JPH11235983A - 自動車のフロントピラー構造 - Google Patents
自動車のフロントピラー構造Info
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- JPH11235983A JPH11235983A JP5609998A JP5609998A JPH11235983A JP H11235983 A JPH11235983 A JP H11235983A JP 5609998 A JP5609998 A JP 5609998A JP 5609998 A JP5609998 A JP 5609998A JP H11235983 A JPH11235983 A JP H11235983A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 車両オフセット正面衝突時のキャビンへの影
響を極力少なくしたフロントピラー構造を実現するこ
と。 【解決手段】 インナパネル１１とアウタパネル１２と
で構成した閉断面構造で内部にリインフォースメントパ
ネル２が設けられ、上下方向中間には前縁が前方へ張り
出した幅広部１Ａが形成され、幅広部１Ａの上半部には
三角窓開口３が設けられた車両のフロントピラー１にお
いて、幅広部１Ａでは、リインフォースメントパネル２
を下半部の後半側と三角窓開口３の開口後縁をなす垂直
枠部１Ｃ内に設置し、上記下半部の後半側のリインフォ
ースメントパネル２は、その後端をフロントピラー１後
縁に一体に溶接し、前部をアウタパネル１２のみに溶接
し、かつ、幅広部１Ａの下半部の前半側のインナパネル
１１とアウタパネル１２にはそれぞれ易変形部４１，４
２を設ける。
響を極力少なくしたフロントピラー構造を実現するこ
と。 【解決手段】 インナパネル１１とアウタパネル１２と
で構成した閉断面構造で内部にリインフォースメントパ
ネル２が設けられ、上下方向中間には前縁が前方へ張り
出した幅広部１Ａが形成され、幅広部１Ａの上半部には
三角窓開口３が設けられた車両のフロントピラー１にお
いて、幅広部１Ａでは、リインフォースメントパネル２
を下半部の後半側と三角窓開口３の開口後縁をなす垂直
枠部１Ｃ内に設置し、上記下半部の後半側のリインフォ
ースメントパネル２は、その後端をフロントピラー１後
縁に一体に溶接し、前部をアウタパネル１２のみに溶接
し、かつ、幅広部１Ａの下半部の前半側のインナパネル
１１とアウタパネル１２にはそれぞれ易変形部４１，４
２を設ける。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のフロントピ
ラー、特に車両正面衝突時に衝突荷重を吸収し得るフロ
ントピラー構造に関する。
ラー、特に車両正面衝突時に衝突荷重を吸収し得るフロ
ントピラー構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車のフロントピラーは、車両正面衝
突時にキャビンの変形を防ぐ重要な剛性部材であり、イ
ンナパネルとアウタパネルとで形成した閉断面構造で、
かつ、フロントピラーの閉断面内部には全長にわたって
閉断面内を仕切るようにリインフォースメントパネルを
設けて高剛性としている。
突時にキャビンの変形を防ぐ重要な剛性部材であり、イ
ンナパネルとアウタパネルとで形成した閉断面構造で、
かつ、フロントピラーの閉断面内部には全長にわたって
閉断面内を仕切るようにリインフォースメントパネルを
設けて高剛性としている。
【０００３】しかしながら、フロントピラー全体を高剛
性とすると、車両衝突時にキャビンに衝撃が強く作用す
るという問題がある。そこで、車両衝突時の衝撃を吸収
し、かつ変形も少なくするフロントピラー構造として、
例えば特開平９−２７７９５８号では、図５に示すよう
に、インナパネル１１’とアウタパネル１２’とで閉断
面をなすフロントピラー１’の下半部において、閉断面
