JP2014147961A - 金属製ワークの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製ワークに転造加工により突条部(スプライン歯)を形成した後、該突条部の頂面部に、プレス加工により、該突条部を横切るように溝部を形成する場合に、溝部の側壁面部に対して溝部の幅方向に押圧力が作用しても、溝部の壁面部が破断するのを防止する。
【解決手段】転造加工により、金属製ワークに突条部11を形成すると同時に、突条部11の頂面部における幅方向中央部であって少なくとも溝部14の形成予定領域に凹部17を形成し、その後、突条部11の頂面部における溝部形成予定領域に、プレス加工により溝部14を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属製ワークに転造加工により突条部を形成した後、該突条部の頂面部に、プレス加工により、該突条部を横切るように溝部を形成する、金属製ワークの加工方法に関する技術分野に属する。
一般に、自動車の自動変速機に用いられるクラッチドラムを成形する場合、転造加工により、金属製の円筒状ワークの内周面にスプライン歯を形成し、その後、プレス加工により、全てのスプライン歯の頂面部に、該スプライン歯を横切るようにスナップリング用溝部を形成する。スナップリング用溝部にはスナップリングが嵌められる。このスナップリングは、クラッチドラムと該クラッチドラムの内側に配設されかつ外周側にスプライン歯が形成されたクラッチハブとの間において軸方向に交互に配設されたクラッチ板及び摩擦板の抜け止めとされ、クラッチ板及び摩擦板が互いの係合のためにスナップリングの側に押圧されるときの押圧力を受け止める。
ところが、スナップリング用溝部を形成する際、プレス加工によりワーク材料を径方向外側に押し込むので、押し込まれて形成されたスナップリング用溝部の底壁面部(特に、該底壁面部に対して軸方向に隣接する押し込まれない部分との境界部分)にクラックが生じる可能性がある。特に、スナップリングの引っ掛かり代を大きくするべく、スナップリング用溝部の深さを深くすると、クラックがより一層生じ易くなる。このようなクラックが生じると、スナップリング用溝部の側壁面部にスナップリングを介して上記押圧力が作用したときに、スナップリング用溝部の壁面部が破断して、スナップリングが上記押圧力を受け止めることができなくなるという問題が生じる。
そこで、例えば特許文献1では、クラッチドラムにおけるスナップリング当接部の裏側(径方向外側)で構成する棚状部面の一部に、該棚状部面上からクラッチドラムの開口端側の外周壁に向かって延在する肉厚部を突出形成することによって、スナップリング用溝部におけるクラッチドラム開口端側壁部と棚状部との間に渡る梁構造を形成して、肉厚部においてクラックが生じるのを防止している。
特開2000−257648号公報
上記特許文献1のような肉厚部を形成すれば、その肉厚部によって、スナップリング用溝部の壁面部が破断するのを防止することができるが、本発明者らは、上記肉厚部を形成しなくても、そのような効果が得られる方法を見出した。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属製ワークに転造加工により突条部を形成した後、該突条部の頂面部に、プレス加工により、該突条部を横切るように溝部を形成する場合に、溝部の側壁面部に対して溝部の幅方向に押圧力が作用しても、溝部の壁面部が破断するのを防止しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、金属製ワークに転造加工により突条部を形成した後、該突条部の頂面部に、プレス加工により、該突条部を横切るように溝部を形成する、金属製ワークの加工方法を対象として、転造加工により、上記金属製ワークに上記突条部を形成すると同時に、該突条部の頂面部における幅方向中央部であって少なくとも上記溝部の形成予定領域に、該溝部の深さ以下の所定深さを有する凹部を形成する凹部形成工程と、上記凹部形成工程の後、上記突条部の頂面部における上記溝部形成予定領域に、プレス加工により上記溝部を形成する溝部形成工程とを含むようにした。
上記方法により、凹部形成工程で、突条部の頂面部における幅方向中央部であって少なくとも溝部形成予定領域に、凹部が形成され、この後、溝部形成工程で、突条部の頂面部における溝部形成予定領域に、プレス加工により溝部が形成される。
