JP2017035114A - レコンビナーゼポリメラーゼ増幅 - Google Patents

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Abstract

【課題】レコンビナーゼポリメラーゼ増幅を提供すること。【解決手段】本発明は、新規の、多様な、ハイブリッドおよび作成されたレコンビナーゼ酵素、ならびにDNA増幅アッセイを行うための、関連組換え因子をともなうそのような蛋白質の使用を、その特色とする。また、本発明は、DNA増幅アッセイにおける異なる生化学的活性を有する異なるレコンビナーゼ「系」、ならびに負荷因子、一本鎖DNA結合蛋白質(SSB)、および使用される密集剤の量についての異なる要求も、その特色とする。さらに詳しくは、本発明は、T6、Rb69、Aehl、およびKVP40ハイブリッドおよび作成蛋白質の使用、およびそのような蛋白質のレコンビナーゼポリメラーゼ増幅アッセイにおける使用に関する。【選択図】なし

Description

(関連出願)
本願は、2006年5月4日に出願された、米国仮特許出願第60/798,060号の利益を要求し、米国仮特許出願第60/798,060号の内容はその全体が参考として本明細書において援用される。
(発明の分野)
本発明は、新規なハイブリッドおよび作成されたレコンビナーゼ酵素、および核酸の増幅のためのそのような酵素の使用に関する。さらに詳しくは、本発明は、T6、Rb69、Aehl、およびKVP40ハイブリッドおよび作成蛋白質の使用、およびそのような蛋白質のレコンビナーゼポリメラーゼ増幅アッセイにおける使用に関する。
(背景)
レコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)は、オリゴヌクレオチドのDNA標的へのレコンビナーゼ−媒介標的化がポリメラーゼによるDNA合成にカップリングされたプロセスである(Armes and Stemple,特許文献1)。RPAは、細胞DNA複製および修復マシーナリーの成分に依存する。イン・ビトロDNA増幅用のこのマシーナリーのいくつかを使用する概念はしばらくの間存在した(Zarling et al.特許文献2)が、該概念は最近まで実用的技術に変化してきた。というのは、主としてE.coli RecA蛋白質に関連するレコンビナーゼ機能の領域における研究の長い歴史にも関わらず、DNAの感受性増幅を許容するイン・ビトロ条件は最近決定されたに過ぎないからである(Piepenburg et al.の特許文献3、また非特許文献1)。ポリメラーゼ活性の存在下において高レベルの組換え活性を1時間に渡って維持するレコンビナーゼ負荷および負荷解除双方の適切な速度を有する「ダイナミック」組合せ環境の発達は、技術的には挑戦的であることが判明し、特異的な密集剤、注目すべきことには、レコンビナーゼ−負荷因子、特異的ストランド−変位ポリメラーゼおよび頑強なエネルギー再生系の使用と組み合わされた、高分子量のPEG分子(Carbowax
20M分子量15ないし20,000、および本明細書中に記載された他のもの、特にPEG分子量35,000)を必要とした。
RPA技術は、高分子量のポリエチレングリコール種(特に、>10,000ダルトン以上)が反応挙動にかなり影響したという経験的治験に臨界的に依存するものであった。従前には、サイズが少なくとも分子量12,000ないし100,000の範囲にあるポリエチレングリコール種は強くRPA反応を刺激することが見出されていた。どのようにして密集剤が増幅反応内のプロセスに影響するかは明らかでないが、非常に種々の生化学的結果が密集剤に帰されており、恐らくは、RPA反応に対するそれらの影響について鍵となるものである。
密集剤は、ポリメラーゼ酵素とDNAとの相互作用(非特許文献2)を増強して、ポリメラーゼの活性を改良して(非特許文献3)、SSBの存在下においてDNAへのRecA結合のキネティックスに影響すると報告されている(Lavery and Kowalczykowski,1992)。密集剤は、モノマーの協働的結合が、潜在的には数桁の大きさだけ会合定数を増大させることによってロッドおよびフィラメント形成(Rivas et al.,2003)の間などにて起こることが知られている系に対して顕著な影響を有すると報告されている(Minton,2001参照)。RPA系においては、多数の成分が、SSBフィラメント、レコンビナーゼフィラメントの形成、および、恐らくは、UvsYのような負荷剤の凝縮を含めた、核酸への協働的結合に依拠する。密集剤は核酸のハイブリダイゼーションを増強させることがやはりよく知られており(Amasino,1986)、これは、RPA反応内でやはり必要であるプロセスである。最後に、最終ではないが、PEGはDNA分子凝縮を駆動することが知られており、そこでは、それらが細長い構造からコンパクトな球状またはドーナツ型形態に変化し、かくして、多くのイン・ビボとの関係でより共通した構造を模倣し(Lerman,1971参照;またVasilevskaya.et.al.,1995参照;またZinchenko and Anatoly,2005参照)、またDNAのスーパーコイリング自由エネルギーに影響することが知られている(Naimushin et al.,2001)。
理論に拘束されるつもりはないが、密集剤は反応内の多数の蛋白質−蛋白質、蛋白質−核酸および核酸−核酸相互作用のキネティックスに影響するようである。最も実質的な反応改良のための高分子量凝集剤(恐らくは、サイズは約10,000ダルトンを超える)に対する依存性は、他の物(例えば、ヌクレオチド、UvsYのようなより小さなペプチド)の有効な拡散を許容しつつ、あるサイズを超える反応成分(例えば、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド:蛋白質フィラメント、デュプレックス産物、蛋白質成分)に密集効果を制限する必要性を反映するであろう。さらに、高分子量の優先性は、PEGの分子量は増大するにつれて、DNA凝縮を促進するのに必要な金属イオンの濃度は減少するという他での知見を反映するであろう。いずれにせよ、RPAが高分子量ポリエチレングリコールの使用によって効果的とされるというのは経験的知見である。
前記した特異的タイプの「密集した」反応条件(密集剤の存在下における反応)に対する必要性に加えて、有効なRPA反応キネティックスは、レコンビナーゼ−DNA相互作用に関して反応内の高度な「動的」活性に依存する。換言すれば、(i)ATP−γ−Sによる反応阻害、またはRecAまたはUvsXの酸性C末端の除去、および(ii)過剰なATPによる阻害(Piepenburg et al.,2006)を含む利用可能なデータは、レコンビナーゼフィラメントが迅速に形成できるのは重要であるのみならず、それらは迅速に解離できるのも重要であることを示唆する。このデータは、より早い特許文献4においてなされた予測と合致する。迅速なフィラメント形成は、いずれかの与えられた時期において、高い定常状態レベルの機能的レコンビナーゼ−DNAフィラメントがあることを保証し、他方、迅速な解離は、完了したストランド交換複合体がポリメラーゼによってアクセス可能であることを保証する。
他のプロセスは、高度に動的なレコンビナーゼ負荷/負荷解除に加えて、反応環境に適切に裏付けられていなければならない。後の考察の利点では、今日、どのようにしてRPA反応が、成分の活性/特性の変化によって影響され得るかを考慮する場合に注記する因子のより完全なリストに従う。
1.前記したように、侵入およびストランド交換の迅速なキネティックスを保証するためにいずれかの与えられた時期において高い総じてのレベルの活性な正しく負荷されたレコンビナーゼ−DNAフィラメントがなければならない。これは、標準的な二分子反応キネティックスによって予測されるように反応において初期に低い標的数にて迅速な反応キネティックスを駆動し、ならびに標的が高度に豊富となり、負荷されたフィラメントを容易にアウト−滴定できる場合に、反応において後期に活性なフィラメントの非限定的量を保証するのに必要とされる。
2.フィラメントは動的で、迅速な解体ならびに組み立てが可能であって、ストランド交換プロセスが迅速に働くのを保証し、および(もしそれが生起するならば)非生産的蛋白質−DNA立体配座においてフィラメント「ロック−アップ」を回避しなければならない。
3.レコンビナーゼは一本鎖DNAに対する強い優先性、および二本鎖DNAに対して比較的より弱い優先性を有すべきである。これは、レコンビナーゼのオリゴヌクレオチドへの正しい分配を保証し、有意な量のデュプレックスDNAが蓄積する場合に、反応の遅い層において非常に重要である。このデュプレックスDNAは、そうでなければ、レコンビナーゼに対して余りにも効果的に競合でき、反応を余りにも迅速に遅らせることができる。デュプレックスDNAに対する解体速度の差もまた、生産的交換の解体の加速が複雑化する限り、因子(ii)をやはり増強させるであろう。反応の後期における反応速度の減少のような過剰なデュプレックスDNAの「アウト−滴定」活性と合致する観察は、もし過剰な観察は、もし過剰なDNAが反応の初期に存在すれば、なされてきた。
4.一本鎖DNAの相互へのハイブリダイゼーションは、いずれかの与えられた反応条件下で支持されなければならない。RPAは、相補的プライミングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションに続いて新しいデュプレックス標的に変換されて、DNA合成を開始できるに過ぎない一本鎖DNA産物を生じさせる能力を有する。飽和量の一本鎖DNA結合蛋白質(すなわち、負荷蛋白質、一本鎖DNA結合蛋白質およびレコンビナーゼ)が反応環境に存在するので、これらのハイブリダイゼーションプロセスはこれらの蛋白質によって支持され/助けられなければならない。SSBおよびレコンビナーゼはデュプレックス/一本鎖DNAに対する幾らかの融解/ハイブリダイゼーション活性を有し、恐らくは、異なったレベルの融解/ハイブリダイゼーション活性を示すであろう。かくして、負荷のレコンビナーゼおよびSSBの相対的割合はハイブリダイゼーションのための速度挙動に影響し得、これもまた、SSBの種および使用されるレコンビナーゼにやはり依存するであろう。もしSSBまたはレコンビナーゼのいずれかが一本鎖DNAの相互に対するハイブリダイゼーションを支持せず、または貧弱にしか支持しなければ、反応は危うくなるであろう。
5.pH、アニオン蓄積、ADPの、AMPの生成、ピロホスフェート、および他のヌクレオチド種に関する反応組成の一時的変化は、使用するレコンビナーゼによって強く影響され得る。さらに、レコンビナーゼはイオンおよびpH環境に対して異なって応答し得る。ヌクレオチドの加水分解の速度は、前記した種の蓄積に影響し、それらの蓄積は、今度は、レコンビナーゼおよびポリメラーゼの反応における活性に影響し得る。例えば、ホスフェートおよびピロホスフェートの蓄積はレコンビナーゼプロセスに影響でき、他方、ADP(および、おそらくは、AMP)の蓄積はレコンビナーゼのDNAオン−オフキネティックスに影響し得る。注目すべきは、バクテリオファージT4 UvsX蛋白質は、ATPをADPおよびAMP双方に加水分解することが報告されており、これは、今日まで他のレコンビナーゼに帰せられていない特性である。レコンビナーゼは、dATP、UTPおよび、潜在的には、他のヌクレオチドも加水分解し得る。異なるヌクレオチドは、ssDNAおよびdsDNAに対する複合体のDNA結合安定性に影響でき、例えば、dATPは、ssDNAに対するRecAの安定性を増強させると記載されてきた。理論に拘束されるつもりはないが、そのDNA結合ドメインおよびヌクレオチド結合/触媒ドメインに関するレコンビナーゼの特定の特性は、反応速度、および反応後期に強いシグナルを生じさせる有効性に対して有意なインパクトを有することができる。
従前に確率されたRPA条件
有効なRPA反応は、従来、(危うくされたgp32蛋白質を含む不均一系において)双方のE.coli RecAを用いて、かつ(T4ファージUvsY蛋白質と組合せた場合に)T4ファージUvsX蛋白質に関して示されてきた(Piepenburg,2006)。双方の場合において、ポリエチレングリコールの使用は、増幅が、鋳型が大まかナノモルレベル未満の(または大まかマイクロリットル当たり約1010標的分子のオーダー未満の)濃度で存在した場合にいずれかの有用な効率にて起こるのに絶対的に必要であることが判明した。
実験は、直線状鋳型の端部に向けられたオリゴヌクレオチドを用いた場合に、二次的、三次的および、なおさらに、侵入事象を刺激するにおいてPEGの重要性を示し、該オリゴヌクレオチドは、最初、初期標的に対する5’突出を有するが、「バックファイヤー」合成の活性のためより遅い標的に対して平坦である(Piepenburg et al.U.S.S.N.10/931,916)。十分に包埋された標的は、ほとんど確実には、外に出るストランドが新たに形成されたデュプレックスの周りで不都合な傷であることによって引き起こされる組換え産物に関連するトポロジー的拘束のため、より頑強であることが判明した。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、PEGの存在下におけるこれらのより不安定な中間体からの複製を開始する効率の膨大な増加は、複合体に対する密集剤によって付与される安定性に、改変されたDNA立体配座および(DNA凝縮のような)コイリングに対に、中間体へのアクセスを獲得するポリメラーゼのためのかなり高い会合定数、および/または中間体を捕らえるポリメラーゼのより多くの(チャンス)、および伸長に導く組換え事象の頻度の非常に大きな増加に依存するであろう。
バクテリオファージT4 UvsX、T4 UvsY、およびT4gp32、B.subtilis PolI大断片、およびPEG化合物(Carbowax 20M)を利用するRPA系は、デュプレックスDNAを約1キロベースの長さまで増幅するのに有効である(Piepenburg et al.,2006)。40秒以下と短い平均倍化時間が、概略300ヌクレオチドの断片で獲得されており、標的が10コピー未満のレベルで最初に存在した場合においてさえ、DNAは種々の手段によって検出で有用なレベルまで蓄積する。この頑強な挙動にも拘わらず、商業的に有用な産物におけるRPA系の実施のための非常に迅速なキネティックスおよび強力なシグナルに対する厳格な必要性により、他のレコンビナーゼ、それらの関連する負荷成分および一本鎖DNA結合蛋白質の同定に対する要望が存在する。本発明は、これらの必要性および他の必要性を満足する。
米国特許出願第10/371,641号明細書 米国特許第5,223,414号明細書 米国特許出願第10/931,916号明細書 米国特許出願第10/371641号明細書
Piepenburg et al.,PlosBiology 2006 Zimmerman and Harrison,1987 Chan E.W.et al.,1980
本開示は、RPA反応を実行するための代替レコンビナーゼ/アクセサリー因子系の使用についてのデータを可能とすることを提供する。本明細書中で証拠が示されるように、バクテリオファージT6 UvsX、バクテリオファージRb69 UvsX、UvsYおよびgp32、およびバクテリオファージAeh1 UvsX、UvsY、およびgp32はRPA反応において成功して使用することができる。問題はこの分析を制限したKVP40 gp32の生産において遭遇したが、加えて、バクテリオファージKVP40 UvsXおよびUvsYはRPA反応を支持することもできるという証拠が含まれる。一般に、反応体の濃度の変動を行って、各系についての最適な条件を同定しなければならず、総じてのキネティック活性において観察可能な差があることが判明した。本発明は、異なる種から生じた反応成分の間の制限された交差−適合性の証拠を提供する。一般に、同一または同様な種からのUvsXおよびUvsYの共使用についての要件が観察され、他方、gp32はあまり厳格でなくマッチすることができる。また、本明細書中において、突然変異体およびキメラレコンビナーゼ蛋白質、特に、改変されたT6およびRb69 UvsX蛋白質、およびキメラT4およびRb69 UvsY蛋白質の使用、および、その分析が提供される。この分析は、RPA反応における蛋白質のアッセイ可能な挙動に影響する残基の同定に導く。本明細書中において提供されるように、T4 UvsX蛋白質の特徴の全てではないが、いくつかは、Walker Aモチーフ内のユニークなセリン残基に由来する。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、該モチーフ内のリシン−セリンジペプチドの得られた再反復は、この蛋白質によるAPPのADPおよびAMPへの加水分解を支持することができる。この再反復を含有するようなT6 UvsX蛋白質の修飾の結果、リアルタイムでモニターした場合に改変された(改善された)RPA活性がもたらされる。そのような修飾されたUvsXは、特に、増幅反応の後期の間により険しい蛍光シグナル−発生曲線を呈する所有権がある蛍光プローブによってアッセイした場合に変化した反応キネティックスを示した。また、本明細書中においては、E.coliのDNA結合ループ2と同等であると予測されるミオウイルスUvsX蛋白質の領域は可変であって、RPA反応で用いられるUvsXハイブリッドに区別される活性を付与するという発見が提供される。Rb69 UvsXは、この配列に関して異常なUvsX分子であり、細菌ホモログにかなり密接に似ている。本発明は、拡散およびATP双方に結合するレコンビナーゼ酵素の表面領域における構造/構造適合性についてのモデル、およびどのようにしてこの証拠を使用してレコンビナーゼ活性を「調節し」、および改良する(改変する)ことができるかを提供する。驚くべきことに、T6 UvsXは、特に、UvsY蛋白質の完全な非存在で中程度によく機能できることが見出された。この特性は、あまり顕著ではないが、他のUvsX種について明らかであろう。最後に、本発明は、RPA反応を支持するためのマンガンイオンの使用、シグナル−ノイズ比率を改良するためのヘパリンの使用、RPA反応におけるポリメラーゼとしてのS.aureus PolI、およびいくつかの場合にプライマー末端を処理し、ブロックを解除して、伸長を可能とするE.coliエンドヌクレアーゼIIIの使用を提供する。
本発明の第一のRPA具体例は、二本鎖標的拡散分子のレコンビナーゼポリメラーゼ増幅のプロセス(方法)に向けられる。該プロセスの第一の工程において、第一および第二の一本鎖拡散プライマーをレコンビナーゼ(例えば、UvsX)レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)および一本鎖DNA結合蛋白質(例えば、gp32)と接触させて、第一および第二のヌクレオ蛋白質プライマーを形成する。一本鎖拡散プライマーは、標的核酸分子に対して特異的であって、それに対して相補的である。この場合において、レコンビナーゼ(例えば、UvsX)、レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)および一本鎖DNA結合蛋白質(例えば、gp32)の各々はミオウイルス科ファージに由来する。さらに、レコンビナーゼ(例えば、UvsX)、レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)および一本鎖DNA結合蛋白質(例えば、gp32)の内の2以下はT4ファージ蛋白質である。
第二の工程において、第一のヌクレオ蛋白質プライマーを二本鎖標的核酸分子に接触させて、二本鎖標的核酸分子の第一の部分において第一のDループ構造を作り出す(工程2a)。さらに、第二のヌクレオ蛋白質プライマーを二本鎖標的核酸分子に接触させて、二本鎖標的核酸分子の第二の部分において第二のDループ構造を作り出す(工程2b)。Dループ構造は、第一の核酸プライマーおよび該第二の核酸プライマーの3’末端が、標的核酸分子を完全に変性することなく同一二本鎖標的核酸分子上で相互に対して向けられるように形成される。工程2aおよび工程2bはいずれかの順序にて、または同時に行うことができるのに注意すべきである。
Dループ構造において、プライマーを二本鎖標的拡核酸子の1つのストランドにハイブリダイズさせて、二本鎖構造を形成する。標的核酸分子の第二のストランドはプライマーによって変位される。Dの直線部分が構造の二本鎖部分を表し、およびDの曲がった部分が標的核酸の一本鎖変位第二ストランドを表す場合、構造は大文字Dに似ている。
第三の工程において、第一および第二のヌクレオ蛋白質プライマーの3’末端はストランド変位合成が可能な1以上のポリメラーゼおよびdDNPで延長して、第一および第二の二本鎖標的核酸分子および第一および第二の変位した核酸のストランドを生じさせる。第一および第二の二本鎖標的核酸分子は、引き続いてのラウンドの増幅の間に工程2において標的核酸分子として働くことができる。
工程2および工程3は、所望の程度の標的核酸分子の増幅が達成されるまで反復される。所望の程度の増幅は少なくとも10、10、10、10、10、10、または10倍増幅であってよい。
前記した増幅プロセスの間に、核酸の第一および第二の変位したストランドは工程(c)の後に相互にハイブリダイズして、第三の二本鎖標的核酸分子を形成することができる。
本開示のプロセスのいずれにおいても、レコンビナーゼ(例えば、UvsX)、レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)および一本鎖DNA結合蛋白質(例えば、gp32)はミオウイルス科ファージに由来することができる。ミオウイルス科ファージは、例えば、T4、T2、T6、Rb69、Aeh1、KVP40、アシネトバクターファージ133、アエロモナスファージ65、シアノファージP−SSM2、シアノファージPSSM4、シアノファージS−PM2、Rb14、Rb32、アエロモナスファージ25、ビブリオファージnt−1、phi−1、Rb16、Rb43、ファージ31、ファージ44RR2.8t、Rb49、ファージRb3またはファージLZ2であってよい。好ましい具体例において、Rb69 UvxX、RB69 UvsYおよびRb69 gp32の組合せを用いることができる。もう1つの好ましい具体例において、Aeh1 UvsX、Aeh1 UvsYおよびRb69 gp32の組合せを用いてもよい。もう1つの好ましい具体例において、T4 UvsX、T4 UvsYおよびRb69 gp32の組合せを用いてもよい。もう1つの好ましい具体例において、T4 UvsX、Rb69
UvsYおよびT4 gp32の組合せを用いてもよい。
さらに、本開示のプロセスのいずれにおいても、レコンビナーゼ(例えば、UvsX)、レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)および一本鎖DNA結合蛋白質(例えば、gp32)は、各々、同一または異なるミオウイルス科ファージ源からの天然、ハイブリッドまたは突然変異体蛋白質であり得る。天然蛋白質は蛋白質の野生型または天然変種であってよい。(遺伝子工学により作成された蛋白質とも呼ばれる)突然変異体蛋白質は、N末端、C末端、または内部(N末端およびC末端の間)にある、挿入、欠失、置換、またはその組合せのような天然または人造突然変異を持つ天然蛋白質である。(キメラ蛋白質とも呼ばれる)ハイブリッド蛋白質は、少なくとも2つの異なる生物からの配列を含む。例えば、ハイブリッドUvsX蛋白質は1つの種からのアミノ酸(例えば、T4)を含有してもよいが、もう1つの種からのDNA結合ループ(例えば、T6)を含有しない。ハイブリッド蛋白質は、天然蛋白質と比較して、改良された特徴を含んでもよい。改良された特徴は増大したまたはより迅速なRPA増幅速度、または減少したまたはより制御可能なRBA増幅速度であってよい。
本開示のいずれのプロセスにおいても、レコンビナーゼ(例えば、UvsX)は突然変異体UvsXであってよい。好ましい具体例において、突然変異体UvsXは、Rb69
UvsXアミノ酸配列において少なくとも1つの突然変異を含むRb69 UvsXであり、ここに、該突然変異は、(a)位置64におけるヒスチジンではないアミノ酸、位置64におけるセリン、C−末端における1以上のグルタミン酸残基の負荷、C−末端における1以上のアスパラギン酸残基の負荷、およびその組合せよりなる群から選択される。もう1つの好ましい具体例において、突然変異体UvsXはT6 UvsXアミノ酸配列において少なくとも1つの突然変異を有するT6 UvsXであり、ここに、該突然変異は(a)位置66bにおけるヒスチジンではないアミノ酸;(b)位置66におけるセリン;(c)C−末端における1以上のグルタミン酸残基の付加;(d)C−末端における1以上のアスパラギン酸残基の付加;および(e)その組合せよりなる群から選択される。
ハイブリッド蛋白質が用いられる本開示のいずれのプロセスにおいても、ハイブリッド蛋白質は、異なるUvsX種からのアミノ酸配列を含む少なくとも1つの領域を含むUvsX蛋白質であってよい。該領域は、例えば、UvsXのDNA−結合ループ−2領域であってよい。
本開示のRPAプロセスのいずれも、密集剤の存在下で行ってもよい。該密集剤はポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、フィコール(Ficoll)、デキストラン、PVP、アルブミンよりなる群から選択することができる。好ましい具体例において、該密集剤は200,000ダルトン未満の分子量を有する。さらに、該密集剤は容量に対して約0.5%ないし約15重量%(w/v)の量で存在させることができる。
本開示のRPAプロセスのいずれも、大断片ポリメラーゼであるポリメラーゼで行うことができる。該大断片ポリメラーゼはE.Coli Pol I、Bacillus subtilis Pol I、Staphylococcus aureus Pol I、およびそのホモログよりなる群から選択することができる。
本開示のRPAプロセスのいずれも、ヘアピンの存在下で行うことができる。ヘアピンは、非−特異的プリマーノイズのレベルを低下させ、およびレコンビナーゼ中間体から3’ブロッキング基または末端残基を迅速に磨くE.coliエキソヌクレアーゼIIIまたはE.ColiエキソヌクレアーゼIVの能力を増加させる剤として働くことができる。
さらに、本開示のRPAプロセスのいずれも、ブロックされたプライマーで行うことができる。ブロックされたプライマーは、ポリメラーゼでの伸長を可能としないプライマーである。ブロックされたプライマーを用いる場合、ブロック解除剤を用いての、プライマーをブロック解除して、伸長を可能とする。ブロック解除剤は、プライマーからブロッキング基を切断できるエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであってよい。好ましいブロック解除剤はE.coliエキソヌクレアーゼIIIおよびE.coliエンドヌクレアーゼIVを含む。
本開示のRPAプロセスのいずれも、約1mMないし約3mM二価マンガンイオンの存在下で行うことができる。好ましい具体例において、マンガンイオンはマグネシウムイオンを置き換え、反応はマグネシウムの有りまたは無しにて行うことができる。
さらに、UvsYは、所望により、本開示のRPA反応のいずれかから省略してもよい。すなわち、本開示のRPA反応のいずれも、UvsYの非存在下で行うことができる。
本発明の第二のRPA具体例は、二本鎖標的核酸分子のレコンビナーゼポリメラーゼ増幅のプロセス(方法)に向けられる。該プロセスの第一の工程において、レコンビナーゼ(例えば、UvsX)、レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)および一本鎖DNA結合蛋白質(例えば、gp32)を二本鎖標的核酸分子に対して特異的な一本鎖標準核酸プライマーと接触させて第一のヌクレオ蛋白質プライマーの集団を形成し、ここに、該レコンビナーゼ(例えば、UvsX)、レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)および一本鎖DNA結合蛋白質(例えば、gp32)は、各々、ミオウイルス科ファージに由来し、ここに、レコンビナーゼ(例えば、UvsX)、レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)および一本鎖DNA結合蛋白質(例えば、gp32)の内の2以下はT4ファージ蛋白質である。
第二の工程において、第一のヌクレオ蛋白質プライマーを二本鎖標的核酸分子と接触させて、標的核酸分子を完全に変性させることなく該二本鎖標的核酸分子の第一の部分において第一のDループ構造を形成する。
第三の工程において、第一のヌクレオ蛋白質プライマーの3’末端を、ストランド変位合成が可能な1以上のポリメラーゼおよびdNPPで延長して、二本鎖標的核酸分子、および変位した核酸分子のストランドを作成する。
第四の工程において、第二の一本鎖核酸プライマーを核酸分子の変位したストランドにハイブリダイズさせて、ハイブリダイズした第二の一本鎖基核酸プライマーを形成する。
第五の工程において、ハイブリダイズした第二の一本鎖核酸分子を延長して、二本鎖標的核酸分子を生じさせる。
該反応の第二ないし第五の工程は、所望の程度の増幅に到達するまで継続する。
