JP2002187572A - 車体側部の構造 - Google Patents

車体側部の構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内側からの過大な衝撃の一部を吸収するこ
とができる車体側部の構造を提供すること。 【解決手段】 ルーフ部10の両側に設けられるルーフ
サイド部8と、サイドボディ部2に設けられるピラー部
5と、このピラー部5の室内側に配設されるピラートリ
ム13を設けた車体側部の構造において、上記ピラー部
5の室内側に配設されるピラーインナパネル7の上端部
に設けられたピラートリム取付座面部17に上記ピラー
トリム13の上端部を固定するとともに、上記ピラーイ
ンナパネル7の上端部のピラートリム取付座面部17近
傍の上記ルーフサイド部8との重合部Xに車幅方向の間
隙部18を設けた構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃吸収性能の向
上を図りうる車体側部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、4ドア車、または5ドア車の車
体側部の構造を示したもので、図7は、図6のピラー部
の断面を示したものである。この種の車体100の側部
は、ルーフパネル101の両側にサイドボディアウタパ
ネル102が接合されている。サイドボディアウタパネ
ル102の上端部室内側には、ルーフサイド部を構成す
るルーフサイドパネル103が車体の前後方向に沿って
配設されている。サイドボディアウタパネル102のピ
ラー部104には、室内側にピラーインナパネル105
が設けられている。
【0003】このピラーインナパネル105の両側フラ
ンジ部105aは、ピラー部104の両側フランジ部1
04aに接合されており、ピラーインナパネル105の
上端フランジ部105bは、ルーフサイドパネル103
の下端フランジ部103bに一定幅mで接合されて固定
されている。
【0004】上記ピラーインナパネル105の上端部と
下端部には、ピラートリム106を固定する取付穴10
7a,108aを形成したピラートリム取付座面10
7,108が設けられている。ピラートリム106は、
サイドボディアウタパネル102のピラー部104の室
内側に配設されるもので、クリップ取付部106a,1
06bにそれぞれ取り付けられたクリップ109を介し
てピラーインナパネル105に取り付けられている。ピ
ラートリム106の上端部は、成形天井110の両端部
に圧接されて組み付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
車体側部の構造によると、ピラーインナパネル105の
上端フランジ部105bは、ルーフサイドパネル103
の下端フランジ部103bに一定幅mで車体前後方向に
一定長さn接合されて固定されているので、完全な剛結
合となり、室内側からの過大な衝撃でも受け止められる
ような作りにしていた。
【0006】本発明は、上記課題を解決し、室内側から
の過大な衝撃の一部を吸収することができる車体側部の
構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、ルーフ部の両側に設けられるルーフサイド部
と、サイドボディ部に設けられるピラー部と、このピラ
ー部の室内側に配設されるピラートリムを設けた車体側
部の構造において、上記ピラー部の室内側に配設される
ピラーインナパネルの上端部に設けられたピラートリム
取付座面部に上記ピラートリムの上端部を固定するとと
もに、上記ピラーインナパネルの上端部のピラートリム
取付座面部近傍の上記ルーフサイド部との重合部に車幅
方向の間隙部を設けたことにある。また、本発明は、ル
ーフ部の両側に設けられるルーフサイド部と、サイドボ
ディ部に設けられるピラー部と、このピラー部の室内側
に配設されるピラートリムを設けた車体側部の構造にお
いて、上記ピラー部の室内側に配設されるピラーインナ
パネルの上端部に設けられたピラートリム取付座面部に
上記ピラートリムの上端部を固定するとともに、上記ピ
ラーインナパネルの上端部のピラートリム取付座面部近
傍の上記ルーフサイド部との重合部のいずれか一方に切
り欠き部を形成したことにある。さらに、本発明は、ル
ーフ部の両側に設けられるルーフサイド部と、サイドボ
ディ部に設けられるピラー部と、このピラー部の室内側
に配設されるピラートリムを設けた車体側部の構造にお
いて、上記ピラー部の室内側に配設されるピラーインナ
