JP6891665B2 - ラジアルフォイル軸受 - Google Patents

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Description

本開示は、ラジアルフォイル軸受に関するものである。
従来、高速回転体用の軸受として、回転軸に外挿されて用いられるラジアルフォイル軸受が知られている。このようなラジアルフォイル軸受としては、軸受面を形成する薄板状のトップフォイルと、このトップフォイルを弾性的に支持するバックフォイルと、これらトップフォイル及びバックフォイルを収容する円筒状のハウジングと、を備えた構成がよく知られている。ラジアルフォイル軸受のバックフォイルとしては、薄板を波板状に成形したバンプフォイルが主として用いられている。
このようなラジアルフォイル軸受において、トップフォイルが軸受ハウジングから脱落するのを抑制するために、下記特許文献1では、軸受ハウジングの内周面に通し溝を形成し、通し溝に固定具を嵌め込み、複数の係合溝を形成している。トップフォイルは、両端部に第1の凹凸部と第2の凹凸部とを有する金属箔が、円筒状に巻かれたものである。トップフォイルの両端部において軸受ハウジング側に引き出された複数の凸部(両端)は、上記複数の係合溝に係合し、トップフォイルが軸受ハウジングから脱落することを抑制している。
特開2013−217425号公報
ところで、上記従来技術において、軸受ハウジングにトップフォイルを組み込むには、トップフォイルの両端を交差させた状態で、軸受ハウジングに嵌め込んだ固定具の係合溝にトップフォイルの両端を係合させなければならない。これを実現するには、軸受ハウジングの挿通孔の内径よりも小さくなるようにトップフォイルを円錐形状に丸めて、軸受ハウジングの挿通孔に対して軸方向に挿入する必要があった。このように、従来では、軸受ハウジングにトップフォイルを組み込むには、技量と時間が必要であった。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、軸受ハウジングに対するトップフォイルの組み込み作業性を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示のラジアルフォイル軸受は、挿通孔を有する軸受ハウジングと、前記挿通孔に収容されたトップフォイルと、前記挿通孔が延びる軸方向における前記軸受ハウジングの端面に取り付けられた蓋体と、有し、前記トップフォイルは、両端が前記軸受ハウジング側に引き出されるように交差した状態で円筒状に巻かれており、前記蓋体は、前記トップフォイルの両端、及び、前記軸受ハウジングに取り付けられ前記トップフォイルと係合する係合部材の少なくともいずれか一方と、前記軸方向において対向している。
また、本開示においては、前記挿通孔には、前記軸受ハウジングの端面から前記軸方向に延びる通し溝が形成され、前記トップフォイルの両端は、前記通し溝に収容され、前記蓋体は、前記軸受ハウジングの端面に形成された前記通し溝の開放端の少なくとも一部を覆っていてもよい。
また、本開示においては、前記通し溝に、前記係合部材が収容されていてもよい。
また、本開示においては、前記係合部材の前記通し溝の底面と対向する面は、平坦となっていてもよい。
また、本開示においては、前記係合部材は、前記通し溝の側面と底面との角部に対向する面取り部を有してもよい。
また、本開示においては、前記通し溝の角部は、前記側面と前記底面とを滑らかに接続する湾曲面を有してもよい。
また、本開示においては、前記蓋体は、前記軸受ハウジングにカシメられていてもよい。
また、本開示においては、前記蓋体は、前記軸受ハウジングの端面に対向する円環部と、前記円環部の外縁から延伸し、前記軸受ハウジングの前記挿通孔の径方向における外周面に対向するカシメ部と、を有してもよい。
本開示によれば、軸受ハウジングに対するトップフォイルの組み込み作業性を向上させることができる。
本開示のラジアルフォイル軸受が適用されるターボ機械の一例を示す側面図である。 本開示のラジアルフォイル軸受を示す正面図である。 本開示のラジアルフォイル軸受に蓋体を取り付けた状態を示す正面図である。 本開示のバックフォイル及び中間フォイルの軸受ハウジングに対する取り付け構造を示す斜視図である。 本開示のバックフォイル及び中間フォイルの軸受ハウジングに対する取り付け構造を平坦化して模式的に示す(a)平面図、(b)正面図である。 本開示のトップフォイル9を展開した(a)平面図、(b)正面図である。 本開示の軸受ハウジングの通し溝における(a)要部を分解した斜視図、(b)平面図、(c)A−A断面図である。 図7のB−B断面図である。 本開示における係合部材の製造工程を説明するための図である。 本開示の一変形例にかかるラジアルフォイル軸受を示す正面図である。 本開示の一変形例にかかるラジアルフォイル軸受を示す底面図である。 図11に示す軸受ハウジングに取り付けられる前の蓋体を示す正面図である。 本開示の一変形例にかかるラジアルフォイル軸受の通し溝における(a)要部の分解斜視図、(b)平面図、(c)C−C断面図である。