この第二のRPA具体例の全ての他の態様は、所望の程度の増幅、および蛋白質(レコンビナーゼ、負荷剤、一本鎖DNA結合蛋白質)の選択等を含めた第一のRPA具体例のそれと同様である。これらのパラメーターは第一のRPA具体例について前記した。我々は、驚くべきことに、核酸プライマーの唯1つがレコンビナーゼ/レコンビナーゼ負荷剤/一本鎖DNA結合蛋白質で被覆されたとしても、RPAは機能するであろうことを見出した。すなわち、RNAは、被覆されていない1つのプライマー、およびレコンビナーゼ、レコンビナーゼ負化剤、および一本鎖DNA結合蛋白質のいずれか1つ、または組合せで被覆された1つのプライマーで行ってもよい。
被覆されたプライマーおよび被覆されていないプライマーの生産は、多数の方法でなすことができる。1つの方法において、唯1つのプライマーを、RPAの開始前に、レコンビナーゼ、レコンビナーゼ負荷剤、および一本鎖DNA結合蛋白質のいずれか1つ、またはその組合せと接触させる。もう1つの方法において、双方のプライマーを、レコンビナーゼ、レコンビナーゼ負荷剤、および一本鎖DNA結合蛋白質のいずれか1つ、または組合せに接触させる。しかしながら、1つのプライマーは、標的二本鎖核酸上にDループを生じさせることができる十分な蛋白質を付着させることができない。これは、それが組換えのために十分な蛋白質に結合できないように、プライマーがあまりにも短いか、または異常な拡散を含有するからであろう。それにもかかわらず、我々が驚いたことには、唯1つのプライマーがDループを形成できるとしても、RPAは可能である。RPAはこの状況で可能である。なぜならば、Dループを形成することができないプライマーは、Dループ可能プライマー(レコンビナーゼ被覆プライマー)から生じたいずれかの変位したストランドにハイブリダイズして、DNA合成を開始することができるからである。
本発明のもう1つの具体例は、(a)位置64におけるヒスチジンではないアミノ酸;(b)位置64におけるセリン;(c)C−末端における1以上のグルタミン酸残基の付加;(d)C−末端における1以上のアスパラギン酸残基の付加;(e)Rb69 UvsXではないUvsX蛋白質からのDNA−結合ループ−2領域でのDNA−結合ループ−2領域の置換;および(f)その組合せよりなる群から選択されるアミノ酸配列を持つ突然変異体またはハイブリッドRb69 UvsX蛋白質に向けられる。そのような突然変異体またはハイブリッドの例は、例えば、配列番号:114、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:117、配列番号:118、配列番号:119、配列番号:120、または配列番号:121に見出すことができる。
本発明のもう1つの具体例は、アミノ酸配列において少なくとも1つの突然変異を有する突然変異体またはハイブリッドT6 UvsX蛋白質に向けられ、ここに、該突然変異は(a)位置66におけるヒスチジンではないアミノ酸;(b)位置66におけるセリン;(c)C−末端における1以上のグルタミン酸残基の付加;(d)C−末端における1以上のアスパラギン酸残基の付加;(e)T6 UvsXではないUvsX蛋白質からのDNA−結合ループ−2領域でのDNA−結合ループ−2領域の置換;(f)位置164におけるバリン;(g)位置166におけるセリン、および(h)その組合せよりなる群から選択される。例えば、配列番号:105および配列番号:106参照。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
(a)UvsX、UvsY、およびgp32蛋白質を、二本鎖標的核酸分子に対して特異的な第一および第二の一本鎖核酸プライマーと接触させて、第一および第二のヌクレオ蛋白質プライマーを形成させ、ここに、該UvsX、UvsY、およびgp32は、各々、ミオウイルス科ファージに由来し、およびここに、該UvsX、UvsY、およびgp32蛋白質のうちの2以下はT4ファージ蛋白質であり;
(b)該第一のヌクレオ蛋白質プライマーを該二本鎖標的核酸分子に接触させて、該二本鎖標的核酸分子の第一の部分において第一のDループ構造を作り出し、次いで、該第二のヌクレオ蛋白質プライマーを該二本鎖標的核酸分子に接触させて、該第一の核酸プライマーおよび該第二の核酸プライマーが、標的核酸分子を完全に変性することなく、該第一の核酸プライマーおよび該第二の核酸プライマーの3’末端が同一二本鎖標的核酸分子上で相互に対して向けられるように、該二本鎖標的核酸分子の第二の部分において第二のDループ構造を作り出し;
(c)ストランド変位合成を可能とする1以上のポリメラーゼおよびdNTPで該第一および第二のヌクレオ蛋白質プライマーの3’末端を延長して、第一および第二の二本鎖標的核酸分子および第一および第二の変位された核酸のストランドを作り出し;次いで、
(d)所望の程度の増幅に到達するまで、(b)および(c)の反復を通じて反応を継続する;
工程を含む、二本鎖標的核酸分子の増幅のレコンビナーゼポリメラーゼ増幅方法。
(項目2)
前記第一および第二の変位された核酸のストランドが工程(c)の後に相互にハイブリダイズして、第三の二本鎖標的核酸分子を形成する項目1記載の方法。
(項目3)
UvsX、UvsYおよびgp32蛋白質が由来するミオウイルス科ファージが:T4、T2、T6、Rb69、Aeh1、KVP40、アシネトバクターファージ133、アエロモナスファージ65、シアノファージP−SSM2、シアノファージPSSM4、シアノファージS−PM2、Rb14、Rb32、アエロモナスファージ25、ビブリオファージnt−1、phi−1,Rb16,Rb43、ファージ31、ファージ44RR2.8t、Rb49、ファージRb3、およびファージLZ2から選択される項目1記載の方法。
(項目4)
前記UvsX、UvsYおよびgp32が:
(a)Rb69 UvsX、Rb69 UvsYおよびRb69 gp32;(b)Aeh1 UvsX、Aeh1 UvsYおよびRb69 gp32;
(c)T4 UvsX、T4 UvsYおよびRb69 gp32;および
(d)T4 UvsX、Rb69 UvsYおよびT4 gp32
よりなる群から選択される項目1記載の方法。
(項目5)
前記UvsX、UvsY、およびgp32が、同一または異なるミオウイルス科ファージ源からの天然、ハイブリッドまたは突然変異体蛋白質である項目1記載の方法。
(項目6)
前記ハイブリッド蛋白質がミオウイルス科ファージの2つの異なる種からの1以上のアミノ酸残基を含んで、前記方法において改良された性能特徴を持つ蛋白質を生じる項目5記載の方法。
(項目7)
前記UvsXが突然変異体UvsXである項目5記載の方法。
(項目8)
前記突然変異体UvsXがRb69 UvsXアミノ酸配列において少なくとも1つの突然変異を含むRb69 UvsXであり、ここに、該突然変異は:
位置64におけるヒスチジンではないアミノ酸;
位置64におけるセリン;
C−末端における1以上のグルタミン酸残基の付加;
C−末端における1以上のアスパラギン酸残基の付加;および
その組合せ
よりなる群から選択される項目7記載の方法。
(項目9)
前記突然変異体UvsXがT6 UvsXアミノ酸配列において少なくとも1つの突然変異を有するT6 UvsXであり、ここに、該突然変異が:
位置66においてヒスチジンではないアミノ酸;
位置66におけるセリン;
C−末端における1以上のグルタミン酸残基の付加;
C−末端における1以上のアスパラギン酸残基の付加;および
その組合せ
よりなる群から選択される項目7記載の方法。
(項目10)
前記ハイブリッド蛋白質が、異なるUvsX種からのアミノ酸配列を含む少なくとも1つの領域を含むUvsX蛋白質である項目6記載の方法。
(項目11)
前記少なくとも1つの領域がUvsXのDNA−結合ループ−2領域である項目10記載の方法。
(項目12)
前記方法がポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、フィコール(Ficoll)、デキストラン、PVP、アルブミンよりなる群から選択される密集剤の存在下で行われる項目1記載の方法。
(項目13)
前記密集剤が200,000未満の分子量を有する項目12記載の方法。
(項目14)
前記密集剤が約0.5w/v%ないし約15w/v%の量で存在する項目12記載の方法。
(項目15)
前記ポリメラーゼがE.Coli Pol I、Bacillus subtilis
Pol I、Staphylococcus aureus Pol I、およびそのホモログよりなる群から選択される大断片ポリメラーゼである項目1記載の方法。
(項目16)
前記方法がヘパリンの存在下で行われる項目1記載の方法。
(項目17)
前記第一または第二の核酸プライマーがブロックされたプライマーであり、および前記方法がE.coliエキソヌクレアーゼIIIおよびE.coliエンドヌクレアーゼIVよりなる群から選択されるエンドヌクレアーゼの存在下で行われる項目1記載の方法。
(項目18)
前記方法が約1mMないし約8mM二価マンガンイオンの存在下で行われる項目1記載の方法。
(項目19)
前記方法がUvsYの非存在下で行われる項目1記載の方法。
(項目20)
該UvsX、UvsYまたはgp32蛋白質の少なくとも1つが配列番号:105、配列番号:106、配列番号:114、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:117、配列番号:118、配列番号:119、配列番号:120、配列番号:121、配列番号:122、配列番号:123、および配列番号:124よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む項目1記載の方法。
(項目21)
(a)UvsX、UvsY、およびgp32蛋白質を、二本鎖標的核酸分子に対して特異的な第一の一本鎖核酸プライマーと接触させて、第一のヌクレオ蛋白質プライマーの集団を形成させ、ここに、該UvsX、UvsY、およびgp32は、各々、ミオウイルス科ファージに由来し、および該UvsX、UvsYおよびgp32蛋白質の2以下はT4ファージ蛋白質であり;
(b)該第一のヌクレオ蛋白質プライマーを該二本鎖標的核酸分子と接触させ、それにより、標的核酸分子を完全に変性することなく、該二本鎖標的核酸分子の第一の部分において第一のDループ構造を形成させ;
(c)ストランド変位合成が可能である1以上のポリメラーゼ、およびdNTPで該第一のヌクレオ蛋白質プライマーの3’末端を延長して、二本鎖標的核酸分子および変位した核酸分子のストランドを生じさせ;
(d)第二の一本鎖核酸プライマーを該変位した核酸分子のストランドとハイブリダイズさせて、ハイブリダイズした第二の一本鎖核酸プライマーを形成させ;
(e)該ハイブリダイズした第二の一本鎖核酸プライマーを延長させて、二本鎖標的核酸分子を生じさせ;
(f)所望の程度の増幅に到達するまで、(b)および(e)の反復を通じて反応を継続する;
工程を含む、DNAの第一および第二のストランドでの二本鎖標的核酸分子の増幅のレコンビナーゼポリメラーゼ増幅方法。
(項目22)
野生型Rb69 UvsXアミノ酸配列において改変を含む突然変異体またはハイブリッドRb69 UvsX蛋白質であって、野生型アミノ酸配列における改変が:
位置64においてヒスチジンでないアミノ酸;
位置64におけるセリン;
C−末端における1以上のグルタミン酸残基の付加;
C−末端における1以上のアスパラギン酸残基の付加;
Rb69 UvsXではないUvsX蛋白質からのDNA−結合ループ−2領域でのDNA−結合ループ−2領域の置換;
ヒスチジンタグの付加;および
その組合せ;
よりなる群から選択される蛋白質。
(項目23)
前記蛋白質が配列番号:114、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:117、配列番号:118、配列番号:119、配列番号:121、または配列番号:122のアミノ酸配列を含む、項目22記載の突然変異体またはハイブリッドRb69 UvsX蛋白質。
(項目24)
野生型T6 UvsXアミノ酸配列において改変を含む突然変異体またはハイブリッドT6 UvsX蛋白質であって、該野生型アミノ酸配列における改変が:
位置66におけるヒスチジンではないアミノ酸;
位置66におけるセリン;
位置164におけるバリン;
位置166におけるセリン;
C−末端における1以上のグルタミン酸残基の付加;
C−末端における1以上のアスパラギン酸残基の付加;
T6 UvsXではないUvsX蛋白質からのDNA−結合ループ−2領域でのDNA−結合ループ−2領域の置換;
ヒスチジンタグの付加および
それらの組合せ;
よりなる群から選択される該蛋白質。
(項目25)
前記蛋白質が配列番号:105または配列番号:106のアミノ酸配列を含む項目24記載の突然変異体またはハイブリッドT6 UvsX蛋白質。
図1は、変種UvsX、UvsYおよびgp32蛋白質を生じさせるために用いられるクローンの模式的図を示す。 図2は、バクテリオファージT4 UvsXとE.coli recAとの一次配列整列を示す。T4 UvsXは: である。E.Coli recA sequenceは以下の通りである:
図3は、一次配列整列に基づく同等なT4 UvsX残基の重ね合わせおよび標識を持つ活性なE.coli recAフィラメントのモデルの代表的な3−D構造を示す。図3Aは、結合したDNAの近似的ロケーションである中央ホールを持つモデルRecAフィラメントの軸を見下ろすスクリーンショットである。Walker Aモチーフおよび移動DNA結合ループの近似的ロケーションは単一サブユニットについて示し、それは核酸に面する表面にある。図3Bおよび3Cは、3Aに示される表面にATPが結合した領域から取られた2つのズームドショットである。 図4はT4およびT6 gp32およびUvsY蛋白質の一次配列整列を示す。T6 gp32配列は以下の通りである; T4 gp32配列は以下の通りである:
T4 UvsY配列は以下の通りである:
T6 UvsY配列は以下の通りである:
図5は、多様なUvsX蛋白質の一次配列整列を示す。T4UvsX配列は以下の通りである: t6UvsX配列は以下の通りである:
ファージ133UvsX配列は以下の通りである:
Rb69 UvsX配列は以下の通りである:
Aeh1UvsX配列は以下の通りである:
Ae65UvsX配列は以下の通りである:
Kvp40UvsX配列は以下の通りである:
Rb43UvsX配列は以下の通りである:
PSSM2UvsX配列は以下の通りである:
PSSM4UvsX配列は以下の通りである:

図6は、多様なUvsY蛋白質の一次配列整列を示す。T4UvsY配列は以下の通りである: T6UvsY配列は以下の通りである:
Rb69UvsY配列は以下の通りである:
ファージ133UvsY配列は以下の通りである:
Aeh1UvsY配列は以下の通りである:
Rb43UvsY配列は以下の通りである:
Kvp40UvsY配列は以下の通りである:
PSSM2UvsY配列は以下の通りである:
PSSM4UvsY配列は以下の通りである:
図7は、多様なgp32蛋白質の一次配列整列を示す。T4gp32配列は以下の通りである: T6gp32配列は以下の通りである:
Rb69gp32配列は以下の通りである:
Aeh1gp32配列は以下の通りである:
Rb43gp32配列は以下の通りである:
Kvp40gp32配列は以下の通りである:
PSSM2gp32配列は以下の通りである:
PSSM4gp32配列は以下の通りである:
図8は、増幅のためにT6 UvsXおよびT4 UvsXを用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。Rs8179145−2は(配列番号:34)であって、Rs8179145−3は(配列番号:35)である。 図9は、SYBR緑色色素を用いるRPA反応におけるT6およびT4 UvsXのキネティック挙動の比較を示すグラフである。 図10は、蛍光プローブを用いるRPA反応におけるT6およびT4 UvsXのキネティック挙動の比較を示すグラフである。 図11は、本発明の新規な作成されたT6 UvsX蛋白質構築体の模式的レイアウトである。 図12は、蛍光プローブを用いるT6 UvsX H66Sおよび野生型T6 UvsXのキネティック挙動の比較を示すグラフである。 図13は、蛍光プローブを用いるRPA反応における種々のT6 UvsX突然変異体のキネティック挙動の比較を示すグラフである。 図14は、RPA反応におけるRb69成分によるDNA増幅の比較を示すグラフである。試料はSYBR緑色色素を用いて分析した。 図15は、RPA反応におけるAeh1成分によるDNA増幅の比較を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図16は、Aeh1成分によるDNA増幅の比較、およびRPA反応における塩滴定の効果を示すグラフである。 図17は、RPA反応におけるT4系に対するAeh1系のキネティック挙動の比較を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図18は、Aeh1 UvsXおよびUvsYを示すグラフであり、異種gp32はRPA反応を用いてDNAを増幅することができる。試料はSYBR緑色色素を用いて分析した。 図19は、異種反応成分:Rb69、gp32およびAeh1 UvsX、およびAeh1 UvsYを用いるRPA反応におけるDNA増幅を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図20は、新規なRb69作成構築体の模式図である。 図21は、さらなる新規なRb69作成構築体の模式図である。配列は、頂部から底部にかけて、配列番号:36、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40、配列番号:41、および配列番号:42である。 図22は、RPA反応におけるRb69およびRb69 H64Sのキネティック挙動の比較を示すグラフである。試料はSYBR Green色素を用いて分析した。 図23は、野生型Rb69 UvsXまたは突然変異体Rb69 UvsX H64Sを用いるRPAに対するRb69 gp32滴定の効果の比較を示すグラフである。試料はSYBR Green色素を用いて分析した。 図24は、RPA反応における野生型Rb69 UvsXに対する突然変異体Rb69 H64S UvsX蛋白質のキネティック挙動の比較を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図25は、一定範囲のRb69 gp32濃度(300、400、または500ng/μlのRb69 gp32蛋白質)にわたってRPAにおいて機能的である突然変異体Rb69 H64S UvsXを示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図26は、RPAにおける突然変異体Rb69 H64S UvsXの滴定を示すグラフである(00、150または200ng/μlのRb69 H64S UvsX)。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図27は、RPAにおける突然変異体Rb69 UvsXのさらなる滴定を示すグラフである(60、80または100ng/μlのRb69 H64S UvsX)。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図28は、T4 UvsXおよびUvsYとのRPA反応におけるRb69 gp32の有効性を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図29は、Rb69 gp32を高濃度で用いた場合の、RPAにおけるT4およびRb69 UvsX/UvsY系のキネティック挙動の成分を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図30は、RPAにおける突然変異体Rb69 UvsX H64Tのキネティック挙動を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図31は、RPAにおいてRb69 UvsXを用いる場合ATP滴定を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図32は、RPAにおけるRb69 UvsXおよびUvsYに対するT4 gp32の効果を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図33は、RPA反応における、C−末端に対する修飾を有する突然変異体Rb69 UvsX構築体のキネティック挙動の比較を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図34は、RPA反応における、C−末端に対する修飾を有するさらなる突然変異体Rb69 UvsX構築体キネティック挙動の比較を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図35は、RPA反応において突然変異体Rb69 UvsX H64S 2xLDEを用いる場合のPEG35,000の滴定を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図36は、新規な作成されたハイブリッドUvsY構築体の模式図である。 図37は、RPAにおけるT4 UvsXおよびT4 gp32での新規なUvsYハイブリッド構築体のキネティック挙動を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図38は、RPAにおけるRb69 UvsXおよびRb69 UvsYでの新規なUvsYハイブリッド構築体の比較を示すグラフである。 図39は、RPAにおける突然変異体Rb69 UvsX H64S/T6−1 2xLDEのキネティック挙動を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図40は、RPAにおける突然変異体Rb69 UvsX H64S/2xLDE存在下でのRb69 gp32の滴定を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図41は、RPAにおける突然変異体Rb69 UvsX H64S/2×LDEおよびRb69 H64S/F69M/G70S/T6−1/2xLDEのキネティック挙動を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図42は、RPAにおける突然変異体Rb69 H64S T68S/L68N/T4/2xLDEのキネティック挙動を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図43は、RPAにおける突然変異体Rb69 UvsX H64S T67S/L68N/T4/2xLDEを用いる場合のRb69 gp32の滴定の効果を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図44は、RPAにおけるT4 gp32での突然変異体Rb69 UvsX H64S T67S/L68N T4 2xLDE蛋白質の活性を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図45は、RPAにおけるファージ133、シアノファージ、およびAeh1からのDNA−結合ループを含有するRb69 UvsXキメラの活性を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図46は、PRAにおける突然変異体Rb69 UvsX H64S T6 2xLDEの活性を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図47は、0.1mM、0.5mM、1mM、2mM、3mMマンガンを用いるRPA反応からの増幅されたDNA産物を示す臭化エチジウム染色ゲルの写真である。 図48は、RPAにおけるS.Aureus Pol Iを用いるDNA増幅を示すグラフである。試料はSYBR Green色素を用いて分析した。 図49は、RPA反応において対照として水を用いるノイズ検出の開始におけるヘアピンを示すグラフである。試料はSYBR Green色素を用いて分析した。 図50は、RPA反応におけるヘアピンの使用による低コピー標的数の改良された分解能を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図51は、RPAにおけるブロックされたプライマーを用いるDNA増幅を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図52は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下においてT6 H66S UvsXおよびRb69 gp32を用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図53は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下においてT6 H66S UvsXおよびRb69 gp32を用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルのもう1つの写真である。 図54は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下においてT6 H66S UvsXおよびRb69 gp32を用いる小ゲノムDNA標的のDNA増幅を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図55は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下においてT6 H66S UvsXおよびRb69 gp32を用いる複合体ゲノムDNA標的のDNA増幅を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図56は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下における、およびPEGの存在下または非存在下におけるT6 H66S UvsXおよびRb69 gp32を用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図57は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるT4 gp32またはRb69 gp32と共にT6 H66S UvsXを用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図58は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるRb69 gp32またはAeh1 gp32と共にT6 H66S UvsXを用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図59は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるRb69 gp32と共にT6 H66S UvsXまたはT4 UvsXを用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図60は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるT4 gp32、T6 H66S UvsXまたはT4 UvsXと共に用いるRPA産物を示す染色された臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図61は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるRb69 gp32と共にT4 UvsXまたはT6 H66S UvsXを用いるDNA増幅を用いるグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図62は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるとRb69 gp32と共にT6 UvsXまたはT6 H66S UvsXを用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図63は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるRb69 gp32と共にT6 H66S UvsXまたはRb69 UvsXを用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図64は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるRb69 gp32と共にRb69 UvsXまたはAeh1 UvsXを用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。 図65は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるRb69 gp32と共にT6 H66S UvsXまたはRb69T6ループ2H64S UvsXを用いるRPA産物を示す臭化エチジウムン染色アガロースゲルの写真である。 図66は、gp32活性を検出するように設計されたアッセイにおけるRb69 gp32を滴定する効果の結果を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図67Aないし図67Cは、gp32活性を検出するように設計されたアッセイにおいてT4、Aeh1およびRb69 gp32分子の活性を比較するグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図68Aないし図68Cは、gp32活性を検出するように設計されたアッセイにおいてT4、Agh1およびRb69 gp32分子の温度上限を比較するグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図69は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下における、Rb69 gp32と共にT4 UvsXを用いるRPA反応でのDNA増幅の比較を示すグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図70は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるRb69 gp32と共にT4 UvsXを用いるRPA反応でのDNA増幅の比較を示すさらなるグラフである。試料は蛍光プローブを用いて分析した。 図71は、UvsY負荷剤の存在下または非存在下におけるT4 UvsXおよびRb69 gp32を用いるRPA産物を示す臭化エチジウム染色アガロースゲルの写真である。
