で切削して溝部および突起部を形成する
ことを特徴とする請求項6記載のローラの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015164828A JP2017043427A (ja) | 2015-08-24 | 2015-08-24 | ローラおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017043427A true JP2017043427A (ja) | 2017-03-02 |
Family
ID=58211195
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JP2015164828A Pending JP2017043427A (ja) | 2015-08-24 | 2015-08-24 | ローラおよびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017043427A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07300219A (ja) * | 1994-05-02 | 1995-11-14 | Misuzu Koki Kk | ローラ |
JPH09504234A (ja) * | 1994-07-16 | 1997-04-28 | ジャ メン,ヒュク | 等速継手の外輪鍛造成形装置及びその方法 |
JP2005007560A (ja) * | 2003-06-23 | 2005-01-13 | Canon Inc | 円筒内面加工方法および加工装置 |
JP2012002467A (ja) * | 2010-06-21 | 2012-01-05 | Shin International:Kk | ライター |
-
2015
- 2015-08-24 JP JP2015164828A patent/JP2017043427A/ja active Pending
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