上記凹部は、転造加工により突条部の形成と同時に形成されるので、凹部の壁面部にクラックが生じることはない。また、凹部は突条部の頂面部における幅方向中央部に形成されるので、突条部の幅方向両側の側面が他の部材と係合する係合面であったとしても、凹部の形成が、突条部の幅方向両側面に対して悪影響を及ぼすことはない。
上記溝部は、突条部の頂面部における溝部形成予定領域において凹部形成領域(幅方向中央部)とこの凹部形成領域に対して突条部の幅方向両側の領域に形成されることになる。上記凹部形成領域では、プレス加工による溝部形成のための押し込み量は少なくて済む。特に凹部が溝部の深さと同じ深さを有していれば、上記押し込み量は0となる。この結果、凹部の所定深さを適切に設定することで、溝部の底壁面部における凹部形成領域に対応する部分では、突条部の延びる方向に沿った材料の繋がりを確保することができ、クラックが生じるのを防止することができる。一方、上記溝部形成予定領域において凹部形成領域に対して突条部の幅方向両側の領域では、プレス加工による溝部形成のための押し込み量は溝部の深さと同じになり、溝部の底壁面部において凹部形成領域の両側領域に対応する部分(特に、該部分に対して突条部の延びる方向に隣接する押し込まれない部分との境界部分)にクラックが生じる可能性があるが、たとえクラックが生じても、溝部の底壁面部における凹部形成領域に対応する部分ではクラックが生じていないため、溝部の壁面部全体としては強度が確保され、溝部の側壁面部に対して溝部の幅方向に押圧力が作用しても、溝部の壁面部が破断するのを防止することができる。尚、溝部の側壁面部は、凹部形成領域に対応する部分では、存在しないか又は高さが低くなるため、上記押圧力は、基本的に、溝部の側壁面部における凹部形成領域の両側領域に対応する部分に作用することになるが、上記のように溝部の壁面部全体として強度が確保されているので、溝部の壁面部が破断することはない。
本発明の一実施形態によれば、上記金属製ワークは、円筒状ワークであり、上記突条部は、上記円筒状ワークの内周面に形成される複数のスプライン歯であり、上記溝部は、上記複数のスプライン歯の頂面部に形成された、スナップリングが嵌められるスナップリング用溝部である。
このことにより、クラッチドラムのような、スプライン歯とスナップリング用溝部とを有する部材を容易に成形することができるとともに、スナップリング用溝部に嵌められたスナップリングに軸方向に押圧力が作用したときに、その押圧力を安定して受け止めることができるようになる。
以上説明したように、本発明の金属製ワークの加工方法によると、転造加工により、金属製ワークに突条部を形成すると同時に、突条部の頂面部における幅方向中央部であって少なくとも溝部の形成予定領域に凹部を形成し、その後、突条部の頂面部における溝部形成予定領域に、プレス加工により溝部を形成したことにより、溝部の側壁面部に対して溝部の幅方向に押圧力が作用しても、溝部の壁面部が破断するのを防止することができる。
本発明の実施形態に係る加工方法により製造された金属製のクラッチドラムを示す斜視図である。 クラッチドラムをその円筒部の開放端側から見た部分拡大図である。 転造加工によりワークにスプライン歯及び凹部を形成する工程を示す概略図である。 プレス加工によりワークにスナップリング用溝部を形成する工程を示す概略図である。 図4のV−V線断面図である。 図4のVI−VI線断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る加工方法により製造された金属製のクラッチドラム1を示す。このクラッチドラム1は、一端が開放された有底円筒状をなし、その底部には、クラッチドラム1を支持する軸部材を通す軸孔10が設けられている。クラッチドラム1の円筒部の内周面には、該円筒部の軸方向に延びかつ内側に突出した突条部としての複数のスプライン歯11が上記円筒部の周方向に等間隔をあけて並ぶように形成されている。相隣接する2つのスプライン歯11の間は、スプライン溝12とされている。
