JP2017039332A - 車両の車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】閉断面部に減衰部材を有する補強体が配置される構造を備えた車体構造において、前記減衰部材による振動減衰能力を効果的に発揮させる。
【解決手段】閉断面部Cを形成するルーフレール11とセンターピラー13との連結部Jにおいて、閉断面部Cにバルクヘッド3が配設されている。ルーフレール11の外側面には、ルーフガセット2が接合されている。ルーフレール11とバルクヘッド3との接合部は、両者が互いに当接した状態で結合された剛結合部3Aと、両者の間に減衰部材4が介在された状態で結合される柔結合部3Bとを含む。ルーフガセット2は、柔結合部3Bとルーフレールインナ112対し、その肉厚方向に重なり合うように接合される第1当接部21を有する。第1当接部21には、剛性を補強する高剛性部211が形成されている。
【選択図】図16

Description

本発明は、車両の車体構造に関し、特に閉断面部に減衰部材を有する補強体が配置される構造を備えた車体構造に関する。
自動車等の車両においては、乗員が感じる乗心地(減衰感)を良好なものとするため、車両各部で発生する振動の車室内への伝達を可及的に抑制する車両構造が求められる。この要請を満たすべく本出願人は、特許文献1において、閉断面を形成するフレーム内に配設されるバルクヘッド(補強体)の、前記フレームへの接合態様を工夫する技術を提案している。前記接合態様は、前記フレームと前記バルクヘッドとが互いに当接した状態で結合された剛結合部と、前記フレームと前記バルクヘッドとの間に減衰部材が介在された状態で結合された柔結合部とを具備させるというものである。
特開2013−49376号公報
上記の剛結合部及び柔結合部を具備するバルクヘッドを閉断面部に適用した場合にあっては、減衰部材による振動減衰能力を効果的に発揮させることが肝要となる。しかし、車体構造によっては、車両の振動に伴い発生する歪み応力が前記減衰部材に集中させることができず、十分な振動減衰効果を得ることができない場合がある。
本発明の目的は、閉断面部に減衰部材を有する補強体が配置される構造を備えた車体構造において、前記減衰部材による振動減衰能力を効果的に発揮させ得る車体構造を提供することにある。
本発明の一局面に係る車両の車体構造は、閉断面部を形成し、第1方向に延びる第1フレームと、前記閉断面部内に配設され、前記第1フレームと接合された補強体と、前記第1フレームの外側面に接合される他の車体部材と、を備え、前記第1フレームと前記補強体との接合部は、前記第1フレームと前記補強体とが互いに当接した状態で結合された剛結合部と、前記第1フレームと前記補強体との間に減衰部材が介在された状態で結合された柔結合部とを有し、前記他の車体部材は、少なくとも一部が前記柔結合部と前記第1フレームの肉厚方向に重なり合うように、前記第1フレームに接合され、前記柔結合部と重なり合う部分に、剛性を補強する高剛性部を有していることを特徴とする。
この車体構造によれば、他の車体部材における、柔結合部と重なり合う部分に、剛性を補強する高剛性部が備えられる。この高剛性部により、減衰部材が介在される前記柔結合部の付近の剛性を高めることができる。従って、前記減衰部材と、その近傍部分との剛性差を大きくすることができ、車両の振動に伴い発生する歪み応力を前記減衰部材に集中させ得る構造体とすることができる。これにより、振動発生時に専ら前記減衰部材を歪ませることができようになり、当該減衰部材による振動減衰効果を高めることができる。
上記の車体構造において、前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記第1フレームに連結される端部を有し、前記第1フレームと交差する連結部を形成する第2フレームをさらに備え、前記高剛性部は、直線状に延びる高剛性化のための加工部であり、該加工部は前記第2方向に延びていることが望ましい。
この車体構造によれば、第1方向及び第2方向を含む面(第1フレーム及び第2フレームを含む面)に対して直交する面外方向に前記第2フレームが揺動する際に発生する応力に対して、耐性の高い高剛性部とすることができる。従って、前記面外方向の揺動が発生した場合に、その歪み応力を前記減衰部材に集中させることができる。
上記の車体構造において、前記補強体の、前記柔結合部において前記減衰部材に接する接合領域は、前記第2方向において、前記第2フレームに向かうにつれて幅広傾向となる形状を有し、前記高剛性部は、少なくとも前記接合領域の幅広部分に重なり合う位置に配置されていることが望ましい。
第1フレームに対して第2フレームが交差するように取り付けられる連結部においては、両者の連結点を中心として前記第2フレームは揺動する。この特性に鑑み、上記の車体構造によれば、減衰部材の接合領域を、前記第2フレームの端部から第2方向において離間するにつれて幅広傾向となる形状とすることにより、前記第2フレームの揺動変形がより大きくなる領域により幅広の減衰部材を配置できるようになる。そして、このような幅広部分に重なり合う位置に前記高剛性部を配置することによって、前記減衰部材とその周辺との剛性差を際立たせ、前記柔結合部における振動減衰能力をより向上させることができる。