内の後半側に閉断面内を仕切るリインフォースメントパ
ネル２’を設けるとともに、インナパネル１１’とアウ
タパネル１２’にはそれぞれ前半側にビード４１および
屈曲部４３を形成して変形しやすくし、車両衝突時にフ
ロントピラー１’の前半側を矢印方向に変形させて衝突
荷重を吸収し、ピラー１’の後半側で変形を防止する構
造としている。図において５はエンジンルームの左右の
側壁上縁に設けたエプロンアッパメンバ、８はフェンダ
パネル、９はフロントドア、９１はヒンジである。
性とすると、車両衝突時にキャビンに衝撃が強く作用す
るという問題がある。そこで、車両衝突時の衝撃を吸収
し、かつ変形も少なくするフロントピラー構造として、
例えば特開平９−２７７９５８号では、図５に示すよう
に、インナパネル１１’とアウタパネル１２’とで閉断
面をなすフロントピラー１’の下半部において、閉断面
内の後半側に閉断面内を仕切るリインフォースメントパ
ネル２’を設けるとともに、インナパネル１１’とアウ
タパネル１２’にはそれぞれ前半側にビード４１および
屈曲部４３を形成して変形しやすくし、車両衝突時にフ
ロントピラー１’の前半側を矢印方向に変形させて衝突
荷重を吸収し、ピラー１’の後半側で変形を防止する構
造としている。図において５はエンジンルームの左右の
側壁上縁に設けたエプロンアッパメンバ、８はフェンダ
パネル、９はフロントドア、９１はヒンジである。
【０００４】近時、自動車のフロントウィンドは、運転
者の視界を広くするとともに走行時におけるフロントウ
ィンドガラスの空気抵抗を小さくするためにフロントウ
ィンドガラスの傾斜角度を緩やかにするキャブフォワー
ド化の傾向にある。このようなキャブフォワード型車は
フロントウィンドの下縁位置が前方に移動し、これに伴
って、フロントピラーは、フロントウィンドの下縁に対
応する中間部の前縁を前方に張り出させ幅を広くし、前
端をエプロンアッパメンバの後端に結合している。そし
て、幅広部に三角窓を設けている。
者の視界を広くするとともに走行時におけるフロントウ
ィンドガラスの空気抵抗を小さくするためにフロントウ
ィンドガラスの傾斜角度を緩やかにするキャブフォワー
ド化の傾向にある。このようなキャブフォワード型車は
フロントウィンドの下縁位置が前方に移動し、これに伴
って、フロントピラーは、フロントウィンドの下縁に対
応する中間部の前縁を前方に張り出させ幅を広くし、前
端をエプロンアッパメンバの後端に結合している。そし
て、幅広部に三角窓を設けている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】キャブフォワード型車
では、フロントピラーが前方へ張り出した分、エプロン
アッパメンバが短く設定されるので、車両正面衝突時に
フロントピラーには大きな衝突荷重がかかる。特にオフ
セット正面衝突時には、一方のフロントピラーに大きな
荷重がかかり、上述した従来構造ではフロントピラーの
前半側で衝撃が吸収しきれずに後半側が変形するおそれ
がある。この変形を防止するためにフロントピラーのパ
ネル厚を大きくすると、フロントピラーの衝突荷重吸収
性能が低下してしまう。
では、フロントピラーが前方へ張り出した分、エプロン
アッパメンバが短く設定されるので、車両正面衝突時に
フロントピラーには大きな衝突荷重がかかる。特にオフ
セット正面衝突時には、一方のフロントピラーに大きな
荷重がかかり、上述した従来構造ではフロントピラーの
前半側で衝撃が吸収しきれずに後半側が変形するおそれ
がある。この変形を防止するためにフロントピラーのパ
ネル厚を大きくすると、フロントピラーの衝突荷重吸収
性能が低下してしまう。
【０００６】そこで本発明は幅広部を有し、それに三角
窓開口を設けたキャブフォワード型車のフロントピラー
において、正面衝突時の衝突荷重を吸収し、かつ、ピラ
ー全体の変形を防止してキャビンへの影響を極力少なく