クラッチドラム1の円筒部の内周面における開放端の近傍には、スナップリングが嵌められるスナップリング用溝部14(以下、溝部14という)が形成されている。この溝部14は、上記円筒部の周方向に延びていて、該円筒部の内周面全周に亘って設けられるが、溝部14の深さがスプライン溝12にまでは及ばないので、実際にはスプライン歯11のみに設けられている。溝部14は、上記円筒部の軸方向に延びる各スプライン歯11を横切るように該円筒部の周方向に延びていることになる。尚、上記円筒部の外周面において溝部14の底壁面部における凹部17が形成されていない領域に対応する部分には、後述の如く溝部14を形成する際に生じる突出部15が形成されている。
上記スナップリングは、クラッチドラム1と該クラッチドラム1の内側に配設されかつ外周側にスプライン歯が形成されたクラッチハブとの間において上記円筒部の軸方向に交互に配設されたクラッチ板及び摩擦板の抜け止めとされ、クラッチ板及び摩擦板が互いの係合のために上記スナップリングの側に押圧されるときの押圧力を受け止める。クラッチ板及び摩擦板の一方は、クラッチドラム1のスプライン歯と上記円筒部の軸方向に移動可能に係合し、他方は、クラッチハブのスプライン歯と上記円筒部の軸方向に移動可能に係合しており、クラッチ板と摩擦板とが互いに係合したとき、クラッチドラム1とクラッチハブとが一体回転することになる。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、各スプライン歯11の歯先面部の歯厚方向(上記円筒部の周方向)の中央部、つまり突条部の頂面部における幅方向中央部に、上記円筒部の軸方向に延びる溝状の凹部17が形成されている。この凹部17は、本実施形態では、上記円筒部の開放端から溝部14を超えて底部側へ延びている。凹部17は、溝部14の形成前に、転造加工により、スプライン歯11と同時に、スプライン歯11の歯先面部における歯厚方向中央部(突条部の頂面部における幅方向中央部)であって溝部14の形成予定領域及び該形成予定領域に対して上記円筒部の軸方向両側部分に形成したものである。凹部17は、溝部14の深さ以下の所定深さ(本実施形態では、溝部14の深さと同じ深さ)を有する。
尚、複数のスプライン溝12のうちの一部のスプライン溝12(上記円筒部の軸方向において溝部14よりも底部側)には、図示を省略する油孔が形成されており、この油孔から自動変速機油(ATF)がクラッチドラム1の円筒部外に排出されるようになっている。
次に、上記クラッチドラム1の製造方法について説明する。
先ず、図3(a)に示すように、金属板に対して、不図示のプレス装置によって打ち抜き加工と絞り加工とを施して、転造加工を施す対象である金属製ワークWを作製する。このワークWは、クラッチドラム1の基本的な形状である有底円筒状をなしており、このワークWの底部には軸孔10が形成されている。ワークWにおける円筒部の軸方向の長さは、完成寸法よりも短く、該円筒部は余剰な板厚を有している。
続いて、図3(b)に示すように、ワークWの円筒部の内周面に、転造加工によりスプライン歯11及びスプライン溝12を形成する。この転造加工は、スプライン成形装置20により行う。このスプライン成形装置20は、スプライン歯11に対応する複数の歯部と該各歯部の歯先面にそれぞれ設けられかつ凹部17に対応する凸部とが形成された外周部21aを有するマンドレル21と、外周面に、歯形を有する突部が形成された転造ローラ22とを備える。
転造ローラ22は、回転ヘッド23に回転自在に支持されて転造ローラ22自身の回転軸を中心に自転するようにr1方向に回転可能であるとともに、回転ヘッド23が回転することによってマンドレル21に対して近接と離間とを繰り返しながら、回転ヘッド23の回転軸23aの周りを公転するようにr2方向に回転可能である。また、1つの回転ヘッド23に対して2つの転造ローラ22(1つの転造ローラ22であってもよい)が支持されており、この回転ヘッド23は、マンドレル21を径方向に挟んで対向するように一対(2つ)配置され、一対の回転ヘッド23は互いに反対方向に回転可能である。尚、回転ヘッド23が1つであってもよい。
上記スプライン成形装置20によりワークWにスプライン歯11を形成するには、先ず、ワークWの円筒部の内側にマンドレル21を挿入して、固定具24によりワークWをマンドレル21に固定する(図3(b)参照)。