上記の車体構造において、前記第1フレームがルーフレールであり、前記他の車体部材がルーフガセットであって、前記ルーフレールは、ルーフレールアウタ部材とルーフレールインナ部材とを含み、前記ルーフガセットはルーフレールインナ部材に接合される接合部を備え、前記高剛性部は、前記接合部に形成されていることが望ましい。
ルーフガセットが組み込まれる部分は、車両において比較的大きな歪み応力が発生する部分である。このような部分に本発明を適用することにより、優れた振動減衰効果を得ることができる。
この場合、前記ルーフレールインナ部材と前記ルーフガセットとは、前記高剛性部が存在する部分における前記車両の前後方向に直交する断面において、略三角形の構造体を形成していることが望ましい。
この車体構造によれば、略三角形の構造体の形成によって一層剛性が高まり、前記ルーフガセットが受けた歪み応力が確実に接合部の高剛性部へ伝達されるようになる。従って、前記応力が前記高剛性部を通して効率良く前記減衰部材に集中し、優れた振動減衰効果を発揮させることができる。
本発明によれば、閉断面部に減衰部材を有する補強体が配置される構造を備えた車体構造において、前記減衰部材による振動減衰能力を効果的に発揮させることができる。従って、車両の乗心地(減衰感)を改善することができる。
本発明が適用される車両の車体の一部を示す斜視図である。 図1のII−II線の概略的な断面図である。 前記車両の車外側から、前記車体のルーフレールとセンターピラーとの連結部を見た側面図であって、サイドフレームアウタが取り除かれた状態を示す図である。 図3の状態から、センターピラーアウタレインが取り除かれた状態を示す側面図である。 図4の状態から、ルーフレールアウタレインが取り除かれた状態を示す側面図である。 前記ルーフレールの閉断面部内に配設されるバルクヘッドの斜視図である。 前記バルクヘッドの正面図である。 前記バルクヘッドの側面図である。 センターピラーの前後方向の揺動を説明するための側面図である。 図5の要部拡大図である。 図10のXI−XI線の概略的な断面図である。 前記車両の車内側から、ルーフガセットが取り付けられた状態の、前記ルーフレールと前記センターピラーとの連結部を見た側面図である。 前記ルーフガセットの取り付け部分の斜視図である。 前記ルーフガセットの取り付け部分の、角度を変えた斜視図である。 前記ルーフガセット単体の斜視図である。 図13のXVI−XVI線の概略的な断面図である。 図14のXVII−XVII線の概略的な断面図である。 センターピラーの車幅方向の揺動を説明するための側面図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
[車体の全体的な説明]
図1は、本発明が適用される車両の車体1の一部を示す斜視図である。図中には、車両の前方を示す「前」の矢印と、後方を示す「後」の矢印を付記している。以下の図に付している「前」「後」などの矢印は、図1に示す車両の前後に相当する。
車体1は、車両の左右側面を構成するサイドフレーム10を含む。図1では、一方の側面のサイドフレーム10だけを図示している。サイドフレーム10は、車両の側面部分の外装となるサイドフレームアウタ100と、このサイドフレームアウタ100の車内側に配置されたルーフレール11、フロントピラー12、センターピラー13、リアピラー14、及びサイドシル15とを備える。
サイドフレームアウタ100は、プレス成型にて、一枚の鋼鈑を所定形状に成型すると共に前後のドア開口を打ち抜くことによって形成された板材である。サイドフレームアウタ100の外表面は、車両の外装塗装面となる。ルーフレール11は車両の上部において、サイドシル15は車両の下部において、それぞれ車両の前後方向に延びている。ルーフレール11とサイドシル15との間は、前側においてはフロントピラー12で、後側においてはリアピラー14で、そして前後方向の中央付近においてはセンターピラー13で、各々上下方向に連結されている。
前後方向(第1方向)に延びるルーフレール11(第1フレーム)と、上下方向(第1方向と交差する第2方向)に延びるセンターピラー13(第2フレーム)とは、センターピラー13の上端部がルーフレール11の前後方向中間部分に連結される態様の、略T字状に交差する連結部Jを形成している。本実施形態では、この連結部Jに本発明に係る車体構造が適用される例を示す。