以下、図面を参照して本開示のラジアルフォイル軸受を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本開示のラジアルフォイル軸受が適用されるターボ機械の一例を示す側面図である。
図1中、符号1は回転軸、符号2は回転軸の軸方向の一方側の先端に設けられたインペラ、符号3は本開示に係るラジアルフォイル軸受である。なお、図1では省略してラジアルフォイル軸受を一つしか記載していないが、通常は回転軸1の軸方向にラジアルフォイル軸受が二つ設けられている。したがって、本開示においてもラジアルフォイル軸受3が二つ設けられている。
回転軸1には、ラジアルフォイル軸受3が外挿(挿通)されている。回転軸1のインペラ2とラジアルフォイル軸受3との間には、スラストカラー4が設けられている。このスラストカラー4の軸方向両側には、スラスト軸受5が配置(挿通)されている。インペラ2は、静止側となるハウジング6内に配置されており、ハウジング6との間にチップクリアランス7を有している。
図2は、本開示のラジアルフォイル軸受3を示す正面図である。図3は、本開示のラジアルフォイル軸受3に蓋体50を取り付けた状態を示す正面図である。
ラジアルフォイル軸受3は、回転軸1に外挿されて、該回転軸1を支持する軸受である。ラジアルフォイル軸受3は、トップフォイル9と、中間フォイル10と、バックフォイル11と、軸受ハウジング12と、を備える。軸受ハウジング12は、回転軸1が挿通される挿通孔12aを有する。なお、本開示の挿通孔12aが形成された軸受ハウジング12は、円筒状となっている。
なお、以下の説明においては、挿通孔12aを基準に各部材の位置関係を説明することがある。具体的に、「軸方向」とは、挿通孔12aが延びる方向(回転軸1が挿通される方向)を言う。また、「径方向」とは、挿通孔12aの径方向を言う。また、「周方向」とは、挿通孔12aの内周面に沿った周方向を言う。
軸受ハウジング12は、径方向におけるラジアルフォイル軸受3の最外部を構成する円筒状の部材である。軸受ハウジング12の挿通孔12aには、バックフォイル11、中間フォイル10、トップフォイル9が収容されている。具体的に、バックフォイル11は挿通孔12aの内周面に支持され、中間フォイル10はバックフォイル11に支持され、トップフォイル9は中間フォイル10に支持されている。なお、本開示の軸受ハウジング12は、挿通孔12aを備える円筒状の部材である。しかし、挿通孔12aを有すれば、軸受ハウジング12は、円筒状以外の部材(例えば角柱状の部材)であってもよい。
バックフォイル11は、軸受ハウジング12の挿通孔12aの内周面に配置されている。バックフォイル11は、中間フォイル10及びトップフォイル9を弾性的に支持するフォイル(薄板)である。このようなバックフォイル11としては、例えばバンプフォイルや、特開2006−57652号公報や特開2004−270904号公報などに記載されているスプリングフォイル、特開2009−299748号公報などに記載されているバックフォイルなどが用いられる。本開示では、バックフォイル11としてバンプフォイルを用いている。
本開示のバックフォイル11は、挿通孔12aの内周面に沿って配置された3つ(複数)のバックフォイル片11aによって構成されている。バックフォイル片11aは、フォイル(薄板)が周方向に波板状になっている。3つのバックフォイル片11aは、軸方向から見たとき、全体として略円筒状になるよう湾曲している。つまり、バックフォイル片11aは、挿通孔12aの内周面に支持されている。本開示では、バックフォイル片11aの3つが全て同じ形状・寸法に形成されている。したがって、これらバックフォイル片11aは、挿通孔12aの内周面を周方向において略3分割して配置されている。
バックフォイル片11aは、径方向内側に突出する山部11cと、山部11cから見て径方向外側に突出する谷部11bと、が周方向において交互に形成されている。谷部11bの軸受ハウジング12と対向する平坦部は、挿通孔12aの内周面に当接可能である。また、山部11cは、中間フォイル10(中間フォイル片10a)に当接可能である。このように、バックフォイル片11aは、山部11cにより、中間フォイル片10aを介してトップフォイル9を弾性的に支持している。なお、バックフォイル片11aの周方向両端は、いずれも谷部11bとなっている。
中間フォイル10は、トップフォイル9とバックフォイル11との間に配置されている。本開示の中間フォイル10は、挿通孔12aの内周面に沿って配置された3つの中間フォイル片10aによって構成されている。中間フォイル片10aは、展開形状が略矩形状に形成されている。3つの中間フォイル片10aは、軸方向から見たとき、全体として略円筒状になるよう湾曲している。本開示では、中間フォイル片10aの3つが全て同じ形状・寸法に形成されている。したがって、これら中間フォイル片10aは、挿通孔12aの内周面を周方向において略3分割して配置されている。なお、本開示の中間フォイル片10aは、周方向に隣接するバックフォイル片11aの離隔位置を挟み、周方向に隣接する山部11cの頂部の間の周方向位置で、隣接する中間フォイル片10aと離隔している。つまり、バックフォイル片11aの山部11cの頂部と対向する位置において、中間フォイル片10aが離隔していない。