続いて、転造ローラ22の公転周期とマンドレル21の軸方向d1及び周方向d2への送り量及び送り速度とを同期させながら、転造ローラ22の突部によりワークWの円筒部をマンドレル21の外周部21aに対して押圧することによって、転造ローラ22の突部とマンドレル21の外周部21aとの間でスプライン歯11及び凹部17を同時に形成する。凹部17は、溝部14の深さと同じ深さを有していて、スプライン歯11の歯先面部における歯厚方向中央部であって溝部14の形成予定領域及び該形成予定領域に対してワークWの円筒部の軸方向両側部分に形成される。
次いで、上記スプライン歯11の歯先面部における溝部14の形成予定領域に、プレス加工により溝部14を形成するとともに、一部のスプライン溝12に油孔を形成する。また、ワークWの開放端側の有効範囲以外の部分を切断する。すなわち、上記スプライン成形装置20による転造加工の際に、ワークWはその円筒部の軸方向及び周方向に伸びるように変形するため、その軸方向に伸びた部分を切除する。尚、ワークWの周方向に伸びた分は、予め試験等により伸び量を予測しておき、この予測された伸び量を見込んでマンドレル21の外周部21aの形状を決定している。こうしてクラッチドラム1が完成する。
上記溝部14の形成は、図4〜図6に示すように、ダイ30及びパンチ40によって行う。ダイ30は、不図示の回転テーブルに載せられたワークWの円筒部の径方向外側に位置していて、不図示の駆動機構により、ワークWに対して離接する方向(ワークWの円筒部の径方向)に移動可能である。ダイ30は、ワークWの円筒部の軸方向から見て、ワークWの円筒部の凹凸に対応した形状をなしていて、ワークWの円筒部の外周面に略密着することが可能である。ダイ30におけるワークWの円筒部の外周面に略密着する面には、溝部14の形成時に突出して生じる上記突出部15に対応して、凹陥部30a(図6参照)が形成されている。一方、パンチ40は、上記ワークWの円筒部の径方向内側に位置していて、不図示の駆動機構により、ワークWに対して離接する方向(ワークWの円筒部の径方向)に移動可能である。そして、ダイ30がワークWの円筒部の外周面に略密着した状態にあるとき、パンチ40がワークWの円筒部の内周面(スプライン歯11の歯先面部における溝部14の形成予定領域)を押圧することで、スプライン歯11の歯先面部における溝部14の形成予定領域に、溝部14を形成する。
本実施形態では、一度に2つのスプライン歯11の歯先面部に溝部14を形成する。2つのスプライン歯11に溝部14を形成した後、ダイ30及びパンチ40をワークWから離し、その後、上記回転テーブルを回転させて次の2つのスプライン歯11が、ダイ30及びパンチ40の間に位置するようにし、次いで、ダイ30及びパンチ40によって、上記と同様に、次の2つのスプライン歯11に同時に溝部14を形成する。この動作を繰り返して、全てのスプライン歯11に溝部14を形成し、こうして溝部14の形成が完了する。
上記溝部14の形成の際、上記溝部14の形成予定領域において凹部17が形成されていない領域(凹部17に対してスプライン歯11の歯厚方向両側の領域)では、プレス加工による溝部14形成のための押し込み量は溝部14の深さと同じになり、図6に示すように、溝部14の底壁面部がワークWの円筒部の径方向外側に突出して突出部15が形成される。このとき、溝部14の底壁面部において凹部17が形成されていない領域に対応する部分(突出部15)、特に、突出部15に対してワークWの円筒部の軸方向に隣接する押し込まれない部分との境界部分(図6の×印の部分)に、クラックが生じる可能性がある。仮に溝部14の形成前に凹部17が形成されていなかったとすると、溝部14の底壁面部の周方向全体が径方向外側に突出するため、溝部14の底壁面部の周方向全体に亘って、ワークWの円筒部の軸方向に沿った材料の繋がりを確保することが困難になる。
これに対し、本実施形態では、溝部14の形成前に凹部17が形成されており、上記溝部14の形成予定領域において凹部17の形成領域では、プレス加工による溝部14の形成のための押し込み量は0である(図5参照)。この結果、溝部14の底壁面部における凹部17の形成領域に対応する部分(該部分は、その両側の突出部15に引っ張られて僅かに径方向外側に突出するようになっている(図5ではその突出を省略しているが、図2及び図4には記載している))では、ワークWの円筒部の軸方向に沿った材料の繋がりを確保することができ、クラックが生じるのを防止することができる。これにより、溝部14の底壁面部において凹部17が形成されていない領域に対応する部分(突出部15)にクラックが生じたとしても、溝部14の壁面部全体としては強度が確保される。したがって、溝部14に嵌められたスナップリングを介して、溝部14の側壁面部に対して溝部14の幅方向(クラッチドラム1の円筒部の軸方向)に押圧力が作用しても、溝部14の壁面部が破断するのを防止することができる。