したフロントピラー構造を実現することを課題としてな
されたものである。
窓開口を設けたキャブフォワード型車のフロントピラー
において、正面衝突時の衝突荷重を吸収し、かつ、ピラ
ー全体の変形を防止してキャビンへの影響を極力少なく
したフロントピラー構造を実現することを課題としてな
されたものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、インナパネル
とアウタパネルとで構成した閉断面構造で内部にリイン
フォースメントパネルを設けた車両のフロントピラーで
あって、フロントピラーの上下方向中間にはその前縁が
前方へ張り出して前端がエプロンアッパメンバの後端に
結合した幅広部が形成してあり、かつ、該幅広部の上半
部には三角窓開口を設けたフロントピラーにおいて、上
記幅広部では、上記リインフォースメントパネルを下半
部の後半側および、上記三角窓開口の開口後縁を形成す
る垂直枠部内に設置するとともに、上記下半部のリイン
フォースメントパネルは、その後端をインナパネルとア
ウタパネルの接合フランジに一体に溶接し、前部をアウ
タパネルのみに溶接してインナパネルとは非溶接とし、
かつ、上記幅広部の下半部の前半側のインナパネルおよ
びアウタパネルにはそれぞれ正面衝突荷重により変形容
易な上下方向に延びるビードないしパネル面に形成した
穴等の易変形部を設ける（請求項１，請求項２）。車両
正面衝突時、フロントピラーの幅広部の下半部の前半側
および三角窓開口の前縁をなす傾斜枠部が変形して衝突
荷重を吸収する。リインフォースメントパネルの前端は
インナパネルと分離されているから後半側への荷重の作
用が低減される。
とアウタパネルとで構成した閉断面構造で内部にリイン
フォースメントパネルを設けた車両のフロントピラーで
あって、フロントピラーの上下方向中間にはその前縁が
前方へ張り出して前端がエプロンアッパメンバの後端に
結合した幅広部が形成してあり、かつ、該幅広部の上半
部には三角窓開口を設けたフロントピラーにおいて、上
記幅広部では、上記リインフォースメントパネルを下半
部の後半側および、上記三角窓開口の開口後縁を形成す
る垂直枠部内に設置するとともに、上記下半部のリイン
フォースメントパネルは、その後端をインナパネルとア
ウタパネルの接合フランジに一体に溶接し、前部をアウ
タパネルのみに溶接してインナパネルとは非溶接とし、
かつ、上記幅広部の下半部の前半側のインナパネルおよ
びアウタパネルにはそれぞれ正面衝突荷重により変形容
易な上下方向に延びるビードないしパネル面に形成した
穴等の易変形部を設ける（請求項１，請求項２）。車両
正面衝突時、フロントピラーの幅広部の下半部の前半側
および三角窓開口の前縁をなす傾斜枠部が変形して衝突
荷重を吸収する。リインフォースメントパネルの前端は
インナパネルと分離されているから後半側への荷重の作
用が低減される。
【０００８】上記インナパネルにおいて、上記易変形部
を上記アウタパネルよりも多数設ける（請求項３）。車
両正面衝突時、特にオフセット正面衝突時にフロントピ
ラー幅広部の前半側は車両内側方向に変形し、フロント
ドアの開放性を阻害しない。
を上記アウタパネルよりも多数設ける（請求項３）。車
両正面衝突時、特にオフセット正面衝突時にフロントピ
ラー幅広部の前半側は車両内側方向に変形し、フロント
ドアの開放性を阻害しない。
【０００９】
【発明の実施の形態】図１ないし図４に示すように、フ
ロントピラー１は、その全体がインナパネル１１とアウ
タパネル１２とで構成し、両パネル１１，１２の前縁お
よび後縁の接合フランジをそれぞれ重ね合わせて溶接し
た閉断面の上下方向に延びる柱状部材で、上下方向中央
付近で屈曲し、垂直方向に延びる下半部と上方に向かっ
て緩やかな傾斜姿勢で後方に延びる上半部とでほぼく字
形に形成してある。フロントピラー１の下端末は後方に
屈曲して閉断面構造のフロアサイドレール６の前端に結
