JP5861550B2 - ラジアルフォイル軸受 - Google Patents
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Description
また、特許文献1では、トップフォイルの両端をそれぞれハウジング内壁の止め壁に突き当てるようにして係止させ、固定している。
また、当該部位における回転軸の支持剛性を下げ過ぎないようにするには、当該部位のバンプフォイルを1山のみ低くする方法が考えられる。しかし、低くする量が数十μmのオーダーと小さいため、その製作は極めて困難である。
前記回転軸に対向して配置される円筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの径方向外側に配置されるバックフォイルと、前記トップフォイル及び前記バックフォイルを内挿した状態に収容する円筒状の軸受ハウジングと、を備え、
前記軸受ハウジングの内周面には、その軸方向に沿って一端から他端に連続する通し溝が形成され、
前記通し溝には、該通し溝をその長さ方向に分割して複数の係合溝を形成する固定具が嵌め込まれ、
前記通し溝と前記固定具とには、前記固定具が前記通し溝の長さ方向に移動するのを規制する規制部が設けられ、
前記トップフォイルは、矩形状で、一方の辺側に凸部と凹部とを有してなる第1の凹凸部を有し、前記一方の辺と反対の他方の辺側に、前記第1の凹凸部の凸部に対応する位置に凹部を形成し、かつ前記第1の凹凸部の凹部に対応する位置の少なくとも一部に凸部を形成する第2の凹凸部を有する金属箔が、前記第1の凹凸部と前記第2の凹凸部とが重なるように円筒状に巻かれるとともに、前記第1の凹凸部および前記第2の凹凸部における各凸部が、それぞれ対応する前記第2の凹凸部および前記第1の凹凸部における各凹部を通って前記軸受ハウジング側に引き出されて形成され、
前記軸受ハウジング側に引き出された凸部が、それぞれ対応する前記係合溝に係合していることを特徴とする。
また、通し溝を軸受ハウジングの軸方向に沿って一端から他端に連続して形成しているので、例えば放電ワイヤカット加工によって該通し溝を容易に形成することができる。
また、トップフォイルと軸受ハウジングとの間で軸方向のずれが生じた際にも、通し溝が長さ方向に分割されて形成された係合溝に係合する凸部が、該係合溝の端部に規制されてその移動が停止させられることにより、それ以上のずれが防止される。さらに、通し溝と固定具とに、固定具が通し溝の長さ方向に移動するのを規制する規制部が設けられているので、固定具の移動も停止させられている。したがって、トップフォイルが軸受ハウジングから脱落することが確実に防止される。
このようにすれば、トップフォイルの凸部を係止凹部に係止させることで、該凸部の位置決めとその係止を容易に行うことができ、さらにトップフォイルの組立再現性を高めることができる。
このようにすれば、通し溝に対してその長さ方向に固定具が移動するのを確実に規制することができ、これによってトップフォイルが軸受ハウジングから脱落することが確実に防止される。また、係止溝の加工についても、例えば放電ワイヤカット加工によって容易に行うことができる。
このようにすれば、トップフォイルの両端部が弾性変形し易くなり、該両端部において回転軸を締め付ける力(局所的なプリロード)が生じるのが抑制される。
このようにすれば、この薄肉部では、その外周面側を支持するバックフォイルとの間に隙間が形成され、したがって該薄肉部において回転軸を締め付ける力(局所的なプリロード)が生じるのが確実に防止される。
また、通し溝を軸受ハウジングの一端から他端に連続して形成することで該通し溝の形成を容易にするとともに、該通し溝に単に固定具を嵌め込むことで複数の係合溝を形成できるようにしたので、加工を容易にして加工コストを充分低く抑えることができる。
また、インペラ2は静止側となるハウジング6内に配置されており、ハウジング6との間にチップクリアランス7を有している。
また、回転軸1には、スラストカラー4より中央側に、ラジアルフォイル軸受3が外挿されている。
なお、固定具16は、例えば厚さが3〜4mm程度のステンレス等からなる金属板をワイヤカット放電加工することにより、形成することができる。
このようにして溝32、係止凹部31を形成した後、係止部材30を軸受ハウジング12の内周面側から係合凹部31および溝32に嵌め込み、係止させることにより、係合凸部33aを容易に形成することができる。
このような構成のもとに、軸受ハウジング12の係合凸部33aには、図4(a)および図5(a)に示すようにバックフォイル片11aの係合切欠11dが係合している。
また、図6(b)に示す、薄肉部24の周方向の長さLは、図2(a)に示すように通し溝13と、バンプフォイル11の端部の山一つ分までに対応する長さとされる。
回転軸1が停止した状態では、トップフォイル10はバックフォイル11(3つのバックフォイル片11a)によって回転軸1側に付勢されることで回転軸1に密着している。なお、本実施形態では、トップフォイル10の両端部が薄肉部24となっているので、これら薄肉部24では回転軸1を締め付ける力(局所的なプリロード)がほとんど生じないようになっている。
また、流体潤滑膜が形成されるまでの過渡状態においては、回転軸1とトップフォイル10との間に固体摩擦が生じ、これが始動時の抵抗になる。しかし、前記したようにトップフォイル10の両端部でプリロードが生じなくなっていることや、周囲流体が流入する側のトップフォイル10が薄肉部24となっていて柔らかくなっており、トップフォイル10と回転軸1との間が開口し易くなっていることにより、回転軸1が始動すると早期に流体潤滑膜が形成され、回転軸1はトップフォイル10に対して非接触状態で回転するようになる。