本発明は、多様なハイブリッドおよび作成されたレコンビナーゼ酵素の使用についての新規な可能化データを構成する。種々のrecA/UvsX−様組換え蛋白質の用途、およびRPA反応を行うための関連する組換え因子が示される。驚くことに、変種レコンビナーゼ(例えば、新規な作製されたキメラおよび突然変異体レコンビナーゼ)およびそれらの関連成分はキネティックスの差、最適なPEG濃度、SSB濃度の差、およびレコンビナーゼ負荷因子に対する依存性の差を呈することが見出された。さらに、本発明の新規なキメラおよび突然変異体蛋白質は、これらの挙動に対してかなり影響する特異的ペプチド領域の解明を可能とした。
観察された変動のいくつかの起源、およびRPAアッセイにおける活性に影響するいくつかの鍵となるアミノ酸残基のロケーションをここに記載する。特に重要なのは、モバイルDNA−結合ループ、ならびにATPaseで見出されたWalker Aモチーフにおける残基である。注目すべきは、E.coli RecAにおけるDNA結合ループ2に対応するペプチドは非常に重要であって、このペプチドは、一般には、E.coli RecA、およびミオウイルスからのRecA/UvsX−様蛋白質内のかなりの変種には無関係である。驚くべきことには、T6 UvsX蛋白質、およびその誘導体は、RPA反応における非常に重要なUvsY−非依存性活性を呈することが見いだされた。このUvsY−非依存性活性は、特にUvsX−負荷に好都合であるが、T6およびその誘導体にとっては最も自明である条件下で他のUvsX種まで拡大することもできる。この分析は、RPAで用いられる改変されたT6およびRb69 UvsXのエンジニアリングを可能とし、RPA系についての作成されたスーパー−レコンビナーゼのさらなる最適化および開発のための段階を設定した。驚くべきことには、T6−由来レコンビナーゼは、負荷蛋白質が反応の性能および頑強性を改良するにもかかわらず、負荷蛋白質について唯一の部分的要件を示す。RPAプロセスにおいて改変された活性を呈するハイブリッド蛋白質を利用することができる。組換え成分の異種組合せを含む系も効果的に用いることもできる。
RPA反応を改良するためのさらなる成分および条件もまたここに提供される。例えば、本発明は、RPA反応に、同様な、またはCarbowax 20M(PEG化合物)よりも大きいさえの効果を付与する他の密集剤を提供する。密集剤、特に、少なくとも10,000であって100,000未満である分子量を有するものを含めると、RPA反応においてかなり刺激性であることが判明した。そのような密集剤は、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、Ficoll、デキストラン、PVPおよびアルブミンを含む。特に、PEG分子量35,000はRPA反応において非常に有効であることが判明した。本発明は、非−特異的プライマーノズルのレベルを低下させる剤としてのRPA反応におけるヘアピンの使用、および組換え中間体から3’ブロッキング基または末端残基を迅速に磨くE.coliエキソヌクレアーゼIIIまたはE.coliエキソヌクレアーゼIVの能力も提供する。加えて、マンガンイオンはマグネシウムを置き換えることができることが示されているが、かなり低い濃度におけるものである。
さらに、本発明は、修復クラスポリメラーゼ、およびプルーフ−リーディング活性を欠如するポリメラーゼを含めた、RPA反応で用いるストランド変位合成が可能な代替ポリメラーゼの使用を提供する。驚くことには、E.coli,Bacillus subtilis,and Staphylococcus aureusのPol Iクラスに対する相同性を担う細菌ポリメラーゼI修復酵素の全長蛋白質ではないが大きな断片は、RPA反応において有効であり、かくして、効果的であることが示されたポリメラーゼのレパートリーを拡大し、原核生物(および恐らくはファージ)からの修復クラスのストランド−変位ポリメラーゼが一般的に有効であるという考えを支持することが判明した。
RPAの簡単な記載
RPAはDNA断片を増幅するための方法(プロセス)である:RPAは、オリゴヌクレオチドプライマーをデュプレックスDNAにおける相同配列と対合することができるレコンビナーゼとして知られた酵素を使用する。このように、DNA合成は試料DNAにおける規定された点に向けられる。2つの遺伝子−特異的プライマーを用い、もし標的配列が存在すれば、指数関数的な増幅反応が開始される。反応は迅速に進行し、その結果、丁度少数の標的コピーから、20ないし40分のような短い時間内に検出可能なレベルまでの特異的な増幅がもたらされる。
RPA反応は、系の組換えエレメントの双方の活性を支持するのに必要な蛋白質および他の因子、ならびに相補的に基質に対合したオリゴヌクレオチドの3’末端からのDNA合成を支持するもののブレンドを含有する。組換え系の鍵となる蛋白質成分は、原核生物、ウイルスまたは真核生物起源に由来し得るレコンビナーゼそれ自体である。しかしながら、加えて、一本鎖DNA結合蛋白質にとっては、反応において継続的な種々の交換トランス作用の間に核酸を安定化させるという要件がある。ストランド−変位特徴を持つポリメラーゼは、具体的に必要とされる。というのは、多くの基質が特徴が依然として部分的にデュプレックスであるからである。実施化が確実とされており、それは、核酸の痕跡量レベルから増幅することができる反応を正確とするには、密集剤および負荷蛋白質の使用を含むイン・ビトロ条件が必要とされる。バクテリオファージT4 UvsXレコンビナーゼ、バクテリオファージT4 UvsY負荷剤、バクテリオファージT4 gp32およびBacillus subtilisポリメラーゼI大断片を含む効果的な系は従前に報告されている。
鍵となる残基の分析、および新規なレコンビナーゼ蛋白質の作成
RPA反応を行うための最適な条件および蛋白質についてより多くを学ぶ努力において、T4バクテリオファージの類縁であるミオウイルス家バクテリオファージからRecA/UvsX−様蛋白質をクローン化し、生産するための努力がなされた。加えて、他の鍵となる蛋白質成分が同定され、これは各ファージからのRPA反応で必要であろう。例えば、gp32蛋白質およびUvsY蛋白質の同等体である。図1は、変種UvsX、UvsY、およびgp32蛋白質を作り出すのに用いたクローンの模式図を示す。オリゴヌクレオチド中の過剰な塩基の、それらのクローニングで用いるPCR増幅プライマーへの取込みを介して、ヘキサヒスチジンタグをNまたはC末端において作成した。鋳型はゲノムファージDNAであった。T6はドイツ国のDSMZストックセンターから得られ、他方、Rb69、Aeh1およびKVP40ファージはカナダ国におけるInstitute
Felix D’herelleから得た。
これらの蛋白質の生物学的活性の比較、およびこれらの蛋白質のアミノ酸配列における変動に対するいずれかの生化学的差の関係の分析が行われた。バクテリオファージUvsXまたはUvsY蛋白質のいずれも結晶化されなかった(あるいは公のデータベースで入手できない)が、UvsX蛋白質は、構造が知られた細菌RecA蛋白質の密接な類縁物である。RecAおよびUvsXは共通の先祖に由来すると仮定されている(Story
et al.,1993)。RecAおよびUvsX蛋白質は一次配列レベルにおいて弱い相同性を共に有するに過ぎないが、それらは、DNAに組立てられた場合に非常に同様な幾何学およびピッチを示し、潜在的サブユニット界面を含む相同性のブロックを共に有する。また、それらは、デュプレックスおよび一本鎖DNAに対するDNA親和性に変調に関与するようである酸性C−末端残基のような細菌RecA蛋白質に関連する他の特徴を共に有する(Benedict and Kowalczykowski,1988)。本明細書中に記載されるように、UvsX蛋白質は、鋳型として標準一次蛋白質を配列整列を用いて公知のRecA蛋白質配列にモデル化された。これは、構造位置に対する一次ペプチド配列変動の効果、および観察すべき、DNA結合、ATP結合および加水分解、サブユニット界面等に関与する領域の公知の生物学的機能を可能とした。
RecAおよびT4 UvsX
図2および3は、E.coli RecAを含むバクテリオファージT4 UvsX、および活性なE.coli RecAフィラメントのモデルの代表的な3−D構造の一次配列整列を示す。これらの2つの蛋白質は23%同一性を有し、一次配列レベルにおいて43%同様である。生物学的活性に関連し、かつ本明細書中における考察に関連するRecA分子の種々の鍵となる領域は整列および構造に示される。ヌクレオチドを結合し、それを加水分解するのに関与する領域は、DNA骨格に接触するのに関与する蛋白質の面に密接に関連することが見出される。(全てのATP−加水分解酵素において見出される)いわゆるWalker Aモチーフを規定する鍵となる残基は双方の蛋白質において見出されていることを注記する。Walker Aコンセンサスは、しばしば、A/G XXXXGK S/T(配列番号:43)として記載されており、ここに、Xはいずれかのアミノ酸である(Walker et al.,1982)。E.coli RecA蛋白質Walker Aモチーフはこのコンセンサスに完全にマッチし、他方、T4 UvsXは、リシンの直前に第二のグリシンを欠如している。T4以外のほとんどのファージUvsX蛋白質は、その代わりにフェニルアラニンを有する第二のグリシンを欠如している(図5参照)が、これはシアノファージSSM2およびSSM4の幾分より多様なレコンビナーゼには当てはまらない。これらの後者の蛋白質は第二のグリシンを保有し、全体として、Walker A配列に関してRecAに有利により密接に似ている。
後の考察のための注目する他のペプチド配列は、E.coli RecAにおけるDNA結合ループ1および2として記載された領域を含む。これらのループは高度に移動性であると記載されており、DNAへの直接的接触に関連し(Malkov and Camerini−Otero,1995)、また、ヌクレオチド加水分解プロセスに参画する(Voloshin et al.2000)。かくして、(いくつかの結晶構造においては秩序が乱れた)双方のDNA結合ループ、およびWalker Aモチーフは、全て、蛋白質の共通の面で相互に密接に近接して位置することに注意するのは有意義である。DNA結合についてのATP相互作用の依存性、およびDNA結合によって引き起こされたATP加水分解の汚染された刺激は、これらの種々のペプチド、ATPおよびDNAの間の直接的相互作用に関連する密接に相互依存性のプロセスであることは容易に想像できる。
注目する最後の領域は、E.coli RecAおよびT4 UvsX蛋白質の非常にC側末端である。双方の場合において、酸性ペプチド配列がある。これは、従前に、特に、二本鎖DNAに対するより強い結合の促進、およびマグネシウムイオンおよび種々の塩ならびにpH条件における依存性の低下を除去した場合に、E.coli RecAのDNA結合特性に影響することが示されている(Eggler et al.2003;Lusetti et al.2003)。注目すべことにはこの酸性配列の除去は、レコンビナーゼフィラメントの解体が起こる頻度を減少させることができる。従前の研究において、RecAまたはT4 UvsXいずれかからのこの酸性の配列の除去は、デュプレックス基質に対する望ましくなく高いDNA親和性に由来し得る一般に有害な効果を有するRPA反応における蛋白質の活性を改変したと報告されている(Piepenburg
et al.U.S.S.N.10/931,916)。
T4 vs T6 UvsX蛋白質
予測されない数のアミノ酸置換
多数のUvsX−様蛋白質分子は図5において整列されている。T6 UvsX蛋白質がクローン化され、配列決定され、C末端においてヒスチジンタグ配列を伴ってE.coliで発現された。T6 UvsX蛋白質の同様なドラフト配列が、Tulane大学で供されたデータベースで見出された。驚くべき発見は、かなり多数のアミノ酸残基が、T4およびT6 UvsX蛋白質の間で変種であることであった。2つの蛋白質の間の38の置換、およびN−末端における2アミノ酸挿入があった。異種性のこのかなりのレベルが驚くべきことであったという理由は、T2、T4、およびT6(いわゆるT−偶数ファージ)が相互のかなり近縁の類縁物と見なされることである。奇妙なことには、全ての置換されたアミノ酸残基は蛋白質の多かれ少なかれN−末端側半分に制限され、他方、C−末端側半分は完全に保存されていた。これは特に奇妙なように見えた。なぜならば、より発散したミオウイルス化メンバーからのUvsX類縁を研究した場合に、最後のC−末端の30ないし40残基の他の領域が最も保存されていなかったことが記載されていたからである。また、一次DNA配列は、ゆらぎ位置においてさえ少数の塩基変化を伴う蛋白質のC−末端側半分についてのコーディング配列においてかなりよく保存されており、他方、N−末端側半分が塩基変化の濃縮されたクラスターを示したことも記載されていた。事実、置換されたアミノ酸の多くは、観察されたアミノ酸置換を達成するのに2塩基変化を必要とした。後に記載するように、これらの置換のいくつかはレコンビナーゼの機能で重要な領域で起こり、主としてサイレント位置で起こる突然変位のモデルを支持するよりはむしろ、この場合、ポリペプチドに測定可能な生化学的変動を付与することにより、多くの置換が選択することができると提唱されている。
T4およびT6 UvsX蛋白質の相対的活性
DNA増幅アッセイにおいてT6 UvsX蛋白質の活性をテストし、蛍光プローブまたは小−溝結合色素、ならびに端部における産物はアガロースゲルでモニターしたいくつかの実験にてリアルタイムでモニターした。これらの実験において、T4からのgp32およびUvsY蛋白質を使用した。このアプローチは、T4およびT6からのgp32およびUvsYは非常に同様に見えたので採用した。T6 UvsYを配列決定し、唯2つの高度に保存的な置換が見出された(図4参照)。T6 gp32は唯4つの置換、および単一アミノ酸挿入を有した。T6 UvsX蛋白質は、事実、活性であって、効果的に働いて、この異種系において標的を増幅したと判断された。アガロースゲルでアッセイすると、T4およびT6 UvsX蛋白質で行った反応(90分の反応)の間で有意な合致する差はなかった(最終産物蓄積の小さな差はここで観察されたが、合致するものではなく、ピペッティングの不正確さを通じて起きたのであろう)(図8参照)。しかしながら、SYBR−緑色を用い、またはプローブ−ベースのアプローチにてリアルタイムでアッセイすると、反応キネティックスの測定可能な差が観察された。T6 UvsXで行った反応は、T4 UvsXで行ったものよりもシグナル蓄積の曲線が終始一貫してより浅かったが、一般には、シグナル閾値が交差した時は同様であった(SYBR−Greenまたはプローブを用いるT4およびT6 UvsX増幅キネティックスの比較を示す図9および10参照)。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、この効果の再現性は、これらの2つの蛋白質の間の現実の生化学的差によって支持されてきたように見える。しかしながら、ここでは、1つの関心はプローブ−ベースの系で行われた実験の解釈について生じるはずであることを注記する。プローブ−ベースの実験において強いシグナルを生じさせるためには、増幅プライマーの非対称比率を使用して、反応後期におけるプローブに相補的な過剰な一本鎖DNAを誘導した。変種レコンビナーゼが、プローブと相互作用するこの一本鎖DNAの能力に影響すると仮定すれば、それはこの系で発生するシグナルをマスクすることができ、より低い総じての蛍光を導くであろう。この効果は、より貧弱な全増幅によって引き起こされる同様な応答に対してメカニズム的に異なる起源を有し得る。しかしながら、いずれの場合においても、それは増幅成分の生化学的差を反映するであろう。
T4およびT6 UvsXの間の変動の源
Walker Aモチーフ
T4およびT6 UvsXの異なる一次アミノ酸配列の間の可能な関係、および観察された生化学的差を理解する努力において、RecAについて入手可能な既知の構造的および機能的情報を検討し、該情報をファージ蛋白質に移行させた。特に興味深いのは、DNA結合およびヌクレオチド加水分解に潜在的に関与する領域であった。先に議論したように、ssDNAおよびdsDNAについてのレコンビナーゼの親和性、およびATP加水分解速度に関連する加水速度は、RPA反応の挙動に臨界的に影響するようにみえる因子である。かくして、最も知られた(非−シアノファージ)UvsX−様蛋白質の間で高度に保存されているが、それがカノニカルWalker Aモチーフ(図5参照、ほとんどの蛋白質における配列GPSKHFKS(配列番号:44)およびRb69におけるAPSKHFKT(配列番号:45))の第二のグリシンを欠如し、かつT4 UvsX(GPSKSHFKS(配列番号:46)においてわずかに異なる点でわずかに奇妙であるいわゆるWalker Aモチーフ(または「P−ループ」)(通常はA/G XXXXGK S/T(配列番号:43)として記載されるコンセンサス)の配列、およびその周囲は特に興味深かった。このモチーフは、ATPの結合および加水分解、トリホスフェート骨格の配位に関与する残基の保有、および加水分解の刺激に関連する極性残基に関連付けられている。T4 UvsXは、(RecA蛋白質をより連想させるP−ループを有する。離れたシアノファージホモログを除いて全ての他のUvsX蛋白質においてはヒスチジンである位置64においてセリン残基を保有する。この新規な配置の結果、Walker
Aモチーフの中央において新しいリシン−セリンジペプチドが生じ、これは、モチーフのC−末端においてのみ通常見出される特徴、よって、再反復であると記載されていた。非常に重要なことには、Walker Aモチーフのリシンおよびセリン(またはスレオニン)残基は、ガンマホスフェートの配位(リシン)およびホスフェート−ホスフェート結合の加水分解(セリン/スレオニン)にとって鍵となるものである。以前の研究から、T4 UvsXは、該蛋白質がATPをAMPおよびピロホスフェートへ加水分解し、ならびにADPおよびホスフェートへ加水分解するという異常な特性、より伝統的な反応を示したことが知られていた(Formosa and Alberts,1986)。これは、この触媒可塑性が、おそらくは、ベータ−ホスフェートを配位し、より伝統的な反応と同等な方法でアルファ−ベータホスフェート−ホスフェート結合の加水分解を触媒することができるこの中枢的なリシン−セリンジペプチドによって付与されたか否かという疑問を生じた(RecA蛋白質構造の分析は、これらの中枢的残基が適切に位置しているであろうことを示唆した、図3参照)。もし真実であれば、非−T4 UvsX蛋白質はAMPおよびピロホスフェートを生じさせず、これはRPA反応におけるそれらの相対的挙動に対して有意な関連を有し得ると予測された。例えば、T4 UvsXにおいては、この活性は、該反応におけるレコンビナーゼのダイナミシティの程度に対する関連を持つ総じての全ATP加水分解活性を増加させるであろう。また、ATPおよびADPは異なるヌクレオ蛋白質ラセンピッチに関連すると報告されている(Ellouze et al.,1995)ので、AMPは、重要であり得る第三のピッチを促進するであろう。かくして、この変種残基は、T4およびT6 UvsXの間で観察された変動のいくつかまたは全てを裏付けるであろう。
ヒスチジン残基が、T4で見出された同等な中枢的Walker Aモチーフ位置においてセリンで置き換えられた突然変異体T6蛋白質が作成された。この結果、元のT6蛋白質の配列に対して改良されたように見える蛋白質がもたらされた。リアルタイムで産物の蓄積を検知することに関連する種々の実験において、傾きはより急峻であって、総じた最大シグナルは突然変異体T6蛋白質についてより高かった(図12)。この突然変異は、特に、反応の後期においてRPA反応の挙動に直接的に利益を与えると結論された。これは、いくつかの源のうち1以上に由来し得る;(i)レコンビナーゼは効率低くデュプレックスDNAに結合し、かくして、産物によるレコンビナーゼのアウト−滴定を余り蒙らない、(ii)レコンビナーゼはデュプレックスDNAについてより効率的にATPを加水分解でき、かくして、デュプレックスDNAからより効率的にリサイクルし、(iii)ATPからAMPおよびPPiを生じる加水分解は、反応の後期に高い動的活性を維持するのに有用な新しいヌクレオ蛋白質ピッチと関連付けることができる。他の説明は、勿論、可能である。
Walker Aモチーフに対してC末端側の残基
T6 UvsXの活性の有意な改良にもかかわらず、一旦ヒスチジン66がセリンに突然変異したならば、当該蛋白質は、依然として、T4 UvsXに対する挙動がわずかに異なったままのように見えた。かくして、他のアミノ酸を調べた。先に述べたように、T6およびT4の間の38アミノ酸置換は蛋白質のN−末端側半分においてクラスターをなしている。置換は、影響力があるであろういくつかの箇所、すなわち、Walker Aモチーフに対して直接C−末端側にある残基、ならびに推定モバイルDNA−結合ループにおけるものに見出された(後記をより参照されたし)。図5は、T6がWalker Aモチーフの直接的後に2つのアミノ酸、すなわち、メチオニン71およびセリン72を有し、これは、これらの残基がフェニルアラニンおよびグリシンであるT4とは異なることを示す。図3、パネルBにおいて、T4残基フェニルアラニン(F69)およびグリシン(G70)の推定位置が示される(E.coli RecAにおけるようにT4 UvsXにおいて同様なポジショニングを採る)。それらはWalker Aモチーフ(または「P」ループの他の重要な残基に非常に近く、また、その開始および終わりが示された推定モバイルDNA結合ループ2に対しても非常に近いことに注意されたし。
これらの変種残基はT6 UvsXにおいて突然変異されて、蛋白質が作成されたクローンT6 UvsX M71F/S72Gが生じた。この蛋白質をリアルタイムアッセイでテストし、全体として不活性であることが判明した(図13)。これらの残基の一方または双方は単離において非−置換可能であり、それらは、T6 UvsXにおいてやはり改変されて、正しい知検および/または活性を保証し、それを可能とする他の置換された残基との生化学的相互作用を有するに違いないと結論された。これらの残基の一方または双方がいくつかの他のペプチド領域との測定可能な相互作用を付与するというさらなる証拠は、Rb69キメラを分析する後に示されるデータによって示唆される。まとめると、少なくとも単離におけるこれらの2つの残基(M71およびS72)はT4およびT6の間のサイレントの置換ではなく、それらは、単離においてT4およびT6 UvsXの間のわずかな差を付与するのを担っているようには見えない。
DNA結合ループ1
T4およびT6ペプチド配列の比較は、E.coli RecAのDNA結合ループ1の同等体を含むようである配列は、一般には、T4およびT6 UvsXの間で非常に高度に保存されていることを示唆する(図5)。それにもかかわらず、推定領域の端部における2つの残基は変種、すなわち、T4においてはバリンであるT6のセリン164、およびT4においてはセリンであるT6のアラニン166であった。これらの残基は、T6においては一緒に共に突然変異して、クローンT6 UvsX S164V/A166Sを生じた。この蛋白質を発現させ、精製し、リアルタイムアッセイにおいてそれをテストした。この蛋白質で行った最初の実験を図13に示し、そこでは、それはよく実行され、野生型T6よりもわずかに良好であった。後の実験において、その挙動は野生型T6からほとんど区別できないように見えたことが記載されている。その結果、実験の誤差の境界内で、これらの置換はT4およびT6ポリペプチドの間でサイレントであり、これらの実験で取り込まれたアッセイ可能な特徴に有意には寄与していないと示唆される。
DNA結合ループ2
E.coli RecAにおける最も興味深いペプチド配列の1つは、いわゆるモバイルDNA結合ループ2である。このペプチドは、全蛋白質からの完全な単離においてさえ、DNA結合活性を保有することが示されている(Voloshin et al.,1996)。また、ループは、レコンビナーゼがDNAに結合した場合のATP加水分解を刺激するのに種々の関連付けられており、ATP加水分解において触媒的役割を有するようにさえ関連付けられている(Voloshin et al.,2000)。同等な配列はUvsX機能に対してかなり重要であろうと予測された。しかしながら、このペプチドはRecAペプチドに関連しないことに注意されたし。
図5に示すように、T6およびT4は推定DNA結合ループ2領域において3つの置換を有する。この領域における全ての公知のUvsX−様蛋白質のさらなる整列を以下に示す。配列が同様性によって粗くグループ化されている。RecAループの整列もまたこの領域において示されている。
DNA結合ループ2配列
残基イソロイシン199およびイソロイシン202は(T4 UvsXにおいては、各々、チロシンおよびグルタミンである)T6において異なるのみならず、他のUvsX類縁からのループの多くにおいてT4−様であったと記載されている。この後者の観察は、それらは自明に置換されていないであろうことを示唆した。さらに、RecAループ、イソロイシン199で生じた最良な可能な整列は、活性で必要であることが示されたRecA残基に対応した。I199またはI202いずれかをT4同等体に改変する結果を調べた。突然変異体クローンを作製し、蛋白質を発現させた。それらの同等体に対するI199またはI202いずれかの置換は蛋白質を完全に不活化させた。この結果は驚くべきことのようなものであったが、これらの置換はサイレントではなく、有意な生物学的結果を有することを再度強調する。T6 UvsXにおけるこれらの置換の各々は、他の箇所の少なくとも1つの他の補償する置換によってマッチされると推定された。さらに、T4およびT6と同様なループ長さを持つ全てのUvsX分子(後記参照)は、T6群およびファージ133におけるものとは離れたこれらの位置においてT4のようにチロシンおよびグルタミンを保有し、これらの場合において、双方の残基はイソロイシン(T6群)またはロイシン(133)いずれかに改変される。これらの特定の残基は相互に対する鍵となる相互作用を有し、ユニセンにおいて置換されていなければならないと仮定された。この仮定を検定するために、これらの残基の双方はT4同等体に変化された二重突然変異体T6 UvsX分子が作製された。該二重突然変異体蛋白質もまた増幅アッセイにおける活性を示さず、これは、T4およびT6の間で置換された他の変種残基は置換適合性の問題を裏付けることを示唆する。これは、T4およびT6 UvsX蛋白質の間の多数の置換が非−サイレント位置において起こり、蛋白質の生化学に対して現実の影響を有するという事実を強調する。
Rb69、Aeh1およびKVP40蛋白質を使用する増幅系
バクテリオファージRb69、Aeh1およびKVP40のUvsX、UvsYおよびGp32蛋白質をコードするクローンを、図1に示すように生じさせた。これらの3つの蛋白質の整列を図5、6および7に示し、他の公知のホモログを含む。NCBI Genbankデータベースにおける可能な誤差は、Rb69 UvsY配列に関して記載されている。該データベースに従うと、Rb69 UvsYは本明細書中で示された配列に対してN−末端延長を有するであろうが、しかしながら、このより長いポリペプチドを発現させる試みは不成功であって、該配列の再調査に導いた。全ての他の同定可能なUvsY蛋白質はほとんど同一の地点において始まり、および該データベースのエントリーは他のものの第一のメチオニンに対して同等な位置におけるメチオニンを含んだ。自動注釈ソフトウエアを誤っていたと推定された。注釈におけるありそうな誤差もまた、本明細書中における整列で示された配列ト比較してN末端において人工的に切形されたUvsYおよびGp32に対するシアノファージエントリーのいくつかについて同定されている。