パネルの上端部に設けられたピラートリム取付座面部に
上記ピラートリムの上端部を固定するとともに、上記ピ
ラーインナパネルの上端部のピラートリム取付座面部周
囲にスリットを形成したことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を4ドア
または5ドア車のセンタピラー部に適用した図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0009】図1はセンタピラー部を室内側から見た斜
視図で、図2は図1のA−A線で断面にした断面図であ
る。図1および図2において、自動車の車体1の側部に
は、サイドボディ2が設けられており、このサイドボデ
ィ2には、フロントドアを組み付けるフロントドア開口
部3と、リヤドアを組み付けるリヤドア開口部4が設け
られている。このサイドボディ2のフロントドア開口部
3とリヤドア開口部4相互間(3ドア車の場合には、ド
ア開口部とクォータウインド相互間)には、センターピ
ラー部5が設けられている。
【0010】センターピラー部5は、図2に示すよう
に、サイドボディ2の外面を構成するサイドボディアウ
タパネル6と、ピラーインナパネル7とで構成されてい
る。ピラーインナパネル7の上方には、サイドボディア
ウタパネル6の上端部と共にルーフサイド部8を構成す
るルーフサイドパネル9が設けられている。ルーフサイ
ド部8は、ルーフ部10を構成するルーフパネル11の
両側に形成されており、このルーフサイド部8のルーフ
サイドパネル9は、上端フランジ部9aをサイドボディ
アウタパネル6の上端フランジ部6aと共にルーフパネ
ル11の両側フランジ部11aに接合wされている。
【0011】ルーフパネル11とルーフサイドパネル9
の室内側には、成形天井12が設けられており、上記ピ
ラーインナパネル7の室内側には、上記成形天井12の
両側に連続するようにピラートリム13が設けられてい
る。このピラートリム13の上下端部には、クリップ取
付部14が車体外側に向けて設けられており、このクリ
ップ取付部14にクリップ15が取り付けられている。
図示例では、上部側のクリップ取付部14のみを示して
いる。クリップ取付部14は、ピラートリム13の側面
からクリップ支持面14aを支持する一対の脚部14b
を立設したもので、ピラートリム13とともに一体成形
によって形成されている。クリップ15はクリップ支持
面14aに形成された溝または取付穴から成る取付部1
6に組み付けて取り付けられている。
【0012】一方、上記ピラーインナパネル7の上下端
部には、上記ピラートリム13のクリップ取付部14に
対応する位置に、ピラートリム取付座面17が形成され
ている。図示例では、上部側のピラートリム取付座面1
7を示している。
【0013】このピラートリム取付座面17の近傍に当
たる上記ピラーインナパネル7の上端フランジ部7bに
は、ルーフサイドパネル9の下端フランジ部9bとの重
合部Xと車幅方向に離間する間隙部18が形成されてい
る。この間隙部18は、上記ピラーインナパネル7の上
端フランジ部7bの車体前後方向の中間部19を室内側
に台形状に折り曲げることにより形成されている。上記
ピラーインナパネル7の上端フランジ部7bは、この中
間部19の折り曲げ部20の両側のフランジ部7bのみ
をスポット溶接wによりルーフサイドパネル9の下端フ
ランジ部9bに接合している。上記ピラーインナパネル
7は、両側フランジ部7aを介してサイドボディアウタ
パネル6のセンターピラー部5の両側フランジ部(図示
せず)に接合されている。
【0014】上記ピラートリム取付座面17には、クリ
ップ取付穴21が形成されており、上記ピラートリム1
3の取付部16に取り付けられたクリップ15を押し込
んでピラートリム13が上記ピラーインナパネル7に固
定されている。
【0015】上記構成によると、室内側から矢視Yのよ
うにピラートリム13に衝撃が加わったとき、ピラート
リム13の変形とともにクリップ15を介してピラーイ
ンナパネル7のピラートリム取付座面17が、図示破線
のように車体外側に押圧される。このとき、ピラートリ
ム取付座面17の上部側のピラーインナパネル7の上端
フランジ部7bは、中間部19にルーフサイドパネル9
の下端フランジ部9bと車幅方向に離間する間隙部18
が形成されているので、この中間部19の折り曲げ部2
0が車体外方に変形することにより、衝撃を吸収する。
【0016】次に図3および図4は、本発明による第2