また、軸方向における軸受ハウジング12の両端面12bには、挿通孔12aの内周縁から径方向外側に向かって延伸する第1の係合溝25が形成されている。つまり、軸受ハウジング12の端面12bは、軸受ハウジング12の内周まで延在する凹部を備える。本開示の第1の係合溝25は、軸受ハウジング12の端面12bを、周方向にほぼ3分割する位置に、それぞれ形成されている。そして、これら第1の係合溝25には、バックフォイル11及び中間フォイル10を軸受ハウジング12に取り付ける係合ピン30が係合している。
図4は、本開示のバックフォイル11及び中間フォイル10の軸受ハウジング12に対する取り付け構造を示す斜視図である。図5は、本開示のバックフォイル11及び中間フォイル10の軸受ハウジング12に対する取り付け構造を平坦化して模式的に示す(a)平面図、(b)正面図である。
バックフォイル片11aは、図4及び図5(a)に示すように、軸方向の両端縁に切欠26を備える。切欠26は、バックフォイル片11aの谷部11bに形成されている。
切欠26は、バックフォイル片11aの周方向両端の間の周方向位置(本開示では周方向におけるバックフォイル片11aの中央位置)に形成されている。すなわち、バックフォイル片11aには、軸方向の両端縁の当該周方向位置において、軸方向に凹みが存在する。この切欠26は、図4に示すように、軸受ハウジング12の第1の係合溝25に対応する位置、すなわち第1の係合溝25と重なる位置に配置されている。また、切欠26の幅は、第1の係合溝25の幅より小さく形成されている。つまり、切欠26の周方向両端は、第1の係合溝25の周方向両端の間の周方向位置に位置する。
図5(a)に示すように、中間フォイル片10aの外形は、バックフォイル片11aの外形と略等しい大きさを有する。この中間フォイル片10aは、図5(b)に示すように、バックフォイル11の山部11cの頂部に接する平面部10bと、平面部10bによりも径方向外側に窪む(突出する)凹部10cと、を有する。すなわち、この凹部10cは、トップフォイル9から離隔している。凹部10cは、図5(a)に示すように、中間フォイル片10aの周方向両端の間の周方向位置(本開示では周方向における中間フォイル片10aの中央位置)に形成されている。
本開示の凹部10cは、平面部10bよりも径方向外側に位置し周方向に沿って平坦な底部と、当該底部の周方向両端に位置し平面部10bに向かって径方向内側に延伸するテーパ部と、を有する。図4に示すように、周方向における凹部10cの底部の幅は、周方向におけるバックフォイル片11aの谷部11bの平坦部の幅より長くなっている。なお、山部11cと谷部11bがともに一つのピークを持って周期的に形成される場合は、本開示における谷部11bの周方向の幅は、山部11cのピークと谷部11bのピークの径方向位置の中間の径方向位置における、バックフォイル片11aの山部11cと谷部11bの周方向間隔のうち小さい方の間隔であるとする。
中間フォイル片10aは、図4に示すように、軸方向の両端縁に切欠27(第2の切欠)を備える。切欠27は、中間フォイル片10aの凹部10cに形成されている。切欠27は、中間フォイル片10aの周方向両端の間の周方向位置(本開示では周方向における中間フォイル片10aの中央位置)に形成されている。すなわち、中間フォイル片10aには、軸方向の両端縁の当該周方向位置において、軸方向の凹みが存在する。
本開示の切欠27は、平面部10bと平面部10bとの間に形成された凹部10cの底部の一部が、軸方向における中間フォイル片10aの中央部に向かって切り欠かれて形成されたものである。切欠27は、軸受ハウジング12の第1の係合溝25及びバックフォイル片11aの切欠26に対応する位置、すなわち第1の係合溝25及び切欠26と周方向に重なる位置に形成されている。切欠27の幅は、第1の係合溝25の幅よりも小さく、切欠26の幅と同じに形成されている。
係合ピン30は、図4に示すように、軸受ハウジング12の第1の係合溝25に取り付けられる。係合ピン30は、切欠26及び切欠27を通り、中間フォイル10(中間フォイル片10a)の表面側(径方向内側)において、周方向における切欠27の形成範囲外まで延伸している。係合ピン30は、軸受ハウジング12の第1の係合溝25に係合する係合部31と、切欠26及び切欠27を挿通(あるいは嵌挿)する挿通部32と、中間フォイル10(バックフォイル11)の表面側に対向する返し部33と、を備える。
係合部31は、第1の係合溝25の周方向両端の内面25aにそれぞれ当接している。第1の係合溝25の内面25aは、周方向において間隔をあけて対向し、且つ径方向に平行に延伸している。係合部31は、第1の係合溝25の内面25aのそれぞれに、径方向において所定幅で接触する矩形枠状に形成されている。また、係合部31の周方向の一方側で内面25aと対向する部分と、係合部31の周方向の他方側で内面25aと対向する部分との間には、周方向に空隙となる領域が存在する。また、係合部31は、内面25aからR(湾曲形状)をつける等して滑らかに離隔している。