一方のサイドフレーム10のルーフレール11と他方のサイドフレームのルーフレール(図略)との間には、車幅方向に延びる複数のレインフォースメント(以下、本明細書では単に「レイン」と言う)及びヘッダが架設される。本実施形態では、センターピラー13の配設位置に、ルーフレイン16が架設され、その前後に3つのルーフレイン173、174、175が架設されている。さらに、車両の前側にはフロントヘッダ171が、後側にはリアヘッダ172が各々架設されている。これらルーフレイン及びヘッダの上を覆うように、図1では図略のルーフパネル102(図2)が、一対のサイドフレーム10間に取り付けられる。
[連結部Jの構造]
図2は、図1のII−II線の概略的な断面図である。ルーフレール11とセンターピラー13との連結部Jの車外側はサイドフレームアウタ100で覆われ、車内側にはルーフガセット2(他の車体部材)が取り付けられている。また、連結部Jにおけるルーフレール11の閉断面部C内には、バルクヘッド3(補強体)が配設されている。以下、各部材を説明する。
ルーフレール11は、前後方向に延びる閉断面を有する車体剛性部材であり、断面形状が略コ字型のルーフレールアウタレイン111と、断面形状が略L字型のルーフレールインナ112とからなる。車外側のルーフレールアウタレイン111は、接合を行うために、その上側端縁に上フランジ部113を、下側端縁に下フランジ部114を有している。車内側のルーフレールインナ112も、同様に上フランジ部115及び下フランジ部116を有している。上フランジ部113、115同士、並びに下フランジ部114、116同士が突き合わされ、スポット溶接等で固着される。このように固着されたルーフレールアウタレイン111及びルーフレールインナ112によって、閉断面部Cが形成されている。
センターピラー13は、上下方向に延びる閉断面を有する車体剛性部材であり、車外側のセンターピラーアウタレイン131と、車内側のセンターピラーインナ132とからなる。センターピラーアウタレイン131の上端付近は、車外側に折り曲げられた形状とされており、該折り曲げ形状部分にアウタフランジ部133が形成されている。センターピラーインナ132は、概ね平坦な板材であり、その上端付近にはインナフランジ部134が形成されている。
図3は、車両の車外側から連結部Jを見た側面図であって、サイドフレームアウタ100が取り除かれた状態を示す図である。センターピラーアウタレイン131のアウタフランジ部133は、ルーフレールアウタレイン111の外表面の形状に概ね合致した折り曲げ形状を有している。アウタフランジ部133は、ルーフレールアウタレイン111の外表面に当接され、スポット溶接にて固着されている。
図4は、図3の状態から、センターピラーアウタレイン131が取り除かれた状態を示す側面図である。センターピラーインナ132のインナフランジ部134は、その一部がルーフレールアウタレイン111の下フランジ部114とルーフレールインナ112の下フランジ部116との間に挟まれている。下フランジ部114と下フランジ部116とは、インナフランジ部134が介在された状態で固着されている。
アウタフランジ部133及びインナフランジ部134の上記の通りの固着によって、センターピラー13はルーフレール11に連結されている。この連結部Jは、サイドフレームアウタ100の上端部分101によって覆われている。上端部分101は、車両の側面から上面に向かう、膨らみを持った部分である。上端部分101の端縁101Eは、ルーフパネル102の端縁102Eと上下方向に重なるように積層されている。この端縁101E、102Eの積層体は、上フランジ部113、115の積層体の上に配置され、これらと固着されている。
図5は、図4の状態から、ルーフレールアウタレイン111が取り除かれた状態を示す側面図である。連結部Jの近傍におけるルーフレール11の閉断面部C内には、当該ルーフレール11の剛性を補強する補強体として、2つのバルクヘッド3、300が配設されている。これらバルクヘッド3、300は、ルーフレール11に対する複数の接合部を有している。
図2では、一方のバルクヘッド3が示されている。図2に示すように、前記複数の接合部は、ルーフレール11とバルクヘッド3とが互いに当接した状態で結合された剛結合部3Aと、ルーフレール11とバルクヘッド3との間に減衰部材4が介在された状態で結合された柔結合部3Bとを含む。他方のバルクヘッド300も、同様に剛結合部と柔結合部とを有している。図3〜図5に示す符号W11、W12、W13、W14及びW2で示すマークは、バルクヘッド3、300の剛結合部3Aに相当するスポット溶接部を示している。このバルクヘッド3については、図6〜図11に基づいて後記で詳述する。
ルーフガセット2は、ルーフレイン16のルーフレール11への連結部分を補強する車体部材である。ルーフガセット2は、ルーフレール11(ルーフレールインナ112)の外側面と、ルーフレイン16とに接合されている。ルーフガセット2は、本体部20と、本体部20の下端側に連設された折り曲げ部からなる第1当接部21と、上端側に連設された折り曲げ部からなる第2当接部22とを含む。第1当接部21はルーフレールインナ112に接合され、第2当接部22はルーフレイン16に接合されている。このルーフガセット2については、図12〜図18に基づいて後記で詳述する。