の実施の形態で、図1および図2と同一部分には同符号
を付して、同一部分の説明は省略して説明する。この場
合、ピラーインナパネル7の上端フランジ部7bに、中
間部19の折り曲げ部20は形成せず、これに代えてピ
ラーインナパネル7の上端フランジ部7bの中間部19
に対向するルーフサイドパネル9の下端フランジ部9b
に、図示破線のように、切り欠き部22を形成したもの
である。
【0017】そして、室内側から矢視Yのようにピラー
トリム13に衝撃が加わったとき、ピラートリム13の
変形とともにクリップ15を介してピラーインナパネル
7のピラートリム取付座面17が、図示破線のように車
体外側に押圧される。しかしながら、ルーフサイドパネ
ル9の下端フランジ部9bには、切り欠き部22が形成
されているので、ピラーインナパネル7の上端フランジ
部7bの中間部19は、ある程度変形しながら、ルーフ
サイドパネル9の下端フランジ部9bよりも車体外側に
変位し、衝撃を吸収する。
【0018】次に図5は、本発明による第3の実施の形
態で、図1と同一部分には同符号を付して、同一部分の
説明は省略して説明する。この場合、ピラーインナパネ
ル7の上端フランジ部7bからピラートリム取付座面1
7の両側に向けて一対のスリット23を形成したもので
ある。
【0019】そして、この実施の形態によると、ピラー
トリム13の変形とともにクリップ15を介してピラー
インナパネル7のピラートリム取付座面17が、車体外
側に押圧されると、ピラートリム取付座面17の両側に
はスリット23が形成されているので、容易に変形して
より一層衝撃を吸収することができる。
【0020】本発明は、上記実施の形態のみに限定され
るものではなく、例えば、本発明の適用箇所は、センタ
ーピラー部に限らず、リヤピラー部でも適用出来ること
は勿論である。その他、本発明の要旨を変更しない範囲
内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による車体側
部の構造によれば次のような効果を奏することができ
る。請求項1において、ルーフ部の両側に設けられるル
ーフサイド部と、サイドボディ部に設けられるピラー部
と、このピラー部の室内側に配設されるピラートリムを
設けた車体側部の構造において、上記ピラー部の室内側
に配設されるピラーインナパネルの上端部に設けられた
ピラートリム取付座面部に上記ピラートリムの上端部を
固定するとともに、上記ピラーインナパネルの上端部の
ピラートリム取付座面部近傍の上記ルーフサイド部との
重合部に車幅方向の間隙部を設けたので、ピラーインナ
パネルが変形し易くなり、衝撃を吸収することができ
る。請求項2において、ピラーインナパネルの上端部の
ピラートリム取付座面部を上記ルーフサイド部との重合
部から離間し、上記ピラーインナパネルの上端部両側部
を上記ルーフサイド部に接合したので、ルーフサイド部
との重合部に当接するまで、ピラーインナパネルの上端
部が変位し、ピラーインナパネルが変形し易くなり、衝
撃を吸収することができる。請求項3において、ルーフ
部の両側に設けられるルーフサイド部と、サイドボディ
部に設けられるピラー部と、このピラー部の室内側に配
設されるピラートリムを設けた車体側部の構造におい
て、上記ピラー部の室内側に配設されるピラーインナパ
ネルの上端部に設けられたピラートリム取付座面部に上
記ピラートリムの上端部を固定するとともに、上記ピラ
ーインナパネルの上端部のピラートリム取付座面部近傍
の上記ルーフサイド部との重合部のいずれか一方に切り
欠き部を形成したので、ピラーインナパネルが変形し易
くなり、衝撃を吸収することができる。請求項4におい
て、ピラーインナパネルの上端部のピラートリム取付座
面部上部側縁部に切り欠き部を形成し、該切り欠き部の
両側部を上記ルーフサイド部との重合部に接合したの
で、上端部の固定箇所が少ないことから、ピラーインナ
パネルが変形し易くなり、衝撃を吸収することができ
る。請求項5において、ルーフ部の両側に設けられるル
ーフサイド部と、サイドボディ部に設けられるピラー部
と、このピラー部の室内側に配設されるピラートリムを
設けた車体側部の構造において、上記ピラー部の室内側
に配設されるピラーインナパネルの上端部に設けられた
ピラートリム取付座面部に上記ピラートリムの上端部を
固定するとともに、上記ピラーインナパネルの上端部の
ピラートリム取付座面部周囲にスリットを形成したの
で、より一層、ピラーインナパネルが変形し易くなり、
衝撃を吸収することができる。請求項6において、スリ