挿通部32は、矩形枠状の係合部31の上部から径方向内側に向かって平行に延伸している。挿通部32は、係合部31から2つ形成されており、互いに離隔している。また、挿通部32と係合部31は、R(湾曲形状)をつける等して滑らかにつながっている。また、挿通部32は、軸方向において中間フォイル片10a、またはバックフォイル片11aと当接する。
返し部33は、径方向内側に向かって平行に延伸した挿通部32の先端部から、周方向において互いに相反する方向に曲げられて形成されている。つまり、係合ピン30は、周方向において相反する方向に延伸する一対の返し部33を備える。一対の返し部33は、中間フォイル10の凹部10cに収容され、図5(b)に示すように、凹部10cの開口位置(上端)よりも径方向外側に位置している。
係合ピン30は、蓄勢状態で第1の係合溝25の内面25aに当接している。本開示の係合ピン30は、一枚の板バネ(弾性部材)を略C形(瓶形)に折り曲げて形成されている。係合ピン30の係合部31は、周方向において僅かに縮められた状態で、第1の係合溝25に係合している。これによって、係合部31には、周方向に開こうとするスプリングバックが作用している。これにより、係合部31と第1の係合溝25の内面25aとの間に摩擦力が発現し、係合ピン30が軸受ハウジング12に保持されている。
図6は、本開示のトップフォイル9を展開した(a)平面図、(b)正面図である。
トップフォイル9は、図6(a)に示すように、周方向を長辺とし、軸方向を短辺とする矩形状の金属箔である。トップフォイル9は、図2に示すように、周方向における両端部9Aが交差した状態で円筒状に巻かれている。このトップフォイル9は、回転軸1の周面に対向して配置されている。
トップフォイル9の両端部9Aのうち、長辺方向における一方の短辺には、図6(a)に示すように、長辺方向の一方側に突出する一つの凸部21aと、凸部21aの短辺方向両側に形成された二つの凹部22aとを有してなる第1の凹凸部23aが形成されている。すなわち、トップフォイル9の長辺方向における一方の短辺は、長辺方向に突出する一つの凸部21aと、凸部21aの短辺方向両側に延接する段差とを備える。
また、トップフォイル9の両端部9Aのうち、当該一方の短辺と反対の他方の短辺(長辺方向における他方側に位置する短辺)には、短辺方向において離隔する二つの凸部21bと、当該二つの凸部21bの間に位置する一つの凹部22bと、を有してなる第2の凹凸部23bが形成されている。あるいは、トップフォイル9の長辺方向の他方側に位置する短辺)には、長辺方向の一方側に窪む凹部22bと、凹部22bの短辺方向両側に位置する段差とを備える。
第2の凹凸部23bの凹部22bは、第1の凹凸部23aの凸部21aに対応して形成されている。また、第1の凹凸部23aの凹部22aは、第2の凹凸部23bの凸部21bに対応して形成されている。つまり、凹部22bの短辺方向の間隔の最少が、凸部21aの短辺方向の幅の最大より大きい。本開示の凹部22bの長辺方向の間隔と、凸部21aの長辺方向の間隔は、長辺方向において一定である。
第2の凹凸部23bの凹部22bは、第1の凹凸部23aと第2の凹凸部23bとが重なるようにトップフォイル9を円筒状に巻いた際、凹部22b内を凸部21aが通り抜けるように形成されている。同様に、第1の凹凸部23aの凹部22aは、トップフォイル9を円筒状に巻いた際、該凹部22a内を凸部21bがそれぞれ通り抜けるように形成されている。
凹部22b、22aを通り抜けた凸部21a、21bは、図2に示すように、それぞれ軸受ハウジング12側に引き出される。このように、トップフォイル9は、凸部21a、21b(両端)が軸受ハウジング12側(径方向外側)に引き出される(延伸する)ように交差した状態で円筒状に巻かれている。すなわち、挿通孔12aの内周側に配されたトップフォイル9を軸方向から見ると、凸部21aと凸部21bが交差している。また、トップフォイル9の凸部21aは、軸方向において、2つの凸部21bの間に位置する。軸受ハウジング12側には、挿通孔12aの内周面に、軸方向の一方の端面12bから他方の端面12bに連続する通し溝13が形成されている。なお、本開示では、3つの第1の係合溝25のうちの2つの第1の係合溝25の間に、通し溝13が配置されている。また、第1の係合溝25の一つは、径方向において通し溝13と対向している。
図7は、本開示の軸受ハウジング12の通し溝13における(a)要部を分解した斜視図、(b)平面図、(c)A−A断面図である。図8は、図7のB−B断面図である。
通し溝13には、図7(a)及び図7(b)に示すように、周方向において互いに対向する側面のそれぞれに窪み部15が形成されている。窪み部15は、通し溝13の全長に亘って形成されている。窪み部15の断面形状は、U字状(半円弧状)である。窪み部15は、通し溝13の径方向における開口端、すなわち、軸受ハウジング12の内周面(挿通孔12a)よりも深い位置(径方向外側)に形成されている。この窪み部15には、図2に示すように、凹部22b、22aを通り抜けた凸部21a、21bが挿入される。