[バルクヘッドの詳細説明]
続いて、バルクヘッド3について詳述する。図6は、本実施形態のバルクヘッド3の斜視図、図7はその正面図、図8は、その側面図である。バルクヘッド3は、節部材とも呼ばれ、鋼材等の優れた剛性を有する板材に、打ち抜き及び折り曲げ加工等を施して形成された部材である。
バルクヘッド3は、ベース板部30と、ベース板部30の一方の側縁から曲げ起こされた第1側板部31と、他方の側縁から曲げ起こされた第2側板部32とを備える、前後方向の断面形状が略コ字状の部分を含む部材である。第1側板部31の折曲げによって、ベース板部30と第1側板部31との境界には、第1稜線部34が形成されている。また、第2側板部31の折曲げによって、ベース板部30と第2側板部32との境界には、第2稜線部35が形成されている。第1側板部31のベース板部30に対する曲げ起こし角は略90°であり、第2側板部32のベース板部30に対する曲げ起こし角は45°程度である。
換言すると、第1側板部31及び第2側板部32は、閉断面部C(図2)を仕切る一対の仕切面部として機能する部分であり、ベース板部30は第1側板部31及び第2側板部32を連結する連結部として機能する部分である。仕切面部としての第1側板部31及び第2側板部32は、閉断面部Cが延びる方向に対して概ね直交する方向に延びる面を、当該閉断面部C内において形成する。従って、バルクヘッド3の組込によって、ルーフレール11の閉断面部Cを圧潰させる変形力、すなわちルーフレールアウタレイン111とルーフレールインナ112とが接近するように潰れる変形力に対する耐性を高めることができる。
本実施形態では、第1側板部31及び第2側板部32の周縁部が剛結合部3Aを形成する部分、ベース板部30が柔結合部3Bを形成する部分である。第1側板部31の周縁部には、第1フランジ部311、第2フランジ部312及び第3フランジ部313が突設されている。これらフランジ部311、312、313は舌片状の形状を有し、第1側板部31に対してほぼ直角に、第2側板部32に向かう方向とは反対方向に、各々折り曲げられることによって形成されている。同様に、第2側板部32の周縁部には、舌片状の第4フランジ部321、第5フランジ部322及び第6フランジ部323が突設されている。これらフランジ部321、322、323は、第1側板部31に向かう方向とは反対方向に、各々折り曲げられることによって形成されている。
上記のフランジ部311、312、313及びフランジ部321、322、323は、ルーフレールアウタレイン111の内側面に当接する部分であり、それぞれスポット溶接によって前記内周面に固着されている。図3〜図5において、スポット溶接部W11は、フランジ部322がルーフレールアウタレイン111へ固着されている箇所である。同様に、スポット溶接部W12はフランジ部312、スポット溶接部W13はフランジ部311、スポット溶接部W14はフランジ部321の固着箇所である。
ベース板部30は、ルーフレールインナ112の内側面と対向する部分である。本実施形態のベース板部30は、側板部31、32が曲げ起こされている方向にやや凸に湾曲しており、正面視(図7)で略台形の形状を有している。ベース板部30は、ルーフレールインナ112に対向する第1面30Xと、その反対側の第2面30Yとを有する。第1面30Xは、柔結合部3Bにおいて減衰部材4に接する接合領域となる。つまり、第1面30Xは、ルーフレールインナ112の内側面に対して所定距離の隙間を置いて対向し、前記隙間に減衰部材4が介在される。換言すると、ベース板部30とルーフレールインナ112とは、減衰部材4を挟んで接合されている。前記接合領域は、センターピラー13が延びる上下方向において、このセンターピラー13に向かうにつれて幅広傾向となる略台形の形状である(図5参照)。この台形形状の意義については後述する。
本実施形態では、上記の通り剛結合部3Aとして、6つのフランジ部311〜323をルーフレールアウタレイン111にスポット溶接する態様を例示している。フランジ部の個数、すなわちスポット溶接箇所の数は一例であり、ルーフレール11の形状等に応じて適宜設定することができる。また、剛結合部用のフランジ部を形成することなく、第1、第2側板部31、32の周縁部をルーフレールアウタレイン111に溶接しても良い。
剛結合部3Aは、スポット溶接に以外でも形成可能であり、例えばボルト、ナット等を用いた機械的な結合部であってもよい。この場合、フランジ部311〜323及びルーフレールアウタレイン111には、ボルト挿通用の孔が穿孔される。あるいは、剛結合部3Aは、接着剤による接着部であってもよい。この場合、前記接着剤としては、一般的に車体の接着用に使用されている接着剤を用いることができる。例えば、温度が20℃、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が2000MPa以上で、かつ、損失係数が0.05以下である接着剤を好適に用いることができる。