図1に示された蛋白質の全てはKVP40 gp32を例外として発現され、かつ頑強に精製された。この蛋白質の比較的限定された量のみが、クローンの存在における明白な誤りに関わらず回復された。生化学的な異常性の可能な源を憶測した。図7で示されたgp32分子の整列の実験は、KVP40が、T4、T6、Rb69、およびAeh1 gp32において亜鉛原子を配位するに関連付けられた残基に対応する一次配列の部分におけるT4 gp32分子に対して奇妙であることを明らかにする。より具体的には、4つの残基はT4 gp32における亜鉛の結合に関与すると示されており、これらは、従前に報告されている(Giedroc et al.,1987)ヒスチジン64、システイン77、システイン87、およびシステイン90(Qiu and Giedroc D.P.,1994)あるいはヒスチジン81、システイン77、システイン87、およびシステイン90のいずれかである。T4、T6、Rb69、およびAeh1においては、gp32のこれらの4つの残基は、一般にはヒスチジン64およびシステイン90の間の同一の間隔および残基の非常に高い保存でもって高度に保存されている。
亜鉛配位はT4 gp32の協調的挙動に対して臨界的であることが示されており(Nadler et al.,1990)、当該アポプロテインは効果的なRPA反応を支持しない(Piepenburg et al.参照)。しかしながら、KVP40 gp32は、この領域のC−末端側半分における推定配位残基の間隔に対する有意な破壊を有し、この領域でのT4、T6、RB69、およびAeh1における他の残基に対してほとんどまたは全く相同性を有しない。この破壊はT4、T6、Rb69等に対するKVP40 gp32の金属−結合特性を改変したことが提唱されている。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、KVP40はもはや亜鉛に結合せず、あるいはその代わり、コバルトのようなもう1つの金属原子を用いる可能性がある。KVP40、広いスペクトルのビブリオファージは、痕跡量金属条件がコリファージが棲むものに異なり得る海洋環境から単離された。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、おそらく、改変された金属依存性および折畳み特徴はE.coliにおける発現の効率に影響してきた。さらに、シアノファージSSM2およびSSM4推定蛋白質配列は保存された配位システイン残基のいずれかの非存在下で目立つことが記載されている。これらのgp32分子は亜鉛、または同様な金属イオンを含有しないと推定された。これはかなりの興味があるものであり、というのは、アポプロテインの共精製によって、あるいは貧弱な貯蔵条件下での蛋白質からの亜鉛の喪失によって引き起こされたようである、gp32の活性における場合によっての問題に遭遇したのでかなり興味深いものである。さらに、gp32が熱変性した場合に亜鉛原子を失うので、それは、結果的には、PCRまたは熱変性工程を必要とする他の技術において限定的使用のものであった。もしSSM2およびSSM4 gp32で蛋白質が亜鉛原子なくして同様な配位挙動を有する道を切り開き、および依然としてRPAに必要とされる全ての他の特性を有するならば、それらはRPAまたは他の技術のための非常に有用な剤であり得る。
Rb69蛋白質でのRPA
RPA反応はRb69 UvsX、Rb69 UvsY、およびRb69 gp32で構成された。最適成分濃度に対する限定された調査は、反応挙動は顕著にはT4またはT6 UvsX−ベースの系から区別されることを確立した。より多量のUvsYが最適な活性に必要であることが見出された。図14は、SYBR Greenで行われた増幅を示し、図24は蛍光プローブ系でモニターされた反応を示す。反応はよく働いたが、T4またはT6ベースの反応よりもわずかに遅いキネティックスを有する。Rb69増幅系の挙動における異常が記載されている。例えば、増幅系は奇妙にも双方のRb69 gp32の過剰滴定に対して非常に感受性であり(図23参照)、Rb69 UvsXの過剰滴定に対して感受性であった(図26および27参照)。双方のこれらの感受性は区別され、T4(およびT6)増幅系でなされた観察とは異なる。後に記載されるこれらの差の基礎となる源に取り込むためにかなりの努力がなされた。しかしながら、これらの変動にもかかわらず、高度に有効なRPA反応はRb69成分で構成することができ、再度、RPA系の一般性、および広い範囲のレコンビナーゼ剤および関連因子を用いて可能性が再度確認される。
Aeh1蛋白質でのRPA
RPA反応はAeh1 UvsX、Aeh1 UvsY、およびAeh1 gp32で構成された(図15、16、および17参照)。Rb69系に関しては、Aeh1系は明らかに機能的であったが、T4およびT6ベースの系に対する差を示した。かなりの量のポリエチレングリコールに対する依存性があるように見え、再度、キネティックスはT4およびT6で観察されたよりも幾分遅い傾向があった。
双方のゲル−ベースのアッセイ(図19)およびリアルタイムアッセイ(図18)を用いてなされた1つの観察は、恐らくは、Aeh1成分を用いる場合ほどは頑強でないにもかかわらず、増幅系が、Aeh1 UvsXおよびAeh1 UvsYと組合せてRb69 gp32を用いる増幅系を構成できたことである。この興味の結果は、用いたgp32種はUvsXおよびUvsY種にマッチさせる絶対的必要性はないであろう事を示唆する。
KVP40蛋白質でのRPA
KVP40 gp32は成長の条件下でE.coliにおいて頑強に発現されず、誘導を用いた。その結果、KVP40成分を用いる増幅系が確立できなかった。それにもかかわらず、KVP40 UvsXおよびUvsYがRPA反応を確立するのに必要な基本的生化学活性を保有することができることがいくつかの理由で考えられる。1つの実験において、KVP40 UvsXおよびUvsYをRb69からのgp32、またはAeh1からのgp32のいずれかと組み合わせた。これらの条件下で、DNA合成の証拠があり、他方、予測されたサイズの産物は生じず、見かけ上増幅されたプライマー人工物の存在は、組換え−媒介ポリメラーゼプライミングが遅れつつあったという考えに対する裏付けに役立つ。これはこの異種系の部分的機能性を示唆し、KVP40もまた、原理的には、有用なRPA系に適合するであろうと提案される。
Rb69キメラ
T4およびT6のものよりはむしろRb69成分を用いるRPA反応における最も顕著な差のいくつかの源を個々で取り込む。図14はRb69系の最初の異常の1つを明らかとし、すなわち、そのRb69はT4またはT6系よりもかなりのUvsYを必要とするように見える。第二の異常は、Rb69系が、図23において明らかにされるように、使用されるgp32の濃度に対して非常に感受性であるということである。そのような高度の感受性はT4系については記載されていなかった。第三の異常は、図26および27において明らかにされるように、Rb69 RPA系が使用されるUvsXの濃度に対して非常に感受性であることであり、特に、もし過剰の蛋白質が使用されるならば悩むところである。異種混合物における蛋白質を他の蛋白質と比較すると、他の特異性がこれらに加えて発見された。例えば、Rb69 UvsXはT4 gp32を全く許容できず、他方、Rb69 gp32はT4 UvsXおよびT4 UvsYで非常に効率的に働いたことが見出された(図28、29、および32)。同様に、Rb69 UvsYは異種T4成分での増幅を容易に裏付ける(図37)が、Rb69 UvsXを使用した場合、用いたUvsYのタイプは実験の結果に対して有意なインパクトを有したことが判明した(図38)。Rb69 UvsYは最高の刺激を与え、他方、T4 UvsYまたはT4およびRb6 UvsYの間のハイブリッドは顕著に効果が低かったことが判明した。
前記データを合理化する可能な説明をここに提示する。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、Rb69 UvsXが、主として、Rb69増幅系の変種挙動を担うことが示唆される。おそらくは、Rb69 UvsXは、少なくとも我々が収容する塩、pHおよび他の条件下で、T4 UvsXと比較して相対的に貧弱なDNA結合挙動を有する。結果として、おそらくは、Rb69 UvsXが系に存在するgp32の過剰量に対してコピーにおける相対的困難性を有し、貧弱なDNA−結合競合体であり、それ自体、それは高度に効果的なUvsY挙動により依存しており、過剰なgp32によって阻害され、かつ恐らくはRb69およびT4で蛋白質の間でかすかに異なる使用されるgp32およびUvsY種の豊富性に対して感受性である(かくして、Rb69 UvsXが影響されつつ使用されるgp32またはUvsY種によってT4 UvsXがなぜ大いに影響されないかを説明する)。
この理論は、Rb69成分を用いるRPA反応についてなされた観察のほとんどを説明できよう。しかしながら、これによって回答されないまま残った1つの態様は、それを一見したところでは、反応キネティクスを妨げるよりはむしろ助けると予測される、Rb69 UvsXの過剰滴定に対してなぜ反応が感受性であるべきかの疑問である。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、恐らくは、影響を及ぼすであろう第二の因子は、Rb69 UvsXは相互に対する相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを裏付けることができないことである。RecAおよびUvsXは相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを裏付け、ストランド変位DNA合成としての効果的なRPA反応に必須の特性は、侵入ベースのプライミングではなく、ハイブリダイゼーションを介するデュプレックスDNAへの変換を必要とする量のssDNAを生じさせるに違いないと報告されている。もし真実であれば、状況は以下のように説明されるであろう:Rb69 UvsXはT4/T6 UvsXと比較してssDNAに対して、またはssDNAについての滞留時間に対する低い親和性を有し、これは、それは過剰なgp32と貧弱に競合(よって、gp32過剰滴定に対する感受性)が、それはオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを裏付けず、かくして、非常に高いオリゴヌクレオチド−レコンビナーゼ負荷の刺激もまた、損なわれた増幅反応に導く。なぜならば、少数のプライマーしかハイブリダイゼーションで利用可能でないからである。結果的に、中心的理由は除去されなければならず、そこでは、大まか半分のプライマーがUvsXで被覆され、半分はgp32で被覆される。最大最適Rb69 UvsX濃度は〜100ng/μlであることが判明し、これは反応において全てのプライマーを飽和するのに必要な大まか半分であるということは、一致がなくてもよい。
前記「理論」にかかわらず、他の合理的な説明が存在し、このモデルに幾分合致しない他のデータが存在する。例えば、Rb69成分−媒介増幅の分析(ここでは示さず)は、典型的には、T4−ベースの系で見出され、典型的には生じるよりは大きな量の産物DNAを明らかとする。総じてのそのような反応は、Rb69 UvsXが弱いDNA−結合挙動を有するという解釈とは幾分合致せずに極端に高いレコンビナーゼ活性の印象を与えた。これは、Rb69 UvsXがT4またはT6 UvsXに対して改変されたssDNA/dsDNA分配を示すことを示唆し、恐らくは、これはデュプレックスDNA形成によるより少ない阻害を示す。
この時点においては憶測である、RB69およびT4/T6 UvsX分子の挙動の差についての根本原理がいずれであるにせよ、この全てにおいて主たる疑いである1つのペプチド領域は推定移動性DNA結合ループ2である。UvsX蛋白質の整列を示す図5は、どのようにして非常に異常なRb69ループ2配列をその最も近い類似の隣接体と比較するかを明らかにする。T4、T6、Aeh1、KVP40、ファージ133(および密接なRb69類縁であるJS98は別として全てのUvsX分子)、およびシクロファージ蛋白質とは異なり、Rb69ループ2は異なる数のアミノ酸を有し、他のものと比較して完全に解読されたように見える。これは最も予期せぬことであり、RecAの研究におけるこのループに払われた注意、およびT4およびT6ループで見出されたかすかな改変に関して前記した結果を仮定すると、この変種ループ配列は測定可能な差の多くを裏付けるであろうと予測された。
他の推定UvsX−様ループ2配列およびWalker Aアミノ酸を使用し、これを用いて、Rb69バージョンを置換えた。加えて、蛋白質の酸性C−末端に対する変化を調べた。図20および21は、突然変異体蛋白質を発現させるために生じさせたクローンの模式図を示す。これらの実験は、調査の時間的プローブに従い、これは、ほとんどのデータが、Rb69蛋白質骨格で生じたクローンの改変の順次の肯定によって生じたことを意味する。
最初に、T6についてなされたように、Walker Aモチーフ中のヒスチジンはセリンに代えて置換された。図22および24は、Rb69 UvsX野生型をRb69 H64Sと比較するためになされた実験を示す。図22および24は、Rb69 H64Sは野生型同等体よりも良好に実行されることを示す。いずれかのSYBR Greenを用い、またはプローブ−ベースのアプローチを用いて試料を分析した。この知見T6でなされた知見をよく反映しており、ヒスチジン残基の改変はRPAで用いられるUvsX蛋白質に対して普遍的に有益であり得ることを示唆する。第二に、蛋白質の非常にC側末端の性質を改変する用途を調べた。Rb69はT6およびT4 UvsXに対して非常にC側末端において非常にわずかにより短かったと記載された(図5参照)。これらの蛋白質の調査は、C末端で見出された酸性残基が、規則(疎水性/構造/−酸性)−(酸性)に従って非常な蛋白質末端において密に緩く配置されたという結論に導く。このモデルにしたがって、Rb69がT4およびT6に対するこの反復の1つの単位を欠如していた。この酸性溶液の長さはRPA効率に影響するであろうと仮定された。この仮定を検定するために、アミノ酸「LSD」のトリプレットを挿入する1つの場合において、およびトリプレット「LDE」のタンデム反復および、かくして、6つの新しい残基を挿入する2つの場合において(図20参照)、わずかに延長されたC−末端Rb69配列を持つ2つの新規なクローンを生じさせた。これらの改変を含む蛋白質を、プローブ−ベースの検出アプローチをアッセイにおいてテストした。(恐らくは、部分的には、異なる開始コピー数を用いる故に)あらゆる実験が完全に合致する結果を与えないが、一般に、明瞭な傾向が認められた。それは、通常、累積曲線の傾きが野生型Rb69、「LSD」突然変異体、および「2xLDE」突然変異体との間でわずかに異なる場合であった。該突然変異体は、一般には、検出の非常にわずかにより遅い開始を示したが、次いで、わずかにより鋭いシグナル蓄積傾き、およびわずかにより高い最終合計蛍光を有した(図33および34)。この効果の程度はわずかに変動させた条件下で行った異なる実験の間で幾分変動したが、それにもかかわらず、これらの改変が有意な生物学的効果を有すると結論するのは十分に明らかであった。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、これらの改変はある種の基質、特に恐らくはデュプレックスDNAについてのレコンビナーゼの親和性/安定性をわずかに低下させ得、それ自体、産物の蓄積によって沈殿する後期反応遅延を低下させるという特別な強調を伴って反応キネティクスを改変する。
次の工程は、かなりの変動の根拠を与えることが疑われるDNA結合ループ2配列を調査することであった。Rb69ループ2配列NHT AMEIGGLYPKE IMG GG(配列番号:68)を、Rb69で見出された天然グリシンとして残る最後の変種スレオニン(ここでは太文字とし、かつ下線を施した)を除いて、T6ループNHT IETIEMFSKT VMT GG(配列番号:69)に代えて置換えた。これを行ったのは、T4ループがRb69配列に対して同様なグリシンを有したからであり、この残基は重要でないまたはフレキシブルなループ領域においては厳格でない)と推定して、より複雑な突然変異誘発プロトコルを回避するためにそれを残した。機能的Rb69 H64S/2xLDE蛋白質の骨格で生じていたこの新しい蛋白質をテストした。この蛋白質はRb69 H64S/T6−1/2xLDEと命名され、そこでは、T6−1とは、C−末端グリシンの対に先行する最後の天然スレオニンを欠如するT6 DNA−結合ループ2という(図20および脚注参照)。この蛋白質はRPAアッセイにおいて活性を有しないことが判明した(図39)。活性のこの欠如はDNA−結合ループおよび近くのWalkerモチーフ中の残基の間の不適合性に由来するであろうと想定された。Rb69はいくつかの点で異常なWalkerモチーフを有する。まず、他の非−シアノファージ蛋白質とは対称的に、該モチーフの主な推定触媒残基としてそれはセリンを有さないが、むしろスレオニンを有する。このスレオニンに続いてもう1つの非典型的な残基ロイシンがあり、これもまた他のUvsX蛋白質では見出されない。これに加えて、Walker Aコンセンサスの始まりにおいて見出されたグリシンは、(近いないし同一のJS98蛋白質とは別にいずれの他のUvsX分子またはE.coli RecAさえとも異なり、Rb69 UvsXにおけるアラニンである。
Rb69 UvsXおよび他のUvsX分子の間の奇妙な差に加えて、T6 UvsXはこの領域においてやはり奇妙な残基を有する。特に、メチオニン71は、T6、またはファージ133に近いないし同一であるものを除いてほとんどの他のUvsX蛋白質において見出されていない(図5参照)。ファージ133もまた、おそらくは、これらの種々の残基の間の直接的接触の証拠を表した(T6におけるイソロイシンに対して置換された位置においてロイシンを有する)DNA−結合ループ2領域で変化を有したと認められた。全てにおいて、そのC−末端領域におけるRb69 Walkerモチーフは2残基だけT4から異なり(Rb69 KTLFGL(配列番号:70)をT4 KSNFGL(配列番号:71)と比較せよ)、および4残基だけT6から異なる(Rb69 KTLFGL(配列番号:72)をKSNMSL(配列番号:73)と比較せよ)。クローンRb69 H64S/2xLDE/T6−1の骨格との関係におけるWalker領域の変化が生じており、それをT4(KSNFGL(配列番号:74))のように、T6(KSNMSL(配列番号:75))のようにし、あるいはユニークにはT6(KTLMSL(配列番号:76))に特徴的な変化がなされている。これらのクローンのいくつかを発現する試みは、明らかにエラーを含まない多数の配列決定されたクローンの使用にもかかわらず失敗した。事実、T4またはT6配列(KSNFGL(配列番号:77)またはKSNMSL(配列番号:78))と同等なようにされたクローンは適切には発現され、精製されないように見えた。「SN」モチーフは、T6−1 DNAループが挿入されて、Rb69 DNA−結合ループ2を置き換える場合に許容されないと結論された。これは最も困惑するものであった。なぜならば、後に記載するように、もしT4 DNA−結合ループ2を用いてRb69を置換えたならば、この変化はよく許容されるからである。1つの発現されたクローン(KTLMSL)は、テストした場合にアッセイにおいて活性を有しないように見えた。
完全なT6 DNA−結合ループ2配列は活性を示す。
キメラRb69−T6構築体におけるT6 DNA−結合ループ2(NHT IETIEMFSKT VMT GG(配列番号:79))の最後の変種残基が回復されたクローンを生じさせた。Rb69 H64S/2xLDE/T6−1/KSNMSL(配列番号:80)およびRb69 H64S/2xLDE/T6−1/wtRb69 Walkerに対応するクローンを生じさせたが、修復されたスレオニンを伴うものであり、かくして、Rb69 H64S/2xLDE/T6/KSNMSL(配列番号:81)およびRb69 H64S/2xLDE/T6/wtRb69 Walkerと命名された。再度、改変されたWalkerモチーフを持つクローンは発現され、精製されないであろう。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、これは、これらのWalker A残基およびT6 DNA−結合ループ2に存在する変種イソロイシンの間の密接な生化学的関係を暗に示す。しかしながら、驚くべき発見は、修復されたT6 DNA−結合ループのみを保有し、天然Rb69 Walker Aモチーフに対する改変を保有しない最後のクローンは発現され、機能的に活性であることが判明したということであった(図46)。かくして、この最後の変種スレオニン残基は、少なくともRb69骨格に移動した場合に、T6 DNA−結合ループの機能にとって絶対的に臨界的であるように見える。機能的キメラ蛋白質を生じさせることができ、T4およびT6 DNA−結合ループ2の配列の間の3つの全ては測定可能な機能的関連を有すると結論された。
T4 DNA−結合ループ2配列を含有するRbキメラは活性である。
T4 UvsXのDNA−結合ループ2配列を含有するさらなるキメラ分子を生じさせた。Rb69/T6キメラとは対照的に、これらの蛋白質は、Walkerモチーフが天然状態で改変されないままであるか、あるいはT4−様(KSNFGL(配列番号:82))に変化されたか否かとはかかわらず活性であったが、そのようなWalker Aモチーフは、T6 DNA−結合ループを使用した場合に許容された。再度、これは「SN」モチーフ、およびDNA−結合ループ2の第一の少数の残基の間の直接的接触を反映できないことを強調する。濃縮されたストックからより容易に沈殿する天然Rb69 Walkerモチーフで作成された蛋白質のいくらかの傾向が観察され、これは異種配列の間のわずかな非適合性を示すことができるが、これはほんのわずかな効果であった。
Rb69キメラについての改良されたレコンビナーゼ挙動
前記からDNA−結合ループ2配列は、異なる起源からのUvsX分子の間で交換して、いくつかの場合に機動的な蛋白質を作り出すことができると結論することができる。生じたRb69キメラ分子をテストして、それらは天然Rb69によって呈される特徴に対して異なる特徴を呈するか否かを決定した。まず、蛋白質をアッセイして、gp32蛋白質の過剰滴定に対してより抵抗性であるか否かを決定した。図43は、T4 DNA−結合ループを含有する突然変異体を用いる場合に測定されるシグナル開始の遅延が、天然Rb69の場合よりも多い量のgp32を用いた場合に減少することを示す。作成された設計は、T4およびT6 UvsX蛋白質で見出されたより許容される活性のいくらかをRb69キメラに対して寄与させたと結論された。次に、蛋白質をアッセイして、T4 gp32を使用して、Rb69 gp32を置き換えることができるか否かを決定し、これは、天然Rb69蛋白質では可能でなかったものである。事実、増幅反応が、今日、T4
DNA−結合ループを含有するRb69蛋白質を用いて行うことができるのが判明した(図44参照)。
かくして、鍵となる残基を置換することによって新規な生化学活性を持つUvsX蛋白質を作成するのが可能であり、これらのいくつかは、RPAアッセイにおいてそれらの天然親と比較して相対的に改良される。
他のDNA−結合ループ2配列
この分析をさらにその論理的結論まで拡大するために、利用できたDNA−結合ループ2配列の全ての種々のクラスを含有するRb69蛋白質を生じさせた。このプロセスを容易とするために、一方側にユニークなBal I制限酵素部位、および他方側にKpnI制限部位を有する、Rb69クローンに対する「カセット」構造を作成した。合成オリゴヌクレオチドを、これらの酵素で切断したRb69 UvsXクローンにクローン化した。該クローンは図21に模式的に示されるように作成した。これらの蛋白質のいくつかを発現させようと試みる場合に、問題に遭遇した。RecA−置換ループについての精製された蛋白質は回収することができず、分析の間にKVP40−置換ループは凝集し、その後に効果的に再度可溶化させることはできなかった。残りの蛋白質のうち、Aeh1、Rb16/Aeh1およびシアノファージ−置換ループをよく発現させたが、アッセイにおいて活性を有しなかった。ファージ133−置換ループは、弱いが、アッセイにおいて活性を保有した。
いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、これらのクローンは、恐らくは、T4およびT6 DNA−結合ループになされた実験に対してわずかに不利であった。なぜならば、この場合には、それらは、H64S、およびより酸性のC−末端よりはむしろ野生型Rb69骨格に作られたからである。Walker Aモチーフの他の部分の作成はなされなかった。それにもかかわらず、結果は、この領域において改変された配列のありそうな許容性に対して有用な診断剤を提供する。まず、T4およびT6のように、ファージ133 DNA−結合ループはいくらかの活性をハイブリッド蛋白質に付与することができたことを注記する。ある程度、ほとんどの配列決定されたファージUvsX分子で見出された短い「標準」ループ長さに対して一般的な許容性があると結論することができる。第二に、Aeh1は失敗したが、この蛋白質は、ループを開始し、そうでなければ、非常に高度に保存されているアスパラギンの非常に予測されない突然変異を有すると認められた。他の置換は、この変化を許容するために必要であろうと予測される。最後に、シアノファージまたはRecAループは許容されるように見えなかった。RecAループの場合には、これは予測されない。というのは、このループはRecAにおいてより長いループ長さを保存さえしないからである。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、この蛋白質が正しく折畳まれるに対して問題があるようであり、あるいはそれは凝集する傾向があろう。シアノファージループは親Rb69ループと同一の長さであるが、該配列はほとんど完全に異なる。シアノファージ蛋白質はRb69から非常にそれており、かつかなり異なるWalker Aモチーフを有するので、単離においてこのループを変化させることが、機能的分子を生じさせるのに十分ではないであろう。
T6 UvsXおよび誘導体はUvsY−非依存性活性を呈する。
実験を行って、RPAで用いるオリゴヌクレオチドにおける修飾されたDNA骨格の効果を調べて、特に、それらが、UvsYに対する必要性に影響するか否かを評価した。この仕事のコースにおいて、ヒスチジン66からセリンへの突然変異に関してT6 UvsXで行った実験において、UvsYはDNAの増幅で必須でなかったことが観察された(T6 H66S)。この予測されない現象をさらに調べ、以下に記載されたデータはこの特性が、恐らくは完全ではないが、反応におけるレコンビナーゼ種のT6起源に対して帰属できることを確認した。
図52は、種々のプライマーを用いて、(PCRによって生じた)鋳型からのDNA断片の増幅にUvsYが必要か否かを評価するために行った実験を示す。実験は、本実験で用いた4つのプライマー組の3つについて(全ての組合せは鋳型において可変距離離れた対向するプライマーと対合した1つの共通プライマーを共に有した)、産物は、予測される分子量のUvsYの非存在下で生じたことを明瞭に示した。追跡実験を図53に示し、そこでは、同一の鋳型が使用されたが、いくつかの可変プライマー組合せを用いた(脚注参照)。この場合において、5つの組合せのうち4つはUvsYの存在または非存在にかかわらず成功した。産物強度の差が観察され、ある場合には、産物はUvsYの非存在下でより豊富であった。結果は、UvsYが、このレコンビナーゼ(T6 H66S)、SSB(Rb69 gp32)、PEG 35,000およびポリメラーゼ(Sau Pol)で行った少なくともいくつかの増幅反応において部分的に必要不可欠であることを示す。
複雑なゲノムDNAとして供された鋳型まで調査を拡大した。特に関心があるのが、MS2鋳型で観察された異常な効果が生起するかもしれないことであった。なぜならば、この鋳型は最初PCRによって生じ、変性したまたは一本鎖鋳型を含有するだろうからである。これらの状況は、増幅の初期サイクルの間にトコロジー的歪んだ構造を形成するそれらの傾向のため潜在的に困難である真に埋め込まれた配列上の開始RPAに置かれたいくつかの「制限」を除去することができた。図54に示された実験は、徐々により長くなる断片を生じるプライマー(1つの共通プライマー)の対を用いるヒトゲノムDNAからのDNAの増幅を示す。この場合、結果は、MS2鋳型で観察されたよりはむしろより変動した。しかしながら、UvsYを省略した場合でさえ(全ての反応はUvsYの存在下で機能的であった)、組合せの少なくとも2つは予測される長さであると考えられた断片を生じた。この仕事は、図55に示された実験において延長された。再度、いくつかの場合において、予測されるサイズのDNA産物は、UvsYが省略された場合にさえ対合した反応において生じ、再度、プライマー対および/または予測された産物のサイズに依存して、結果に対する有意な変動があった。反応2および4は双方の場合において成功したと考えられた。