通し溝13には、図7(a)に示すように、係合部材16が嵌め込まれている。係合部材16は、軸受ハウジング12に取り付けられトップフォイル9と係合する。係合部材16は、図7(a)〜図7(c)に示すように、通し溝13に収容される棒状(四角柱状)の基部17と、基部17に形成された二つの隔壁片19と、を有する。隔壁片19は、基部17から内周側に向かい突出している。基部17は、通し溝13の全長に亘って収容されている。この基部17は、その上面(隔壁片19側の面)が通し溝13の開口よりも僅かに沈み込んだ状態(径方向外側に位置する状態)で通し溝13に収容される。つまり、ラジアルフォイル軸受3において、軸受ハウジング12の内周面(挿通孔12a)と基部17の内周に向いた面との間には、軸受ハウジング12の内周面から見て径方向外側への段差がある。また、軸受ハウジング12の内周面と隔壁片19の内周に向いた面との間には、軸受ハウジング12の内周面から見て径方向内側への段差があってもよい。
本開示の通し溝13の角部13cは、側面13aと底面13bとを滑らかに接続する湾曲面を有している。係合部材16の通し溝13の底面14bと対向する面(基部17の径方向外側の面)は、平坦となっている。また、基部17は、図8に示すように、通し溝13の側面13aと底面13bとの角部13cに対向する面取り部17aを有し、底面13bと基部17が当接可能となっている。すなわち、角部13cの湾曲面の曲率中心C1は、通し溝13の内側空間に存在している。面取り部17aは、断面視四角柱状の基部17の角を丸面にしたものである。面取り部17aの曲率半径は、角部13cの曲率半径以上であってもよい。なお、面取り部17aは、断面視四角柱状の基部17の角を斜めに落とした斜面であってもよい。
隔壁片19は、図7(b)、(c)に示すように、基部17を、軸方向においてほぼ三等分する二つの位置に形成されている。隔壁片19は、図7(c)に示すように、通し溝13の開口位置と同じ高さ、若しくは、通し溝13の開口位置よりも少し突出する程度の高さを有する。隔壁片19は、基部17の上面を略三分割することで、軸方向において三つの第2の係合溝20を形成している。
凹部22b、22aを通り抜けた凸部21a、21bは、それぞれ三つの第2の係合溝20に係合する。さらに、その先端部が、図2に示すように、窪み部15に挿入される。凸部21a、21bが、窪み部15に挿入されることで、周方向におけるトップフォイル9の移動(回転)が抑制される。その結果、トップフォイル9の周方向の両端部9Aには、抗力が作用する。
また、トップフォイル9は、周方向の両端に向かうにつれ、軸受ハウジング12の挿通孔12aに楔状(円筒状に巻かれたトップフォイル9の接線方向に沿う傾斜状)に近づいている。つまり、周方向の両端に向かうにつれ、トップフォイル9の内周側の面と挿通孔12aの中心線との間の間隔が拡大する。同様に、トップフォイル9は、周方向の両端に向かうにつれ、後述の中間フォイル10に楔状に近づいている。また、凸部21a、21bが、第2の係合溝20に係合することで、軸方向におけるトップフォイル9の移動が抑制される。
図6(b)に戻り、トップフォイル9は、第1の凹凸部23aを形成した側(一方の短辺側)と第2の凹凸部23bを形成した側(他方の短辺側)とに、これらの間の中央部に比べて薄厚(薄肉)な薄肉部24が形成されている。これら薄肉部24は、図2に示すように、その外周面(軸受ハウジング12側の面)が中央部の外周面より凹み、薄肉となっている。つまり、トップフォイル9の外周側の面は、両端側において、中央部から内周側に向かう段差を備えている。
薄肉部24の周方向の長さLは、図2に示すように、通し溝13と、バックフォイル11の端部の山部11cの一つ分までに対応する長さとされている。本開示においては、軸受ハウジング12に配されたトップフォイル9は、薄肉部24から外周面側に段差を備え、当該段差を介し薄肉となる。また、薄肉部24は、トップフォイル9の周方向の両端から最も近い山部11cを越える周方向位置まで延在している。
図3に戻り、軸受ハウジング12の軸方向の両端面12bには、蓋体50が取り付けられている。蓋体50は、トップフォイル9の両端部9Aに係合する係合部材16と、軸方向において対向している。本開示の蓋体50は、軸受ハウジング12の軸方向の端面12bに形成された通し溝13の開放端13Aの少なくとも一部を覆っている。つまり、本開示において、通し溝13の内周側が、蓋体50の内周から露出している。具体的に、蓋体50は、通し溝13の窪み部15よりも径方向外側を覆っている。これにより、蓋体50は、図7及び図8に示す係合部材16の基部17と、軸方向において対向している。あるいは、蓋体50は、軸方向において基部17のすくなくとも一部と重なる形で配置されている。
本開示の蓋体50は、軸受ハウジング12の周方向に沿う円環板状に形成されている。蓋体50の内周縁の径は、軸受ハウジング12の内周縁の径よりも大きく、蓋体50の外周縁の径は、軸受ハウジング12の外周縁の径よりも小さい。また、この蓋体50は、係合ピン30を収容している第1の係合溝25の少なくとも一部を覆っている。つまり、本開示の蓋体50は、係合ピン30の係合部31と、軸方向において対向して(重なって)いる。