柔結合部3Bを構成する減衰部材4は、振動を減衰させる能力を有する部材である。減衰部材4は、所定の粘弾性を有する部材であれば特に限定はなく、例えば、シリコーン系材料またはアクリル系材料からなる粘弾性部材を使用することができる。粘弾性部材の物性としては、温度が20℃、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が500MPa以下で、かつ、損失係数が0.2以上のものが、振動の伝達を効果的に抑制できる点で好ましい。このような粘弾性部材からなる減衰部材4は、振動エネルギーをひずみエネルギーとして吸収し、これを熱エネルギーに変換して散逸することにより、振動を減衰する。
ベース板部30の第1面30X(接合領域)へ減衰部材4を配設する方法は、特に限定はない。例えば、ペースト状の粘弾性部材をベース板部30に所定厚さだけ塗布することにより、減衰部材4となる層を形成することができる。あるいは、減衰部材4となるバルク片を準備し、これをベース板部30に貼り付けるようにしても良い。
ベース板部30と第1側板部31との境界の第1稜線部34には、2つの凹部341、342が設けられている。これら凹部341、342は、バルクヘッド3の剛性を補強するために設けられている。凹部341、342は、第1稜線部34の一部が第2面30Yから突出する方向に絞り加工された、半球状の凹部である。このような凹部341、342の形成によって、バルクヘッド3の剛性をより高めることができ、バルクヘッドの本来の役目である閉断面部Cの補強能力を向上することができる。
さらに、凹部341、342により高剛性化を図ることによって、バルクヘッド3と減衰部材4との剛性差がより大きくなり、車体1に振動が発生したときに、減衰部材4に対する応力集中度合いが一層高められる。バルクヘッド3の剛性が低い場合、例えば第1稜線部34で第1側板部31が比較的容易に曲げ変形してしまうような場合、バルクヘッド3に振動が加わった時に減衰部材4へ全ての振動応力が伝達されず、一部の振動応力が前記曲げ変形に消費されてしまう。このため、減衰部材4による振動減衰効果が低下する。これに対し、バルクヘッド3を高剛性化すれば、振動応力をロスなく減衰部材4へ伝達することが可能となり、減衰部材4による振動減衰効果をより高めることができる。
第1側板部31には、前後方向に貫通する円形の孔36が設けられている。孔36は、バルクヘッド3の配置位置を通して、前後方向に流体を良好に流通させるための孔である。第1側板部31は、閉断面部Cを仕切る仕切面部として機能する。つまり、前後方向に延びるルーフレール11の閉断面部Cを、第1側板部31は塞いでいる。車体1の製造工程の一つに、車体1の組み立て後に該車体1に防錆剤を電着塗装する工程があり、該工程においては車体1が電着液に浸漬される。ここで、第1側板部31が閉断面部Cを塞いでいると、電着液がルーフレール11の内面に良好に行き渡らない場合がある。孔36の形成により、前記電着液は孔36を通して流通できるようになり、良好な電着塗装が行うことができる。
電着塗装工程の後、防錆剤層を乾燥させるために、車体1が加熱炉内に導入され、車体1が所定の温度で一定期間だけ加熱する乾燥工程が実行される。この乾燥工程の熱を、減衰部材4の固着に用いることが望ましい。すなわち、電着塗装工程の前に、上述の通りペースト状の粘弾性部材をベース板部30に塗布することによって、減衰部材4となる塗布層を予め担持させたバルクヘッド3を、ルーフレールアウタレイン111に剛結合(スポット溶接)しておく。そして、前記乾燥工程において車体1に与えられる熱を利用して、前記塗布層をルーフレールインナ112に固着させることが望ましい。
もう一方のバルクヘッド300も、上述のバルクヘッド3と類似した構造を有する。図5を参照して、バルクヘッド300は、ベース板部30Aと、ベース板部30の前後側縁から各々曲げ起こされた一対の側板部31A、32Aとを備える、前後方向の断面形状が略コ字状の部材である。側板部31A、32Aの周縁部には、複数のフランジ部311A、321Aが突設されている。フランジ部311A、321Aは、剛結合部を形成する部分であり、ルーフレールアウタレイン111とスポット溶接により固着される。図3〜図5に示す符号W2は、そのスポット溶接部である。ベース板部30Aは、柔結合部を形成する部分であり、ルーフレールインナ112と所定距離の隙間を置いて対向する。そして、前記隙間には減衰部材4が介在される。
[減衰部材の接合領域についての説明]
上述の通り、ベース板部30の第1面30Xは減衰部材4の接合領域であり、その形状は、センターピラー13に向かうにつれて幅広傾向となる略台形の形状である。その意義について説明する。図9は、センターピラー13の揺動を説明するための側面図である。前後方向に延びるルーフレール11に対して、上下方向に延びるセンターピラー13は、その上端部が連結されている。この連結部Jの形状は、側面視で略T字状である。