合してあり、上端末は閉断面構造のルーフサイドレール
７の前端に結合してあり、フロントピラー１の後縁はフ
ロントドア開口の開口前縁を形成する。フロントピラー
１の下半部はフェンダパネル８で被覆され、下半部のア
ウタパネル１２側面にはフロントドア９がヒンジ９１を
介して回動自在に取付けてある。
ロントピラー１は、その全体がインナパネル１１とアウ
タパネル１２とで構成し、両パネル１１，１２の前縁お
よび後縁の接合フランジをそれぞれ重ね合わせて溶接し
た閉断面の上下方向に延びる柱状部材で、上下方向中央
付近で屈曲し、垂直方向に延びる下半部と上方に向かっ
て緩やかな傾斜姿勢で後方に延びる上半部とでほぼく字
形に形成してある。フロントピラー１の下端末は後方に
屈曲して閉断面構造のフロアサイドレール６の前端に結
合してあり、上端末は閉断面構造のルーフサイドレール
７の前端に結合してあり、フロントピラー１の後縁はフ
ロントドア開口の開口前縁を形成する。フロントピラー
１の下半部はフェンダパネル８で被覆され、下半部のア
ウタパネル１２側面にはフロントドア９がヒンジ９１を
介して回動自在に取付けてある。
【００１０】フロントピラー１の中央付近の屈曲部では
前縁を前方に張り出して幅を広くした幅広部１Ａが形成
してある。幅広部１Ａは前方に向かって山形形状に張り
出している。そして、幅広部１Ａの前端はエプロンアッ
パメンバ５の後端に結合してある。また、幅広部１Ａの
上半部には三角窓開口３が形成してある。三角窓開口３
は、幅広部１Ａの上半部前縁の傾斜枠部１Ｂと、幅広部
１Ａの上半部後縁の垂直枠部１Ｃと、前後方向水平に延
びる開口底縁をなす幅広部１Ａ下半部とで囲まれ、図略
の三角窓ガラスを固着する。
前縁を前方に張り出して幅を広くした幅広部１Ａが形成
してある。幅広部１Ａは前方に向かって山形形状に張り
出している。そして、幅広部１Ａの前端はエプロンアッ
パメンバ５の後端に結合してある。また、幅広部１Ａの
上半部には三角窓開口３が形成してある。三角窓開口３
は、幅広部１Ａの上半部前縁の傾斜枠部１Ｂと、幅広部
１Ａの上半部後縁の垂直枠部１Ｃと、前後方向水平に延
びる開口底縁をなす幅広部１Ａ下半部とで囲まれ、図略
の三角窓ガラスを固着する。
【００１１】フロントピラー１の閉断面内部にはフロン
トピラー１の上下方向全長にわたってリインフォースメ
ントパネル２が設けてある。リインフォースメントパネ
ル２は、フロントピラー１の下半部に設けるロアリイン
フォースメント２１と、フロントピラー１の上半部に設
けるアッパリインフォースメント２２とが、三角窓開口
３の開口後縁の垂直枠部１Ｃ内で両者の端末を突き合わ
せて対向せしめてある。三角窓開口３の開口前縁の傾斜
枠部１Ｂにはリインフォースメントパネル２は設置され
ていない。
トピラー１の上下方向全長にわたってリインフォースメ
ントパネル２が設けてある。リインフォースメントパネ
ル２は、フロントピラー１の下半部に設けるロアリイン
フォースメント２１と、フロントピラー１の上半部に設
けるアッパリインフォースメント２２とが、三角窓開口
３の開口後縁の垂直枠部１Ｃ内で両者の端末を突き合わ
せて対向せしめてある。三角窓開口３の開口前縁の傾斜
枠部１Ｂにはリインフォースメントパネル２は設置され
ていない。
【００１２】ロアリインフォースメント２１は、ほぼ全
長にわたりフロントピラー１の下部のアウタパネル１２
の断面形状とほぼ同じ断面形状で、フロントピラー１の
下部から三角窓開口３の下縁にかけて設けてある。ロア
リインフォースメント２１は、その前縁および後縁がフ
ロントピラー１のインナパネル１１およびアウタパネル
１２の前後の接合フランジで挟み込むようにして一体に
溶接してあり、幅方向の中間部がフロントピラー１のア
ウタパネル１２の側面内側に溶接してある（図２）。
長にわたりフロントピラー１の下部のアウタパネル１２
の断面形状とほぼ同じ断面形状で、フロントピラー１の