実験のもう1つの組を行って、T6誘導体レコンビナーゼ(および恐らくは本明細書中で用いる関連因子)に帰属できると考えられる、この顕著かつ従前に認識されていなかった活性は、ポリエチレングリコールについての要件の差まで拡大された。図56は、UvsYについての必要性に対する部分的抵抗性にも拘わらず、PEGの省略の結果、有意なDNA合成の非存在がもたらされたことを示す。PEGは、低い標的濃度の試料からの有用なDNA増幅を達成するのに依然として必要とされたと結論された。
次に評価したのは、使用されるgp32のタイプがこれらの増幅反応のUvsY−非依存的性質に影響したか否かであった。図57は、T4 gp32をRb69 gp32の代わりに使用した実験の結果を示す。図57に示すように、産物のわずかに異なる比率に拘わらず、DNAはT4 gp32の存在下で依然として増幅された。図58はこの仕事を拡大し、DNAは、Aeh1 gp32を使用する異種系において依然として合成されるが、予測されるサイズの産物はUvsYの非存在下で生じなかったことを示す。しかしながら、いくつかの記載のDNAは、これらの反応、および全てのT4試薬を用いる以前の反応の間の有意な生化学的差と合致するUvsYの非存在下で行われたことに注意されたし。本明細書中に記載されたモデルにおいて、終点においてゲル上で見えるいずれかのDNAを合成し/増幅するためには、最小数の負荷されたレコンビナーゼフィラメントが必要であり、これは、再負荷/安定化剤として作用するUvsYの非存在下において余りにも少ないと考えられた。かくして、gp32種の交換はこれらの条件下で反応の効率に影響するが、全ての場合において、DNA合成は、T4試薬で達成された以前の結果とは対照的に、UvsYの非存在下においてさえ起こると結論された。T6−誘導体UvsXは、T4 UvsXでの状況とは対照的にレコンビナーゼフィラメントの高−負荷を可能とすることを主として担っていると結論された。これは、恐らくは、DNA−結合ドメインの差、ならびに協働フィラメント構造の安定化に関与するサブユニット間表面を反映し得るであろう。
UvsX挙動のこの差は、さらに、T4 UvsXがT6 H66S UvsXに代えて置き換え、次いで、UvsYが省かれた場合のDNA合成の完全な非存在を示す図59に示された実験で確認された。同様な結果が、同様な実験が全体を通じてT4 gp32を用いる以外は行われる図60で示される実験で得られており−T4 UvsXは絶対的にUvsYを必要とし、他方、T6 H66Sはこれらの実験ではそうではない。キネティック実験を図61に示す。図61に示すように、検出キネティックスはT4およびT6
H66S実験の間で中程度に同様である。しかしながら、UvsYを省いた場合、T6 H66S増幅キネティックスに対する結果はほとんどなく、他方、T4レコンビナーゼは活性を示さない。他の鋳型での他の実験においては、T6 H66Sを用いた場合でさえUvsYに対する強制的必要性が認められた。かくして、UvsYはこのレコンビナーゼを用いる場合には部分的に不可欠であるに過ぎず、それは依然として反応挙動を改善することができ、標的の間の頑強かつ合致したRPA挙動において役割を演じると結論された。
次に、この異常な特性が修飾されていないT6 UvsXで観察されたか否か、およびそれが(Rb69 UvsXおよびAeh1 UvsXのような)他のレコンビナーゼまで拡大されたか否かの調査を行った。図62は、T6レコンビナーゼをUvsYの非存在下で使用する場合にDNAは少なくとも1つのオリゴヌクレオチド組合せで効果的に合成されることを非常に明瞭に示す。T4 UvsXで観察されなかったUvsY−非依存性の異常な特性は、それらの生化学的区別を確認する、T6 UvsXおよびT6 H66S UvsXの間の産物蓄積レベルの差があったにも拘わらず、修飾されていないT6 UvsXまで拡大されると結論された。
図63は、Rb69 UvsXがUvsYの非存在下で働くことができるか否かを決定するための実験の結果を示す。アンプリコンの1つはUvsYでさえ増幅しなかったゆえに結果の解釈には注意を払うが、主な観察はUvsYが省かれた場合に生じたDNAの欠如であった。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、これは、T4 UvsXのように、Rb69 UvsXはUvsYの存在なくして効果的な増幅を容易に支持することができることを示唆する。図64は、この分析をファージAeh1成分の使用まで拡大する。図64に示したように、増幅は、Aeh1 UvsX、Aeh1 UvsYおよびRb69 gp32を含む異種系において効果的であるが、もしAeh1 UvsYが省かれれば、増幅は見られない。次に、とりわけ、T6のDNA結合ループ2配列を含む修飾されたRb69 UvsXの活性を評価した。この実験を行って、T6誘導体の活性が区別されるT6 DNA結合ループ2配列から生起するか否かを評価した。この場合、UvsYの存在下でむしろ弱く見えた増幅として注意を払うが、UvsYの非存在下において増幅は観察されなかった。しかしながら、額面通りにとると、この結果は、T6 DNA結合ループ2がT6 UvsXおよびその誘導体の異常な挙動に対して全面的に責任があり、あるいはこの特性は単離において自明に移すことができないことを支持しない。
これらの結果は、集合的に、種々のタイプのGP32種(T4、Rb69およびAeh1)の存在下において共インキュベートした場合に、それがUvsYの必要性なくして有意な組換え活性を支持できる限り、T6 UvsXおよびその誘導体は異常であることを示す。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、現存のモデルは、レコンビナーゼ−駆動増幅系の限定的成分はレコンビナーゼ−負荷フィラメントの濃度であることを示唆する。これらは、T4 UvsXをT4 gp32の存在下で、およびUvsYおよび密集剤の非存在下で共インキュベートする場合に豊富であると考えられない。しかしながら、証拠は、T6 UvsXについては、この競合環境は、UvsYがいくつかの場合になしで済ませることができるようにレコンビナーゼに好都合に遅くはシフトされることを示唆する。これが起こるためには、T6 UvsXがT4 UvsXよりも一本鎖DNAに対するより高い親和性を有することができ、および/またはそれは活性なATP加水分解の結果としてフィラメントからあまり解体されないようであると推測することができよう。今度は、これらの特性は、核酸に対するレコンビナーゼのDNA結合エレメントのより高い親和性のため、および/または解体の低下に導くフィラメント中の蛋白質サブユニットの間により高い親和性を介して生起し得る。しかしながら、反応は、UvsYが含まれる場合に全体としてより頑強なように見えたことは注目すべきである。場合によっては、その非存在下で、DNAが合成されたが、予測されるサイズの産物は蓄積しなかった。この結果は、RPA反応サイクルにおけるいくつかの他の基本的な欠陥を除いて活性なフィラメントの豊富さを反映できよう。
いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、UvsYが、それがいくらかの増幅活性で厳格には必要とされない場合でさえRPA機能性をなぜ増強させるのかを説明するための2つの可能なメカニズムがここに提案される。まず、UvsYはオリゴヌクレオチドにフィラメントの十分かつ均一な負荷を付与することができ、それらがそれらの5’末端に被覆され、それらの長さに沿って十分な組換えを受けることを確実とする。UvsYの非存在下においては、この合理的原理に従うと、フィラメントは部分的にしか負荷できず、これは、組換えが拘束された中間体に導かれる状況に導くことができ(基質5’末端において可能な自由な解け無し)、大体の場合、それが、標的に沿っての完全な合成が起こってしまう前に不安定であって、レコンビナーゼ合成/中間体の解体に導く。これは、ほとんど前進的DNA合成を必要としないプライマーダイマーのような非常に短い産物に好都合であり得る。第二の代替は、それが継続する間は、UvsYがDNA合成プロセスにおいて活性な役割を演じることである。例えば、UvsYは外へ向かうストランドのレコンビナーゼ−負荷および再侵入を促進して、「バブル移動」活性を引き起こすことができる。そのようなバブル移動合成は、合成複合体に対するトポロジー的歪みを減少させるように作用できよう。同様に、伸長複合体の進行性は、依然としてUvsXで部分的に被覆されるDNAの3’末端の評価に依拠し、これはUvsYの存在を必要とするであろう。いずれの場合においても、データは、反応環境における組換え的に活性なフィラメントの定常状態数を単純に増加させるよりも精巧であるRPAプロセスにおいてUvsYは役割を演じることができるという考えを支持する。
さらに、異なるgp32種の使用はRPA反応のUvsY−依存性に影響し得る。以下に示される競合オリゴヌクレオチドの競合データおよび熱的安定性のデータを含めた、本明細書中で提供される実験データは、Rb69 gp32およびAeh1 gp32と比較した場合にT4 gp32はDNAに対する特に高い親和性を有することができることを示唆する。かくして、UvsXおよびgp32が先に記載したように共通の基質に対して競合するモデルによると、もしより低いDNA親和性を持つgp32が使用されれば、それはレコンビナーゼについて有益であろう。かくして、Rb69 gp32は、そのような競合環境においてレコンビナーゼ−負荷に好都合なようである。
マンガンはRPA反応を支持することができる。
マンガンはマグネシウムイオンを置換えて、RPA系によるDNA増幅を支持することができる。特に、頑強な増幅を支持するためのマンガンイオンの有用な範囲は、マグネシウムで見出されるものよりも有意に低い。マンガンが大まか1ないし3mMで存在する場合、最も効果的な増幅が起こる(図47)。より高い濃度は、有意な産物蓄積に対して進行的に阻害性である。これらの低いレベルの支持イオンは、驚きである。というのは、いくつかの場合において、これは反応において豊富なATPおよびdNTP種を飽和するのに不十分な量だからである(ATPは3mMで用いられる)。
ヘパリンはノイズ−抑制性試薬として作用することができる。
RPA反応に対するヘパリンの効果を調べた。これは、部分的には、臨床および環境試料で共通して見出される剤に対するRPA反応の抵抗性を確立する努力におけるものであった。増幅反応においてRPAはヘパリンを含めることに対してむしろ抵抗性であることを見出したのは驚きであった。事実、見掛け上、プライマー人工物がRPA反応において蓄積する速度を低下させることによって、ヘパリンはRPA反応の結果を改良することができるようにさえ見えた。図49は、20ng/μlでヘパリンを含めるのは、どのようにして、プライマー人工物の蓄積の遅延をもたらすのかを明らかとし、これは、RPAが反応に存在する標的なくして働くことを可能とするように見える。プローブ−ベースの検知アプローチを用い、RPAにヘパリンを含めることをテストして、それがRPA反応の挙動を改良するか否かを決定した。図50は、増幅反応にヘパリンを含める効果を探索する。以下の現象が観察される:シグナル検出の開始の時点はヘパリンの存在に拘わらず同様であるが、ヘパリンを存在させた場合、低コピー数での検出の開始のより合致した時間に導く。ヘパリンは、反応において発生する全シグナルをわずかに減少させる。恐らくは、ヘパリンはUvsXまたは他のDNA結合蛋白質について「シンク」として作用し、ある状況下ではシグナルよりはむしろノイズが利点となり得る過剰な活性からそれを緩衝するのを助けることができると結論された。
E.coliエキソヌクレアーゼIIIはRPAにおいてプライマー研磨剤として機能することができる。
E.coliエンドヌクレアーゼIV(Nfo)またはE.coliエキソヌクレアーゼIIIを、脱塩基部位含有プローブを処理するための剤としての所有権がある蛍光プローブ検知システム(Piepenburg et al.,2006)を含むRPA反応に含めた。しかしながら、新規なプローブ構造の調査の間に、いくつかの驚くべきかつ予期せぬ観察がなされ、すなわち、恐らくは、3’−ブロックプライマーが、恐らくは、もしエンドヌクレアーゼIV(Nfo)を含有するよりも程度は低いが、エキソヌクレアーゼIIIを含有する反応で用いると、効果的な増幅プライマーであり得るという観察である(図51)。これらの場合に使用したブロックされたポリマーは、酵素の活性によってブロックが解かれつつあった。これらの酵素の双方は、3’−エキソヌクレアーゼ活性を含む、ならびに3’−ジエステラーゼまたはホスファターゼ活性を有する活性が報告されている。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、それらは最終塩基からブロッキング基を「磨き」、またはその上のブロッキング基で最終塩基を除去するようである。これらの実験から2つの可能性の間を区別するのは可能でない。しかしながら、配列−依存的にプライマーの「ブロックを解除する」潜在的能力は、ある潜在的に有用な適用を有する。
S.aureus Pol I大断片はRPA反応において機能的である。
RPAは従前に示されているようにBsuポリメラーゼで効果的に働く(Piepenburg et al.U.S.S.N.10/931,916参照)。また、E.coli Pol Iのクレノウ断片で、およびBstポリメラーゼで機能することも示されている。RPA反応で用いることができるポリメラーゼの幅を拡大する試みにおいて、他のポリメラーゼを調べた。調べたポリメラーゼは、修復クラスのポリメラーゼ、およびプルーフ−リーディング活性を欠如するポリメラーゼを含んだ。そのようなポリメラーゼの大断片は、全長蛋白質とは反対に、やはり調べた。S.aureus Pol Iに対応する配列は、メチシリン−感受性S.aureus株MSSA476のゲノム配列であるGenbankエントリー座BX571857において同定された。完全なポリメラーゼコーディング配列は、ゲノム配列の位置1740769ないし1743399に対する相補体に対応し、推定のコードされたポリペプチドはTrEMBLアクセション番号Q6G8N6を有する。このコーディング領域の断片を、コーディング領域の865ないし2631に対応するMSSA476ゲノムDNAから増幅され、かくして、主として5’−3’エキソヌクレアーゼドメインに対応する最初の288アミノ酸残基を省く。この断片をpET21+にクローン化され、5’末端においてPCRプライマーに取り込まれたヒスチジン−コーディングタグを含んだ。この蛋白質は効果的に発現され、Ni−NTAアガロースで容易に精製された。図48に示すように、この蛋白質はRPA反応でテストされた。(Sauポリメラーゼといわれる)S.aureus酵素は非常によく働きBsuポリメラーゼと少なくとも同程度に見えることが観察された。
gp32活性
以下に示されるように、gp32蛋白質についての新規な活性アッセイは、それらの区別される生化学的活性を示す。gp32蛋白質はいくつかの異なるバクテリオファージから由来した。1つの実験において、gp32活性は、反応に含まれるgp32の質量が、ヌクレアーゼ−保護アッセイによって評価して、それがちょうど活性において限定的となるまで滴定された反応環境を確立することによって評価した。図66はそのようなアッセイを示し、これを行って、E.coliのエンドヌクレアーゼIV(Nfo)によるレポータープローブオリゴヌクレオチドの切断を阻害するのに必要なRb69 gp32の量(質量)を決定ひた。このアッセイにおいて、プローブにおけるフルオロファオおよび暗いクエンチャーの間に位置するテトラヒドロフィラン(脱塩基ミメティック)に対する核酸分解攻撃の結果として起こる蛍光を上昇させることによって切断をモニターした。gp32の非存在下において、プローブは余りにも迅速に切断されたので、チューブが測定のためにフルオロメーターまで移動される時点まで、それは既にほとんど完全に分解されていた(高蛍光)。逆に、250ng/μLのRb69 gp32を反応に含めると、切断は完全になくなり、平坦な線がアッセイ時間を通じてもたらされた(100秒)。中間量のgp32蛋白質の結果、蛋白質の質量および保護能力の間の厳格な関係に合致する種々の傾きの蛍光増大曲線がもたらされた。結果は、gp32調製の「活性」を確立するにおけるこのアッセイの利用性を示す。
図66に示されるように、83および100ng/μLの間のように、完全な保護の境界にあるプローブオリゴヌクレオチドおよびgp32蛋白質の比率を確率するのは可能である。ゆっくりに過ぎないが起こったgp32切断のこの濃度において、gp32活性のいずれかの変化は切断速度の差によって容易に観察されるようであった。そのような濃度において、反応はさらに加えた試薬で挑戦され、あるいは温度、およびプローブ保護におけるgp32の効率のような環境条件の変化を評価した。図67は、さらなる一本鎖または二本鎖DNAとの反応に挑戦する結果が評価された実験の結果を示す。本実験において、Rb69 gp32、T4 gp32およびAehl gp32に対するこれらの変化の効果を比較した。全ての場合において、規定された時刻における競合体ssDNAでの挑戦の結果、プローブ攻撃の鋭い増加がもたらされた。
結果は、gp32の分布は高度に動的であるに違いないことを示し、これは、会合および解離事象がRPA反応で頻繁に起こるが(密集剤および他のRPA試薬の存在下で、キネティックスは改変させることができる)という考えを支持する。ssDNAのこの競合効果は強く異なるgp32種の間で同様であったが、系が二本鎖DNAで挑戦された場合に有意な差が認められた。(プローブと比較して)dsDNAの10倍の質量で挑戦された場合、Aeh1およびRB69 gp32は切断活性の非常にわずかな増加を示したに過ぎなかった。対照的に、T4 gp32は切断活性の非常に有意な増加を示した。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、結果は、二本鎖DNAに対するgp32種の相対的親和性はかなり変動したことを示唆する。これらの結果は、さらに、gp32の種に依存して後期RPA反応挙動の有意な差があり得ることを示唆する。Rb69またはgp32は一本鎖および二本鎖DNAの間でより強く分配されるようであり、他方、T4 gp32はディプレックス産物へ滴定されるようである。これは、いくつかのRPA反応における、Rb69 gp32で認められた改良された活性のいくらかを説明することができる。T4 gp32は、単に、より高い総じてのより高いDNA親和性を有する可能性があり、これは、後に詳細に記載される次の実験の結果と合致するであろう。
プローブ保護アッセイのもう1つの変形において、プローブを保護するにおけるgp32の活性に対する温度の効果を調べた。図68は、経時的な反応環境の温度を徐々に増加させる効果を示し、ある時点において、gp32の保護特性が突然減少することを明らかにする。これは、恐らくは、蛋白質が効果的に機能する上方温度を表す。プロフィールが本明細書中でテストされた3つの種の間で顕著に異なることが認められた。Aeh1 gp32は約40℃を超えては効果が少なく、この温度を超えては保護能力を非常に迅速に失う。42度までには、それはその活性のほとんど全てを失う。対照的には、Rb69 gp32は、約42度まで十分な活性を保持し、次いで、ゆっくりと活性を失い始める。妥協しつつ、それは、このアッセイにおいて47度までいくらかの保護能力を供する。しかしながら、最も強力な保護能力は、本実験でアッセイした最高温度である49度において効果のわずかな減少を示し始めたに過ぎないT4 gp32で観察された。かくして、これらの3つの蛋白質についての操作温度範囲は明瞭にかつ測定可能に区別されると推定された。これは、いずれのgp32種が与えられた適用で最も適当であるかを決定する場合にかなりの重要性を有し、蛋白質それ自体の熱的安定性ならびに蛋白質の相対的DNA結合親和性の双方を反映し得る。
「酸C−末端」、酸性C末端、酸N−末端、および酸性N末端とは、nが1ないし4である(LDE)または(LSD)のような1以上の酸のアミノ酸、または10以下の酸性アミノ酸の、蛋白質のCまたはN末端の任意の負荷をいう。加えて、レコンビナーゼ(例えば、UvsX)、レコンビナーゼ負荷剤(例えば、UvsY)、および一本鎖結合蛋白質(例えば、gp32)を含めた本明細書中のいずれかの箇所に記載された蛋白質のいずれも、所望により、(酸性CまたはN末端のような)いずれかの他の修飾に加えて、蛋白質のN末端において、C末端において、またはN末端およびC末端の間にHisタグを含んでもよい。Hisタグは、直列のヒスチジン、または直列のヒスチジンまたはグルタミン(HQ、またはQH)を含む10以下のアミノ酸を意味すると理解され−好ましい具体例においては、数は6である。さらに、Hisタグは、HQHQHQ(配列番号:84)のような長さが10アミノ酸未満であるHQHQHQHQHQ(配列番号:83)のようなアミノ酸もいうことができる。例えば、もし蛋白質が酸性C末端およびC−末端ヒスチジンタグ双方を有するならば、該蛋白質は[蛋白質]−[酸性残基]−[ヒスチジンタグ]のような、あるいは[蛋白質]−[ヒスチジンタグ]−[酸性残基]のような立体配置を有してもよい。別法として、酸性N末端およびN末端ヒスチジンタグ双方を持つ蛋白質は、[酸性残基]−[ヒスチジンタグ]−[蛋白質]の、または[ヒスチジンタグ]−[酸性残基]−[蛋白質]のような立体配置を有してもよい。
一般的に記載してきた本発明は、本発明のある態様および具体例の単に説明の目的で含め、断じて本発明を限定される意図ではない以下の実施例を参照してより容易に理解することができる。他の態様、利点および修飾は特許請求の範囲内のものである。
(実施例1)クローニングおよび蛋白質発現
全てのDNA操作は標準的な技術、特にPCRを用いるクローニング、PCR−ベースの突然変異誘発手法、および標準的な制限消化および連結を用いて行った。配列決定がLark technologies Ltd,Saffron Walden,UKによって行った。全ての蛋白質はE.coliにおいて発現させ、1mg/mlのリソソームを用いる溶解および2ないし3の凍結解凍サイクルに続いてIM NaCl中で精製した。Ni−NTA樹脂はQiagenから購入した。
増幅反応
個々の増幅反応についての条件は以下に供する詳細な記載で記載する。一般に、反応は、SYBR Green色素を含めることによって、なおよりしばしばは、我々が開発したプローブ−ベースのアプローチの使用によって、リアルタイムでモニターした(Piepenburg et al.2006参照)。この場合、プローブは、フルオロフォアおよびクエンチャーによって近接挟まれた内部テトラヒドロフラン残基(脱塩基部位ミメティック)を含有する第三のDNAプライマーである。増幅されたDNAに対するハイブリダイゼーションに対してこのプローブは、反応に含めた酵素であるエンドヌクレアーゼIV(Nfo)またはエキソヌクレアーゼIIIのエンド核酸分解活性に対する基質となる。
本明細書中に記載された蛍光プローブの配列は以下の通りである:
ここに、(T)はdT−TAMRAであり、(F)はdt−フルオレセインであり、(H)はTHFであり、(q1)はdT−BHQ1であり、(q2)はdT−BHQ2であり、(q3)はdT−DDQ1である。Nfo酵素は200ng/μlで用いたが、ほとんどの全てのプローブ−ベースの実験は65ng/μlのエンドヌクレアーゼIIIを使用した。励起/検出は485/525nm(SYBR GreenまたはプローブBsFlc)または530/575nmにおけるものであった(SATamra1/2)。測定は30ないし45秒毎に行った。蛍光プローブデータを水対照で正規化し、プレ−増幅ベースラインを調整した。一般に、正規化された蛍光の読みの対数をプローブ−ベースの実験についての時間に対してプロットした。
増幅プライマー:
クローンは、T6ファージ、Rb69ファージ、Aeh1ファージ、またはファージKVP40を用いるPCRによって構築した。図1は、ミオウイルスからの多様な組換えマシーナリーをコードする新規なクローンの模式的レイアウトを示す。修飾されたpET21+プラスミド(Novagen)を用い、ヘキサヒスチジンタグをPCRプライマーに作製して、N末端(UvsY蛋白質)において、またはC末端(UvsXおよびgp32蛋白質)においてタグをイン−フレームでコードさせた。整列および後の考察において、アミノ酸残基の数とは、関連データベースに記載されている天然蛋白質における位置をいう。UvsYの場合には、6つのヒスチジン、および用いたクローンにおけるこれに先行するメチオニンがある。
(実施例2)多様なレコンビナーゼ蛋白質の一次配列整列
T4 UvsおよびE.coli RecAの一次配列整列
(Expasyプロテオミックスサーバーを介してアクセスした)ウェブ−ベースのツールNAFFTを用いて、図2に示したように、T4 UvsおよびE.coli RecAの位置維持ポリペプチド配列を整列させた。この整列は生成させ、かつ他の箇所で議論したものと合致した。E.coli RecAの既知の結晶構造に基づき、注目する3つの領域、すなわち、ATP結合および加水分解に関与するWalker Aモチーフ、モバイルDNA結合ループ1、およびモバイルDNA結合ループ2配列の位置をボックスに入れる。整列下で、記号は全てのホモログの間のアミノ酸同一性(*)、保存された置換(:)、または半−保存置換(.)を示す。同等T4 UvsX残基の重ね合わせおよび標識を備えたRecA構造のモデル RecAヌクレオ蛋白質フィラメントのモデルは、CN3DおよびNCBIデータベース、PDBエントリー1N03(関連引用Vanloock MS et al.,Structure 2003 Feb;1(2)187−96)からダウンロードされたデータセットを用いて作成した。図2中の整列を用い、T4 UvsX残基の推定位置を、注目するUvsXアミノ酸の可能な位置および相互に対するそれらの近接性についての洞察を供するにおけるエクササイズとしてRecA構造にマッピングした。図3は、一次配列整列に基づく同等T4 UvsX残基の重ね合わせおよび標識を備えたRecA構造のモデルを示す。図3Aは、結合したDNAの近似的ロケーションである中央穴を備えたモデルRecAフィラメントの軸を見下ろすスクリーンショットを示す。Walker AモチーフおよびモバイルDNA結合ループの近似的ロケーションは単一サブユニットについて示され、それは核酸に面する表面にある。図3Bおよび3Cは、2つのズームドショットが、ATPが(A)に示された表面に結合した領域から取った。T4 UvsX残基G60、S64、S67、F69、G70、H195、およびM208の推定位置を図3に示す。また、モバイルDNA−結合ループ2の始まりおよび終わりの近似的ロケーションも示される。これらのアミノ酸はこのモデルで示されるように正確に位置させることは、RecA および UvsXの間のかなりの多様性を仮定するとありそうにないが、しかしながら、これらの近似は、おそらくは、本明細書中における研究についての意義ある有用性のものである。
T4 および T6 g32および UvsY蛋白質の一次配列整列
(Expasyプロテオミックスサーバーを介してアクセスされた)ウェブ−アクセスツールMAFFTを用いて、図4に示すように、T4およびT6、gp32およびUvsY蛋白質の一次ポリペプチドの配列を整列させた。この整列により、これらの蛋白質の間の唯一の小さな差が明らかとなった。UvsY蛋白質は唯2つの高度に保存的置換を有した。整列の下では、記号は全てのホモログの間のアミノ酸同一性(*)、保存された置換(:)、または半−保存置換(.)を示す。
多様なUvsX蛋白質の一次配列整列
(Expasyプロテオミックスサーバーを介してアクセスされた)ウェブ−ベースのツールMAFFTを用いて、図5に示したように、T4、T6、ファージ133、Rb69、Aehl、Ae65、KVP40、Rb43、PSSM2、およびPSSM4 UvsX蛋白質の一次ポリペプチド配列を整列させた。注目するいくつかの配列の領域、すなわち、DNA結合および加水分解に関与するWalker Aモチーフ(または、「P−ループ」)、モバイルDNA結合ループ1、およびモバイルDNA結合ループ2をボックスに入れた。議論するある残基は、強調した。T4およびT6 UvsXの間の全てのアミノ酸の差を太文字で示す。整列下で、記号は全てのホモログの間のアミノ酸同一性(*)、保存された置換(:)、または半−保存置換(.)を示す。
多様なUvsY蛋白質の一次配列整列
(Expasyプロテオミックスサーバーを介してアクセスされた)ウェブ−ベースのツールMAFFTを用いて、図6に示すように、T4、T6、ファージ133、Rb69、Aehl、KVP40、Rb43、PSSM2、およびPSSM4 UvsX蛋白質の一次ポリペプチド配列を整列させた。この整列において、PSSM4配列はゲノムDNAの自分自身の翻訳、ポリペプチド配列からの最初の43残基を誤って見掛け上省略するNCBIエントリーに由来した。整列下で、記号は全てのホモログの間のアミノ酸同一性(*)、保存された置換(:)、または半−保存置換(.)を表す。