蓋体50は、第1の係合溝25の近傍に形成されたネジ孔52(図2参照)にネジ51によってネジ止めされている。本開示の蓋体50は、軸受ハウジング12の端面12bを、その周方向にほぼ3分割する位置に、それぞれネジ止めされている。上記構成によれば、係合部材16が通し溝13の開放端13Aから軸方向に外れるのを抑制することができる。また、上記構成によれば、係合ピン30が第1の係合溝25から軸方向に外れるのを抑制することができる。
次に、このような構成からなるラジアルフォイル軸受3の作用について説明する。
回転軸1が停止した状態では、トップフォイル9はバックフォイル11(3つのバックフォイル片11a)によって中間ファイル10(3つの中間フォイル片10a)を介して回転軸1側に付勢されることで回転軸1に密着している。なお、本開示では、トップフォイル9の両端部が薄肉部24となっているので、これら薄肉部24では回転軸1を締め付ける力(局所的なプリロード)が、薄肉部24がない場合と比べ緩和される。
そして、回転軸1を図2中の矢印P方向に始動させると、最初は低速で回転を始め、その後徐々に加速して高速で回転する。すると、図2及び図3中矢印Qで示すように、トップフォイル9、中間フォイル10、バックフォイル11のそれぞれの一端側から周囲流体が引き入れられ、トップフォイル9と回転軸1との間に流入する。これにより、トップフォイル9と回転軸1との間に流体潤滑膜が形成される。
この流体潤滑膜の膜圧は、トップフォイル9に作用し、該トップフォイル9に接する中間フォイル10を介してバックフォイル片11aの個々の山部11cを押圧する。すると、バックフォイル片11aは中間フォイル10に押圧されることにより、その山部11cが押し広げられ、これによってバックフォイル片11aは軸受ハウジング12上をその周方向に動こうとする。すなわち、バックフォイル片11a(バックフォイル11)は、中間フォイル10を介してトップフォイル9を弾性的に支持するため、トップフォイル9から荷重を受けた際にはその周方向に変形することで、トップフォイル9や中間フォイル10の撓みを許容し、これを支持する。
ここで、図5(b)に示すように、バックフォイル片11a及び中間フォイル片10aには、軸方向の端縁に形成された切欠26及び切欠き27に、係合ピン30が挿通されている。係合ピン30は、軸受ハウジング12の第1の係合溝25に係合しており、この係合ピン30が切欠26及び切欠き27に挿通されることで、周方向におけるバックフォイル片11a及び中間フォイル片10aの回転が抑制される。
また、係合ピン30は、バックフォイル片11a及び中間フォイル片10aと当接しており、軸方向におけるバックフォイル片11a及び中間フォイル片10aの移動も抑制している。さらに、係合ピン30には、切欠26及び切欠27を通った中間フォイル片10a(バックフォイル片11a)の表面側に返し部33(図4参照)が形成されており、これが径方向におけるバックフォイル片11a及び中間フォイル片10aの抜け止めとなっている。よって、バックフォイル片11a及び中間フォイル片10aの軸受ハウジング12からの脱落が抑制される。
トップフォイル9と回転軸1との間に流体潤滑膜が形成されると、回転軸1とトップフォイルは非接触状態になる。この非接触状態に至るまでの過渡期においては、回転軸1とトップフォイル9の間に固体摩擦が生じている。その際には、トップフォイル9の表面に塗布されたコーティングが、回転軸1との間の摩耗を抑制することになる。このように回転軸1とトップフォイル9の間に固体摩擦が生じているとき、トップフォイル9は、回転軸1と共に周方向へ連れ回ろうとする。しかし、トップフォイル9の両端は、通し溝13の窪み部15に差し込まれているので、周方向に回り出すことはない。
トップフォイル9の軸方向への移動は、軸受ハウジング12の端面12bに取り付けられた蓋体50によって抑制される。蓋体50は、トップフォイル9に係合する係合部材16と、軸方向において対向している。このため、係合部材16が軸方向に移動しようとしても、係合部材16が蓋体50の内周縁部に引っかかり、トップフォイル9の軸方向への脱落が抑制される。つまり、本開示のトップフォイル9は、係合部材16の隔壁片19と軸方向に重なる形で配置されている。また、円筒状に巻かれたトップフォイル9には、回転軸1が挿入されているため、トップフォイル9が径方向内側へ外れることも無い。よって、トップフォイル9の軸受ハウジング12からの脱落が抑制される。
このように、上述の本開示によれば、挿通孔12aを有する軸受ハウジング12と、挿通孔12aに収容されたトップフォイル9と、挿通孔12aが延びる軸方向における軸受ハウジング12の端面12bに取り付けられた蓋体50と、有し、トップフォイル9は、両端が軸受ハウジング12側に引き出されるように交差した状態で円筒状に巻かれており、蓋体50は、軸受ハウジング12に取り付けられトップフォイル9と係合する係合部材16と、軸方向において対向している、という構成を採用することによって、トップフォイル9の軸受ハウジング12からの脱落を抑制することができる。