下部から三角窓開口３の下縁にかけて設けてある。ロア
リインフォースメント２１は、その前縁および後縁がフ
ロントピラー１のインナパネル１１およびアウタパネル
１２の前後の接合フランジで挟み込むようにして一体に
溶接してあり、幅方向の中間部がフロントピラー１のア
ウタパネル１２の側面内側に溶接してある（図２）。
【００１３】フロントピラー１の幅広部１Ａでは（図１
（Ｂ））、ロアリインフォースメント２１は、その後縁
がフロントピラー１のインナパネル１１およびアウタパ
ネル１２の後縁の接合フランジで挟み込むようにして一
体に溶接してあり、中間部がフロントピラー１のアウタ
パネル１２側面後半の内側に溶接してある。そして前縁
は、幅広部１Ａの閉断面内の前後方向中間を横切るよう
にインナパネル１１側へ進出しているがインナパネル１
１の内面に溶接することなく、かつ、インナパネル１１
の内面との間に隙間が設けてある。また、ロアリインフ
ォースメント２１の上端末は垂直枠部１Ｃ内に進出して
いる。
（Ｂ））、ロアリインフォースメント２１は、その後縁
がフロントピラー１のインナパネル１１およびアウタパ
ネル１２の後縁の接合フランジで挟み込むようにして一
体に溶接してあり、中間部がフロントピラー１のアウタ
パネル１２側面後半の内側に溶接してある。そして前縁
は、幅広部１Ａの閉断面内の前後方向中間を横切るよう
にインナパネル１１側へ進出しているがインナパネル１
１の内面に溶接することなく、かつ、インナパネル１１
の内面との間に隙間が設けてある。また、ロアリインフ
ォースメント２１の上端末は垂直枠部１Ｃ内に進出して
いる。
【００１４】アッパリインフォースメント２２は、フロ
ントピラー１の上部では（図３）、その両端縁をフロン
トピラー１のフロントウィンド開口側縁側の接合フラン
ジおよびバックドア開口前縁側の接合フランジに一体に
溶接して、フロントピラー１の閉断面を仕切っている。
図３中、Ｇはフロントウィンドのシールドガラスであ
る。
ントピラー１の上部では（図３）、その両端縁をフロン
トピラー１のフロントウィンド開口側縁側の接合フラン
ジおよびバックドア開口前縁側の接合フランジに一体に
溶接して、フロントピラー１の閉断面を仕切っている。
図３中、Ｇはフロントウィンドのシールドガラスであ
る。
【００１５】垂直枠部１Ｃ内においても同様に（図
４）、アッパリインフォースメント２２はその両端縁を
垂直枠部１Ｂの三角窓開口後縁側の接合フランジおよび
フロントドア開口前縁側の接合フランジに一体に溶接し
垂直枠部１Ｃの閉断面を仕切っている。アッパリインフ
ォースメント２２の下端末とロアリインフォースメント
２１の上端末の接続部２３は突き合わせて対向せしめて
あり、非溶接としてある。
４）、アッパリインフォースメント２２はその両端縁を
垂直枠部１Ｂの三角窓開口後縁側の接合フランジおよび
フロントドア開口前縁側の接合フランジに一体に溶接し
垂直枠部１Ｃの閉断面を仕切っている。アッパリインフ
ォースメント２２の下端末とロアリインフォースメント
２１の上端末の接続部２３は突き合わせて対向せしめて
あり、非溶接としてある。
【００１６】幅広部１Ａの下半部の前半側では、インナ
パネル１１、アウタパネル１２にそれぞれ、相対向する
位置に車外方向および車内方向へ突出するビード４１が
上下方向に形成してある。更に、インナパネル１１に
は、ビード４１の前方位置に穴４２が形成してある。
パネル１１、アウタパネル１２にそれぞれ、相対向する
位置に車外方向および車内方向へ突出するビード４１が
上下方向に形成してある。更に、インナパネル１１に
は、ビード４１の前方位置に穴４２が形成してある。
【００１７】本実施の形態において、車両オフセット正
面衝突時、一方のフロントピラー１にはその幅広部１Ａ
の前端にエプロンアッパメンバ５から大きな衝突荷重が
作用する。この衝突荷重により、幅広部１Ａでは先ず、
傾斜枠部１Ｂと、インナパネル１１およびアウタパネル