多様なgp32蛋白質の一次配列整列
(Expasyプロテオミックスサーバーを介してアクセスされた)ウェブ−ベースのツールMAFFTを用いて、図7で示すように、T4、T6、Rb69、Aehl、KVP40、Rb43、PSSM2、およびPSSM4 gp32蛋白質の一次ポリペプチド配列を整列させた。この整列において、PSSM2配列は、ゲノムDNAの自分自身の翻訳、ポリペプチド配列から最初の25残基を見掛け上誤って省略するNCBIエントリーに由来した。整列下で、記号は、全てのホモログの間のアミノ酸同一性(*)、保存された置換(:)または半−保存置換(.)を表す。また、矢印によって、T4 gp32における亜鉛の配位に関連する残基の位置も示される。また、配列の上方の線によって、シアノファージgp32蛋白質には存在せず、かつT4 gp32の亜鉛原子におけるように協働結合に関連する共通の配列FKRK(またはRb43におけるFKRQ)が示される。シアノファージgp32蛋白質における配位残基の欠如は、これらの蛋白質は活性のために亜鉛、コバルト、ニッケル等のような金属を必要としないであろうことを示唆する。KVP40金属−結合領域の再組織化状態は、この蛋白質が亜鉛には結合できないが、むしろ異なる金属に結合できないが、むしろ異なる金属原子に結合できることを示唆し、あるいは成長の間における亜鉛についての改変された要件、あるいは競合体金属原子による置換攻撃に対する改変された感受性を示すことができる。
(実施例3)異種成分を用いるRPA反応におけるT4 UvsXに代えて置換されたT6 UvsX RPA反応は、その配列が示されたプライマーRs8179145−2およびRs8179145−3を用いて構成した。標的DNAはヒトゲノムDNAであって、反応条件は以下の通りであった:100mM酢酸カリウム、50nMトリスアセテートpH8.3、50mMホスホクレアチン、3mMP ATP、200μM dNTP、300nM Rs8179145−2プライマー、300nM Rs8179145−3プライマー、150ng/μL T4またT6 UvsX、1000ng/ng/μL T4 gp32、40ng/μL T4UvsY、42コピーのヒトゲノムDNA、5% Carbowax 20M、および32ng/μL Bsuポリメラーゼ。90分後に、Qiagen PCR産物クリーンアップカラムを通す遠心を介して試料を精製した。精製された試料は臭化エチジウム染色アガロースゲルで分析した。ヒト遺伝子座Rs817945からの予測されたアンプリコンサイズは205bpであった。図8に示されるゲル上のアスタリスクは、予測されるバンドの位置、205bpを示し、マーカーバンドの位置は左側に示す。図8に示すように、T6 UvsXは異種成分を用いるRPA反応においてT4 UvsXに代えて効果的に置換することができる。
RPA反応を確立して、SYBR Green色素を用い、プライマーJ1およびK2を用い、以下の条件下でT6およびT4 UvsXのキネティクスを比較した:50mM トリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、T4またはT6の120ng/μl UvsX、30ng/μl UvsY、900ng/μl gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、5% Carbowax 20M、300nM増幅プライマー、SYBR Greenのストックからの1:50,000希釈(Invitrogen)。反応を96−ウェルプレート中の氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、周期的に頂部−読み取りプローブから測定を行った。試料は標的(水)を含有しないか、または標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの50または5000コピーを含有した。試料はT4またはT6 UvsXいずれか、およびレコンビナーゼを含有し、標的の存在は脚注に示す。各試料は二連で実行した。
陽性シグナルは60分間のインキュベーションの間に全ての試料で発生し、シグナルの時間の増加は予測される非−標的試料におけるよりも標的−含有試料において早かった。図9に示すように、シグナル増加が最初に検出された時刻はT4およびT6試料の間で同様であった。しかしながら、曲線は異なる傾きおよび最終最大でもって作成された。T6はより鋭くないシグナルの蓄積およびより高くない最終シグナルを与えた。
また、RPA反応を確立して、蛍光プローブを用い、プライマーorfx45a(120nM)およびsccii35IV(480nM)を用い、以下の条件下でT6およびT4 UvsXのキネティクスを比較した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlのクレアチンキナーゼ(Roche)、T4またはT6の120ng/μl UvsX、30ng/μl UvsY、900ng/μl Bsuポリメラーゼ、5% Carbowax 20M、120nM蛍光プローブSATamra2。エキソヌクレアーゼIIIは65ng/μlで含めた。反応を384−ウェルプレート中で氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたステージに備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は標的(水)を含有せず、標的配列を含有するMRSA3(mecl)ゲノムDNAの100または1000コピーいずれかを含有した。試料はT4またはT6 UvsX、およびレコンビナーゼのいずれかを含有し、標的の存在は脚注に示す。各試料は二連で実行した。
陽性シグナルは90分のインキュベーションの間に鋳型陽性試料で発生し、シグナル増加の時刻は最高標的−含有試料で最も早かった。図10に示すように、シグナル増加が最初に検出された時刻は、特に、1000コピー資料についてT4およびT6試料の間で同様であったが、曲線は異なる傾きおよび最終最大を伴って発生した。T6はより鋭くないシグナルの蓄積、およびより高くない最終シグナルを与えた。
(実施例4)作成されたT6 UvsX蛋白質構築体
修飾されたpET21+ベクター中にT6 UvsXを含有する親プラスミドクローンは、標準的なPCR突然変異誘発プロトコルを用いて改変した。推定構造エレメントに対するコーディング領域/一次ポリペプチド配列の関連の模式的レイアウトを図11の頂部に示す。模式図でボックスとして示される3つの領域、Walker Aモチーフ、DNA結合ループ1およびDNA結合ループ2に対して修飾を行った。いくつかの領域およびアミノ酸は標的であって、これらはクローンに与えられた名称の次の下側模式図に示される。数字は野生型T6 UvsX蛋白質中のアミノ酸の位置をいい、よって、H66Sは、野生型T6中のアミノ酸66として存在するヒスチジンがセリンに改変されたことを意味する。図11の左側には、RPAアッセイでテストした場合にこのクローンから生じた蛋白質の一般的活性の単純な図を示す。
T6 UvsX H66Sおよび野生型T6 UvsXの比較
RPA反応を確立して、プライマーJ1(120nM)およびK2(480nM)を用い、以下の条件下でT6 UvsX H66Sおよび野生型T6 UvsXを比較した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50mg/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、120ng/μl UvsXのT4またはT6 UvsX H66S、45ng/μl T4 UvsY、900ng/μl T4 gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、5% Carbowax 20M、120nM蛍光プローブBsFlc。エキソヌクレアーゼIIIは65ng/μlで含めた。反応を384−ウェルプレート中の氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの100または1000コピーいずれかを含有した。試料はT4またはT6 UvsX H66S、およびレコンビナーゼのいずれかを含有し、標的の存在は図12において脚注に示す。各試料は二連で実行した。
T6 UvsX H66Sの配列は以下の通りである:
図12に示すように、90分のインキュべーションの間に陽性シグナルが試料中で発生し、シグナル増加の時刻は最高標的−含有試料において最も早かった。シグナルは、特に、1000コピー試料について、T6 UvsX H66S−含有試料においてより早く、曲線は最終最大を生じた。この実験に基づくと、T6 UvsX H66Sは野生型T6 UvsXよりもこれらのアッセイにおいて良好に実行されたと結論された。しかしながら、この系を用いるシグナル蓄積の傾きは2つの蛋白質の間で同様であり、従って、T6 UvsX H66SはこのアッセイにおいてはT4 UvsXの活性を正確に再現するようではない。
T6 UvsXの他の突然変異体のキネティック挙動
RPA反応は、突然変異体T6 UvsX成分を用い、プライマーJ1(120nM)およびK2(480nM)を用い、以下の条件下で確立した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、T6またはT6 UvsX H66Tの120ng/μlまたはT6 UvsX M71F/S72GまたはT6 UvsX S164V/A166S、45ng/μl T4 UvsY、1000ng/μl T4gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、6% Carbowax 20M、120nM蛍光プローブBsFlc。エンドヌクレアーゼIIIは65ng/μlで含めた。反応を384−ウェルプレート中の氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は水、または脚注に示したように標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの200コピーを含有した。
図13に示すように、90分のインキュベーションの間にいくつかの試料において陽性シグナルが発生した。シグナルはT6 UvsX S164V/A 166S、次いで、野生型試料において最も早く発生した。シグナルがT6 Uvs H66T試料においてかなり遅く蓄積し、T6 UvsX M71F/S72G試料においてシグナルは蓄積しなかった。T6 UvsX S164V/A166Sはこれらのアッセイにおいてよく実行されたが、いくつかのより遅い実験では、野生型T6 UvsXに対してほとんどまたは全く差は見出されなかったと結論された。さらに、T6 UvsX H66Tは貧弱な活性を有し、T6 UvsX M71F/S72Gは不活性であると結論された。
T6 UvsX S164V/A166Sの配列は以下の通りである:
(実施例5)Rb69成分を用いるRPA
RPA反応はRb69成分を用い、プライマーJ1およびK2を用い、以下の条件下で確立した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、100ng/μl UvsXのRb69、20ないし100ng/μl Rb69 UvsY、400ng/μl Rb69 gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、7% Carbowax 20M、300nM増幅プライマー、SYBR
Greenのストックからの1:50,000希釈(Invitrogen)。反応は384−ウェルプレート中の氷上で確立され、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に実験を行った。試料は標的(対照−水)を含有せず、または標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの2500コピーを含有した。試料は変化させる濃度のRb69 UvsYを含有し、用いる量は脚注に示す。
図14に示すように、90分のインキュベーションの間に全ての試料において陽性シグナルが発生し、シグナル増加の時点は、60ng/μl異常のRb69 UvsYの濃度についての理想的な要件の基礎となるより高い量のUvsYを含有する試料においてより早かった。対照試料は60ng/μlのUvsYを含有するが、標的DNAを欠如する陽性試料と同一の条件下で行った。この実験は、Rb69成分を使用して、感受性活特異的増幅系を構成することができる。
(実施例6)Aeh1成分を用いるRPA
RPA反応はAeh1成分を用い、プライマーJ1(120nM)およびK2(480nM)を用い、以下の条件下で確立した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、200ng/μl Aehl UvsX、80ng/μl Aehl UvsY、500ng/μl Aehl gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、7%PEG化合物、120nM蛍光プローブBsFlc。エキソヌクレアーゼIIIは65ng/μlで含めた。反応は384−ウェルプレート中で氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は、図15に示された脚注に示されたように、水、標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの10、100または1000コピーいずれかを含有した。塩滴定
また、RPA反応はAeh1成分テスト塩滴定を用い、プライマーJ1およびK2を用い、以下の条件下で確立した:50mMトリスアセテートpHXX、60または80または100または120または140または160mMの酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMのリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlのクレアチンキナーゼ(Roche)、150ng/μl UvsXのAeh1、50ng/μl Aehl UvsY、500ng/μl Aehl gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、7% Carbowax 20M、300nM増幅プライマー、SYBY Greenのストックからの1:50,000 希釈(Invitrogen)。反応を384−ウェルプレート中の氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの2000コピーを含有した。
図16に示すように、90分のインキュベーションの間に全ての試料において陽性シグナルが発生した。この実験は、Aeh1成分を首尾よく使用して、広い範囲の塩濃度にわたってDNAを増幅することができることを示唆する。
T4と比較したAeh1
RPA反応を確立して、プライマーorfx45a(100ng/μl)およびsccii35IV(500ng/μl)を用い、以下の条件下でAeh1増幅をT4増幅系と比較した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、200ng/μl Aehl UvsX、80ng/μl Aehl、UvsY、500ng/μl Aehl gp32、70ng/μl、Bsuポリメラーゼ、7%PEG化合物(Sigma)、120nM蛍光プローブSATamura2。あるいは以下の組換え成分以外は同様な条件下で比較した:120ng/μl T4 UvsX、30ng/μl T4 UvsYおよび900ng/μl T4 gp32。エキソヌクレアーゼIIIは65ng/μlで含めた。反応は384−ウェルプレート中の氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は、脚注に示すように、水、標的配列を含有するMRSAゲノムDNAの10または1000コピーを含有した。図17に示すように、見積られた10コピーが供された場合に、シグナルはいずれの組換え系でも検出されなかった。より後の実験に基づくと、本実験で用いたDNA希釈は妥協したものであって、よって、現実のコピー数は予測されたものよりも有意に低いと考えられた。図17に示すように、Aeh1組換え系はT4よりも遅く検出閾値に到達し、本実験においてはより低い全シグナル強度を達成する。
Aehl UvsXおよびUvsYは異種gp32を用いて増幅することができる。
RPA反応はプライマーJ1およびK2を用い、以下の条件下で確立した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlのクレアチンキナーゼ(Roche)、200ng/μl UvsXのAeh1、100ng/μl Aehl UvsY、300ng/μl Aehl gp32または500ng/μl Rb69 gp32または700ng/μl T4 gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、7%Carbowax 20M、300nM増幅プライマー、SYBR Greenのストックからの1:50,000希釈(Invitrogen)。反応は384−ウェルプレート中の氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの2000コピーを含有した。
図18で示すように、シグナルは全ての試料で発生し、これは、DNA増幅が全ての場合に起こったことを示す。最速かつ最強のシグナルはAehl gp32を使用した場合に発生し、次いで、Rb69 gp32、次いで、T4 gp32であった。gp32分子の相対的有効性は注意深く解釈すべきである。というのは、それらは同一濃度で使用したのではなかったからである。
(実施例7)異種反応成分を用いるRPA
RPA反応は、ヒトゲノムDNAからの大まか300塩基対デュプレックス産物を増幅するプライマーApo300およびApoB4を用いて確立した。以下の条件を使用した:50mMトリスアセテートpH8.3、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、200ng/μl UvsXのKVP40、AehlまたはRb69、示された32ng/μl UvsYのKVP40、AehlまたはT4、600ng/μl Rb69 gp32またはT4 gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、5%Carbowax 20M、300nM増幅プライマー。反応を確立し、37℃に90分間放置した。全ての試料は、標的配列を含有するキットゲノムDNAの1000コピーを含有した。gp32、UvsXおよびUvsYの種に関する各反応の正確な組成を示す。試料は、Qiagen PCRクリーンアップカラムの通過によって精製し、臭化エチジウムを含有する2%アガロースゲル上の電気詠動に付した。図19に示すように、増幅は、Rb69 gp32とAehl UvsXおよびUvsYとの不均一な混合物を含有する試料で起こった。
(実施例8)作成されたRb69構築体
修飾されたpEP21+ベクター中のRb69 UvsYの我々の親クローンの変形物を作成した。興味のある領域に注目するRb69のコーディング一次アミノ酸配列の総じてのレイアウトを図20の頂部に示す。コーディング配列の変化を作り出して、具体的には、Walker Aモチーフ中およびその周りの、DNA−結合ループ2中およびその周りの、および蛋白質の非常にC側末端のコードされたアミノ酸を改変した。Walkerモチーフ中およびその周りの改変は、特殊なレタリング、およびRb69野生型蛋白質中のアミノ酸の位置に言及する数値、どんなアミノ酸か、および何にそれが突然変異したかによって示される。例えば、H64Sとは、天然蛋白質のヒスチジン64のセリンへの改変をいう。DNA−結合ループ2の領域における改変された配列は、異なるスキームに従って示される。この場合、DNA結合ループ配列のほとんどまたは全ては、T6またはT4 UvsXからループによって置換えられた。T6−1が示される場合、これは配列NHT AMEIGGLYPKE IMG GG(配列番号:107)の、配列NHT IETIEMFSKT VMG GG (配列番号:108)での置き換えをいい、そこでは、下線を施したグリシンはT6天然配列ではなく、Rb69配列と同様である。T6が示される場合、これは、Rb69配列のNHT IETIEMFSKT VHT GG (配列番号:109)での置き換えをいい、そこでは、下線を施したスレオニンはこの位置における天然T6配列である。T4が示される場合、これは、Rb69配列の、NHT YETQEMFSKT VMG GG(配列番号:110)であるT4配列での置き換えをいう。C末端に対する修飾の場合には、記号「LSD」は、コードされたアミノ酸配列END LED MEDFDE(配列番号:111)からの非常にC側末端におけるRb69の天然配列の、配列END LED LSD MEDFDE(配列番号:112)への改変を示す。記号「LDE LDE」または時々は脚注においては「2×LDE」とは、Rb69 C−末端配列のEND LDE MEDFDE LDE LDE(配列番号:113)への変化をいう。すべての場合において、非常にC−末端側配列に続いて、蛋白質精製で用いられる6ヒスチジン残基をコードする18塩基が続く。
簡単に述べれば、先に議論した選択された配列は以下にリストされる。
Rb69 UvsX H64S配列は以下の通りである:

端部における6つの「H」は任意である。
Rb69 UvsX H64S LSD配列は以下の通りである:
端部の6つの「H」は任意である。
Rb69 UvsX H64S 2×LDE配列は以下の通りである:
端部の6つの「H」は任意である。
Rb69 UvsX H64S T6/2×LDE配列は以下の通りである:
端部の6つの「H」は任意である。
Rb69 UvsX H64S T4/2×LDE配列は以下の通りである:
端部の6つの「H」は任意である。
Rb69 UvsX H64S T67S L68N T4/2×LDE配列は以下の通りである:
端部の6つの「H」は任意である。
修飾されたpET21+ベクター中のRb69 UvsXの親クローンに対するさらなる改変物を作製した。興味があるさらなる領域に注目するRb69のコーディング/一次アミノ酸配列の全体的レイアウトを図21の頂部に示す。コーディング配列における変化を、具体的には、DNA−結合ループ2中およびその周りに生じさせた。完全なDNA−結合ループ2配列を、ファージ133、ファージAeh1、ファージKVP40、代表的な(ハイブリッド)シアノファージ配列からの同等な配列、またはE.coli RecAからのループで置換えた。Ach1部分およびRb16部分であるループもテストした。正確なアミノ酸置換を図21に示す。RPAにおける発現/精製の間にこれらのクローンから生じた蛋白質の挙動/活性に関するまとめ注釈を図20および21の左側に掲げる。
Rb69 UvsX配列は以下の通りである:
Rb69 ループ133 UvsX配列は以下の通りである:
Rb69 ループKVP40 UvsX配列は以下の通りである:
Rb69 H64Sの活性
野生型Rb69、またはT4 UvsXと比較した突然変異体Rb69 H64S蛋白質の活性のキネティック実験を行った。蛍光プローブベースのモニタリングアプローチを採用した。一般的な条件は、組換え成分のタイプおよび濃度、およびPEG化合物を7%w/vで使用した以外は図13に示した実験に関するのと同じであった。他の変更は以下の通りである:120ng/μl T4 UvsX、900ng/μl T4 gp32、50ng/μl T4 UvsY、あるいは100ng/μl Rb69またはRb69 H64S UvsX、400ng/μl Rb69 gb32、80ng/μl Rb69 UvsY。標的DNAは合計100コピーで存在させる。図22に示したように、Rb69 H64S蛋白質は(この実験は増幅の間に生じたDNAの性質に取り込むものではないが)このアッセイによるとよく作動し、野生型蛋白質のキネティックスよりも性能が優れているようである。行った次の実験において、見掛け上同一の条件(400ng/μl Rb69 gp32)下での速度、結果はわずかに異なるものであった。これは、最もありそうには、後者の実験におけるわずかなピペッティング誤差によるものであろう。
Rb69 H64S−gp32アップ−滴定に対する相対的抵抗性
野生型Rb69と比較した突然変異体Rb69 H64S蛋白質の活性のキネティック実験を行い、そこでは、Rb69 gp32の量を幾分変化させた。蛍光プローブベースのモニタリングアプローチを採用した。一般的な条件は、pg32蛋白質の可変濃度を除いて図22で示した実験に関するものであり、そのPEG化合物は6%w/vで使用した。条件は:示された100ng/μl Rb69あるいはRb69 H64S UvsX、Rb69 gp32濃度、80ng/μl Rb69 UvsYであった。標的DNAは合計100コピーで存在させた。図23に示すように、gp32のアップ滴定はRb69蛋白質と比較してRb69 H64Sのキネティックスに対してより低いインパクトを有した。RbH64Sはgp32による競合に対して幾分より抵抗性であると結論された。
野生型Rb69と比較したRb69 H64Sの活性
野生型Rb69と比較した突然変異体Rb69 H64S蛋白質の活性のキネティック実験を行った。蛍光プローブベースのモニタリングアプローチを採用した。一般的な条件は、組換え成分のタイプおよび濃度およびPEG化合物を6%w/vで用いた以外は図22に示した実験についてのものであった。他の条件は以下の通りである:100ng/μl Rb69またはRb69 H64S UvsX、400ng/μl Rb69 gp32、80ng/μl Rb69 UvsY。標的DNAは示された合計0コピー、100コピー、または1000コピーで存在させた。図24に示すように、Rb69 H64S蛋白質はこのアッセイに従ってよく作動し、野生型蛋白質の挙動よりも性能がよい。
300ないし500ng/μl gp32におけるRb69 UvsX H64Sの活性
突然変異体Rb69 H64S蛋白質の活性のキネティック実験は、300、400、または500ng/μlのRb69 gp32蛋白質の条件下で行った。蛍光プローブベースのモニタリングアプローチを採用した。一般的な条件は図22に示した実験に関する通りであったが、gp32濃度を変化させ、PEG化合物は6%w/vで用いた。かくして、蛋白質濃度は以下の通りであった:100ng/μl Rb69 H64S UvsX、300ないし500ng/μl Rb69 gp32、80ng/μl Rb69 UvsY。標的DNAは、示されたように、0(水対照)または合計100コピーで存在させた。図25に示すように、Rb69 H64Sは、Rb69 gp32蛋白質のテストされた範囲に渡って、Rb69 H64S蛋白質はキネティック挙動においてほとんど差なしにこのアッセイに従ってよく作動した。
Rb69 H64S UvsXの滴定
突然変異体Rb69 H64S UvsX蛋白質の活性のキネティック実験は、変化させる濃度のUvsX蛋白質下で行った。蛍光プローブベースのモニタリングアプローチを採用した。一般的条件は図22に示された実験についての通りであったが、Rb69 H64S UvsXの濃度を変化させ、PEG化合物は6% w/vで用いた。かくして、蛋白質濃度は以下の通りであった:100、150または200ng/μl Rb69 H64S UvsX、500ng/μl Rb69 gp32、80ng/μl Rb69 UvsY。標的DNAは示したように合計0(水対照)または100コピーで存在させた。図26に示すように、Rb69 H64S蛋白質はこのアッセイに従ってよく作動し、UvsX濃度は有意に100ng/μlを超えないことを供する。
突然変異体Rb69 H64S蛋白質の活性のもう1つのキネティック実験は、蛍光プローブベースのモニタリングアプローチを用いて変化させる濃度のUvsX蛋白質下で行った。一般的条件は図22に示した実験に関する通りであったが、Rb69 H64S UvsXの濃度は変化させ、PEG化合物は6%w/vで使用した。かくして、蛋白質濃度は以下の通りであった:60、80または100ng/μl Rb69 H64S UvsX、500ng/μl Rb69 gp32、80ng/μl Rb69 UvsY。標的DNAは示された合計0(水対照)または100コピーで存在させた。図27に示すように、Rb69 H64S蛋白質は、蛋白質が60ないし100ng/μlの範囲内にあるか否かに拘わらず、このアッセイに従ってよく作動する。
T4 UvsXおよびUvsYとの反応におけるRb69 gp32の有効性