このような連結部Jにおいては、両者の連結点を中心としてセンターピラー13は揺動する。図9には、この揺動を模式的に表している。点Pは、ルーフレール11に対するセンターピラー13の接続中心を仮想的に示す点である。車体1に振動が発生すると、矢印aで示す通り、センターピラー13は点Pを中心として前後方向に揺動することがある。図9から明らかな通り、点Pに近い方の揺動幅は比較的小さく、遠い方の揺動幅は比較的大きい。図中の三角形Tは、この揺動幅と相関をもつ三角形である。三角形Tは、下方に向かうにつれて徐々に前後方向の幅が増加する形状である。
図10は、図5の要部拡大図、図11は、図10のXI−XI線の概略的な断面図である。図10において、バルクヘッド3のベース板部30の概略的な輪郭を、点線の輪郭線TAで表している。輪郭線TAが表す形状は、略台形である。ベース板部30の上部301は前後方向の幅が最も狭く、下部302は前後方向の幅が最も広い。下部302の前後方向の幅は、上部301の約2倍である。上部301から下部302にかけて、ベース板部30の前後方向の幅は徐々に広がっている。
ベース板部30の前側辺となる第1稜線部34は、概ね上下方向に沿うように延びている。一方、ベース板部30の後側辺となる第2稜線部35は、斜め下方向に延びている。バルクヘッド3の配置位置は、センターピラー13の前端付近である。第1稜線部34は、センターピラー13の上端部の前側辺と概ね面一である。これに対し、第2稜線部35は、センターピラー13の上端部の、前後幅方向における中心付近を指向している。
このようなベース板部30の形状は、図9に示した三角形Tの形状に概ね沿うものである。すなわち、ベース板部30は、センターピラー13がルーフレール11から延び出す方向(下方)に向けて、徐々に幅広となる形状を有している。これにより、センターピラー13の揺動変形がより大きくなる領域に、より広幅に減衰部材4を配置できるようになる。従って、柔結合部3Bにおいて、センターピラー13の前後方向の揺動に起因する振動の減衰能力を向上させることができる。
つまり、図11に示す通り、ベース板部30(第1面30X)は、減衰部材4を担持する面であり、その幅員に応じて減衰部材4の前後方向幅が決まる。従って、ベース板部30の前後方向の幅員が広くなる程、減衰部材4の前後方向幅も広くなる。前後幅が広幅の減衰部材4であれば、前後方向の振動に対する減衰能力も大きくなる。よって、本実施形態のベース板部30(減衰部材4)は、センターピラー13の変形挙動に合致した形状を有していることになる。従って、センターピラー13の振動を効果的に減衰させることができ、車両の乗心地(減衰感)を改善することができる。
本実施形態において、センターピラー13の延伸方向(第2方向)は、上下方向の垂線に対してやや傾いている。ベース板部30の前後幅の中心を通る中心線L(図10)は、前記延伸方向と一致していることが望ましいが、必ずしも一致させる必要はない。現に本実施形態のベース板部30の中心線Lは、前記延伸方向とは一致していない。このように、前記延伸方向と中心線Lとは、概ね配向方向が一致していれば良い。
[ルーフガセットの詳細説明]
続いて、ルーフガセット2について詳述する。図12は、車両の車内側から連結部Jを見た側面図、図13はその斜視図、図14は、図13とは視線方向を変えた斜視図であり、各々ルーフガセット2の連結部Jへの取り付け状態を示す図である。図15は、ルーフガセット2の単体の斜視図である。また、図16は、図2の要部拡大図、図17は、図14のXVII−XVII線の概略的な断面図である。
ルーフガセット2は、本体部20、第1当接部21(接合部)、第2当接部22及び一対の側板23を備える。既述の通り、ルーフガセット2は、ルーフレール11及びルーフレイン16の外側面(車室内側の面)に接合され、ルーフレイン16のルーフレール11への連結部分を補強する車体部材である。
ルーフガセット2は、鋼鈑などの剛性に優れた材料から形成されている。本体部20は、概ね平板状の部分であり、その中央部に略矩形の開口201を有している。開口201は、ルーフガセット2が取り付けられた後に、深部のスポット溶接作業を可能とする開口である。ルーフガセット2が車体1へ組み付けられた状態において、本体部20は、水平面に対して45°程度傾いた部分であり、第1当接部21は、本体部20の下端側から下方に延び出した部分であり、第2当接部22は、本体部20の上端側から車幅方向内側に延び出した部分である。
第1当接部21は、スポット溶接が可能な幅を備えたフランジ部分であり、ルーフレールインナ112の車内側の表面に接合されている。図6中の符号W3で示すマークは、第1当接部21のルーフレールインナ112に対するスポット溶接部を示している。図16に示されている通り、第1当接部21は、減衰部材4が配置された柔結合部3Bとルーフレールインナ112(第1フレーム)の肉厚方向に重なり合うように、ルーフレールインナ112に接合されている。