１２の穴４２形成部およびビード４１形成部が変形し、
続いて幅広部１Ａの前半側全体が屈曲変形し、この変形
により衝突荷重が吸収される。この場合、幅広部１Ａの
下半部では、インナパネル１１はロアリインフォースメ
ント２１とは結合されておらず、かつ、ビード４１の他
に穴４２が設けてあってアウタパネル１２よりも剛性が
低いから、幅広部１Ａは車内方向に屈曲変形する。従っ
て、アウタパネル１２はヒンジ部材９１をフロントドア
９開放方向に回転するように変形する。これにより、衝
突後のフロントドア９の開放に支障をきたすことはな
い。
面衝突時、一方のフロントピラー１にはその幅広部１Ａ
の前端にエプロンアッパメンバ５から大きな衝突荷重が
作用する。この衝突荷重により、幅広部１Ａでは先ず、
傾斜枠部１Ｂと、インナパネル１１およびアウタパネル
１２の穴４２形成部およびビード４１形成部が変形し、
続いて幅広部１Ａの前半側全体が屈曲変形し、この変形
により衝突荷重が吸収される。この場合、幅広部１Ａの
下半部では、インナパネル１１はロアリインフォースメ
ント２１とは結合されておらず、かつ、ビード４１の他
に穴４２が設けてあってアウタパネル１２よりも剛性が
低いから、幅広部１Ａは車内方向に屈曲変形する。従っ
て、アウタパネル１２はヒンジ部材９１をフロントドア
９開放方向に回転するように変形する。これにより、衝
突後のフロントドア９の開放に支障をきたすことはな
い。
【００１８】また、幅広部１Ａにおいて、インナパネル
１１はロアリインフォースメント２１とは分離されてお
り、車両衝突時の変形は先ずインナパネル１１から始ま
り、かつ、インナパネル１１の変形量はアウタパネル１
２よりも大きいから、衝突時における荷重吸収効率がよ
くフロントピラー１の後半側の変形を防ぎ、また、キャ
ビンに作用する衝撃も緩和される。
１１はロアリインフォースメント２１とは分離されてお
り、車両衝突時の変形は先ずインナパネル１１から始ま
り、かつ、インナパネル１１の変形量はアウタパネル１
２よりも大きいから、衝突時における荷重吸収効率がよ
くフロントピラー１の後半側の変形を防ぎ、また、キャ
ビンに作用する衝撃も緩和される。
【００１９】更に、フロントピラー１内のリインフォー
スメントパネル２を、フロントピラー１の下半部を補強
するロアリインフォースメント２１と上半部を補強する
アッパリインフォースメント２２とに分割してあり、両
リインフォースメント２１，２２の端末接合部２３は溶
接することなく単に突き合わせてあるから、車両衝突時
においてロアリインフォースメント２１に作用する衝突
荷重のアッパリインフォースメント２２への伝達が少な
くなり、乗員の頭部に対応するフロントピラー１上半部
の変形を防止する。
スメントパネル２を、フロントピラー１の下半部を補強
するロアリインフォースメント２１と上半部を補強する
アッパリインフォースメント２２とに分割してあり、両
リインフォースメント２１，２２の端末接合部２３は溶
接することなく単に突き合わせてあるから、車両衝突時
においてロアリインフォースメント２１に作用する衝突
荷重のアッパリインフォースメント２２への伝達が少な
くなり、乗員の頭部に対応するフロントピラー１上半部
の変形を防止する。
【００２０】なお、上記実施の形態では、フロントピラ
ー１の幅広部１Ａのインナパネル１１およびアウタパネ
ル１２にはビード４１と穴４２を設けて易変形部を形成
したが、ビード４１のみ、または穴４２のみで易変形部
を形成してもよい。また、幅広部１Ａにおいて、ロアリ
インフォースメント２１の前端を閉断面を横切るように
インナパネル１１方向に屈曲延在せしめたが、屈曲延在
端はなくてもよい。
ー１の幅広部１Ａのインナパネル１１およびアウタパネ
ル１２にはビード４１と穴４２を設けて易変形部を形成
したが、ビード４１のみ、または穴４２のみで易変形部
を形成してもよい。また、幅広部１Ａにおいて、ロアリ