また、トップフォイル10と軸受ハウジング12との間で軸方向のずれが生じた際にも、通し溝13が長さ方向に分割されて形成された係合溝20に係合する凸部21a、21bが、該係合溝20の端部(隔壁片19)に規制されてその移動が停止させられることにより、それ以上のずれを防止することができる。さらに、通し溝13の係止溝14と固定具16の折曲片18とにより、固定具16が通し溝13の長さ方向に移動するのを規制する規制部を形成しているので、固定具16の移動も停止させることができる。したがって、トップフォイル10が軸受ハウジング12から脱落することを確実に防止することができる。
また、トップフォイル10については、単にエッチング加工による凹凸部23a、23bの形成が増えただけであり、従来のスポット溶接や、歪みを発生させる曲げ加工を無くすことができる。したがって、製作の難易度を低下させ、製造コストを低減化することができる。
また、軸受ハウジング12に対するトップフォイル10の溶接が無いため、溶接不良などによる組立て不良や組立てのバラツキが無くなる。したがって、再現性が高くなり、量産性に優れたものとなる。
また、トップフォイル10の両端部に薄肉部24を形成しているので、例えば従来のようにトップフォイルの両端部を軸受ハウジングの内曲面(内周面)になじませるための、熱処理工程が不要になる。
さらに、トップフォイル10の両端部に薄肉部24を形成したことで、周囲流体が流入する側のトップフォイル10の端部側(従来型の自由端側に相当)が柔らかくなっているため、前記したように周囲流体がトップフォイル10と回転軸1との間に流入し易くなる。したがって、より低い回転数で流体潤滑膜が形成されるようになり、始動性が向上する。
本実施形態のラジアルフォイル軸受も、図1に示したターボ機械に適用されるラジアルフォイル軸受である。本実施形態のラジアルフォイル軸受が第1実施形態のラジアルフォイル軸受3と異なるところは、トップフォイルの形状、及びこれに対応する軸受ハウジングの係合溝の形状である。
例えば、前記実施形態では第1の凹凸部、第2の凹凸部を、それぞれ一つ又は二つの凸部と凹部とによって形成したが、これら凸部と凹部の数については、三つ以上であってもよい。
また、薄肉部24については、例えばその表裏両面をエッチング加工し、薄厚(薄肉)に形成してもよい。
また、バックフォイル11を3つのバックフォイル片11aによって構成したが、バックフォイル11については、1枚の金属箔を略円筒状に成形した単一のもので構成してもよい。さらに、複数のバックフォイル片11aで構成する場合には、2つ、または4つ以上のバックフォイル片11aでバックフォイル11を構成するようにしてもよい。
Claims (5)
- 回転軸に外挿されて該回転軸を支持するラジアルフォイル軸受であって、
前記回転軸に対向して配置される円筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの径方向外側に配置されるバックフォイルと、前記トップフォイル及び前記バックフォイルを内挿した状態に収容する円筒状の軸受ハウジングと、を備え、
前記軸受ハウジングの内周面には、その軸方向に沿って一端から他端に連続する通し溝が形成され、
前記通し溝には、該通し溝をその長さ方向に分割して複数の係合溝を形成する固定具が嵌め込まれ、
前記通し溝と前記固定具とには、前記固定具が前記通し溝の長さ方向に移動するのを規制する規制部が設けられ、
前記トップフォイルは、矩形状で、一方の辺側に凸部と凹部とを有してなる第1の凹凸部を有し、前記一方の辺と反対の他方の辺側に、前記第1の凹凸部の凸部に対応する位置に凹部を形成し、かつ前記第1の凹凸部の凹部に対応する位置の少なくとも一部に凸部を形成する第2の凹凸部を有する金属箔が、前記第1の凹凸部と前記第2の凹凸部とが重なるように円筒状に巻かれるとともに、前記第1の凹凸部および前記第2の凹凸部における各凸部が、それぞれ対応する前記第2の凹凸部および前記第1の凹凸部における各凹部を通って前記軸受ハウジング側に引き出されて形成され、
前記軸受ハウジング側に引き出された凸部が、それぞれ対応する前記係合溝に係合していることを特徴とするラジアルフォイル軸受。 - 前記通し溝の内側面には、前記凸部の先端部を係止させる係止凹部が前記通し溝の長さ方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1記載のラジアルフォイル軸受。
- 前記規制部は、前記軸受ハウジングの両側面において前記通し溝の両端部にそれぞれ連通して該軸受ハウジングの厚さ方向に形成された係止溝と、前記固定具の両端部にそれぞれ形成されて前記係止溝に係止する折曲片と、によって構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラジアルフォイル軸受。
- 前記トップフォイルには、前記一方の辺側と前記他方の辺側とに、これらの間の中央部に比べて薄厚な薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のラジアルフォイル軸受。
- 前記薄肉部は、その外周面が前記中央部の外周面より凹んだ状態に形成されていることを特徴とする請求項4記載のラジアルフォイル軸受。
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