T4 UvsXおよびUvsYと組合せた場合のRb69 gp32の利用性を調べるキネティック実験を行った。RPA反応はJ1(120ng/μl)およびK2(480ng/μl)を用い、以下の条件下で確立した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン、(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチニンキナーゼ(Roche)、120ng/μl T4 UvsX、30ng/μl T4 UvsY、900ng/μl T4 g32あるいは500ng/μl Rb69 gp32あるいは1000ng/μl、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、6% PEG 35,000、120nM蛍光プローブBsFlc。エキソヌクレアーゼIIIは65ng/μlで含めた。反応は384−ウェルプレート中で氷上で確立し、次いで、38℃に設定したステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから実験を周期的に行った。試料は、水、または脚注に示したように標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの100コピーを含有した。図28に示したように、全ての鋳型陽性試料は効果的に働き、T4およびRb69 gp32蛋白質の使用の間でほとんど差はないように見えた。
Rb69 gp32を双方の場合で用いる場合、T4はRb69 UvsX/UvsYよりも性能がよい。
T4 UvsXおよびUvsYと組み合わせた場合、あるいはRb69 UvsXおよびUvsYと組み合わせた場合、Rb69 gp32の利用性を調べるキネティック実験。RPA反応はプライマーJ1(120nM)およびK2(480nM)を用い、以下の条件下で確立した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM
ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、120ng/μl T4 UvsX、30ng/μl T4 UvsY、1000ng/μl Rb69 gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、6% PEG 35,000、300nM増幅プライマー、120nM蛍光プローブBsFlc。エキソヌクレアーゼIIIは、65ng/μlで含めた。別法として、同様の条件を使用したが、レコンビナーゼは100ng/μl Rb69 UvsXであって、負荷蛋白質は80ng/μl Rb69 UvsY蛋白質であった。反応は384−ウェルプレート中で氷上で確立され、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は水、あるいは脚注に示したように標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの100コピーを含有した。図29に示すように、全ての鋳型陽性試料は陽性シグナルを発生したが、T4 UvsXおよびUvsYで確立された系はかなり初期および強いシグナルを発生した。Rb69 gp32濃度が1000ng/μl Rb69まで上昇させた場合に、T4成分を用いる場合に増幅の阻害はほとんど起こらないが、Rb69 UvsXおよびUvsYを用いる場合、有意な阻害がある(図23におけるRb69 UvsXおよびUvsYでのRb69 gp32過剰滴定の効果参照)。
Rb69 UvsX H64T蛋白質の貧弱な活性
Rb69 UvsX−コーディングクローンを作製し、そこでは、ヒスチジン64をスレオニンに改変した。この突然変異は先に評価したRb69 UvsX H64S蛋白質と類似しており、スレオニン残基がRPA挙動を改良するにおいてセリン残基と同程度に効果的であるか否かをテストするために設計した。一般的な反応条件は以下の例外を除いては図29中の実験について記載したのと同一であった。:UvsXは100ng/μlのRb69野生型UvsX、または100ng/μlのRb69 UvsX H64T、80ng/μlのRb69 UvxY、および500ng/μl Rb69 gp32いずれかであった。DNA標的は0または100コピーいずれかで存在させた。図30に示すように、Rb69 UvsX H64Tを用いて行った反応はほとんどシグナルを発生せず、このアミノ酸置換はセリンをこの位置において置換した場合とは対照的に効果的でないと推定された。
Rb69 UvsXを用いるATP滴定
Rb69 UvsXを用いる場合の増幅キネティクスに対する異なるATP濃度の効果を調べた。反応条件は、図30における通りであるが、野生型Rb69 gp32、UvsX、およびUvsYのみを用いた。ATPの最終濃度は1mM、2mM、または3mMいずれかに調整した。標的は示したように0または100コピーでいずれかで存在させた。図31に示したように、増幅は、標的DNAを存在させたすべての場合に起こったが、最強のシグナルは3mM ATPを用いた場合に発生する。
Rb69 UvsXおよびUvsYに対するT4 gp32の抑制効果
Rb69 UvsXおよびUvsY蛋白質と共にT4 gp32蛋白質を用いる効果を調べた。条件は、以下の修飾を施して図29に記載されたものと同一であった。Rb69
UvsXは100ng/μlで用いた。Rb69 UvsYは80ng/μlで用い、gp32は500ng/μlのRb69 gp32、あるいは500ng μlのT4 gp32、あるいは1000ng/μlのT4 gp32いずれかであった。図32に示したように、Rb69 gp32を用いた場合にシグナルが発生したに過ぎず、T4 gp32を使用した場合には発生せず、T4異種成分を用いた場合のRb69 gp32の十分な適合性とは対照的である。
Rb69 UvsXのC末端に対する修飾の結果
Rb69 UvsX H64Sで、Rb69 UvsX H64S LSDで、およびRb69 UvsX H64S 2×LDEで構成された増幅反応のキネティック実験を行った。一般的な反応条件は、異なるUvsX蛋白質を100ng/μlにて全ての場合に用いたのを除いて図29に記載した通りであった。Rb69 UvsYは80ng/μlで用いた。Rb69 gp32は500ng/μlで用いた。DNA標的は0または1000コピーいずれかで存在させた。図33に示したように、強いシグナルが全ての標的含有試料において発生し、同様なキネティックスを示す。シグナルを非常にわずかに遅く開始し、合計してわずかにより強いシグナルを生じさせるより酸性のC−末端を持つ蛋白質(LSDおよび2×LDEクローン)についての非常にわずかな傾向が見られる。
図33に記載されたのと同様な実験を行った。しかしながら、この場合には、DNA標的を0または100コピーいずれかで存在させた。図34に示すように、強いシグナルはすべての標的−含有試料で発生し、再度、かなり同様なキネティックスを示す。この場合において、わずかに遅くシグナルを開始させ、より強いシグナルを生じさせるより酸性のC−末端を持つ蛋白質(LSDおよび2×LDEクローン)についてのわずかにより強い傾向が観察された。
Rb69 UvsX H64S/2×LDEを用いる場合のPEGの滴定
同様な条件を図33に記載された実験におけるように使用した。しかしながら、この場合、Rb69 UvsX H64S 2×LDEのみを用い、100ng/μlの濃度において、Rb69 UvsYは80ng/μlで用い、およびRb69 gp32は500ng/μlで用いた。DNA標的は示された反応当たり0または200コピーいずれかで存在させた。ポリエチレングリコール(M.W.35,000 Fluka)の濃度は5%、6%、および7%でテストした。図35に示すように、裁量のシグナルは、ポリエチレングリコールN.W.35,000を5%w/vで用いた場合に得られた。
(実施例9)作製されたUvsY構築体
T4 UvsYによってコードされると予測されるペプチドは配列の模式図が示され、Rb69 UvsY遺伝子は図36示される。これらの2つの蛋白質の間で置換される反応が示され、全ての他の残基は同一である。キメラ蛋白質を発現するのに用いた2つのキメラクローンを作り出した。各キメラは他方のC−末端半分に融合した1つのUvsY分子のN−末端半分よりなるものであった。これらをUvsYハイブリッド1およびUvsYハイブリッド2という。
T4 UvsYおよびT4 gp32とのUvsYハイブリッドの活性 実験は、図36に記載されたT4、Rb69、およびハイブリッドUvsY蛋白質はどれほどよく、T4 UvsXおよびT4 gp32と組み合わせた場合に機能するかに取組むために行った。図29中の実験について記載された標準条件を用いたが、以下の修飾を行った。T4 UvsXは120ng/μlの濃度で使用し、T4 gp32は900ng/μlで使用し、およびテストしたUvsY蛋白質は80ng/μlで用いた。DNA標的は各反応において0または1000コピーいずれかで存在させた。PEG 35,000(Fluka)は5%w/vで使用した。図37に示すように、UvsYの異なる形態のすべてはこのアッセイにおいて優れて挙動し、これは、T4 UvsXおよびT4
gp32を使用した場合に、T4 vs Rb69 UvsYについて目に見える優先性はほとんどまたは全くなく、またはハイブリッド分子からのいずれの有意な区別にもなかったことを示す。
Rb69 UvsXおよびR69 gp32とのUvsYハイブリッドの活性
実験は、図36に記載されたT4、Rb69、およびハイブリッドUvsY蛋白質が、Rb69 UvsXおよびRb69 gp32と組み合わせた場合にどれほどよく機能するかに取組むために行った。図37中の実験について記載された標準条件を用いたが、以下の修飾を行った。Rb69 UvsX H64S 2×LDEは100ng/μlの濃度で使用し、Rb69 gp32は500ng/μlで使用し、およびテストしたUvsY蛋白質は80ng/μlで用いた。DNA標的は各反応において0または1000コピーいずれかで存在した。図38に示すように、UvsYのすべての形態はこのアッセイで機能したが、応答時間およびシグナル強度において強い差があった。これは、Rb69 UvsXおよびRB69 gp32を使用した場合に、Rb69 UvsYについて明瞭な優先性があることを示す。
UvsYハイブリッド1の配列は以下の通りである:
N末端の6つのヒスチジンは任意である。
UvsYハイブリッド2の配列は以下の通りである:
N末端の6つのヒスチジンは任意である。
(実施例10)Rb69作成構築体およびキメラのさらなる分析
Rb69 UvsX H64S/T6−1/2×LDEについての活性無し
Rb69 UvsX H64S/2×LDEの頑強な活性と比較したRb69 UvsX H64S/T6−1 2×LDEの活性を調べた。反応は、以下の修飾を施して図29に記載した標準条件に従って確立した。Rb69 UvsX H64S/2×LDE蛋白質およびRb69 UvsX H64S/T6−1/2×LDE蛋白質は100ng/μlで用い、Rb69 gp32は600ng/μlで用い、およびRb69 UvsYは80ng/μlで使用した。DNA標的は反応あたり0または1000コピーいずれかで存在させた。図39に示したように、頑強な活性がRb69 UvsX H64S/2×LDE蛋白質によって呈されたが、Rb69 UvsX H64S/T6−1/2×LDE蛋白質で活性が検出されなかった。明らかに、この場合におけるDNA−結合ループ2配列の再コーディングの結果、非−機能的蛋白質がもたらされた。
Rb69 UvsX H64S/2×LDEの存在下におけるRb69 gp32の滴定
Rb69 UvsX H64S/2×LDE蛋白質を使用する場合の増幅キネティックスに対する滴定Rb69 gp32蛋白質の効果を調べた。反応は、以下の修飾を施して、図29に記載された標準条件に従って確立した。PEG 35,000(Fluka)は5%w/vで用いた。Rb69 UvsX H64S/2xLDE蛋白質は100ng/μlで用い、Rb69 gp32は400、700、または1000ng/μlで用い、およびRb69 UvsYは80ng/μlで使用した。DNA標的は反応当たり0または100コピーいずれかで存在させた。図40に示したように、増大させる量のRb69 gp32はシグナル検出の開始の遅延を導く。
Rb69 UvsX H64S/F69M/G70S/T6−1/2×LDEについての活性なし
増幅反応におけるRb69 UvsX H64S/F69M/G70S/T6−1/2×LDE蛋白質を用いる効果を調べた。このクローンはT6 UvsX DNA−結合ループ2のほとんどを含有する先にテストしたものと同様であるが、Walker Aモチーフ近くに2つのさらなるT6−様残基を含有した。反応は、以下の修飾を施して、図40に記載された標準条件に従って確立した。Rb69 UvsX H64S/2×LDE蛋白質またはRb69 UvsX H64S F69M/G70S/T6−1/2×LDEは100ng/μlで用い、Rb69 pg32は500ng/μlで用い、およびRb69 UvsYは80ng/μlで使用した。DNA標的は反応当たり0または1000コピーいずれかで存在させた。図41に示すように、Rb69 UvsX H64S F69M/G70S/T6−1/2×LDE蛋白質について活性は検出されない。
Rb69 H64S T67S/L68N/T4/2×LDEおよびRb69 H64S/T4/2×LDEの強力な活性
Rb69 H64S T67S/L68N/T4/2×LDEおよびRb69 H64S/T4/2×LDE蛋白質を増幅反応で用いる効果を調べた。これらの蛋白質は、この場合には、DNA−結合ループ2配列およびWalker A配列がT4 UvsXに由来した以外は、T6 UvsX DNA−結合ループ2を含有し、および/またはWalker Aモチーフ近くのT6−様残基をさらに含有する先にテストされたものと同様であった(クローンの模式的チャート参照)。反応は、以下の修飾を施して、図40に記載された標準的な条件に従って確立した。Rb69 UvsX蛋白質またはRb69 UvsX H64S/2xLDEまたはRb69 UvsX H64S/T67S/L68N/T4/2xLDEは100ng/μlで用い、Rb69 gp32は500ng/μlで用い、Rb69 UvsYは80ng/μlで使用した。DNA標的は反応当たり0または100コピーいずれかで存在させた。図42に示すように、テストした全てのUvsX蛋白質について優れた活性が検出され、これは、T4 DNA−結合ループおよび関連Walker A残基がRb69 UvsX蛋白質に成功して置換することができることを示す。
Rb69 UvsX H64S/T67S/L68N/T4/2xLDE蛋白質はRb69 gp32のアップ−滴定に対して比較的抵抗性である。
野生型Rb69 UvsXおよびRb69 UvsX H64S/T67S/L68/T4/2xLDEを比較する反応キネティクスに対するRb69 gp32の濃度の阻害効果を調べた。反応は、以下の修飾を施して、図40に記載された標準条件に従って確立した。Rb69 UvsX蛋白質またはRb69 UvsX H64S/T67S/L68/T4/2xLDEは100ng/μlで用い、Rb69 gp32は400または800ng/μlいずれかで用い、およびRb69 UvsYは80ng/μlで使用した。DNA標的は反応当たり0または100コピーいずれかで存在させた。図43に示すように、gp32濃度を増大させる場合、野生型Rb69 UvsXと比較したRb69 UvsX H64S/T67S/L68/T4/2xLDEについて経験した検出に対して適時に示すことはせいぜい約半分に過ぎなかった。置換された蛋白質はgp32濃度に対して感受性が低いと結論された。
Rb69 UvsX H64S/T67S/L68/T4/2xLDE蛋白質はT4 gp32とで機能できる。
Rb69 UvsXおよびUvsYで構成された反応に対するT4 gp32の阻害効果がRb69 UvsX H64S/T67S/L68/T4/2xLDEの使用によって克服できるか否かを調べた。反応は、以下の修飾を施して、図40に記載された標準条件に従って確立した。T4 UvsX蛋白質またはRb69 UvsXまたはRb69 UvsX H64S/T67S/L68/T4/2xLDEは、各々、120ng/μlまたは100ng/μlまたは100ng/μlで用い、T4 gp32は700ng/μlで用い、およびT4またはRb69 UvsYは、各々、30ng/μlまたは80ng/μlで使用した。T4 UvsXをT4 UvsYと組み合せ、Rb69 UvsX蛋白質をRb69 UvsYと組み合わせた。DNA標的は反応当たり0または100コピーいずれかで存在させた。図44に示すように、Rs69 UvsX H64S/T67S/L68N/T4/2xLDEはT4成分とほとんど同程度によく機能し、他方、T4 gp32を用いた場合は野生型Rb69 UvsXは不活性であった。置換されたRb69蛋白質はT4 gp32に対して非常に良好な許容性を発生した。
ファージ133からのDNA−結合ループを含有するRb69 UvsXキメラは弱く作動し、他方、シアノファージおよびAeh1ループは非−機能的である。
他の多様なUvsX−様分子において見出された配列でDNA−結合ループ2が置換されているRb69 UvsX蛋白質の活性を調べた。反応は、以下の修飾を施し、図40に記載した標準条件に従って確立した。Rb69 UvsX蛋白質またはRb69 UvsX loop 133またはRb69 loop Cyano またはRb69 loop Aehlは100ng/μlで用い、Rb69 gp32は500ng/μlで用い、およびRb69 UvsYは80ng/μlで使用した。図45に示すように、シアノファージまたはAeh1ループを含有する蛋白質で活性は検出されず、他方、ファージ133ループを含有する蛋白質は非常に弱い活性を示した。
Rb69 UvsX H64S/T6/2xLDEは、DNA−結合ループ2の最終的なGからTへの置換を欠如する同等体とは異なって活性である。
T4およびT6の間が異なる最終残基が、Rb69 UvsX H64S T6−1 2xLDEの場合とは異なってT6同等体に改変された蛋白質である、Rb69 UvsX H64S/T6/2xLDEの活性をテストした。また、DNA−結合ループ2がAeh1ループおよびRb16ループのハイブリッドで置き換えられた蛋白質もテストした(Rb16で見出されたシステインの代わりにAeh1ループの始まりにおいて異常なアラニンを補充)反応は、以下の修飾を施して、図40に記載された標準条件に従って確立した。Rb69 UvsX蛋白質またはRb69 UvsX H64S/T6/2xLDEまたはRb69ループ(ハイブリッドAehl/Rb16)は100ng/μlで用い、Rb69 gp32は500ng/μlで用い、およびRb69 UvsYは80ng/μlで使用した。図46に示すように、Aehl/Rb16ハイブリッドループを含有する蛋白質では活性は検出されなかったが、修復されたT6ループを含有する蛋白質は優れた活性を示した。T6−様DNA−結合ループ2の完全な置換えの結果活性がもたらされたが、同様なT4およびT6ループのハイブリッドは活性ではなく、これは、T4およびT6の間の置換がサイレントではなく、基が交換されていなければならないと結論されたことを示す。
(実施例11)マンガンイオンはRPA反応を支持することができる。
RPA反応は以下の条件下で確立された:50mMトリスアセテートpH8.3、100mM酢酸カリウム、200μM dNTP、3mM ATP、50mMホスホクレアチン、120ng/μl T4 UvsX、30ng/μl T4 UvsY、900ng/μl T4 gp32、5% PEG 35,000、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、1000コピーのB.subtilisゲノムDNA。二価マンガンカチオンを、個々に、0.1mM、0.5mM、1mM、2mM、3mMの最終濃度を与えるまで各反応に供給した。別法として、対照として、16mMマグネシウムを使用した。反応を37℃にて90分間インキュベートし、PCRクリンアップカラム(SIGMA)で精製し、次いで、臭化エチジウムでの可視化前に2%アガロースゲルで分離した。図47に示すように、マンガンイオンは0.5ないし3mMマンガンの濃度範囲においてRPAを効果的に支持した。(約4ないし5mMマンガンからの−ここでは示さず)有意により高い濃度は反応挙動を阻害することを開始し、それは、10mMマンガンにおいて、90分後に産物がこれらのプライマーで検出されないようになるまで徐々により少ない産物に導く。緩衝液からのマンガンイオンのいくらかのキャリーオーバーが予測され、恐らくは、反応当たり合計して大まか0.5mMマンガンイオンを占める。
(実施例12)Staphylococcus aurecsポリメラーゼI大断片はRPA反応においてよく機能する。
RPA反応は、E.coli、Bacillus subtilis、およびStaphylococcus aureusのPol Iクラスに対して相同性を担う細菌ポリメラーゼI修復酵素を含めた、ストランド変位合成が可能な代替ポリメラーゼを用いて構築した。この実験において、どこかおよび本明細書中に記載された、あるいはイン−ハウスで生じた、S.aureusからの同等な大断片を持つBacillus subtilis PolI大断片いずれかをRPA反応で用いた。反応は標準条件下で構成された。すなわち:300nMプライマーJ1、300nMプライマーK2、50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、200μM dNTP、3mM ATP、50mMホスホクレアチン、120ng/μl T4 UvsX、30ng/μl T4 UvsY、900ng/μl T4 gp32、5%PEG化合物(SIGMA)、70ng/μl Bsuポリマー、あるいは70ng/μl S.aureus(Sau)ポリメラーゼ、および0、100、1000、または10,000コピーのB.subtilisゲノムDNA。反応は、SYBR Green(Invitrogen)の1:50,000希釈を含めることによってモニターした。図48に示すように、双方の場合において、頑強な増幅が起こった。もし何かがあるとすれば、水および標的−含有試料の間の一時的な分離は、S.aureusポリメラーゼを使用した場合にはより高かった。これは、このポリメラーゼが感受性があるRPA反応についてのわずかに改良された特徴を呈することを示すことができよう。
(実施例13)RPA反応におけるヘパリンの使用
ヘパリンは、0−標的対照におけるシグナルの発生を遅延させる。
RPA反応は、慎重に標的DNAを省いた以外は、本開示において他の箇所で用いたJ1およびK2プライマーを用いて構成した。反応は、標準条件下で構成した。すなわち:300nMプライマーJ1、300nMプライマーK2、50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、200μM dNTP、3mM ATP、50mMホスホクレアチン、120ng/μl T4 UvsX 30ng/μl T4 UvsY、900ng/μl T4 gp32、5%PEG化合物(SIGMA)、30ng/μl Bsuポリメラーゼ。反応は、SYBR Green(Invitrogen)の1:50,000希釈を含めることによってモニターした。ヘパリンは反応に含めず、あるいは20ng/μlで存在させた。図49に示すように、しばらく後、バックグラウンドシグナルが全ての反応で発生し、しかしながら、これはヘパリンを含有する試料で後に起こり、それがノイズ発生を遅らせることを示唆する。
RPA反応におけるシグナル:ノイズ比率をヘパリンは改良する。
キネティック実験を行って、プローブ−ベースのアプローチを介してモニターされた増幅反応の感度およびキネティクスに対するヘパリンの効果を示した。RPA反応はプライマーJ1(120ng/μl)およびK2(480ng/μl)を用い、以下の条件下で確立した:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMクレアチンホスフェート(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、120ng/μl T4 UvsX、30ng/μl T4 UvsY、1000ng/μl Rb69 gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、5%PEG化合物、120nM蛍光プローブBsFlc。エキソヌクレアーゼIIIは65ng/μlで含めた。ヘパリンは存在させないか、または示したように20ng/μlで存在させた。反応は384−ウェルプレート中で氷上で確立され、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点に、底−読み取りプローブから周期的に測定を行った。試料は水、脚注に示したように標的配列を含有するB.subtilisゲノムDNAの10、100、1000または10,000コピーいずれかを含有した。図50に示すように、全ての鋳型陽性試料は陰性シグナルを発生し、しかしながら、ヘパリンで確立された系は、10コピーにおいてシグナル発生の合致性の改良を示した。ヘパリンを含めると、ノイズの発生を遅らせ、これは、低コピー数におけるシグナル検出の同時性のより少ない破壊に導く。
(実施例14)RPA反応における3’−ブロックプライマーおよびE.coliエキソヌクレアーゼIII
少なくとも炭素−酸素−炭素結合を介してビオチンのような基で3’−ブロックされたプライマーが、もしE.coliエキソヌクレアーゼIIIが反応に含まれれば、増幅プライマーとして成功して使用することができることを示唆する強力な証拠が発見された。本実験はこの現象の例を提供する。本実験において、RPA反応は、本明細書中で広く用いられるプライマーJ1およびK2を用いてBacillus subtilisゲノムからの断片を増幅することによって行った。他の目的で設計されてきたK2−イプシロンと命名されたプライマーの使用。このプライマーはK2プライマーと同一の配列を有するが、リンカーを介して攻撃され、かつビオチン−TEGと記載される3’−ブロッキングビオチン基のその保有が異なる(供給者のウェブサイトhttp://uk.eurogentec.com参照)。これは、酸素原子を介して3’糖に連結されたリンカーを介して結合されたビオチンを構成する。K2−イプシロンプライマーは、配列の本体内のデオキシチミジン残基を置き換えるデオキシウラシル残基も含有するが、これはこの実験には関係がないと考えられる。反応は、K2プライマーと追号したJ1プライマー、あるいはK2−イプシロン「ブロック」プライマー、およびエキソヌクレアーゼIIIまたはE.coli Nfo蛋白質を含有した。RPA反応はプライマーJ1(120ng/μl)およびK2またはK2イプシロン(480ng/μl)を用い、以下の条件下で確立された:50mMトリスアセテートpH7.9、100mM酢酸カリウム、14mM酢酸マグネシウム、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、3mM ATP(Roche)、200マイクロモラーdNTP、50mg/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、120ng/μl T4 UvsX、30ng/μl T4 UvsY、1000ng/μl T4 gp32、30ng/μl Bsuポリメラーゼ、5%PEG化合物、120nM蛍光プローブBsFlc。エキソヌクレアーゼIIIは65ng/μlで含め、あるいはエンドヌクレアーゼIV(Nfo)は200mg/μlで含めた。K2イプシロンプライマーのブロックされた性質にかかわらず、エキソヌクレアーゼIIIを蛍光を発するためのプローブを処理する剤として用いる場合、図51に示すように、K2を使用する試料およびK2−イプシロンを使用するものの間に増幅キネティクスの差はない。これは、エキソヌクレアーゼIIIが、恐らくは、エキソヌクレアーゼ活性によって、あるいはこの酵素および(エンドヌクレアーゼIVとしても知られた)Nfoに帰属されてきた活性の3’−ジエステラーゼまたはホスファターゼタイプを介して、K2−イプシロンに結合した鋳型の延長できないハイブリッドを延長可能な形態に迅速に処理することを示唆する。対照的に、NfoをExo IIIの代わりに使用した場合、増幅に一般的な遅延はないが、これはK2−イプシロン反応と対合したJ1についてかなりより顕著であった「活性化」プロセスは、Nfoを使用する場合には貧弱にしか働かないが,exoIIIを使用した場合には非常に迅速に働くと結論された。
(実施例15)UvsY−フリーDNA増幅
一連の実験を行って、RPA反応からUvsYを除去することによるDNA増幅に対する効果を調べた。
T6 H66Sを用いるUvsY−フリーDNA増幅