インフォースメント２１の前端を閉断面を横切るように
インナパネル１１方向に屈曲延在せしめたが、屈曲延在
端はなくてもよい。
【００２１】
【発明の効果】本発明のフロントピラー構造は、車両正
面衝突時、特にオフセット正面衝突時における衝突荷重
のキャビンに対する影響を可及的に小さくすることを最
優先としたもので、衝突時に最も大きな荷重が作用する
フロントピラーの中間幅広部において、リインフォース
メントパネルを後半側のみに設けて前半側の剛性を相対
的に小さくし、かつ、リインフォースメントパネルの前
端をピラーパネルの一部と非結合としたから、衝突荷重
は前半側の変形で吸収され、後半側の変形は少なくなり
キャビンの変形が防止される。また、フロントピラーの
幅広部は車内側方向に屈曲するから、フロントドアの開
放性は確保される。
面衝突時、特にオフセット正面衝突時における衝突荷重
のキャビンに対する影響を可及的に小さくすることを最
優先としたもので、衝突時に最も大きな荷重が作用する
フロントピラーの中間幅広部において、リインフォース
メントパネルを後半側のみに設けて前半側の剛性を相対
的に小さくし、かつ、リインフォースメントパネルの前
端をピラーパネルの一部と非結合としたから、衝突荷重
は前半側の変形で吸収され、後半側の変形は少なくなり
キャビンの変形が防止される。また、フロントピラーの
幅広部は車内側方向に屈曲するから、フロントドアの開
放性は確保される。
【図１】本発明のフロントピラーを示すもので、図１
（Ａ）はその側面図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）のIB−IB
線に沿う位置での断面図である。
（Ａ）はその側面図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）のIB−IB
線に沿う位置での断面図である。
【図２】図１（Ａ）のII−II線に沿う位置での断面図で
ある。
ある。
【図３】図１（Ａ）のIII −III 線に沿う位置での断面
図である。
図である。
【図４】図１（Ａ）のIV−IV線に沿う位置での断面図で
ある。
ある。
【図５】従来のフロントピラーを示すもので、図１
（Ｂ）に対応する断面図である。
（Ｂ）に対応する断面図である。
１ フロントピラー １Ａ 幅広部 １Ｃ 垂直枠部 １１ インナパネル １２ アウタパネル ２ リインフォースメントパネル ３ 三角窓開口 ４１ ビード（易変形部） ４２ 穴（易変形部） ５ エプロンアッパメンバ
Claims (3)
- 【請求項１】 インナパネルとアウタパネルとで構成し
た閉断面構造で内部にリインフォースメントパネルを設
けた車両のフロントピラーであって、フロントピラーの
上下方向中間にはその前縁が前方へ張り出して前端がエ
プロンアッパメンバの後端に結合した幅広部が形成して
あり、かつ、該幅広部の上半部には三角窓開口を設けた
フロントピラーにおいて、上記幅広部では、上記リイン
フォースメントパネルを下半部の後半側および、上記三
角窓開口の開口後縁を形成する垂直枠部内に設置すると
ともに、上記下半部のリインフォースメントパネルは、
その後端をインナパネルとアウタパネルの接合フランジ
に一体に溶接し、前部をアウタパネルのみに溶接してイ
ンナパネルとは非溶接とし、かつ、上記幅広部の前半側
のインナパネルおよびアウタパネルにはそれぞれ正面衝
突荷重により変形容易な易変形部を設けたことを特徴と
する自動車のフロントピラー構造。 - 【請求項２】 上記易変形部は、上下方向に延びるビー
ドないし、パネル面に形成した穴とした請求項１記載の
自動車のフロントピラー構造。 - 【請求項３】 上記インナパネルにおいて、上記易変形
部を上記アウタパネルよりも多数設けた請求項２記載の
自動車のフロントピラー構造。
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