ットを上記ピラーインナパネルの上端から上記ピラート
リム取付座面部両側に向けて形成したので、より一層、
ピラーインナパネルが変形し易くなり、衝撃を吸収する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車体側部の構造の実施の形態を示
す室内側から見たピラー部の斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明による車体側部の構造の第2の実施の形
態を示す室内側から見たピラー部の斜視図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】本発明による車体側部の構造の第3の実施の形
態を示す室内側から見たピラー部の斜視図である。
【図6】従来の車体側部の構造を示すピラー部の分解斜
視図である。
【図7】図6のC−C線断面図である。
【符号の説明】
1 車体 2 サイドボディ 3 フロントドア開口部 4 リヤドア開口部 5 センターピラー部(ピラー部) 6 サイドボディアウタパネル 7 ピラーインナパネル 8 ルーフサイド部 9 ルーフサイドパネル 10 ルーフ部 11 ルーフパネル 12 成形天井 13 ピラートリム 14 クリップ取付部 15 クリップ 16 取付部 17 ピラートリム取付座面 18 間隙部 19 中間部 20 折り曲げ部 21 クリップ取付穴 22 切り欠き部 23 スリット 7b 上端フランジ部 9b 下端フランジ部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルーフ部の両側に設けられるルーフサイ
    ド部と、サイドボディ部に設けられるピラー部と、この
    ピラー部の室内側に配設されるピラートリムを設けた車
    体側部の構造において、上記ピラー部の室内側に配設さ
    れるピラーインナパネルの上端部に設けられたピラート
    リム取付座面部に上記ピラートリムの上端部を固定する
    とともに、上記ピラーインナパネルの上端部のピラート
    リム取付座面部近傍の上記ルーフサイド部との重合部に
    車幅方向の間隙部を設けたことを特徴とする車体側部の
    構造。
  2. 【請求項2】 上記ピラーインナパネルの上端部のピラ
    ートリム取付座面部を上記ルーフサイド部との重合部か
    ら離間し、上記ピラーインナパネルの上端部両側部を上
    記ルーフサイド部に接合したことを特徴とする請求項1
    に記載の車体側部の構造。
  3. 【請求項3】 ルーフ部の両側に設けられるルーフサイ
    ド部と、サイドボディ部に設けられるピラー部と、この
    ピラー部の室内側に配設されるピラートリムを設けた車
    体側部の構造において、上記ピラー部の室内側に配設さ
    れるピラーインナパネルの上端部に設けられたピラート
    リム取付座面部に上記ピラートリムの上端部を固定する
    とともに、上記ピラーインナパネルの上端部のピラート
    リム取付座面部近傍の上記ルーフサイド部との重合部の
    いずれか一方に切り欠き部を形成したことを特徴とする
    車体側部の構造。
  4. 【請求項4】 上記ピラーインナパネルの上端部のピラ
    ートリム取付座面部上部側縁部に切り欠き部を形成し、
    該切り欠き部の両側部を上記ルーフサイド部との重合部
    に接合したことを特徴とする請求項3に記載の車体側部
    の構造。
  5. 【請求項5】 ルーフ部の両側に設けられるルーフサイ
    ド部と、サイドボディ部に設けられるピラー部と、この
    ピラー部の室内側に配設されるピラートリムを設けた車
    体側部の構造において、上記ピラー部の室内側に配設さ
    れるピラーインナパネルの上端部に設けられたピラート
    リム取付座面部に上記ピラートリムの上端部を固定する
    とともに、上記ピラーインナパネルの上端部のピラート
    リム取付座面部周囲にスリットを形成したことを特徴と
    する車体側部の構造。
  6. 【請求項6】 上記スリットを上記ピラーインナパネル
    の上端から上記ピラートリム取付座面部両側に向けて形
    成したことを特徴とする請求項5に記載の車体側部の構
    造。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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