本実験においては、RPAは以下の条件下で行った:適切には、100mM酢酸カリウム、50mMトリスアセテートpH8.3、14mM酢酸マグネシウム、5mM dTT、200mM dNTP、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、2.5mM ATP(Roche)、50mg/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、300nM増幅プライマー、5%PEG 35,000、43ng/μl S.auポリメラーゼ、600ng/μl Rb69 gb32、120ng/μl T6 H66S UvsX および79ng/μl Rb69 UvsY。反応は、プライマーMS2 downRt2およびプライマーMS2 up4、up5、up6、またはup7と共に1000コピーのMS2 DNA鋳型を用い、かつRb69 UvsYの存在下または非存在下で行った。反応を氷上で確立し、次いで、1時間で37℃まで移した。増幅に続いて、GenElute PCRクリーンアップキッド(Sigma)を用いて産物を精製し、ゲル電気泳動を用いて可視化した。T6 H66Sレコンビナーゼは、UvsY非存在下において、RPA反応でDNAを効果的に増幅することができるのが予期せぬことに見出された。図52に示すように、正しいサイズの産物はUvsYの存在下で増幅された。UvsYの非存在下において、MS2 downRT2+MS2 up5反応産物を例外として、ほとんどの豊富な産物は、UvsYが存在した場合に合成されたのと同一のサイズのものであるように見えた。用いた鋳型およびプライマー対では、RPA DNA増幅はUvsYの非存在下で可能であって、そのような反応は、しばしば、正しいサイズの産物を生じさせると結論された。
さらなる実験を行って、従前に観察されたUvsY−非依存性増幅が、異なるサイズの産物を合成する異なるプライマー対を用いて起こるか否かを調べた。このさらなる実験についての結果は、(キネティクスは知られていないが)UvsYの非存在下においてT6
H66Sレコンビナーゼを用いて丁度どれくらい効果的な増幅であり得るかを巧く示す。一般的な反応条件は以下の例外を除いて、図52に示された実験について記載したのと同一であった:反応はプライマーMS2 up5、up6、up7、またはup2と共にプライマーMS2 down5を用いて行った。また、反応はプライマーMS2 down2およびMS2 up4を用いても行った。プライマー組合せのいずれかを用いた場合、かつUvsYの存在下および非存在下の双方において、増幅産物が作られた。図53に示すように、全ての反応はMS2 down5/up5プライマー対を例外としてよく作動したが、これは、依然として、少量の正しい産物を生じた。各反応からの主な産物は、UvsYが反応に存在するか否かにかかわらず正しいサイズのものであった。UvsYの非存在下においては、正しくない産物のより大きな豊富性があるように見えたが、これらは正しい産物よりも少量で存在した。種々のプライマー対を用いて異なるサイズのRPA産物を増幅することができ、かつUvsYの非存在下で進行する反応の能力は用いるプライマーまたは得られた産物のサイズに依存するようではないと結論された。
小さなゲノムDNA標的のUvsY−フリー増幅
実験を行って、UvsYの非存在下において、DNA標的のサイズがDNAを増幅するRPAの能力において役割を演じるか否かを調べた。この目的で、ヒトゲノムDNAから増幅された小さな305bp RPA産物をRPA反応においてDNA標的として用いた。反応条件が各々、305bp、210bp、143bpおよび141bpの産物を生じる、プライマーApoB4、およびApoB300、ApoB3、ApoB7またはApoB10いずれかと共にDNA標的の1000コピーを用いて反応を行った以外は、図52に示した実験について述べたのと同一であった。図54に示したように、UvsYの非存在下で、反応の全てはDNAアンプリコンを生じたが、UvsYの非存在下においてDNA産物を合成する見掛け上頑強な能力にかかわらず、UvsYなくしてT6 H66S
UvsXを用いて生じた産物は、常には、予測されたサイズの、およびUvsYの存在下で生じたものと同一サイズのものではなかった。恐らくは、プライマー−関連人工物は、時々、理由は明瞭ではないが、真実の産物の形成が支配的である。UvsYの非存在下において、DNA増幅は、小さなDNA標的を用いて合理的に巧く起こるが、UvsYが存在する場合とは異なり、産物は常に正しいサイズのものである。
完全なゲノム標的のUvsY−フリー増幅
本実験は、低いコピー数の複雑なゲノム標的がUvsYの非存在下で増幅できるか否かに取組んだ。反応条件は、各々、305bp、210bp、143bpおよび141bpの産物を生じる、プライマーApoB4、およびプライマーApoB300、ApoB3、ApoB7またはApoB10いずれかと共にヒトゲノムDNAの1000コピーを用いて反応を行った以外は、図52に示された実験について記載したのと同一であった。図55に示すように、UvsYの非存在下においては、DNA増幅は全ての反応で起こったが、UvsYなしでT6 H66S UvsXを用いて生じた産物は、常には、予測されたサイズ、およびUvsYの存在下で生じたのと同一のサイズのものではなかった。UvsYの非存在下においては、複雑なゲノムDNA標的を用いてDNA増幅は効果的に起きるか、UvsYの存在下で行った反応とは異なり、正しい産物が通常合成される場合には、産物は常に正しいサイズのものであると結論された。
UvsYフリーDNA増幅はPEGを必要とする。
実験を行って、T6 H66Sレコンビナーゼによって呈されたUvsY−非依存性挙動がPEGについての要件の欠如までさらに拡大されたか否かに取組んだ。これらの反応は、以下の例外として、図52に示された実験について記載されているように行った:反応は、PEGの存在の有りおよび無しの双方にて、プライマーApoB300またはApoB3いずれかと共にヒトゲノムDNAの1000個ポーおよびプライマーApoB4を用いて行った。図56に示すように、結果は、PEGが存在するまたは非存在の間で反応生産性の激しい差を示した。この実験は、効果的な増幅を行うためのRPA反応にポリエチレングリコールを含めての使用の臨界性を示した。PEGの非存在下においては、真実の産物の増幅は一般的には起こらないが、使用にわずかな人工物が1つのレーンに存在し、おそらくは、T6 H66Sレコンビナーゼを用いた場合に低いレベルの負荷フィラメントを示すが(これはUvsYの存在下では起こらない)。標的DNAの正しいかつ効果的な増幅のためには、UvsYの存在または非存在にかかわらず、PEGは反応において必要である。
T6 H66Sレコンビナーゼと共にT4 gp32を用いるUvsY−フリーDNA増幅
本実験を行って、T4 gp32をT6 H66S UvsXと共に用いた場合に、UvsY−非依存性増幅が起こるか否かを調べた。一般的な反応条件は、ここでは、Rb69 gp32または337.5ng/μl T4 gp32いずれかを用いて反応を行った以外は、図52に示された実験について記載された通りであった。T4 gp32をUvsYの存在下で用いた場合、30ng/μl T4 UvsYを用いた。ヒトゲノムDNAの1000コピーを、プライマーApoB4、およびプライマーApoB300またはApoB3いずれかと組合せて反応当たりに用いた。図57に示したように、この実験は、T6 H66SレコンビナーゼのUvsY−非依存性の活性が、T4 gp32を、Rb69 gp32よりはむしろ利用した場合に依然として見出されることを示す。明瞭な予測された産物の生産はRb69 gp32を用いた場合よりも効果的でなかったが、多数の組換えにより活性なフィラメントが存在することは疑いがない。反応でT4 gp32を用いる場合に、DNA増幅が完結に起こるが、正しい産物の点についてはRb69
gp32を用いるよりもこのプロセスは効果的でないと結論された。
T6 H66SおよびAehl gp32を用いるUvsY−フリーDNA増幅
本実験を行って、Aehl gp32をT6 H66S UvsXと共に用いた場合にUvsY−非依存性増幅が起こるか否かを調べた。反応条件は、プライマーApoB4、およびプライマーApoB300またはApoB3いずれかと共に、400ng/μl Rb69 gp32または360ng/μl Aehl gp32、および1000コピーのヒトゲノムDNAを用いて反応を行った以外は、図52に示された実験について記載したのと同一であった。図58に示すように、結果は、UvsYを省き、かつT6 H66Sを用いた場合、Aeh1 gp32は正しい産物を生産するに置いてRPAを支持できないことを示す。しかしながら、ある程度少量の増幅が起こった。T6 H66Sと組み合わせた場合、Aeh1は限定されたDNA増幅を促進したに過ぎない。このデータは、従前に記載されたデータと組み合わせた場合、T6 H66S RPA反応のUvsY−非依存性挙動の効率が、ある程度、gp32タイプに依存することを示唆する。
T4 UvsXを用いるUvsY−フリーDNA増幅
実験を行って、Rb69gp32と共にT4 UvsXを用いた場合に、UvsYの存在はDNA増幅が起こるのに必要か否かを調べた。これらの反応は、以下の例外の下に、図52に示された実験に記載した通りに行った:反応は、プライマーApoB4およびプライマーApoB300またはApoB3いずれかと共に、T6 H66S UvsXまたは123.5ng/μl T4 UvsXいずれか、およびヒトゲノムDNAの1000コピーを用いて行った。T4 UvsXをUvsYと共に用いた場合、30ng/μl
T4 UvsYを利用した。図59に示すように、結果は、UvsYの存在下では、T6 H66S UvsXを用いた場合のように、T4 UvsX反応は予測されたサイズの産物を生じることを示す。しかしながら、T6 H66S反応とは異なり、UvsYを省くと、増幅産物は決して生じない。この実験は、標準条件下では、使用したT4 UvsXは、T6 H66S UvsXとは異なり、UvsY蛋白質の存在に完全に依存することを示す。このデータは、UvsYおよびPEGは共にT4試薬で構成されたRPA系の必要な成分であることを示す多量の以前の証拠を確認する。
さらなる実験を行って、Rb69 gp32の代わりにT4 gp32を用いることによって、UvsY−欠乏T4 UvsX反応が継続的に増幅産物を生産しないか否かを調べた。一般的な反応条件は、T6 H66S UvsXと共にRb69 gp32あるいは123ng/μl T4 UvsXと共に337ng/μl T4 gp32のいずれかを用いて反応を行った以外は、図52に示された実験について記載した通りであった。プライマーApoB4、およびプライマーApoB300またはApoB3いずれかと組合せて、ヒトゲノムDNAの1000コピーを反応当たりに用いた。T4 gp32および UvsXをUvsYと共に用いた場合、30ng/μl T4 UvsYを利用した。図60に示すように、結果は、従前に示したのと同様に、UvsYの存在下においては、T4成分を利用する反応は正しいサイズの産物を生じ、およびUvsYの非存在はこれを否定することを示す。このデータは、標準条件下では、T4 UvsXは、T6 H66S UvsXとは異なり、UvsY蛋白質の存在に完全に依存することを確認する。この場合、T4 gp32を一本鎖DNA結合蛋白質として使用した。
なおもう1つの実験を行って、蛍光プローブ系を利用するRPA増幅/検出反応においてT4 UvsXを用いてDNA蓄積を検知する場合、UvsYについての要件を調べた。本実験においては、RPAは以下の条件下で行った:適切には、100mM酢酸カリウム、50mMトリスアセテートpH8.3、14mM酢酸マグネシウム、5mM dTT、200mM dNTp、50mMリン酸クレアチン(Calbiochem)、2.5mM ATP(Roche)、50ng/μlクレアチンキナーゼ(Roche)、増幅プライマーJ1(120nM)およびK2(480nM)、120nM蛍光プローブBsFlc、5%PEG 35,000、43.33ng/μl Sauポリメラーゼ、600ng/μl Rb69 gp32、120ng/μl T6 H66S UvsXおよび79ng/μl Rb69 UvsY。Nfoは100ng/μlで含めた。試料は水、またはB.subtilisゲノムDNAの200コピーいずれかを含有し、Rb69
UvsYの存在または非存在下のいずれかであった。反応は384−ウェルプレート中で氷上で確立し、次いで、38℃に設定されたステージを備えたBIOTEK Flx−800蛍光マイクロプレートリーダーに移し、その時点で、底−読み取りプレートから実験を周期的に行った。
図61に示すように、シグナルはUvsYの有りまたは無しにてT6 H66Sレコンビナーゼで、およびUvsYの存在下でT4 UvsXを含有する反応で構成された反応において鋳型−依存的に蓄積した。しかしながら、UvsYの非存在下において、T4 UvsX反応がDNA増幅能力を呈しなかった。これらの標準条件下では、DNA増幅が起こるためには、T6 H66S UvsXとは異なり、T4 UvsX はUvsYについて厳格な要件を有すると結論された。
さらなる実験を行って、UvsYについてのT4 UvsXの要件に対する滴定Rb69 gp32濃度の効果を調べた。これらの反応は、適切には、反応を増幅プライマーSccii35IV(480nM)およびOrf45a(120nM)、120nM蛍光プローブSA Tamra2、125ng/μl、T4 UvsXおよび30ng/μl
T4 UvsYを用いて行った以外は、図61に示した実験について記載されたように行った。Rb69 gp32は400ng/μl、600ng/μlまたは800ng/μlで用いた。試料は水、またはMRSA IゲノムDNAの200コピーのいずれかを含有し、Rb69 UvsYの存在下または非存在下のいずれかであった。図69に示すように、DNA増幅は、用いたRb69の濃度には無関係に、UvsYを含有する全ての鋳型試料で起こった。UvsYが失われた場合、DNA増幅を示した鋳型試料はなかった。使用した標準条件下では、DNA増幅が起こるためには、T4 UvsX蛋白質はUvsYに依存性であり、およびこの依存性はgp32濃度の変動によって変化しないと結論された。
なおもう1つの実験を行って、UvsYについてのT4 UvsX蛋白質の要件をさらに調べた。用いた反応条件は、以下を除いて、図61に示した実験について記載したのと同一であった:反応は増幅プライマーScciii(480nM)およびOrfX45a(120nM)、120nM蛍光プローブBsFlcベータ、123.5ng/μl T4 UvsX、500ng/μl Rb69 gp32および18ng/μl Sauポリメラーゼを用いて行った。試料は水、または506bp PCR DNA断片の10000コピーいずれかを含有し、Rb69 UvsYの存在下または非存在下のいずれかであった。図70に示すように、これらの条件下では、T4 UvsX反応は、UvsYの存在下および非存在下双方においてDNAを効果的に増幅する。しかしながら、UvsYを含有する試料中でのDNA増幅は、UvsYが失われた場合に先行し、実験の終了においては、UvsYの非存在下におけるよりもUvsYの存在下においてより多くのDNAが増幅された。使用した条件に依存して、T4 UvsXは起こるにはDNA増幅についてのUvsYの存在を必要とし、または必要としないであろう。しかしながら、条件がUvsYの非存在下で増幅が起こるのを可能とする場合でさえ、UvsYの添加は反応速度を改良し、増幅されたDNA出力を増大させる。
UvsYについてのT4 UvsX蛋白質の要件をさらに解明するために、さらなる実験を行った。反応条件および試料は図70に記載されたものであった。反応の完了に続いて、試料の各々をGenElute PCRクリーンアップキット(Sigma)を用いて精製し、ゲル電気泳動を用いて可視化した。図71に示すように、ゲル電気泳動は、図70に記載された実験のように、RPAを用いるDNA増幅で収集されたデータを可視化するさらなる方法(プロセス)として用いることができる。図71に示された結果は、さらに、これらの条件下で、T4 UvsXがUvsYの存在および非存在双方においてDNA増幅が起こるのを可能とすることを示す。しかしながら、図70に示す実験で記載したように、UvsYの非存在下におけるよりもUvsYの存在下においてより多くのDNAが増幅された。これらの結果は、ある条件下では、T4 UvsXはUvsYの非存在下においてDNA増幅を支持できるが、DNA増幅の量はUvsYの存在下において改良されることを確認する。
T6 UvsXを用いるUvsY−フリーDNA増幅
本実験を用いて、修飾されていないT6 UvsX蛋白質が、UvsYの非存在下においてDNAを増幅する能力を呈するか否かを決定した。用いた反応条件は、プライマーApoB4、およびプライマーApoB300またはApoB3いずれかと共にT6 H66S UvsXまたは120ng/μl T6 UvsX、およびヒトゲノムDNAの1000コピーを用いて反応を行った以外は、図52に示された実験について記載されたとおりであった。図62に示すように、調べた2つのアンプリコンのうちの1つはUvsYの非存在下において効果的に増幅されたが、1つはされなかった。さらに、UvsYの有りまたは無しにてT6およびT6 H66Sレコンビナーゼの間の断片の増幅の相対的効果は可変であった。レコンビナーゼ蛋白質の間の調製−依存性変動を排除できないが、このデータは、修飾されていないおよび修飾されたレコンビナーゼが従前に示されたように可変活性を示すという示唆に合致する。UvsYの非存在下においては、DNA増幅はT6 UvsXで起こり得るが、これを行う効率はT6 H66S UvsXとは異なる。Rb69 UvsXを用いるUvsY−フリーDNA増幅
本実験は、Rb69 UvsXが効果的な増幅のためにUvsYを必要とするか否かを調べた。反応は、プライマーApoB4およびプライマーApoB300またはApoB3いずれかと共にT6 H66S UvsXまたは120ng/μl Rb69 UvsX、400ng/μl Rb69 gp32、およびヒトゲノムDNAの1000コピーを用いて反応を行った以外は、図52に示した実験について記載されたように行った。図63に示すように、使用した条件下ではUvsYの存在に対する厳格な依存性と合致して、UvsYの非存在下において増幅は見られなかった。存在するUvsYに関するものでさえ、増幅は貧弱であり、いくつかの注意を解釈にはらうべきである。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、最も単純な説明はT4 UvsXに関するように、効果的かつ感受性の増幅で必要なフィラメント−負荷レベルを達成するのにUvsYが必要であるというものである。使用した標準条件下では、Rb69 UvsXは効果的なDNA増幅が達成されるためにはUvsYを必要とするようである。
Aeh1 UvsXを用いるUvsY−フリーDNA増幅
本実験を行って、効果的な増幅のためにはAeh1 UvsXがUvsYを必要とするか否かに取組んだ。反応条件は、UvsYを含めた場合、T6 H66S UvsXとの反応では、およびAeh1:500ng/μl Rb69 gp32 UvsX、200ng/μl Aeh1 UvsXおよび80ng/μl Aeh1 UvsYとの反応では400ng/μl Rb69 gp32を用いて反応を行った以外は、図52に示された実験について記載した通りである。プライマーApoB4、およびプライマーApoB300またはApoB3いずれかと組合せて、ヒトゲノムDNAの1000コピーを反応当たり用いた。図64に示すように、Aeh1蛋白質を用いた場合、UvsYの非存在下においては増幅は見られず、他方、UvsYの存在下では、正しいサイズの産物は明らかであった。使用した条件下では、UvsYの存在に対する厳格な依存性と合致して、Aeh1蛋白質はUvsYの非存在下においてDNA増幅を受けることができないと結論された。
修飾されたRb69 UvsX(T6 DNA結合ループ2、ヒツチジン64からセリンへの修飾、および修飾されたC末端(LDEx2))を用いるUvsY−フリーDNA増幅
本実験を行って、T6UvsXのDNA結合ループ2を含有する修飾されたRb69 UvsXが効果的な増幅のためにUvsYを必要とするか否かを調べ、かつT6レコンビナーゼの変種DNA結合ループ2がT6レコンビナーゼのUvsY−非依存性活性を説明するか否かを決定した。使用した反応条件は、以下を例外として、図52に示された実験について記載された通りであった:400ng/μl Rb69 gp32、およびT6
H66S UvsXまたは120ng/μl T6 H64S 2xLDE UvsXいずれかを用いて反応を行った。プライマーApoB4、およびプライマーApoB300またはApoB3いずれかと組合せて、ヒトゲノムDNAの100コピーを反応当たりに用いた。図65に示すように、使用した条件下では、UvsYの存在に対する依存性と合致して、UvsYの非存在下で増幅は観察されなかった。
いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、本実験の1つの解釈は、DNA結合ループ2は、単離において、ハイブリッドレコンビナーゼに対してUvsY―非依存性活性を付与するのには不十分であろうということである。しかしながら、注意を払うべきである。というのは、UvsYの存在下においてさえこの蛋白質では貧弱な増幅が観察されたからである。使用した標準条件下では、T6 H64S 2xLDE UvsXは、効果的なDNA増幅が達成されるのにUvsYを必要とするようであると結論された。
(実施例16)gp32活性
切断速度を調節するにおけるgp32の有効性を測定する能力は、gp32活性を評価するための非常に正確なアプローチであることが判明し、歴史的には評価するのが困難だとされてきたものである。実験を行って、gp32調製の活性のために有用なアッセイを示した。実験条件は以下の通りであった:反応は50μl容量で行った;プローブ(SA−Tamera2;
(配列番号:125、ここにy=thf,b=BHQ2−dT,r=TAMRA−dT,3’=Bio−TEG)は100nMであり;Rb69 pg32は0、40、50、63、83、100、125、167、または250ng/μlの最終濃度で用い;Nfoは33ng/μlで存在させ;緩衝液の条件は20mMトリスアセテート、50mM酢酸カリウム(pH7.9)、10mM酢酸マグネシウム、1mMジチオスレイトールであった。
図66に示すように、本実験の結果は、テトラヒドロフラン残基(THF)によって分離されたフルオロフォアおよびクエンチャーを含有する一本鎖プローブは、緩衝化水溶液中に、およびgp32蛋白質の非存在下で存在した場合、過剰のNfoヌクレアーゼによって迅速に切断することができることを示す。この活性は、NfoはデュプレックスDNA基質のみを標的とするという文献中の主張に拘わらず、この活性はこれらの条件下で頑強であった。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、活性は、本明細書中で用いた条件下では、一過性デュプレックス構造、ヘアピン等の形成によって生起し得る。この活性は、反応混合物に含めた場合、過剰のgp32蛋白質によって完全に抑制された。gp32の質量が徐々に減少した場合、切断活性は、再度、(経時的に蛍光を増加させることによってモニターして)測定され、切断の速度は、これらの限定的最終濃度において加えたgp32の質量によって調節された。さらに、実験において限定的レベルのgp32の濃度を設定することによって、gp32の挙動および回転に対する競合体核酸または温度の効果のような種々の操作の結果を評価するのが可能であった。
gp32分子の異なる種内での生化学的区別
実験を行って、異なる起源の種からのgp32分子が相互に生化学的に区別されるか否かを評価した。実験条件は以下の通りであった:反応は50μl容量で行い;プローブ(SA−Tamra2
(配列番号:126)、ここにy=thf,b=BHQ2−dT,r=TAMRA−dT,3’=Bio−TEG)は100nMであり;Rb69 gp32は80ng/μlの最終濃度で用い、Nfoは33ng/μlで存在し;350秒後、水、dsDNA(550ngヒトゲノムDNA;すなわち、ほぼ10×質量のオリゴヌクレオチドプローブ)またはssDNA(28ピコモルの配列:
(配列番号:127)のオリゴヌクレオチド)のいずれかを加え;緩衝液条件は20mMトリスアセテート、50mM酢酸カリウム(pH7.9)、10mM酢酸マグネシウム、1mMジチオスレイトールであった。測定は、520nMのLED励起および585nMにおける発光を用いるEmbedded System Engineering(ESE,GmbH)によって製造されたフルオロメーターで行った。
最初に、フルオロフォア/クエンチャープローブでのNfoヌクレアーゼによる非常に低い切断活性のみを許容するgp32の濃度を確立した。この濃度において、gp32の利用性は実質的プローブ保護のための最小量に制限され、これらの条件下では、gp32が競合実験においてプローブからgp32が分配されるか否かを非常に感度よく評価することが可能であった。しばらくの間ゆっくりとしたプローブ切断をモニターした後、過剰な二本鎖DNAまたは一本鎖オリゴヌクレオチドを加えて、プローブに対するgp32の分布にこれが影響したか否かを評価した。全ての場合において、一本鎖オリゴヌクレオチドで過剰な付加は、蛍光および、よって、プローブ切断の突然かつ顕著な増加に導く。しかしながら、むしろ興味深いことには、切断が非常に顕著となり、プローブDNAからのgp32の喪失を示すにつれ、T4 gp32はデュプレックスDNAの添加によって強く影響され、他方、Rb69およびAeh1 gp32種は切断においてわずかな増加のみを示したことが発見された。明らかに、Rb69およびAeh1 gp32分子は、T4 gp32よりは一本鎖DNAに好都合にかなり効果的に分けられ、分配された。結果は図67に示し、これは、T4およびRb69 gp32分子は、一本鎖およびデュプレックスDNAの間の分配に関して生物学的に区別されることを示す。
異なるgp32種についての温度制限
プローブ保護アッセイを用いて実験を行って、いずれの高い側温度において、gp32の種々の種が正しく機能しないかを評価した。実験条件は以下の通りであった:反応は50μl容量で行い;プローブ(SA−Tamara2;
(配列番号:128)、ここに、y=thf,b=BHQ2−dT,r=TAMRA−dT,3’=Bio−TEG)の最終濃度は100nMであり;Rb69 gp32は80ng/μlの最終濃度で用い、Nfoは33ng/μlで存在させ;350秒後に、温度を徐々に上昇させ(グラフ参照);緩衝液条件は20mMトリスアセテート、50mM酢酸カリウム(pH7.9)、10mM酢酸マグネシウム、1mMジチオスレイトールであった。測定は、520nMのLED励起および585nMにおける発光にてEmbedded System Engineering(ESE,GmbH)によって製造されたフルオロメーターで行った。
gp32がプローブ保護に関して丁度制限的である状況に導くgp32の濃度を用いた。次いで、温度が反応環境中で徐々に上昇するように熱源を適用した後、反応を注意深くモニターした。示された温度は、反応を含むチューブ近くの利用した蛍光プローブデバイスにおける熱電対および、かくして、反応温度の良好なインジケーターからの読みをいうものであった。図68に示すように、異なるgp32種についての高い側温度の活性の限界に差があった。温度が上昇するにつれ、蛍光曲線の傾きは最初は一定のままであったが、ある地点において、増大し始めた。いずれかの理論に拘束されるつもりはないが、この証拠は、gp32はその有効性を失っていることを示した。なぜならば、蛋白質は構造的に不安定となりつつあったからである。Nfo活性は徐々に増大する解釈よりはむしろこの解釈に対する裏付けは、比較的高い温度までT4 gp32はいずれの速度変化も示さず、他方、他のgp32分子を用いた場合、変化はかなり早く開始するという事実によって供される。特に、Aeh1 gp32は約40℃においてかなり非効率的となり、この地点を超えてはアッセイにおいて活性の顕著な喪失を呈したことが認められた。Rb69
gp32もまた、T4 gp32よりも高い温度は許容性が低いように見え、約42℃によって部分的に影響されるようになった。T4 gp32はかなり抵抗性であって、少なくとも47℃の温度において依然として機能的であった。
データは、本明細書中において、新規で、多様なハイブリッドおよび作成レコンビナーゼ酵素の発見、およびRPA反応を行うためのそのような酵素の利用性を裏付ける。データは、さらに、本明細書中に記載された新規な、多様なハイブリッドおよび作成レコンビナーゼ剤および関連する組換え因子を用いてRPA反応を行うための最適条件の同定を裏付ける。主題の発明の特別な具体例を考察してきたが、前記明細書は例示的なものであって、制限的なものではない。本発明の多くの変形は、本明細書をレビューするに際して当業者に明らかとなるであろう。添付の請求の範囲は全てのそのような具体例および変形を主張する意図ではなく、本発明の十分な範囲は、同等物のその十分な範囲と共に請求の範囲、およびそのような変形と共に明細書を参照することによって決定されるべきである。
以下にリストされる項目を含めた本明細書中で言及した全ての刊行物、特許出願、および特許は、あたかも各個々の刊行物または特許が引用により具体的かつ個々に取り込まれるように示されるかのごとく、引用してその全体をここに援用する。コンフリクトする場合、本明細書中のいずれの定義も含む本出願が支配する。

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  1. 図面に記載された発明。
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