また、図7に示すように、軸受ハウジング12には、軸方向に延びる通し溝13が形成されている。そして、トップフォイル9は、円筒状に巻かれ、且つ、その両端部9Aが係合部材16の第2の係合溝20に係合した状態で、通し溝13に沿って軸方向に挿入されている。係合部材16は、上述した先行技術(特開2013−217425号公報)のものと異なり、軸受ハウジング12に係止するための一対の脚部は無い。このため、係合部材16は、トップフォイル9と係合した状態で、通し溝13にストレートで挿入することができる。
上記構成によれば、軸受組立時において、従来技術のようにトップフォイル9の挿入に先行して、係合部材16を軸受ハウジング12に取り付ける必要がなくなる。このため、例えば、トップフォイル9を円錐形状に丸めつつ、更には、トップフォイル9を挿通孔12aの内径よりも小さく丸めた状態にして軸受ハウジング12内へ軸方向に挿入する必要がない。このため、トップフォイル9の組み付け作業に、作業者の技量が必要とならず、組立時間が短縮され、結果として組立コストの低減に繋がる。また、トップフォイル9のコーティングが、トップフォイル9を組み込む際に、トップフォイル9の両端が互いに擦れ合い、コーティングに傷が付いてしまう虞がなくなるため、そこから摩耗が進行し、軸受寿命が低下する虞がなくなる。
また、係合部材16を通し溝13にストレートで挿入することができるようにすることで、図8に示すように、通し溝13の形状を単純化することができる。すなわち、通し溝13の角部13cは、側面13aと底面13bとを滑らかに接続する湾曲面を有している。この湾曲面は、通し溝13を削り出す工具の丸みである。従来技術では、この湾曲面による係合部材16の浮き上がりを抑制するために、角部13cを底面13bよりも深く削っていた。しかし、本開示のように、係合部材16をストレートにすると、上述した先行技術(特開2013−217425号公報)のように脚部を備えるものと比べて、面取り部17aが形成し易くなる。これによって、角部13cを深く削る必要がなくなり、通し溝13の加工コストを低減することができる。
図9は、本開示における係合部材16の製造工程を説明するための図である。
係合部材16は、例えば、図9(a)〜図9(d)に示す工程を経て製造することができる。先ず、図9(a)に示すように、係合部材16を削り出す長尺状の板材60を用意する。次に、図9(b)に示すように、板材60から複数の隔壁片19を削り出す。次に、図9(c)に示すように、隔壁片19と反対側の基部17に、長手方向に亘って面取り部17aを形成する。最後に、基部17を長手方向において二つの隔壁片19毎に分断することで、係合部材16を製造することができる。このように、上述した先行技術(特開2013−217425号公報)のような脚部が隔壁片19と反対側に突出しないことによって、面取り部17aが形成し易くなる。よって、係合部材16の製造コストも低減することができる。
以上、図面を参照しながら本開示の1つの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本開示は、図10〜図13に示すような変形例を採用し得る。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図10は、本開示の一変形例にかかるラジアルフォイル軸受3Aを示す正面図である。
図10に示す蓋体50Aは、トップフォイル9の両端及び当該両端に係合する係合部材16の両方と、軸方向において対向している。すなわち、蓋体50Aの内径は、軸受ハウジング12の内径と同程度になっている。蓋体50Aは、軸受ハウジング12の端面12bに形成された通し溝13の開放端13Aの略全てを覆っている。この構成によれば、蓋体50Aの内端縁に、係合部材16が引っ掛かると共にトップフォイル9の両端も引っ掛かるため、トップフォイル9の軸方向への移動がより確実に抑制される。
なお、図10に示す蓋体50Aの配置では、係合部材16が無くてよい。つまり、係合部材16が無くても、蓋体50Aの内端縁にトップフォイル9の両端が引っ掛かる。
図11は、本開示の一変形例にかかるラジアルフォイル軸受3Bを示す底面図である。図12は、図11に示す軸受ハウジング12に取り付けられる前の蓋体50Bを示す正面図である。
図11に示す蓋体50Bは、軸受ハウジング12にカシメられている。具体的に、蓋体50Bは、軸受ハウジング12の端面12bに対向する円環部53(図12参照)と、円環部53の外縁から延伸し、軸受ハウジング12の挿通孔12aの径方向における外周面12cに対向するカシメ部54と、を有する。