第2当接部22は、所定幅を備えたフランジ部分であって、ルーフレイン16の車内側の表面に当接されている。第2当接部22には、ネジ孔221が穿孔されている。ルーフレイン16にもネジ孔が備えられている。これらのネジ孔に固定ネジが螺合されることによって、第2当接部22はルーフレイン16に固定される。
一対の側板23は、本体部20の前後方向の側部から各々上方に折り曲げられて形成された部分である。一対の側板23と本体部20との境界には、折り曲げの湾曲面である稜線部202が形成されている。
以上の通り構成されたルーフガセット2において、車体1の振動に伴い発生する歪み応力を減衰部材4に集中させるための工夫が施されている。この工夫について説明する。上述の第1当接部21は、図15に示す通り、前方部分21Fと後方部分21Bとを含む。本実施形態では、上記柔結合部3Bと肉厚方向に重なり合う部分(他の車体部材の少なくとも一部)は、第1当接部21の前方部分21Fである。この前方部分21Fには、剛性を補強する高剛性部211が形成されている。なお、前方部分21Fと後方部分21Bとの間には、車内側に突出した凸部212(図17も参照)が設けられている。
高剛性部211は、図17に示すように、第1当接部21を僅かに車外側の方向へ変形させる加工を施すことによって形成された、直線的な段差部である。つまり、高剛性部211は、直線状に延びる高剛性化のための加工部である。この段差部が延びる方向は、センターピラー13が延びる上下方向(第2方向)と一致している。これにより、第1当接部21の剛性、特に上下方向の剛性を高めることができる。
このような高剛性部211の背面には、図16及び図17に示す通り、減衰部材4が存在している。すなわち、図16は、高剛性部211が存在する部分において、この高剛性部211が延びる方向に沿った断面図であり、バルクヘッド3のベース板部30及び減衰部材4が、高剛性部211と重なり合っていることが判る。また、図17によれば、ベース板部30の幅広部分である下部302と重なり合う位置に、高剛性部211が配置されていることが判る。
上述の通り、ルーフガセット2における、柔結合部3Bと重なり合う第1当接部21に、剛性を補強する高剛性部211が備えられることにより、減衰部材4が介在される柔結合部3Bの付近の剛性を高めることができる。従って、減衰部材4と、その近傍部分との剛性差を大きくすることができ、車体1の振動に伴い発生する歪み応力を減衰部材4に集中させ得る構造体とすることができる。これにより、振動発生時に減衰部材4だけを専ら歪ませることができようになり、減衰部材4による振動減衰効果を高めることができる。
また、高剛性部211の段差部は上下方向に直線状に延びているので、センターピラー13が車幅方向への揺動に対して剛性の高いルーフガセット2とすることができる。図18は、センターピラー13の車幅方向への揺動を説明するための断面図である。図9では、センターピラー13は、ルーフレール11に対するセンターピラー13の接続中心を仮想的に示す点Pを中心として前後方向に揺動することを示した。センターピラー13は、車体1に振動が発生すると、図18において矢印bで示す通り、点Pを中心として車幅方向、つまりルーフレール11及びセンターピラー13を含む面に対して直交する面外方向にも揺動することがある。高剛性部211は、この面外方向にセンターピラー13が揺動する際に発生する応力に対して、耐性が高いものとなる。従って、前記面外方向の揺動が発生した場合に、その歪み応力を減衰部材4に集中させることができる。
さらに、高剛性部211は、バルクヘッド3のベース板部30における、減衰部材4の接合領域のうち幅広部分である下部302に重なり合う位置に配置されている。図9に基づき上述した通り、幅広な下部302をベース板部30に具備させることで、センターピラー13の揺動変形がより大きくなる領域に、前後方向により幅広の減衰部材4を配置できる。そして、このように減衰部材4が幅広となる部分に重なり合う位置に高剛性部211を配置することによって、減衰部材4とその周辺との剛性差を際立たせ、柔結合部3Bにおける振動減衰能力をより向上させることができる。
加えて、図16において点線の仮想三角形TXで示している通り、ルーフレールインナ112とルーフガセット2とは、高剛性部211が存在する部分における車体1の前後方向に直交する車幅方向の断面において、略三角形の構造体を形成している。つまり、ルーフレール11とルーフレイン16とが概ね直交して連結される角部において、ルーフガセット2の本体部20は、前記角部を跨ぐように、ルーフレールインナ112とルーフレイン16とを斜め方向に橋絡している。
このように、仮想三角形TXを備えるよう構造体の形成によって連結部Jの剛性が一層高まる。これにより、ルーフガセット2がルーフレイン16側から受ける歪み応力が、本体部20を通して確実に第1当接部21の高剛性部211へ伝達されるようになる。従って、前記応力が高剛性部211を通して効率良く減衰部材4に集中し、優れた振動減衰効果を発揮させることができる。