尚、凹部17は、転造加工によりスプライン歯11の形成と同時に形成されるので、凹部17の壁面部にクラックが生じることはない。また、凹部17は、スプライン歯11の歯先面部における歯厚方向中央部に形成されるので、凹部17の形成が、スプライン歯11における上記クラッチ板又は摩擦板との係合面(スプライン歯11の歯先面部に対して歯厚方向両側に位置する面)に対して悪影響を及ぼす(例えば係合面を変形させる)ことはない。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、凹部17の深さを溝部14の深さと同じにしたが、凹部17は、溝部14の深さ以下の所定深さであればよい。この所定深さは、プレス加工により溝14を形成したときに、溝部14の底壁面部における凹部17の形成領域に対応する部分でクラックが生じないような深さとすればよい。凹部17の深さが、溝部14の深さよりも浅い場合には、溝部14の側壁面部において、凹部17が形成されていない領域に対応する部分に加えて、凹部17の形成領域に対応する部分にも、スナップリングを介して、溝部14の幅方向に押圧力が作用することになり、その押圧力を分散させることができる。
また、上記実施形態では、凹部17を、スプライン歯11の歯先面部における歯厚方向中央部であって溝部14の形成予定領域及び該形成予定領域に対してワークWの円筒部の軸方向両側部分に形成したが、凹部17は、スプライン歯11の歯先面部における歯厚方向中央部であって少なくとも溝部14の形成予定領域に形成すればよい。但し、転造加工後に、マンドレル21をワークWの円筒部の内側から抜くために、凹部17を、溝部14の形成予定領域及び該形成予定領域に対してワークWの円筒部の軸方向の開放端側に形成することが好ましい。マンドレル21の外周部21aにおいて凹部17を形成するための凸部を進退可能に構成すれば、凹部17を、スプライン歯11の歯先面部における歯厚方向中央部でかつ溝部14の形成予定領域のみに形成することも可能である。
さらに、上記実施形態では、本発明を、クラッチドラム1の製造に適用したが、本発明は、円筒部の内周面に、スプライン歯とスナップリングが嵌められるスナップリング用溝部とが形成される部材に適用することができる。また、金属製ワークに転造加工により突条部を形成した後、該突条部の頂面部に、プレス加工により、該突条部を横切るように溝部を形成することによって製造されるものであれば、どのようなものにも本発明を適用することができる。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、金属製ワークに転造加工により突条部を形成した後、該突条部の頂面部に、プレス加工により、該突条部を横切るように溝部を形成する、金属製ワークの加工方法に有用である。
W 金属製ワーク
1 クラッチドラム
11 スプライン歯(突条部)
14 スナップリング用溝部
17 凹部

Claims (2)

  1. 金属製ワークに転造加工により突条部を形成した後、該突条部の頂面部に、プレス加工により、該突条部を横切るように溝部を形成する、金属製ワークの加工方法であって、
    転造加工により、上記金属製ワークに上記突条部を形成すると同時に、該突条部の頂面部における幅方向中央部であって少なくとも上記溝部の形成予定領域に、該溝部の深さ以下の所定深さを有する凹部を形成する凹部形成工程と、
    上記凹部形成工程の後、上記突条部の頂面部における上記溝部形成予定領域に、プレス加工により上記溝部を形成する溝部形成工程とを含むことを特徴とする金属製ワークの加工方法。
  2. 請求項1記載の金属製ワークの加工方法において、
    上記金属製ワークは、円筒状ワークであり、
    上記突条部は、上記円筒状ワークの内周面に形成される複数のスプライン歯であり、
    上記溝部は、上記複数のスプライン歯の頂面部に形成された、スナップリングが嵌められるスナップリング用溝部であることを特徴とする金属製ワークの加工方法。
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