図12に示すように、カシメ部54は、周方向において間隔をあけて円環部53の外縁に複数(好ましくは3つ以上)形成されている。カシメ部54は、図11に示すように、軸受ハウジング12の外周面12cに沿って延伸し、内周側に向かい折り曲げられる。軸受ハウジング12の外周面12cには、円環溝12c1が形成されており、カシメ部54の先端は円環溝12c1に挿入される。また、軸受ハウジング12の端面12bには、蓋体50Bの位置決め溝12b1が形成されている。つまり、蓋体50Bと対向する軸受ハウジング12の軸方向の端面12bは、軸方向に段差を備えている。一方、蓋体50Bの円環部53には、位置決め溝12b1に嵌挿される嵌挿部55が形成されている。嵌挿部55は、蓋体50Bの一部をプレス加工により突出(窪ませた)させた凸部(凹部)であり、位置決め溝12b1に嵌挿され、蓋体50Bの回転を抑制する。
この構成によれば、複数のネジ51を使用することなく、蓋体50Bをカシメによって軸受ハウジング12に取り付けることができる。このため、蓋体50の取付作業の時間が短縮され、結果として製造コストの低減に繋がる。
なお、図12に示すように、蓋体50Bが取り付けられていない軸受ハウジング12の端面12bには、取付フランジ70が接続されている。取付フランジ70は、ラジアルフォイル軸受3Bを、図示しない取付対象に取り付けるための取付孔71を複数有する。この取付フランジ70は、トップフォイル9の両端及び当該両端に係合する係合部材16の少なくともいずれか一方と、軸方向において対向している。つまり、この形態では、蓋体50Bが、軸受ハウジング12の一方の端面12bにのみ取り付けられている。
図13は、本開示の一変形例にかかるラジアルフォイル軸受3Cの通し溝13Cにおける(a)要部の分解斜視図、(b)平面図、(c)C−C断面図である。
図13に示す係合部材16Cは、平面視L字状に形成されており、基部17の軸方向の一端部の一方の側面から周方向に突出する突出部18を有する。また、通し溝13Cには、突出部18が収まる平面視L字状の収容溝14が形成されている。この構成によれば、軸方向の一端部において、係合部材16Cの突出部18と通し溝13Cの収容溝14とが係合する。したがって、蓋体50は、収容溝14が形成された側の軸受ハウジング12の一方の端面12bにのみ取り付ければよい。
なお、係合部材16Cに突出部18を設けることなく、基部17を長手方向において先細り形状にする。そして、通し溝13Cに収容溝14を形成することなく、通し溝13C自体を軸方向において先細り形状にする。これにより、係合部材16Cが通し溝13Cに楔状に係合する。この場合であっても、蓋体50は、当該楔が緩む側の軸受ハウジング12の一方の端面12bにのみ取り付ければよい。
その他の変形例としては、例えば、バックフォイル11及び中間フォイル10の取り付けに係合ピン30を使用しなければ、蓋体50は、円環状でなくてもよい。すなわち、蓋体50は、通し溝13の開放端13Aの少なくとも一部を覆える程度の矩形状の板であってもよい。
また、本開示では、中間フォイル10を有する形態を例示したが、中間フォイル10が無い形態を採用してもよい。
3 ラジアルフォイル軸受
9 トップフォイル
9A 両端部
12 軸受ハウジング(ハウジング)
12a 挿通孔
12b 端面
12c 外周面
13 通し溝
13A 開放端
13a 側面
13b 底面
13c 角部
16 係合部材
17a 面取り部
21a 突部(両端)
21b 突部(両端)
50 蓋体
53 円環部
54 カシメ部
C1 曲率中心

Claims (5)

  1. 挿通孔を有する軸受ハウジングと、
    前記挿通孔に収容されたトップフォイルと、
    前記挿通孔が延びる軸方向における前記軸受ハウジングの端面に取り付けられた蓋体と、有し、
    前記トップフォイルは、両端が前記軸受ハウジング側に引き出されるように交差した状態で円筒状に巻かれており、
    前記蓋体は、前記トップフォイルの両端、及び、前記軸受ハウジングに取り付けられ前記トップフォイルと係合する係合部材の少なくともいずれか一方と、前記軸方向において対向しており、
    前記挿通孔には、前記軸受ハウジングの端面から前記軸方向に延びる通し溝が形成され、
    前記トップフォイルの両端は、前記通し溝に収容され、
    前記蓋体は、前記軸受ハウジングの端面に形成された前記通し溝の開放端の少なくとも一部を覆っており、
    前記通し溝には、さらに、前記係合部材が収容され、
    前記係合部材は、前記通し溝の側面と底面との角部に対向する面取り部を有する、ラジアルフォイル軸受。
  2. 前記係合部材の前記通し溝の底面と対向する面は、平坦となっている、請求項1に記載のラジアルフォイル軸受。
  3. 前記通し溝の角部は、前記側面と前記底面とを滑らかに接続する湾曲面を有する、請求項1または2に記載のラジアルフォイル軸受。
  4. 前記蓋体は、前記軸受ハウジングにカシメられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラジアルフォイル軸受。
  5. 前記蓋体は、
    前記軸受ハウジングの端面に対向する円環部と、
    前記円環部の外縁から延伸し、前記軸受ハウジングの前記挿通孔の径方向における外周面に対向するカシメ部と、を有する、請求項4に記載のラジアルフォイル軸受。
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