[変形実施形態の説明]
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、第1フレームがルーフレール11、他の車体部材がルーフガセット2である例を示した。これは本発明の一つの適用例に過ぎず、車体1が備える閉断面部を有する各種のフレームと、このフレームの外側面に接合される他の車体部材との組合せ箇所に、本発明を広く適用することができる。但し、ルーフガセット2が組み込まれる部分は、車体1において比較的大きな歪み応力が発生する部分である。このような部分に本発明を適用することにより、優れた振動減衰効果を得ることができる。
(2)上記実施形態では、第2フレームがセンターピラー13であり、ルーフレール11と略T字状の連結部Jを構成している例を示した。第2フレームはセンターピラー13に限られるものではない。また、連結部Jは、第1フレームに対して第2フレームが略Y字状に交差する連結部、或いは第1フレームと第2フレームとが略X字状に交差する連結部であっても良い。
(3)上記実施形態では、ルーフガセット2の高剛性部211として、直線的な段差部を例示した。これは一例であり、高剛性部211としては、各種の高剛性化のための加工を適用することができる。例えば、ビード加工などの絞り加工、リブ付け加工等によって形成された高剛性部211であっても良い。
(4)上記実施形態では、バルクヘッド3として、下方に向けて徐々に幅広となる台形形状を有するベース板部30を具備するものを例示した。これは一例であり、ベース板部30は、センターピラー13に向かうにつれて幅広傾向となる形状を有するものであれば、各種の形状を採用することができる。例えば、下方に延びるにつれて、前後方向の幅が階段状に増加しているベース板部、上端が半円状で、下方に向かうにつれて前後方向幅が増加するベース板部などを例示することができる。なお、下方に延びるにつれて、ベース板部30の前後方向幅がリニアに増加していなくとも良く、部分的に前後方向幅が減少する箇所を含んでいても良い。
1 車体
11 ルーフレール(第1フレーム)
13 センターピラー(第2フレーム)
2 ルーフガセット(他の車体部材)
21 第1当接部(接合部)
211 高剛性部
22 第2当接部
3 バルクヘッド(補強体)
3A 剛結合部
3B 柔結合部
30 ベース板部(接合領域)
302 下部(幅広部分)
C 閉断面部
J 連結部

Claims (5)

  1. 閉断面部を形成し、第1方向に延びる第1フレームと、
    前記閉断面部内に配設され、前記第1フレームと接合された補強体と、
    前記第1フレームの外側面に接合される他の車体部材と、を備え、
    前記第1フレームと前記補強体との接合部は、前記第1フレームと前記補強体とが互いに当接した状態で結合された剛結合部と、前記第1フレームと前記補強体との間に減衰部材が介在された状態で結合された柔結合部とを有し、
    前記他の車体部材は、
    少なくとも一部が前記柔結合部と前記第1フレームの肉厚方向に重なり合うように、前記第1フレームに接合され、
    前記柔結合部と重なり合う部分に、剛性を補強する高剛性部を有している、
    ことを特徴とする車両の車体構造。
  2. 請求項1に記載の車両の車体構造において、
    前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記第1フレームに連結される端部を有し、前記第1フレームと交差する連結部を形成する第2フレームをさらに備え、
    前記高剛性部は、直線状に延びる高剛性化のための加工部であり、該加工部は前記第2方向に延びている、車両の車体構造。
  3. 請求項2に記載の車両の車体構造において、
    前記補強体の、前記柔結合部において前記減衰部材に接する接合領域は、前記第2方向において、前記第2フレームに向かうにつれて幅広傾向となる形状を有し、
    前記高剛性部は、少なくとも前記接合領域の幅広部分に重なり合う位置に配置されている、車両の車体構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の車体構造において、
    前記第1フレームがルーフレールであり、前記他の車体部材がルーフガセットであって、
    前記ルーフレールは、ルーフレールアウタ部材とルーフレールインナ部材とを含み、前記ルーフガセットはルーフレールインナ部材に接合される接合部を備え、
    前記高剛性部は、前記接合部に形成されている、車両の車体構造。
  5. 請求項4に記載の車両の車体構造において、
    前記ルーフレールインナ部材と前記ルーフガセットとは、前記高剛性部が存在する部分における前記車両の前後方向に直交する断面において、略三角形の構造体を形成している、車両の車体構造。
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